JP2014196980A - 気中残留物の測定装置、半導体製造装置及び気中残留物の測定方法 - Google Patents

気中残留物の測定装置、半導体製造装置及び気中残留物の測定方法 Download PDF

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智仁 松尾
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Abstract

【課題】被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気中の残留水分や有機物を高感度に測定することができる技術を提供すること。
【解決手段】被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気を形成する区画室中の水分や有機物を測定するにあたって、区画室よりも低圧な測定室51に両者の圧力を分離した状態で区画室から測定室51内に乾燥ガス雰囲気を引き込む。そして乾燥ガスの排気速度が水分や有機物の排気速度よりも大きい真空排気機構4、例えばターボ分子ポンプやドライポンプにより測定室51内を真空排気する。このため乾燥ガスはそのまま真空排気されるが、水分や有機物は測定室51の内壁に対して付着、脱離を繰り返し、測定室51内に残留する。そのため測定室51内への乾燥ガス雰囲気の引き込みと、測定室51内の真空排気とを続けることにより、測定室51内における水分や有機物の濃度が高まる。この結果水分や有機物の測定感度が高くなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気中に残留する残留物を測定する技術分野に関する
半導体製造工場では、半導体ウエハ(以下ウエハという)に成膜する成膜装置、レジストパターンを形成する装置、ドライエッチングを行う装置、熱処理を行う装置などの複数種の半導体製造装置が設置されている。そして真空雰囲気でウエハを処理する半導体製造装置は、例えば窒素ガス雰囲気や乾燥空気雰囲気である常圧雰囲気の区画領域、常圧雰囲気と真空雰囲気とを切り替えるロードロック室(予備真空室)、真空搬送室、真空処理室(プロセスチャンバ)を備えている。またレジストパターンを形成する装置は、処理容器内にて、常圧雰囲気でレジスト塗布、ベーク処理及び現像処理などが行われる。
そしてウエハが置かれる雰囲気中に残留水分や有機物が残留していると、ウエハの表面にこれら気中残留物が付着し、ウエハの処理の均一化を阻害したり、あるいは装置の腐食を促進したりするなどの悪影響をもたらす場合がある。残留水分の発生源に関しては、有機物からなるシール部材であるいわゆるOリング中に含まれている水分が雰囲気中に取り込まれたり、あるいはアルマイトを使用している場合にはアルマイトに吸着されていた水分が雰囲気中に取り込まれたりする。またプロセスガスや雰囲気を形成する窒素ガス中の水分管理が悪かった場合にも雰囲気中の残留水分が上昇する。残留有機物の発生源としては、チャンバ内に設けられている有機物からなる部品が挙げられる。
残留水分や残留有機物の濃度管理は、ウエハの処理に悪影響を及ぼすという観点からだけでなく、Oリングの交換時期、装置の異常、プロセスガスあるいは雰囲気ガスの異常、などを把握する観点からも重要である。このため従来は、チャンバ内に露点計を配置して水分量を測定したり、あるいはチャンバ内の雰囲気を測定用の容器にサンプリングして、露点計により水分量を測定することが行われていた。
しかしながら、例えば常圧搬送室やロードロック室など、ウエハが置かれる雰囲気中に残留する水分の量は微量であることから、高感度に水分量を測定することが困難であった。また微量な残留有機物については、適切な測定方法が確立されていないというのが実情である。
特許文献1には、プラズマ処理装置内の水分量の検出方法が記載されているが、プラズマの発光スペクトルを利用して水分量を測定するものであり、常圧搬送室やロードロック室などに用いることは難しい。
特開2010−147052号公報
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気中に残留している水分や有機物を高精度に測定することができる技術を提供することにある。
