JP3921126B2 - 車両のロールオーバ防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のロールオーバ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のロールオーバ防止装置において、走行中に車体のロール角が大きくなり、車両の横転への危険度が高まると、運転者に危険回避を促すべく、各種の警報を発生するように構成したものがある(特開2001-347910号、参照)。車両のロール特性を定義するロール指数=ロール角/横加速度が演算され、車両の横転への危険度は、ロール指数に基づいて判定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
トラックなど商用車両の場合、積荷状態(積載重量など)が大きく変化する。高荷(積荷の重量が高い積載状態)のときは、車両が大きくロールしやすくなり、危険回避の警報が遅れる可能性も考えられる。
【0004】
この発明は、従来技術を踏まえながら、車両の積荷状態に応じた最適なタイミングで運転者に危険回避を促せるようにしたロールオーバ防止装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、車両のロールオーバ防止装置において、運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、横加速度が所定値以上であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これら判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値とロール角との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、車両のロールオーバ防止装置において、運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、ロール角の変化率を演算する手段、横加速度が所定値以上かつロール角の変化率が所定値以下であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これら判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値とロール角との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、車両のロールオーバ防止装置において、運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、車速を検出する手段、横加速度が所定値以上かつ車速が所定値以下であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これら判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値とロール角との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、車両のロールオーバ防止装置において、運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、車速を検出する手段、横加速度が所定値以上であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、車速に対応する補正係数を設定する手段、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数をロール指数演算時の車速に対応する補正係数により補正する手段、補正後の平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに補正後の左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これらの判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値とロール角との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする。
【0009】
第5の発明は、第1の発明〜第4の発明のいずれか1つに係る車両のロールオーバ防止装置において、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段は、ロール指数の演算値を積算する手段、その積算処理の経過時間をカウントする手段、ロール指数の演算停止時に積算処理の経過時間が所定範囲に入るときにロール指数の積算値から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する一方、同じく経過時間が所定範囲に及ばないときはロール指数の積算値をクリアにする手段、を備えることを特徴とする。
【0010】
第6の発明は、第1の発明〜第4の発明のいずれか1つに係る車両のロールオーバ防止装置において、注意喚起に係る判定値を設定する手段は、ロール進行中にその時点のロール角に基づいて最大ロール角を推定する手段、その推定値から緊急度を判定する手段、積載状態と緊急度とからこれらに応じた判定値を設定する手段、を備えることを特徴とする。
【0011】
第7の発明は、車両のロールオーバ防止装置において、運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、横加速度が所定値以上であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これら判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値と横加速度との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする。
【0014】
第1の発明においては、横加速度が所定値以上のときにロール指数が演算され、このロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数が演算される。そして、車両の積荷状態は、両方の平均ロール指数に基づいて判定されるのである。平均ロース指数の左右差から片荷状態か否かの判定が行われ、この判定が非片荷状態のときに左右の平均ロール指数の平均値から高荷状態か否かの判定が行われる。このため、高荷状態か否かについても、左右の平均ロール指数の平均値から適確かつ容易に判定される。注意喚起に係る判定値は、積荷状態に応じて選定されるので、車両の横転しやすい高荷状態においても、危険回避への注意喚起を適切なタイミングで発生できる。
【0015】
また、横加速度が所定値以上のときにロール指数の演算が処理され、横加速度が所定値未満のときはロール指数の演算が行われないのである。
【0016】
第2の発明においては、横加速度が所定値以上かつロール角の変化率が所定値以下のときにロール指数の演算が処理され、横加速度が所定値以上であり、ロール角の変化率が所定値を超える(ロールの進行が急速な)ときは、ロール指数の演算が行われないので、ロール指数の演算値のバラツキを抑えられる。
【0017】
第3の発明においては、横加速度が所定値以上かつ車速が所定値以下のときにロール指数の演算が処理され、横加速度が所定値以上であり、車速が所定値を超える(ロールの進行が急速な)ときは、ロール指数の演算が行われないので、ロール指数の演算値のバラツキを抑えられる。
【0018】
第4の発明においては、車速に対応する補正係数により平均ロール指数が補正され、補正後の左右の平均ロール指数に基づいて車両の積荷状態が判定される。車両のロールは、低速域と高速域との間で特性が異なるので、このような補正を加えることにより、高荷状態についても、車速に応じたロール特性に適合する正確な判定が得られる。
【0019】
第5の発明においては、時間的な制約により、ロール指数の積算値が安定化するため、右または左の平均ロール指数の演算値が大きく狂わされるようなこともなく、高荷判定の精度向上も図れる。
【0020】
第6の発明においては、注意喚起の制御に係る判定値が積荷状態の判定と緊急度の判定とから選定されるので、注意喚起が遅れたりすることなく、ロール状態に応じた最適なタイミングで運転者に危険回避を促がせるのである。
【0021】
第7の発明においては、横加速度に基づく注意喚起および車両減速の制御が行われるので、ロール角の感度が鈍い走行状態においても、注意喚起および車両減速の機能をロール限界を超える前にタイミングよく働かせることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、第1の実施形態に係るトラックのロールオーバ防止装置であり、車高センサ1a,1b、横Gセンサ2、ロールインジータ3、高荷表示ランプおよび片荷表示ランプ4、注意喚起ブザー5、電子制御ユニット6(ECU)、エンジンコントローラ7およびブレーキコントローラ(またはブレーキ装置)、を備える。
【0026】
