JP2010166992A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】水道水圧に影響されず、安定したすすぎ性能と、使用水量低減とを確保すること。
【解決手段】制御装置25は、洗濯行程開始時に検知した衣類量に応じた複数段の水位を設定するとともに、すすぎ行程において排水弁8を閉止状態にして洗濯兼脱水槽18内の水位がパルセータ6外周近傍の低い所定水位に到達した時点で、洗濯兼脱水槽18を回転駆動させて外槽20下部からすすぎ液を、送水部23を介して上部カバー吐出口29より洗濯兼脱水槽18内に循環水流を散水させるとともに、検知した衣類量が多い場合は洗濯兼脱水槽18の略中心部に散水させ、検知した衣類量が少ない場合は洗濯兼脱水槽18の略側壁近傍に散水させるように制御したことにより、水道水圧の影響なく所定水量で希釈し、衣類量に応じた循環すすぎ液の吐出にて安定したすすぎ性能を確保することができる。
【選択図】図1
【解決手段】制御装置25は、洗濯行程開始時に検知した衣類量に応じた複数段の水位を設定するとともに、すすぎ行程において排水弁8を閉止状態にして洗濯兼脱水槽18内の水位がパルセータ6外周近傍の低い所定水位に到達した時点で、洗濯兼脱水槽18を回転駆動させて外槽20下部からすすぎ液を、送水部23を介して上部カバー吐出口29より洗濯兼脱水槽18内に循環水流を散水させるとともに、検知した衣類量が多い場合は洗濯兼脱水槽18の略中心部に散水させ、検知した衣類量が少ない場合は洗濯兼脱水槽18の略側壁近傍に散水させるように制御したことにより、水道水圧の影響なく所定水量で希釈し、衣類量に応じた循環すすぎ液の吐出にて安定したすすぎ性能を確保することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、使用水量を低減し、効率よくすすぐことができる洗濯機に関するものである。
従来、この種の洗濯機は省資源の為、すすぎ行程において、洗濯兼脱水槽に水を溜めないで上方より衣類にシャワー状に、注水しながら洗濯兼脱水槽を回転させるすすぎ方式を複数回繰り返す制御方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図10は、従来の洗濯機の側断面図、図11は、同洗濯機の洗い行程、図12は、すすぎ行程のフローチャートである。
図10において、筐体1は内部に複数のサスペンション2によって弾性的に吊り下げた外槽3を配し、脱水時の振動をサスペンション2によって吸収する構成としている。外槽3の内部には、洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽4を、中空で2重構造とし、内方に洗濯軸5aを、外方に脱水軸5を中心に回転可能に配設し、洗濯兼脱水槽4の内底部に衣類(洗濯物)を撹拌するパルセータ6を回転自在に配設し、底部には排水口7と排水弁8を設けている。
洗濯兼脱水槽4の内部周壁には水抜き用の小孔4aを多数設けている。モータ9は、外槽3の外底部に取り付け、ベルト10を介してクラッチ機構及びブレーキ機構を有する駆動機構部11に回転を伝達する。
駆動機構部11内部のクラッチ切り換え装置(図示せず)にて、脱水軸5の制動および制動解除を同時に行い、洗濯時では脱水軸5を制動させ洗濯軸5aを駆動し衣類撹拌用のパルセータ6を回転駆動させ、脱水時は脱水軸5の制動を解除し排水弁8を開放し洗濯兼脱水槽4を回転駆動させる。
外槽3内の洗濯液またはすすぎ液を排水する場合は、底部の排水口7から排水弁8を介して機外に排出する。水位検知装置12は、圧力センサー等で形成され、洗濯兼脱水槽4内の水位を検知し、洗濯時には所定水位Aまで給水するように水位を検知するとともに、外槽3内の洗濯水の排水時、その排水状態を検知する。
また、筐体カバー14は筐体1の上部を覆うもので、開閉蓋15を開閉自在に有し、操作表示部を有する制御装置16を設けるとともに、洗濯兼脱水槽4に給水する水道水の蛇口等に連結した給水弁17を内部に設けている。
