JP3416514B2 - ワイヤ放電加工装置に於けるワイヤ電極の張力制御方法及びその装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工装置に於けるワイヤ電極の張力制御方法及びその装置

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JP3416514B2 JP07484898A JP7484898A JP3416514B2 JP 3416514 B2 JP3416514 B2 JP 3416514B2 JP 07484898 A JP07484898 A JP 07484898A JP 7484898 A JP7484898 A JP 7484898A JP 3416514 B2 JP3416514 B2 JP 3416514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤ放電加工装
置のワイヤ電極引き取り装置とブレーキ制動付与装置間
のワイヤ電極張架走行系に於ける走行ワイヤ電極の張力
制御方法及びその装置に係る。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工装置においては、図12
に例示するようにワイヤ電極1は、加工中、ワイヤ電極
供給ボビン2からガイドプーリ3A、ブレーキ装置4の
ブレーキプーリ4A、給電プーリ等の複数のプーリを経
由して、一対の位置決めガイド7,7が所望間隔を置い
て配置される加工部分5に供給され、必要に応じ1つ以
上のガイドプーリ3B等を経由して引き取り装置6の引
き取りプーリ6Aを経て回収装置に回収されるようにな
っており、前記一対の位置決めガイド間の加工部分5に
於ては、ワイヤ電極が所定の直線状態を維持して走行す
るように、使用するワイヤ電極の線径及び種類、そして
加工の種類や目的等の必要に応じた張力がワイヤ電極に
付与されるようになっている。なお、図に於て、8は被
加工体、9はワイヤ電極の切断送り機構を含む自動結線
装置、10はコンピュータ制御のNC装置、4C及び6
Cはサーボドライバである。
【0003】そしてこの張力付与装置としては、回転速
度が一定に設定又は一定速度となるようにフィードバッ
ク制御されたモータ6Bを有する前記引き取り装置6に
よって一定の速度で走行移動するワイヤ電極1に対し、
パウダクラッチやモータ4Bによる制動力を前記ブレー
キプーリ4Aを介して付与するように構成している所か
ら、引き取りプーリ6Aとブレーキプーリ4A間に於
て、該各プーリとその他のガイドプーリ3A,3B及び
その間に張架走行するワイヤ電極1とにより、その走行
系の機構、構成に特有の振動系を構成し、該振動系に特
有の共振が生じ、走行ワイヤ電極の張力が変化し、これ
が加工面に筋、或いは更に所謂太鼓を発生させ、又はサ
ーボ送りに乱調を生じさせて加工の寸法、形状精度を悪
化させるだけでなく、ワイヤ電極の断線事故を発生させ
る原因ともなっていた。
【0004】従来、斯種のワイヤ電極送給、走行系に固
有の振動又は該振動と外乱との共振などで発生する張力
変動を軽減させてワイヤ電極の安定走行を行なわせるた
めの張力変動制御を行なう制御回路を設けたものとして
特開平2−185321号公報に記載のものが知られて
いる。上記公報に開示のものは、ワイヤ電極走行経路中
へ設置されたプーリの検出回転速度と、引き取りローラ
の検出回転速度又は設定回転速度との速度差信号に適切
なゲインを与えた後に、高周波領域での発振を抑制する
ためにローパスフィルタ等の位相補償を行ない、ブレー
キ装置の制御回路にフィードバックすることにより張力
変動を抑制するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ワイヤ放電加工では、
線径がφ0.05〜0.35mm程度の黄銅製ワイヤ電
極が多く用いられるが、同一又は同種のワイヤ電極を用
いても、使用するワイヤ電極の径寸法によって、前述使
用ワイヤ電極とワイヤ電極走行系によって構成される走
行系の張力変動の周波数、共振周波数が、ワイヤ電極の
線径が小さい(細い)と共振周波数が低く、逆に大きい
(太い)と共振周波数が高い傾向にあると言うように可
成り相違するものである。又、最近では多種多様な加工
を効率良く行なうために、同一線径のワイヤ電極にも黄
銅系合金の外に、例えばタングステンワイヤとか黄銅被
覆鋼線のように材質、種類の異なるワイヤ電極が選定使
用されるようになって来ているが、上述使用ワイヤ電極
とワイヤ電極走行系とによって構成される走行系の張力
変動に対する共振周波数が、使用ワイヤ電極の線径が同
一でも、その種類、即ち材質の違いによっても或る程度
相違するものである。
【0006】従って、前記特開平2−185321号公
報に開示の技術によれば、使用の可能性がある全ての種
類のワイヤ電極に於て張力変動に起因する共振振動を防
止するには、使用の可能性があるワイヤ電極の中で最も
低い共振周波数に符合する遮断(カットオフ)周波数を
有するローパスフィルタを用いる必要があるが、該共振
周波数よりも高い共振周波数を有するより太いワイヤ電
極使用の際には、該高い共振周波数の領域においてはフ
ィードバック回路のゲインが低くなっていることから、
該高い共振周波数の張力変動は安定して確実に制御する
ことが出来ないと言うことになる。又、上述の最も低い
周波数に設定のローパスフィルタでは、フィルタ自体の
位相遅れが大きくなって制御系全体の位相特性を悪化さ
せてしまう。このため制御系の安定性を確保するために
制御ゲインを下げる必要があり、張力変動を所定状態ま
で低減させるに充分な張力制御が出来ないと言う問題を
