JP2014196005A - 車両の横転警報装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の旋回時等、車両の横転の危険性が生じたときに、視覚的若しくは聴覚的な警報とは別に、又は、これらの警報と共に、体感的かつ直感的に車両の横転の危険性をドライバーに伝達することで、車両の横転の危険性をドライバーに即座にかつ確実にかつ正確に伝えることができる車両の横転警報装置を提供する。
【解決手段】キャブと、車体フレームと、車両が横転する危険があることを判定する横転危険判定装置とを備えた車両の横転警報装置において、前記キャブと前記車体フレームとの間にキャブサスペンションを備え、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険があると判定されたときに、前記キャブサスペンションによって前記キャブを傾ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の旋回時等、車両の横転の危険性が生じたときに、視覚的若しくは聴覚的な警報とは別に、又は、これらの警報と共に、体感的かつ直感的に車両の横転の危険性をドライバーに伝達することで、車両の横転の危険性をドライバーに即座にかつ確実にかつ正確に伝えることができる車両の横転警報装置に関する。
例えば、車体にディスプレイ及びスピーカを備え、衝突の危険性等の車両の異常発生時に、優先順位に基づいて警報メッセージをディスプレイに表示したり、スピーカから警報音もしくは音声を出力したりする車両用警報装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、横転の危険があるときに、車体にロールを発生させる車両用アクティブサスペンション装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−151648号公報 特開平04−500008号公報
視覚的や聴覚的な横転警報では、ドライバーは警報表示を見ていなかったり、警報音を認識していなかったりするため、車両の横転の危険性があることをドライバーへ確実に認識させることができない可能性がある。また、車両の横転の危険性があるときに車体フレームごと傾けると、車両の横転の危険性は更に大きくなってしまう。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の横転の危険性が生じたときに、車両の横転の危険性を大きくすることなく車両の横転の危険性をドライバーへ確実に伝えることができる車両の横転警報装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明による車両の横転警報装置は、キャブと、車体フレームと、車両が横転する危険があることを判定する横転危険判定装置とを備えた車両の横転警報装置において、前記キャブと前記車体フレームとの間にキャブサスペンションを備え、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険があると判定されたときに、前記キャブサスペンションによって前記キャブを傾けるように構成される。
この構成によれば、車両の高速走行時や急旋回時に、キャブサスペンションの制御でキャブを傾けるので、また、ドライバーは、インストルメンタルパネル上のディスプレイを視認しなくても、キャブの傾斜で横転警報が発報されていることを体感的かつ直感的に識別できるため、ドライバーの運転操作を妨げることなく、横転警報をドライバーに即座にかつ確実にかつ正確に伝えることができる。また、このキャブの傾斜による体感は、傾斜角や傾斜速度(ガクン感)等で感じることになる。
また、キャブサスペンションの制御でキャブを傾けるので、車体フレームと車輪機構との間に設けられた車両用サスペンションの制御で車体フレームごとキャブを傾ける装置と比較して、車両の横転の危険度を車体フレームの傾斜によって大きくすることなく、車両の横転の危険があることをドライバーに伝えることができる。
更に、横転警報として、キャブサスペンションでキャブの傾斜を制御するので、車体フレームを傾斜させる車両用サスペンションでキャブの傾斜を制御する場合よりも、キャブの傾斜に用いるエネルギー消費を抑制でき、かつ、車体の荷台及びこの荷台に搭載される積み荷が傾斜するのを防止できる。そして、このキャブサスペンションのみの制御であれば、荷台を傾斜する必要がないので積み荷に衝撃が与えられることもない。
なお、この横転危険判定装置は、車両が横転する危険があるか否かを二択で判定するものと、車両の横転の危険度を段階的に判定するものとの、少なくとも一方によって構成することができる。つまり、この横転危険判定装置では、車両の横転の危険性を、危険の有無の2択で判定するように構成してもよいが、更に、危険性の大きさを段階分けの危険度で判定するように構成してもよい。少なくとも、これらの判定の一方の判定によって車両の横転の危険性を判定するように制御するが、両方の判定によって車両の横転の危険の有無と危険度を判定して制御するように構成する方が、ドライバーに対して横転の危険の有無のみならず、危険度も伝達できて、ドライバーに対してより確実に正確な情報を伝達することができるのでより好ましい。
また、この横転危険判定装置において、車両が横転する危険度が、例えば、小・中・大等の複数段階に設定されている場合には、車両が横転する危険があるとの判定は、その段階を特に限定する必要はなく、どの段階に設定しても良く、車両の状態や設計方針により設定される。
また、上記の車両の横転警報装置において、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険があると判定されたときに、前記キャブを前記車両が横転する方向に傾けるように構成すると、車両の横転の危険性があるときに、キャブを車両が横転する方向に傾けるように制御されるので、ドライバーは車両の横転の危険性のみならず、車両が横転する方向もまた同時にドライバーの傾斜感覚や椅子等に押し付けられて生じる触覚を通じて体感的かつ触覚的に知ることができる。その結果、ドライバーは、車両の横転防止のために、車速の減速やハンドルの操作量の減少による旋回半径の拡大等の適切な対応を行い易くなる。
