JP6661543B2 - 脱進機のない、または簡易脱進機を有する一般2自由度等方性調和振動子および関連するタイムベース - Google Patents

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Description

対応出願
本PCT出願は、参照により本PCT出願に完全に組み入れられている、Ecole Polytechnique Federale de Lausanne(EPFL)の名義で提出された先出願である、2014年1月13日提出のEP14150939.8、2014年6月25日提出のEP14173947.4、2014年9月3日提出のEP14183385.5、2014年9月4日提出のEP14183624.7、および2014年12月1日提出のEP14195719.1の優先権を主張する。
タイムキーパの精度における最大の改良は、タイムベースとしての振動子、まず1656年のChristiaan Huygensによる振り子、次に1675年頃のHuygensおよびHookeによるてん輪−螺旋ばね、ならびに1866年のN.NiaudetおよびL.C.Breguetによる音叉の導入によるものである(参考文献[20]、[5]参照)。そのときから、これらが機械時計およびあらゆる腕時計で使用される唯一の機械振動子となっている(螺旋ばねに近似した電磁復元力を有するてん輪は、てん輪−螺旋ばねの分類に含まれる)。機械時計および腕時計では、これらの振動子が脱進機を必要とし、この機構は、その固有の複雑さと、最高でかろうじて40%に達する比較的低い効率とによって多くの問題を生じさせる。脱進機は、動き全体を停止させ再始動させなければならない断続的な運動に基づいているため、固有の非効率性を有し、停止状態からの無駄な加速および衝撃による騒音を生じさせる。脱進機は腕時計の最も複雑で精巧な部品であることが周知であり、マリンクロノメータ用のデテント脱進機とは対照的に、完全に満足のいく腕時計用脱進機は未だにない。
1925年12月16日に発行された特許文献1は、振動機構を駆動するプロセスを開示している。この文献の記載された目的は、断続的な調整を連続的な調整に置き換えることであるが、この公開された原理を腕時計などのタイムキーパに適用する方法については明確に開示されていない。特に、構成は等方性調和振動子として記載されておらず、振動子の最も単純なものだけが記載されている(後述の図20および図22)が、図21、図23〜図33、図39〜図41の球形振動子および補償された振動子の実施形態の優れた性能は示されていない。
1967年6月27日に公開された特許文献2は、タイムキーパ用の回転共振子を開示している。開示された共振子は、中心支持体に片持ち式に取り付けられた2つの質量を含み、各質量が対称軸の周りで円を描いて振動する。各質量は4つのばねを介して中心支持体に取り付けられる。各質量のばねを互いに連結して、質量の動的連結を得る。質量の回転振動を維持するために、各質量の、永久磁石を含む耳に作用する電磁デバイスを使用する。ばねの1つは、質量の振動運動を一方向の回転運動に変えるために爪車と協働する爪を含む。したがって、開示されたシステムは、依然として、断続的な運動である振動を爪による回転に変えることに基づいているため、この公報のシステムは、当技術分野で公知の、上で引用した脱進機システムと等価である。
1971年5月14日に発行されたさらなる特許文献3は、タイムキーパ用の機械回転共振子に関連する。この特許は主に、前述した特許文献2で開示されたような共振子で使用されるばねの説明に向けられたものである。したがって、ここで再び、共振子の原理は、軸の周りで振動する質量を使用する。
1967年5月9日に発行された特許文献4は、垂直軸の周りで振動するねじり振動子を開示している。これもやはり、前述した先行技術の脱進機に類似している。
スイス特許第113025号 スイス特許出願第9110/67号 スイス特許第512757号 米国特許第3,318,087号
したがって、本発明の目的は、公知のシステムおよび方法を改良することである。
本発明のさらなる目的は、当技術分野で公知の脱進機の断続的な運動を回避するシステムを提供することである。
本発明のさらなる目的は、機械的等方性調和振動子を提案することである。
本発明の別の目的は、クロノグラフ用のタイムベース、タイムキーパ(腕時計など)、加速度計、調速機などの様々な時間関連の適用例で使用可能な振動子を提供することである。
本発明は、脱進機を完全に排除することによって、あるいは、現在の腕時計用脱進機の欠点を持たない新しい簡易脱進機の群によって、脱進機の問題を解決することである。
結果として、効率の高い、はるかに簡易な機構が得られる。
一実施形態では、本発明は、等方性、および物質の固有の等方性による直線復元力特性を有するばねを用いる、固定ベースに対する2自由度周回質量を含む機械的等方性調和振動子に関する。
一実施形態では、等方性調和振動子は、固定ベースに対して2自由度周回質量を与えるように配置されたいくつかの等方性線形ばねを含むことができる。
一実施形態では、等方性調和振動子は、いくつかの赤道(equatorial)ばねを有する球形質量を含むことができる。
別の実施形態では、等方性調和振動子は、極(polar)ばねを有する球形質量を含むことができる。
一実施形態では、機構は、直線加速度を平衡させるようにシャフトによって連結された2つの等方性調和振動子を含むことができる。
一実施形態では、機構は、角加速度を平衡させるようにシャフトによって連結された2つの等方性調和振動子を含むことができる。
一実施形態では、機構は、ピボットを通して固定フレームの周りを回転する可変半径クランクと、クランク端部が可変半径で回転することを可能にする直進ジョイントとを含むことができる。
一実施形態では、機構は、維持トルクMが加えられるクランクシャフトと、クランクシャフトに取り付けられ、直進スロットを備えるクランクとを保持する固定フレームを含むことができ、剛性ピンは、振動子または振動子システムの周回質量に固定され、前記ピンは前記スロットに係合する。
一実施形態では、機構は、機械エネルギーを振動子に断続的に供給するためのデテント脱進機を含むことができる。
一実施形態では、デテント脱進機は、周回質量に固定された2つの平行留め具を含み、一方の留め具はばね上で旋回するデテントを変位させてがんぎ車を解放し、前記がんぎ車は他方の留め具に衝撃を与えて、失われたエネルギーを振動子または振動子システムに戻す。
一実施形態では、本発明は、本出願で定義された振動子または振動子システムを含む時計などのタイムキーパに関する。
一実施形態では、タイムキーパは腕時計である。
一実施形態では、本出願で定義された振動子または振動子システムを、長い速度増加歯車列(extended speed multiplicative gear train)のみを必要とする、秒の分数を測定するクロノグラフ用のタイムベースとして使用して、例えば100分の1秒を測定するように100Hzの振動数を得ることができる。
一実施形態では、本出願で定義された振動子または振動子システムを、打鐘(striking)時計または音楽時計および腕時計、ならびにオルゴールの調速機として使用することにより、望ましくない騒音をなくし、エネルギー消費を減らし、かつ音楽または打鐘リズムの安定性を向上させる。
以下の本発明の説明において、これらおよびその他の実施形態についてより詳細に記載する。
本発明は、以下の説明および図面からよりよく理解されるだろう。
