JP2014195929A - 液体吐出装置の製造方法及び圧電アクチュエータの製造方法 - Google Patents

液体吐出装置の製造方法及び圧電アクチュエータの製造方法 Download PDF

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大樹 田中
Daiki Tanaka
大樹 田中
安朗 加藤
Yasuro Kato
安朗 加藤
小林 靖功
Yasuisa Kobayashi
靖功 小林
瑞代 竹林
Mizuyo Takebayashi
瑞代 竹林
圭司 蔵
Keiji Kura
圭司 蔵
恭兵 内藤
Kyohei Naito
恭兵 内藤
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Abstract

【課題】圧電層と別の層とを接着剤で接合したときに、接着剤が圧電層の上記別の層と反対側の面に染み出すことによってできる染み出し部が、圧電層の上記別の層と反対側の面に形成された電極と重なってしまうのを防止することができる液体吐出装置の製造方法を提供する。
【解決手段】圧電層と共通電極との積層体を作製し、この積層体とインク分離層とを接着剤で接合する。その後、圧電層の上面に個別電極を形成する。接着剤が圧電層の上面に染み出した染み出し部が存在する場合には、染み出し部を避けて個別電極を形成する。個別電極の形成後、個別電極と圧力室とを位置合わせして、インク分離層に流路ユニットを接合する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置の製造方法、及び、液体吐出装置などに用いられる圧電アクチュエータの製造方法に関する。
特許文献1では、個別電極、共通電極などの電極がそれぞれ形成された3枚の圧電材料のグリーンシートを互いに積層した状態で焼成することにより、3層の圧電層からなる積層体を作製している。さらにその後、この積層体と、流路ユニットに接合された振動板とを、熱硬化性接着剤により接合している。
特開2011−54593号公報
ここで、特許文献1のように、上記圧電層の積層体と振動板とを接着剤で接合する場合には、これらの間に微細な異物が挟まってしまうことがある。そして、この場合には、この異物によって圧電層にクラックが生じ、接着剤がクラックを介して、上記積層体の振動板と反対側の面まで染み出してしまう。また、特許文献1では、振動板及び圧電層が圧力室と重なっているため、圧電層の個別電極が形成された部分やその近傍の部分に接着剤の染み出し部ができてしまうことがある。そしてこの場合には、後述するように、個別電極の接続端子とFPCなどの配線部材とを接続する際に、染み出し部が干渉して接続不良が生じたり、圧電層内に接着剤が存在することにより、圧電層が変形したときに、圧電層を挟んで配置された個別電極と共通電極との間の絶縁性が低下したりする虞がある。
本発明の目的は、電極と配線部材との接続不良や、電極間の絶縁性の低下などを防止することが可能な液体吐出装置及び圧電アクチュエータを提供することである。
第1の発明に係る液体吐出装置の製造方法は、ノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室と重なるように配置された圧電層と、前記圧力室と前記圧電層との間に配置された中間層と、前記圧電層の前記中間層と反対側の面の、前記圧力室と重なる部分に配置された第1電極と、備えた液体吐出装置の製造方法であって、前記圧電層を含む第1部材と、前記中間層を含む第2部材とを接着剤で接合する第1接合工程と、前記第1接合工程の後、前記圧電層の前記中間層と反対側の面における、接着剤が染み出した染み出し部の位置を検出する染み出し位置検出工程と、前記染み出し位置検出工程の後、前記圧電層の前記中間層と反対側の面に前記第1電極を形成する電極形成工程と、を備え、前記電極形成工程において、前記染み出し位置検出工程で検出された前記染み出し部の位置を避けて前記第1電極を形成する。
本発明によると、圧電層を含む第1部材と中間層を含む第2部材とを接着剤で接合した後に、圧電層の中間層と反対側の面に第1電極を形成するため、第1部材と第2部材との接合時に接着剤の染み出し部ができた場合に、染み出し部を避けて第1電極を形成することができる。これにより、染み出した接着剤が干渉することで第1電極と外部の配線との接続不良が生じたり、圧電層内に接着剤が存在することで、圧電層を変形させたときに、第1電極と他の電極との絶縁性が低下したりすることを防止することができる。
第10の発明に係る圧電アクチュエータの製造方法は、圧電材料からなる第1層と、前記第1層と積層された第2層と、前記第1層の前記第2層と反対側の面に配置された電極と、を備えた圧電アクチュエータの製造方法であって、前記第1層を含む第1部材と、前記第2層を含む第2部材とを接着剤で接合する接合工程と、前記接合工程の後、前記第1層の前記第2層と反対側の面における前記接着剤が染み出した染み出し部の位置を検出する染み出し位置検出工程と、前記染み出し位置検出工程の後、前記第1層の前記第2層と反対側の面に前記第1電極を形成する電極形成工程と、を備え、前記電極形成工程において、前記染み出し位置検出工程で検出された前記染み出し部の位置を避けて前記電極を形成する。
本発明によると、第1層を含む第1部材と、第2層を含む第2部材とを接着剤で接合した後に、第1層の第2層と反対側の面に電極を形成するため、第1部材と第2部材との接合時に接着剤の染み出し部ができた場合に、染み出し部を避けて電極を形成することができる。これにより、染み出した接着剤が干渉することで電極と外部の配線との接続不良が生じたり、第1層内に接着剤が存在することで、第1層を変形させたときに、電極と他の電極との絶縁性が低下したりすることを防止することができる。
本発明によれば、染み出した接着剤が干渉することで電極と外部の配線との接続不良が生じたり、圧電層や第1層内に接着剤が存在することで、圧電層や第1層を変形させたときに、電極間の絶縁性が低下したりすることを防止することができる。
