JP4855359B2 - 鋼矢板および鋼矢板壁体ならびに鋼矢板壁体の構築方法 - Google Patents
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例えば、(1)図16に示すように、鋼矢板19を併用した直接基礎20の支持力を増強するために、鋼矢板19より下方の軟弱地盤等の下層地盤を改良し固結した地盤改良体21を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記(1)の場合には、地盤改良を必要とし、地盤改良体21を設ける施工コストが高く、地盤改良材による地下水環境を汚染する恐れがあるという問題がある。
前記(2)の場合には、上部に位置する本体鋼矢板を利用せずに、別途鉛直支持力確保のための横断面の大きい形鋼を必要とするため、鋼材重量が嵩みコスト高となるという問題がある。
前記(3)の場合には、閉塞壁付き鋼矢板26自身に最初から閉塞壁17を設けており、施工初期から閉断面部となっている閉塞壁17を地盤中に打設するため、確実な閉塞壁17を形成できる反面、打設抵抗が大きくなる。
従って、前記従来技術(1)のように、地盤改良を必要せず、鋼矢板の改良のみで高い鉛直支持力を発揮できる構造で、また前記従来技術(2)のように、支持力確保用の新たな部材を別途用いることなく、壁体を構成する鋼矢板本体を利用することで、高い支持力を発揮できる構造で、また、前記技術(3)のように、打設抵抗が大きくなく、打設負荷を軽減するために、施工中支持層に到達するまでの間は閉断面がない構造で貫入抵抗が少なく、支持層に達した後に鉛直支持力が高まる鋼矢板とすると、鋼矢板供用時の高い支持力を確保しつつ、鋼矢板打設時の地盤抵抗増大を一層抑制することが可能な鋼矢板が望まれている。
本発明は、鋼矢板供用時の高い支持力を確保しつつ、鋼矢板打設時の地盤抵抗増大を一層抑制することが可能で、しかも安価で確実に支持力を高めることができるようにした閉塞壁形成用の閉合部材を有する鋼矢板およびそのような鋼矢板を使用した壁体ならびに鋼矢板壁体の構築方法を提供することを目的とする。
第3発明では、第1または第2発明の鋼矢板において、前記閉塞壁形成用の閉合部材は、フランジと平行に設けられていることを特徴とする。
また、第4発明の鋼矢板では、ウェブ相互を接続している接続用フランジを備えた鋼矢板において、その鋼矢板における地盤に貫入される下端部のウェブに、基端部が固定され先端部が隣接する鋼矢板側の横方向に張り出す閉塞壁形成用の閉合部材が設けられ、前記閉塞壁形成用の閉合部材は継手に対して離反するように傾斜させて設けられていることを特徴とする。
第5発明では、第1発明〜第3発明のいずれかの鋼矢板において、鋼矢板のフランジ背面表面と、閉塞壁形成用の閉合部材の背面表面とが同面上に位置するように設けられていることを特徴とする。
また、第6発明では、第1発明〜第5発明のいずれかの鋼矢板において、閉塞壁形成用の閉合部材の鋼矢板下端からの取り付け長さLpを、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材の先端部相互が接触または近接配置された状態における横断面でほぼ閉塞された閉塞壁の幅寸法Dの0.5倍〜4.0倍に設定されていることを特徴とする。
第7発明では、第1発明〜第6発明のいずれかの鋼矢板において、断面ハット形鋼矢板またはU形鋼矢板に閉塞壁形成用の閉合部材が設けられていることを特徴とする。
第8発明の鋼矢板壁体では、第1発明〜第7発明のいずれかの鋼矢板が複数地盤に貫入されて壁体が構成され、前記壁体における横方向に隣り合う鋼矢板相互は、閉塞壁形成用の閉合部材相互が同レベルに貫入され、前記各閉塞壁形成用の閉合部材の横方向先端部相互が接触または近接して、第1発明〜第7発明のいずれかの鋼矢板相互により、横断面で閉塞された閉塞壁が形成されていることを特徴とする。
第9発明の鋼矢板壁体では、第1発明〜第7発明のいずれかの鋼矢板が複数地盤に貫入されて壁体が構成され、前記壁体における横方向に隣り合う鋼矢板相互は、閉塞壁形成用の閉合部材相互が同レベルに貫入され、前記各閉塞壁形成用の閉合部材の横方向先端部相互が近接または接触するように配置され、前記各閉塞壁形成用の閉合部材を有する鋼矢板相互の間に介在される別個の鋼矢板と共同して、閉塞壁形成用の閉合部材の位置における横断面で閉塞された閉塞壁が形成されていることを特徴とする。