逆二乗法則を用いた軌道を示す図である。 フックの法則による軌道を示す図である。 フックの法則の物理的実現の例を示す図である。 円錐振り子の原理を示す図である。 円錐振り子機構を示す図である。 Antoine Breguetにより作られたVillarceau調速機を示す図である。 はじいた弦の特異性(singularity for a plucked string)の伝播を示す図である。 振動子エネルギーを維持するために連続的に加えられるトルクを示す図である。 振動子エネルギーを維持するために断続的に加えられる力を示す図である。 伝統的なデテント脱進機を示す図である。 一般2自由度等方性ばねに対するあらゆる方向への重力補償の第2の代替実現を示す図であり、これにより、図22の機構を平衡させる。 振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクを示す図である。 振動子に取り付けられた、振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの実現を示す図である。 振動子に取り付けられた、振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの実現を示す図である。 振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの、屈曲ベースの実現を示す図である。 振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの、屈曲ベースの実現を示す図である。 振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの、代替の屈曲ベースの実現を示す図である。 等方性調和振動子のための簡易で伝統的な腕時計用デテント脱進機を示す図である。 並進運動周回質量のためのデテント脱進機の実施形態を示す図である。 並進運動周回質量のためのデテント脱進機の別の実施形態を示す図である。 物質の等方性に基づく2自由度等方性ばねを示す図である。 図21Aおよび図21Bは、質量が平面軌道を有する、物質の等方性に基づく2自由度等方性ばねを示す図であり、図21Aは軸方向横断面図、図21Bは図21AのA−A線に沿った横断面図である。 質量の運動の平面性を高める、3本の等方性円筒梁に基づく2自由度等方性ばねを示す図である。 二重にすることにより図22の機構の非平面性をなくした2自由度等方性ばねを示す図であり、図23Aは斜視図である。 二重にすることにより図22の機構の非平面性をなくした2自由度等方性ばねを示す図であり、図23Bは上面図である。 直線加速度および角加速度を平衡させるように補償された2自由度等方性ばねを示す図であり、図24Aは軸方向横断面図である。 直線加速度および角加速度を平衡させるように補償された2自由度等方性ばねを示す図であり、図24Bは図24Aの横断面図である。 重力を補償するばね膜および平衡ダンベルバスを有する2自由度等方性ばねを示す図である。 重力を補償するばね膜および平衡ダンベルバスを有する2自由度等方性ばねを示す図であり、図25Bは図25Aの中心の横断面図である。 重力を補償する複合ばねおよび平衡ダンベル質量を有する2自由度等方性ばねを示す図である。 図28Aの複合ばねを使用して等方性自由度を有する質量を与える、2自由度等方性ばねの詳細横断面図である。 図28Aおよび図28Bは図27に示す機構で使用される4自由度ばねを示す図であり、図28Aは上面図、図28Bは図28AのA−A線に沿った横断面図である。 重力を補償する3本の傾斜梁および平衡ダンベル質量を含むばねを有する2自由度等方性ばねを示す図である。 屈曲ピボットに基づく球形質量および赤道屈曲ばねを有する2自由度等方性ばねを示す図である。 球形質量および赤道梁ばねを有する2自由度等方性ばねを示す図である。 図31の球形質量を有する2自由度等方性ばねの上面図である。 図31の球形質量を有する2自由度等方性ばねの横断面図である。 回転ばねを示す図である。 回転により楕円軌道を周回する本体を示す図である。 回転せずに、並進運動により楕円軌道を周回する本体を示す図である。 回転なしで並進運動により楕円軌道を周回する剛性梁の端部の点を示す図である。 現在のひげぜんまいおよび脱進機を等方性振動子および駆動クランクに置き換えることにより、本発明の振動子を標準的な機械腕時計または時計ムーブメントに組み込む様子を示す図である。 一定の緯度を有する一定の角速度軌道の完全な等時性に従う、球形質量および極ばねを有する振動子の概念的基礎を示す図である。 振動子エネルギーを維持するクランクと共に図39の極ばね球形振動子を実施する機構の概念モデルを示す図である。 振動子エネルギーを維持するクランクと共に図39の球形質量および極ばねの概念を実施する完全に機能的な機構を示す図である。
2 本発明の概念的基礎
2.1 ニュートンの等時性ソーラーシステム
周知のように、1687年に、Isaac NewtonはPrincipia Mathematicaを出版し、この中で、惑星の運動に関するケプラーの法則、特に、惑星は太陽を1つの焦点とする楕円上を動くと述べた第1法則と、惑星の公転周期の2乗は軌道の長半径の3乗に比例すると述べた第3法則とを証明した(参考文献[19]参照)。
あまり知られていないが、同著のBook I、Proposition Xにおいて、引力の逆2乗法則(図1参照)を直線中心引力(linear attractive central force)(それ以来フックの法則と呼ばれる。図2および図3参照)に置き換えた場合に、惑星の運動が、太陽を楕円の中心とする楕円軌道に置き換えられ、公転周期はすべての楕円軌道について同じあることが示された(両法則における楕円の発生は、比較的単純な数学的等価性によるものであると理解され(参考文献[13]参照)、これら2つのケースのみが、閉鎖軌道を生じさせる中心力の法則であることも周知である(参考文献[1]参照))。
フックの法則に対するニュートンの結果は、非常に容易に実証される:
原点で中心にある中心力
F(r)=−kr
を受ける2次元で動く点質量を考える。ここでrは質量の位置である。次いで、質量mの物体について、これは、初期条件および振動数に応じた定数A1、A2、φ1、φ2について
(A1sin(ω0t+φ1)、A2sin(ω0t+φ2))
の解を有する。
これは、軌道が楕円であることを示すだけでなく、運動の周期が質量mおよび中心力の剛性kのみに応じて決まることを示す。したがって、このモデルは、周期が点質量の位置および運動量から独立しているため、等時性を示す(ニュートンにより証明されたケプラーの第3法則に類似)。
2.2 タイムキーパ用のタイムベースとしての実施
等時性は、この振動子が、本発明の可能な実施形態としてのタイムキーパ用のタイムベースに適した候補であることを意味する。
これは、以前には行われておらず、文献にも記載されておらず、この振動子をタイムベースとして使用することは、本発明の実施形態である。
この振動子は調和等方性振動子としても知られ、この等方性という用語は「あらゆる方向に同じ」であることを意味する。
1687年から知られ、理論的に簡単であるにもかかわらず、等方性調和振動子は腕時計または時計用のタイムベースとしてこれまで使用されていないようであり、これには説明が必要である。以下で、「等方性振動子」という用語を、「等方性調和振動子」を意味するために用いる。
主な理由は、調速機または速度調整機などの一定速度機構に固執していること(fixation)、および一定速度機構としての円錐振り子の視野が限られていることであると思われる。
例えば、Leopold Defossezは、近似等時性に対する可能性を有する円錐振り子の説明において、その周期よりもはるかに短い、非常に短い時間間隔の測定に適用することについて述べている(参考文献[8、p.534]参照)。
H.Bouasseは、著書の1つの章を、近似等時性を含む円錐振り子の記述に当てている(参考文献[3、VIII章]参照)。H.Bouasseは、この章の段落を、秒の分数を測定するために円錐振り子を使用すること(2秒周期を想定)の記述に当て、この方法は完璧であると思われると述べている。そして、平均精度と瞬時精度との差に注目することによってこの方法を制限し(qualify)、機構を調節する際の困難のために、円錐振り子の回転が短い間隔にわたって一定でなくてもよいことを認める。したがって、H.Bouasseは、周期内の変動を円錐振り子の欠陥と考えており、これは、完全な条件下において一定速度で動作すべきであると考えていることを意味する。