本発明の実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 インクジェットヘッドの製造手順を示すフローチャートである。 インクジェットヘッドの製造の各工程を示す図であり、(a)が圧電層と共通電極との積層体を作製する工程、(b)が(a)の積層体とインク分離層とを接合する工程、(c)が個別電極を形成する工程、(d)が流路ユニットを接合する工程をそれぞれ示している。 染み出し部が1つの場合の、個別電極の形成位置を示す図であり、(a)が基準位置に個別電極を形成した場合、(b)が個別電極を基準位置からずらして形成した場合を示している。 染み出し部が2つの場合の、個別電極の形成位置を示す図であり、(a)が基準位置に個別電極を形成した場合、(b)が個別電極を基準位置からずらして形成した場合を示している。 全ての染み出し部を避けて個別電極を形成することができない場合の一例を示す図である。 個別電極の形成手順を示す図であり、(a)がマスクを配置する工程を示しており、(b)が導電性材料を形成する工程を示している。 接着剤の染み出しにより生じる不具合を説明する図であり、(a)が染み出し部が個別電極と重なる場合、(b)が染み出し部が接続端子の近傍に位置している場合を示している。 (a)は変形例1の図6(a)相当の図である。(b)は変形例1の図6(b)相当の図である。 変形例2における個別電極の形成手順を示す図であり、(a)がレジストを形成するためのマスクを配置する工程、(b)がレジストを形成する工程、(c)が導電性材料を形成する工程を示している。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るプリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、搬送ローラ4などを備えている。キャリッジ2は、走査方向に平行に延びた2本のガイドレール5に支持され、ガイドレール5に沿って走査方向に往復移動する。なお、以下では、図1に示すように走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。また、走査方向の右側及び左側を、単に右側、左側とする。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2に搭載され、その下面に形成された複数のノズル15からインクを吐出する。搬送ローラ4は、記録用紙Pを走査方向と直交する搬送方向に搬送する。
そして、プリンタ1では、記録用紙Pを搬送ローラ4により搬送方向に搬送させつつ、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3からインクを吐出させることにより、記録用紙Pに印刷を行う。
次に、インクジェットヘッド3について詳細に説明する。インクジェットヘッド3は、複数のノズル15や後述の圧力室10などのインク流路が形成された流路ユニット21と、圧力室10内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータ22とを備えている。
流路ユニット21は、4枚のプレート31〜34が互いに積層されることによって形成されている。4枚のプレート31〜34のうち、3枚のプレート31〜33は、ステンレスなどの金属材料からなる。プレート34は、ポリイミドなどの合成樹脂材料、あるいは、プレート31〜33と同様の金属材料からなる。プレート31〜34は、熱硬化性接着剤等によって互いに接合されている。ただし、図3では、プレート31〜34を接合する接着剤の図示は省略している。
プレート31には、複数の圧力室10が形成されている。圧力室10は、走査方向を長手方向とする略楕円の平面形状を有している。また、複数の圧力室10は、搬送方向に配列されることによって圧力室列9を形成しており、プレート31には、このような圧力室列9が走査方向に沿って4つ並んでいる。また、左から1、3番目の圧力室列9を形成する圧力室10と、左から2、4番目の圧力室列9を形成する圧力室10とは、搬送方向にずれて配置されている。
プレート32には、左から1、3番目の圧力室列9を形成する圧力室10の右端部と重なる部分、及び、左から2、4番目の圧力室列9を形成する圧力室10の左端部と重なる部分に、略円形の貫通孔12が形成されている。また、プレート32には、左から1、3番目の圧力室列9を形成する圧力室10の左端部と重なる部分、及び、左から2、4番目の圧力室列9を形成する圧力室10の右端部と重なる部分に、略円形の貫通孔13が形成されている。
プレート33には、2本のマニホールド流路11が形成されている。2本のマニホールド流路11は、それぞれが搬送方向に延び、走査方向に間隔をあけて配置されている。左側のマニホールド流路11は、左から1、2番目の圧力室列9を形成する複数の圧力室10にまたがって延び、左から1番目の圧力室列9を形成する複数の圧力室10の略左半分、及び、左から2番目の圧力室列9を形成する複数の圧力室10の略右半分と重なっている。一方、右側のマニホールド流路11は、左から3、4番目の圧力室列9を形成する複数の圧力室10にまたがって延び、左から3番目の圧力室列9を形成する複数の圧力室10の略左半分、及び、左から4番目の圧力室列9を形成する複数の圧力室10の略右半分と重なっている。また、2本のマニホールド流路11は、搬送方向下流側の端部で互いに接続されている。2本のマニホールド流路11には、搬送方向下流側の互いに接続された部分に設けられたインク供給口8からインクが供給される。また、プレート33には、貫通孔13と重なる部分に略円形の貫通孔14が形成されている。プレート34には、貫通孔13と重なる部分にノズル15が形成されている。
そして、流路ユニット21では、マニホールド流路11が貫通孔12を介して複数の圧力室10と連通する。また、圧力室10が貫通孔13、14を介してノズル15と連通する。このように、流路ユニット21には、マニホールド流路11の出口から圧力室10を経てノズル15に至る複数の個別インク流路が形成される。
圧電アクチュエータ22は、インク分離層41、圧電層42、43、共通電極44、複数の個別電極45を備えている。