10はフレームであり、車軸11(後軸)に左右のサスペンションスプリング12a,12bを介して懸架される。車高センサ1a,1bは、フレーム10の左右において、車両の高さを検出するため、フレーム(ばね上)と車軸(ばね下)との距離を計測するように配置される。横Gセンサ2は、車体の横方向への加速度(横G)を検出するものであり、荷台側(たとえば、フレーム10)に備えられる。
【0027】
ロールインジケータ3は、運転席の近傍に配置されるものであり、画面の中央に車両絵図3aが揺動制御可能に表示される。車両絵図3aを囲むのが円環状のゾーン3cであり、その一部に色別危険区域3dが設定される。車両絵図3aの揺動を認識しやすく、円環状のゾーン3cに対する指針3bが車両絵図3aと同じく揺動制御可能に表示される。
【0028】
高荷表示ランプ4は、高荷(積荷の重心が高い積載状態)を表示するものであり、ロールインジケータ3および片荷表示ランプ9と同じく運転席の近傍に配置される。画面に車両絵図4aが表示され、積荷の重心が高い積載状態(高荷)のときは、荷台の上部が明るく表示される。片荷表示ランプ9は、画面に車両絵図9aが表示され、積荷が左側へ偏る片荷状態のときは、荷台の左半分が片荷の程度に応じて明るく表示され、積荷が右側へ偏る片荷状態のときは、荷台の右半分が片荷の程度に応じて明るく表示される。なお、高荷表示ランプ4および片荷表示ランプ9については、画面および車両絵図4a,9aを共有することも考えられる。
【0029】
注意喚起ブザー5は運転室に配置され、ロール角が大きくなり、車両の横転への危険性が高まると、運転者に危険回避を促すべく警報を発生するものである。
【0030】
電子制御ユニット6は、制御システムの中枢を構成するものであり、車高センサ1a,1bの検出信号および横Gセンサ2の検出信号に基づいて、ロールインジケータ3,高荷表示ランプ4および片荷表示ランプ9、注意喚起ブザー5、を制御する一方、エンジンコントローラ7およびブレーキコントローラ8へ指令を伝達する。
【0031】
図2において、電子制御ユニット6は、ロール角演算部6a、積荷状態判断部6b、エマジェンシ判断部6c、インジケータ出力演算部6d、ブザー出力部6e、エンジン制御部6f、ブレーキ制御部6g、を備える。
【0032】
ロール角演算部6aは、車高センサ1a,1bからの車高HL,HR信号に基づいて、車体のロール角(R)を幾何学的に演算する。路面の凹凸などによる、ロール角(R)の細かい変動を平滑化するため、所定時間におけるロール角(R)の移動平均(RMA)を順次に演算する。また、ロール角移動平均(RMA)の変化率(RMAR)を演算する。
【0033】
積荷状態判断部6bは、横Gセンサ2からの横G信号について、外乱要因による細かい変動を平滑化するため、所定時間における横Gの移動平均(GMA)を順次に演算する。そして、横G移動平均(GMA)が所定値以上のときに横G移動平均(GMA)とロール角移動平均(RMA)とから、ロール指数(RI)=(RMA)/(GMA)を演算する。ロール角(R)および横Gについては、車両の進行方向の右側へ生じるものに正の符号、同じく左側へ生じるものに負の符号、が付けられる。
【0034】
ロール指数(RI)は、車体のロール特性を表すものであり、ロール指数(RI)が大きくなる程、車体はロールしやすくなるのである。積荷状態判断部6bは、横G移動平均(GMA)が所定値以上の間、ロール指数(RI)の演算値は順次に積算する。積算処理の経過時間がカウントされ、経過時間が所定範囲に及ばないときは、ロール指数(RI)の積算値をクリアにする一方、経過時間が所定範囲に及ぶときは、積算値から平均ロール指数(RIAL,RIAR)を演算する。平均ロール指数(RIAL,RIAR)は、ロール角移動平均(RAM)または横G移動平均(GMA)の正負の符号から左右別に記憶される。
【0035】
左右両方の平均ロール指数(RIAL,RIAR)が記憶されると、積荷状態判断部6bは、これら平均ロール指数(RIAL,RIAR)に基づいて、積荷状態(片荷、高荷,定積,半積,空車)の判定を処理する。積荷状態判断部6bには、平均ロール指数の左右差(RIAR−RIAL)の絶対値と対比される基準値(J01H,J02H)と、同じく左右の平均ロール指数(RIAL,RIAR)の平均値(RIA)=(RIAL+RIAR)/2と対比される基準値(JLL,JLH,JGH)が設定される。
【0036】
|RIAR−RIAL|≧J01HかつRIAR−RIAL>0のときは、積荷が車両の進行方向の右側へ偏る片荷状態と判定する一方、|RIAR−RIAL|≧J01HかつRIAR−RIAL<0のときは、積荷が車両の進行方向の左側へ偏る片荷状態と判定する。さらに、J01H<|RIAR−RIAL|≦J02Hのときは、片荷の程度が小、|RIAR−RIAL|>J02Hのときは、片荷の程度が大、と判定する。
【0037】
|RIAR−RIAL|<J01HかつRIA≧JGHのときは、積荷の重心が高い定積あるいは半積の高荷、|RIAR−RIAL|<J01HかつJLL≦RIA<JGHのときは、積荷が平積状態の定積、|RIAR−RIAL|<J01HかつJLH≦RIA<JLLのときは、積荷が平積状態の半積、RIA<JLHノのときは、積荷の無い空車、と判定する。
【0038】
エマジェンシ判断部6cは、ロール角演算部6aからのロール角移動平均(RMA)および積荷状態判断部6bからの判定情報に基づいて、後述のように車両の横転への危険性を判定するものであり、その判定に基づく指令をインジケータ出力演算部6dおよびブザー出力部6eとエンジン制御部6fおよびブレーキ制御部6gへ順次に伝達する。
【0039】
インジケータ出力演算部6dは、ロールインジケータ3における、車両絵図3aおよび指針3bをロール演算部6aからのロール角移動平均(RMA)に応じた角度位置へ揺動させるように制御する。また、積荷状態判断部6bからの横G移動平均(RMA)が所定値以上のときは、円環状ゾーン3cの所定範囲(色別警報区域)を明るく点灯するように制御する。さらに、エマジェンシ判断部6cからの指令に基づいて、円環状ゾーン3cの色別危険区域3dを赤く点滅させるように制御する。積荷状態判断部6bから高荷判定または片荷判定を受けると、高荷表示ランプ4または片荷表示ランプ9をそれぞれ所定の表示パターンに制御する。
【0040】
ブザー出力部6eは、エマジェンシ判断部6cからの指令および積荷判断部6からの判定情報に基づいて、運転者に危険回避を促すべく、注意喚起ブザー5の起動および停止を制御する。
【0041】
エンジン制御部6fおよびブレーキ制御部6gは、エマジェンシ判断部6cからの指令を受けると、その指令が解除されるまでの間、車両を積極的に減速させるように制御するものであり、エンジン制御部6fはエンジン出力(アクセル開度)を減方向へ制御する指令をエンジンコントローラ7へ送信する一方、ブレーキ制御部6gは車両のブレーキ装置を作動状態に制御する指令をブレーキコントローラ8へ送信するのである。
【0042】
図3は、システム中枢の電子制御ユニット6-4における、制御内容を説明するフローチャートであり、S1においては、左右の車高HL,HR信号(車高センサ1a,1bの出力)をサンプリングする。S2においては、これら車高HL,HR信号に基づいて、車体のロール角(R)を幾何学的に演算する。S3においては、誤動作の要因を取る除くため、所定時間におけるロール角(R)の移動平均値(RMA)を順次に演算する。また、ロール角移動平均(RMA)の変化率(RMAR) を演算する。ロール角(R)は、車体と車軸との間の相対的な傾き角である。
【0043】
S4においては、横G信号(横Gセンサ2の出力)をサンプリングする。横G信号についても、外乱要因による細かい変動を平滑化するため、S5において、所定時間における横Gの移動平均(GMA)を順次に演算する。車体のロール角(R)および横Gについては、車両の進行方向の右方向へ生じるものに正の符号、左方向へ生じるものに負の符号が付けられる。
【0044】
S6においては、横G移動平均(GMA)の絶対値が所定値JLG以上かどうかを判定する。S6の判定がyesのときは、S7へ進む一方、S6の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0045】
S7においては、車両のロール特性を表す、ロール指数(RI)=(RMA)/(GMA)、を演算する。S8においては、ロール指数(RI)の積算を順次に処理する。積算処理の経過時間がカウントされ、経過時間が所定範囲に及ばないときは、ロール指数(RI)の積算値をクリアにする一方、経過時間が所定範囲に及ぶときは、積算値から平均ロール指数(RIAL,RIAR)を演算する。そして、ロール角移動平均(RMA)または横G移動平均(GMA)の正負符号から平均ロール指数(RIAL,RIAR)を左右別に記憶する。
【0046】
左右両方の平均ロール指数(RIAL,RIAR)が記憶されると、S9において、平均ロール指数の左右差(RIAR−RIAL)の絶対値を基準値J01Hと比較し、|RIAR−RIAL|<J01Hかどうかを判定する。基準値J01Hは、片荷を判定する最小のしきい値であり、他の基準値J02H、JLL,JLH,JGHと同じく車両に応じて予め設定される。S9の判定がyesのときは、S10およびS11に入る一方、S9の判定がnoのときは、S12およびS13へ進む。
【0047】
