JP5467299B2 - 走査型プローブ顕微鏡における反復的フィードバック調整 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡における反復的フィードバック調整 Download PDF

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Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡法(SPM)用途または同様の用途におけるPI(D)(比例、積分、微分)フィードバック用のフィードバックパラメータの自動フィードバック調整を行なう方法、システム、および装置に関する。
ナノテクノロジーは、ナノスケールの物体を検出および測定する先端技術の計測機器を必要とする。これらの物体は多くの場合極めて繊細であって、測定中に壊れやすいため、試料が損傷するリスクを減らすと同時に高速且つ信頼性の高い測定解決策を提供する計測機器解決策に対するニーズがある。
走査型トンネル効果顕微鏡法(STM)は、表面物理学および関連分野で最も重要な測定技術の一つであって、過去25年にわたる当分野における主要な発展に寄与してきた。
STMの先駆はRussell Yong、John Ward、およびFredric Scireにより開発され、1972年に非特許文献1で発表されたトポグラファイナーであった。これは、ラスタ内の鋭い金属先端部を表面から微小距離で走査することにより金属面のトポグラフィをマッピングできる機器であった。STMとほぼ同様に圧電ドライバおよびフィードバック機構を用いて先端を移動させるものであった。簡単なアナログPIコントローラが表面と先端との間の電流、従ってそれらの間の距離を一定に保つ。トポグラファイナーの場合、この電流は、STMにおけるトンネル効果電流とは逆に、より高い先端面距離における電界放出電流であった。Youngらはトンネル効果モードにおいて表面から微小距離で走査する可能性を理解していたが、振動が大き過ぎた上にフィードバックコントローラの精度に問題があったため、同モードでの走査はできなかった。それでも最新のSTMに極めて類似していた点は特出している。
最新のSTMは一般に、トンネル効果が支配する領域により適している対数フィードバックコントローラを使用するが、市販のPIまたはPID制御装置を使用する方式が依然として一般的である。最新のデジタルコントローラには様々な異種コントローラがあり得るが、PIDコントローラの成功により基本的な変更が行なわれなくなった。デジタル方式がもたらした別の利点として、複雑なアルゴリズムを簡単に実装できるようにしたことが挙げられる。
STMのコントローラを適切に調整することは、3次元パラメータ空間(比例、積分、および微分部分の調整値)における最適状態を見つける必要があるため、特にPIDコントローラの場合に極めて困難である。別の問題としてユーザは多くの場合パラメータの相互依存に関する情報を有しておらず、特定のソフトウェアでの多くの経験を通じて異なるパラメータの影響に対する感触を掴まねばならない。自動調整機構ならばこの手順を簡素化できるであろう。
本発明による解決策は、SPM信号用に最適化された反復的フィードバック調整方法/アルゴリズムおよび制御構成を用いる。
本方法/アルゴリズムはコンピュータ可読記憶媒体に保存されたソフトウェア命令セットとして実装されて処理装置で動作することができ、あるいはハードウェア(例:FPGA、フィールドプログラム可能ゲートアレイ、またはASIC(特定用途向け集積回路))内の命令セットとして実装されていてもよい。処理装置は、プロセッサ、メモリ(不揮発性および/または揮発性)、および通信インターフェースを含んでいてよい。
本発明はSTM(走査型トンネル効果顕微鏡)用途を用いて例示されているが、これはまた、当業者には理解されるようにAFM(原子力顕微鏡法)、NSOM(近接場走査型光学顕微鏡法)、MFM(磁力顕微鏡法)等、他の走査型顕微鏡法技術でも利用可能である。
SPM技術に応じて異なる種類の信号をフィードバックシステムにおける入力パラメータとして用いて、測定システムを制御するために異なる種類の出力信号が生成される。更に、異なる仕方で信号を事前調整することに関心がもたれる場合があり、例えばSTMのケースを考慮すれば対数表現を用いて信号を線形化して電流符号の依存性に対処する必要がある。他のSPM技術には他の依存性がある。SPM技術の運用は公知である。
本発明によるシステムは、SPM測定システム(例:圧電素子、先端ホルダ、先端、および関心対象試料に対する先端の位置を決める他の部材等の位置制御装置を含む)、制御電子システム(例:位置制御装置を制御する電圧または電流制御装置、プリアンプおよび/または他の事前調整装置(フィルタリング等)、デジタル化装置、制御処理装置、通信装置等)、および測定準備の解析、制御、データの記憶、および結果の表示を行なうための解析装置(例:制御装置と通信すべく構成されたコンピュータ)を含んでいる。制御装置の少なくとも一部が解析装置に組み込まれていてよい点を理解されたい。
本発明による方法/アルゴリズムは、計測機器の構成に応じて制御電子回路または解析装置内に実装できる。
更に、本発明はPIまたはPID解決策に限らず他の種類のフィードバックシステムに適用できる。本発明は、デジタルフィードバック解決策のフィードバックパラメータを決定する反復的方法に関する。
本発明は、多くの態様で実装され、その第一は、
・SPM測定装置と、
・制御装置と、
を含む走査型プローブ顕微鏡法(SPM)システムであって、
・上記制御装置が、
・PI調整アルゴリズムにおけるセットポイント(set point)として適切な基準信号を入力として用いて第1のテストを実行するステップと、
・少なくとも1個のセンサ信号を受信することにより第1のテストから結果を受信するステップと、
・第1のテストの結果をセットポイントとして第2のテストへの入力として用いるステップと、
・少なくとも1個のセンサ信号を受信することにより第2のテストから結果を受信するステップと、
・第1および第2のテストからの結果を用いて正定値行列(positive definitive matrix)を決定するステップと、
・決定された行列を用いて新規の制御パラメータを計算するステップと
を含む自動反復フィードバック調整アルゴリズムを動作させるべく構成されている。
行列を決定するステップは、ユニタリ行列形式の近似を用いるステップを含んでいてよい。
フィードバックアルゴリズムは更に、テストポイントとして基準信号を用いる第3のテストを実行するステップを含んでいてよい。当該アルゴリズムは更にペナルティ関数を含んでいてよい。
センサ信号は事前調整されていてよい。
フィードバック処理は、適切なフィードバックパラメータの決定を受信するまで反復的に繰り返されてよい。
本発明の第2の態様、すなわち試料に対するプローブの位置を制御するための制御パラメータを決定する方法であって、
・PI調整アルゴリズムにおけるセットポイントとして適当な基準信号を入力として第1のテストを実行するステップと、
・第1のテストから結果を受信するステップと、
・第1のテストの結果をセットポイントとして第2のテストへの入力として用いるステップと、
・制御されたシステムの動作に対する重み付け関数(weighting function)を定義するステップと、
