JP2014196157A - スターホイール、記録装置 - Google Patents

スターホイール、記録装置 Download PDF

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瀬川 裕一
Yuichi Segawa
裕一 瀬川
至孝 織田
Yoshitaka Oda
至孝 織田
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Abstract

【課題】スターホイールを用いる記録装置においてより一層の静音化を図ること
【解決手段】スターホイール36は、外周に沿って複数突起71,72を備えた円盤状の板部材51,52が少なくとも二以上、外周に沿った前記突起の位置をずらし、且つ回転軸線方向における前記突起の先端部81,82の位置を一致または近接させて、前記回転軸線方向に沿って配置されて成る。これによりスターホイールの突起が媒体に衝突する際の衝突の程度を抑制することができ、衝突音を小さくすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、外周に沿って複数の突起を備えて成るスターホイール、及び当該スターホイールを備えた、ファクシミリやプリンター等に代表される記録装置に関する。
記録装置の一例としてインクジェットプリンターがあり、インクジェットプリンターでは、記録が行われた用紙を排出する排出手段が、記録面とは反対側の面に接して用紙に搬送力を与えるローラー(例えば、ゴムローラー)と、記録面に接して従動回転するスターホイールと、により構成される場合がある。
即ち、記録の行われた記録面はインクが未乾燥状態であり、この様なインク未乾燥状態の記録面にローラーが接すると、インクの転着や白抜けなどが生じる場合があり、その為記録面と接するローラーには、外周に沿って複数の突起(歯)を有するスターホイール(拍車或いはギザローラーなどと呼ばれる場合もある)が用いられる(特許文献1〜3)。
特許第3635664号公報 特開2002−241008号公報 特開2003−341873号公報
ところで、インクジェットプリンターにおいて上記の様なスターホイールは従来から広く用いられているが、なおも以下のような課題が残っていた。即ち、スターホイールの外周は連続的でない為、記録用紙の搬送に際してギザローラー(スターホイール)が上下動し、これにより一の突起が記録用紙に接して離れた後、次の突起が記録用紙に接する際に衝突する様にして接触する為、衝突音が発生する。この衝突音は、突起(歯)のピッチ毎に、断続的に発生する衝突音となり、これがユーザーにとって耳障りとなる。またこの様な衝突音は、ギザローラーの上下動のみならず、記録用紙の搬送に伴って記録用紙が上下動することによっても生じ得る。
そして特に、近年のインクジェットプリンターにはより一層の静音化が求められており、上記の様なスターホイールと記録用紙との間から発生する騒音を抑えることが望まれる。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、スターホイールを用いる記録装置においてより一層の静音化を図ることにある。
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係るスターホイールは、外周に沿って複数突起を備えた円盤状の板部材が少なくとも二以上、外周に沿った前記突起の位置をずらし、且つ回転軸線方向における前記突起の先端部の位置を一致または近接させて、前記回転軸線方向に沿って配置されて成ることを特徴とする。
本態様によれば、スターホイールは、外周に沿って複数突起を備えた円盤状の板部材が少なくとも二以上、外周に沿った前記突起の位置をずらして配置されているので、周方向に沿った前記突起の配置間隔(ピッチ)を、容易に小さくすることができ、これにより上述した様な媒体にスターホイールの突起が媒体に衝突する際の衝突の程度を抑制することができ、衝突音を小さくすることができる。
また、複数の板部材が、回転軸線方向(即ちスターホイールの厚み方向)において前記突起の先端部の位置を一致または近接させる様に配置されるので、スターホイールが回転軸線方向において揺動することに伴い複数の板部材が備える突起が媒体に対して衝突し、衝突音が生じることを回避できる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記複数の板部材は、前記突起が外周方向に沿って等間隔に位置がずれる様に配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記複数の板部材は、前記突起が外周方向に沿って等間隔に位置がずれる様に配置されているので、スターホイールを安定的に回転させることができるとともに、前記突起の配置間隔(ピッチ)が大きくなる部分が生じないので、上記衝突音を効果的に小さくできる。
