JP2014198863A - 蒸発源及び真空蒸着装置及び有機el表示装置の製造方法 - Google Patents

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三宅 竜也
Tatsuya Miyake
竜也 三宅
松浦 宏育
Hiroyasu Matsuura
宏育 松浦
英明 峰川
Hideaki Minekawa
英明 峰川
智彦 尾方
Tomohiko Ogata
智彦 尾方
山本 健一
Kenichi Yamamoto
健一 山本
楠 敏明
Toshiaki Kusunoki
敏明 楠
武司 玉腰
Takeshi Tamakoshi
武司 玉腰
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Abstract

【課題】大型基板上に膜厚が均一で有機EL上部電極用の金属薄膜を高速に成膜させ、蒸気漏れやノズルの温度低下を低減し、長時間連続運転可能な蒸発源及び真空蒸着装置を提供する。
【解決手段】ノズル3−4aは、ルツボ3−2aの内壁に入れ子となるように内壁に接するスリーブ部22を有し、当該スリーブ部22の先端に突きだした口ばし状のノズル孔3−5aを備えるノズル部を有する。ノズル3−4aの特にスリーブ部22は、ルツボの材質と同程度か、少し大きい熱膨張係数をもつ材質を用いており、蒸着時、蒸発源の温度を上げることにより、ルツボ3−2aの内側にあるノズル3−4aがルツボ3−2aに対して膨張し、蒸気漏れの低減が可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、蒸発源及び真空蒸着装置及び有機EL表示装置の製造方法に係り、特に大型の基板上に有機EL表示装置を形成するために有効な蒸発源及び真空蒸着装置及び有機EL表示装置の製造方法に関する。
有機EL表示装置や照明装置に用いられる有機EL素子は、有機材料からなる有機層を上下から陽極と陰極の一対の電極で挟み込んだ構造であり、電極に電圧を印加することにより、陽極側から正孔が、陰極側から電子が、それぞれ有機層に注入され、それらが再結合することにより発光する仕組みになっている。
この有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を含む多層膜が積層された構造になっている。この有機層を形成する材料として高分子材料と低分子材料を用いたものがある。このうち、低分子材料を用いる場合には、真空蒸着装置を用いて有機薄膜を形成する。
有機ELデバイスの特性は、有機層の膜厚の影響を大きく受ける。一方、有機薄膜を形成する基板は、年々大形化してきている。従って、真空蒸着装置を用いる場合には、大型の基板上に形成される有機薄膜や電極用金属薄膜の膜厚を高精度に制御し、長時間連続稼動する必要がある。電極用金属薄膜は、大型化に伴い、低抵抗化が必要となる。特に、表示装置用には、有機層の上部の電極材料(蒸着材料)として、アルミニウム若しくは銀、またはマグネシウム材料が最も有力視されている。
なお、真空蒸着で基板に薄膜を連続させて形成する構成ための蒸発源として、特許文献1には、ヒータや保温構造のような新たな構成を追加することなくノズルの温度低下を抑制できる蒸発源が開示されている。
特開2011−162867号公報
特許文献1には、ルツボ蓋とノズルの間の境界において、伝導熱伝達が小さくなるような形状、材料を用いて、ノズルの温度低下を低減できる蒸発源が開示されている。しかし、ルツボ蓋からの熱の放熱や、ルツボ蓋とノズルの間からの蒸気漏れに対しては開示されていない。
本発明の目的は、上記のような問題を解決して、ノズルの温度低下による放熱や蒸気漏れを低減できる蒸発源を用いて、大型基板に対応した金属薄膜を高速成膜し、連続成膜することが可能な真空蒸着方法及びその装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の蒸発源は、一部が蒸気を放出するために開口される。即ち、本発明の蒸発源は、開口を設けたルツボと、該ルツボの外側壁を囲むように設けたヒータと、前記ルツボの内側壁に、ノズルの板厚以上の長さで接するように設けられたノズルを備えたことを本発明の第1の特徴とする。
上記本発明の第1の特徴の蒸発源において、前記ノズルは、前記ルツボの内側壁と密閉性を保つために、その一部に前記ルツボと密閉するシール部品を設けていることを本発明の第2の特徴とする。
上記本発明の第1の特徴または第2の特徴の蒸発源において、前記シール部品は、前記ルツボの材質より熱膨張係数の大きい材質であることを本発明の第3の特徴とする。
