JP2014194389A - 赤外線センサー - Google Patents

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Akira Sato
彰 佐藤
Takashi Yonekubo
荘 米久保
Hideaki Mizusaki
英明 水嵜
Yukio Suganuma
幸男 菅沼
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Nagano Prefecture
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Abstract

【課題】静止している赤外線源の存在を検出することが可能であり、かつ、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能である赤外線センサーを提供する。
【解決手段】赤外線を検出する検出部12と、検出部12を往復動させる可動部20とを備える赤外線センサー2。また、赤外線センサー2においては、上記の構成要素の他に固定部40、遮蔽部80、検出部用処理部及び可動部用駆動部(集積回路52)、基板部62並びにキャップ部90を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、赤外線センサーに関する。
現在、人体等の赤外線源から発せられる赤外線を非接触状態で検出する赤外線センサーが広く知られている。当該赤外線センサーは、自動ドアや電灯等と組み合わせられて広く使用されている。
赤外線センサーを構成する要素のうち、赤外線を検出する検出部は赤外線センサーの根幹をなす要素である。上記のような用途の赤外線センサーにおいては、コストや消費電力等を鑑みて、熱型(非冷却型)の検出部が主に用いられている。熱型の検出部としては、焦電効果により赤外線を検出する焦電型の検出部を例示することができる。
ところで、上記のような検出部としては、赤外線の量の変化を観測することにより赤外線源の存在を検出するものが多く用いられている。赤外線の量の変化は、主に赤外線源と検出部との距離が変わることにより発生する。逆にいえば、赤外線源が検知範囲内で静止している場合には赤外線の量が変化しないため、上記のような検出部のみでは赤外線源の存在を検出することができない。
そこで、静止している赤外線源の存在を検出するための赤外線センサーとして、光チョッパー機構(メカニカルチョッパー機構ともいう。)を備える赤外線センサーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。光チョッパー機構とは、後述する従来の赤外線センサー900の例に示すように、入射する赤外線を断続的に遮断して、検出部に入射する赤外線の量の変化を作り出す機構である。
以下、従来の赤外線センサー900について説明する。
図10は、従来の赤外線センサー900を説明するために示す図である。図10は、赤外線センサー900の検出部910を含むように切断した断面を側面側から見た図である。
従来の赤外線センサー900は、図10に示すように、赤外線を検出する検出部910と、入射する赤外線を断続的に遮断する光チョッパー機構920と、検出部910が出力する信号を処理する検出部用処理部(検出回路)930と、光チョッパー機構920を駆動する光チョッパー機構用駆動部(駆動回路)940と、検出部910が配置されている基板部950と、キャップ部960とを備える。
光チョッパー機構920は、検出部910とキャップ部960との間に層状に配置されている。光チョッパー機構920は、赤外線を通過する板からなるチョッパー921と、駆動電極(図示せず。)とともに用いてチョッパー921を往復動させるばね922と、キャップ部960に配置された遮蔽部961とともに赤外線を遮蔽する遮蔽部923と、光チョッパー機構920の各要素を載置する光チョッパー機構基板部924とを有する。
光チョッパー機構920においては、駆動電極及びばね922の働きにより、チョッパー921が往復動する。チョッパー921が検出部910の正面側で往復動することにより、チョッパー921上にストライプ状に配置されている遮蔽部923も往復動する。往復動する遮蔽部923は、キャップ部960の内側に設けられた遮蔽部961(こちらは定点に固定されている。)と重なったりずれたりすることで、入射する赤外線を断続的に遮断して、検出部910に入射する赤外線の量の変化を作り出す。
従来の赤外線センサー900によれば、赤外線源が静止している場合であっても、光チョッパー機構920により検出部910に入射する赤外線の量の変化を作り出すことができ、その結果、静止している赤外線源の存在を検出することが可能となる。
特開平5−66152号公報
ところで、従来の赤外線センサーは、「検出部が存在する層」及び「チョッパー機構が存在する層」の2層を積層した構造を有しているといえる(例えば、特許文献1の図1参照。)。この2層は機構の観点からみても、電気配線の観点からみても、全く別の構成を有する全く別の装置からなる。
このため、従来の赤外線センサーにおいては、「検出部が存在する層」の他に「チョッパー機構が存在する層」を備えるため、装置の体積や高さの増加、配線の複雑化等を招き、その結果、装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が困難となるという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、静止している赤外線源の存在を検出することが可能であり、かつ、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能である赤外線センサーを提供することを目的とする。
[1]本発明の赤外線センサーは、赤外線を検出する検出部と、前記検出部を移動させる可動部とを備えることを特徴とする。
本発明の赤外線センサーによれば、検出部を移動させる可動部を備えるため、検出部の移動により検出部に入射する赤外線の量の変化を作り出すことが可能となり、その結果、静止している赤外線源の存在を検出することが可能となる。
