JP2916167B2 - 走査型分光顕微鏡及び走査型分光情報検出方法 - Google Patents

走査型分光顕微鏡及び走査型分光情報検出方法

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JP2916167B2 JP1177063A JP17706389A JP2916167B2 JP 2916167 B2 JP2916167 B2 JP 2916167B2 JP 1177063 A JP1177063 A JP 1177063A JP 17706389 A JP17706389 A JP 17706389A JP 2916167 B2 JP2916167 B2 JP 2916167B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microsc
opy:STM)は電子のトンネル現象を利用して導電性試料
表面の形状を原子的分解能をもって測定できる顕微鏡で
ある。
STMでは尖った探針の先端と試料との間で流れる居所
的なトンネル電流を一定に保ちながら探針を走査するこ
とによって試料のSTM像を検出している。
このSTM像には試料表面の微視的な粗さと微視的な電
子物性の変化の2種類の情報が含まれている。従って、
後者が一定の試料では、STM像は表面の凹凸を表したも
のとなる。STMで探針を制御しながら試料表面の凹凸像
と試料表面の電子物性の分布像を抽出する方法を走査ト
ンネル分光法(Scanning Tunneling Spectroscopy:ST
S)という。
この発明は、探針を用いて試料の分光情報を検出する
走査型分光顕微鏡及び走査型分光情報検出方法に関し、
特に、STMを用いて導電性試料表面の局所的な電子状態
を測定する方法、すなわちSTSをおこなう走査型分光顕
微鏡並びに走査型分光情報検出方法に関する。
(従来の技術) 導電試料表面に対してバイアス電圧VTを印加して、先
端の尖った探針を10Å程度の距離まで近付けるとトンネ
ル電流ITが流れる。STMではトンネル電流を一定に保ち
ながら探針を試料表面に平行なXY表面で走査し、探針の
動きを記録することで表面のSTM像を得ている。トンネ
ル電流ITは探針試料間距離Sに対して次のような指数関
数的依存性を示す。
ここでB:数係数 、RT:トンネル抵抗、φ:トンネルバリアハイト(φ=
(φ+φ)/2、φは探針の仕事関数、φは試料
の仕事関数)。清浄な金属表面でのトンネルバイアハイ
トφは約1〜5eVであり、(1)式によればSが1Å変
化するとトンネル電流ITは1桁程度変化することにな
る。STMではトンネル電流ITの変化を試料探針間の距離
Sの変化の検出に用い、圧電体の微動素子で探針もしく
は試料をZ方向に微動させて距離Sを制御し、トンネル
電流を一定に保つサーボ動作を行う。その制御はÅ以下
の精度が可能であり、探針のXY走査の動きと同時に制御
電圧を記録することによって、原子的オーダーの3次元
顕微鏡像すなわちSTM像が得られる。
(1)式に現れるトンネルバリアハイトφやトンネル
抵抗RTが場所によらず一定である試料の場合は、得られ
たSTM像は試料表面の凹凸を表している。
ところが実際に測定する試料は、トンネルバリアハイ
トφやトンネル抵抗RTが局所的に変化するものの方が多
い。そのような試料のSTM像は表面の凹凸とトンネルす
る電子のエネルギー状態の場所による違いの両方を含ん
でいる。
STM像からこれらの情報を分離する方法として、トン
ネル電流ITのバイアス電圧VT依存性∂IT/∂VT,∂IT/∂V
T/IT/VT,∂2IT/∂VT 2などから電子フォノンの状態密度
分布を求める方法(微分コンダクタンス法)と、∂lnIT
/∂Sからトンネルバリアハイトφを求める方法(バイ
アハイト法)とが行われている。これらは総称して走査
型トンネル分光顕微鏡(STS)と言われている。
上述したように、STSの中から、電子の状態密度、ト
ンネルバリアハイトが∂IT/∂VT、∂lnIT/∂Sよりそれ
ぞれ求まるのは以下のような理由による。
上記のSTMの原理の説明で用いたトンネル電流IT
(1)式はトンネルバリアハイトφが一様であるなどの
仮定をもとに導出されたものである。
しかし実際の表面では、トンネルバイアハイトφやト
ンネルする電子の存在確率は一様ではない。これらを考
慮するとトンネル電流ITは次式より導びかれる。
