JP2014192864A - 振動子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動板及び電極を備えた静電駆動型の振動子を製造するにあたって、これら振動板と電極とを近接させながら、良好な周波数温度特性を持つ振動子を製造する。
【解決手段】振動板10に貫通口11を形成して、当該貫通口11にシリコンと酸素とからなる補助膜12を埋め込む。また、この補助膜12について、犠牲膜のウエットエッチング時に当該補助膜12が膜減りする膜厚分を見越して、予め振動板10の上下面よりも上下方向に各々突出させる。そして、犠牲膜のエッチングを行う時、補助膜12の上下端についても同時にエッチングを行い、振動板10の上下面と補助膜12の上下面とを互いに揃える。
【選択図】図3

Description

本発明は、振動板及びこの振動板の周囲に配置された電極を備えた振動子の製造方法に関する。
静電駆動型の振動子として、例えばディスク(円板)状の振動板と、この振動板を振動させるための電極とをベース基板上に配置したディスクレゾネータが知られている。この振動子を製造するにあたっては、例えば振動板や電極を構成するポリシリコン(Si)膜と、犠牲膜をなす酸化シリコン(SiO2)膜と、を交互に積層しながらドライエッチングを行う手法である、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical System)法が用いられる。そして、成膜処理やドライエッチング処理が終了した後、例えばフッ酸(HF)水溶液などを用いて犠牲膜のウエットエッチングを行うことにより、振動板と電極とが互いに離間すると共に、振動板がベース基板から浮いた状態で支持される。このような振動子について、できるだけ低い電圧でも駆動するように構成する場合には、即ち電極と振動板との間で静電結合が起こりやすくするためには、これら電極と振動板とをなるべく近接させることが好ましい。
ところで、既述の振動板を構成するポリシリコンは、温度変化に対する周波数変動が20〜40ppm/℃程度であり、従ってポリシリコンによって振動板を構成すると、振動子が置かれる雰囲気の温度に応じて周波数特性がばらつきやすくなってしまう。そこで、振動板を構成するにあたって、酸化シリコンを周波数変動緩和用の補助膜として当該振動板に組み合わせることが検討されている。即ち、酸化シリコンは、ポリシリコンの温度特性を相殺するような温度特性を持っており、具体的には温度変化に応じてポリシリコンの周波数が上がる時には周波数が下がり、一方ポリシリコンの周波数が下がる時には周波数が上がる特性となっている。
しかしながら、例えば既述のウエットエッチングを行った後、振動板の表面に酸化シリコンからなる補助膜を形成すると、当該補助膜の分だけ電極と振動板とを予め離間させておく必要があるので、低電圧駆動型の振動子を構成しにくくなってしまう。一方、ポリシリコン膜や犠牲膜の成膜処理及びドライエッチング処理が完了する前に補助膜を形成すると、その後のウエットエッチングにおいて当該補助膜の全体あるいは一部が除去されてしまう。そして、高さ方向における補助膜の膜厚寸法がばらつくと、横方向に振動する振動板では、当該振動板の内部における振動が不均一になってしまうおそれがある。
一方、フッ酸に対しては溶解性を持たずに、且つポリシリコンが溶解しない溶剤にて除去できる材料(例えばゲルマン(Ge)など)を既述の犠牲膜として用いる場合には、材料コストが嵩んでしまう。
特許文献1には、シリコン酸化膜を振動部に形成する技術について記載されている。特許文献2には、機械部品をMEMS法により形成するにあたって、溝3をSiNやSiO2などの固定材料によって埋める技術について記載されている。特許文献3には、イソプロピルアルコールで希釈したHF溶液にてSrTiO3をエッチングする技術について記載されており、また特許文献4、5にはこのような溶液を用いてエッチングした時のNSG膜とBPSG膜とのエッチングレートが異なることについて記載されている。しかしながら、これら特許文献1〜5では、既述の課題については検討されていない。
特開2010−35144(段落0070) 特開2009−160728(段落0034) 特開平7−122791 特開2002−353443(段落0030〜0031) 特開2011−228338(段落0076〜0077)
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、振動板及び電極を備えた静電駆動型の振動子を製造するにあたって、これら振動板と電極とを互いに近接させながら、良好な周波数温度特性を持つ振動子を製造する方法を提供することにある。
本発明の振動子の製造方法は、
振動板とこの振動板を振動させるための電極を備えた振動子を製造する方法において、
シリコン及び酸素を含む第1の犠牲膜と、シリコンを含む導電膜と、シリコン及び酸素を含む第2の犠牲膜と、をベース基板上に下側からこの順番で積層する工程と、
