JP2014190771A - 質量測定方法及び質量測定装置 - Google Patents

質量測定方法及び質量測定装置 Download PDF

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雅治 黒田
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Abstract

【課題】高粘性環境中でも高精度かつ安定な質量測定を行うことが可能で、かつ、リアルタイムの質量測定を行うのに好適な質量測定方法及び質量測定装置を提供する。
【解決手段】質量測定装置100は、連成振動可能な範囲で極めて弱い連成効果を持つ状態で結合した二つのカンチレバー1A及び1Bのうちカンチレバー1Aの速度フィードバックとしてカンチレバー1Aの変位x1を積分した積分値を演算し、この積分値にフィードバックゲインαを乗算してフィードバック制御信号を生成し、このフィードバック制御信号に基づきアクチュエータ6を駆動してカンチレバー1A及び1Bに対して、カンチレバー1Aの振動速度に比例した力を与えて、カンチレバー1A及び1Bを自励振動させる。そして、自励振動を検出時のカンチレバー1A及び1Bの変位x1及びx2に基づきカンチレバー1Bに付加した測定対象物の質量に相当する値を演算する。
【選択図】図3

Description

本発明は、物質の質量を計測する技術に関するものである。
従来、質量を計測する技術として、例えば、非特許文献1に記載された技術が開示されている。
かかる技術は、同一支持部材に同一形状の二つのカンチレバーを連成振動可能に設ける。具体的に、二つのカンチレバーを同一支持部材に所定の間隔を空けて並設する。このとき、連成振動が発生するように、支持部材の二つのカンチレバーの根元部分にこれら二つのカンチレバーをつなぐオーバーハング部分を設ける。また、連成振動可能な範囲で、オーバーハング部分の幅を短くするなど連成の効果が弱くなるようにする。そして、このような構造の二つのカンチレバーの固有振動モードの形状から、カンチレバーに付加された測定対象物の微小質量を測定する。
かかる技術では、具体的に、二つのカンチレバーのいずれか一方に測定対象物を付加して、これら二つのカンチレバーを強制振動させて周波数応答曲線を描く。この周波数応答曲線に基づき、共振点付近での二つのカンチレバーの応答振幅の比から振動モードの形状を求める。つまり、測定対象物を付加していない場合の振動モードの形状に対する付加した場合の振動モードの形状のシフト量に基づき測定対象物の質量を計測する。
「Matthew Spletzer, Arvind Raman, Alexander Q. Wu, and Xianfan Xu, Ultrasensitive mass sensing using mode localization in coupled microcantilevers, Applied Physics Letters, 88, 2006, 254102, 3pages」
しかしながら、上記従来技術では、例えば液体中などの高粘性環境中の質量測定のように、粘性応力によるダンピングが大きい測定環境下において、共振周波数近傍のパワースペクトルが広がってピークがあいまいになったり、ピーク自体が生じなかったりする。そのため、高粘性環境中では、共振周波数を精度よく決定することが困難であった。
また、少しでも粘性があるシステムでは、周波数応答曲線のピークを与える加振周波数は、システムの固有振動数とは厳密には一致せず、固有振動モードを高い精度で正確に把握することはもともと不可能であった。
また、上記従来技術では、周波数応答曲線を描く必要があるため、リアルタイムでの質量測定には不向きであった。
本発明は、上記の問題点に着目して、正確に固有振動数で発振する固有振動モードを正確に求めることが可能で、かつ、高粘性環境中でも高精度かつ安定な質量測定を行うことが可能であり、更に、リアルタイムの質量測定を行うのに好適な質量測定方法及び質量測定装置を提供することを目的とする。
〔形態1〕 上記目的を達成するために、形態1の質量測定方法は、複数の振動体を連成振動可能に結合した構成の振動部と、前記複数の振動体に予め設定した変位方向の力を付与するアクチュエータと、前記振動体の振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して前記アクチュエータをフィードバック制御するフィードバック制御部と、を含む質量測定装置を用いた質量測定方法であって、前記フィードバック制御部が前記フィードバック値の演算に用いるフィードバックゲインであって、前記複数の振動体を自励振動させるフィードバックゲインを設定するステップと、前記複数の振動体が自励振動したときの該複数の振動体の振幅を検出するステップと、前記複数の振動体の振幅に基づき、前記振動体に付加した測定対象物の質量に相当する値を検出するステップと、を含むことを特徴としている。
ここで、上記質量に相当する値とは、測定対象物質の質量そのもの、振幅比などの質量変化の解る値などが該当する。このことは、以下の形態5に記載の質量測定装置においても同様である。
〔形態2〕 さらに、形態2の質量測定方法は、形態1の構成に対して、前記質量に相当する値は、前記複数の振動体の振幅比であることを特徴としている。
〔形態3〕 さらに、形態3の質量測定方法は、形態1又は2の構成に対して、前記フィードバック制御部は、前記複数の振動体のいずれか一つの振動体の振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して前記アクチュエータをフィードバック制御することを特徴としている。
〔形態4〕 さらに、形態4の質量測定方法は、形態1乃至3のいずれか1の構成に対して、前記複数の振動体のうち前記フィードバック値の正帰還に関与しないいずれか一つの振動体に前記測定対象物を付加することを特徴としている。
〔形態5〕 さらに、形態5の質量測定方法は、形態1乃至4のいずれか1の構成に対して、前記振動部は、前記複数の振動体を連成振動可能な範囲で極めて弱い連成効果を持つ状態で結合して構成されていることを特徴としている。
〔形態6〕 一方、上記目的を達成するために、形態6の質量測定装置は、複数の振動体を連成振動可能に結合した構成の振動部と、前記複数の振動体に予め設定した変位方向の力を付与するアクチュエータと、前記振動体の振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して前記アクチュエータをフィードバック制御するフィードバック制御部と、前記フィードバック制御部が前記フィードバック値の演算に用いるフィードバックゲインであって、前記複数の振動体を自励振動させるフィードバックゲインを設定するゲイン設定部と、前記複数の振動体が自励振動したときの該複数の振動体の振幅を検出する振幅検出部と、前記複数の振動体の振幅に基づき、前記振動体に付加した測定対象物の質量に相当する値を検出する質量検出部と、を備えることを特徴としている。
