JP2014197070A - 広告配信装置 - Google Patents

Abstract

【課題】カラオケ装置の利用状況に応じて広告コンテンツの配信先を決定することで、公平な広告効果が得られるようにする。
【解決手段】センタサーバ１は、各カラオケルームのカラオケ装置２について、所定期間において各カラオケ装置２が利用客によって利用された利用割合又は利用量を示す利用度合数を取得する。センタサーバ１は、全てのカラオケ装置２に関する全体の利用度合数に対して、配信対象の広告コンテンツの配信先となる一部の広告再生端末４に対応するカラオケ装置２に関する一部の利用度合数が所定の基準を満たす配信先の広告再生端末４を決定する。センタサーバ１は、配信対象の広告コンテンツを、配信先となる広告再生端末４に配信する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、カラオケサービスの利用客に対して広告を提示する複数の広告再生端末に対して、広告コンテンツを配信する広告配信装置に関する。

カラオケ施設に設置された広告再生端末を用いて、カラオケサービスの利用者に対して広告映像を表示することで、利用者に商品やサービスの購買を促すことが行われている。この種の広告再生端末で再生される広告コンテンツは、広告コンテンツ配信用のサーバから、通信ネットワークを介して全国のカラオケ店舗の各ルームに設置された多数の広告再生端末に対して配信されるようになっている。そして、広告再生端末に対して広告コンテンツを配信するサービスでは、ある広告コンテンツを配信する店舗と配信しない店舗とを、例えば地域ごとといった括りで設定することが行われている。

特開２００４−１５２１８０号公報

広告コンテンツの広告主が負担する広告費用は、広告コンテンツの配信先の数に応じて高くなることが一般的である。そのため、広告コンテンツを提供する広告主からは、全ての広告再生端末のうち一部（例えば、半分）の広告再生端末のみで配信したいといった要望がある。これは、配信可能な全ての広告再生端末に配信するよりも、配信先を絞ることで広告主が負担する広告料金を抑えられるためである。

このような事情において、地域や店舗を任意に特定して配信先を絞る方法が一般的である。例えば、地域を特定せずに全ての広告再生端末のうち半数の配信先にのみ広告コンテンツを配信するとなった場合、無作為に全体の半数の配信先を決定するような運用を行うと、次のような問題がある。カラオケ店舗における各カラオケ装置の稼働率や利用者数といった利用状況は、地域や店舗、ルームごとに異なる。無作為に全体の半数の配信先を抽出したときに、もし、それらの配信先が稼働率や利用者数の少ないルームに集中した場合、その広告コンテンツが利用者に閲覧される機会が少なくなり、配信先の数に比例して向上すると想定される広告効果が、期待する全体の半数に満たない可能性がある。このように、配信先の数が同じであっても、抽出した配信先の利用状況によっては広告効果に差が出るため、広告主に対して公平な広告効果を提供できないことがある。

一方、特許文献１には、トイレの利用状況に応じて、トイレの設置場所ごとにトイレ内で提供する広告の料金を設定する技術が開示されている。しかしながら、この先行技術には、サービスの利用状況に応じて配信先を決定することは考慮されていないため、上記問題を解決することはできない。

本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。その目的は、カラオケ装置の利用状況に応じて広告コンテンツの配信先を決定することで、公平な広告効果が得られるようにするための技術を提供することである。

上記目的を達成するためになされた本発明の広告配信装置は、取得手段と、決定手段と、配信手段とを備える。取得手段は、複数の広告再生端末に対応するカラオケ装置について、所定の期間において各カラオケ装置が利用客によって利用された利用割合又は利用量を示す利用度合数を取得する。決定手段は、複数のカラオケ装置に関する利用度合数に対して、配信対象の広告コンテンツの配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する一部の利用度合数が所定の基準を満たす配信先の広告再生端末を決定する。配信手段は、配信対象の広告コンテンツを、決定手段により決定された配信先の広告再生端末に配信する。

本発明によれば、広告コンテンツの配信先として決定された広告再生端末に対応するカラオケ装置の利用度合数が、取得された複数のカラオケ装置の利用度合数を基準にして等しくされる。なお、利用度合数は、所定期間においてカラオケ装置が利用客によってどの程度利用されたのかを反映する指標である。このようにすることで、広告コンテンツごとに配信先や配信先の数が異なる場合であっても、配信先に対応するカラオケ装置の利用度合数が等しいとの観点で、広告主にとって公平な広告効果を提供できる。これにより、例えば、利用度合数が低い（あまり利用されていない）カラオケ装置に対応する広告再生端末ばかりが配信先に決定されるような偏った状況は排除される。