・重み付け関数を最小化するステップと、
・制御パラメータに関して重み付け関数の勾配を決定するステップと、
・勾配を用いて新規制御パラメータを決定するステップと
を含む方法を示す。
本発明による方法を実行する命令セットを含む、試料に対するプローブの位置を制御するコンピュータプログラムである、本発明の第3の態様を示す。
本発明による方法を動作させる制御装置である、本発明の第4の態様を示す。
本発明について、非限定的な実施例により、且つ添付の図面を参照しながら以下により詳細に記述する。
本発明を適用できる計測機器を模式的に示す。 本発明による閉ループフィードバック制御解決策を模式的に示すブロック図である。 本発明による閉ループフィードバックPID解決策を模式的に示すブロック図である。 自由度が2である本発明による閉ループフィードバック制御解決策を模式的に示すブロック図である。 自由度が1である本発明による閉ループフィードバック制御解決策を模式的に示すブロック図である。 本発明によるSTMシステムの閉ループフィードバック制御解決策を模式的に示すブロック図である。 形状定義を模式的に示す。 本発明による装置を模式的に示すブロック図である。 本発明によるシステムを模式的に示すブロック図である。
本発明は計測機器の自動フィードバック制御およびフィードバック制御が用いられる他の状況における解決策に関する。本発明は方法として実装され、好適にはコンピュータまたは同様の処理装置等のデジタルコンピュータで動作する。本方法/アルゴリズムは、コンピュータ可読記憶媒体に保存されていて処理装置内で動作するソフトウェア命令セットとして、あるいはハードウェア(例:DSP(デジタル信号プロセッサ)、FPGA(フィールドプログラム可能ゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路))内の命令セットとして実装されていてよい。処理装置は、プロセッサ、メモリ(不揮発性および/または揮発性)、および通信インターフェースを含んでいてよい。図8に本発明を実装する、処理装置801、メモリ装置802(揮発性または不揮発性、例:RAM、フラッシュ、ハードディスク)、および計測機器と通信するための通信インターフェース803を含む処理装置800を示す。図9に、本計測機器903と通信状態にあるオプションの制御電子回路902と通信状態にある制御処理装置901を含む、本発明によるシステム900を示す。制御処理装置および制御電子回路は1個の装置に組み込まれていてよい。
本発明はSTM(走査型トンネル効果顕微鏡)用途を用いて例示しているが、当業者に理解されるように、他の走査型顕微鏡法技術、例えばAFM(原子力顕微鏡法)、NSOM(近接場走査型光学顕微鏡法)、MFM(磁力顕微鏡法)等でも利用可能である。
SPM技術に応じて異なる種類の信号をフィードバックシステムにおける入力パラメータとして使用し、測定システムを制御するために異なる種類の出力信号が生成される。更に、信号を異なる仕方で事前調整することに関心がもたれる場合があり、STMのケースを考慮すれば対数表現を用いて信号を線形化して電流符号の依存性に対処する必要がある。他のSPM技術には他の依存性がある。SPM技術の運用は公知である。
本発明によるシステムは、SPM測定システム(例:圧電素子、先端ホルダ、先端、および関心対象試料に対する先端の位置を決める他の部材等の位置制御装置を含む)、制御電子システム(例:位置制御装置を制御する電圧または電流制御装置、プリアンプおよび/または他の事前調整装置(フィルタリング等)、デジタル化装置、制御処理装置、通信装置等)、および測定準備の解析、制御、データの記憶、および結果の表示を行なうための解析装置(例:制御装置と通信すべく構成されたコンピュータ)を含んでいる。制御装置の少なくとも一部が解析装置に組み込まれていてよい点を理解されたい。
本発明による方法/アルゴリズムは、計測機器の構成に応じて制御電子回路または解析装置内で実装できる。
更に、本発明はPIまたはPID解決策に限らず他の種類のフィードバックシステムに適用できる。本発明は、デジタルフィードバック解決策のフィードバックパラメータを決定する反復的方法に関する。
本発明はいくつかの異なる技術分野に適用可能である。例えば、走査型プローブ顕微鏡(SPM)測定のセットアップから、走査型トンネル効果顕微鏡(STM)を用いる例を挙げて本発明を例示する。
STMの基本原理は極めて簡単であり、図1を参照されたい。圧電結晶100の助けを借りて鋭い導電性の針(先端)101を導電性試料104に向かって約1nmの距離dへ移動させる。電圧を印加すると圧電材料が拡張または収縮する。通常の膨張率は約1〜10nm/Vであるため、印加電圧により原子レベルでの運動を容易に制御できる。
先端と試料の間電圧Vを印加し、量子力学的トンネル効果に起因して先端と試料の距離に強く依存する(理想的な場合には指数的に)極めて微小な電流l103が生じる。フィードバックコントローラC102を用いることにより、z圧電の制御電圧V、すなわち先端のz位置を調整することによりトンネル効果電流を一定に保つことができる。ここで、先端は試料表面の上のラスタ内を高い精度で移動してVが記録されるため、表面のトポグラフィの画像が得られる。
圧電材料は1Å未満の精度で先端の位置決めが行なえるため、STMが原子レベルの解像度に達することができる。特に、実際の空間画像を用いた表面構造の研究が可能である。
z圧電の電圧は、トンネル効果電流すなわち(純然たる表面の場合)先端と表面の距離が一定であるように調整されなければならない。コントローラは、充分な走査速度が得られる程度に充分速く、先端が表面に衝突しないことを保証するのに充分な程度に信頼性が高く且つ安定している必要がある。圧電素子のダイナミクスおよびセットアップ時に生じる可能性のある振動によりこれが困難になる。コントローラを極めて高速に調整すると、特に、例えば表面吸着物により先端と面の距離(l(d))に依存するトンネル効果電流曲線の形状が変化した場合に振動が生じる恐れがある。従って、うまく選択および調整されたコントローラが必要である。PIまたはPIDコントローラは通常、実験者が手動で調整しながら使用する。これは特に、PIDの操作者にとって、画像で最適結果を得るためには何らの経験を要する困難なタスクである。
一般に走査する表面は未知であるため、コントローラの調整不良に起因する画像誤差は明らかではなく、誤差を見つけるためには異なる方向へ走査して画像を比較する等の技術が役に立つ。コントローラの調整を判断する別の可能な方法として、セットポイントが変わった場合の応答を見ることが挙げられる。高速調整の結果、速い応答または振動も生じる一方、低速調整は表面の画像の円滑化をもたらすことがあるが、セットポイントの変化への適応が遅くなるであろう。
本発明で強調すべき点は、調整手順を容易にすべく反復的フィードバック調整アルゴリズムを適合させることである。IFTは、セットポイントの変化に対する応答を調整して所望の応答に合わせる。別の課題は、STMの良好なスキャン動作をもたらす応答を見出すことであり、本明細書の後半で一例を挙げる。
