JP2003532060A - 共振型プローブ駆動装置及びこの装置を用いた走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

共振型プローブ駆動装置及びこの装置を用いた走査型プローブ顕微鏡

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JP2003532060A JP2001578899A JP2001578899A JP2003532060A JP 2003532060 A JP2003532060 A JP 2003532060A JP 2001578899 A JP2001578899 A JP 2001578899A JP 2001578899 A JP2001578899 A JP 2001578899A JP 2003532060 A JP2003532060 A JP 2003532060A
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Abstract

(57)【要約】 走査型プローブ顕微鏡などの共振型プローブデバイス用の駆動システムが提供されている。駆動信号の振幅は、共振素子の振動振幅の位相シフトされ増幅された成分をフィードバックすることによって制御される。液体環境の中で動作させたときに共振型プローブデバイスの品質ファクタを電子的に向上させるための手段が設けられている。こうした品質ファクタの向上によってプローブデバイスの感度が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 この発明は例えば共振構造を利用した走査型プローブ顕微鏡における、あるい
は化学センサやバイオセンサにおける機械式振動子を駆動するための装置及び駆
動方法に関する。正帰還を使用することによって、特に液体環境内における振動
子の性能を修正することが可能になる。
【0002】 原子間力顕微鏡(AFM)を含めた走査型フォース顕微鏡は、空気中や超高真
空中、そして液体中において、有機あるいは無機の物質の原子的及び分子的な分
解能を得るために微小なカンチレバーを使用している。このカンチレバー素子に
は微視的スケールの鋭い先端が形成されている。調べているサンプルあるいは媒
質の表面にカンチレバーの先端が接近すると、原子スケールの力によって、先端
の最も端の部分、そして一般的にはその上の単一原子と、サンプルの原子あるい
は分子との間に相互作用が引き起こされる。この相互作用は測定が可能であり、
ナノメートルスケールで表面を画像化したり、あるいはサンプルの機械的特性あ
るいはサンプルと先端との間の付着を測定したりするために使用できる。
【0003】 高分解能を達成する上での主な制約は、サンプルの機械的な特性やサンプルと
基板との間の付着である。付着の問題は生物分子などの材料においては特に重大
である。生物分子の本来の構造は緩衝液の中で最も良く画像化できる。しかし、
こうした条件のもとでは、牽引力を遮るために、生物分子はマイカやグラファイ
トなどの原子的に平坦な基板の上での付着は小さい。微小センサの先端で、調べ
ている媒質の表面に対して例えばラスタ走査形式などで走査して、媒質の一部を
画像化する。走査のときに、この走査の動きによってセンサの先端には横方向の
力を生じ、それによって、従来のコンタクトモードの走査においては、調べてい
る分子を動かしたり破壊したりする。また、研究者らは、生物分子を破壊しない
で分子的な分解能で可視化するには、力を100pNまで小さく分解する必要がある
ことを報告している。
【0004】 走査型フォース顕微鏡は、カンチレバーが数マノメートルだけ振動して間欠的
にサンプルに接触するような動的あるいは間欠的なコンタクトモードで動作が可
能である。この方法では横方向の力が著しく小さくなり、タンパク質やDNA及
び細胞のルーチン画像化が可能である。しかし、表面法線に沿って作用する力は
なお数ナノニュートンのオーダであり、従って高分解能が得られない。
【0005】 与えられた振幅Aまでカンチレバーを励振するのに必要な力は、kA/Qであ
る。ここで、Kはカンチレバーのばね定数、Qは品質ファクタである。この表現
は、励振周波数がカンチレバーの共振周波数に等しくても有効であって、サンプ
ルに加わる力を表している。しかし、この表現は、カンチレバー素子を液体中で
振動させるときの主な制約も、すなわち液体環境中でのカンチレバーの品質ファ
クタが低いことも表している。
【0006】 液体環境で使用される駆動機構では別の問題を生じる。カンチレバーは通常は
液体中に設置された圧電素子によって液体の中に発生される音波を介して励振さ
れる。これによって、液体の共振がカンチレバーの共振と結合する周波数での結
合を可能とし、この結合によって、添付図面の図1に示されているようにカンチ
レバーの共振ピークを識別することが非常に困難になる。カンチレバーの実際の
周波数スペクトルは、カンチレバーを直接励振することによって観測することが
できる。カンチレバーの共振スペクトルを識別するために、カンチレバーに強磁
性材料から成る薄い層をコーティングして、カンチレバーの近傍に正弦波の磁気
力を加えることによってカンチレバーを励振した。図1と図2を比較すると、機
械的な励振によって得られるスペクトルはカンチレバーの共振スペクトルに比べ
て多くのピークを有していることが、またカンチレバーの共振ピークは広いこと
がわかる。実際、カンチレバーとそれを取り巻く流体との間の強い流体力学的力
のために、得られる品質ファクタは約1〜4の範囲で非常に低い。これは、同じカ
ンチレバーを空気中で動作させたときに期待される大きさよりおよそ2桁低い大
きさである。これが、サンプルに加わる最小力を制限する。従って、タッピング
動作モードで期待されるk=0.4Nm-1、Q=2、及びA=5nmという通常の条件に対して
は、励振力は約1nNである。この励振力は、分子レベルで生物分子の構造を可視
化するのに適した力よりも約2桁以上高い大きさである。
【0007】 シリコンあるいは窒化シリコンから成る微細加工されたカンチレバーを利用し
た化学センサ及びバイオセンサは、カンチレバーの一方あるいは両方の側に適当
な試薬あるいはレセプタをコーティングすることによって製造されることも周知
のことである。カンチレバーの両側にレセプタ(すなわち検出用分子)をコーテ
ィングする場合には、カンチレバーの実効質量は、適当なレセプタが結合するリ
ガンド(すなわち検出用分子がそれに対して感度を有している分子)の存在によ
って変化する。カンチレバーの片側だけにレセプタがコーティングされる表面応