同様に、連続運動対断続運動の記述において、Rupert Gouldは等方性調和振動子を見落としており、Rupert Gouldの連続運動タイムキーパへの言及は、Villarceau調速機のみであって、これについて「良好な結果を与えたと思われる。しかしながら、これが通常の良質な駆動時計(driving clock)またはクロノグラフよりも正確であるということはあり得ない」と述べている(参考文献[9、20〜21]参照)。Gouldの結論は、Breguetにより示されたVillarceau調速機のデータによって実証されている(参考文献[4]参照)。
理論的観点からは、James Clerk Maxwellの「On Governers」という非常に大きな影響力を持つ論文があり、これは現在の制御理論についての着想の1つと考えられる(参考文献[18]参照)。
さらに、等時性は、あらゆる速度変動を保持しなければならない真の振動子を必要とする。その理由は、波動方程式
が、その伝播によってあらゆる初期条件を保持するからである。したがって、真の振動子は、その速度摂動のすべてを記録しなければならない。このため、本明細書に記載の本発明によって、振動子に対する最大の振幅変動が可能になる。
これは、このような摂動を減衰しなければならない調速機とは正反対である。原理上、速度調整を生じさせる減衰機構をなくすことによって等方性振動子を得ることができる。
結論として、等方性振動子はタイムベースとして使用されていない。その理由は、等方性振動子を調速機に同化させている概念ブロックがあり、正確な時間管理が、短い間隔すべてにわたるのではなく1つの周期全体にわたる一定の時間のみ必要であるという単純な見解を見落としていると思われるからである。
この振動子は、円錐振り子および調速機とは理論および機能が完全に異なることを主張する(以下の本説明参照)。
図4は、円錐振り子の原理を示し、図5は一般的な円錐振り子機構を示す。
図6は、1870年代にAntoine Breguetにより作られたVillarceau調速機を示し、図7は、はじいた弦についての特異性の伝播を示す。
2.3 回転対並進対傾斜運動の周回運動
一方向の運動を有する2つのタイプの等方性調和振動子が可能である。1つは、本体が端部にある線形ばねを利用し、ばねと本体とを固定中心の周りで回転させるものである。これは図34:回転ばねに示される。本体862が端部に取り付けられたばね861は、中心860に固定され、この中心の周りを回転して、本体862の質量の中心が軌道864を有するようにする。ポインタ863の回転によってわかるように、本体862は、軌道全体につき1度、その質量中心の周りを回転する。
これにより、本体がその質量中心の周りを回転し、図35:回転軌道の例に示すように、軌道を公転するごとに完全に一周する。点872の回転によってわかるように、本体871は、点870の周りを周回し、軌道全体につき1度、その軸の周りを回転する。
このタイプのばねを回転等方性振動子と呼び、セクション4.1で説明する。この場合、本体がそれ自体の周りを回転するため、本体の慣性モーメントが力学に影響を与える。
別の可能な実現は、セクション4.2で説明するように、中心等方性ばねによって支持された質量を有する。この場合、これによって、本体が質量の中心の周りを回転しなくなり、この周回を並進運動と呼ぶ。これは、図36:並進運動軌道に示される。本体881は、中心880の周りを周回し、軌道883に沿って動くが、重力の中心の周りを回転することはない。本体上のポインタ882の一定方向によりわかるように、本体881の向きは変化しないままである。
この場合、質量の慣性モーメントは力学に影響を与えない。以下で説明する機構において、傾斜運動が生じる。
別の可能性は、限られた範囲の角度旋回運動が生じるが、本体の重力中心の周りの完全な回転は生じない傾斜運動である。傾斜運動を図37に示す:質量892から構成される等方性振動子は、剛性ポール896を介して質量892を固定ベース890に連結するジョイント891の周りで振動する。これにより、固定ポインタ894が端部にある状態で剛性ポール893を振動質量892上に固定することからわかるように、並進運動による周回が生じる。並進運動による軌道は、常に方向895であるポインタの一定の向きによって確認される。
2.4 標準的な機械ムーブメントへの等方性調和振動子の組込み
等方性振動子を用いる本出願人のタイムベースは、機械タイムキーパを調整し、これは、てん輪と螺旋ばね振動子とを、等方性振動子と、クランクが歯車列の最後の歯車に固定された脱進機とに置き換えることによって実施することができる。これは、図38:伝統的な場合の左側に示される。主ばね900は歯車列901を介してエネルギーをがんぎ車902に伝え、がんぎ車902はアンカ904を介してエネルギーをてん輪905に断続的に伝える。右側は本出願人の機構である。主ばね900は歯車列901を介してエネルギーをクランク903に伝え、クランク903は、このクランクのスロット内を移動するピン907を介してエネルギーを等方性振動子906に連続的に伝える。等方性振動子は固定フレーム908に取り付けられ、その復元力の中心は、クランクピニオンの中心に一致する。
3 物理的実現の理論的要件
本発明による等方性調和振動子を実現するために、中心復元力の物理的構成が必要である。中心復元力に対して動く質量の理論は、結果として生じる運動が面内で行われるようになっている。しかしながら、ここでは、完全に平面の運動を考慮せず、機構が調和振動子の望ましくない特徴を保持したままである、より一般的な等方性調和振動子について考察する。
物理的実現によりタイムベースのための等時性軌道を生み出すために、上記セクション2の理論モデルにできるだけ細密に準拠しなければならない。ばね剛性kは方向から独立し、半径方向変位から独立した定数である(線形ばね)。理論上、点質量があり、したがって、これは回転しないときに慣性モーメントJ=0を有する。換算質量mは等方性であり、また変位から独立している。結果として得られる機構は、重力ならびに直線衝撃および角衝撃の影響を受けないようにすべきである。したがって、条件は、
等方性k。ばね剛性kの等方性(方向から独立)。
半径方向k。半径方向変位から独立したばね剛性k(線形ばね)。
ゼロJ。慣性モーメントJ=0を有する質量m。
等方性m。換算質量mの等方性(方向から独立)。
半径方向m。半径方向変位から独立した換算質量m。
重力。重力の影響を受けない。
直線衝撃。直線衝撃の影響を受けない。
角衝撃。角衝撃の影響を受けない。
4 等方性調和振動子の実現
4.1 半径方向に対称なばねを介した等方性(回転体の体積)
等方性は、物質の等方性による等方性ばねである、半径方向に対称なばねを通して実現される。最も単純な例を図20に示す:固定ベース601に可撓性梁602が取り付けられ、梁602の端部に質量603が取り付けられる。可撓性梁602は質量603に復元力を与えて、機構が破線で示すニュートラル状態に引かれるようにする。質量603は、そのニュートラル状態の周りの一方向軌道を移動する。以下に、セクション3の理論特性のうちのどれがこれらの実現に当てはまるかを挙げる(一次まで)。
図20のこの構成を修正して、図21A、図21B:二重ロッド等方性振動子に示すように平面の運動を得ることができる。側面図(横断面図):固定フレーム611には、周回質量614を端部で保持する円形横断面612、613の2本の同軸可撓性ロッドが取り付けられる。ロッド612は1自由度屈曲構造619によってフレーム611から軸方向にデカップリングされ、半径方向剛性によって直線復元力を機構に確実に与えるようにする。ロッド612は、駆動リング615に機械加工された半径方向スロット617を通る。上面図:リング615は3つのローラ616によって案内され、歯車618によって駆動される。駆動トルクが618に加わると、エネルギーが周回質量に伝えられて、周回質量の運動が維持される。その特性を以下の表に挙げる。