[Rev.Sci.Instrum.60(2)Feb 1989,p166] ここで、ρ(E)は試料表面の局所的な状態密度、VT
は探針に対する試料のバイアス電圧、T(E,eVT)はエ
ネルギーEでの電子のトンネル確率で、 である。
以上より(2)式からITをVTで微分すればρ(E)が
求められることがわかる(∂IT/∂VT∝ρ(E))。
また、(1)式または(2)式よりITの対数をSで微
分すればφが求められる(∂lnIT/∂S∝φ1/2)。
本発明は走査型分光顕微鏡に関するものである。ここ
ではまず従来行われている微分コンダクタンス法につい
て取り上げ、次に、バリアハイト法について取り上げ
る。
従来例(1):ロックイン検出によるトンネル微分コン
ダクタンス測定法(IBM,J.Res Develop VOL.30,No.4,Ju
ly 1986,p413) 第13図に示す装置においては、バイアス電圧発生器6
から試料1と探針2との間に直流バイアス電圧V0を印加
しながら、探針2を試料1に近付けたときに流れるトン
ネル電流を一定にするサーボ動作を行つている。このと
き探針2の先端での局所的な分光情報を得るために、ト
ンネル電流の微分コンダクタンスを測定する。そのため
にはバイアス電圧に比べて微小な交流変調(ΔVTcosω
t)信号を正弦波発生器7から加える。このときのトン
ネル電流ITを変調信号成分に着目して記述すると次のよ
うになっている。
ここでΔVTは既知であり、トンネル電流に現れるω成
分の振幅をロックインアンプ8で検出することで直流バ
イアス電圧V0における局所的な微分コンダクタンスすな
わち、 が測定できる。
尚、第13図において、符号3はトンネル電流を検出す
るプリアンプを、符号4は探針2と試料1との間の距離
の制御並びに探針2を走査するためのX,Y,Z方向微動機
構を、そして符号8はロックインアンプを、夫々示す。
従来例(2):LTTM(Low Temperature Tunneling Micro
scopy)(Phys.Rev.Lett.5422.2 June 1985,pp.2433〜2
436) この従来例では、低温下で動作するSTMを用いて、超
電導試験表面における超電導状態分布を測定する試みに
おいて、第14A図に示すように、バイアス電圧0Vにおけ
るトンネル接合の微分コンダクタンス(d I/d V)の値
がSIN(超電導/絶縁体/常電導)接合の時には0とな
り、また第14B図に示すように、NIN(常電導/絶縁体/
常電導)接合の時には有限の値になる事に注目し、バイ
アス電圧0Vの微分コンダクタンスを求め超電導の分布を
測定しようとした。
第15図に示す装置においては、バイアス電圧発生器6
から三角波を試料1と探針2との間に印加した状態で、
トンネル電流が流れる位まで探針2を試料1に近付け、
ロックインアンプ8でトンネル電流振幅を検出し、サー
ボ回路5でトンネル電流振幅が一定になるようなサーボ
制御を行っている。微分コンダクタンス値は、トンネル
電流を微分回路10で時間微分して求めている(バイアス
電圧が三角波であるため|∂VT/VT|=constである。
したがって、 となる)。サーボ制御を行いながら探針をXY走査して凹
凸像が測定される。同時に、バイアス電圧0Vの微分コン
ダクタンス値の分布像は、第16図に示すように、0クロ
ス検出器11とショットパルス発生器12とでバイアス電圧
が0Vになるときの微分コンダクタンスの値をサンプルホ
ールドアンプ13でサンプリングし、XY走査と対応付けて
求めている。
従来例(3):CITS(Current Imaging Tunneling Spect
roscopy)法(Phys.Rev.Lett.56,18.5May1986,pp1972〜
1975,J.Vac.Sci.Techmol.A6(2)Mar/Apr.1988,pp344
〜348) この方法は、トンネル電流ITのバイアス電圧VT依存性
から表面電子の局所的状態密度の分布を測定しようとす
るものである。この方法では、トンネルギャップSとバ
リアハイトφが場所によらず一定であれば、微分コンダ
クタンス∂IT/∂VTが局所的状態密度に比例する事を利
用している。
このCITS法は、探針を走査しながら局所的な電流電圧
値を場所毎に個々に記憶しておき、後に、数値計算で微
分コンダクタンスを求めるものである。CITS法における
電流電圧特性の測定は、第17図に示すような構成で、第
18図に示すようなタイミングで行われる。
DA変換器20から出力される、第18図(d)に示すバイ