このような構成であれば、フィードバック制御部によって、振動体の振動速度に比例したフィードバック値が正帰還されて、アクチュエータがフィードバック制御されると、該アクチュエータによって、複数の振動体に、振動体の振動速度に比例した力が与えられる。一方、ゲイン設定部によって、フィードバック値を演算するためのフィードバックゲインが、複数の振動体が自励振動するゲインへと設定される。そして、自励振動したときの複数の振動体の振幅が、振幅検出部によって検出され、質量検出部によって、検出された振幅に基づき、振動体に付加した測定対象物の質量に相当する値が検出される。
〔形態7〕 さらに、形態7の質量測定装置は、形態6の質量測定装置に対して、前記振動部は、前記複数の振動体を連成振動可能な範囲で極めて弱い連成効果を持つ状態で結合して構成されていることを特徴としている。
このような構成であれば、極めて弱い連成効果を持つ状態で結合した複数の振動体が自励振動したときの複数の振動体の振幅が、振幅検出部によって検出され、質量検出部によって、検出された振幅に基づき、振動体に付加した測定対象物の質量に相当する値が検出される。
以上説明したように、本発明によれば、複数の振動体に対して振動体の振動速度に比例する力を与えて振動体を自励振動させ、自励振動したときの振動体の振幅に基づき測定対象物の質量に相当する値を検出するようにした。これにより、高粘性環境中などの粘性応力によるダンピングが大きい測定環境下であっても、高精度かつ安定な質量測定を行うことが可能である。また、変位を測定するのみで質量に相当する値を検出することができるので、リアルタイムの質量測定を行うことも可能である。また、複数の振動体が連成振動可能な範囲で極めて弱い連成効果を持つ状態で結合されているため、局在化した振動モードを実現化することが可能となる。
本発明の実施形態に係る連成された二つの振動体から構成される振動部の構成例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る連成された二つの振動体とアクチュエータと変位センサとの関係を説明するための力学系の模式図である。 本発明の実施形態に係る質量測定装置の一例を示す概略構成図である。 質量測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 (a)及び(b)は、高粘性の液体中に存在する測定対象物の質量を測定する場合の質量測定方法の一例を示す図である。 (a)〜(d)は、自励発振時のカンチレバーの変位の時刻歴波形(実験結果の一例)を示す図である。 本実施例と従来手法(1)とにおける付加質量を変化させたときの発振周波数と発振振幅の相対変化の実験結果の一例を示す図である。 (a)は、第2カンチレバーに付加質量を与えないときの周波数応答曲線の実験結果の一例を示す図であり、(b)は、第2カンチレバーに0.056[g]のおもりを与えたときの周波数応答曲線の実験結果の一例を示す図である。 付加質量を変えてそのときの共振点付近での振幅比をプロットした実験結果の一例を示す図である。 本発明の手法で測定した振幅比の実験結果の一例と、従来手法で測定した固有振動数比の実験結果の一例とを示す図である。
以下、図面に基づき、本発明に係る質量測定方法及び質量測定装置の実施形態を説明する。図1〜図5は、本発明に係る質量測定方法及び質量測定装置の一実施形態を示す図である。
(概要)
本実施形態の質量測定方法は、同等なばね剛性と質量をもち同一支持部材に連成振動可能に設けられた二つの振動体(例えば、カンチレバー等)を有する振動部を用いる。
具体的に、二つの振動体の内、一方の振動体の振動速度(変位速度)に比例したフィードバック値を正帰還して二つの振動体に対して等しい加振入力を与える。これにより、二つの振動体に自励振動を発生させる。ここで、自励振動を発生させるために、フィードバックゲインを、予め設定した値から徐々に上げていく(または下げていく)。そうすると、まず低次の固有振動モードのみで自励振動が発生する。このときの二つの振動体の振幅比が、厳密に低次の固有振動モードに対応する。
一方、測定対象物(測定質量)を二つの振動体のうちの一方に付加して、自励振動が発生したときの振幅比を測定する。そして、例えば、測定対象物を付加していないときの振幅比に対する、測定対象物を付加したときの振幅比の変化から、測定質量を計測する。
かかる質量測定方法は、測定環境の粘性及び振動体自体の等価粘性摩擦力などを補償し、高粘性の測定環境下でも利用可能である。
(振動部の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る振動部の構成例を示す図である。
図1に示すように、振動部1は、カンチレバー1Aと、カンチレバー1Bと、支持部材1Cと、オーバーハング部1Dとを含んで構成される。
カンチレバー1A及び1Bは、共に同じ材料及び形状で構成されており、支持部材1Cに一端が固定され他端が自由端となる片持ち梁の状態で該支持部材1Cに並設(連成)されている。つまり、カンチレバー1A及び1Bは、同等なばね剛性と質量を有している。
更に、カンチレバー1A及び1Bの固定端側の根元部分は、支持部材1Cに突設形成されたオーバーハング部1Dによって接続されている。このオーバーハング部1Dは、カンチレバー1A及び1B間で相互に振動を伝える振動伝達部の役割を果たしており、このオーバーハング部1Dによって、カンチレバー1A及び1Bが連成振動する構造となっている。
本実施形態では、図1に示すように、カンチレバー1Bに測定質量を取り付け、カンチレバー1A及び1Bに外部から速度フィードバックとして変位を与えることで、カンチレバー1A及び1Bに自励振動を発生させる。
ここで、図2は、振動部1の力学系の等価モデルの一例を示す図である。
図2に示すように、振動部1を、連成された二つのカンチレバー1A及び1Bを考慮に入れた、「ばね−質量(マス)−ダンパ」系の等価モデル(以下、連成モデルと称す)として考える。
かかる連成モデルでは、カンチレバー1Aは、図2に示すように、支持部材1Cに一端が支持されたばね定数k1の第1ばねと、支持部材1Cに一端が支持された減衰定数c1の第1ダンパと、第1ばね及び第1ダンパの他端に支持された質量m1の第1物体とを備えたモデルとなる。
