JP2014193154A - ユーグレナの形質転換体 - Google Patents

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Abstract

【課題】増殖細胞数,細胞サイズ,クロロフィル量,光合成活性及び呼吸活性が向上し、ユーグレナ培養における収量性が向上されたユーグレナの形質転換体を提供する。
【解決手段】ラン藻由来のフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする遺伝子が、ユーグレナに導入されたユーグレナの形質転換体である。ユーグレナは、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)である。
【選択図】図6

Description

本発明は、培養における収量性が向上されたユーグレナの形質転換体に関する。
ユーグレナ(属名: Euglena,和名:ミドリムシ)は、食糧,飼料,燃料等としての利用が有望視されている。
例えば、ユーグレナは、ビタミン,ミネラル,アミノ酸,不飽和脂肪酸など、人間が生きていくために必要な栄養素の大半に該当する59種類もの栄養素を備え、多種類の栄養素をバランスよく摂取するためのサプリメントとしての利用や、必要な栄養素を摂取できない貧困地域での食糧供給源としての利用の可能性が提案されている。
更に、ユーグレナは、高タンパクで栄養価が高いため、家畜や養殖魚の飼料としての活用も期待されている。
また、ユーグレナは、光合成によって二酸化炭素を固定して成長するとき、油脂分を作り出しており、これはバイオ燃料の元として利用可能である。
バイオ燃料は、石油などの化石燃料と違って資源が枯渇する心配がない。また、化石燃料は燃料として使用することで新たに二酸化炭素を排出するが、バイオ燃料は、原料となる植物,藻類が成長する際に二酸化炭素を固定し、それを燃料として排出する。従って、全体で見れば二酸化炭素の排出量が増えないことになり、温暖化の防止に効果があるものと考えられている。
更に、トウモロコシ等、加食部を原料とするバイオ燃料は、バイオ燃料としての用途と食糧としての用途とが競合し、バイオ燃料として用いることにより食糧の不足や値上がりを引き起こす恐れがあるが、ユーグレナは、現状、加食部としての消費がないことから、食糧としての用途との競合が生じない。
以上のように、ユーグレナは、食糧,飼料,燃料としての利用が有望視され、長い間、注目を浴びてきた。しかしユーグレナは、食物連鎖の最底辺に位置し、捕食者により捕食されることや、光,温度条件,撹拌速度などの培養条件が他の微生物に比べて難しいなどの理由から、大量培養に成功した例は、非常に少なく、本発明者らが成功した以外には知られていない。
更に、稀少なユーグレナの大量培養のプラントにおいて、少しでもユーグレナの収量を増加させ、ユーグレナを安定供給するための試みが、種々進められている。例えば、遺伝子導入によるユーグレナの形質転換は、ユーグレナの収量増加を達成する一つの手段として期待されるが、収量を増加させる形質転換に成功した例は知られていない。
一方、葉緑体は、その生物の分化状態により形態,機能が大きく異なり、構成する蛋白質の種類も異なる。葉緑体分化は、核と葉緑体のゲノムにコードされた種々の遺伝子が、分化段階に応じた協調的,段階的な発現制御を受けることによって起こる。
このような葉緑体分化における遺伝子の発現制御については、殆ど明らかになっておらず、ある遺伝子配列を、ある植物へ導入することに成功したとしても、その遺伝子配列を、他の植物へ導入できるという期待感は非常に薄い。また、遺伝子導入に成功したとしても、導入した遺伝子の効果が必ずしも高くなるとは限らない。
従って、高等植物や藻類への遺伝子導入の成功例は、必ずしも、ユーグレナ細胞への遺伝子導入の方向性のガイドとなるものではない。
特に、ユーグレナ細胞は、遺伝子導入の研究を難しくしている特有の性質を備えている。例えば、ユーグレナ細胞のDNA量は、藻類やカビ類の50〜100倍に達し、哺乳類に近いことが知られている。このように大きなゲノムがすべて読み取られ、蛋白質の遺伝子となっているとは考えられず、少なくともゲノムは多くの繰返しDNAから形成されていると考えられる点で、ユーグレナのゲノムは、微生物のゲノムとしては特徴的であると考えられている。
また、ユーグレナは、性を持たず、減数分裂を行わないので、遺伝的に極めて安定な生物であると信じられてきた。ユーグレナへの遺伝子導入は、種々試みられてきたが、遺伝子導入が起こりにくいだけでなく、遺伝子が導入されてもすぐに排除される特徴がある。
