JPH09166603A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH09166603A
JPH09166603A JP32897095A JP32897095A JPH09166603A JP H09166603 A JPH09166603 A JP H09166603A JP 32897095 A JP32897095 A JP 32897095A JP 32897095 A JP32897095 A JP 32897095A JP H09166603 A JPH09166603 A JP H09166603A
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sample
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tunnel current
signal
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JP32897095A
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Nobuaki Sakai
信明 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】探針と試料の相互間距離が一定に保たれた状態
で測定できるSTSおよびSTPを提供する。 【解決手段】カンチレバー302は、先端の探針303
が金属探針301より下に位置するように、保持台30
0に片持支持されている。カンチレバー302の変位を
検出するZ変位センサー304が保持台300に固定さ
れている。I/V変換器311は、金属探針301に流
れるトンネル電流の信号を検出する。数値演算処理装置
313は、ADC312からのトンネル電流データに対
して所定の演算を行ない分光データを求める。メモリー
回路605は、探針試料間距離が所望値にある時のカン
チレバー変位データを一時的に記憶する。サーボ回路3
06は、トンネル電流信号IT またはカンチレバー変位
信号ΔZがサーボ基準信号S1 またはS2 と一致するよ
うに、圧電素子305をフィードバック制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型トンネル顕
微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)などの走査
型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭62−130302号公報におけ
る「サンプル表面の像を形成する方法及び装置」のよう
に、走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡
(AFM)など、簡単な構成で原子サイズレベルの高い
縦横方向分解能を有する走査型プローブ顕微鏡(SP
M)が提案されている。
【0003】AFMは、STMの発明者であるビニッヒ
(G.Binnig)等によって考案され(Physical Review Le
tters vol.56 p930 1986)、それ以来、新規な絶縁性物
質の表面形状観察手段として期待され、研究が進められ
ている。このAFMでは、探針は柔軟なカンチレバーに
よって支持されている。探針を試料表面に近付けると、
探針先端と試料表面の間に、まずファンデル・ワールス
(Van der waals )相互作用による引力が働き、さらに
原子の結合距離程度まで近付けると、今度はパウリ(Pa
uli )の排他律による斥力が働く。探針先端が原子力間
力を受けると、その大きさに応じてカンチレバーが変位
する。従って、試料表面に対して探針を走査し、その間
の各点におけるカンチレバーの変位量を検出すること
で、試料表面の凹凸像が得られる。
【0004】STMは、探針と試料の間にバイアス電圧
を印加することにより探針と試料の間に流れるトンネル
電流を一定に保ちながら探針を走査し、このときに得ら
れる探針と試料の相互間距離を制御するためのサーボ信
号を求める。この場合、サーボ信号にはSTM情報、つ
まり試料の表面における凹凸情報が反映されている。こ
のため、これを測定点の座標と対応させてプロットする
ことにより、原子的オーダーであるSTM像が得られ
る。
【0005】ところで、トンネル電流には、探針と試料
との相互間距離や、試料の局所的な電子の状態、試料の
局所的な電位が反映されている。このため、通常のST
M像には、試料の表面における微視的な粗さに関する凹
凸情報と、試料の表面における局所的な電位分布に関す
る情報とが含まれている。
【0006】そこで、近年では、トンネル電流から試料
の表面における凹凸情報と表面の電子物性情報とを分離
し、表面の電子の状態に関する情報を抽出する走査トン
ネル分光法(Scanning Tunneling Spectroscopy: ST
S)、さらにはトンネル電流から試料の表面における電
