JPH03194402A - 走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装置およびそのデータ検出方式 - Google Patents

走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装置およびそのデータ検出方式

Info

Publication number
JPH03194402A
JPH03194402A JP33285889A JP33285889A JPH03194402A JP H03194402 A JPH03194402 A JP H03194402A JP 33285889 A JP33285889 A JP 33285889A JP 33285889 A JP33285889 A JP 33285889A JP H03194402 A JPH03194402 A JP H03194402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
tunnel
bias voltage
tunnel current
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33285889A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Yagi
明 八木
Seizo Morita
清三 森田
Nobuo Mikoshiba
御子柴 宣夫
Takao Okada
孝夫 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP33285889A priority Critical patent/JPH03194402A/ja
Priority to US07/585,880 priority patent/US5185572A/en
Priority to DE69026180T priority patent/DE69026180T2/de
Priority to EP90118507A priority patent/EP0422449B1/en
Publication of JPH03194402A publication Critical patent/JPH03194402A/ja
Priority to US07/977,572 priority patent/US5378983A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、たとえば半導体プロセスによって生成され
るパターンサイズから原子オーダにいたる試料の表面に
おける凹凸の状態を測定するとともに、導電性試料の表
面における局所的な電子状態および局所的な電位分布を
同時に測定することができる、いわゆる走査トンネル分
光顕微鏡と走査型トンネルポテンシオメトリイの機能を
併せもつ走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装置お
よびそのデータ検出方式に関する。
[従来の技術] 周知のように、走査型トンネル顕微鏡 (Scanning  TunnelingMicro
scopy:STM)は、電子のトンネル現象を利用し
て導電性試料の表面における形状を原子的な分解能をも
って測定することができるものである。
すなわち、STMは、先の尖った探針と試料との間にバ
イアス電圧を印加することにより試料と探針との間に流
れるトンネル電流を一定に保ちなから探針を走査し、こ
のときに得られる探針と試料との相互間距離を制御する
ためのサーボ信号を求めるようになっている。この場合
、上記サーボ信号には37M情報、つまり試料の表面に
おける凹凸情報が反映されている。このため、これを測
定点の座標と対応させてプロットすることにより、原子
的オーダである3次元のSTM像が得られる。
ところで、上記トンネル電流には、探針と試料との相互
間距離、試料の局所的な電子の状態、および試料の局所
的な電位が反映されている。このため、通常のSTM像
には、試料の表面における微視的な粗さに関する凹凸情
報と、局所的な電子の状態に関する情報と、試料の表面
における局所的な電位分布に関する情報とが含まれてい
る。
そこで、近年では、トンネル電流から試料の表面におけ
る凹凸情報と表面の電子物性情報とを分離し、表面の電
子の状態に関する情報を抽出する走査トンネル分光法(
ScanningTunneling  5pectr
oscopy:5TS) 、さらにはトンネル電流から
試料の表面における電位分布に関する情報を抽出する走
査型トンネルポテンシオメトリイ (Scanning
Tunneling  PotentiometrV 
: 5TP)が開発されている。
上記STSをデジタル的に行う代表的なものとして、C
ITS  (Current   Imageing 
 Tunneling  5pectroscopy)
法がある。このCITS法は、トンネル電流(IT )
のバイアス電圧(VT )に対する依存性から、試料の
表面における電子の局所状態密度の分布を測定しようと
するものである。
CITS法では、トンネルギャップ(試料と探針との相
互間距離)およびバリアハイドが場所によらず一定であ
る場合、微分コンダクタンス(alT/aVT)が局所
状態密度に比例することを利用している。すなわち、こ
のCITS法は、探針を走査しながら局所的な電流電圧
値を求め、これを場所ごとに記憶しておき、後に数値計
算で微分コンダクタンスを求めるようになっている。
第7図は、CITS法による電流電圧特性の測定を行う
走査型トンネル分光顕微鏡(STS)の構成を示すもの
である。
ここで、第8図を参照して、上記STSの動作について
説明する。
まず、時間0〜t1の間においては、DA変換器(DA
CI)100から出力される、第8図(d)に示すよう
なバイアス電圧VTを直流に変換し、そして第8図(a
)に示す如く、ホールド信号発生器(Hold)101
のサーボ固定信号を切ってサーボ回路102をサーボ動
作させる。
これにより、IV変換器103の出力1.にもとづいて
、探針104と試料105との間に流れるトンネル電流
が一定になるように、Z方向微動制御(Z軸制御)が微
動機構106により行われる。
時間t1になると、第8図(b)に示すようなSTMサ
ンプリング信号の供給により、AD変換器(ADCI)
107において、サーボ回路102の出力であるSTM
サーボ電圧に対するA/D変換が行われ、内部に記憶さ
れる。
