JP2014200535A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

【課題】使い勝手を維持しながら、洗浄性能を向上させること。
【解決手段】洗濯兼脱水槽４を回転自在に配置した水槽３と、洗濯兼脱水槽４を回転させる駆動手段７と、洗濯兼脱水槽４の回転時に水槽３内の水が通過する循環水路１５と、水槽３および洗濯兼脱水槽４の上部を覆い、洗濯兼脱水槽４へ被洗浄物２５を投入する開口部１６ａを有する受けカバー１６と、循環水路１５からの水を洗濯兼脱水槽４に吐出する吐出経路１７とを備え、吐出経路１７の吐出口１８は、吐出経路１７の縦断面形状よりも横方向に長く高さ方向に短い形状にすることにより、洗濯兼脱水槽４のほとんど全ての範囲に洗濯水またはすすぎ水が注水されることになり、洗濯兼脱水槽４の被洗浄物２５にムラなく洗濯水またはすすぎ水を供給することができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、使い勝手を維持しながら、洗浄性能を向上させる洗濯機に関するものである。

従来、この種の洗濯機１は図６に示すような構成をしている。以下、その構成について説明する。

図６に示す従来の洗濯機１の縦断面図において、洗濯機1は、吊り棒２により水槽３を吊り下げており、水槽３の内部に、洗濯兼脱水槽４が脱水時に回転できるように設けている。洗濯兼脱水槽４は、底部にパルセータ５を回転自在に配設し、パルセータ５と一体に下側羽根６を設けている。駆動手段７は、減速機構８および回転軸９を介してパルセータ５または洗濯兼脱水槽４を駆動する。

リント水路１０は、パルセータ５の下側羽根６外周のポンプ室１１から洗濯兼脱水槽４の上部または中部に至るように設け、上部または中部に着脱可能なリントフィルタ１２を設けている。

排水弁１３は水槽３内の洗濯水を排水するものであり、給水弁１４は水槽３内に給水するものである。

水槽３および洗濯兼脱水槽４に洗濯水が存在する状態で洗濯兼脱水槽４が駆動手段７により回転すると、洗濯水が遠心力を受けて上昇していく循環水路１５を水槽３に設けている。

水槽３の上部には、水槽３および洗濯兼脱水槽４の上部を覆う受けカバー１６が配置されており、受けカバー１６には、循環水路１５を介して上昇してきた洗濯水が流れる吐出経路１７が設けられている。吐出経路１７は、洗濯水が洗濯兼脱水槽４内に吐出するように吐出口１８を設けている。

受けカバー１６は、吐出口１８から洗濯水が吐出されるときに、被洗浄物２５に洗濯水が衝突して受けカバー１６外に飛散しないように内蓋１９を設けている。内蓋１９は、被洗浄物２５の出し入れ時に受けカバー１６の開口部１６ａを開放する目的で、受けカバー１６の開口部１６ａを自在に開閉できるように受けカバー１６に取り付けられている。

受けカバー１６には、給水弁１４から供給される洗濯水が洗濯兼脱水槽４内に供給されるように給水穴２０が設けられている。また、洗濯兼脱水槽４の上部には脱水時の振動を低減させるための流体バランサー２１を設けている。

洗濯機１の上部を構成する上部枠体２２に蓋２３を開閉自在に設け、また、その前方に制御手段２４を設けている。

上記構成において動作を説明すると、使用者が洗濯したい被洗浄物２５を洗濯兼脱水槽４に洗剤とともに投入し、スタートボタン(図示しない)を押すことで、給水弁１４から所定量の洗濯水が水槽３に供給される。洗濯水が供給されると、減速機構８および回転軸９を介して駆動手段７により、洗濯兼脱水槽４が回転する。洗濯兼脱水槽４が回転すると、洗濯水が遠心力を受けて水槽３に設けられた循環水路１５、受けカバー１６に設けられた
吐出経路１７を流れていき、吐出口１８から洗濯兼脱水槽４内へと供給される。その結果、洗濯水が被洗浄物２５の上部から注水されることになる。こうして、被洗浄物２５から汚れを落とす第一の洗い行程が行われる。