前記導電膜及び前記第2の犠牲膜を貫通すると共に前記第1の犠牲膜の膜厚方向における少なくとも途中部位まで到達する貫通口を形成する工程と、
シリコン及び酸素を含む温度特性調整用の補助膜を、前記貫通口における下端位置から上端位置までに亘って埋め込む工程と、
前記導電膜及び前記第2の犠牲膜に対して、平面で見た時に前記振動板の形状となるようにパターニングする工程と、
次いで、前記第2の犠牲膜の上層側に、シリコン及び酸素を含む第3の犠牲膜と、導電膜からなる電極形成用導電膜と、を下側からこの順番で積層すると共に、振動板の外側の領域に電極が形成されるように前記電極形成用導電膜に対してパターニングを行う工程と、
しかる後、フッ化水素を含むエッチング用流体を用いて、前記振動板における前記貫通口の内部の前記補助膜を残しながら、前記補助膜の上端部、前記補助膜の下端部、前記第1の犠牲膜、前記第2の犠牲膜及び前記第3の犠牲膜をエッチングする工程と、を含むことを特徴とする。
前記貫通口の底面の高さ位置は、前記エッチングする工程を行った時、前記振動板の下面と前記貫通口の内部における前記補助膜の下端位置とが互いに揃うように、当該エッチングする工程において前記補助膜の下端部がエッチングされる膜厚寸法の分だけ前記振動板の下面よりも下方側に離間した位置に設定されることが好ましい。
前記第2の膜厚寸法は、前記エッチングする工程を行った時、前記振動板の上面と前記貫通口の内部における前記補助膜の上端位置とが互いに揃うように、当該エッチングする工程において前記補助膜の上端部がエッチングされる膜厚寸法と同じ寸法に設定されることが好ましい。
前記埋め込む工程は、シリコンを含む処理ガス及び当該処理ガスを酸化する酸化ガスを第2の犠牲膜の表層側に供給することにより、前記貫通口の内部及び当該第2の犠牲膜の表面に前記補助膜を形成する工程であり、
前記埋め込む工程に続いて、前記第2の犠牲膜の表面に形成された余剰の前記補助膜と、当該第2の犠牲膜の上層部とをエッチングして、前記振動板の上端位置よりも上方側に突出する前記補助膜の高さ寸法を調整する工程であっても良い。
前記高さ寸法を調整する工程は、前記エッチングする工程を行った時、前記振動板の上面と前記貫通口の内部における前記補助膜の上端位置とが互いに揃うように、当該エッチングする工程において前記補助膜の上端部がエッチングされる膜厚寸法の分だけ前記補助膜の上端部を前記振動板の上方側に突出させる工程であっても良い。
前記第1の犠牲膜、前記第2の犠牲膜及び前記第3の犠牲膜は、シリコン及び酸素に加えて、ホウ素、リン、酸化ナトリウム、酸化カリウム及び酸化カルシウムの少なくとも一方を各々含み、
前記補助膜は、シリコン及び酸素からなる酸化シリコン膜であっても良い。前記エッチング用流体を用いた時の前記第1の犠牲膜のエッチング速度は、前記補助膜のエッチング速度の50倍以上となるように、当該エッチング流体の組成及び前記第1の犠牲膜の組成の少なくとも一方が設定されていても良い。
本発明は、シリコン及び酸素を含む犠牲膜を利用して、シリコンを含む導電膜からなる振動板とこの振動板を振動させるための電極とを形成するにあたって、振動板を上下に貫通する貫通口を形成して、この貫通口にシリコンと酸素とからなる補助膜を埋め込んでいる。そして、この補助膜について、犠牲膜のエッチング時に当該補助膜が膜減りする膜厚分を見越して、予め振動板の上下面よりも上下方向に各々突出するようにしている。そのため、犠牲膜のエッチングが終了した時であっても、貫通口の内部に補助膜を残すことができる。従って、振動子の製造工程の途中で補助膜を形成できるので、振動板と電極との間に補助膜を介在させる必要がない。そのため、振動板と電極とを近接させることができると共に、シリコンを含む振動板に酸化シリコン膜からなる補助膜を組み合わせることによって、良好な周波数温度特性を持つ振動子を得ることができる。
本発明の振動子の一例を示す斜視図である。 前記振動子を示す平面図である。 前記振動子を示す縦断面図である。 前記振動子を支持する支持部を拡大して示す斜視図である。 前記振動子の一部を拡大して示す縦断面図である。 前記振動子の製造方法を示す斜視図である。 前記振動子の製造方法を示す斜視図である。 前記振動子の製造方法を示す斜視図である。 前記振動子の製造方法を示す縦断面図である。 前記振動子の製造方法を示す縦断面図である。 前記振動子の製造方法を示す縦断面図である。 前記振動子の製造方法を示す縦断面図である。 前記振動子の製造方法を示す縦断面図である。 前記振動子の製造方法を示す斜視図である。 前記振動子の製造方法を示す斜視図である。 前記振動子の製造方法を示す斜視図である。 前記振動子の製造方法を示す斜視図である。 前記振動子の製造方法を示す斜視図である。 本発明にて得られた実験結果を示す特性図である。 本発明にて得られた実験結果を示す特性図である。 前記振動子の他の例を示す平面図である。 前記振動子の更に他の例を示す平面図である。 前記振動子の別の例を示す平面図である。 前記振動子の更に他の例を示す平面図である。 前記振動子の他の例を示す平面図である。 前記振動子の他の例を示す斜視図である。
