JP2014193628A - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両旋回時において、乗員の下半身のシートへの拘束力を高めると共に、乗員の上半身を強く拘束力しないようにして、ステアリングの操作性を向上させる。
【解決手段】ショルダーベルト51と、乗員の腰部を跨いで車幅方向に延びるように設置されたラップベルト52と、からなるウェビング5と、車体に固定され前記ウェビング5のショルダーベルト側の端部を巻取可能に支持するリトラクター4と、車体に固定され前記ウェビングのラップベルト側の端部を支持するラップアンカー2と、前記ウェビングを摺動自在に保持する摺動部が設けられたタング61が着脱可能に係止されるバックル3と、を備えた車両用シートベルト装置1において、車両の旋回を検出する車両旋回検出手段と、前記ウェビング5を引き込むことにより前記ウェビング5に付与される張力を調整する第1、第2、第3張力調整手段と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートに着座した乗員をウェビングによって拘束する車両用シートベルト装置に関する。
従来、車両用シートに着座した乗員の肩部から胸部を拘束するショルダーベルトと乗員の腰部を拘束するラップベルトからなるウェビングを備え、該ウェビングのショルダーベルト側の一端部を巻取可能に支持するリトラクターと、前記ウェビングのラップベルト側の他端部を車体に固定するラップアンカーと、前記ウェビングに沿って摺動自在に設けられたタングが着脱可能に係止されるバックルと、を有する、いわゆる3点式シートベルト装置において、ステアリングを操作する際の乗員の肩の動きを制限しないようにショルダーベルトの張力を制御する技術が知られている(特許文献1)。具体的には、特許文献1に記載の方法では、右旋回時はリトラクターに設けた張力調整手段、左旋回時はバックルに設けた張力調整手段により、ショルダーベルトに張力を付与するようにして、反旋回方向側の肩の動きを制限しないようにしている。
特開2009−190625公報
車両を旋回させる場合には、乗員の体には遠心力によって反旋回方向に移動しようとするため、乗員の旋回方向側の腰が浮くような力が加わることになる。このような状態では、乗員の姿勢が安定せず、ステアリング操作がしにくくなるという問題が生じるため、乗員の下半身をシートに適切に拘束することが重要となる。一方で、ステアリング操作を行うためには、乗員の上半身について自由度を確保することが重要となる。
しかしながら、特許文献1に記載のリトラクターあるいはバックルに設けた張力調整手段によりウェビングに張力を付与する方法では、ラップベルトに張力が付与されにくく、乗員をシートに適切に拘束することが難しい。すなわち、ショルダーベルトと乗員の上半身の接触部の摩擦力でウェビングは所定強さで固定されているため、リトラクターに設けた張力調整手段によりウェビングに張力を付与する場合、乗員の上半身が強く拘束されて、乗員の下半身は強く拘束されない状態となる。また、バックルに設けた張力調整手段によりウェビングに張力を付与する場合、タングとウェビングの接触部にも摩擦力が発生しているものの、前記摩擦力は小さいため、ショルダーベルトの張力が大きく増加することになり、乗員の上半身の自由度が低下して、ステアリング操作がしにくくなるという問題が生じる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、車両旋回時において、乗員の下半身のシートへの拘束力を高めると共に、乗員の上半身を強く拘束力しないようにして、ステアリングの操作性を向上させた車両用シートベルト装置を提供することにある。
前記した課題を解決するため、本発明に係る車両用シートベルト装置は、次のように構成することを特徴とする。
まず、請求項1に記載の車両用シートベルト装置は、
車両用シートに着座した乗員の肩部から腰部にかけて斜めに掛け渡されるショルダーベルトと、前記ショルダーベルトに一体的に連なり乗員の腰部を跨いで車幅方向に延びるように設置されたラップベルトと、からなるウェビングと、
車体に固定され前記ウェビングのショルダーベルト側の端部を巻取可能に支持するリトラクターと、