第10発明の鋼矢板壁体の構築方法においては、第1発明〜第7発明のいずれかの鋼矢板の継手相互をかみ合わせて地盤に打設し、隣接する鋼矢板を嵌合打設したときに、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材相互を同レベルに、かつ隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材の横方向先端部相互を近接または接触するように配置して、閉塞壁形成用の閉合部材の位置における横断面で、閉断面となる閉塞壁を形成するようにしたことを特徴とする。
第11発明の鋼矢板壁体の構築方法においては、第1発明〜第7発明のいずれかの鋼矢板の間に閉塞壁形成用の閉合部材を備えていない別個の鋼矢板を介在させ、かつ継手をかみ合わせて地盤に打設し、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材相互を同レベルに、かつ隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材の横方向先端部相互を近接または接触するように配置して、閉塞壁形成用の閉合部材の位置における横断面で、前記別個の鋼矢板と共同して、閉断面となる閉塞壁を形成するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の鋼矢板では、鋼矢板における地盤に貫入される下端部に、閉塞壁形成用の閉合部材の基端部を固定し、かつ閉塞壁形成用の閉合部材が横方向に張り出すように設けられており、閉塞壁形成用の閉合部材による閉塞壁は、予め鋼矢板自身に形成されていないので、鋼矢板の貫入施工初期における打ち込み抵抗を、鋼矢板自身の下端部に予め閉塞壁が形成されている鋼矢板に比べて、格段に小さくすることができる。また、鋼矢板における地盤に貫入される下端部に閉塞壁形成用の閉合部材を取り付けた場合にも、前記と同様に、閉塞壁形成用の閉合部材を備えた鋼矢板を使用した場合には、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材を備えた鋼矢板と共同して、あるいは閉塞壁形成用の閉合部材を備えていない鋼矢板を介在させる場合には、これらと共同して高い支持力を確保することができる。
鋼矢板における地盤に貫入される下端部に簡易な閉塞壁形成用の閉合部材を取り付けるだけでよいので、簡単な構造であると共に安価で鉛直支持力を高められた鋼矢板とすることができる。
閉塞壁形成用の閉合部材の取り付け位置に応じて、鋼矢板本体と同じ壁厚のまま、高い支持力を発揮できる鋼矢板壁体とすることができる。
閉塞壁形成用の閉合部材は簡易な構造であるため、打設現場で容易に取り付けることもでき、鋼矢板運搬の支障とならない等の効果が得られる。
閉塞壁形成用の閉合部材を備えた鋼矢板を使用し閉塞壁を形成するように鋼矢板を貫入した壁体では、容易に設計上必要とされる鉛直支持力を有する土留め壁あるいは基礎構造を形成する鋼矢板壁体等の低コストで構築可能な壁体とすることができる。
また、壁体を構築する場合も、閉塞壁形成用の閉合部材を備えた鋼矢板のみ、あるいは閉塞壁形成用の閉合部材を備えていない鋼矢板と組み合わせて壁体を構築すればよいので、設計および施工の自由度も高く、施工も容易であると共に安価に壁体を構築することができる。
(1)接続用フランジ7の両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブ5が一体に連設され、各ウェブ5に前記接続用フランジ7と平行に継手部用フランジ3,4が一体に連設され、各継手部用フランジ3,4の端部に、継手14が一体に形成されている断面ハット形とされている特徴を有していると共に次のような特徴もある。
(2)前記のハット形鋼矢板2Bにおける左右の各継手14は、継手部用フランジ3,4の中心軸線の中央点に対して、点対称形状の継手14とされ、隣り合うハット形鋼矢板2B相互の継手14を嵌合した場合に、継手部用フランジ中心軸線上にハット形鋼矢板2Bを配設することも可能にされている。
前記各閉塞壁形成用の閉合部材1は、接続用フランジ7と平行に、閉塞壁形成用の閉合部材1の左右方向の基端部が重合するように配置され、また、各閉塞壁形成用の閉合部材1の横方向の先端部が、継手部用フランジ3,4と平行に、各継手部用フランジ3,4側に張り出すように設けられている。