ユーグレナの核由来の栄養素要求性変異株が一例報告されているが確認されておらず、他に核又はミトコンドリアの遺伝子に関わる変異株も知られていない状況(非特許文献1)は、現在も変わっていない。
北岡正三郎編「ユーグレナ 生理と生化学」学会出版センター,1989年12月10日初版発行,第2頁
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、増殖細胞数,細胞サイズ,クロロフィル量,光合成活性及び呼吸活性が向上し、ユーグレナ培養における収量性が向上されたユーグレナの形質転換体を提供することにある。
本発明者らは、ユーグレナの食糧,飼料,燃料等として期待される将来性と、突然変異が起こりにくく、安定した遺伝子構造を備えるというユーグレナへの遺伝子導入実現の技術的障壁との溝を埋めるべく、数多くの遺伝子導入方法及び導入遺伝子を試行した。
その結果、ラン藻由来のフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする遺伝子が、ユーグレナの細胞に導入可能であると同時に、その形質転換体の収量性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題は、請求項1のユーグレナの形質転換体によれば、ラン藻由来のフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする遺伝子が、ユーグレナに導入されたユーグレナの形質転換体であること、により解決される。
ユーグレナの形質転換体を、このように構成しているため、増殖細胞数,細胞サイズ,クロロフィル量,光合成活性及び呼吸活性が向上されたユーグレナの形質転換体を得ることができる。
その結果、培養時におけるユーグレナ自体の収量性を向上でき、また、ユーグレナの栄養成分等の有用成分の収量増大や、ユーグレナの機能向上を図ることができる。
また、大量培養が技術的に難しいユーグレナの収量性や機能を向上させることができ、食糧、飼料、燃料等の用途のためのユーグレナの大量供給の実現化の途を開くことが期待できる。
また、ラン藻由来のフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする遺伝子を導入しているため、従来非常に難しいと信じられていたユーグレナの形質転換体を得ることが可能となった。
このとき、前記ユーグレナが、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)であってもよい。
このように構成しているため、食糧,飼料,燃料等に適したユーグレナの形質転換体を得ることができる。
また、前記遺伝子は、以下の(a)又は(b)の蛋白質をコードする遺伝子であるとよい。
(a)配列番号2に示すアミノ酸配列の第1番目〜第356番目のアミノ酸配列からなる蛋白質
(b)配列番号2に示すアミノ酸配列の第1番目〜第356番目のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が置換,欠失,挿入,及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質
また、前記遺伝子は、以下の(c)又は(d)の塩基配列を含むとよい。
(c)配列番号1に示す塩基配列の第181番目〜第1251番目の塩基配列
(d)配列番号1に示す塩基配列の第181番目〜第1251番目の塩基配列において、1又は数個の塩基が置換,欠失,挿入,及び/又は付加された塩基配列からなり、かつフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする塩基配列
このように構成しているため、従来非常に難しいと信じられていたユーグレナの形質転換体を得ることが可能となった。
また、前記遺伝子は、前記ユーグレナの核ゲノム及び/又は葉緑体ゲノムに導入されているとよい。
本発明によれば、増殖細胞数,細胞サイズ,クロロフィル量,光合成活性及び呼吸活性が向上されたユーグレナの形質転換体を得ることができる。
その結果、培養時におけるユーグレナ自体の収量性を向上でき、また、ユーグレナの栄養成分等の有用成分の収量増大や、ユーグレナの機能向上を図ることができる。
また、大量培養が技術的に難しいユーグレナの収量や機能を向上させることができ、食糧、飼料、燃料等の用途のためのユーグレナの大量供給の実現化の途を開くことが期待できる。
また、ラン藻由来のフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする遺伝子を導入しているため、従来非常に難しいと信じられていたユーグレナの形質転換体を得ることが可能となった。