上記本発明の第1の特徴乃至第3の特徴のいずれかの特徴の蒸発源において、前記ノズルの板厚を前記ルツボの板厚より大きくして、前記ノズルの温度低下を防止することを本発明の第4の特徴とする。
上記本発明の第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかの特徴の蒸発源において、前記ルツボの内側壁に段差を設けて、前記ノズルの位置ずれ及び蒸気漏れを防止することを本発明の第5の特徴とする。
上記本発明の第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかの特徴の蒸発源において、該ルツボの内側壁にテーパを設けて、前記ノズルの位置ずれ、及び、蒸気漏れ防止可能なルツボを備えたことを本発明の第6の特徴とする。
上記本発明の第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかの特徴の蒸発源において、前記ルツボの内側壁にテーパを設けて、前記ノズルの位置ずれ及び蒸気漏れを防止することを本発明の第7の特徴とする。
上記本発明の第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかの特徴の蒸発源において、前記ノズルのスリーブ部の長さを前記ルツボの底まで届く長さとして、前記ルツボの内壁の底部でノ前記ノズルを支持することによって、前記ノズルの位置ずれ及び蒸気漏れを防止することを本発明の第8の特徴とする。
また、上記の目的を達成するために、本発明の真空蒸着装置は、上記本発明の第1の特徴乃至第8の特徴のいずれかの特徴の蒸発源を複数個備え、成膜することを本発明の第9の特徴とする。
さらに、上記の目的を達成するために、本発明の有機EL表示装置の製造方法は、薄膜トランジスタ、有機EL層、及び前記有機EL層を挟む電極層が形成されたTFT基板を封止基板によって封止した有機EL表示装置の製造方法であって、薄膜卜ランジスタが形成された前記TFT基板を真空蒸着装置の蒸着室内に配置し、前記TFT基板に対向して、前記有機EL層または電極層を成膜するための蒸着材料を収容した蒸発源を複数個配置した蒸発源を配設し、前記TFT基板に前記蒸着材料を蒸着することによって、前記有機EL層を形成することを本発明の第10の特徴とする。
上記本発明の第10の特徴の有機EL表示装置の製造方法において、前記蒸着室内に、前記蒸発源それぞれに蒸着材料を供給するための材料供給機を備え、前記蒸着室の真空状態を維持したまま、前記蒸着材料を供給することを本発明の第11の特徴とする。
本発明によれば、ルツボ内側壁にノズル板厚以上の長さで、ノズルを設置することにより、ノズルとルツボ間の蒸気漏れや、ノズルをルツボ内に設置する配置によりノズル表側から流出する放熱を効果的に低減できる。
本発明の第1の実施例における蒸発源と蒸着室、基板、及び膜厚モニタの構成を示す模式図と動作を説明する図である。 従来の蒸発源構成の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施例における蒸発源の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施例における蒸発源構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施例における蒸発源構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施例における蒸発源構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施例における蒸発源構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施例における蒸発源構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施例における蒸発源構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施例における蒸発源構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施例における蒸発源構成を示す斜視図である。 本発明における有機EL表示装置生産工程の一実施例を示す工程図である。 本発明の第7の実施例における蒸発源と蒸着室、基板、及び膜厚モニタの構成を示す模式図である。
本発明は、金属蒸着で問題となる蒸気濡れやノズル温度低下を防止するため、ノズルをルツボ内に配置するルツボ構造を採用し、ルツボの材質より、同じか、少し大きい熱膨張係数をもつ材質のノズルを用いている。ルツボとノズル間の接触面積を大きくすることにより、蒸気漏れ流路のコンダクタンス増加による蒸気漏れの低減を図っている。また、接触面積増加、及び、ノズルの坩堝内配置効果により、ノズル先端温度の低下が低減し、ノズル詰り等の不具合を回避できる蒸発源となっている。
