JP2008124659A - 薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器 - Google Patents

薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器 Download PDF

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Abstract

【課題】歩留を上げることが可能な薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器を提供する。
【解決手段】半導体基板11の上面に第1の側壁13及び第1の底面14を有する空洞12aを形成する工程と、第1の底面13に対して90度以上の角度で交わる面を有する第2の側壁25及び第2の底面26を有する溝12bを形成する工程と、溝12bにボイド28を有し、第1の底面13上に半導体基板11の上面を越える膜厚のCVD酸化膜27を減圧雰囲気で形成する工程と、半導体基板11の上面と実質同一面となるようにCVD酸化膜27を加工し、半導体基板11の上面及びCVD酸化膜27上に、CVD酸化膜27に通じ、溝12bに対向する位置に開口を有する貫通孔34を備えた共振部が配設された上部部材31を形成する工程と、貫通孔34を介して、エッチャントを導入して、CVD酸化膜27をエッチング除去する工程とを具備する。
【選択図】図5

Description

本発明は、中空構造を有する薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器に関する。
微細技術の進展に伴い、いわゆるマイクロマシン(MEMS)技術を用いた小型機器が注目されている。MEMS技術とは、主に機械的な微小構造をシリコン基板等の半導体基板または他の基板上に作り付け、極小のアクチュエータやセンサ、共振器等のデバイスを作製するものである。機械的構造を導入することで、半導体デバイスでは得ることのできない高い性能とサイズの小型化を同時に実現する可能性を有している。例えば、共振器構造の薄膜圧電共振器(FBAR、Film Bulk Acoustic Resonator)等が実用化され、特性向上やコスト削減を目指した開発が進められている。
薄膜圧電共振器においては、圧電膜を自由に振動させるために、例えば、共振器の両面を空中に配置する構造が採られる。圧電膜等を半導体基板上に形成することが多く、半導体基板に接触している片面を空中に配置するために、半導体基板に空洞(キャビティ)を設けることが必要となる。
空洞の構造に関して、例えば、半導体基板上にエッチングストッパ層とこのエッチングストッパ層よりもエッチングレートの高い、第1の半導体層(GaAs)を結晶成長により形成した後、第1の半導体層上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜上の所定の領域に第1の電極,圧電体薄膜、第2の電極を順次形成し、上記第1の電極の近傍の絶縁膜に開口部を設け、この開口部より上記第1の半導体層を上記エッチングストッパ層に対して選択的にウェットまたはドライエッチングして、第1の電極の下部に空洞部を設ける方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
開示された技術では、空洞を形成するためのエッチングの開始点は、第1の電極の近傍の開口部であり、エッチングの終点は第1の電極の下部の第1の半導体層の中央部となる。従って、1辺が100μm前後の第1の電極の下部の第1の半導体層を開始点からエッチャントを供給して、第1の電極の下部に空洞を形成するには多くの時間が必要であり、薄膜圧電共振器の特性劣化を引き起こして、歩留を悪化させるという問題がある。また、歩留の悪化及び長い製造工程はコストの上昇を引き起こすことになる。
特開平9−83029号公報(第8、9頁、図2)
本発明は、歩留を上げることが可能な薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器を提供する。