制御装置16は、マイクロコンピュータ等を具備し、モータ9、クラッチ切り換え装置(図示せず)、給水弁17、排水弁8を制御するとともに、洗い、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御するように構成している。
上記構成において、図11、14のフローチャートを参照しながら動作を説明する。
洗濯行程(100)では、排水弁8は閉止状態で、開閉蓋15を開けて、洗濯兼脱水槽4に衣類(洗濯物)を投入し(101)、電源スイッチをONし(102)、スタートスイッチをON(103)すると、給水弁17を開いて(104)、所定水位Aまで給水(105,106)した後、モータ9を駆動(107)し、パルセータ6を回転させて洗濯を行う。
洗濯を所定時間経過するとモータ9をOFFし(108、109)、洗濯行程を終了する(110)。
洗濯行程が終了すると、図12において、次のすすぎ行程がスタートすると(200)、排水弁8をONして排水可能に開放する(201)と同時に、駆動機構部11内部のクラッチ切り換え装置(図示せず)を切り換え、脱水軸5の制動を解除して洗濯兼脱水槽4が回転可能な状態にする(202)。
排水が終了したことを検知した(203)後、モータ9をONした中間脱水行程にて(204)、洗濯兼脱水槽4の回転数を700〜800r/minのレベルまで立ち上げ、衣類を遠心脱水し、衣類に残存した洗剤成分を洗濯液と同時に衣類より離脱させる。
所定時間経過(205)後にモータ9をOFFし(206)、洗濯兼脱水槽4の回転を徐々に下げ、駆動機構部11内部のクラッチ切り換え装置(図示せず)を切り換え、脱水軸5を制動し(207)、洗濯兼脱水槽4を一度停止させる。
その後、再び駆動機構部11内部のクラッチ切り換え装置(図示せず)を切り換え、脱水軸5の制動を解除しつつ脱水軸5を介して洗濯兼脱水槽4が回転可能な状態にする(208)とともに、再度モータ9をON(209)とOFF(210)を繰り返す間欠運転にて、洗濯兼脱水槽4を平均30〜50r/minの低速回転に所定時間保持させると同時に、給水弁17を開放(211)して、水道水等を洗濯兼脱水槽4内にシャワー状に給水し洗濯兼脱水槽4内壁にへばりついた衣類に均一に注水し、衣類に浸透させつつ衣類に残存している洗剤成分を希釈あるいは離脱させる。
所定時間(212)給水した後、給水弁17をOFF(213)、排水弁8をOFF(214)、駆動機構部11内部のクラッチ切り換え装置(図示せず)を切り換え、脱水軸5を制動し(215)洗濯兼脱水槽4を停止させ、すすぎ行程を終了する(216)。
すすぎ行程が終了すると、洗濯兼脱水槽4の回転を700〜800r/minレベルまで立ち上げる高速遠心脱水により、衣類に含まれる水分を除去する脱水行程を行い、一連の行程を終了する。
以上のように、上記従来のすすぎ方式では、洗濯衣類にシャワー状に注水しながら洗剤の希釈を行うことにより、できるだけ少ない使用水量ですすぎ効果を得る構成を採用していた。
特開平8−117478号公報
しかしながら、前記従来の構成では、すすぎ行程において、衣類に水道水を注水する場合、すすぎ時間制御を給水弁の所定時間の開閉動作で行う構成が一般的で、水道水圧が低い使用条件下では注水流量が下がり、衣類に注水される水量が必要量供給されず、特に布量が多い時などの場合には、衣類の内部まで水が充分浸透できないまま次行程に移行するため、すすぎムラが発生するという課題があった。
また、衣類が少ない場合、例えばバスタオル数枚の衣類洗濯の場合には、中間脱水行程後の衣類は遠心力で洗濯兼脱水槽の側壁側で薄いドーナツ状に分布するので、洗濯兼脱水槽中心部に衣類は配置されないため、すすぎ行程でシャワーの注水が中央部にのみに注水されると直接衣類に当たらないことがあり、水が充分浸透できないまま次行程に移行するため、すすぎムラが発生するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水道水圧が低い条件下であっても少ない水量で効率よく安定したすすぎ効果を得ることを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、衣類撹拌用パルセータを内底部