位分布に関する情報を抽出する走査型トンネルポテンシ
オメトリィ(Scanning Tunneling Potentiometry: STP
)が開発されている。
【0007】STSをデジタル的に行なう代表的なもの
として、CITS(Current Imageing Tunneling Spect
roscopy )法がある。このCITS法は、トンネル電流
(IT )のバイアス電圧(VT )に対する依存性から、
試料の表面における電子の局所状態密度の分布を測定し
ようとするものである。CITS法では、トンネルギャ
ップ(試料と探針との相互間距離)およびバリアハイト
が場所によらず一定である場合、微分コンダクタンスが
局所状態密度に比例することを利用している。すなわ
ち、このCITS法では、探針を走査しながら局所的な
電流電圧値を求め、これを場所毎に記憶しておき、後に
数値計算で微分コンダクタンスを求める。
【0008】図4は、CITS法による電流電圧特性の
測定を行なう走査型トンネル分光顕微鏡(STS)の構
成を示すものである。ここで、図5を参照して、STS
の動作について説明する。
【0009】まず、時間t0 〜t1 の間においては、D
A変換器(DAC)100から出力される、図5(d)
に示すようなバイアス電圧VT を直流に変換し、そして
図5(a)に示す如く、ホールド信号発生器(Hol
d)101のサーボ固定信号を切ってサーボ回路102
をサーボ動作させる。これにより、IV変換器103の
出力IT にもとづいて、探針104と試料105との間
に流れるトンネル電流が一定になるように、Z方向微動
制御(Z軸制御)が微動機構106により行なわれる。
【0010】時間t1 になると、図5(b)に示すよう
なSTMサンプリング信号の供給により、AD変換器
(ADC)107において、サーボ回路102の出力で
あるSTMサーボ電圧に対するA/D変換が行なわれ、
内部に記憶される。
【0011】時間t1 〜t4 の間は、図5(a)に示す
ように、サーボ固定信号をオンしてサーボ回路102の
動作を止め、探針104と試料105との相対位置を固
定させる。そして、この間に、図5(d)に示す如く、
DA変換器100から出力されるバイアス電圧VT を変
化させる。さらに、時間t2 〜t3 の間において、図5
(c)に示すタイミングでAD変換器(ADC)108
を動作させることにより、図5(e)に示すように変化
するトンネル電流がデジタル化されて、内部に記憶され
る。
【0012】また、時間t4 までの間に、図5(d)に
示すように、バイアス電圧VT を最初に設定した電圧値
に戻し、時間t4 に達した時点で上記Z軸制御を再開す
るとともに、図示しないXY走査機構を制御して次の測
定点に探針104を移動させる。
【0013】こうして、XY走査電圧の各点において、
図5に示す時間t0 〜t4 の間の時系列にもとづく一連
のシーケンシャル動作を繰り返すことにより、通常の凹
凸データと局所電流電圧特性データとを同時に記憶す
る、つまり微視的な粗さに関する凹凸情報と、局所的な
電子状態に関する情報との測定が同時に行なえる。
【0014】なお、図4に示す数値演算処理装置109
は、電流データに数値演算処理を施して分光データを求
め、局所状態密度を構成するためのものである。図6
は、時分割法を用いたSTP(Phys. Rev. Lett., Vol.
60, p.p.1546-1549, (1988) )について示すものであ
る。
【0015】この図において、探針200に対するフィ
ードバックのオン/オフは、電気信号によって行なわれ
る。すなわち、探針200の電位は0[V]であり、ト
ンネル電流検出器201につながれている。
【0016】一方、試料202は、Si基板上にAuを
60%、Pdを40%の割り合いでスパッタにより付着
させた金属フィルムである。この試料202には、トン
ネルバイアス電圧として方形波203が印加されてい
る。また、試料202の両端には、電源204により数
[V]のサンプルバイアス電圧が印加され、これにより
電位勾配が形成されている。この場合、トンネルバイア
ス電圧が0[V]のときに、探針200の直下に対する
試料202の表面における局所電位が数[μV]程度の
値となるように、可変抵抗器205を用いて試料202
側の接地レベルが調整されるようになっている。
【0017】次に、方形波203の1周期ごとの動作に
ついて説明する。まず、試料202に所定のトンネルバ
イアス電圧が印加されているときに、得られるトンネル
電流を一定とするフィードバックを行なう。そして、こ
のサーボ動作中において、試料202の凹凸データを測
定する。続いて、サーボ動作を止め、トンネルバイアス
電圧を0[V]にし、このときのトンネル電流を測定す
る。この後、再び所定のトンネルバイアス電圧を印加
し、トンネル電流を一定とするフィードバックを行ない
ながら、次の測定点に探針200を移動する。このよう
にして、この一連の動作を繰り返す。
【0018】ここで、金属試料において、微少なトンネ
