JP2014194070A - 金属膜形成方法および前記方法に用いる導電性インク - Google Patents

金属膜形成方法および前記方法に用いる導電性インク Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、孔を有する基板の前記孔と接する表面に対して、金属膜を簡便な方法で容易に形成することができる、前記表面への金属膜形成方法を提供することにある。
【解決手段】孔を有する基板の、前記孔と接する表面と、金属塩および還元剤を含有する導電性インクとを接触させた状態で、前記基板を加熱する工程を有することを特徴とする金属膜形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、孔を有する基板において前記孔と接する表面への金属膜形成方法、前記方法に用いる導電性インク、ならびに多層配線基板、半導体基板およびキャパシタセルに関する。
電子機器等に使用されるプリント配線基板の配線層間の導電接続の方法として、例えば、一端が開口した開口部と、残りの一端が閉塞された閉塞部とを有する非貫通のビア孔(以下「ブラインドビア」とも称する)が形成された基板にメッキを行う方法や、導電性ペーストをビア孔内に充填する方法により、ビア孔の内表面に金属膜を形成して配線層間の導電接続を行う方法がある。
例えば、スキージを用いて導電性ペーストをブラインドビア内に充填する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このようにして得られた基板は、その後、エッチング等により配線パターンが形成されて、両面配線基板が製造され、更にこれらの複数が積層一体化されて多層配線基板が製造される。
このような多層配線基板には、配線の高集積化のために、より微細な配線パターンを描くことや、ビア孔で層間接続した多層構造化が要求されている。微細な配線パターンには小径ビアによる接続が必要であり、大きなランドを必要としないブラインドビアにも対応する必要が生じる。
しかしながら、上記のような導電性ペーストの充填方法では、貫通孔に充填する場合には接続がより確実に行えるが、有底構造である小径のブラインドビアの場合、粘性のあるペーストを直径が小さい貫通していない孔に充填することになるため、空間を残さず完全に充填することは困難であり、気泡の巻き込みが発生する場合がある。このため、導電性ペーストをビア孔内に確実に充填することが困難であり、ビア孔内でエア噛みによる接続不良の発生が大きな問題となっている。
また、上記導電性ペーストは、金属銅と比較して導電率が低く、小径のブラインドビアでは充分な電気的接続が困難であり、そのため、プリント配線基板の小型、高密度化に対して必ずしも有効とはいえない。
一方、無電解金属メッキを用いる方法では、ブラインドビア充填物が導電性の高い金属析出物である点で導電性ペースト法より優れているが、メッキ層を形成するためにビア孔の内表面に触媒付与などの煩雑な処理を施さなければならないことや、さらにはメッキ皮膜の析出速度が遅いため、生産性に大きな問題がある。また、電気メッキの場合、ブラインドビアの閉塞部のみにメッキを析出させて積み上げる方法では、電気的に独立して閉塞部のみへメッキ処理を施すことは非常に困難であり、あえて実施しようとすると、非常に煩雑で付加的な工程が必要となる(例えば、特許文献3参照)。
また、携帯電話等に用いられる固体撮像装置では、表面中央部にセンサチップを有する半導体基板、およびこの半導体基板上に固定されたガラス基板を有する。この半導体基板の裏面には、はんだボール等の外部電極が形成されている。これらの外部電極は、スルーシリコンビア(TSV)技術を用いて半導体基板に形成された貫通電極を介して、半導体基板の表面中央部にあるセンサチップに電気的に接続されている(例えば、特許文献4参照)。上記の貫通電極は、例えば、スパッタリング法等の成膜法により形成されることが多い。しかしながら、スパッタリング法の場合、高真空化での処理が必要となり、また装置が高価であるという問題がある。
特開2002−144523号公報 特開2004−039887号公報 特開2000−068651号公報 特開2011−205222号公報
本発明の目的は、孔を有する基板の前記孔と接する表面に対して、金属膜を簡便な方法で容易に形成することができる、前記表面への金属膜形成方法と、前記金属膜形成方法に用いる導電性インクを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する金属膜形成方法および導電性インクにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]〜[19]に関する。
[1]孔を有する基板の、前記孔と接する表面と、金属塩および還元剤を含有する導電性インクとを接触させた状態で、前記基板を加熱する工程を有する、金属膜形成方法。
[2]前記導電性インクの粘度が1Pa・s以下である、前記[1]に記載の金属膜形成方法。
[3]前記基板が、一端が開口した開口部と、残りの一端が閉塞された閉塞部とを有する非貫通孔が形成された基板である、前記[1]または[2]に記載の金属膜形成方法。
[4]前記基板は複数の層が積層されてなるものであって、前記開口部は、第1の層に設けられた貫通孔によって形成されるものであり、前記閉塞部は、第2の層によって形成されるものである、前記[3]に記載の金属膜形成方法。
[5]前記開口部の直径が1〜1000μmである、前記[3]または[4]に記載の金属膜形成方法。
[6]前記基板に、前記孔に接して、電極が少なくとも1つ形成されている、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
[7]前記金属塩が銅塩である、前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
[8]前記銅塩が、ギ酸銅およびギ酸銅四水和物から選ばれる少なくとも1種である、前記[7]に記載の金属膜形成方法。
[9]前記還元剤が、アルカンチオール類、アミン類、ヒドラジン類、モノアルコール類、ジオール類、ヒドロキシルアミン類、α−ヒドロキシケトン類およびカルボン酸類から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
[10]前記導電性インクが、さらに溶剤を含有する、前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
[11]前記加熱が、非酸化性雰囲気下で50℃〜500℃の範囲で行われる、前記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
[12]前記基板において前記孔と接する表面に導電性インクを接触させる方法が、塗布または印刷による、前記[1]〜[11]のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
[13]前記孔が、多層配線基板に形成されたビアホール、半導体基板に形成されたスルーシリコンビア、または半導体基板上に積層される多層配線層に形成されたビアホールである、前記[1]〜[12]のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
[14]ダイナミックランダムアクセスメモリのキャパシタセルを構成するキャパシタ電極を形成するための、前記[1]〜[12]のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