3ロッド等方性振動子を示す図22に示すように、より平面の運動を達成することができる。固定フレーム620には、円形横断面の3本の平行可撓性ロッド621が取り付けられる。ロッド621には、周回質量として動くプレート622が取り付けられる。この屈曲配置は質量622に3自由度:すなわち周回運動を生じさせる2つの曲線並進運動と、この適用例において使用されない、ロッドに平行な軸の周りの回転とを与える。その特性は以下の通りである。
図23Aおよび図23B(上面図):6平行ロッド等方性振動子に示すように、図22の機構を二重にすることによって完全に平面の運動を達成することができる。固定フレーム630に、円形横断面の3本の平行可撓性ロッド631が取り付けられる。ロッド631は軽量の中間プレート632に取り付けられる。平行可撓性ロッド633は632に取り付けられる。ロッド633は、周回質量として作用する可動プレート634に取り付けられる。この屈曲配置は、634に3自由度:すなわち周回を生じさせる2つの直線並進運動と、この適用例において使用されない、ロッドに平行な軸の周りの回転とを与える。その特性は以下の通りである。
図25A、図25B:可撓性膜を用いる動的平衡ダンベル振動子に示すように、物質の等方性による等方性復元力を与える膜を使用してもよい。剛性バー678、684が、可撓性膜677を介して固定ベース676に取り付けられて、バーに対する2角度自由度を可能にする(バー軸の周りの回転は禁止される)。周回質量679、683がバーの2つの端部に取り付けられる。剛性本体678、684、683、679の重力中心は、膜の平面とバーの軸との交差部に位置し、直線加速度がシステムに対するトルクをいかなる方向にも生じさせないようにする。ピン680は679に軸方向に固定される。このピンは、回転クランク681の半径方向スロット内に係合する。クランクはピボット682によって固定ベースに取り付けられる。駆動トルクは周回質量679を駆動するクランクのシャフトに作用して、システムを運転状態に維持する。ダンベルは、平衡するため、重力を含む直線加速度の影響を本質的に受けない。その特性は以下の通りである。
4.2 非対称なばねの組合せによる等方性
組み合わせた復元力が等方性になるようにばねを組み合わせることによって、等方性ばねを得ることができる。
図26:4ロッド吊下装置を有する動的平衡ダンベル振動子。剛性バー689、690は、ユニバーサルジョイント(詳細は図27、図28A、図28B参照)を形成する4本の可撓性ロッドを介して固定フレーム685に取り付けられる。3本のロッドは剛性バー軸689、690に垂直な水平面686にあり、第4のロッド687は軸689、690に垂直である。2つの周回質量691、692が剛性バーの端部に取り付けられる。剛性本体691、689、690、692の重力中心は、平面686とバーの軸との交差部に位置し、直線加速度がシステムに対するトルクをいかなる方向にも生じさせないようにする。ピン693は692に軸方向に固定される。このピンは回転クランク694の半径方向スロット内に係合する。クランクはピボット695によって固定ベースに取り付けられる。駆動トルクは、予め負荷を加えた螺旋ばね697によって生じ、この螺旋ばね697は、クランクのシャフトに固定されたスプールに巻き付けられた糸696を引っ張る。その特性は以下の通りである。
図26の横断面図が図27:4本の可撓性ロッドに基づくユニバーサルジョイントに示される。図28A、図28Bに示すものと同様の4自由度屈曲構造が、剛性フレーム705を可動チューブ708に連結する。円錐アタッチメント707を機械連結のために使用する。第4の垂直ロッド712は705を708に結合する。ロッドは大径の剛性バー711に機械加工される。バー711は水平ピン709を介してチューブ708に取り付けられる。配置は、ベース705に対して2角度自由度をチューブ708に与える。その特性は以下の通りである。
図26、図27の機構は、図28A、図28B:4自由度屈曲構造に示す屈曲構造に依拠する。可動剛性本体704が、同じ水平面にすべて位置する3本のロッド701、702、703を介して固定ベース700に取り付けられる。ロッドは互いに対して120°の向きである。代替構成は、他の角度の向きのロッドを有する。
代替ダンベル設計が、図29:3ロッド吊下装置を有する動的平衡ダンベル振動子に示される。剛性バー717、718が、ボールジョイントを形成する3本の可撓性ロッド716を介して固定フレーム715に取り付けられる。ピン721は720に軸方向に固定される。このピンは、回転クランク722の半径方向スロットに係合する。クランクはピボット723によって固定ベースに取り付けられる。剛性本体717、718、719、720の重力中心は3本の可撓性ロッドの交差部に位置し、ボールジョイントの回転の運動学的中心であって、直線加速度がシステムに対するトルクをいかなる方向にも生じさせないようにする。駆動トルクはクランクのシャフトに作用する。その特性は以下の通りである。
4.3 球形質量を有する等方性調和振動子
球形質量を有する設計が図30に示される。球形質量768(充填された球体または球形シェル)が、脚部761〜767、脚部769および脚部770から構成されるコンプライアンス性機構を介して固定環状フレーム760に連結される。脚部769、770は脚部761〜770として構成され、その説明は脚部761〜770の説明に従う。球体は脚部767(およびその類似物769、770)に連結され、脚部767は761で固定フレーム760に連結する。脚部761〜767は、ノッチ762、764が屈曲ピボットである3自由度コンプライアンス性機構である。コンプライアンス性脚部761〜770の平面構成は、回転軸が環状リング760の平面に位置するユニバーサルジョイントを構成する。特に、球体は、軸771〜779の周りを回転することができない。小振幅の場合、球体の運動は、772が楕円軌道を描くようになっており、780で示すように、対称性によって779についても同様である。球体の回転は、スロット774に堅く連結されたクランク776を介して維持される。クランク774は、トルク777を有し、ピボットジョイントにより、例えば、玉軸受を用いて776でフレームに連結されるものと仮定する。ピン771は球体に堅く連結され、球体の回転中に、スロット774に沿って動いて、クランク軸776と心合わせされなくなるようにし、トルク777が771に力を及ぼすようにして、球体の回転を維持する。球体768の重力中心778は、平面760と軸771〜779との交差部に位置し、直線加速度がシステムに対するトルクをいかなる方向にも生じさせないようにする。代替構成は、3本の脚部すべてのノッチ764を除去することである。他の代替構成は、1、2、4、またはそれ以上の脚部を使用する。その特性は以下の通りである。
代替球体機構が、図31、図32、図33:2回転自由度調和振動子の実現に示される。球形質量807(空間に可撓性ロッド811を取り付ける、円筒形開口部を含む充填された球体または球形シェル)が、2回転自由度コンプライアンス性機構を介して固定フレーム800および固定ブロック801に連結される。コンプライアンス性機構は、807、同一平面上(図33の平面P)にある3本の可撓性ロッド803、804、805、および平面Pに垂直な第4の可撓性ロッド811を保持する剛性プレート806から構成される。3つの剛性固定ブロック802を使用して、ロッドの固定端部を締め付ける。811の能動的な長さ(2つの締付点間の距離)が、図33にLで示される。平面Pと811の軸との交差点(図33の点A)が、球体または球形シェル807の重力中心に正確に位置する。機構の精度を高めるために、平面Pは、締付点から807内へ距離H=L/8のところで811と交差すべきである。この割合により、屈曲ピボットの回転に伴う寄生ずれ(parasitic shift)を相殺する。このコンプライアンス性機構は、軸が平面Pに位置し、点Aを通る回転である2回転自由度を807に与える(注:この自由度は、質量807を非回転ベース800、801に結合する伝統的な等速ジョイントの自由度と同じであるため、ピン808の軸と同一線上にある軸の周りの質量807の回転を阻止する)。このコンプライアンス性機構により、807の重力中心が変位しない球体または球形シェル807の運動が生じる。その結果、この振動子は、重力およびあらゆる方向への直線加速度の影響を非常に受けにくい。