生じていた。結局、ワイヤ電極の種類及び線径の大小の
使用範囲を広げると、張力変動を制御しきれず、逆に張
力変動をワイヤ放電加工に悪影響や問題が無いレベルに
低減制御できるようにするには、ワイヤ電極の種類及び
線径の大小の使用範囲を制限せざるを得ないと言う問題
が有った。
【0007】前述使用ワイヤ電極とワイヤ電極走行系に
よって構成される走行系の張力変動の状態及びその変動
共振周波数の点に付き説明すると、図13のA−1,A
−2及びB−1,B−2は前述図12のワイヤ電極走行
系に於て、6:4黄銅の線径φ0.2mmのワイヤ電極
1を使用し、ワイヤ電極自動結線装置9の位置に走行ワ
イヤ電極の張力変動検出器を設け、該検出器による検出
信号を増幅して、ブレーキサーボモータ4Bを制御する
サーボドライバ4Cにフィードバックして、張力一定の
制御を行なうようにした場合の、前記フィードバック制
御回路に位相補償フィルタが挿設されていなくて、比例
ゲインと積分ゲイン(PI動作)のみでフィードバック
させた状態での、張力検出波形と該張力検出波形のFF
T波形(高速フーリエ変換波形)とを、A−1,A−2
とB−1,B−2とではワイヤ電極への付与張力WTを
前者1600gに対し、後者800gと言う異なる設定
とし、又A−1,B−1とA−2,B−2とではワイヤ
走行速度WSを前者1タップ(4m/min)に対し、
後者7タップ(8m/min)と言う異なる設定とした
場合の各波形を示すもので、横軸は前記張力変動の検出
波形に対しては200ms/DIVの時間、又FFT波
形に対しては12.5Hz/DIVの周波数が目盛って
ある。この図13によれば、線径がφ0.2mmの黄銅
ワイヤ電極の場合の当該走行系に於ける張力変動の共振
周波数は約55〜60Hzの近傍に在って、この共振周
波数の値は、ワイヤ電極の種類及び径が同一であれば、
ワイヤ電極の設定走行速度WSとワイヤ電極の設定張力
WTの値の変更設定によって大きな影響を受けず、ワイ
ヤ電極の設定走行速度が大きいと共振周波数の振幅が大
きくなることが判る。
【0008】又、図14は、ワイヤ電極径がφ0.15
mmの黄銅で、付与張力650g、走行速度WSタップ
1の場合C−1及びタップ7の場合C−2の各張力波形
とFFT波形を示すもので、線径が細いことから共振周
波数が約45Hzと、径φ0.2mmの場合(図13)
よりも低くなっているが、その他の特性は線径φ0.2
mmの場合と全く同じであった。しかして、図15は、
之等のワイヤ電極の種類と径の違いによる張力変動の共
振周波数の特性を付与張力との関係で示した測定図で、
同一の線種の、例えば黄銅の場合、その線径により、G
印、0.3mmで約72Hz、F印、0.25mmで約
65Hz、前述E印、0.2mmで約55Hz、D印、
0.15mmで約45Hz、及びC印、0.1mmで約
20Hzと、線径と共振周波数とは明らかに反比例の関
係にあって、この関係及びその値は、ワイヤ電極に対す
る付与張力が適当な場合には前述したようにほぼ一定値
であった。しかるに、線径が0.1mmで同一であって
も、線種の違いにより、前述、C印、黄銅で約20Hz
に対し、A印、黄銅被覆鋼線で約36Hz、B印、モリ
ブデン線で約45Hzの各異なる値となり、この値は、
付与張力の違いにかかわらずほぼ一定であった。なお、
図中付与張力400gに於ける、線径φ0.2mm、φ
0.25mm、及びφ0.3mmの各黄銅線の共振周波
数の異常値は、当該線種、線径のワイヤ電極に対する付
与張力の異常低値のためと思われる。即ち、上記付与張
力400gは、黄銅の線径φ0.2〜φ0.3mmのワ
イヤ電極の場合に、通常使用されることのない値であ
る。以上のように使用するワイヤ電極とワイヤ電極走行
系によって構成される走行系の張力変動による共振周波
数は、ワイヤ電極の種類(材質等)及び線径による外、
走行系の機構や走行系を構成する部材の寸法、材質等が
相違することによって各系に固有の異なる値となるが、
同一の機構及び寸法、材質の場合には、機械の違いによ
る差異等は比較的小さい。
【0009】本発明は、走行移動による加工中のワイヤ
電極の張力変動に起因する加工面筋の発生、加工寸法、
精度低下、及びワイヤ電極断線事故の発生等を防止する
ために、ワイヤ電極が走行移動中の走行系と使用ワイヤ
電極の種類及び径とによって固有の張力変動を確実に充
分低減させる張力制御方法及び装置を得ること、又加工
の目的や加工の種類等により種類や線径の異なるワイヤ
電極が使用されることになって前記張力変動の共振周波
数が変化した場合にも、それに対応してその張力変動を
確実に充分低減させることのできる張力制御装置、乃至
はそのような張力制御手段を備えたワイヤ放電加工装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述の本発明の目的は、
(1)ワイヤ電極を引き取り装置とブレーキ装置間で、
一定速度引き取り又は一定速度送り出しに対して前記引
き取り装置又はブレーキ装置を制御することにより前記
ワイヤ電極に所定の張力を付与させた状態で一対の位置
決めガイド間を走行更新移動させ、該ガイド間ワイヤ電
極に被加工体を微小間隙を隔てて相対向せしめ、加工液
を介在させた状態で間歇放電を発生させて加工するワイ
ヤ放電加工に於いて、使用ワイヤ電極に対するNC装置
からの速度設定信号と張力設定信号とからワイヤ電極の
基準速度指令信号を生成し、走行移動ワイヤ電極からの
速度検出信号によってフィードバック制御されている前
記引き取り装置又はブレーキ装置のサーボドライバに、
前記基準速度指令信号を速度指令として供給し制御する
と共に、前記ブレーキ装置と引き取り装置間の張架走行