なお、カラオケ装置が利用客に利用された度合を示す利用度合数として、請求項２に記載のように、所定の期間の全体時間において各カラオケ装置が利用客によって利用された時間の割合を示す利用時間率を用いることが考えられる。この場合、決定手段は、取得された複数のカラオケ装置に関する利用時間率に対して、配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する一部の利用時間率が所定の基準を満たす配信先を決定する。

このようにすることで、広告コンテンツごとに配信先や配信先の数が異なる場合であっても、配信先に対応するカラオケ装置の利用時間率の実績が平等であるとの観点で、広告主にとって公平な広告効果を提供できる。例えば、取得された複数のカラオケ装置に関する利用時間率の平均値に対して、配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する利用時間率の平均値ができるだけ近似する（等しくなる）ように配信先を決定するといった運用を行うことができる（請求項４）。

あるいは、カラオケ装置が利用客に利用された度合を示す利用度合数として、請求項３に記載のように、所定の期間において各カラオケ装置を利用した利用客の人数を示す利用者数を用いることが考えられる。この場合、決定手段は、取得された複数のカラオケ装置に関する所定の期間における利用者数に対して、配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する所定の期間における一部の利用者数が所定の基準を満たす配信先の広告再生端末を決定する。

このようにすることで、広告コンテンツごとに配信先や配信先の数が異なる場合であっても、配信先に対応するカラオケ装置の利用者数の実績が平等であるとの観点で、広告主にとって公平な広告効果を提供できる。カラオケサービスでは、同じ利用時間であっても１台のカラオケ装置を利用する利用客の人数は、利用するカラオケ装置によって単数から複数まで一定ではない。そこで、利用者数の統計量を指標とすることで、単純な利用時間よりも更に詳細な利用状況を反映した態様にて配信先を決定できる。

さらに、請求項５に記載のように、カラオケ装置が設置された場所の属性（例えば、地域の種別、店舗の種別、部屋の種別）を示す設置属性別の分配比率を考慮して、配信先の広告再生端末を決定するようにしてもよい。具体的には、広告配信装置は、カラオケ装置が設置された場所を示す設置属性を記憶する記憶手段を更に備える。そして、配信先の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する利用度合が所定の基準を満たし、かつ、配信先の広告再生端末に対応するカラオケ装置の設置属性が所定の分配比率を満たす配信先の広告再生端末を決定する。

このようにすることで、例えば、広告コンテンツを配信可能な場所全体に均等に配信したり、特定の場所に集中的に配信したりといった具合に、平等な広告効果とカラオケ装置の設置場所の特徴とを考慮した柔軟な態様にて配信先の広告再生端末を決定できる。これにより、広告主にとって利便性の高い広告配信サービスを提供できる。

つぎに、請求項６に記載の広告配信装置は、以下の特徴を有する。すなわち、決定手段は、過去に配信が行われた配信済み広告コンテンツについて、新たに取得された利用度合数に基づいて、配信先の広告再生端末を改めて決定する。そして、配信手段は、決定手段により改めて決定された配信先の広告再生端末のうち、配信済み広告コンテンツが未配信である広告再生端末に対して、配信対象の広告コンテンツとして配信済み広告コンテンツを配信する。一方、過去に配信済み広告コンテンツが配信された広告再生端末に対して、決定手段により決定された配信先に応じて、配信済み広告コンテンツの再生可否の何れかを示す再生可否情報を配信する。

これによれば、過去にカラオケ装置の利用度合数に基づいて配信先を決定した広告コンテンツについて、新たに取得された利用度合数に基づいて再度配信先を決定できる。このようにすることで、カラオケ装置の最新の利用状況を反映した態様にて、広告コンテンツの配信先が更新されるので、利用状況の変化に対応して配信先の平等性を維持できる。

このとき、広告コンテンツの配信先を更新することで、過去に当該広告コンテンツが配信された広告再生端末については、新しい配信先として再選される場合もあれば、配信先から外れる場合もある。このため、配信先から外れた広告再生端末に対して、当該広告コンテンツを再生させないように制御する必要がある。そこで、過去に広告コンテンツを配信済みの広告再生端末に対して、新たに決定された配信先に応じた再生可否情報を配信することで、それらの広告再生端末に対して、広告コンテンツの再生の可否を制御できる。

カラオケシステムの概略構成を示すブロック図。 配信先決定方法の第１実施形態を示す説明図。 配信先決定方法の第２実施形態を示す説明図。 センタサーバが実行する配信処理の手順を示すフローチャート。

