JP4507356B2 - 洗濯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯槽の内壁に形成した循環水路内を上昇した洗濯水を洗濯槽の上部より散水させて洗濯する洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の洗濯機は、たとえば、特開平6−296794号公報に記載されているように、洗濯槽の内壁にカバー部材を固定して循環水路を形成し、洗濯槽の内底面に配設したパルセータの回転により、パルセータの下羽根を収容するポンプ室から洗濯水を循環水路を上昇させ、洗濯槽の上部より散水させるよう構成している。
【0003】
すなわち、図8(a)(b)に示すように、洗濯兼脱水槽1は、上部に内部流体(食塩水)2を封入した流体バランサー3を固定するとともに、内壁に循環水路カバー4を固定して循環水路5を形成し、循環水路5の上部に上部開口部6を設けている。
【0004】
この上部開口部6は流体バランサー3と循環水路カバー4とで形成し、水平方向に連続したスリット状の開口部にしている。中間開口部7は、上部開口部6より下に設け、中間開口部7の開口部の面積は上部開口部6の開口部の面積より小さくしている。
【0005】
上記構成において動作を説明する。洗い行程で、パルセータを回転させると、洗濯水がパルセータの下羽根を収容するポンプ室から循環水路5を上昇し、上部開口部6より洗濯兼脱水槽1の上部より吐出される。このとき、上部開口部6を水平方向に連続したスリット状の開口部にしているため、洗濯水は薄い膜状になって洗濯物の上に注がれる。
【0006】
また、中間開口部7を設けることにより、上部開口部6と中間開口部7の高低差だけポンプ室の水頭が不要となり、洗濯兼脱水槽1の水位面が低くても中間開口部7から洗濯水を充分に散布することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構成では、上部開口部6は、循環水路カバー4が流体バランサー3の内径部を覆うことにより水平方向に連続したスリット状の開口部にしているため、循環水路カバー4が大きな部品となり、高価なものとなっていた。また、循環水路5により、流体バランサー3の容積が削られてしまうため、流体バランサー3の矯正力が低下してしまっていた。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、循環水路を構成するカバー部材の構成をシンプルにして、カバー部材のコストを低減するとともに、組み立てやすくし、また、流体バランサーの矯正力を向上して、脱水時の振動を低減することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、洗濯兼脱水槽の内底面に回転自在に配設したパルセータの下羽根をポンプ室に収容し、洗濯兼脱水槽の内壁にカバー部材を固定してポンプ室から洗濯兼脱水槽の上部に至る循環水路を構成し、この循環水路の上部に洗濯兼脱水槽の内部に向けて洗濯水を吐出するように上部開口部を設け、洗濯兼脱水槽の上部に流体バランサーを固定し、流体バランサーの底面に循環水路の対応位置に凹状部を設け、循環水路の上部開口部を凹状部の天面とカバー部材の上端部とで構成し、凹状部の両側面を洗濯兼脱水槽の外側から中心に向い略扇状に広がるように構成し、パルセータの回転により、洗濯水は、ポンプ室から循環水路内部を通って循環水路の上端部から上方に吐出され凹状部の天面に衝突した後、上部開口部を通り、凹状部の天面および凹状部の両側面に沿って略扇状に広がり洗濯兼脱水槽内に注がれるようにしたものである。
【0010】
これにより、循環水路を構成するカバー部材の構成をシンプルにすることができ、カバー部材のコストを低減できるとともに、組み立てやすくすることができ、また、流体バランサーの内容積を大きくできるため、流体バランサーの矯正力を向上することができて、脱水時の振動を低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、洗濯兼脱水槽の内底面に回転自在に配設したパルセータと、このパルセータの下羽根を収容するポンプ室と、前記洗濯兼脱水槽の内壁にカバー部材を固定して構成され前記ポンプ室から前記洗濯兼脱水槽の上部に至る循環水路と、この循環水路の上部に前記洗濯兼脱水槽の内部に向けて洗濯水を吐出するように設けた上部開口部と、前