本発明の気中残留物の測定装置は、被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気を形成する区画室中の気中残留物を測定する測定装置において、
前記区画室に連通路を介して接続された真空容器からなる測定室と、
前記区画室と測定室とが連通している状態で、前記区画室内の圧力と測定室内の圧力とを分離するために、前記連通路に設けられた圧力分離部と、
前記測定室内を前記区画室内よりも低圧となるように真空排気して、区画室内の乾燥ガス雰囲気を前記連通路を介して前記測定室内に引き込むために設けられ、乾燥ガスの排気速度が水分の排気速度よりも大きい真空排気機構と、
前記測定室内の雰囲気の水分及び有機物の少なくとも一方を測定するための測定部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の半導体製造装置は、半導体基板が置かれる乾燥ガス雰囲気を形成する区画室と、
上述の気中残留物の測定装置を備えることを特徴とする。
本発明の気中残留物の測定方法は、被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気を形成する区画室中の気中残留物を測定する気中残留物の測定方法において、
前記区画室に連通路を介して接続された真空容器からなる測定室と、前記区画室と測定室とが連通している状態で、前記区画室内の圧力と測定室内の圧力とを分離するために、前記連通路に設けられた圧力分離部と、を用い、
乾燥ガスの排気速度が水分の排気速度よりも大きい真空排気機構により、前記測定室内を前記区画室内よりも低圧となるように真空排気して、区画室内の乾燥ガス雰囲気を前記測定室内に引き込む工程と、
その後前記測定室内の雰囲気の水分及び有機物の少なくとも一方を測定する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明は、被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気を形成する区画室中の水分及び有機物の少なくとも一方を測定するにあたって、区画室よりも低圧な真空容器内に両者の圧力を分離した状態で区画室から乾燥ガス雰囲気を引き込んでいる。そして乾燥ガスの排気速度が水分の排気速度よりも大きい真空排気機構により真空容器内を真空排気していることから、乾燥ガスはそのまま真空排気されるが、水分は真空容器の内壁に対して付着、脱離を繰り返し、測定室内に残留する。そのため測定室内への乾燥雰囲気の引き込みと、測定室内の真空排気とを続けることにより、測定室内における水分の濃度が高まる。この結果水分の測定感度が高くなるので、真空容器内の水分を容易に測定することができ、このため区画室内の水分量を容易に推定することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る測定装置を適用した真空処理装置の全体を示す平面図である。 前記真空処理装置の一部の配管系を詳細に示す平面図である。 ロードロック室内の水分量の測定工程を示すフロー図である。 気中の水分の測定方法を説明する説明図である。 測定部により測定した吸収スペクトルを示す特性図である。 第2の実施の形態に係る測定装置を示す平面図である。 ロードロック室内の水分量及び有機物量の測定工程を示すフロー図である。
本発明の第1の実施の形態にかかる測定装置を備えた半導体製造装置として、マルチチャンバシステムである真空処理装置について図1、図2を用いて説明する。真空処理装置は、その内部雰囲気が乾燥ガス、例えば乾燥した窒素ガスにより常圧雰囲気とされる横長の常圧搬送室12を備え、常圧搬送室12の手前には、キャリアCを載置するための搬入出ポート11が左右方向に並べて設置されている。乾燥ガスとしては、窒素ガスや乾燥空気が挙げられる。常圧とは、例えば大気圧が挙げられるが、大気圧より多少の陽圧あるいは陰圧の場合も含まれる。
常圧搬送室12の正面壁には、前記キャリアCの蓋と一緒に開閉されるドア17が取り付けられている。常圧搬送室12内には、ウエハWを搬送するための関節アームで構成された第1の搬送アーム20が設けられている。さらに、前記常圧搬送室12の搬入出ポート11側から見て左側壁には、ウエハWの向きや偏心の調整を行うアライメント室16が設けられている。