アス電圧が直流の時に、第18図(a)のように固定信号
を切って、STMのサーボ系のオンオフ信号発生器21によ
りSTMサーボ系22をサーボ状態にし、トンネル電流が一
定になるようにZ方向微動制御が微動機構4により行わ
れる。第18図(b)に示すタイミングで、STMサーボ電
圧に対するAD変換がサーボ電圧をデジタル化して記録す
るAD変換器23により行われ、記載していない記憶装置又
は表示装置に記録される。次に第18図(a)に示すよう
に一旦サーボ系22を止めて探針試料間距離を保持する。
この状態で第18図(d)に示すようにDA変換器20から出
力されるバイアス電圧を走査し、AD変換器24を第18図
(c)のタイミングで動作させ、第18図(e)のように
変化するトンネル電流出力をデジタル化して記載してい
ない記憶装置又は表示装置に記録する。この後、最初に
設定したバイアス電圧値に戻してZ軸制御を行う。XY走
査電圧の各点で第18図の時系列にもとづく一連の動作を
繰り返して通常の凹凸データと局所的電流電圧特性デー
タとを同時に記録している。
尚、第17図中、符号25は、電流データに数値演算処理
をして局所状態密度を構成するデータ処理装置を示す。
従来例(4):バリアハイト分光(IBM,J.RES.DEVELOP3
0,4,July1986pp355〜369,Phys.Rev.Lett.60 12,21March
1988pp1166〜1169) 第19図に示す装置では、探針2と試料1との間にバイ
アス電圧VTを印加し、探針先端と試料表面との間の距離
(トンネルギャップS)を数nm以下に近付け、流れる電
流をI−V変換器3で検出し、サーボ回路5でトンネル
電流が一定値になるようにX,Y,Z微動機構4のうちZ軸
微動機構を用いて、Sをサーボ制御する。サーボ動作を
しながら、X,Y,Z微動機構4で探針をXY走査すると、サ
ーボ出力信号は試料表面の凹凸情報を与える。このSTM
のサーボ出力信号に対してサーボ動作が追いつかない速
さで(例えば時定数にして1/5の速さで)、振幅の分か
った微小変調信号(ΔScosωt)を加算してZ微動機構
に印加するう。この結果、変調信号ΔScosωtによって
試料と探針との間に流れる電流には同じ周波数の変調成
分が現われる。
(1)式より、トンネル電流ITの対数を取ることによ
って ここでconst成分は、変調成分ωの時間間隔で比べる
と変化がないという意味である。したがって、変調成分
検出器30でω変調振幅(Bφ1/2ΔS)を求めるとバリ
アハイトφの値が定められる。すなわち、サーボ出力信
号で得られる凹凸情報と同時に、バリアハイトφを求め
ることができる。図中、符号31は、印加信号用発振器
を、また符号32は、対数アンプを夫々示す。
(発明が解決しようとする課題) 従来例(1)の欠点 直流バイアスへの微小交流変調方式による測定では、
設定直流バイアス値V0での微分コンダクタンスを求めて
いる。設定バイアス電圧値では探針サーボが安定に行わ
れる必要があるが、試料や探針の表面状態によってはサ
ーボ動作が安定しないバイアス電圧値が有り、連続した
バイアス電圧依存性を測定できない。また、一度に測定
できるバイアス電圧は1点に限られるため、局所的な分
光データのバイアス電圧依存性を実時間で測定すること
はできない。
また、直流バイアス電圧によるサーボ動作では、バイ
アス電圧設定値及びトンネル電流設定値の違いによって
探針の高さや関与するトンネル電流量が違ってきてしま
い、同じ点で微分コンダクタンスのバイアス電圧依存性
を測定しようとしても、バイアス電圧設定を変えると、
試料探針間距離などのトンネル条件が変わってしまい、
同じ条件のもとでのバイアス電圧依存性を測定できな
い。
従来例(2)の欠点 この超電導状態分布測定では、バイアス電圧が0Vのと
きの微分コンダクタンスの値のみに注目して、超電導状
態を測定しようとしている。しかし。超電導状態を確認
する為には、微分コンダクタンスが急激に変化する、超
伝導ギャップ電圧に相当するバイアス電圧値での測定な
ど、0V以外での微分コンダクタンスの情報が必要であ
り、また一般の物質では、物質固有の特徴的なバイアス
電圧を設定し、そのバイアス電圧での微分コンダクタン
スを求めることが必要になるが、この方法は、バイアス
電圧が0Vの時の微分コンダクタンスしか測定できない。
また、バイアス電圧に含まれる高調波成分によるサー
ボの不安定化を避けるために、正弦波を加えたり、応答