車体に固定され前記ウェビングのラップベルト側の端部を支持するラップアンカーと、
前記ウェビングを摺動自在に保持する摺動部が設けられたタングと、
前記タングが着脱可能に係止されるバックルと、を備えた車両用シートベルト装置において、
車両の旋回を検出する車両旋回検出手段と、
前記ラップアンカーに設けられ前記ラップアンカーから前記ウェビングを所定量引き込むことにより前記ウェビングに付与される張力を調整する第1張力調整手段と、
記車両旋回検出手段の出力を受けて、車両旋回時に、前記第1張力調整手段により前記ラップベルトに付与する張力を増加させる制御手段と、を有することを特徴とする。
前述したように、車両を旋回させる場合には、乗員の体には遠心力によって反旋回方向に移動するような力が加わるため、乗員の旋回方向側の腰が浮くような力が加わった状態となる。このような状態では、乗員の姿勢が安定せず、ステアリング操作がしにくくなるため、本発明では、ラップアンカーに配置された張力調整手段によりラップベルトの張力を増加させている。すなわち、ラップベルトと乗員の足の接触部の摩擦力でウェビングは所定強さで固定されているため、ラップアンカーに配置された張力調整手段によりウェビングに張力を付与することで、ラップベルトに強い張力が付与されて、下半身を強く拘束することができるとともに、ショルダーベルトには強い張力が付与されないため、上半身の自由度が確保されて、ステアリング操作がしやすくなる。
また、請求項2に記載の車両用シートベルト装置は、請求項1に記載の発明において、
前記制御手段は、前記ラップアンカー側に車両を旋回させる時に前記第1張力調整手段によりラップベルトに付与する張力を増加させることを特徴とする。
すなわち、前述したように、車両を旋回させる場合には、乗員の体には遠心力によって反旋回方向に移動するような力が加わるため、乗員の旋回方向側の腰が浮くような力が加わった状態となるが、このとき、乗員はシートと接している反旋回方向の腰と背中に力を入れて姿勢を保持しようとするため、乗員は上下方向に対してねじるように力を入れることになる。このような状態ではステアリング操作が難しくなるという問題が生じる。特に、ラップアンカー側に車両を旋回させる時には、前記第1張力調整手段によりラップベルトに付与する張力を増加さることで、浮くことになる腰を強く拘束することができるため、前述した乗員の上下方向に対するねじれが抑制されて、ステアリング操作がしやすくなる。また、ショルダーベルトに付与される張力を抑えることができるため、上半身の自由度が確保されて、ステアリング操作がしやすくなる。
また、請求項3に記載の車両用シートベルト装置は、請求項2に記載の発明において、
前記バックルに設けられ前記バックルから前記ウェビングを所定量引き込むことにより前記ウェビングに付与する張力を調整可能な第2張力調整手段を備え、
前記制御手段は、少なくとも旋回方向側に配置された張力調整手段によりラップベルトに付与する張力を増加させることを特徴とする。
すなわち、ラップベルトと乗員の足の接触部には摩擦力でウェビングは所定強さで固定されているため、少なくとも旋回方向側に配置された張力調整手段によりラップベルトに張力を付与することにより、旋回により浮くことになる腰に強い拘束力が付与されて乗員の体の上下方向のねじれが抑制されるため、ステアリング操作がしやすくなる。
また、請求項4に記載の車両用シートベルト装置は、請求項3に記載の発明において、
前記制御手段は、旋回方向側に配置された張力調整手段によるウェビング引き込み量が、旋回方向側以外に配置された張力調整手段によるウェビング引き込み量よりも大きくなるように制御することを特徴とする。
すなわち、乗員がペダル操作を行う際には、ペダル操作を行う方の足のかかとを床に接触させた状態からかかとを支点としてペダルを踏み込むことになるが、ペダル操作を行う方の足に大きな加重がかかる、あるいはペダル操作を行わない方の足に大きな加重がかかる状態では、左右の足のバランスが悪くなり、ペダル操作がしにくくなるが、本発明によれば、浮く方の腰には強い拘束力を付与して、浮かない方の腰については強い拘束力を付与しないようにしているため、下半身が適切に拘束されて、左足と右足のかかとでバランスよく下半身を保持できるようになり、ペダル操作がしやすくなる。