本発明の一態様の薄膜圧電共振器の製造方法は、半導体基板の上面に第1の側壁及び第1の底面を有する空洞を形成する工程と、前記第1の底面下に、前記第1の底面に対して90度以上の角度をなす面を有する第2の側壁及び第2の底面を備えた溝を前記第1の底面下に形成する工程と、前記溝にボイドを有し、前記第1の底面上に前記半導体基板の上面を越える膜厚の絶縁膜を減圧雰囲気で形成する工程と、前記半導体基板の上面と実質同一面となるように前記絶縁膜を加工し、前記半導体基板の上面及び前記絶縁膜上に、前記絶縁膜に通じ、前記溝に対向する位置に開口を有する貫通孔を備えた共振部が配設された上部部材を形成する工程と、前記貫通孔を介して、エッチャントを導入して、前記絶縁膜をエッチング除去する工程とを具備していることを特徴とする。
また、本発明の別態様の薄膜圧電共振器は、上面及び前記上面に対向する下面を有し、前記上面にほぼ平行で前記下面側に近い第1の底面、前記上面と前記第1の底面とを接続する第1の側壁、前記第1の底面より前記下面側に近い第2の底面、及び、前記第1の底面と前記第2の底面とを接続し、前記第1の底面側に先細りとなる溝を有し、連接された前記溝により前記第1の底面を島状に分離する第2の側壁を備える底部基板と、前記上面に固定され、前記溝に対向する位置に開口を有する貫通孔を有し、下部電極、圧電膜、及び上部電極が積層された共振部を有する上部部材とを具備していることを特徴とする。
本発明によれば、歩留を上げることが可能な薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器を提供することが可能である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。各図では、同一の構成要素には同一の符号を付す。
本発明の実施例1に係る薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器について、図1乃至図5を参照しながら説明する。図1は薄膜圧電共振器の構造を模式的に示す図であって、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線に沿った断面図である。図2は薄膜圧電共振器の主要部をなす中空構造体の構造を模式的に示す図であって、図2(a)は一部を切り欠いて示す平面図、図2(b)は図2(a)の折れ線をなすB−B線に沿った断面図である。図3は中空構造体の製造方法を工程順に模式的に示す、図2(a)のB−C線に沿った断面に相当する位置の層構造断面図である。図4は図3に示す工程に引き続き、中空構造体の製造方法を工程順に模式的に示す層構造断面図である。図5は図4に示す工程に引き続き、中空構造体の製造方法を工程順に模式的に示す層構造断面図である。
図1に示すように、薄膜圧電共振器1は、凹部12を有する底部基板である半導体基板11、及び、半導体基板11の上面に、凹部12を覆うまたは蓋をするように成膜された共振部を有する上部部材31を備えている。上部部材31は凹部12の一部を覆う構成でも差し支えない。
更に、半導体基板11の凹部12は、半導体基板11の下面側に近い位置に第1の底面14、上面と第1の底面14とを接続する第1の側壁13、第1の底面14より下面側に近い位置に第2の底面26、及び、第1の底面14と第2の底面26とを接続し、第1の底面14側に先細りとなる空間(後述の溝)を形成する第2の側壁25で形成されている。第1の底面14及び第2の底面26は、半導体基板11の上面にほぼ平行である。
上部部材31は、下部電極41、圧電膜42、及び上部電極43を有している。下部電極41は第1の底面14と対向し、半導体基板11の上面に延在している。圧電膜42は、下部電極41の上に接して、凹部12の上方に配設されている。上部電極43は圧電膜42の上に接して、半導体基板11の上面に延在している。そして、上部部材31は、第1の側壁13に接近して凹部12に通じる貫通孔34を有している。凹部12上の上部部材31が共振部を構成する。
上述のように、薄膜圧電共振器1は、上部部材31の下に凹部12を特徴的に有している。以下、図2に示すように、薄膜圧電共振器1の凹部12及びその周辺部を、中空構造体2として取り出して説明する。中空構造体2は、薄膜圧電共振器1と同じ構成要素からなる。