時間t、〜t4の間は、第8図(a)に示すように、サ
ーボ固定信号をオンしてサーボ回路102の動作を止め
、探針104と試料105との相対位置を固定させる。
そして、この間に、第8図(d)に示す如(、DA変換
器100から出力されるバイアス電圧V工を変化させる
。さらに、時間t2〜t3の間において、第8図(C)
に示すタイミングでAD変換器(ADC2)108を動
作させることにより、第8図(e)に示すように変化す
るトンネル電流がデジタル化されて、内部に記憶される
また、時間t4までの間に、第8図(d)に示すように
、バイアス電圧VTを最初に設定した電圧値に戻し、時
間t4に達した時点で上記Z軸制御を再開するとともに
、図示しないX、Y走査機構を制御して次の測定点に探
針104を移動させる。
こうして、X、Y走査電圧の各点において、第8図に示
す時間0〜t4の間の時系列にもとづく一連のシーケン
シャル動作を繰り返すことにより、通常の凹凸データと
局所電流電圧特性データとを同時に記憶する、つまり微
視的な粗さに関する凹凸情報と、局所的な電子状態に関
する情報との測定が同時に行えるようになっている。
なお、第7図に示す数値演算処理装置109は、電流デ
ータに数値演算処理を施して分光データを求め、局所状
態密度を構成するためのものである。
第9図は、時分割法を用いたSTP ([PhVs、R
ev、Lett、、Vol、60.pp1546〜15
49.(1988)])について示すものである。
この図において、探針200に対するフィードバックの
オン/オフは、電気信号によって行われる。すなわち、
探針200の電位は0[V]であり、トンネル電流検出
器201につながれている。
一方、試料202は、Si基板上にAuを60%、Pd
を40%の割り合いでスパッタにより付着させた金属フ
ィルムである。この試料202には、トンネルバイアス
電圧として方形波203が印加されている。また、試料
202の両端には、電源204により数[V]のサンプ
ルバイアス電圧が印加され、これにより電位勾配が形成
されている。この場合、トンネルバイアス電圧が0[V
、]のときに、探針200の直下に対する試料202の
表面における局所電位が数[μV]程度の値となるよう
に、可変抵抗器205を用いて試料202側の接地レベ
ルが調整されるようになっている。
次に、上記方形波203の1周期ごとの動作について説
明する。
まず、試料202に所定のトンネルバイアス電圧が印加
されているときに、得られるトンネル電流を一定とする
フィードバックを行う。そして、このサーボ動作中にお
いて、試料202の凹凸データを測定する。続いて、サ
ーボ動作を止め、上記トンネルバイアス電圧を0[V]
にし、このときのトンネル電流を測定する。この後、再
び所定のトンネルバイアス電圧を印加し、トンネル電流
を一定とするフィードバックを行いながら、次の測定点
に探針200を移動する。このようにして、この一連の
動作を繰り返す。
ここで、金属試料において、微少なトンネルバイアス電
圧の範囲ではトンネル電流電圧特性が線形となることか
ら、試料の局所ポテンシャル電位■8を以下の式にもと
づいて求めることができる。
二の場合、試料全体のトンネルバイアス電圧treが0
 [V]のときのトンネル電流をIOとし、上記バイア
ス電圧UBがV [V]のときのトンネル電流を■1と
すると、試料の局所ポテンシャル電位■sは、 Vss−−IoR =−10V/(It   Io) となる。なお、Rはトンネル抵抗である。
このように、時分割法を用いたSTPによれば、試料の
微視的な粗さに関する凹凸情報と、局所的な電位分布に
関する情報とを同時に測定することができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記した従来の時分割法を用いたSTP
においては、トンネルバイアス電圧が0[v]近傍での
トンネル電流電圧特性が線形であることを前提としてい
るため、半導体試料の電位分布の測定および分光データ
の測定には利用できないという欠点があった。
また、STPの場合、試料の物性を反映する局所的な電
子状態に関する情報を得ることができないため、試料上
の局所的な物質の同定ができない、さらにはサンプルバ
イアス電圧を印加することにより変化される、試料の物
性エネルギー状態に関する情報が得られないなどの欠点
があった。
一方、CITS法においては、トンネルバイアス電圧の
変化と同時にトンネル電流の検出を行っているため、試
料に電位勾配を加えたときには、トンネルバイアス電圧
と局所的なサンプルバイアス電圧とが加算されたバイア
ス電圧によってトンネル電流が流れることになる。した
がって、分光データの原点となる電位が各点でずれるこ
とになり、試料の電子状態の絶対的なエネルギー依存性
を測定できないという欠点があった。
そこで、この発明は、試料表面の二次元的データである
凹凸情報、局所的な電子状態に関する情報、および局所
的な電位分布に関する情報を得るための各々のデータを
、別々の探針走査では得られない半導体プロセスによっ
て生成されるパターンサイズから原子オーダにいたる試
料の表面形状や物性データと関連性をともなって測定す
ることができ、−度の探針走査によって、試料の表面に
おける凹凸情報、局所的な電子状態に関する情報、およ
び局所的な電位分布に関する情報を究極的には原子サイ
ズレベルの分解能で得ることが可能な走査型トンネルポ
テンシャル分光顕微鏡装置およびそのデータ検出方式を
提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するために、この発明の走査型トンネ
ルポテンシャル分光顕微鏡装置にあっては、3次元方向
に移動自在に保持された金属探針と、この探針と試料と
の間にトンネル電流を生じさせるためのトンネルバイア
ス電圧を発生するトンネルバイアス電圧発生手段と、前
記試料に電位勾配を持たせるためのサンプルバイアス電
圧を発生するサンプルバイアス電圧発生手段と、前記ト
ンネルバイアス電圧発生手段で発生されるトンネルバイ
アス電圧を前記試料に印加することにより、前記探針と
試料との間に流れるトンネル電流を検出するトンネル電
流検出手段と、このトンネル電流検出手段で検出された
トンネル電流を一定に保つように、前記探針と試料との
相互間距離をサーボ制御するサーボ制御手段と、このサ
ーボ制御手段の制御量から、前記試料の表面における凹
凸情報を得るためのサーボ信号を検出するサーボ信号検
出手段と、前記サーボ制御手段によるサボ制御をオフし
て前記探針と試料との相互間距離を固定した状態におい
て、前記試料に印加される前記トンネルバイアス電圧発