[15]前記[1]〜[14]のいずれか1項に記載の金属膜形成方法に用いられる、金属塩および還元剤を含有する導電性インク。
[16]1Pa・s以下の粘度を有する、前記[15]に記載の導電性インク。
[17]ビアホールと接する表面に、前記[15]または[16]に記載の導電性インクから形成された金属膜を有する多層配線基板。
[18]半導体基板に設けられたスルーシリコンビアまたは半導体基板上に積層される多層配線層に設けられたビアホールと接する表面に、前記[15]または[16]に記載の導電性インクから形成された金属膜を有する半導体基板。
[19]前記[15]または[16]に記載の導電性インクから形成されたキャパシタ電極を有する、ダイナミックランダムアクセスメモリのキャパシタセル。
本発明の金属膜形成方法によれば、孔を有する基板の前記孔と接する表面に対して、金属膜を簡便な方法で容易に形成することができる、前記表面への金属膜形成方法と、前記金属膜形成方法に用いる導電性インクを提供することができる。例えば本発明によれば、複数の電極間を高い導通信頼性で接続する金属膜形成方法および当該方法に用いる導電性インクを提供することができる。
図1は、本発明の金属膜形成方法の第1例を示す模式的な断面図である。 図2は、本発明の金属膜形成方法の第2例を示す模式的な断面図である。 図3は、本発明の実施例B1の工程図である。 図4は、本発明の実施例B2の工程図である。 図5は、本発明の実施例B3の工程図である。 図6は、基板に形成された孔を説明する模式的な断面図である。
本発明は、基板に設けられた孔と接する基板の表面に、導電性インクを用いて金属膜を形成する方法、および当該方法で用いられる導電性インクに関する。以下、本明細書において、配線基板や回路基板の分野で、配線、電極、端子等と称される導電性の電気的導通部材を、便宜上「電極」と総称する。
〔金属膜形成方法〕
本発明の金属膜形成方法は、孔を有する基板の、前記孔と接する表面と、金属塩および還元剤を含有する導電性インクとを接触させた状態で、前記基板を加熱する工程を有する。これにより、基板の前記表面上に金属膜が形成される。
[孔を有する基板]
基板としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ベークライト基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、半導体ウエハ・半導体チップ等の半導体基板が挙げられる。なお、本明細書において、「基板」とは、配線回路等が形成されたコア基板および当該コア基板上に積層された層間絶縁層および配線層等からなる多層配線基板を含む意味で用いる。
孔は、貫通孔および非貫通孔のいずれであってもよい。本発明では、非貫通孔であっても、当該孔と接する基板の表面に強固に密着する金属膜を、簡便な方法で形成することができる。
なお、孔(空間部分)と接する孔側部の基板の露出面を、単に「孔の側壁」ともいい、非貫通孔の場合は、孔(空間部分)と接する、孔下部の基板の露出面、例えばランド面を、単に「孔の底面」ともいい、孔の側壁および底面をあわせて「孔の内表面」ともいう。例えば図6は、孔が形成された基板の断面図を示す例であり、コア基板101および絶縁層102からなる基板100において、絶縁層102にコア基板101に達する孔201が形成されている。ここで、附番202が孔201の側壁であり、附番203が孔201の底面である。
基板が有する孔の一例を挙げると、基板に形成された、一端が開口した開口部と、残りの一端が閉塞された閉塞部とを有する非貫通孔が挙げられる。「開口部」とは、孔の側壁と、開口した側の基板の表面とが交わる線分によって形成される領域を指し、図6では附番204の点線部に対応しており、「閉塞部」は、図6では附番203に対応している。
例えば、基板が第1の層と第2の層とを有する積層基板である場合、前記孔の開口部は、第1の層に設けられた貫通孔によって形成されたもの、すなわち前記貫通孔の一端であり、前記孔の閉塞部は、第2の層によって形成されたもの、すなわち第2の層によって第1の層の貫通孔の残りの一端が閉塞されたものとすることができる。
第1の層および第2の層は、上記例示の公知の基板であってもよく、絶縁層等であってもよい。第1の層と第2の層は、例えば、接着層を用いた接着方法によって(接着層を介して)積層されていてもよく、真空加圧式ラミネーター等によるラミネート手段を用いた積層方法によって積層されていてもよい。
なお、接着層としては特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、その他公知の接着剤等によって形成された層が例示され、接着層の形成方法としては、ディスペンサによる塗布や印刷、ドライラミネーション等が例示される。
さらに、前記基板には、前記孔に接する電極が少なくとも1つ形成されていてもよい。前記電極は、例えば、基板上に金属箔がラミネートされた積層板のエッチング、本発明で用いられる導電性インクの塗布・印刷、あるいはその他公知の導電性インクの塗布・印刷によって得ることができる。金属箔としては、銅箔が例示され、電極が設けられた基板として、市販の銅張積層板を用いることもできる。
基板が有する孔の形状は特に限定されるものではない。孔の形成方向に対して垂直な断面の形状は、円形、楕円形、方形が例示される。孔の形成方向に対して平行な断面の形状は、方形、三角形、台形が例示される。孔の形成方向は、通常、基板の厚さ方向を意味する。
孔の開口部の直径の範囲は、1〜1000μmが例示される。インターポーザー用途では、10〜1000μmが例示され、配線基板の高集積化を図る観点からは、10〜500μmがより好ましく、10〜200μmがさらに好ましい。TSV用途では、5〜100μmが好ましい。なお、開口部の前記直径は、開口部の端部同士を結び、かつ開口部の重心を通る線分の長さの最小値と最大値の平均値を指す。
孔の深さのとりうる範囲もとくに限定されず、10〜100μmが例示される。
孔を形成する方法としては、炭酸ガスレーザー、メカニカルドリルが例示される。
[接触工程]
導電性インクを孔の内表面に接触させる方法としては、例えば塗布および印刷が挙げられ、具体的にはインクジェット印刷による印刷、ディスペンサ、インジェクタ、カーテンコーター、バーコーターによる塗布が挙げられる。本明細書において、塗布または印刷を総称して単に「塗布」とも記載する。孔の内表面への塗布は、1回で行われてもよく、複数回に分けて行われてもよい。孔の内表面の全体に金属膜の形成を行う観点からは、導電性インクを孔内の少なくとも開口部まで充填することが好ましい。
ここで、上層の配線層と、当該配線層および下層の配線層を接続する、孔の内表面の金属膜とを同時に形成するため、導電性インクを孔内に充填するとともに、基板の平面表面上に導電性インクを塗布してもよい。
また、上層の配線層(電極1)と下層の配線層(電極2)とを孔の内表面に形成された金属膜で導通する場合において、当該金属膜と接続する電極1,2を形成する場合、前記電極1,2の形成を導電性インクによって予め行ったのち、当該電極1,2上の任意の位置に孔を形成し、当該孔内に導電性インクを塗布してもよい。
[加熱工程]
孔の内表面に接触した導電性インクを加熱し、孔の内表面を覆う金属膜を形成する。孔に接して電極が複数形成されている場合、これらの電極は当該金属膜によって電気的に接続される。