ユーグレナへの導入用の直鎖状遺伝子断片のDNAフラグメントを示す模式図である。 ユーグレナにおける導入遺伝子及び発現蛋白質の確認を示す図である。 ユーグレナの形質転換体と野生種を培養したときの増殖細胞数を示す図である。 ユーグレナの形質転換株と野生種の培養8日目の外観を示す写真である。 ユーグレナの形質転換体と野生種のクロロフィル量を示す図である。 ユーグレナの形質転換体と野生種の光合成活性及び呼吸活性を示す図である。 ユーグレナの形質転換体と野生種を培養したときの増殖細胞数を示す図である。 野生株と形質転換株の培養液中の炭水化物含量の対比を示すグラフである。 ユーグレナの形質転換株と野生種を培養したときのムシレージの蓄積状態を対比した写真である。
(ユーグレナの形質転換体の例)
以下、本発明の一実施形態に係るユーグレナの形質転換体について詳細に説明する。
本発明のユーグレナの形質転換体は、ユーグレナに、ラン藻由来のフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする遺伝子が、導入されてなる。
(ユーグレナ)
遺伝子が導入されるユーグレナは、池や沼などの淡水中に広く分布しており、これらから分離して使用してもよく、また、すでに単離されている任意のユーグレナを使用してもよい。
本実施形態の方法により遺伝子が導入されるユーグレナとしては、Euglena属に含まれるユーグレナ・グラシリス,ユーグレナ・グラシリス・クレブス,ユーグレナ・グラシリス・バルバチラス等の種が用いられ、特に、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)Z株,その変異株SM-ZK 株(葉緑体欠損株)や変種のvar. bacillarisが好適に用いられる。また、これらの種の葉緑体の変異株等の遺伝子変異株を用いてもよい。
(導入遺伝子)
本発明のユーグレナの形質転換体には、ラン藻由来のフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする遺伝子が導入されている。
ラン藻由来のフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする遺伝子としては、例えば、ラン藻Synechococcus PCC 7942より単離したフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(以下、FBPaseという)/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼ(以下、SBPaseという)をコードする遺伝子を用いることができる。
ラン藻Synechococcus PCC 7942より単離したFBPase/SBPaseは、カルビンサイクルの律速酵素となり得る蛋白質である。
この蛋白質は、原核藻類であるラン藻に広く分布する酵素であり、高等植物葉緑体のFBPaseおよびSBPaseとは、一次構造および酵素学的性質が異なっている。また、一つの蛋白質で、FBPaseおよびSBPaseの2つの酵素活性を有するバイファンクショナル酵素である。
FBPase/SBPase活性を有する蛋白質としては、例えば、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質を挙げることができる。なお、配列番号2で示すアミノ酸配列のうち、第1番目〜第356番目のアミノ酸配列が、FBPase/SBPase活性を有する部分であるため、第1番目〜第356番目のアミノ酸配列を備えていればよい。
FBPase/SBPase活性を有する蛋白質には、配列番号2に示すアミノ酸配列の第1番目〜第356番目のアミノ酸配列のうち、1又は数個のアミノ酸が欠失,置換,付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を有する蛋白質も含まれる。
FBPase/SBPase活性を有する蛋白質には、配列番号2に示すアミノ酸配列の第1番目〜第356番目のアミノ酸配列と、それぞれ少なくとも60%以上の相同性を有する蛋白質、好ましくは80%以上の相同性を有する蛋白質、より好ましくは90%以上の相同性を有する蛋白質、さらに好ましくは95%以上の相同性を有する蛋白質であって、かつFBPase/SBPase活性を有する蛋白質も含まれる。
なお、本明細書でアミノ酸配列について「相同」というときは、蛋白質の一次構造を比較し、配列間において各々の配列を構成するアミノ酸残基の一致の程度の意味で用いる。
また、アミノ酸配列について、「1又は数個(2〜6個程度)のアミノ酸が欠失、置換、付加もしくは挿入」というときは、部位特異的突然変異誘発法などの周知の技術的方法により、天然に生じうる程度の数が、欠失,置換,付加又は挿入などされていることを意味する。