に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を内包する外槽と、前記外槽の上部に固着した上部カバーと、前記外槽の外底部に設けられ前記パルセータと前記洗濯兼脱水槽との回転を選択的に切り換えるクラッチ機構を有する駆動機構手段と、前記外槽の底部に設けた排水口を開閉する排水弁と、前記洗濯兼脱水槽内への給水を制御する給水弁と、前記洗濯兼脱水槽内の水位を検知する水位検知装置と、前記モータ、駆動機構手段、排水弁、給水弁などの動作を制御し洗濯、すすぎ、脱水の各行程を逐次制御する制御装置とを備え、前記洗濯兼脱水槽は下部外周に複数枚の裏羽根を形成し、前記上部カバーは上部流入口と上部カバー吐出口を有し、前記外槽は底部内周面に下部流入口を設けるとともにこの前記下部流入口と前記上部カバーの前記上部流入口とを連通する送水部を設け、制御装置は、洗濯行程開始時に衣類量を検知し、検知した衣類量に応じた複数段の水位を設定するとともに、前記給水弁ならびに前記水位検知装置により前記洗濯兼脱水槽内に設定した水位に対応した所定量を給水するように制御し、すすぎ行程の給水時において、前記排水弁を閉止状態にして前記洗濯兼脱水槽内の水位が前記パルセータ外周近傍の所定水位に到達した時点で、前記給水弁の動作を停止した後、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動させて前記外槽下部からすすぎ液を、前記送水部を介して前記上部カバー吐出口より前記洗濯兼脱水槽内の散水させるようにし、前記検知した衣類量が多い場合は前記洗濯兼脱水槽の略中心部に散水させ、前記検知した衣類量が少ない場合は前記洗濯兼脱水槽の略側壁近傍に散水させるように前記洗濯兼脱水槽の回転を制御したものである。
これによって、水道水圧の高低により衣類に供給される水量が変動することがなく、衣類量が変わっても的確に所定の水量を衣類に散水供給し強制循環させて上部カバー吐出口より洗濯兼脱水槽内の衣類に含まれる洗剤等の除去をすることができるので、希釈効果が高まり安定したすすぎ性能を確保するとともに使用水量を低減することができる。
本発明の洗濯機は、水道水圧のばらつきや、衣類の量に影響されず、安定したすすぎ性能を確保し、かつ使用水量を低減することができる。
第1の発明は、衣類撹拌用パルセータを駆動するモータと、前記パルセータを内底部に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を内包する外槽と、前記外槽の上部に固着した上部カバーと、前記外槽の外底部に設けられ前記パルセータと前記洗濯兼脱水槽との回転を選択的に切り換えるクラッチ機構を有する駆動機構手段と、前記外槽の底部に設けた排水口と、前記排水口を開閉する排水弁と、前記洗濯兼脱水槽内への給水を制御する給水弁と、前記洗濯兼脱水槽内の水位を検知する水位検知装置と、前記モータ、駆動機構手段、排水弁、給水弁などの動作を制御し洗濯、すすぎ、脱水の各行程を逐次制御する制御装置とを備え、前記洗濯兼脱水槽は下部外周に複数枚の裏羽根を形成し、前記上部カバーは上部流入口と上部カバー吐出口を有し、前記外槽は底部内周面に下部流入口を設けるとともに前記下部流入口と前記上部流入口とを連通する送水部を設け、制御装置は、洗濯行程開始時に衣類量を検知し、検知した衣類量に応じた複数段の水位を設定するとともに、前記給水弁ならびに前記水位検知装置により前記洗濯兼脱水槽内に設定した水位に対応した所定量を給水するように制御し、すすぎ行程の給水時において、前記排水弁を閉止状態にして前記洗濯兼脱水槽内の水位が前記パルセータ外周近傍の所定水位に到達した時点で、前記給水弁の動作を停止した後、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動させて前記外槽下部からすすぎ液を、前記送水部を介して前記上部カバー吐出口より前記洗濯兼脱水槽内の散水させるようにし、前記検知した衣類量が多い場合は前記洗濯兼脱水槽の略中心部に散水させ、前記検知した衣類量が少ない場合は前記洗濯兼脱水槽の略側壁近傍に散水させるように前記洗濯兼脱水槽の回転を制御したことにより、水道水圧の高低により衣類に供給される水量が変動することがなく、洗濯衣類の量に応じて衣類配置が変わっても的確に所定の水量を衣類に散水供給し強制循環させて上部カバー吐出口より洗濯兼脱水槽内の衣類に含まれる洗剤等の除去をすることができるので、希釈効果が高まり安定したすすぎ性能を確保するとともに使用水量を低減することができる。