常圧搬送室12における搬入出ポート11の反対側には、ウエハWを待機させた状態で内部の雰囲気を常圧雰囲気と真空雰囲気との間で切り替える、例えば2個のロードロック室13a,13bが左右に並ぶように配置されている。ロードロック室13a,13bと常圧搬送室12との間には、ゲートバルブ18が設けられ、ロードロック室13a,13bと常圧搬送室12とは、気密に仕切られている。前記搬送アーム20は例えばキャリアCの並び方向に、移動自在、昇降自在、鉛直軸周りに回転自在に構成されており、キャリアC、アライメント室16及びロードロック室18に対してウエハWの受け渡しを行う役割を果たす。ロードロック室13a,13bの常圧搬送室12側から見て奥側には、真空搬送室14がゲートバルブ19を介して配置されている。
図中31は、窒素ガス供給源であり、窒素ガス供給源31から伸びるガス供給管33は分岐され、各分岐端部がロードロック室13a,13bに接続されている。なお図2は、ロードロック室13a,13bのレイアウトに関しては略記している。また図中の34、35、36は夫々バルブを示している。また各ロードロック室13a,13bには、バルブ42及び圧力調整バルブ43を備えた排気管41を介して、例えばターボ分子ポンプやスクロールポンプ(ドライポンプ)などの真空排気機構4が接続されている。さらにロードロック室13a,13b内には、第1の搬送アーム20によりウエハWが載置される載置台22が設けられている。
真空搬送室14は、例えばその平面形状が六角形状に形成されており、真空搬送室14の手前側の2辺は、ロードロック室13a,13bと真空側のゲートバルブ19を介して接続されている。真空搬送室14の残る4辺には、バルブ23を介して、真空処理モジュール15が接続されている。真空搬送室14には、鉛直軸周りに回転自在、進退自在に構成された例えば2本のアームを備えた第2の搬送アーム21が設けられており、第2の搬送アーム21により、各ロードロック室13a,13b、及び各真空処理モジュール15間でウエハWの受け渡しが行われる。真空搬送室14は、例えばその底面に設けられた配管より真空排気機構4に接続されて真空引きがされており、真空搬送室14内の圧力は、1〜10−2Pa程度に維持されている。真空処理モジュール15で行われるプロセスとしては、例えば成膜処理、アニール処理あるいはエッチング処理などが挙げられる。
本発明の実施の形態に係る真空処理装置には、常圧搬送室12及びロードロック室13a,13b内の雰囲気に含まれる水分を測定するための測定装置5が設けられている。測定装置5は、測定対象となる乾燥ガス雰囲気、この例では窒素ガス雰囲気が供給される測定室51と、測定室51内の雰囲気の成分を測定するための測定部52と、を備えている。測定室51は測定対象となる区画室の容積よりも小さい容積の真空容器で構成される。測定室51には、連通路である配管54の一端側が接続され、配管54の他端側は例えば複数本に分岐され、この例では、2つのロードロック室13a,13b、常圧搬送室12に接続されている。配管54におけるロードロック室13a,13b及び常圧搬送室12に対応した分岐管には夫々仕切りバルブV1a、V2a、V3aと開度調整バルブV1b、V2b、V3bとが設けられている。各仕切りバルブV1a、V2a、V3aは、その開閉により、測定室51と接続される領域を選択するために設けられる。また各開度調整バルブV1b、V2b、V3bは、測定室51と被測定領域との圧力を互いに分離できる程度の開度に設定されている。この例では、開度調整バルブV1b、V2b、V3bが圧力分離部に相当するがバルブを用いずに開度調整ができないオリフィスであってもよい。
測定部52としては、例えば紫外可視近赤外分光光度計や、質量分析計などを用いることができるが、ここではFT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いた例で説明する。測定室51の側壁の互いに対向する位置には、透過窓55、56が設けられる。透過窓55、56の外側には、夫々FT−IRの光源部57と検出部58とが設けられ、光源部57の赤外光が、透過窓55、測定室51及び透過窓56を介して、検出部58で受光されるように構成されている。FT−IRは、対象となる雰囲気中に赤外光を透過させ、透過後の赤外光の強度を検出し、波数に対応した吸光度を算出するように構成されている。この算出結果より、波数と吸光度とを対応させた吸収スペクトルを求め、この吸収スペクトルのピークの現れている波数の領域により対象雰囲気中の成分を判断する。