本発明に係る振動子の製造方法の実施の形態の一例について、図1〜図18を参照して説明する。始めに振動子の構成について簡単に説明すると、この振動子は、図1〜図3に示すように、ディスク(円板)状の振動板10と、振動板10の周方向に沿って配置された複数例えば4つの電極20とを備えている。この振動子は、振動板10と電極20との間において、静電結合を介して信号の授受を行うように構成されている。そして、この振動子は、前記静電結合が起こりやすいように振動板10と電極20とを互いに近接配置しながら、良好な周波数温度特性が得られるように構成されている。続いて、この振動子の具体的な概観について説明する。尚、図1中1はベース基板、3は酸化シリコン(Si−O)膜、4は窒化シリコン(Si−N)膜である。また、図3は、図2におけるA−A線にて振動子を鉛直方向に切断した様子を示している。
振動板10の外周側には、当該振動板10をベース基板1(詳しくは後述の第1のポリシリコン膜41)から浮いた状態で支持するための支持部30が設けられており、この支持部30は、互いに隣接する電極20、20間に各々設けられている。支持部30の各々は、図4に示すように、振動板10の外周面から外周側に向かって水平に伸び出す支持梁31と、この支持梁31における先端部を上下に貫通して嵌合するように配置された支持柱33とを備えている。
これら振動板10、支持部30及び電極20と、窒化シリコン膜4との間には、振動板10、電極20及び支持部30の形状に対応するようにパターニングされた導電膜5が形成されており、支持部30の各々は、この導電膜5によって支持されている。また、各電極20についても、この導電膜5に支持されている。4つの支持部30のうち一の支持部30の下方側における導電膜5には、図1及び図2に示すように、外周側に向かって伸びる引き出し電極6の一端側が接続されている。この引き出し電極6の他端側は、振動板10を振動させる時に、当該振動板10に直流のバイアス電圧を印加するためのポートをなしている。
振動板10の上方側には、4つの電極20のうち互いに対向する2つの電極20、20同士を接続するための梁部10aが配置されており、図2ではこの梁部10aの一部を切り欠いて一点鎖線で示している。図2中24及び25は夫々入力ポート及び出力ポートであり、23は導電路である。また、4つの電極20のうち、入力ポート24に接続される電極20には符号「21」を付すと共に、出力ポート25に接続される電極20には符号「22」を付す場合がある。
振動板10は、円板状となるように形成されており、ポリシリコン(詳しくはポリシリコンにリンなどの不純物をドープした化合物)からなる導電膜により構成されている。そして、振動板10には、図1〜図3に示すように、当該振動板10を上下に貫通する貫通口11が複数箇所例えば4箇所に形成されており、各々の貫通口11には、シリコンと酸素とからなる温度特性調整用の補助膜12が埋め込まれている。具体的には、各々の補助膜12(貫通口11)は、図2に示すように、平面で見た時に振動板10の外縁に沿うように円弧状に形成されると共に、当該振動板10の周方向に沿って互いに等間隔に離間するように配置されている。
この例では、各々の補助膜12は、平面で見た時における振動板10の中心位置Oと各支持部30との間の領域を避けるように、即ち各電極20に対向するように配置されている。そして、図3に示すように、振動板10の半径方向における補助膜12の幅寸法tは、例えば0.5μm〜2.0μmとなっている。幅寸法tをこのような範囲に設定した理由については、後で説明する。
ここで、振動板10の上面の高さ位置と、各補助膜12の上面の高さ位置とは、互いに揃っている。また、振動板10の下面の高さ位置と、各補助膜12の下面の高さ位置とについても、互いに揃っている。この「揃っている」とは、具体的には以下の範囲を指している。即ち、図5に示すように、例えばベース基板1側から見た時における補助膜12の上面の高さレベル及び補助膜12の下面の高さレベルを夫々「L1」及び「L2」とする。また、同様にベース基板1側から見た時における振動板10の上面の高さレベル及び振動板10の下面の高さレベルを夫々「L3」及び「L4」とする。
そして、前記「揃っている」とは、高さレベルL1、L3の差Δt1(L1−L3)について、振動板10の厚み寸法の1/3以下となっていることを言う。また、高さレベルL2、L4の差Δt2(L4−L2)についても同様に、「揃っている」とは振動板10の厚み寸法の1/3以下となっていることを意味している。尚、既述の図5は、これら差Δt1、Δt2の定義について説明するために、補助膜12の上端部及び下端部を振動板10の上下面よりも大きく突出させて描画している。
このような形状の補助膜12を形成する手法について、図6〜図18を参照して以下に説明する。始めに、図6に示すように、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、酸化シリコン膜3及び窒化シリコン膜4を下側からこの順番でベース基板1上に積層する。