所定時間の第一の洗い行程が終了すると、パルセータ５が所定の回転数で正転したり反転したりして、洗濯兼脱水槽４内の洗濯水および被洗浄物２５を攪拌して、被洗浄物２５から汚れを落とす第二の洗い行程が行われる。

なお、第一の洗い行程と第二の洗い行程の順番を反対にして被洗浄物２５を洗うようにしても、被洗浄物２５の洗い性能が悪化しなかったり、機器に問題が発生しなければ、特に問題はないものである。

所定時間の第二の洗い行程が終了すると、排水弁１３が動作して水槽３内の洗濯水を排水し、排水が終わると、減速機構８および回転軸９を介して駆動手段７により、洗濯兼脱水槽４が所定の回転数で回転して、被洗浄物２５が含む洗濯水および洗濯兼脱水槽４内の洗濯水の残水を分離して排水する脱水行程が行われる。

脱水行程が所定時間行われると、再び給水弁１４から所定量のすすぎ水が水槽３に供給され、パルセータ５が所定の回転数で正転したり反転したりして、洗濯兼脱水槽４内のすすぎ水および被洗浄物２５を攪拌して、被洗浄物２５に残っている洗剤成分を除去するすすぎ行程が行われる。

所定時間のすすぎ行程が終了すると、排水弁１３が動作して水槽３内のすすぎ水を排水し、排水が終わると、駆動手段７により洗濯兼脱水槽４が所定の回転数で回転して、被洗浄物２５および洗濯兼脱水槽４内の洗濯水の残水を分離して排水する脱水行程が行われる。