生手段で発生されるトンネルバイアス電圧を変化させた
際に、前記トンネル電流検出手段により検出されるトン
ネル電流を所定のサンプリング信号を用いて抽出するこ
とにより、前記試料に電位勾配が加えられていないとき
のトンネル電流データを検出する第1のトンネル電流デ
ータ検出手段と、さらに、前記サンプルバイアス電圧発
生手段で発生されるサンプルバイアス電圧を前記試料に
対して印加した状態において、前記試料に印加される前
記トンネルバイアス電圧発生手段で発生されるトンネル
バイアス電圧を変化させた際に、前記トンネル電流検出
手段により検出されるトンネル電流を所定のサンプリン
グ信号を用いて抽出することにより、前記試料に電位勾
配が存在するときのトンネル電流データを検出する第2
のトンネル電流データ検出手段と、前記サーボ信号検出
手段によって検出されたサーボ信号、前記第1のトンネ
ル電流データ検出手段によって検出された第1のトンネ
ル電流ブタ、および第2のトンネル電流データ検出手段
によって検出された第2のトンネル電流データを記憶す
る記憶手段と、この記憶手段に記憶された前記サーボ信
号および第1.第2のトンネル電流データを用いて、前
記試料の表面における凹凸情報、前記試料の局所的な電
子状態に関する情報、および前記試料の局所的な電位分
布に関する情報を得る演算手段とから構成されている。
また、この発明の走査型トンネルポテンシャル分光顕微
鏡装置のデータ検出方式にあっては、探針を試料に近付
け、前記試料に所定のトンネルバイアス電圧を印加する
ことにより前記試料と探針との間に流れるトンネル電流
が一定となるように、前記探針と試料との相互間距離を
サーボ制御した状態において、前記試料の所定位置にお
ける前記サーボ制御量に対応するサーボ信号を検出して
記憶する第1の工程と、その位置でサーボ動作を停止さ
せ、前記試料と探針との相対的位置を固定した状態にお
いて、前記試料に印加されるトンネルバイアス電圧を変
化させることにより得られるトンネル電流の変位を所定
のサンプリング信号を用いてデジタル化し、このデジタ
ル値を第1のトンネル電流データとして記憶する第2の
工程と、さらに、前記試料に電位勾配を生じさせるため
のサンプルバイアス電圧を印加した状態において、前記
試料に印加されるトンネルバイアス電圧を変化させるこ
とにより得られるトンネル電流の変位を所定のサンプリ
ング信号を用いてデジタル化し、このデジタル値を第2
のトンネル電流データとして記憶する第3の工程と、再
びサーボ動作を開始するとともに、前記第1.第2.第
3の工程によって得られたサーボ信号および第1.第2
のトンネル電流データから、前記試料の表面における凹
凸情報、前記試料の局所的な電子状態に関する情報、お
よび前記試料の局所的な電位分布に関する情報を求める
第4の工程とから構成されている。
[作用] この発明は、上記した手段により、ある同一の測定点で
試料の表面における凹凸データと、電位勾配が加えられ
ていないときの試料の電流電圧特性データと、電位勾配
が存在するときの試料の電流電圧特性データとを検出し
て記憶することができるようになる。しかるに、このデ
ータにもとづいて、1度の探針走査により、必要とする
試料の表面における凹凸情報、試料の局所的な電子状態
に関する情報、および試料の局所的な電位分布に関する
情報を演算処理することによって求めることが可能とな
り、一般に行われているように、CRT上に3つの情報
を各々、または組み合わせて種々の多次元像を出力する
などにより、物性分布解析に有効な装置を実現し得るも
のである。
すなわち、トンネル電流が一定になるように、探針と試
料との相互間距離をサーボ制御しなから探針を走査させ
ることにより、試料の表面における微視的な粗さを検出
することができ、これを各測定点の座標に対応させてプ
ロットすることによって試料のSTM像を得ることがで
きるものである。
一方、探針が0電位であり、その直下の試料の表面にお
ける局所電位がU8であれば、試料と探針との間のバイ
アス電圧はUSとなる。ここで、電位勾配が加えられて
いないときのトンネル電流特性(トンネル電流1.のト
ンネルバイアス電圧UBに対する関数)をF(Us)と
し、電位勾配が存在するときのトンネル電流特性をG(
Ua)とすると、これらの間には近似的にF(US十U
s)さG(UB)の関係が成立つ。
このため、電位勾配がUg>Qのとき、つまり電位勾配
が加えられていないときのトンネル電流特性F(Us)
のグラフは、電位勾配がU s −0のとき、つまり電
位勾配が存在するときのトンネル電流特性G(Us)の
グラフを、電圧の負方向に局所電位US分だけ移動した
ものと同じ形となる。したがって、電位勾配が加えられ
ていないときのトンネル電流特性F(Ue)と、電位勾
配が存在するときのトンネル電流特性G(Us)とを比
較し、電圧の方向に対するシフト量を、試料上の各測定
点について求めることにより、試料の局所的な電位分布
を検出することができ、これを各測定点の座標に対応さ
せてプロットすることによって試料のSTP像を得るこ
とができるものである。
また、サンプルバイアス電圧が0[v]のときに測定さ
れた電流電圧特性のグラフは、通常のCITS法により
得られる電流電圧特性のグラフと同じものとなる。した
がって、前記した微分コンダクタンス分光法により、試
料上の各測定点におけるトンネル分光的なデータを検出
することができ、これを各測定点の座標に対応させてプ
ロットすることによって試料のSTS像を得ることがで
きるものである。
さらに、電位勾配が存在するときのトンネル電流特性G
(Us)を、検出された局所的な電位分布に関する情報
によって校正し、電位勾配が加えられていないときのト
ンネル電流特性F(UB)との細かな形の違いを検出す
ることにより、電位勾配が加えられることによって変動
した試料の表面における電子状態に関する情報を測定す
ることができるものである。
[実施例] 以下、この発明の一実施例について図面を参照して説明
する。
第1図は、この発明にかかる走査型トンネルポテンシャ
ル分光顕微鏡(ScanningTunneling 
 Potentio−8pectroscopy:5T
PS)を示すものである。
第1図において、11は試料であり、この試料11には
トンネルバイアス電圧UBとサンプルバイアス電圧UD
とを合成した合成電圧を印加するための電極12.13
が設けられている。
上記トンネルバイアス電圧UBは、試料11の全体に対
して印加されるものであり、DA変換器(DACI)1
4により発生されるようになっている。