半導体基板11は、例えば、シリコン基板である。凹部12は2段の底面を有し、半導体基板11の上面側にある空洞12a及び半導体基板11の下面側にある溝12bに区分して説明する。空洞12aは、第1の側壁13、第1の底面14及びその延長面、上部部材31の下面及びその延長面等で構成される概略的に直方体をなす境界で囲まれた空間である。第1の底面14及びその延長面の1辺の長さは、数100μm、例えば、150μmである。第1の側壁13の長さ(高さ)は、数μm、例えば、2μmである。
溝12bは、第1の底面14に対して90度以上の傾斜を有する第2の側壁25、第2の底面26、及び、第1の底面14の延長面で構成され、第1の底面14側に向かって先細りとなる空間である。空洞12aをなす直方体の底面側の直交する2辺にそれぞれほぼ平行に伸長した溝12bは、碁盤格子状に一定間隔で配置され、第1の底面14をほぼ矩形の島状に分離している。なお、第2の側壁25は、第1の底面14と第2の底面26との間のいずれかの部分に逆テーパをなす面を有している。
上部部材31は、例えば、単層または複数層の金属からなる下部電極41、AlNからなる圧電膜43、及び金属からなる上部電極43が積層されて、共振部を形成している。貫通孔34は、上部部材31の表面に垂直で、空洞12aをなす直方体の四隅に近接して開口され、溝12bの交点のほぼ直上部に位置するように、例えば、4個配設されている。
次に、中空構造体2、すなわち、薄膜圧電共振器1の製造方法について説明する。まず、図3(a)に示すように、半導体基板11を用意し、上面に熱酸化膜21を形成する。熱酸化膜21に代わって、CVD(Chemical Vapor Deposition)酸化膜であってもよい。
図3(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、熱酸化膜21にパターニングして、マスクとなる部分を形成する。
図3(c)に示すように、パターニングされた熱酸化膜21をマスクとして、半導体基板11をエッチングして第1の側壁13及び第1の底面14を形成する。第1の側壁13の高さ、すなわち、エッチング深さを、例えば、約2μmとする。ここに、空洞12aが形成される。
図3(d)に示すように、半導体基板11の表面にCVD酸化膜23を形成する。
図4(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、第1の底面14上に、碁盤格子状のレジストパターン(図示略)を形成し、CVD酸化膜23に転写して開口24を形成する。
CVD酸化膜23をマスクとして、半導体基板11の第1の底面14をNF3、HBr及びO2の混合ガスを用いて、ドライエッチングする。その後、CVD酸化膜23を除去すると、図4(b)に示すように、第1の底面14に対して90度以上の角度で交わる面を有する第2の側壁25及び第2の底面26を形成し、溝12bが形成される。溝12bは、第1の底面14での開口寸法が、数μm、例えば、約1μmであり、このときの第2の底面26側の最大の開口寸法が約1.3μmである。また、溝12b同士の繰り返し距離(ピッチ)は、後述の所望のエッチング速度に合わせて変更可能であり、例えば、約2μmである。空洞12a及び縦横に伸びた溝12bを有する凹部12の形成が終了する。なお、第1の底面14と第2の側壁25との交わる部分は丸みを持って形成されても、第2の側壁25の第2の底面26側に逆テーパの面が形成されていれば差し支えない。また、エッチングガスは、SF6及びO2の混合ガスであってもよい。
図4(c)に示すように、LP−CVD(Low Pressure CVD)法により、第1の底面14上の膜厚が第1の側壁13の高さより高く、例えば、30%高くなるように、絶縁膜である、いわゆる、犠牲膜となるCVD酸化膜27を堆積する。第1の底面14の延長面、第2の側壁25、及び第2の底面26で囲まれた溝12bにボイド(空洞)28を残してCVD酸化膜27は堆積される。ボイド28は、周知のように、第2の底面26より第1の底面14側の開口(入口)が狭いために、CVD酸化膜27が、溝12b内に堆積されるより早く、入口に堆積されて、入口を塞いでしまうために起こる。ボイド28は、溝12bに沿って縦横に分布し、LP−CVDの雰囲気である減圧状態に維持される。