図2に、外乱のある測定システム202に作用するコントローラ201を含むフィードバックシステムを示す。測定された出力206およびフィードバックデータ203が入力信号205に作用するコンパレータ204を介してコントローラへ返送される。図2のような閉ループシステムの場合、関与する演算子に対していくつかの制約を仮定すれば、出力信号は次式のように書ける。
Figure 0005467299
演算子C(t)およびG(t)は複雑で、特に積分および微分を含んでいるため、これらの計算は極めて困難な場合がある。また、実験から演算子を得るのは容易ではない。システムG(t)のインパルス応答g(t)が分かれば、任意の所与の入力信号r(t)に対する応答y(t)は以下の畳み込み(convolution)から導くことができる。
Figure 0005467299
幸い、ラプラス変換を適用する場合は格段に易しくなる。ラプラス変換の基礎は当業者には公知である。時刻t=0における単位インパルス関数はラプラス空間において単位元に変換されるため、伝達関数G(s)の逆ラプラス変換を[数2]で直接用いて任意の時刻信号r(t)に対する既知のシステムの応答を決定することができる。
Figure 0005467299
上はまた、次式から導くことができる。
Figure 0005467299
伝達関数が処理の動作を完全に定義するため、異なる方法で解析することができる。特に複素平面における伝達関数の極および零点の位置が関心対象である。例えば、複素平面の実部にある極はシステムの不安定性を示し、非ゼロの虚部を有する極は振動の動作を示す。極または零点が原点に近いほど、その影響はより顕著になる。従って、システムの極および零点は、経験豊富な観察者に多くの情報を提供することができる。この現象をコントローラ設計、例えば極配置および根軌跡法(root locus method)の技術(例:非特許文献11、非特許文献12)に用いている。例えば、処理が充分に安定な場合、コントローラの零点を同一位置に配置することにより処理の複素平面の実部の極(不安定さをもたらす)を相殺することができ、すなわち、極が時間経過に伴い極端に位置を変えないことを意味する。関連する数学として、例えばコーシーの積分定理および公式、ローラン級数および留数の概念がある。ラプラス空間から時間空間へ信号を逆変換する必要がある場合に問題が生じる。その数学的定義は、以下の通りである。
Figure 0005467299
ここにcは、積分経路が虚軸に平行な線に沿って収束領域にあるように、且つcがF(s)の全ての特異値の実部より大きいように選ぶ必要がある。実際には、逆変換を実行する最も簡単な方法は、複雑な関数をより簡単な関数の和に分解することである。F(s)が有理関数(指数関数、微分および積分は有理関数に変換されるため、全く一般的である)である場合、部分分数分解および留数の理論を共通的に用いる。これらのより簡単な関数はテーブル(例:非特許文献13、非特許文献12、非特許文献14参照)を用いて変換でき、その結果はこれらの和として得られる。
実際の制御問題において、制御したい処理は一般に未知かまたは少なくとも伝達関数を書き下すのに充分な程度には知られていない。いくつかの簡単な場合において、第1原理から計算することは可能であるかもしれないが、一般に実験から得る必要があり、または伝達関数を必要としない別のアプローチを選択しなければならない。
正弦波基準信号に対する線形システムの応答は、異なる振幅および位相シフトを有する正弦波の定常状態のままである。周波数応答法のための場合、この実験がある範囲の周波数について実行される。結果的に得られる振幅および位相シフトを視覚化する一般的な方法としてボーデ線図およびナイキスト線図がある。これらから伝達関数の粗い近似を得る図式的な方法がある(例えば非特許文献11および非特許文献12参照)。ステップ基準信号に全ての周波数が含まれているため、ステップ応答実験から得られたデータを周波数応答データに変換する方法があるが、当然ながら得られる精度は周波数応答の方が良い。これは、はるかに多くデータが使われていて、本方法が定常状態で機能し、外乱よびノイズにあまり影響されないためである。
粗い近似よりも良いモデルが必要な場合、これを実現するための労力も大きくなる。幸い、正確なモデルがなくても多様な処理をうまく制御できるPIDコントローラ等の市販のコントローラがある。これらのコントローラのパラメータを調整するのは依然として困難であって、ステップ応答のような実験が役に立つかもしれないが、全体的に必要とされた労力が大幅に減少する。
PIDコントローラは最も普及しているコントローラタイプの一つであり、産業界並びに研究その他のあらゆる可能な分野で広く利用されている。普及している理由は、その簡便さと広範な異なる処理をうまく制御する能力が組み合わされていること、並びにアナログ電子回路を用いて実装が簡素なことである。PIDという頭文字は、比例、積分、および微分動作を表す。図3に、比例、積分、および微分要素301、302、303、およびPID要素が総和される304入出力要素305、306を有するコントローラのブロック図を示す。
時間領域において、PIDコントローラの演算子の一つの可能な表現は下記の通りである。
Figure 0005467299
従ってそのラプラス変換は以下の通りである。
Figure 0005467299
多くの教科書でPIDコントローラの演算子は以下のように書かれている。
Figure 0005467299
この表現から相互作用するパラメータが得られるため、第1の定義[数6]を以下に用いる。より複雑な計算の場合、全てのパラメータが線形であることもまた望ましいため、後で以下の形式を用いる。
Figure 0005467299
閉ループシステムにおいて、このコントローラは極めて強力である。異なる要素の影響について以下に議論する。
反復的フィードバック調整(IFT)は、任意の与えられた既知のコントローラ(微分可能伝達関数を有する)を、未知であるが実験的にアクセス可能な処理を制御するパラメータρのベクトルに関して、所望の動作へ調整する方法である。他の大多数の調整アルゴリズムとは逆に、処理のモデルを一切必要とせず、実験により最適化処理を直接操縦する。このために、制御システムの動作に対して最小化すべき重み関数を定義する。次いで、コントローラパラメータに関するこの重み関数の勾配を推定して、最適なコントローラパラメータを見つける。一般に、IFTアルゴリズムは図4に示すように自由度が2であるコントローラで用いることができる。ここで、2個の異なるコントローラ401、405を基準信号r406(コントローラC)およびフィードバックされた出力信号y407(コントローラC)に用いることができる。Gは測定システム403であって、402および404は各々コンパレータおよび総和器を表す。
STMの場合、基準信号r(すなわち電流セットポイント)は、走査の間一定に保たれ、図5に示すように入力信号506、コンパレータ501、コントローラ502、測定システム503、外乱を加える総和エンティティ504、および最後に出力信号505と共に、自由度が1であるコントローラがあれば充分である。これは計算を簡素化するものであって以下で用いる。自由度が2であるコントローラの場合におけるIFTアルゴリズムの概略的表現も非特許文献2に与える。
STMの場合においても、元のアルゴリズムに対して他の若干の変更を行なう必要があり、これらについて後で述べる。最初に、自由度が1であるコントローラに減ぜられた元のアルゴリズムを示す。