図2に示すように、隣合う鋼矢板2Aを打設した場合、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材1先端部相互が近接または接触して、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材1と鋼矢板本体2Bとにより、閉塞壁形成用の閉合部材1の位置において、ほぼ閉断面が形成され、これにより閉塞土10(図17参照)を形成するように構成される。
前記のように、隣合う鋼矢板2Aを打設した場合、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材1先端部相互が近接していれば、確実に閉塞土10が形成され、支持力を得ることができるため、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材1先端部相互が接触する完全閉塞状態と、閉合部材1先端部相互が近接する不完全閉塞状態とのいずれの場合でもよい。
前記の閉塞壁形成用の閉合部材1の上下方向の取付長さ寸法Lpは、鋼管杭内径の3倍程度とされる。その理由は、例えば、図17(a)に示すように、鋼管杭8を支持層9または地盤11に貫入させた場合、鋼管杭内径の3倍程度で閉塞土10が形成され、それ以上鋼管杭8内に土砂が浸入しないと同様に、例えば、図17(b)に示すように、支持層9または地盤11に貫入させた場合、隣り合う鋼矢板2Aにおける閉塞された隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材1の上下方向の高さ寸法3Dまでに、前記閉塞壁形成用の閉合部材1内側面とこれに対向する鋼矢板2Bの内側面とにより圧密された閉塞土10が形成され、大きな鉛直支持力が得られるようになるためである。
前記閉塞壁形成用の閉合部材1の上下方向の取付長さ寸法Lpは、5Dあるいは6Dと高くなっても、基礎としての鉛直支持力に差がほとんどなく、経済的でなくなる。
しかし、設計上、前記のような大きな支持力を必要としない場合でも、閉塞壁形成用の閉合部材1があることにより、鋼矢板の下面面積が増えていると共に、地盤との摩擦力が大きくなるため、閉塞壁形成用の閉合部材1の鋼矢板の下端からの上下方向の取付長さ寸法Lpを3Dよりも、2Dまたは1Dあるいは0.5Dと、設計により低くすればよい。
打設現場における取り付け手段としては溶接またはボルト等により固定すればよい。ボルトにより固定する場合には、鋼矢板2Bの接続用フランジ7と閉塞壁形成用の閉合部材1の基端部に、上下方向に間隔をおいて複数のボルト挿通孔または段付きボルト挿通孔を設けて接合するようにすればよい。
前記のような本発明の閉塞壁形成用の閉合部材1を備えた鋼矢板2では、鋼矢板2を支持層9付近まで打設するまでの間は、打設負荷増加の原因となる閉断面が形成されない鋼矢板としている特徴がある。
すなわち、設計上、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材1等によって形成される閉断面積が少なくて済むときは、閉塞壁形成用の閉合部材1の鋼材量を減らすために、鋼矢板2Bのウェブ5に、長さの短い閉塞壁形成用の閉合部材1を取り付ける。なお、設計に応じて、閉塞壁形成用の閉合部材1の長さ・取り付け位置あるいは高さを調整する。
既に貫入された隣接する閉塞壁形成用の閉合部材1を備えた鋼矢板2における閉塞壁形成用の閉合部材1の先端部と、2枚目の閉塞壁形成用の閉合部材1を備えた鋼矢板2の閉塞壁形成用の閉合部材1の先端部とが、接触または近接された状態で、第2枚目の閉塞壁形成用の閉合部材1を備えた鋼矢板2が支持層9に貫入されて行くようになるので、図17に示すように、閉塞土10が形成され、貫入抵抗が大きくなり、鉛直支持力も大きくなる。
そして、閉塞壁形成用の閉合部材の位置における横断面でほぼ閉塞された閉塞壁16を形成する。このようにして、土留め壁あるいは基礎構造を形成する鋼矢板壁体15を構築して行けばよい。
なお、図8に示すように、閉塞壁形成用の閉合部材を備えていない別個の鋼矢板13を介在させる場合には、既設側の閉塞壁形成用の閉合部材1を備えた鋼矢板2の継手14に、閉塞壁形成用の閉合部材1を備えていない鋼矢板13の継手14をかみ合わせた状態で、閉塞壁形成用の閉合部材1を備えていない鋼矢板13を支持層9内の閉塞壁形成用の閉合部材1を備えた鋼矢板2の下端レベルまで打設する。