第2の発明は、特に第1の発明の制御装置は、個別に洗濯水位を設定する信号が入力された場合、給水弁ならびに水位検知装置により洗濯兼脱水槽内に個別に設定した洗濯水位に到達後、予め布量を検知し記憶するよう制御し、すすぎ行程の給水時において、前記排水弁を閉止状態にして前記洗濯兼脱水槽内の水位が前記パルセータ外周近傍の所定水位に到達した時点で、前記給水弁の動作を停止した後、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動させて前記外槽下部からすすぎ液を、前記送水部を介して前記上部カバー吐出口より前記洗濯兼脱水槽内の散水させるようにし、前記検知した衣類量が多い場合は前記洗濯兼脱水槽の略中心部に散水させ、前記検知した衣類量が少ない場合は前記洗濯兼脱水槽の略側壁近傍に散水させるように前記洗濯兼脱水槽の回転を制御したことにより、個別に洗濯水量を設定した場合、洗濯衣類の量に応じて衣類配置が変わっても的確に所定の水量を衣類に散水供給し強制循環させるので、すすぎ効果の更なる安定化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機の衣類量が多い場合の側断面図を示すものである。図2は、同洗濯機の洗い行程のフローチャート、図3は、同洗濯機のすすぎ行程のフローチャートを示す。また、図4は、同洗濯機の衣類量が中量の場合の側断面図、図5は、同洗濯機の衣類量が少量の場合の側断面図を示す。
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機の衣類量が多い場合の側断面図を示すものである。図2は、同洗濯機の洗い行程のフローチャート、図3は、同洗濯機のすすぎ行程のフローチャートを示す。また、図4は、同洗濯機の衣類量が中量の場合の側断面図、図5は、同洗濯機の衣類量が少量の場合の側断面図を示す。
図1において、洗濯兼脱水槽18は、内部周壁には小孔18aを多数設け、内底部には衣類撹拌用のパルセータ6を回転自在に配するとともに、洗濯行程時には水位を所定水位A1、またはA2、またはA3にまで注水しパルセータ6の回転で衣類の洗濯を行う。また、洗濯兼脱水槽18の外底部には下方に放射状にフィン形状の複数の裏羽根19を形成する。
外槽20は、洗濯兼脱水槽18を回転自在に内包するとともに、底部に内部の水の排出用の排水口7および排水弁8と、側壁に内壁21とを構成する。内壁21と外槽20の側壁とで通水が可能な管状の送水部23を形成するとともに、内壁21の底部には下部流入口22を設け、この下部流入口22から流入した水は、送水部23を介して上方へ送水可能としている。
外槽20の上方開口縁には、中央に衣類投入用の開口30を形成したドーナツ型平板状の上部カバー26を固着する。
この上部カバー26の上方には、給水弁17から洗濯兼脱水槽18内に注水する水の通水路となる洗濯兼脱水槽18内に開口した注水部27を配し、上部カバー26の上面には洗濯兼脱水槽18内方を指向する上部カバー吐出口29を有し、かつ、外槽20の側壁の構成した送水部23の上端に対応する位置に水密的に固着する上部流入口28を設ける。
従って、給水弁17からの給水は、上部カバー26上方の注水部27より上部カバー26の開口30より洗濯兼脱水槽18内部に、また外槽20の側壁の送水部23からの通水は、上部流入口28を介して上部カバー吐出口29より洗濯兼脱水槽18内に散水される構成となっている。
上記のような構成で、給水弁17が動作し外槽20内部に図1で水位Sに示すようにパルセータ6が全て浸からない程度の低い水位の水を溜めた状態で洗濯兼脱水槽18を回転させると、洗濯兼脱水槽18の外底部に設けた放射状の複数の裏羽根19のポンプ作用により水が撹拌され、下部流入口22より送水部23に送水されて上部カバー吐出口29より洗濯兼脱水槽18内に循環水流として散水される構成である。
