JP2002116132A - 信号検出装置、該信号検出装置によって構成した走査型原子間力顕微鏡、および信号検出方法 - Google Patents

信号検出装置、該信号検出装置によって構成した走査型原子間力顕微鏡、および信号検出方法

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JP2002116132A
JP2002116132A JP2000305135A JP2000305135A JP2002116132A JP 2002116132 A JP2002116132 A JP 2002116132A JP 2000305135 A JP2000305135 A JP 2000305135A JP 2000305135 A JP2000305135 A JP 2000305135A JP 2002116132 A JP2002116132 A JP 2002116132A
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Shunichi Shito
俊一 紫藤
Takeaki Itsuji
健明 井辻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プローブ変位検出のための機構を簡単化するこ
とができ、また複数のプローブを用いる場合においても
検出系の構成を簡便化することができ、省スペース化を
図ることが可能な信号検出装置、該信号検出装置によっ
て構成した走査型原子間力顕微鏡、および信号検出方法
を提供する。 【解決手段】プローブと試料との間に働く原子間力を検
出し、それらの信号の変化から該試料表面の凹凸あるい
は電気特性を測定する信号検出装置において、前記プロ
ーブを、該プローブの支持基板上の平板電極と、それに
対向して設けられた該プローブ上の平板電極との間に働
く静電力によって駆動し、該電極間の静電容量の変化か
ら、前記プローブの変位を検出するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号検出装置、該
信号検出装置によって構成した走査型原子間力顕微鏡、
および信号検出方法に関し、探針と試料を接近させるこ
とによって生じる物理現象、特に探針と試料との間に働
く原子間力を測定し、それらの信号の変化から観察対象
物表面の微細な凹凸や微小領域の電気特性を測定する装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、探針と試料とを接近させ、その時
に生じる物理現象(トンネル現象、原子間力等)を利用
して、物質表面及び表面近傍の電子構造を直接観察でき
る走査型プローブ顕微鏡(以下SPMと略す)が開発さ
れ、単結晶、非晶質を問わず様々な物理量の実空間像を
高い分解能で測定できるようになっている。中でも走査
型原子間力顕微鏡(以下AFMと呼ぶ)はプローブ先端
の原子と試料上の原子との間の微弱な作用力(原子間
力:Atomic Force)を検出して試料表面の
凹凸を測定するために、プローブや試料に導電性や磁性
等の特殊な性質を必要とせず、絶縁物とりわけ最近では
有機物等の形状の測定等に効力を発揮している。また、
AFMには大きく分けて、原子間力が斥力の状態で用い
るものと引力の状態で用いるものと2種類があり、前者
をコンタクトモードAFM、後者をノンコンタクトモー
ドAFMと言うことがある。
【0003】コンタクトモードAFMは測定対象とプロ
ーブ先端との斥力を測定する。この場合の斥力はプロー
ブと測定対象表面との距離変化に対して非常に大きく変
化し、したがってその力を受けるプローブの撓みの変化
量が大きく感度が大きいために測定システムへの負荷が
小さくて済む。しかしながら、プローブと測定表面は非
常に接近しており、その力は測定表面やプローブに時と
して弾性変形以上の影響を与え、試料やプローブ先端に
損傷を与えることがある。前述の有機物、とりわけ生体
物質など柔らかい試料の測定に対してはその影響が大き
く、プローブが測定対象物を変形したり破壊したりする
ために精度良い観察ができない。
【0004】一方、ノンコンタクトモードAFMはプロ
ーブ先端と測定対象表面との間の原子間引力を測定する
が、その引力は、プローブ先端と測定対象表面との距離
がコンタクトモードより大きい状態から働くために、プ