図4は、S10の処理内容を説明するフローチャートであり、S10.01においては、左右の平均ロール指数(RIAL,RIAR)の平準地(RIA)=(RIAL+RIAR)/2を演算する。S10.02においては、平均値(RIA)を基準値JGHと比較し、(RIA)≧JGHかどうかを判定する。S10.04においては、平均値(RIA)を基準値JLLと比較し、(RIA)≧JLLかどうかを判定する。S10.06においては、平均値(RIA)を基準値JLHと比較し、(RIA)≧JLHかどうかを判定する。基準値JGHは、高荷(積荷の重心位置が平積状態よりも高くなる積み方)を判定するしきい値であり、基準値JLLは、積荷が平積状態の定積を判定するしきい値であり、基準値JLHは、積荷が平積状態の半積を判定するしきい値である。
【0048】
S10.02の判定がyesのときは、(RIA)≧JGHであり、S10.03において、積荷の重心が高い定積あるいは半積の高荷と判定し、高荷表示ランプ4の点灯を制御するほか、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値(図5および図6の表5〜表10、参照)を選定する。S10.02の判定がnoかつS10.04の判定がyesのときは、JLL≦(RIMA)<JGHであり、S10.05において、積荷が平積状態の定積と判定し、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値(図5および図6の表5〜表10、参照)を選定する。
【0049】
S10.02の判定がnoかつS10.04の判定がnoかつS10.06の判定がyesのときは、JLH≦(RIMA)<JLLであり、S10.07において、積荷が平積状態の半積と判定し、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値(図5および図6の表5〜表10、参照)を選定する。S10.02の判定がnoかつS10.04の判定がnoかつS10.06の判定がnoのときは、(RIMA)<JLHであり、S10.08において、積荷の無い空車と判定し、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値(図5および図6の表5〜表10、参照)を選定する。
【0050】
図5は、S11(図3)の処理を説明するフローチャートであり、S11.01においては、後述の緊急度を判定するのに使われる最大ロール角の推定処理に入るかどうかを判定する。具体的には、表2からS10.02〜S10.08(図4)の判定に応じた設定値を基準値JRSとして選定する。そして、ロール角移動平均(RMA)の絶対値を基準値JRSと比較し、|RMA|≧JRSかどうかを判定する。S11.01の判定がyesのときは、S11.02へ進む一方、S11.01の判定がnoのときは、S11.09へ飛ぶ。
【0051】
S11.02においては、ロール進行時間(TRI)=(−A)×(|RMA|)+(B)、を演算する。Aは1度のロール角(R)が生じるのに要する時間であり、Bはロールが最大ロール角へ達するのに要する時間であり、これら係数A,Bは表3に設定される。すなわち、表3からS10.02〜S10.08(図4)の判定に応じた設定値が係数A,Bに選定され、この演算処理により、現在のロール角移動平均(RMA)から最大ロール角へ達するまでのロール進行時間(TRI)が算出される。
【0052】
S11.03においては、最大ロール角(RMAX)=ロール進行時間(TRI)×ロール角移動平均変化率(|RMAR|)+ロール角移動平均(|RMA|)、を演算する。この演算値は記憶され、S11.04において、今回の記憶値を前回の記憶値と比較し、最大ロール角(RMAX)の決定値(RMAXC)を大きい方に更新する。
【0053】
S11.05,S11.10においては、最大ロール角の決定値(RMAXC)に基づいて、ロール緊急度を判定するのである。S11.05においては、決定値(RMAXC)を緊急度IIIの判定値JR3と比較し、(RMAXC)≧JR3かどうかを判定する。S11.10においては、決定値(RMAXC)を緊急度IIの判定値JR2と比較し、(RMAXC)≧JR2かどうかを判定する。緊急度III,IIの判定値JR3,JR2は、表4からS10.02〜S10.08(図3)の判定に応じた設定値が選定される。
【0054】
S11.05の判定がyesのときは、緊急度IIIと判定され、S11,06において、注意喚起の制御に係る起動の判定値SR3として、表5におけるS10.02〜S10.08(図4)の判定に応じた設定値から緊急度IIIの対応値を選定し、ロール角移動平均(RMA)の絶対値を判定値SR3と比較し、|RMA|≧SR3かどうかを判定する。S11.06の判定がyesのときは、S11.07およびS11.08を順次に処理する一方、S11.06の判定がnoのときは、S11.07およびS11.08の処理をパスする。
【0055】
S11.05の判定がnoかつS11.10の判定がyesのときは、緊急度IIが判定され、S11.11において、注意喚起の制御に係る起動の判定値SR2として、表5におけるS10.02〜S10.08(図4)の判定に応じた設定値から緊急度IIの対応値を選定し、ロール角移動平均(RMA)の絶対値を判定値SR2と比較し、|RMA|≧SR2かどうかを判定する。S11.11の判定がyesのときは、S11.12およびS11.13を順次に処理する一方、S11.11の判定がnoのときは、S11.12およびS11.13の処理をパスする。
【0056】
S11.05の判定がnoかつS11.10の判定がnoのときは、緊急度Iが判定され、S11.14において、注意喚起の制御に係る起動の判定値SR1として、表5におけるS10.02〜S10.08(図4)の判定に応じた設定値から緊急度Iの対応値を選定し、ロール角移動平均(RMA)の絶対値を判定値SR1と比較し、|RMA|≧SR1かどうかを判定する。S11.14の判定がyesのときは、S11.15およびS11.16を順次に処理する一方、S11.14の判定がnoのときは、S11.15およびS11.16の処理をパスする。
【0057】
S11.07,S11.12,S11.15、においては、注意喚起の制御を起動する。すなわち、運転者に危険回避を促すべく、ロールインジケータ3および注意喚起ブザー5の作動を制御する。
【0058】
図6は、S11.08,S11.13,S11.16、の処理内容を説明するフローチャートであり、S11.51においては、車両減速のエンジン制御に係る起動の判定値Eとロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≧Eかどうかを判定する。判定値Eは、表6のEHG,EI,EH,EU、のいずれか1つ(図4における、S10.02〜S10.08の判定に応じた設定値)が選定される。S11.51の判定がyesのときは、S11.52において、エンジン出力(アクセル開度)を減方向へ制御する一方、S11.51の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0059】
S11.53においては、車両減速のブレーキ制御に係る起動の判定値Bとロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≧Bかどうかを判定する。判定値Bは、表7のBHG,BI,BH,BU、のいずれか1つ(図4における、S10.02〜S10.08の判定に応じた設定値)が選定される。S11.53の判定がyesのときは、S11.54において、車両のブレーキ装置を作動状態に制御する一方、S11.53の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0060】
S11.55においては、車両減速のブレーキ制御に係る停止の判定値(|B−BR|)とロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≦|B−BR|かどうかを判定する。判定値(|B−BR|)において、BRは起動の判定値Bに対するヒステリシスであり、表8のBRHG,BRI,BRH,BRU、のいずれか1つ(図4における、S10.02〜S10.08の判定に応じた設定値)が選定される。S11.55の判定がyesのときは、S11.56において、車両減速のブレーキ制御を停止(ブレーキ装置の作動を解除)する一方、S11.55の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0061】
S11.57においては、車両減速のエンジン制御に係る停止の判定値(|E−ER|)とロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≦|E−ER|かどうかを判定する。判定値(|E−ER|)において、ERは起動の判定値Eに対するヒステリシスであり、表9のERHG,ERI,ERH,ERU、のいずれか1つ(図4における、S10.02〜S10.08の判定に応じた設定値)が選定される。S11,57の判定がyesのときは、S11.58において、車両減速のエンジン制御を停止(エンジンは通常制御へ復帰)する一方、S11.57の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0062】