本蒸発源を用いることにより、長期に安定して稼働できる蒸着装置を実現できる。
以下に、実施例及び図面を用いて本発明の内容を詳細に説明する。
しかし、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるわけではなく、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神に基づいて、本発明を修正若しくは変更できる発明が含まれることは勿論である。
なお、各図の説明において、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、重複を避けるため、できるだけ説明を省略する。
図1A、図1B、及び図2によって、本発明の第1の実施形態(実施例1)について説明する。図1Aは、本発明における真空蒸着装置の第1の実施例の構成の概略を示す模式図である。図1Aの真空蒸着装置では、蒸着室5内に、基板1、蒸発源3、及び膜厚モニタ7があり、蒸着室5外には、膜厚を制御するための膜厚制御計8、蒸発源の温度を制御するための蒸発源電源9、及び、膜厚制御計8と蒸発源電源9を連動させて制御し、蒸着データを記録するための制御用パソコン10がある。
蒸発源3は、例えば、クヌードセンセル(Kセル)である。このKセルは、セラミック(PBN(Pyrolytic Boron Nitride)、アルミナ、カーボン材料、BN(Boron Nitride)コンポジット材料、等)や金属(タンタル、モリブデン、タングステン、白金、等)を材質とするルツボと、当該ルツボ(坩堝)を加熱するためのヒータ、ルツボの温度(坩堝温度)を制御するための熱電対、熱を外部に漏らさないようにするための熱シールド、及び水冷シールドから構成されている。なお、真空蒸着装置には、外部から電源が供給されている(図示しない)。
図1Bに、従来の蒸発源構成の位置例を断面図で示す。ルツボ3−2は、ヒータ3−3で加熱される。蒸着材料4は、例えば、銀の場合、900[℃]以上に加熱されて、ルツボ出口から基板1へ銀の蒸気2が放出され、銀が基板1上に成膜される。その際、加熱温度は、ルツボ3−2の底付近にある熱電対3−9でモニタされる。
膜厚モニタ7の信号により、基板1に形成される銀の成膜速度は制御され、所望の膜厚を形成することができる。
図1Bに示した従来技術の課題は、ノズル3−4とルツボ3−2の間から、漏れる蒸気(蒸気漏れ)3−6が発生する場合があることである。蒸着材料4が銀の場合には、漏れた蒸気3−6は、ヒータ3−3に回りこんで、ヒータ3−3を構成するヒータ線が短絡する不具合が起きることがある。また、蒸気漏れ3−6により、基板1に成膜される膜厚分布が不均一になる場合がある。このため、蒸気漏れ3−6を防止する必要がある。
また、図1Bの従来例では、ノズル3−4が、上部表側に面している(Z:垂直方向、X:水平方向)。このため、ルツボ3−2を介して、ヒータ3−3から熱を吸収して、ヒータ3−3に近いノズル3−4の温度はルツボ温度と同程度まで温度上昇するが、輻射熱3−7として熱が放出されるため、ヒータ3−3から離れているノズル孔3−5付近のノズル3−4の温度は低下する。このため、ノズル孔3−5付近では、蒸着材料4の蒸気2が結露し易くなりノズル孔3−5に付着し、孔を塞ぐ不具合が起こり易い。
図2は、本発明の蒸発源の構成の一実施例を示す断面図である。
図2の実施例では、ルツボ3−2aの上部に開口が設けられ、ノズル3−4aが上からルツボ3−2aに挿入され、ノズル3−4aをルツボ3−2a内に配置する構造となっている。即ち、ノズル3−4aは、ルツボ3−2aの内壁に入れ子となるように内壁に接するスリーブ部22を有し、スリーブ部22の先端に突きだした口ばし状のノズル孔3−5aを備えるノズル部21を有する。ノズル3−4aのスリーブ部22の外壁の直径とルツボ3−2aの内壁の直径は、極めて近い値であり、わずかにスリーブ部22の外壁の直径が小さい。このため、ノズル3−4aは、ルツボ3−2aの内壁に入れ子となるように配設される。
ノズル3−4a(特に、スリーブ部22)は、ルツボ3−2aの材質と同程度か、少し大きい熱膨張係数をもつ材質を用いている。例えば、ノズル3−4aの材質として、PBN材質のルツボに対して、タンタルを用いる。そうすると、蒸着時、タンタルはPBNより熱膨張係数が大きいため、蒸発源の温度を上げることにより、ノズル3−4aの内側に接触するように設けられたタンタル材質のノズル3−4aがルツボ3−2aに対して膨張し、蒸気漏れの低減が可能となる。