ローブ先端と測定対象表面の両方に対する影響が非常に
小さい。したがって、コンタクトモードAFMは上記の
コンタクトモードAFMの欠点を持たないため、柔らか
い試料の測定には有用である。
【0005】しかしながら、ノンコンタクトモードの欠
点として、力の変化がプローブ先端と試料表面との間の
距離変化に対してあまり敏感でないことが挙げられる。
そのために一般的にはプローブを既定の周波数で微小振
動させ、微小引力がプローブ先端に働いた場合の振動状
態の変化(周波数ずれや位相ずれ等)をモニタすること
により間接的に測定している。そのため、当然のことな
がら測定システムは複雑になり、また加えてプローブを
振動させるための加振機構も必要になっている。また、
現在最も一般的に用いられているAFMは両モードとも
に光てこ方式を用いている。(たとえばT.R.Alb
recht,J.Appl.Phys.69(2)66
8参照)数10〜数100μmの長さのカンチレバーの
先端にレーザ光を照射し、その反射光の方向を測定する
ことによって、レバーが試料からの原子間力を受けた時
の微小なたわみ量をてこの原理で拡大し、測定できるよ
うに構成されている。したがって光てこ方式は、ある程
度の感度を出すためにレバーと反射光検出センサ(2分
割フォトダイオード等)と間にある一定の光学的距離を
必要とする。これは、プローブ周りの測定スペースを大
きくするばかりでなく、同時に複数本のプローブを動作
させて測定速度を向上させる場合には大きな障害となっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、プロ
ーブと測定試料にダメージを与えずに測定効率を上げる
ためには、ノンコンタクトAFM方式を用いて、かつ複
数本のプローブを同時に動作させることが必要となる。
ところが、ノンコンタクトAFMを動作させるときに
は、通常、プローブの共振周波数で振動させることが、
Q値も高く最も効率が良いとされている。したがって、
複数のプローブを同時にノンコンタクトモードで動作さ
せるためには、プローブそれぞれの共振周波数で振動さ
せる必要がある。つまり、プローブそれぞれに駆動機構
を作らなければならないという問題がある。また、前述
したように複数本のプローブの変位量を光てこ方式によ
り検出するのは、プローブ周りの光学系が非常に複雑に
なるばかりでなく、装置自体も大きな物となってしまっ
ていた。
【0007】そこで、本発明は、プローブ変位検出のた
めの機構を簡単化することができ、また複数のプローブ
を用いる場合においても検出系の構成を簡便化すること
ができ、省スペース化を図ることが可能な信号検出装
置、該信号検出装置によって構成した走査型原子間力顕
微鏡、および信号検出方法を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、つぎの(1)〜(12)のように構成し
た信号検出装置、該信号検出装置によって構成した走査
型原子間力顕微鏡、および信号検出方法を提供するもの
である。 (1)プローブと試料との間に働く原子間力を検出し、
それらの信号の変化から該試料表面の凹凸あるいは電気
特性を測定する信号検出装置において、 前記プローブを、該プローブの支持基板上の平板電極
と、それに対向して設けられた該プローブ上の平板電極
との間に働く静電力によって駆動し、該電極間の静電容
量の変化から、前記プローブの変位を検出する機構を有
することを特徴とする信号検出装置。 (2)前記プローブの変位を検出する機構が、該プロー
ブ上の平板電極を流れる電流を検出するための電流検出
部と、 該電流検出部で測定した電流値の周波数を測定する周波
数測定部と、 該周波数測定部で測定した周波数の既定倍の周波数の信
号を、位相の変化を加えて発生させる信号発生器と、 該信号発生器の信号を増幅し該プローブ支持基板上の平
板電極に印加する信号増幅器と、 該周波数測定部の周波数の変化を検出する信号検出部
と、を有することを特徴とする上記(1)に記載の信号
検出装置。 (3)前記周波数測定部の周波数変化を検出する信号検
出部が、フェーズロックドループ(PLL)によって構
成されていることを特徴とする上記(1)または上記
(2)に記載の信号検出装置。 (4)前記信号発生器が、測定した周波数の3分の1倍
の周波数の信号を発生する構成を有することを特徴とす