また、本発明の赤外線センサーによれば、「チョッパー機構が存在する層」が必要となる光チョッパー機構ではなく、「検出部が存在する層」に配置することができる可動部を備えるため、装置の体積や高さの増加、配線の複雑化等を抑制し、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能となる。
したがって、本発明の赤外線センサーは、静止している赤外線源の存在を検出することが可能であり、かつ、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能である赤外線センサーとなる。
本発明の赤外線センサーには、例えば、熱型(非冷却型)の検出部を用いることができる。熱型の検出部としては、例えば、焦電型の検出部、熱電対型の検出部及びボロメーター型の検出部を用いることができる。上記の3種類の検出部の中では、コスト、入手容易性及び信頼性のバランスの観点から、焦電型の検出部を特に好適に用いることができる。
移動の方向は、検出部に入射する赤外線の量の変化を作り出せればどのような方向でもよく、赤外線を検出可能な角度範囲の中心軸と垂直な方向、赤外線を検出可能な角度範囲の中心軸と平行な方向、赤外線を検出可能な角度範囲の中心軸に対して斜めの方向のいずれの方向とすることもできる。また、移動の形態も、往復動、円運動、多角形運動等、検出部に入射する赤外線の量の変化を作り出せればどのような形態でもよい。
[2]本発明の赤外線センサーにおいては、前記検出部において、赤外線を検出可能な角度範囲の中心軸を検出軸とするとき、前記可動部は、前記検出部を、検出軸に対して垂直な方向に沿って往復動させることが好ましい。
ところで、検出部として機能する素子等は、上記検出軸方向の寸法が小さい形状(つまり、「薄い」や「平たい」と形容できる形状)をしていることが多い。そこで、上記のような構成とすることにより、装置全体としての一層の低背化が可能となる。
また、検出部を同じ直線距離だけ移動させる場合、円運動等と比較して、往復動は検出部の移動に必要な面積が小さくなる。つまり、上記のような構成とすることにより、検出部の移動に必要な面積を低減するという観点から、装置全体としての一層の小型化が可能となる。
[3]本発明の赤外線センサーにおいては、前記検出部は、前記可動部に載置され、前記可動部は、前記可動部そのものが往復動することにより前記検出部を往復動させることが好ましい。
このような構成とすることにより、可動部と検出部とを同じ層に配置して、装置全体としてのより一層の小型化、低背化及び低コスト化が可能となる。
前記可動部を駆動させるための手段としては、例えば、静電アクチュエーターのように静電力を用いた手段や、圧電アクチュエーターのように圧電効果を用いた手段を用いることができる。
[4]本発明の赤外線センサーは、赤外線を検出する検出部と、前記検出部において、赤外線を検出可能な角度範囲の中心軸を検出軸とするとき、前記検出部を前記検出軸に対して垂直な方向に沿って往復動させる可動部と、前記検出部が出力する信号を処理する検出部用処理部と、前記検出部で検出すべき波長の赤外線を通過させ、かつ、可視光及び前記検出部で検出すべき波長以外の赤外線の少なくとも一部を通過させないキャップ部とを備え、前記検出部は、前記可動部に載置され、前記可動部は、前記可動部そのものが往復動することにより前記検出部を往復動させることを特徴とする。
本発明の赤外線センサーによれば、検出部を移動させる可動部を備えるため、検出部の移動により検出部に入射する赤外線の量の変化を作り出すことが可能となり、その結果、静止している赤外線源の存在を検出することが可能となる。
また、本発明の赤外線センサーによれば、「チョッパー機構が存在する層」が必要となる光チョッパー機構ではなく、「検出部が存在する層」に配置することができる可動部を備えるため、装置の体積や高さの増加、配線の複雑化等を抑制し、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化、低コスト化が可能となる。
したがって、本発明の赤外線センサーは、静止している赤外線源の存在を検出することが可能であり、かつ、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能である赤外線センサーとなる。
本発明の赤外線センサーには、例えば、熱型(非冷却型)の検出部を用いることができる。熱型の検出部としては、例えば、焦電型の検出部、熱電対型の検出部及びボロメーター型の検出部を用いることができる。上記の3種類の検出部の中では、コスト、入手容易性及び信頼性のバランスの観点から、焦電型の検出部を特に好適に用いることができる。
ところで、検出部として機能する素子等は、上記検出軸方向の寸法が小さい形状(つまり、「薄い」や「平たい」と形容できる形状)をしていることが多い。つまり、本発明の赤外線センサーによれば、装置全体としての一層の小型化及び低背化が可能となる。
また、検出部を同じ直線距離だけ移動させる場合、円運動等と比較して、往復動は検出部の移動に必要な面積が小さくなる。つまり、本発明の赤外線センサーによれば、検出部の移動に必要な面積を低減するという観点から、装置全体としての一層の小型化が可能となる。
また、本発明の赤外線センサーによれば、可動部そのものが往復動することにより検出部を往復動させるため、可動部と検出部とを同じ層に配置して、装置全体としてのより一層の小型化、低背化及び低コスト化が可能となる。
また、本発明の赤外線センサーによれば、検出部が出力する信号を処理する検出部用処理部を備えるため、赤外線源が存在するという情報を外部に出力することが可能となる。
また、本発明の赤外線センサーによれば、キャップ部を備えるため、余計な光が検出部に届いて検出部が誤作動してしまうのを抑制することが可能となる。
[5]本発明の赤外線センサーにおいては、前記赤外線センサーは、前記可動部の近隣に配置され定位置に固定された固定部と、前記可動部を駆動する可動部用駆動部とをさらに備え、前記可動部は、導電性の物質で構成され櫛歯状の構造からなる可動部側櫛歯部を有し、前記固定部は、導電性の物質で構成され櫛歯状の構造からなる固定部側櫛歯部を有し、前記可動部及び前記固定部は、前記可動部側櫛歯部及び前記固定部側櫛歯部を互い違いに、かつ、非接触で組み合わせた状態で配置され、前記可動部用駆動部は、前記可動部側櫛歯部と前記固定部側櫛歯部との間に電位差を与えたときに発生する静電力により、前記可動部を駆動する機能を有することが好ましい。