また、上記の車両の横転警報装置において、前記横転危険判定装置は、前記車両が横転する危険の大きさを判定することが可能であると共に、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険の大きさに応じて、前記キャブの傾きを変えるように構成すると、車両の横転の危険性の大きさに応じて、キャブの傾き、即ち、キャブの傾斜角や傾斜速度等を変えることにより、ドライバーは車両の横転の危険の有無のみならず、横転の危険の度合いの程度を、ドライバーの傾斜感覚や周囲との接触による触覚を通じて体感的かつ触覚的に知ることができ、ドライバーはより適切に車両の横転防止対策を取り易くなる。
例えば、車両が横転する危険度に応じて、車体フレームに発生するロールの低減分だけ、キャブを傾けたり、車体フレームに発生するロールの低減分より更にキャブを傾けたり、車体フレームに発生するロールの低減分より小さく傾けたりすることにより、より決め細かく、横転の危険度をドライバーに伝えることができる。特に、横転の危険度が小さくなったことを伝達する場合には、車体フレームに発生するロールの低減分より小さく傾けることが有効である。
また、上記の車両の横転警報装置において、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険があると判定されたときに、警報音を用いた警報と視覚情報を用いた警報との少なくともどちらか一方を行い、前記警報後に前記キャブを傾けるように構成すると、車両の横転の危険性をドライバーにより強調して伝達できると共に、警報によってキャブが傾き始めることもドライバーに知らせることができる。また、ドライバーは、キャブの傾斜で体感的に得た傾斜感覚が何に起因するかを、これらの視覚的及び聴覚的な警報により確認できるので、キャブの傾斜で慌てることが無くなり、車両の横転防止対策により適切に対応し易くなり、車両の横転を防止できる。
また、警報音と、視覚情報を用いた警報と、キャブの傾斜と、最大3種類の異なる警報手段を時間差で発報させることもできるようになるため、この体感的警報と視覚的警報若しくは聴覚的な警報との併用により、車両の横転の危険が大きいことを、より即座にかつより確実にかつより正確にドライバーに伝えることができる。
例えば、警報表示や警報音をキャブの傾斜開始よりも早くして、警報表示や警報音によってキャブが傾き始めることを予めドライバーへ知らせるように構成した場合は、ドライバーはキャブの傾斜の意味を事前に知ることができるので、キャブの傾斜で慌てることが無くなり、車両の横転防止対策により適切に対応し易くなる。
このように、警報表示や警報音の発報後に、キャブを傾斜させるように制御するとキャブの傾斜の前に警報が出るのでドライバーが傾斜に対して事前の心構えができるので、警報表示や警報音の発報後にキャブを傾斜させる構成は、キャブを大きく傾斜させる場合や急激に傾斜させる場合に適しているが、キャブの傾斜が小さい傾斜で済む場合や穏やかに傾斜させる場合には、キャブの傾斜後に警報表示や警報音を発報させる構成や、警報表示や警報音の発報と同時にキャブの傾斜を開始する構成が好ましい。
また、車両が横転する危険度を、例えば、小・中・大の複数段階とし、警報音や視覚情報等による警報を危険度(中)で行うのであれば、キャブを傾ける制御を危険度(小)から行うとすることにより、横転の危険度が小さいときからキャブが傾いているため横転の危険度を徐々にドライバーに体感させることができる。
また、上記の車両の横転警報装置において、前記キャブサスペンションによって前記キャブを傾けているときに、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険があるか否かの判定を継続するように構成すると、キャブを傾斜させている最中に、車両の横転の危険の有無が変化した場合でも、即座に最新の車両の横転の危険の有無に対応させて、キャブの傾斜を変更することができるようになる。
また、危険の有無のみならず、車両の横転の危険度を、例えば、小・中・大等の複数段階で判定する場合に、車両の横転の危険度が小さい時からキャブを徐々に傾けていくこともできるようになり、この構成の場合は、車両の横転の危険性を危険度小からドライバーに徐々に体感させることができる。従って、ドライバーは車両の横転の危険性に対してより適切に対応することができる。
また、上記の車両の横転警報装置において、前記キャブサスペンションによって前記キャブを傾けているときに、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険がないと判定されたときに、前記キャブの傾きを戻すように構成すると、車両の横転の危険性がなくなったことをドライバーに体感的かつ触覚的に知らせることができ、ドライバーが車両の横転を防止するための取った対応が成果を上げたことを実感できるようになる。
また、上記の車両の横転警報装置において、前記キャブサスペンションを流体を使用するサスペンションで形成すると共に、前記流体を出入することによって、前記キャブサスペンションの高さを変更するように構成する。
また、キャブサスペンションの駆動用の流体に油等の液体を用いる場合には、応答性が早く迅速にキャブを傾斜できるので、横転の危険をドライバーに迅速に伝達でき、ドライバーに早期の対応を促すことができる。一方、駆動用の流体にエア等の気体を用いる場合には、応答性は液体の場合より劣るが、サスペンションのばね定数が小さくなり、キャブの傾斜時に発生する振動を吸収及び低減し易くなるので、ドライバーの良好な乗り心地性を確保したまま、車両の横転の危険を伝達することができる。