力法も用いられる。ターゲット物質がレセプタと相互作用するためにカンチレバ
ーのこのサイドにおける表面応力が変化して、表面が拡張あるいは収縮するため
にカンチレバーの曲げを生じる。例えばカンチレバーの曲げを調べるためには、
光てこを使用してカンチレバーのたわみを増幅することによってカンチレバーの
動きを光学的に調べることができる。反射光は一対の光検出器によって検出され
、カンチレバーの位置は光検出器からの出力の比によって求めることができる。
【0008】 液体中で使用するバイセンサ及び化学センサは、これまでは表面応力法を用い
て製造されてきた。なぜなら、表面エネルギ(従ってカンチレバーの曲がりやす
さ)は材料のサブモノレイヤでの吸着に非常に敏感である一方で、それに対応す
る質量変化は無視できるからである。微細加工されたカンチレバーは温度に対し
て極めて敏感であり、温度変動やカンチレバーとの化学反応によって生じる初期
ドリフトは大きい。実際、バット(Butt)は、表面応力法を用いた液体中での化学
センサ及びバイセンサに対する実験で、測定を行うまえに装置を1日あるいは2日
にわたって平衡にする必要のあることを報告している(J colloid and interface
Sci, 180 (1996) 251)。
【0009】 走査型プローブ顕微鏡は市販されている。作業者達はセンサ先端の実効Qを修
正するための方策を研究してきた。B Anczykowskiらは”Analysis of the inter
action mechanisms in dynamic mode SFM by means of experimental data and
computer simulation” Applied Physics A 66,5885-5889(1998)で、真空中ある
いは低損失環境においてうまく動作するナノセンサの実効Qを変えるためにフィ
ードバック機構を用いることについて述べている。
【0010】 センサの実効Qを修正するための構成が図3に示されている。レーザ1を使用
してカンチレバー2に光を当てている。カンチレバー2は、加算器5を介してフ
ァンクションジェネレータ4からの駆動信号を受け取る圧電素子によって駆動さ
れる。カンチレバーからの反射光は光経路6によってプロセッサ10の方へ導か
れ、一対の光検出器で受光される信号の比あるいは差が求められる。音叉や光干
渉など、カンチレバーの振動に対する他の検出器を使用することもできる。
【0011】 図示のように、検出回路10からの受信信号の一部は可変位相シフタ12へ、
そして位相シフタから可変利得増幅器14へ供給される。そのあと、増幅器の出
力はファンクションジェネレータ4から供給される信号に加えられ、圧電素子を
介してセンサを駆動するために使用される。
【0012】 このシステムは真空中あるいは低損失環境においてうまく動作するであろう。
しかし、液体環境においては、カンチレバーの動作特性は、調べている表面の近
傍へカンチレバーが近づくにつれて変化し、その結果、フィードバックシステム
はプローブの共振周波数ではない駆動信号を供給することになる。さらに、液体
が充填されたシステムにおけるプローブとドライバとの間の結合はそれほど強い
必要はないため、この結果として、プローブからのフィードバック信号が駆動信
号とは違う周波数になり、それによって駆動周波数に干渉を生じて、ビートとし
て現れ、その振幅で駆動信号を変調し、これが今度は顕微鏡の信号測定性能を劣
化させる。それに加えて、液体中での低品質ファクタのために、エネルギがカン
チレバーの高次の高調波へ分配される。これらの高次の高調波は基本波に対して
異なる位相応答を有している。そして、それらの高い周波数の振幅信号が駆動信
号へ戻されるとカンチレバーの運動が不安定になる。
【0013】 他の従来構成もある。米国特許第5,966,053号には、機械式振動子を制御する
装置が開示されている。機械式振動子からのフィードバック信号は参照周波数と
混合されて、中間周波数へ周波数変換される。この中間信号は、位相ロックルー
プと、平衡ネットワークの第1の入力へ供給される。平衡ネットワークの第2の
入力は位相ロックループの出力を受け取る。平衡ネットワークはその入力の信号
を結合し、次にこれらを位相シフトして増幅する。位相シフトは、フィードバッ
クループによって発生する駆動信号とカンチレバーの応答との間に適切な位相関
係を維持するために行われる。利得を制御することによって、信号がカンチレバ
ーの共振周波数へ周波数変換されるまえに増幅器の出力が予め決められた値に設
定される。
【0014】 流体環境においては、カンチレバーの端部がサンプルの表面へ十分に接近(1
μmのオーダ)するにつれて、カンチレバーを取り巻く流体媒質が、カンチレバ
ーと、調べているサンプルとの間に実効的に捕捉されるようになる。これによっ
て、共振するカンチレバーの実効質量とばね定数の両方が変化する。これらの効
果は、同じ走査型プローブ顕微鏡観察が気体あるいは高真空環境において行われ
るときには起きず、従ってこの分野における作業者はこれらの効果を無視してき
た。
【0015】 液体環境における走査型プローブ顕微鏡観察を実施するためには、カンチレバ
ーの共振周波数を測定し、共振周波数を正確に追跡し、より高い品質ファクタを
合成できることが望ましい。
【0016】 バイオセンサや化学センサの働きについては、カンチレバーが基板に近接して
製造されるとカンチレバーあるいはそのような他の共振構造に隣接する流体の捕
捉の問題がある。
【0017】 この発明の第1の側面においては、共振型検出素子を刺激するために使用され
る駆動信号を制御するための制御装置が提供されている。この制御装置は検出素
子の動きをモニタするために使用されるセンサに応答する。また、この制御装置
はセンサからの信号をフィルタリングすることによって、予め決められた次数以
上の高調波を信号から除去するための信号プロセッサと、信号プロセッサからの
出力に応答して駆動信号を調節することによって検出素子を共振状態に維持する
ための駆動信号コントローラを有している。
【0018】 信号プロセッサはデジタルデバイスでもアナログデバイスでもよく、フィルタ
リングや位相ロック、位相シフトのうちの一つもしくはそれ以上、あるいは他の
信号処理動作を行い得る。
【0019】 検出素子は微細加工された素子であることが好ましい。そうした素子は共振ブ
リッジでもよいが、カンチレバーであることが好ましい。カンチレバーは走査型
プローブ顕微鏡の一部であることが好ましい。カンチレバーは、その長手軸が、
調べている名目上平坦な表面とほぼ平行に配置される。これとは違って、カンチ
レバーはその長手軸を、調べている平面にほぼ垂直に配置してもよい。これらの