上記の機構(いわゆるMEMSの分野でいう「櫛歯型静電アクチュエーター」)は非常にコンパクトであり、薄く構成することができ、かつ、実装面積あたりの駆動力を比較的大きくすることができる。このため、上記のような構成とすることにより、静止している赤外線源の存在を検出できない赤外線センサーと比べても遜色がないほどに、装置全体としての低背化が可能となる。
[6]本発明の赤外線センサーにおいては、前記可動部により移動させられる前記検出部が取り得る位置のうち、ある位置を一の位置とし、前記一の位置とは異なるある位置を他の位置とするとき、赤外線を遮蔽することにより、赤外線源から前記検出部に入射する赤外線の量を、前記検出部が前記一の位置にある場合と前記他の位置にある場合とで異なる量とする遮蔽部をさらに備えることが好ましい。
このような構成とすることにより、検出部に入射する赤外線の量の変化を一層大きくし、静止している赤外線源の存在を一層正確に検出することが可能となる。
上記[6]においては、検出部は赤外線を受光する受光面を有し、遮蔽部は定位置に固定されている固定遮蔽部を有し、検出部の正面側から見たとき、受光面及び固定遮蔽部は、検出部が一の位置にある場合と検出部が他の位置にある場合とで重なり方が異なることが好ましい。このような構成とすることにより、検出部が移動させられる幅がさほど大きくなくても、検出部に入射する赤外線の量の変化を大きくすることが可能となる。
また、上記の場合においては、検出部の正面側から見たとき、受光面及び固定遮蔽部は、検出部が一の位置にある場合には互いに重なりあい、検出部が他の位置にある場合には互いに重なりあわないことが好ましい。このような構成とすることにより、検出部が一の位置にある場合には検出部に入射する赤外線をほとんど遮ることができ、その結果、検出部に入射する赤外線の量の変化をより一層大きくし、静止している赤外線源の存在をより一層正確に検出することが可能となる。
受光面と固定遮蔽部との相互作用を大きくするには、受光面の形状と固定遮蔽部の形状とを対応する形状とする(例えば、互いにストライプ状の形状。後述する実施形態2を参照。)ことが好ましい。この場合、例えば、検出部の正面側に赤外線を遮る別の遮蔽部を配置することや、検出部として複数の検出部を配置することで、受光面の形状を形成することができる。
固定遮蔽部は、キャップ部がある場合にはキャップ部に配置されていることが好ましい。このような構成とすることにより、固定遮蔽部を配置するための構成要素を新たに用意せずとも、固定遮蔽部を配置することが可能となり、その結果、装置全体としての小型化に寄与することが可能となる。
遮蔽部を構成する材料としては、目的の波長の赤外線を遮蔽するものであれば種々の材料を用いることができる。当該材料の一例として、チタン、アルミ等の金属を挙げることができる。また、遮蔽部を形成する方法の一例として、蒸着を挙げることができる。
[7]本発明の赤外線センサーにおいては、前記赤外線センサーは、前記検出部に赤外線が入射する側とは反対の側に配置されている基板部をさらに備え、前記検出部用処理部は、前記基板部に載置されていることが好ましい。
ところで、検出部用処理部は主に集積回路により実現されるが、一般的に検出部として機能する素子等よりも集積回路の方が厚い傾向にある。このため、上記のような構成とすることにより、装置全体としての低背化を容易とすることが可能となる。
基板部は構成要素の一部を載置するためにも用いられ、例えば、赤外線センサーが上記した固定部を備える場合には、基板部は当該固定部を載置する。
[8]本発明の赤外線センサーにおいては、前記検出部用処理部は、前記検出部と同様に前記可動部に載置されていることが好ましい。
ところで、検出部から出力される信号はアナログ信号であることが一般的であり、この場合、検出部用処理部ではアナログ信号をデジタル信号に変換する処理(A/D変換処理)を行う。ここで、アナログ信号の性質上、アナログ信号が伝達される距離が長い(検出部用処理部と検出部との間の距離が長い)ほど信号にノイズが混じってしまい、情報の品質が落ちてしまう。そこで、上記のような構成とすることにより、検出用処理部を検出部の直近に配置し、ノイズの少ない高品質な情報を用いて処理することで、検出の精度を一層高くすることが可能となる。
実施形態1に係る赤外線センサー1を説明するために示す図である。 実施形態1に係る赤外線センサー1における可動部20の動作を説明するために示す図である。 実施形態2に係る赤外線センサー2を説明するために示す図である。 実施形態2における受光面13,14と遮蔽部80との位置関係を示す図である。 実施形態3に係る赤外線センサー3を説明するために示す図である。 変形例1に係る赤外線センサー4の断面図である。 変形例2に係る赤外線センサー5の断面図である。 変形例3に係る赤外線センサー6の断面図である。 変形例4に係る赤外線センサー7の正面図である。 従来の赤外線センサー900を説明するために示す図である。
以下、図に示す実施の形態に基づいて、本発明に係る赤外線センサーについて説明する。なお、各実施形態及び各図面においては、本発明に直接関係しない構成要素の説明や図示は基本的に省略する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る赤外線センサー1を説明するために示す図である。図1(a)は検出部10の正面側(赤外線源を検出可能な側)から見た正面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA1−A1断面図である。
図2は、実施形態1に係る赤外線センサー1における可動部20の動作を説明するために示す図である。図2(a)は可動部側櫛歯部22と固定部側櫛歯部42との間に電位差を与えたときの図であり、図2(b)は可動部20が移動した後に可動部側櫛歯部22と固定部側櫛歯部42との間に電位差を与えるのを止めたときの図である。なお、図2における矢印は、可動部20が移動する方向を表している。
