JP2014195828A - プレス加工方法及びトリミング加工装置 - Google Patents

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隆史 藤井
Takashi Fujii
隆史 藤井
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Abstract

【課題】簡素な機構で、プレス成形品から切断分離されたスクラップを確実に排出する。【解決手段】プレス成形金型でプレス成形品1を成形する成形工程と、プレス成形品1のスクラップ4aとなる領域(スクラップ部4)に、下方に突出した凸部5a,5bを形成する凸部形成工程と、トリミング金型でプレス成形品1からスクラップ4aを切断分離するトリミング工程と、スクラップ4aを、トリミング金型の下方に配置されたスクラップシュート30上に落下させ、凸部5a,5bとスクラップシュート30の滑走面31とを接触させた状態で、自重により滑走面31上を滑らせて排出する排出工程とを経て行う。【選択図】図5

Description

本発明は、プレス成形品を成形する成形工程と、前記プレス成形品から前記スクラップを切断分離するトリミング工程とを経て行うプレス加工方法、及びこれに用いられるトリミング加工装置に関する。
プレス成形品からスクラップ(製品部以外の不要部分、以下同様)を切断分離するトリミング工程では、プレス成形品から分離されたスクラップがトリミング金型の下方に配されたスクラップシュートに落下し、自重によりスクラップシュート上を滑りながら外部に排出される。
このように、スクラップシュートを用いてスクラップを外部に排出する場合、トリミング金型の下方に設けられる空間の高さ寸法が小さいと、スクラップシュートの傾斜角度が緩くなるため、スクラップを確実に排出することができないことがある。例えば、下記特許文献1には、スクラップシュートを旋回させて傾斜角度を大きくするシリンダを設ける構成が示されている。また、下記特許文献2には、スクラップシュートの滑走面に多数の空気噴出し孔を設け、この空気噴出し孔から空気を噴出すことで、スクラップとスクラップシュートとの間に空気層を形成する構成が示されている。
特開平9−122793号公報 特開2000−61566号公報
しかし、上記のように、スクラップシュートを旋回させる機構や、スクラップシュートの滑走面から空気を噴出す機構を設けると、スクラップシュート自体が高価になると共に、設備の煩雑化や大型化を招くという問題がある。
本発明が解決すべき技術的課題は、簡素な機構で、プレス成形品から切断分離されたスクラップを確実に排出することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、プレス成形金型でプレス成形品を成形する成形工程と、前記プレス成形品のスクラップとなる領域に、下方に突出した凸部を形成する凸部形成工程と、トリミング金型で前記プレス成形品から前記スクラップを切断分離するトリミング工程と、前記スクラップを、前記トリミング金型の下方に配置されたスクラップシュート上に落下させ、前記凸部と前記スクラップシュートの滑走面とを接触させた状態で、自重により前記滑走面上を滑らせて排出する排出工程とを有するプレス加工方法を提供する。
このように、プレス成形品のスクラップとなる領域(以下、「スクラップ部」とも言う。)に下方に突出した凸部を形成することにより、プレス成形品から切断分離したスクラップをスクラップシュート上に落下させたときに、スクラップに形成した凸部とスクラップシュートの滑走面を接触させることができる。これにより、例えばスクラップの下面全面をスクラップシュートに接触させる場合と比べて、スクラップと滑走面との接触面積を低減できる。従って、スクラップと滑走面との間の摩擦抵抗が軽減されるため、複雑な排出機構を設けることなく、スクラップを確実に排出することができる。
例えば、上記の凸部形成工程は、トリミング工程を行うトリミング金型を用いて行うことができる。この場合、凸部形成工程及びトリミング工程は、プレス成形品からスクラップを切断分離するトリミング加工装置であって、上型に設けられた上刃と、下型に設けられた下刃と、下型の下方に配設されたスクラップシュートとを備え、前記上型の下面に突起を設け、この突起で、プレス成形品のスクラップとなる領域に、下方に突出した凸部を形成するトリミング加工装置を用いて行うことができる。