剛性ピン808は、811の軸で807に固定される。ピン808の先端部812は球形を有する。807がニュートラル位置の周りを振動すると、ピン808の先端部が、軌道と呼ばれる連続軌跡(図の810)をたどる。
ピンの先端部812は、回転軸がロッド811の軸と同一線上にある駆動クランク814に機械加工されるスロット813内に係合する。駆動トルクが814に加わると、クランクは812を周回軌跡に沿って前方へ押し、これにより、機械的損失(減衰効果)がある場合でも、機構を連続運転状態に維持する。その特性は以下の通りである。
球体機構の代替実施形態を図39、図40、図41に示す。
図39は、極ばねに基づく中心復元力の原理の2次元の図であり、この極ばねとは、線形ばね916が振動球体910の北極913に取り付けられることを意味する。ばね916は、駆動ピン915の先端部913を点914に連結する。点914は、球体910がニュートラル位置にあるときに先端部913の位置に対応し、特に、点913、914は球体の中心から同じ距離rのところにある。球体のニュートラル位置は、球体の回転位置として定義され、この球体については、駆動ピン915の軸918が駆動クランク(図40の923および図41の953)の回転軸と同一線上にある。等速ジョイント911により、この位置が確実に唯一のものとなり、すなわち、球体の唯一の回転位置を表す。ばね916によって弾性復元力F=−kX(ここでkはばねの剛性定数)が生じ、これは、点914と点913との間の距離に等しいばねの伸びXに比例する。力Fの方向は914を913に連結する線に沿っている。振動質量は、等速ジョイント911を介して固定ベース912に取り付けられる球体または球形シェル910である。ジョイント911は2回転自由度を有し、軸918の周りの回転である、球体の第3の回転自由度を阻止する。ジョイント911の可能な実施形態は、図31、図32、図33に示す4ロッド弾性吊下装置または図30に示す平面機構である。この配置により、球体に対する非線形中心復元トルクが生じ、これはM=−2kr2sin(α/2)に等しい。ジョイント911がゼロ剛性を有すると仮定して、一定の緯度の一定角速度円形軌道におけるこの極ばね機構の自由振動を動的にモデリングすることにより、自由振動がすべての角度αについて同じ周期を有すること、すなわち、したがって、振動子がそのような軌道上で完全に等時性であり、精密タイムベースとして使用できることを示す。
図40は、図39に示す概念的機構の運動学的モデルの3次元図である。クランクホイール920は駆動トルクを受ける。クランクホイールのシャフト921は、軸923の周りを回転する回転支承部939によって固定ベース922へ案内される。ピボット924は軸923に垂直な軸925の周りを回転し、シャフト921をフォーク926に連結する。フォーク926のシャフトは、2自由度を有し:嵌め込み式であり(シャフトの軸933に沿った1並進運動自由度)、自由にねじり回転する(シャフトの軸933の周りの1回転自由度)。線形極ばね927が、シャフトの嵌め込み自由度に作用して、図39のばね916の復元力を与える。シャフトの第2の端部の第2のフォークは、ピンの軸929に直交して交差する軸931の周りを回転するピボット930を保持し、中間シリンダ932に連結される。シリンダ932は、ピン929の軸の周りを回転するピボットを介して球体935の駆動ピン934に取り付けられる。振動質量は、等速ジョイント936を介して固定ベース937に取り付けられた球体または球形シェル935である。ジョイント936は2回転自由度を有し、軸929の周りの回転である、球体の第3の回転自由度を阻止する。ジョイント936の可能な実施形態は、図31、図32、図33に示す4ロッド弾性吊下装置または図30に示す平面機構である。完全な機構は2自由度を有し、過度に拘束され(over−constrain)ない。完全な機構は、図39の弾性復元力とクランク維持トルクとの両方を実施し、クランクホイール920に加えられたトルクを球体に伝えることができ、これにより軌道938上での振動運動を維持する。
図41は、図40に示す機構の可能な実施形態を示す。
クランクホイール950は、駆動トルクを受ける。クランクホイールのシャフト951は、軸953の周りを回転する回転支承部969によって固定ベース952へ案内される。屈曲ピボット954は、軸953に垂直な軸955の周りを回転し、シャフト951を本体956に連結する。本体956は、2自由度:すなわち軸963に沿った1並進運動自由度および軸963の周りの1回転自由度を有する屈曲構造957によって本体958に連結される。この運動学的機能に加えて、屈曲957は、図40のばね927または図39のばね916の弾性復元力機能をもたらし、力の法則F=−kXに従い、すなわち、その復元力はXと共に直線的に増加し、球体がニュートラル位置にあるときにゼロに等しい。ニュートラル位置は、駆動ピンの軸959とクランクシャフトの953とが同一線上にある位置として定義される。図39のように、球体のニュートラル位置は、等速ジョイント966による唯一のものである。ピンの軸959に直交して交差する軸961の周りを回転する第2の十字ばね(cross−spring)ピボット960は、本体958を中間シリンダ962に連結する。シリンダ932は,ピン959の軸の周りを回転するピボットを介して球体965の駆動ピン964に取り付けられる。振動質量は、等速ジョイント966を介して固定ベース967に取り付けられる球体または球形シェル965である。ジョイント966は2回転自由度を有し、軸969の周りの回転である、球体の第3の回転自由度を阻止する。ジョイント966の可能な実施形態は、図31、図32、図33に示す4ロッド弾性吊下装置または図30に示す平面機構である。完全な機構は2自由度を有する。完全な機構は、図39に示す弾性復元力とクランク駆動機能との両方をもたらし、クランクホイール950に加えられたトルクを球体に伝えることができ、これにより軌道968上での振動運動を維持する。
4.4 XY並進運動の等方性調和振動子
直交並進運動ばねをXY平面で使用して等方性調和振動子を構成することができる。しかしながら、この構成は、ここでは考慮されず、同時係属出願の主題となる。
5 補償機構
新しい振動子を、本発明の例示的な実施形態としての携帯型タイムキーパ内に配置するために、振動子の正しい機能に影響し得る力に対処する必要がある。この力は、重力および衝撃を含む。
5.1 重力の補償
携帯型タイムキーパの場合には、補償が必要である。
これは、振動子のコピーを作り、両方のコピーをボールまたはユニバーサルジョイントを通して連結することによって達成できる。これは図24A、図24B:2本の片持ち梁に基づいて動的、角度的、および半径方向に平衡連結された振動子に示される。円形横断面の2本の同軸可撓性ロッド665、666は各々、周回質量667、668のそれぞれを端部で保持する。質量668、667はそれぞれ、摺動ピボットジョイント(質量に固定された円筒ピンが、球体に機械加工された円筒孔内に軸方向および角度的に摺動する)によって、2つの球体669、670に連結される。球体669、670は、2つのボールジョイント関節を形成するために剛性バー671に取り付けられる。バー671は、ボールジョイント672によって剛性固定フレーム664に取り付けられる。この運動学的配置により2つの周回質量668、667は互いから180度動き、ニュートラル位置から同じ半径方向距離のところにある。維持機構は、可撓性ロッド665が通過するスロットを備えた回転リング673を含む。リング673は、3つのローラ674によって回転して案内され、駆動トルクが作用する歯車675によって駆動される。その特性は以下の通りである。