図4(d)に示すように、半導体基板11の上面と実質同一面となるように、CVD酸化膜27をCMP(Chemical Mechanical Polishing)にて加工する。CVD酸化膜27は、図4(b)に示す凹部12にのみ残される。
図5(a)に示すように、半導体基板11の上面及びCVD酸化膜27上に、上部部材31を、例えば、スパッタ法にて成膜する。上部部材31の下部電極41及び上部電極43は、タングステンまたはモリブデン等の金属等、圧電膜42はAlN等である。図示を省略するが、上部部材31は、フォトリソグラフィ技術及びRIE等により所望の形状に形成され、半導体基板11の上面に接して、CVD酸化膜27を密封する。
図5(b)に示すように、開口33が形成されたレジスト32をマスクとして、上部部材31に、CVD酸化膜27に通ずる1辺が約15μm程度の矩形の貫通孔34を、例えば、第1の側壁13に接近した四隅に近い部分に形成する。貫通孔34の形成は、使用材料に合わせて、周知のハロゲン系ガス、酸素等を主成分として、適宜組み合わせて実施可能であり、例えば、AlNに対しては、ClとBClの混合ガス等と用いて実施することが可能である。貫通孔34の位置は、上部部材31の共振器特性に影響が少ない部分であって、貫通孔34の開口はCVD酸化膜27の周辺部にあり、溝12b同士の間隔が大きい場合には、溝12bが交互に交わっている箇所に対向する上部が好ましい。
次に、レジスト32を付けた状態で、バッファード弗酸溶液中に浸して、CVD酸化膜27をエッチングする。バッファード弗酸溶液中に投入して、比較的短い時間経過後、図5(c)に示すように、バッファード弗酸溶液は、溝12bのボイド28を介して、CVD酸化膜27の、例えば、中央部に達して、CVD酸化膜27をエッチングし始める。この後、バッファード弗酸溶液中に浸した状態でCVD酸化膜27をエッチングし、エッチングが完了した後、水洗等を行い、レジスト32を除去する。なお、中空構造体2は、水洗して乾燥する前に、低表面張力液により置換されることは好ましい。そして、図1に示すように、中空構造体2、すなわち、薄膜圧電共振器1が完成する。なお、CVD酸化膜27のエッチングは、HFとアルコールの混合ガスを用いたドライエッチングであっても差し支えなく、この場合、貫通孔34の径を小さくすることが可能である。
上述したように、薄膜圧電共振器1(中空構造体2)は、共振器をなす上部部材31の下に、2段の底面を有する凹部12を設け、下面側の逆テーパを有する第2の側面25を有する縦横に形成された溝12bに、連続したボイド28を有するCVD酸化膜27を堆積して、貫通孔34から供給されるエッチャントを、ボイド28を介してCVD酸化膜27全体により短時間で行き渡らせて、CVD酸化膜27をエッチング除去する工程を採用して、形成される。ボイド28が形成されないCVD酸化膜を、薄膜圧電共振器1と同様な貫通孔からエッチングする場合、例えば、数時間を必要とするが、これと比較して、薄膜圧電共振器1(中空構造体2)の製造方法では、10分の1から数10分の1のエッチング時間となり得る。貫通孔31に代わって、引用文献のような溝状のエッチャント導入口を形成して、エッチングする場合に比較して、数分の1から数10分の1のエッチング時間とすることが可能となる。
その結果、薄膜圧電共振器1は、例えば、バッファード弗酸溶液に浸される時間を、大幅に短縮でき、上部部材31が、レジスト32との界面等から滲入するバッファード弗酸溶液によって侵されて、初期特性または長期安定性等が損なわれる割合を低減、すなわち、歩留低下を抑制することが可能となる。
また、溝12bは、上部部材31の下面に対向する第1の底面14を島状に分離する。CVD酸化膜27がエッチングして除去された後、上部部材31の下面と第1の底面14とが、例えば、洗浄水の表面張力等により、引き寄せられて、接触することが起こり得る。しかしながら、第1の底面14が島状に分離されているので、接触する面積が小さくなり、上部部材31の下面と第1の底面14が張り付く(スティッキング)頻度を低減することが可能となる。