る上記(1)〜(3)のいずれかに記載の信号検出装
置。 (5)前記信号発生器は、その出力振幅が入力の振幅に
かかわらず常に一定となるように構成されていることを
特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の信号
検出装置。 (6)前記プローブの変位を検出する機構が、複数本の
プローブを同時に駆動させる装置に設けられていること
を特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の信
号検出装置。 (7)原子間力が作用する程度まで試料に接近させ、プ
ローブの撓みによって原子間力を検出し、さらに試料あ
るいはプローブを試料表面と平行な方向に走査すること
によって試料表面の凹凸を測定する機構を備えた走査型
原子間力顕微鏡において、前記試料表面の凹凸を測定す
る機構を上記(1)〜(6)のいずれかに記載の信号検
出装置によって構成したことを特徴とする走査型原子間
力顕微鏡。 (8)プローブと試料との間に働く原子間力を検出し、
それらの信号の変化から該試料表面の凹凸あるいは電気
特性を測定する信号検出方法において、前記プローブ
を、該プローブの支持基板上の平板電極と、それに対向
して設けられた該プローブ上の平板電極との間に働く静
電力によって駆動し、該電極間の静電容量の変化から、
前記プローブの変位を検出することを特徴とする信号検
出方法。 (9)前記プローブの変位の検出が、該プローブ上の平
板電極を流れる電流を検出し、該電流検出部で測定した
電流値の周波数を測定し、該周波数測定部で測定した周
波数の既定倍の周波数の信号を、位相の変化を加えて発
生させ、該信号発生器の信号を増幅し該プローブ支持基
板上の平板電極に印加する一方、該周波数測定部の周波
数の変化を検出することによって行うことを特徴とする
上記(8)に記載の信号検出方法。 (10)前記周波数測定部の周波数変化を検出する信号
検出部が、フェーズロックドループ(PLL)を用いて
行われることを特徴とする上記(8)または上記(9)
に記載の信号検出方法。 (11)前記信号発生器が、測定した周波数の3分の1
倍の周波数の信号を発生することを特徴とする上記
(8)〜(10)のいずれかに記載の信号検出方法。 (12)前記信号発生器は、その出力振幅が入力の振幅
にかかわらず常に一定となることを特徴とする上記
(8)〜(10)のいずれかに記載の信号検出方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態においては、
上記した本発明の構成を適用して、例えばカンチレバー
の振動を駆動電極間の静電容量変化として検出すること
によって、大きな光学系を用いることなくノンコンタク
トAFMを実現することが可能となる。また、静電量変
化は小さく、振動の検出信号も小さいが、原子間力をレ
バーの共振周波数の変化を検出するFM検出を用いるこ
とにより、高感度に測定することが可能となる。これに
よって、プローブ変位検出のための機構が省スペースで
実現できるため、複数プローブに対しての検出系の構築
の簡便化を図ることができる。
【0010】以下本発明の実施の形態について、図を用
いて詳細に説明する。図1に示したものは、本発明の実
施のためのシステム構成を示したブロック図である。探
針101は電気的な絶縁膜102を介して導電性カンチ
レバー103上に配してある。支持基板105上にはレ
バーと対向するように平板電極104がある。これらの
電極やレバーは特開平07−021968号公報等に記
載されている方法により半導体プロセスなどによって製
作できる。静電力を駆動力とするプローブのレバー形状
の一例を図2に示した。図2において、201、202
は電極からの配線パターンである。
【0011】導電性カンチレバー103は電流検出部で
ある電流電圧変換部110に接続されレバー103に流
れる電流値を電圧信号として検出している。検出された
電流値信号は後段の周波数検出部であるFM検出部10
9に入力される。FM検出部では入力された信号の周波
数を検出し、その変動信号を制御部111に出力し、ま
たその周波数信号そのものを分周位相補償部108に対
して出力する。分周位相補償部108は受け取った周波
数信号から指定した割合で分周した周波数信号を次段の
駆動信号生成部107に送る。なお108は信号の位相
