JPH05332712A - トラップサイト検出顕微鏡 - Google Patents

トラップサイト検出顕微鏡

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JPH05332712A
JPH05332712A JP13531792A JP13531792A JPH05332712A JP H05332712 A JPH05332712 A JP H05332712A JP 13531792 A JP13531792 A JP 13531792A JP 13531792 A JP13531792 A JP 13531792A JP H05332712 A JPH05332712 A JP H05332712A
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signal
trap
tunnel current
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JP13531792A
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Akira Yagi
明 八木
Takao Okada
孝夫 岡田
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Olympus Corp
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】試料表面の凹凸と同時に電荷トラップの分布を
得ることのできるトラップサイト検出顕微鏡を提供す
る。 【構成】導電性の探針1aを自由端に有し、この探針1
aが原子間力を受けた際に弾性変形するカンチレバー1
と、探針1aの変位を測定する光学変位計3と、探針1
aを試料2の表面に沿って走査させる圧電アクチュエー
ター6と、探針試料間距離を一定に保つように制御する
サーボ回路4と、探針1aと試料2の間にバイアス電圧
を印加するバイアス電圧発生器5と、探針試料間に流れ
るトンネル電流を検出する電流検出器7と、トンネル電
流からトラップサイトに起因する電流成分を検出するト
ラップサイト検出器8と、サーボ回路4からの信号に基
づいて試料表面の画像を形成するとともに、トラップサ
イト検出器8からの信号に基づいてトラップサイトの分
布を得るデータ収集装置10を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、探針を試料に近接させ
て走査し、試料の微視的な表面情報を得る走査型プロー
ブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡は、試料の表面に
沿って探針を走査して試料表面の像を得る装置で、走査
型トンネル顕微鏡(Scannig Tunnelin
g Microscope:STM)や原子間力顕微鏡
(Atomic ForceMicroscope: A
FM)等がある。
【0003】STMは、1982年にビニッヒ(Bin
ng)やローラー(Rohrer)らによってUSP
4,343,993号において提案された微細表面形状
計測装置であり、導電性試料の表面形状を原子レベルの
分解能で測定できる装置として知られている。
【0004】鋭く尖った導電性の探針を導電性試料の表
面に数nm程度の距離まで近付け、探針と試料との間に
バイアス電圧を印加すると試料−探針間にトンネル電流
が流れる。このトンネル電流は次の(1)式で示され
る。 IT =B(VT )exp{−A(φ)1/2 S} (1)
【0005】ここでIT はトンネル電流、VT はバイア
ス電圧、B(VT )はバイアス電圧に依存する係数、A
は約10.25(nm(eV)1/2 -1の数係数、φは
バリアハイト、Sは探針−試料間距離である。清浄な金
属表面のバリアハイトφは約1〜5eVであるから、探
針−試料間距離が0.1nm変化するとトンネル電流I
T は1桁程度変化することが(1)式から分かる。試料
を観察する際、探針は圧電体などの微動素子を用いて試
料表面(xy平面)に沿って走査(例えばラスター走
査)される。走査の間、探針−試料間距離Sはトンネル
電流を一定に保つように0.1nm以下の精度で制御さ
れ、圧電体などの微動素子により試料表面に垂直な方向
(z方向)に探針または試料が相対移動される。この結
果、探針の先端は試料表面から一定の距離だけ離れて試
料の表面形状を反映した曲面上をトレースする。従っ
て、探針先端のxy平面上の位置と同時にz方向の位置
を圧電体に印加した電圧から求めて記録することによ
り、試料表面の微細な凹凸を示すSTM像が得られる。
【0006】STMで観察できる試料は基本的には導電
性のものに限られるが、金属や半導体等の試料上に酸化
膜が存在しても、その厚さが高々数nm程度である場合
には、バイアス電圧の値を酸化膜の膜質に応じて適当に
選ぶことにより、トンネル電流を流すことができる。つ
まりSTMは、薄い酸化膜で覆われた導電性試料に対し
ても表面の凹凸を測定することができる。酸化膜中ある
いは酸化膜表面近傍に電荷のトラップが存在する場合に
は、トラップが占有されているかいないかによって試料
と探針の間の電気的な障壁の状態が変わる。この変化を
検出することにより、電荷トラップの位置を記録したS
TM像を得るいくつかの提案がある。
【0007】その一つは、「M.E. Welland
et al.,Appl.Phys.Lett.4
8,p724〜p726(1986)」に開示されてい
る。同文献によると、Si表面においてトンネル電流を
一定に保つサーボ制御を行ないながらトンネル電流をモ
ニターすると、酸化膜中のトラップサイト上では、トラ
ップが占有されているかいないかに応じて、図6(a)
に示すように、トンネル電流IT はサーボ動作の設定値
を中心として二つの値の間でデジタル的に振動する。こ
のときのフィードバック電圧ZTIP は図6(b)に示さ
れる。STMの走査の各点P1 〜P4 において、図6
(c)に示すサンプリングタイミングでトンネル電流I
T とフィードバック電圧ZTIP を10点づつサンプリン
グし、図6(d)に示されるトンネル電流の範囲と、図
6(e)に示されるサーボ電圧を計算する。この様にし
て、サーボの周波数より早いトンネル電流の振動がおき
ている場所とその信号強度の分布像を得る。そして、図
6(d)の信号を探針の走査に同期させて記録した像に
おいては、局所的に信号強度の差が大きくなっている位
置(例えば点P1 あるいはP4 )に電荷トラップが存在
している。
【0008】また別の提案の一つが、「R.Garci
a Cantu et al.,J.Vac.Sci.