ルバイアス電圧の範囲ではトンネル電流電圧特性が線形
となることから、試料の局所ポテンシャル電位VS を以
下の式にもとづいて求めることができる。この場合、試
料全体のトンネルバイアス電圧US が0[V]のときの
トンネル電流をI0 とし、上記バイアス電圧US がV
[V]のときのトンネル電流をI1 とすると、試料の局
所ポテンシャル電位VSは、 VS =−I0 R =−I0 V/(I1 −I0 ) となる。なお、Rはトンネル抵抗である。このように、
時分割法を用いたSTPによれば、試料の微視的な粗さ
に関する凹凸情報と、局所的な電位分布に関する情報と
を同時に測定することができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】STSおよびSTP
は、測定の間、探針と試料との相互間距離が一定にある
ことを前提としている。しかしながら、従来のSTSお
よびSTPにおいては、探針あるいは試料を移動させる
手段として圧電体スキャナを用いているため、この圧電
体スキャナのクリープやドリフトの影響によって、探針
と試料との相互間距離が実際には一定に保たれていない
という問題がある。従って、本発明の目的は、探針と試
料の相互間距離が一定に保たれた状態で測定できるST
SおよびSTPを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の走査型
プローブ顕微鏡は、試料面の物理的情報を検出し、その
情報を電気信号に変換し出力する第1のセンサーと、上
記第1のセンサーを保持する保持台と、上記保持台に保
持されるとともに、上記第1のセンサーと試料表面との
相互間距離を検出し、その距離を電気信号に変換し出力
する第2のセンサーと、上記保持台あるいは試料を3次
元方向に移動するための圧電体スキャナと、上記第2の
センサーから出力される電気信号に基づき上記第1のセ
ンサーと試料との相互間距離をサーボ制御するサーボ制
御手段と、上記第1のセンサーから出力される電気信号
に所定の演算を行なうとともに視覚的情報に変換し表示
する情報表示手段とを有することを特徴とする。
【0021】請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡
は、請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
上記第1のセンサーは、上記第1のセンサーと試料表面
との相互間距離を検出し電気信号に変換して出力する検
出手段を備え、上記第1のセンサーから出力する電気信
号に基づき上記第1のセンサーと試料との相互間距離を
サーボ制御する第2のサーボ制御手段と、上記第2のセ
ンサーから出力する電気信号を記憶する記憶手段とを有
しており、測定準備時においては上記第1のセンサーを
用いて上記第1のセンサーと試料との相互間距離を決定
し、測定時においては上記第2のセンサーを用いて測定
準備時に決定された上記第1のセンサーと試料との相互
間距離を保つとともに、第1のセンサーから試料表面の
物理的情報を得ることを特徴とする。
【0022】請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡
は、請求項1または請求項2に記載の走査型プローブ顕
微鏡において、上記第1のセンサーは、探針と、探針に
流れるトンネル電流を電圧に変換する電流電圧変換器と
から構成されたトンネル電流検出手段であり、上記探針
と試料との間にトンネル電流を生じさせるためのトンネ
ルバイアス電圧を印加するトンネルバイアス電圧印加手
段を備えていることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。まず、第一の実施の形
態である走査型分光顕微鏡について図1を用いて説明す
る。
【0024】金属探針301は保持台300に保持され
ている。カンチレバー302は、先端の探針303が金
属探針301よりも下方に位置するように、保持台30
0に片持支持されている。カンチレバー302は、原子
間力等の微小な力に対して大きな変位を得るように、で
きるだけ軽量かつ弾性係数の大きい物質を用いて薄板状
に形成されている。Z変位センサー304は、カンチレ
バー302の上方に位置するように、保持台300に固
定されている。Z変位センサー304は、カンチレバー
302のZ方向の変位を光学的に検出し、その変位に対
応した電気信号(カンチレバー変位信号ΔZ)を出力す
る。圧電素子305は、保持台300をZ方向に移動可
能に支持している。
【0025】試料308は、金属探針301とカンチレ
バー302の下方に配置され、XYステージ310によ
りX方向およびY方向に移動可能となっている。DAC
309はトンネルバイアス電圧VT を出力する。トンネ
ルバイアス電圧VT は、試料308に設けられた電極
(図示せず)に供給される。
【0026】I/V変換器311は、金属探針301に
流れるトンネル電流を電圧に変換し、トンネル電流信号