このすすぎ−脱水行程は複数回行われる。

所定回数のすすぎ行程が終了すると、最後の脱水行程、すなわち最終脱水行程が行われて運転が終了する。

なお、すすぎ行程において、駆動手段７により洗濯兼脱水槽４を回転させながら、給水弁１４から給水してすすぐ滝すすぎ方式で行ってもよい（滝すすぎ方式は水槽にすすぎ水を溜めないですすぐ方式である）。
図６に示すように、洗濯水の水位の最大高さがバランサー２１の下面Ｗまでに対して、使用者が乾燥した被洗浄物２５を洗濯兼脱水槽４のバランサー２１の上面近傍まで投入すると、洗濯水に浸らない被洗浄物２５が発生する。被洗浄物２５は水に浸るとバランサー２１の下面高さにまで体積が小さくなるので、給水弁１４からの給水中や第一の洗い行程での吐出口１８からの洗濯水の注水で、バランサー２１の上面近傍にある被洗浄物２５を水に濡らすことが必要になる。そうすることで、第二の洗い行程で被洗浄物２５を洗濯水に浸すことができて洗うことができる。
一方、洗濯兼脱水槽４を回転させながら、給水弁１４から給水してすすぐ滝すすぎ方式では、水槽３内に水を溜めないので、使用水量を大幅に削減することができるが、給水弁１４から供給される水が上方にある被洗浄物２５に均一に供給されないとすすぎムラが発生してしまう。
そのため、図７に示すように、給水弁１４からの給水口１４ａの投影面積Ａよりも、給水弁１４から供給される水が被洗浄物２５により広範囲に供給されるように、受けカバー１６の給水穴２０が形成されている（給水穴配置面積Ｂ）。
こうすることで、第一の洗い行程開始時に被洗浄物２５をより早く水に濡らすことができ
、また滝すすぎでは、被洗浄物２５に均一に水を供給することができるので、被洗浄物２５の洗い、すすぎ性能を向上させることができる。
しかしながら、給水穴配置面積Ｂを広くすると、図７に示すように、吐出経路１７の配置される場所および経路幅が小さくなってしまい、吐出口１８から洗濯兼脱水槽４に供給される洗濯水の注水面積Ｃが小さくなってしまう。そのため、第一の行程で吐出口１８から注水される注水エリアＷＡでは被洗浄物２５に均一に洗濯水が供給されないので、洗濯水の水面よりも上方にあって洗濯水が供給されない被洗浄物２５が存在してしまい、被洗浄物２５に洗いムラが発生してしまう。
また、図７に示すように、受けカバー１６の給水穴２０と反対側に第二の吐出経路２６を設ければ、第二の吐出経路２６の経路幅および第二の吐出口２７の横幅を広くすることができるので、第二の吐出口２７からの注水幅Ｄは広くなる。しかしながら、第二の吐出経路２６および第二の吐出口２７が配置される給水穴２０の反対側は洗濯機１の手前側になるので、被洗浄物２５の出し入れ性から、洗濯機１の手前側の受けカバー１６は流体バランサー２１の内径形状とほぼ同形状に形成されているため、第二の吐出経路２６および第二の吐出口２７の形状も流体バランサー２１の内径形状とほぼ同形状に形成しなければならなくなる。
そうなると、図７に示すように、第二の吐出口２７から洗濯兼脱水槽４への注水形状は、洗濯兼脱水槽４の上方から見た中心を基準とした円形状と略同等となるので、被洗浄物２５と接触する半径方向の注水幅Ｅは逆に狭くなってしまい、第二の吐出口２７から注水される注水エリアＷＢでは洗いムラの改善は可能であるが洗濯兼脱水槽４の略中央部には注水されないので略中央部の洗いムラが改善されないとともに、第二の吐出口２７から洗濯水を注水する分だけ、より多くの洗濯水を循環させなければならないので、駆動手段７への負荷が大きくなり駆動手段７の能力アップが必要になる。そのため、駆動手段７が大きく且つ重くなるので、洗濯機１の製品重量が増加して、洗濯機１の設置性が悪化する等の問題が発生する。
この問題を解決するために、図８に示すように、第二の吐出口２７から洗濯兼脱水槽４へ注水される形状が、洗濯兼脱水槽４の上方から見た中心から外周方向に向かって注水される形状になるように、第二の吐出経路２６および第二の吐出口２７が配置される受けカバー１６の形状を変更すればよいが、このときは、受けカバー１６の開口部１６ａの面積が小さくなり、また洗濯機１の手前側狭くなるので、使用者が被洗浄物２５を投入しにくくなり、使用者の使い勝手が悪くなってしまう。また、第二の吐出口２７から洗濯水を注水するために駆動手段７の能力アップが必要であり、その分だけ駆動手段７の重量が増加し、洗濯機１の製品重量が増加して設置性が悪化するという問題を解決するものでもない。

特開２０１０−１６６９９２号広報

図６〜図８に示されるような従来の洗濯機１の構成では、洗いまたはすすぎ行程中に吐出経路に洗濯水またはすすぎ水が流れてきた場合は、洗濯水またはすすぎ水は吐出経路の縦断面形状の横幅および吐出口横幅よりも横方向に広がって洗濯兼脱水槽内に注水されにくい構成であった。
それゆえ、洗濯兼脱水槽の広い範囲に洗濯水またはすすぎ水が注水されにくくなり、洗濯兼脱水槽に存在する被洗浄物にムラなく洗濯水またはすすぎ水を供給することが困難であった。

本発明は上記従来の課題を解決するもので、洗濯兼脱水槽に存在する被洗浄物にムラなく洗濯水またはすすぎ水を供給し、洗浄性能を向上させることを目的としている。

前記従来の課題を解決するため、本発明の洗濯機は、底部に被洗浄物を攪拌するパルセータを有した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を内部に回転自在に設置した水槽と、前記パルセータおよび／または前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆動手段と、前記水槽に前記洗濯兼脱水槽が回転すると前記水槽内の水が通過する循環水路と、前記水槽および前記洗濯兼脱水槽の上部に設けられ前記洗濯兼脱水槽へ被洗浄物を投入する開口部を有する上部枠体と、前記受けカバーに前記循環水路からの水が通過して前記洗濯兼脱水槽に吐出する吐出経路とを備え、前記吐出経路の吐出口は、前記吐出経路の縦断面形状よりも横方向に長く高さ方向に低い形状をしたものである。