動作モードの両方とも、表面の特性を調べるために使用することができる。同様
に、これらの配置は両方とも、素子の応答が外部の影響によって修正されるよう
な化学センサやバイセンサ、あるいはその他のセンサで使用することができる。
【0020】 検出素子は圧電素子か、あるいは交番磁界、あるいは交番静電界によって、あ
るいは任意の他の手段によって駆動されることが好ましい。
【0021】 これとは違って、駆動素子は液体媒質を介して検出素子へ機械的に結合されて
もよい。
【0022】 検出素子の動きをモニタするためのセンサは光センサであることが好ましい。
ふつう、市販されている走査型フォース顕微鏡は検出素子の動きを光学的に検出
するようになっており、従って既存の検出方法を使用することができる。圧電抵
抗素子などの他の検出技術を使用してもよい。
【0023】 制御装置はセンサからの信号を解析して、検出素子の動きと素子へ加えられる
駆動刺激との間の位相シフトを求めるようになっていることが好ましい。
【0024】 駆動信号コントローラは駆動信号の位相を調節して、位相シフトを予め決めら
れた値にほぼ維持することが好ましい。
【0025】 位相シフトは90°に維持されて、検出素子が共振周波数で駆動されることが
好ましい。しかし、望むならば、他の位相シフトに維持することもできる。
【0026】 位相シフトはロックインアンプなどの位相検出器によって測定されることが好
ましい。しかし、位相差を測定するためにデジタルプロセッサなども使用できる
ことがわかるであろう。位相検出器の出力は、比例−積分(proportional-integr
al)コントローラなどのコントローラを介して電圧制御発振器の制御入力へ供給
される。コントローラは位相差をその予め決められた値の方へ向かわせる。
【0027】 検出素子へ供給される駆動信号の振幅などの特性を制御するために、少なくと
も一つのさらに別のフィードバックループが設けられていることが望ましい。こ
れは、位相シフトされた検出器信号を増幅してドライバへフィードバックするこ
とによって実行してもよい。これとは違って、周波数発生器の振幅を検出器信号
の関数として直接変調して、駆動信号の振幅を制御してもよい。検出器信号をフ
ィルタリングして信号の高周波数成分を低減することが望ましい。すなわち、高
次の高調波の信号が駆動信号へフィードバックされないようにすることである。
このフィードバックループは正帰還システムを実現し、センサの実際のQを越え
る実効Qをシミュレートする。
【0028】 それに加えて、あるいはこれと違って、検出器信号の単一パラメータを測定し
、これを使用して駆動信号のパラメータを制御してもよい。正弦波は、三つのパ
ラメータ、すなわち周波数、振幅、位相を有していると考えることができる。セ
ンサ信号をとって、それを増幅し、駆動信号へ加えるようなシステムに対しては
、駆動信号の振幅、位相、そしておそらく周波数スペクトルが、駆動信号からの
フィードバックの結果として修正される。しかし、もしセンサ信号の位相のみを
測定する(他の二つのパラメータは捨てる)場合には、この単一のパラメータを
使用して駆動信号の単一パラメータ、例えばその位相を制御する。この概念を拡
大して、パラメータのうちの二つをカバーして、3番目を省略することができる
【0029】 この発明の第2の側面においては、共振型検出素子へ加えられる駆動信号の振
幅を制御するための装置が提供されている。このコントローラは検出素子の振動
を測定するために少なくとも一つのセンサに応答するようになっており、また信
号プロセッサを有している。この信号プロセッサは、振動のパラメータを抽出し
、またこの振動のパラメータを使用して、第1の伝達関数に従って検出素子を駆
動するために供給される電源のパラメータを制御する。信号プロセッサと駆動素
子のうちの少なくとも一方は、振動のその他のパラメータには影響されない。
【0030】 振動のパラメータが振動の振幅であり、振幅に関する情報のみを使用して、検
出素子を駆動するための駆動素子へ送られる信号を制御することが好ましい。そ
れに加えて、あるいは別の場合には、位相のみを、あるいは周波数のみを測定し
て、これを使用し、駆動信号のそれぞれ位相あるいは周波数を制御する。従って
、本質的には、正弦波を定義するために使用される多数のパラメータを互いに直
交させて、フィードバックループはパラメータのうちでそれと協働するものだけ
を観測する(そしてそれに関する情報を通す)。パラメータを互いに独立に扱う
ために、多数のフィードバックループを設けてもよい。
【0031】 この発明の第3の側面においては、共振型素子をその共振周波数で駆動するた
めの装置が提供されている。この装置は、駆動信号を発生するための周波数信号
発生器と、この駆動信号に応答して共振型素子を励振する駆動手段と、駆動信号
に対する共振型素子の応答を検出するための少なくとも一つの検出器と、駆動信
号とそれに対する応答との間の位相シフトを測定し駆動信号の周波数を制御する
ことによって予め決められた位相シフトを維持するための信号処理手段を有して
いる。
【0032】 この発明のさらに別の側面においては、共振型素子を駆動する方法が提供され
ている。この方法は、共振型素子の振動をモニタする段階と、共振型素子を励振
するために使用される信号と素子の運動との間の位相差を比較する段階と、共振
型素子を励振するために使用される信号の周波数を変えることによって位相差を
予め決められた値に維持する段階とを有する。
【0033】 共振型構造を利用していてこの発明の側面を構成する化学センサやバイオセン
サあるいはその他のセンサの実施の形態は、共振素子の列から成っていてもよい
。従って、例えば微細加工された複数のカンチレバーが列状に設けられる。各カ
ンチレバーは様々なターゲットや化学薬品、試薬を検出するための感度を有する
。それに加えて、かつ/あるいはこれと違って、非特有的な信号を分離するため
の基準として、数個のカンチレバーを使用してもよい。カンチレバーは別個の異
なる周波数を有するように製造してもよい。そうした構成においては、単一のト
ランスデューサと検出器を用いて、すべてのトランスデューサを同時にか、ある
いは順々に駆動して調べてもよい。各トランスデューサは個別の周波数で共振す
るため、すべてのトランスデューサを共振させるための駆動信号は個々の共振周
波数を重ね合わせたものとして構成することができる。同様に、検出器素子から
受信される信号も、個々のカンチレバーの運動を重ね合わせたものである。これ
ら個々の信号は例えばアナログあるいはデジタル領域におけるフィルタリングに
よって分離することができ、個々のコントローラによってこれもアナログあるい