記洗濯兼脱水槽の上部に固定した流体バランサーとを備え、前記流体バランサーの底面には、前記循環水路の対応位置に凹状部を設け、前記循環水路の前記上部開口部は、前記凹状部の天面と前記カバー部材の上端部とで構成され、前記凹状部の両側面は、前記洗濯兼脱水槽の外側から中心に向い略扇状に広がるように構成し、前記パルセータの回転により、前記洗濯水は、前記ポンプ室から前記循環水路内部を通って前記循環水路の上端部から上方に吐出され前記凹状部の天面に衝突した後、前記上部開口部を通り、前記凹状部の天面および前記凹状部の両側面に沿って略扇状に広がり前記洗濯兼脱水槽内に注がれるようにしたものであり、パルセータを回転させたとき、ポンプ室から循環水路を通って上部開口部より吐出される洗濯水を略扇状に広げることができ、洗濯物に均等に注ぐことができて、洗浄性能を向上することができる。また、循環水路を構成するカバー部材の構成をシンプルにすることにより、カバー部材のコストを低減できるとともに、組み立てやすくすることができ、さらに、流体バランサーの矯正力を向上することができて、脱水時の振動を低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、循環水路を構成するカバー部材の上端部に凸部を設け、この凸部を凹状部の天面に設けた凹部に差し込んで前記カバー部材を固定し、前記凸部と凹部による固定位置を前記循環水路よりも円周方向の外側に設定し、前記凸部と凹部は、洗濯兼脱水槽の径方向よりも円周方向に長い形状としたものであり、循環水路の内部の断面積を減少させることなく、循環水路を構成するカバー部材を流体バランサーに固定することができ、また、循環水路の上部開口部より吐出される洗濯水の形状を略扇状に保つことができるため、洗濯物の上に一様に注ぐことができ、洗浄性能を向上することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施例1)
図1に示すように、洗濯機外枠8は、吊り棒9により水受け槽10を吊り下げ、水受け槽10内に洗濯兼脱水槽11を回転自在に配設している。洗濯兼脱水槽11の内底部にパルセータ12を回転自在に配設し、上部に脱水時の振動を低減させる流体バランサー13を固定している。パルセータ12の下面に下羽根14を一体に設け、この下羽根14を第1ポンプ室15および第2ポンプ室(ポンプ室)16に収容している。
【0015】
洗濯兼脱水槽11の内壁に第1循環水路カバー17と第2循環水路カバー(カバー部材)18を固定し、洗濯兼脱水槽11との間に、第1ポンプ室15、第2ポンプ室16から洗濯兼脱水槽11の上部に至る第1循環水路19と第2循環水路(循環水路)20を構成している。第1循環水路カバー17の上端にリントフィルター21を設けている。
【0016】
水受け槽10の下面にモータ22を取り付け、Vベルト23および減速機構24を介して、洗濯兼脱水槽11またはパルセータ12を駆動するように構成している。洗濯機外枠8の上部に上部枠体25を取り付け、この上部枠体25に蓋26を開閉自在に設けている。
【0017】
給水弁27は洗濯兼脱水槽11内に水道水などを給水するものであり、排水弁28は洗濯兼脱水槽11内の水を排水するものである。制御装置29は、モータ22、給水弁27、排水弁28などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御するものである。
【0018】
第2循環水路20の上部に、第2循環水路カバー18の上端部と流体バランサー13の底面に設けた凹状部13aとにより上部開口部30を設け、洗濯兼脱水槽11の内部に向けて洗濯水を吐出するようにし、上部開口部30と第2ポンプ室16との間に中間開口部31を設けている。ここで、上部開口部30を流体バランサー13の底面と第2循環水路カバー18の上端部とで構成している。
【0019】
すなわち、図2および図3に示すように、流体バランサー13は洗濯兼脱水槽11の上開口部11aに嵌着し、ねじ止め(図示せず)により固定している。第2循環水路20を構成する第2循環水路カバー18の上端左右に、第2循環水路20よりも円周方向の外側に凸部32を設けている。一方、流体バランサー13の底面に凹状部13aを設け、凹状部13aの天面の対応位置に凹部33を設けておき、この凹部33に凸部32を差し込んで、第2循環水路カバー18を固定している。
【0020】