ラン藻由来のFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子としては、例えば、配列番号1で示される塩基配列からなる遺伝子を挙げることができる。なお、配列番号1で示す塩基配列のうち、酵素を発現する構造遺伝子部分は、第1〜第1068番目の塩基配列であるため、この部分の塩基配列を備えていればよい。
ラン藻由来のFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子には、配列番号1に示されるDNA配列において、1又は数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列を有し、かつFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードするDNAが含まれる。塩基配列について、「1又は数個の塩基が欠失,置換,付加もしくは挿入」というときは、部位特異的突然変異誘発法などの周知の技術的方法により、天然に生じうる程度の数(1〜数個)の塩基が、欠失、置換、付加又は挿入などされていることを意味する。
また、本発明に使用されるFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子には、配列番号1に示されるDNA配列と、それぞれ相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする塩基配列からなるDNAが含まれる。
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとは、上記DNAをプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法などを用いることにより得られるDNAを意味する。ストリンジェントな条件とは、塩濃度、0.1〜2倍程度の濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムよりなる。)、温度約65℃程度でのハイブリダイズ条件をいう。
さらに本発明に使用されるFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子には、配列番号1に示されるDNA配列と、それぞれ少なくとも60%以上の相同性を有し、FBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする塩基配列からなるDNAが含まれる。
相同性を有するDNAとは、ハイストリンジェントな条件において、少なくとも約60%以上の相同性を有するDNA、好ましくは約80%以上の相同性を有するDNA、より好ましくは、約90%以上の相同性を有するDNA、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有するDNAをいう。
なお、ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM程度、好ましくは約19〜20mM程度で、温度が約50〜70℃程度、好ましくは約60〜65℃程度の条件をいう。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃程度の場合が最も好ましい条件である。
(遺伝子の導入方法)
本発明のユーグレナの形質転換体は、ユーグレナに、ラン藻由来のFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子を導入することにより作製される。
以下、本発明のユーグレナの形質転換体を作製するための遺伝子の導入方法について説明する。
遺伝子導入は、ユーグレナの細胞に、ラン藻由来のFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子を含む直鎖状遺伝子断片でコーティングしたマイクロキャリアを、ユーグレナの細胞にパーティクルガン法により撃ち込むことにより行われる。
(直鎖状遺伝子断片)
遺伝子導入に用いる直鎖状遺伝子断片は、図1に一例を模式図で示すものであり、ラン藻由来のFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子の発現カセットを含む。
発現カセットは、ラン藻由来のFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子(fbp/sbp)の翻訳開始点の上流に、葉緑体移行ペプチドを有することが好ましい。
葉緑体移行ペプチドとしては、植物のリブロース−1,5−二リン酸カルボキシラーゼ小サブユニット(RbcS)由来の輸送ペプチドであるrbcS−TPを用いるとよい。