はデジタルの領域において制御される。これと違って、単一の周波数ステップ可
能なコントローラを使用して各カンチレバーへ順番にアクセスするようにしても
よい。
【0034】 多数の共振型素子が設けられている場合には、それに加えて、かつ/あるいは
これと違って、流体内部における直接連結によって、あるいは機械的な伝達を介
してそれらを一体に結合して、多数の試薬/ターゲットの存在、欠如、あるいは
それらの混合物のテストを単一のドライブ及びインテロゲーションプロセスによ
って検出してもよい。
【0035】 一般に、カンチレバーはシリコン基板あるいは窒化シリコン基板内に形成され
たピットの上に形成される。カンチレバーとピットの一方あるいは両方が、一つ
あるいは複数のレセプタでコーティングされる。従って、ピットあるいはシリコ
ン基板を、ターゲット化合物と反応して副産物を形成する第1の物質で処理する
ことが可能である。検出素子にはこの副産物に応答する物質がコーティングされ
る。従って、ターゲット物質の直接検出が行われる。
【0036】 以下、添付図面を参照しつつ、例示によってこの発明をさらに詳しく説明する
【0037】 振動するカンチレバーについては、それに加えられる励振力は二つの信号の和
から成っている。これらの信号の一方は、正弦的な励振力F1=F0jωtωjωt であり、他方は、一般的にはフォトダイオードなどのモーションセンサからの信
号を増幅し位相シフトされたフィードバック信号である。
【0038】 サンプルと間欠的に接触するカンチレバー振動は、 Z=Z0+A1j(ωt-φ)+A2j(2ωt-φ')+… と表すことができる。
【0039】 理想的にはフィードバックループが適切に働いていれば、カンチレバーに加わる
励振力の第2の項目は、 で与えられる。
【0040】 寄与の小さい高次項を無視すると、この力はカンチレバーの速度 に比例する。
【0041】 それで、カンチレバーの運動を支配する微分方程式は で近似できる。
【0042】 ここで、Fintは先端とサンプルとの間の相互作用力、 Zは垂直変位、 γは減衰定数、 ωは角周波数である。
【0043】 言い換えると、カンチレバーは実効減衰/粘性を電子的に調節可能な状態で振
動する。
【0044】 図4は走査型フォース顕微鏡で使用する制御システムを図示している。この走
査型フォース顕微鏡はセンサーヘッド20を有し、センサーヘッド20は圧電デ
バイスなどのトランスデューサ22と、カンチレバー23の動きを検出するため
の一般的には(しかしそれには限らない)フォトダイオードであるセンサ素子2
4を有している。これらの素子は市販されており、ここでこれ以上説明する必要
はない。振幅及び/あるいは位相フィードバック装置26が配置されており、セ
ンサ24に応答して、トランスデューサ20への駆動信号を修正するようになっ
ている。しかし、図3に示されているような従来のシステムと違って、この制御
システムは、カンチレバーの共振周波数の変化に追随するためにトランスデュー
サへ加えられる駆動周波数を修正することができる周波数トラッキング素子28
と、カンチレバーの高調波に対応する周波数におけるカンチレバーの振幅応答を
フィルタリングするためのフィルタも有している。
【0045】 図5に示されているように、この発明の第1の実施の形態は信号処理装置30
内においてフィードバック電子回路26と周波数トラッキング電子回路28を組
み合わせている。電圧制御発振器32の出力は、加算器34の第1の入力と、位
相検出器36の基準入力(ref)へ接続されている。加算器34の出力は顕微
鏡走査ヘッドの一部を構成するトランスデューサ22へ接続されている。位置セ
ンサ24の出力は、ローパスフィルタ70の入力と位相検出器36の信号入力(
sig)へ接続されている。フィルタ70の出力は可変位相シフタ37の入力に
なる。位相検出器36の出力は、比例−積分(PI)コントローラなどのコント
ローラ38の入力になり、コントローラ38の出力は電圧制御発振器32の制御
入力に接続されている。可変位相シフタ37の出力は可変利得増幅器40の入力
になる。可変利得増幅器40の出力は加算器34の第2の加算入力になる。セン
サ24の出力はデータ取得装置へ(場合によってバッファを介して)接続された
出力42になる。
【0046】 位相検出器36と、PIコントローラ38と、電圧制御発振器32は、駆動信
号を制御する周波数位相ロックループを形成する。位相検出器36とPIコント
ローラ38の動作を選択することで、電圧制御発振器の出力周波数を変えて、位
相検出器36の基準入力と信号入力の信号の間において予め決められた位相差を
維持する。この予め決められた位相差を90°に設定することによって、電圧制御
発振器は常に顕微鏡のカンチレバーをその共振周波数で駆動することが可能とな
る。この共振条件は、流体環境中での動作においてカンチレバーの共振周波数自
身が変化したときでも、この条件が常に満たされるようにフィードバックループ
において維持される。例えば共振曲線の急峻な側の部分などの、共振から離れた
ところで動作させたいときには、他の予め決められた位相差を維持することもで
きる。
【0047】 可変位相シフタ37及び可変利得増幅器40は、そのQファクタなどカンチレ
バーの特性を最適化する正帰還ループを形成する。可変位相シフタは、増幅器及
び/あるいはローパスフィルタにおいて生じる位相シフトを補償することによっ
て増幅器の出力が電圧制御発振器の出力と同相になるようにするために設けられ
ている。従って、正帰還は、トランスデューサに加えられる機械的駆動を増大さ
せることによって比較的大きな強度を有する振動をさらに増強するために設けら
れている。可変利得増幅器の伝送機能を制御することによって、振動するカンチ
レバーに対して実際に持っているQファクタよりもより高いQファクタを合成す
ることが可能になる。カンチレバーの振動の振幅を安定化させて、その応答が予
測不能あるいは再現性のない状態にならないように、そして損傷を被らないよう
に、正帰還システムを修正してもよい。
【0048】 図6は別の実施の形態を示しており、そこでは同様な部材は同様な参照番号に
よって表されている。この構成では、前の実施の形態における位相ロックループ
は含まれていないが、他は同じである。例えば信号発生器からの正弦信号が加算
器34の第1の入力43になる。フィルタ70が設けられているために、フィー
ドバック信号の中に不安定化につながる高調波が存在しない正帰還が提供される
。例えば駆動周波数を表面の近くに選択すれば、表面へ近づけることによって共
振周波数はあまり変化しないなら、位相ロックループを省略することができる。