速度に対する依存性を測定するために、のこぎり波を印
加する事が必要になるなど、測定に際してバイアス電圧
波形が任意に設定できるようになっている必要がある。
しかし、この測定法では印加波形が三角波でなければ微
分コンダクタンスが測定できない。
従来例(3)の欠点 時間分割をして測定各点毎にサーボ動作のオンオフを
繰り返して、各点での電圧電流値を記憶しているため、
サーボ切り替えの際に、探針制御系は、ステップ的応答
をすることになり、系の共振あるいは不安定の原因にな
る。特に、試料探針間のサーボ動作が不安定な場合に
は、STM測定もSTS測定も出来なくなる。
また、記憶しておいた電流電圧値から、数値演算によ
る微分などをした後に、分光データを得るので、ひとつ
の情報を得るために必要なデータ数が多くなり、必然的
に像各点において記憶しておく電流値の数を多くしなけ
ればならない。例えば、典型的なCITS動作では、STMデ
ータを128×128点で記録し、各点で電流値電圧特性デー
タを16点以上記録している。この場合には、16K点のSTM
データファイルと256K点のデータを持つSTSファイルが
必要になり、データ数が極端に多くなる。
さらに、微分分光情報は取り込んだ後に数値演算処理
をしなければ得られないため、測定中に実時間では分光
データが表示できない。
従来例(4)の欠点 微分値を求めるのに、変調振幅を比較する方式を用い
ているので、印加振幅が微小でないと微分値を求めたこ
とにならない。したがって、印加振幅に制限が加わり、
Z方向の測定範囲が限定されてしまうという欠点があ
る。
また、変調振幅が微小であるために、広範囲にわたる
バリアハイトφとトンネルギャップSとの関係を測定す
ることができず、特に、InITとSとの関係が非直線性の
場合には、正確にバリアハイトφを求めることはできな
い。
本発明の目的は、実時間で分光情報を検出するための
走査型分光顕微鏡及び走査型分光情報検出方法を提供す
ることである。
(課題を解決するための手段と作用) 本発明に係わる走査型分光顕微鏡は、試料に対向して
設けられた探針と、この探針と前記試料との間の距離を
制御する制御手段と、前記探針もしくは試料に変調電圧
を印加する電圧印加手段と、前記探針と試料との間に流
れる電流を検出する電流検出手段と、前記電圧印加手段
の変調電圧と前記電流検出手段で検出される電流とに基
づいて、前記試料の電流電圧特性を実時間で演算する演
算手段と、を具備しており、制御手段により探針と試料
との間の距離が制御された状態で、探針もしくは試料に
変調電圧が印加され、演算手段では、変調電圧及び試料
と探針との間に流れる電流に基づいて試料の電流電圧特
性が実時間で検出され、この電流電圧特性にに基づいて
試料の分光情報が得られる。
また、本発明の他の走査型分光顕微鏡及び走査型分光
情報検出方法については、以下に記載する(1)微分コ
ンダクタンス法と、(2)バリアハイト法とを用いて説
明する。
(1)微分コンダクタンス法 図1において、試料41と探針42との間にバイアス電圧
を印加し、両者を数nmの距離に近付けるとトンネル電流
が両者間に流れる。ここで、バイアス電圧発生器43から
一定周期で時間変化するバイアス電圧VT(例えば、第2
図(a)に示すような正弦波)を印加しながら、XYZ微
動機構47により、探針をより試料に近付けると、両者間
に、バイアス電圧の基本周期で振動するトンネル電流IT
(第2図(b))が流れる。このとき通常のSTMと同様
に試料探針間の距離を一定に保つために、トンネル電流
の絶対値の平均を一定にするサーボ動作を行う。ここ
で、試料探針間距離がトンネル電流の振動の影響を受け
ないようにする為に、トンネル電流の絶対値(第2図
(c))を検出する絶対値検出器(あるいは振幅検出
器)44とサーボ回路45とでできたフィードバック系の時
定数をバイアス電圧の基本周期より充分長め(5倍以
上)にする。ここで、サーボ回路45は、トンネル電流強
度が特定の時間平均で一定になるように、第2図(e)
で示す信号で、試料探針間距離を第2図(d)に示す信
号のように制御し、バイアス電圧変動に追いつかないよ
うなサーボ時定数にできるサーボ系である。一方、探針
42の走査に際しては、フィードバックが追いついて試料
探針間距離が変化しないような走査速度とする。このよ
うな設定で、探針42を走査したときのサーボ信号は、表
面の凹凸情報になる。
上記のように、サーボ時定数と基本周期とが設定され