導電性インクを孔の内表面に接触させた後に行う、金属膜を形成するための加熱は、非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気としては、窒素雰囲気、ヘリウム雰囲気、アルゴン雰囲気等が挙げられる。また、処理能力向上のため、窒素フローリフロー炉等の連続焼成炉を使用し、加熱処理をすることも可能である。これらの中でも、非酸化性雰囲気としては、安価な窒素ガスを用いることができる窒素雰囲気が好ましい。その結果、導電性インクを孔の内表面と接触させた後、水素ガス等の還元性ガスを用いた還元雰囲気を形成する必要はなく、安全な状態で加熱され、所望とする金属膜を形成することができる。
金属膜を形成するための加熱温度は、例えば、銅塩等の金属塩が還元され、有機物が分解または揮発する温度であれば特に限定するものではない。50℃〜500℃の範囲が例示され、120℃〜360℃の範囲がより好ましく、120℃〜260℃の範囲がさらに好ましい。例えば、銅塩等である金属塩の還元反応を進行させ、また有機物の残存を防ぐためには加熱温度が50℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。そして、加熱温度は、500℃以下であることが好ましく、接続する電極の設けられた基板が有機材料からなる基板である場合を考慮すると、360℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましい。
導電性インクの加熱時間は、含有する金属塩の種類や、形成される金属膜に要求される特性を考慮して適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。5〜90分の範囲が例示され、10〜60分の範囲が好ましい。例えば、300℃程度の加熱温度を設定した場合には、通常10分〜60分間程度であり、250℃程度の加熱温度を設定した場合には、通常10分〜70分間程度である。
孔の内表面への塗布を複数回に分けて行う場合、導電性インクを塗布したのち、非酸化性雰囲気下での加熱により金属膜を形成する。そののち、再度導電性インクを塗布し、非酸化性雰囲気下での加熱を行い、この工程を繰り返す。このようにすると、より低抵抗な金属膜を形成することができる。
本発明の金属膜形成方法を用いることにより、孔を有する基板と、当該孔の内表面(例:側壁および底面)上に形成された金属膜とを有する構造体、例えば多層配線基板を得ることができる。金属膜の厚さは、0.05〜2μmが例示され、金属膜の物理的な強度および導通性を得る観点からは、0.1μm以上が好ましい。
本発明の金属膜形成方法によれば、孔の側壁にも均一な金属膜を容易に形成することができる。例えば、スパッタリング法のように、高真空化での処理や高価な装置を必要とせずに、金属膜を形成することができる。
また、高い導通信頼性確保のために金属膜形成後の孔を充填する必要がある場合は、例えば、樹脂による充填や、電気めっきによる充填を行うことができる。電気めっきによる充填の場合、本発明の金属膜形成方法により形成された金属膜をめっき用電極として使用することができる。
本発明の金属膜形成方法に用いる導電性インクは、後述するように、還元反応を用いた電極間の接続によって、金属膜と電極とのより強固な密着状態を実現することができる。また、粘度の高いペーストでは気泡を巻き込むことなくブラインドビアにペーストを充填することは困難であるのに対して、本発明ではペーストと比較して粘度の低いインクを用いることから前記ビア内に気泡が残ることなく塗布することが可能である。その結果、本発明のインクを用いる方法では、ペースト等を用いた場合に比べて、複数の電極間をより高い導通信頼性で接続することができる。
〈金属膜形成方法の適用例〉
本発明の金属膜形成方法は、以下の例に適用することができる。
(1)多層配線基板において、全層を貫通する接続用のスルービアホール、表面層から内層を接続するブラインドビアホール、表層以外の内層間を接続するベリードビアホール等のビアホールの内表面に形成される、上層の電極と下層の電極とを電気的に接続するための金属膜の形成。
(2)半導体ウエハ・チップ等の半導体基板に形成されるスルーシリコンビア(TSV)の内表面に形成される金属膜の形成。例えば、CMOSイメージセンサ等の固体撮像装置において、半導体基板上に形成された配線回路と、半導体基板の裏面に形成されたはんだボール等の外部電極とを電気的に接続するために、半導体基板を貫通するスルーシリコンビア(TSV)を形成し、このビアの内表面に、本発明の方法で金属膜からなる貫通電極を形成することができる。
(3)半導体ウエハ・チップ等の半導体基板上に積層される多層配線層に設けられるビアホールにおいて、上層の電極と下層の電極とを電気的に接続するための金属膜の形成。
(4)ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)のキャパシタセルを構成するキャパシタ電極の形成。例えば、半導体基板上の絶縁層にキャパシタを形成するための孔を形成し、この孔の内表面に、本発明の方法で金属膜からなるキャパシタ電極を形成することができる。
以下、図面をもとに本発明の金属膜形成方法の具体例を説明する。
〈金属膜形成方法の第1例〉
図1は、本発明の金属膜形成方法の第1例を示す模式的な断面図である。
図1を用いて本発明の金属膜形成方法の第1例を説明する。
第1の電極1は第1の基板3上に設けられ、第2の電極2は第2の基板4上に設けられている。ビア孔5は、第1の電極1および第1の基板3をそれぞれ貫通することによって設けられている。すなわち、ビア孔5の開口部は、第1の電極1に接して形成されており、ビア孔5の閉塞部は、孔形成で露出した第2の電極2の表面によって形成されており、ビア孔5の底面となっている。ビア孔5の側壁は、第1の電極1および第1の基板3に形成された貫通孔の側壁によって構成されている。
第1の基板3と第2の基板4とは、例えば、真空加圧式ラミネーター等によるラミネート手段によって接合することができる。その場合、第1の基板3と第2の基板4との重ね合わせは、第1の基板3の第1の電極1が形成されない側の面と、第2の基板4の第2の電極2の形成された面とが対向するようにして行われる。
ここで、第1の電極1および第2の電極2は、例えば、基板3,4上に金属箔がラミネートされた積層板のエッチング、本発明で用いられる導電性インクの塗布、あるいはその他公知の導電性インクの塗布によって得ることができる。金属箔としては、銅箔が例示され、電極が設けられた基板として、市販の銅張積層板を用いることもできる。
基板3,4としては特に限定されるものではなく、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ベークライト基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板が例示される。基板の厚さのとりうる範囲としてはとくに限定されないが、10〜1000μmが例示され、10〜100μmが好ましい。
第1の基板3には予め第1の電極1が設けられていなくともよい。この場合、例えば第1の基板3と第2の基板4とを接合した後、第1の基板3上に導電性インクによって任意の電極を形成してもよい。ここで、ビア孔5の形成前に第1の電極1を形成してもよく、ビア孔5の形成後に第1の電極1を形成してもよい。
上述の第1の電極および第2の電極の種類、ならびに第1の基板および第2の基板の種類は同一でもよく、それぞれ異なっていてもよい。基板の種類の組み合わせの例としては、フレキシブルプリント基板(FPC)/ガラスエポキシ基板、FPC/プリント回路基板(PCB)、FPC/FPCが挙げられる。上述の基板および電極は、洗浄、粗面化、微少な凹凸面の付与等の前処理を必要に応じて施すことができる。
