JP2014194122A - 鋼管矢板基礎形成方法及び鋼管矢板基礎構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地盤の支持層G1に打設自在な長さの鋼管1の側縁部に支持層G1の深度より浅い深度までの長さに設定された矢板継手2を設けた鋼管矢板Pを、予め、複数形成しておき、各鋼管矢板Pどうしを、矢板継手2を介して一体に並設する状態に、地盤の支持層G1に打設して基礎を構成する。
【選択図】図4
Description
特に、鋼管矢板の支持層となる土層は、支持力を確保できるだけの強度を備えているから、緩い土層に比べて鋼管矢板の打設抵抗も大きくなる。
またこの打設抵抗は、地盤の硬さとは別に、鋼管矢板の先端の面積にも相関している。
従って、鋼管を単独で打設するのに比べて、矢板継手に対する打設抵抗が加算されるから、鋼管矢板設置工程の効率が低下しやすく、特に、緩い土層に比べて支持層を対象とした鋼管矢板打設においてはその傾向がつよい。
その結果、鋼管矢板設置工程の効率を向上させることができる。
また、設置効率の向上による施工コストの低減を図れると共に、矢板継手を鋼管の全長にわたって設けてあるものに比べて、矢板継手の使用材量を少なくできるから、材料コストの低減をも合わせて叶えることができ、鋼管矢板設置工の全般において経済性を向上させることができる。
尚、鋼管矢板としての全体強度は、矢板継手が鋼管の全長にわたって設けてあるものに比べて、小さくなるものの、鋼管矢板どうしの連結強度面では設計条件を満たす強度を備えさすことが可能で、性能面と経済面との両方を満足することが可能となる。
また、矢板継手の下端部は、支持層の深度より浅い深度に位置させてあるから、支持層に多少の不陸があったとしても、矢板継手の下端部が支持層に進入することは防止し易く、予定通り鋼管矢板の打設抵抗の低減を図ることができる。
つまり、鋼管矢板基礎の継手長さは、強度と締切作用の両方を満足させる必要があることから、「強度上で必要な長さ」と、「締め切りに必要な長さ」の内の長い方の寸法に合わせて矢板継手を設けることが考えられるが、本構成によれば、「締め切りに必要な長さ」の方が「強度上で必要な長さ」より大きくなるような場合でも、矢板継手は、短い方の「強度上で必要な長さ」に設定でき、その下方の不足分を、安価に実施できる止水施工によって対応することができ、鋼管矢板基礎を構築する上で経済性の向上を図ることができる。
また、設置効率の向上による施工コストの低減と、矢板継手の使用材量の低減とで、鋼管矢板設置工の全般において経済性を向上させることができる。
また、矢板継手の下端部は、支持層の深度より浅く設定してあるから、支持層に多少の不陸があったとしても、矢板継手の下端部が支持層に進入することは防止し易く、予定通り鋼管矢板の打設抵抗の低減を図ることができる。
つまり、鋼管矢板基礎の継手長さは、強度と締切作用の両方を満足させる必要があることから、「強度上で必要な長さ」と、「締め切りに必要な長さ」の内の長い方の寸法に合わせて矢板継手を設けることが考えられるが、本構成によれば、「締め切りに必要な長さ」の方が「強度上で必要な長さ」より大きくなるような場合でも、矢板継手は、短い方の「強度上で必要な長さ」に設定でき、その下方の不足分を、安価に実施できる止水施工によって対応することができ、鋼管矢板基礎を構築する上で経済性の向上を図ることができる。
尚、複数の鋼管矢板Pで囲まれた内周側にも、必要に応じて複数の鋼管矢板Pを打設する場合もある。
継ぎ足し部分は、例えば、溶接によって接合したり、予め鋼管1の端部に機械継手(不図示)を接合しておいて、その機械継手どうしを連結する等の手法によって構成される。
並設する鋼管矢板Pの矢板継手2どうしを嵌合させることで、互いの鋼管矢板Pが一体の壁を形成することができる。
但し、鋼管周方向での矢板継手2の取付位置や取付箇所数は、これに限るものではなく、鋼管矢板Pが使用される現場状況に応じて、例えば、基準点Sから90度の位置のみの場合や(図5(a)参照)、90度の位置と180度(又は360度)の位置の場合や(図5(b)参照)、90度の位置と180度の位置と270度の位置の場合(図5(c)参照)等、任意の位置と任意の取付箇所数に設定されることもある。また、取付位置の基準点Sからの中心角は、上述した90度や、180度や、270度等の90の倍数に限るものではなく、例えば、80度や、100度等、90の倍数以外の任意の角度の位置に設定してあってもよい。
矢板継手2は、図4に示すように、その長さ寸法を鋼管1の長さより短く設定してある。
即ち、鋼管1そのものの設計においては、鋼管矢板基礎Kとしての支持力確保を主として実施してあるのに対して、矢板継手2の設計においては、隣接鋼管どうしのズレ防止を主として実施してあり、その結果、鋼管1の長さ寸法より短く設定することができる。