次いで、窒化シリコン膜4の上層側に、多結晶シリコンからなる第1のポリシリコン膜41を成膜すると共に、この第1のポリシリコン膜41にリンを拡散させる。そして、図7に示すように、第1のポリシリコン膜41に対して、振動板10、支持部30、電極20及び引き出し電極6の形状に対応するように、フォトリソグラフィー法によりパターニングする。この第1のポリシリコン膜41は、既述の導電膜5をなす。尚、この実施の形態では、ベース基板1上に縦横に多数形成される振動子のうちある一つの振動子について説明している。
続いて、第1のポリシリコン膜41の上層側に、第1の犠牲膜61、多結晶シリコンからなる第2のポリシリコン膜(詳しくは多結晶シリコン膜を形成した後リンをドープさせた導電膜)42及び第2の犠牲膜62を下側からこの順番で例えばCVD法により積層する。これら犠牲膜61、62は、シリコン及び酸素に加えて、リンやホウ素などの不純物を含んだ酸化シリコン膜となっている。即ち、これら犠牲膜61、62は、CVD法により酸化シリコン膜を成膜する際に、前記不純物をドープした薄膜となっている。これら犠牲膜61、62の膜厚寸法は、例えば各々1μmとなっている。尚、犠牲膜61、62に不純物をドープした後、アニール処理を行っても良い。
そして、図8に示すように、第2の犠牲膜62の上層側にフォトレジストマスク71を形成すると共に、このフォトレジストマスク71に対して、貫通口11に対応するパターンを形成する。次いで、フォトレジストマスク71を介して、使用するエッチング用ガスを種々変えながら、図9に示すように、第2の犠牲膜62、第2のポリシリコン膜42及び第1の犠牲膜61に対して、貫通口11を形成する。この貫通口11は、図9の下側に拡大して示すように、第1の犠牲膜61の膜厚方向における途中部位までに亘って形成されている。この貫通口11の深さ位置について一例を挙げると、第1の犠牲膜61の上面(第2のポリシリコン膜42の下面)と貫通口11の底面との間の寸法d1は例えば0μm〜1.0μmである。尚、図8では、振動板10や支持部30が形成される領域を一点鎖線にて描画している。
次いで、フォトレジストマスク71を除去した後、貫通口11の内部を含む第2の犠牲膜62の表面に、CVD法により酸化シリコン膜からなる薄膜13を成膜する。具体的には、シリコンを含む有機系の処理ガスと当該処理ガスを酸化するための酸化ガスとを第2の犠牲膜62の表面に供給する。これら処理ガス及び酸化ガスが第2の犠牲膜62などの露出面に接触することにより、図10に示すように、貫通口11の内壁面、底面及び第2の犠牲膜62の表面に沿って、前記薄膜13が形成されていく。そして、この薄膜13の成膜を続けると、図11に示すように、当該薄膜13の膜厚が増加することに伴って、貫通口11の開口面積が次第に減少していく。こうして薄膜13により貫通口11が埋められて補助膜12が形成されると共に、図12にも示すように、第2の犠牲膜62の表面にも薄膜13が成膜される。この薄膜13の膜厚寸法は、例えば1μmである。
続いて、図13に示すように、ドライエッチングにより、第2の犠牲膜62の表面に形成された余分な薄膜13と、当該第2の犠牲膜62の上層部分と、を除去して全面エッチバックを行う。具体的には、酸化シリコン膜のエッチング用ガス(例えばC−F系のガス)を用いて薄膜13のエッチングを行って第2の犠牲膜62を露出させる。その後、同条件にて第2の犠牲膜62の残膜が膜厚寸法d2となるまで当該第2の犠牲膜62をエッチングする。ドライエッチングにおいては、これら第2の犠牲膜62と薄膜13とのエッチングレートの差が僅かであるため、第2の犠牲膜62の上端面と薄膜13の上端面とはほぼ平坦になる。こうして既述の図13に示す積層体が得られる。このような全面エッチバックの手法としては、ドライエッチングに代えて、CMP(Chemical Mechanical Policing)を行うことにより、第2の犠牲膜62の上端面と薄膜13の上端面とを互いに揃えても良い。
以上のエッチング工程を経た後における第2の犠牲膜62の膜厚寸法d2は、例えば0μm〜1.0μmとなる。言い換えると、補助膜12は、前記膜厚寸法d2の分だけ、第2のポリシリコン膜42の上面から突出することになる。その後、図14に示すように、第2の犠牲膜62及び第2のポリシリコン膜42に対して、振動板10及び支持部30の形状に対応するようにパターニングする。尚、図14中32は支持梁31の先端部において支持柱33が貫挿される開口部である。また、図12や図13では、第2の犠牲膜62の膜厚寸法d2について、誇張して描画している。