本発明の第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記複数の板部材が、前記回転軸線方向において接して成ることを特徴とする。
本態様によれば、前記複数の板部材が、前記回転軸線方向において接して成るので、前記複数の板部材によってスターホイールを構成した際に突起の位置が定まり易く、精度の良いスターホイールを得ることができる。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記複数の板部材において互いに接する面が平坦面であることを特徴とする。
本態様によれば、前記複数の板部材において互いに接する面が平坦面であるので、前記複数の板部材によってスターホイールを構成した際に突起の位置がより定まり易く、より精度の良いスターホイールを得ることができる。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記突起は、前記回転軸線方向の一方側の面が平坦であるとともに、他方側の面が突起先端に向かって厚みが減少する形状を成しており、前記複数の板部材は、前記平坦面を背中合わせにして配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記突起は、前記回転軸線方向の一方側の面が平坦であるとともに、他方側の面が突起先端に向かって厚みが減少する形状を成しており、前記複数の板部材は、前記平坦面を背中合わせにして配置されているので、前記回転軸線方向(即ちスターホイールの厚み方向)における前記突起の先端部の位置がばらつき難く、上記衝突音の発生をより効果的に回避できる。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記複数の板部材は、少なくとも前記突起が同一形状を成すことを特徴とする。
本態様によれば、前記複数の板部材は、少なくとも前記突起が同一形状を成すので、スターホイールを安定して回転させることができる。
本発明の第7の態様は、外周に沿って複数突起を備え、隣り合う2つの前記突起の先端部を通る弦と円弧との、半径方向における最大距離が、0.02mm以下であることを特徴とする。
本態様によれば、外周に沿って複数突起を備え、隣り合う2つの前記突起の先端部を通る弦と円弧との、半径方向における最大距離が、0.02mm以下であるので、一の突起が媒体に接した後、次の突起が媒体に接する際の衝突の程度を抑制することができ、衝突音を小さくすることができる。
本発明の第8の態様に係る記録装置は、媒体を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーに対向して配置された、第1から第7の態様のいずれかに係るスターホイールと、を含む搬送装置を備えたことを特徴とする。
本態様によれば、記録装置において、上記第1から第8の態様のいずれかと同様な作用効果を得ることができる。
本発明に係るプリンターの内部の構成を示す断面図である。 スターホイールの外形を示す斜視図である。 スターホイールの側面を示す側面図である。 本発明に係るプリンターの断面の構成を示す断面図である。 ギザ段差を説明する図である。 歯数とギザ段差と騒音レベルとの関係を示す図である。 歯数とギザ段差と騒音レベルとの関係を示す図である。 歯数とギザ段差と騒音レベルとの関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態のプリンター11の内部の構成を示す断面図である。
なお、プリンター11に対して前後の方向をY軸で図示し、上下の方向をZ軸で図示し、左右の方向をX軸で図示する。また、以下、X軸方向のうち、図1中の手前側を単に右側と称し、X軸方向のうち、図1中の奥側を単に左側と称する。さらに、以下、Y軸方向のうち、図1中の左側を単に前側と称し、Y軸方向のうち、図1中の右側を単に後側と称する。さらにまた、以下、Z軸方向のうち、図1中の上側を単に上側と称し、Z軸方向のうち、図1中の下側を単に下側と称する。