以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
［カラオケシステムの構成の説明］
実施形態のカラオケシステムは、図１に示すように、広域ネットワークに接続されたセンタサーバ１と、カラオケ店舗の各カラオケルーム内に配置されたカラオケ装置２、リモコン端末３、及び広告再生端末４と、各カラオケ店舗に配置されたＰＯＳ端末５とを含んで構成される。なお、図１では、カラオケ店舗内に複数設けられたカラオケルームのうちの１室を例に挙げたものである。また、広域ネットワークには複数のカラオケ店舗が接続されているものとする。

センタサーバ１は、カラオケ店舗内の各広告再生端末４に広告コンテンツのデータを配信するサーバ装置である。このセンタサーバ１は、適宜な処理能力を有する情報処理装置で構成されている。センタサーバ１は、ハードウェア構成として、制御部１０、データベース部１１、通信部１２等を備える。制御部１０は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、Ｉ／Ｏ等を中心に構成された情報処理デバイスであり、広告コンテンツの配信に関する各種の処理を実行する（詳細は後述する）。データベース部１１は、広告コンテンツのデータやカラオケ店舗に関する管理情報等を記憶するデータベースである。通信部１２は、広域ネットワークに接続して、広告再生端末４やＰＯＳ端末５と通信を行うための通信インタフェースである。

データベース部１１には、広告再生端末４に配信するための広告コンテンツが多数格納されている。広告コンテンツは、カラオケサービスの利用客に対して様々な商品やサービスを宣伝するための映像情報である。それぞれの広告コンテンツは、広告を提供する広告主とカラオケサービスの運営者側との契約によって、配信先となるカラオケルーム（すなわち広告再生端末４）の範囲が決められている。そのため、個々の広告コンテンツごとに、各カラオケルームのカラオケ装置２の利用実績に応じて、全ての広告再生端末４の中から一部が配信先として決定されるようになっている。

また、データベース部１１には、各カラオケ店舗に関する店舗管理情報や、カラオケ店舗内の各ルームの利用度合に関する統計情報が保存されている。店舗管理情報は、管理対象の各カラオケ店舗について、所属地域、店舗名、営業時間、各カラオケルームのルーム番号、各カラオケルームに設置されているカラオケ装置２の識別情報、及び、各カラオケルームに設置されている広告再生端末４の識別情報等が対応付けられた情報である。この他にも、カラオケ装置２が設置されている場所の属性（設置属性）を示す情報として、カラオケルームのサイズ（大部屋・小部屋等）や目的（ステージ用、楽器演奏用）等の情報を記憶してもよい。利用度合は、各カラオケルーム（すなわち、カラオケ装置２）が所定期間（例えば、直近１ヶ月間）に利用客によって利用された度合（利用時間率、利用客数）である。統計情報は、取得した全てのカラオケルームが所定期間に利用客によって利用された度合を集計した情報である。

カラオケ装置２及び広告再生端末４は、カラオケ店舗内のＬＡＮに設けられたブロードバンドルータＢＲを中継して広域ネットワークに接続する。また、リモコン端末３は、無線ＬＡＮのインフラストラクチャモードにより無線ＬＡＮアクセスポイントＡＰを中継して、カラオケ店舗内のＬＡＮにネットワーク接続し、更にブロードバンドルータＢＲを中継して広域ネットワークに接続する。

カラオケ店舗内のカラオケルームには、カラオケ装置２、リモコン端末３、広告再生端末４、メインディスプレイ２１、サブディスプレイ４１が設置されている。メインディスプレイ２１は、カラオケ装置２に接続されている。メインディスプレイ２１には、カラオケ装置２から出力されるカラオケサービス用の映像が表示される。一方、サブディスプレイ４１は、広告再生端末４に接続されている。サブディスプレイ４１には、カラオケルーム内でカラオケ装置２を利用する利用客に向けた広告映像が表示される。

カラオケ装置２は、ネットワークを通じて配信されたカラオケ曲に基づくカラオケ演奏を行い、利用客にカラオケサービスを提供する業務用の装置である。カラオケ装置２は、店舗内ＬＡＮや広域ネットワークを介して、リモコン端末３や広告再生端末４、センタサーバ１との間でデータ通信可能に構成されている。カラオケ装置２は、利用客からリクエストされた曲の伴奏音楽を演奏するのに併せて、背景映像や曲の歌詞テロップをメインディスプレイ２１に表示させる。また、カラオケ装置２は、本システムの利用アカウントを有する利用客が所定の手続きを経てログインすることにより、演奏する曲のリクエスト（予約）や演奏を、ログインした利用客である個々のログインユーザの識別情報に対応付けて行う。なお、カラオケ装置２のその他の機能や構成については公知技術に従っているので、ここでの詳細な説明は省略する。