これにより、洗いまたはすすぎ行程中に吐出経路に洗濯水またはすすぎ水が流れてきた場合は、洗濯水またはすすぎ水は吐出経路の縦断面形状の横幅および吐出口横幅よりも横方向に広がって洗濯兼脱水槽内に注水されることになる。
それゆえ、従来は吐出経路の縦断面形状の横幅で吐出口から洗濯水またはすすぎ水を注水していたのを、吐出口の横幅よりも広い横幅で吐出口から洗濯兼脱水槽に注水するので、洗濯兼脱水槽のほとんど全ての範囲に洗濯水またはすすぎ水が注水されることになり、洗濯兼脱水槽の被洗浄物にムラなく洗濯水またはすすぎ水を供給することができる。

本発明の洗濯機は、洗濯兼脱水槽の被洗浄物にムラなく洗濯水またはすすぎ水を供給することができる。

本発明の第１の実施の形態の洗濯機の前後方向の縦断面図 （ａ）同洗濯機の吐出経路および吐出口の斜視図（ｂ）同洗濯機の吐出経路および吐出口の上方から見た図（ｃ）同洗濯機の吐出経路の縦断面図 （ａ）同洗濯機の吐出口から注水される水の流れを表す図（ｂ）同洗濯機の吐出口から水が注水される場合の受けカバー上方から見た図 同洗濯機の吐出経路の前後方向の縦断面図 同洗濯機の受けカバーの開口部を拡大した場合の受けカバー上方から見た図 従来の洗濯機の前後方向の縦断面図 同洗濯機の受けカバー上方から見た図 同洗濯機の受けカバー上方から見た別の例の図

第１の発明は、底部に被洗浄物を攪拌するパルセータを有した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を内部に回転自在に設置した水槽と、前記パルセータおよび／または前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆動手段と、前記水槽に前記洗濯兼脱水槽が回転すると前記水槽内の水が通過する循環水路と、前記水槽および前記洗濯兼脱水槽の上部に設けられ前記洗濯兼脱水槽へ被洗浄物を投入する開口部を有する上部枠体と、前記受けカバーに前記循環水路からの水が通過して前記洗濯兼脱水槽に吐出する吐出経路とを備え、前記吐出経路の吐出口は、前記吐出経路の縦断面形状よりも横方向に長く高さ方向に低い形状をしたものであり、洗いまたはすすぎ行程中に吐出経路に洗濯水またはすすぎ水が流れてきた場合は、洗濯水またはすすぎ水は吐出経路の縦断面形状の横幅および吐出口横幅よりも横方向に広がって洗濯兼脱水槽内に注水されることになる。
それゆえ、従来は吐出経路の縦断面形状の横幅で吐出口から洗濯水またはすすぎ水を注水していたのを、吐出口の横幅よりも広い横幅で吐出口から洗濯兼脱水槽に注水するので、洗濯兼脱水槽のほとんど全ての範囲に洗濯水またはすすぎ水が注水されることになり、洗濯兼脱水槽の被洗浄物にムラなく洗濯水またはすすぎ水を供給することができる。

その結果、受けカバーの被洗浄物を洗濯兼脱水槽へ投入する開口部の面積を低減させることなく、被洗浄物に洗濯水またはすすぎ水を供給できない部分を低減することができ、特に、洗濯水またはすすぎ水の水面よりも上部にある被洗浄物に洗濯水またはすすぎ水を注水して被洗浄物を濡らして洗濯水またはすすぎ水内に浸らせることができる。