【0049】 図7は別の実施の形態を示しており、そこでは同様な部材は同様な参照番号で
表されている。この構成においては、電圧制御発振器の出力は電圧制御された可
変利得増幅器50の第1の入力になり、可変利得増幅器50の出力はトランスデ
ューサへ接続されている。センサ24の出力は図5を参照して説明した位相検出
器36の検出入力に接続されているが、整流器52の入力にも接続されている。
整流器52の出力は可変利得増幅器の利得制御入力へ接続されている。まえと同
様に、位相検出器36と、PIコントローラ38と、電圧制御発振器32は周波
数フィードバック制御ループを形成している。整流器52はカンチレバー振動の
自乗平均の平方根あるいはピーク値を検出し、これを使って、可変利得増幅器に
よって電圧制御発振器の出力へ加えられる利得を制御する。従って、まえのよう
に、トランスデューサ22へ加えられる駆動信号の大きさはカンチレバーの振動
の振幅が大きくなるにつれて増大する。
【0050】 図8はさらに別の構成を示しており、そこでは位相検出器36と、PIコント
ローラ38と電圧制御発振器32は前述したように接続されている。しかし、電
圧制御発振器の出力は、電圧制御される可変位相シフタ62の入力になっている
。位相シフタ62の出力はトランスデューサ22に供給される。センサ24の出
力は第2の位相検出器60の、第1の入力になる。位相検出器60の第2の入力
は電圧制御される可変位相シフタからの出力を受け取る。位相検出器60はその
入力の間の位相差を表す信号を形成する。そして、この信号を使って、可変位相
シフタ62によって導入される位相シフトを制御する。位相検出器60と位相シ
フタ62によって形成される正帰還ループは、位相ロックループよりもずっと短
い時定数を有している。この正帰還ループによって、実効品質が向上し、位相ロ
ックループ内の誤差が低減される。
【0051】 比較のために、図9及び図10は、この発明の実施の形態を構成する制御回路
を用いて駆動されたときの、カンチレバーの応答を示している。図9は、機械−
音響波によって励振したときのカンチレバーのスペクトルを示しており、従って
図1との直接の比較となっている。図10はカンチレバーが磁界によって励振さ
れたときの共振スペクトルを示しており、従って図2との比較となっている。磁
気的な励振は、約280の実効Qを有する非常に狭い共振ピークを生じる。さらに
、このピークは、カンチレバーが機械−音響波によって駆動されたときに現れる
ピークの最も支配的なものに対応している。高い実効Qによって、カンチレバー
の自然周波数における液体を介する励振力の伝達は低く抑えられる。そして、カ
ンチレバーの磁気コーティングが必要な直接励振法を用いる必要なく、共振周波
数を識別することが可能になる。
【0052】 カンチレバーの感度はQに比例し、流体中のカンチレバーの自然Qよりも2桁
以上大きな実効Qファクタが達成された。本発明者は、非常に軟らかい1%のアゴ
ロス(agoros)ゲルからなるサンプルを画像化することによって、改善した感度を
調べた。このサンプルは150kPaを有していた。図11a及び図11bは、通常の
ばね定数0.37Nm-1を有する標準的な窒化シリコンの先端を用いたときの、サンプ
ルのトポグラフィと位相シフト画像を示している。自由振幅及び減衰振幅はそれ
ぞれ6及び5.5nmである。そのサンプルの同じ領域を約153に合成されたQを用い
て同じ先端で画像化した。これによって、加えられる力が小さくなる結果、空間
分解能が著しく向上した。力が小さいことはゲルの中への先端の食い込みが小さ
いことを意味しており、従って図11cに示されているように分解能がより高く
なる。一方において、カンチレバー振動と励振信号との間の位相シフトは図11
dに示されているようにトポグラフィ変化に対してより敏感である。
【0053】 品質ファクタを調整する電子回路が設けられているために、液体中での通常の
タッピングモードにおける顕微鏡の感度が向上する。
【0054】 共振カンチレバーと品質ファクタ制御及び周波数トラッキング制御を有する原
子間力顕微鏡を用いて、単一分子の特性を調べることができる。本質的に、共振
カンチレバーを分子と接触するところまで持ってきて、そのあとにカンチレバー
をサンプルの表面から上方へゆっくりと上げて分子を伸ばすことができる。これ
を振動していないカンチレバーで行った場合、得られる結果は力と変位の曲線に
なる。しかし、振動カンチレバーを用いて測定を行うと、保存力や弾性力、散逸
力も評価することが可能である。散逸力は、共振ピークの振幅の変化を見ること
によって評価することができ、一方、弾性力は周波数の変化によって調べること
ができる。図12は分子を測定することによって得られた結果を示している。横
座標は力を検出する(伸びる)方向における移動量を示している。“A”を付し
た曲線は変化する距離に対する力の勾配を示している。“B”を付した曲線は振
幅の変化を示しており、従って局所的な散逸を表している。曲線“C”はカンチ
レバーが受ける全体の力を表している。先端とサンプルとの間の接触はX軸の約
120nmでなくなっていることがわかる。
【0055】 図13に示されているこの発明の別の実施の形態においては、図5に示されて
いる基本構成が、さらに別のフィードバックループを設けることによって修正さ
れている。この別のフィードバックループは、センサ24からの別の入力を受け
取る可変位相シフタ80と、可変位相シフタ80の出力からの入力を受け取る別
の可変利得増幅器82とを有する。また、ローパスフィルタ70を回路に残して
おけばより良好な結果が得られるけれども、これを省略することもできる。可変
利得増幅器82の出力は電圧制御発振器32の出力と加え合わされる。この別の
フィードバックループは、センサ信号を0°あるいは180°シフトさせて実効ば
ね定数を、従って共振周波数を変えるようになっている。場合によって、前述し
たように周波数トラッキングを用いることもできるし、省略してもよい。
【0056】 理想的な場合には、振動子の微分方程式におけるこの二つのフィードバックル
ープの効果は、 Mz"+γz'+kz=Fint+F0eiωt+G1zeiφ1+G2zeiφ2 である。
【0057】 ここで、Mは振動子の実効質量であり、γは減衰定数であり、kはばね定数で
あり、Fintはカンチレバーとサンプルあるいは環境との間で起こり得る相互作
用であり、zは振動子の運動を表している。励振力は正弦的な励振力F0eiωt
、第1のフィードバックループによって増幅され位相シフトされたセンサ信号G1 zeiφ1と、第2のフィードバックループによって増幅され位相シフトされたセン