振動子をコピーし平衡させる別の方法を図11に示し、ここでは図22の機構の2つのコピーがこのようにして平衡される。本実施形態では、固定プレート71は、結合され対称に配置された2つの非独立周回質量72を含むタイムベースを保持する。各周回質量72は、3本の平行バー73によって固定ベースに取り付けられ、これらのバーは、各端部にボールジョイント74を有する可撓性ロッドまたは剛性バーである。レバー75は、膜屈曲ジョイント(符号なし)および垂直可撓性ロッド78によって固定ベースに取り付けられることにより、ユニバーサルジョイントを形成する。レバー75の端部は、2つの可撓性膜77を介して周回質量72に取り付けられる。部材79は、部材71に堅く取り付けられる。部材76、80はレバー75に堅く取り付けられる。その特性は以下の通りである。
5.2 直線加速度のための動的平衡
直線衝撃は直線加速度の一形態であるため、特別な場合として重力を含む。したがって、図20の機構も直線衝撃を補償する。
5.3 角加速度のための動的平衡
2つの質量の重力中心間の距離を小さくすることによって、角加速度による影響を最小化することができる。これにより、本出願人の振動子の回転軸への角加速度を除いて、すべての可能な回転軸への角加速度を考慮する。
これは、前述した図24A、図24Bの機構において達成される。その特性は以下の通りである。
前述した図11はまた、78の近くの質量中心からの、動く質量72の距離が短いことにより、角加速度について平衡する。その特性は以下の通りである。
6 維持および計数
振動子は、摩擦によりエネルギーを失うため、振動子エネルギーを維持する方法が必要である。振動子により管理される時間を表示するために、振動を計数する方法もなければならない。機械時計および腕時計では、これは振動子とタイムキーパの残りの部分との境界面である脱進機によって達成されている。脱進機の原理は図10に示され、そのようなデバイスは腕時計産業において周知である。
本発明の場合、これを達成するために2つの主な方法:脱進機のない方法と簡易脱進機のある方法とが提案される。
6.1 脱進機のない機構
等方性調和振動子に対するエネルギーを維持するために、トルクまたは力を加える。振動子エネルギーを維持するために連続的に加えられるトルクTの一般原理については図8を参照されたい。図9は、振動子エネルギーを維持するために力FTを断続的に加える別
の原理を示す。実際には、この場合、機構は、適切なトルクを振動子に伝えてエネルギーを維持するのにも必要であり、図12〜図16では、この目的で本発明による様々なクランクの実施形態が示される。図18、図19は同じ目的の脱進機システムを示す。これらすべての復元エネルギー機構を、本明細書に記載の、振動子および振動子システム(ステージなど)のすべての様々な実施形態と組み合わせて使用してもよい。一般的に、振動子がタイムキーパ、特に腕時計用のタイムベースとして使用される本発明の実施形態では、腕時計の分野で知られるように、脱進機と組み合わせて使用する腕時計のばねによって、トルク/力を加えることができる。本実施形態では、したがって、公知の脱進機を本発明の振動子に置き換えることができる。
図12は、振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの原理を示す。クランク83は、ピボット82を通して固定フレーム81の周りを回転する。直進ジョイント84により、クランク端部が可変半径で回転することができる。タイムベース(図示せず)の周回質量は、ピボット85によりクランク端部84に取り付けられる。したがって、周回質量の向きは、クランク機構によって変化しないままとなり、振動エネルギーはクランク83によって維持される。
図13A、図13Bは、振動子に取り付けられた、振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの実現を示す。固定フレーム91は、維持トルクMが加えられるクランクシャフト92を保持する。クランク93はクランクシャフト92に取り付けられ、直進スロット93’を備える。剛性ピン94は、周回質量95に固定され、スロット93’に係合する。平面等方性ばねは96で示される。上面図および斜視分解図が、この図13A、図13Bに示される。
図14は、振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの、屈曲に基づく実現を示す。クランク102は、シャフト105を通して固定フレーム(図示せず)の周りを回転する。2つの平行可撓性ロッド103は、クランク102をクランク端部101に結合する。ピボット104は、図27に示す機構を周回質量に取り付ける。この図14で、機構はニュートラルな特異位置に示される。
図15は、振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの、屈曲に基づく実現の別の実施形態を示す。クランク112は、シャフト115を通して固定フレーム(図示せず)の周りを回転する。2つの平行可撓性ロッド113は、クランク112をクランク端部111に結合する。ピボット114は、図示した機構を周回質量に取り付ける。この図15で、機構は固定位置に示される。
図16は、振動子エネルギーを維持するための可変半径クランクの、屈曲に基づく代替の実現を示す。クランク122は、シャフトを通して固定フレーム121の周りを回転する。2つの平行可撓性ロッド123はクランク122をクランク端部124に結合する。ピボット126は、機構を周回質量125に取り付ける。この配置で、可撓性ロッド123は平均軌道半径のために最小限に屈曲する。
6.2 簡易脱進機
脱進機を使用する利点は、振動子が、クロノメータのエラー源であり得るエネルギー源に(歯車列を介して)連続的に接触しないことである。したがって、脱進機は、振動子が振動の大部分について脱進機からの外乱なしで振動する自由脱進機である。
脱進機は、振動子が単一方向に回転するため、てん輪脱進機と比べて簡易である。てん輪が前後運動を有するため、腕時計用脱進機は、一般に、2つの方向の一方に衝撃を与えるためにレバーを必要とする。
本出願人の振動子に直接適用される第1の腕時計用脱進機は、クロノメータまたはデテント脱進機[6、224〜233]である。この脱進機を、通常の腕時計用てん輪の逆回転中に機能が生じる送りばね(passing spring)をなくす以外の修正なしで、ばねデテントまたはピボットデテントの形で適用することができる([6、図471c]参照)。例えば、伝統的なデテント脱進機を示す図10では、機能がもはや必要でない金ばね(Gold spring)を除いて機構全体が保持される。
H.Bouasseは、ここに示したものと同様の円錐振り子用デテント脱進機[3、247−248]について記載している。しかしながら、Bouasseは、断続的な衝撃を円錐振り子に加えることは誤りであると考える。前述したような、円錐振り子は常に一定速度で動作すべきであるという仮定に、これを関連付けることができる
6.3 等方性振動子用デテント脱進機の改良
等方性調和振動子用の可能なデテント脱進機の実施形態が、図17〜図19に示される。
図17は、等方性調和振動子用の伝統的な腕時計用簡易デテント脱進機を示す。逆転運動のための通常のホーンデテントが、振動子の一方向回転によって抑制されている。
図18は、並進運動周回質量のためのデテント脱進機の実施形態を示す。2つの平行留め具151、152が周回質量(図示しないが、参照符号156の円を形成する矢印によって概略的に示される)に固定されるため、互いの同期並進運動である経路を有する。留め具152は、ばね155で旋回するデテント154を変位させて、がんぎ車153を解放する。がんぎ車は、留め具151に衝撃を与え、失われたエネルギーを振動子に戻す。
図19は、並進運動周回質量のための新しいデテント脱進機の実施形態を示す。2つの平行留め具161、162は周回質量(図示せず)に固定されるため、互いの同期並進運動である経路を有する。留め具162は、ばね165で旋回するデテント164を変位させて、がんぎ車163を解放する。がんぎ車は、留め具161に衝撃を与え、失われたエネルギーを振動子に戻す。機構により、軌道半径の変動が可能になる。この図38には、側面図および上面図が示される。
7 以前の機構との相違
7.1 円錐振り子との相違