系を移動中のワイヤ電極から張力検出手段によって検出
した張力検出信号と前記張力設定信号とを差動演算して
得た張力補償信号を、前記基準速度指令信号と加算処理
した信号を前記速度指令として前記サーボドライバを制
御するワイヤ電極の張力制御方法であって、前記使用す
るワイヤ電極の種類及び線径の両方又は何れか一方が相
違することにより変化するワイヤ電極の前記張架走行系
に於ける張力変動共振周波数を、使用するワイヤ電極を
架走行させた状態で前記張力検出手段によりワイヤ電
極から検出し、該検出張力変動共振周波数を遮断周波数
とするローパスフィルタ又は遮断周波数帯域とするバン
ドストップフィルタを選定又は調整設定し、前記張力補
償信号を前記選定又は調整設定したフィルタを介して前
記基準速度指令信号との加算処理に出力させるようにし
たことを特徴とするワイヤ放電加工に於けるワイヤ電極
の張力制御方法とすることにより、又、(2)ワイヤ電
極を引き取り装置とブレーキ装置間で、一定速度引き取
り又は一定速度送り出しに対して前記引き取り装置又は
ブレーキ装置を制御することにより前記ワイヤ電極に所
定の張力を付与させた状態で一対の位置決めガイド間を
走行更新移動させ、該ガイド間ワイヤ電極に被加工体を
微小間隙を隔てて相対向せしめ、加工液を介在させた状
態で間歇放電を発生させて加工するワイヤ放電加工に於
いて、使用ワイヤ電極に対するNC装置からの速度設定
信号と張力設定信号とからワイヤ電極の基準速度指令信
号を生成し、走行移動ワイヤ電極からの速度検出信号に
よってフィードバック制御されている前記引き取り装置
又はブレーキ装置のサーボドライバに、前記基準速度指
令信号を速度指令として供給し制御すると共に、前記ブ
レーキ装置と引き取り装置間の張架走行系を移動中のワ
イヤ電極から張力検出手段によって検出した張力検出信
号と前記張力設定信号とを差動演算して得た張力補償信
号を、前記基準速度指令信号と加算処理した信号を前記
速度指令として前記サーボドライバを制御するワイヤ電
極の張力制御方法であって、ワイヤ放電加工の加工開始
時又はワイヤ電極の交換セット後の加工の開始に際し、
ワイヤ電極を走行移動させて前記張力検出手段によりワ
イヤ電極から張力変動信号を所望回数取り出して記憶
し、該記憶した張力検出信号をフーリェ級数解析して最
も振幅の大きい周波数成分の周波数を算出し、該算出周
波数をワイヤ電極の張架走行系に於ける張力変動共振周
波数として該算出周波数を遮断周波数とするローパスフ
ィルタ又は遮断周波数帯域とするバンドストップフィル
タを選定又は調整設定し、前記張力補償信号を前記選定
又は調整設定したフィルタを介して前記基準速度指令信
号との加算処理に出力させて張力制御を行うようにした
ことを特徴とするワイヤ放電加工に於けるワイヤ電極の
張力制御方法とすることにより、又、(3)前記フィル
タが、LCフィルタ、アクティブフィルタ又はディジタ
ルフィルタの何れかであることを特徴とする(1)又は
(2)に記載のワイヤ放電加工に於けるワイヤ電極の張
力制御方法とすることにより、又、(4)前記フィルタ
が、使用するワイヤ電極の種類及び線径の両方又は何れ
か一方の違いに応じた複数個のワイヤ電極の張力変動共
振周波数に符合する遮断周波数又は遮断周波数帯域の、
各所望複数個の各併設されたローパスフィルタ又はバン
ドストップフィルタの中から切換えにより選定して切換
えられるものであることを特徴とする(1)、(2)又
は(3)に記載のワイヤ放電加工に於けるワイヤ電極の
張力制御方法とすることにより、又、(5)前記フィル
タが、使用するワイヤ電極の種類及び線径の両方又は何
れか一方の違いに応じた複数個のワイヤ電極の張力変動
共振周波数に符合する遮断周波数又は遮断周波数帯域に
可変調整切換えが可能なものであることを特徴とする前
記(1)、(2)、(3)又は(4)に記載のワイヤ放
電加工に於けるワイヤ電極の張力制御方法とすることに
より達成される。
【0011】又、前述の本発明の目的は、(6)ワイヤ
電極を引き取り装置とブレーキ装置間で、一定速度引き
取り又は一定速度送り出しに対して前記引き取り装置又
はブレーキ装置を制御することにより前記ワイヤ電極に
定の張力を付与させた状態で一対の位置決めガイド間
を走行更新移動させ、該ガイド間ワイヤ電極に被加工体
を微小間隙を隔てて相対向せしめ、加工液を介在させた
状態で間歇放電を発生させて加工するワイヤ放電加工の
ワイヤ電極張力制御装置に於いて、走行ワイヤ電極から
の速度検出信号によりフィードバック制御されている前
記引き取り装置又はブレーキ装置のサーボドライバと、
使用ワイヤ電極に対するNC装置からの速度設定信号と
張力設定信号とからワイヤ電極の基準速度指令信号を生
成し、該速度指令信号を速度指令として前記サーボドラ
イバに供給する張力制御信号生成手段と、前記ブレーキ
装置と引き取り装置間のワイヤ電極の張力を検出するよ
うに設けた張力検出手段と、該張力検出手段による走行
移動中のワイヤ電極の張力検出信号と前記張力設定信号
とを差動演算して張力補償信号を生成する手段と、異な
る複数の遮断周波数又は遮断周波数帯域の選定又は調整
設定が可能に構成されたローパスフィルタ又はバンドス
トップフィルタから成るフィルタ手段と、前記張力検
手段によってワイヤ電極から検出した張力変動信号のフ
ーリェ級数解析演算により使用ワイヤ電極の前記ブレー
キ装置と引き取り装置間のワイヤ電極走行系に於ける張
力変動共振周波数を求める手段と、該求められた張力変
動共振周波数に符合する遮断周波数又は遮断周波数帯域
のローバスフィルタ又はバンドストップフィルタを前記
フィルタ手段から選定又は調整設定するフィルタ制御手