IFTアルゴリズムはデジタルコンピュータ上で動作するため、全ての時刻信号は下付き添え字tで表す離散的な時間刻みに存在する。計算は、時間およびラプラス領域の両方で異なる信号を必要とするため、以下の表記を用いる。下付き添え字tは時間領域の信号を意味する場合に用いる。ラプラス領域ではこの下付き添え字は略される。従って、xと書かれた信号xは、離散時間表現を表し、単なるx(=x(s))はラプラス変換された信号を表す。調整すべきコントローラは、パラメータベクトルρに依存する伝達関数C(ρ)を有する。例えばPIDコントローラの場合、C=P+I/s+Ds、ρ=(P,I,D)である。図5によれば、未知のシステムGの応答を以下のように書くことができる。
Figure 0005467299
ここに、y(ρ)は処理の出力、u(ρ)は処理の入力信号であり、vは測定不能な外乱を表す。信号u(ρ)は以下のように書くことができる。
Figure 0005467299
ここでy(ρ)を直接次式のように書くことができる。
Figure 0005467299
閉ループ応答T(ρ)および感度関数S(ρ)を以下のように定義することにより、
Figure 0005467299
Figure 0005467299
y(ρ)を以下のように書き直すことができる。
Figure 0005467299
基準信号rに対するシステムyの所望の出力は基準システムTにより以下のように定義される。
Figure 0005467299
基準に従うことだけが目標である場合、これはT=1且つy=rとなる。アルゴリズムにとって、出力y(ρ)と所望の出力yの差異だけが関心対象であり、
Figure 0005467299
で表す。
Figure 0005467299
誤差が2個の部分からなることがわかる。すなわち一方の誤差は基準の不正確な追跡に起因し、もう一方の誤差は外乱に起因するものである。最適化手順の目的は従って、
Figure 0005467299
のノルム(norm)を最小化することであり、この場合は重み関数Jに対して2次基準を用いる。
Figure 0005467299
ここに、Nは信号が測定される離散時間間隔の数、λおよびλは重み係数、LおよびLは特定の周波数の重みに影響を及ぼす周波数フィルタである。ここでは計算を容易にすべくLおよびLを単位元に設定し、後で再び本明細書に含める。λ>0に設定することにより制御信号にペナルティが導入される。時間依存の重み付けも導入する。
最適なコントローラパラメータは従って次式により見つかる。
Figure 0005467299
ρに関する重み関数の最小値を得るには以下の方程式を解く必要がある。
Figure 0005467299
上の方程式を反復的に解くために、以下のアルゴリズムを用いることができる。
Figure 0005467299
ここに、γは刻みの大きさを定義する正の実スカラーであり、Rは適当な正定値行列であり、大抵の場合Jのヘッシアンのガウス・ニュートン近似である。Rの選択に関して後でより詳細に述べる。
従って、∂J/∂ρ(ρ)を計算する必要がある。実験から
Figure 0005467299
およびu(ρ)は既知である。以下に示すように反復的実験から
Figure 0005467299
および∂u/∂ρ(ρ)が得られる。
[数18]から次式が得られ、
Figure 0005467299
[数12]を用いて次式が得られる。
Figure 0005467299
Figure 0005467299
[数15]からわかるように、入力xで実験を行なうことにより、量T(ρ)xが近似的に得られる。ここに、xは任意の信号である。従って
Figure 0005467299
を得るための可能な手順は以下の通りである。
・入力として適当な基準信号rにより第1の実験を行なう。その出力は、
Figure 0005467299
である。
r−yを入力として第2の実験を行なう。その出力は、
Figure 0005467299
である。
従って
Figure 0005467299
の推定値を以下のように計算することができる。
Figure 0005467299
この推定値は、外乱vおよびvによってのみ乱される。
同様の方法で∂u/∂ρ(ρ)を得ることができる。図5から次式がわかる。
Figure 0005467299
また、次式も既知である。
Figure 0005467299
従って、次式が得られる。
Figure 0005467299
先に導入した実験の基準信号は以下の通りである。
・基準信号rを用いる第1の実験(実験14)
Figure 0005467299
・基準信号(r−y)を用いる第2の実験(実験15)
Figure 0005467299
[数36]を用いて次式が得られる。
Figure 0005467299
Figure 0005467299
これらの実験的に得られた量を用いて、重み関数Jの勾配の推定値を計算することが可能である。
Figure 0005467299
最も簡単なケースにおいて、反復的方程式[数23]においてRに単位行列(unity matrix)を用いてよい。これにより、負の勾配の方向が得られる。もっと良い方法は、次式で与えられるJのヘッシアンのガウス・ニュートン近似を用いることである。
Figure 0005467299
この近似は、第2の実験における外乱によりバイアスがかかっているが、生じる全ての量はアルゴリズムから既知である。Rのためのヘッシアンのより洗練された非バイアスバージョンは、F. De BruyneおよびL.C.Kammerにより非特許文献18に紹介されていて、安定性が保証されたアルゴリズムが得られる。
アルゴリズムは、以下の通りである。
1.セットポイントベクトルrおよびコントローラパラメータρを用いて実験を行ない、結果y およびu を得る。
2.セットポイントベクトル(r−y )およびコントローラパラメータρを用いて実験を行ない、結果y およびu を得る。
3.([数18]を用いて)
Figure 0005467299
、([数39]を用いて)u(ρ)、([数33]を用いて)
Figure 0005467299
、([数40]を用いて)
Figure 0005467299
、および([数41]を用いて)
Figure 0005467299
を計算する。
4.例えば[数42]を用いてRを計算する。
5.[数23]を用いて新規コントローラパラメータpi+1を計算する。
6.iをi+1で置き換えてステップ1から繰り返すかまたは結果が満足ならばアルゴリズムを中止する。
上述のように、重み関数Jに時間重み付けを用いることが望ましい場合がある。例えば、セットポイントの変化にできる限り早く追随しなければならず、オーバーシュートがあまり多くない限りこの変化の軌跡は重要でなく、非常に簡単な実装方法はセットポイントに変化が生じた後で指定された期間に重みゼロを適用することである。セットポイント変化がt=0で生じて、マスクの長さ(従って、システムが新規のセットポイントに適応するために与えられる時間)がtである場合、以下の変更を行なわなければならない。L=L=1における重み関数J(ρ)(4.4)は次式に変わる。
Figure 0005467299
また、
Figure 0005467299
は次式に変わる。
Figure 0005467299
制御信号にマスクを同じように適用することもまた可能である。