リモコン端末３は、カラオケルーム内でカラオケ装置２を遠隔操作するための通信端末装置である。リモコン端末３は、本システムの利用アカウントを有する利用客からの所定のログイン操作を受付ける。ログイン操作を受付けると、リモコン端末３は、操作対象のカラオケ装置２にログイン要求を送信し、カラオケ装置２からログインの成否の結果を受信する。利用客のログインが成立すると、リモコン端末３は、ログインユーザが再生を希望する曲の予約を行うためのリクエスト操作を、当該ログインユーザの識別情報に対応付けて受付ける。そして、リクエスト曲の楽曲番号及びリクエストした利用客の識別情報（ユーザ名）を含む演奏リクエスト情報を、無線ＬＡＮ通信や赤外線通信によって操作対象のカラオケ装置２に送信する。

広告再生端末４は、センタサーバ１から配信された広告コンテンツの映像を再生する業務用の情報処理装置である。広告再生端末４は、例えばパソコン等のコンピュータ装置によって具現化される。広告再生端末４は、センタサーバ１から配信された広告コンテンツをハードディスクドライブ等の記憶装置に保有している。そして、広告再生端末４は、保有している広告コンテンツを、所定の再生順リストに従って順次再生する。再生された広告コンテンツの映像は、サブディスプレイ４１に表示される。サブディスプレイ４１は、例えば液晶パネルディスプレイ（ＬＣＤ）によって具現化される。

ＰＯＳ端末５は、販売時点管理システム（ＰＯＳシステム：Point Of Sale system）を構成し、カラオケサービスの利用者に対する会計処理やサービスの販売管理を行う会計処理端末である。ＰＯＳ端末５は、専用のレジスタ装置やパソコン等の情報処理装置により具現化される。ＰＯＳ端末５は、利用客に対する会計処理のときに入力された、各カラオケ装置２の利用実績に関する情報を含む利用情報を、従来のＰＯＳサーバ６への送信とは別に、センタサーバ１に所定期間（例えば１日）ごとにまとめて送信する。この利用情報は、各カラオケルームのカラオケ装置２が利用客によりどの程度利用されたかを示す情報であり、店舗名、カラオケルームの識別番号（ルーム番号）、利用日時・時間数、利用客数等の情報が含まれる。

［第１実施形態］
センタサーバ１による広告コンテンツの配信先決定方法の第１実施形態について、図２を参照しながら説明する。第１実施形態では、ＰＯＳ端末５からの利用情報に基づいて集計された、所定期間における各カラオケ装置２の利用時間率に基づいて、センタサーバ１が広告コンテンツの配信先となる広告再生端末４を決定する。

図２（ａ）は、センタサーバ１が管理する、カラオケ装置２の利用時間率に関する統計情報の一例である。この統計情報は、個々のカラオケ装置２ごとに対応付けられる、「店舗名」、「ルーム番号」、「地域」、及び「利用時間率」の各情報項目が記述されたレコードの集合である。店舗名は、カラオケ装置２が設置されているカラオケ店舗の名称を示す情報項目である。ルーム番号は、カラオケ店舗内においてカラオケ装置２が設置されているカラオケルームの識別番号を示す情報項目である。なお、ルーム番号の代わりに、カラオケルームに対応するカラオケ装置２の識別情報（例えば、識別番号）を用いても同等である。地域は、カラオケ装置２の設置属性を示す情報として、カラオケ店舗が所属する地域の名称を示す情報項目である。利用時間率は、所定の期間（例えば、直近１ヶ月）において、カラオケルーム（すなわち、カラオケ装置２）が利用客によって利用された時間の割合を示す情報項目である。利用時間率は、所定期間内の全営業時間数に対する利用時間数の割合として算出される。

図２（ａ）の事例は、店舗名「品川」（地域：東京）及び「金山」（地域：愛知）にあるルームＳ１〜Ｓ４，Ｋ１〜Ｋ４の８箇所に設置されたカラオケ装置２について集計された利用時間率の統計情報を想定したものである。以下、ある広告コンテンツＡを、全カラオケルームの５０％に相当する数のカラオケルームの広告再生端末４に対して配信するように規定された場合を想定して説明する。ここでは、図２（ａ）の統計情報に基づき、配信先となるカラオケルームの利用時間率の平均値が、全カラオケルームの利用時間率の平均値と所定の範囲（例えば、平均値に対して±％の範囲）で近似し、かつ配信先が各地域に均等に分散されるように、配信先となるカラオケルームの広告再生端末４を決定する。