円錐振り子は、重力の力に垂直な垂直軸の周りを回転する振り子である(図4参照)。円錐振り子の理論は、Christiaan Huygensにより最初に記載され(参考文献[16]および[7]参照)、通常の振り子と同様に、円錐振り子は等時性ではないが、理論上、可撓性のひもと放物面構造とを用いることにより、等時性になり得ることが示された。
しかしながら、通常の振り子のサイクロイドチークと同様に、Huygensの修正は、可撓性の振り子に基づいており、実際には時間管理を向上させない。円錐振り子が精度時計用のタイムベースとして使用されたことはない。
正確な時間管理の可能性にもかかわらず、例えば、Defossezによる円錐振り子の説明(参考文献[8、p.534]参照)において、円錐振り子は一貫して、短い時間間隔を正確に測定するために等速運動を得る方法として記載されている。
円錐振り子の理論解析がHaagにより示されているが(参考文献[11][12、p
.199〜201]参照)、結論として、タイムベースとしての可能性は、固有の等時性がないため円形振り子よりも本質的に低くなる。
円錐振り子は、精密時計に使用されているが、タイムベースとしては使用されていない。特に、1860年代に、William Bondは円錐振り子を有する精密時計を構成したが、これは脱進機の一部であり、タイムベースは円形振り子である(参考文献[10]および[25、p.139〜143]参照)。
したがって、本発明は、振動子が固有の等時性を有するため、タイムベースの選択肢として円錐振り子よりも優れている。さらに、本発明は、ばねに基づくので腕時計または他の携帯型タイムキーパで使用することができるが、これは、重力に対して一定の向きを有するタイムキーパに依存する円錐振り子には不可能である。
7.2 調速機との相違
調速機は、一定速度を維持する機構であり、最も単純な例は、蒸気機関のためのワット調速機である。19世紀に、これらの調速機は、スムーズな動作、すなわち、脱進機を有する振動子に基づく時計機構の、進んではすぐに止まる断続的な運動のない動作が高い精度よりも重要である適用例において使用された。特に、そのような機構は、比較的短い時間間隔にわたって天球の動きを追い、星の動きをたどる望遠鏡に必要とされた。使用の時間間隔が短いため、この場合、高いクロノメータ精度は必要ない。
そのような機構の例がパリ天文台の望遠鏡を調整するためにAntoine Breguetにより作られ(参考文献[4]参照)、その理論がYvon Villarceauにより説明された(参考文献[24]参照)。この機構は、ワット調速機に基づき、また比較的一定の速度を維持するようになっているため、等時性レギュレータ(等時性調速機)と呼ばれているにもかかわらず、前述したような真の等時性振動子にはなり得ない。Breguetによれば、精度は30秒/日〜60秒/日である(参考文献[4]参照)。
波動方程式から得られる調和振動子の固有の特性(セクション8参照)によって、一定速度機構は真の振動子ではなく、そのようなあらゆる機構は、本質的に限られたクロノメータ精度を有する。
調速機は精密時計で使用されているが、タイムベースとして使用されたことはない。特に、1869年に、William Thomson,Lord Kelvinが天文時計を設計し構築したが、この天文時計の脱進機機構は、タイムベースが振り子であるにもかかわらず、調速機に基づくものであった(参考文献[23][21、p.133〜136][25、p.144〜149]参照)。実際に、時計に関する彼の書簡のタイトルには、「等速運動」を特徴とすることが述べられている(参考文献[23]参照)ため、その目的が本発明とは明らかに異なっている。
7.3 他の連続運動タイムキーパとの相違
機構が進んではすぐに止まる断続的な運動を持たないため不要な繰返しの加速を受けない、少なくとも2つの連続運動腕時計がある。2つの例は、AsulabによるいわゆるSalto腕時計(参考文献[2]参照)と、セイコーによるスプリングドライブ(参考文献[22]参照)である。これらの機構の両方が高レベルのクロノメータ精度を達成しているが、これらは等方性振動子をタイムベースとして使用せず、代わりに水晶音叉の振動に依拠しているため、本発明とは完全に異なる。さらに、この音叉は、振動を維持し計数するための圧電気と、維持および計数を制御するための集積回路とを必要とする。ムーブメントの連続運動は電磁制動によってのみ可能であり、この電磁制動は、衝撃によるクロノメータエラーを訂正するために、メモリに±12秒までの緩衝域を必要とする集積回路によって再び制御される。
本発明は、等方性振動子をタイムベースとして使用し、正しく動作するために電気または電子機器を必要としない。ムーブメントの連続運動は、等方性振動子自体によって調整され、集積回路によっては調整されない。
8 等方性調和振動子の実現
いくつかを前述し、かつ詳細に後述する一部の実施形態では、本発明は、タイムベースとして使用するための等方性調和振動子の実現として考えられた。実際に、等方性調和振動子をタイムベースとして実現するために、中心復元力の物理的構成が必要である。最初に、中心復元力に対して動く質量の理論は、結果として生じる運動が平面内で行われるようになっていることに注目する。したがって、実際上の理由で、物理的構成は平面等方性を実現すべきであるということになる。したがって、ここに記載の構成は大部分が平面等方性であるが、これに限定されず、3次元等方性の例もある。平面等方性を2つの方法:回転等方性ばね、および並進運動等方性ばねで実現することができる。
回転等方性ばねは、1自由度を有し、ばねおよび質量の両方を保持する支持体と共に回転する。この構造により、自然に等方性になる。質量は、軌道をたどるが、支持体と同じ角速度でそれ自体の周りを回転する。
並進運動等方性ばねは、2並進運動自由度を有し、ここでは質量が回転せずにニュートラル点の周りの楕円軌道に沿って並進運動する。これにより、疑似慣性モーメントはなくなり、等時性に対する理論上の障害が取り除かれる。
回転等方性ばねはここでは考慮されず、「等方性ばね」という用語は、並進運動等方性ばねのみを指す。
17 加速度計、クロノグラフ、および調速機への応用
本明細書に記載の等方性ばねの実施形態に半径方向ディスプレイを加えることにより、本発明は、例えば、乗用車において横G(lateral g force)を測定するのに適した、完全に機械的な2自由度加速度計を構成することができる。
別の応用では、本出願に記載の振動子およびシステムを、長い速度増加歯車列のみを必要とする、秒の分数を測定するクロノグラフ用のタイムベースとして使用して、例えば100分の1秒を測定するように100Hzの振動数を得ることができる。勿論、他の時間間隔の測定が可能であり、結果として、歯車列の最終的な割合を適応させることができる。
さらなる適用例では、本明細書に記載の振動子を調速機として使用することができ、ここでは短い間隔にわたる一定の平均速度のみが、例えば打鐘時計または音楽時計および腕時計、ならびにオルゴールを調整するために必要である。摩擦調速機とは対照的に、調和振動子の使用は、摩擦を最小化し、品質係数を最適化することによって、望ましくない騒音をなくし、エネルギー消費およびしたがってエネルギーの蓄積を減らすとともに、打鐘時計または音楽腕時計の適用例では、これにより音楽または打鐘のリズムの安定性を向上させる。
機構の可撓性要素は、好ましくは、鋼、チタン合金、アルミニウム合金、青銅合金、シリコン(単結晶または多結晶)、炭化ケイ素、ポリマーまたは複合材料などの弾性材料から作られる。機構の大部分は、好ましくは鋼、銅、金、タングステン、または白金などの高密度材料から作られる。本発明の要素を実現するために、他の等価な材料および前記材料の混合物も勿論可能である。
本明細書に示す実施形態は、例示のためものであり、限定するものと解釈すべきではない。例えば等価な手段を用いることにより、本発明の範囲内で多くの変形形態が可能である。また、本明細書に記載の異なる実施形態を、希望に応じて、状況によって組み合わせてもよい。
さらに、振動子の他の適用例を本発明の範囲および精神において想定することができ、本明細書に記載のいくつかの適用例に限定されない。