段と、前記張力補償信号を前記設定フィルタを介して供
給し、前記基準速度指令信号と加算演算して前記サーボ
ドライバへの補償された速度指令を出力させる前記の張
力制御信号生成手段とから成ることを特徴とするワイヤ
放電加工に於けるワイヤ電極の張力制御装置とすること
により達成されるものである。
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】図1は前述図12に図示説明した
従来例のワイヤ電極の張架走行系の構成とその走行速度
及び張力制御のブロックダイアグラム図とから成る構成
説明図に、本発明の張力制御装置を付加した実施例のブ
ロック構成説明図で、前述図12と同一符合を付した部
分は、同一又は実質上同一の機能物である。図1及び張
力制御装置13の1実施例を示す図2に於いて、ブレー
キプーリ4Aから引き出されるワイヤ電極1は、図示し
ない方向変更プーリ等を経由して一対の位置決めガイド
7、7間の加工部分5へ供給され、1つ以上の方向変更
プーリ3B等を介して引き取りサーボモータ6Bにより
駆動されている引き取りプーリ6Aへと走行移動し、こ
の間に於いて、プーリの偏心やサーボモータ4Bによる
制動力の変動等による外乱等との共振によって張架走行
に使用のワイヤ電極の種類及び線径により固有の周波数
の張力変動共振を生ずる。11は前述張力変動検出のた
めに加工部分5直前の上流部分に設けられたワイヤ電極
の張力検出器である。この張力検出器11は、例えば歪
みゲージである。12は前記検出器11による検出信号
の増幅器、13は図2にその一例を示すように、前記検
出器11による張力の実測値TMとNC装置10から入
力する張力設定値信号TSとワイヤ電極の速度設定信号
SSとによって、ワイヤ電極1の走行移動中に於ける張
力制御信号をブレーキサーボモータ4Bのサーボドライ
バ4Cに速度指令SCとして出力する張力制御装置で、
サーボドライバ4Cをしてサーボモータ4Bを制御し、
ワイヤ電極1の張力変動を減少させる。
【0014】従来装置に於ては、図12に於て説明した
ように、NC装置10への入力、設定等により、該NC
装置10から張力設定信号TSとワイヤ電極走行速度設
定信号SSとを出力させ、これを基準速度設定回路14
により処理して基準速度指令信号を生成させ、該基準速
度指令信号を前記速度指令SCとしてサーボドライバ4
Cに出力して、サーボモータ4Bを制御させ張力を制御
している最も簡単な構成のものの外に前述引用公開公報
記載のもの、及び従来もワイヤ電極1の張力変動を取る
制御をするための張力制御装置のブロックダイアグラム
図の構成が前述図1のものと実質上同一の構成となるも
のが有ったが、その場合の張力検出器11の後段の増幅
器12の前後の制御系に位相補償のために挿設されるロ
ーパスフィルタは、その遮断周波数が、最も使用頻度が
高い種類及び/又は線径のワイヤ電極を使用した場合の
張力変動による共振周波数か、交換等使用するワイヤ電
極中で最も低い共振周波数の1つに合わせて作られた1
つのローパスフィルタが設けられていたものである。
【0015】図2は前述のように図1の張力制御装置1
3の一実施例詳細図で、この実施例は、加工に際して所
望の種類及び線径のワイヤ電極を張架セットしたワイヤ
放電加工の開始時、又は同様に加工開始時ではあるが、
或る加工を終えての次の加工に際して使用ワイヤ電極の
種類及び線径の両方又は何れか一方が異なるワイヤ電極
を使用することとなった場合等に対応する張力制御装置
の実施例ブロックダイアグラム図である。図に於て、1
4は前記NC装置10に於ける設定入力又はプログラム
等の読み出しにより出力されるワイヤ電極1の速度設定
信号SSと張力設定信号TSとからワイヤ電極1の基準
速度指令信号を生成出力する基準速度設定回路、15
は、前述基準速度指令信号が後述張力変動補償等をした
状態でサーボドライバ4Cに速度指令SCを出力させた
状態とし、NC装置10の指令によりワイヤ電極の張架
走行を開始させた状態として、前記張力設定信号TSと
前記張力検出器11からの張力検出信号TMとを差動演
算して張力の設定信号と実測信号との偏差による張力補
償信号TCを造る加算回路で、該張力補償信号TCは増
幅回路16で適宜増幅等し、前記基準速度指令信号と加
算回路17で差動演算して前述速度指令SCをサーボド
ライバ4Cに出力するようになっている。
【0016】18は前記張力補償信号TCの位相遅れ補
償のために本発明に於て用いられるフィルタ装置で、特
性上の分類から言えば、ローパスフィルタ(低減通過フ
ィルタ)か、又はバンドストップフィルタ(バンドエリ
ミネイションフィルタ、ノッチフィルタ又は帯域阻止フ
ィルタ)であり、又、構成上の分類から言えば、LCフ
ィルタ(パッシブフィルタ)、アクティブフィルタ(R
C能動フィルタ、アナログアクティブフィルタ)、エレ
クトロ・メカニカルフィルタ、又はディジタルフィルタ
等であり、又前記フィルタ装置18としての構成は、例
えば上記LCフィルタを用いて、当該ワイヤ放電加工機
で、交換着け換えて使用する可能性のあるワイヤ電極1
の種類及び線径に応じ、例えば何れも黄銅線で、線径が
φ0.1mmと、φ0.2mmと、及びφ0.3mmの
3種類の線径のワイヤ電極を使用する可能性がある場合
には、カットオフ周波数が20Hzと、55Hzと、及
び72Hzの3つのローパスフィルタ、又は遮断周波数
帯域が同じく20Hzと55Hzと及び72Hzの3つ
のバンドストップフィルタを、夫々切換選定可能に並設
して設けるか、又はカットオフ周波数又は遮断周波数帯
域が上記3つの周波数に切換え調整設定が可能な各可変
のローパスフィルタ、又は可変のバンドストップフィル