発現カセットは、葉緑体移行ペプチドの上流に更に、翻訳を促進する配列である翻訳エンハンサー領域を有することが好ましい。
翻訳エンハンサー領域としては、例えば、ADH(Alcohol Dehydrogenase)遺伝子由来の5’非翻訳領域(5’−UTR)(AtADH5´−UTR)を好ましく用いることができる。
発現カセットは、翻訳エンハンサー領域の上流に更に、植物での遺伝子発現のためのプロモーターを有することが好ましい。
該プロモーターは、翻訳エンハンサー領域の上流であれば、翻訳エンハンサー領域に隣接してもよく、約1〜30塩基程度上流にあってもよい。
該プロモーターとしては、例えば、エロンゲーションファクター1α遺伝子のプロモーター(EF1αプロモーター),35Sプロモーター,psbAプロモーター,PPDKプロモーター,PsPAL1プロモーター,PALプロモーター,UBIZM1ユビキチンプロモーター,rrnプロモーター等が挙げられる。カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター等を特に好ましく用いることができる。
また、直鎖状遺伝子断片には、遺伝子組換え体を識別するための選択マーカー遺伝子を有することが好ましい。選択マーカー遺伝子としては、特に限定されず、公知のものを用いてよい。
そのような遺伝子としては、例えば、各種の薬剤耐性遺伝子(aadA),及び宿主の栄養要求性を相補する遺伝子などが挙げられる。より具体的には、例えば、アンピシリン耐性遺伝子,ネオマイシン耐性遺伝子(G418耐性),クロラムフェニコール耐性遺伝子,カナマイシン耐性遺伝子,スペクチノマイシン耐性遺伝子,URA3遺伝子等が挙げられる。特に、アミノ配糖体系抗生物質を不活性化させるAPH(3´)II(NPTII)蛋白質を発現するカナマイシン抵抗性遺伝子(NPTII遺伝子(kanr遺伝子))が好適に用いられる。
また、該遺伝子の上流及び下流には、それぞれ該遺伝子を認識するためのプロモーター及び該遺伝子のターミネーターを配することが好ましい。該プロモーター及びターミネーターは、上記した植物由来のプロモーター及びターミネーターを好ましく使用できるが、土壌細菌Agrobacterium tumefaciens(アグロバクテリウム)のnopaline synthase(NOS)遺伝子由来のNOSプロモーター(P−NOS)及びNOSターミネーター(T−NOS)が特に好適である。
本発明の直鎖状遺伝子断片は、この直鎖状遺伝子断片の配列を備えたバイナリーベクターを、制限酵素で処理して、LB,RBに挟まれたT−DNA領域のみを得ることにより調整される。
本明細書において、直鎖状遺伝子断片とは、遊離の5’末端と3’末端をもつDNA断片のことであり、環状DNAではないことを意味する。また、直鎖状遺伝子断片の実際の形状としては、必ずしも直線状ではなく、湾曲や、ねじれがあってもよい。本実施形態の遺伝子導入時の直鎖状遺伝子DNA断片の形態は、二本鎖であっても、一本鎖であってもよいが、二本鎖が好ましい。
なお、環状のプラスミドベクターを用いた場合には、アグロバクテリウム法,エレクトロポレーション法等、種々の遺伝子導入方法によっても、ユーグレナに遺伝子が導入されにくく、ユーグレナに遺伝子が導入されたとしても一過性の発現であるのに対し、直鎖状遺伝子断片を用いた場合には、驚くべきことに、直接的遺伝子導入方法により、遺伝子導入に成功すると同時に、ユーグレナ細胞内で安定的に外来遺伝子が維持されるものである。
(遺伝子導入の流れ)
ユーグレナへの遺伝子導入方法は、次のような流れで行う。
まず、ユーグレナの前培養を行う。
次いで、公知のパーティクルガン法により、前述の直鎖状遺伝子断片をユーグレナへ導入する遺伝子導入を行う。
遺伝子導入は、公知の火薬銃(ショットガン)式,アーク放電式,窒素ガス圧式,圧縮空気厚(エアーガン)式,ヘリウム方式のパーティクルガン装置を用いることができるが、カートリッジ内に設置したDNAコーティング粒子に直接ヘリウムガスを吹き付けて発射させるヘリウム方式装置を用いることが好ましい。
また、本発明で実施される遺伝子の導入は、パーティクルガン法に限られるものではなく、前述の直鎖状遺伝子断片を直接導入するものであればよい。特に、機械的な力を加えて外来遺伝子を細胞に直接導入する直接的遺伝子導入法と呼ばれる方法を用いると好適であり、例えば、エレクトロポレーション法,マイクロインジェクション法,PEG法(ポリエチレングリコール法)等を用いることができる。
上記バイナリーベクターからLB,RBに挟まれたT−DNA領域をPCRで増幅し、直鎖状遺伝子断片を得る。