Technol.B9,p670〜p672(199
1)」に開示されている。銅の酸化膜の場合には、探針
に負のバイアス電圧を0.1V〜0.9Vの範囲、4.
3kHzの走査周波数で印加し、トンネル電流を0.1
5nAで制御すると、試料表面のトラップサイトの位置
で、導電性の急激な変化に応じて図7(a)に示される
トンネル電流IT が観測される。このグラフの横軸は時
間軸である。トラップ位置でのトンネル電流波形の正の
パルスに注目し、図7(b)に示すトンネル電流IT
整流した信号ITpeak を得る。これに、図7(c)に示
す凹凸信号Zを加算し、図7(d)に示す信号IT +I
Tpeak を得る。この信号IT +ITpeak と凹凸信号Zを
探針の走査信号に同期して記録することにより、凹凸像
と同時に、凹凸像の中にトラップサイトの位置のパルス
が書き込まれた像が得られる。
【0009】またAFMは、特開昭62−130302
号公報等に記載されているように、探針先端にある原子
と試料表面にある原子との間に働く力に応じて変化する
カンチレバーのたわみ量を検出し、その信号を一定に保
つように探針試料間距離を制御しながら走査を行ない、
試料の表面形状を原子レベルの分解能で示す画像を得る
装置である。AFMでは、試料の観察は探針先端と試料
表面の間に発生する力に基づいて行なわれるため、ST
Mのように導電性の試料に限ることなく、絶縁性の試料
も観察することができる。
【0010】本発明者らは、走査型プローブ顕微鏡にお
いて、導電性の探針と試料との間にバイアス電圧を印加
し、探針の変位量とトンネル電流の変動量とを同時に測
定して、試料の凹凸と導電性を同時に検出できる装置を
特願平02−079567号の中において提案してい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】STMで酸化膜表面を
測定する場合、試料の酸化膜を介して安定にトンネル電
流が流れ、しかも探針が酸化膜表面に衝突することのな
いように、バイアス電圧の値を調節する必要がある。ト
ンネル電流が安定して流れるバイアス電圧は酸化膜の膜
質によって異なるため、バイアス電圧をある一定値に設
定していると、走査中の探針が酸化膜の膜質が異なる箇
所にさしかかったときに、探針が試料に衝突してしまう
ことがある。また酸化膜の膜厚が厚くなった場合にも、
トンネル電流を一定に保つために、探針が酸化膜に押し
付けられて破損するということもある。
【0012】一方、本発明者らが提案しているAFM/
STMでは、試料表面の凹凸と試料表面の導電性の分布
が同時に測定できるが、酸化膜中のトラップを検知した
際に流れる電流は時間スケールで数百nsecであるた
め、通常のサンプリング速度(例えば200msec/
256data=400μsec)ではこの突発的に流
れる電流を検出し記録しておくことができない。また、
AFM制御の下で流れるトンネル電流の強度は試料上の
酸化膜の膜厚に強く依存するため、電流強度のみでトラ
ップサイトに固有の信号を捉えることは困難である。
【0013】本発明は、酸化膜等で覆われた金属や半導
体の界面に存在する電荷トラップ等の局所的な分布を、
試料表面の凹凸と同時に得ることのできる新規な走査型
プローブ顕微鏡すなわちトラップサイト検出顕微鏡の提
供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は試料の表面形状
の画像と共に電荷トラップの分布を得ることのできる走
査型プローブ顕微鏡すなわちトラップサイト検出顕微鏡
であり、試料の表面の近傍に原子間力の発生する距離で
支持される導伝性の深針と、この探針を自由端に備えて
いて探針が原子間力を受けた際に弾性変形するカンチレ
バーと、カンチレバーの自由端の変位を測定する変位測
定手段と、探針を試料の表面に沿って走査させる走査手
段と、カンチレバーの自由端の変位を一定に保つように
探針と試料の間隔をサーボ制御するサーボ手段と、走査
手段とサーボ手段からの信号に基づいて試料表面の画像
を形成する画像形成手段と、探針と試料の間にトンネル
電流が流れるように探針と試料との間にバイアス電圧を
印加する電圧印加手段と、探針と試料との間に流れるト
ンネル電流を検出する電流検出手段と、トンネル電流か
らトラップサイトに起因する電流成分を検出するトラッ
プサイト検出手段と、トラップサイト検出手段と走査手