タから成るもので、上記フィルタ装置18は、該LCフ
ィルタに替えて上記アクティブフィルタやディジタルフ
ィルタ等を用いる場合にも、ほぼ同等の機能を有するよ
うに構成して使用されるものである。
【0017】19は、前記NC装置10からの、ワイヤ
放電加工機のワイヤ電極走行系にワイヤ電極を張架走行
を開始させたとの信号入力があると、前記張力検出装置
11による現に走行移動中のワイヤ電極の張力変動信号
を検出して取り込み、該取り込んだ張力検出信号を、高
速フーリエ変換(FFT)して解析した張力変動周波数
の中から、振動振幅が最大の周波数成分の振動を、当該
ワイヤ電極の走行系に於ける張力変動の共振周波数とし
て取り出し、前記フィルタ装置18に対しては、上記検
出した共振周波数をカットオフ周波数とするローパスフ
ィルタ、又は遮断周波数帯域とするバンドストップフィ
ルタを選定して切換えるか、又は可変調整して設定する
指令信号を出力し、又切換え回路20に前記張力補償信
号TCを加算回路15から該切換回路20を介して増幅
回路16に出力するように切換えられていたのを、該張
力補償信号TCをフィルタ装置18内の選定されたフィ
ルタ又は可変調整設定されたフィルタを介して出力する
ように切換信号を出力するフィルタ決定演算指令装置で
ある。
【0018】しかして、ワイヤ電極1が、前述φ0.2
mmの黄銅、付与張力WT=1600gと、WT=80
0gで、ワイヤ電極の走行速度WS1=4m/min
と、WS7=8m/minの時の、前記張力補償信号T
Cがフィルタによって位相遅れ補償されていない場合の
張力検出波形と、該張力検出波形のFFT波形は、前述
図13のA−1、A−2及びB−1、B−2の如くなっ
ているものであるが、このフィルタ無し時のこの自動制
御系の開ループ伝達関数のゲイン特性と位相特性を示す
と図16の通りで、位相余有及びゲイン余有も共に僅か
ながらマイナスで、両特性とも悪く、系の制御に安定性
を欠き、前述図13に示したように張力変動が取れない
で制御が出来ない状態に在ることが判る。然るに、図2
に於いて、フィルタ決定演算指令装置19により、加工
開始前の張架セットにより走行移動中のワイヤ電極1の
種類及び線径が、検出張力信号TMを装置19でFFT
解析をすることにより黄銅で線径φ0.2mm、その共
振周波数が約55Hzと算出処理により検知されると、
前記装置19はフィルタ装置18に前記算出周波数55
Hzをカットオフ周波数とする、例えば、ローパスフィ
ルタを選定して切換えるか、又は可変調整可能なローパ
スフィルタのカットオフ周波数を上記の算出共振周波数
に調整、設定し、前記張力補償信号TCが、該ローパス
フィルタを介して増幅回路16に出力するように切換回
路20を切換えてワイヤ放電加工が開始されることにな
るが、上記選定又は調整設定されたローパスフィルタ
(図示の場合FIR、即ち有限インパルス応答形ローパ
スフィルタ)のゲイン特性と位相特性が夫々図3の3A
と3Bのボード線図に示す特性であったとすると、図1
3の張力検出波形とFFT波形に対応する波形図は、そ
のA−1、A−2及びB−1、B−2が,夫々図4の4
A−1、4A−2及び4B−1、4B−2の如くなり、
その張力検出波形に依れば、張力変動が相当程度制御に
よって取り除かれていることが判る。図5は、上記選定
又は調整設定されたFIRローパスフィルタを挿入した
フィードバック制御系の開ループ伝達関数を測定した時
のゲイン特性と位相特性を示すもので、位相が−180
°になる角周波数(制御周波数)が約37Hzでゲイン
余有が約6dBあり、位相特性はフィルタ無しの場合よ
りも悪化しているが、ゲイン特性の著しい改善により、
作動安定性が良くなり張力変動が制御できるようになっ
たものと思われる。
【0019】図6は前述ローパス型のフィルタ装置18
に替えて、ノッチフィルタ(バンドストップフィルタ)
を使用した場合の前記図2の張力制御装置13の変更構
成例のブロックダイアグラム説明図で、この場合のノッ
チフィルタ18′は、例えば図7に示すようにディジタ
ルフィルタとして構成されている。このため、前述のフ
ィルタ決定演算指令装置19は、ディジタル型ノッチフ
ィルタのフィルタ係数を、前記張力検出信号TMを高速
フーリエ変換して求めた最も振幅の大きい周波数成分の
共振周波数から演算して求め、該求めたフィルタ係数を
ノッチフィルタ18′に指令信号として出力するフィル
タ係数演算指令装置19′として構成される。そして、
フィルタ係数が張力検出信号TMに応じて演算され、該
フィルタ係数が設定されたノッチフィルタ18′のゲイ
ン特性と位相特性が図8の8Aと8Bのボード線図で示
す特性であった(前述ローパスフィルタの場合と同様、
φ0.2mmの黄銅ワイヤ電極使用の場合の張力変動共
振周波数55Hzに対応するように、フィルタ係数の設
定で遮断周波数が約55Hzに設定されている。)とす
ると、該ノッチフィルタ18′を介して出力され、増幅
回路16で増幅し、前記基準速度指令信号と加算回路1
7により差動演算して生成される速度指令SCに基づき
サーボドライバ4Cが作動して制御され、ワイヤ電極の
走行系に於ける張力変動とそれに伴なう振動は、図9
の、前述図13と図4に対応する張力WT=1600g
で速度WS=1タップと7タップ、及び張力WT=80
0gで速度WS=1タップと7タップの9A−1,9A
−2及び9B−1,9B−2の波形図に示すように、ほ
ぼ制御の目的通りに取り除かれていることが判る。そし
てこの結果によれば、前述図8のゲインと位相特性の適
合性によるものと思われるが、張力変動の除去特性は、
前述図3〜図4のローパスフィルタの場合より幾分優れ
ていた。
【0020】図10は、上記フィルタ係数の算出、出力