したがって、使用者の使い勝手を維持しながら、洗浄性能を向上させることができる。

また、特に、吐出口は、上面を基準に吐出経路の縦断面形状よりも横方向に長く高さ方向に短い形状にすれば、吐出経路の下面が、少なくとも吐出口近傍では吐出経路の上面に近づいてくるので、洗濯水は吐出口からより遠くへ吐出されることになる。
それゆえ、従来の受けカバーの開口部の開口面積よりもより大きくする、すなわち、従来の受けカバーの開口部の前後長さよりも長くしても、吐出口から出てくる洗濯水またはすすぎ水は、洗濯兼脱水槽内の所定の位置に注水することができるので、洗浄性能を維持しながら、被洗浄物の出し入れを向上させることができる。したがって、洗濯機の使い勝手を向上させることができる。

第２の発明は、特に、第１の発明の吐出経路は、縦断面の高さが前記吐出口に向かうにつれて短くなるものであり、吐出経路を流れる洗濯水またはすすぎ水が滑らかに流れることになるので、洗濯水またはすすぎ水の流れ損失を低減することができるとともに、吐出経路の下面に傾斜面を設けることで、脱水行程終了後に吐出経路内の残水が洗濯兼脱水槽内に落下して被洗浄物に付着するのを低減することができ、脱水性能の低減を防止することができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。

（実施の形態１）
図１に示す洗濯機１において、吊り棒２により水槽３が吊り下げられており、水槽３の内部に洗濯兼脱水槽４が脱水回転可能に設けられている。洗濯兼脱水槽４は、底部にパルセータ５が回転自在に配設され、パルセータ５と一体に下側羽根６が設けられている。駆動手段７は、減速機構８および回転軸９を介してパルセータ５および／または洗濯兼脱水槽４を駆動する。

リント水路１０は、パルセータ５の下側羽根６の外周のポンプ室１１から洗濯兼脱水槽４の上部または中部に至るように設け、上部または中部に着脱可能なリントフィルタ１２が設けられている。

排水弁１３は水槽３内の洗濯水またはすすぎ水を排水するものであり、給水弁１４は水槽３内に給水するものである。

水槽３には、水槽３および洗濯兼脱水槽４に洗濯水またはすすぎ水が存在する状態で洗濯兼脱水槽４が駆動手段７により回転すると、洗濯水またはすすぎ水が遠心力を受けて上昇していく循環水路１５が設けられている。

水槽３の上部には、水槽３および洗濯兼脱水槽４の上部を覆う受けカバー（上部枠体）１６が配置されており、受けカバー１６には、循環水路１５を介して上昇してきた洗濯水またはすすぎ水が流れる吐出経路１７が設けられている。

吐出経路１７には、洗濯水が洗濯兼脱水槽４内に吐出するように吐出口１８が設けられ
ている。

図２（ａ）および図２（ｂ）に示す吐出口１８の形状は、図２（ｃ）に示す吐出経路１７の縦断面形状における横幅ａ２よりも吐出口横幅ａ１が長く、吐出経路１７の縦断面形状における高さｂ２よりも吐出口高さｂ１が短い形状をしている。また、吐出口横幅ａ１、吐出口高さｂ１は、
（吐出口１８の吐出面積Ａ１（ａ１Ｘｂ１））≦（吐出経路１７の縦断面積Ａ２（ａ２Ｘｂ２））
となる長さになっている。そのため、吐出経路１７に洗濯水が流れてくると、図３（ａ）および図３（ｂ）に示すように、洗濯水は、吐出経路１７の縦断面形状の横幅ａ２および吐出口横幅ａ１よりも横方向に広がって洗濯兼脱水槽４内に注水されることになり、洗濯兼脱水槽４の上方から見た略中央部も含めた注水エリアＷＣに洗濯水またはすすぎ水が供給されることになる。それゆえ、洗濯水またはすすぎ水の水面よりも上方にある被洗浄物２５に均一に洗濯水またはすすぎ水を濡らすことができ、洗濯水またはすすぎ水の水面下に浸すことができる。