また、請求項5に記載の車両用シートベルト装置は、請求項4に記載の発明において、
前記制御手段は、前記旋回方向側に配置された張力調整手段が第2張力調整手段であるときの第2張力調整手段によるウェビング引き込み量が、前記旋回方向側に配置された張力調整手段が第1張力調整手段であるときの第1張力調整手段によるウェビング引き込み量よりも大きくなるように制御することを特徴とする。
すなわち、バックルに設けられた第2張力調整手段は、ショルダーベルトとラップベルト両方の張力を増加させるように動作するのに対して、ラップアンカーに設けられた第1張力調整手段はラップベルトの張力を増加させるように動作するため、例えば、右旋回状態と左旋回状態における横加速度の大きさが同じ状態のときに、同じウェビング引き込み量を設定した場合、ラップベルトに付与される張力に差が生じることになるが、本発明によれば、左旋回状態の時には右旋回状態の時よりもウェビング引き込み量を増加させているため、左旋回状態と右旋回状態におけるラップベルトによる乗員の拘束力に差が生じることを抑制できる。
また、請求項6に記載の車両用シートベルト装置は、請求項5に記載の発明において、
前記リトラクターに設けられ前記リトラクターから前記ウェビングを所定量引き込むことにより前記ウェビングに付与する張力を調整可能な第3張力調整手段を備え、
前記制御手段は、前記第3張力調整手段によるウェビング引き込み量が、前記第1張力調整手段及び前記第2張力調整手段によるウェビング引き込み量以下となるように制御することを特徴とする。
すなわち、リトラクターに設けられた第3張力調整手段によりウェビングに張力を付与すると、ショルダーベルトの張力が増加して、上半身の自由度が低下するが、本発明によれば、リトラクターに設けられた第3張力調整手段によるウェビング引き込み量を抑えているため、ショルダーベルトの張力増加が抑えられ、上半身の自由度が確保されて、ステアリング操作がしやすくなる。
本発明によれば、車両旋回時において、乗員の下半身のシートへの拘束力を高めると共に、乗員の上半身を強く拘束力しないようにしているため、ステアリングの操作性を向上させることができる。
本発明に係る車両用シートベルト装置の実施例の構成を概略的に示す図である。 本実施例のリトラクター及びラップアンカーの概略構成を示す正面図である。 本実施例のバックルの概略構成を示す正面図である。 本実施例のシートベルト制御部に係る全体構成ブロック図である。 本実施例のシートベルト制御部の機能ブロック図である。 本実施例の各車両状態における第1〜第3張力調整手段の動作の概略を示す図である。
図1は、本発明に係る車両用シートベルト装置の実施例の構成を概略的に示している。車両用シート6に着座した乗員を保護するシートベルト装置1は、乗員の肩部から腰部にかけて斜めに掛け渡されるショルダーベルト51および乗員の腰部を跨いで車幅方向に延びるように設置されるラップベルト52からなるウェビング5と、該ウェビング5のショルダーベルト51側の一端部を巻取可能に支持するリトラクター4と、該ウェビング5のラップベルト52部側の他端部を車体に固定するラップアンカー2と、前記ウェビング5に沿って摺動自在に設けられたタング61が着脱可能に係止されるバックル3と、を有している。
前記リトラクター4及びラップアンカー2はそれぞれ、車両用シート6の車幅方向外方側で車両7に固定されているのに対し、バックル3は、車両用シート6の車幅方向内方側で車両に固定されている。
前記リトラクター4から引き出されたウェビング5は、車両用シート6の車幅方向外方側の上方位置に設けられたスリップガイド62により、その引き出し方向が上向きから下向きに変換されて、その先端が前記ラップアンカー2に取り付けられている。前記タング61は、前記スリップガイド62とラップアンカー2との間で摺動可能に設けられており、このタング61が前記バックル3に係合されることで、車両用シート6に着座した乗員は、ショルダーベルト51で肩部を拘束されかつ、ラップベルト52で腰部を拘束されるようになっている。
そして、前記ラップアンカー2には第1張力調整手段22が設けられ、前記バックル3には第2張力調整手段32が設けられ、前記リトラクター4には第3張力調整手段44が設けられている。