公知の乾燥粒子法により、増幅した直鎖状遺伝子断片で、金,タングステン等の金属の微粒子からなるマイクロキャリアをコーティングし、ヘリウム方式の装置を用いたパーティクルガン法により、遺伝子導入する。
導入後、24時間静置培養を行い、直鎖状遺伝子断片に含まれる選択マーカー遺伝子に対応する抗生物質を含むCM培地に置き換え、数週間選抜する。
出現した抗生物質耐性株をCM培地で懸濁し、選抜培地上にプレーティングする。1週間後に出現したコロニーを画線培養し、更に選抜を行う。得られた抗生物質耐性株を用いて、PCR及びウエスタンブロット解析を行う。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1:ユーグレナへの遺伝子導入)
上記実施の形態の欄に記載の方法に従って、ユーグレナへの遺伝子導入を行った。
まず、ユーグレナの前培養を行った。
ユーグレナを、Koren-Hutner培地(以下、KH培地,アルギニン塩酸塩:0.5g/L,アスパラギン酸:0.3g/L,グルコース:12g/L,グルタミン酸:4g/L,グリシン0.3g/L,ヒスチジン塩酸塩0.05g/L,リンゴ酸:6.5g/L,クエン酸3Na:0.5g/L,コハク酸2Na:0.1g/L,(NH)2SO:0.5g/L,NHHCO:0.25g/L,KHPO:0.25g/L,MgCO:0.6g/L,CaCO:0.12g/L,EDTA−Na:50mg/L,FeSO(NHSO・6HO:50mg/L,MnSO・HO:18mg/L,ZnSO・7HO:25mg/L,(NHMo24・4HO:4mg/L,CuSO:1.2mg/L,NHVO:0.5mg/L,CoSO・7HO:0.5mg/L,HBO:0.6mg/L,NiSO・6HO:0.5mg/L,ビタミンB:2.5mg/L,ビタミンB12:0.005mg/L,(pH3.5))連続光照射条件で5日間培養,又は、KH培地遮光条件で4日間培養後、連続光照射条件で1日間培養を行った。回収した培養液を3,000rpm,室温で10分遠心分離し、回収したユーグレナの沈殿に滅菌水を加えて洗浄後、3,000rpmで10分遠心分離した。その後、細胞数2×10cells/mLの試料2mLを減圧吸引しながらメンブレンフィルター(MILLIPORE社製)に吸着させ、このメンブレンフィルターを、Cramer-Myers寒天培地(以下、CM寒天培地、アガロース:1g/L,(NHHPO:1.0g/L,KHPO:1.0g/L,MgSO・7HO:0.2g/L,CaCl・2HO:0.02g/L,クエン酸3Na・2HO:0.8g/L,Fe(SO・7HO:3mg/L,MnCl・4HO:1.8mg/L,CoSO・7HO:1.5mg/L,ZnSO・7HO:0.4mg/L,NaMoO・2HO:0.2mg/L,CuSO・5HO:0.02g/L,チアミン塩酸塩(ビタミンB):0.1mg/L,シアノコバラミン(ビタミンB12):0.0005mg/L(pH3.5))の上に置き、シャーレをアルミホイルで遮光し、培養チャンバーにて24時間静置培養した。
また、ユーグレナに導入する直鎖状遺伝子断片を調整した。
植物用バイナリーベクターpRI101−35S(タカラバイオ社製)のマルチクローニングサイトに、FBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子(fbp/sbp,配列番号1で示される塩基配列からなる遺伝子を、本発明者らがクローニングしたもの)および抗生物質耐性遺伝子(NPTII)と、その翻訳開始点の上流に、葉緑体移行ペプチドrbcS−TP(名古屋大学杉田氏より入手)とを挿入し、図1のT−NDAを含むバイナリーベクターpRI101−AN−35S(TP)fbp/sbpを作製した。
次いで、図1のLBおよびRBで挟まれた領域をPCRにより増幅させ、直鎖状遺伝子断片を得た。
増幅した直鎖状遺伝子断片で、公知の乾燥粒子法により、金の微粒子をコーティングした。このときの金の微粒子は、径が0.26μmのものを用いた。
その後、公知のヘリウム方式装置を用いて、メンブレン上で前培養を行ったユーグレナにパーティクルガン法(圧力:900psi,距離:9cm)により金粒子を打ち込み、ユーグレナ細胞内へ直鎖状遺伝子断片の導入を行った。更に、1日間遮光培養した後、抗生物質カナマイシン(50μg/ml)を含むCM寒天培地にうつし、2週間ごとに置き換え、形質転換体の選抜を行った。カナマイシンは、直鎖状遺伝子断片に含まれる選択マーカーのカナマイシン抵抗性遺伝子(NPTII遺伝子)に対応する抗生物質である。
これまでに、様々な遺伝子の導入条件を検討してきたが、上記の方法でのみ成功することができた。得られた抗生物質耐性株を用いてPCR及びウエスタンブロット法による発現確認を行った結果、形質転換されていることが明らかになった。