れば、基本周波数より高い周波数成分が含まれる任意の
バイアス電圧波形を用いてのサーボ動作が可能である。
また、実時間で分光的情報を得るために、トンネル電
流とバイアス電圧とをアナログ演算ユニット46に入力
し、実時間で演算処理(例えば∂IT/∂VT、∂2IT/∂VT 2
等)を行えば、バイアス電圧振幅の範囲内での分光情報
(状態密度、フォノンモード等)が実時間で入手でき
る。これらアナログ信号系の応答周波数は、最低でも印
加バイアス電圧の基本周波数以上にする。ここで、アナ
ログ演算ユニット46は、トンネル電流及びバイアス電圧
信号から分光情報を取り出すために、微分、加減乗除な
どを組み合わせて作るものである。
尚、図中、符号48は電流電圧変換器を示す。ここで、
分光データを求める演算処理が実時間で行われているた
め、データに対する数値微分などの後処理は要らない。
また、ひとつの電圧レベルに対して得られる分光データ
は、凹凸データと1対1に対応しており、メモリー容量
は、単純に必要な画面数に比例する。
これらの機能を有することで、凹凸像と同時に、分光
情報の空間分布(STS像)の実時間検出が可能となる。
(2)バリアハイト法 上記の従来例の欠点を解決するために必要な構成を第
3図に示す。
本発明は、バリアハイトφを、ロックインアンプなど
の変調信号の振幅比較検出ではなく、微分回路などによ
るアナログ演算により、前記(4)式に基づいてバリア
ハイトφを求めるものである。すなわち、バイアス電圧
発生器43の出力を直流電圧に保ち、X、Y、Z微動機構
47のうちZ微動機構に加えるZ軸変調電圧ΔVZを発振器
50より分割してアナログ演算回路51に入力し、また、一
方、トンネル電流ITもアナログ演算回路51に入力し、双
方の入力信号を用いて、この回路51において ∂lnIT/∂ΔVZ∝∂lnIT/∂S のアナログ演算処理を行って、バリアハイトφを求め
る。
XYZ微動機構47のX、Y微動機構に、x軸、y軸の走
査信号(ラスタースキャン)を加えれば、試料のφ像
(分布像)が求められる。
(実施例) 以下に、この発明の実施例について図面を参照して説
明する。尚、前記第1図並びに第3図に示す構成要素と
実質的に同じ要素は、同一符号を付して説明を省略す
る。
実施例1 微分コンダクタンス分光法 この例では、まず、局所的な微分コンダクタンスのバ
イアス電圧依存性の実時間測定について述べる。
測定は、前記第1図を参照して説明した構成で行って
おり、微分コンダクタンス測定の場合の具体的な構成要
素について補足説明を行う。
試料41はグラファイト、探針42はPtIrの電解研磨針を
用いている。サーボ系45は、積分型のサーボ回路であ
る。バイアス電圧発生器43からは、正弦波が出力されて
いる。ここで、微分コンダクタンスを求めるアナログ演
算ユニット46は、第4図に示すような構成になってお
り、その動作原理モデルは、第5図で表わされる。試料
探針間の局所的電流電圧特性は、原子の位置によって、
第5図(a)に示すように固有の形を持つ。第5図
(b)に示すような正弦波のバイアス電圧VTを印加した
時、トンネル電流は、第5図(c)に示すように、第5
図(a)を反映した局所的IT−VT特性となる。トンネル
電流(第5図(c))およびバイアス電圧(第5図
(b))を、第4図に示す2つの微分回路500,510にお
いて、時間微分し、第5図(d)に示す∂VT/∂t信
号、並びに第5図(e)に示す∂IT/∂t信号を得る。
この二つの信号を割り算回路52に入力することにより、
第5図(f)に示すような微分コンダクタンス∂IT/∂V
Tが計算される。
このとき、トンネル電流とバイアス電位との位相がプ
リアンプの時定数の関係でずれてしまう事がある。その
ような条件下で、アナログ演算を行うときには、トンネ
ル電流の0点とバイアス電圧の0点とをタイミング合わ
せの基準として用い、第6図に示す位相補償回路60でバ
イアス電圧の位相をずらす。また、時間微分によって、
高周波側のノイズが大きくなるのを避けるために、トン
ネル電流とバイアス電圧とを同じ時定数のローパス回路
61,62に通す。こうして、アナログ演算に用いるバイア
ス電圧とトンネル電流とのタイミングがずれないように
する。
第5図(g)に示すようなバイアス電圧に対する微分
コンダクタンス表示は、メモリースコープを用いて微分
コンダクタンス信号をY軸に、そしてバイアス電圧をX
軸に入力して行う。第7図(a)(b)は、このように