次いで、以上の工程において形成された第2の犠牲膜62及び第2のポリシリコン膜42からなる構造体を覆うように、酸化シリコンからなる第3の犠牲膜63を成膜する。第3の犠牲膜63は、振動板10と電極20との間の離間寸法と同じ膜厚寸法となるように形成される。この第3の犠牲膜63については、不純物を含むシリコン酸化膜であっても良いが、膜厚寸法が薄いため、不純物を含有させなくても良い。即ち、後述するように、振動子の形成後に行うウエットエッチングでは、薄膜13と比べて犠牲膜61〜63がエッチングされやすくなるようにしている。具体的には、犠牲膜61、62については、不純物をドープしている。一方、第3の犠牲膜63については、既述のように膜厚寸法が薄いので、不純物をドープしなくても速やかにエッチングされ、また不純物をドープした場合には更に速やかにエッチングされる。続いて、開口部32の下方側及び電極20の下方側における導電膜5(第1のポリシリコン膜41)が露出するように、犠牲膜61、63をパターニングする。
そして、図15に示すように、以上の各工程でベース基板1上に形成された構造体を覆うように、多結晶シリコンからなる第3のポリシリコン膜43を電極形成用導電膜として成膜して、第3のポリシリコン膜43にリンをドープする。この第3のポリシリコン膜43は、既述の開口部32の内部領域などの露出面に沿うように形成される。従って、第3のポリシリコン膜43と開口部32の下方側の導電膜5及び電極20の下方側の導電膜5とが各々互いに接触(導通)すると共に、開口部32の内壁面を介して第3のポリシリコン膜43と振動板10(第2のポリシリコン膜42)とについても互いに接触する。そして、振動板10の側周面に対向する第3のポリシリコン膜43は、当該側周面に対して第3の犠牲膜63の膜厚寸法の分だけ離間する。
しかる後、電極20、支持柱33及び梁部10a以外の領域が開口する図示しないレジスト膜を形成して、図16に示すように、第3のポリシリコン膜43をドライエッチングする。続いて、例えばフッ化水素水溶液などのエッチング液(エッチング流体)に、ベース基板1上に形成された構造体を当該ベース基板1と共に浸漬すると、このエッチング液が第3のポリシリコン膜43の下方側や支持梁31の周囲に回り込んでいく。
ここで、犠牲膜61〜62は、既述のようにリンなどの不純物を含有した酸化シリコン膜(PSG:リンドープシリケートガラス)であり、後述の図19に示すように、前記エッチング液に溶解しやすい。また、第3の犠牲膜63については、不純物を含有している場合には同様にエッチング液に溶解しやすくなり、不純物を含有していない場合であっても、既述のように膜厚寸法が薄いため、速やかにエッチングされる。一方、補助膜12についてはこのような不純物を含有しておらず、即ちシリコンと酸素とからなる酸化シリコン膜(NSG:ノンドープシリケートガラス)となっているため、図19からも分かるように、前記エッチング液に対する溶解速度(エッチングレート)は、犠牲膜61〜62のエッチングレートの例えば1/40程度以下となっている。尚、図19における「BSG」は、ホウ素をドープした酸化シリコン膜(ボロンドープシリケートガラス)を表している。また、図19では、「PSG」の2つのデータのうち、右側のデータでは左側のデータよりもリンの含有量が多くなっている。
従って、前記構造体をエッチング液に浸漬すると、例えば振動板10の上方側の領域においては、図17に示すように、補助膜12と比べて犠牲膜62、63が速やかにエッチングされていく。また、振動板10の下方側の領域についても、補助膜12よりも犠牲膜61〜63が優先的にエッチングされる。そして、これら犠牲膜61〜63がエッチングされる間に、図18に示すように、振動板10から上下に突出している補助膜12の上端部及び下端部がエッチングされて、振動板10の上下面と補助膜12の上下面とが互いに揃う。
言い換えると、本発明では、犠牲膜61〜63のウエットエッチングに要する時間を予め実験などによって求めておき、このエッチング時間で補助膜12の上端部及び下端部が除去されるように、各寸法d1、d2を設定している。従って、以上のウエットエッチングにより、既述の図1〜図3に示したように、犠牲膜61〜63が除去されて振動子が形成される。
具体的な寸法d1、d2の一例について以下に説明する。半径寸法が30μmの振動板10を形成する場合、フッ化水溶液に対するエッチングレートが以下の表に示す値を取る化合物を夫々各犠牲膜61〜63として用いたものとする。また、補助膜12として用いた化合物のエッチングレートについても以下の表に示す。尚、これらエッチングレートは一例であり、不純物の含有量やアニール(熱処理)の状態更には用いるフッ化水溶液の濃度や組成などによって種々変わる。
(表)

この例の場合には、既述の膜厚寸法(1μm)の第1の犠牲膜61を除去(ウエットエッチング)するためには12.5分要することが分かる。従って、マージンを含めて、各犠牲膜61〜63の除去には13分を充てることにする。そして、補助膜12は13分では780nmエッチングされるため、既述の寸法d1、d2については780nmに設定すれば良いことが分かる。
以上の成膜工程及びエッチング(ドライエッチング及びウエットエッチング)工程を経ることにより、第3の犠牲膜63の膜厚寸法の分(例えば0.01〜1.0μmこの例では0.1μm)だけ、振動板10と電極20とが互いに離間すると共に、振動板10は、第1のポリシリコン膜41から浮いた状態となって支持部30を介して支持される。梁部10aについては、第2の犠牲膜62及び第3の犠牲膜63の膜厚分だけ振動板10から浮いた状態となる。その後、封止を行い、各振動子を区画するダイシングラインに沿ってベース基板1を切断することにより、各々の振動子が個片化される。