出現した抗生物質耐性株をCM培地で懸濁し、選抜培地上にプレーティングした。1週間後に出現したコロニーを画線培養し、更に選抜を行った。選抜により得られたコロニーそれぞれについてPCRを行ったところ、図2(A)のように、0.57kbpの位置にシグナルが認められた。これは、核ゲノム中に、FBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする塩基配列が形質転換体8系統に導入されたされたことを示している。得られた8系統の形質転換体を、PR2−1〜PR2−8と命名し、ウエスタンブロット解析を行った。
その結果、図2(B)に示すように、PR2−1,PR2−2,PR2−7の少なくとも3系統について、ラン藻由来のFBPase/SBPase活性を有する蛋白質を示す40kDaのシグナルが検出された。
(実施例2:形質転換体と野生株との生育比較)
上記実施の形態の欄に記載の方法に従って、ユーグレナへの遺伝子導入を行った。
ユーグレナの前培養条件は、5日間連続光培養したほかは、実施例1と同様とした。
直鎖状遺伝子断片としては、植物用バイナリーベクターpBI121−35S(タカラバイオ社製)と、実施例1と同様のpRI101−35Sの2種類を用い、これらのバイナリーベクターのマルチクローニングサイトに、FBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする遺伝子(fbp/sbp,配列番号1で示される塩基配列からなる遺伝子を、本発明者らがクローニングしたもの)と、その翻訳開始点の上流に、葉緑体移行ペプチドrbcS−TP(名古屋大学杉田氏より入手)とを挿入して、pBI121−35S:fbp/sbpとpRI101−35S:fbp/sbpベクターを作製した。
これらのベクターのLBおよびRBで挟まれた領域をPCRにより増幅させ直鎖状遺伝子断片を得た後、実施例1と同様の条件で、パーティクルガン法により、ユーグレナに遺伝子導入を行った。
導入後、実施例1と同様の手順により、選抜を行い、得られた薬剤耐性株から、3株の形質転換体が得られた。得られた3株のうち形質転換体(EpFS−1)を野生株とセル数をそろえて抗生物質を抜いたCM培地1Lに植え継ぎ、以下の生育比較実験を行った。
形質転換体(EpFS−1)と野生株を、抗生物質を含まないCM培地(1L)にセル数を合わせて植え継ぐ実験を、2回行った(図3の第1回実験,第2回実験)。経時的にそれらのサンプルを採取し、細胞数の測定,細胞の大きさの観察,さらにクロロフィル量の測定を行った。また、定常期(植菌後14日目)の細胞を用い、酸素電極を用いて光合成活性、呼吸活性の測定を行った。
その結果、野生株と比較して、図4に示すように形質転換株(EpFS−1)の細胞の大きさは大きく、図3に示すように、定常期における細胞数が約1.4倍であった。また、図5に示すように、形質転換株(EpFS−1)の体積あたり及びセル数あたりのクロロフィル量は、野生株と比較して、約1.5倍増加する傾向にあった。
更に、実施例3で後述する図6に示すように、形質転換株(EpFS−1)の光合成活性及び呼吸活性は、ともに野生株と比較して高い傾向にあった。
(野生株と形質転換株の平均粒子径及び細胞体積の対比)
図4において、野生株と形質転換株(EpFS−1)の細胞サイズの写真を示したが、細胞サイズの対比を視覚だけでなく定量的に対比するために、次の培養を行い、両株の細胞サイズを対比した。
培養条件は、次の通りであった。
実施例2の遺伝子導入で得た形質転換株(EpFS−1)と野生株を、CM培地(pH5.5)にて、50mL容試験管内において、水温29℃、24時間連続照射(200μmol/m/s)の光条件にて、空気のみ、及び空気に5%COを混合したガスを流量50ml/minで通気して、6日間培養した。
培養6日目のユーグレナ細胞を採集し、CDA−1000(sysmex社)で平均粒子径の測定を行った。また、体積については、平均粒子径を直径として4/3πrに代入し、算出した。その結果を、表1に示す。
表1の結果の通り、空気のみ、空気に5%COを混合したガスのどちらを通気した場合も、野生株よりも形質転換株(EpFS−1)の方が、平均粒子径が大きく、したがって平均粒子径から算出される体積も大きいことが、定量的に示された。
(野生株と形質転換株の培養液中の炭水化物含量の対比)
また、ユーグレナの培養液中の炭水化物含量が、野生株と形質転換株(EpFS−1)との間で差があるかについて対比した。
(野生株と形質転換株の平均粒子径及び細胞体積の対比)と同様の手順で、ユーグレナの野生株と形質転換株(EpFS−1)を6日間培養した。