S11.59においては、注意喚起の制御に係る停止の判定値(|SR−SRR|)とロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≦|SR−SRR|かどうか、または注意喚起の起動から所定時間(RT)が経過したかどうか、を判定する。判定値(|SR−SRR|)において、SRRは起動の判定値SRに対するヒステリシスであり、表10のSRRHG,SRRI,SRRH,SRRU、のいずれか1つが(図4における、S10.02〜S10.08の判定に応じた設定値)選定される。S11.49の判定がyesのときは、S11.60において、注意喚起の制御を停止する一方、S11.59の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0063】
図5のS11.09においては、最大ロール角の決定値(RMAXC)および緊急度I〜IIIの判定をクリアにする。すなわち、S11.01の判定がnoのときは、S11.02〜S11.16の処理をパスするのである。
【0064】
S12(図3)の処理内容を説明するのが図7であり、S12.01においては、片荷判定(S9の判定がno)を受け、積荷が左右のどちらに偏るのかを判定する。RIAR−RIAL>0のときは、右側へ偏る片荷状態(左側が非片荷)、RIAR−RIAL<0のときは、左側へ偏る片荷状態(右側が非片荷)、と判定する。
【0065】
S12.02においては、片荷の程度を判定する。具体的には、平均ロール指数の左右差(RIAR−RIAL)の絶対値を基準値J01H,J02Hと比較し、J01H<|RIAR−RIAL|)≦J02Hかどうかを判定する。基準値J02Hは、片荷程度の大小を判定するしきい値である。
【0066】
S12.02の判定がyesのときは、S12.03へ進み、片荷程度を小と判定し、S12.01の判定と合わせて片荷表示ランプ9の点灯を制御するほか、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値(図8の表11〜16、参照)を選定する。その一方、S12.02の判定がnoのときは、S12.04へ進み、片荷程度を大と判定し、S12.01の判定と合わせて片荷表示ランプ9の点灯を制御するほか、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値(図8の表11〜16、参照)を選定する。
【0067】
図8は、S13(図3)の処理内容を説明するフローチャートであり、S13.01においては、ロール角移動平均(RMA)の絶対値を注意喚起の制御に係る起動の判定値SOと比較し、|RMA|≧SOかどうかを判定する。判定値SOは、表11のSOSL,SOSU,SOLL,SOLU、のいずれか1つ(図7における、S12.01〜S12.04の判定に応じた設定値)が選定される。S13.01の判定がyesのときは、S13.02において、運転者に危険回避を促すべく、ロールインジケータ3および注意喚起ブザー5の作動を制御する一方、S13.01の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0068】
S13.03においては、車両減速のエンジン制御に係る起動の判定値EOとロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≧EOかどうかを判定する。判定値EOは、表12のEOSL,EOSU,EOLL,EOLU、のいずれか1つ(図7における、S12.01〜S12.04の判定に応じた設定値)が選定される。S13.03の判定がyesのときは、S13,04において、エンジン出力(アクセル開度)を減方向へ制御する一方、S13.03の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0069】
S13.05においては、車両減速のブレーキ制御に係る起動の判定値BOとロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≧BOかどうかを判定する。判定値Bは、表13のBOSL,BOSU,BOLL,BOLU、のいずれか1つ(図7における、S12.01〜S12.04の判定に応じた設定値)が選定される。S13.05の判定がyesのときは、S13.06において、車両のブレーキ装置を作動状態に制御する一方、S13.05の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0070】
S13.07においては、車両減速のブレーキ制御に係る停止の判定値(|BO−BOR|)とロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≦|BO−BOR|かどうかを判定する。判定値(|BO−BOR|)において、BORは起動の判定値BOに対するヒステリシスであり、表14のBORSL,BORSU,BORLL,BORLU、のいずれか1つ(図7における、S12.01〜S12.04の判定に応じた設定値)が選定される。S13.07の判定がyesのときは、S13.08において、車両減速のブレーキ制御を停止(ブレーキ装置の作動を解除)する一方、S13.07の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0071】
S13.09においては、車両減速のエンジン制御に係る停止の判定値(|EO−EOR|)とロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≦|EO−EOR|かどうかを判定する。判定値(|EO−EOR|)において、EORは起動の判定値EOに対するヒステリシスであり、表15のEORSL,EORSU,EORLL,EORLU、のいずれか1つ(図7における、S12.01〜S12.04の判定に応じた設定値)が選定される。S13.09の判定がyesのときは、S13.10において、車両減速のエンジン制御を停止(エンジンは通常制御へ復帰)する一方、S13.09の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0072】
S13.11においては、注意喚起の制御に係る停止の判定値(|SO−SOR|)とロール角移動平均(RMA)の絶対値を比較し、|RMA|≦|SO−SOR|かどうか、または注意喚起の起動から所定時間(RT)が経過したかどうか、を判定する。判定値(|SO−SOR|)において、SORは起動の判定値SOに対するヒステリシスであり、表16のSORSL,SORSU,SORLL,SORLU、のいずれか1つが(図7における、S12.01〜S12.04の判定に応じた設定値)選定される。S13.11の判定がyesのときは、S13.12において、注意喚起の制御を停止する一方、S13.11の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0073】
このような構成により、平均ロール指数(RIAL,RIAR)に基づいて、車両の積荷状態(片荷、高荷,定積,半積,空車)が判定され、その判定に応じた判定値とロール角移動平均(RMA)の絶対値との比較に基づいて、注意喚起および車両減速の制御が行われる。そのため、車両がロールしやすい高荷状態および片荷状態においても、車両がロール限界を超える前にタイミングよく注意喚起および車両減速の機能を働かせることが可能となる。また、高荷表示ランプ4および片荷表示ランプ9により、車両の高荷状態および片荷状態が運転者に認識しやすく表示され、車両の走行に注意深い運転を促せるのである
高荷状態においては、ロール進行中に最大ロール角(RMAX)の決定値(RMAXC)が推定され、この推定値(RMAXC)に基づいて緊急度I〜IIIが判定される。注意喚起の制御に係る判定値(図5の表5、参照)は、積荷状態の判定と緊急度I〜IIIの判定とから選定されるので、注意喚起が遅れたりすることなく、運転者に最適なタイミングで危険回避を促がせるのである。なお、片荷状態における、注意喚起に係る判定値の選定についても、緊急度I〜IIIを加味する同様の制御に設定することが考えられる。
【0074】
図9は、第2の実施形態を説明するものであり、トラックのロールオーバ防止装置における、制御系の機能的な構成を表すブロック図である。車体の横方向への加速度(横G)を検出する手段として、ハンドルの操舵角θを検出する操舵角センサ15と、車速(V)を駆動系の回転速度から検出する車速センサ16と、が備えられる。19は運転者に注意喚起の音声情報を提供する音声出力装置である。
【0075】
システム中枢の電子制御ユニット6-2においては、横G演算部6hが設けられる。横G演算部6hは、車両の諸元データと操舵角(θ)とから車両重心位置の旋回半径を求め、車速(V)と車両重心位置の旋回半径とから横Gを算出する。
【0076】