実際には、これを行なう最も簡単な方法は、単に
Figure 0005467299
および必要ならばu(ρ)をマスクされた時間ウインドウ内でゼロに設定することであり、これにより、任意の時刻で基準信号rにおける複数のマスクされたステップを扱うことも容易である。O. Lequin等は非特許文献3で、セットポイントの変化に際して振動を伴わずに遷移時間を最短にするために、マスクされた巨大な時間ウインドウから始めて振動が生じるまで段階的に時間ウインドウを小さくすることを提案している。
STMの場合、アルゴリズムに対して若干の変更を行なう必要がある。処理を線形にするために、アルゴリズムはトンネル効果電流およびセットポイント電流の対数に作用する。2個の対数関数601、607、コントローラ603、機械的609および電気的測定ノイズ605を伴う測定システム604、および出力信号606を備えたSTMシステムのブロック図を図6に示す。アルゴリズムで用いる量を示す。
別の問題は、セットポイント信号と第1の実験から生じたセットポイント(15)としての結果とに差異がある場合、これが負の値を含むため、第2の実験が実行できないことである。距離を変化させた際に、STM内の試料と先端の間の電流は常に同符号(バイアス電圧Vの符号に依存する)。この問題を回避するために[数28]の代わりに[数27]を用いて、rとの差異の代わりにyをセットポイントとして用いて第2の実験を行なうことは可能である。
従って手順は以下の通りである。
・適当な基準信号rを入力として第1の実験を行なう。その出力は、
Figure 0005467299
である。
・yを入力として第2の実験を行なう、その出力は、
Figure 0005467299
である。
・同じ基準信号rを入力として第3の実験を行なう。その出力は、
Figure 0005467299
である。
次式が得られる。
Figure 0005467299
第3の実験は、
Figure 0005467299
における誤差と
Figure 0005467299
における誤差との間の相関が生じて、
Figure 0005467299
にバイアスがかかるのを避けるために必要である。同じことが入力値uにも成り立つ。
・基準信号rを用いる第1の実験(実験22)
Figure 0005467299
・基準信号yを用いる第2の実験(実験23)
Figure 0005467299
・基準信号rを用いる第3の実験(実験24)
Figure 0005467299
[数36]を用いると次式が得られる。
Figure 0005467299
Figure 0005467299
別の点は、STMでは制御信号へペナルティを導入する利点が無いことであり、その理由は、これが画像生成チャネルであるためである。別の興味深い選択は、所望の制御信号uとの差異にペナルティを導入することである。uを得てこの可能性を利用することに関する詳細について後で述べる。次いで、重み関数は以下のようになる。
Figure 0005467299
ここで
Figure 0005467299
は[数18]における
Figure 0005467299
と同様に定義される。
Figure 0005467299
これに次式が続いて、
Figure 0005467299
[数40]を用いることができる。重み関数の導関数は以下のようになる。
Figure 0005467299
アルゴリズムを実装する際に、ラプラス変換で実際的な問題が生じる。信号yおよびuは時間領域で得られ、∂y/∂ρ(ρ)および∂u/∂ρ(ρ)の計算ではそれらがラプラス領域に存在することが必要であり、∂J/∂ρ(ρ)の計算では∂y/∂ρ(ρ)および∂u/∂ρ(ρ)が再び時間領域に存在することが必要である。問題は、以下の量を計算することである。
Figure 0005467299
ラプラス領域で信号yおよびuの変換を行なってもよいが、∂y/∂ρ(ρ)および∂u/∂ρ(ρ)の逆変換は高度な数値アルゴリズムを必要とし、その例を非特許文献15、非特許文献16および非特許文献17に示す。より便利な方法は、既知のコントローラだけに依存する量C’を時間領域に変換して、[数2]に従い結果を畳み込むことである。従って次式が得られる。
Figure 0005467299
実験のために使用したSTMはPIコントローラだけを有する。PIコントローラのラプラス変換は、以下の通りである。
Figure 0005467299
パラメータベクトルρ=(P,I)を用いて次式が得られ、
Figure 0005467299
従って次式が得られる。
Figure 0005467299
これは導関数が次式により計算できることを意味する。
Figure 0005467299
PIDおよびIDコントローラについて同様の計算を実行することができる。
STMを用いて良質の画像を得るために必要なパラメータPおよびIの値は表面化学に強く依存する。試料ホルダの表面の位置が変化するため、表面と先端の正確な距離は通常未知である。先端のz位置は従って、相対的な測定にのみ用いられる。座標は、図7の先端701、表面703、および先端と表面の距離702より定義される。
先端が位置z、表面が位置zにある場合、先端と表面の距離dは従ってd=z−zである。このように、zが大きいほど電流が増大する。トンネル効果電流について次式が得られる。
Figure 0005467299
対数フィードバックループはIの誤差ではなくdの誤差に作用する。次式が得られる。
Figure 0005467299
フィードバックループは従って次式となる。
Figure 0005467299
はループの開始値であるが、短い時間後に積分部分が定常状態誤差を除去するため、重要でない。離散デジタルループの場合、これは次式になる。
Figure 0005467299
ここにdTは1制御ステップの時間間隔である。
これをzに変換して
Figure 0005467299
を定義することにより次式が得られる。
Figure 0005467299
実験で用いたものと同様の共通フィードバックループにおいて、値PおよびIを使用し、ループの動作は試料のκ値に依存する。代わりにP’およびI’を用いれば、異なる試料に対して同じ値は同様の動作をもたらす筈である。κは通常、I(d)曲線を得てその対数に直線を当てはめることにより極めて簡単に測定することができ、傾斜は従って−2κとなる。実際にはI(z)曲線は往々にして真の指数関数(特に空中で測定する場合)ではなく、κの信頼できる値を得ることは極めて困難である。この場合でもI(d)曲線は極めてノイズが多くて不安定であり、ソフトウェアによる平均化は依然として利用できなかった。
現在のステップの範囲内で局所的なκ値を用いて少なくともIについて同じ立ち上がり時間を与える調整を比較することにより、予測された正規化が機能し得ることが示唆されるが、このセットアップにおける立ち上がり時間に対するPの影響は、この方法で解析するには小さ過ぎる。また、全体の状況も重要な結果を与えるには充分には安定していない。PおよびIのκへの依存性を実際に解析するためには、2個より多いクリーンな試料を使用して真空状態で実験を適切に実行するのが好適である。次いでセットポイント変化に対して同様の立ち上がり時間を用いてIに匹敵する値を見つけることができ、Pに対してセットポイントが変化する間に同様の定常状態誤差を用いることができる。