インク分離層41は、ステンレスなどの金属材料からなり、熱硬化性接着剤などによって、流路ユニット21の上面に接合されている。これにより、流路ユニット21の複数の圧力室10の上面の開口が、インク分離層41によって塞がれる。ここで、インク分離層41は、圧力室10内のインクが圧電層42に接触してしまうのを防止するためのものである。なお、図3では、流路ユニット21とインク分離層41とを接合する接着剤の図示を省略している。圧電層42は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、インク分離層41の上面に複数の圧力室10にまたがって連続的に延びている。また、圧電層42は、熱硬化性接着剤などの接着剤39によってインク分離層41に接合されている。圧電層43は、圧電層42と同じ圧電材料からなり、圧電層42の上面に配置されている。
共通電極44は、圧電層42と圧電層43との間のほぼ全域にわたって延びている。複数の個別電極45は、圧力室10よりも一回り小さい略楕円の平面形状を有し、圧電層43の上面の圧力室10の略中央部と重なる部分に配置されている。これにより、個別電極45は、搬送方向に配列され、電極列46を形成している。また、電極列46は、圧力室列9と同様、走査方向に沿って4つ並んでいる。そして、このように4つの電極列46が走査方向に4つ並んでいることにより、複数の個別電極45は、走査方向及び搬送方向に並んでいる。また、個別電極45の走査方向における貫通孔12側の端部は、圧力室と重ならない部分まで延び、その先端部が接続端子45aとなっている。接続端子45aの上面には、上方に突出したバンプ49が形成されている。また、共通電極44と複数の個別電極45とがこのように配置されているのに対応して、圧電層43の共通電極44と個別電極45とに挟まれた部分は、その厚み方向に分極されている。
ここで、図2に示すように、左から2番目の電極列46を形成する個別電極45と、左から3番目の電極列46を形成する個別電極45との走査方向の間隔をDaとする。また、搬送方向における個別電極45の間隔をDbとする。また、左から1番目の電極列46を形成する個別電極45と、左から2番目の電極列46を形成する個別電極45の走査方向の間隔、及び、左から3番目の電極列46を形成する個別電極45と、左から4番目の電極列46を形成する個別電極45の走査方向の間隔をDcとする。本実施の形態では、複数の個別電極45が上述したように配置されていることにより、Da、Db、Dcが、Da>Db>Dcの大小関係になっている。
また、図2に示すように、圧電層42、43の搬送方向の長さをLaとする。また、搬送方向の最も上流側に配置された個別電極45の搬送方向上流側の端と、搬送方向の最も下流側に配置された個別電極45の搬送方向下流側の端との距離をLbとする。また、搬送方向の個別電極45の長さをLcとする。本実施の形態では、圧電層42、43の搬送方向の長さLaは、La>Lb+Lc+Kの関係が成り立つような長さとなっている。ここで、Kは、後述する染み出し部61の直径A(図6(a)参照)の上限値である。
また、図2に示すように、圧電層42、43の走査方向の長さLdとする。また、最も左側に配置された個別電極45の左端と、最も右側に配置された個別電極45の右端との距離をLeとする。また、走査方向の個別電極45の長さをLfとする。本実施の形態では、圧電層42、43の走査方向の長さLdが、Ld>Le+Lf+Kの関係が成り立つような長さとなっている。
圧電アクチュエータ22の上方には、COF(Chip On Film)50が配置されている。COF50はバンプ49に接続されている。COF50には、図示しないドライバICが実装されている。個別電極45はCOF50の図示しない配線、及び、バンプ49を介してドライバICと接続されている。そして、各個別電極45には、ドライバICにより、グランド電位及び所定の駆動電位のいずれかが選択的に付与される。また、共通電極44は、COF50の配線や圧電層43に形成された図示しないスルーホールなどを介してドライバICと接続されている。そして、共通電極44は、ドライバICにより常にグランド電位に保持されている。
ここで、圧電アクチュエータ22を駆動してノズル15からインクを吐出させる方法について説明する。圧電アクチュエータ22では、全ての個別電極45が予めグランド電位に保持されている。あるノズル15からインクを吐出するためには、当該ノズル15に対応する個別電極45の電位をグランド電位から駆動電位に切り換える。すると、個別電極45と共通電極44との電位差により、圧電層43のこれらの電極に挟まれた部分に分極方向と平行な電界が発生する。この電界により圧電層43の当該部分が水平方向に収縮し、これに伴って、圧電層42、43及びインク分離層41が全体として圧力室10側に凸となるように変形する。これにより、圧力室10の容積が低下して圧力室10内のインクの圧力が上昇し、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。
次に、インクジェットヘッド3の製造方法について説明する。インクジェットヘッド3を製造するためには、図4に示すように、まず、圧電層42となる、上面に共通電極44が形成された圧電材料のグリーンシートと、圧電層43となる圧電材料のグリーンシートとを積層させて焼成することで、図5(a)に示すような圧電層42、43との積層体を作製する(ステップS101)。なお、以下では、ステップS101を単にS101にするなど「ステップ」を省略する。また、この段階では、圧電層43の上面に個別電極45が形成されていない。また、インクジェットヘッド3の製造時にはインクジェットヘッド3の各構成部材が任意の向きに配置され得るが、図5や後述の図6などでは、便宜上、プリンタ1に組み付けられたときの方向を図示している。また、以下では、これらの図に示す方向を用いて説明を行う。
次に、図5(b)に示すように、熱硬化性接着剤により、圧電層42の下面にインク分離層41を接合する(S102)。次に、圧電層43の上面における染み出し部61の位置を検出する(S103)。染み出し部61とは、圧電層42とインク分離層41との間の接着剤39が、圧電層43の上面に染み出した部分である。より詳細に説明すると、S102の圧電層42とインク分離層41との接合時に、圧電層42とインク分離層41との間に微細な異物等が挟まっていることがある。この場合には、異物により圧電層42、43にクラック48が発生することがある。そして、クラック48が発生すると、接着剤39がクラック48を介して圧電層43の上面まで染み出すことがある。このとき、染み出した接着剤39は、圧電層43の上面に染み出し部61となって現れる。そして、S103では、圧電層43の上面に走査方向及び搬送方向の座標を設定し、染み出し部61が配置されている位置の座標を検出する。このとき、検出された座標は、1つの染み出し部61に対して、走査方向及び搬送方向に隣接する複数の座標からなる座標群を形成する。また、この座標群を形成する複数の座標のうち、走査方向又は搬送方向における両端の座標の間の距離が、当該染み出し部61の直径Aに対応する。また、染み出し部61が複数存在する場合には、検出した座標が、上述したよう座標群を複数形成する。なお、S103の染み出し部61の位置の検出は、カメラによる撮影、目視などによって行う。