金属膜形成方法の第1例の場合、基板の厚さ方向に対して、第1の電極1が形成されている領域と第2の電極2が形成されている領域とがそれぞれ接する、あるいは重複する点(以下「電気的接続点」とも称する)を定め、第2の電極2に少なくとも接する深さまで所定径の孔を第1の基板3に穿設することでビア孔5を形成することができる。このとき、ビア孔5によって、第2の電極2が露出した状態となっている。なお、露出した第2の電極2の表面に付着した樹脂等の有機物(スミア)は、過マンガン酸等を用いて除去される(デスミア)ことが好ましい。なお、第1例の場合では、ビア孔5の開口部の直径は、第1の基板3の厚さより大きい値であることが好ましい。
金属膜形成方法の第1例では、上述したビア孔5に本発明で用いる導電性インクを塗布する。すなわち、加熱されてビア孔5の内表面を覆う金属膜6となる導電性インクである。導電性インクのビア孔5への塗布方法はとくに限定されるものではなく、ディスペンサ、インジェクタ、バーコーター等による塗布が例示される。第1例では、図1に示すように、第1の電極1の少なくとも一部と、閉塞部として露出した第2の電極2とがそれぞれ覆われるように、上述の導電性インクを塗布し、その導電性インクが塗布されたビア孔5の内表面を加熱することでビア孔5の内表面を覆う、導通部となる金属膜6が形成される。また、この金属膜6によって、第1の電極1と第2の電極2とを電気的に接続することができる。
後述するように、図1の金属膜6となる導電性インクは、金属塩と還元剤とを含有する、還元反応型の導電性インクであり、これを加熱して形成される金属膜6は、電極との密着性が高く、かつ、低接触抵抗を実現することができる。その結果、金属膜形成方法の第1例は、ビア孔5の内表面に形成された金属膜6を介して、第1の電極1と第2の電極2との間の信頼性の高い接続を可能とする。
〈金属膜形成方法の第2例〉
図2は、本発明の金属膜形成方法の第2例を示す模式的な断面図である。
図2を用いて本発明の金属膜形成方法の第2例を説明する。
第1の電極11は第1の基板13上に設けられ、第2の電極12は第2の基板14上に設けられている。そして、第1の基板13と第2の基板14とは、接着層17を介して互いに固定されている。ビア孔15は、第2の電極12と第2の基板14と接着層17をそれぞれ貫通することによって設けられている。すなわち、ビア孔15の開口部は、第2の電極12に接して形成されており、ビア孔15の閉塞部は、孔形成で露出した第1の電極11の表面によって形成されており、ビア孔15の底面となっている。ビア孔15の側壁は、第2の電極12、第2の基板14および接着層17のそれぞれを貫通して形成された貫通孔の側壁によって構成されている。
第1の基板13と第2の基板14とは、例えば、第1の基板13上の第1の電極11の形成領域の一部に配置された接着層17を介して接合することができる。その場合、第1の基板13と第2の基板14との重ね合わせは、第2の基板14の第2の電極12の形成されない側の面と、第1の基板13の第1の電極11の形成された面とが、接着層17を介し、それらが対向するようにして行われる。なお、この場合、第2の電極12を設けた第2の基板14および接着層17に、それぞれ予め貫通孔を形成したのち、第1の基板13上に接合してもよい。
その結果、第1の基板13上の第1の電極11と、第2の基板14上の第2の電極12とは、少なくとも、第2の基板14の厚さに接着層17の厚さを加えた分だけ、高さ方向に離間して配置されることになる。
基板14にビア孔15を形成する。図2の第2例では、図1の第1例と同様に、第1の電極11と、第2の電極12との電気的接続点を定め、第1の電極11に接する深さまで所定径の孔を穿設することでビア孔15を形成することができる。このとき、ビア孔15によって、第1の電極11が露出した状態となっている。
第2例では、第1例と同様に、上述したビア孔15に本発明で用いる導電性インクを塗布する。金属膜形成方法の第2例は、ビア孔15の内表面に形成された金属膜16を介して、第1の電極11と第2の電極12との間の信頼性の高い接続を可能とする。さらに、接着層17を利用し、第1の基板13と第2の基板14との間のより高い信頼性を有する固定を可能とする。
例えば、上述した第1例および第2例において、信頼性の高い電極間接続を可能とするとともに、実際の使用中に、仮に接続不良が生じたとしても、再度同様に、上述の導電性インクを用いた塗膜形成と加熱を行うことで簡便にリペア処理を行うことができる。
〔導電性インク〕
本発明で用いられる導電性インクについて説明する。
本発明で用いられる導電性インクは、金属塩と還元剤とを含有する組成物であり、還元反応型の組成物である。導電性インクは、さらに金属微粒子を含有することができる。導電性インクは、さらに溶剤を含有することができる。
本発明における導電性インクは、還元反応により導電性を有する金属膜を形成するためのインクを指すものとし、還元反応前のインクの状態においては、導電性があってもよく、なくともよい。
導電性インクの孔内への塗布は各種の塗布法、印刷法を用いることが可能であり、その塗布または印刷された導電性インクは、加熱されて金属膜を形成し、孔に接して電極が形成されている場合は、当該金属膜は導電性の導通部となることができる。
例えば、非酸化性雰囲気下での加熱によって、導電性インク中の金属塩が還元反応により金属微粒子として孔の内表面に付着し、この金属微粒子を核として金属塩の還元反応が進行する。このようにして、孔の内表面に沿って金属膜を形成することが可能となる。このようにして形成された金属膜は、電極との密着性が高く、かつ低接触抵抗を実現することができる。また、導電性インクの粘度を調節することにより、導電性インク塗布時に孔内に気泡が巻き込まれることを防ぎ、孔の内表面に金属膜を形成するために十分な量の導電性インクを供給することができる。その結果、孔の内表面の金属膜によって異なる電極間の信頼性の高い接続を可能とする。
導電性インクの各成分について以下で説明する。
[金属塩]
金属塩は、それに含まれる金属イオンが、導電性インク中の還元剤により還元され、金属単体となり、形成される導通部の導電性を発現させる役割を果たすことができる。例えば、金属塩が銅塩である場合、銅塩に含まれる銅イオンは還元剤により還元され、銅単体となり、導電性の導通部を形成することができる。
導電性インクの金属塩としては、銅塩、銀塩が好ましい。
銅塩としては、銅イオンを含有する化合物であればよく、特に限定するものではないが、例えば、銅イオンと、無機アニオン種および有機アニオン種から選ばれる少なくとも1種とからなる銅塩が挙げられる。これらの中でも、溶解度の観点から、銅カルボン酸塩、銅の水酸化物、および銅とアセチルアセトン誘導体との錯塩から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。なお、金属膜が複数の電極を接続するために形成される場合、当該電極間の高い導通信頼性を得る観点からは、各電極を構成する金属と同種の金属の塩を用いることが好ましい。