制御装置25は、マイクロコンピュータ等を具備し、洗濯、すすぎ、脱水などの一連の行程を制御するとともに、洗濯行程開始前、すなわち水や洗剤を投入前に洗濯兼脱水槽18内部に衣類を投入した状態でモータ9を微小時間駆動し、モータ9に流れる電流値等の負荷から衣類量を検知して所定の水位を設定する制御や、モータの回転制御を行う。
表1は、布量検知した衣類量に対する水位と洗濯兼脱水槽の回転数の設定一覧表であり、この表1に示すように、制御装置25は、衣類量を検知してその布量に適した水位の設定を複数段階、例えば図1のA1、A2、A3の3段階の水位と、すすぎ行程における前記循環水流を生じさせる為の洗濯兼脱水槽18の回転数をB1、B2、B3に設定されるように制御する。
洗濯行程スタート時に、自動的に水位を設定する場合は、水位検知装置24で衣類量に応じた水位まで給水する際に、例えば衣類量が多いと検知した時は高水位A1、中くらいの量であれば中水位A2、少量の場合は低水位A3まで給水するように制御する。
更に、すすぎ時の洗濯兼脱水槽18の回転数の設定を、例えば衣類量が多いと検知した時は、例えばB1(約170〜180r/min)、中くらいの量であればB2(約180〜190r/min)、少量の場合はB3(約190〜200r/min)の回転数に設定されるようにモータ9に流れる電流値を制御する。
また、水位検知装置24は圧力センサー等で構成され、外槽20下部と連通して、外槽20内の水圧を電気信号に変換し、制御装置25に予め設定した各水位設定値と比較し洗濯兼脱水槽18内の洗濯水の水位検知を行い、洗濯時の所定水位A1、A2、A3や、すすぎ時の循環水流の場合の低い水位S等の検知を行っている。
以上のように構成された制御において、以下図2、図3のフローチャートを参照しながら動作を説明する。
洗濯行程(300)では、排水弁8は閉止状態で、洗濯兼脱水槽18内部に衣類(洗濯物)を投入し(301)、電源スイッチをONし(302)、スタートスイッチをON(303)すると、布量検知制御が動作し、モータに流れる電流値等の負荷から衣類の量を検知し記憶する(304)とともに、高水位A1または中水位A2または低水位A3等の水位と、洗剤量の報知(305)し表示するので、使用者は表示に従って適切な洗剤量を洗濯兼脱水槽18内部に投入する(306)。
一方、衣類の量を検知して水位、洗剤量の報知(305)し表示した後、30秒経過後に給水弁17は開かれて給水が開始し(307)、検知した水量A1、またはA2またはA3まで給水し(308)、給水弁を閉じた後(309)、モータ9を駆動する(310)。
このとき、モータ9の動力を洗濯軸5aを介してパルセータ6に伝達し、パルセータ6が回転することで、その撹拌力と水流力により衣類に付着した汚れを離脱させ、所定時間経つとモータ9をOFFし(311、312)洗濯行程を終了する(313)。
洗濯行程が終了すると、図3の次のすすぎ行程(400)では、排水弁8をONして排水可能に開放する(401)と同時に、駆動機構部11のクラッチ装置(図示せず)にて、脱水軸5の制動を解除しつつ脱水軸5を介して洗濯兼脱水槽18が回転可能な状態にする(402)。
排水終了(403)後、モータ9をONし(404)、洗濯兼脱水槽18の回転を700〜800r/minレベルまで立ち上げ、衣類を遠心力脱水し、衣類に残存した洗剤成分は洗濯液と同時に衣類より離脱させ、洗濯兼脱水槽18の内部周壁に多数設けた小孔18aより洗濯兼脱水槽18外に通過せしめ、排水口7から排水弁8を通過し機外へと排出させるいわゆる中間脱水を行う。
所定時間経過後(405)にモータ9をOFFし(406)、洗濯兼脱水槽18の回転を徐々に下げ駆動機構部11内部のブレーキ装置(図示せず)にて、脱水軸5aを制動し(407)洗濯兼脱水槽18を一度停止させ排水弁8をOFF即ち外槽20に水が溜め得る状態とする(408)。
