JP2014193851A - 多官能(メタ)アクリルアミド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(メタ)アクリルアミド化合物の合成方法としては、例えば、(メタ)アクリル酸と塩化チオニルの反応により生成する(メタ)アクリル酸クロライドとアミンとを塩基存在下で反応させて、(メタ)アクリルアミド誘導体を合成する方法(特許文献1)、ベンゼン中でクロロプロピオン酸クロライドとアミンとを反応させてクロロプロピオン酸アミドを得、これを単離した後、アルカリ水溶液を加えてアクリルアミド化合物を合成する方法(特許文献2)が報告されている。
また、特許文献3及び4には、アミノプロピオン酸アミドから単官能アクリルアミド化合物を製造する方法が記載されている。
また、特許文献3及び4に記載の(メタ)アクリルアミド化合物の合成方法によれば、溶媒を使用せずに、あるいはより少ない溶媒の使用量で、より効率良く単官能アクリルアミド化合物を製造することができる。しかし、高濃度のアミノプロピオン酸アミドを高温(例えば、150℃を超える高温)で熱分解してアクリルアミド化合物を得るため、多官能(メタ)アクリルアミド化合物を製造する場合、熱分解により、生じた多官能(メタ)アクリルアミド化合物の一部が熱重合し、多官能(メタ)アクリルアミド化合物の収率が低下するという難点がある。
〔1〕
下記式(1)で表される多官能アミノアミド化合物から−NR1R2を脱離して多官能(メタ)アクリルアミド化合物を得ることを含む、多官能(メタ)アクリルアミド化合物の製造方法。
〔2〕
上記−NR1R2の脱離反応は、上記−NR1R2の窒素原子が四級化して下記式(3)で表される化合物を生じ、この化合物から−N+RaRbRcX−を脱離する反応である、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕
上記式(3)中、X1がハロゲンイオン、スルホン酸イオン又は硫酸イオンである、〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕
上記脱離反応を塩基の存在下で行う、〔2〕又は〔3〕に記載の製造方法。
〔5〕
上記脱離反応の温度が150℃以下である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法。
〔6〕
上記脱離反応の温度が50℃以上120度未満である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法。
〔7〕
上記脱離反応を重合禁止剤の存在下で行う、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法。
〔8〕
上記脱離反応を溶媒の非存在下で行う、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の製造方法。
本明細書において、特に断りがない限り、特定の符号で表示された置換基や連結基、配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、式中に同一の表示で表された複数の部分構造ないし繰り返し単位がある場合は、各部分構造ないし繰り返し単位は同一でも異なっていてもよい。
本明細書において、各置換基として説明する「基」は無置換の形態及び置換基を有する形態のいずれも包含する意味に用いる。例えば、「アルキル基」は置換基を有してもよいアルキル基を意味する。
本明細書において「アルキル基」は直鎖状、分岐状のいずれの形態も含む意味に用いる。
本発明の製造方法では、出発原料ないし中間体として、下記式(1)で表される多官能アミノアミド化合物が用いられる。
ここで、R5、R6、R7及びR8は水素原子又は置換基を示す。
R5、R6、R7及びR8が置換基であるとき、この置換基は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは1〜3のアルキル基、さらに好ましくはメチル又はエチル)であることが好ましい。
また、R5が−C(=O)−CH(R9)−CH2−NR10R11であることも好ましい。また、R6、R7及びR8が−NR12−C(=O)−CH(R9)−CH2−NR10R11であることも好ましい。
ここで、上記R9は水素原子又はメチルを示す。上記R10及びR11は、それぞれ後述する式(1)のR1及びR2と同義であり、好ましい形態も同じである。R12は水素原子又は置換基を示し、この置換基は後述する式(1)のR4として採用しうる置換基と同義であり、好ましい形態も同一である。
〔a〕−O−と−(CH2)m−(但し、mは1〜5の整数であり、好ましくは1又は2である。以下同様。)とを組み合わせてなる2価の連結基
上記(a)は下記例示化合物AM−7、14及び23におけるZの形態に対応する。
〔b〕−O−と−(CH2)m−と>C<とを組み合わせてなる6価の連結基
上記(b)は下記例示化合物AM−3及び10におけるZの形態に対応する。
〔c〕−(CH2)m−と−CH<とを組み合わせてなる3価の連結基
上記(c)は下記例示化合物AM−1、8及び26におけるZの形態に対応する。