実施例1によれば、ルツボ3−2aとノズル3−4a間の接触面積を、図2に示すように大きくすることにより、蒸気漏れ流路のコンダクタンスの減少により、蒸気漏れの低減を図っている。
また、実施例1によれば、ルツボ3−2aとノズル3−4a間の接触面積の増加、及び、図2に示すようにノズル3−4aがルツボ3−2aの内部に配置された効果により、ノズル先端の温度の低下を低減し、ノズル詰り等の不具合を回避できる蒸発源となっている。
ここでは、PBNとタンタルの組合せで実施したが、他の組合せ(例えば、ルツボ材質がアルミナ、PBN、PBN、PBNコンポジット材、カーボン、タンタル、モリブデン、チタンと、ノズル材質がタンタル、タングステン、モリブデン、チタンの組合せ)、あるいは、PBN同士などの同じ材質の組合せでも同様の効果が得られた。
また、ノズル形状は、図2に示した構造以外の形状でも、接触面積増加、及び、ノズルの坩堝内配置の条件が揃えば、蒸気漏れやノズル温度低下の防止効果は得られた。
図3は、本発明の第2の実施形態(実施例2)を説明するための蒸発源構成を示す断面図である。実施例2においても、図1Aの真空蒸着装置に適用するとする。
実施例1では、蒸気漏れ3−6を低減させるために、PBN材質のルツボに対して、タンタル材質のノズルを用い、ルツボの熱膨張係数よりノズルの熱膨張係数が大きい実施例を示した。しかし、ルツボとノズルの熱膨張係数の差が大きい場合の組合せ、または、より高温で使用する場合には、熱膨張により、ルツボ、あるいは、ノズルの少なくともどちらかが破損する場合がある。
本実施例では、熱膨張による部品破損の不具合を防ぐため、ノズル3−4bのスリーブ部22bのノズル孔3−5bから遠いルツボ3−2b側にシール部品6を設け、蒸気漏れのシール機能を持たせた。シール部品6は、ルツボ3−2bに対して、熱膨張係数が10[%]程度大きい材質の部材を用い、かつその厚みを極力薄くした。この結果、熱膨張時の構造の歪みをシール部品6そのもので吸収し、ルツボ、ノズルの破損を防ぐことができた。
例えば、図3に示すようなノズル形状で、ルツボ3−2b及びノズル3−4bの材質をPBNとし、ノズル3−4bの板厚を0.6[mm]とした場合に、シール部品6は、材質をタンタルとし、その板厚を0.3[mm]以下にすることにより、蒸気漏れのシール効果が得られ、1000[℃]に加熱した場合の熱膨張時の歪みを吸収できた。なお、実施例1と同様にルツボとノズルの熱膨張に差を設け、かつノズルとシール部品とに熱膨張に差を設けても良い。
熱膨張係数差は、1[%]〜10[%]の範囲の材料組合せを用いることにより、シール効果が得られ、破損等の不具合も起きなかった。
図4A及び図4Bは、ノズルの形状を変えた蒸発源構造の実施例を示す断面図である。
図4Aは、ノズルの板厚を実施例1(図2)や実施例2(図3)の場合より、約2倍程度大きくした一実施例である。板厚を大きくすることにより、ノズル3−4cは熱移動量がより多くなり、ノズル先端の温度低下を防止できた。また、板厚が大きいため、ルツボ3−2cとノズル3−4cとの熱膨張係数差で膨らむノズル3−4cの形状が大きくなり、よりシール効果が得られた。但し、熱膨張係数差が大きい材料の組合せでは、各部品の破損の危険性が増加するので、注意が必要である。また、図2や図3のノズル孔3−5a、3−5bと比較し、ノズル孔3−5cは板厚の分、ノズル長さが長くなるため、放出される蒸気2の分布は拡がりが少し小さくなる。
図4Bは、ノズルの形状を変えた別の実施例の蒸発源構成を示す図である。図4Bのルツボ3−2dは、直径が細い円筒をノズル部21dとし、図2と同形状のスリーブ部22bとノズル部21dを平坦なドーナツ状の連結部23で結合した構造のノズル3−4dを有する。本実施例では、ノズル3−4dのノズル部21d及びノズル孔3−5dの形状が円柱状である。このため、蒸気2が噴き出す広がり範囲(分布)が細くなる。従って、基板1の一部のみに成膜したい蒸着の場合に有効である。
なお、連結部23は、図4Bでは、水平な板であるが、スリーブ部22bからノズル部21dにテーパを持たせても良い。実施例1〜2と図4Aの場合に比較して、ノズル孔3−5dは円柱状となり、よりノズル長さが長くなるため、放出される蒸気2の分布は拡がりが狭くなるので、注意が必要である。
実施例1、実施例2、及び実施例3では、ノズルの支持方法を特に説明していない。本実施例では、図5A、図5B、図6A、図6B、及び図6Cの蒸発源構成を示す断面図を用いて、支持方法について説明する。