また、図２（ａ）および図4に示すように、吐出口１８は、吐出経路１７の上面１７ａを基準に吐出経路１７の縦断面形状の横幅ａ２よりも横幅ａ１を長く、高さｂ１を吐出経路１７の縦断面形状の高さｂ２よりも短い形状にすることにより、図４に示すように、吐出経路１７の下面１７ｂが、少なくとも吐出口１８近傍では吐出経路１７の上面１７ａに近づいてくるので、洗濯水またはすすぎ水は吐出口１８からより遠くへ吐出されることになる。

また、図４に示すように、吐出経路１７は、縦断面形状の高さｂ２が吐出口１８に向かうにつれて短くなることにより、吐出経路１７を流れる洗濯水またはすすぎ水が滑らかに流れることになるので、洗濯水またはすすぎ水の流れ損失を低減することができるとともに、吐出経路１７の下面１７ｂに傾斜面を設けることができ、吐出経路１７内に洗濯水またはすすぎ水の残水を低減することができる。なお、吐出経路１７の下面１７ｂの最下部に水抜き穴を設ければ、吐出経路１７内の洗濯水またはすすぎ水の残水をより低減することができる。

受けカバー１６には、吐出口１８から洗濯水が注水されるときに、被洗浄物２５に洗濯水またはすすぎ水が衝突して受けカバー１６外に飛散しないように内蓋１９が設けられている。内蓋１９は、被洗浄物２５の出し入れ時に受けカバー１６の開口部１６ａを開放する目的で、受けカバー１６の開口部１６ａを自在に開閉できるように受けカバー１６に取り付けられている。

受けカバー１６には、給水弁１４から供給される洗濯水が洗濯兼脱水槽４内に供給されるように給水穴２０が設けられている。また、洗濯兼脱水槽４の上部には、脱水時の振動を低減させるための流体バランサー２１が設けられている。

洗濯機１の上部を構成する上部枠体２２に蓋２３が開閉自在に設けられ、また、その前方に制御手段２４が設けられている。

上記構成において動作を説明すると、使用者が蓋２３を開いて衣類などの被洗浄物２５を洗濯兼脱水槽４内に投入し、洗濯機１の電源を入れてスタートボタン（図示しない）を押すと、駆動手段７によりパルセータ５が正逆回転して被洗浄物２５の量を検知する。そして、操作部(図示しない)に必要な洗剤量を表示するので、使用者は洗剤を所定の位置に投入し（洗濯兼脱水槽４内でもよい）、蓋２３を閉じることで、給水弁１４を介して給水口１４ａから水槽３および洗濯兼脱水槽４内に所定量の洗濯水が供給される。

洗濯水が給水されると、減速機構８および回転軸９を介して駆動手段７により洗濯兼脱水槽４が回転する。洗濯兼脱水槽４が回転すると、洗濯水が遠心力を受けて水槽３に設けられた循環経路１５、受けカバー１６に設けられた吐出経路１７を流れていき、吐出口１８から洗濯兼脱水槽４内へと供給される。その結果、洗濯水が被洗浄物２５の上部から注水されることになる。こうして、被洗浄物２５から汚れを落とす第一の洗い行程が行われる。

所定時間の第一の洗い行程が終了すると、パルセータ５が所定の回転数で正逆回転して洗濯兼脱水槽４内の洗濯水および被洗浄物２５を攪拌して、被洗浄物２５から汚れを落とす第二の洗い行程が行われる。

なお、被洗浄物２５の洗い性能が悪化しなかったり、機器に問題が発生しなければ、第一の洗い行程と第二の洗い行程の順番を反対にして被洗浄物２５を洗うようにしてもよい。

所定時間の第二の洗い行程が終了すると、排水弁１３により水槽３内の洗濯水が洗濯機１外へ排水される。そして、洗濯水が排水されると洗濯兼脱水槽４が高速回転して（例えば３００ｒ／ｍｉｎ）、被洗浄物２５に含まれる洗濯水および洗濯兼脱水槽４内の洗濯水の残水を分離して排水する第一の脱水行程が行われる。