測定用に実装されたIFTアルゴリズムは時間的な制約により極めて簡単なものであった。時間重み付けおよび制御信号の最適化に可変長のマスクを適用する可能性が含まれている。周波数重み付けは実装されなかったが、代替例で用いてもよい。
セットポイント変化の後で多くのステップにマスクを適用することにより重み関数の時間重み付けを導入するという発想は本来、処理に特定の軌道を強制的に辿らせることなく、セットポイント変化への迅速な応答を実現しようとするものであった。セットポイント変化の後で小さいウインドウ内の応答に重み付けしないことで、処理がシステムにとって自然な軌道を辿ることができ、これは人工的な軌道よりも速い筈である。極めて速い応答は実際の走査中にSTM内で振動を生じさせ、遅延された応答、すなわちより遅い調整が必要とされる。最適化を極めて低いPおよびIの値、すなわち遅い反応で開始して、所望の遅延の長さを有するマスクを適用することにより、アルゴリズムは所望の速度に達するまでループの速度を上げる筈であり、更に加速しても重み関数を更に減少させることにはならないため、アルゴリズムが停止または中止される筈である。STMが抵抗で代替された理想的なケースでは、これはうまく機能する。
抵抗またはグラファイト試料の場合のように外乱が小さい場合、パラメータが最小領域に入った場合に勾配が極めて低くなってそれ以上の進展が必要ないため、アルゴリズムは収束する。外乱がより大きい場合、勾配がランダムに変化するとアルゴリズムの最小領域内での動作をもたらし、従って所望のパラメータから離れてしまう。PおよびIの値が大きい方がより外乱およびノイズをうまく遮断できるならば、大きな最小領域内の異なる領域での収束も可能である。
PおよびIの低い値から開始する場合、アルゴリズムが所望の遅い領域をパスする可能性がある。重み関数の減少が止まったならば、ループの所望の速度に達している。実際には外乱があるため、この位置で容易に最適化を中止することはできず、且つ所望の値への収束が好ましい。このため、より高い外乱レベルでも収束を実現すべく先に説明した基準モデルまたは少なくともマスクではなく所望の軌道を導入してもよい。
IFTアルゴリズムはテスト信号、電流セットポイントベクトルへのシステムの応答を用いて機能する。この信号の形状は極めて重要であり、慎重に選ばなければならない。マスクを用いて時間重み付け方法を用いるための唯一の形状はステップまたは複数のステップである。複数のステップを用いる利点は、複数の実験に対して本当の平均を用いた場合のようにノイズや振動を平均化することなく、複数のセットポイント変化の平均が得られることである。これは、アルゴリズムがノイズや振動を増幅してはならない(可能ならば減少させるべき)ため必須である。外乱は、個々のケースにおけるステップに対して大きく乱れた応答を生じる場合がある。これは、コントローラパラメータを誤った方向に変化させる恐れがある。
個々の応答は異なっていて、個々のケースで大きく乱れる場合がある。個々の応答にわたり複数のステップを基準信号として用いることは、複数の実験にわたる通常の平均化では行なわれる筈のノイズや振動の除去を行なわずに、信号応答を平均化する。ノイズや振動はアルゴリズムがそれを減らす筈であるため応答内に残留しなければならず、従ってそれに関する情報を必要とする。
セットポイントとしてステップを用いる背景には、ループが表面上の急峻なステップを扱えるならば、より緩やかなステップを全て扱える筈であるとの発想がある。実際の表面ではそのように急峻なステップはあまり一般的でなく、ランプその他の任意のより現実的な形状を用いることを試すべきである。従って、マスキングウインドウの使用はもはや不可能である。時間重み付けの発想を完全に放棄する必要はない。ここではランプからなる基準信号を金の試料について用いた。
最終的にアルゴリズムが重み関数を減らすことに成功しても、応答は極めて振動的である。ランプ信号への通常の応答は遅延した追随となるであろうが、基準信号との差異が全体として減少するため、重み関数は振動により減少する場合がある。この問題はまた、応答に所望の遅れを許す基準モデルを導入することにより解決可能である。
制御信号の最適化の可能性を利用するには、所望の制御信号が分かっていなければならない。簡単な可能性としては、ステップの後でマスクにより定義された特定の遅延を有する基準電流信号のように同じ形状を用いることである。走査中における試料の、従って先端の絶対位置が未知のため、制御信号の振幅は電流信号のようには事前に分かっていない。極めて安定したシステムの場合、ステップ状の基準信号が持続する間の上下電流の制御信号の振幅を事前に測定して基準制御信号として用いることができる。使用したSTMセットアップにおいて制御信号内に恐らくセットアップ時の熱膨張または収縮により生じた一定の遅いドリフトがある。この問題は、当該ドリフトが遅く、周波数40kHzでの約1000個の制御ステップの単一実験の時間尺度、すなわち25msでは目立たない。制御信号におけるステップが定常状態の位相を保証するのに充分長く、且つある領域でコントローラパラメータが定常状態に到達するのに充分高い場合、所望の制御信号を得るための平均化が可能である。
実際のSTMを用いた場合のより大きい問題としてランダムな外乱の存在があり、これらはコントローラにより電流信号内で除去されるが、依然として制御信号内に存在する。これらのランダムな外乱は所望の制御信号と制御信号の差異をもたらすが、これは最適化処理をもたらす差異と同程度またはより大きい。従って、この最適化可能性をここで用いることはできないが、他のSTMセットアップでは有用かもしれない。
制御信号が主要な画像生成信号であるという事実から、制御信号の最適化が望ましい。走査中の電流を最小化するフィードバックループの調整が制御信号内に最適な画像をもたらす。シミュレーションから、圧電素子が高い共鳴周波数を有し、従って制御信号に極めて迅速に追随するシステムでは上記が合理的であることが分かるが、共鳴周波数がコントローラ周波数と比較して極めて低い場合(シミュレーションにおいて共鳴周波数がコントローラサンプリング周波数の1/20より低い場合)、圧電素子の慣性により制御信号内にオーバーシュートが生じて圧電素子を加速または減速させる。この場合、電流の最適化により走査中は電流が最小化されるにもかかわらず制御信号内に乱れた画像が生じる。
フィードバックループが電流内の高周波ノイズに追随しないため、制御信号のノイズが少ない。これは、より低いノイズレベルは信号対ノイズ比を向上させるため、アルゴリズムの利点である。
走査中にフィードバックループを手動で調整した場合、特定の値で振動が始まる以外には、得られた画像上のフィードバックループの比例部分には特段の影響が無い。PIDコントローラの理論的扱いで分かるように、純然たる積分コントローラに比例部分を追加することで応答速度を上げることができる。STMの調整が振動を回避するには極めて遅いため、これらの加速が必要でなく、より単純な積分コントローラで充分なことが合理的と思える。実際、STMの代わりに抵抗を用いた実験では、比例部分が極めて高い調整値でループの応答を遅延させる。