T として出力する。ADC312は、STSサンプリ
ング信号の供給に応じて、トンネル電流信号IT に対し
てA/D変換を行なう。数値演算処理装置313は、A
DC312の出力であるトンネル電流データに対して所
定の演算処理を行ない分光データを算出する。
【0027】ADC604は、Z変位センサー304か
ら出力されるカンチレバー変位信号ΔZに対してA/D
変換を行ない、カンチレバー変位データを出力する。メ
モリー回路605は、ADC604から出力されるカン
チレバー変位データを一時的に記憶する。DAC601
は、メモリー回路605で記憶されたカンチレバー変位
データに対してD/A変換を行ない、金属探針301と
試料308との相互間距離が所望の距離となるときのカ
ンチレバー302の変位状態を示す信号、すなわちカン
チレバー変位信号ΔZの所望する値を示すサーボ基準信
号S2 を出力する。DAC602は、金属探針301と
試料308との相互間距離が所望の距離となるときのト
ンネル電流信号IT を示す信号、すなわちトンネル電流
信号ITの所望する値を示すサーボ基準信号S1 を出力
する。
【0028】スイッチ回路600は、I/V変換器31
1から出力されるトンネル電流信号IT とZ変位センサ
ー304から出力されるカンチレバー変位信号ΔZの一
方をサーボ回路306に供給する。スイッチ回路603
は、DAC601から出力されるサーボ基準信号S2
DAC602から出力されるサーボ基準信号S1 の一方
をサーボ回路306に供給する。
【0029】サーボ回路306は、スイッチ回路600
を介して供給されるトンネル電流信号IT またはカンチ
レバー変位信号ΔZが、スイッチ回路603を介して供
給されるサーボ基準信号S1 またはS2 と一致するよう
に、圧電素子305に対してフィードバック制御を行な
う。
【0030】次に、この走査型トンネル分光顕微鏡の動
作について説明する。まず、XYステージ310により
試料308を移動させ、測定したい箇所を金属探針30
1の真下に配置する。サーボ切換信号により、スイッチ
回路600をBに設定して、I/V変換器311から出
力されるトンネル電流信号IT を選択するとともに、ス
イッチ回路603をBに設定して、DAC602から出
力されるサーボ基準信号S1 を選択する。
【0031】次に、DAC309から一定のバイアス電
圧VT を試料308に印加する。金属探針301に流れ
るトンネル電流は、I/V変換器311によりトンネル
電流信号IT に変換され、スイッチ回路600を介して
サーボ回路306に供給される。同時にDAC602か
らトンネル電流信号IT の所望とする値を示すサーボ基
準信号S1 を出力する。このサーボ基準信号S1 はスイ
ッチ回路603を介してサーボ回路306に供給され
る。サーボ回路306は、I/V変換器311から出力
されるトンネル電流信号IT を監視しつつ、このトンネ
ル電流信号IT がサーボ基準信号S1 に一致するように
圧電素子305に対して電圧印加を行ない、トンネル電
流信号IT が所望の値になるまで保持台300を試料3
08に近づける。こうして金属探針301と試料308
との相互間距離が所望の距離になる。
【0032】金属探針301と試料308との相互間距
離が所望の距離になるとカンチレバー302は試料30
8に接触し変位する。Z変位センサー304は、カンチ
レバー302の変位を検出し、それを示すカンチレバー
変位信号ΔZをADC604に出力する。ADC604
はカンチレバー変位信号ΔZに対してA/D変換を行な
い、その変換データであるカンチレバー変位データをメ
モリー回路605に出力する。メモリー回路605では
カンチレバー変位データを一時的に記憶するとともに、
そのデータをDAC601に出力する。DAC601
は、メモリー回路605から出力されるカンチレバー変
位データに対してD/A変換を行ない、その変換信号を
スイッチ回路603に出力する。DAC601から出力
される変換信号は、金属探針301と試料308との相
互間距離が所望の距離になったときのカンチレバー30
2の変位を示しており、次に説明するカンチレバー変位
信号ΔZに基づくサーボ制御のサーボ基準信号S2 とな
る。
【0033】次に、サーボ切換信号により、スイッチ回
路600をAに設定し、Z変位センサー304から出力
されるカンチレバー変位信号ΔZを選択するとともに、
スイッチ回路603をAに設定し、DAC601から出
力されるサーボ基準信号S2を選択する。これにより、
サーボ回路306には、Z変位センサー304から出力
されるカンチレバー変位信号ΔZと、DAC601から
出力されるサーボ基準信号S2 が供給される。サーボ回
路306は、Z変位センサー304から出力されるカン
チレバー変位信号ΔZが常にサーボ基準信号S2 に一致
するように、圧電素子305に対して電圧印加を行な
う。こうして金属探針301と試料308との相互間距
離は所望の距離に保たれる。
【0034】次に、DAC309から図5(d)にt1
〜t4 の間に示される波形のバイアス電圧VT を試料3