次に、S103で染み出し部61が検出されなかった場合には(S104:NO)、続いて、圧電層43の上面の予め設定された基準位置を複数の個別電極45の形成位置に決定し(S105)、後述のS111に進む。一方、S103において染み出し部61が検出された場合には(S104:YES)、染み出し部61の直径Aが、所定の上限値Kを超えているか否かを判定する(S106)。ここで、上限値Kは、搬送方向に隣接する個別電極45の間の間隔Dbよりも小さい値に設定されている。なお、染み出し部61の直径Aは、例えば、S103で検出した、上記座標群を形成する複数の座標のうち、走査方向又は搬送方向における両端の座標の間の距離からわかる。
そして、染み出し部61の直径Aが上限値Kを超えている場合には(S106:YES)、S101、S102で作製した積層体を廃棄する、あるいは、リサイクルの工程に進み(S107)、インクジェットヘッド3の製造の処理を終了する。一方、染み出し部61の直径Aが上限値K以下の場合には(S106:NO)、さらに染み出し部61の数が1つであるか否かを判定する(S108)。ここで、染み出し部61の数は、例えば、S103で検出した座標が形成する上記座標群の数からわかる。
染み出し部61の数が1つである場合には(S108:YES)、S103で検出した染み出し部61の位置に基づいて、個別電極45の形成位置の、上記基準位置に対する走査方向へのずらし量を決定し(S109)、その後S112に進む。
S109のずらし量の決定についてより詳細に説明する。仮に、染み出し部61が検出されなかった場合と同様に上記基準位置に個別電極45を形成してしまうと、図6(a)に実線で示すように染み出し部61が個別電極45と重なってしまうことがある。あるいは、図6(a)に二点鎖線で示すように染み出し部61が接続端子45aの近傍に位置してしまうことがある。そこで、このような場合に、図6(b)に示すように、染み出し部61が、最も左側の電極列46よりも左側、左から2番目と3番目の電極列46の間、及び、最も右側の電極列46よりも右側に位置するように、個別電極45の形成位置の走査方向へのずらし量を決定する。すなわち、S109では、染み出し部61が、個別電極45の、走査方向における接続端子45aと反対側に位置するように、個別電極45の形成位置の走査方向へのずらし量を決定する。このとき、個別電極45の形成位置は、基準位置に対して、走査方向における接続端子45a側にずらされる。なお、当然のことではあるが、上記基準位置に個別電極45を形成しても、染み出し部61が、個別電極45と重なることもなく、接続端子45aの近傍に位置することもない場合は、S109においてずらし量を0に決定する。
一方、染み出し部61の数が複数である場合には(S108:NO)、S103で検出した染み出し部61の位置に基づいて、全ての染み出し部61を避けて複数の個別電極45を形成することが可能であるか否かが判定される(S110)。ここで、本実施の形態において、「全ての染み出し部61を避けて複数の個別電極45を形成する」というのは、全ての染み出し部61が、個別電極45の、走査方向における接続端子45aと反対側に位置する、あるいは、搬送方向に隣接する個別電極45の間に位置するように、複数の個別電極45を形成するということである。
そして、全ての染み出し部61を避けて複数の個別電極45を形成することができないと判定された場合には(S110:NO)、S101、S102で作製した積層体を廃棄する、あるいは、リサイクルの工程に進み(S107)、インクジェットヘッド3の製造の処理を終了する。一方、全ての染み出し部61を避けて複数の個別電極45を形成することが可能であると判定された場合には(S110:YES)、S103で検出した染み出し部61の位置に基づいて、個別電極45の形成位置の、走査方向及び搬送方向における、上記基準位置からのずらし量を決定し(S111)、その後S112に進む。
S110の判定、S111のずらし量の決定についてより詳細に説明する。例えば、染み出し部61が2つの場合、一方の染み出し部61の位置に基づいて、S109と同様に、個別電極45の形成位置の走査方向へのずらし量を決定すれば、一方の染み出し部61は、上述したように、個別電極45の、走査方向における接続端子45aと反対側に位置する。しかしながら、このように個別電極45の形成位置をずらしたときに、図7(a)、図8に示すように、他方の染み出し部61が、個別電極45と重なったり、接続端子45aの近傍に位置したりしてしまうことがある。
このとき、例えば、2つの染み出し部61が図7(a)に示すような位置関係にある場合には、図7(b)に示すように、個別電極45の形成位置を搬送方向にずらすと、一方の染み出し部61を、個別電極45の、走査方向における接続端子45aと反対側に位置させたまま、他方の染み出し部61を、搬送方向に隣接する個別電極45の間に位置させることができる。すなわち、この場合には、全ての染み出し部61を避けて個別電極45を形成することができる。
しかしながら、例えば、2つの染み出し部61が、図8に示すような位置関係にある場合には、個別電極45の形成位置を搬送方向にどれだけずらしても、他方の染み出し部61は、個別電極45と重なるか、接続端子45aの近傍に位置することになる。すなわち、全ての染み出し部61を避けて個別電極45を形成することができない。
また、染み出し部61が3つ以上ある場合にも、これら3つ以上染み出し部61の位置関係によっては、個別電極45の形成位置を走査方向及び搬送方向にどれだけずらしても、全ての染み出し部61を避けて個別電極45を形成することができないことがある。