本発明の車両の横転警報装置によれば、車両が横転する危険がある時に、キャブサスペンションによってキャブを傾けるので、車両の横転の危険性を大きくすることなく、ドライバーは、車両が横転する危険があることを体感的に認識できる。つまり、車両の横転の危険性を大きくすることなく、体感的にドライバーへ確実に認識させることができる。
車体フレームと車輪機構との間に設けられた車両用サスペンションによって車体フレームごとキャブを傾ける装置と比較して、キャブサスペンションの制御でキャブのみを傾けて、旋回時等における横転の危険をドライバーに体感的かつ触覚的に伝達するので、車両の横転の危険を車体フレームの傾斜によって大きくすることなく、キャブの傾斜角や傾斜速度等により、直感的に車両の横転の危険を即座にかつ確実にかつ正確にドライバーに伝えることができる。
また、キャブサスペンションでキャブの傾斜を制御するので、車両用サスペンションで車体フレームごとキャブを傾斜させる制御を行う場合よりも、キャブの傾斜に用いるエネルギー消費を抑制でき、かつ、車体フレームの傾斜により、車体の荷台及びこの荷台に搭載される積み荷が傾斜するのを防止できる。
本発明の実施の形態の車両の横転警報装置の構成を示す図であり、車両の直進走行時における、キャブサスペンションの動作状態を示す車両の正面図である。 車両の直進走行時における、キャブサスペンションの動作状態を示す車両の右側面図である。 車両の直進走行時における、キャブサスペンションの動作状態を示す車両の左側面図である。 車両の横転警報装置の構成内容を示す図である。 車両の右旋回時における、キャブサスペンションの動作状態を模式的に示す車両の正面図である。 車両の右旋回時における、キャブサスペンションの動作状態を模式的に示す車両の右側面図である。 車両の右旋回時における、キャブサスペンションの動作状態を模式的に示す車両の左側面図である。 車両の左旋回時における、キャブサスペンションの動作状態を模式的に示す車両の正面図である。 車両の左旋回時における、キャブサスペンションの動作状態を模式的に示す車両の右側面図である。 車両の左旋回時における、キャブサスペンションの動作状態を模式的に示す車両の左側面図である。 横転の危険度と、キャブの傾斜角との関係の幾つかの例を示す図である。 車両の右旋回時において、車体フレームの傾斜を戻す制御をした場合のキャブサスペンションの動作状態を模式的に示す車両の正面図である。 車軸の傾斜角と、キャブの傾斜角との関係の一例を示す図である。 車両の右旋回時において、キャブサスペンションを作動しなかった場合の状態を模式的に示す車両の正面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の車両の横転警報装置について、図面を参照しながら説明する。図1〜図3に示すように、本発明に係る実施の形態の車両の横転警報装置20が搭載される車両1は、トラック等の車両であり、キャブ(キャブボディ:キャビン)11と、このキャブ11を支持する車体フレーム(シャーシ)12と、この車体フレーム12に搭載される、カーゴボディ(平ボディ)やバンボディやウイングボディ等の積み荷を載せる荷台13と、この車体フレーム12を支持する車輪機構14を備えて構成される。
キャブ11は、ドライバー(運転者)が乗る部分であり、車両1を操縦する運転席が設けられ、この運転席には、ハンドルやアクセルやギヤ等の車両1の操縦用の機器や、 スピードメーター、タコメーター、 燃料計、水温計、 距離計など、自動車の走行に必要な情報を指示する計器類が配置されているインストルメンタルパネルがあり、更に、車両用警報装置やナビゲーター等の各種の機器やヒーター等の室内を快適にするための設備が設けられている。
このキャブ11の前方の下部は、車体フレーム12に設けられたトーションバー(図示しない)周りにチルトアップ(前傾斜状態に回動)可能に固定支持され、キャブ11と車体フレーム12との間に、チルトするときの力を軽減するためのトーションバースプリング(図示しない)、キャブ11をチルトアップするための電動モータや油圧で駆動されるシステム(図示しない)、車体フレーム12に対してチルトアップ状態で固定するためのキャブロック装置(図示しない)等が設けられている。
そして、このキャブ11はエンジンの点検等が終了してチルトアップが解除されて、通常の運転時の位置に戻った状態では、キャブ11の下部の四隅に配置されている、左前方キャブサスペンション15aと、左後方キャブサスペンション15bと、右前方キャブサスペンション15cと、右後方キャブサスペンション15dとの4つのキャブサスペンション15により車体フレーム12に支持されるよう構成される。(これら4つのキャブサスペンション15a,15b,15c,15dを総称する場合は、キャブサスペンション15とする。)。
このキャブサスペンション15は、油圧ばねや空気ばね等の振動を吸収するクッション機能を発揮する流体ばねと高さ制御用の油圧や空圧等の流体シリンダを有して構成され、流体シリンダに流体を供給したり放出したりすることで、キャブサスペンション15の支持力およびその高さ(長さ)を調整及び制御できるように構成される。なお、流体ばねと流体シリンダを兼用してもよく、又は、一体化してもよい。
また、キャブサスペンション15を流体を使用するサスペンションで形成し、流体を出入することによって、キャブサスペンション15の高さを変更するように構成する。
また、キャブサスペンション15の駆動用の流体に油等の液体を用いる場合には、応答性が早く迅速にキャブ11を傾斜して、横転の危険をドライバーに迅速に伝達できるので、ドライバーに早期の対応を促すことができる。一方、駆動用の流体にエア等の気体を用いる場合には、応答性は液体より劣るが、キャブサスペンション15のばね定数を小さくして、キャブ11の傾斜時に発生する振動を吸収及び低減し易くなるので、ドライバーの乗り心地を確保したまま、車両の横転の危険性が大きいことを伝達することができる。