実施形態1に係る赤外線センサー1は、人体等の赤外線源から発せられる赤外線を非接触状態で検出する赤外線センサーであり、図1に示すように、検出部10と、可動部20と、弾性部30,32,34,36と、固定部40と、集積回路50と、基板部60と、周辺部70とを備える。
検出部10は、熱型(非冷却型)の赤外線検出素子からなり、さらにいえば、焦電効果により赤外線を検出する素子(焦電素子)からなる。検出部10は、赤外線を受光する受光面11を有する。このような焦電素子の構造については広く知られているため、説明を省略する。なお、検出部としては、例えば、熱電対型の検出部及びボロメーター型の検出部等、他の種類の検出部を用いることもできる。また、検出部は必ずしも素子として一般的に認識されるもの(例えば、チップ状のもの)である必要はなく、要するに赤外線を検出できるものであればよい。
検出部10は赤外線源を検出することによりアナログ信号を出力する。当該アナログ信号は、例えば、後述する弾性部30上に配置された配線を介し、基板部60に設けられた信号端子を通じて赤外線センサー1の外部に送られ、外部の処理機構(図示せず。)にて処理される。
検出部10は、可動部20に載置されている。
図1に示すaxは、検出部10における赤外線を検出可能な角度範囲の中心軸であり、以下この中心軸を検出軸と表記する。
なお、本明細書において単に「配線」というときには、電力又は電気信号を伝達する配線のことをいう。配線としては、例えば、ワイヤー等の導線による配線を用いてもよいし、プリント配線等の導電性薄膜による配線を用いてもよい。
また、後述する導電性の物質からなる構成要素(可動部20や弾性部30等)の上に配線を行う場合の方法として、導電性の物質の表面に絶縁体(例えば、導電性の物質がシリコンを主成分とする物質であれば、酸化物皮膜)を形成した後に配線を行う方法を例示することができる。
可動部20は、検出部10を往復動させる。さらにいえば、可動部20は検出部10を、検出軸axに対して垂直な方向に沿って往復動させる。
可動部20は、可動部20そのものが往復動することにより検出部を往復動させる。可動部20は、例えば、全体が導電性の物質からなる。また、可動部20は、櫛歯状の構造からなる可動部側櫛歯部を有する。
なお、可動部側櫛歯部のみが導電性の物質からなる可動部を用いてもよい。
上記「導電性の物質」の導電性は、可動部が静電アクチュエーターとして機能する程度の導電性でよく、必ずしも電気配線に用いられるほどの導電性は必要ない。可動部20を構成する「導電性の物質」としては、例えば、導電性を高めた半導体物質(単結晶シリコン、多結晶シリコン等)や金属(アルミニウム、チタン、タングステン、銅等)を用いることができる。これは、上記可動部20に限られるものではなく、後述する弾性部30,32,34,36、固定部40及び周辺部70についても同様である。
可動部20は、種々の化学的方法や種々の機械的方法等、構成材料に応じた方法で製造することができる。例えば、可動部20がシリコンを主成分とする物質からなる場合には、製造方法としてドライエッチング法を例示することができる。これは後述する弾性部30,32,34,36、固定部40及び周辺部70においても同様である。
なお、可動部20、弾性部30,32,34,36、固定部40及び周辺部70が、全てシリコンを主成分とする物質からなる場合には、基板部60上にシリコンウェハーを設置してドライエッチング法で形状を作り出すことで、可動部20、弾性部30,32,34,36、固定部40及び周辺部70を一度に形成・製造することができる。
可動部20は、弾性部30,32,34,36によって外周にある周辺部70と接続されており、基板部60には固定されていない。弾性部30,32,34,36を構成する物質としては弾性のある材料からなるものであれば様々なものを用いることができるが、可動部20と同様の導電性の物質(例えば、シリコンを主成分とする物質)を用いることができる。
弾性部30,32,34,36には各種配線、例えば、検出部10を駆動するための配線や、検出部10からのアナログ信号を送出するための配線を設けることもできる。
固定部40は、可動部20の近隣に配置され、基板部60の定位置に固定されている。
固定部40は、例えば、全体が導電性の物質からなる。また、固定部40は、櫛歯状の構造からなる固定部側櫛歯部42を有する。
なお、固定部側櫛歯部のみが導電性の物質からなる固定部を用いてもよい。
可動部20及び固定部40は、可動部側櫛歯部22及び固定部側櫛歯部42を互い違いに、かつ、非接触で組み合わせた状態で配置されている。
つまり、赤外線センサー1においては、可動部20及び固定部40で櫛歯型静電アクチュエーターを構成している。
集積回路50は可動部用駆動部であり、可動部20を駆動する。さらにいえば、可動部用駆動部は、可動部側櫛歯部22及び固定部側櫛歯部42に電位差を与えたときに発生する静電力により、可動部20を駆動する機能を有する。可動部20の駆動は、電位差の発生(例えば、駆動パルス印加)及び発生間隔(例えば、1Hz〜2Hz程度)の制御により行われる。集積回路50としては、例えば、電圧の昇圧を行うチャージポンプ回路を有するものや、あらかじめ昇圧を行った電圧を扱えるもの等を用いることができる。
赤外線センサー1においては、集積回路50は基板部60の上に載置されている。なお、集積回路は基板部以外の箇所(例えば、周辺部の上)に載置されていてもよい。
赤外線センサー1においては、可動部20及び固定部40は全体が導電性の物質からなるため、可動部20及び固定部40のいずれかの箇所に端子を配置することで、可動部側櫛歯部22及び固定部側櫛歯部42に電位差を与えることができる。
集積回路50は、周辺部70及び固定部40のそれぞれに配線で接続されている(図示せず。)。この場合、いずれの配線も可動部20を駆動するための配線である(詳細は後述。)。