この凸部32と凹部33は、洗濯兼脱水槽11の径方向よりも円周方向に長い形状としている。凸部32には、凹部33との嵌合調整用に凸部リブ32aを設けている。凹状部13aの凹状部両側面13bは、洗濯兼脱水槽11の外側から中心に向い略扇状に広がっており、凹状部13aの天面は、洗濯兼脱水槽11の外側を水平天面13cにより形成し、内側を上方向に傾斜した傾斜天面13dにより形成している。
【0021】
上記構成において動作を説明する。洗い行程で、パルセータ12を回転させると、洗濯水がパルセータ12の下羽根14を収容する第1ポンプ室15から第1循環水路19を上昇し、リントフィルター21を通して洗濯兼脱水槽11の上部より吐出される。このとき、パルセータ12を回転させることにより発生したリントをリントフィルター21により捕集する。
【0022】
一方、第2循環水路20を通って上昇した洗濯水は、上部開口部30より洗濯兼脱水槽11内に吐出される。このとき、洗濯水は、まず凹状部13aの水平天面13cに衝突し、つぎに凹状部両側面13bおよび傾斜天面13dを伝って、略扇状に広がり、洗濯兼脱水槽11の中心部近傍まで注がれる。
【0023】
このように、洗濯水は、洗濯物34に均等に注がれるため、洗浄性能を向上することができる。
【0024】
また、凸部32と凹部33は、第2循環水路20よりも円周方向の外側に設けているため、第2循環水路20の断面形状を変更することなく、水路を形成できるため、洗濯水の流れを変更することがなく、整流させることができる。
【0025】
また、凸部32と凹部33を円周方向よりも径方向に長い形状とすると、その差し込み部(凸部32と凹部33)の分だけ凹状部両側面13bを略扇状とすることができず、洗濯水の広がりが小さいものになってしまい、洗濯水が洗濯物に十分に注がれないこととなってしまう。しかしながら、凸部32と凹部33は、洗濯兼脱水槽11の径方向よりも円周方向に長い形状としているため、凹状部両側面13bの洗濯兼脱水槽11の外側から中心に向い略扇状に広がる形状を第2循環水路20の外周面より開始させることができるため、吐出洗濯水の略扇状を保つことができる。
【0026】
さらに、第2循環水路カバー18が流体バランサー13の内面を覆うことはないので、第2循環水路カバー18自身の容積を少なくでき、コストダウンを実現することができ、また、流体バランサー13の容積も確保できるため、流体バランサー13の矯正力を向上することができる。
【0027】
このように本実施例によれば、第2循環水路カバー18の構成をシンプルにすることにより、第2循環水路カバー18のコストを低減できるとともに、組み立てやすくすることができ、また、流体バランサー13の矯正力を向上できて、脱水時の振動を低減することができる。
【0028】
さらに、第2循環水路20の内部の断面積を減少させることなく、第2循環水路カバー18を流体バランサー13に固定でき、また、上部開口部30より吐出される洗濯水の形状を略扇形状に保つことができるため、洗濯水は略扇形状に広がり、洗濯物の上に均一に注がれるため、洗浄性能を向上することができる。
【0029】
なお、本実施例では、洗濯兼脱水槽11内に第1循環水路19と第2循環水路20を各1つ設けているが、複数の第1循環水路19、または複数の第2循環水路20を設けてもよく、同様の作用効果を得ることができる。
【0030】
(実施例2)
図4に示すように、洗濯兼脱水槽(洗濯槽)11は、水受け槽10内に回転自在に配設し、内壁に第1循環水路カバー17と第2循環水路カバー(カバー部材)35を固定し、洗濯兼脱水槽11との間に、第1ポンプ室15、第2ポンプ室16から洗濯兼脱水槽11の上部に至る第1循環水路19と第2循環水路(循環水路)36を構成している。第1循環水路カバー17の上端にリントフィルター21を設けている。
【0031】
第2循環水路36の上部に、第2循環水路カバー35の上端部と流体バランサー13の底面に設けた凹状部13aとにより上部開口部37を設け、洗濯兼脱水槽11の内部に向けて洗濯水を吐出するようにし、上部開口部37と第2ポンプ室16との間に中間開口部38を設けている。
【0032】
第2循環水路カバー35は、図5に示すように、第2循環水路36の内部の洗濯兼脱水槽11の内壁に向かって2本の縦リブ39を設け、この縦リブ39は、図6に示すように、第2ポンプ室16の近傍から中間開口部38まで連設している。この縦リブ39により、第2循環水路36の内部は第1内部水路40a、第2内部水路40b、第3内部水路40cの3つに分割している。この3つの内部水路の内、中央の第2内部水路40が中間開口部38に連通している。