このように、染み出し部61が2つ以上ある場合には、染み出し部61の位置関係によって、全ての染み出し部61を避けて複数の個別電極45を形成することができる場合もあればできない場合もある。そして、S110では、染み出し部61の位置から、全ての染み出し部61を避けて複数の個別電極45を形成することができるか否かを判定する。そして、可能な場合には、S111で個別電極45の形成位置の、走査方向及び搬送方向における、基準位置に対するずらし量を決定する。
なお、当然のことではあるが、複数の個別電極45を基準位置に形成しても、全ての染み出し部61が、個別電極45と重なることもなく、接続端子45aの近傍に位置することもない場合には、S111において走査方向及び搬送方向へのずらし量を0に決定する。また、個別電極45の形成位置を走査方向にずらしただけで、全ての染み出し部61が、個別電極45と重なることもなくなり、接続端子45aの近傍に位置することもなくなる場合には、S111において搬送方向へのずらし量を0に決定する。
S112では、圧電層43の上面のS105、S109、S111で決定された位置に、複数の個別電極45を形成する。そして、S112の個別電極45の形成の後、インク分離層41の下面に、予め作製しておいた流路ユニット21を接合する(S113)。このとき、個別電極45と圧力室10とを位置合わせして接合を行う。以上の工程により、流路ユニット21と圧電アクチュエータ22とによって構成される、COF50との接合前のインクジェットヘッド3が完成する。
S112の個別電極45の形成方法についてより詳細に説明すると、まず、図9(a)に示すように、圧電層43の上面に、複数の個別電極45に対応する複数の開口部71aを有するマスク71を配置する。このとき、S103で基準位置を個別電極45の形成位置に決定した場合には、開口部71aが基準位置に重なるようにマスク71を配置する。一方、S109、S111でずらし量を決定した場合には、開口部71aが基準位置から走査方向及び搬送方向に決定したずらし量だけずれた位置に位置するようにマスク71を配置する。なお、図9(a)では、クラック48や染み出し部61を図示しているが、S103で基準位置を個別電極45の形成位置に決定した場合には、クラック48や染み出し部61は存在しない。
次に、図9(b)に示すように、マスク71が配置された圧電層43の上面にスクリーン印刷等により導電性材料を形成する。これにより、圧電層43の上面の開口部71aから露出した部分に形成された導電性材料が、個別電極45となる。そして、個別電極45を形成した後、マスク71を除去する。
なお、図4に示すフローチャートは、1つのインクジェットヘッド3を見たときの製造工程を説明したものであるが、実際には、複数のインクジェットヘッド3をまとめて作製してもよい。この場合、S101及びS102の工程を経て作製された複数の積層体のそれぞれについて、染み出し部の位置の検出を行って、基準位置に個別電極を形成する第1のグループと、基準位置からずれた位置に個別電極を形成するもの若しくは廃棄又はリサイクルにまわす第2のグループと、の2つのグループに振り分けてもよい。そして、第1のグループと第2のグループとは、それぞれ別の製造ラインで、S112、S113を行っても良い。このとき、第2のグループの積層体については、それぞれの積層体について一つずつ、上述のS103からS113を繰り返し行い、それぞれの積層体の染み出し部に応じて個別電極の形成、若しくは、廃棄を行なってもよい。
ここで、本実施の形態とは異なり、図10(a)に示すように、クラック48や染み出し部61が個別電極45と重なっていると、圧電層42、43のクラック48内に接着剤39が存在していることにより、圧電アクチュエータ22を駆動して圧電層42、43を変形させたときに、圧電層43を挟んで配置された個別電極45と共通電極44との絶縁性が低下してしまう虞がある。
また、図10(a)のように、個別電極45が、圧電層43の上面の染み出し部61と重なる部分に形成された場合には、個別電極45と圧電層43との間に染み出し部61が介在する部分ができる。この場合には、圧電アクチュエータ22の駆動時に、個別電極45を駆動電位にして個別電極45と共通電極44との間に電位差を生じさせると、染み出し部61及び圧電層42、43において電圧降下が生じる。このとき、接着剤からなる染み出し部61は、圧電層42、43と比較して誘電率が低いため、染み出し部61において、圧電層42、43よりも大きな電圧降下が生じる。その結果、圧電層42、43に、変形させるのに必要な電界が発生せず、ノズル15からのインクの吐出不良が生じてしまう虞がある。
また、染み出し部61は、圧電層43の上面に盛り上がっているため、圧電層43の上面の染み出し部61と重なる部分に個別電極45を形成すると、形成した個別電極45が圧電層43の上面に定着せずに剥がれたり、形成される個別電極45の形状が歪んだりする虞もある。
一方、図10(b)に示すように、染み出し部61が、接続端子45aの近傍に位置していると、圧電層43の上面に盛り上がった染み出し部61の高さがバンプ49の高さよりも高い場合などに、COF50をバンプ49に接続する際に、COF50が染み出し部61に干渉し、COF50とバンプ49との接続不良が生じてしまう虞がある。なお、本実施の形態では、間隔Dcが、間隔Daや間隔Dbよりも短くなっているが、間隔Dcが、間隔Da、Dbよりも長い場合であっても、同様の問題が生じる虞がある。
そこで、本実施の形態では、上述したように、個別電極45が形成されていない圧電層42、43の積層体に熱硬化性の接着剤でインク分離層41を接合し、その後、圧電層43の上面における染み出し部61の位置を検出する。そして、染み出し部61が検出された場合には、検出された位置に基づいて、全ての染み出し部61を避けて複数の個別電極45を形成する。これにより、上述したような問題が発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、複数の個別電極45が搬送方向に配列されて電極列46を形成しているため、個別電極45が高密度に配置されている場合ほど、搬送方向に隣接する個別電極45の間の間隔Dbが短くなる。そこで、本実施の形態では、染み出し部61が1つである場合の個別電極45の形成位置をずらし方向を走査方向にする。これにより、染み出し部61を、個別電極45の、走査方向における接続端子45aと反対側に位置させて、染み出し部61と個別電極45とを大きく離すことができる。