銅カルボン酸塩としては、例えば、酢酸銅、トリフルオロ酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、イソ酪酸銅、2−メチル酪酸銅、2−エチル酪酸銅、吉草酸銅、イソ吉草酸銅、ピバリン酸銅、ヘキサン酸銅、ヘプタン酸銅、オクタン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、ノナン酸銅等の脂式カルボン酸の銅塩;マロン酸銅、コハク酸銅、マレイン酸銅等のジカルボン酸の銅塩;安息香酸銅、サリチル酸銅等の芳香族カルボン酸の銅塩;ギ酸銅、ヒドロキシ酢酸銅、グリオキシル酸銅、乳酸銅、シュウ酸銅、酒石酸銅、リンゴ酸銅、クエン酸銅等のカルボキシ基を有する有機酸の銅塩等が好適である。なお、ギ酸銅は、無水和物でもよく、水和していてもよい。ギ酸銅の水和物としては、四水和物が挙げられる。
また、銅とアセチルアセトン誘導体との錯塩としては、例えば、アセチルアセトナト銅、1,1,1−トリメチルアセチルアセトナト銅、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルアセチルアセトナト銅、1,1,1−トリフルオロアセチルアセトナト銅、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトナト銅等が好適である。
これらの中でも、還元剤または溶剤に対する溶解性や分散性、形成される導通部の抵抗特性を考慮した場合、酢酸銅、プロピオン酸銅、イソ酪酸銅、吉草酸銅、イソ吉草酸銅、ギ酸銅、ギ酸銅四水和物、グリオキシル酸銅等の銅カルボン酸塩、および水酸化銅が好ましい。
銀塩としては、銀の塩であればとくに限定されない。例えば、硝酸銀、酢酸銀、酸化銀、アセチルアセトン銀、安息香酸銀、臭素酸銀、臭化銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、フッ化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、亜硝酸銀、過塩素酸銀、リン酸銀、硫酸銀、硫化銀、トリフルオロ酢酸銀を挙げることができる。
導電性インクにおいては、形成される導通部において、金属原子のマイグレーションを抑制する観点から、銅塩の使用が好ましい。銅塩の中でも、特に還元性を有するギ酸銅、酢酸銅および水酸化銅がより好ましく、還元性を有するギ酸銅がより好ましい。ギ酸銅としては、無水和物でもよく、ギ酸銅四水和物でもよい。
金属塩の含有量としては、導電性インクの全量に対して、0.01質量%〜50質量%の範囲が好ましく、0.1質量%〜30質量%の範囲がより好ましい。金属塩の含有量を0.01質量%〜50質量%の範囲とすることによって、安定でかつ優れた導電性を有する金属膜として導通部を形成することができる。低抵抗値の金属膜を得る観点からは、金属塩の含有量が0.01質量%以上であることが好ましい。また、化学的に安定した導電性インクを得る観点からは、金属塩の含有量が50質量%以下であることが好ましい。
[還元剤]
本発明で用いられる導電性インクは、金属塩に含まれる金属イオンを還元して金属単体とすることを目的として、上述した金属成分である金属塩とともに、還元剤を含有する。還元剤は、導電性インクの金属塩に含まれる金属イオンに対して還元性を有していれば特に限定するものではない。また、還元性とは、導電性インクの金属塩に含まれる金属イオンを還元できる性質であることを指す。
還元剤としては、例えば、チオール基、ニトリル基、アミノ基、ヒドロキシ基およびヒドロキシカルボニル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する単分子化合物や、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を分子構造内に有するポリマーが挙げられる。
単分子化合物としては、例えば、アルカンチオール類、アミン類、ヒドラジン類、モノアルコール類、ジオール類、ヒドロキシルアミン類、α−ヒドロキシケトン類およびカルボン酸類が挙げられる。
ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールおよびポリエチレンオキシドが挙げられる。
これらの中でも、金属塩の溶解性、および作業時における除去性を考慮すると、アルカンチオール類およびアミン類から選ばれる1少なくとも1種が好ましい。
アルカンチオール類としては、例えば、エタンチオール、n−プロパンチオール、i−プロパンチオール、n−ブタンチオール、i−ブタンチオール、t−ブタンチオール、n−ペンタンチオール、n−ヘキサンチオール、シクロヘキサンチオール、n−ヘプタンチオール、n−オクタンチオール、2−エチルヘキサンチオールが挙げられる。
アミン類としてはアミン化合物を挙げることができ、例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、2−エチルヘキシルプロピルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、ベンジルアミン、アミノアセトアルデヒドジエチルアセタール等のモノアミン化合物;エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、N,N’−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、N,N’−ジメチル−1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミン化合物;ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N−(アミノエチル)ピペラジン、N−(アミノプロピル)ピペラジン等のトリアミン化合物が挙げられる。
ヒドラジン類としては、例えば、1,1−ジ−n−ブチルヒドラジン、1,1−ジ−t−ブチルヒドラジン、1,1−ジ−n−ペンチルドラジン、1,1−ジ−n−ヘキシルヒドラジン、1,1−ジシクロヘキシルヒドラジン、1,1−ジ−n−ヘプチルヒドラジン、1,1−ジ−n−オクチルヒドラジン、1,1−ジ−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、1,1−ジベンジルヒドラジン、1,2−ジ−n−ブチルヒドラジン、1,2−ジ−t−ブチルヒドラジン、1,2−ジ−n−ペンチルドラジン、1,2−ジ−n−ヘキシルヒドラジン、1,2−ジシクロヘキシルヒドラジン、1,2−ジ−n−ヘプチルヒドラジン、1,2−ジ−n−オクチルヒドラジン、1,2−ジ−(2−エチルヘキシル)ヒドラジン、1,2−ジフェニルヒドラジン、1,2−ジベンジルヒドラジンが挙げられる。
モノアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ターピネオールが挙げられる。
ジオール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,3−ヘキサンジオール、2,3−ヘプタンジオール、3,4−ヘキサンジオール、3,4−ヘプタンジオール、3,4−オクタンジオール、3,4−ノナンジオール、3,4−デカンジオール、4,5−オクタンジオール、4,5−ノナンジオール、4,5−デカンジオール、5,6−デカンジオール、3−N,N−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジ−n−プロピルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジ−i−プロピルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジ−n−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジ−i−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−N,N−ジ−t−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオールが挙げられる。