具体的には、各カラオケルームの利用時間率に基づき、全カラオケルームの５０％に相当する数の配信先となるカラオケルームの利用時間率の平均値が、全カラオケルームの利用時間率の平均値と等しくなる配信先の組合せを演算で導出することが考えられる。あるいは、全カラオケルームの中から、全カラオケルームの利用時間率の平均値に近い利用時間率を示すカラオケルームに対応する広告再生端末４を、全カラオケルームの５０％に相当する数量だけ選ぶことで、配信先を決定してもよい。

図２（ｂ）は、広告コンテンツＡの配信先の決定例である。広告コンテンツＡの配信先として、全８ルームの半数に相当する４ルーム：Ｓ１，Ｓ２，Ｋ１，Ｋ２が選択されている。このとき、全８ルームにおける利用時間率の平均値ａは４５％となっている。これに対し、配信先に決定された４ルームにおける利用時間率の平均値ｂは４５％となっており、全８ルームにおける利用時間率の平均値ａと等しくなっている。また、地域別の配信先の数は、東京が２箇所、愛知が２箇所となっており、配信先が東京と愛知とで均等に分散されている。なお、全ルームの利用時間率の平均値と配信先の利用時間率の平均値とを、計算上完全に等しくできない場合、両者が可能な限り近似するように配信先を選択する。

ところで、配信先のカラオケルームの利用時間率の平均値は、全体の平均値と必ずしも等しくなくてよい。また、全体の広告再生端末の数に対する広告コンテンツの配信先の比率や、配信先のカラオケルームの利用時間率の平均値を全体の平均値に対してどの比率に設定するかといった、広告閲覧者数の多さに関する設定は、広告主との契約等により適宜決定できる。また、地域別の配信先の分散比率についても、各地域に均等に分散させたり、特定の地域に偏在させたりといった具合に、広告主とカラオケサービスの運営者側との契約等により適宜決定できる。

［第２実施形態］
センタサーバ１による広告コンテンツの配信先決定方法の第２実施形態について、図３を参照しながら説明する。第２実施形態では、ＰＯＳ端末５からの利用情報に基づいて集計された、所定期間における各カラオケ装置２の利用客数の合計に基づいて、センタサーバ１が広告コンテンツの配信先となる広告再生端末４を決定する。

図３（ａ）は、センタサーバ１が管理する、カラオケ装置２の利用客数に関する統計情報の一例である。この統計情報は、個々のカラオケ装置２ごとに対応付けられる、「店舗名」、「ルーム番号」、「地域」、及び「利用客数」の各情報項目が記述されたレコードの集合である。店舗名、ルーム番号、及び地域の各情報項目については、上述の第１実施形態と同様である。利用客数は、所定の期間（例えば、直近１ヶ月）において、カラオケルーム（すなわち、カラオケ装置２）を利用した利用客数の合計を示す情報項目である。

図３（ａ）の事例は、店舗名「品川」（地域：東京）及び「金山」（地域：愛知）にあるルームＳ１〜Ｓ４，Ｋ１〜Ｋ４の８箇所に設置されたカラオケ装置２について集計された利用客数の統計情報を想定したものである。以下、ある広告コンテンツＡを、全利用客数の５０％分の利用客数をカバーするカラオケルームの広告再生端末４に対して配信するように規定された場合を想定して説明する。ここでは、図３（ａ）の統計情報に基づき、配信先となるカラオケルームの利用客数の合計が、全カラオケルームの利用客数の合計の５０％となり、かつ、配信先が特定の地域のみに集中しないように、配信先となるカラオケルームの広告再生端末４を決定する。

具体的には、広告コンテンツＡの配信先となるカラオケルームの数を予め決めてから、決めた配信先の数の範囲で、全カラオケルームの利用客数の合計の５０％に相当する利用客数を満たすカラオケルームを決定することが考えられる。例えば、まず、全カラオケルームの５０％に相当する数のカラオケルームに配信すると設定する。そして、全体の５０％に相当する配信先の数の範囲で、全カラオケルームの利用客数の合計の５０％の利用客数を満たすカラオケルームの組合せを演算により導出する。

あるいは、広告コンテンツＡの配信先となるカラオケルームの数を特に定めないで、全カラオケルームの利用客数の合計の５０％に相当する利用客数を満たすカラオケルームを決定してもよい。例えば、利用客数が多いカラオケルームから順に配信対象に追加していき、配信対象として選択したカラオケルームの利用客数の合計が、全カラオケルームの利用客数の合計の５０％を満たした時点で選択を終了する。