08に対して出力する。このとき金属探針301に流れ
るトンネル電流はI/V変換器311により図5(e)
に示されるトンネル電流信号IT に変換され、ADC3
12に出力される。ADC312は、図5(c)に示す
STSサンプリング信号の供給に応じてトンネル電流信
号IT をトンネル電流データに変換し、数値演算処理装
置313に出力する。数値演算処理装置313はこのト
ンネル電流データに対して所定の演算処理を行ない分光
データを求める。
【0035】この走査型トンネル分光顕微鏡では、所望
する金属探針301と試料308との相互間距離を金属
探針301に流れるトンネル電流に基づいて決定し、そ
の状態をAFMセンサー(カンチレバー302とZ変位
センサー304)を用いて保持しているため、金属探針
301とカンチレバー302の探針303のZ方向の相
対位置関係が正確に分かっていない場合でも有効であ
る。
【0036】なお、この走査型トンネル分光顕微鏡で
は、カンチレバー302を試料308近づけて変位さ
せ、その変位に基づいて金属探針301と試料308と
の相互間距離を決定しているが、カンチレバー302を
変位させるための試料として、STS測定用の試料30
8を用いずに、図2に示すように、XYステージに設け
た試料台400上に保持したダミー試料401を用いて
も構わない。
【0037】次に、第二の実施の形態である走査型トン
ネル分光顕微鏡について図3を用いて説明する。前述の
第一の実施の形態の走査型トンネル分光顕微鏡において
既に説明した部材と同等の部材は同じ参照符号で示し、
その詳しい説明は省略する。
【0038】ダミー試料401は導電体であり、XYス
テージ301に設けられた試料台400の上に保持され
ている。トンネルバイアス電圧は、ダミー試料401に
設けられた電極(図示せず)に供給される。
【0039】金属探針501は保持台500に保持さ
れ、ダミー試料401の上方に配置されている。I/V
変換器503は、ダミー試料401にトンネルバイアス
電圧VT2を印加することにより金属探針501に流れる
トンネル電流を電圧に変換し、トンネル電流信号IT2
して出力する。
【0040】サーボ回路504は、I/V変換器503
の出力であるトンネル電流信号I
T2が所望の値となるように、すなわち金属探針301
と試料308との相互間距離が所望の距離となるように
圧電素子305に対してフィードバック制御を行なう。
DAC505は、I/V変換器503の出力であるトン
ネル電流信号I T2の所望の値を示すサーボ基準信号を
サーボ回路504に供給する。
【0041】次に、この走査型トンネル分光顕微鏡の動
作について説明する。まず、XYステージ310により
試料308を移動させて、試料308の測定したい箇所
を金属探針301の真下に配置する。DAC502から
一定のバイアス電圧VT2をダミー試料401に対して出
力する。このとき、金属探針501にはトンネル電流が
流れ、このトンネル電流はI/V変換器503によりト
ンネル電流信号IT2に変換されサーボ回路504に供給
される。
【0042】次に、DAC505から、トンネル電流信
号IT2の所望の値を示すサーボ基準信号をサーボ回路5
04に対して出力する。サーボ回路504はトンネル電
流信号IT2を監視しつつ、このトンネル電流信号IT2
サーボ基準信号と一致するよう圧電素子305に対して
電圧印加を行ない、トンネル電流信号IT2が所望の値に
なるように試料308に対する保持台500の位置を調
整する。こうして金属探針301と試料308との相互
間距離が所望の距離となり、その状態が一定に保たれ
る。
【0043】次に、DAC309から図5(d)にt1
〜t4 の間に示される波形のバイアス電圧VT を試料3
08に対して出力する。このとき金属探針301にはト
ンネル電流が流れる。このトンネル電流はI/V変換器
311により図5(e)に示されるトンネル電流信号I
T に変換され、ADC312に出力される。ADC31
2では、図5(c)に示されるSTSサンプリング信号
の供給に応じてトンネル電流信号IT をトンネル電流デ
ータに変換し、数値演算処理装置313に出力する。数
値演算処理装置313ではこのトンネル電流データに対
して所定の演算処理を行ない分光データを求める。
【0044】この走査型トンネル分光顕微鏡では、所望
とする金属探針301と試料308との相互間距離をS
TMセンサー(探針501とI/V変換器503とDA
C502)に基づいて決定しているため、金属探針30
1と金属探針501のZ方向の相対的位置関係が正確に
分かっている場合に限り有効である。
【0045】上に述べた実施の形態では、第2のセンサ
ーとして、AFMセンサーあるいはSTMセンサーを用
いているが、他のセンサー、例えば静電容量センサーを
用いてもよい。
【0046】また、実施の形態では、本発明を走査型ト
ンネル分光顕微鏡(STS)に適用した例について説明
したが、走査型トンネルポテンシオメトリィ(STP)