また、第1張力調整手段が設けられたラップアンカー2は、周知である種々の形式のものを用いることができる。具体的な一例を挙げると、例えば図2に示すように、ウェビング5を巻き取るリール(図示省略)と、このリールをウェビング5の巻き取り方向に回転付勢させるゼンマイバネ(図示省略)と、前記リールがウェビング5の引き出し方向に急激に回転したとき等にこのリールの回転をロックするロック機構(図示省略)とからなるラップアンカー本体21と、モータ23及びギヤ・クラッチ機構24とからなる張力調整手段22とから構成されたものが用いられる。
前記ギヤ・クラッチ機構24は、前記モータ23の駆動力をラップアンカー本体21のリールの回転軸に伝達するものであり、前記モータ23の駆動時には、ギヤ・クラッチ機構24に設けられたクラッチが係合して前記モータ23の駆動力が前記リールの回転軸に伝達され、これにより、前記リールがウェビング5の巻き取り方向に回転されるように構成されている。このとき、リールのウェビング引き出し方向への回転は前記クラッチによりロックされる。一方、前記モータ23の非駆動時には、前記クラッチが開放されて、前記リールがモータ23とは独立して回転可能となるように構成されている。従って、ラップアンカー2は、シートベルト制御部8によりモータ23が作動されることにより、ウェビング5をリールに巻き取ってこのウェビング5に張力を付与するように構成されている。
また、第2張力調整手段が設けられたバックル3についても、周知である種々の形式のものを用いることができる。具体的な一例を挙げると、例えば特開2011-68183公報で開示されているように、車両側に固定されるバックル駆動部31と、このバックル駆動部31により駆動されて少なくとも上下方向に移動するバックル本体30とから構成される張力調整手段32を用いることができる。図3はその概略構成を示す正面図である。このバックル本体30の上部にはタングプレートが挿入される挿入口(図示省略)が設けられると共に、下部にはバックル駆動部31に支持されつつ上下に移動されるスライド部35が設けられている。また、バックル本体30の内部には、タングプレートに係合してこれを保持するロック部(図示省略)を備えている。また、バックル駆動部31は、スライド部35のラック部36に歯合するピニオンギア34を有するモータ33が配置されている。従って、前記バックル3も、シートベルト制御部8によりモータ33が作動されることにより、ウェビング5を引き込んで、このウェビング5に張力を付与するように構成されている。
また、前記第3張力調整手段が設けられたリトラクター4についても、周知である種々の形式のものを用いることができるが、本実施例では、図2に示すラップアンカー2と略同様の構成のものを用いている。つまり、リトラクター4は、リールと、ゼンマイバネと、ロック機構とから構成されたリトラクター本体41と、モータ43及びギヤ・クラッチ機構44とからなる張力調整手段42と、から構成されている。
また、リトラクター4の第3張力調整手段42は、前記ラップアンカー2の張力調整機構22と同じ構成であり、ギヤ・クラッチ機構44は、モータ43の駆動時には、ギヤ・クラッチ機構44に設けられたクラッチが係合して前記モータ43の駆動力が前記リールの回転軸に伝達され、これにより、前記リールがウェビング5の巻き取り方向に回転されるように構成されている。このとき、リールのベルト引き出し方向への回転は前記クラッチによりロックされる。一方、前記モータ43の非駆動時には、前記クラッチが開放されて、前記リールがモータ33とは独立して回転可能となるように構成されている。従って、前記リトラクター4も、シートベルト制御部8によりモータ43が作動されることにより、ウェビング5をリールに巻き取ってこのウェビング5に張力を付与するように構成されている。