図３（ｂ）は、広告コンテンツＡの配信先の決定例である。広告コンテンツＡの配信先として４ルーム：Ｓ１，Ｓ２，Ｋ１，Ｋ２が選択されている。このとき、全８ルームにおける利用客数の合計ａは１２００人となっている。これに対し、配信先に決定された４ルームにおける利用客数の合計ｂは６００人となっている。配信先の４ルームにおける利用客数の合計ｂは、全８ルームにおける利用客数の合計ａの５０％となっている。また、配信先のカラオケルームの地域別の利用客数については、東京と愛知で均等になっている。なお、配信先の利用客数の合計を目的の数に計算上完全に等しくできない場合は、可能な限り近似するように配信先を選択する。

ところで、配信先のカラオケルームにおける利用客数の合計を、全利用客数の合計に対してどの比率に設定するかといった、広告閲覧者数の多さに関する設定は、広告主との契約等により適宜決定できる。また、地域別の配信先の分散比率についても、各地域の利用客数が均等になるように分散させたり、特定の地域に集中させたりといった具合に、広告主とカラオケサービスの運営者側との契約等により適宜決定できる。

［配信処理の説明］
センタサーバ１の制御部１０が実行する配信処理の手順について、図４のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、センタサーバ１のシステム稼働中において繰返し実行される。

Ｓ１００では、制御部１０は、広告再生端末４に配信するための新しい広告コンテンツの登録があるか否かを判断する。広告コンテンツの新規登録がある場合（Ｓ１００：ＹＥＳ）、制御部１０はＳ１０２に進む。一方、広告コンテンツの新規登録がない場合（Ｓ１００：ＮＯ）、制御部１０はＳ１０４に進む。

広告コンテンツの新規登録がある場合に進むＳ１０２では、制御部１０は、入力された広告コンテンツのデータをデータベース部１１の所定領域に格納する。Ｓ１０４では、制御部１０は、カラオケ店舗内のＰＯＳ端末５から、店舗内の各カラオケ装置２の利用実績に関する利用情報を受信したか否かを判定する。利用情報は、各カラオケ店舗に設置されているＰＯＳ端末５から定期的に送信されてくる。利用情報には、店舗名、カラオケルームのルーム番号、利用日時、利用時間数（第１実施形態）、利用客数（第２実施形態）等の情報が含まれる。ＰＯＳ端末５から利用情報を受信した場合（Ｓ１０４：ＹＥＳ）、制御部１０はＳ１０６に進む。一方、ＰＯＳ端末５から利用情報を受信していない場合（Ｓ１０４：ＮＯ）、制御部１０はＳ１１０に進む。

ＰＯＳ端末５から利用情報を受信した場合に進むＳ１０６では、制御部１０は、受信した利用情報に基づいて、カラオケ装置２の利用実績に関する統計情報を更新する。上記第１実施形態（図２（ａ）参照）では、受信した利用情報で示される利用時間数を、該当のカラオケ装置２の当期間における利用時間数の集計に加算し、当期間における全営業時間数に対する利用時間率を算出する。一方、上記第２実施形態（図３（ａ）参照）では、受信した利用情報で示される利用客数を、該当のカラオケ装置２の当期における利用客数に加算する。

次のＳ１０８では、制御部１０は、統計情報で示される各カラオケ装置２の利用実績に基づいて配信対象の各広告コンテンツの配信先を決定する。ここでは、Ｓ１０２で新たに登録された未配信の広告コンテンツを対象に配信先を決定する。個々の広告コンテンツの配信先決定方法については、上述の第１実施形態（図２参照）、又は第２実施形態（図３参照）において説明したとおりである。制御部１０は、保有する各広告コンテンツの配信先となる広告再生端末４の一覧を記録した配信先リストに、今回決定した配信先の広告再生端末４を登録する。

Ｓ１１０では、制御部１０は、カラオケルーム内の広告再生端末４から、広告コンテンツの取得要求を受信したか否かを判定する。なお、広告コンテンツの取得要求は、各広告再生端末４から定期的に送信されるものとする。広告再生端末４から広告コンテンツの取得要求を受信した場合（Ｓ１１０：ＹＥＳ）、制御部１０はＳ１１２に進む。一方、広告再生端末４から広告コンテンツの取得要求を受信していない場合（Ｓ１１０：ＮＯ）、制御部１０はＳ１１４に進む。

広告再生端末４から広告コンテンツの取得要求を受信した場合に進むＳ１１２では、制御部１０は、現在保有している配信先リストに基づいて、要求元の広告再生端末４が配信先となっている広告コンテンツを、要求元の広告再生端末４に配信する。ここでは、例えば、要求元の広告再生端末４が既に保有している広告コンテンツのリストと、配信先リストにおいて要求元の広告再生端末４が配信先となっている広告コンテンツとの差分に相当する未配信の広告コンテンツを配信する。センタサーバ１から広告コンテンツを受信した広告再生端末４は、受信した広告コンテンツを記憶部に保存し、所定の再生順序に従って再生を行う。