次いで、閉塞壁形成用の閉合部材1を備えていない鋼矢板13の継手14に、閉塞壁形成用の閉合部材1を備えた鋼矢板2の継手14を噛み合わせて、閉塞壁形成用の閉合部材1を支持層9に貫入させる。このようにすることにより、閉塞壁形成用の閉合部材1を備えていない鋼矢板13と共同して閉塞壁16を形成すると共に、閉塞土10を形成するようにするとよい。
(1)鋼矢板における地盤に貫入される下端部に閉合鋼材25Aを設けない場合(図12では加工なしと表記)。
(2)鋼矢板の下端から0.5Dの長さ閉合鋼材25Aを設けて閉塞壁を形成した場合。
(3)鋼矢板の下端から2.0Dの長さ閉合鋼材25Aを設けて閉塞壁を形成した場合。
(4)鋼矢板の下端から3.0Dの長さ閉合鋼材25Aを設けて閉塞壁を形成した場合。
(5)鋼矢板の下端から上端まで全長に閉合鋼材25Aを設けて閉塞壁を形成した場合(全長加工と表記)。
図12に示すように、閉塞壁を形成するために鋼矢板の先端部分に閉合鋼材25Aを取り付ける先端加工をした範囲の違い(図12では、閉塞壁を形成するための先端加工範囲の違い、閉合鋼材25Aの上下方向の長さの違い、換言すると、閉塞壁17の上下方向の長さの違い)により、打設抵抗が大きく異なることがわかる。また、鋼矢板の全長に渡って閉合鋼材25Aを設けた場合の曲線(全長加工)に対して、鋼矢板の下端から3Dの範囲に設けた場合の閉塞壁付き鋼材の曲線(3.0D)の場合は、接近して、同等に近い打設抵抗(換言すると、支持力の増大)となることがわかる。
更に、閉塞壁形成用の閉合部材1の高さの低いLp=1.0Dの方が、高さの高いLp=3.0Dよりも打設抵抗が小さくなることが分かり、設計に応じて、閉塞壁形成用の閉合部材1の必要高さを調整することで、経済的な鉛直支持力を発揮する鋼矢板および土留め壁あるいは基礎構造を形成する鋼矢板壁体15を提供できることを確認できた。
また、バイブロハンマー工法(モーター出力90kW))にて、図11に示す従来例の鋼矢板と、図1に示す本発明の鋼矢板(Lp=3.0D)の打設抵抗に関して、実地盤にて比較実験を行ったところ、支持層9に到達するまでの必要電気容量は、本発明の鋼矢板は従来例の鋼矢板に比べてほぼ1/3程度であった。
また、支持層9に達するまでの打設負荷の軽減、および支持層9に達してから支持力を確保するための打設抵抗増大に関する本発明の効果に対しては、バイブロハンマー工法・圧入工法・ドロップハンマー工法等、いずれの工法でもその効力を発揮することができる。
閉塞壁16を形成する閉塞壁形成用の閉合部材1の内側面を粗面として、鉛直支持力を高めるようにしてもよく、そのような粗面を有する鋼板として縞鋼板を使用するようにしてもよい。また、閉合部材1の上下方向の変形を抑え、曲げ抵抗を高めたい場合は、縞鋼板の溝が上下方向に延長するように縦向きに配置するほうが横向きに配置する場合よりも、上下方向の剛性が高くなるのでよい。
なお、閉塞壁形成用の閉合部材1としては、横断面形状が直線状の平板である必要はなく、図19に示すように、横断面で、円弧状であってもよく、L形、多角形状でも構わない。
図19に示すような閉塞壁形成用の閉合部材1を備えた鋼矢板2を使用した場合の壁体15を図20に示す。
閉塞壁形成用の閉合部材1は、1枚の鋼板または部材により形成しても、複数の鋼板または部材を溶接またはボルト接合した組立部材により構成してもよい。
すなわち、地盤の深度方向の層構成として、鋼矢板を打設する深い支持層のみならず、場所によっては、支持層9に達するまでの中間層に固い地盤が現れる場合がある。そのような場合には、鋼矢板下部に閉合部材1を取り付けるだけでなく、狙いとする中間層で、閉合部材1相互を利用した閉合断面が形成されるように、鋼矢板の上部や中間部に、閉合部材1を取り付けることで、より一層、壁体の支持力を増強するように高めることができる効果を発揮することができる。
2 閉塞壁形成用の閉合部材を備えた鋼矢板
2A 閉塞壁形成用の閉合部材を備えたハット形鋼矢板
2B ハット形鋼矢板
3 継手部用フランジ
4 継手部用フランジ
5 ウェブ
6 溝
7 接続用フランジ
8 鋼管杭
9 支持層
10 閉塞土
11 地盤
12 U形鋼矢板
13 閉塞壁形成用の閉合部材を備えていない鋼矢板
14 継手
15 土留め壁あるいは基礎構造を形成する鋼矢板壁体
16 閉塞壁
17 閉塞壁
18 補剛リブ
19 鋼矢板
20 直接基礎
21 地盤改良体
22 鋼矢板
23 支持力増強用形鋼
24 鋼矢板
25 閉合鋼材