また、個別電極45を基準位置からずらして形成した場合、個別電極45と共通電極44との位置関係が変わってしまう。しかしながら、本実施の形態では、共通電極44が圧電層42と圧電層43との間のほぼ全域に形成されている。すなわち、共通電極44が、個別電極45が形成され得る領域全体と重なっている。したがって、個別電極45を基準位置からずらして形成した場合でも、個別電極45と共通電極44とが対向する面積は変化しない。
また、S109やS111で決定される個別電極45の形成位置のずらし量は、染み出し部61の径が上限値Kであり、且つ、個別電極45を基準位置に形成すると、染み出し部61が個別電極45の中央部と重なってしまう場合に最大となる。このとき、個別電極45の形成位置をずらす方向が搬送方向である場合には、最低限必要なずらし量の最大値は[(Lc/2)+(K/2)]となる。一方、個別電極45の形成位置をずらす方向が走査方向である場合には、ずらし量の最大値は[(Lf/2)+(K/2)]となる。
これに対して、本実施の形態では、上述したように、圧電層42、43の搬送方向の長さLaが、La>Lb+Lc+Kの関係となっているため、個別電極45の形成位置を、搬送方向のどちら側にずらす場合にも、圧電層42、43の搬送方向の長さが足りないということがない。また、本実施の形態では、上述したように、圧電層42、43の走査方向の長さLdが、Ld>Le+Lf+Kの関係となっているため、個別電極45の形成位置を、走査方向のどちら側にずらす場合にも、圧電層42、43の走査方向の長さが足りないということがない。
また、染み出し部61の直径AがDbよりも大きい場合には、染み出し部61を搬送方向に隣接する個別電極45の間に位置させても、染み出し部61と個別電極45とが重なってしまう。また、上述したように、染み出し部61が複数ある場合に、これらの染み出し部61の位置関係によっては、個別電極45を基準位置からどれだけずらしても、全ての染み出し部61を避けて個別電極45を形成することができないことがある。
本実施の形態では、染み出し部61の直径Aが上限値Kよりも大きい場合や、複数の染み出し部61の位置関係により、全ての染み出し部61を避けて個別電極45を形成することができない場合には、圧電層42、43とインク分離層41との積層体を廃棄する、あるいは、リサイクルの工程に回す。これにより、本実施の形態では、全ての染み出し部61を避けて個別電極45を形成することが可能な場合にのみ、個別電極45の形成することができる。
また、本実施の形態では、個別電極45を形成した後に、個別電極45と圧力室10とを位置合わせして、インク分離層41の下面に流路ユニット21を接合するため、個別電極45をずらしたことによって、個別電極45と圧力室10との位置関係がずれてしまうことがない。
なお、本実施の形態では、インクジェットヘッド3が本発明に係る液体吐出装置に相当する。また、流路ユニット21が、本発明に係る圧力室形成部材に相当する。また、インク分離層41が本発明に係る中間層、第2層及び第2部材に相当する。また、圧電層42、43が本発明に係る第1層に相当する。また、共通電極44が本発明に係る第2電極に相当し、個別電極45が本発明に係る第1電極に相当する。また、圧電層42、43と共通電極44との積層体が本発明に係る第1部材に相当する。また、走査方向が、本発明に係る第1方向及び第3方向に相当する。そして、走査方向の右側が本発明に係る第1方向の一方側に相当し、走査方向の左側が本発明に係る第1方向の他方側に相当する。また、搬送方向が、本発明に係る第2方向及び第4方向に相当する。また、S102の工程が本発明に係る第1接合工程に相当する。また、S103の工程が本発明に係る染み出し位置検出工程に相当する。また、S106、S108、S110の工程が、本発明に係る判定工程に相当する。また、S109、S111の工程が、本発明に係る電極位置決定工程に相当する。また、S112の工程が本発明に係る電極形成工程に相当する。また、S113の工程が本発明に係る第2接合工程に相当する。また、図9(a)に示す工程が、本発明に係るマスク配置工程に相当する。また、図9(b)に示す工程が、本発明に係る導電性材料形成工程に相当する。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成については、適宜その説明を省略する。
上述の実施の形態では、染み出し部61が1つの場合に、染み出し部61が、個別電極45の、走査方向における接続端子45aと反対側に位置するように、個別電極45を形成したが、これには限られない。一変形例(変形例1)では、図11(a)に示すように、各電極列46において搬送方向の個別電極45の間隔Ddが、左から2番目と3番目の電極列46の間隔Daよりも大きくなっている。そして、図11(a)に示すように、仮に個別電極45を基準位置に形成すると、染み出し部61が個別電極45と重なったり、接続端子45aの近傍に位置したりしてしまう場合に、図11(b)に示すように、個別電極45の形成位置を基準位置から搬送方向にずらし、染み出し部61が搬送方向に隣接する個別電極45の間に位置するようにする。
この場合には、搬送方向に隣接する個別電極45の間に十分なスペースがあるため、染み出し部61が搬送方向に隣接する個別電極45の間に位置するように、個別電極45を形成することにより、個別電極45と染み出し部61とを大きく離すことができる。
また、上述の実施の形態では、染み出し部61が2以上ある場合に、個別電極45の形成位置を走査方向及び搬送方向のいずれにもずらしたが、これには限られない。例えば、複数の個別電極45が搬送方向に高密度に配列され、間隔Dbが短い場合には、染み出し部61の数に関わらず、個別電極45の形成位置を走査方向にのみずらしてもよい。また、この場合には、圧電層42、43の搬送方向の長さLaが、Lb<La≦Lb+Lc+Kの関係を満たすような長さであってもよい。また、間隔Da、Dcが短い場合などには、染み出し部61の数に関わらず、個別電極45の形成位置を搬送方向にのみずらしてもよい。また、この場合には、圧電層42、43の走査方向の長さLdが、Le<Ld≦Le+Lf+Kの関係を満たすような長さであってもよい。