基板部60は、検出部10に赤外線が入射する側とは反対の側に配置されている。基板部60上には、固定部40、集積回路50及び周辺部70が配置されている。基板部60は、例えば、ガラス板からなる。基板部60においては、可動部20が基板部60に接触するのを防止するため、可動部20の直下となる部分に空間62が形成されている。空間62は、例えば、ウェットエッチング法やドライエッチング法により形成することができる。なお、空間62には、検出部10と基板部60との間に熱のやり取りが発生するのを抑制して、検出部10が誤作動するのを抑制するという効果もある。
図示及び詳しい説明は省略するが、基板部60には、貫通電極、電源端子、グランド端子及び信号端子等の電極や端子が設けられている。貫通電極は、例えば、ウェットエッチング法やドライエッチング法等で基板部60の一部を掘り抜いた後、掘り抜いた部分に導電性の物質を導入することにより形成することができる。また、信号端子は、例えば、フォトリソグラフィ法等により形成することができる。
周辺部70は、可動部20や集積回路50の周辺を囲うように配置されており、弾性部30,32,34,36を介して、可動部20を基板部60と接触しないように支えている。周辺部70を構成する材料としては様々なものを用いることができるが、例えば、可動部20と同様導電性の物質(例えば、シリコンを主成分とする物質)を用いることができる。
ここで、図2を用いて、実施形態1における可動部20の動作を説明する。
その前に、固定部40、集積回路50及び周辺部70の接続について説明する。
上記したように、集積回路50は、周辺部70及び固定部40のそれぞれに配線で接続されている(図示せず。)。集積回路50と周辺部70とを接続する配線は、いずれも導電性の物質からなる周辺部70、弾性部30,32,34,36及び可動部20を介して、集積回路50と可動部側櫛歯部22とを接続するためのものである。また、集積回路50と固定部40とを接続する配線は、導電性の物質からなる固定部40を介して、集積回路50と固定部側櫛歯部42とを接続するものである。
上記のような接続により、集積回路50は、可動部側櫛歯部22と固定部側櫛歯部42との間に電位差を与えることができる。
次に、可動部側櫛歯部22と固定部側櫛歯部42との間に電位差を与えたときの可動部20の動作を説明する。
集積回路50(可動部用駆動部)により可動部側櫛歯部22及び固定部側櫛歯部42に電位差が与えられると、可動部側櫛歯部22及び固定部側櫛歯部42との間に静電力が発生し、可動部20と固定部40とが互いに引き寄せ合う。このとき、固定部40は基板部60に固定されているため、結果として可動部20のみが移動する(図2(a)参照。)。
その後、可動部側櫛歯部22と固定部側櫛歯部42とに電位差を与えるのを止めると、弾性部30,32,34,36の弾性力により可動部20が移動し、元の位置に戻る(図2(b)参照。)。
可動部20は上記のような移動を繰り返し、その結果、可動部20は一定範囲を往復動することになる。
以下、実施形態1に係る赤外線センサー1の効果を説明する。
実施形態1に係る赤外線センサー1によれば、検出部10を移動させる可動部20を備えるため、検出部の移動により検出部に入射する赤外線の量の変化を作り出すことが可能となり、その結果、静止している赤外線源の存在を検出することが可能となる。
また、実施形態1に係る赤外線センサー1によれば、「チョッパー機構が存在する層」が必要となる光チョッパー機構ではなく、「検出部が存在する層」に配置することができる可動部20を備えるため、装置の体積や高さの増加、配線の複雑化等を抑制し、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能となる。
従って、実施形態1に係る赤外線センサー1は、静止している赤外線源の存在を検出することが可能であり、かつ、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能である赤外線センサーとなる。
また、実施形態1に係る赤外線センサー1によれば、可動部20が検出部10を、検出軸axに対して垂直な方向に沿って往復動させるため、装置全体としての一層の低背化が可能となる。
また、実施形態1に係る赤外線センサー1によれば、可動部20が検出部10を往復動させるため、検出部の移動に必要な面積を低減するという観点から、装置全体としての一層の小型化が可能となる。
また、実施形態1に係る赤外線センサー1によれば、検出部10が可動部20に載置され、可動部20そのものが往復動することにより検出部10を往復動させるため、可動部と検出部とを同じ層に配置して、装置全体としてのより一層の小型化、低背化及び低コスト化が可能となる。
また、実施形態1に係る赤外線センサー1によれば、固定部40と、可動部用駆動部(集積回路50)とを備え、可動部20は可動部側櫛歯部22を有し、固定部40は固定部側櫛歯部42を有し、可動部20及び固定部40は可動部側櫛歯部22及び固定部側櫛歯部42を互い違いに、かつ、非接触で組み合わせた状態で配置され、可動部用駆動部は可動部側櫛歯部22と固定部側櫛歯部42との間に電位差を与えたときに発生する静電力により、可動部20を駆動する機能を有するため、静止している赤外線源の存在を検出できない赤外線センサーと比べても遜色がないほどに、装置全体としての低背化が可能となる。
[実施形態2]
図3は、実施形態2に係る赤外線センサー2を説明するために示す図である。図3(a)は検出部12の正面側から見た正面図であり、図3(b)は検出部12が一の位置にある場合の断面図であり、図3(c)は検出部12が他の位置にある場合の断面図である。なお、図3においては、内部構造を判りやすくするためにキャップ部90を図示していない。また、図3(b)及び図3(c)は、図3(a)におけるA2−A2断面図である。図3(b)及び図3(c)におけるIRの表示がある矢印は、正面側から検出部12に入射する赤外線を表している。
図4は、実施形態2における受光面13,14と遮蔽部80との位置関係を示す図である。図4(a)は検出部12が一の位置にあるときの位置関係を示す図であり、図4(b)は検出部12が他の位置にあるときの位置関係を示す図である。なお、図4(a)及び図4(b)はいずれも検出部12の正面側から見た図である。また、図4(a)及び図4(b)においては、検出部12の位置を判りやすくするために、検出部12の大きさを大きめに表示している。