つまり、キャブ11の高さを調整できる機構を備えたキャブサスペンション15を備えて構成する。これにより、例えば、エアスプリング式のキャブサスペンション15を備えたトラックにおいては、エアスプリングに空気を供給若しくはエアスプリングから空気を放出することによって、キャブ11を支持する軸の高さを独立に調整することができ、キャブサスペンション15の各軸の高さを不均一にすれば、キャブ11に傾きを持たせることができる。
また、この実施の形態では、四つのキャブサスペンション15をキャブ11の下部の四隅にそれぞれ配置する構成としているが、キャブ11を安定して固定支持できると共に、必要に応じてキャブ11を左右方向に傾斜することができればよく、キャブサスペンション15の数は必ずしも四つでなくともよい。
また、この実施の形態では、車両1の車輪機構14は、左前方車輪14aと、左後方車輪14bと、右前方車輪14cと、右後方車輪14dの四つの車輪をそれぞれの車軸14eで支持して構成される。なお、車両1が大型の場合には、各車輪は2つのタイヤを同一の車軸14eに並列に配置したり、後方の車輪14b、14dのみを、前後に二つの車軸14eを配置したりして、これらの車軸14eにタイヤを二つずつ又は一つずつ配置して構成される。
これらの車輪機構14は、車両用サスペンション16を介して車体フレーム12に固定される。つまり、この車両用サスペンション16は、車輪機構14と車体フレーム12との間に配置される。なお、この車両用サスペンション16は、ばね定数が固定である通常のサスペンション機構のものでもよいが、サスペンションスプリングと単動型の流体シリンダ(油圧シリンダなど)を有して、サスペンション特性を変化させることができるアクティブサスペンションにある機能を持つことが望ましい。
この車両用サスペンション16においては、例えば、油圧アクチュエータへの油圧の出入(排給)を、車両1に作用する横方向の加速度等に応じて油圧制御装置で制御することにより、左右の一方側の油圧アクチュエータによる支持力を増大して車体フレーム12を上昇させたり、左右の他方側の油圧アクチュエータによる支持力を逆に減少して車体フレーム12を下降させたりして、車体フレーム12をロール方向に横傾斜させる。
この車両用サスペンション16では、通常の走行時は、特に油圧アクチュエータへの油圧の出入(排給)を制御しないで、車輪機構14から車体フレーム12に伝達される振動を吸収する。そして、車両1の傾斜が大きくなるかその可能性があると判定したときには、車両の右側又は左側の一方側又は両側の車両用サスペンション16の油圧アクチュエータへの油圧の出入(排給)を制御して、車体フレーム12を車両1のロール及びピッチングを抑制して車体フレーム12の姿勢を安定化して、乗り心地性を向上させたり、横転の可能性が非常に強い場合には、横転の方向とは逆の方向に車体フレーム12を傾斜させて横転を防止したりする。
例えば、右旋回時又は左旋回時等で、車両1に作用する横方向の加速度等に応じて油圧制御装置で油圧アクチュエータへの油圧供給を制御する制御弁を制御することにより、油圧アクチュエータへの油供給により支持力を増大して車体フレーム12の外輪側(左側又は右側)を上昇させて車高を高くしたり、逆に油圧アクチュエータからの油の放出により支持力を減少して車体フレーム12の内輪側(右側又は左側)を下降させて車高を低くしたりして、車体フレーム12をロール方向に関して内輪側が低くなるように傾斜させて、車体に発生するロールを無くしたり減少したりして、旋回時における車体フレーム12の姿勢を一定に維持する。
そして、本発明においては、車両1に車両の横転警報装置20が搭載されて構成される。この車両横転警報装置20は、図4に示すように、高速走行時や旋回時等において、車両1が横転する危険があることを判定する横転危険判定装置21と、横転の危険があると判定されたときにキャブ11を傾斜させる傾斜制御装置22とを備えて構成される。
この横転危険判定装置21は、危険性計測装置21aと危険性評価装置21bを備え、危険性計測装置21aが計測した指標の計測値(又はその推定値)を基に、危険性評価装置21bが車両1の横転する危険があるか否かの評価及び判定と、横転の危険の度合(程度)である危険度を評価及び判定する。
この横転の危険があるか否かと横転の危険度を評価及び判定するための指標としては、車両1の横加速度を用いるが、これは、横加速度が、車両1の横転の危険性が深く関係し、横転の危険の有無を判定するのに重要な指標となっているからである。そして、複数の指標を用いる方が、車両1の横転の危険の有無や危険度をより正確に評価及び判定することができるので、この車両の横加速度に加えて、更に、車速、操舵角度(ハンドル角度)、ヨーレート、ロール角(横傾斜角)、ロールレイト(横傾斜加速度)等の組み合わせを採用することが好ましい。この中でも、横加速度は車速の2乗に比例し、旋回半径に反比例するので、車速、ヨーレートは、横転の危険の有無を判定するのに適している。
これらの指標の採用にあわせて、危険性計測装置21aには、車速を検出する車速センサ、車体の横加速度を検出する横加速度センサ、車両のステアリングハンドルのハンドル角を検出するハンドル角センサ等からの信号が入力されて、これらの値を計測する。なお、これらの計測値が、既に車両1に搭載されたエンジンの運転に使用される計測値の中にあれば、その信号を使用してもよい。
そして、危険性評価装置21bでは、危険性計測装置21aで計測された結果を入力して、横転の危険があるか否かと横転の危険度を評価及び判定する。この横転の危険があるか否かは、例えば、計測した車速と横加速度を、横転の危険の有無を予め設定しておいた「車速と横加速度」をベースにしたマップデータを参照して評価及び判定することができる。