して表示したグラファイト試料上の異なる点での∂IT/
∂VTとVTとの関係示したものである。このグラフの形態
は、探針の動きに応じて変化するが、各点での再現性は
確認されている。また、トンネル確率がφやSに強く依
存する場合には、∂IT/∂VT/I/Vのデータ処理が必要と
なる。
このデータ処理を行うためには、第1図に示すアナロ
グ演算ユニット46を第8図に示すようなアナログ回路に
すればよい。
実施例2 次に特定バイアス電圧における微分コンダクタンス値
の実時間測定と、その分布像測定とを説明する。
第9図に示す回路は、特定電圧における微分コンダク
タンス値に常に出力しておくために用いたサンプリング
回路である。サンプル&ホールドアンプ70には、第4図
に示す微分コンダクタンス演算回路から出力された微分
コンダクタンス値(∂IT/∂VT)を入力しておく。バイ
アス電圧VTとレファレンス電圧V0を比較器71に入力して
2値信号にし、VT=V0となる時のタイミングで、パルス
幅τが可変のショットパルス発生器72でサンプル&ホ
ールドアンプ70がサンプリングするためのパルスを発生
させている。このようにしてVT=V0での微分コンダクタ
ンスの値 が常に出力されるようにする。
探針の走査速度を凹凸変化に対してサーボが応答でき
るような速さに設定し、試料探針間を一定に保ち、表面
の凹凸情報及びバイアス電圧V0での微分コンダクタンス
値をXY走査信号と対応させて表示させれば、凹凸像と微
分コンダクタンス像との空間的な対応を実時間で表示及
び比較することが出来る。
前記サンプリング回路を並列に接続すれば、独立に多
数のレファレンス電圧において、微分コンダクタンスを
サンプリング出来るため、複数のバイアス電圧レベルで
の微分コンダクタンスの局所的な値を同時に保持でき
る。すなわち、同時に多数の像を表示することも可能で
ある。
第10図は、グラファイトの表面の空気中での測定例で
あり、第10図(a)は、サーボ電圧と走査電圧とを対応
付けた凹凸像で、高いところは明るく、低いところは暗
くする濃淡表示をしている。一方、第10図(b)は、微
分コンダクタンス像の局所的な微分コンダクタンスが大
きく、すなわち、軸流が流れ易いところは明るく、小さ
いところは暗くなるように濃淡表示している。凹凸像で
は、左側が暗くなっているところに原子的凹凸が見えて
いるが、微分コンダクタンスの像では、試料の傾きは現
れずに、全面で0.2Vにおける微分コンダクタンスの分布
が原子的分解能を持って観察されている。微分コンダク
タンスの大きなところは、そのエネルギーレベルの電子
の状態密度が高くなっていると考えられる。
実施例3 第11図は、第3図に示すバリアハイト分光が用いる実
際のアナログ分光回路の例を示す。
トンネル電流ITを対数アンプ80を通して、第1の微分
回路81で時間微分し(∂IT/∂Vt)また、Z軸変調電圧
ΔVZを第2の微分回路82で時間微分する(∂ΔVZ/∂
t)。
次に、それらの微分値を除算回路83で除算すると、 ∂lnIT/∂t/∂ΔVZ/∂t=∂lnIT/∂ΔVZ∝lnIT/∂S となりバリアハイト が求まる。
バリアハイトφが必要なときには、2乗演算回路84に
より求めることができる。
実施例4 第12図にバリアハイト分光にもう1つの実施例を示
す。この実施例は、サーボ回路45の設定電流値を外部の
発振器50で設定できるようにしたものである。ここで、
バイアス電圧は直流電圧とし、サーボ時定数は、設定電
流の変化に探針制御電圧が追随できるようにする。当然
ながら、設定電流変調周波数は、装置系の共振周波数よ
り高く設定することはできない。凹凸情報抽出回路90
は、凹凸像に現われる設定電流の違いによる探針の振動
を補正するためのもので、平滑化回路などが用いられ
る。
特定の設定電流値のみをサンプリングできるような表
示法を用いれば、凹凸情報抽出回路90は必要としない。
アナログ演算回路51としては、第11図に示すアナログ
演算回路と同じものが用いられる。
実施例3および4における発振器の波形は任意であ
り、常に、トンネル電流の対数値をトンネルギャップで
微分を行っているため、変調が微小である必要はなく、
従来方式よりも正確な のS依存性などが測定できる。
(発明の効果) この発明の走査型分光顕微鏡及び走査型分光情報検出
方法は、実時間で分光情報を検出することができる。
また、この発明の他の走査型分光顕微鏡及び走査情報
検出方法は、上記効果に加えて以下に記載する効果を奏
する。