STMの構造が機械的に軽量であることにより、多くの機械的共鳴を生じる。第1の実験において、それらは電流ノイズに顕著に現れた。これらの共鳴を見つける追加実験が可変周波数の音を用いてこれらを誘起することにより実行された。2.7kHz、7.6kHz、および13.2kHz付近の顕著な共鳴が見つかり、ほぼ同じ周波数の電流信号内で強い応答が生じた。電流の高周波共鳴を減らし、且つフィードバックループによる増幅を回避すべく、5次周波数fを有する1次ローパスフィルタがプリアンプに装着された。fは原子分解能で3nm/msのオーダーの所望の最大走査速度vから推定された。その結果、ノイズは約2の1に減少し、電流の周波数スペクトルに機械的共鳴が生じず、恐らくは4.5kHzで電子回路から生じる振動が顕著である。
大幅に減衰が不足しているシステムの場合、PID並びにPIコントローラの最適化シミュレーションは無効化されたP部分を有する状態に収束する。これは恐らく、比例コントローラが誤差に比例する制御信号に応答して圧電素子の動作における共鳴振動を増幅するという事実に起因する。誤差がゼロの場合、従って圧電素子が正しい位置にある場合、比例コントローラは反応せず、しかし圧電素子は振動の間に最大速度を有し、反対方向での誤差を避けるために減速されなければならない。換言すれば、圧電素子と制御信号の速度の間にπ/2の位相シフトが存在して、不要な共鳴振動の増幅が生じる。振動を最大効率で減衰させる好適な位相シフトπは、ノイズレベルが理想的にゼロまたは充分に小さければ、コントローラの導関数部分により理論的に実現される。圧電素子は、共鳴周波数が7kHzおよび減衰率が0.1(減衰率1は臨界減衰を意味する)である減衰調和発振器によりモデル化される。純然たる積分コントローラは、振動の近くまで極めて高速に調整された。比例部分は振動を増やすが、ループの速度は上げない。微分部分は若干のノイズがあるものの、首尾よく振動を減少させる。完全PIDコントローラにおいて、このシミュレーションでは実際にIコントローラからの改善が見られない。
しかし、適当な制御パラメータを決定するために同じ種類のIFT処理を用いてPIDコントローラまたはIDコントローラを利用できる点を理解されたい。
PIDコントローラのラプラス変換は、次式の通りである。
Figure 0005467299
パラメータベクトルρ=(P,I,D)を用いて次式が得られる。
Figure 0005467299
従って、次式のより導関数信号を計算することができる。
Figure 0005467299
複体代数(complex algebra)および以下の定義を用いて、
Figure 0005467299
逆変換は次式で与えられる。
Figure 0005467299
複体代数が使用できない場合、βの定義が次式に変わる。
Figure 0005467299
且つ、ケース1で正弦が双曲正弦に変わり、ケース2では正弦のままである。
同様に、IDコントローラのラプラス変換は次式となる。
Figure 0005467299
パラメータベクトルρ=(I,D)を用いて次式が得られる。
Figure 0005467299
従って導関数信号は次式により計算することができる。
Figure 0005467299
周波数フィルタを用いる可能性を考慮できることを理解されたい。線形および対数フィードバックループの解析により、対数ループが有利であることが示された。
「含んでいる」という単語が、列挙したもの以外の要素またはステップの存在を除外せず、ある要素の前に置かれた冠詞「a」または「an」が、当該要素が複数存在することを除外しない点に注意されたい。更に、いかなる参照符号も請求項の範囲を限定せず、本発明の少なくとも一部がハードウェアおよびソフトウェアの両方により実装可能であり、いくつかの「手段」、「装置」および「素子」がハードウェアの同一部材により代表されることにも注意されたい。
上で言及および説明した実施形態は例として与えたものに過ぎず、本発明を限定するものではない。以下に記載する特許請求項で権利請求する本発明の範囲内にある他の解決策、用途、目的、および機能は当業者には明らかな筈である。
Russell Young,John Ward,およびFredric Scire、The topografiner:An instrument for measuring surface microtopography、Rev. Sci. Instrum.,43:999−1011,1972 H. Hjalmarsson,M. Gevers,S. Gunnarsson,およびO. Lequin Iterative feedback tuning:theory and applications Control Systems Magazine,IEEE,18(4):26−41,Aug 1998 Oliver Lequin,Michel Gevers,Magnus Mossberg,Emmanuel Bosmas,およびLionel Triest Iterative feedback tuning of pid parameters:comparison with classical tuning rules Control Engineer Practice,11(9):1023−1033,Sep 2003 H. J. GuntherodtおよびR. Wiesendanger Scanning Tunneling Microscopy I,volume 20 of Surface Science Springer-Verlag,1992 R. WiesendangerおよびH. J. Guntherodt Scanning Tunneling Microscopy III,volume 29 of Surface Science Springer-Verlag,2edition,1996 Andrew Zangwill Physics at surfaces Cambridge University Press,1988 Krister Svensson Scanning tunneling microscopy (stm) laboratory instructions,2006 L. Libioulle,Y. Houbion,およびJ.-M. Gilles Very sharp platinum tips for scanning tunneling microscopy Review of Scientific Instruments,66(1):97−100,1995 M. C. Baykul Preparation of sharp gold tips for stm by using electrochemical etching method Materials Science and Engineering B,74(1−3):229−233,May 2000 Anne-Sophie Lucier,Henrik Mortensen,Yan Sun,およびPeter Grutter Determination of the atomic structure of scanning probe microscopy tungsten tips by field ion microscopy Physical Review B(Condensed Matter and Materials Physics),72(23):235420,2005 J. R. Leigh Control Theory The