同様に、カンチレバー1Bは、図2に示すように、支持部材1Cに一端が支持されたばね定数k2の第2ばねと、支持部材1Cに一端が支持された減衰定数c2の第2ダンパと、第2ばね及び第2ダンパの他端に支持された質量m2の第2物体とを備えたモデルとなる。
更に、かかる連成モデルでは、図2に示すように、第1物体と第2物体とは、ばね定数kcの第3ばねによって接続されている。このばね定数kcの第3ばねが、図1のオーバーハング部1Dに相当し、二つのカンチレバー1A及び1Bの連成効果を表している。
(連成モデルの運動方程式の導出)
ここで、図2に示す等価モデルにおいて、カンチレバー1A及び1Bの減衰定数c1及びc2が等しいとして、c1=c2=cとする。また、カンチレバー1A及び1Bの等価剛性を表すばね定数についても、ばね定数k1及びk2が等しいとして、k1=k2=kとする。更に、外部からカンチレバー1A及び1Bの支持点に変位Δxを与える。このとき、システム(図2の連成モデル)の運動方程式は下式(1)のようになる。
Figure 2014190771
更に、カンチレバー1A及び1Bの質量は等しくmとし、カンチレバー1Bに付加された測定対象物質の質量をΔmとして、「m1=m」、「m2=m+Δm」とする。ここで、自励発振が発生するようにカンチレバー1A及び1Bに与える外部からの変位Δxを、カンチレバー1Aの変位x1の積分を用いて下式(2)のように与える。
α∫x1dt ・・・(2)
上式(2)から、上式(1)は、下式(3)のように書き換えられる。
Figure 2014190771
次に、上式(3)を無次元化する。ここで、代表時間はカンチレバーの固有振動数を用いて、「t=(m/kt*)1/2」とする。この代表値を用いて上式(3)を無次元化し整理すると、上式(3)は、下式(4)のように書き換えられる。
Figure 2014190771
但し、上式(4)のβ,γ,δ,κは、下式(5A)〜(5D)のように表される無次元パラメータである。
β=α(m/k)1/2 ・・・(5A)
2γ=c/(m/k)1/2 ・・・(5B)
δ=Δm/m ・・・(5C)
κ=kc/k ・・・(5D)
上式(5A)〜(5D)において、βは無次元フィードバックゲイン、γは減衰係数、δはカンチレバーの質量に対する付加質量の比、κはカンチレバーの剛性と連成剛性の比を表す。
なお、上式(4)において、パラメータの上部に付加された「・」は無次元時間t*の一階微分、また、パラメータの上部に付加された「・・」は無次元時間t*の二階微分を表す。例えば、パラメータx1の場合、無次元時間t*の一階微分は、「dx1/dt*」となり、二階微分は、「d21/dt*2」となる。また、以降は、無次元量を表す「*」は省略する。
更に、質量マトリックスM、減衰マトリックスC及び剛性マトリックスKを下式(6A)〜(6C)のように定義する。
Figure 2014190771
(連成モデルを用いた質量測定の原理)
上式(4)から、システムの固有値並びに固有ベクトルを調べるために、剛性マトリックスKを対角化する。剛性マトリックスKの固有方程式を解くと、固有値λ、並びに固有ベクトルpが得られる。具体的に、振動モードが1次モードでかつ固有値が「λ=ω1 2」のときに、固有ベクトルp1が下式(7)のように得られる。
Figure 2014190771
更に、振動モードが2次モードでかつ固有値が「λ=ω1 2」のときに、固有ベクトルp2が下式(8)のように得られる。
Figure 2014190771
上式(7)及び(8)の行列を「P=[p12]」とおき、系を座標変換する。「x=Pu」として、上式(4)に代入して左からPの逆行列P-1をかけると下式(9)のように表せる。
Figure 2014190771
但し、上式(9)において、c11、c12、c21、c22は、行列P-1CPの要素であり、下式(10)〜(13)となる。
11=−γ(−2+δ)−β(−1+δ/4κ) ・・・(10)
12=−γδ−β(1+δ+3δ/4κ) ・・・(11)
21=−γ−β/4κ ・・・(12)
22=−γ(−2+δ)+βδ/4κ ・・・(13)
(測定原理)
上式(7)及び(8)より、固有ベクトルはδ/κ並びにδによって決まることが解る。ここで、δは、カンチレバーの質量に対する、カンチレバーに付加した測定対象物の質量の比(即ち、δ=Δm/m)である。また、κは、カンチレバー単体の等価剛性に対する、連成効果のばね剛性の比(即ち、κ=kc/k)である。従って、κの値を小さくしておけば、微小質量の場合でも(質量比δが十分に小さい場合でも)、その効果が振動モードの変化を発生させる。
具体的には、以下のように測定を行う。κの値を十分小さくして、連成効果を小さく設定する。加えて、減衰の効果が十分に小さい状態でカンチレバー1A及び1Bが自励振動するような速度フィードバックをアクチュエータに与える。自励発振状態では、カンチレバー1A及び1Bは固有モードで振動するので、カンチレバー1A及び1Bの振幅比を測定すれば、固有モードが同定できる。このようにして、微小質量を付加した場合としない場合とについて、振動モードを求めそれを比較することにより、微小質量の効果δを求めることができる。
(多重尺度法による自励振動の解析)
次に、上式(9)を、多重尺度法を用いて解析する。ここでは、フィードバックゲインの適切な設定により、カンチレバー1A及び1Bを自励発振の臨界状態近傍に設定する。その結果、粘性環境下でも、微小質量の測定が可能になる。即ち、臨界状態を実現することにより、測定環境の粘性の影響とフィードバック制御の効果を含んだ上式(9)に含まれる一階微分の係数は全て微小量になり、フィードバックにより等価的に測定環境中の粘性効果を相殺できる。このようにして、微小量に設定された減衰マトリックスの要素、即ち、上式(10)〜(13)で得られた対角化されたマトリックスの要素を、微小パラメータε(0<ε≪1)を用いて下式(14A)〜(14D)のように表す。
Figure 2014190771
但し、上式(14A)〜(14D)において、上部に「^」の付いたパラメータはO(1)のオーダーであることを表す。上式(14A)〜(14D)の方程式の解u1及びu2を下式(15A)及び(15B)に示すように、εを用いた、べき級数展開で仮定する。
1=u10+εu11 ・・・(15A)
2=u20+εu21 ・・・(15B)
また、多重尺度法を導入して、「t0=t」、「t1=εt」とする。
以上より、初期条件で決まる定数α0、b0、φ0及びψ0を用いて、u1及びu2は、下式(16A)及び(16B)のように求まる。
Figure 2014190771
上式(16A)及び(16B)の結果から、「c11<0,c22<0」となるような入力信号のゲインβを与えれば、それぞれ1次モード及び2次モードの自励振動を発生できることが解る。つまり、上式(10)及び(13)より、u1及びu2は、それぞれ下式(17A)及び(17B)で与えられるβ1及びβ2で自励発振することが解る。