図5Aは、ノズル3−4bを支持するために、ルツボ3−2eの内側壁に段差24を設けてノズル3−4bを固定するようにした実施例である。本実施例では、段差24部分でもシール効果が得られるため、実施例1〜実施例3より蒸気漏れ3−6を低減することができた。
図5Bは、ルツボ3−2fの内側壁を開口部から底部に向けてテーパをつける(内側の直径をルツボ3−2fの下側になるほど小さくする)ことにより、ノズル3−4fのスリーブ部22bの剛性や摩擦力によって、ノズル3−4fを固定するようにした実施例である。図5Bの実施例では、ノズルのスリーブ部22bの外径を変えることにより、ノズルの高さ(Z方向の位置)を調整でき、高さが変化しても同一のシール効果が得られ、蒸気漏れ3−6を低減することができた。
図6Aは、スリーブ部22gの下端をルツボ3−2gの内壁の底部まで届く長さのノズルの形状としたことにより、ルツボ3−2gの底部でノズル3−4gを支持する構造として、ノズル3−4gを固定した実施例である。
図6Aの実施例では、ルツボ3−2gの内壁とノズル3−4g(スリーブ部22g)の接触面積が大きくなるため、蒸気漏れ及びノズルの温度低下防止の効果が得られた。
図6Bは、ルツボ3−2hの開口部にかけるためのノズル固定部3−8を2個以上、ノズル3−4hに設け、ルツボ3−2hの開口部でノズル3−4hを支持する一実施例の蒸発源を示す断面図である。また図6Cは、図6Bのノズル3−4h部の斜視図である。
ノズル固定部3−8からの放熱をできるだけ小さくするため、ノズル固定部3−8をできるだけ熱伝導率の小さい材料で構成すると、ノズル3−4hの温度低下防止効果があった。
実施例1〜実施例4では、蒸発源の構成をそれぞれ説明した。実施例1〜実施例4の蒸発源を真空蒸着装置(図1A参照)に設置することにより、基板に所望の成膜を実現することができた。図1Aでは、蒸発源を1個のみ設置する例で説明したが、それらの蒸発源を複数個設置して、基板に成膜することにより、大型の基板でも膜厚を均一に成膜することができた。
図7は、有機EL表示装置生産工程の一例を示した工程図である。実施例1〜実施例5では、この生産工程の金属蒸着の工程のみを主に説明した。
図7の工程図では、有機層と有機層に流れる電流を制御する薄膜トランジスタ(TFT)が形成されたTFT基板と、有機層を外部の湿気から保護する封止基板は別々に形成され、封止工程/シール硬化工程の封止工程において組み合わされる。
図8のTFT基板の製造工程において、ウェット洗浄された基板に対してドライ洗浄を行う。ドライ洗浄は、紫外線照射による洗浄を含む場合もある。
ドライ洗浄されたTFT基板に先ず、TFTが形成される。TFTの上にパッシベーション膜および平坦化膜が形成され、その上に有機EL層の下部電極が形成される。下部電極はTFTのドレイン電極と接続している。下部電極をアノードとする場合は、例えば、ITO(lndium Tinoxide)膜が使用される。
次に、下部電極の上に有機EL層が形成される。有機EL層は複数の層から構成される。下部電極がアノードの場合には、下から、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層である。このような有機EL層は蒸着によって形成され、その上に上部電極層が形成される。上部電極層は、実施例1〜実施例5で述べたような真空蒸着装置あるいは有機EL表示装置の製造方法によって形成する。
有機EL層の上には、各画素共通に、ベタ膜で上部電極が形成される。有機EL表示装置がトップエミッションの場合は、上部電極にはIZO(登録商標、In−ZnO)等の透明電極が使用され、有機EL表示装置がボトムエミッションの場合は、アルミニウム等の金属膜が使用される。
図7の封止基板投入工程において、ウェット洗浄およびドライ洗浄を行った封止基板に対してデシカント(乾燥剤)が配置される。有機EL層は、水分があると劣化をするので、内部の水分を除去するためにデシカントが使用される。デシカントには種々な材料を用いることができるが、有機EL表示装置がトップエミッションかボトムエミッションかによってデシカントの配置方法が異なる。
このように、別々に製造されたTFT基板と封止基板は、封止工程において、組み合わされる。TFT基板と封止基板を封止するためのシール材は、封止基板に形成される。封止基板とTFT基板を組み合わせた後、シール部に紫外線を照射して、シール部を硬化させ、封止を完了させる。
このようにして形成された有機EL表示装置に対して点灯検査を行う。点灯検査において、黒点、白点等の欠陥が生じている場合でも欠陥修正可能なものは修正を行い、有機EL表示装置が完成する。