図4は、本実施例の前記第1張力調整手段22、第2張力調整手段32、第3張力調整手段42の作動を制御するシートベルト制御部8に係る全体構成ブロック図を示している。図3に示すように、シートベルト装置1の制御装置には、シートベルト制御部8、CPU9,ROM10,RAM11(2次電池でバックアップ)、入力インターフェース(入力I/F)、出力インターフェース(出力I/F)等が設けられ、これらはデータバス等のバスで接続され、入力I/Fには、車輪速センサ71、横加速度センサ72、ヨーレイトセンサ73、舵角センサ74、前後加速度センサ75、アクセルセンサ76、ブレーキセンサ77などが接続されている。出力I/Fには、第1張力調整手段22、第2張力調整手段32、第3張力調整手段42が接続されている。尚、出力I/Fには、第1、第2、第3張力調整手段のモータ23、33、43を駆動する駆動回路を含むものとする。また、前記制御装置のROM10には、前記センサ類71〜77から入力される信号に基づいて、第1張力調整手段22、第2張力調整手段32、第3張力調整手段42の動作を制御する為の制御プログラムが格納されている。
前記シートベルト制御部8は、前記センサ類71〜77から入力される信号に基づいて、車両状態、具体的には、右旋回状態、左旋回状態、制動状態、加速状態が判定されて、第1張力調整手段22、第2張力調整手段32、第3張力調整手段42によりウェビングに付与する張力が制御される。各車両状態の判定方法については、特に限定されないが、例えば、右旋回状態及び左旋回状態は横加速度センサ72に基づいて判定、あるいは車輪速センサ71及びヨーレイトセンサ73から算出される予測横加速度に基づいて判定することができる。また、制動状態は、前後加速度センサ75、あるいはブレーキセンサ77によって判定され、加速状態は、前後加速度センサ75、あるいはアクセルセンサ76によって判定することができる。図5はその一例を示す本実施例のシートベルト制御部の機能ブロック図である。
続いて、図6を用いて各車両状態における第1〜第3張力調整手段の動作について説明する。図6は本実施例の各車両状態における第1〜第3張力調整手段の動作の概略的に示したものである。
まず、右旋回状態の第1〜第3張力調整手段の動作について説明する。車両を右旋回させる場合には、乗員の体には遠心力によって左方向に移動するような力が加わるため、乗員の右側の腰が浮くような力が加わった状態となる。このとき、乗員はシート6と接している左腰と左背中に力を入れて姿勢を保持しようとするため、乗員は上下方向に対してねじるように力を入れることになり、ステアリング操作がしにくくなるという問題が生じる。一方で、ショルダーベルト51の張力を増加させると上半身の自由度が低下し、ステアリングの操作性が悪くなるという問題が生じる。
そのため、右旋回状態においては、ラップアンカー2に設けられた第1張力調整手段によりラップベルト52の張力を増加させるようにする。すなわち、ラップベルト52と乗員の足の接触部、及びバックル3のウェビング折り返し部の摩擦力でウェビング5は所定強さで固定されているため、ラップアンカー2に配置された第1張力調整手段によりウェビング5に張力を付与することで、ラップベルト52に強い張力が付与されて、前述した右腰の浮きを抑えることができるため、乗員の上下方向に対するねじれが抑制されるとともに、ショルダーベルト51に付与される張力を抑えることができるため、上半身の自由度が確保されて、ステアリングの操作性が向上する。また、前述したようにラップベルト52と乗員の足の接触部には摩擦力でウェビング5は所定強さで固定されているため、右旋回によって浮くことになる右腰に強い拘束力が付与されて、乗員の体の上下方向のねじれが効果的に抑制されて、ステアリングの操作性が向上する。前記バックル3のウェビング折り返し部の摩擦力より、ラップベルト52と乗員の足の接触部の摩擦力の方が大きく、下半身の拘束に大きく寄与することになる。
また、ラップアンカー2に設けられた第1張力調整手段のウェビング5の引き込み量は、図5に示すようにシートベルト制御部により設定されるが、車両の横加速度が所定の加速度以上になった時に所定量引き込むようにしてもよく、車両の横加速度の変化に応じて、引き込み量を変化させるように制御してもよい。