矢板継手2の下端部の深度は、鋼管1の下端部の深度より浅く、且つ、支持層G1には達しない深度に設定されている。
即ち、鋼管1の下端部から矢板継手2の下端部までの距離は、鋼管1の支持層G1に対する根入れ長さよりも大きく設定されている。
従って、矢板継手2の下端部は、地盤Gの支持層G1の上に位置する上層G2に位置している。
一例としては、鋼管1の内空部の掘削と鋼管の押し込みとの併用によって地盤Gに打設する方法や、鋼管矢板Pへの打撃や振動付与によって打設する方法や、それらの組合せによる方法等が挙げられる。
また、所定深度まで鋼管矢板Pを打設した後、その鋼管矢板Pの矢板継手2に、並設させる別の鋼管矢板Pの矢板継手2を嵌合させながら打設を開始することで、相互の矢板継手2が噛み合った状態で一連の鋼管矢板群を形成することができる。
よって、鋼管矢板基礎Kとしての支持力確保の機能を果たしながら、鋼管矢板設置工程の短縮化と、使用鋼材量の削減により、鋼管矢板設置工の全般において経済性を向上させることができ、性能面と経済面との両方のニーズを満足することが可能となる。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、鋼管矢板Pの平面配置の形状は、用途に応じて任意に設定することができる。
また、鋼管矢板Pを仮締め切りとして使用するものであってもよい。
また、鋼管1の周方向での取付位置も、必要に応じて変更することが可能である。
止水施工を該当範囲に実施することで、外部地盤と鋼管矢板基礎内との締切作用を向上させることができる。
例えば、対象地盤が透水性地盤で、外部地盤から鋼管矢板基礎内に地下水が浸入する虞があるような場合あっても、矢板継手2の下端部側地盤の止水性を向上させることで、矢板継手2が存在するのと同様の締切作用を発揮することができる。
この実施形態においては、F2は、鋼管矢板Pどうしの連結強度を満たす値として求められた矢板継手2の長さ寸法を示し、F1は、鋼管矢板基礎Kの締切作用を発揮できる止水施工範囲の下端部深度を示し、Mは、止水施工範囲を示している。
矢板継手の長さ寸法F2は、前述のように、隣接鋼管どうしの所定の連結強度を確保できる長さとして求められている。
止水施工範囲Mの下端部深度F1は、ボイリングやヒービング等の防止を図れる根入れ長さを基にして求めてある。従って、必ずしも、支持層G1の深度と一致するものではない。
止水施工範囲Mは、矢板継手2の下端部側で、F2とF1との間の深さ寸法(好ましくは、上下にそれぞれ余裕範囲を見込む方が、より高い止水性が得られる。)に設定されており、施工例としては、矢板継手2の内空部に、上方から注入管を挿入して、前記止水施工範囲Mの中まで穿孔して、例えば、セメントミルク等の注入材を注入することで止水改良を図ることができる。
尚、解析結果のF1の値が、解析結果のF2の値以下となる場合は、該当範囲の止水施工を実施しなくてもよい。
また、止水施工そのものは、上述したセメントミルクの注入工法を実施することに限るものではなく、他の注入材を用いる注入工法や、注入工法以外の止水工法を実施するものであってもよい。
2 矢板継手
G1 支持層
P 鋼管矢板
Claims (4)
- 地盤の支持層に打設自在な長さの鋼管の側縁部に前記支持層の深度より浅い深度までの長さに設定された矢板継手を設けた鋼管矢板を、予め、複数形成しておき、
前記各鋼管矢板どうしを、前記矢板継手を介して一体に並設する状態に、地盤の支持層に打設して基礎を構成する鋼管矢板基礎形成方法。 - 前記各鋼管矢板の打設後、前記矢板継手の下端部側地盤に止水施工を行う請求項1に記載の鋼管矢板基礎形成方法。
- 長尺の鋼管の側縁部に長手方向に沿った矢板継手を備えて構成してある複数の鋼管矢板どうしを、前記矢板継手を介して一体に並設すると共に、前記鋼管矢板の下端部を、地盤の支持層に打設して基礎を構成してある鋼管矢板基礎構造であって、
前記矢板継手の下端部の深度は、前記支持層の深度より浅く設定してある鋼管矢板基礎構造。 - 前記矢板継手の下端部側地盤は、止水施工が実施されている請求項3に記載の鋼管矢板基礎構造。
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH11158820A (ja) * | 1997-12-01 | 1999-06-15 | Hanshin Expressway Public Corp | 地中柱の耐震補強方法 |
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2013
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