積荷状態判断部6b-2においては、横G演算部6hからの横G信号に基づいて、所定時間における横Gの移動平均(GMA)を順次に演算する。横Gが所定値以上の間、ロール角移動平均(RMA)の変化率が所定値以下かつ車速(V)が所定値以下の条件が成立する場合、ロール指数(RI)の演算およびその積算を順次に処理する。積算処理の経過時間がカウントされ、経過時間が所定の時間範囲から外れるときは、ロール指数(RI)の積算値をクリアにする一方、経過時間が所定の時間範囲に納まるときは、積算値から平均ロール指数(RIAL,RIAR)を演算する。平均ロール指数(RIAL,RIAR)は、ロール角移動平均(RAM)または横G移動平均(GMA)の正負の符号から左右別に記憶される。
【0077】
平均ロール指数(RIAL,RIAR)の記憶が所定数に達すると、積荷状態判断部6b-2は、平均ロール指数(RIAL,RIAR)の移動平均(RIMAL,RIMAR)を演算する。これら移動平均(RIMAL,RIMAR)は記憶され、順次に更新される。
【0078】
左右両方の平均ロール指数移動平均(RIMAL,RIMAR)が記憶されると、積荷状態判断部6b-2は、これら平均ロール指数移動平均(RIMAL,RIMAR)に基づいて、積荷状態(片荷、高荷,低荷)の判定を処理する。積荷状態判断部6b-2には、平均ロール指数移動平均(RIMAL,RIMAR)の左右差(RIMAR−RIMAL)の絶対値と対比される基準値(J01H,J02H)と、同じく左右の平均ロール指数移動平均(RIMAL,RIMAR)の平均値(RIMA)=(RIMAR+RIMAL)/2と対比される基準値(JGHL,JGHS)が設定される。
【0079】
|RIMAR−RIMAL|≧J01HかつRIMAR−RIMAL>0のときは、積荷が車両の進行方向の右側へ偏る片荷状態と判定する一方、|RIMAR−RIMAL|≧J01HかつRIMAR−RIMAL<0のときは、積荷が車両の進行方向の左側へ偏る片荷状態と判定する。さらに、J01H<|RIMAR−RIMAL|≦J02Hのときは、片荷の程度が小、|RIMAR−RIMAL|>J02Hのときは、片荷の程度が大、と判定する。
【0080】
|RIMAR−RIMAL|<J01HかつRIMA≧JGHLのときは、高荷の程度が大、|RIMAR−RIMAL|<J01HかつJGHS≦RIMA<JGHLのときは、高荷の程度が小、|RIMAR−RIMAL|<J01HかつRIMA<JGHSのときは、低荷(積荷の重心が標準レベル以下の積載状態)、と判定するのである。
【0081】
エマジェンシ判断部6c-2は、ロール角演算部6aからのロール角移動平均(RMA)および積荷状態判断部6b-2からの判定情報に基づいて、後述のように車両の横転への危険性を判定するものであり、その判定に基づく指令を音声出力部6iインジケータ出力演算部6d-2およびブザー出力部6eとエンジン制御部6fおよびブレーキ制御部6gへ順次に伝達する。
【0082】
インジケータ出力演算部6d-2は、ロールインジケータ3における、車両絵図3aおよび指針3bをロール演算部6aからのロール角移動平均(RMA)に応じた角度位置へ揺動させるように制御する。また、エマジェンシ判断部6cからの指令に基づいて、運転者に危険回避を促すべく、円環状ゾーン3cの明度を高めたり、その色別危険区域3dを赤く点滅させるように制御する。高荷表示ランプ4および片荷表示ランプ9については、高荷判定または片荷判定を受けると、画面の車両絵図4aにおける、高荷の程度または片荷の程度に応じた所定の表示パターン(荷台に高荷の程度または片荷の程度を色別に表示する)に制御する。
【0083】
音声出力部6iは、積荷状態判断部6b-2からの判定情報およびエマジェンシ判断部6c-2からの指令に基づいて、これらに対応する音声情報を発生するように音声出力装置19を制御する。図9において、図2と基本的な機能が同じ構成要素に同じ符号を付ける。
【0084】
図10は、システム中枢の電子制御ユニット6-2における、制御内容を説明するフローチャートであり、S1においては、左右の車高HL,HR信号(車高センサの出力)をサンプリングする。S2においては、これら車高HL,HR信号に基づいて、車体のロール角(R)を幾何学的に演算する。S3においては、路面の凹凸などによる細かい変動を平滑化することにより、誤動作の要因を取る除くため、所定時間におけるロール角(R)の移動平均値(RMA)を順次に演算する。また、ロール角移動平均(RMA)の変化率(RMAR)を演算する。ロール角(R)は、車体と車軸との間の相対的な傾き角である。
【0085】
S4においては、横G信号(操作角センサ15の出力および車速センサ16の出力に基づく演算値)をサンプリングする。横G信号についても、外乱要因による細かい変動を平滑化するため、S5において、所定時間における横Gの移動平均(GMA)を順次に演算する。車体のロール角(R)および横Gについては、車両の進行方向の右方向へ生じるものに正の符号、左方向へ生じるものに負の符号が付けられる。
【0086】
S6においては、横G移動平均(GMA)の絶対値が所定値JLG以上かどうかを判定する。S7においては、ロール角移動平均(RMA)の変化率を演算し、その演算値(RMAR)が所定値JLR以下かどうかを判定する。S8においては、車速(V)がJV以下かどうかを判定する。横G移動平均(GMA)の絶対値と比較される所定値JLGは、後の演算処理が必要かどうかを判定する基準値であり、横G移動平均(GMA)の変化率(RMAR)と比較される所定値JLRおよび車速(V)と比較される所定値JVは、ロール指数のバラツキを抑える制限値である。
【0087】
S6〜S8の判定がすべてyesのときのみ、S9において、車両のロール特性を表す、ロール指数(RI)=(RMA)/(GMA)、を演算する。S10においては、ロール指数(RI)の積算を順次に処理する。また、積算処理の経過時間(TJL)がカウントされる。その一方、S6〜S9のいずれか1つの判定がnoのときは、S11において、積算処理の経過時間(TJL)のカウントが停止され、経過時間(TJL)が所定の時間範囲(JST以上かつJLT以下)に納まるかどうかを判定する。
【0088】
S11の判定がyesのときは、S12において、積算値(RISUM)から平均ロール指数(RIAL,RIAR)を演算する。平均ロール指数(RIAL,RIAR)は、ロール角移動平均(RAM)または横G移動平均(GMA)の正負の符号から左右別に記憶される。その一方、S11の判定がnoのときは、S16において、平均ロール指数(RIAL,RIAR)を演算条件から外れる積算値(RISUM)をクリアにするのである。
【0089】
S13においては、平均ロール指数(RIAL,RIAR)の記憶が所定数(NRIMA)に達すると、これら平均ロール指数(RIAL,RIAR)の移動平均(RIMAL,RIMAR)を演算する。平均ロール指数移動平均(RIMAL,RIMAR)は記憶され、順次に更新される。
【0090】
左右両方の平均ロール指数移動平均(RIMAL,RIMAR)が記憶されると、S14およびS15を順次に処理する。S14においては、平均ロール指数移動平均(RIMAL,RIMAR)の左右差(RIMAR−RIMAL)の絶対値を基準値J01Hと比較し、|RIMAR−RIMAL|<J01Hかどうかを判定する。|RIMAR−RIMAL|<J01Hのときは、高荷判定に入る一方、|RIMAR−RIMAL|≧J01Hのときは、片荷の程度判定へ進むのである。
【0091】
図11は、高荷判定の処理内容を説明するフローチャートであり、S14.01においては、左右の平均ロール指数(RIMAL,RIMAR)の平均値(RIMA)=(RIMAR+RIMAL)/2を演算する。S14.02においては、平均値(RIMA)を基準値JGHLと比較し、(RIMA)≧JGHLかどうかを判定する。S14.04においては、平均値(RIMA)を基準値JGHSと比較し、(RIMA)≧JGHSかどうかを判定する。基準値JGHLは、高荷(積荷の重心が高い積載状態)の程度の大小を判定するしきい値であり、基準値JGHSは、高荷を判定する最小のしきい値である。
【0092】
S14.02の判定がyesのときは、(RIMA)≧JGHLであり、S14.03において、高荷の程度が大と判定し、高荷表示ランプ4の点灯を高荷程度が大の表示パターンに制御するほか、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値を高荷程度が大の設定値に選定する。
【0093】
S14.02の判定がnoかつS14.04の判定がyesのときは、JGHS≦(RIMA)<JGHLであり、S14.05において、高荷の程度が小と判定し、高荷表示ランプ4の点灯を高荷程度が小の表示パターンに制御するほか、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値を高荷程度が小の設定値に選定する。
【0094】
S14.02の判定がnoかつS14.04の判定がnoのときは、(RIMA)<JGHSであり、S14.06において、低荷(積荷の重心が標準レベル以下の積載状態)と判定し、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値を低荷の設定値に選定する。
【0095】
S14(図10)において、|RIMAR−RIMAL|≧J01Hのときは、図7と同じ処理により、注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止の判定値に片荷の程度および車両が片荷側または非片荷側のどちらへロールするのかに応じた設定値が選定される。また、片荷表示ランプ9は、片荷の程度が大または小の表示パターンに制御される。