上記サンプルバイアス電圧UDは、試料11上の電極1
2.13間の電位差として印加されるものであり、DA
変換器(DAC2)15により発生されるようになって
いる。このサンプルバイアス電圧UDは、バイアス電圧
合成器16によって適当な比率の電圧UDI、UD2に
分配され、さらに上記トンネルバイアス電圧UBと加算
されることによって電圧U、、U2となり、それぞれの
電極12.13に印加されるようになっている。
一方、試料11の上部には探針17が設けられている。
この探針17は、Z方向微動機構18によってZ軸方向
、つまり図面に対して上下の方向に移動自在に保持され
ている。また、探針17は、図示しないXY走査機構に
よりX軸(図面の左右)方向およびY軸(図面の前後)
方向にそれぞれ移動できるようになっている。
上記探針17には、IV(電流電圧)変換器19が接続
されている。このIV変換器19は、探針17を試料1
1の表面に対して数nm程度まで近付けた際に、試料1
1と探針17との電位差に応じて流れるトンネル電流を
電圧信号(トンネル電流信号)ITに変換してサーボ回
路20に出力するものである。
サーボ回路20は、ホールド信号発生器(Hold)2
1からのホールドやオンまたはホールド・オフ信号に応
じて、サーボ動作のオン/オフを切り換えることができ
るものである。すなわち、ホールド信号発生器21から
のホールド・オフ信号に応じて、サーボ回路20はサー
ボ動作がオンとなる。そして、上記IV変換器19から
のトンネル電流信号1.を一定に保つためのサーボ電圧
■2を発生し、これを上記Z方向微動機構18に印加す
るようになっている。これにより、上記探針17と試料
11との相互間距離が一定に保たれるようになっている
また、試料11の全体に対してDA変換器14により発
生される所定のトンネルバイアス電圧U8を印加した状
態における、上記サーボ回路20のサーボ電圧■zを、
Zサンプル信号の供給されるタイミングてAD変換器(
ADCI)22が取り込むようになっている。このAD
変換器22は、上記サーボ回路20からのサーボ電圧V
2をデジタル化した後、数値演算処理装置23に出力す
るものである。
このようにして、探針17と試料11との相互間距離が
一定に保たれている状態において、数値演算処理装置2
3内のメモリ(図示していない)にデジタルのサーボ信
号が記憶されることにより、試料11の表面における凹
凸データを検出したことになる。
上記した探針11の位置(測定点)における凹凸データ
の検出が終了すると、ホールド信号発生器21からホー
ルド・オン信号を出力させてサーボ回路20のサーボ動
作をオフさせることにより、探針17と試料11との間
の相対位置を固定させる。そして、試料11の全体に対
して印加されるDA変換器14により発生されるトンネ
ルバイアス電圧UBを変化させた状態における、上記I
■変換器19からのトンネル電流信号1.を、lエサン
プル信号の供給されるタイミングでAD変換器(ADC
2)24が取り込むようになっている。
このAD変換器24は、上記IV変換器19からのトン
ネル電流信号ITをデジタル化した後、数値演算処理装
置23に出力するようになっている。
このようにして、探針17と試料11との間の相対位置
が固定されている状態において、数値演算処理装置23
内のメモリ(図示していない)に、トンネルバイアス電
圧U8を変化させた際のデジタルのトンネル電流データ
が記憶されることにより、試料11に電位勾配を加えて
いないときのトンネル電流電圧特性を検出したことにな
る。
続いて、AD変換器24では、試料11の電極12.1
3に対して、DA変換器15により発生される特定電圧
ΔUのサンプルバイアス電圧UDを印加させ、同じよう
にして得られるトンネル電流信号ITをデジタル化した
後、数値演算処理装置23に出力するようになっている
このようにして、試料11にサンプルバイアス電圧UD
を印加したときのトンネル電流データがメモリ内に記憶
されることにより、電位勾配が存在するときのトンネル
電流電圧特性が検出されたことになる。
こうして、ある測定点に対する凹凸データと2種類のト
ンネル電流電圧特性とが求められると、探針17の位置
を移動させて上記動作を繰り返えすことにより、試料1
1の各測定点における各々のデータがメモリの所定領域
にそれぞれ順に記憶されるようになっている。
数値演算処理装置23は、メモリに記憶された凹凸デー
タを各測定点の座標に対応させてプロットすることによ
り、試料11のSTM像、つまり試料11の表面におけ
る微視的な粗さに関する凹凸情報を得るようになってい
る。
また、数値演算処理装置23では、たとえば各測定点に
おいて求められる2種類のトンネル電流電圧特性の検出
の直後、あるいはすべての測定点に対する2種類のトン
ネル電流電圧特性の検出後に、2種類のトンネル電流電
圧特性を比較し、電位勾配を加えたことによる電圧シフ
ト量を求めることにより、局所的な電位分布に関する情
報を得るようになっている。
さらに、数値演算処理装置23では、電位勾配を加えて
いないときのトンネル電流電圧特性を用いて従来のトン
ネル分光データを求めたり、電位勾配を加えたときのト
ンネル電流電圧特性を局所的な電位分布に関する情報を
用いて校正することにより、電位勾配を加えることによ
って変動した試料11の表面における電子の状態に関す
る情報などを求めるようになっている。
なお、第1図中に示すシーケンス制御装置25は、上記
DA変換器14,15、AD変換器22゜23、および
ホールド信号発生器21などを制御するものである。
第2図は、数値演算処理装置23内に設けられているメ
モリの、各データの記憶形態を概略的に示すものである
すなわち、メモリには、上記した試料11の表面におけ
る凹凸データが記憶される凹凸データ記憶エリア23a
と、試料11に電位勾配を加えていないときのトンネル
電流電圧特性がトンネル電流とバイアス電圧とによる試
料11のI−V特性関数F(UB)として記憶されるF
(Us)データ記憶エリア23bと、電位勾配が存在す
るときのトンネル電流電圧特性がトンネル電流とバイア
ス電圧とによる試料11のI−V特性関数G(Us)と
して記憶されるG(UB)データ記憶エリア23Cとが
設けられている。
第3図は、バイアス電圧合成器16の構成を示すもので
ある。
このバイアス電圧合成器16は、DA変換器15により
発生されるサンプルバイアス電圧U。
を同符号の信号に分配する連動式の可変抵抗16a、1
6b、この可変抵抗16a、16bで分配された信号の
絶対値の和が上記サンプルバイアス電圧UDと等しくな