段からの信号に基づいてトラップサイトの分布を得る分
布調査手段とを備えている。
【0015】
【作用】探針は、例えばXY走査信号発生器と圧電アク
チュエーターで構成される走査手段により試料の表面
(XY面)に沿って走査される。走査の間、カンチレバ
ーは探針先端と試料表面の間に働く原子間力の大きさに
応じて弾性変形し、その自由端の変位量は光学変位計等
の変位検出手段によって検出される。変位検出手段の出
力する変位信号は試料探針間に働く力を示し、この変位
信号を一定値に保つように、例えばサーボ回路と圧電ア
クチュエーターで構成されるサーボ制御手段が試料の表
面に垂直な方向(Z方向)の位置を制御する。これによ
り探針先端と試料表面との間に働く原子間力が一定に保
たれる。従って、サーボ回路が圧電アクチュエーターに
供給するサーボ信号は試料の表面の形状を示す情報とな
る。画像形成手段は、このサーボ信号を、XY走査信号
発生器が圧電アクチュエーターに供給する走査信号に同
期させて処理することにより試料表面の画像を得る。
【0016】また、探針と試料の間には電圧印加手段に
よりバイアス電圧が印加される。これにより探針と試料
との間にはトンネル電流が流れ、これは電流検出手段に
より検出される。このトンネル電流はトラップサイト検
出手段に入力され、トラップサイト検出手段はトンネル
電流からトラップサイトに固有の電流成分を抽出し、ト
ラップサイトの有無を示す信号を出力する。分布調査手
段は、この信号を走査信号に同期させて処理することに
よりトラップサイトの分布を得る。このトラップサイト
の分布は試料表面の画像に対応させて一緒に表示あるい
は記録される。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。
【0018】本実施例のトラップサイト検出顕微鏡装置
の構成を図1に示す。試料2は円筒型の圧電アクチュエ
ーター6の上に載置される。圧電アクチュエーター6は
入力信号に応じて試料2を三次元方向に移動させる。試
料2の上方には、カンチレバー1の自由端部に取り付け
られた導電性の探針1aが試料表面に対向するように支
持されている。カンチレバー1は、探針先端と試料表面
との間に原子間力が発生した際に弾性変形し、その自由
端部の変位は光学変位計3により検出される。光学変位
計3はカンチレバー1の自由端部の変位に応じた信号を
出力し、この信号はサーボ回路4に入力される。サーボ
回路4は、この入力信号を一定に保つように圧電アクチ
ュエーター6を駆動するためのサーボ信号すなわちZ信
号を出力する。このZ信号は、圧電アクチュエーター6
に供給されると共にデータ収集装置10に入力される。
また、圧電アクチュエーター6にはZ信号の他に、探針
1aが試料2の表面を走査するように、探針1aに対し
て試料2をXY方向に移動させるためのX信号とY信号
がXY走査信号発生器9から供給される。また、試料2
はバイアス電圧発生器5に接続されていて、バイアス電
圧が印加される。これにより探針1aと試料2との間に
トンネル電流が流れる。このトンネル電流は導電性のカ
ンチレバー1を介して電流検出器7に流れ込み、電流検
出器7はトンネル電流を検出し、これに対応したトンネ
ル電流信号をトラップ検出器8に出力する。トラップ検
出器8は、トンネル電流信号からトラップサイトの位置
を検出し、その結果をデータ収集装置10に出力する。
【0019】次に、試料2の表面の凹凸情報を得る動作
について説明する。探針1aの先端と試料2の表面の間
隔が1nm程度以下になると両者の間に原子間力が発生
する。これによりカンチレバー1は弾性変形し、その自
由端部は原子間力の大きさに応じた量だけ変位する。こ
の自由端部の変位すなわち探針1aの変位は光学変位計
3で検出され、その変位信号はサーボ回路4に入力され
る。サーボ回路4は、この変位信号を一定に保つように
圧電アクチュエーター6を駆動して、試料2のZ方向の
位置を調整する。これにより、探針1aが試料2の表面
に沿って走査される間、探針1aの先端と試料2の表面
との間隔は一定に保たれる。この結果、探針先端は試料
表面から一定距離離れた試料表面に平行な曲面上を移動
する。すなわち、サーボ回路4の出力するZ信号は試料
表面の凹凸の情報を含んだ信号となる。このZ信号はデ
ータ収集装置10に取り込まれ、同期信号に同期させて
処理され、試料表面の凹凸像が形成される。