【0033】
また、中間開口部38の内部上方部に、洗濯兼脱水槽11の内部へ洗濯水を吐出させる略J形状のガイド板41を設けている。また、図7に示すように、中間開口部38の両側面38aにより、洗濯兼脱水槽11の外側から中心に向い略扇状に広がったものとなっている。
【0034】
また、2本の縦リブ39の間隔(第2内部水路40bの横幅)は、最小硬貨の直径(日本では1円硬貨で20mm)未満としている。さらに、図6において、aは極少水位、bは低水位、cは中水位(高水位は図示せず)であり、中間開口部38は、中水位cと低水位bの間に設けている。他の構成は上記実施例1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0035】
上記構成において動作を説明する。洗い行程で、パルセータ12を回転させると、洗濯水がパルセータ12の下羽根14を収容する第1ポンプ室15から第1循環水路19を上昇し、リントフィルター21を通して洗濯兼脱水槽11の上部より吐出される。このとき、パルセータ12を回転させることにより発生したリントをリントフィルター21により捕集する。
【0036】
一方、第2ポンプ室16から第2循環水路36内に送られてきた洗濯水は、第1内部水路40a、第2内部水路40b、第3内部水路40cの3つに分割される。その内、第2内部水路40bを通って上がってきた洗濯水は、略J形状のガイド板41に衝突し、略扇状に広がった両側面38aを伝って略扇状に広がり、洗濯兼脱水槽11の中心部近傍まで注がれる。
【0037】
また、第1内部水路40aと第3内部水路40cを通る洗濯水は、第2内部水路40bの略J形状のガイド板41を過ぎた時点で合流し、上部開口部30まで上昇し、洗濯兼脱水槽11内へ注がれる。
【0038】
このように本実施例によれば、第2循環水路36内の第2内部水路40bは第2ポンプ室16の近傍から設けているため、第2内部水路40b内を上昇する洗濯水は整流されて、中間開口部38近傍での洗濯水の乱流を防止することができ、中間開口部38からの洗濯水の吐出を整流することができる。
【0039】
また、略J形状のガイド板41と略扇状に広がった両側面38aにより、低水位等の低い水位での洗濯時に、整流された洗濯水が略扇状に広がり、洗濯物にまんべんなくかけることができるため、洗浄性能を向上することができる。
【0040】
また、2本の縦リブ39の間隔は、最小硬貨の直径未満としているため、中間開口部38から硬貨等の異物が第2循環水路36内に入り込むのを防止できるため、排水口の詰まりを防止でき、安全性を向上することができる。
【0041】
さらに、従来低水位以下の洗濯では、上部開口部30から洗濯水が注がれないといった問題があったが、本実施例では中間開口部38を中水位cと低水位bの間に設けているため、高水位および中水位の洗濯では、上部開口部30からの洗濯水の散水で、低水位および極少水位では、中間開口部38からの洗濯水の散水で、洗濯物に洗濯水を注ぐため、確実に洗濯水を循環させることができ、洗浄性能を向上することができる。
【0042】
なお、本実施例では、洗濯兼脱水槽11内に第1循環水路19と第2循環水路36を各1つ設けているが、複数の第1循環水路19、または複数の第2循環水路36を設けてもよく、同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
また、本実施例では、第2循環水路36の内部を第1内部水路40a、第2内部水路40b、第3内部水路40cの3つに分割し、中間開口部38を1つ設けているが、内部水路の数は2つでも、また4つ以上でもよく、中間開口部も内部水路の数に合わせて2つ以上でもよく、同様の作用効果を得ることができる。
【0044】