本発明の一部の実施形態の主な特徴および利点
A.1 等方性調和振動子の機械的実現。
A.2 平面の中心直線復元力の物理的実現である等方性ばねの使用(フックの法則)。A.3 タイムベースとしての調和振動子による精密タイムキーパ。
A.4 効率が高まり機械的複雑さが低減した、脱進機のないタイムキーパ。
A.5 走行列(running train)の進んではすぐに止まる断続的な運動、関連する無駄な衝撃および減衰効果、ならびに走行列および脱進機機構の繰返しの加速をなくすことにより、結果として効率が向上する連続運動機械タイムキーパ。
A.6 重力の補償。
A.7 直線衝撃の動的平衡。
A.8 角衝撃の動的平衡。
A.9 振動の一部についてあらゆる機械的外乱から振動子を解放する自由脱進機を使用することによる、クロノメータ精度の向上。
A.10 振動子の回転が方向を変化させないため、てん輪脱進機と比べて簡易な新しい群の脱進機。
A.11 等方性振動子の伝統的なデテント脱進機における改良。
一部の実施形態の革新
B.1 タイムキーパのタイムベースとしての、等方性調和振動子の最初の適用。
B.2 調和振動子タイムベースを有するタイムキーパからの脱進機の排除。
B.3 重力を補償する新しい機構。
B.4 直線および角衝撃の動的平衡のための新しい機構。
B.5 新しい簡易脱進機。
概要、本発明による等方性調和振動子(等方性ばね)。
例示的な特徴
1 ばね剛性等方性欠陥を最小化する等方性調和振動子。
2 換算質量等方性欠陥を最小化する等方性調和振動子。
3 ばね剛性および換算質量等方性欠陥を最小化する等方性調和振動子。
4 ばね剛性、換算質量等方性欠陥を最小化し、あらゆる方向の直線加速度の影響を受けず、特に、機構のあらゆる向きの重力の力の影響を受けない等方性振動子。
5 角加速度の影響を受けない等方性調和振動子。
6 上記特性のすべてを組み合わせた等方性調和振動子:ばね剛性および換算質量等方性を最小化し、直線加速度および角加速度の影響を受けない。
本発明の適用
A.1 本発明は中心直線復元力の物理的実現(フックの法則)である。
A.2 本発明は、タイムキーパ用のタイムベースとしての等方性調和振動子の物理的実現をもたらす。
A.3 本発明は、平面等方性からの偏差を最小化する。
A.4 本発明の自由振動は、ばねのニュートラル点を楕円の中心として有する閉鎖楕円軌道に近似している。
A.5 本発明の自由振動は高度な等時性を有する:振動の周期は全エネルギー(振幅)から大きく独立している。
A.5 本発明は、長い時間周期にわたって振動の全エネルギーを比較的一定に維持するために使用される、外部エネルギーを伝える機構に容易に嵌合する。
A.6 機構を修正して3次元等方性をもたらすことができる。
特徴
N.1 高度なばね剛性および換算質量等方性を有し、直線加速度および角加速度の影響を受けない等方性調和振動子
N.2 完全な等方性からの偏差が、以前の機構よりも少なくとも1桁小さく、通常、2桁小さい。
N.3 完全な等方性からの偏差が、初めて十分に小さくなり、正確なタイムキーパのタイムベースの一部として本発明を使用することができる。
N.4 本発明は、エネルギーを供給して振動を同じエネルギーレベルで維持するために、断続的な運動を有する脱進機を必要としない調和振動子の最初の実現である。
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Claims (17)

  1. 等方性および直線復元力特性を有する少なくとも1つのばね要素(602;612、613;621;631、633;665、666;677;701−703;716;761−770;803−805、811)を用いて、周回質量(603;614;622;634;667、668;679、683;691、692;719、720;768;807)を固定ベース(601;611;620;630;664;676;685;700;715;760;800)に対して支持しつつ、該固定ベースに対する該周回質量の第3の回転自由度を阻止する、2回転自由度リンク機構を含む機械的等方性調和振動子。
  2. 前記2回転自由度リンク機構を形成することにより、前記周回質量の傾斜運動を生じさせて、該周回質量が一定の向きを維持したままその軌道に沿って移動するようにする、請求項1に記載の振動子。
  3. 前記周回質量は1つの質量(603;614;622;634;768;807;910;935;965)または複数の質量(667、668;679、683;691、692;719、720)を含む、請求項1または2に記載の振動子。
  4. 前記周回質量は固体球体または球形シェル、またはダンベルであり、該周回質量の重力中心が傾斜運動の中心にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動子。
  5. 前記周回質量は固体球体(910;935)または球形シェル(965)であり、該質量の重力中心は傾斜運動の中心にあり、復元力は赤道ばねまたは極ばね(916;927)によってもたらされる、請求項4に記載の振動子。
  6. 前記ばね要素は少なくとも1本の可撓性ロッド(602)または複数本の可撓性ロッド(612、613;621;631、633;665、666;701−703;716;761−770;803−805、811)を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動子。
  7. 前記ばね要素は可撓性膜(677)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動子。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の振動子を含み、該振動子への連続的な機械エネルギー供給を提供する機構をさらに含むシステム。
  9. 前記機構がトルクまたは断続的な力を前記振動子に加える、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記機構は、ピボット(82)を通して固定フレーム(81)の周りを回転する可変半径クランク(83)を含み、直進ジョイント(84)により該可変半径クランクの端部は可変半径で回転することが可能になる、請求項8または9に記載のシステム。
  11. 前記機構は、維持トルクMが加えられるクランクシャフト(92)と、該クランクシャフト(92)に取り付けられた、直進スロット(93’)を備えるクランク(93)とを保持する固定フレーム(91)を含み、球形先端部(94)を有する剛性ピンは前記振動子または振動子システムの前記周回質量(95)に固定され、該ピンは該スロット(93’)に係合する、請求項8または9に記載のシステム。
  12. 前記機構は、機械エネルギーを前記振動子に断続的に供給するためのデテント脱進機を含む、請求項8または9に記載のシステム。
  13. 前記デテント脱進機は、前記周回質量に固定された2つの平行留め具(151、152)を含み、一方の該留め具(152)はばね(155)上で旋回するデテント(154)を変位させてがんぎ車(153)を解放し、該がんぎ車は他方の該留め具(151)に衝撃を与えて、失われたエネルギーを前記振動子または振動子システムに戻す、請求項12に記載のシステム。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の振動子またはシステムをタイムベースとして含む時計などのタイムキーパ。
  15. 前記タイムキーパは腕時計またはクロノグラフである、請求項14に記載のタイムキーパ。
  16. 請求項14または15に記載のタイムキーパにおけるタイムベースとしての、請求項1〜13のいずれか1項に記載の振動子またはシステムの使用。
  17. 音楽時計および腕時計、またはオルゴールにおける調速機としての、請求項1〜13のいずれか1項に記載の振動子またはシステムの使用。
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