〔d〕−(CH2)m−と−C(R8a)<とを組み合わせてなる3価の連結基(但し、R8aは炭素数1〜3のアルキル基、又は−NR12−C(=O)−CH(R9)−CH2−NR10R11であり、R9、R10、R11、及びR12は上述したR9、R10、R11、及びR12と同義である。)
上記(d)は下記例示化合物AM−2、4、9、11、15、20及び22におけるZの形態に対応する。
〔e〕−(CH2)m−と−N(R5a)−とを組み合わせてなる2価の連結基(但し、R5aは−C(=O)−CH(R9)−CH2−NR10R11であり、R9、R10及びR11は上述したR9、R10及びR11と同義である。)
上記(e)は下記例示化合物AM−5、12、21、24及び25におけるZの形態に対応する。
〔f〕−(CH2)m−と>C<とを組み合わせてなる4価の連結基
上記(f)は下記例示化合物AM−6、13、17、18及び19におけるZの形態に対応する。
〔g〕−(CH2)q−からなる2価の連結基(但し、qは1〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数である。)
上記(g)は下記例示化合物AM−16におけるZの形態に対応する。
より好ましくは、Lは単結合、又はオキシアルキレン基(*−O−(CH2)r−、rは1〜10の整数であり、好ましくは1〜5の整数である。*はZとの連結側を示す。)である。
上記式(1)で表される多官能アミノアミド化合物からアミノ基(−NR1R2)をβ脱離反応により脱離することで多官能(メタ)アクリルアミド化合物が得られる。この脱離反応は、例えば、下記の反応スキーム1により行うことができる。
上記酸としては、硫酸、酢酸、アクリル酸、リン酸、塩酸、及び硝酸から選ばれる少なくとも1種の酸を用いることが好ましい。また、上記酸の使用量は、式(1)のアミノアミド基のモル数に対して0.1〜10モル%とすることが好ましい。
また、上記脱離反応は、重合禁止剤の存在下で行うことが好ましい。用いる重合禁止剤に特に制限はなく従来公知の重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤として例えば、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、p-tert-ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤や2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、Irganox1010(商品名、チバ・ジャパン社製)等のアルキルフェノール系重合禁止剤やアルキル化ジフェニルアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、フェノチアジン等のアミン系重合禁止剤や2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(TEMPO)、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(4−ヒドロキシ−TEMPO)、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル等のN-オキシル系重合禁止剤等が挙げられる。
重合禁止剤としては、Irganox1010(商品名、チバ・ジャパン社製)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(TEMPO)、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(4−ヒドロキシ−TEMPO)が特に好ましい。
なかでも、重合反応を抑えて収率を高める観点から、ニトロベンゼン、フェノール及びクレゾールから選ばれる溶媒を用いることが好ましい。
式(1)で表される多官能アミノアミド化合物の−NR1R2を四級化する際に使用される四級化剤(Rc−X1、Rc及びX1は後述するRc及びX1と同義である。)は、式(1)で表される多官能アミノアミド化合物の−NR1R2に作用して−NR1R2を第四級アンモニウム塩とするものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、ハロゲン化アルキル(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3のハロゲン化アルキル、より好ましくは塩化メチル、臭化メチル又はヨウ化メチル)、炭酸ジアルキル(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の炭酸ジアルキル、より好ましくは炭酸ジメチル又は炭酸ジエチル)、ジアルキル硫酸(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4のジアルキル硫酸、さらに好ましくはジメチル硫酸又はジエチル硫酸)、アルカンスルホン酸アルキル(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4のアルカンスルホン酸アルキル、さらに好ましくはメタンスルホン酸メチル、エタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸エチル、エタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル)、p−トルエンスルホン酸アルキル(好ましくはアルキル基の炭素数が1〜5、より好ましくは1〜3のp−トルエンスルホン酸アルキル、より好ましくはp−トルエンスルホン酸メチル)が挙げられる。