サ信号G1zeiφ2との和である。この方程式の解は、z=Aei(ωt-ψ)で近似で
きる。
【0058】 例えば、φ1=90°及びφ2=0あるいは180°に固定すると、第1のフィード
バックループは実効減衰定数をγeff=γ-G1/ωだけ変え、第2のフィードバック
ループは実効ばね定数をKeff=±G2だけ変える。
【0059】 振動周波数を検出可能な感度が良いために、他の状況で共振型センサを使用す
ることが可能になる。例えば小型センサに試薬をコーティングして、特定の化学
薬品が存在すると化学反応が起きるようにしてもよい。
【0060】 液体中のターゲット化合物に対してほぼ排他的に親和性を有する化合物選択性
物質でマイクロカンチレバーを部分的あるいは全体的に表面処理する。マイクロ
カンチレバーセンサに前述した振動検出方法のどれかを行う。周波数検出法によ
って、モニタする液体溶液中における振動マイクロカンチレバーの共振周波数や
、振幅、あるいは位相の変化を検出することができる。モニタ液体溶液の中へ挿
入すると、ターゲット化学薬品の分子がマイクロカンチレバーの処理領域へ付着
し、その結果、振動質量の変化とともに、マイクロカンチレバーのばね定数ある
いはカンチレバーの機械的特性の変化を生じて、マイクロカンチレバーの振動パ
ラメータに影響を与える。さらに、処理された領域にターゲット化学薬品の分子
が付着すると、マイクロカンチレバーの処理領域と一致する機械的歪み領域が生
じて、マイクロカンチレバーの振動に影響を与える。マイクロカンチレバーにタ
ーゲット化学薬品が集積する速度は、ターゲット化学薬品の濃度の関数である。
従って、マイクロカンチレバーの振動の変化(周波数、振幅、あるいは位相)の
範囲は、モニタする液体溶液の中でのターゲット化学薬品の濃度に関係する。同
様に、集積したターゲット化学薬品の平衡レベルはターゲット化学薬品の濃度に
依存する。従って、マイクロカンチレバーの振動の変化(周波数、振幅、あるい
は位相)の範囲はモニタする液体溶液の中でのターゲット化学薬品の濃度に関係
する。
【0061】 図14は、共振カンチレバーを利用した化学/生化学センサを図示している。
駆動構造は、この場合には共振カンチレバー100がこのカンチレバーに隣接し
て配置されたコイル102によって発生される磁界によって磁気的に駆動される
ことを除いて、添付図面の図5に示されているものと同じである。カンチレバー
100上の磁気コーティングは、カンチレバーに熱蒸着を用いてクロムをコーテ
ィングし、そのあとコバルトをコーティングして形成した。この薄いフィルム中
に強く配向した磁界で磁気モーメントを発生させた。
【0062】 この実験においては、カンチレバーの両側に2500mm厚のポリ−メチル−メタク
リレート(PMMA)を蒸着することによって、カンチレバーがエタノールに対
して感度を持つようにした。しかし、カンチレバーの一方の側に抗体も固定した
。本出願人はBRAC30のFcフラグメントの上に位置するエピトープを認識
する二次抗体STAR71の存在を検出するために、カンチレバーの一方の側に
抗体BRAC30を固定した。これを行うために、塩酸と硝酸の混合液の中に浸
すことによって、もともとのカンチレバー上の金コーティング(このコーティン
グは製造業者によってそこに施されていたものである)を除去した。次に、カン
チレバーの一方の側に5ナノメートルのクロムと50ナノメートルの金を、熱蒸着
を用いてコーティングした。金がコーティングされたカンチレバーを1ミリモル
のシスタミン二塩酸化合物の中に60分間浸して、2モルのNaOHとmiliQ
水の中で洗浄した。次にカンチレバーをグルトールアルデヒド(1%)の中に60分間
浸して、miliQ水の中で濯ぎを行った。抗体BRAC30溶液の滴を60分間
にわたって付けた。グルトールアルデヒドは基材と抗体との間の共有結合体とし
て作用する。残ったアルデヒドサイトは適当な溶液(ウシ血清アルブミン溶液)
の中に数分にわたってカンチレバーを浸すことによって飽和させた。
【0063】 走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーにおけるように、このカンチレバーは
、いったんカンチレバーを溶液の中に浸すとQが著しく低下する。この場合には
、カンチレバーの空気中における共振周波数は約50kHzであり、品質ファクタは
約70である。いったんカンチレバーを液体の中に浸すと、振動するときにカンチ
レバーが周囲の液体を引きずるためにカンチレバーの実効質量は増大する結果と
して、共振周波数は約16kHzまで低下する。カンチレバーと液体環境との間の流
体力学的減衰のために、品質ファクタも約2まで低下する。しかし、フィードバ
ック制御回路を使用することによって、約625の合成品質Qが得られた。さらに
高い品質ファクタを合成することができ、本出願人は1000を越える品質ファクタ
を達成したが、熱変動のために液体の速度が局所的に変動する結果、高い値に対
しては振動が不安定になる。
【0064】 こうした化学センサの感度はほぼその品質ファクタに比例する。共振周波数は
位相ロックループによって検出され、カンチレバー振動と駆動信号との間の位相
シフトの尺度になる。この位相差は共振状態では90°である。共振に対する位相
シフト偏移は、Δψが小さいとおおよそ Δψ=2Q(ω−ω0)/ω0 である。従ってQが高いと、より小さい位相シフトの分解能が得られる。
【0065】 共振カンチレバーの重要な特徴は、液体中におけるカンチレバーのDC応答に現
れる長期間にわたる熱ドリフトにほとんど影響を受けないことである。図15a
は、1時間の操作において1分あたり約8ナノメートルが観測されたカンチレバー
のたわみ変化を示している。一方、対応する共振周波数は実質的には影響を受け
ておらず、その時間内ではほぼ2Hz以下の変化である。
【0066】 高い値の合成Qを使用することによって、試薬の存在に対してセンサを非常に
敏感にすることが可能である。図16a及び図16bは、カンチレバーをPMM
Aから成るポリマ層でコーティングした場合の実験で得られた結果を示している
。図16aはカンチレバーを水中の0.5%のエタノールにさらしたときの、共振周
波数の変化のリアルタイム応答を示している。生じた応答は二つの部分から構成
されている。まず、ポリマ層の中へ電解質が拡散し、それによってカンチレバー
の質量が増大するために、共振応答は50Hzだけ急激に低下する。第二に、エタノ
ールは完全に蒸発するまでポリマ層の外へ拡散するために、共振周波数は再び増
大する。本出願人の計算では、共振周波数の低下を招く実効質量の増大は約50ピ
コグラムになる。
【0067】 図16bに示されているように、5%のエタノールでこの実験を繰り返した。こ