るような2つの信号U D I +UD2を生成するバ
ッファ16cおよびインバータ16d1上記2つの信号
UDI+  UD、2にそれぞれ上記DA変換器14か
らのトンネルバイアス電圧UBを加算して電極12.1
3への加算信号U、。
U2を生成するための加算器16e、16fにより構成
されている。
次に、第4図を参照して、試料11をP型半導体とした
場合の動作について説明する。
まず、時間T。−T1の間は、たとえば第4図(a)に
示すような電圧UBoのトンネルバイアス電圧U、がD
A変換器14により発生される。また、DA変換器15
からのサンプルバイアス電圧U、は、第4図(b)l:
示すように、0[v]とされている。これにより、第4
図(h)および(i)に示すような印加電圧U1.U2
がバイアス電圧合成器16によって生成され、それぞれ
の電極12.13から試料11の全体に対して印加され
る。
この状態において、0電位の探針17を試料11の表面
に数nm程度まで近付けると、探針17と試料11との
間には電位差USに応じたトンネル電流が流れる。この
トンネル電流は、IV変換器19によって電圧信号(ト
ンネル電流信号)ITに変換された後、サーボ回路20
に供給される。この場合、サーボ回路20には、第4図
(C)に示すように、ホールド信号発生器21からホー
ルト・オフ信号が供給されるようになっている。
このため、サーボ回路20のサーボ動作により、トンネ
ル電流信号ITか一定となるように探針17と試料11
との相互間距離が制御される。すなわち、トンネルバイ
アス電圧UBをトンネル電流か安定して流れるような電
圧UBOとし、サンプルバイアス電圧UDをOとして、
トンネル電流信号工Tを一定に保つためのサーボ電圧v
zをZ方向微動機構18に印加することにより、試料]
1と探針17との距離がサーボ制御される。
そして、試料11と探針17との距離かサーボ制御され
ている状態において、たとえば時間T1の直前において
、第4図(d)に示すZサンプル信号にしたがって、上
記サーボ電圧V7がAD変換器22により取り込まれる
。このAD変換器22に取り込まれたサーボ電圧vZは
デジタルに変換された後、数値演算処理装置23に送ら
れて内部に設けられたメモリの凹凸データ記憶エリア2
3aに記憶される。
こうして、ある測定点についての凹凸データの検出が終
了すると、第4図(c)に示すように、ホールド信号発
生器21からのホールド信号がオンされる。すると、サ
ーボ回路20のサーボ動作がオフされる。これにより、
試料11と探針17との相対位置が固定される。
この状態において、時間T1〜T2の間に、サンプルバ
イアス電圧UDをO[V] としたままで、トンネルバ
イアス電圧UBが第4図(a)に示すように変化される
。そして、トンネルバイアス電圧U8の値を変化させた
ときの、たとえばU BSO〜UBS31の32点につ
いての各トンネルバイアス電圧UBに対するトンネル電
流信号ITか、第4図(e)に示す■Tサンプル信号に
したがってAD変換器24により取り込まれる。このA
D変換器24に取り込まれたトンネル電流信号ITはそ
れぞれにデジタルに変換された後、数値演算処理装置2
3に送られて内部に設けられたメモリのF(UB)デー
タ記憶エリア23bに順に記憶される。すなわち、トン
ネルバイアス電圧U8の値をU 850− U B53
1の範囲で変化させたときの、各電圧U Bso −U
 B531に対する32個のトンネル電流信号エエか、
サンプルバイアス電圧UDをO[V] としたときのト
ンネル電流信号ITのトンネルバイアス電圧UBに対す
る関数Fとして検出される。
このようにして、ある測定点についてのF(U ESO
) 〜F (U B531)の32個のデータサンプリ
ングか行われ、これにより時間T2が経過されると、第
4図(b)に示すように、サンプルノくイアスミ圧UD
が特定電圧ΔUに設定される。このサンプルバイアス電
圧UDは、第4図(f)および(g)に示すように、バ
イアス電圧合成器16によって、探針17の直下におけ
る試料11の電位差USが0 [V]近傍となるような
電圧U Dl+ U D2に分配される。そして、さら
にトンネルバイアス電圧UBと加算されることにより、
第4図(h)および(i)に示すような印加電圧U、、
U2が生成され、それぞれの電極12゜13に印加され
る。
この状態において、時間T3〜T、1の間に、サンプル
バイアス電圧UDを特定電圧ΔUとしたときの電圧勾配
下にて、トンネルバイアス電圧UBを第4図(a)に示
すように変化させたときの、たとえばUBP。〜U B
P3□の32点についての各トンネルバイアス電圧UB
に対するトンネル電流信号ITが、第4図(e)に示す
■Tサンプル信号にしたがってAD変換器24により取
り込まれる。
このAD変換器24に取り込まれたトンネル電流信号I
Tはそれぞれにデジタルに変換された後、数値演算処理
装置23に送られて内部に設けられたメモリのG(Us
)データ記憶エリア23cに順に記憶される。すなわち
、トンネルバイアス電圧UBの値をU Bpo ’= 
U Bp3 、の範囲で変化させたときの、各電圧U 
BPO= U BP3□に対する32個のトンネル電流
信号1.が、サンプルバイアス電圧UDを特定電圧ΔU
としたときのトンネル電流信号ITのトンネルバイアス
電圧U、に対する関数Gとして検出される。
こうして、ある測定点についてのG (UBPO)〜G
(UBP31)の32個のデータサンプリングが行われ
、これにより時間T4が経過されると、第4図(a)に
示すように、トンネルバイアス電圧UBが最初の電圧U
Boに設定され、第4図(bに示すように、サンプルバ
イアス電圧UDが0[Vコに設定し直される。
そして、時間T5に達した時点で、第4図(C:に示す
ように、ホールド信号発生器21からのホールド信号が
再びオフされる。すると、サーボ回路20のサーボ動作
が復活され、この状態にてX−Y方向の位置が変更され
ることにより、探針17はサーボ制御されたまま次の測
定点へ移動される。
以上のようにして、上記した時間To”Tsにおけるシ
ーケンシャル動作を、各測定点において繰り返すことに
より、各測定点についての試料11に対する凹凸データ
と、試料11に電位勾配があるときとないときの局所的
なトンネル電流電圧特性、つまりF(Us)の実測デー
タとG(Ua )の実測データとが得られることになる
ここで、試料11にトンネルバイアス電圧U8が印加さ
れているときの、O電位の探針17に対して試料11の
とる表面電位範囲は、サンプルバイアス電圧UDが0 
[V]の場合、第5図(a)に示す斜線部のようになる