β1=γ(−2+δ)/{1−(δ/4κ)} ・・・(17A)
β2=γ(−2+δ)/(δ/4κ) ・・・(17B)
更に、「β1<β2<0」の関係があることより、ゲインを徐々に下げていくと、カンチレバー1A及び1Bは、1次モード(周波数ω1)で先に自励発振する。その後、カンチレバー1A及び1Bは、周波数ω2も含んだ、即ち2次モードも含んだ発振周波数で励振状態になることが予測できる。従って、ゲインを調整することで、次のように発振周波数(発振モード)を選択して、カンチレバー1A及び1Bに自励振動を発生させることができる。
1.β1<β→自励発振は起こらない。
2.β2<β<β1→周波数ω1のみ(1次モードのみ)で自励発振が起きる。
3.β<β2→周波数ω1及びω2の両方で(1次及び2次モード同時に)自励発振が起きる。
実際の質量測定においては、1次モードのみで自励発振させる必要があるので、上記2.の条件を満足するようなフィードバックゲインを設定する。
具体的に、自励振動を発生したときの1次モードの振動は、下式(18A)及び(18B)で表せる。
Figure 2014190771
ここで、上式(18A)において、c11は測定環境の粘性、カンチレバー自体の粘性摩擦及びフィードバックゲインαの大きさにより決まる定数である。c11はαの増加により負の値にすることができ、c11が負の状態となる状況下では、カンチレバー1A及び1Bに自励振動が発生する。そして、このときの1次モードにおけるカンチレバー1Aと1Bとの振幅比は、下式(19)となる。
1/(1−δ/2κ) ・・・(19)
従って、フィードバックゲインαの値を調整して、カンチレバー1A及び1Bに自励振動を発生させ、そのときのカンチレバー1A及び1Bの振幅比を測定することで、測定対象物の質量に相当する値を測定することが可能となる。
(質量測定装置の構成)
次に、図3に基づき、本実施形態に係る質量測定装置の概略構成を説明する。図3は、本実施形態に係る質量測定装置の一例を示す概略構成図である。
図3に示すように、本実施形態に係る質量測定装置100は、振動部1と、第1変位センサ2Aと、第2変位センサ2Bと、変位検出器3と、積分器4と、ゲイン設定部5Aと、増幅器5Bと、アクチュエータ6と、ドライバ7と、自励発振検出部9と、演算器10とを含んで構成される。
振動部1は、上記図1に示す構成と同様であり、連成振動可能に構成されたカンチレバー1A及び1Bを備える。また、本実施形態において、測定対象物の質量を測定時には、カンチレバー1Bに測定対象物を付加する。
第1変位センサ2Aは、カンチレバー1Aの変位を検出するためのセンサであり、そのセンサ出力を変位検出器3に供給する。
第2変位センサ2Bは、カンチレバー1Bの変位を検出するためのセンサであり、そのセンサ出力を変位検出器3に供給する。
変位検出器3は、第1変位センサ2Aからのセンサ出力に基づき、カンチレバー1Aの変位x1を検出する。更に、変位検出器3は、第2変位センサ2Bからのセンサ出力に基づき、カンチレバー1Bの変位x2を検出する。変位検出器3は、検出した変位x1を、積分器4、自励発振検出部9及び演算器10にそれぞれ供給する。また、変位検出器3は、検出した変位x2を、演算器10に供給する。
なお、変位センサ2(第1変位センサ2A及び第2変位センサ2B)、又は変位センサ2及び変位検出器3の組み合わせとしては、例えば、静電容量変位センサ、エンコーダ、光学式変位計(例えば光てこ法を用いた変位センサなど)、ひずみゲージ等を用いることができる。
積分器4は、変位検出器3からの変位x1を積分してカンチレバー1Aの変位x1の積分値∫x1dtを算出し、算出した∫x1dtを増幅器5Bに供給する。
ゲイン設定部5Aは、増幅器5Bのフィードバックゲインαの初期値を設定すると共に、自励発振検出部9からの自励発振していないと検出したことを示す信号(後述)に基づき増幅器5Bのゲインαを変化させる。具体的に、自励発振検出部9から自励発振していないと検出したことを示す信号を受信する毎に前回のゲインを予め設定されたΔαずつ増加(又は減少)する。このゲインの調整は、自励発振検出部9によって、カンチレバー1Aの自励発振が検出されるまで繰り返し行われる。
増幅器5Bは、可変増幅器を含んで構成され、ゲイン設定部5Aによって設定されたフィードバックゲインαと、積分器4から供給される変位x1の積分値∫x1dtとを乗算する。そして、増幅器5Bは、算出したα∫x1dtをフィードバック制御信号として、ドライバ7に供給する。
アクチュエータ6は、ドライバ7から供給される駆動信号に基づき、振動部1にカンチレバー1Aの振動速度に比例した力Fを与えるものである。アクチュエータ6としては、例えば、ピエゾ素子、ボイスコイルモータ、静電アクチュエータなどを用いることができる。
ドライバ7は、増幅器5Bから供給されるフィードバック制御信号に基づき、アクチュエータ6を、カンチレバー1Aの振動速度に比例した力Fを振動部1に与えるように駆動する駆動信号を生成する。そして、生成した駆動信号をアクチュエータ6に供給する。
自励発振検出部9は、カンチレバー1Aの振動変位x1に基づき、カンチレバー1Aが自励発振しているか否かを検出する。自励発振検出部9は、自励発振していると検出したときに、自励発振していると検出したことを示す信号を、ゲイン設定部5A及び演算器10にそれぞれ供給する。
一方、自励発振検出部9は、自励発振していないと検出したときに、自励発振していないと検出したことを示す信号を、ゲイン設定部5Aに供給する。
演算器10は、自励発振を検出したことを示す信号に応じて、自励発振検出時のカンチレバー1A及び1Bの振動変位x1及びx2に基づき、測定対象物の質量に相当する値としてカンチレバー1A及び1Bの振幅比P2/P1を演算する。
また、本実施形態の質量測定装置100は、図示しないが、上記各機能をソフトウェア上で実現するため、または、各機能を実現するためのハードウェアを制御するためのコンピュータシステムを備えている。
具体的に、各種制御や演算処理を担うCPU(Central Processing Unit)と、ワークメモリの役割を担うRAM(Random Access Memory)と、上記各機能を実現するための専用のプログラムやプログラムの実行に必要なデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)と、各構成要素にデータを伝送するためのデータ伝送用バスとを備えている。
(質量測定処理)