調整により、張力検出信号TMの振動共振周波数の成分
を遮断周波数とするノッチフィルタ18′をフィードバ
ック制御系に挿入して張力変動の制御を行った際の、該
制御系の開ループ伝達関数を測定した時のゲイン特性と
位相特性を示すもので、この特性図によれば、前述ロー
パスフィルタを使用した場合の図5の特性図と比較する
と、周波数37Hz以上の帯域での位相遅れが、制御周
波数帯域で19Hz改善され、これにより、ゲイン余有
が増大して系の制御特性が安定し、制御ゲインが高く取
れたためと思われる。
【0021】図11は、前述図6に示した張力制御装置
13のブロックダイアグラム図の動作の1例を示すフロ
ーチャート図で、加工の開始等に際し、使用ワイヤ電極
の種類と線径及び張架走行系の張力変動制御に合致した
張力制御装置の張力制御特性(ゲイン及び位相特性)を
改善するためのフィルタの選定又は調整設定動作が、N
C装置10からのワイヤ電極走行開始指令入力によりス
テップS100で開始される。次にステップS101に
於て、フィルタ係数演算指令装置19′に切換回路20
にB切換え指令をして、張力設定信号TSと張力検出信
号TMとの加算回路15により差動演算した張力補償信
号TCをノッチフィルタ18′を介することなく、即ち
位相遅れ補償することなく増幅回路16等を介して加算
回路17に出力し、次のステップS102で基準速度設
定回路14にNC装置10からの速度設定信号SSと張
力設定信号TSとを受けて基準速度指令信号を前記加算
回路17に出力させる。ここで張力制御装置13は、ス
テップS103の前記加算回路17による前記張力補償
信号TCと基準速度指令信号との差動演算による生成速
度指令SCによりサーボドライバ4Cの作動を制御し、
ブレーキ装置4のサーボモータ4Bを制御して走行移動
中の張力が張力検出信号TMとして検出されて、再び前
記速度指令が更新されるところの張力制御の循環に入る
ことになる。
【0022】ここでフィルタ係数演算指令装置19′は
ステップS104で前記張力検出信号TMから張力値デ
ータを次々と取り込み記憶し、次のステップS105で
取り込み記憶した張力値データが100個に達したかが
判断され、100データに達すると次のステップS10
6に進み、FFT解析のための前記100データのフー
リエ級数への展開(ステップS106)、フーリエ級数
から周波数毎の振幅の算出(ステップS107)、最も
振幅の大きい周波数成分(共振周波数)の算出(ステッ
プS108)、ノッチフィルタの係数算出(ステップS
109)、そしてノッチフィルタ18′にフィルタ係数
を調整設定の指令信号として出力するステップS110
及び切換回路20にA切換え指令(新たにフィルタ係数
を設定したノッチフィルタを張力制御のフィードバック
制御回路に挿入)するステップS111へと進み、次い
でワイヤ放電加工中の、例えば図9及び図10の張力制
御の循環作動工程に入ることになる。
【0023】以上は、本発明を図示した実施例により説
明したが、本発明は本発明の精神を逸脱しない範囲で、
各部に変更を加えての実施が可能なこと当業者には明ら
かなことである。例えば、前述図示実施例では、本発明
によりフィルタ係数が決定設定され所望複数個を縦続接
続したノッチフィルタを、張力制御装置、延いては張力
補償制御回路中の張力補償信号を生成させる加算回路の
出力と該張力補償信号を基準速度指令信号に加算処理し
てサーボドライバに新たな速度指令SCを生成する加算
回路との間に設けられているが、上記ノッチフィルタは
ワイヤ電極から張力検出器によって検出された張力検出
信号TM中から所定の張力変動共振周波数の信号を、最
終的にサーボドライバに速度指令SCとして供給される
迄の間に取り除けば良いのであるから、前記ノッチフィ
ルタは所望により前記張力検出器の検出信号出力部位か
ら前記サーボドライバへの速度指令SCの信号入力の部
位間の任意の部位に設けられるものである。又、前述図
示実施例では、ワイヤ電極を引き取り装置によって一定
速度で引き取るのに対し、ブレーキ装置のサーボモータ
をそのサーボドライバに対する張力制御指令を与えるよ
うに構成して張力制御を行っているが、之とは逆に、即
ち、ワイヤ電極をブレーキ装置側から一定速度で送り出
すように構成しておいて、引き取り装置側のサーボモー
タをそのサーボドライバに対する本発明の張力制御指令
を与えて制御する構成とすることができること当業者に
は明らかである。
【0024】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のワ
イヤ放電加工のワイヤ電極の張力制御方法及び装置によ
れば、使用するワイヤ電極の種類及び線径の両方又は何
れか一方の選定張架使用に応じて変化するワイヤ電極張
架走行系の張力変動共振周波数をカットオフ周波数とす
るローパスフィルタ又は前記共振周波数成分を遮断周波
数帯域とするバンドストップフィルタを選定切換え、又
は調整設定して、該フィルタをワイヤ電極の張力制御の
フィードバック制御系に導入して、該制御系の位相遅れ
を補償するようにしたので、前記フィルタのカットオフ
周波数又は遮断用周波数帯域は、被制御系の張力変動共
振周波数に合致して居り、位相遅れ補償が充分に行なわ
れ、ゲイン余裕も生じることから、充分な張力制御が行
なわれ、ワイヤ放電加工機に於ける使用ワイヤ電極の種
類及び線径の大小の使用範囲を拡大し、そして実際に加
工をした際にワイヤ電極の張力変動がないから、加工面
に筋の発生や太鼓の発生がなく、加工形状精度が高く
て、ワイヤ電極断線の少ない好適な加工を行なうことが
できるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例装置の全体構成の説明図。