測定室51には排気管60を介して、真空排気機構4に接続されている。真空排気機構は、この例では、ロードロック室13a、13bを真空排気する真空排気機構4により兼用されている。図2中61はバルブであり、62は圧力調整バルブである。測定室51を真空排気する真空排気機構は、前記真空排気機構4を兼用せずに別個の真空排気機構を用いてもよいが、水分よりも窒素ガスの排気速度の大きい真空ポンプを用いることが必要である。このような真空ポンプとしては、ターボ分子ポンプやドライポンプ(スクロールポンプ)などの気体輸送式のポンプが挙げられる。
真空処理装置は制御部2を備えている。この制御部2は例えばコンピュータからなり、プログラム、メモリ、CPUを備えている。プログラムは、ウエハWの搬送、処理や、測定装置による水分や有機物である気中残留物の測定の一連の動作を実施するようにステップ群が組まれている。気中残留物の測定は自動で行うことに限られないが、この例では、自動で行う例として記載している。これらのプログラムは、コンピュータ記憶媒体、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等に収納され制御部2にインストールされる。
第1の実施の形態に係る半導体製造装置の全体的なウエハWの処理工程について説明する。ウエハWを収容したキャリアCがキャリア載置台11上に載置されると、当該キャリアC内のウエハWが、第1の搬送アーム20によって取り出される。第1の搬送アーム20に保持されたウエハWは、常圧搬送室12内を搬送される途中でアライメント室16に搬入され位置決めされた後、左右いずれかのロードロック室、例えばロードロック室13aに搬入される。この時ロードロック室13a内は、乾燥ガス例えば窒素ガスが供給されて常圧雰囲気の状態となっている。ウエハWが載置台22に載置された後、常圧側のゲートバルブ18が閉じられ、ロードロック室13a内は常圧雰囲気で密閉された状態となる。
続いてバルブ42を開き、ロードロック室13a内の雰囲気が排気されて所定の真空雰囲気となる。その後、真空側のゲートバルブ19が開かれ、第2の搬送アーム21によりウエハWが取り出される。次いでウエハWは、真空処理モジュール15へと搬送され、成膜処理やアニールなどの処理が行われる。所定の処理を終えたウエハWは、第2の搬送アーム21により真空処理モジュール15から取り出されて、ロードロック室13a,13bの一方に搬入される。一方のロードロック室13a(13b)内の雰囲気が、窒素ガスにより常圧雰囲気(100kPa)に切り替えられた後、ウエハWが、第1の搬送アーム20により取り出され、常圧搬送室12を介して、所定のキャリアCへと戻される。
さらに続いて測定装置5によりロードロック室13a,13b及び常圧搬送室12の窒素ガス雰囲気中の気中残留物を測定する方法について説明する。この例では、ロードロック室13a,13b及び常圧搬送室12を測定対象としているので、これらは特許請求の範囲の乾燥ガス雰囲気を形成する区画室に相当する。また気中残留物としては、水分及び有機物を対象としている。有機物はより詳しくは高沸点有機物であり、高沸点とは、例えば沸点が100℃以上である。気中残留物の測定は、例えば真空処理装置の定期メンテナンスの際に行われ、この例では、既述のように自動化されているので、オペレータが開始指令を制御部に入力することにより実施される。
図3は気中残留物の測定に関するフローを示しており、まずステップS1に示すようにバルブ61を開いて、測定室51と真空排気機構4とを接続し、測定室51内の圧力を10−2Pa程度まで下げる。
その後、既述の乾燥ガス雰囲気を測定室51内に引き込む前に、測定室51内の吸収スペクトルを測定部52により取得する(ステップS2)。これにより例えば測定室51内にごくわずかに滞留している水分やその他の残留物などに基づく吸収スペクトルが求まる。この操作はいわゆるブランク値を求めていることになる。