すなわち、図1は、Z軸とY軸とで規定される平面に平行の面における、プリンター11の内部の断面を示す断面図である。本実施形態においてプリンター11は、媒体の一例としての用紙に記録する記録装置の一例であるインクジェットプリンターである。プリンター11は、ローラー31、ローラー32、記録ヘッド33、用紙支持部34、ローラー35、およびスターホイール36を備える。ローラー31は、金属によって、円筒状に形成されている。すなわち、ローラー31は、中空軸である。ローラー31が中空軸であるので、ローラー31を軽量化でき、即ちプリンター11全体を軽量化することができる。ローラー31は、前向き(用紙搬送経路下流側方向:以下同様)に用紙を搬送する場合、駆動部(不図示)によって、X軸方向の軸線を中心に図1中の反時計方向に回転させられる。尚、ローラー31とローラー32は、媒体の一例としての用紙を搬送する媒体搬送装置を構成する。
ローラー32は、POM(ポリオキシメチレン(polyoxymethylene))などの熱可塑性樹脂で形成されている。ローラー32は、ローラー31の上側に接するように配置され、上から下にローラー31に押し付けられている。ローラー32は、前向きに用紙を搬送する場合、ローラー31によって、Y軸方向の軸線を中心に図1中の時計まわり方向に回転させられる。ローラー31およびローラー32は、用紙を挟み、前向きに用紙を送る。この場合、ローラー31は、用紙の下面に接し、ローラー32は、用紙の上面に接する。
図1に示されるように、ローラー31およびローラー32によって挟まれた用紙は、図1中の矢印Aで示される搬送経路中を前向きに送られる。この搬送経路の上側には、記録ヘッド33が設けられ、その下側には、用紙支持部34が設けられている。すなわち、ローラー31およびローラー32によって挟まれた用紙は、記録ヘッド33と用紙支持部34との間の搬送経路中を前向きに送られる。記録ヘッド33は、用紙支持部34に支持された用紙にインクを吐出することで、用紙に記録を行う。用紙支持部34は、記録ヘッド33に対向する位置に設けられており、用紙と記録ヘッド33との間の距離を所定の長さに保つ。
ローラー35は、ゴムなどの弾性材料で形成されている。ローラー35は、用紙が記録ヘッド33によって記録されている場合、駆動部(不図示)によって、Y軸方向の軸線を中心に図1中の反時計まわり方向に回転させられる。
スターホイール36は、外周に沿って複数突起が設けられた円盤状に形成されている。スターホイール36は、ローラー35の上側に対向するように配置され、搬送される用紙がローラー35から浮いてしまうことを防止する程度の力で、上から下にローラー35側に押し付けられている。
スターホイール36は、図示を省略する、弾性変形可能な軸により軸支され、これにより上下動可能に設けられている。スターホイール36は、前向きに用紙を搬送する場合、ローラー35によって、Y軸方向の軸線を中心に図1中の時計方向に回転させられる。ローラー35およびスターホイール36は、記録ヘッド33によって記録された用紙を挟み、前向きに用紙を送り、プリンター11から排出する。この場合、ローラー35は、用紙の下面に接し、スターホイール36は、用紙の上面に接する。
次に、スターホイール36の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態のスターホイール36の外形を示す斜視図である。図3は、スターホイール36の側面を示す側面図である。図4は、図3中の断面BBにおけるプリンター11の構成を示す断面図である。図2および図4において、回転軸線Aは、スターホイール36の回転の中心の軸を示す。
スターホイール36は、板部材51、板部材52、および軸受部53から構成される。板部材51および板部材52は、それぞれ、ステンレス鋼などの金属により、打ち抜き加工を含むプレス加工などにより、円盤状に形成されている。板部材51の外径は、板部材52の外径と同じとされている。板部材51の内径は、板部材52の内径と同じとされている。板部材51の厚さは、板部材52の厚さと同じとされている。
スターホイール36において、回転軸線A方向において接するように配置されている板部材51および板部材52の内径側に、軸受部53が形成されている。軸受部53は、ポリオキシメチレンなどの熱可塑性樹脂などにより、板部材51および板部材52に対するアウトサート成形により形成される。軸受部53によって、回転軸線Aを回転軸として、スターホイール36は回転自在に軸支される。
図2、図3、および図4に示されるように、軸受部53は、円筒状に形成され、軸受部53の外周側に、互いに接するように配置されている板部材51および板部材52が配置されている。図3および図4に示されるように、スターホイール36において、円盤状の板部材51の中心、円盤状の板部材52の中心、および円筒状の軸受部53の中心は、回転軸線A上に配置される。