の実験においては、共振周波数は約410Hz減少した。これらのデータは、このセ
ンサの感度が100Hzあたりエタノールで約1%であることを示している。
【0068】 図17a及び図17bは、カンチレバーが存在するときに、ターゲット抗体す
なわちSTAR71を検出するためにBRAC30抗体を用いた実験の結果を示
している。STAR71ターゲット抗体はカンチレバーの一方の側に付けられた
レセプタ分子に結合して、カンチレバーの他方の側に対するその側の表面エネル
ギを変化させる。すると、各側の面積は縮小あるいは拡大して、システムのエネ
ルギを最小化し、カンチレバーに曲げを生じる。この曲げは、 のたわみに対応している。
【0069】 ここで、νはポアソン係数、Eはヤング率、tはカンチレバーの厚み、Lは長さ
、Δσt及びΔσbはそれぞれカンチレバーの上面及び底面側の表面応力変化であ
る。窒化シリコンに対してE=96GPa及びν=0.27を用いることによって、感度は1
nmのたわみあたり約1.3mJ/m2と評価される。発生する表面応力によって、全体の
表面応力Δσt+Δσbに比例する、カンチレバー表面に平行な張力を生じる。こ
の張力によってカンチレバーは収縮あるいは拡張し、カンチレバーのばね定数を だけ変化させる。
【0070】 ここで、nはカンチレバーの実効質量と全体質量との間の比であり、nlはカン
チレバーの幾何学的形状に依存し、理想的なばねに対しては1である。
【0071】 図17a及び図17bは、生物ターゲットの検出を示す実験を示している。ま
ず、測定液体セルの中に5μLの緩衝液を注入した。この結果、図17aに示さ
れているようにカンチレバーはすぐに約7nmだけたわんだ。一方、共振周波数は
変化しないままであった。このたわみの変化は緩衝液と液体セル中の液体との間
の温度差による。この温度差によってカンチレバー上部の金コーティングとカン
チレバーの底部を形成する窒化シリコンに熱膨張差を生じる。カンチレバーの一
方の側における表面応力は他方の側の対向する表面応力とほぼバランスがとれて
いるため、カンチレバーの共振周波数はこの2材料効果にほとんど影響されない
【0072】 約700秒のあと、1mlあたり0.8μgの濃度にするために5μLのターゲット物質を
注入した。すぐに63Hzの共振周波数の低下を記録した。これは、こうしたターゲ
ット生物分子が特有な結合をする結果、カンチレバーのレセプタ分子が固定され
た側の表面が減少することを示している。観測される周波数変化は、1m2あた
り約7mJの表面エネルギの減少に対応している。しかし、図17aに示されてい
るたわみをベースとした測定においては、この溶液を入れることによって生じる
温度変化によって、表面積の変化が隠れてしまい、従って従来のDC検出方法で
はターゲット生物分子を入れたことを示すことができない。一方、共振周波数法
はこれができる。
【0073】 多数のセンサを列状に製造して、様々な試薬をコーティングしてもよい。この
ときには、制御装置の時分割周波数多重によって各々へ個々にアドレスして各振
動子を順番に励振する。これとは違って、多数の処理チャンネルを並列に設けて
、各振動子に同時にアドレスしてもよい。
【0074】 制御システムの別の実施の形態においては、位相シフト及び増幅器の利得を選
択して、カンチレバーが自然に共振へ向かうようにしてもよい。従って、自己維
持型の振動が形成される。いったんそうなると、増幅器の利得が閉ループで調節
されて、振動の振幅はほぼ一定に維持される。
【0075】 従って、感度のよい、しっかりした安価なセンサを提供することが可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】 流体の機械−音響式励振によって励振されたv字形状のカンチレバー(k=0.58
Nm-1)のスペクトルである。
【図2】 流体中における図1の、しかし磁界によって励振されたカンチレバーの励振ス
ペクトルである。
【図3】 従来の走査型フォース顕微鏡の検出及びフィードバック構造を概略で示している
【図4】 この発明の実施の形態を構成している部品を概略図で示している。
【図5】 この発明の第1の実施の形態のブロック図である。
【図6】 この発明の第2の実施の形態のブロック図である。
【図7】 この発明の第3の実施の形態のブロック図である。
【図8】 この発明の第4の実施の形態のブロック図である。
【図9】 Qエンハンスメントを加えたときの、機械式励振モードにおける、駆動信号に
対するカンチレバーの応答を周波数の関数として示している。
【図10】 磁界励振によって駆動されたときの、Qエンハンスメントを加えたときのカン
チレバーの応答を周波数の関数として示している。
【図11a−11d】 トポグラフプロファイル(図11a及び図11b)、及びそれと対応する位相
応答(図11c及び図11d)の実験結果を比較している。図11a及び図11
cはQエンハンスメントなしで得られたものであり、図11b及び図11dはQ
エンハンスメントを用いて測定したものである。
【図12】 分子の動的特性を調べるために、Qエンハンスメントを用いて走査型フォース
顕微鏡を使って得られた結果を示している。
【図13】 この発明の別の実施の形態を構成する制御装置を示している。
【図14】 この発明の実施の形態を構成する化学センサを概略で示している。
【図15a】 熱ドリフトによるカンチレバーのたわみの変動を示す実験結果である。
【図15b】 熱ドリフトによるカンチレバーの共振周波数の変動を示す実験結果である。
【図16a】 この発明の実施の形態を構成する化学センサに対する共振周波数の変化を示す
実験結果である。
【図16b】 この発明の実施の形態を構成する化学センサに対する共振周波数の変化を示す
実験結果である。
【図17a】 微細加工されたカンチレバーに対するたわみの変化を示している。
【図17b】 微細加工されたカンチレバーに対する共振周波数の変化を示している。
【手続補正書】
【提出日】平成14年11月19日(2002.11.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ハンプリス,アンドリュー,デイビッド, レイバー イギリス国 BS6 6HT ブリスト ル,レッドランド,6 アバディーン ロ ード,フラット 3 (72)発明者 マイルス,マービン,ジョン イギリス国 BS11 0UR ブリスト ル,キングズウエストン,キングズウエス トン レーン 10 Fターム(参考) 2F063 AA43 BB08 CA08 CA09 DA01 DA02 DA05 DB05 DD02 EA16 EB15 EB23 HA20 KA01 LA01 LA04 LA05 LA06 LA11 LA22 PA05 2F069 AA60 DD19 GG04 GG06 GG07 GG09 GG62 HH05 HH09 HH30 JJ07 JJ25 KK05 LL03 MM32 NN02 NN10