【図2】本発明の張力制御装置部分の一実施例の構成を
説明するためのブロックダイアグラム図。
【図3】本発明の一実施例に於て使用されたローパスフ
ィルタのゲイン特性図(3A)、と位相特性図(3
B)。
【図4】本発明の一実施例に於ける張力と走行移動速度
が異なるワイヤ電極の張力検出波形(横軸:時間)とF
FT波形(横軸:周波数)の特性図。
【図5】本発明の一実施例に於ける開ループ伝達関数を
測定した際のFIRローパスフィルタのゲイン特性と位
相特性のボード線図。
【図6】本発明の張力制御装置部分の別の実施例構成を
説明するためのブロックダイアグラム図。
【図7】本発明の上記別の実施例に於けるフィルタ(ノ
ッチフィルタ)の構成を示す図。
【図8】本発明の上記別の実施例に於て使用されたノッ
チフィルタのゲイン特性図(8A)と、位相特性図(8
B)。
【図9】本発明の上記別の実施例に於ける張力と走行移
動速度が異なるワイヤ電極の張力検出波形(横軸:時
間)とFFT波形(横軸:周波数)の特性図。
【図10】本発明の上記別の実施例に於ける開ループの
伝達関数を測定した際のノッチフィルタのゲイン特性と
位相特性のボード線図。
【図11】本発明の上記別の実施例の作動を説明するた
めのフローチャート図。
【図12】従来例装置の全体構成例の説明図。
【図13】上記従来例装置に於ける張力と走行移動速度
が異なるワイヤ電極の張力検出波形(横軸:時間)とF
FT波形(横軸:周波数)の特性図。
【図14】上記図13とは異なる線径のワイヤ電極に於
ける異なる走行移動速度の時の張力検出波形とFFT波
形の特性図。
【図15】異なる線種、線径のワイヤ電極の、付与張力
(横軸)に対する張力変動共振周波数の特性図。
【図16】上記従来例装置に於ける開ループ伝達関数を
測定した際の制御系のゲイン特性と位相特性のボード線
図。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極 2 ワイヤボビン 3A,3B プーリ 4 ブレーキ装置 4A ブレーキプーリ 4B 速度検出器付サーボモータ 4C サーボドライバ 5 ワイヤ放電加工部分 6 引き取り装置 6A 引き取りプーリ 6B 速度検出器付引き取りモータ 6C サーボドライバ 7,7 位置決めガイド 8 被加工体 9 自動結線装置 10 NC装置 11 張力検出器 12 増幅回路 13 張力制御装置 14 基準速度設定回路 15,17 加算回路 16 増幅回路 18 フィルタ装置 18′ ノッチフィルタ 19 フィルタ決定演算指令装置 19′ フィルタ係数演算指令装置 20 切換回路 SS ワイヤ電極速度設定信号 TS ワイヤ電極張力設定信号 TM ワイヤ電極張力検出信号 TC ワイヤ電極張力補償信号 SC 速度指令
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南川 真輝 神奈川県横浜市都筑区仲町台3−12−1 株式会社ソディック 本社・技術セン ター内 (56)参考文献 特開 平2−185321(JP,A) 特開 平3−281123(JP,A) 特開 平5−312657(JP,A) 特開 平4−261716(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 7/10 B23H 7/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ電極を引き取り装置とブレーキ装置
    間で、一定速度引き取り又は一定速度送り出しに対して
    前記引き取り装置又はブレーキ装置を制御することによ
    り前記ワイヤ電極に所定の張力を付与させた状態で一対
    の位置決めガイド間を走行更新移動させ、該ガイド間ワ
    イヤ電極に被加工体を微小間隔を隔てて相対向せしめ、
    加工液を介在させた状態で間歇放電を発生させて加工す
    るワイヤ放電加工に於いて、 使用ワイヤ電極に対するNC装置からの速度設定信号と
    張力設定信号とからワイヤ電極の基準速度指令信号を生
    成し、走行移動ワイヤ電極からの速度検出信号によって
    フィードバック制御されている前記引き取り装置又はブ
    レーキ装置のサーボドライバに、前記基準速度指令信号
    を速度指令として供給し制御すると共に、 前記ブレーキ装置と引き取り装置間の張架走行系を移動
    中のワイヤ電極から張力検出手段によって検出した張力
    検出信号と前記張力設定信号とを差動演算して得た張力
    補償信号を、前記基準速度指令信号と加算処理した信号
    を前記速度指令として前記サーボドライバを制御するワ
    イヤ電極の張力制御方法であって、 前記使用するワイヤ電極の種類及び線径の両方又は何れ
    か一方が相違することにより変化するワイヤ電極の前記
    張架走行系に於ける張力変動共振周波数を、使用するワ
    イヤ電極を張架走行させた状態で前記張力検出手段によ
    りワイヤ電極から検出し、該検出張力変動共振周波数を
    遮断周波数とするローパスフィルタ又は遮断周波数帯域
    とするバンドストップフィルタを選定又は調整設定し、
    前記張力補償信号を前記選定又は調整設定したフィルタ
    を介して前記基準速度指令信号との加算処理に出力させ
    るようにしたことを特徴とするワイヤ放電加工に於ける
    ワイヤ電極の張力制御方法。
  2. 【請求項2】ワイヤ電極を引き取り装置とブレーキ装置
    間で、一定速度引き取り又は一定速度送り出しに対して
    前記引き取り装置又はブレーキ装置を制御することによ