図3に示されるように、板部材51の外周に沿って、複数の突起71が、等間隔に設けられている。図4に示されるように、板部材51の面のうち、左側の面101は、曲率がゼロである平らな面である平坦面とされている。図4に示されるように、突起71の面のうち、板部材51の左側の面、すなわち面101側は、平坦に形成されている。図4に示されるように、突起71の面のうち、板部材51の右側の面、すなわち面103側は、先端に向かって厚みが減少する形状に形成されている。言い換えれば、突起71の右側の側面は、先端部81に向かって、左側に傾斜する形状に形成されている。従って、先端部81は、回転軸線方向Aにおいて、面101側に位置する。
図3に示されるように、板部材52の外周に沿って、複数の突起72が、等間隔に設けられている。図3に示されるように、板部材52に設けられている突起72の数は、板部材51に設けられている突起71の数と同じである。すなわち、板部材51の外周に沿って設けられている複数の突起71の間隔は、板部材52の外周に沿って設けられている複数の突起72の間隔と同じである。
板部材51および板部材52において、突起71または突起72が外周方向に沿って等間隔に位置がずれる様に配置されているので、スターホイール36を安定的に回転させることができるとともに、突起71と突起72との配置間隔(ピッチ)が大きくなる部分が生じないので、回転に伴い突起71、72が用紙に当接する際の衝突音(後述)を効果的に小さくできる。
図4に示されるように、板部材52の面のうち、右側の面102は、曲率がゼロである平らな面である平坦面とされている。突起72の面のうち、板部材52の右側の面、すなわち面102側は、平坦に形成されている。突起72の面のうち、板部材52の左側の面、すなわち面104側は、先端に向かって厚みが減少する形状に形成されている。言い換えれば、突起72の左側の側面は、先端部82に向かって、右側に傾斜する形状に形成されている。従って、先端部82は、面102側に位置する。
このように、板部材51と板部材52とは、Z軸とY軸とで規定される平面に対して、面対称の形状とされている。また、図3に示されるように、板部材51および板部材52は、回転軸線Aを対称軸とした線対象の形状とされている。従って、板部材51と板部材52とは、同一の形状であると言える。突起71と突起72とは、同一の形状とされている。板部材51および板部材52において、少なくとも突起71および突起72が同一形状を成すので、スターホイール36を安定して回転させることができる。
図4に示されるように、スターホイール36において、板部材51と板部材52とは、回転軸線A方向において接するように配置されている。より詳細には、板部材51と板部材52とは、それぞれ、平坦に形成されている面101と面102とが互いに接するように配置されている。板部材51と板部材52とが、回転軸線A方向において接して成るので、板部材51と板部材52とによってスターホイール36を構成した際に突起71と突起72との位置が定まり易く、精度の良いスターホイール36を得ることができる。
板部材51と板部材52とが、それぞれ、平坦に形成されている面101と面102とが互いに接するように配置され、突起71の面103側は、先端に向かって厚みが減少する形状に形成され、突起72の面104側は、先端に向かって厚みが減少する形状に形成されているので、回転軸線A方向において、先端部81の位置と先端部82の位置とは、より近い距離で配置されることになる。
また、突起71は、回転軸線A方向の一方側の面101が平坦であるとともに、他方側の面103が突起先端に向かって厚みが減少する形状を成しており、突起72は、回転軸線A方向の一方側の面102が平坦であるとともに、他方側の面104が突起先端に向かって厚みが減少する形状を成しており、板部材51および板部材52は、面101と面102とを背中合わせにして配置されているので、回転軸線A方向(即ちスターホイール36の厚み方向)における突起71の先端部81および突起72の先端部82の位置がばらつき難く、回転に伴い突起71、72が用紙に当接する際の衝突音(後述)の発生をより効果的に回避できる。
また、板部材51と板部材52とは、それぞれの外周に沿った突起71と突起72との位置をずらし、且つ回転軸線A方向における突起71の先端部81および突起72の先端部82の位置を一致または近接させて、回転軸線A方向に沿って配置されている。また、板部材51と板部材52とは、突起71および突起72が外周方向に沿って等間隔に位置がずれる様に配置されている。