なお、この横転危険判定装置21では、車両1の横転の危険を、危険の有無の二択で判定するように構成してもよいが、更に、危険の大きさを段階分けの危険度で判定するように構成してもよい。少なくとも、これらの判定の一方の判定によって車両1の横転の危険を判定するように制御するが、両方の判定によって車両1の横転の危険の有無と危険度を判定して制御するように構成する方が、ドライバーに対して横転の危険の有無のみならず、危険度も伝達できて、ドライバーに対してより確実に正確な情報を伝達することができるのでより好ましい。
例えば、車両1の横転の危険度を「小」、「中」、「大」等の複数段階に設定して、「車速と横加速度」等の指標の計測値が、横転危険度「中」に対応する値になったときに、車両1の横転の危険があると評価及び判定するように構成することもできる。
そして、傾斜制御装置22は、横転危険判定装置21で、車両1が横転する危険があると判定されたときに、キャブサスペンション15の高さを調整して、キャブ11を傾ける制御を行うように構成される。このキャブ11の傾斜制御は、複数のキャブサスペンション15の高さを変更することにより行い、この実施の形態では、各キャブサスペンション15の高さ調整は、エンジンコントロールユニット(ECU)と呼ばれる制御装置30により、一括して総合的に制御することが好ましいが、キャブサスペンション15毎に個別の制御装置を設け、個別に制御してもよい。
このキャブ11の傾斜は、図5〜図7に示すように、車両の左前方キャブサスペンション15aと左後方キャブサスペンション15bに対して、同時に流体を放出することで流体シリンダを収縮させて支持力を減らしてその高さを低く、それと共に、右前方キャブサスペンション15cと右後方キャブサスペンション15dに対して、同時に流体を供給することで流体シリンダを膨張させて支持力を増やしてその高さを高くすることで、キャブ11を左側に傾斜させる。
また、図8〜図10に示すように、車両の左前方キャブサスペンション15aと左後方キャブサスペンション15bに対して、同時に流体を供給することで流体シリンダを膨張させて支持力を増してその高さを高くし、それと共に、右前方キャブサスペンション15cと右後方キャブサスペンション15dに対して、同時に流体を放出することで流体シリンダを収縮させて支持力を減らしてその高さを低くすることで、キャブ11を右側に傾斜させる。
つまり、車両1の横転の危険があることを判定する横転危険判定装置21と、この横転危険判定装置21により、横転の危険があると判定されたときに、キャブ11を傾斜させる傾斜制御装置22を備えると共に、個の傾斜制御装置22で、キャブ11の傾斜を、キャブ11と車体フレーム12の間でキャブ11を支持しているキャブサスペンション15の高さを制御することで行うように構成する。
また、更に、車両の横転警報装置20に、ドライバーに横転の危険を視覚的に伝達する視覚的警報装置23aと、聴覚的に伝達する聴覚的警報装置23bのどちらか一方又は両方を有する警告発報装置23を備えて構成することが好ましい。
この視覚的警報装置23aは、キャブ11の運転席のインストルメンタルパネルに設けられたディスプレイ等によって、警告ランプの点灯や、表示色の変化や、表示エリアの拡張又は縮小や、メッセージの表示等により、視覚的に、ドライバーに横転の危険を伝達する装置である。この視覚的警報装置23aは、単に横転の危険の有無だけでなく、横転の危険のある方向や危険度(警告レベル)等も、表示する色の種類や表示面積の大きさや、メッセージの内容や、光の強弱等により、ドライバーに伝達できるように構成することがより好ましい。
また、聴覚的警報装置23bは、キャブ11に設けられたスピーカからの警告音や警告のメッセージを伝える声で、聴覚的に、ドライバーに横転の危険を伝達する装置である。この聴覚的警報装置23bにおいても、単に横転の危険の有無だけでなく、横転の危険のある方向や危険度(警告レベル)等も、音の種類や音程や、メッセージの内容や、強弱により、ドライバーに伝達できるように構成することがより好ましい。
このような構成では、警告発報装置23の構成に加え、キャブ11の高さを調整できるキャブサスペンション15を備えているので、図5〜図7に示すように、右旋回中の車両が左側への横転の危険がある場合に、音声や視覚的な警報をドライバーに与えるのに加え、キャブサスペンション15のキャブ11を支持する軸に対して、傾けるような入力を与えることにより、例えば、キャブサスペンション15の右側のエアスプリングへ空気を供給し、右側の軸を左側の軸よりも高くすることにより、キャブ11が左側に、即ち、横転の危険が高いと感じられる方向に、傾いていると思われる状態を実現できる。このような制御により、ドライバーに横転の危険が高いことを直感的に伝えることができる。
次に、上記の車両の横転警報装置20における、キャブ11の傾斜による車両1の横転の危険の制御について説明する。先ず、車両直進時等では図1〜図3に示すように、キャブ11は傾斜しない状態となっている。
また、従来技術では、右旋回時は、図14に示すように、車軸14eは横加速度Gが車両1に作用するので傾斜する。この車軸14eの地面に対する傾斜角をαとする。これに応じて、車体フレーム12も傾斜するので、この車体フレーム12の地面に対する傾斜角をβとする。車両用サスペンション16でロール減少(傾斜回復)を行わない場合は、β=αとなる。また、キャブ11も傾斜するので、このキャブ11の地面に対する傾斜角をγとする。キャブサスペンション15でキャブ11を傾斜させない場合は、γ=αとなる。
本発明の制御では、横転危険判定装置21によって車両1が横転する危険があると判定されたときに、傾斜制御装置22によるキャブサスペンション15の高さを調整する制御によってキャブ11を傾ける。
つまり、右旋回時は、図5〜図7に示すような状態とし、左旋回時は、図8〜図10に示すような状態とする。これらの場合は、車両用サスペンション16でロール減少(傾斜回復)を行わない場合、即ち、β=αの場合であり、図5及び図8に示すように、例えば、キャブ11の傾斜角γを車軸14eの傾斜角αよりも大きくする。つまり、γ>αとする。