培養6日目のユーグレナ培養液を回収し、95℃で1時間加熱した。加熱後、遠心分離(4,000rpm,5分)し、上層のみを回収した。上層には、ユーグレナ細胞が含まれていないため、このようにして上層のみを回収することで、ユーグレナ細胞を除去した。次いで、回収した上層について、フェノール・硫酸法により炭水化物含量を定量した。この炭水化物は、ユーグレナが細胞外に分泌する粘質性の多糖体であり、ムシレージと呼ばれている。
定量結果を、図8に示す。
野生株と形質転換株(EpFS−1)それぞれを培養した培地に含まれる炭水化物量を比較したところ、形質転換株(EpFS−1)を培養した培地の方が多く、野生株よりも、形質転換株(EpFS−1)において、ムシレージが多く分泌されていた。
(実施例3:遺伝子導入後の培養)
実施例2で遺伝子導入を行った後、Cramer-Myers培地(以下、CM培地,(NHHPO:1.0g/L,KHPO:1.0g/L,MgSO・7HO:0.2g/L,CaCl・2HO:0.02g/L,クエン酸3Na・2HO:0.8g/L,Fe(SO・7HO:3mg/L,MnCl・4HO:1.8mg/L,CoSO・7HO:1.5mg/L,ZnSO・7HO:0.4mg/L,NaMoO・2HO:0.2mg/L,CuSO・5HO:0.02g/L,チアミン塩酸塩(ビタミンB):0.1mg/L,シアノコバラミン(ビタミンB12):0.0005mg/L,(pH3.5))に、野生株と実施例2の形質転換体(EpFS−1)を、セル数を合わせて植え継いだ。
経時的にそれらの培養液を採取し、細胞数の測定を行った。また、酸素電極を用いて光合成活性、呼吸活性の測定を行った。
図7に示すように、培養開始13日目の時点で形質転換株(EpFS−1)は野生株に対して1.4倍の細胞濃度に達していた。
また、図6に示すように、形質転換株(EpFS−1)は野生株よりも高い光合成、及び呼吸活性であった。
以上の結果は、形質転換株(EpFS−1)に導入されたFBPase/SBPase活性を有する蛋白質をコードする塩基配列が導入されたユーグレナ細胞内で機能し、ユーグレナの光合成活性を高めたことによって、野生株に対して増殖速度が向上したことを示唆している。
また、図9に示すように、右側の形質転換株(EpFS−1)の培養液のみで、ムシレージが、濃色の浮遊物として観察された。このことから形質転換株(EpFS−1)では光合成強化に伴い光合成生産物である炭水化物の生産量が増加し、その一部が細胞外に分泌された結果、図9に示すようにムシレージが蓄積したと考えられる。

Claims (5)

  1. ラン藻由来のフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする遺伝子が、ユーグレナに導入されたユーグレナの形質転換体。
  2. 前記ユーグレナが、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)であることを特徴とする請求項1記載のユーグレナの形質転換体。
  3. 前記遺伝子は、以下の(a)又は(b)の蛋白質をコードする遺伝子であることを特徴とする請求項1又は2記載のユーグレナの形質転換体。
    (a)配列番号2に示すアミノ酸配列の第1番目〜第356番目のアミノ酸配列からなる蛋白質
    (b)配列番号2に示すアミノ酸配列の第1番目〜第356番目のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が置換,欠失,挿入,及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質
  4. 前記遺伝子は、以下の(c)又は(d)の塩基配列を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のユーグレナの形質転換体。
    (c)配列番号1に示す塩基配列の第181番目〜第1251番目の塩基配列
    (d)配列番号1に示す塩基配列の第181番目〜第1251番目の塩基配列において、1又は数個の塩基が置換,欠失,挿入,及び/又は付加された塩基配列からなり、かつフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ/セドヘプツロース−1,7−ビスホスファターゼとしての活性を持つ蛋白質をコードする塩基配列
  5. 前記遺伝子は、前記ユーグレナの核ゲノム及び/又は葉緑体ゲノムに導入されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のユーグレナの形質転換体。
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