このようにすることで、周方向に沿った突起71と突起72との配置間隔(ピッチ)を、容易に小さくすることができ、スターホイール36の突起71と突起72とが用紙に衝突する際の衝突の程度を抑制することができ、回転に伴い突起71、72が用紙に当接する際の衝突音(後述)を小さくすることができる。また、スターホイール36が回転軸線A方向において揺動することに伴い板部材51が備える突起71と板部材52が備える突起72とが用紙に対して衝突し、上記衝突音が生じることを回避できる。
図5は、スターホイール36の回転に伴い突起71、72のそれぞれの先端部81および先端部82が用紙に当接する際の段差(以下「ギザ段差」と言う)を説明する図であり、突起71、72を、その位置だけ示したスターホイールの模式図である。図5(A)に示されるように、先端部82(または先端部81)がローラー35の外周に接する場合、すなわち、先端部82(または先端部81)を通る円弧Cがローラー35の外周に接する場合における、スターホイール36の回転中心位置からローラー35の外周までの距離と、図5(B)に示されるように、先端部81と先端部82とが同時にローラー35の外周に接する場合における、スターホイール36の中心位置からローラー35の外周までの距離との差(距離)を、ギザ段差と称する。ギザ段差は、図5(B)の符号Gで示す寸法となる。
従って、突起71、72の数(歯数)が多いほど、ギザ段差Gは小さくなる。ギザ段差Gが小さくなると、スターホイール36の回転に伴い突起71、72が用紙に当接する際の衝突音が小さくなる。逆に、突起71、72の数(歯数)が少ないほど、ギザ段差Gは大きくなる。ギザ段差Gが大きくなると、スターホイール36の回転に伴い突起71、72が用紙に当接する際の衝突音が大きくなる。
図6乃至図8は、板部材51および板部材52の外径の直径を8mmとした場合における、歯数とギザ段差と騒音を測定した実験結果である騒音レベルとの関係を示す図である。ここで、歯数は、突起71の数と突起72の数とを合わせたものである。図6乃至図8において、四角で示すプロットは、歯数とギザ段差との関係を示し、三角で示すプロットは、歯数と騒音レベルとの関係を示す。図6は、用紙の送り速度が20インチ毎秒(508mm毎秒)である場合の歯数とギザ段差と騒音レベルとの関係を示す図である。図7は、用紙の送り速度が15インチ毎秒(381mm毎秒)である場合の歯数とギザ段差と騒音レベルとの関係を示す図である。図8は、用紙の送り速度が10インチ毎秒(254mm毎秒)である場合の歯数とギザ段差と騒音レベルとの関係を示す図である。
図6に示されるように、歯数が24である場合、ギザ段差は0.068mmであり、歯数が48である場合、ギザ段差は0.017mmであり、歯数が72である場合、ギザ段差は0.008mmである。用紙の送り速度が20インチ毎秒である場合、歯数が24であるとき、騒音レベルは、63.5dBであった。また、歯数が48であるとき、騒音レベルは、60.1dBであった。また、歯数が72であるとき、騒音レベルは、59.5dBであった。すなわち、用紙の送り速度が20インチ毎秒である場合、ギザ段差が0.068mmであるとき、騒音レベルは、63.5dBであり、ギザ段差が0.017mmであるとき、騒音レベルは、60.1dBであり、ギザ段差が0.008mmであるとき、騒音レベルは、59.5dBであった。
また、図7に示されるように、用紙の送り速度が15インチ毎秒である場合、歯数が24であるとき、騒音レベルは、60.4dBであり、歯数が48であるとき、騒音レベルは、57.3dBであり、歯数が72であるとき、騒音レベルは、56.9dBであった。すなわち、用紙の送り速度が15インチ毎秒である場合、ギザ段差が0.068mmであるとき、騒音レベルは、60.4dBであり、ギザ段差が0.017mmであるとき、騒音レベルは、57.3dBであり、ギザ段差が0.008mmであるとき、騒音レベルは、56.9dBであった。
さらに、図8に示されるように、用紙の送り速度が10インチ毎秒である場合、歯数が24であるとき、騒音レベルは、55.7dBであり、歯数が48であるとき、騒音レベルは、53.0dBであり、歯数が72であるとき、騒音レベルは、52.2dBであった。すなわち、用紙の送り速度が10インチ毎秒である場合、ギザ段差が0.068mmであるとき、騒音レベルは、55.7dBであり、ギザ段差が0.017mmであるとき、騒音レベルは、53.0dBであり、ギザ段差が0.008mmであるとき、騒音レベルは、52.2dBであった。