次のＳ１１４では、制御部１０は、システムの動作を終了するか否かを判定する。システムを終了しない場合（Ｓ１１４：ＮＯ）、制御部１０はＳ１１０に戻る。一方、システムを終了する場合（Ｓ１１４：ＹＥＳ）、制御部１０は配信処理を終了する。

［効果］
実施形態のセンタサーバ１によれば、以下の効果を奏する。
広告コンテンツの配信先として決定された広告再生端末４に対応するカラオケ装置２の利用時間率の平均値や利用客数の合計が、全てのカラオケ装置２の利用時間率の平均値や利用客数の合計を総数とした全体の利用度合数に対する所定の基準に統一される。このようにすることで、広告コンテンツごとに配信先や配信先の数が異なる場合であっても、配信先に対応するカラオケ装置２の利用度合が等しいとの観点で、広告主にとって公平な広告効果を提供できる。これにより、例えば、利用時間率や利用客数が著しく低いカラオケ装置２に対応する広告再生端末４ばかりが配信先に決定されるような偏った状況は排除される。特に、カラオケ装置２の利用客数を指標にして配信先を決定することで、単純な利用時間よりも更に詳細な利用状況を反映した態様にて配信先を決定できる。

また、広告コンテンツを各カラオケ店舗が属する全地域に均等に配信したり、特定の地域に集中的に配信したりといった具合に、平等な広告効果と地域性とを考慮した柔軟な態様にて配信先の広告再生端末４を決定できる。

［変形例］
上述の配信処理では、制御部１０が、新たにデータベース部１１に登録された未配信の広告コンテンツを対象に、統計情報に基づいて配信先を決定する（Ｓ１０８）事例について説明した。それに加えて、過去に広告再生端末４に対して配信が行われた配信済の広告コンテンツについても、新たに更新された統計情報に基づいて再度配信先を決定してもよい。このようにすることで、カラオケ装置２の最新の利用実績を反映した態様にて、広告コンテンツの配信先が更新されるので、利用実績の変化に対応して配信先の平等性を維持できる。

その場合、配信済みの広告コンテンツについて配信先が更新されることで、過去に当該広告コンテンツが配信された広告再生端末４については、新しい配信先として再選される場合もあれば、配信先から外れる場合もある。そこで、配信先から外れた広告再生端末４に対して、当該広告コンテンツを再生させないようにセンタサーバ１が制御を行う。具体的には、制御部１０は、配信済みの広告コンテンツを保有する広告再生端末４に対して、当該広告コンテンツについて新たに決定された配信先に応じて、再生可否の何れかを示す再生可否情報を配信する。

例えば、ある広告コンテンツについて配信先が更新されたときに、当該広告コンテンツを保有し、かつ新たな配信先から除外された広告再生端末４に対して、当該広告コンテンツの再生を不可とする再生可否情報を送信する。また、当該広告コンテンツを保有し、かつ新たな配信先にも選定された広告再生端末４に対して、当該広告コンテンツの再生を可能とする再生可否情報を送信する。このような再生可否情報は、更新前の配信先と更新後の配信先との差分に基づいて生成できる。これに対応して、広告再生端末４は、センタサーバ１から受信した再生可否情報に基づき、自己が保有する広告コンテンツの中から再生不可に該当する広告コンテンツを除外して再生順リストを作成し、広告コンテンツの再生を行う。

上述の実施形態におけるカラオケシステムでは、センタサーバ１が、各カラオケ店舗のＰＯＳ端末５から、各カラオケ装置２の利用実績に関する情報を収集する構成となっている。これとは別に、各カラオケ店舗のＰＯＳ端末５から、各カラオケルームのカラオケ装置２の利用実績に関する情報を収集して集中管理する店舗管理サーバをセンタサーバ１とは別に備えるような構成であってもよい。その場合、センタサーバ１は、店舗管理サーバから取得した情報に基づき、各カラオケ装置２の利用実績に関する統計情報を集計する。

あるいは、各カラオケ装置２の利用時間数や利用客数を示す情報を、センタサーバ１が各カラオケ装置２から取得するような構成であってもよい。その場合、センタサーバ１は、各カラオケ装置２にログインした利用客に関するログイン情報に基づいて、各カラオケ装置２の利用時間数や利用客数を特定することが考えられる。