四級化剤は好ましくは塩化メチル、炭酸ジメチル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、メタンスルホン酸メチル及びp−トルエンスルホン酸メチルから選ばれるものが使用される。コストを抑える観点を考慮すると塩化メチル、メタンスルホン酸メチル又はジメチル硫酸が好ましく、更に四級化率をより高める観点も考慮すると塩化メチル又はメタンスルホン酸メチルがより好ましい。
ここで、R5b、R6b、R7b及びR8bは水素原子又は置換基を示す。
R5b、R6b、R7b及びR8bが置換基であるとき、この置換基は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは1〜3のアルキル基、さらに好ましくはメチル又はエチル)であることが好ましい。
また、R5bが−C(=O)−CH(R9)−CH2−N+RdReRfX1−であることも好ましい。また、R6b、R7b及びR8bが−NR12−C(=O)−CH(R9)−CH2−N+RdReRfX1−であることも好ましい。Rd及びReはそれぞれ後述するRa及びRbと同義であり、好ましい形態も同じである。Rfは後述するRcと同義であり、好ましい形態も同じである。X1は後述するX1と同義であり、好ましい形態も同じである。上記R9及びR12は、それぞれ式(1)のZにおけるR9及びR12と同義であり、好ましい形態も同一である(以下同様)。
〔a1〕−O−と−(CH2)m−(但し、mは1〜5の整数であり、好ましくは1又は2である。以下同様)とを組み合わせてなる2価の連結基
〔b1〕−O−と−(CH2)m−と>C<とを組み合わせてなる6価の連結基
〔c1〕−(CH2)m−と−CH<とを組み合わせてなる3価の連結基
〔d1〕−(CH2)m−と−C(R8c)<とを組み合わせてなる3価の連結基(但し、R8cは炭素数1〜3のアルキル基、又は−NR12−C(=O)−CH(R9)−CH2−N+RdReRfX1−である。)
〔e1〕−(CH2)m−と−N(R5c)−とを組み合わせてなる2価の連結基(但し、R5cは−C(=O)−CH(R9)−CH2−N+RdReRfX1−である。)
〔f1〕−(CH2)m−と>C<とを組み合わせてなる4価の連結基
〔g1〕−(CH2)q−からなる2価の連結基(但し、qは1〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数である。)
−N+RaRbRcX1−の脱離反応の際の反応温度は特に制限はない。−N+RaRbRcX1−の脱離反応はより穏やかな低温条件で行うことができるため、得られる多官能(メタ)アクリルアミド化合物の重合をより効果的に抑制することができる。例えば、式(3)で表される化合物を加熱して−N+RaRbRcX1−をβ脱離反応により脱離する際の反応温度を150℃以下とすることができ、80℃以上130℃以下とすることが好ましく、90℃以上120℃以下とすることがより好ましい。上記スキーム2では−N+RaRbRcX1−の脱離反応を100℃未満の温度とすることも可能である。したがって、上記スキーム2による多官能(メタ)アクリルアミド化合物の製造は収率が高く、また、反応設備の面からも有利である。
使用可能な塩基に特に制限はなく、有機塩基及び無機塩基のいずれも使用できる。
また、有機塩基としては、例えば、アルカリ金属アルコキシド化合物(好ましくはメトキシナトリウム、エトキシナトリウム、t−ブトキシナトリウム、メトキシカリウム、エトキシカリウム及びt−ブトキシカリウムから選ばれるアルカリ金属アルコキシド化合物)、アルカリ金属酢酸塩(好ましくは酢酸ナトリウム又は酢酸カリウム)、ピリジン類(好ましくはピリジン、4−メチルピリジン又はN,N−ジメチルアミノピリジン)、第三級アミン(好ましくはトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン又は1,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)が挙げられる。
なかでも、無機塩基が好ましく、より好ましくはNa2CO3、K2CO3、NaHCO3及びKHCO3から選ばれる1種又は2種以上の塩基が好ましく、Na2CO3又はK2CO3がさらに好ましい。
−N+RaRbRcX1−の脱離反応における塩基の使用量は、−N+RaRbRcX1−とZ1中のN+RdReRfX1−の合計量に対して、モル比で1.0〜2.0倍であることが好ましく、1.0〜1.5倍であることがより好ましく、1.0〜1.2倍であることがさらに好ましい。
下記の合成ルートで多官能アミノアミド化合物AM-7を合成した。
アクリル酸メチル172.1g(2.0モル)とジエチルアミン175.5g(2.4モル)と水3.6g(0.2モル)とを混合し、55℃で6時間反応させた。反応液をNMR測定してアクリル酸メチルが消失したことを確認し、反応終了とした。反応終了後、蒸留により未反応のジエチルアミンを除去し、β−ジエチルアミノプロピオン酸メチル307gを得た(収率96.5%)。