実施形態2に係る赤外線センサー2は、図3に示すように、検出部12と、可動部20と、弾性部30,32,34,36と、固定部40と、集積回路52と、基板部64と、周辺部70と、遮蔽部80と、キャップ部90とを備える。このうち、実施形態1に係る赤外線センサー1の構成要素と同様の符号で表される構成要素は、実施形態1に記載のものと同様の構成を有するため、改めての説明は省略する。
検出部12は、基本的には実施形態1における検出部10と同様の構成を有するが、受光面の形状が異なる。すなわち、検出部12は、ストライプ状の形状を有する受光面13,14を有する。受光面13,14の形状は、検出部12の正面側に赤外線を遮る別の遮蔽部82を配置することで形成している。なお、受光面13,14の形状と後述する固定遮蔽部84の形状とは対応する形状となっている(図4も参照。)。
集積回路52は、実施形態1における集積回路50と同様の可動部用駆動部であるとともに、検出部12が出力する信号を処理する検出部用処理部でもある。このため、検出部用処理部と可動部用駆動部とは、単一の集積回路により実現されているといえる。「検出部12が出力する信号を処理する」とは、例えば、信号の増幅処理やA/D変換処理を行い、他の機器で利用することが可能な情報として処理することをいう。
集積回路52は、検出部用処理部でもあるため、検出部12とも配線で接続され(図示せず。)、当該配線を通じて検出部12を駆動するための電圧の供給や、検出部12からの信号の受け取りを行う。集積回路52に関連する配線の様子を簡単に説明すると、例えば、集積回路52は、集積回路52と周辺部70上に形成された端子とを接続する配線と、当該端子から周辺部70及び弾性部30,32,34,36上に配置された配線とを介して検出部12に接続される。集積回路52と検出部12とを接続する配線は、電圧の供給と信号の受け取りとで最低2系統設けられていることが好ましい。
これに伴って、検出部12から出力される信号の行く先も実施形態1の場合とは異なる。つまり、検出部12から出力されるアナログ信号は、上記配線を介して集積回路52に送られる。
集積回路52(可動部用駆動部及び検出部用処理部)は、基板部64に載置されている。
基板部64は、基本的には実施形態1における基板部60と同様の構成を有するが、キャップ部90と接合を行う部分を確保するため、実施形態1における基板部60よりも一回り大きいものを用いている。
遮蔽部80は、可動部20により移動させられる検出部12が取り得る位置のうち、ある位置を一の位置とし、一の位置とは異なるある位置を他の位置とするとき、赤外線を遮蔽することにより、赤外線源、特に静止している赤外線源から検出部12に入射する赤外線の量を、検出部12が一の位置にある場合と他の位置にある場合とで異なる量とする(図3(b)及び図3(c)参照。)。実施形態2においては、一の位置とは可動部20と固定部40とが最も離れる位置であり、他の位置とは可動部20と固定部40とが最も近づく位置である。
遮蔽部80は、定位置に固定されている固定遮蔽部84を有する。固定遮蔽部84はキャップ部90の裏側の表面に配置されている。固定遮蔽部84は、赤外線を通過させない種々の材料からなるものを用いることができる。
受光面13,14及び固定遮蔽部84は、それぞれストライプ状の形状に配置されている。受光面13,14及び各固定遮蔽部84の幅は全て同じである。また、これらの配置間隔は可動部20の移動距離と同じである。なお、受光面及び固定遮蔽部はストライプ状の形状以外の形状(例えば、チェック状の形状等)とすることもできる。
ここで、図4に示すように、検出部12の正面側から見たとき、受光面13,14及び固定遮蔽部84は、検出部12が一の位置にある場合(図4(a)参照。)と検出部12が他の位置にある場合(図4(b)参照。)とで重なり方が異なる。さらにいえば、受光面13,14及び固定遮蔽部84は、検出部12が一の位置にある場合には互いに重なりあい、検出部12が他の位置にある場合には互いに重なりあわない。このため、検出部12が一の位置にあるときには受光面13,14に赤外線はほとんど入射せず、検出部12が他の位置にあるときには受光面13,14に赤外線が入射するようになる。
キャップ部90は、検出部12で検出すべき波長の赤外線を通過させ、かつ、可視光及び検出部12で検出すべき波長以外の赤外線の少なくとも一部を遮蔽する。検出部12で検出すべき波長の赤外線は、検出すべき赤外線源から発せられる赤外線の波長に併せて設定される。検出すべき赤外線源が人間である場合には、検出部12で検出すべき波長は、例えば、8〜12μmとすることができる。キャップ部90は、検出部12で検出すべき波長の赤外線を通過させる種々の物質からなるものを、目的に応じて用いることができる。
キャップ部90の端部は基板部64側に向かって伸びており、キャップ部90と基板部64とは直に接合されている。
以下、実施形態2に係る赤外線センサー2の効果を説明する。
実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、検出部12を移動させる可動部20を備えるため、検出部の移動により検出部に入射する赤外線の量の変化を作り出すことが可能となり、その結果、静止している赤外線源の存在を検出することが可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、「チョッパー機構が存在する層」が必要となる光チョッパー機構ではなく、「検出部が存在する層」に配置することができる可動部20を備えるため、装置の体積や高さの増加、配線の複雑化等を抑制し、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能となる。