また、個別電極45をずらす方向に関わらず、圧電層42、43の搬送方向の長さLaが、Lb<La≦Lb+Lc+Kの関係を満たすような長さであってもよい。また、圧電層42、43の走査方向の長さLdが、Le<Ld≦Le+Lf+Kの関係を満たすような長さであってもよい。これらの場合には、個別電極45の形成位置の、基準位置からのずらし量に制限が生じる。しかしながら、個別電極45を基準位置に形成すると、染み出し部61が個別電極45の縁の近傍の部分に重なってしまうような場合等、ずらし量をそれほど大きくする必要がない場合には、染み出し部61を避けて個別電極45を形成することができる。
また、上述の実施の形態では、染み出し部61が、個別電極45の、走査方向における接続端子45aと反対側に位置しないように、個別電極45の形成位置を決定したが、これには限られない。例えば、バンプ49の高さが十分に高く、染み出し部61の高さがバンプ49の高さを超えることがないような場合には、染み出し部61が、左から1番目と2番目の電極列46の間、及び、左から3番目と4番目の電極列46の間のいずれかに位置するように個別電極45の形成位置を決定してもよい。すなわち、染み出し部61が、個別電極45の、走査方向における接続端子45a側に位置するように、個別電極45の形成位置を決定してもよい。
また、圧電層43の上面に個別電極45を形成する方法は、これには限られない。別の一変形例(変形例2)では、図12(a)に示すように、圧電層43の上面に、個別電極45を形成する部分を除く部分に開口部81aが形成されたマスク81を配置する。次に、図12(b)に示すように、マスク81が配置された圧電層43の上面に、レジストの材料を形成する。これにより、圧電層43の上面に、個別電極45を形成する位置に開口部82aを有するレジスト82が形成される。次に、図12(c)に示すように、マスク81を除去し、レジスト82が形成された圧電層43の上面に、スパッタ法などの成膜法により、導電性材料を形成する。これにより、圧電層43の上面に個別電極45が形成される。そして、個別電極45の形成後、レジスト82を除去する。
なお、変形例2では、開口部82aを有するレジスト82が、本発明の、第1電極に対応する開口部を有するマスクに相当する。また、図12(a)、(b)に示す工程が、本発明に係るマスク配置工程に相当する。また、図12(c)に示す工程が、本発明に係る導電性材料形成工程に相当する。
さらには、圧電層43の上面に個別電極45に対応する開口部が形成されたマスクを配置し、マスクが配置された圧電層43の上面に導電性材料を形成することによって個別電極45を形成することにも限られない。例えば、インクジェットヘッドにより圧電層43の上面に導電性材料を滴下することによって、個別電極45を形成してもよい。
また、本実施の形態では、個別電極45を形成した後に、個別電極45と圧力室10とを位置合わせして、インク分離層41に流路ユニット21を接合したがこれには限られない。例えば、圧電層42、43の走査方向及び搬送方向の長さが短く、個別電極45を基準位置に対するずらし量に制限がある場合には、予めインク分離層41と流路ユニット21とを接合しておき、S102において、圧電層42、43と共通電極44との積層体と、インク分離層41と流路ユニット21との積層体とを接合してもよい。なお、この場合には、インク分離層41と流路ユニット21との積層体が、本発明に係る第2部材に相当する。
また、上述の実施の形態では、複数の個別電極が搬送方向に配列されているのに対して、個別電極45の走査方向における一方の端部に接続端子45aが設けられていることにより、本発明の第1方向と第2方向とが直交していたが、これには限られない。個別電極45の搬送方向における一方側の端部など、個別電極45の走査方向と異なる第1方向の端部に接続端子45aが設けられていてもよい。この場合には、染み出し部61が、個別電極45の、第1方向における接続端子45aと反対側に位置するように、個別電極45の形成位置を決定すれば、染み出し部61と接続端子45aから離すことができる。
また、上述の実施の形態では、圧電アクチュエータ22が、圧電層43の上面に配置された個別電極43と、圧電層42と圧電層43との間に配置された共通電極44とを備えたものであったが、これには限られない。インク分離層41が合成樹脂材料等、非導電性の材料からなる場合には、圧電層42はなくてもよい。また、圧電アクチュエータは、圧電層43の上面にのみ駆動用の電極が形成されたものであってもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドの製造に本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。ノズルからインク以外の液体を吐出する液体吐出装置の製造に本発明を適用することも可能である。また、液体吐出装置以外の装置の圧電アクチュエータの製造に本発明を適用することも可能である。
3 インクジェットヘッド
10 圧力室
15 ノズル
39 接着剤
41 インク分離層
42、43 圧電層
44 共通電極
45 個別電極
61 染み出し部

Claims (10)

  1. ノズルと、
    前記ノズルに連通する圧力室と、
    前記圧力室と重なるように配置された圧電層と、
    前記圧力室と前記圧電層との間に配置された中間層と、
    前記圧電層の前記中間層と反対側の面の、前記圧力室と重なる部分に配置された第1電極と、
    を備えた液体吐出装置の製造方法であって、
    前記圧電層を含む第1部材と、前記中間層を含む第2部材とを接着剤で接合する第1接合工程と、
    前記第1接合工程の後、前記圧電層の前記中間層と反対側の面における、接着剤が染み出した染み出し部の位置を検出する染み出し位置検出工程と、
    前記染み出し位置検出工程の後、前記圧電層の前記中間層と反対側の面に前記第1電極を形成する電極形成工程と、を備え、
    前記電極形成工程において、前記染み出し位置検出工程で検出された前記染み出し部の位置を避けて前記第1電極を形成することを特徴とする液体吐出装置の製造方法。
  2. 前記液体吐出装置は、
    前記第1電極との間で前記圧電層を挟む第2電極をさらに備え、