これらの制御により、ドライバーは、インストルメンタルパネルを視認しなくても、キャブ11の傾斜が横転警報であることを体感的かつ触覚的に識別できるため、ドライバーの運転操作を妨げることなく、直感的に横転警報をドライバーに即座にかつ確実にかつ正確に伝えることができる。
また、このキャブ11の傾斜時に、図5〜図10に示すように、キャブ11を車両1が横転する方向に傾ける制御をすると、ドライバーは車両1の横転の危険の有無のみならず、車両1が横転する方向もまた同時にドライバーの傾斜感覚や椅子等に押し付けられて生じる触覚を通じて体感的かつ触覚的に知ることができるので、ドライバーが、車両の横転防止のために、車速の減速やハンドルの操作量の減少による旋回半径の拡大等の適切な対応が行い易くなる。
このキャブ11を傾ける方向としては、前後・左右・前後左右を組み合わせた方向があるが、車両1が横転する方向にキャブ11を傾かせると、ドライバーが車両1が横転する方向を体感的に知ることができて、ドライバーが適切に対応し易くなるので、車両1が横転する方向にキャブ11を傾かせることが最良となる。
また、キャブ11を傾斜するにあたり、キャブ11の傾斜の開始時の傾斜速度又は傾斜加速度の大きさを、キャブ11の傾斜の終了時のキャブ11の傾斜を戻す時の傾斜速度又は傾斜加速度の大きさと比較して、相対的に大きくすると、ドライバーに車両1の横転の危険を即座にかつ確実にかつ正確に伝えることができるようになり、より好ましい。
また、横転危険判定装置21で車両1が横転する危険の大きさ(度合い)を判定し、車両1が横転する危険の大きさに応じて、キャブ11の傾き、即ち、キャブの傾斜角γや傾斜速度等を変えるように制御すると、ドライバーは車両1の横転の危険性の度合いの程度を、ドライバーの傾斜感覚や周囲との接触による触覚を通じて体感的に知ることができ、ドライバーが車両の横転防止対策により適切に対応し易くなる。
なお、キャブ11の傾斜については、以下のような制御の選択肢がある。先ず、車両用サスペンション16の制御を行わない場合には、車体フレーム12の実際の傾斜(傾斜速度又は傾斜加速度等)よりキャブ11の傾斜を大きくして、ドライバーに車体フレーム12の傾斜をより強く実感させて、車両1の横転防止策を取るように促す。つまり、図5及び図8に示すように、車軸14eの傾斜角αと同じ車体フレーム12の傾斜角βよりも、キャブ11の傾斜角γを大きくする。即ち、γ>(β=α)とする。
また、図11に示すように、このキャブ11の傾斜角γの大きさも、横転の危険の大きさ、例えば、横加速度Gに比例させて、直線状に変化させたり(図11のA)や、曲線状に変化させたり(図11のB,C)、階段的(図11のD)に変化させたりすることもできる。
一方、図12に示すように、横転防止等で、車両用サスペンション16の制御を行って、車軸14eの傾斜角αを車体フレーム12ではキャンセルして、車体フレーム12の傾斜角βを略ゼロにする場合は、図13に示すように、横転方向への傾斜角αが予め設定した第1の傾斜角α1よりも小さい範囲では、車両用サスペンション16の制御で生じた傾斜の減少分(ロール低減分)をキャンセルする分量だけキャブ11を傾ける。つまり、車両用サスペンション16の制御を行わない場合に生じたであろうキャブ11の傾斜をドライバーに体感させる(図13のE)。あるいは、車両用サスペンション16の制御で生じた傾斜の減少分よりも更にキャブ11を傾ける(図13のF)。つまり、横転防止対策を早めに取れるように、車両用サスペンション16の制御を行わない場合のキャブ11の傾斜よりも大きな傾斜をドライバーに体感させる。
これらの制御では、ドライバーはキャブ11の傾斜を正確にあるいは過度に体感できるため、ドライバーは車両1の横転の危険性を即座にかつ確実にかつ正確に知ることができ、有効である。
また、車両用サスペンション16の制御を行う場合で、横転方向への傾斜角αが予め設定した第2の傾斜角α2より大きい範囲では、車両用サスペンション16の横転防止の制御で生じた傾斜の減少分よりもキャブ11を小さく傾ける(図13のG)。つまり、慌てることなく横転回避操作を行えるように、車両用サスペンション16の制御を行わない場合に生じたであろうキャブ11の傾斜よりも小さい傾斜をドライバーに体感させる。特に、ドライバーの運転に支障がない程度の傾斜に収めるように傾斜の上限を設けることが好ましい。
なお、キャブサスペンション15のキャブ11の傾斜の制御と車両用サスペンション16の車体フレーム12の横傾斜低減制御とは、リンクさせて一体制御することが、総合的に制御できるので好ましいが、独立させて個別制御すると、制御を簡略化する効果が有り、また、既に車両用サスペンション16の横傾斜低減制御が行われている車両1に対しても、この車両の横転警報装置20を追設することが容易に可能となる。
また、横転危険判定装置21によって車両1が横転する危険があると判定されたときに、警告発報装置23により、警報音を用いた警報と視覚情報を用いた警報との少なくともどちらか一方を行い、警報後にキャブ11を傾けるように構成すると、車両1の横転の危険性をドライバーにより強調して伝達できると共に、警報によってキャブ11が傾き始めることもドライバーに知らせることができる。また、ドライバーは、キャブ11の傾斜で体感的かつ触覚的に得た傾斜感覚が何に起因するかを、視覚的警報装置23aによる視覚的な警報、及び、聴覚的警報装置23bによる聴覚的な警報により、確実かつ正確に確認できるので、キャブ11の傾斜で慌てることが無くなり、車両1の横転防止対策により適切に対応し易くなり、車両の横転を防止できる。
この場合に、警報音を用いた警報と、視覚情報を用いた警報と、キャブ11の傾斜と、最大3種類の異なる警報手段を時間差で発報させるように制御すると、車両1の横転の危険があることや危険度を、より即座にかつより確実にかつより正確にドライバーに伝えることができる。