さらに、本実施例では、水受け槽10内に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽11の内壁に第1循環水路カバー17と第2循環水路カバー35を固定し、洗濯兼脱水槽11との間に、第1循環水路19と第2循環水路36を構成しているが、2槽式洗濯機の洗濯槽であっても、上記実施例と同様の作用効果が得られることはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、洗濯兼脱水槽の内底面に回転自在に配設したパルセータと、このパルセータの下羽根を収容するポンプ室と、前記洗濯兼脱水槽の内壁にカバー部材を固定して構成され前記ポンプ室から前記洗濯兼脱水槽の上部に至る循環水路と、この循環水路の上部に前記洗濯兼脱水槽の内部に向けて洗濯水を吐出するように設けた上部開口部と、前記洗濯兼脱水槽の上部に固定した流体バランサーとを備え、前記流体バランサーの底面には、前記循環水路の対応位置に凹状部を設け、前記循環水路の前記上部開口部は、前記凹状部の天面と前記カバー部材の上端部とで構成され、前記凹状部の両側面は、前記洗濯兼脱水槽の外側から中心に向い略扇状に広がるように構成し、前記パルセータの回転により、前記洗濯水は、前記ポンプ室から前記循環水路内部を通って前記循環水路の上端部から上方に吐出され前記凹状部の天面に衝突した後、前記上部開口部を通り、前記凹状部の天面および前記凹状部の両側面に沿って略扇状に広がり前記洗濯兼脱水槽内に注がれるようにしたから、上部開口部より吐出される洗濯水を略扇状に広げることができ、洗濯物に均等に注ぐことができて、洗浄性能を向上することができる。また、循環水路を構成するカバー部材の構成をシンプルにすることにより、カバー部材のコストを低減できるとともに、組み立てやすくすることができ、さらに、流体バランサーの矯正力を向上することができて、脱水時の振動を低減することができる。
【0046】
また、請求項2に記載の発明によれば、循環水路を構成するカバー部材の上端部に凸部を設け、この凸部を凹状部の天面に設けた凹部に差し込んで前記カバー部材を固定し、前記凸部と凹部による固定位置を前記循環水路よりも円周方向の外側に設定し、前記凸部と凹部は、洗濯兼脱水槽の径方向よりも円周方向に長い形状としたから、循環水路の内部の断面積を減少させることなく、循環水路を構成するカバー部材を流体バランサーに固定することができ、また、循環水路の上部開口部より吐出される洗濯水の形状を略扇状に保つことができるため、洗濯物の上に一様に注ぐことができ、洗浄性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の洗濯機の縦断面図
【図2】 同洗濯機の要部拡大分解斜視図
【図3】 同洗濯機の要部拡大断面図
【図4】 本発明の第2の実施例の洗濯機の縦断面図
【図5】 (a)同洗濯機のA−A線拡大断面図
(b)同洗濯機のB−B線拡大断面図
【図6】 同洗濯機の要部拡大断面図
【図7】 同洗濯機の要部拡大正面図
【図8】 (a)従来の洗濯機の要部正面図
(b)従来の洗濯機の要部断面図
【符号の説明】
11 洗濯兼脱水槽
12 パルセータ
13 流体バランサー
13a 凹状部
13b 凹状部両側面
14 下羽根
16 第2ポンプ室(ポンプ室)
18 第2循環水路カバー(カバー部材)
20 第2循環水路(循環水路)
30 上部開口部
Claims (2)
- 洗濯兼脱水槽の内底面に回転自在に配設したパルセータと、このパルセータの下羽根を収容するポンプ室と、前記洗濯兼脱水槽の内壁にカバー部材を固定して構成され前記ポンプ室から前記洗濯兼脱水槽の上部に至る循環水路と、この循環水路の上部に前記洗濯兼脱水槽の内部に向けて洗濯水を吐出するように設けた上部開口部と、前記洗濯兼脱水槽の上部に固定した流体バランサーとを備え、前記流体バランサーの底面には、前記循環水路の対応位置に凹状部を設け、前記循環水路の前記上部開口部は、前記凹状部の天面と前記カバー部材の上端部とで構成され、前記凹状部の両側面は、前記洗濯兼脱水槽の外側から中心に向い略扇状に広がるように構成し、前記パルセータの回転により、前記洗濯水は、前記ポンプ室から前記循環水路内部を通って前記循環水路の上端部から上方に吐出され前記凹状部の天面に衝突した後、前記上部開口部を通り、前記凹状部の天面および前記凹状部の両側面に沿って略扇状に広がり前記洗濯兼脱水槽内に注がれるようにした洗濯機。
- 循環水路を構成するカバー部材の上端部に凸部を設け、この凸部を凹状部の天面に設けた凹部に差し込んで前記カバー部材を固定し、前記凸部と凹部による固定位置を前記循環水路よりも円周方向の外側に設定し、前記凸部と凹部は、洗濯兼脱水槽の径方向よりも円周方向に長い形状とした請求項1記載の洗濯機。
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