再び駆動機構部11内部のクラッチ切り換え装置(図示せず)を切り換え、脱水軸5aの制動を解除しつつ脱水軸5aを介して洗濯兼脱水槽18が回転可能な状態にする(409)とともに、給水弁17をONして給水可能に開いて(410)パルセータ6外周近傍の低い所定水位Sまで給水(411、412)する。
その後、再度モータ9をON(413)させ、洗濯行程当初のステップ(304)で記憶したデータに基き、洗濯兼脱水槽18の回転を衣類量が多いと検知した場合はB1(約170〜180r/min)、中くらいの量であればB2(約180〜190r/min)、少量の場合はB3(約190〜200r/min)の回転数に所定時間(414、415)保持させる。
この時、外槽20底部のすすぎ液は、裏羽根19により円周方向に撹拌され、ポンプ作用にて下部流入口22に流入し送水部23を上昇し、上部流入口28を通過して上部カバー吐出口29より洗濯兼脱水槽18上部から洗濯兼脱水槽18内の衣類に循環水を散水する。
この循環水が、衣類に浸透し遠心力により通過し同時に衣類内部の洗剤成分を衣類から離脱させ、洗濯兼脱水槽18の内部周壁に多数設けた小孔18aより洗濯兼脱水槽18外に抜け外槽20底部に落下し、再度裏羽根19により掻き揚げられ下部流入口22、送水部23、上部流入口28を順に通過して上部カバー吐出口29より洗濯兼脱水槽18上部から洗濯兼脱水槽18内の衣類に散水する強制循環の動作を所定時間(414、415)の間繰り返すことで衣類全体に残存する洗剤成分を均一に希釈できる。
ここで、衣類量と循環水の洗濯兼脱水槽18内部への散水状態を説明する。
図1のように衣類量が多い場合、洗濯兼脱水槽18上部まで衣類が厚くドーナツ状にせり上がった分布の場合は、洗濯兼脱水槽18の回転数をB1(約170〜180r/min)として、洗濯兼脱水槽18の略中心部に循環すすぎ液が当たるように、即ち遠方まで飛ばないように洗濯兼脱水槽の回転数はやや低めに設定し、図5ように衣類量が少量では、洗濯兼脱水槽18の底部側壁に薄くドーナツ状に分布の場合は、洗濯兼脱水槽18の回転数をB3(約190〜200r/min)として、洗濯兼脱水槽18の下部の略側壁近傍に循環すすぎ液が当たるように洗濯兼脱水槽の回転数はやや高めに設定し、図4ように衣類量が中量では、洗濯兼脱水槽18の約中間高さにドーナツ状に分布の場合は、洗濯兼脱水槽18の回転数をB2(約180〜190r/min)として、布量多い時と少量時の中間に循環すすぎ液を散水できるよう洗濯兼脱水槽18の回転数を中間設定する。
すなわち、衣類量が少ない場合は、衣類量が多い場合に対して衣類の含水量が少ないことと、衣類と上部カバー吐出口29との距離が長いため、洗濯兼脱水槽18の回転数を上げることで、衣類量に対応して設定を変える構成で、送水部23を上昇し上部流入口28を通過して上部カバー吐出口29より散水されるすすぎ液は、到達位置が変わり的確に衣類に当てることが可能となる。
所定時間(414、415)後にモータ9をOFF(416)し、駆動機構部11のブレーキ装置(図示せず)にて脱水軸5aを制動し(417)洗濯兼脱水槽18を停止させ、すすぎ行程(1)を終了する(418)。
すすぎ行程(1)が終了すると、次行程へ進み、洗濯兼脱水槽4内に水を溜めてすすぐ溜めすすぎ行程や、洗濯兼脱水槽4の回転を700〜800r/minレベルまで立ち上げる高速遠心脱水による脱水行程に移行することで、洗い、すすぎ、脱水の一連の行程全体を終了する。
以上のように、すすぎ行程で、例えば衣類量8kg容量の場合、洗い行程の水位A1で約60〜70リットル(L)水量、5kg容量で洗い行程の水位A2で約50〜60(L)水量、2kg容量以下で洗い行程の水位A3で約40〜50(L)水量に対し、すすぎ行程はパルセータ6外周近傍の低い水位Sで示した約15〜25リットル(L)水量を一旦溜め、洗濯兼脱水槽18の回転を衣類量に応じてすすぎ液の到達位置が変わるよう制御し、すすぎ液を強制循環させることにより、衣類全体に散水、浸透、離脱、再度散水、浸透、離脱、のすすぎ作用を行い衣類全体に残存した洗剤成分の希釈効果を高めることができる。