また、右旋回状態においては、バックル3に設けられた第2張力調整手段及びリトラクター4に設けられた第3張力調整手段によりウェビング5の引き込みを行わないようにしている。すなわち、バックル3に設けた第2張力調整手段によりウェビング5に張力を付与する場合、ショルダーベルト51とラップベルト52の両方に張力が付与されるため、上半身の自由度が低下する。また、タング61とウェビングの接触部にも摩擦力が発生しているものの、前記摩擦力は小さいため、ウェビングを引き込む際に、特にショルダーベルト51の張力が増加することになる。また、リトラクター4に設けられた第3張力調整手段は、ショルダーベルトと乗員の上半身の接触部の摩擦力でウェビング5は所定強さで固定されているため、第3張力調整手段によりウェビング5を引き込むと、ショルダーベルト51に強い張力が付与されて上半身の自由度が低下する。そのため、本実施例では、第2張力調整手段及び第3張力調整手段により、ウェビング5の張力を増加させないようにしているため、上半身の自由度が確保されて、ステアリングの操作性が向上する。一方で、さまざまな車両状態において、ショルダーベルト51あるいはラップベルト52の張力を増加させる必要がある場合には、第2張力調整手段及び第3張力調整手段によりウェビング5に張力を付与されるが、その際、第1張力調整手段によるウェビング引き込み量よりも小さいウェビング引き込み量とすれば、前述した乗員の上下方向に対するねじれを抑制しつつ、上半身の自由度が確保されて、ステアリングの操作性を確保することができる。
また、右旋回状態において、本実施例では、ラップアンカー2に設けられた第1張力調整手段によるウェビング5の引き込み量が、バックル3に設けられた第2張力調整手段及びリトラクター4に設けられた第3張力調整手段によるウェビング5の引き込み量よりも、大きくなるように制御されている。すなわち、乗員がペダル操作を行う際には、ペダル操作を行う右足のかかとを床に接触させた状態から右足のかかとを支点としてペダルを踏み込むことになるが、右旋回状態において、前述した乗員の上下方向のねじれが発生した場合には、ペダル操作を行わない左足に力を入れて姿勢を保つ状態となるため、ペダル操作を行う右足のかかとを支点にするために床に押し付けにくくなり、ペダルの操作性が悪くなるが、前述した構成にすることで、前述した乗員の上下方向のねじれが抑制されるとともに、右旋回時に浮くことになる右腰には強い拘束力が付与され、浮かない左腰については強い拘束力を付与されないため、右腰と左腰がバランスよく拘束されて、左足と右足のかかとでバランスよく下半身を保持できるようになるため、ペダルの操作性が向上する。
続いて、左旋回状態の第1〜第3張力調整手段の動作について説明する。車両を左旋回させる場合には、乗員の体には遠心力によって右方向に移動するような力が加わるため、乗員の左側の腰が浮くような力が加わった状態となる。このとき、乗員はシート6と接している右腰と右背中に力を入れて姿勢を保持しようとするため、右旋回させる場合と同様に、乗員は上下方向に対してねじるように力を入れることになり、ステアリング操作がしにくくなるという問題が生じる。
そのため、左旋回状態においては、バックル3に設けられた第2張力調整手段によりラップベルト52の張力を増加させる。すなわち、ラップベルト52と乗員の足の接触部、及びバックル3のウェビング折り返し部の摩擦力でウェビング5は所定強さで固定されているため、バックル3に配置された第2張力調整手段によりウェビング5に張力を付与することで、ラップベルト52に張力が付与されて、前述した左腰の浮きを抑えることができるため、乗員の上下方向に対するねじれが抑制することができるため、ステアリングの操作性が向上する。また、前述したようにラップベルト52と乗員の足の接触部には摩擦力でウェビング5は所定強さで固定されているため、左旋回によって浮くことになる左腰に強い拘束力が付与されて、乗員の体の上下方向のねじれが効果的に抑制されて、ステアリングの操作性が向上する。一方で、バックル3に設けられた第2張力調整手段によりウェビング5に張力を付与する場合、前述したようにショルダーベルト51の張力も増加するため、第2張力調整手段のみによって、ラップベルト52に強い張力を付与しようとすると、ショルダーベルトにも強い張力が付与されて、上半身の自由度が低下する。そのため、本実施例では、ラップアンカー2に設けられた第1張力調整手段からもウェビング5に張力を付与するようにして、前記第2張力調整手段によるウェビング引き込み量を抑えて、ショルダーベルト51の張力増加を抑えつつ、ラップベルト52に強い張力を付与するようにしている。これにより、前述した乗員の上下方向に対するねじれを抑制しつつ、上半身の自由度を確保して、ステアリングの操作性を確保することができる。