図6乃至図8に示される歯数とギザ段差と騒音レベルとの関係から、ギザ段差が0.017mm以下である場合、騒音レベルがより低くなると言える。
ギザ段差が0.017mm以下である場合、図5(B)に示される先端部81と先端部82とを通る弦Dと図5(A)に示される先端部82(または先端部81)を通る円弧Cとの、半径方向における最大距離は、少なくとも0.02mm以下になる。従って、先端部81と先端部82とを通る弦Dと先端部82(または先端部81)を通る円弧Cとの、半径方向における最大距離を、0.02mm以下にすると、騒音レベルをより低くすることができる。
このように、スターホイール36に、外周に沿って複数の突起である突起71および突起72を設け、隣り合う2つの突起である突起71の先端部81と突起72の先端部82とを通る弦と円弧との、半径方向における最大距離が、0.02mm以下であるので、突起71または突起72のいずれか一方が用紙に接した後、次の突起である突起71または突起72の他方が用紙に接する際の衝突の程度を抑制することができ、衝突音を小さくすることができる。
なお、スターホイール36は、板部材51または板部材52である2つの板部材が配置されて成ると説明したが、これに限らず、3つの板部材または4つの板部材など複数の板部材を配置して成すことができる。また、プリンター11を例に説明したが、これに限らず、ファクシミリ装置、コピー機、または複合機などの記録装置に適用することができる。
以上のように、スターホイールの一例であるスターホイール36は、外周に沿って複数突起を備えた円盤状の板部材の一例である板部材51または板部材52が少なくとも二以上、外周に沿った前記突起の位置をずらし、且つ回転軸線方向における前記突起の先端部の位置を一致または近接させて、前記回転軸線方向に沿って配置されて成る。ここで、突起71および突起72は、突起の一例である。回転軸線A方向は、回転軸線方向の一例である。先端部81および先端部82は、先端部の一例である。
スターホイール36において、外周に沿って複数の突起71を備えた円盤状の板部材51と、外周に沿って複数の突起72を備えた円盤状の板部材52とが少なくとも二以上、外周に沿った突起71の位置と突起72の位置とをずらして配置されているので、周方向に沿った突起71と突起72との配置間隔(ピッチ)を、容易に小さくすることができ、スターホイール36の突起71と突起72とが用紙に衝突する際の衝突の程度を抑制することができ、衝突音を小さくすることができる。
また、板部材51と板部材52とが、回転軸線A方向(即ちスターホイール36の厚み方向)において突起71の先端部81と突起72と先端部82の位置を一致または近接させる様に配置されるので、スターホイール36が回転軸線A方向において揺動することに伴い板部材51が備える突起71と板部材52が備える突起72とが用紙に対して衝突し、衝突音が生じることを回避できる。
スターホイールの一例であるスターホイール36において、前記複数の板部材の一例である板部材51および板部材52を、前記突起の一例である突起71および突起72が外周方向に沿って等間隔に位置がずれる様に配置させることができる。板部材51と板部材52とは、突起71と突起72とが外周方向に沿って等間隔に位置がずれる様に配置されているので、スターホイール36を安定的に回転させることができるとともに、突起71と突起72との配置間隔(ピッチ)が大きくなる部分が生じないので、衝突音を効果的に小さくできる。
スターホイールの一例であるスターホイール36が、前記複数の板部材の一例である板部材51および板部材52を、回転軸線方向の一例である回転軸線A方向において接するように成すようにすることができる。板部材51と板部材52とが、回転軸線A方向において接して成るので、板部材51と板部材52とによってスターホイール36を構成した際に突起71と突起72との位置が定まり易く、精度の良いスターホイール36を得ることができる。
前記複数の板部材の一例である板部材51および板部材52において互いに接する面の一例である面101および面102を平坦面とすることができる。板部材51と板部材52とにおいて互いに接する面101および面102が平坦面であるので、板部材51と板部材52とによってスターホイール36を構成した際に突起71および突起72の位置がより定まり易く、より精度の良いスターホイール36を得ることができる。