25A 閉合鋼材
26 閉塞壁付き鋼矢板
Claims (11)
- ウェブおよびフランジを備えた鋼矢板において、その鋼矢板のウェブまたはフランジのいずれか一方に、基端部が固定され先端部が隣接する鋼矢板側の横方向に張り出す閉塞壁形成用の閉合部材が設けられていることを特徴とする鋼矢板。
- ウェブ相互を接続している接続用フランジを備えた鋼矢板において、その鋼矢板における地盤に貫入される下端部の前記ウェブまたはフランジのいずれか一方に、基端部が固定され先端部が隣接する鋼矢板側の横方向に張り出す閉塞壁形成用の閉合部材が設けられていることを特徴とする鋼矢板。
- 前記閉塞壁形成用の閉合部材は、フランジと平行に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼矢板。
- ウェブ相互を接続している接続用フランジを備えた鋼矢板において、その鋼矢板における地盤に貫入される下端部のウェブに、基端部が固定され先端部が隣接する鋼矢板側の横方向に張り出す閉塞壁形成用の閉合部材が設けられ、前記閉塞壁形成用の閉合部材は継手に対して離反するように傾斜させて設けられていることを特徴とする鋼矢板。
- 鋼矢板のフランジ背面表面と、閉塞壁形成用の閉合部材の背面表面とが同面上に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋼矢板。
- 閉塞壁形成用の閉合部材の鋼矢板下端からの取り付け長さLpを、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材の先端部相互が接触または近接配置された状態における横断面でほぼ閉塞された閉塞壁の幅寸法Dの0.5倍〜4.0倍に設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋼矢板。
- 断面ハット形鋼矢板またはU形鋼矢板に閉塞壁形成用の閉合部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鋼矢板。
- 請求項1〜7のいずれかの鋼矢板が複数地盤に貫入されて壁体が構成され、前記壁体における横方向に隣り合う鋼矢板相互は、閉塞壁形成用の閉合部材相互が同レベルに貫入され、前記各閉塞壁形成用の閉合部材の横方向先端部相互が接触または近接して、請求項1〜7のいずれかの鋼矢板相互により、横断面で閉塞された閉塞壁が形成されていることを特徴とする鋼矢板壁体。
- 請求項1〜7のいずれかの鋼矢板が複数地盤に貫入されて壁体が構成され、前記壁体における横方向に隣り合う鋼矢板相互は、閉塞壁形成用の閉合部材相互が同レベルに貫入され、前記各閉塞壁形成用の閉合部材の横方向先端部相互が近接または接触するように配置され、前記各閉塞壁形成用の閉合部材を有する鋼矢板相互の間に介在される別個の鋼矢板と共同して、閉塞壁形成用の閉合部材の位置における横断面で閉塞された閉塞壁が形成されていることを特徴とする鋼矢板壁体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の鋼矢板の継手相互をかみ合わせて地盤に打設し、隣接する鋼矢板を嵌合打設したときに、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材相互を同レベルに、かつ隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材の横方向先端部相互を近接または接触するように配置して、閉塞壁形成用の閉合部材の位置における横断面で、閉断面となる閉塞壁を形成するようにしたことを特徴とする鋼矢板壁体の構築方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の鋼矢板の間に閉塞壁形成用の閉合部材を備えていない別個の鋼矢板を介在させ、かつ継手をかみ合わせて地盤に打設し、隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材相互を同レベルに、かつ隣り合う閉塞壁形成用の閉合部材の横方向先端部相互を近接または接触するように配置して、閉塞壁形成用の閉合部材の位置における横断面で、前記別個の鋼矢板と共同して、閉断面となる閉塞壁を形成するようにしたことを特徴とする鋼矢板壁体の構築方法。
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