従って、実施形態2に係る赤外線センサー2は、静止している赤外線源の存在を検出することが可能であり、かつ、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能である赤外線センサーとなる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、可動部20が検出部12を、検出軸に対して垂直な方向に沿って往復動させるため、装置全体としての一層の低背化が可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、可動部20が検出部12を往復動させるため、検出部の移動に必要な面積を低減するという観点から、装置全体としての一層の小型化が可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、検出部12が可動部20に載置され、可動部20そのものが往復動することにより検出部12を往復動させるため、可動部と検出部とを同じ層に配置して、装置全体としてのより一層の小型化、低背化及び低コスト化が可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、検出部12が出力する信号を処理する検出部用処理部を備えるため、赤外線源が存在するという情報を外部に出力することが可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、キャップ部90を備えるため、余計な光が検出部に届いて検出部が誤作動してしまうのを抑制することが可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、固定部40と、可動部用駆動部(集積回路52)とを備え、可動部20は可動部側櫛歯部22を有し、固定部40は固定部側櫛歯部42を有し、可動部20及び固定部40は可動部側櫛歯部22及び固定部側櫛歯部42を互い違いに、かつ、非接触で組み合わせた状態で配置され、可動部用駆動部は可動部側櫛歯部22と固定部側櫛歯部42との間に電位差を与えたときに発生する静電力により、可動部20を駆動する機能を有するため、静止している赤外線源の存在を検出できない赤外線センサーと比べても遜色がないほどに、装置全体としての低背化が可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、遮蔽部80を備えるため、検出部に入射する赤外線の量の変化を一層大きくし、静止している赤外線源の存在を一層正確に検出することが可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、受光面13,14及び固定遮蔽部84は、検出部12が一の位置にある場合と検出部12が他の位置にある場合とで重なり方が異なるため、検出部が移動させられる幅がさほど大きくなくても、検出部に入射する赤外線の量の変化を大きくすることが可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、受光面13,14及び固定遮蔽部84は、検出部12が一の位置にある場合には互いに重なりあい、検出部12が他の位置にある場合には互いに重なりあわないため、検出部が一の位置にある場合には検出部に入射する赤外線をほとんど遮ることができ、その結果、検出部に入射する赤外線の量の変化をより一層大きくし、静止している赤外線源の存在をより一層正確に検出することが可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、固定遮蔽部84がキャップ部90に配置されているため、固定遮蔽部を配置するための構成要素を新たに用意せずとも、固定遮蔽部を配置することが可能となり、その結果、装置全体としての小型化に寄与することが可能となる。
また、実施形態2に係る赤外線センサー2によれば、検出部用処理部(集積回路52)が基板部64に載置されているため、上記のような構成とすることにより、装置全体としての低背化を容易とすることが可能となる。
[実施形態3]
図5は、実施形態3に係る赤外線センサー3を説明するために示す図である。図5(a)は検出部12の正面側から見た正面図であり、図5(b)は図5(a)におけるA3−A3断面図である。
実施形態3に係る赤外線センサー3は、基本的には実施形態2に係る赤外線センサー2と同様の構成を有するが、集積回路関係の構成が実施形態2に係る赤外線センサー2の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係る赤外線センサー3は、検出部用処理部である集積回路54と可動部用駆動部である集積回路56との2つの集積回路を備える。
検出部用処理部である集積回路54は、検出部12と同様に可動部20に載置されている。集積回路54は、隣接する検出部12と配線により接続されている(図示せず。)。集積回路54の検出部用処理部としての機能は、実施形態2における集積回路52の場合と同様であるため、説明を省略する。
可動部用駆動部である集積回路56は、基板部64に載置されている。集積回路56の可動部用駆動部としての機能は、実施形態1における集積回路50の場合と同様であるため、説明を省略する。
上記のように、実施形態3に係る赤外線センサー3は、集積回路関係の構成が実施形態2に係る赤外線センサー2の場合とは異なるが、「チョッパー機構が存在する層」が必要となる光チョッパー機構ではなく、「検出部が存在する層」に配置することができ、検出部12を移動させる可動部20を備えるため、実施形態2に係る赤外線センサー2と同様に、静止している赤外線源の存在を検出することが可能であり、かつ、従来の赤外線センサーよりも装置全体としての小型化、低背化及び低コスト化が可能である赤外線センサーとなる。
また、実施形態3に係る赤外線センサー3によれば、検出部用処理部(集積回路54)が検出部12と同様に可動部20に載置されているため、検出用処理部を検出部の直近に配置し、ノイズの少ない高品質な情報を用いて処理することで、検出の精度を一層高くすることが可能となる。
なお、実施形態3に係る赤外線センサー3は、集積回路関係の構成以外は実施形態2に係る赤外線センサー2と同様の構成を有するため、実施形態2に係る赤外線センサー2が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