スターホイールの一例であるスターホイール36において、前記突起の一例である突起71または突起72は、前記回転軸線方向の一例である回転軸線A方向の一方側の面の一例である面101または面102が平坦であるとともに、他方側の面の一例である面103または面104が突起先端に向かって厚みが減少する形状を成すようにし、前記複数の板部材の一例である板部材51および板部材52を、前記平坦面の一例である面101および面102を背中合わせにして配置させることができる。
突起71は、回転軸線A方向の一方側の面101が平坦であるとともに、他方側の面103が突起先端に向かって厚みが減少する形状を成しており、突起72は、回転軸線A方向の一方側の面102が平坦であるとともに、他方側の面104が突起先端に向かって厚みが減少する形状を成しており、板部材51および板部材52は、面101と面102とを背中合わせにして配置されているので、回転軸線A方向(即ちスターホイール36の厚み方向)における突起71の先端部81および突起72の先端部82の位置がばらつき難く、衝突音の発生をより効果的に回避できる。
前記複数の板部材の一例である板部材51および板部材52において、少なくとも前記突起の一例である突起71または突起72が同一形状を成すようにすることができる。板部材51および板部材52は、少なくとも突起71および突起72が同一形状を成すので、スターホイール36を安定して回転させることができる。
外周に沿って複数突起の一例である突起71または突起72が設けられ、隣り合う2つの前記突起の一例である突起71または突起72の先端部の一例である先端部81または先端部82を通る弦と円弧との、半径方向における最大距離は、0.02mm以下とされる。
スターホイール36に、外周に沿って複数の突起である突起71または突起72を設け、隣り合う2つの突起である突起71の先端部81と突起72の先端部82とを通る弦と円弧との、半径方向における最大距離が、0.02mm以下であるので、突起71または突起72のいずれか一方が用紙に接した後、次の突起である突起71または突起72の他方が用紙に接する際の衝突の程度を抑制することができ、衝突音を小さくすることができる。
媒体の一例である用紙に記録を行う記録ヘッドの一例である記録ヘッド33と、スターホイールの一例であるスターホイール36とを設けることができる。この場合、上記のいずれかと同様な作用効果を得ることができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
11 プリンター、31および32 ローラー、33 記録ヘッド、34 用紙支持部、35 ローラー、36 スターホイール、51および52 板部材、53 軸受部、71および72 突起、81および82 先端部、101乃至104 面

Claims (8)

  1. 外周に沿って複数突起を備えた円盤状の板部材が少なくとも二以上、外周に沿った前記突起の位置をずらし、且つ回転軸線方向における前記突起の先端部の位置を一致または近接させて、前記回転軸線方向に沿って配置されて成る、
    ことを特徴とするスターホイール。
  2. 請求項1に記載のスターホイールにおいて、前記複数の板部材は、前記突起が外周方向に沿って等間隔に位置がずれる様に配置されている、
    ことを特徴とするスターホイール。
  3. 請求項1または2に記載のスターホイールにおいて、前記複数の板部材が、前記回転軸線方向において接して成る、
    ことを特徴とするスターホイール。
  4. 請求項3に記載のスターホイールにおいて、前記複数の板部材において互いに接する面が平坦面である、
    ことを特徴とするスターホイール。
  5. 請求項4に記載のスターホイールにおいて、前記突起は、前記回転軸線方向の一方側の面が平坦であるとともに、他方側の面が突起先端に向かって厚みが減少する形状を成しており、
    前記複数の板部材は、前記平坦面を背中合わせにして配置されている、
    ことを特徴とするスターホイール。
  6. 請求項5に記載のスターホイールにおいて、前記複数の板部材は、少なくとも前記突起が同一形状を成す、
    ことを特徴とするスターホイール。
  7. 外周に沿って複数突起を備え、
    隣り合う2つの前記突起の先端部を通る弦と円弧との、半径方向における最大距離が、0.02mm以下である、
    ことを特徴とするスターホイール。
  8. 媒体を搬送する搬送ローラーと、
    前記搬送ローラーに対向して配置された、請求項1から7のいずれか一項に記載のスターホイールと、を含む搬送装置を備えた記録装置。
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