    り前記ワイヤ電極に所定の張力を付与させた状態で一対
    の位置決めガイド間を走行更新移動させ、該ガイド間ワ
    イヤ電極に被加工体を微小間隙を隔てて相対向せしめ、
    加工液を介在させた状態で間歇放電を発生させて加工す
    るワイヤ放電加工に於いて、 使用ワイヤ電極に対するNC装置からの速度設定信号と
    張力設定信号とからワイヤ電極の基準速度指令信号を生
    成し、走行移動ワイヤ電極からの速度検出信号によって
    フィードバック制御されている前記引き取り装置又は
    レーキ装置のサーボドライバに、前記基準速度指令信号
    を速度指令として供給し制御すると共に、 前記ブレーキ装置と引き取り装置間の張架走行系を移動
    中のワイヤ電極から張力検出手段によって検出した張力
    検出信号と前記張力設定信号とを差動演算して得た張力
    補償信号を、前記基準速度指令信号と加算処理した信号
    を前記速度指令として前記サーボドライバを制御するワ
    イヤ電極の張力制御方法であって、 ワイヤ放電加工の加工開始時又はワイヤ電極の交換セッ
    ト後の加工の開始に際し、ワイヤ電極を走行移動させて
    前記張力検出手段によりワイヤ電極から張力変動信号を
    所望回数取り出して記憶し、該記憶した張力検出信号を
    フーリェ級数解析して最も振幅の大きい周波数成分の周
    波数を算出し、該算出周波数をワイヤ電極の張架走行系
    に於ける張力変動共振周波数として該算出周波数を遮断
    周波数とするローパスフィルタ又は遮断周波数帯域とす
    るバンドストップフィルタを選定又は調整設定し、前記
    張力補償信号を前記選定又は調整設定したフィルタを介
    して前記基準速度指令信号との加算処理に出力させて張
    力制御を行うようにしたことを特徴とするワイヤ放電加
    工に於けるワイヤ電極の張力制御方法。
  3. 【請求項3】前記フィルタが、LCフィルタ、アクティ
    ブフィルタ又はディジタルフィルタの何れかであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤ放電加工に
    於けるワイヤ電極の張力制御方法。
  4. 【請求項4】前記フィルタが、使用するワイヤ電極の種
    類及び線径の両方又は何れか一方の違いに応じた複数個
    のワイヤ電極の張力変動共振周波数に符合する遮断周波
    数又は遮断周波数帯域の、各所望複数個の各併設された
    ローパスフィルタ又はバンドストップフィルタの中から
    切換えにより選定して切換えられるものであることを特
    徴とする請求項1、2又は3に記載のワイヤ放電加工に
    於けるワイヤ電極の張力制御方法。
  5. 【請求項5】前記フィルタが、使用するワイヤ電極の種
    類及び線径の両方又は何れか一方の違いに応じた複数個
    のワイヤ電極の張力変動共振周波数に符合する遮断周波
    数又は遮断周波数帯域に可変調整切換えが可能なもので
    あることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の
    ワイヤ放電加工に於けるワイヤ電極の張力制御方法。
  6. 【請求項6】ワイヤ電極を引き取り装置とブレーキ装置
    間で、一定速度引き取り又は一定速度送り出しに対して
    前記引き取り装置又はブレーキ装置を制御することによ
    り前記ワイヤ電極に所定の張力を付与させた状態で一対
    の位置決めガイド間を走行更新移動させ、該ガイド間ワ
    イヤ電極に被加工体を微小間隙を隔てて相対向せしめ、
    加工液を介在させた状態で間歇放電を発生させて加工す
    るワイヤ放電加工のワイヤ電極張力制御装置に於いて、 走行ワイヤ電極からの速度検出信号によりフィードバッ
    ク制御されている前記引き取り装置又はブレーキ装置の
    サーボドライバと、使用ワイヤ電極に対するNC装置か
    らの速度設定信号と張力設定信号とからワイヤ電極の基
    準速度指令信号を生成し、該速度指令信号を速度指令と
    して前記サーボドライバに供給する張力制御信号生成手
    段と、前記ブレーキ装置と引き取り装置間のワイヤ電極
    の張力を検出するように設けた張力検出手段と、該張力
    検出手段による走行移動中のワイヤ電極の張力検出信号
    と前記張力設定信号とを差動演算して張力補償信号を生
    成する手段と、 異なる複数の遮断周波数又は遮断周波数帯域の選定又は
    調整設定が可能に構成されたローパスフィルタ又はバン
    ドストップフィルタから成るフィルタ手段と、前記張力
    出手段によってワイヤ電極から検出した張力変動信
    のフーリェ級数解析演算により使用ワイヤ電極の前記ブ
    レーキ装置と引き取り装置間のワイヤ電極走行系に於け
    る張力変動共振周波数を求める手段と、該求められた張
    力変動共振周波数に符合する遮断周波数又は遮断周波数
    帯域のローバスフィルタ又はバンドストップフィルタを
    前記フィルタ手段から選定又は調整設定するフィルタ制
    御手段と、前記張力補償信号を前記設定フィルタを介し
    て供給し、前記基準速度指令信号と加算演算して前記サ
    ーボドライバへの補償された速度指令を出力させる前記
    の張力制御信号生成手段とから成ることを特徴とするワ
    イヤ放電加工に於けるワイヤ電極の張力制御装置。
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