また、上記の凸部形成工程は、成形工程を行うプレス成形金型を用いて行うこともできる。
上記のような凸部は、その頂部がなるべく下方に位置するように形成することが好ましい。スクラップをスクラップシュート上に置いたときに、凸部をスクラップシュートの滑走面に確実に接触させるためである。例えば、スクラップ部に、プレス成形時の流入制御用のビード痕が上方に突出して形成される場合、上記の凸部はこのビード痕を除く領域に形成することが好ましい。一方、スクラップ部に、下方に突出したビード痕が形成される場合、上記の凸部はこのビード痕の底面に形成することが好ましい。
スクラップ部のうち、同一直線上に無い少なくとも3箇所に上記の凸部を設け、この3箇所の凸部のみをスクラップシュートの滑走面に接触させれば、スクラップと滑走面との接触面積がさらに低減されるため、摩擦抵抗をさらに軽減することができる。
例えば図9に示すように、スクラップ4’の周縁4a’を含む位置に凸部5’形成すると、スクラップ4’の周縁4a’が下方に凸をなして湾曲する。このようなスクラップ4’を滑走面上で滑らそうとすると、周縁4a’の湾曲部(凸部5’)が引っかかってしまう恐れがある。従って、上記のような凸部は、スクラップ部の周縁から離反した領域に設けることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、簡素な機構で、プレス成形品から切断分離されたスクラップを確実に排出することができる。
プレス成形品の斜視図である。 上記プレス成形品の平面図である。 図2のX−X線に対応したトリミング金型の断面図である。 (a)は上記トリミング金型の上型の下面図であり、(b)は同下型の下スクラップ刃の上面図である。 (a)〜(c)は、図3の拡大断面図であり、上記トリミング金型によるトリミング工程の手順を示す。 (a)はスクラップの平面図、(b)は(a)図をB方向から見た側面図、(c)は(a)図をC方向から見た側面図、(d)は(a)図をD方向から見た側面図である。 排出工程を示す断面図である。 他の実施形態にかかるプレス成形金型の断面図である。 スクラップの周縁を含む領域に凸部を形成した場合を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態のプレス加工方法は、成形工程とトリミング工程とを経て行われる。成形工程は、プレス成形金型でブランク材に対してプレス加工(例えば絞り加工)を施して、ブランク材を所定形状に成形する工程である。成形工程で成形されたプレス成形品1には、周縁に沿って延びるビード痕2が形成される。図示例では、プレス成形品1から上方に突出したビード痕2が形成されている。プレス成形品1は、図2に示すように、製品部3と、スクラップとなる領域(スクラップ部4)とからなる。図示例では、製品部3の周囲にスクラップ部4が環状に設けられる。
トリミング工程は、プレス成形品1からスクラップを切断分離する工程である。トリミング工程では、プレス成形品1が図2の点線で示す箇所で切断され、製品部3とスクラップ部4とが分離されると共に、スクラップ部4が周方向複数箇所で切断されて複数のスクラップ4aに分割される。トリミング工程は、切断を行うトリミング金型と、その下方に配されたスクラップシュートとを有するトリミング加工装置で行われる。トリミング金型でプレス成形品1から分離された各スクラップ4aは、スクラップシュート(図示省略)上に落下し、スクラップシュートの滑走面上を滑り落ちてトリミング加工装置の外部に排出される(図2の矢印参照)。
トリミング金型は、図3に示すように、上型10と下型20とを備える。上型10は、図示しない駆動手段で昇降可能とされる。上型10には、上刃が設けられ、具体的には、上トリミング刃(図示省略)と上スクラップ刃11とが設けられる。上スクラップ刃11に隣接した領域には、上スクラップ刃11よりも上方に設けられた逃げ面12が設けられる。上スクラップ刃11は、上トリミング刃よりも下方に設けられる。上スクラップ刃11には、プレス成形品1のビード痕2が嵌り込む溝部13が形成される。下型20には、下刃が設けられ、具体的には、下トリミング刃(図示省略)と下スクラップ刃21とが設けられる。上トリミング刃と下トリミング刃とで、プレス成形品1の製品部3とスクラップ部4との境界が切断され、上スクラップ刃11と下スクラップ刃21とでスクラップ部4が周方向に離隔した複数箇所で切断されて複数のスクラップ4aに分割される。