次に、図4に基づき、質量測定装置100において実行される質量測定処理の処理手順を説明する。図4は、質量測定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、ステップS100に移行し、ゲイン設定部5Aにおいて、増幅器5Bのフィードバックゲインαを初期値に設定する。その後、ステップS102に移行する。この初期値は、例えば、零など、任意に設定することができる。
ステップS102では、自励発振検出部9において、カンチレバー1Aが振動(自励発振)したか否かを判定し、振動したと判定した場合(Yes)は、振動を検出したことを示す信号を演算器10に供給して、ステップS104に移行する。一方、振動していないと判定した場合(No)は、振動をしていないと検出したことを示す信号をゲイン設定部5Aに供給して、ステップS108に移行する。
ここで、カンチレバー1Aが振動したか否かの判断は、例えば、振動変位x1が予め設定したしきい値以上変化したときに、カンチレバー1Aが振動したと判断するようにすればよい。
また、これに限らず、カンチレバー1Aの振動速度dx1/dtを検出し、検出したdx1/dtが予め設定したしきい値以上変化したときに、カンチレバー1Aが振動したと判断するようにしてもよい。また、振動変位x1からなる振動変位データに対しFFT(高速フーリエ変換)処理を行うこと等により、カンチレバー1Aの振動振幅の周波数スペクトルを求め、単一発振周波数のスペクトルが発生したときに、カンチレバー1Aが振動したと判断するようにしてもよい。
ステップS104に移行した場合は、演算器10において、自励発振検出部9からの振動を検出したことを示す信号に応じて、変位検出器3からカンチレバー1A及び1Bの振動変位x1及びx2を獲得し、ステップS106に移行する。
ステップS106では、演算器10において、ステップS104で獲得した振動変位x1及びx2に基づき、カンチレバー1A及び1Bの振幅P1及びP2を演算する。そして、測定対象物の質量に相当する値として、これら振幅P1及びP2の比P2/P1を演算する。その後、一連の処理を終了する。
一方、ステップS102において、振動(自励発振)が検出されずに、ステップS108に移行した場合は、ゲイン設定部5Aにおいて、自励発振検出部9からの振動していないと検出したことを示す信号に応じて、増幅器5Bに設定された現在のフィードバックゲインαを予め設定されたΔαだけ増加させる。その後、ステップS102に移行する。なお、フィードバックゲインαは連続的に変化させてもよいし予め設定した変化量毎に変化させてもよい。
つまり、上記ステップS102でカンチレバー1Aが振動したと判断されるまでの間、ステップS102及びステップS108の処理を繰り返し行ってフィードバックゲインαを増加させ、カンチレバー1Aが振動したときにステップS102からステップS104に移行する。そして、この時点におけるカンチレバー1A及び1Bの振動変位x1及びx2を獲得する。
(動作)
次に、図5に基づき、本実施形態の質量測定装置100の動作を説明する。
図5(a)及び(b)は、高粘性の液体中に存在する測定対象物の質量を測定する場合の質量測定方法の一例を示す図である。
以下、容器に満たされた高粘性の液体中に存在する測定対象物の質量を測定する場合の動作を説明する。
図5(a)及び(b)に示すように、液体中に存在する測定対象物の質量を測定する場合、カンチレバー1A及び1Bの一部を液体中に挿入する。このとき、液体中の測定対象物がカンチレバー1Bに付加されるように、該カンチレバー1Bに、例えば、測定対象物のみを吸着させる性質を有した薬剤を予め塗布しておく。なお、測定対象物の付加位置は、カンチレバー1Bの先端や根元付近では無く、中央付近であることが望ましい。従って、ここでは、カンチレバー1Bの中央付近に吸着剤を塗布したこととする。
これにより、図5(a)及び(b)に示すように、カンチレバー1Bの中央付近に測定対象物が付加される。
次に、ゲイン設定部5Aによって、増幅器5Bのフィードバックゲインαを初期値(小さな値)に設定し(ステップS100)、各構成機器の電源スイッチを入れる。これにより、測定が開始される。
ここで、測定開始の初期段階においては、カンチレバー1Aが変位していないため、第1変位センサ2A及び変位検出器3で検出される変位x1は「0」となり、積分器4の出力∫x1dtも「0」となる。ところが、実際は周囲環境の雑音等が影響して、変位x1は「0」とならず、何らかの値を有する。従って、第1変位センサ2Aではこの変位x1が検出され、積分器4では、この変位x1から、積分値∫x1dtが演算される。この積分値∫x1dtは、増幅器5Bに供給され、設定されたフィードバックゲインαと∫x1dtとが乗算されて、その乗算結果であるα∫x1dtがフィードバック制御信号としてドライバ7に入力される。
なお、自励発振の初期段階において、カンチレバー1Aの変位x1が、周囲環境の雑音等だけでは第1変位センサ2Aの検出下限を下回る場合は、予備的に、カンチレバーの固有振動とは異なる任意の周波数の振動を与える。つまり、カンチレバー1Aを任意の一定周波数で振動させておく。
ドライバ7は、増幅器5Bから受信したα∫x1dtに基づき、カンチレバー1Aの振動速度に比例した力Fを振動部1(カンチレバー1A及び1B)に与えるためのアクチュエータ6の駆動信号を生成し、生成した駆動信号をアクチュエータ6に供給する。
アクチュエータ6は、この駆動信号に応じて駆動し、振動部1(カンチレバー1A及び1B)に力Fを与える。このようにして、フィードバックループが形成されると共に、振動部1に、カンチレバー1Aの振動速度に比例した力Fが与えられる。
また、自励発振検出部9では、変位検出器3から供給されるカンチレバー1Aの変位信号に基づき、カンチレバー1Aの振動変位x1と予め設定したしきい値とを比較し、この比較結果に基づき、カンチレバー1Aが振動したか否かを判定する(ステップS102)。これにより、変位x1がしきい値未満であり、カンチレバー1Aが振動していないと判定された場合(ステップS102のNo)、ゲイン設定部5Aに振動していないと検出したことを示す信号を入力する。これにより、ゲイン設定部5Aは、増幅器5BのフィードバックゲインαをΔαだけ増加する(ステップS108)。この増加処理は、振動してないと検出したことを示す信号が受信される毎に実行される。
このようにして、フィードバックゲインαを徐々に大きくしていくと、やがて、上式(18)の定数c11が負の値となり、自励発振が発生する。つまり、自励発振検出部9において、変位x1がしきい値以上となり、カンチレバー1Aが自励振動したと判定される(ステップS102のYes)。従って、カンチレバー1A及び1Bは、臨界状態近傍の状態で自励発振し、上式(9)に含まれる一階微分の係数は全て微小量になる。その結果、等価的に測定環境中の粘性効果を相殺することができる。