また、薄膜圧電共振器1は、上部部材31の下面と第1の底面14とが分離して形成された後、衝撃や静電気等で、接触することが起こり得るが、第1の底面14が島状に分離されているので、対向する上部部材31の下面と接触しても、スティッキングを起こす頻度を低減することが可能となる。
本発明の実施例2に係る薄膜圧電共振器の製造方法及び薄膜圧電共振器について、図6を参照しながら説明する。図6は薄膜圧電共振器の主要部をなす中空構造体の構造を模式的に示す図であって、図6(a)は一部を切り欠いて示す平面図、図6(b)は図6(a)のD−D線に沿った断面図である。実施例1の薄膜圧電共振器1とは、溝が交差する第1の底面の角に、突起が形成されている点が異なる。なお、実施例1と同一構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図6に示すように、中空構造体3、すなわち、本実施例の薄膜圧電共振器(図示略)の半導体基板11の凹部52は、実施例1の中空構造体2と同様な空洞12a、及び、交差する部分で対角方向に突き出した突起51を新たに有した溝52bで構成される。対角方向に対向する突起51の先端の間隔は、交差部以外の溝52bの間隔とほぼ同様である。
図6(b)に示すように、交差する部分を対角方向に見た第1の底面14に垂直な断面では、破線で示した実施例1の第2の側壁25に対して、本実施例の第2の側壁55は、第1の底面14に沿って、対角方向に張り出している。第2の底面26は、実施例1の場合と同様である。従って、本実施例の第2の側壁55は、交差する部分において、突出した分だけ、第1の底面14に対して90度を越えて大きく傾いて(逆テーパの度合いが大きくなって)いる。交差する部分以外では、第2の側壁55は実施例1の第2の側壁25と同様である。
次に、中空構造体3の製造方法について説明する。実施例1の中空構造体2と同様の製造工程で進めて、図4(a)に示すフォトリソグラフィ技術を用いて、第1の底面14上に、碁盤格子状のレジストパターン(図示略)を形成する段階で、突起51を有するレジストパターンを形成する。すなわち、突起51は、第1の底面14上の溝の交差部となる予定の開口24の頂角に、その対向する頂角方向に一定の図形、例えば、矩形または台形等の一部を付加して形成される。以降の工程は、実施例1の中空構造体2と同様の製造工程で進めて、中空構造体3、すなわち、本実施例の薄膜圧電共振器が完成する。
上述したように、本実施例の溝52bは、最も間隔の大きくなる交差部の対角線方向において、実施例1の中空構造体2の溝12bより間隔を狭めてある。溝12b、52bの深さが一定の場合、CVD酸化膜27は、入口(間隔)の寸法が大きくなるほど、ボイドを形成しにくくなることが知られている。実施例1の溝12bでは、交差部において、交差部以外のボイド28より小さくなる場合があったが、本実施例の溝52bは、交差部及び交差部以外においても同様な大きさのボイド28を得ることができる。ボイド28が溝の途中で狭められることがない場合、エッチャントのCVD酸化膜27内部への浸透は速やかに進む。
その結果、本実施例の薄膜圧電共振器は、例えば、バッファード弗酸溶液に浸される時間を、実施例1の薄膜圧電共振器1よりも短縮でき、上部部材31が、レジスト32との界面等から滲入するバッファード弗酸溶液によって侵されて、初期特性または長期安定性等が損なわれる割合を低減、すなわち、歩留の低下を更に抑制することが可能となる。
本実施例の薄膜圧電共振器は、その他に、実施例1の薄膜圧電共振器1と同様な効果を有している。
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々、変形して実施することができる。
例えば、実施例では、溝は格子状、特に、碁盤格子状に形成される例を示したが、貫通孔の位置及び個数と貫通孔から最も遠い被エッチング材までの距離等を鑑みて、溝を形成することは可能である。例えば、貫通孔の直下から最も遠い被エッチング材の位置まで直線状に結ぶ溝を構成することは可能である。そして、この直線状の溝に対して、交わるように別の溝を形成することによって、碁盤格子状以外の縞模様をなしても差し支えない。溝の深さ、本数、間隔等もより適するものとすることが可能である。