本発明により、複数の層によって形成される有機EL層を異物による汚染を抑え、かつ、短いタクト時間で形成することができるので、有機EL表示装置の製造コストを低下させ、歩留まりを向上させることができる。さらに、有機EL層の各層の成分を正確に制御することができるので、特性の再現性が高く、かつ、信頼性の高い有機EL表示装置を製造することができる。
図8は、本発明における真空蒸着装置の第7の実施例の構成の概略を示す模式図である。
図7の有機EL表示装置の製造方法において、真空蒸着室85内に、蒸発源3それぞれに蒸着材料を供給するための周知の材料供給機11を備え、蒸着室5の真空状態を維持したまま、蒸着材料4を供給することで、真空蒸着装置の稼働時間を延ばすことができた。
1:基板、 2:蒸気、 3:蒸発源、 3−2、3−2a、3−2b、3−2c、3−2d、3−2e、3−2f、3−2g、3−2h:ルツボ、 3−3:ヒータ、 3−4、3−4a、3−4b、3−4c、3−4d、3−4g、3−4h:ノズル、 3−5、3−5a、3−5b、3−5c、3−5d:ノズル孔、 3−6:蒸気漏れ、 3−7:放熱、 3−8:ノズル固定部、 3−9:熱電対、 4:蒸着材料、 5:蒸着室、 6:シール部品、 7:膜厚モニタ、 8:膜厚制御計、 9:蒸発源電源、 10:制御用パソコン、 11:材料供給機、 21、21b、21d:ノズル部、 22、22b:スリーブ部、 23:連結部、 24:段差、 85:真空蒸着室。

Claims (11)

  1. 開口を設けたルツボと、該ルツボの外側壁を囲むように設けたヒータと、前記ルツボの内側壁に、ノズルの板厚以上の長さで接するように設けられたノズルを備えたことを特徴とする蒸発源。
  2. 請求項1記載の蒸発源において、前記ノズルは、前記ルツボの内側壁と密閉性を保つために、その一部に前記ルツボと密閉するシール部品を設けていることを特徴とする蒸発源。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蒸発源において、前記シール部品は、前記ルツボの材質より熱膨張係数の大きい材質であることを特徴とする蒸発源。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の蒸発源において、前記ノズルの板厚を前記ルツボの板厚より大きくして、前記ノズルの温度低下を防止することを特徴とする蒸発源。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の蒸発源において、前記ルツボの内側壁に段差を設けて、前記ノズルの位置ずれ及び蒸気漏れを防止することを特徴とする蒸発源。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の蒸発源において、前記ルツボの内側壁にテーパを設けて、前記ノズルの位置ずれ及び蒸気漏れを防止することを特徴とする蒸発源。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の蒸発源において、前記ノズルのスリーブ部の長さを前記ルツボの底まで届く長さとして、前記ルツボの内壁の底部での前記ノズルを支持することによって、前記ノズルの位置ずれ及び蒸気漏れを防止することを特徴とする蒸発源。
  8. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の蒸発源において、前記ルツボの前記開口に設置可能な前記ノズルと結合した固定部を設け、前記ノズルの位置ずれ及び蒸気漏れを防止することを特徴とする蒸発源。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の蒸発源を複数個備えたことを特徴とする真空蒸着装置。
  10. 薄膜トランジスタ、有機EL層、及び前記有機EL層を挟む電極層が形成されたTFT基板を封止基板によって封止した有機EL表示装置の製造方法であって、薄膜卜ランジスタが形成された前記TFT基板を真空蒸着装置の蒸着室内に配置し、前記TFT基板に対向して、前記有機EL層または電極層を成膜するための蒸着材料を収容した蒸発源を複数個配置した蒸発源を配設し、前記TFT基板に前記蒸着材料を蒸着することによって、前記有機EL層を形成することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  11. 請求項10記載の有機EL表示装置の製造方法において、前記蒸着室内に、前記蒸発源それぞれに蒸着材料を供給するための材料供給機を備え、前記蒸着室の真空状態を維持したまま、前記蒸着材料を供給することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
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