も変化できるように構成されている。周波数と位相信号
を受け取った駆動信号生成部107は指定された周波数
および位相の正弦波を出力する。その出力された正弦波
はアンプ106を通って増幅され支持基板上の平板電極
104に出力される。
【0012】一方、制御部111はFM検出部109か
らの周波数変動信号から測定信号を生成しモニタ112
等の出力部へ出力するとともにステージの3軸走査も行
う。3軸ステージ114は走査信号生成部113により
生成された試料(115)面方向2軸と面に垂直方向1
軸の3つの走査信号により駆動されているが、それらを
コントロールしているのが制御部111である。制御部
111は探針101と試料115の距離をフィードバッ
クにより制御している。ちなみに図1には示していない
が、探針101と試料115の距離制御は駆動信号生成
部107にて駆動信号に制御信号を足し合わせることで
も実現できる。その際はステージの制御は面方向2軸の
走査と面に垂直方向の粗い接近動作を制御する。
【0013】上記システムの動作を説明する。導電性レ
バー103は電流電圧変換部110において少なくとも
交流的には接地されており、従って支持基板上平板電極
104に電圧を印加すると静電力によりレバー103は
基板方向にたわむ。このとき104に印加する電圧はレ
バー103に対して正であっても負であってもレバー1
03は基板方向にたわむことを忘れてはならない。すな
わち、駆動信号が交流信号の場合、駆動信号周波数の2
倍の周波数でレバーには静電力が働くことになる。この
関係を図3の(b)で示した。点線と実線で表される正
弦波が印加電圧で、実線のみで表される波形がそのとき
に生じる静電力の変化を示すものである。図3の(a)
はレバー先端の振動を示しており、静止状態は横軸上で
ある。このレバーを共振周波数で振動させるためには、
共振周波数の半分の周波数の駆動信号を支持基板上平板
電極104に印加する必要があるが、共鳴状態では図3
の(a)と(b)に示したような関係になり、駆動信号
は位相が90°進んだ形となっている。
【0014】次に探針が測定試料表面に接近してくる
と、探針先端と試料表面との間に引力が拘束力として働
き始めるために共振周波数は高い方へずれることにな
る。しかしながら、FM検出部でずれた周波数を検出
し、その信号に合わせて駆動信号を生成することで、た
とえ共振点がずれても、いつでも共振周波数でレバーを
駆動できるような駆動信号生成機構を構成している。因
みに駆動信号生成部はその周波数は変化するが電圧レベ
ルが一定の信号を生成している。
【0015】次に、共振周波数の検出のしくみについて
説明する。レバー103及び支持基板105上電極の電
気的な動作について説明するための図を図4に示した。
下部電極は導電性レバー103を示し、微小変位lで振
動しており、そのときの駆動電圧をνとする。電極間距
離、すなわち支持基板上の平板電極と導電性レバーの距
離の初期状態をLとする。駆動中に導電性レバーに流れ
る電流iは以下の様に示されると考えられる。
【0016】となり、ω1の3分の2の周波数が共振周
波数である。また、ω0としては、ω 1の3分の1に合わ
せることで駆動信号を共振点に合わせることができる。
ω1の周波数は実信号なのでロックインアンプやFM検
波器を用いることによって検出できるものである。図3
で示すと、(c)が共振周波数の検出信号である。もち
ろん、式1のC0の項の振動も存在し、これはこの図3
(c)の信号の数桁大きいものである。以上のような動
作によって駆動信号およびAFM検出信号を、本発明の
系によって生成および検出できる。
【0017】
【実施例】つぎに、本発明の実施例について述べる。導
電性レバーとして特開平07−021968号公報に記
載の方法によって幅20μm、長さ60μm、厚さ10
μmのレバーを作製した。またレバーと支持基板上の平
板電極の間の距離は2μmで、レバーの絶縁膜として1
μm厚の窒化シリコン膜を用い、レバーの導電性部はシ
リコンをn+にドープしたものを用いた。探針はタング
ステンをスピント法により堆積したものを用いている。
探針高さはおおよそ10μmであった。機械的な衝撃を
加えて、このレバーの機械共振点をスペクトルアナライ
ザで測定したところ300kHzとなっていた。
【0018】本実施例においては、上記構成を有するプ
ローブを、前述した本発明の系に適用した。電流電圧変