また、バックル3に設けられた第2張力調整手段によるウェビング5の引き込み量と、ラップアンカー2に設けられた第1張力調整手段によるウェビング引き込み量は、図5に示すようにシートベルト制御部により設定されるが、車両の横加速度が所定の加速度以上になった時に所定量引き込むようにしてもよく、車両の横加速度の変化に応じて、引き込み量を変化させるように制御してもよい。
また、左旋回状態においては、右旋回状態と左旋回状態における横加速度の大きさが同じ状態のときには、左旋回状態におけるバックル3に設けられた第2張力調整手段によるウェビング5の引き込み量が、右旋回状態におけるラップアンカー2に設けられた第1張力調整手段及びリトラクター4に設けられた第3張力調整手段によるウェビング5の引き込み量よりも、大きくなるように制御されている。すなわち、前述したように、乗員がペダル操作を行う際には、ペダル操作を行う右足のかかとを床に接触させた状態から右足のかかとを支点としてペダルを踏み込むことになるが、左旋回状態において、前述した乗員の上下方向のねじれが発生した場合には、ペダル操作を行う右足に力を入れて姿勢を保つ状態となるため、右足でペダルを踏み込みにくくなるが、前述した構成にすることで、前述した乗員の上下方向のねじれが抑制されるとともに、左旋回時に浮ことになる左腰には強い拘束力が付与されて、浮かない右腰については強い拘束力を付与されないため、右腰と左腰がバランスよく拘束されて、左足と右足のかかとでバランスよく下半身を保持できるようになるため、ペダルの操作性が向上する。
続いて、制動状態の第1〜第3張力調整手段の動作について説明する。車両を制動させるためにブレーキペダルを踏み込む際には、乗員は、背中下部でシートを押し付けて、ブレーキペダルを操作する右足に力を入れようとするため、背中上部の上体が前方に倒れるような力が加わる。また、制動時には慣性力によって、乗員の体は前方に移動しようとする。このとき、乗員は姿勢を保持しようとして、ステアリングを持つ手に力を入れることになるため、ステアリングの操作性が悪化する。
そのため、制動状態においては、リトラクター4に設けられた第3張力調整手段によりショルダーベルト51の張力を増加させるようにする。このようにすることで、前述したステアリングを持つ手に力を入れる必要が無くなり、ステアリングの操作性が向上する。また、制動状態のときには、前述した旋回時における乗員の体の上下方向に対するねじれは発生しないため、ラップアンカー2に設けられた第1張力調整手段及びバックル3に設けられた第2張力調整手段によりウェビング5に張力を付与しないようにしているとともに、乗員の下半身を必要以上に拘束しないようにして、ペダル操作を行う足の自由度を確保している。
また、リトラクター4に設けられた第3張力調整手段によるウェビング5の引き込み量は、車両の前後加速度が所定の加速度以上になった時に所定量引き込むようにしてもよく、車両の前後加速度の変化に応じて、引き込み量を変化させるように制御してもよい。
続いて、加速状態の第1〜第3張力調整手段の動作について説明する。加速状態のとき、乗員は慣性力によってシートに体が押し付けられ、ショルダーベルト51とラップベルト52にはゆるみが生じて、乗員の不安感が増すことになる。
そのため、本実施例では、ラップアンカー2に設けられた第1張力調整手段と、バックル3に設けられた第2張力調整手段によりウェビング5に張力を付与するようにしている。このようにすることで、前述したラップベルト52のゆるみが解消されて、乗員の安心感を増すことができる。一方で、リトラクター4に設けられた第3張力調整手段によりウェビング5に張力を付与しないようにすることで、乗員の上半身の自由度が確保されて、ステアリングの操作性を確保することができる。なお、制動状態におけるブレーキペダルの踏み込みよりも、加速状態におけるアクセルペダルの踏み込みの方が、必要な力が小さいため、ラップベルト52を強く拘束したとしても、アクセルペダルの操作性は確保される。
また、ラップアンカー2に設けられた第1張力調整手段によるウェビング引き込み量と、バックル3に設けられた第2張力調整手段によるウェビング5の引き込み量は、車両の前後加速度が所定の加速度以上になった時に所定量引き込むようにしてもよく、車両の前後加速度の変化に応じて、引き込み量を変化させるように制御してもよい。