以上、本発明を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の様態において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態において記載し、各図面において図示した各構成要素の寸法、個数、材質及び形状は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
(2)上記実施形態2及び3においては、端部が基板部64側に向かって伸びているキャップ部90を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。図6は、変形例1に係る赤外線センサー4の断面図である。図6は、図3(b)等に相当する断面図であり、後述する図7及び図8も同様である。例えば、図6に示すように、端部がキャップ部に向かって伸びている基板部を用いてもよい。
(3)上記実施形態2及び3においては、キャップ部90と基板部64とが直に接合されているが、本発明はこれに限定されるものではない。図7は、変形例2に係る赤外線センサー5の断面図である。例えば、図7に示すように、キャップ部と基板部とが周辺部等の介在物を介して接合されていてもよい。
(4)上記実施形態2及び3においては、検出部12の正面側に赤外線を遮る別の遮蔽部82を配置することで受光面13,14の形状を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。図8は、変形例3に係る赤外線センサー6の断面図である。図8において符号15,17で示すのは検出部であり、符号16,18で示すのは受光面である。例えば、図8に示すように、検出部として複数の検出部を配置することで、受光面の形状を形成してもよい。
(5)上記各実施形態においては、いわゆる櫛歯型静電アクチュエーターの駆動力で可動部20を移動させたが、本発明はこれに限定されるものではない。図9は、変形例4に係る赤外線センサー7の正面図である。符号100,102,104,106で示すのは、圧電素子からなる圧電アクチュエーターである。各圧電アクチュエーターは、集積回路52と配線により接続され(図示せず。)、電圧の変化により弾性部30,32,34,36を変形させて可動部24を移動させる。例えば、図9に示すように、櫛歯型静電アクチュエーター以外の駆動力で可動部を移動させてもよい。
1,2,3,4,5,6,7…赤外線センサー、10,12,15,17…検出部、ax…検出軸、11,13,14,16,18…受光面、20,24…可動部、22…可動部側櫛歯部、30,32,34,36…弾性部、40…固定部、42…固定部側櫛歯部、50,52,54,56…集積回路、60,64,66,68…基板部、62…空間、70…周辺部、80…遮蔽部、82…別の遮蔽部、84…固定遮蔽部、90,92,94…キャップ部、100,102,104,106…圧電アクチュエーター

Claims (8)

  1. 赤外線を検出する検出部と、
    前記検出部を移動させる可動部とを備えることを特徴とする赤外線センサー。
  2. 請求項1に記載の赤外線センサーにおいて、
    前記検出部において、赤外線を検出可能な角度範囲の中心軸を検出軸とするとき、
    前記可動部は、前記検出部を、検出軸に対して垂直な方向に沿って往復動させることを特徴とする赤外線センサー。
  3. 請求項2に記載の赤外線センサーにおいて、
    前記検出部は、前記可動部に載置され、
    前記可動部は、前記可動部そのものが往復動することにより前記検出部を往復動させることを特徴とする赤外線センサー。
  4. 赤外線を検出する検出部と、
    前記検出部において、赤外線を検出可能な角度範囲の中心軸を検出軸とするとき、前記検出部を前記検出軸に対して垂直な方向に沿って往復動させる可動部と、
    前記検出部が出力する信号を処理する検出部用処理部と、
    前記検出部で検出すべき波長の赤外線を通過させ、かつ、可視光及び前記検出部で検出すべき波長以外の赤外線の少なくとも一部を通過させないキャップ部とを備え、
    前記検出部は、前記可動部に載置され、
    前記可動部は、前記可動部そのものが往復動することにより前記検出部を往復動させることを特徴とする赤外線センサー。
  5. 請求項3又は4に記載の赤外線センサーにおいて、
    前記赤外線センサーは、前記可動部の近隣に配置され定位置に固定された固定部と、前記可動部を駆動する可動部用駆動部とをさらに備え、
    前記可動部は、導電性の物質で構成され櫛歯状の構造からなる可動部側櫛歯部を有し、
    前記固定部は、導電性の物質で構成され櫛歯状の構造からなる固定部側櫛歯部を有し、
    前記可動部及び前記固定部は、前記可動部側櫛歯部及び前記固定部側櫛歯部を互い違いに、かつ、非接触で組み合わせた状態で配置され、
    前記可動部用駆動部は、前記可動部側櫛歯部と前記固定部側櫛歯部との間に電位差を与えたときに発生する静電力により、前記可動部を駆動する機能を有することを特徴とする赤外線センサー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の赤外線センサーにおいて、
    前記可動部により移動させられる前記検出部が取り得る位置のうち、ある位置を一の位置とし、前記一の位置とは異なるある位置を他の位置とするとき、
    赤外線を遮蔽することにより、赤外線源から前記検出部に入射する赤外線の量を、前記検出部が前記一の位置にある場合と前記他の位置にある場合とで異なる量とする遮蔽部をさらに備えることを特徴とする赤外線センサー。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の赤外線センサーにおいて、
    前記赤外線センサーは、前記検出部に赤外線が入射する側とは反対の側に配置されている基板部をさらに備え、
    前記検出部用処理部は、前記基板部に載置されていることを特徴とする赤外線センサー。
  8. 請求項4〜6のいずれかに記載の赤外線センサーにおいて、
    前記検出部用処理部は、前記検出部と同様に前記可動部に載置されていることを特徴とする赤外線センサー。
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