【0020】続いて、試料表面のトラップサイトの検出
について説明する。試料2にはバイアス電圧発生器5か
ら負のバイアス電圧VT が印加される。いっぽう探針1
aは、0電位のトンネル電流検出器7に接続されている
ため、試料2に対して−VTのポテンシャルを持つ。こ
のポテンシャル−VT により試料2と探針1aの間にト
ンネル電流が流れる。このトンネル電流は電流検出器7
で電圧信号すなわちトンネル電流信号IT に変換されト
ラップ検出器8に入力される。このトンネル電流信号I
T の波形を図3(a)に示す。図に示すように、トンネ
ル電流信号ITはトラップ位置でパルス的に変動する。
この変動は、図3(d)に示した凹凸情報のサンプリン
グの同期信号の間隔よりも短い時間内に起きる。トンネ
ル電流信号IT は図2に示すように二つに分けられ、一
方は直接除算器13に入力され、他方はローパスフィル
ター12を介して除算器13に入力される。ローパスフ
ィルター12は、図3(b)に太線で示されるトンネル
電流信号IT からパルス成分を取り除いた信号<IT
を作り出す。このとき、ローパスフィルタ12の時定数
により、その出力信号<IT >に位相遅れが生じる場合
には、除算器13のトンネル電流入力端の前段にディレ
イまたは位相補償回路を設け、これを介してトンネル電
流信号IT が入力されるようにする。除算器13は、二
つの入力信号の除算を行ない、図3(c)の細線で示さ
れる信号IT /<IT >を出力する。この信号は、トン
ネル電流信号がパルス的に変動しない限り一定の電圧た
とえば0.1Vを示し、ローパスフィルタを通過できな
いような速いパルス的な変動が起きたときに、そのパル
スの大きさと平均的なトンネル電流との比に応じた電圧
をとる。この信号IT /<IT >はピークホールド回路
14に入力される。ピークホールド回路14は、コンデ
ンサー16への充電により入力信号の負の最大値を保持
し、アナログスイッチ15がオンされたときにリセット
される。アナログスイッチ15のオンオフは、図3
(d)に示した凹凸情報をサンプルする際の同期信号に
より制御される。この同期信号はディレイ17を介して
アナログスイッチ15に入力され、これによりピークホ
ールド回路14はローパスフィルタ12と除算器13で
の信号処理に要する時間だけ遅れたタイミングでリセッ
トされる。これにより、ピークホールド回路14からは
図3(c)の太線で示される信号(IT /<IT >)
peakが出力される。そして、P1 からP2 の間のトンネ
ル電流の負のピーク信号は、P2 のタイミングでデータ
収集装置10に入力され、上述した試料表面の凹凸像に
対応させて記録される。同様にP2 からP3 までのデー
タはP3 の時点でデータ収集装置10に入力される。こ
のようにしてトラップサイトで起こる電伝度の急激な変
化に対するトンネル電流信号の応答が周辺のトンネル電
流値と負のパルスの強度の比率としてデータ収集装置1
0に入力される。
【0021】ここでトラップ検出器としては、トラップ
サイトに特有の振動周期よりも十分速い間隔でAD変換
を行ない、測定点までの間で絶えずデータをデジタル的
に保持し最大値を求める装置を用いることもできる。ま
た、実施例中ではトンネル電流の最小のピークを検出し
たが、最大のピークを検出してもよい。
【0022】次に、トラップ検出器に別の構成のものを
用いた変形例について説明する。この変形例で使用する
トラップ検出器の構成を図4に示す。図中、上述したト
ラップ検出器の部材と同等のものには同一の符号を付け
てある。図5(a)に示されるトンネル電流信号IT
二つに分けられ、一方は減算器18に直接入力され、他
方はローパスフィルタ12により図5(b)に太線で示
されるトンネル電流信号IT の平均を示す信号<IT
に変換された後に減算器18に入力される。減算器18
は、これらの二つの入力信号の差を演算し、その差信号
T −<IT >を出力する。この差信号IT −<IT
はコンパレータ19に入力され、そこで基準電圧Vref
と比較されて、図5(c)に示されるようなトンネル電
流の振動情報を二値化した二値信号ITcに変換される。
SiO2 膜中などのトラップサイトでは、電荷の充放電
によりトンネル電流が振動をするため、二値信号ITc
切り替わりの回数を数えることによりトラップサイトの
存在がわかる。つまり二値信号ITcの切り替わりの回数