また、少ない水量を溜めてすすぐことで、従来例のような給水弁17の開放時間の制御で衣類に注水する方式と異なり、水道水圧が低く単位時間あたりの流量が少ない条件下の場合でも、給水される水量に変動が無くすすぎむらを防止でき、少ない使用水量で安定したすすぎ性能を確保できるものである。
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態における洗濯機の衣類量が多い場合の側断面図を示すものである。図7は、同洗濯機の洗い行程およびすすぎ行程のフローチャートを示す。
図6は、本発明の第2の実施の形態における洗濯機の衣類量が多い場合の側断面図を示すものである。図7は、同洗濯機の洗い行程およびすすぎ行程のフローチャートを示す。
また、図8は、同洗濯機の衣類量が中量の場合の側断面図、図9は、同洗濯機の衣類量が少量の場合の側断面図を示す。なお、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付し説明を省略する。
図6において、制御装置25は、洗濯行程開始前(水や洗剤を投入前)にユーザーが個別に水位の設定を複数段階のいずれかを設定し、例えば図6のD1,D2、D3の3段階のいずれかの水位に設定し、洗濯兼脱水槽18内部に衣類を投入後、洗濯行程を開始させた場合、所定水位に到達した状態で制御装置はモータ9を微小時間駆動し、モータ9に流れる電流値等の負荷から衣類量を検知して記憶しておき、次行程の所定のすすぎ行程の洗濯兼脱水槽18回転数を設定する制御を行う構成である。
ここで、表2は、布量検知した衣類量に対する洗濯兼脱水槽の回転数の設定一覧表であり、この表2に示すようにすすぎ行程での洗濯兼脱水槽18の回転数は、複数段階に設定し、例えば衣類量が多いと検知した時はC1(約170〜180r/min)、中くらいの量であればC2(約180〜190r/min)、少量の場合はC3(約190〜200r/min)の回転数に設定されるようにモータ9に流れる電流値を制御する。
図7のフローチャートにおいて、洗濯行程(500)では、排水弁8は閉止状態で、洗濯兼脱水槽18内部に衣類(洗濯物)を投入し(501)、電源スイッチをONし(502)、水位を個別にD1(またはD2、D3)に選んで設定し(503)、使用者は洗剤量報知(704)に従って適切な洗剤量を洗濯兼脱水槽18内部に投入し、スタートスイッチをON(505)すると、給水弁17は開かれて給水が開始し(506)、先に個別に設定した水量D1、またはD2またはD3まで給水し(507)、給水弁を閉じた後(508)、モータ9を駆動させ(509)、同時に初期に布量検知制御が動作し(710)、モータに流れる電流値等の負荷から衣類の量を検知して、次行程の衣類量に応じたすすぎ行程での洗濯兼脱水槽18の回転数が設定されるよう前以って制御装置に記憶しておき(705)、以降、モータ9の回転による洗濯作業に移行する。
次行程のすすぎ行程がスタート(711)し、中間脱水(712)の後、すすぎ用の水を給水し(713)パルセータ6外周近傍の低い所定水位Sまで給水(714、715)する。
以降は、実施の形態1と同様に、図6、8および9に示すように、再度モータをON(716)させ、ステップ(705)で記憶したデータに基き、洗濯兼脱水槽18の回転を衣類量が多いと検知した場合はC1(約170〜180r/min)のやや低い回転数で、中くらいの量であればC2(約180〜190r/min)で、少量の場合はC3(約190〜200r/min)のやや高い回転数に所定時間(717、718)保持させ、衣類量と其の分布状態に適応した強制循環水の注水パターンによりすすぎ行程を実施する。
以上のように、個別に水位設定され水量が少ない、すなわち水位が低い場合でも衣類量が多いと検知された場合は、洗濯兼脱水槽18の回転数を低めのC1(約170〜180r/min)に制御して図6の注水状態になるよう、即ち遠方まで飛ばないように洗濯兼脱水槽の回転数はやや低めに設定し中央部に落下するようにした。