上型10には、下面から下方に突出した突起が設けられる。図示例では、上スクラップ刃11と下スクラップ刃21とで切断される切断面Pの両側に突起が設けられる。具体的には、上スクラップ刃11に第1突起14aが設けられ、逃げ面12に第2突起14bが設けられる。本実施形態では、図4(a)に示すように、第1突起14a及び第2突起14bがそれぞれ複数箇所(2箇所ずつ)に設けられる。各突起14a,14bは、各スクラップ4aの周縁から離反した領域に当接する位置に設けられ、例えば、各スクラップ4aのコーナー付近に当接する位置に配される。下スクラップ刃21の上面には、上型10の第2突起14bが嵌合する凹部22が設けられる(図3及び図4(b)参照)。
以下、上記のトリミング金型を用いて、プレス成形品1にトリミング工程を施す手順を説明する。
まず、図5(a)に示すように、下型20の上にプレス成形品1を載置する。この状態で上型10を降下させると、図5(b)に示すように、プレス成形品1のビード痕2が上型10の溝部13に嵌り込みながら、スクラップ部4の一方の端部が上型10の第1突起14aで上方から押圧される。これにより、スクラップ部4が塑性変形して、下方に突出した凸部5aが形成される。この凸部5aは、スクラップ部4を下方から支持しない状態で形成されるため、第1突起14aよりも大径でなだらか凸形状とされる。
その後、さらに上型10を降下させ続けると、図5(c)に示すように、上トリミング刃と下トリミング刃とでプレス成形品の製品部3とスクラップ部4との境界が切断されてこれらが分離されると共に、上スクラップ刃11と下スクラップ刃21とでスクラップ部4が複数のスクラップ4aに分割される。これと同時に、上型10の第2突起14bが、スクラップ部4の他方の端部を上方から押圧しながら下スクラップ刃21の凹部22に嵌合する。これにより、スクラップ部4が塑性変形して、下方に突出した凸部5bが形成される。この凸部5bは、上型10の逃げ面12と下スクラップ刃21の上面とでスクラップ4aを挟持しながら形成されるため、第2突起14bの形状に倣った形状とされる。このとき、スクラップ4aの他方の端部が上型10の逃げ面12と下スクラップ刃21の上面とで挟持されることにより、ビード痕2の他方の端部が潰される(図6(d)参照)。
以上により、プレス成形品1からスクラップ4aが切断・分離されると共に、各スクラップ4aに下方に突出した凸部5a,5bが形成される。図示例の凸部5a,5bの頂部(最も下方の部分)は、下方に向けて凸を成した曲面状(略球面状)とされる。各凸部5a,5bは、各スクラップ4aの周縁から離反した領域に配される。例えば、図6(a)に示すように、スクラップ4aのコーナー付近に凸部5a,5bが形成される。こうしてプレス成形品1から分離されたスクラップ4aは、図7に示すようにスクラップシュート30の滑走面31上に落下し、傾斜した滑走面31上を滑りながらトリミング加工装置から外部に排出される。
このとき、スクラップ4aの下面に、下方に突出した凸部5a,5bが形成されているため、凸部5a,5bと滑走面31とが接触する。特に、このような凸部5a,5bを、同一直線上にない3箇所以上(図示例では4箇所)に設けることで、スクラップ4aが凸部5a,5bのみにより支持される。また、凸部5a,5bが、上方に突出したビード痕2を除く領域に形成されているため、スクラップ4aのうち、凸部5a,5bの頂部が最も下方に位置している(図6(b)〜(d)参照)。このため、スクラップ4aを凸部5a,5bのみで滑走面31と接触させることができる。さらに、凸部5a,5bの頂部が凸曲面状を成していることで、凸部5a,5bと滑走面31とを略点接触させることができる。以上により、スクラップ4aと滑走面31との接触面積が小さくなり、摩擦抵抗が抑えられるため、スクラップ4aを滑走面31上を滑らせて、トリミング加工装置の外部に確実に排出することができる。