    前記第2電極が、前記電極形成工程において第1電極が形成され得る領域全体と重なるものあって、
    前記第1接合工程において、前記圧電層及び前記第2電極を含む前記第1部材と、前記第2部材とを接合することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置の製造方法。
  3. 前記第2部材には、前記圧力室が形成されておらず、
    前記電極形成工程の後、前記第2部材の前記圧電層と反対側の面に、前記第1電極の位置に合わせて、前記圧力室が形成された圧力室形成部材を接合する第2接合工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置の製造方法。
  4. 前記液体吐出装置は、
    前記第1電極が、前記圧電層の面方向と平行な所定の第1方向の一方側の端部に、前記圧電層の前記中間層と反対側に配置された配線部材との接続を行うための接続端子を有するものであって、
    前記電極形成工程において、前記圧電層の前記中間層と反対側の面の、前記染み出し部から前記第1方向の前記一方側にずれた部分、又は、前記染み出し部から前記第1方向と直交する方向にずれた部分に、前記第1電極を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出装置の製造方法。
  5. 前記液体吐出装置は、
    複数の前記圧力室、及び、複数の前記第1電極が、所定の第2方向に配列されたものであって、
    前記電極形成工程において、前記圧電層の前記中間層と反対側の面の、前記染み出し部から前記第2方向と直交する方向にずれた部分に、前記複数の第1電極を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出装置の製造方法。
  6. 前記染み出し位置検出工程で検出された前記染み出し部の位置に基づいて、全ての染み出し部を避けて前記第1電極を形成することが可能であるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程で、全ての染み出し部を避けて前記第1電極を形成することが可能であると判定された場合に、前記染み出し位置検出工程で検出された前記染み出し部の位置に基づいて、前記圧電層の前記中間層と反対側の面における前記第1電極の形成位置を決定する電極位置決定工程と、をさらに備え、
    前記電極形成工程において、前記電極位置決定工程で決定された位置に前記第1電極を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出装置の製造方法。
  7. 前記判定工程において、前記染み出し部の直径が所定の上限値を超えている場合には、全ての染み出し部を避けて前記複数の個別電極を形成することができないと判定し、
    前記電極形成工程において、前記圧電層の前記中間層と反対側の面の、前記染み出し位置検出工程で検出された前記染み出し部の位置から所定の第3方向にずれた部分に前記第1電極を形成し、
    前記液体吐出装置は、
    複数の前記圧力室、及び、複数の前記第1電極が、前記第3方向に沿って並び、
    前記第3方向における前記圧電層の長さが、
    複数の前記第1電極のうち、前記第3方向の最も一方側に配置された前記第1電極の前記一方側の端と、前記第3方向の最も他方側に配置された前記第1電極の前記他方側の端との距離と、
    前記第3方向における前記第1電極の長さと、
    前記上限値と、を合計した長さよりも長いものであることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置の製造方法。
  8. 前記電極形成工程において、前記圧電層の前記中間層と反対側の面の、前記染み出し位置検出工程で検出された前記染み出し部の位置から前記第3方向及び前記第3方向と直交する第4方向のいずれかの方向にずれた部分に前記第1電極を形成し、
    前記液体吐出装置は、
    複数の前記圧力室、及び、複数の前記第1電極が、前記第3方向及び前記第4方向に沿って並び、
    前記第4方向における前記圧電層の長さが、
    複数の前記第1電極のうち、前記第4方向の最も一方側に配置された前記第1電極の前記一方側の端と、前記第4方向の最も他方側に配置された前記第1電極の前記他方側の端との距離と、
    前記第4方向における前記第1電極の長さと、
    前記上限値と、を合計した長さよりも長いものであることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置の製造方法。
  9. 前記電極形成工程が、
    前記第1電極に対応する開口部を有するマスクを、前記圧電層の前記中間層と反対側の面に配置するマスク配置工程と、
    前記マスクが配置された前記圧電層の前記中間層と反対側の面に導電性材料を形成する導電性材料形成工程と、を備え、
    前記マスク配置工程において、前記開口部が、前記染み出し位置検出工程で検出された前記染み出し位置と重ならないように、前記マスクを配置することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液体吐出装置の製造方法。
  10. 圧電材料からなる第1層と、
    前記第1層と積層された第2層と、
    前記第1層の前記第2層と反対側の面に配置された電極と、を備えた圧電アクチュエータの製造方法であって、
    前記第1層を含む第1部材と、前記第2層を含む第2部材とを接着剤で接合する接合工程と、
    前記接合工程の後、前記第1層の前記第2層と反対側の面における前記接着剤が染み出した染み出し部の位置を検出する染み出し位置検出工程と、
    前記染み出し位置検出工程の後、前記第1層の前記第2層と反対側の面に前記第1電極を形成する電極形成工程と、を備え、
    前記電極形成工程において、前記染み出し位置検出工程で検出された前記染み出し部の位置を避けて前記電極を形成することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
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