撹拌機を備えた1L容三口フラスコにβ−ジエチルアミノプロピオン酸メチル307g、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液7.7gを加え、水浴で液温を40℃に保ち攪拌しながら多官能アミン(A−7)211.5g(0.96モル)を反応液中に1時間かけて滴下した。引き続き40℃で6時間反応させ、反応液をNMR測定してA−7が消失したことを確認し、反応終了とした。反応液に濃硫酸1.9gを加えて中和し、析出した塩を濾去し、減圧下加熱することにより低沸点物を除くことにより、多官能アミノアミド化合物(AM−7)446gを得た(収率98%)。得られたAM−7はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル474.4)。
参考例1において、多官能アミン(A−7)を多官能アミン(A−5)99.0gに代えた以外は、参考例1と同様にして、多官能アミノアミド化合物(AM−5)448gを得た。多官能アミン(A−5)からの多官能アミノアミド化合物(AM−5)の収率は96%であった。得られたAM−5はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル484.4)。
参考例1において、多官能アミン(A−7)を多官能アミン(A−2)281gに代えた以外は、参考例1と同様にして、多官能アミノアミド化合物(AM−2)743gを得た。多官能アミン(A−2)からの多官能アミノアミド化合物(AM−2)の収率は97%であった。得られたAM−2はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル800.7)。
参考例1において、多官能アミン(A−7)を多官能アミン(A−12)140.4gに代えた以外は、参考例1と同様にして、多官能アミノアミド化合物(AM−25)603gを得た。多官能アミン(A−12)からの多官能アミノアミド化合物(AM−25)の収率は96%であった。得られたAM−25はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル654.6)。
参考例1において、多官能アミン(A−7)を多官能アミン(A−13)71.2gに代えた以外は、参考例1と同様にして、多官能アミノアミド化合物(AM−26)306gを得た。多官能アミン(A−13)からの多官能アミノアミド化合物(AM−26)の収率は97%であった。得られたAM−26はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル328.3)。
撹拌機を備えた2L三口フラスコに上記参考例1で得たAM−7 446g(0.94モル)とメタンスルホン酸メチル207.0g(1.88モル)を加え、室温で2時間攪拌し、アミノ基が四級化された化合物AM−7−X3の反応混合物を得た。得られた反応混合物へIrganox1010 0.31g(BASF社製:重合禁止剤)を加え、外温を100℃にし、4時間加熱攪拌した。その後アセトニトリル500ml、飽和食塩水300mLを加えて分液し、有機層へ再度飽和食塩水300mLを加えて分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下溶媒留去した。その後アセトニトリルを300ml添加し、氷冷しながらゆっくりと酢酸エチル300ml添加した。析出した結晶をろ過して取り出し、減圧下乾燥することで多官能アクリルアミド化合物AA−7を278g得た。収率は90%であった。得られたAA−7はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル328.2)。
攪拌機を備えた1L容三口フラスコに、多官能アミン(A−7)22.0g(0.1モル)、トリエチルアミン24.3g(1.2当量)、塩化メチレン500mlを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド19.9g(1.1当量)を1時間かけて滴下し、その後、室温で1時間攪拌した。原料の消失を1H−NMRにて確認した後、反応液中に析出した塩をろ過して取り除いた。得られたろ液を1N−塩酸水400ml、10%塩化ナトリウム水400ml、1N−重曹水400ml、10%塩化ナトリウム水400mlの順に洗浄し、硫酸マグネシウム20gを添加し、ろ過後、溶媒を40℃加熱下減圧留去した。その後アセトニトリル50mlを添加し加熱溶解させ室温までゆっくりと冷却させ結晶析出を確認した後、氷冷しながらゆっくりと酢酸エチルを50ml添加した。析出した結晶をろ過して取り出し、減圧下乾燥することで多官能アクリルアミド化合物AA−7を10.8g得た。収率は33%であった。
多官能アミノアミド化合物として参考例2で得たAM−5(448g)を用いた以外は実施例1と同様にして多官能アクリルアミド化合物AA−5(220.2g)を合成した。収率は87%であった。得られたAA−5はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル265.1)。