【0096】
S15においては、このようにS14で選定される判定値とロール角度移動平均(RMA)の絶対値との比較に基づいて、図5,図6または図8の場合と同じように注意喚起および車両減速の制御に係る起動および停止を処理するのである。
【0097】
図5,図6の場合、積荷状態は高荷,定積,半積,空車、の4段階に判定されるが、この例においては、高荷の程度が大,高荷の程度が小,高荷でなく低荷、の3段階に判定されるのであり、図5および図6の表5〜10に対応する表(図示せず)の設定についても、高荷の程度が大,高荷の程度が小,高荷でなく低荷、の3項となる。
【0098】
このような構成により、ロール指数(RI)の演算条件に横G移動平均(GMA)≧JLG(条件1)ほか、ロール角移動平均の変化率(RMAR)≦JLR(条件2)および車速(V)≧JV(条件3)が設定される。このため、車体のロールおよび横Gが急速に変わるような旋回状態においては、ロール指数(RI)の演算がパスされるので、このような演算条件の下から得られるロール指数(RI)にバラツキが生じるのを抑えられる(図10のS6〜S9、参照)。
【0099】
積荷状態の判定においては、所定数(NRIMA)の平均ロール指数(RIAR,RIAL)を移動平均する演算値(平均ロール指数移動平均)の左右差(RIMAR−RIMAL)の絶対値に基づくので、安定した精度の高い判定が得られる(図10のS12,S13、参照)。平均ロール指数(RIAR,RIAL)は、ロール指数(RI)の積算値(RISUM)から演算されるが、積算処理の経過時間(TJL)が所定の時間範囲から外れる積算値(RISUM)については、これをクリアにするので、積算値(RISUM)の安定化により、平均ロール指数(RIAR,RIAL)の演算値が大きく狂わされるようなこともなく、積荷状態の判定精度アップに繋がるのである(図10のS11,S12,S16、参照)。
【0100】
この例においては、操舵角センサ15の出力(操舵角θ信号)から車両重心位置の旋回半径を求め、車速センサ16の出力(車速V信号)と車両重心位置の旋回半径から横Gを演算するが、操舵角センサ15の出力に基づいて、操舵角(θ)の移動平均(θMA)を求め、車両のロール特性をロール指数(RI)=(RMA)/(θMA)、と定義することも考えられる。
【0101】
高荷の程度については、運転者に細かく情報を提供するため、注意喚起に係る制御の起動および停止の判定値を図12のような設定マップから、平均値(RIMA)=(RIMAR+RIMAL)/2に応じた設定値に制御すると良い。
【0102】
図13は、第3の実施形態を説明するものであり、トラックのロールオーバ防止装置における、制御系の機能的な構成を表すブロック図である。車体の横方向への加速度(横G)を検出する手段として、左右輪(前輪または後輪)の回転速度VL,VRを検出する車輪速センサ20a,20bが備えられる。
【0103】
システム中枢の電子制御ユニット6-3において、横G演算部17-3は、左右の車輪速VL,VRとから旋回半径(R)を求め、横G=(VR+VL)2/(4×R)、を演算する。旋回半径(R)は、左旋回(VR>VL)の場合、R={(L×VL×T)/(VR×T−VL×T)}+(L/2)、右旋回(VL>VR)の場合、R={(L×VR×T)/(VL×T−VR×T)}+(L/2)、から求められる。Lはトレッド、Tは時間、である。
【0104】
積荷状態判断部6b-3においては、横G演算部6h-3からの横G信号に基づいて、所定時間における横Gの移動平均(GMA)を順次に演算する。また、ロール角演算部6aからのロール角移動平均(RMA)の変化率が順次に演算され、横Gが所定値以上の間、ロール角移動平均(RMA)の変化率が所定値以下の条件が成立する場合、ロール指数(RI)の演算およびその積算を順次に処理する。積算処理の経過時間がカウントされ、経過時間が所定の時間範囲から外れるときは、ロール指数(RI)の積算値をクリアにする一方、経過時間が所定の時間範囲に納まるときは、積算値から平均ロール指数(RIAL,RIAR)を演算する。
【0105】
車両のロールは、低速の走行状態と高速の走行状態との間で特性が異なるので、図15のような設定マップから、車速(V)に応じた補正係数(K)を求め、平均ロール指数(RIAL,RIAR)を補正する。補正後の平均ロール指数(K×RIAL,K×RIAR)は、ロール角移動平均(RAM)または横G移動平均(GMA)の正負の符号から左右別に記憶される。なお、車速(V)は、左右の車輪速の平均値(VL+VR)/2から求められる。
【0106】
平均ロール指数(K×RIAL,K×RIAR)の記憶が所定数に達すると、積荷状態判断部6b-3は、平均ロール指数(K×RIAL,K×RIAR)の移動平均(R’IMAL,R’IMAR)を演算する。これら移動平均(R’IMAL,R’IMAR)は記憶され、順次に更新される。左右両方の平均ロール指数移動平均(R’IMAL,R’IMAR)が記憶されると、これらの左右差(R’IMAR−R’IMAL)の絶対値から積荷状態の判定を処理する。積荷状態判断部6b-3には、左右差(R’IMAR−R’IMAL)の絶対値と対比される基準値(J01H,J02H)および平均値(R’IMA)=(R’IMAR+R’IMAL)/2と対比される基準値(JGHL,JGHS)が設定される。
【0107】
|R’IMAR−R’IMAL|≧J01HかつR’IMAR−R’IMAL>0のときは、積荷が車両の進行方向の右側へ偏る片荷状態と判定する一方、|R’IMAR−R’IMAL|≧J01HかつR’IMAR−R’IMAL<0のときは、積荷が車両の進行方向の左側へ偏る片荷状態と判定する。さらに、J01H<|R’IMAR−R’IMAL|≦J02Hのときは、片荷の程度が小、|R’IMAR−R’IMAL|>J02Hのときは、片荷の程度が大、と判定する。
【0108】
|R’IMAR−R’IMAL|<J01HかつR’IMA≧JGHLのときは、高荷の程度が大、|R’IMAR−R’IMAL|<J01HかつJGHS≦R’IMA<JGHLのときは、高荷の程度が小、|R’IMAR−R’IMAL|<J01HかつR’IMA<JGHSのときは、低荷(積荷の重心が標準レベル以下の積載状態)、と判定するのである。
【0109】
エマジェンシ判断部6c-3は、ロール角演算部6aからのロール角移動平均(RMA)および積荷状態判断部6b-3からの判定情報に基づいて、後述のように車両の横転への危険性を判定するものであり、その判定に基づく指令を音声出力部6iとインジケータ出力演算部6dおよびブザー出力部6eとエンジン制御部6fおよびブレーキ制御部6gへ順次に伝達する。図13において、図9と基本的な機能が同じ構成要素に同じ符号を付ける。
【0110】
図14は、システム中枢の電子制御ユニット6-3における、制御内容を説明するフローチャートであり、S1においては、左右の車高HL,HR信号(車高センサ1a,1bの出力)をサンプリングする。S2においては、これら車高HL,HR信号に基づいて、車体のロール角(R)を幾何学的に演算する。S3においては、誤動作の要因を取る除くため、所定時間におけるロール角(R)の移動平均値(RMA)を順次に演算する。また、ロール角移動平均(RMA)の変化率(RMAR)を演算する。ロール角(R)は、車体と車軸との間の相対的な傾き角である。
【0111】
S4においては、車輪速VL,VR信号(車輪速センサ20a,20bの出力)をサンプリングする。S5においては、車輪速VL,VR信号から横Gを演算する。横G信号についても、外乱要因による細かい変動を平滑化するため、S6において、所定時間における横Gの移動平均(GMA)を順次に演算する。車体のロール角(R)および横Gについては、車両の進行方向の右方向へ生じるものに正の符号、左方向へ生じるものに負の符号が付けられる。
【0112】
S7においては、横G移動平均(GMA)の絶対値が所定値JLG以上かどうかを判定する。S8においては、ロール角移動平均(RMA)の変化率を演算し、その演算値(RMAR)が所定値JLR以下かどうかを判定する。横G移動平均(GMA)の絶対値と比較される所定値JLGは、後述の演算処理が必要かどうかを判定する基準値であり、横G移動平均(GMA)の変化率(RMAR)と比較される所定値JLRは、ロール指数のバラツキを抑える制限値である。
【0113】
S7,S8の判定が共にyesのときのみ、S9において、車両のロール特性を表す、ロール指数(RI)=(RMA)/(GMA)、を演算する。S10においては、ロール指数(RI)の積算を順次に処理する。また、積算処理の経過時間(TJL)がカウントされる。その一方、S7の判定またはS8の判定がnoのときは、S11において、積算処理の経過時間(TJL)のカウントが停止され、経過時間(TJL)が所定の時間範囲(JST以上かつJLT以下)に納まるかどうかを判定する。
【0114】