この時点ではロードロック室13a内は、窒素ガスにより常圧雰囲気とされており水分が含まれている場合、対象雰囲気は図4(a)に示すように例えば窒素ガス7などの気体と水分8とが混在した状態となっている。そしてロードロック室13aと測定室51をつなぐ配管54に設けられた仕切りバルブV3aを開くと、ロードロック室13a内の乾燥ガスが、ロードロック室13aと測定室51内の圧力差により、測定室51内に流入する(ステップS4)。この時、開度調整バルブV3bの開度は、ロードロック室13a内の圧力と測定室51内の圧力とが分離されるように小さく設定されている。このためロードロック室13a内の雰囲気は、測定室51内に流入するが、ロードロック室13aの圧力と測定室の圧力とは均等にはならず、測定室51内が真空になる一方で、ロードロック室13a内の圧力は、ほぼ常圧に保たれることになる。この時、図4(b)に示すようにロードロック室13a内から、パージガスである窒素ガス7と共に水分8などの気中残留物が測定室51に対して流れ込む。
測定室51内は、真空排気機構4による真空引きが続けられており、測定室51内に流入した雰囲気は速やかに真空引きされる。そのため、測定室51内の気圧は、例えば1Paとなる。気体に運動量を与えることにより排気するターボ分子ポンプやドライポンプなどの気体輸送式のポンプでは、窒素ガス7のように安定して気体の状態である物質は速やかに排出される。しかしながら水分8は、測定室51の内壁などに吸着、脱離を繰り返したり、水滴として凝集する性質があるため排出されにくい傾向にある。ステップS4において、測定室51内に引き込まれた窒素ガス雰囲気は、窒素ガス7と水分8との排気効率の差により、図4(c)に示すように、窒素ガス7が優先的に排気され、水分8が残留する。このため測定室51内に窒素ガス雰囲気の流入を続けた状態で、真空排気機構4による排気を継続することにより、測定室51内の残留成分中における窒素ガスに対する相対的な水分8の占める割合が徐々に増加していくことになる。
続いてステップS5にて、測定室51内の雰囲気の吸収スペクトルを取得し、水分及び有機物の残留量(含有量)を測定する。FT−IRを用いた場合、水分に対応する吸収スペクトルのピーク値の大きさに基づいて許容濃度を越えているか否かを判断するが、ロードロック室13a,13b及び常圧搬送室12において許容水分濃度は、例えば10ppb程度と、非常に微量である。そのため水分の示す吸収スペクトルは、小さなものとなり判別が難しくなる。
上述の実施の形態では、測定室51内に引き込まれた窒素ガス雰囲気をターボ分子ポンプにより排気している。そしてターボ分子ポンプは、水分の排気速度よりも窒素ガスの排気速度の方が大きい。その理由は、乾燥ガスは安定しているためそのまま真空排気されるが、水分は測定室51の内壁に対して付着、脱離を繰り返すためである。そのため測定室51に窒素ガス雰囲気を引き込みながら、測定室51内の真空引きを続けることにより、測定室51内に水分が蓄積し、水分濃度が高まることになる。ステップS5にて測定室51内の雰囲気の吸収スペクトルを取得した場合には、水分の濃度が高くなっており、水分を示す吸収スペクトルのピーク値の判別がしやすくなるため測定感度が高くなる。
図5(a)は、ステップS5においてFT−IRにより、実際に測定室51内の雰囲気に対して取得した吸収スペクトルである。図5(b)は、既述したステップS2で取得した吸収スペクトルであり、この吸収スペクトルは、もともと測定室51内に存在している気中残留物に対応するものであって、いわばブランク値である。ステップS6にて図5(a)に示す吸収スペクトルから図5(b)に示す吸収スペクトル分をブランク値として差し引くことにより、図5(c)に示すような吸収スペクトルが得られる。この図5(c)に示す吸収スペクトルは、ロードロック室13aから測定室51内に流入した窒素ガス雰囲気に対応する吸収スペクトルといえる。
吸収スペクトルの内、波数が3900cm−1程度領域は、水分に特有な波数を示しており、この領域の吸光度にピークが見られる場合には、水分が測定されていることになる。また3200cm−1程度の波数の領域は有機物(CH系不純物)に特有な波数の領域であり、この領域の吸光度のピークを判定することにより、有機物も測定されていることがわかる。例えば図5(c)では、波数が3900cm−1程度の領域に吸収スペクトルのピークが現れており、更に3200cm−1程度の波数の領域にも吸収スペクトルのピークが現れている。従ってロードロック室13aの窒素雰囲気中に水分や有機物が含まれていたと判断することができる。