。一方、サンプルバイアス電圧UDが特定電圧ΔUの場
合には、第5図(b)に示す斜線部のようになる。した
がって、サンプルバイアス電圧UDがO[V]のとき、
測定によりメモリの記憶エリア23bに記憶されたF(
Us)データは、第5図(d)に示すように、通常のC
ITS法により得られるトンネル電流電圧特性と同じも
のとなる。すなわち、探針17が0電位であれば、その
直下の試料11の局所電位USによって試料11と探針
17との間のバイアス電圧は上記局所電位USと等しく
なる。
また、電位勾配が加えられていないときのF(Us)デ
ータと、試料11に電位勾配が存在するときのG(U8
)データとを比較すると、F(Us + Us ) =
G (Us )となる。このため、局所電位USが0よ
りも大きいとき(Us>0)、つまり第5図(c)に示
すx1点におけるトンネル電流電圧特性は、第5図(e
)に示すように、第5図(d)に示したF(Us)デー
タを負側に局所電位Us分だけ移動したものとなる。
逆に、局所電位USが0よりも小さいとき(Us<0)
、つまり第5図(C)に示すx2点におけるトンネル電
流電圧特性は、第5図(f)に示すように、第5図(d
)に示したF(UB)データを正側に局所電位Us分だ
け移動したものとなる。
しかるに、このトンネル電流電圧特性についての関数デ
ータG(UB)とF(Us)との、トンネルバイアス電
圧Us方向に対するシフト量を各測定点について求める
ことにより、試料11の局所的な電位分布の状態を求め
ることができる。すなわち、サンプルバイアス電圧UD
が0 [V]のときの、各測定点における32個のF(
Us)データをF(Us)データ記憶エリア23bより
取り出し、数値演算処理装置23を用いて適当な関数に
当てはめるとともに、さらにその関数をトンネルバイア
ス電圧UB方向ヘシフトしてその測定点における32個
のG(Us)データに当てはめる、そのときのトンネル
バイアス電圧UB方向のシフト量がその測定点における
局所電位となる。
したがって、このシフト量を各測定点の座標と対応をと
るようにして表示することにより、電位分布像、つまり
STP像が得られる。
なお、上記数値演算処理装置23にて行う、F(Us)
とG(Ue)との実測データから局所電位を求める作業
を、データ検出のためのシーケンシャル動作と並列に行
うようにして、各測定点におけるデータ検出動作の最中
に1つ手前の測定点でのデータを用いて局所電位の算出
を行うようにすれば、データの検出と同時に局所的な電
位分布に関する情報を入手することが可能である。
また、サンプルバイアス電圧UDが0 [V]のときの
F(Us)データを数値微分したりすることにより、各
測定点における微分コンダクタンスなどのトンネル分光
的なデータ(STS像)を入手することもできる。
さらには、電位勾配が存在しているときのG(UB)デ
ータを、局所的な電位に関する情報により構成し、F(
Us)データとの細かな違いを検出することにより、電
位勾配が加えられることによって変動する試料11の表
面における電子状態に関する情報を得ることもできる。
第6図は、試料11を金属とした場合を例に示すもので
ある。
試料11が金属の場合、トンネル電流信号I工のトンネ
ルバイアス電圧U8に対する依存性、つまりサンプルバ
イアス電圧UDがO[V’lのときのF(UB)データ
は、第6図(a)に示すように、半導体試料の場合とは
異なり、トンネル電流信号I工がO[A] となるトン
ネルバイアス電圧UBの値が判定し易くなる。
また、サンプルバイアス電圧UDが特定電圧ΔUのとき
のG(UB)は、局所電位USが正の場合(U5>0)
には第6図(b)に示すようになり、負の場合(Us<
0)には第6図(c 、’Iに示すようになる。
このように、比較的に単純なトンネル電流電圧特性を示
す試料11の場合、試料11に電位勾配が加えられてい
ない状態、つまりサンプルバイアス電圧UDが0[■]
のときにトンネル電流信号ITが0[A]となるトンネ
ルバイアス電圧UBと、試料11に電位勾配が存在する
ときの状態、つまりサンプルバイアス電圧UDが特定電
圧ΔUのときにトンネル電流信号1.が0[A]となる
トンネルバイアス電圧UBとの差を求めることにより、
試料11の局所的な電位分布に関する情報(STP像)
を得ることができる。
また、トンネル電流電圧特性の全体からは、表面酸化膜
や吸着物の有無による表面の電子状態の変化を検出でき
る。
なお、第10図に示すように、アナログ演算回路26を
設け、このアナログ演算回路26でのアナログ演算によ
ってトンネルバイアス電圧とトンネル電流の変動から微
分コンダクタンスを求め、トンネル分光的なデータを直
接出力するようにしても良い。
上記したように、STMの探針と試料との相対的な位置
を固定した上で、試料に電位勾配がある場合とない場合
との2つの状態におけるトンネル電流のトンネルバイア
ス電圧に対する依存性を、広い電圧範囲について検出で
きるようにしている。
これにより、試料の表面における微視的な粗さに関する
凹凸情報と一緒に、2つの状態におけるトンネル電流電
圧特性を得ることが可能となる。したかって、試料の表
面における凹凸情報の測定とともに、上記2種類のトン
ネル電流電圧特性を解析することにより、試料の局所的
な電位分布に関する情報の測定、さらにはZ方向に対す
る電子の物性のバイアス依存性、つまり電位勾配による
試料表面の局所的な電子状態に関する情報をも測定でき
るようになるものである。
なお、この発明は上記した実施例に限定されるものでは
なく、発明の要旨を変えない範囲において、種々変形実
施可能なことは勿論である。
[発明の効果] 以上、詳述したようにこの発明によれば、試料表面の二
次元的データである凹凸情報、局所的な電子状態に関す
る情報、および局所的な電位分布に関する情報を得るた
めの各々のデータを、別々の探針走査では得られない半
導体プロセスによって生成されるパターンサイズから原
子オーダにいたる試料の表面形状や物性データと関連性
をともなって測定することができ、−度の探針走査によ
って、試料の表面における凹凸情報、局所的な電子状態
に関する情報、および局所的な電位分布に関する情報を
究極的には原子サイズレベルの分解能で得ることが可能
な走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装置およびそ
のデータ検出方式を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す走査型トンネルポテ
ンシャル分光顕微鏡装置のブロック図、第2図はメモリ