に適用してもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、測定中も探針と試料と
の相互間距離をサーボ制御するので、圧電体スキャナの
クリープやドリフトに影響されないSTSおよびSTP
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の走査型トンネル分
光顕微鏡の構成を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態の走査型トンネル分
光顕微鏡の変形例の構成を示す図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態の走査型トンネル分
光顕微鏡の構成を示す図である。
【図4】従来の走査型トンネル分光顕微鏡の構成を示す
図である。
【図5】図4の走査型トンネル分光顕微鏡の測定動作を
説明するためのタイムチャートである。
【図6】従来の時分割法を用いた走査型トンネルポテン
シオメトリィの構成を示す図である。
【符号の説明】
300…保持台、301…金属探針、302…カンチレ
バー、303…探針、304…Z変位センサー、305
…圧電素子、306…サーボ回路、310…XYステー
ジ、313…数値演算処理装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料面の物理的情報を検出し、その情報
    を電気信号に変換し出力する第1のセンサーと、 上記第1のセンサーを保持する保持台と、 上記保持台に保持されるとともに、上記第1のセンサー
    と試料表面との相互間距離を検出し、その距離を電気信
    号に変換し出力する第2のセンサーと、 上記保持台あるいは試料を3次元方向に移動するための
    圧電体スキャナと、 上記第2のセンサーから出力される電気信号に基づき上
    記第1のセンサーと試料との相互間距離をサーボ制御す
    るサーボ制御手段と、 上記第1のセンサーから出力される電気信号に所定の演
    算を行なうとともに視覚的情報に変換し表示する情報表
    示手段とを有することを特徴とする走査型プローブ顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】 上記第1のセンサーは、上記第1のセン
    サーと試料表面との相互間距離を検出し電気信号に変換
    して出力する検出手段を備え、 上記第1のセンサーから出力する電気信号に基づき上記
    第1のセンサーと試料との相互間距離をサーボ制御する
    第2のサーボ制御手段と、 上記第2のセンサーから出力する電気信号を記憶する記
    憶手段とを有し、 測定準備時において上記第1のセンサーを用いて上記第
    1のセンサーと試料との相互間距離を決定し、測定時に
    おいては上記第2のセンサーを用いて測定準備時に決定
    された上記第1のセンサーと試料との相互間距離を保つ
    とともに、第1のセンサーから試料表面の物理的情報を
    得ることを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕
    微鏡。
  3. 【請求項3】 上記第1のセンサーは、探針と、探針に
    流れるトンネル電流を電圧に変換する電流電圧変換器と
    から構成されたトンネル電流検出手段であり、 上記探針と試料との間にトンネル電流を生じさせるため
    のトンネルバイアス電圧を印加するトンネルバイアス電
    圧印加手段を備えていることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
JP32897095A 1995-12-07 1995-12-18 走査型プローブ顕微鏡 Withdrawn JPH09166603A (ja)

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US08/757,131 US5929643A (en) 1995-12-07 1996-12-03 Scanning probe microscope for measuring the electrical properties of the surface of an electrically conductive sample

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6745618B2 (en) 2001-12-25 2004-06-08 Renesas Technology Corp. Scanning probe microscope
JP2009036528A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Shimadzu Corp 表面物性の測定方法及び微細加工方法

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