S11の判定がyesのときは、S12において、積算値(RISUM)から平均ロール指数(RIAL,RIAR)を演算する。S13においては、図15のマップから車速(V)に応じた補正係数(K)を求め、平均ロール指数(RIAL,RIAR)を補正する。補正後の平均ロール指数(K×RIAL,K×RIAR)は、正負の符号から左右別に記憶される。その一方、S11の判定がnoのときは、S17において、平均ロール指数(RIAL,RIAR)を演算条件から外れる積算値(RISUM)をクリアにするのである。
【0115】
S14においては、平均ロール指数(K×RIAL,K×RIAR)の記憶が所定数(NRIMA)に達すると、これら平均ロール指数(K×RIAL,K×RIAR)の移動平均(R’IMAL,R’IMAR)を演算する。平均ロール指数移動平均(R’IMAL,R’IMAR)は記憶され、順次に更新される。左右両方の平均ロール指数移動平均(R’IMAL,R’IMAR)が記憶されると、S15およびS16を順次に処理する。
【0116】
S15およびS16の処理内容については、(|RIMAR−RIMAL|)が(|R’IMAR−R’IMAL|)、また(RIMA)=(RIMAR+RIMAL)/2が(R’IMA)=(R’IMAR+R’IMAL)/2、に変わるのみであり、図10と同様のため、説明を省略する。
【0117】
このような構成により、平均ロール指数(RIAL,RIAR)を車速(V)に応じて補正する(図14のS13、参照)ので、高荷状態についても、車速(V)に応じた車両のロール特性に適合する正確な判定が得られるのである。
【0118】
図16は、第4の実施形態を説明するフローチャートであり、積荷の重量が小さい等、ロール角の感度が鈍い走行状態においても、運転者に適切なタイミングで注意喚起を促すべく、横Gに基づく注意喚起および車両減速の制御機能を追加したものである。
【0119】
S1においては、左右の車高HL,HR信号(車高センサ1a,1bの出力)をサンプリングする。S2においては、これら車高HL,HR信号に基づいて、車体のロール角(R)を幾何学的に演算する。S3においては、誤動作の要因を取る除くため、所定時間におけるロール角(R)の移動平均値(RMA)を順次に演算する。また、ロール角移動平均ロール角(RMA)の変化率(RMAR) を演算する。ロール角(R)は、車体と車軸との間の相対的な傾き角である。
【0120】
S4においては、横G信号(横Gセンサ2の出力)をサンプリングする。横G信号についても、外乱要因による細かい変動を平滑化するため、S5において、所定時間における横Gの移動平均(GMA)を順次に演算する。車体のロール角(R)および横Gについては、車両の進行方向の右方向へ生じるものに正の符号、左方向へ生じるものに負の符号が付けられる。
【0121】
S6においては、横G移動平均(GMA)の絶対値が所定値JLG以上かどうかを判定する。S6の判定がyesのときは、S7へ進む一方、S6の判定がnoのときは、S14へ飛ぶのである。
【0122】
S7においては、車両のロール特性を表す、ロール指数(RI)=(RMA)/(GMA)、を演算する。S8においては、ロール指数(RI)の積算を順次に処理する。積算処理の経過時間がカウントされ、経過時間が所定範囲に及ばないときは、ロール指数(RI)の積算値をクリアにする一方、経過時間が所定範囲に及ぶときは、積算値から平均ロール指数(RIAL,RIAR)を演算する。そして、ロール角移動平均(RMA)または横G移動平均(GMA)の正負符号から平均ロール指数(RIAL,RIAR)を左右別に記憶する。
【0123】
左右両方の平均ロール指数(RIAL,RIAR)が記憶されると、S9において、平均ロール指数の左右差(RIAR−RIAL)の絶対値を基準値J01Hと比較し、|RIAR−RIAL|<J01Hかどうかを判定する。基準値J01Hは、片荷を判定する最小のしきい値であり、S9の判定がyesのときは、S10の高荷判定に入る一方、S9の判定がnoのときは、S12の処理(片荷の程度判定)へ進む。S10〜13の処理内容については、図4〜図8の処理内容と同一のため、説明を省略する。
【0124】
図17は、S14の処理内容を説明するフローチャートであり、S14.01においては、横G移動平均(GMA)の絶対値を判定値SGと比較し、|GMA|≧SGかどうかを判定する。SGは、横Gに基づく注意喚起の制御に係る起動の判定値であり、表20から図4におけるS10.02〜S10.08の判定または図7におけるS12.02〜s12.03の判定に応じた設定値が選定される。
【0125】
S14.01の判定がyesのときは、S14.02において、注意喚起の制御を起動する。すなわち、運転者に危険回避など適確な注意喚起を促すべく、ロールインジケータ3および注意喚起ブザー5の作動を制御する。S14,01の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0126】
S15の処理に続くS14.03においては、注意喚起の制御に係る停止の判定値(|SG−SGR|)と横G移動平均(GMA)の絶対値を比較し、|GMA|≦|SG−SGR|かどうか、または注意喚起の起動から所定時間(RT)が経過したかどうか、を判定する。判定値(|SG−SGR|)において、SGRは起動の判定値SGに対するヒステリシスであり、表25から図4におけるS10.02〜S10.08の判定または図7におけるS12.02〜s12.03の判定に応じた設定値が選定される。S14.03の判定がyesのときは、S14.04において、注意喚起の制御を停止する一方、S14.03の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0127】
図18は、S15の処理内容を説明するフローチャートであり、S15.01においては、横G移動平均(GMA)の絶対値を横Gに基づく車両減速のエンジン制御に係る起動の判定値EGと比較し、|GMA|≧EGかどうかを判定する。判定値EGは、表21から図4におけるS10.02〜S10.08の判定または図7におけるS12.02〜s12.03の判定に応じた設定値が選定される。S15.01の判定がyesのときは、S15.02において、エンジン出力(アクセル開度)を減方向へ制御する一方、S15.01の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0128】
S15.03においては、横G移動平均(GMA)の絶対値を横Gに基づく車両減速のブレーキ制御に係る起動の判定値BGと比較し、|GMA|≧BGかどうかを判定する。判定値BGは、表22から図4におけるS10.02〜S10.08の判定または図7におけるS12.02〜s12.03の判定に応じた設定値が選定される。S15.03の判定がyesのときは、S15.04において、車両のブレーキ装置を作動状態に制御する一方、S15.03の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0129】
S15.05においては、横G移動平均(GMA)の絶対値を横Gに基づく車両減速のブレーキ制御に係る停止の判定値(|BG−BGR|)と比較し、|GMA|≦|BG−BGR|かどうかを判定する。判定値(|BG−BGR|)において、BGRは起動の判定値BGに対するヒステリシスであり、表23から図4におけるS10.02〜S10.08の判定または図7におけるS12.02〜s12.03の判定に応じた設定値が選定される。S15.05の判定がyesのときは、S15.06において、車両減速のブレーキ制御を停止(ブレーキ装置の作動を解除)する一方、S15.05の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0130】
S15.07においては、横G移動平均(GMA)の絶対値を横Gに基づく車両減速のエンジン制御に係る停止の判定値(|EG−EGR|)と横G移動平均(GMA)の絶対値を比較し、|GMA|≦|EG−EGR|かどうかを判定する。判定値(|EG−EGR|)において、EGRは起動の判定値EGに対するヒステリシスであり、表24から図4におけるS10.02〜S10.08の判定または図7におけるS12.02〜s12.03の判定に応じた設定値が選定される。S15.07の判定がyesのときは、S15.08において、車両減速のエンジン制御を停止(エンジンは通常制御へ復帰)する一方、S15.07の判定がnoのときは、リターンへ抜ける。
【0131】
このような構成により、左右の平均ロール指数(RIAR,RIAL)に基づいて、積荷状態が判定され、その判定に応じた判定値とロール角移動平均(RAM)の絶対値との比較により、注意喚起および車両減速に係る制御が行われる(図16のS9〜S13、参照)ほか、横G移動平均(GMA)の絶対値と積荷状態に応じた判定値との比較に基づく注意喚起および車両減速の制御が行われる(図16のS14およびS15、参照)ので、ロール角の感度が鈍い走行状態においても、注意喚起および車両減速の機能をロール限界を超える前にタイミングよく働かせることが可能となる。
【0132】
横G移動平均(GMA)に基づく注意喚起および車両減速の制御(図16のS14およびS15)においては、横G移動平均(GMA)の変化率などから、積荷状態(片荷,高荷,定積,半積,空車)を独自に判定することも考えられる。その場合、S6(図15)の省略(S5とS7との間を直結)が可能となる。もちろん、横G移動平均(GMA)に基づく注意喚起および車両減速の制御(図16のS14およびS15)は、第1の実施形態に限らず、第2の実施形態および第3の実施形態についても、適用できるのである。