この実施の形態の目的は、区画室であるロードロック室13a、13bや常圧搬送室12の窒素ガス雰囲気中に含まれている水分量や有機物が例えば真空処理装置のメーカ側で決めたスペック(上限値)を越えているか否かを容易に正確に判断することにある。このため測定室51の空間の大きさ及び圧力と、区画室の圧力の差分と、測定室51及びロードロック室13a等を通過している時間とに基づいて、シミュレーションにより区画室の窒素ガス雰囲気中の気中残留物濃度と測定室51内の気中残留物濃度との比率を見積もっておく。これにより測定室51にて取得した吸収スペクトルに基づいて区画室の窒素ガス雰囲気中の気中不純物を検出することができ、当該窒素ガス雰囲気中の水分量や有機物が上限量を超えているか否かを判断できる。
上述の実施の形態によれば、被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気を形成する区画室(ロードロック室13a、13b及び常圧搬送室12)中の水分や有機物を測定するにあたって、区画室よりも低圧な測定室51に両者の圧力を分離した状態で区画室から測定室51内に乾燥ガス雰囲気を引き込んでいる。そして窒素ガスの排気速度が水分の排気速度よりも大きい真空排気機構4により測定室51内を真空排気していることから、窒素ガスはそのまま真空排気されるが、水分は測定室51の内壁に対して付着、脱離を繰り返し、測定室51内に残留する。そのため測定室51内への乾燥ガス雰囲気の引き込みと、測定室51内の真空排気とを続けることにより、測定室51内における水分の濃度が高まる。このため水分の測定感度が高くなる。
また有機物についても同様に測定室51の内壁に対して付着、脱離を繰り返し、測定感度が高くなる。そして既述のようにシミュレーションにより、測定室内における水分測定量および有機物の測定量と区画室内の各測定量との比率を見積もっておくことにより、区画室内の水分及び有機物量が上限含有量を越えているか否かを容易に正確に判断することができる。また上述の例では、水分の測定は、自動で行うように記載したが、例えばオペレータがバルブの開閉や、測定装置5による測定をマニュアルで行うようにしてもよい。
更に本発明の実施の形態に係る気中の残留成分の測定装置は、真空処理装置の真空搬送室14や真空処理モジュール15内の雰囲気中に残留している水分や有機物の測定に用いてもよい。測定室51を真空排気する真空排気機構としては、例えば真空搬送室14を真空排気するためのターボ分子ポンプとは別個のものを用いてもよいが、前記ターボ分子ポンプを共通化して用い、真空搬送室14の圧力よりも低い圧力となるように圧力調整部62を調整するようにしてもよい。
この場合、測定室51を真空搬送室14に接続する場合を例に説明すると、真空搬送室14は窒素ガス雰囲気であって、かつ真空雰囲気とされており、また真空処理モジュール15はプロセスガスを用いた後、窒素ガスにより雰囲気を置換した状態で、所定の圧力まで真空排気される。従って真空搬送室14に対して、上述の測定装置を用いることができるし、また真空処理モジュール15に対しては、窒素ガスにより雰囲気を置換した状態で前記測定装置を用いて、真空処理モジュール15内の雰囲気中の水分や有機物を測定することができる。
例えば真空搬送室14に対して測定を行う場合には、真空搬送室14の圧力に対して、測定室51の圧力を10−1Pa程度低く設定する。その後例えば配管に設けられたバルブを開き真空搬送室14と測定室51とを接続すると、真空搬送室14内の窒素ガス雰囲気は、測定室51内の圧力と分離された状態で(切り分けられた状態)で当該測定室51内に流入することになる。
この場合においてもターボ分子ポンプやドライポンプにより減圧することで、既述の実施の形態と同様に、窒素ガスが水分や有機物に対して優先的に排気されることとなる。このため、測定室51内の窒素ガスの量が減少し、相対的に水分や有機物の比率が増加することになる。従ってFT−IRなどの測定部52を用いて高い感度で水分や有機物を検出することができるようになる。