例えば、警報表示や警報音によってキャブ11が傾き始めることを予めドライバーへ知らせるようにした場合は、ドライバーはキャブ11の傾斜の意味を事前に知ることができるので、キャブ11の傾斜で慌てることが無くなり、車両1の横転防止対策により適切に対応し易くなる。
このように、警報表示や警報音の発報後に、キャブ11を傾斜させるように制御するとキャブ11の傾斜の前に警報が出るのでドライバーが傾斜に対して事前の心構えができる。そのため、この警報表示や警報音の発報後にキャブ11を傾斜させる制御は、キャブ11を大きく傾斜させる場合や急激に傾斜させる場合に適している。
一方、キャブ11の傾斜が小さい傾斜で済む場合や穏やかに傾斜させる場合には、キャブ11の傾斜後に警報表示や警報音を発報させる制御や、警報表示や警報音の発報と同時にキャブ11の傾斜を開始する制御の方が好ましい。
また、キャブサスペンション15によってキャブ11を傾けているときに、横転危険判定装置21によって車両1が横転する危険があるか否か、又は危険度の判定を継続すると、キャブ11を傾斜させている最中に、車両1の横転の危険の有無又は危険度が変化した場合でも、即座に最新の車両1の横転の危険度に対応させて、キャブ11の傾斜角γ又は傾斜速度等の大きさを変更することができる。
例えば、車両の横転の危険度に応じて、警報音や視覚情報等を用いた警報の「危険度(小)」、「危険度(中)」、「危険度(大)」の発報とし、キャブを傾ける制御を「小傾斜」、「中傾斜」、「大傾斜」とすると、これらの組み合わせと順序については多くのものが可能となる。
つまり、危険度が「小」であることを検知した場合には、「危険度(小)」を発報させてから、「小傾斜」とし、更に危険度が「中」になったことを検知した場合には、予め設定した所定の第1インターバル時間を経過した後、「危険度(中)」を発報させ、予め設定した所定の第2インターバル時間を経過した後、「中傾斜」とするが、危険度が「大」であることを検知した場合には、即座に「危険度(大)」を発報させると共に「大傾斜」とする等である。
また、車両1の横転の危険度が、「小」では、警報音や視覚情報等を用いた警報を発報しない状態で、キャブ11を傾け始め、危険度が「中」になってから、キャブ11を傾けつつ、警報音や視覚情報等を用いた警報で発報させる制御を行うこともでき、キャブ11の傾斜を開始してから、予め設定した所定のインターバル時間を経過した後、警報音や視覚情報等を用いた警報を発報させる制御を行うこともできる。
これらの制御が可能になるので、車両1の横転の危険度を、例えば、小・中・大等の複数段階で判定する場合に、車両1の横転の危険度が小さい時からキャブを徐々に傾けていくこともできるようになり、この場合は、車両1の横転の危険性を危険度小からドライバーに徐々に体感させることができるので、ドライバーは車両1の横転の危険性に対してより適切に対応することができる。
更に、キャブサスペンション15によってキャブ11を傾けているときに、横転危険判定装置21によって車両1が横転する危険がないと判定されたときに、キャブ11の傾きを戻すと、車両1の横転の危険性がなくなったことをドライバーに体感的に知らせることができ、ドライバーが車両1の横転を防止するための取った対応が成果を上げたことを実感できるようになる。
これによれば、車両1が横転する危険性がないと判定されたときは、キャブ11の傾きを戻すように制御されるため、車両1の横転の危険性がなくなったことをドライバーに知らせることができ、ドライバーが車両1の横転を防止するための対応を更に行わなくて済むようになる。
なお、横転危険判定装置21が、キャブ11を傾ける制御の終了を判定する条件としては、「横転の危険が無くなったとき」や「横転の危険度が下がったとき」であり、これらは、例えば、「車両1の車速が減少したとき」、「車両1の横加速度が減少したとき」、「車両1のハンドルが戻されたとき」、「車両1のアクセルペダルの踏込量が減少したとき」等の中の一つ又は幾つかの組み合わせを採用することで精度よく判定できる。
次に、この車両の横転警報装置20の制御に関して一連の流れで説明する。図5〜図7に示すような車両1の右旋回時、及び、図8〜図10に示すような車両1の左旋回時には、車両1の旋回軌道円の半径方向外側に遠心力による横加速度Gが車両1にかかるため、遠心力が大きくなるにつれて、横加速度Gが大きくなり、車両1が旋回軌道円の半径方向外側に横転する危険性が大きくなる。
そこで、本発明の車両の横転警報装置20は、横転危険判定装置21により車両1が横転する危険があると判定した場合に、右旋回時では、図5〜図7に示すように,車両1のキャブ11を支持する複数のキャブサスペンション15(本実施例では、キャブサスペンション15は4つ)の内、車両1の旋回軌道円の半径方向外側に位置するキャブサスペンション15a,15bを低くし、車両1の旋回軌道円の半径方向内側に位置するキャブサスペンション15c,15dを高くすることで、車両1のキャブ11が車両1の旋回方向外側、すなわち車両1の横転の危険性がある方向に傾斜させる。
また、左旋回時では、図8〜図10に示すように、車両1のキャブ11を支持する複数のキャブサスペンション15の内、外側に位置するキャブサスペンション15c,15dを低くし、内側に位置するキャブサスペンション15a,15bを高くすることで、車両1のキャブ11が車両1の旋回方向外側、すなわち車両1の横転の危険がある方向に傾斜させる。
これらの制御により、車両1の横転の危険があること及び横転の危険がある方向をドライバーに知らせる。なお、特に横転の危険がないときは、図1〜図3に示すように、キャブサスペンション15の高さは通常に維持され、キャブ11の傾斜は無い状態となる。
更に、車両1の左右の旋回時における、車両1のキャブ11の傾斜(傾斜角又は傾斜速度)の大きさに関しては、車両1にかかる横転の危険の大きさに応じて徐々に傾ける等、横転の危険の大きさに応じて変化するように制御する。車両1の横転の危険がない時は、キャブサスペンション15の制御は行わずに図1〜図3の状態とするが、車両1の横転の危険があるときは、図5〜図7の状態、又は、図8〜図10の状態に、キャブサスペンション15の高さを制御し、横転の危険の大きさに応じてキャブ11の傾斜角γを大きくする。