【0133】
図19は、システムの一部構成に係る変形態様を表すものである。図19において、40はバー表示形式のロールインジケータであり、画面41に車両の左右方向へ延びる表示バー42が設定される。バー42は、その長手方向へ連なる奇数の表示要素42aに区分される。そして、電子制御ユニット6-5により、車両の直進時においては、バー中央の表示要素42aが点灯される(▲1▼、参照)。車両が右側または左側へロールすると、その進度に応じた数の表示要素42aが中央から右側または左側へ順に点灯される。つまり、表示要素42aの点灯数により、ロール角が段階的に表示されるのである(▲2▼,▲3▼、参照)。バー両端の表示要素42aについては、運転者に危険回避を促すべく、中間の表示要素42aと色別に赤く点灯または点滅するように制御される(▲4▼,▲5▼、参照)。
【0134】
高荷表示ランプ50は、電子制御ユニット6-5により、高荷の程度に応じて車両絵図50aの荷台が色別に明るく制御される。
【0135】
注意喚起ブザー60については、音量および音色の異なる2種のブザー60a,60bが備えられ、電子制御ユニット6-5において、注意喚起の必要性(ロール限界に対する危険性)が判定され、危険性がそれ程に高くないときは、音量の小さい音色(A)のブザー60aにより、危険性が高くなると、音量の大きい音色(B)のブザー60bにより、運転者に注意喚起を2段階に促すように制御されるのである。注意喚起ブザー60は、図示の場合、独立のブザーが2つ配置されるが、1つのブザーを2種の鳴動音に制御することも考えられる。
【0136】
図21において、19は音声出力部、7はエンジンコントローラ、8はブレーキコントローラ(またはブレーキ装置)である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を表すシステムの概要図である。
【図2】同じくブロック図である。
【図3】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図4】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図5】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図6】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図7】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図8】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図9】第2の実施形態を説明するブロック図である。
【図10】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図11】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図12】制御内容を説明する特性図である。
【図13】第3の実施形態を説明するブロック図である。
【図14】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図15】制御内容を説明する特性図である。
【図16】第3の実施形態を説明するフローチャートである。
【図17】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図18】同じく制御内容を説明するフローチャートである。
【図19】システムの一部構成に係る変形態様の説明図である。
【符号の説明】
1a,1b 車高センサ
2 横Gセンサ
3 ロールインジケータ
4,4-2 高荷表示ランプ
5 注意喚起ブザー
6,6-2,6-3,6-5 電子制御ユニット
7 エンジンコントローラ
8 ブレーキコントローラ
9 片荷表示ランプ
6a ロール角演算部
6b,6b-2,6b-3 片荷判断部
6c,6c-2,6c-3 エマジェンシ判断部
6d インジケータ出力演算部
6e ブザー出力部
6f エンジン制御部
6g ブレーキ制御部
6h,6h-3 横G演算部
20a,20b 車輪速センサ
30 高荷表示ランプ
Claims (7)
- 運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、横加速度が所定値以上であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これら判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値とロール角との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする車両のロールオーバ防止装置。
- 運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、ロール角の変化率を演算する手段、横加速度が所定値以上かつロール角の変化率が所定値以下であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これら判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値とロール角との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする車両のロールオーバ防止装置。
- 運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、車速を検出する手段、横加速度が所定値以上かつ車速が所定値以下であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これら判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値とロール角との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする車両のロールオーバ防止装置。
- 運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、車速を検出する手段、横加速度が所定値以上であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、車速に対応する補正係数を設定する手段、ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数をロール指数演算時の車速に対応する補正係数により補正する手段、補正後の平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに補正後の左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これら判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値とロール角との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする車両のロールオーバ防止装置。
- ロール指数から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する手段は、ロール指数の演算値を積算する手段、その積算処理の経過時間をカウントする手段、ロール指数の演算停止時に積算処理の経過時間が所定範囲に入るときにロール指数の積算値から車両進行方向の左右別の平均ロール指数を演算する一方、同じく経過時間が所定範囲に及ばないときはロール指数の積算値をクリアにする手段、を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに係る車両のロールオーバ防止装置。
- 注意喚起に係る判定値を設定する手段は、ロール進行中にその時点のロール角に基づいて最大ロール角を推定する手段、その推定値から緊急度を判定する手段、積載状態と緊急度とからこれらに応じた判定値を設定する手段、を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの記載に係る車両のロールオーバ防止装置。
- 運転者に危険回避を促す注意喚起手段、ロール角を検出する手段、横加速度を検出する手段、横加速度が所定値以上であることを条件にロール角および横加速度から車両のロール特性を定義するロール指数を演算する手段、ロール指数から車両進行方 向の左右別の平均ロール指数を演算する手段、平均ロール指数の左右差から積荷が片荷状態か否かを判定する手段、この判定が非片荷状態のときに左右の平均ロール指数の平均値から積荷が高荷状態か否かを判定する手段、これら判定結果から積荷状態に応じた注意喚起に係る判定値を設定する手段、この設定値と横加速度との比較に基づいて注意喚起手段を制御する手段、を備えることを特徴とする車両のロールオーバ防止装置。
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