更に本発明は、真空処理装置をウエハWの処理のために運転している間において、例えばウエハWのロット間で上述のプログラムを用いて、ロードロック室13aなどの水分や有機物の含有量の測定を連続的に行って、モニターするようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る気中残留物の測定装置において、測定室51内の水分の除去を行った後に、有機物(高沸点有機物)を測定するように構成してもよい。例えば図6に示すように測定室51から伸びる排気管63の他端側を分岐させる。排気管63の分岐後の一方を真空排気機構4と接続し、他方を水分の排気効率の高い真空ポンプ、例えばクライオポンプ62と接続する。図6中61、64は、仕切りバルブであり、65、66は、開度調整バルブである。この例では、排気管63、各仕切りバルブ61及び64が真空排気機構を切り替えるための切り換え部に該当する。また開度調整バルブ65、66により測定室51の圧力が調整される。
図7は、第2の実施の形態に係る測定装置による測定の工程を示すフロー図である。この例では、まず仕切りバルブ61が開かれ、仕切りバルブ64が閉じられることにより真空排気機構4と測定室51とが接続される。そして真空排気機構4により測定室51内の真空引きを行い(ステップS11)、測定室51内の圧力を例えば10−2Pa程度まで下げる。その後第1の実施の形態と同様にブランクとなる吸収スペクトルの測定を行い(ステップS12)、例えば仕切りバルブV3aを開き、ロードロック室13a内の窒素ガス雰囲気を測定室51内に引き込む(ステップS14)。その後、測定室51内の気圧が1Pa程度に下がった後、既述のように測定部52により、測定室51内の測定を行い、吸収スペクトルを取得する(ステップS15)。
続いてステップS16にて仕切りバルブ61が閉じられると共に、仕切りバルブ64が開放されてクライオポンプ62と測定室51が接続され、さらに真空引きが行なわれる。クライオポンプ62は気体溜めこみ式のポンプであり、内部に設けられた冷却機構により気体を冷却し凝縮させることにより気中の成分を除き、対象となる雰囲気を減圧していく。水分は、冷却により凝縮しやすい物質であることから、測定室51内から速やかに除かれる。一方高沸点有機物は、測定室51の側壁などに吸着しやすい性質があり、水と比較して低温でも凝縮しにくい。そのためターボ分子ポンプのような真空排気機構4では排出しにくい性質があるうえ、クライオポンプ62でも除去しにくいため、ステップS16の処理後も測定室51内における残留量が多いことになる。
従ってステップS16の処理工程を終えた後の測定室51内の雰囲気は、窒素ガス及び水分が減少しており、窒素ガス及び水分に対する高沸点有機物の比率が第1の実施の形態の場合よりも高まることになる。このためステップS17にて、測定部52により取得した測定室51内の雰囲気の吸収スペクトルにおいては、高沸点有機物の吸収スペクトルの判別が容易、つまり高沸点有機物の測定感度が高くなる。
続いて、ステップS18にて、ステップS12で求めた吸収スペクトルと、ステップS15で求めた吸収スペクトルの差分を求め、第1の実施の形態と同様に残留物の吸収スペクトルを求める。この吸収スペクトルにより、水分を精度高く検出することができる。更にステップS12で求めた吸収スペクトルと、ステップS17で求めた吸収スペクトルとの差分を求める。これにより第1の実施の形態と同様の残留物の示す吸収スペクトルから、さらに水分の吸収スペクトルを除いた吸収スペクトルを取得することができる。区画室内の雰囲気中に含まれる高沸点有機物の量が水分の量に比べて極わずかである場合には、水分の示す吸収スペクトルの裾の部分の広がりにより、高沸点有機物の吸収スペクトルの判別が難しくなる場合がある。ステップS17で取得される吸収スペクトルは、窒素ガスの示す吸収スペクトルに加えて、水分の示す吸収スペクトルが除かれている。そのため、区画室内の雰囲気中に含まれる高沸点有機物の量が水分の量に比べて極わずかである場合にも、高沸点有機物の示す吸収スペクトルを検出しやすくなる。そして第1の実施の形態と同様にシミュレーションにより、測定室内における高沸点有機物の測定量と、区画室内の測定量との比率を見積もっておくことにより、区画室内の高沸点有機物の量が上限を越えているか否かを容易に判定することができる。