におけるデータの記憶エリアの形態を概略的に示す図、
第3図はバイアス電圧合成器の一例を示す構成図、第4
図は動作を説明するために示すタイミングチャート、第
5図はP型半導体試料を例に動作を説明するために示す
図、第6図は金属試料を例に動作を説明するために示す
図、第7図ないし第9図は従来技術とその問題点を説明
するために示すもので、第7図はCITS法によるST
Sの構成を示すブロック図、第8図は同じ< STSの
動作を説明するために示すタイミングチャート、第9図
は時分割法によるSTPの基本構成を示す図、第10図
はアナログ演算手段を備えた走査型トンネルポテンシャ
ル分光顕微鏡装置のブロック図である。 11・・・試料、12.13・・・電極、14・・・D
A変換器(トンネルバイアス電圧発生手段)、15・・
・DA変換器(サンプルバイアス電圧発生手段)、16
・・・バイアス電圧合成器、17・・・探針、18・・
・Z方向微動機構、19・・・IV変換器(トンネル電
流検出手段)、20・・・サーボ回路(サーボ制御手段
)、21・・・ホールド信号発生器、22・・・AD変
換器(サーボ信号検出手段)、23・・・数値演算処理
装W(演算手段)、24・・・AD変換器(第1゜第2
のトンネル電流検出手段)、25・・・シーケンス制御
装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)3次元方向に移動自在に保持された金属探針と、 この探針と試料との間にトンネル電流を生じさせるため
    のトンネルバイアス電圧を発生するトンネルバイアス電
    圧発生手段と、 前記試料に電位勾配を持たせるためのサンプルバイアス
    電圧を発生するサンプルバイアス電圧発生手段と、 前記トンネルバイアス電圧発生手段で発生されるトンネ
    ルバイアス電圧を前記試料に印加することにより、前記
    探針と試料との間に流れるトンネル電流を検出するトン
    ネル電流検出手段と、このトンネル電流検出手段で検出
    されたトンネル電流を一定に保つように、前記探針と試
    料との相互間距離をサーボ制御するサーボ制御手段と、
    このサーボ制御手段の制御量から、前記試料の表面にお
    ける凹凸情報を得るためのサーボ信号を検出するサーボ
    信号検出手段と、 前記サーボ制御手段によるサーボ制御をオフして前記探
    針と試料との相互間距離を固定した状態において、前記
    試料に印加される前記トンネルバイアス電圧発生手段で
    発生されるトンネルバイアス電圧を変化させた際に、前
    記トンネル電流検出手段により検出されるトンネル電流
    を所定のサンプリング信号を用いて抽出することにより
    、前記試料に電位勾配が加えられていないときのトンネ
    ル電流データを検出する第1のトンネル電流データ検出
    手段と、 さらに、前記サンプルバイアス電圧発生手段で発生され
    るサンプルバイアス電圧を前記試料に対して印加した状
    態において、前記試料に印加される前記トンネルバイア
    ス電圧発生手段で発生されるトンネルバイアス電圧を変
    化させた際に、前記トンネル電流検出手段により検出さ
    れるトンネル電流を所定のサンプリング信号を用いて抽
    出することにより、前記試料に電位勾配が存在するとき
    のトンネル電流データを検出する第2のトンネル電流デ
    ータ検出手段と、 前記サーボ信号検出手段によって検出されたサーボ信号
    、前記第1のトンネル電流データ検出手段によって検出
    された第1のトンネル電流データ、および第2のトンネ
    ル電流データ検出手段によって検出された第2のトンネ
    ル電流データを記憶する記憶手段と、 この記憶手段に記憶された前記サーボ信号および第1、
    第2のトンネル電流データを用いて、前記試料の表面に
    おける凹凸情報、前記試料の局所的な電子状態に関する
    情報、および前記試料の局所的な電位分布に関する情報
    を得る演算手段とを具備したことを特徴とする走査型ト
    ンネルポテンシャル分光顕微鏡装置。
  2. (2)前記演算手段は、前記トンネルバイアス電圧と第
    1、第2のトンネル電流データとをアナログ的に処理し
    て、微分コンダクタンスなどの分光的なデータを実時間
    で出力するアナログ演算手段を備えることを特徴とする
    請求項(1)記載の走査型トンネルポテンシャル分光顕
    微鏡装置。
  3. (3)前記サーボ制御手段は、数値演算処理装置を用い
    た制御機構によって構成されることを特徴とする請求項
    (1)記載の走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装
    置。
  4. (4)探針を試料に近付け、前記試料に所定のトンネル
    バイアス電圧を印加することにより前記試料と探針との
    間に流れるトンネル電流が一定となるように、前記探針
    と試料との相互間距離をサーボ制御した状態において、
    前記試料の所定位置における前記サーボ制御量に対応す
    るサーボ信号を検出して記憶する第1の工程と、 その位置でサーボ動作を停止させ、前記試料と探針との
    相対的位置を固定した状態において、前記試料に印加さ
    れるトンネルバイアス電圧を変化させることにより得ら
    れるトンネル電流の変位を所定のサンプリング信号を用
    いてデジタル化し、このデジタル値を第1のトンネル電
    流データとして記憶する第2の工程と、 さらに、前記試料に電位勾配を生じさせるためのサンプ
    ルバイアス電圧を印加した状態において、前記試料に印
    加されるトンネルバイアス電圧を変化させることにより
    得られるトンネル電流の変位を所定のサンプリング信号
    を用いてデジタル化し、このデジタル値を第2のトンネ
    ル電流データとして記憶する第3の工程と、 再びサーボ動作を開始するとともに、前記第1、第2、
    第3の工程によって得られたサーボ信号および第1、第
    2のトンネル電流データから、前記試料の表面における
    凹凸情報、前記試料の局所的な電子状態に関する情報、
    および前記試料の局所的な電位分布に関する情報を求め
    る第4の工程とを具備したことを特徴とする走査型トン
    ネルポテンシャル分光顕微鏡装置のデータ検出方式。