ヒドロキシルアミン類としては、例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジ−n−プロピルヒドロキシルアミン、N,N−ジ−n−ブチルヒドロキシルアミン、N,N−ジ−n−ペンチルヒドロキシルアミン、N,N−ジ−n−ヘキシルヒドロキシルアミンが挙げられる。
α−ヒドロキシケトン類としては、例えば、ヒドロキシアセトン、1−ヒドロキシ−2−ブタノン、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、1−ヒドロキシ−2−ペンタノン、3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、2−ヒドロキシ−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、2−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、3−ヒドロキシ−4−ヘプタノン、5−ヒドロキシ−4−オクタノンが挙げられる。
カルボン酸類としては、金属塩に対して還元性を有するものであれば特に限定するものではないが、例えば、ギ酸、ヒドロキシ酢酸、グリオキシル酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸が挙げられる。
上記の還元剤は、上記の金属塩の種類に応じてこれを還元できるものを1種または2種以上を適宜選択または組み合わせて用いることができる。例えば、金属塩としてギ酸銅を用いる場合、還元剤はアミン化合物が好ましく、2−エチルヘキシルアミン、2−エチルヘキシルプロピルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミンおよびアミノアセトアルデヒドジエチルアセタールがより好ましい。
還元剤の含有量としては、導電性インクの全量に対して、1質量%〜99質量%の範囲が好ましく、10質量%〜90質量%の範囲がより好ましい。還元剤の含有量を1質量%〜99質量%の範囲とすることによって、優れた導電性を有する金属膜を形成することができる。また、還元剤の含有量を10質量%〜90質量%の範囲とすることによって、低い抵抗値を有し、電極との密着性に優れた金属膜を形成することができる。
[金属微粒子]
本発明で用いられる導電性インクは、金属塩の還元析出速度を向上させる、あるいは、導電性インクの粘度を調節する目的で、さらに金属微粒子を含有することができる。
金属微粒子としては、特に限定するものではないが、例えば、金、銀、銅、白金およびパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属種を含有する微粒子が好ましい。これらの金属種は、単体であってもその他の金属との合金であってもよい。好ましい金属微粒子としては、金微粒子、銀微粒子、銅微粒子、白金微粒子、パラジウム微粒子、銀コート銅微粒子から選ばれる少なくとも1種である。
これらの中でも、コスト面、入手の容易さ、および導電性の導通部を形成するときの触媒能から、銀、銅およびパラジウムから選ばれる少なくとも1種の金属種を含有する金属微粒子が好ましい。これら以外の金属微粒子を使用してもよいが、例えば、金属塩に銅塩を用いた場合、銅イオンにより金属微粒子が酸化を受けたり、触媒能が低下または発現せず、銅塩から金属銅への還元析出速度が低下することがあるため、上述した金属微粒子を使用することがより好ましい。
金属微粒子の平均粒子径は、0.05μm〜5μmの範囲であることが好ましい。金属表面の活性が高くなって酸化反応が生じることを防止する観点、および金属微粒子同士の凝集を防止する観点から、金属微粒子の平均粒子径は0.05μm以上が好ましい。また、長期保存する際に金属微粒子の沈降を防止する観点から、金属微粒子の平均粒子径は5μm以下であることが好ましい。
金属微粒子の平均粒子径の測定方法は以下のように決定される。透過型電子顕微鏡(TEM)、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)等の顕微鏡を用いて観測された視野の中から、金属微粒子の粒子径が比較的揃っている箇所を3箇所選択し、粒径測定に最も適した倍率で撮影する。得られた各々の写真から、粒子径が比較的揃っていると思われる粒子を100個選択し、その直径をものさし等の測長機で測定し、測定倍率を除して粒子径を算出し、これらの値を算術平均することにより、求めることができる。また、標準偏差については、上述の観察時に個々の金属微粒子の粒子径と数により求めることができる。そして、変動係数(CV値)は、上述した平均粒子径およびその標準偏差に基づいて、下記式により算出することができる。
CV値 = 標準偏差/平均粒子径 × 100(%)
金属微粒子は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、とくに限定されない。公知の合成方法としては、例えば、スパッタリング法やガス中蒸着法等、物理的な手法で合成反応を行う気相法(乾式法)や、金属化合物溶液を表面保護剤の存在下、還元して金属微粒子を析出させる等の液相法(湿式法)等が一般的に知られている。
金属微粒子の純度については特に限定するものではないが、金属膜とした際の導電性を得る観点から、95%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。
金属微粒子の含有量としては、導電性インクの全量に対して、0質量%〜60質量%の範囲が例示され、金属微粒子を用いる場合は1質量%〜40質量%の範囲が好ましく、1質量%〜20質量%の範囲がより好ましい。
[溶剤]
本発明で用いられる導電性インクは、適切な粘度に調節して生産性を向上させる観点や、低抵抗で均一な導通部を得る観点から、溶剤を含有することが好ましい。
溶剤としては、導電性インク中の各成分を溶解または分散することができるものであり、金属塩の還元反応に関与しない有機溶剤が挙げられる。具体的には、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素類および芳香族炭化水素類から選ばれる1種、または相溶性のある2種以上の混合物が挙げられる。
エーテル類としては、例えば、ヘキシルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンが挙げられる。
エステル類としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンが挙げられる。
脂肪族炭化水素類としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シクロヘキサン、デカリンが挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
これらの有機溶剤のうち、特に液状の導電性インクの粘度の調整のし易さの観点から、ヘキシルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、n−オクタン等が好ましい。