この発明によれば、STMのバイアス電圧を一定周期で
時間変化させたときに、サーボ時定数を適当に設定し
て、バイアス電圧波形の1周期以上の間、試料探針間距
離を一定に保つサーボ動作を行い、サーボ電圧を記録し
て凹凸データを記録し、トンネル電圧とバイアス電圧か
ら実時間で局所的な分光的データを演算できるアナログ
演算ユニットから得られる分光データのバイアス電圧依
存性を試料探針間距離を保った状態で測定できる微分コ
ンダクタンス測定装置が実現される。この発明では分光
データをサンプリングするバイアス電圧値を電圧振幅内
であれば任意の電圧並びに任意の点数で設定できる。こ
のため直流バイアス動作では測定できない電圧における
微分コンダクタンスや超電導ギャップ電圧における微分
コンダクタンスの挙動が測定出来る。
また、測定点は複数個併設できるので、各点における
分光データを試料表面の凹凸と同時にバイアス電圧依存
性のデータとして必要点数測定することが出来る。
この発明では、バイアス電圧が変化しているときも、
サーボ動作を止めたりしないので、走査に伴うサーボ動
作はステップ的な応答にならずに済む。
また、アナログ演算によって、分光データを実時間出
力しているためCPU等による分光データに対する後処理
などは必要ない。そして、測定データに対する数値微分
なども必要がないので、多量のデータを格納する必要も
ない。
さらに、バイアス電圧VTのかわりに、Z軸変調電圧Δ
VZを用いてトンネル電流ITのかわりにlnITを用いれば、
バリアハイト が求められ、従来例にくらべて正確な のS依存性などが測定できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、微分コンダクタンス法による本発明の基本概
念を説明するための回路図、第2図は、この回路にて使
用されるトンネル電流とサーボ電圧との関係を示す図、
第3図は、バリアハイト法による本発明の基本概念を説
明するための回路図、第4図は、第1の実施例で使用さ
れるアナログ演算ユニッを示す回路図、第5図は、第1
の実施例での各要素での信号を示す図、第6図は、同実
施例で使用される位相補償回路を示す図、第7図は、同
実施例でのグラファイト試料の異なる点での∂IT/∂VT
とVTとの関係を示すオシロ波形図、第8図は、第1図に
示すアナログ演算ユニットの具体的な回路図、第9図
は、第2の実施例に係るサンプリング回路を示す図、第
10図は、グラファイト表面を示すオシロ波形図、第11図
は、第3の実施例に係るアナログ分光回路を示す図、第
12図は、第4の実施例を説明するための回路図、第13図
は、第1の従来例を説明するための回路図、第14A図な
いし第15図は、第2の従来例を説明するための図でり、
第14A図並びに第14B図は、夫々SINとNINとにおけるバイ
アス電圧−微分コンダクタンス特性を示す図、第15図
は、微分コンダクタンス検出系を示す回路図、第16図
は、分光データサンプリング系を示す回路図、第17図並
びに第18図は、第3の従来例を説明するための回路図並
びにその使用信号のタイムチャート、そして、第19図
は、第4の実施例を説明するための回路図である。 41……試料、42……探針、43……バイアス電圧発生器、
44……絶対値検出器、45……サーボ回路、46……アナロ
グ演算ユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 御子柴 宣夫 宮城県仙台市太白区八木山本町2丁目30 番地の18 (56)参考文献 特開 昭63−142202(JP,A) 特開 平3−12503(JP,A) 実開 平2−126359(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 37/00 H01J 37/28 G01B 7/34 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料に対向して設けられた探針と、この探
    針と前記試料との間の距離を制御する制御手段と、前記
    探針もしくは試料に変調電圧を印加する電圧印加手段
    と、前記探針と試料との間に流れる電流を検出する電流
    検出手段と、前記電圧印加手段の変調電圧と前記電流検
    出手段で検出される電流とに基づいて、前記試料の電流
    電圧特性を実時間で演算する演算手段と、を具備し、前
    記電流電圧特性に基づいて前記試料の分光情報を得るこ