自励発振検出部9は、自励振動したと検出したことを示す信号を演算器10に供給する。
演算器10では、自励振動したと検出したことを示す信号の受信に応じて、変位検出器3からカンチレバー1A及び1Bの振動変位x1及びx2を獲得する。そして、獲得した振動変位x1及びx2に基づき、カンチレバー1A及び1Bの振幅P1及びP2を演算する(ステップS104)。
更に、演算器10は、演算した振幅P1及びP2に基づき、測定対象物の質量に相当する値として、振幅比P2/P1を演算する(ステップS106)。
以上説明したように、本実施形態における質量測定方法及び質量測定装置100であれば、連成振動可能に構成されたカンチレバー1A及び1Bに、カンチレバー1Aの振動速度に比例した力Fを与えることで、カンチレバー1A及び1Bを自励振動させることが可能である。さらに、カンチレバー1A及び1Bが自励振動したときの振動変位x1及びx2に基づき、カンチレバー1Bに付加された測定対象物の質量に相当する値を、カンチレバー1A及び1Bの振幅比として演算することが可能である。
これにより、測定環境中の粘性応力によるダンピングが大きい場合であっても、高精度かつ安定な質量測定を行うことが可能である。また、自励振動したときのカンチレバー1A及び1Bの振動変位x1及びx2を検出することで測定対象物の質量に相当する値を求めることができるので、リアルタイムの質量測定を実現することも可能である。
ここで、上記実施形態において、増幅器5B及びドライバ7が、フィードバック制御部を構成し、第1変位センサ2A、第2変位センサ2B及び変位検出器3が、振幅検出部を構成し、演算器10が、質量検出部を構成する。
また、上記実施形態において、ステップS102が、振動体が自励振動したか否かを検出するステップに対応し、ステップS108が、フィードバックゲインを設定するステップに対応する。
また、上記実施形態において、ステップS104〜S106が、質量を検出するステップに対応する。
次に、図6〜図10に基づき、本発明に係る質量測定方法及び質量測定装置を適用した実施例を説明する。
具体的に、連成振動可能に構成した二つのカンチレバー(以下、連成カンチレバーと称す)の一方に微小質量の測定対象物を取り付け、これら二つのカンチレバーに、一方のカンチレバーの振動速度に比例した力を付与(速度フィードバックを入力)することで該二つのカンチレバーを自励振動させる。そして、自励発振中の二つのカンチレバーの振幅を測定し、測定した振幅を用いて上式(7)で導かれた振幅比と付加質量との関係を比較する実験を行った。
実験に用いた装置は、連成振動可能に構成した二つのカンチレバーを備える振動部(図1に示す振動部1と類似の構成)と、2つのレーザ変位計(ゲイン:G1=1.00×102[V/m])と、ピエゾアクチュエータ(圧電定数:d33=5.3×10-7[V/m])と、DSP装置とを備える。
以下、実験に用いる二つのカンチレバーを区別するときは、それぞれ第1カンチレバー、第2カンチレバーと呼ぶ。また、区別しない場合は、単にカンチレバーと呼ぶ。
カンチレバーは、材質が「リン青銅(C519P)」、長さが「2.0×10-1[m]」、断面積が「6.0×10-3[m2]」、密度が「6.066×103[g/m3]」、質量が「14.56[g]」、測定位置が「0.16[m]」のものを用いた。
カンチレバーの支持部は、ピエゾアクチュエータにより予め設定した方向(カンチレバーの板面に垂直となる方向(x方向))に加振される。
まず、DSP装置において、直流成分をカットするために時定数「τ=0.1[s]」のハイパスフィルタにより入力電圧(第1カンチレバーの変位)のフィルタ処理を行う。その後、ピエゾアクチュエータに速度フィードバックを与えるために、入力電圧を積分し、これにゲインG2をかけたものをピエゾアクチュエータに入力する。この際、サンプリング時間は、「5.00×10-3[s]」とした。
ここで、理論で導入した速度フィードバックゲインαは、レーザ変位計のゲインG1と、DSP装置で与えるゲインG2と、ピエゾアクチュエータの圧電定数d33とを用いて、下式(20)で表せる。
α=d3312 ・・・(20)
次に、無次元化されたシステム(本実験装置)の無次元連成ばね定数κを決定する。カンチレバーの固有振動数の1次モードをf1、2次モードをf2とすると、連成ばね定数κは、下式(21)のように与えられる。
κ=1/2(f2/f12−1/2 ・・・(21)
カンチレバーの固有周波数を求めるため、カンチレバーに外乱を与えて自由振動させ、その時刻歴波形をFFT解析(周波数分解能:1.00×10-2[Hz])した。その結果、システムの固有周波数は、「f1=6.55[Hz],f2=6.62[Hz]」と求めることができた。従って、上式(21)より、無次元連成ばね定数κは、「κ=1.07×10-2」と決定される。
本実施例では、第2カンチレバーの支持点から120[mm]の位置に1個あたりの質量が0.056[g]のおもりを取り付ける。カンチレバーの質量が1本あたり14.56[g]なので、質量比δは、下式(22)となる。
δ=おもりの質量の合計/14.56[g] ・・・(22)
また、入力フィードバックゲインは、自励振動が発生する臨界状態になるようなゲインを入力する。
今回は、おもりの個数を0個から5個まで順に変え、その都度、入力フィードバックゲインを零から下げ、自励振動を発生する最大のフィードバックゲインを入力して実験を行った。また、以後、実験によって計測した第1カンチレバーの変位をP1、第2カンチレバーの変位をP2とする。
ここで、図6(a)〜(d)は、自励発振時のカンチレバーの変位の時刻歴波形(実験結果の一例)を示す図である。
自励発振中のカンチレバーの変位の時刻歴波形は、おもりを付加しなかった場合に、図6(a)及び(b)に示すようになった。また、おもり(質量比δ=3.87×10-3)を付加した場合は、図6(c)及び(d)に示すようになった。なお、図6(a)及び(c)が第1カンチレバーの時刻歴波形の実験結果の一例であり、図6(b)及び(d)が第2カンチレバーの時刻歴波形の実験結果の一例である。また、サンプリング周期は「9.77×10-3[s]」とした。
図中の「□」でマークした点(5[mm]付近)の振幅を測定し、その振幅比を計算した。
おもりを付加しない場合、第1カンチレバー及び第2カンチレバーの測定振幅は、図6(a)及び(b)に示すように、両方とも略同じ振幅位置となっている。
一方、図6(c)に示す、おもりを付加していない第1カンチレバーの振幅位置(図中の横線)に対して、図6(d)に示す、おもりを付加した場合の第2カンチレバーの振幅位置が変化していることが解る。