JP33285889A 1989-09-28 1989-12-25 走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装置およびそのデータ検出方式 Pending JPH03194402A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33285889A JPH03194402A (ja) 1989-12-25 1989-12-25 走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装置およびそのデータ検出方式
US07/585,880 US5185572A (en) 1989-09-28 1990-09-20 Scanning tunneling potentio-spectroscopic microscope and a data detecting method
DE69026180T DE69026180T2 (de) 1989-09-28 1990-09-26 Potentiospektroskopisches Rastertunnelmikroskop und Datenerfassungsmethode
EP90118507A EP0422449B1 (en) 1989-09-28 1990-09-26 A scanning tunneling potentiospectroscopic microscope and a data detecting method
US07/977,572 US5378983A (en) 1989-09-28 1992-11-17 Scanning tunneling potentio-spectroscopic microscope and a data detecting method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33285889A JPH03194402A (ja) 1989-12-25 1989-12-25 走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装置およびそのデータ検出方式

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH03194402A true JPH03194402A (ja) 1991-08-26

Family

ID=18259593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33285889A Pending JPH03194402A (ja) 1989-09-28 1989-12-25 走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装置およびそのデータ検出方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH03194402A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2936545B2 (ja) 走査プローブ顕微鏡
US5414260A (en) Scanning probe microscope and method of observing samples by using the same
Langkat et al. Determination of site specific interatomic forces between an iron coated tip and the NiO (0 0 1) surface by force field spectroscopy
JP2916167B2 (ja) 走査型分光顕微鏡及び走査型分光情報検出方法
Pelz et al. Extremely low‐noise potentiometry with a scanning tunneling microscope
EP0422449B1 (en) A scanning tunneling potentiospectroscopic microscope and a data detecting method
JP2880182B2 (ja) 表面顕微鏡
JP3070216B2 (ja) 表面顕微鏡及び顕微方法
JPH03194402A (ja) 走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡装置およびそのデータ検出方式
JPH0823014A (ja) 信号波形測定装置及び信号波形測定方法
Schneider et al. Local electronic structure at steps on Au (111) investigated by the thermovoltage in scanning tunneling microscopy.
JP3085960B2 (ja) 走査型トンネルポテンシャル分光顕微鏡及び走査型トンネルポテンシャル分光情報検出方式
JPH06258014A (ja) 走査型プローブ顕微鏡、およびそれを用いた記録装置および/または再生装置
JP3121619B2 (ja) 走査型トンネル顕微鏡の画像処理方法
JP3115021B2 (ja) 原子間力顕微鏡/走査型トンネル顕微鏡およびその制御方法
JP4461257B2 (ja) 電子放出分布測定装置
JPH09166603A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP3207994B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡、およびそれを用いた情報記録再生装置
JPH07103709A (ja) 走査型トンネル顕微鏡
Cole Jr et al. Time‐resolved capacitive coupling voltage contrast—a new voltage measurement technique for passivated devices
Chakrabarti Study of Dielectric Degradation Using Self-Sensing and Optical Conductive Probes
JPH088406Y2 (ja) 走査型トンネル顕微鏡用電圧検出器
JPH0312504A (ja) 走査型トンネル顕微鏡の制御方式
JPH0712825A (ja) 走査型プローブ顕微鏡およびその制御方法およびプローブ
JPH0342563A (ja) 半導体評価装置