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振型検出素子(23)を刺激するために使用される駆動信号を
    制御するためのものであり、前記検出素子の動きをモニタするために使用される
    センサ(24)に応答する制御装置であって、制御装置(26、28、30)が
    、前記センサからの信号をフィルタリングすることによって信号から予め決めら
    れた次数以上の高調波を除去する信号プロセッサ(70)と、この信号プロセッ
    サの出力に応答して駆動信号を調節することによって前記検出素子を共振状態に
    維持するための駆動信号コントローラ(37、40)とを有している制御装置。
  2. 【請求項2】 前記信号プロセッサ(30)がさらに検出素子(23)の動きと
    この素子に加えられる駆動刺激との間の位相シフトを求めるようになっており、
    また駆動信号コントローラ(36、38)が、駆動信号を調節することによって
    位相シフトを予め決められた値にほぼ維持する請求項1記載の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記検出素子(23)が液体結合によって駆動素子(22)へ結
    合されている請求項1もしくは請求項2記載の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動素子(22)が圧電素子である請求項3記載の制御装置
  5. 【請求項5】 前記検出素子(23)が、交番磁界か、交番静電界か、圧力波か
    、パルス加熱によって駆動される請求項1もしくは請求項2記載の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記予め決められた位相シフトがほぼ90°である請求項2記載の
    制御装置。
  7. 【請求項7】 前記位相シフトが位相検出器(36)によって測定され、この検
    出器の出力がコントローラ(38)へ加えられ、このコントローラが駆動信号の
    周波数を変化させる請求項2〜請求項6のいずれか1項記載の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記検出素子を刺激するために使用される駆動信号の特性を制御
    するために、少なくとも一つの他のフィードバックループ(37、40、34;
    80、82;36、38、32)をさらに有する請求項1〜請求項7のいずれか
    1項記載の制御装置。
  9. 【請求項9】 さらに一つのフィードバックループが設けられており、このさら
    に一つのフィードバックループが駆動信号の大きさを制御する請求項8記載の制
    御装置。
  10. 【請求項10】 前記センサ(23)からの信号が位相シフトされて増幅され、
    駆動信号と組み合わされ、前記増幅がセンサからの前記信号の大きさの関数であ
    る請求項8もしくは請求項9記載の制御装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動信号の振幅がセンサ信号の振幅の関数として変調され
    る請求項8もしくは請求項9記載の制御信号。
  12. 【請求項12】 前記さらなるフィードバックループの一つが、実際の品質ファ
    クタを越えるような、検出素子に対する実効品質ファクタを合成するフィードバ
    ックループを形成している請求項8〜請求項11のいずれか1項記載の制御装置
  13. 【請求項13】 請求項1〜請求項12のいずれか1項記載の制御装置を有する
    走査型プローブ顕微鏡。
  14. 【請求項14】 試験している物質と相互作用するようなレセプタを有する共振
    型検出素子を有する化学センサあるいは生化学センサ(100)であって、請求
    項1〜請求項12のいずれか1項記載の制御装置と組み合わされるセンサ。
  15. 【請求項15】 一方の側に、試験するターゲット物質に対する感度を有する物
    質がコーティングされている請求項14記載のセンサ。
  16. 【請求項16】 共振型素子(23)に加えられる駆動信号の振幅を制御するた
    めの装置であって、このコントローラが検出素子(23)の振動を測定するため
    の少なくとも一つのセンサ(24)に応答し、また信号プロセッサ(30)を有
    しており、この信号プロセッサが、振動のパラメータを抽出し、またこのパラメ
    ータを使用して、第1の伝達関数に従って検出素子を駆動するために供給される
    駆動信号のパラメータを制御する装置。
  17. 【請求項17】 信号プロセッサと、共振型素子を駆動するために使用される駆
    動素子のうちの少なくとも一方が、振動の他のパラメータに影響されない請求項
    16記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記振動を制御するために使用されるパラメータが、振動の振
    幅である請求項16もしくは請求項17記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記振動を制御するために使用されるパラメータが、駆動信号
    と共振型素子の運動との間の位相差である請求項16もしくは請求項17記載の
    装置。
  20. 【請求項20】 前記振動を制御するために使用されるパラメータが、共振型素
    子(23)の運動の周波数である請求項16もしくは請求項17記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記振動を制御するために使用されるパラメータが、予め決め
    られた次数以下の振動周波数の高調波である請求項16もしくは請求項17記載
    の装置。
  22. 【請求項22】 共振型素子の振動をモニタする段階と、共振型素子を励振する
    ために使用される信号と共振型素子の運動との間の位相差を比較する段階と、共
    振型素子を励振するために使用される信号の周波数を変えることによって位相差
    を予め決められた値に維持する段階とを有する共振型素子を駆動する方法。
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