この振動子では、出力信号が出力されている間に、振動子が置かれている雰囲気の温度が変化したとしても、振動板10の発振周波数は、ほとんど変化しない。即ち、背景の項にて既に説明したように、シリコンと酸化シリコンとは、互いに相殺するような周波数温度特性を持っている。そして、既述のように、シリコンからなる振動板10に、酸化シリコンからなる補助膜12を埋め込んでいる。従って、振動子の外部の温度変化に応じて振動板10の発振周波数が高くなろうとしても、補助膜12の発振周波数が低くなる。一方、振動板10の発振周波数が低くなろうとしても、補助膜12の発振周波数は高くなる。こうして振動板10と補助膜12とからなる構成の発振周波数は、外部の温度変化に寄らずにほぼ一定の値となる。
上述の実施の形態によれば、酸化シリコン膜を犠牲膜61〜63として利用しながら、シリコン(多結晶シリコン)によって振動板10を形成するにあたって、この振動板10に貫通口11を形成して、当該貫通口11にシリコンと酸素とからなる補助膜12を埋め込んでいる。そして、この補助膜12について、犠牲膜61〜63のウエットエッチング時に当該補助膜12が膜減りする膜厚分を見越して、予め振動板10の上下面よりも上下方向に各々突出するようにしている。そのため、犠牲膜61〜63のエッチングが終了した時、振動板10の上下面と補助膜12の上下面とを互いに揃えることができる。言い換えると、振動板10よりも上下に補助膜12を突出させておかないと、その後のウエットエッチングによって当該補助膜12が上下両側から浸食されていき、貫通口11内に補助膜12が残らないか、あるいは補助膜12が残ったとしても温度特性の補正の効果が不十分になってしまう。
一方、振動板10よりも上下に補助膜12を突出させておくことにより、ウエットエッチングを経た後においても、貫通口11の内部に補助膜12を残すことができる。従って、振動子の製造工程の途中で補助膜12を形成できるので、振動板10と電極20との間に補助膜12を介在させる必要がない。そのため、振動板10と電極20とを互いに近接させて低電圧駆動型の振動子を構成しながら、シリコンからなる振動板10に酸化シリコン膜からなる補助膜12を組み合わせることによって、良好な周波数温度特性を持つ振動子を得ることができる。
また、犠牲膜61〜62については不純物をドープすると共に、補助膜12については不純物をドープせずに酸化シリコン膜として構成している。そのため、既述の図19からも分かるように、犠牲膜61〜62のエッチングレートに比べて補助膜12のエッチングレートを小さくできるので、振動板10から上下に突出させる寸法d1、d2をそれ程大きく設定せずに済む。従って、振動板10の上下に位置する犠牲膜61、62についてもそれ程膜厚を厚くしなくても済むので、犠牲膜61、62のエッチングが速やかに進行して、結果として振動子のスループットの向上に繋がる。犠牲膜61〜62にドープする不純物としては、図19から分かるようにボロンと比べるとリンが好ましいが、犠牲膜61、62と補助膜12との間におけるエッチングレートの差を大きくすることが目的であるため、リン及びボロンの両方をドープしても良い。また、不純物としては、これらリンやボロンに代えて、あるいはリンやボロンと共に、アルカリ、金属酸化物をドープしても良い。具体的には、これらアルカリや金属酸化物の一例を挙げると、NaO(酸化ナトリウム)、KO(酸化カリウム)、CaO(酸化カルシウム)等である。
既述の例とは異なる成分を含むHF系エッチャントを用いた場合には、図20に示すように、更にPSG(犠牲膜61、62)とNSG(補助膜12)との選択比(エッチングレート比)を高くすることができる。従って、本発明は、犠牲膜61、62にドープする最適なドーパント(不純物)とエッチャントとの組み合わせを適宜選択することにより、共振子の寸法やデザインが異なるデバイスへも適用が可能である。尚、図20における2つの「PSG」のデータのうち右側のデータについては左側のデータよりもリンの含有量が多くなっている。
ここで、補助膜12の幅寸法tを既述の範囲内に設定した理由について説明する。即ち、補助膜12は、各犠牲膜61〜62よりもフッ化水素に対する溶解度が小さくなっている必要がある。従って、補助膜12を形成するにあたって、リンなどの不純物が含まれないようにするだけでなく、当該補助膜12が緻密な膜となるように成膜することが好ましい。
CVD法では、既述の図10及び図11にて説明したように、貫通口11の内壁面における薄膜13が次第に厚膜化することによって、当該貫通口11の内部が埋め込まれるプロセスを経る。従って、補助膜12の幅寸法t(貫通口11の開口面積)が大きすぎると、成膜量及びエッチング量が共に大きくなるため、膜厚の均一性が悪くなるおそれがある。一方、前記幅寸法tが小さすぎると、酸化膜による温度特性の補正効果が十分に得られない可能性がある。従って、前記幅寸法tは、既述の範囲内に設定することが好ましい。