またクライオポンプにより測定室51内の雰囲気の水分を除くのではなく、測定室51に冷却機構を設け、対象雰囲気を冷却して、雰囲気中の水分含量を下げた後に吸収スペクトルの測定を行うようにしてもよい。
4 真空排気機構
5 測定装置
12 常圧搬送室
13a、13b ロードロック室
51 測定室
54 配管
52 測定部
60 排気管
62 クライオポンプ
V1a〜V3a 仕切りバルブ
V1b〜V3b 開度調整バルブ

Claims (9)

  1. 被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気を形成する区画室中の気中残留物を測定する測定装置において、
    前記区画室に連通路を介して接続された真空容器からなる測定室と、
    前記区画室と測定室とが連通している状態で、前記区画室内の圧力と測定室内の圧力とを分離するために、前記連通路に設けられた圧力分離部と、
    前記測定室内を前記区画室内よりも低圧となるように真空排気して、区画室内の乾燥ガス雰囲気を前記連通路を介して前記測定室内に引き込むために設けられ、乾燥ガスの排気速度が水分の排気速度よりも大きい真空排気機構と、
    前記測定室内の雰囲気の水分及び有機物の少なくとも一方を測定するための測定部と、を備えたことを特徴とする気中残留物の測定装置。
  2. 前記乾燥ガス雰囲気は、常圧雰囲気であることを特徴とする請求項1記載の気中残留物の測定装置。
  3. 前記真空排気機構は、ドライポンプまたはターボ分子ポンプであることを特徴とする請求項1または2記載の気中残留物の測定装置
  4. 前記測定部は、光学的に水分及び有機物の少なくとも一方を測定するものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の気中残留物の測定装置。
  5. 前記測定室には、前記真空排気機構に加えて、ポンプ本体を冷却する真空ポンプが接続され、
    前記真空排気機構による真空排気の後に、当該真空排気機構の排気から前記真空ポンプの排気に切り替える切り替え部を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の気中残留物の測定装置。
  6. 半導体基板が置かれる乾燥ガス雰囲気を形成する区画室と、
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載の気中残留物の測定装置と、を備えたことを特徴とする半導体製造装置。
  7. 被処理体が置かれる乾燥ガス雰囲気を形成する区画室中の気中残留物を測定する気中残留物の測定方法において、
    前記区画室に連通路を介して接続された真空容器からなる測定室と、前記区画室と測定室とが連通している状態で、前記区画室内の圧力と測定室内の圧力とを分離するために、前記連通路に設けられた圧力分離部と、を用い、
    乾燥ガスの排気速度が水分の排気速度よりも大きい真空排気機構により、前記測定室内を前記区画室内よりも低圧となるように真空排気して、区画室内の乾燥ガス雰囲気を前記測定室内に引き込む工程と、
    その後前記測定室内の雰囲気の水分及び有機物の少なくとも一方を測定する工程と、を含むことを特徴とする気中残留物の測定方法。
  8. 前記乾燥ガス雰囲気は、常圧雰囲気であることを特徴とする請求項7記載の気中残留物の測定方法。
  9. 前記真空排気機構による排気の後に、当該真空排気機構による排気から、ポンプ本体を冷却する真空ポンプによる真空排気に切り替える工程と、
    この工程の後に測定室内の有機物の測定を行う工程と、を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の気中残留物の測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116242795A (zh) * 2023-05-12 2023-06-09 山东益来环保科技有限公司 一种紫外烟气分析仪及其使用方法

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