    とを特徴とする走査型分光顕微鏡。
  2. 【請求項2】さらに、前記演算手段から出力される前記
    電流電圧特性の内、前記変調電圧の変調周期の特定のタ
    イミングにおける前記電流電圧特性を保持するための手
    段を具備することを特徴とする特許請求の範囲の第1項
    に記載の走査型分光顕微鏡。
  3. 【請求項3】探針を用いて試料の分光情報を検出する走
    査型分光顕微鏡において、前記試料と探針との間にバイ
    アス発生器から一定周期で時間変化する所定波形のバイ
    アス電圧VTを印加する手段と、前記試料と探針とを接近
    させたときに流れるトンネル電流ITの絶対値を検出する
    手段と、この絶対値を用いて、前記試料と探針との間の
    距離をサーボ回路の時定数が前記バイアス電圧VTの周期
    の5倍以上でサーボ制御する手段と、このサーボ出力か
    ら前記試料の凹凸に関する情報を得る手段と、前記バイ
    アス電圧VTと前記トンネル電流ITとから前記試料の微分
    コンダクタンスを実時間でアナログ演算するアナログ演
    算ユニットと、を具備し、前記凹凸情報を得ると共に、
    前記微分コンダクタンスに基づいて前記試料の分光情報
    を得ることを特徴とする走査型分光顕微鏡。
  4. 【請求項4】前記バイアス電圧発生器として正弦波電圧
    発生器を用いる特許請求の範囲第3項に記載の走査型分
    光顕微鏡。
  5. 【請求項5】前記バイアス電圧発生器において、時間変
    化するバイアス電圧にDCオフセット電圧を加え、バイア
    ス電圧の符号が正負のどちらかになるようにして、絶対
    値検出器を用いた特許請求の範囲の第3項に記載の走査
    型分光顕微鏡。
  6. 【請求項6】試料と探針との間にバイアス電圧VTを印加
    し、設定されたトンネル電流ITに対してサーボ動作する
    サーボ回路を備える走査型分光顕微鏡において、X,Y,Z
    微動機構のZ軸微動機構に前記サーボ回路の時定数が追
    いつかない周期の信号を発信する発信器からZ軸変動電
    圧ΔVZを印加する手段と、このZ軸変動電圧VZと前記ト
    ンネル電流ITとに基づいて、試料の分光情報を実時間で
    演算する演算手段とを有し、前記サーボ回路の出力から
    凹凸像を、また、前記演算手段の出力から前記試料の分
    光像を得る走査型分光顕微鏡。
  7. 【請求項7】探針を用いて試料の分光情報を検出する走
    査型分光顕微鏡において、前記試料と探針との間にバイ
    アス発生器から一定周期で時間変化する所定波形のバイ
    アス電圧VTを印加する手段と、前記試料と探針とを接近
    させたときに流れるトンネル電流ITを検出する手段と、
    このトンネル電流ITにおけるバイアス電圧VTの基本周波
    数成分を検出し、この基本周波数成分を用いて、前記試
    料と探針との間の距離をサーボ制御する手段と、この手
    段のサーボ出力から前記試料の凹凸に関する情報を得る
    手段と、前記バイアス電圧VTと前記トンネル電流ITとか
    ら前記試料の微分コンダクタンスを実時間でアナログ演
    算するアナログ演算ユニットと、を具備し、前記凹凸情
    報を得ると共に、前記微分コンダクタンスに基づいて前
    記試料の分光情報を得ることを特徴とする走査型分光顕
    微鏡。
  8. 【請求項8】探針を用いて試料の分光情報を検出する走
    査型分光情報検出方法において、前記試料と探針との間
    に一定周期で時間変化する所定波形のバイアス電圧VT
    印加し、前記試料と探針とを接近させたときに流れるト
    ンネル電流ITの絶対値を用いて、前記試料と探針との間
    の距離のサーボ制御をサーボ回路の時定数が前記試料と
    探針との間の距離にバイアス電圧信号の影響が出ないよ
    うに設定して前記サーボ回路の出力に基づいて前記試料
    の凹凸に関する情報を得、また、バイアス電圧VTとトン
    ネル電流ITとから微分コンダクタンスの実時間のアナロ
    グ演算を行い、前記凹凸情報と共に前記微分コンダクタ
    ンスに基づいて前記試料の分光情報を得る走査型分光情
    報検出方法。
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