以上説明した振動子の他の例について、以下に列挙する。図21は、支持部30及び電極20を各々2つずつ配置した例を示している。具体的には、支持部30及び電極20は、振動板10を介して互いに対向するように各々配置されている。図22は、補助膜12(貫通口11)を2箇所に配置した例を示している。これら補助膜12は、既述の図2と同様に振動板10の外周縁に沿うように円弧状に形成されると共に、4つの電極20のうち電極21、21に各々対向する位置に配置されている。尚、図22では、支持部30や電極20については各々4つずつ配置している。以降の図23〜図25についても同様である。
図23は、補助膜12について、既述の図2で示した配置位置に加えて、当該配置位置よりも内側に配置した例を示している。即ち、補助膜12は、振動板10の中心位置Oを中心とすると共に振動板10の外縁寄りの位置に形成された円に沿って4箇所に配置されると共に、この円よりも中心位置O寄りの(半径寸法の短い)円に沿って4箇所に配置されている。そして、各々の補助膜12は、各電極20に対向する位置に配置されている。
図24は、補助膜12を振動板10の外周縁に沿って形成することに代えて、振動板10の半径方向に沿って複数箇所に放射状に配置した例を示している。補助膜12は、この例では振動板10の周方向に沿って等間隔に例えば8箇所に配置されている。
図25は、補助膜12をライン状に形成することに代えて、点(ホール)状に形成した例を示している。補助膜12は、振動板10の中心位置Oを中心とすると共に振動板10の外縁よりの位置に形成された円に沿って複数箇所この例では12箇所に形成されると共に、この円よりも内側の円に沿って複数箇所この例では6箇所に形成されている。補助膜12の幅寸法t(ホールの開口寸法)については、既述の例と同程度に設定されている。
図26は、振動板10を円板状に形成することに代えて、双音叉型となるように形成した例を示している。具体的には、ベース基板1上には、一対の支持部30、30が互いに対向するように配置されており、これら支持部30、30間には、これら支持部30、30間を接続するように角柱状に各々伸びる一対の振動板10、10が形成されている。これら振動板10、10は、互いに平行となるように支持部30、30によって両端部が各々支持されている。平面で見た時の振動板10、10の幅寸法は、例えば6μm程度となっている。各々の振動板10には、当該振動板10の長さ方向に沿うように補助膜12(貫通口11)が形成されている。振動板10の伸びる方向を前後方向と呼ぶと、これら振動板10、10が配置された領域の左右両側には、電極20が各々配置されている。
このような振動子では、電極20、20に入力信号を供給すると、各振動板10が屈曲振動を起こし、具体的には振動板10、10同士が互いに近接する位置と、これら振動板10、10同士が互いに離間する位置と、の間で振動を起こす。尚、図26では、支持部30や振動子の下方側におけるベース基板1付近の膜構造については簡略化して描画している。
このように幅寸法の短い振動板10を備えた振動子の場合には、平面で見た時の各犠牲膜61〜63の面積が比較的小さく、従ってウエットエッチングに要する時間も短くて済む。そのため、水で希釈したフッ化水素を用いる場合には、補助膜12の膜減り量(寸法d1、d2)は80nm以下となる。
ここで、振動子を製造した後(ウエットエッチングの後)における既述の差Δt1、Δt2の好ましい範囲について説明しておく。具体的には、差Δt1、Δt2がマイナスになっていると、即ち補助膜12の上端部や下端部が振動板10の内部に入り込んでいると、既述の説明から分かるように、当該補助膜12による温度特性の調整作用が弱くなり、また上下方向における振動がばらついてしまうおそれがある。従って、差Δt1、Δt2については、ゼロあるいはプラスの値を取ることが好ましい。一方、振動子を製造した後に、補助膜12が振動板10よりも上下に大きく突出し過ぎていると、即ちこれら差Δt1、Δt2が大きなプラスの値を取っていると、振動板10の振動を阻害するおそれが出てくる。従って、以上を纏めると、差Δt1、Δt2は、以下の範囲となっていることが好ましい。
0μm≦Δt1(Δt2)≦(振動板10の厚み寸法の1/3)
また、貫通口11を形成するにあたって、既述の図9からも分かるように、第1の犠牲膜61の膜厚寸法によっては、第1のポリシリコン膜41が露出するまで当該貫通口11を深く形成しても良い。
既述の図13では、振動板10の上方側に突出する補助膜12の寸法d2を設定するにあたって、第2の犠牲膜62の上方側に成膜された薄膜13と共に当該第2の犠牲膜62についてもエッチングしたが、予め第2の犠牲膜62の膜厚寸法を寸法d2に合わせ込んでおいても良い。この場合には、図13の工程では、第2の犠牲膜62の上方側の薄膜13だけをエッチングしても良い。また、薄膜13における第2の犠牲膜62側(下層側)の領域についてはエッチングせずに残しておき、当該領域についても各犠牲膜61〜63のウエットエッチング時に除去するようにしても良い。