この実験によって、質量比「δ=3.87×10-3」に対して、固有モードが約14[%]変化しており、振幅比1.17を計測することができた。従って、計測感度は、約300倍となる。
また、付加質量を与えたときに振幅比が1よりも最大で1.84倍ほど大きくなり、付加質量の効果を振幅比により感度良く捉えていることが解る。
次に、本実施例の効果を検証するために、従来法による質量測定と比較した。
従来の手法として、(1)連成していない一つのカンチレバーを自励発振させ、その固有振動数の変化から質量を計測する方法、(2)連成振動可能に構成した二つのカンチレバーを強制加振し、共振状態での振幅比から計測する方法の2つを取り上げる。
はじめに、一つのカンチレバーを自励発振させ、その固有振動数の変化から質量を計測する従来手法(1)の実験を行った。なお、カンチレバーの材質や形状は、上記本発明に係る実験で用いたものと同様となる。また、カンチレバー以外の装置についても、上記本発明に係る実験で用いたものと同様のものを用いた。
この実験結果は、図7に示すようになった。図7は、本実施例と従来手法(1)とにおける付加質量を変化させたときの発振周波数と発振振幅の相対変化の実験結果の一例を示す図である。図7において、横軸はカンチレバーと付加質量の質量比δであり、縦軸は固有振動数(一つのカンチレバーと連成カンチレバーの2種類)と発振振幅(連成カンチレバーのみ)との相対変化である。また、図7において、○は振幅比の相対変化、□は二つのカンチレバーの応答周波数の相対変化、×は一つのカンチレバーの応答周波数の相対変化を表す。
図7から、質量を付加したときの固有振動数の変化(質量付加前の固有振動数に対する変化した振動数の比)のオーダーは、いずれの場合もおよそ10-3から10-2である。これに対して、振幅比の変化(質量付加前の第1カンチレバーと第2カンチレバーとの振幅比の比率)のオーダーは、およそ10-1から100であることが解る。
従って、固有振動数に比べて振幅比の方が1.08×102〜1.87×102倍ほど、付加質量の効果が表れることが解る。
また、実験での最小の質量比「δ=3.87×10-3」に対しては、振幅比の相対変化が「1.57×10-1」であるのに対し、固有振動数の相対変化は「1.44×10-3」である。即ち、振幅比の相対変化の方が固有振動数の相対変化よりも十分に大きいことが解る。
次に、連成カンチレバーを強制加振し、共振状態での振幅比から質量を計測する従来手法(2)の実験を行った。なお、上記本発明に係る実験と同様の実験装置に加えて強制加振するための発振器を用意した。
まず、第2カンチレバーの支持点から120[mm]の位置に1個あたりの質量が0.056[g]のおもりを取り付ける。おもりの個数を0個から5個まで順に代え、発信器から正弦波を入力する。入力する周波数を調整し、カンチレバーを共振状態にする。共振点付近でのカンチレバーの振幅を測定し、その振幅比を計算する。
この実験結果は、図8に示すようになった。ここで、図8(a)は、第2カンチレバーに付加質量を与えないときの周波数応答曲線の実験結果の一例を示す図であり、(b)は、第2カンチレバーに0.056[g]のおもりを与えたときの周波数応答曲線の実験結果の一例を示す図である。図8(a)及び(b)において、P1は第1カンチレバーの振幅であり、P2は第2カンチレバーの振幅である。
図8(a)に示すように、付加質量を与えないときは、共振点付近での二つのカンチレバーの振幅がほぼ同じとなっているのに対して、図8(b)に示すように、付加質量を与えたときは、共振点付近での二つのカンチレバーの振幅が異なっていることが解る。
また、付加質量を変え、共振点付近での振幅比を測定した実験結果は、図9に示すようになった。図9は、付加質量を変えてそのときの共振点付近での振幅比をプロットした実験結果の一例を示す図である。図9において、横軸はカンチレバーと付加質量との質量比δであり、縦軸は第1カンチレバーと第2カンチレバーの振幅比P2/P1である。図9には、自励発振中のカンチレバーの振幅比(第1カンチレバーの振幅が5[mm]付近のとき)と、強制加振による共振状態におけるカンチレバーの振幅比の2種類がプロットされている。具体的に、図9において、○は本手法、□は強制振動による従来法の実験結果である。また、図9中の曲線は、上式(7)で表される厳密値のグラフと、δ/κを微小量としたときの1次のオーダーまで考慮し、テイラー展開した近似値のグラフである。
図9から、質量比の変化に伴い振幅比は本手法の方が勾配が大きく、感度のよい測定法であることが解る。具体的に、実験での最小の質量比「δ=3.87×10-3」に対して、自励発振中の振幅比の方が強制加振による共振状態中の振幅比に比べ1.13倍ほど大きいことが解る。また、自励発振中の応答振幅の真値との誤差は1.80[%]であるのに対し、強制加振による共振状態での誤差は13.1[%]で、前者の方が11.3[%]ほど精度が良いことが解る。
この結果から、微小な質量に対しても自励発振中の応答振幅比の方が強制加振による共振状態中の応答振幅比に比べ高精度であることが解る。
また、図9から、発振振幅については、自励発振中の振幅比の方が強制加振による共振状態中の振幅比に比べ最大で1.39倍大きく、自励発振中の方が付加質量の効果を感度良く捉えていることが解る。
この違いについて、次の理由が挙げられる。
従来の強制加振による方法については、強制振動は共振点のピークを正確に測定するのが困難である。更に、粘性環境のもとではピークを与える加振周波数は、固有振動数からずれ、またそのときの振幅比は固有モードからもずれる。また、高粘性環境下では、ピークそのものが周波数応答曲線に存在しなくなるため、固有振動モードに対応する振幅比を測定することは、強制加振では一切不可能になる。
本発明の自励発振による方法については、速度フィードバックによりカンチレバーを自励発振させたために固有振動数と厳密に等しい応答周波数で発振できた。加えて、自励発振が発生する臨界状態の入力ゲインを与えたことにより、減衰の影響がほぼ無視できる状況での振動を実現できた。
一方、図10に、自励発振を用いた本発明の手法による振幅比(P2/P1)の実験結果の一例と、強制加振を用いた従来手法(1)による固有振動数比(ω’/ω)の実験結果の一例を示した。図10は、本発明の手法で測定した振幅比の実験結果の一例と、従来手法(1)で測定した固有振動数比の実験結果の一例とを示す図である。
図10には、第2カンチレバーに1個あたり0.056[g]のおもりを1個取り付けたときと、2個取り付けたときの本発明の手法で測定した振幅比が示されている。
更に、図10には、カンチレバーにおもりを取り付けなかったときの上記従来手法(1)で測定した固有振動数ωと、第2カンチレバーに1個あたり0.056[g]のおもりを1個取り付けたときと、2個取り付けたときの上記従来手法(1)で測定した固有振動数ω’とが示されている。