の多いところにはトラップサイトが存在すると考えられ
る。二値信号ITcはカウンタ20に入力され、その切り
替わり回数が数えられる。その回数を示す信号Pc は図
5(c)に示すようにデータサンプリングを行なうタイ
ミングの間で累積加算される。そして、カウンタ20は
リセット信号が入力されたときに、そのときの信号Pc
の値を示す信号Tr を出力すると同時にリセットされ
る。リセット信号は、凹凸情報をサンプリングするタイ
ミングを決める同期信号を、ローパスフィルタ12と減
算器18とコンパレータ19とでの信号処理に要する時
間だけディレイ17で遅らせることにより得られる。カ
ウンタ20から出力される信号Tr は、単位時間当りに
どれだけのトラップサイトの充放電が行なわれたかを示
す。この信号Tr はデータ収集装置10に入力される。
データ収集装置10は、この信号Tr と共に、サーボ回
路4から出力される図5(f)のZ信号を同期信号のタ
イミングでサンプリングした図5(g)の信号ZFBを凹
凸信号として記憶し、トラップサイトの分布像を得る。
この結果、試料表面のトラップサイトの活性部位が測定
できる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、試料表面の凹凸像と同
時にトランプサイトの分布像を得ることのできる顕微鏡
装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラップサイト検出顕微鏡の実施例の
構成を示す。
【図2】図1の装置で使用されるトラップ検出器の構成
を示す。
【図3】図2のトラップ検出器によるトラップサイト検
出を説明するための図である。
【図4】図1の装置で使用される別のトラップ検出器の
構成を示す。
【図5】図4のトラップ検出器によるトラップサイト検
出を説明するための図である。
【図6】従来技術によるトラップサイト検出を説明する
ための図である。
【図7】従来技術による別のトラップサイト検出を説明
するための図である。
【符号の説明】
1a…深針、1…カンチレバー、3…光学変位検出器、
4…サーボ回路、5…バイアス電圧発生器、6…圧電ア
クチュエーター、7…電流検出器、8…トラップ検出
器、9…XY走査信号発生器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の表面の近傍に原子間力の発生する
    距離で支持される導伝性の深針と、 この探針を自由端に備えていて探針が原子間力を受けた
    際に弾性変形するカンチレバーと、 カンチレバーの自由端の変位を測定する変位測定手段
    と、 探針を試料の表面に沿って走査させる走査手段と、 カンチレバーの自由端の変位を一定に保つように探針と
    試料の間隔をサーボ制御するサーボ手段と、 走査手段とサーボ手段からの信号に基づいて試料表面の
    画像を形成する画像形成手段と、 探針と試料の間にトンネル電流が流れるように探針と試
    料との間にバイアス電圧を印加する電圧印加手段と、 探針と試料との間に流れるトンネル電流を検出する電流
    検出手段と、 トンネル電流からトラップサイトに起因する電流成分を
    検出するトラップサイト検出手段と、 トラップサイト検出手段と走査手段からの信号に基づい
    てトラップサイトの分b布を得る分布調査手段とを備え
    ているトラップサイト検出顕微鏡。
JP13531792A 1992-05-27 1992-05-27 トラップサイト検出顕微鏡 Withdrawn JPH05332712A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999063299A1 (de) * 1998-05-29 1999-12-09 Werth Messtechnik Gmbh Tastschnittverfahren sowie anordnung zur kenngrössenbestimmung einer oberfläche eines prüflings nach dem tastschnittverfahren
CN112067851A (zh) * 2020-09-09 2020-12-11 四川大学 一种定量测量电场作用下有机高分子链所受电场力的方法

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