この制御の例を、図11を参照しながら説明する。この横転の危険の大きさと傾斜角γとの関係は、図11に例示するように、直線的な比例関係(線形)Aとしたり、曲線的な関係B、Cとしたり、階段的な関係Dとしたりすることができ、それぞれの関係A,B,C,Dに応じて、横転の危険の大きさとキャブ11の傾斜の関係が異なるので、ドライバーへの警告をどのようにするかの判断に基づいて適宜決めることになる。なお、この横転の危険の大きさとして、例えば、横加速度Gの大きさを採用することもできる。
また、キャブ11の傾斜制御で、キャブ11の傾斜の開始時の傾斜速度(又は傾斜加速度)を、キャブ11の傾斜の終了時の傾斜速度(又は傾斜加速度)と比較して大きくすると、ドライバーに車両1の横転の危険がることが迅速に伝わる。
上記の構成の車両の横転警報装置20によれば、車両1の高速走行時や急旋回時に、キャブサスペンション15の制御でキャブ11を傾けるので、ドライバーは、インストルメンタルパネルを視認しなくても、キャブ11の傾斜が横転警報であることを体感的かつ触覚的に識別できるため、ドライバーの運転操作を妨げることなく、直感的に横転警報をドライバーに即座にかつ確実にかつ正確に伝えることができる。
車体フレーム12と車輪機構14との間に設けられた車両用サスペンション16によって車体フレーム12ごとキャブ11を傾ける装置と比較して、キャブサスペンション15の制御でキャブ11のみを傾けて、旋回時等における横転の危険性をドライバーに体感的かつ触覚的に伝達するので、車両1の横転の危険度を車体フレーム12の傾斜によって大きくすることなく、キャブ11の傾斜角や傾斜速度等により、直感的に車両1の横転の危険性を即座にかつ確実にかつ正確にドライバーに伝えることができる。
また、キャブサスペンション15でキャブ11の傾斜を制御するので、車両用サスペンション16で車体フレーム12ごとキャブ11を傾斜させる制御を行う場合よりも、キャブ11の傾斜に用いるエネルギー消費を抑制でき、かつ、車体フレーム12の傾斜により、車体の荷台13及びこの荷台13に搭載される積み荷が傾斜したり、積み荷に衝撃を与えたりするのを防止できる。
1 車両
11 キャブ
12 車体フレーム(シャーシ)
13 荷台
14 車輪機構
14a 左前方車輪
14b 左後方車輪
14c 右前方車輪
14d 右後方車輪
14e 車軸
15 キャブサスペンション
15a 左前方キャブサスペンション
15b 左後方キャブサスペンション
15c 右前方キャブサスペンション
15d 右後方キャブサスペンション
16 車両用サスペンション
20 車両の横転警報装置
21 横転危険判定装置
21a 危険性計測装置
21b 危険性評価装置
22 傾斜制御装置
23 警告発報装置
23a 視覚的警報装置
23b 聴覚的警報装置
30 制御装置(ECU)
F 車両の前方
B 車両の後方
L 車両の左方
R 車両の右方
G 横加速度
α 車軸の傾斜角
β 車体フレームの傾斜角
γ キャブの傾斜角

Claims (7)

  1. キャブと、車体フレームと、車両が横転する危険があることを判定する横転危険判定装置とを備えた車両の横転警報装置において、
    前記キャブと前記車体フレームとの間にキャブサスペンションを備え、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険があると判定されたときに、前記キャブサスペンションによって前記キャブを傾けることを特徴とする車両の横転警報装置。
  2. 前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険があると判定されたときに、前記キャブを前記車両が横転する方向に傾けることを特徴とする請求項1に記載の車両の横転警報装置。
  3. 前記横転危険判定装置は、前記車両が横転する危険の大きさを判定することが可能であると共に、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険の大きさに応じて、前記キャブの傾きを変えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の横転警報装置。
  4. 前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険があると判定されたときに、警報音を用いた警報と視覚情報を用いた警報との少なくともどちらか一方を行い、前記警報後に前記キャブを傾けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の横転警報装置。
  5. 前記キャブサスペンションによって前記キャブを傾けているときに、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険があるか否かの判定を継続することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の横転警報装置。
  6. 前記キャブサスペンションによって前記キャブを傾けているときに、前記横転危険判定装置によって前記車両が横転する危険がないと判定されたときに、前記キャブの傾きを戻すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の横転警報装置。
  7. 前記キャブサスペンションは流体を使用するサスペンションで形成されると共に、前記流体を出入することによって、前記キャブサスペンションの高さを変更することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の横転警報装置。
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