本発明の実施例1に係る薄膜圧電共振器の構造を模式的に示す図であって、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線に沿った断面図。 本発明の実施例1に係る薄膜圧電共振器の主要部をなす中空構造体の構造を模式的に示す図であって、図2(a)は一部を切り欠いて示す平面図、図2(b)は図2(a)の折れ線をなすB−B線に沿った断面図。 本発明の実施例1に係る中空構造体の製造方法を工程順に模式的に示す、図2(a)のB−C線に沿った断面に相当する位置の層構造断面図。 本発明の実施例1に係る中空構造体の製造方法を、図3に示す工程に引き続き、工程順に模式的に示す層構造断面図。 本発明の実施例1に係る中空構造体の製造方法を、図4に示す工程に引き続き、工程順に模式的に示す層構造断面図。 本発明の実施例2に係る薄膜圧電共振器の主要部をなす中空構造体の構造を模式的に示す図であって、図6(a)は一部を切り欠いて示す平面図、図6(b)は図6(a)D−D線に沿った断面図。
符号の説明
1 薄膜圧電共振器
2、3 中空構造体
11 半導体基板
12、52 凹部
12a 空洞
12b、52b 溝
13 第1の側壁
14 第1の底面
21 熱酸化膜
23、27 CVD酸化膜
24、33 開口
25、55 第2の側壁
26 第2の底面
28 ボイド
31 上部部材
32 レジスト
34 貫通孔
41 下部電極
42 圧電膜
43 上部電極
51 突起

Claims (5)

  1. 半導体基板の上面に第1の側壁及び第1の底面を有する空洞を形成する工程と、
    前記第1の底面下に、前記第1の底面に対して90度以上の角度をなす面を有する第2の側壁及び第2の底面を備えた溝を前記第1の底面下に形成する工程と、
    前記溝にボイドを有し、前記第1の底面上に前記半導体基板の上面を越える膜厚の絶縁膜を減圧雰囲気で形成する工程と、
    前記半導体基板の上面と実質同一面となるように前記絶縁膜を加工し、前記半導体基板の上面及び前記絶縁膜上に、前記絶縁膜に通じ、前記溝に対向する位置に開口を有する貫通孔を備えた共振部が配設された上部部材を形成する工程と、
    前記貫通孔を介して、エッチャントを導入して、前記絶縁膜をエッチング除去する工程と、
    を具備していることを特徴とする薄膜圧電共振器の製造方法。
  2. 前記第1の底面は、前記溝によって、島状に分離されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  3. 前記ボイドは、連接された前記溝に沿って、連続して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  4. 前記第1の底面は、前記溝が格子状に交わる交差部において、対向する対角線方向に突出していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  5. 上面及び前記上面に対向する下面を有し、前記上面にほぼ平行で前記下面側に近い第1の底面、前記上面と前記第1の底面とを接続する第1の側壁、前記第1の底面より前記下面側に近い第2の底面、及び、前記第1の底面と前記第2の底面とを接続し、前記第1の底面側に先細りとなる溝を有し、連接された前記溝により前記第1の底面を島状に分離する第2の側壁を備える底部基板と、
    前記上面に固定され、前記溝に対向する位置に開口を有する貫通孔を有し、下部電極、圧電膜、及び上部電極が積層された共振部を有する上部部材と、
    を具備していることを特徴とする薄膜圧電共振器。
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CN107666297A (zh) * 2017-11-17 2018-02-06 杭州左蓝微电子技术有限公司 具有疏水防粘连结构的薄膜体声波谐振器及其制造方法
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