上述の実施形態におけるカラオケシステムでは、カラオケ装置２の設置場所の属性を示す設置属性として「地域」を適用し、地域別の分配比率を満たすように広告コンテンツの配信先を決定する構成となっている。これとは別に、設置属性として、カラオケ装置２が設置される「店舗」、カラオケルームのサイズ（大部屋・小部屋等）や目的（ステージ用、楽器用等）に関する「部屋種別」といった区分を、設置属性として採用してもよい。

このようにすることで、例えば、同じ地域に複数のカラオケ店舗がある場合に、どちらの店舗にも均等に広告コンテンツを配信するといった運用を行うことができる。あるいは、カラオケルームのサイズや目的等の種別がある場合に、特定の種別のカラオケルームに対して均等に広告コンテンツを配信するといった運用を行うことができる。

［特許請求の範囲に記載の構成との対応］
実施形態に記載の構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。
センタサーバ１が広告配信装置に相当する。センタサーバ１の制御部１０及び通信部１２が、取得手段及び配信手段に相当する。センタサーバ１の制御部１０が決定手段に相当する。センタサーバ１のデータベース部１１が記憶手段に相当する。

１…センタサーバ、１０…制御部、１１…データベース部、１２…通信部、２…カラオケ装置、２１…メインディスプレイ、３…リモコン端末、４…広告再生端末、４１…サブディスプレイ、５…ＰＯＳ端末、６…ＰＯＳサーバ、ＡＰ…無線ＬＡＮアクセスポイント、ＢＲ…ブロードバンドルータ、Ｒ…ルータ。

Claims (6)

1. 複数の広告再生端末に対応するカラオケ装置について、所定の期間において各カラオケ装置が利用客によって利用された利用割合又は利用量を示す利用度合数を取得する取得手段と、
   前記取得手段により取得された利用度合数に基づいて、前記複数のカラオケ装置に関する利用度合数に対して、配信対象の広告コンテンツの配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する一部の利用度合数が所定の基準を満たす配信先の広告再生端末を、前記複数の広告再生端末の中から決定する決定手段と、
   前記配信対象の広告コンテンツを、前記決定手段により決定された配信先の広告再生端末に配信する配信手段と、
   を備えることを特徴とする広告配信装置。
2. 請求項１に記載の広告配信装置において、
   前記取得手段は、前記利用度合数として、所定の期間の全体時間において前記各カラオケ装置が利用客によって利用された時間の割合を示す利用時間率を取得し、
   前記決定手段は、前記取得手段により取得された前記複数のカラオケ装置に関する利用時間率に対して、配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する一部の利用時間率が所定の基準を満たす配信先の広告再生端末を決定すること、
   を特徴とする広告配信装置。
3. 請求項１に記載の広告配信装置において、
   前記取得手段は、前記利用度合数として、所定の期間において前記各カラオケ装置を利用した利用客の人数を示す利用者数を取得し、
   前記決定手段は、前記取得手段により取得された前記複数のカラオケ装置に関する所定期間における利用者数に対して、配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する所定期間における一部の利用者数が所定の基準を満たす配信先の広告再生端末を決定すること、
   を特徴とする広告配信装置。
4. 請求項２に記載の広告配信装置において、
   前記決定手段は、前記取得手段により取得された前記複数のカラオケ装置に関する利用時間率の平均値に対して、配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する利用時間率の平均値が、所定の範囲で近似する配信先の広告再生端末を決定すること、
   を特徴とする広告配信装置。
5. 請求項１ないし請求項４の何れか１項に記載の広告配信装置において、
   前記カラオケ装置が設置された場所の属性を示す設置属性を記憶する記憶手段を更に備え、
   前記決定手段は、前記取得手段により取得された前記複数のカラオケ装置に関する利用度合数に対して、配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置に関する一部の利用度合数が所定の基準を満たし、かつ、配信先となる一部の広告再生端末に対応するカラオケ装置の設置属性が所定の分配比率を満たす配信先の広告再生端末を決定すること、
   を特徴とする広告配信装置。
6. 請求項１ないし請求項５の何れか１項に記載の広告配信装置において、
   前記決定手段は、過去に配信済み広告コンテンツについて、前記取得手段により新たに取得された利用度合数に基づいて、配信先の広告再生端末を改めて決定し、
   前記配信手段は、前記決定手段により改めて決定された配信先の広告再生端末のうち、前記配信済み広告コンテンツが未配信である広告再生端末に対して、前記配信対象に広告コンテンツとして前記配信済み広告コンテンツを配信し、過去に前記配信済み広告コンテンツが配信された広告再生端末に対して、前記決定手段により決定された配信先に応じて、前記配信済み広告コンテンツの再生可否の何れかを示す再生可否情報を配信すること、
   を特徴とする広告配信装置。

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