なお更に、図10には、固有振動数ωと、固有振動数ω’との比である固有振動数比ω’/ωが示されている。
図10に示すように、第2カンチレバーにおもりを1個取り付けたときの本発明の手法による振幅比は「1.09」となっており、2個取り付けたときの振幅比は「1.21」となっている。
一方、図10に示すように、カンチレバーにおもりを1個取り付けたときの上記従来手法(1)による固有振動数比は「0.998」となっており、2個取り付けたときの固有振動数比は「0.998」となっている。このことから、本発明の手法では、微小な質量変化に対して振幅比の変化が見られたが、上記従来手法(1)では、微小な質量変化に対して固有振動数比の変化が見られないことが解る。つまり、本発明の手法の方が、上記従来手法(1)と比較して微小質量の測定精度が高いことが解る。
(変形例)
上記実施形態において、二つのカンチレバーのうち一方の振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して、二つのカンチレバーを自励振動させる構成としたが、この構成に限らない。例えば、二つのカンチレバーの双方の振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して、二つのカンチレバーを自励振動させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、振動部1を、二つのカンチレバー1A及び1Bを連成振動可能に結合した構成としたが、この構成に限らない。例えば、振動部1を、三つ以上のカンチレバーを連成振動可能に結合した構成としてもよい。三つ以上のカンチレバーから構成した場合に、これらのうちいずれか一つのカンチレバーの振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して、三つ以上のカンチレバーを自励振動させてもよい。または、三つ以上のカンチレバーのうちいずれか二つ以上のカンチレバーの振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して、三つ以上のカンチレバーを自励振動させてもよい。
また、上記実施形態では、二つのカンチレバーのうち一方のカンチレバーのみに測定対象物を付加する構成としたが、この構成に限らない。例えば、二つのカンチレバーの双方に測定対象物を付加する構成や、一方のカンチレバーに質量の予め解っている物質を付加し、他方のカンチレバーに測定対象物を付加する構成など他の構成としてもよい。なお、振動部を三つ以上のカンチレバーから構成した場合は、これらのうちいずれか一つのみに測定対象物を付加する構成としてもよいし、いずれか二つ以上に測定対象物を付加する構成としてもよい。また、この場合に付加する質量は、測定対象物と、予め質量の解っている物質との組み合わせとしてもよい。
また、上記実施形態では、ゲイン設定部を設けて、フィードバックゲインαを自動で変化させる構成としたが、この構成に限らず、手動でフィードバックゲインαを変化させる構成としてもよい。
また、上記実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
100…質量測定装置、1…振動部、1A,1B…カンチレバー、2A,2B…第1,第2変位センサ、3…変位検出器、4…積分器、5A…ゲイン設定部、5B…増幅器、6…アクチュエータ、7…ドライバ、9…自励発振検出部、10…演算器

Claims (7)

  1. 複数の振動体を連成振動可能に結合した構成の振動部と、
    前記複数の振動体に予め設定した変位方向の力を付与するアクチュエータと、
    前記振動体の振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して前記アクチュエータをフィードバック制御するフィードバック制御部と、を含む質量測定装置を用いた質量測定方法であって、
    前記フィードバック制御部が前記フィードバック値の演算に用いるフィードバックゲインであって、前記複数の振動体を自励振動させるフィードバックゲインを設定するステップと、
    前記複数の振動体が自励振動したときの該複数の振動体の振幅を検出するステップと、
    前記複数の振動体の振幅に基づき、前記振動体に付加した測定対象物の質量に相当する値を検出するステップと、を含むことを特徴とする質量測定方法。
  2. 前記質量に相当する値は、前記複数の振動体の振幅比であることを特徴とする請求項1に記載の質量測定方法。
  3. 前記フィードバック制御部は、前記複数の振動体のいずれか一つの振動体の振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して前記アクチュエータをフィードバック制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の質量測定方法。
  4. 前記複数の振動体のうち前記フィードバック値の正帰還に関与しないいずれか一つの振動体に前記測定対象物を付加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の質量測定方法。
  5. 前記振動部は、前記複数の振動体を連成振動可能な範囲で極めて弱い連成効果を持つ状態で結合して構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の質量測定方法。
  6. 複数の振動体を連成振動可能に結合した構成の振動部と、
    前記複数の振動体に予め設定した変位方向の力を付与するアクチュエータと、
    前記振動体の振動速度に比例したフィードバック値を正帰還して前記アクチュエータをフィードバック制御するフィードバック制御部と、
    前記フィードバック制御部が前記フィードバック値の演算に用いるフィードバックゲインであって、前記複数の振動体を自励振動させるフィードバックゲインを設定するゲイン設定部と、
    前記複数の振動体が自励振動したときの該複数の振動体の振幅を検出する振幅検出部と、
    前記複数の振動体の振幅に基づき、前記振動体に付加した測定対象物の質量に相当する値を検出する質量検出部と、を備えることを特徴とする質量測定装置。
  7. 前記振動部は、前記複数の振動体を連成振動可能な範囲で極めて弱い連成効果を持つ状態で結合して構成されていることを特徴とする請求項6に記載の質量測定装置。
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