本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態ではトリミング工程においてスクラップ4aに凸部5a,5bを形成した場合を示したが、成形工程においてスクラップ部4に凸部5a,5bを形成してもよい。図8に示すプレス成形金型は、ダイ40と、ポンチ50と、ブランクホルダ60とを有する。ダイ40の下面には、ブランク材1’の周縁に沿って延びるビード形成用凸部41が形成される。ブランクホルダ60の上面には、ブランク材1’の周縁に沿って延びるビード形成用凹部61が形成される。ビード形成用凸部41の下面のうち、その延在方向に離隔した複数箇所には、突起42が形成される。ビード形成用凹部61の底面のうち、その延在方向に離隔した複数箇所には、凹部62が形成される。
ダイ40を降下させると、ダイ40とブランクホルダ60とでブランク材1’が挟持される。このとき、ビード形成用凸部41とビード形成用凹部61とでブランク材1’を挟持することで、プレス成形品に下方に突出したビード痕2が形成される。これと同時に、突起42と凹部62とでブランク材1’を挟持することで、ビード痕2の底面に下方に突出した凸部5cが形成される。その後、さらにダイ40を降下させることで、ダイ40,ブランクホルダ60,及びブランク材1’が一体に降下し、ブランク材1’がポンチ50に押し付けられて所定形状に成形される。こうして形成されたプレス成形品1を、トリミング加工装置に搬入し、トリミング工程を施す。そして、プレス成形品1から分離されたスクラップ4aがスクラップシュート上に落下し、各スクラップ4aのビード痕2の底面に形成された凸部5cがスクラップシュートの滑走面と接触した状態で、各スクラップ4aが滑走面上を滑ってトリミング加工装置から排出される。
尚、図8に示す実施形態において、ダイ40とブランクホルダ60とで挟持した部分のブランク材1’を成形部側(ポンチ50側)へ流入させる場合(例えば絞り加工)、ブランク材1’が突起42及び凹部62で挟持されることで、ブランク材1’の流入が幾分規制される。この場合、突起42及び凹部62が形成された領域とそうでない領域とで材料の流入具合が変わるため、成形品質が低下する恐れがある。従って、成形工程においてスクラップ部4に凸部を形成する場合は、突起42及び凹部62は、材料流入に影響を及ぼさないように(すなわち流入制御用ビードとして機能しないように)、位置や形状等を設計することが好ましい。例えば、ビード形成用凸部41及びビード形成用凹部61でブランク材1’の流入を完全に規制する場合(例えば張り出し加工)、ビード形成用凸部41の底面(図8参照)やビード形成用凸部41よりも外周側に突起42(あるいは凹部)を設けると共に、この突起42が嵌合する位置に凹部62(あるいは突起)を設ければよい。
1 プレス成形品
2 ビード痕
3 製品部
4 スクラップ部(スクラップとなる領域)
4a スクラップ
5a,5b,5c 凸部
10 上型
11 上スクラップ刃
12 逃げ面
13 溝部
14a 第1突起
14b 第2突起
20 下型
21 下スクラップ刃
22 凹部
30 スクラップシュート
31 滑走面

Claims (3)

  1. プレス成形金型でプレス成形品を成形する成形工程と、前記プレス成形品のスクラップとなる領域に、下方に突出した凸部を形成する凸部形成工程と、トリミング金型で前記プレス成形品から前記スクラップを切断分離するトリミング工程と、前記スクラップを、前記トリミング金型の下方に配置されたスクラップシュート上に落下させ、前記凸部と前記スクラップシュートの滑走面とを接触させた状態で、自重により前記滑走面上を滑らせて排出する排出工程とを有するプレス加工方法。
  2. 前記凸部形成工程を、前記トリミング金型を用いて行う請求項1記載のプレス加工方法。
  3. プレス成形品からスクラップを切断分離するトリミング加工装置であって、
    上型に設けられた上刃と、下型に設けられた下刃と、下型の下方に配設されたスクラップシュートとを備え、
    前記上型の下面に突起を設け、前記突起で、プレス成形品のスクラップとなる領域に、下方に突出した凸部を形成するトリミング加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107914318A (zh) * 2017-11-14 2018-04-17 深圳市强浪机械设备有限公司 旋转剪边机的模具及旋转剪边机
KR101904386B1 (ko) * 2016-04-29 2018-10-05 주식회사 엠에스 오토텍 프로젝션 용접을 이용한 차량 바디 부품 제조방법
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