また、貫通口11に補助膜12を埋め込むにあたって、始めに当該貫通口11を形成するためのフォトレジストマスク71を除去したが、このフォトレジストマスク71を除去する前に補助膜12を埋め込んでも良い。この場合には、貫通口11の内部と共にフォトレジストマスク71の表面を覆うように薄膜13を形成し、その後有機溶剤やアルカリ溶液を用いてフォトレジストマスク71を除去することにより、第2の犠牲膜62の上方側には薄膜13からなる骨格構造が当該第2の犠牲膜62から浮いた状態で形成される。しかる後、ウエットエッチングによるリフトオフを行って前記骨格構造を機械的に除去することにより、補助膜12が貫通口11の内部に残ることとなる。
1 ベース基板
10 振動板
11 貫通口
12 補助膜
20〜22 電極
41〜43 ポリシリコン膜
61〜63 犠牲膜

Claims (7)

  1. 振動板とこの振動板を振動させるための電極を備えた振動子を製造する方法において、
    シリコン及び酸素を含む第1の犠牲膜と、シリコンを含む導電膜と、シリコン及び酸素を含む第2の犠牲膜と、をベース基板上に下側からこの順番で積層する工程と、
    前記導電膜及び前記第2の犠牲膜を貫通すると共に前記第1の犠牲膜の膜厚方向における少なくとも途中部位まで到達する貫通口を形成する工程と、
    シリコン及び酸素を含む温度特性調整用の補助膜を、前記貫通口における下端位置から上端位置までに亘って埋め込む工程と、
    前記導電膜及び前記第2の犠牲膜に対して、平面で見た時に前記振動板の形状となるようにパターニングする工程と、
    次いで、前記第2の犠牲膜の上層側に、シリコン及び酸素を含む第3の犠牲膜と、導電膜からなる電極形成用導電膜と、を下側からこの順番で積層すると共に、振動板の外側の領域に電極が形成されるように前記電極形成用導電膜に対してパターニングを行う工程と、
    しかる後、フッ化水素を含むエッチング用流体を用いて、前記振動板における前記貫通口の内部の前記補助膜を残しながら、前記補助膜の上端部、前記補助膜の下端部、前記第1の犠牲膜、前記第2の犠牲膜及び前記第3の犠牲膜をエッチングする工程と、を含むことを特徴とする振動子の製造方法。
  2. 前記貫通口の底面の高さ位置は、前記エッチングする工程を行った時、前記振動板の下面と前記貫通口の内部における前記補助膜の下端位置とが互いに揃うように、当該エッチングする工程において前記補助膜の下端部がエッチングされる膜厚寸法の分だけ前記振動板の下面よりも下方側に離間した位置に設定されることを特徴とする請求項1に記載の振動子の製造方法。
  3. 前記第2の膜厚寸法は、前記エッチングする工程を行った時、前記振動板の上面と前記貫通口の内部における前記補助膜の上端位置とが互いに揃うように、当該エッチングする工程において前記補助膜の上端部がエッチングされる膜厚寸法と同じ寸法に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の振動子の製造方法。
  4. 前記埋め込む工程は、シリコンを含む処理ガス及び当該処理ガスを酸化する酸化ガスを第2の犠牲膜の表層側に供給することにより、前記貫通口の内部及び当該第2の犠牲膜の表面に前記補助膜を形成する工程であり、
    前記埋め込む工程に続いて、前記第2の犠牲膜の表面に形成された余剰の前記補助膜と、当該第2の犠牲膜の上層部とをエッチングして、前記振動板の上端位置よりも上方側に突出する前記補助膜の高さ寸法を調整する工程を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の振動子の製造方法。
  5. 前記高さ寸法を調整する工程は、前記エッチングする工程を行った時、前記振動板の上面と前記貫通口の内部における前記補助膜の上端位置とが互いに揃うように、当該エッチングする工程において前記補助膜の上端部がエッチングされる膜厚寸法の分だけ前記補助膜の上端部を前記振動板の上方側に突出させる工程であることを特徴とする請求項4に記載の振動子の製造方法。
  6. 前記第1の犠牲膜及び前記第2の犠牲膜は、シリコン及び酸素に加えて、ホウ素、リン、酸化ナトリウム、酸化カリウム及び酸化カルシウムの少なくとも一つを各々含み、
    前記補助膜は、シリコン及び酸素からなる酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の振動子の製造方法。
  7. 前記エッチング用流体を用いた時の前記第1の犠牲膜のエッチング速度は、前記補助膜のエッチング速度の50倍以上となるように、当該エッチング流体の組成及び前記第1の犠牲膜の組成の少なくとも一方が設定されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の振動子の製造方法。
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