第一の脱水行程が終了すると、再び給水弁１４から所定量のすすぎ水が供給されてパルセータ５が正逆回転し、洗濯兼脱水槽４内のすすぎ水および被洗浄物２５を攪拌して、被洗浄物２５に残っている洗剤成分を除去する第一のすすぎ行程が行われる。第一のすすぎ行程が終了すると、排水弁１３が動作することにより水槽３内のすすぎ水が洗濯機１外へ排水され、第二の脱水行程（例えば洗濯兼脱水槽４の回転数：３００ｒ／ｍｉｎで洗濯兼脱水槽４が高速回転する）が行われる。第二の脱水行程が終了すると、すすぎ水が供給されて最終すすぎ行程が行われ、その後、水槽３内のすすぎ水が排水され、最終の脱水行程（例えば洗濯兼脱水槽４の回転数：８００ｒ／ｍｉｎで洗濯兼脱水槽４が高速回転する）が行われる。

なお、すすぎ行程において、駆動手段７により洗濯兼脱水槽４を回転させながら、給水弁１４から給水してすすぐ滝すすぎ方式で、被洗浄物２５をすすぐようにしてもよい。滝すすぎ方式は、水槽３内にすすぎ水を溜めないですすぐ方式なので、すすぎ時の使用水量を大幅に削減できる（滝すすぎ方式とは、排水弁１３を開弁して、水槽３にすすぎ水を溜めずにすすぐ方式である）。

最終の脱水行程が行われると、運転が終了する。

このように構成された本実施の形態によれば、図１、図２（ａ）および図２（ｂ）に示すように、水槽３および洗濯兼脱水槽４に洗濯水またはすすぎ水が存在する状態で洗濯兼脱水槽４が駆動手段７により回転することにより洗濯水またはすすぎ水が遠心力を受けて上昇していく循環水路１５を水槽３に設け、水槽３および洗濯兼脱水槽４の上部を覆うとともに洗濯兼脱水槽４へ被洗浄物２５を投入する開口部１６ａを有する受けカバー１６と、受けカバー１６に循環水路１５を介して上昇してきた洗濯水またはすすぎ水が流れる吐出経路１７および吐出経路１７から洗濯兼脱水槽４内に洗濯水またはすすぎ水を吐出する吐出口１８とを設け、吐出口１８は、吐出経路１７の縦断面形状よりも横方向に長く高さ方向に短い、すなわち、吐出経路１７の縦断面形状における横幅ａ２よりも吐出口横幅ａ１が長く、吐出経路１７の縦断面形状における高さｂ２よりも吐出口高さｂ１が短い形状とすることにより、洗いまたはすすぎ行程中に吐出経路１７に洗濯水またはすすぎ水が流
れてきた場合は、図３（ａ）および図３（ｂ）に示すように、洗濯水またはすすぎ水は吐出経路１７の縦断面形状の横幅ａ２および吐出口横幅ａ１よりも横方向に広がって洗濯兼脱水槽４内に注水されることになる。
それゆえ、従来は吐出経路１７の縦断面形状の横幅ａ２で吐出口１８から洗濯水またはすすぎ水を注水していたのを、吐出口１８横幅ａ１よりも広い横幅で吐出口１８から洗濯兼脱水槽４に注水するので、洗濯兼脱水槽４のほとんど全ての範囲となる注水エリアＷＣに洗濯水またはすすぎ水が注水されることになり、洗濯兼脱水槽４の被洗浄物２５にムラなく洗濯水またはすすぎ水を供給することができる。
したがって、受けカバー１６の被洗浄物２５を洗濯兼脱水槽４へ投入する開口部１６ａの面積を低減させることなく、被洗浄物２５に洗濯水またはすすぎ水を供給できない部分を低減することができ、特に、洗濯水またはすすぎ水の水面よりも上部にある被洗浄物２５に洗濯水またはすすぎ水を注水して被洗浄物２５を濡らして洗濯水またはすすぎ水内に浸らせることができる。その結果、使用者の使い勝手を維持しながら、洗浄性能を向上させることができる。
同時に、洗濯水またはすすぎ水の使用水量を増加させることなく被洗浄物２５に洗濯水またはすすぎ水を供給できる範囲を広げることができるので、洗剤や被洗浄物で汚れた水を排出する量を増加させることなく洗浄性能を向上させることができる。