なお、本実施例では、右ハンドルの車両用シートベルト装置に本発明を適用しているが、左ハンドル車にも適用することができる。また、助手席等の運転席以外の座席についても、乗員の体を適切に拘束するために本発明を適用することができる。また、摩擦抵抗の高いウェビングを用いれば、本発明の効果がさらに高まる。
以上のように、本発明によれば、車両旋回時において、乗員の下半身のシートへの拘束力を高めると共に、乗員の上半身を強く拘束力しないようにしているため、ステアリングの操作性を向上させることができるため、車両用シートベルト装置において、好適に利用される可能性がある。
1:車両用シートベルト装置
2:ラップアンカー
3:バックル
4:リトラクター
5:ウェビング
8:シートベルト制御部
22:第1張力調整手段
32:第2張力調整手段
42:第3張力調整手段
23、33、43:モータ
51:ショルダーベルト
52:ラップベルト
61:タング
62: スリップガイド

Claims (6)

  1. 車両用シートに着座した乗員の肩部から腰部にかけて斜めに掛け渡されるショルダーベルトと、前記ショルダーベルトに一体的に連なり乗員の腰部を跨いで車幅方向に延びるように設置されたラップベルトと、からなるウェビングと、
    車体に固定され前記ウェビングのショルダーベルト側の端部を巻取可能に支持するリトラクターと、
    車体に固定され前記ウェビングのラップベルト側の端部を支持するラップアンカーと、
    前記ウェビングを摺動自在に保持する摺動部が設けられたタングと、
    前記タングが着脱可能に係止されるバックルと、を備えた車両用シートベルト装置において、
    車両の旋回を検出する車両旋回検出手段と、
    前記ラップアンカーに設けられ前記ラップアンカーから前記ウェビングを所定量引き込むことにより前記ウェビングに付与される張力を調整する第1張力調整手段と、
    記車両旋回検出手段の出力を受けて、車両旋回時に、前記第1張力調整手段により前記ラップベルトに付与する張力を増加させる制御手段と、を有することを特徴とする車両用シートベルト装置。
  2. 前記制御手段は、前記ラップアンカー側に車両を旋回させる時に前記第1張力調整手段によりラップベルトに付与する張力を増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートベルト装置。
  3. 前記バックルに設けられ前記バックルから前記ウェビングを所定量引き込むことにより前記ウェビングに付与する張力を調整可能な第2張力調整手段を備え、
    前記制御手段は、少なくとも旋回方向側に配置された張力調整手段によりラップベルトに付与する張力を増加させることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートベルト装置。
  4. 前記制御手段は、旋回方向側に配置された張力調整手段によるウェビング引き込み量が、旋回方向側以外に配置された張力調整手段によるウェビング引き込み量よりも大きくなるように制御することを特徴とする請求項3に記載の車両用シートベルト装置。
  5. 前記制御手段は、前記旋回方向側に配置された張力調整手段が第2張力調整手段であるときの第2張力調整手段によるウェビング引き込み量が、前記旋回方向側に配置された張力調整手段が第1張力調整手段であるときの第1張力調整手段によるウェビング引き込み量よりも大きくなるように制御することを特徴とする請求項4に記載の車両用シートベルト装置。
  6. 前記リトラクターに設けられ前記リトラクターから前記ウェビングを所定量引き込むことにより前記ウェビングに付与する張力を調整可能な第3張力調整手段を備え、
    前記制御手段は、前記第3張力調整手段によるウェビング引き込み量が、前記第1張力調整手段及び前記第2張力調整手段によるウェビング引き込み量以下となるように制御することを特徴とする請求項5に記載の車両用シートベルト装置。
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