以上のように、洗濯する衣類の量に応じて、すすぎ液の到達位置が変わるよう制御し、強制循環させるすすぎ液を的確にすすぎ液を衣類に当てて浸透させるので、衣類量に関係なく安定したすすぎ効果が得られるものである。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、水道水圧が低い使用条件下であっても、また衣類量に関係なくすすぎむらを防止でき、かつ少ない使用水量で安定したすすぎ性能を確保できるので、大容量(例えば8kg以上)の使用水量が比較的多いタイプの洗濯機の節水手段として有用である。
また、使用者の水位の自動設定時、個別設定時どちらでも洗濯衣類の量に応じたすすぎ液の到達位置が変わるよう制御し、強制循環させるすすぎ液を的確にすすぎ液を衣類に当てて浸透させるので、無駄な水を削減し、すすぎ効果の更なる安定化を図ることが可能となる。
6 パルセータ
7 排水口
8 排水弁
9 モータ
11 駆動機構部(駆動機構手段)
17 給水弁
18 洗濯兼脱水槽
19 裏羽根
20 外槽
22 下部流入口
23 送水部
24 水位検知装置
25 制御装置
26 上部カバー
28 上部流入口
29 上部カバー吐出口
7 排水口
8 排水弁
9 モータ
11 駆動機構部(駆動機構手段)
17 給水弁
18 洗濯兼脱水槽
19 裏羽根
20 外槽
22 下部流入口
23 送水部
24 水位検知装置
25 制御装置
26 上部カバー
28 上部流入口
29 上部カバー吐出口
Claims (2)
- 衣類撹拌用パルセータを駆動するモータと、前記パルセータを内底部に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を内包する外槽と、前記外槽の上部に固着した上部カバーと、前記外槽の外底部に設けられ前記パルセータと前記洗濯兼脱水槽との回転を選択的に切り換えるクラッチ機構を有する駆動機構手段と、前記外槽の底部に設けた排水口と、前記排水口を開閉する排水弁と、前記洗濯兼脱水槽内への給水を制御する給水弁と、前記洗濯兼脱水槽内の水位を検知する水位検知装置と、前記モータ、駆動機構手段、排水弁、給水弁などの動作を制御し洗濯、すすぎ、脱水の各行程を逐次制御する制御装置とを備え、前記洗濯兼脱水槽は下部外周に複数枚の裏羽根を形成し、前記上部カバーは上部流入口と上部カバー吐出口を有し、前記外槽は底部内周面に下部流入口を設けるとともに前記下部流入口と前記上部流入口とを連通する送水部を設け、制御装置は、洗濯行程開始時に衣類量を検知し、検知した衣類量に応じた複数段の水位を設定するとともに、前記給水弁ならびに前記水位検知装置により前記洗濯兼脱水槽内に設定した水位に対応した所定量を給水するように制御し、すすぎ行程の給水時において、前記排水弁を閉止状態にして前記洗濯兼脱水槽内の水位が前記パルセータ外周近傍の所定水位に到達した時点で、前記給水弁の動作を停止した後、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動させて前記外槽下部からすすぎ液を、前記送水部を介して前記上部カバー吐出口より前記洗濯兼脱水槽内の散水させるようにし、前記検知した衣類量が多い場合は前記洗濯兼脱水槽の略中心部に散水させ、前記検知した衣類量が少ない場合は前記洗濯兼脱水槽の略側壁近傍に散水させるように前記洗濯兼脱水槽の回転を制御した洗濯機。
- 制御装置は、個別に洗濯水位を設定する信号が入力された場合、給水弁ならびに水位検知装置により洗濯兼脱水槽内に個別に設定した洗濯水位に到達後、予め布量を検知し記憶するよう制御し、すすぎ行程の給水時において、前記排水弁を閉止状態にして前記洗濯兼脱水槽内の水位が前記パルセータ外周近傍の所定水位に到達した時点で、前記給水弁の動作を停止した後、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動させて前記外槽下部からすすぎ液を、前記送水部を介して前記上部カバー吐出口より前記洗濯兼脱水槽内の散水させるようにし、前記検知した衣類量が多い場合は前記洗濯兼脱水槽の略中心部に散水させ、前記検知した衣類量が少ない場合は前記洗濯兼脱水槽の略側壁近傍に散水させるように前記洗濯兼脱水槽の回転を制御した請求項1記載の洗濯機。
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