それから、図２（ａ）および図4に示すように、吐出口１８は、吐出経路１７の上面１７ａを基準に吐出経路１７の縦断面形状の横幅ａ２よりも吐出口横幅ａ１を長く、吐出経路１７の縦断面形状の高さｂ２よりも吐出口高さｂ１を短い形状にすることにより、図４に示すように、吐出経路１７の下面１７ｂが、少なくとも吐出口１８近傍では吐出経路１７の上面１７ａに近づいてくるので、洗濯水は吐出口１８からより遠くへ吐出されることになる。
それゆえ、図５に示すように、従来の受けカバー１６の開口部１６ａの開口面積よりもより大きくする、すなわち、従来の受けカバー１６の開口部１６ａの前後長さＬ１よりも受けカバー１６の開口部１６ａの前後長さＬ２を長くしても、吐出口１８から出てくる洗濯水またはすすぎ水は、洗濯兼脱水槽４内の所定の位置に注水することができるので、洗浄性能を維持しながら、被洗浄物２５の出し入れを向上させることができる。したがって、洗濯機１の使い勝手を向上させることができる。
それから、図４に示すように、吐出経路１７の縦断面形状の高さｂ２を、吐出口１８に向かうにつれて短くすることにより、吐出経路１７を流れる洗濯水またはすすぎ水が滑らかに流れることになるので、洗濯水またはすすぎ水の流れ損失を低減することができるとともに、吐出経路１７の下面１７ｂに吐出口１８に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜面を設けることで、吐出口１８から、より遠くに向かって洗濯兼脱水槽４内に注水されるとともに、吐出経路１７内に洗濯水またはすすぎ水の残水を低減することができる。それゆえ、脱水行程終了後に吐出経路１７内の残水が洗濯兼脱水槽４内に落下して被洗浄物２５に付着するのを低減することができ、脱水性能の低減を防止することができる。

なお、吐出経路１７の下面１７ｂの最下部に水抜き穴を設ければ、洗濯水またはすすぎ水が注水された後に、吐出口１８から傾斜する下端付近に残留する水を水槽３に戻すことができ、吐出口１８から傾斜する下端付近に水が残留するのを防止することができる。

以上のように、本発明にかかる洗濯機は、洗浄性能を向上させることができるので、家庭用の洗濯機だけでなく、業務用の洗濯機の用途にも適用できる。

１ 洗濯機
３ 水槽
４ 洗濯兼脱水槽
５ パルセータ
７ 駆動手段
１５ 循環水路
１６ 受けカバー（上部枠体）
１６ａ 開口部
１７ 吐出経路
１８ 吐出口
２５ 被洗浄物

Claims (2)

1. 底部に被洗浄物を攪拌するパルセータを有した洗濯兼脱水槽と、
   前記洗濯兼脱水槽を内部に回転自在に設置した水槽と、
   前記パルセータおよび／または前記洗濯兼脱水槽を回転させる駆動手段と、
   前記水槽に前記洗濯兼脱水槽が回転すると前記水槽内の水が通過する循環水路と、
   前記水槽および前記洗濯兼脱水槽の上部に設けられ前記洗濯兼脱水槽へ被洗浄物を投入する開口部を有する上部枠体と、
   前記受けカバーに前記循環水路からの水が通過して前記洗濯兼脱水槽に吐出する吐出経路とを備え、
   前記吐出経路の吐出口は、前記吐出経路の縦断面形状よりも横方向に長く高さ方向に低い形状をした洗濯機。
2. 前記吐出経路は、縦断面の高さが前記吐出口に向かうにつれて短くなる請求項１記載の洗濯機。

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