Institution of Electrical Engineers,2edition,2004 J. J. D'AzzoおよびC. H. Houpis Linear Control System Analysis and Design with MatLab Marcel Dekker, Inc.,5edition,2003 R. C. DorfおよびR. H. Bishop Modern Control Systems Prentice-Hall,9edition,2001 I. N. Bronstein,K. A. Semendjajew,G. Musiol,およびH. Muhling Taschenbuch der Mathematik Verlag Harri Deutsch,5edition,2001 Hassan HassanzadehaおよびMehran Pooladi-Darvish Comparison of different numerical laplace inversion methods for engineering applications Applied Mathematics and Computation,198(2):1966−1981,June 2007 Harald Stehfest Algorithm 368:Numerical inversion of laplace transforms[d5] Commun ACM,13(1):47−49,1970 V. Zakian Numerical inversions of laplace transforms Electron Lett.,page 120−121,1969 Franky De BruyneおよびLeonardo C. Kammer Iterative feedback tuning with guaranteed stability American Control Conference,5:3317−3321,1999 K. Svensson,Y. Jompol,H. Olin,およびE. Olsson Compact design of a transmission electron microscope-scanning tunneling microscope holder with three dimensional coarse motion Review of Scientific Instruments,74(11):4945−4947,Nov 2003 Roland Wiesenlanger Scanning probe microscopy and spectroscopy:Methods and Applications Cambridge University Press,1994

Claims (10)

  1. 走査型プローブ顕微鏡法、すなわちSPMシステム(900)であって、
    − SPM測定装置(903)と、
    前記SPM測定装置(903)と通信状態にあり、且つ、当該測定装置を制御して試料に対するプローブの位置を制御する、制御装置(901、902)とを備えて成り、
    前記制御装置が、
    前記SPM測定装置(903)で動作するPI調整アルゴリズムにおけるセットポイントとして適当な基準信号(r)を入力として第1のテストを実行するステップと;
    前記SPM測定装置(903)から、少なくとも1個のセンサ信号を受信することにより前記第1のテストから結果(y1)を受信するステップと;
    − 前記第1のテストの結果(y1)を、セットポイントとして第2のテストへの入力として用いるステップと;
    前記SPM測定装置(903)から、少なくとも1個のセンサ信号を受信することにより前記第2のテストから結果(y2)を受信するステップと;
    − 前記第1および第2のテストからの結果を用いて正定値行列を決定するステップと;
    − 前記決定された行列を用いて、前記プローブの位置を制御するPI調整アルゴリズム用に新規の制御パラメータを計算するステップと
    を有する自動反復フィードバック調整プロセスを動作させるべく構成されている、システム。
  2. 前記行列を決定するステップが、ユニタリ行列形式の近似を用いるステップを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記フィードバックアルゴリズムが、テストポイントとして前記基準信号を用いて第3のテストを実行するステップを更に含む、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記アルゴリズムがペナルティ関数を更に含む、請求項1に記載のシステム。
  5. センサ信号が事前調整されている、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記フィードバック調整プロセスが、適当なフィードバックパラメータの決定を受信するまで反復的に繰り返される、請求項1に記載のシステム。
  7. SPM測定装置(903)と、当該SPM測定装置(903)を制御する制御装置(901、902)とを備えた走査型プローブ顕微鏡法、すなわちSPMシステム(900)において試料に対するプローブ位置を制御するための制御パラメータを決定する方法であって、
    前記SPM測定装置(903)で動作してプローブの位置を制御する、PI調整アルゴリズムにおけるセットポイントとして適当な基準信号(r)を入力として第1のテストを実行するステップと;
    前記SPM測定装置(903)から少なくとも1個のセンサ信号を受信することにより前記第1のテストから結果(y1)を受信するステップと;
    − セットポイントとして第1のテストからの結果(y1)を第2のテストへの入力として用いるステップと;
    前記SPM測定装置(903)から少なくとも1個のセンサ信号を受信することにより前記第2のテストから結果(y2)を受信するステップと;
    前記第1及び第2のテストからの結果を用いて、前記SPMシステムの動作に対する重み付け関数と正定値行列とを定義するステップと;
    − 前記重み付け関数を最小化するステップと;
    前記正定値行列を用いて、前記制御パラメータに関して前記重み付け関数の勾配を決定するステップと;
    − 前記勾配を用いて、前記PI調整アルゴリズムで用いる新規の制御パラメータを決定して、前記プローブの位置を制御するステップと
    を有する方法。
  8. 前記調整アルゴリズムが、比例、積分および微分調整アルゴリズムのうち少なくとも2個の組合せを用いる、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項7に記載の方法を実行するための命令セットを含み、SPM測定装置(903)と、当該SPM測定装置(903)を制御する制御装置(901、902)とを備えた走査型プローブ顕微鏡法、すなわちSPMシステム(900)において試料に対するプローブの位置を制御するコンピュータプログラム。
  10. 請求項7に記載の方法を動作させるための制御装置(901、902)
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