換部は高周波のトランジスタ回路を用いて、予め300
kHz付近に通過域を持つ比較的Q値の高いバンドパス
フィルタを通して電流電圧変換を行った。帯域に余裕が
あれば市販の演算増幅器などを用いて検出可能である
が、変換増幅率が109と非常に高いために、ディスク
リートの高速変換回路を作製する必要があった。FM検
出部については、一般的なフェーズ・ロックド・ループ
(PLL)回路を用い、周波数の変動分はPLLの電圧
制御発信器(VCO)の制御電圧として検出し、共振周
波数はVCOの出力波をそのまま分周器に送って3分の
1分周を行った。分周後に位相を手動で補正し、アンプ
を通して支持基板上平板電極に印加した。このときアン
プの出力は±150Vの一定値になるように調整した。
【0019】FM検出器であるPLL回路から出力され
た変動分、すなわちプローブ先端と試料表面の間に働く
引力に応じた信号は、制御回路として用いたパーソナル
コンピュータ(PC)のA/D変換インターフェースに
入力された。その際、プローブが試料に近づきすぎない
ようにPCによってステージをコントロールし両者の距
離を一定にするように制御した。その制御量を基板凹凸
としてPCのモニタに表示し観察した。すなわち原子間
力を一定に保つように制御しその際の制御量をモニタす
る方式を用いた。
【0020】プローブの振動によって発生する電流信号
はわずかに数pAであったが電流電圧変換部に設けたフ
ィルタによって低ノイズで測定できた。走査速度は5μ
m/秒程度で行ったが、その際の分解能はほぼ10nm
であった。またこの系を使用して有機膜(直鎖飽和脂肪
酸系の単分子膜)を測定したが、測定によって試料を破
壊したり、プローブ先端の変化により検出分解能が低下
したりという現象は見られなかった。また、以上の結果
より大スペースを必要とする光てこ方式の検出系に比べ
プローブ周りの構成を非常に簡単にできるため、複数本
のプローブを同時に駆動させる系にも容易に対応できる
ことが実証された。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、プローブ変位検出のための機構を簡単化することが
でき、複数のプローブを用いる場合においても検出系の
構成を簡便化することができ、省スペース化を図ること
が可能な信号検出装置、該信号検出装置によって構成し
た走査型原子間力顕微鏡、および信号検出方法を実現す
ることができる。例えば、これによりカンチレバーの振
動を駆動電極間の静電容量変化として検出するように構
成することで、大きな光学系を用いることなくノンコン
タクトAFMを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステム構成の一
例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態における静電力を駆動力と
するプローブのレバー形状の一例を示す図。
【図3】本発明の実施の形態におけるシステムの動作を
説明するための各信号波形を示す図。
【図4】本発明の実施の形態におけるシステムの駆動電
極間の電気的な動作を説明するための図。
【符号の説明】
101:探針 102:絶縁膜 103:導電性カンチレバー 104:平板電極 105:支持基板 106:アンプ 107:駆動信号生成部 108:分周位相補償部 109:FM検出部 110:電流電圧変換部 111:制御部 112:モニタ 113:走査信号生成部 114:3軸ステージ 115:試料 201:電極からの配線パターン 202:電極からの配線パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA02 AA43 BB01 CA34 CA40 DA01 DA04 DB04 DD02 DD06 EA16 EB01 EB15 EB23 HA01 HA20 LA01 LA04 LA11 LA29 LA30 MA05 2F069 AA57 AA60 BB40 GG04 GG06 GG20 GG62 GG65 HH04 HH30 LL03 MM24 NN00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プローブと試料との間に働く原子間力を検
    出し、それらの信号の変化から該試料表面の凹凸あるい