溶剤の含有量は、導電性インクの全量に対して、0質量%〜95質量%の範囲が例示され、溶剤を用いる場合は1質量%〜70質量%の範囲が好ましく、10質量%〜50質量%の範囲がより好ましい。
[導電性インクの調製]
導電性インクを調製する場合の混合方法としては、特に限定するものではないが、例えば、攪拌羽による攪拌、スターラーおよび攪拌子による攪拌、沸盪器による攪拌、超音波(ホモジナイザー)、ウエイブローターによる攪拌が挙げられる。攪拌条件としては、例えば、攪拌羽による攪拌の場合、攪拌羽の回転速度は、通常1rpm〜4000rpmの範囲、好ましくは100rpm〜2000rpmの範囲である。ウエイブローターで混合する場合の容器の回転速度は、通常10〜100rpmの範囲、好ましくは50〜100rpmでの範囲である。
導電性インクの粘度は、塗布・印刷方法に応じて調整することができる。導電性インクの粘度は、1Pa・s以下が好ましく、0.2Pa・s以下がより好ましく、0.1Pa・s以下がさらに好ましい。下限はとくに限定されないが、0.007Pa・sが例示され、0.01Pa・sがより好ましい。
塗布・印刷方法に応じて、還元剤の種類と量、あるいは、必要に応じて用いられる金属微粒子および溶剤の種類と量を調整して、導電性インクの粘度を調節することができる。例えば、ディスペンサを用いる場合、導電性インクの粘度は0.01Pa・s〜1Pa・sが好ましい。
導電性インクの粘度をこのような値に調節することによって、作業性が向上し、また孔内に気泡を残さずに塗布・印刷することができる。よって、本発明で形成される金属膜により接続される複数の電極間の、より高い導通信頼性を得ることができる。
なお、上記粘度は、温度20℃、剪断速度10sec-1の条件で測定される。上記粘度は、キャピラリー型、二重円筒型等の剪断速度が規定できる粘度測定方法であればいずれの方法を用いても測定可能であるが、例えば、コーン/プレート型(E型)粘度計の使用が好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明の実施形態をより具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
<導電性インクの調製>
[実施例A1]
ギ酸銅4水和物 20部、2−エチルヘキシルアミン 80部を、室温にてウエイブローターによって50rpmの条件で混合し、0.1Pa・sの粘度の銅インクを調製した。なお、銅インクの粘度は、E型粘度計(RE−80/85L型、東機産業)により、温度20℃、剪断速度10sec-1の条件で測定した。
[実施例A2〜A7]
実施例A1において、金属塩、還元剤および溶剤を表1に示すとおりに変更したこと以外は実施例A1と同様にして、銅インクを調製した。なお、表1中の金属塩、還元剤および溶剤についての数値の単位は「部」である。得られた銅インクの粘度を表1に示す。
Figure 2014194070
<プリント配線基板の製造と評価>
[実施例B1]
図3は、実施例B1による金属膜を形成する方法を示す製造工程図である。
厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂基板31に厚さ18μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板(パナソニック社製、R1705)をエッチングし、図3(a)に示されているように、幅100μmのラインおよび直径200μmのランドを有する下層銅パターン32を形成した。
厚さ65μmの絶縁層と厚さ5μmの銅箔とを有する樹脂付銅箔(MRG−200;三井金属鉱業(株)製)をラミネーターにより基板31上に積層し、図3(b)に示されているように、基板31上に銅箔層33および絶縁層34を形成した。
図3(c)に示されているように、基板31上に積層した銅箔層33および絶縁層34において、下層銅パターン32のランドの中心位置に対応する位置にある銅箔層33をフォトリソ工程およびエッチング工程で、直径100μmの円形状にエッチングし、次に炭酸ガスレーザー(三菱電機社製 GTX−605)を用いて、銅箔層33のエッチングで露出した絶縁層34を、下層銅パターン32が露出するまで除去し、前記ランドに達する、開口部の直径100μmのビア孔35を形成した。更に、これを過マンガン酸液に浸漬することで、ビア孔35の側壁に付着した有機物や、ビア孔35の底面に露出したランド電極表面に付着した有機物を除去した。
ディスペンサ(ムサシエンジニアリング社製 非接触ジェットディスペンサー SHOTMASTER 200DS)により、実施例A1に記載した銅インクを、ノズル径32ゲージを使用して、ビア孔35に充填した。
その後、銅インクを塗布した基板を窒素雰囲気中で、170℃、10分間の処理をすることで、図3(d)に示されているように、ビア孔35の内表面に厚さ0.5〜1.0μmの導電層36を形成した。
図3(e)および(f)に示されているように、銅箔層33上にフォトレジスト層37をパターニングし、銅箔層33の露出部をエッチングすることで、上層銅パターン38を形成した。
図3(g)に示されているように、デジタルマルチメーターKethley2000によって、得られた上層銅パターン38bと38cとの間(最小電極間距離50μm)の絶縁抵抗が10MΩ以上であり、上層銅パターン38aと下層銅パターン32aとの導通抵抗が10Ω以下であることを確認した。実施例B1において、実施例A1で得られた銅インクにかえて実施例A2〜A7で得られた銅インクを用いた場合でも、同様の結果が得られた。
[実施例B2]
図4は、実施例B2による金属膜を形成する方法を示す製造工程図である。
厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂基板41に厚さ18μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板(パナソニック社製 R1705)をエッチングし、図4(a)に示されているように、幅100μmのラインおよび直径200μmのランドを有する下層銅パターン42を形成した。
厚さ70μmの樹脂層(ABF−GX13;味の素ファインテクノ(株)製)をラミネーターにより基板41上に積層し、図4(b)に示されているように、基板41上に絶縁層44を形成した。
図4(c)に示されているように、基板41上に積層した絶縁層44において、下層銅パターン42のランドの中心位置に対応する位置に、炭酸ガスレーザー(三菱電機社製 GTX−605)を用いて、前記ランドに達する、開口部の直径100μmのビア孔45を形成した。更に、これを過マンガン酸液に浸漬することで、ビア孔45の側壁に付着した有機物や、ビア孔45の底面に露出したランド電極表面に付着した有機物を除去した。
バーコート法により、実施例A1に記載した銅インクを、ビア孔45に充填すると同時に、絶縁層44の表面上にコートした。塗布条件は、スペーサ厚0.1mm、バー速度5cm/秒で、銅インクをコートした。
その後、銅インクをコートした基板を窒素雰囲気中で、170℃、10分間の処理をすることで、図4(d)に示されているように、ビア孔45の内表面、絶縁層44の表面上に厚さ0.5〜1.0μmの導電層46を形成した。
図4(e)に示されているように、導電層46上にフォトレジスト層47をパターニングし、導電層46の露出部をエッチングすることで、上層銅パターン48を形成した。