多官能アミンとしてA−5(10.3g)を用いた以外は比較例1と同様にして多官能アクリルアミドAA−5(7.4g)を合成した。収率は28%であった。得られたAA−5はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル265.1)。
2L容三口フラスコを用い、多官能アミノアミド化合物として参考例3で得たAM−2(743g)を用いた以外は、実施例1と同様にして多官能アクリルアミド化合物AA−2(386.8g)を合成した。収率は82%であった。得られたAA−2はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル508.3)。
多官能アミンとしてA−2(29.2g)を用いた以外は、比較例1と同様にして多官能アクリルアミドAA−2(11.2g)を得た。収率は22%であった。得られたAA−2はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル508.3)。
3L容三口フラスコを用い、多官能アミノアミド化合物として参考例4で得たAM−25(603g)を用いた以外は、実施例1と同様にして多官能アクリルアミド化合物AA−12(280.3g)を合成した。収率は84%であった。得られたAA−12はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル362.2)。
多官能アミンとしてA−12(14.6g)を用いた以外は、比較例1と同様にして多官能アクリルアミドAA−12(9.1g)を得た。収率は25%であった。
多官能アミノアミド化合物として参考例5で得たAM−26(306g)を用いた以外は、実施例1と同様にして多官能アクリルアミド化合物AA−13(156.1g)を合成した。収率は92%であった。得られたAA−13はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル182.1)。
多官能アミンとしてA−13(7.4g)を用いた以外は、比較例1と同様の方法により、多官能アクリルアミドAA−13(5.1g)を得た。収率は28%であった。
撹拌機を備えた2L容三口フラスコに上記参考例3で得たAM−2 743g(0.93モル)とメタンスルホン酸メチル409.7g(3.72モル)を加え、室温で2時間攪拌し、アミノ基が四級化された化合物AM-2-X3の反応混合物を得た。得られた反応混合物へ 4−ヒドロキシ−TEMPO0.3g、炭酸カリウム566gを加え、外温を80℃にし、4時間加熱攪拌した。その後アセトニトリル500mlを加え、ろ過し、飽和食塩水300mLを加えて分液し、有機層へ再度飽和食塩水300mLを加えて分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下溶媒留去した。その後アセトニトリルを300ml添加し、氷冷しながらゆっくりと酢酸エチル300ml添加した。析出した結晶をろ過して取り出し、減圧下乾燥することで多官能アクリルアミド化合物AA−2を396.2g得た。収率は84%であった。得られたAA−2はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル508.3)。
撹拌機を備えた200mL三口フラスコに上記参考例3で得たAM−2 20g(0.025モル)、水30mL、エタノール30mL、1M塩化メチル−ジエチルエーテル溶液30mL(0.030モル)を加え、室温で48時間攪拌し、減圧下溶媒留去することで、アミノ基が四級化された化合物AM−2−X1の反応混合物を得た。得られた反応混合物へ4−ヒドロキシ−TEMPO15mgを加え、外温を100℃にし、4時間加熱攪拌した。その後アセトニトリル30ml、飽和食塩水20mLを加えて分液し、有機層へ再度飽和食塩水20mLを加えて分液した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下溶媒留去した。その後アセトニトリルを20ml添加し、氷冷しながらゆっくりと酢酸エチル20ml添加した。析出した結晶をろ過して取り出し、減圧下乾燥することで多官能アクリルアミド化合物AA−2を10.2g得た。収率は80%であった。得られたAA−2はNMRとMSで構造を同定した(MSスペクトル508.3)。
Claims (8)
- 前記式(3)中、X1がハロゲンイオン、スルホン酸イオン又は硫酸イオンである、請求項2に記載の製造方法。
- 前記脱離反応を塩基の存在下で行う、請求項2又は3に記載の製造方法。
- 前記脱離反応の温度が150℃以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記脱離反応の温度が50℃以上120度未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記脱離反応を重合禁止剤の存在下で行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記脱離反応を溶媒の非存在下で行う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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