    は電気特性を測定する信号検出装置において、 前記プローブを、該プローブの支持基板上の平板電極
    と、それに対向して設けられた該プローブ上の平板電極
    との間に働く静電力によって駆動し、該電極間の静電容
    量の変化から、前記プローブの変位を検出する機構を有
    することを特徴とする信号検出装置。
  2. 【請求項2】前記プローブの変位を検出する機構が、該
    プローブ上の平板電極を流れる電流を検出するための電
    流検出部と、 該電流検出部で測定した電流値の周波数を測定する周波
    数測定部と、 該周波数測定部で測定した周波数の既定倍の周波数の信
    号を、位相の変化を加えて発生させる信号発生器と、 該信号発生器の信号を増幅し該プローブ支持基板上の平
    板電極に印加する信号増幅器と、 該周波数測定部の周波数の変化を検出する信号検出部
    と、 を有することを特徴とする請求項1に記載の信号検出装
    置。
  3. 【請求項3】前記周波数測定部の周波数変化を検出する
    信号検出部が、フェーズロックドループ(PLL)によ
    って構成されていることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の信号検出装置。
  4. 【請求項4】前記信号発生器が、測定した周波数の3分
    の1倍の周波数の信号を発生する構成を有することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号検出
    装置。
  5. 【請求項5】前記信号発生器は、その出力振幅が入力の
    振幅にかかわらず常に一定となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    信号検出装置。
  6. 【請求項6】前記プローブの変位を検出する機構が、複
    数本のプローブを同時に駆動させる装置に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の信号検出装置。
  7. 【請求項7】原子間力が作用する程度まで試料に接近さ
    せ、プローブの撓みによって原子間力を検出し、さらに
    試料あるいはプローブを試料表面と平行な方向に走査す
    ることによって試料表面の凹凸を測定する機構を備えた
    走査型原子間力顕微鏡において、前記試料表面の凹凸を
    測定する機構を請求項1〜6のいずれか1項に記載の信
    号検出装置によって構成したことを特徴とする走査型原
    子間力顕微鏡。
  8. 【請求項8】プローブと試料との間に働く原子間力を検
    出し、それらの信号の変化から該試料表面の凹凸あるい
    は電気特性を測定する信号検出方法において、 前記プローブを、該プローブの支持基板上の平板電極
    と、それに対向して設けられた該プローブ上の平板電極
    との間に働く静電力によって駆動し、該電極間の静電容
    量の変化から、前記プローブの変位を検出することを特
    徴とする信号検出方法。
  9. 【請求項9】前記プローブの変位の検出が、該プローブ
    上の平板電極を流れる電流を検出し、該電流検出部で測
    定した電流値の周波数を測定し、該周波数測定部で測定
    した周波数の既定倍の周波数の信号を、位相の変化を加
    えて発生させ、該信号発生器の信号を増幅し該プローブ
    支持基板上の平板電極に印加する一方、 該周波数測定部の周波数の変化を検出することによって
    行うことを特徴とする請求項8に記載の信号検出方法。
  10. 【請求項10】前記周波数測定部の周波数変化を検出す
    る信号検出部が、フェーズロックドループ(PLL)を
    用いて行われることを特徴とする請求項8または請求項
    9に記載の信号検出方法。
  11. 【請求項11】前記信号発生器が、測定した周波数の3
    分の1倍の周波数の信号を発生することを特徴とする請
    求項8〜10のいずれか1項に記載の信号検出方法。
  12. 【請求項12】前記信号発生器は、その出力振幅が入力
    の振幅にかかわらず常に一定となることを特徴とする請
    求項8〜10のいずれか1項に記載の信号検出方法。
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