図4(f)に示されているように、デジタルマルチメーターKethley2000によって、得られた上層銅パターン48bと48cとの間(最小電極間距離30μm)の絶縁抵抗が10MΩ以上であり、上層銅パターン48aと下層銅パターン42aとの導通抵抗が10Ω以下であることを確認した。実施例B2において、実施例A1で得られた銅インクにかえて実施例A2〜A7で得られた銅インクを用いた場合でも、同様の結果が得られた。
[実施例B3]
図5は、実施例B3による金属膜を形成する方法を示す製造工程図である。
厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂基板51に厚さ18μmの銅箔がラミネートされている銅張積層板(パナソニック社製 R1705)をエッチングし、図5(a)に示されているように、幅100μmのラインおよび直径200μmのランドを有する下層銅パターン52を形成した。
厚さ70μmの樹脂層(ABF−GX13:味の素ファインテクノ(株)製)をラミネーターにより基板51上に積層し、図5(b)に示されているように、基板51上に絶縁層54を形成した。
図5(c)に示されているように、基板51上に積層した絶縁層54において、下層銅パターン52のランドの中心位置に対応する位置に、炭酸ガスレーザー(三菱電機社製 GTX−605)を用いて、前記ランドに達する、開口部の直径100μmのビア孔55を形成した。更に、これを過マンガン酸液に浸漬することで、ビア孔55の側壁に付着した有機物や、ビア孔55の底面に露出したランド電極表面に付着した有機物を除去した。
ディスペンサ(ムサシエンジニアリング社製 非接触ジェットディスペンサー SHOTMASTER 200DS)により、実施例A1に記載した銅インクを、ノズル径32ゲージを使用して、ビア孔55に充填すると同時に、絶縁層54の表面上にL/S=200μm/200μmのパターンを形成した。
その後、銅インクをコートした基板を窒素雰囲気中で、170℃、10分間の処理をすることで、図5(d)に示されているように、厚さ0.5〜1.0μmの導電層56をビア孔55の内表面に形成するとともに、厚さ0.5〜1.0μmの上層銅パターン58を絶縁層54上に形成した。
図5(e)に示されているように、デジタルマルチメーターKethley2000によって、得られた上層銅パターン58bと58cとの間(最小電極間距離200μm)の絶縁抵抗が10MΩ以上であり、上層銅パターン58aと下層銅パターン52aとの導通抵抗が10Ω以下であることを確認した。実施例B3において、実施例A1で得られた銅インクにかえて実施例A2〜A7で得られた銅インクを用いた場合でも、同様の結果が得られた。
本発明の金属膜形成方法によって、孔の内表面および電極により強固に密着する金属膜を形成することができ、孔に接する電極同士の接続を高い導通信頼性で実現することができる。また、リペア処理も簡便であるため、例えば多層配線基板といった回路基板の製造や、これを用いた電子機器の製造等に広く用いることができる。
1、11 第1の電極
2、12 第2の電極
3、13 第1の基板
4、14 第2の基板
5、15 ビア孔
6、16 金属膜
17 接着層
31、41、51 基板
32、42、52 下層銅パターン
33 銅箔層
34、44、54 絶縁層
35、45、55 ビア孔
36、46、56 金属膜(導電層)
37、47 フォトレジスト層
38、48、58 上層銅パターン
100 基板
101 コア基板
102 絶縁層
201 孔
202 孔の側壁
203 孔の底面(閉塞部)
204 孔の開口部

Claims (19)

  1. 孔を有する基板の、前記孔と接する表面と、
    金属塩および還元剤を含有する導電性インクと
    を接触させた状態で、前記基板を加熱する工程を有する、金属膜形成方法。
  2. 前記導電性インクの粘度が1Pa・s以下である、請求項1に記載の金属膜形成方法。
  3. 前記基板が、
    一端が開口した開口部と、残りの一端が閉塞された閉塞部とを有する非貫通孔
    が形成された基板である、請求項1または2に記載の金属膜形成方法。
  4. 前記基板は複数の層が積層されてなるものであって、
    前記開口部は、第1の層に設けられた貫通孔によって形成されるものであり、
    前記閉塞部は、第2の層によって形成されるものである、
    請求項3に記載の金属膜形成方法。
  5. 前記開口部の直径が1〜1000μmである、請求項3または4に記載の金属膜形成方法。
  6. 前記基板に、前記孔に接して、電極が少なくとも1つ形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
  7. 前記金属塩が銅塩である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
  8. 前記銅塩が、ギ酸銅およびギ酸銅四水和物から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の金属膜形成方法。
  9. 前記還元剤が、アルカンチオール類、アミン類、ヒドラジン類、モノアルコール類、ジオール類、ヒドロキシルアミン類、α−ヒドロキシケトン類およびカルボン酸類から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
  10. 前記導電性インクが、さらに溶剤を含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
  11. 前記加熱が、非酸化性雰囲気下で50℃〜500℃の範囲で行われる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
  12. 前記基板において前記孔と接する表面に導電性インクを接触させる方法が、塗布または印刷による、請求項1〜11のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
  13. 前記孔が、多層配線基板に形成されたビアホール、半導体基板に形成されたスルーシリコンビア、または半導体基板上に積層される多層配線層に形成されたビアホールである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
  14. ダイナミックランダムアクセスメモリのキャパシタセルを構成するキャパシタ電極を形成するための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の金属膜形成方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の金属膜形成方法に用いられる、金属塩および還元剤を含有する導電性インク。
  16. 1Pa・s以下の粘度を有する、請求項15に記載の導電性インク。
  17. ビアホールと接する表面に、請求項15または16に記載の導電性インクから形成された金属膜を有する多層配線基板。
  18. 半導体基板に設けられたスルーシリコンビアまたは半導体基板上に積層される多層配線層に設けられたビアホールと接する表面に、請求項15または16に記載の導電性インクから形成された金属膜を有する半導体基板。
  19. 請求項15または16に記載の導電性インクから形成されたキャパシタ電極を有する、ダイナミックランダムアクセスメモリのキャパシタセル。
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