JP2014190007A - 軌道パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】バネ定数の制御が容易であり、耐摩耗性に優れると共に、レールに対する摺動性に優れた軌道パッドを提供すること。
【解決手段】レール24とまくら木20又はまくら木20上に固定されるタイプレート22との間に介装され、所要のバネ定数を持つ軌道パッド10であって、架橋ウレタン発泡軟質層と、架橋ウレタン発泡軟質層のレール24側の表面に積層され、A硬度が95以上であり、且つ静摩擦係数が0.35以下のウレタン硬質層と、を備える軌道パッド10である。
【選択図】図1

Description

本発明は、レールとまくら木又は前記まくら木上に固定されるタイプレートとの間に介装され、所要のバネ定数を持つ軌道パッドに関する。
従来の軌道パッドは天然ゴムやSBRゴム(スチレン・ブタジエンゴム)が用いられていたが、レールの寒暖に伴う伸縮により長期間の使用で軌道パッドがめくれたり、脱離したりしてゴム材がなくなっていることが頻繁にあった。更に、ゴム材は経時的に硬度が上昇し、敷設初期には振動・騒音防止の機能を果たしているが、経時的にその機能は劣化していく欠点を有していた。
そのような欠点を改良した軌道パッドとして、ゴム材の上面にすべる様に鋼板が接着されたものが提案された。鋼板とゴム材は接着性が劣るため、ゴム材から鋼板が剥れやすく、万一剥れても脱離しないように数々の工夫がなされてきた(例えば、特許文献1〜4)。
しかし、それでも長年の使用により接着不良が生じ、レールの伸縮による煎断力と車両通過による振動などで鋼板がゴムパッドから分離し、車両通過時に吹き飛ばされ、車両に損傷を与えたり、レールの絶縁部分に接触し絶縁不良をおこし、例えば、信号機故障といった重大な故障が起こったりする場合があった。
そして、これら欠点を改良した軌道パッドとして、ゴム材の上面に鋼板を接着する代わりにエボナイトを固着したものが提案されている(例えば、特許文献5)。
特開平07−238502号公報 特開平10−237802号公報 特開平11−323801号公報 特開2004−44113号公報 特開2006−265841号公報
しかしながら、特許文献5の提案品において、ゴム部材とエボナイトはゴム加硫時に同時加硫接着するため、接着面は反応接着していて接着信頼性は高い。この提案品はエボナイトが良くすべり接着もかなりしっかりしている点で優れているが、低バネ定数の調整のためにゴム材底面に肉抜き、つまり凹部を設け圧締面積を調整する方法が取られており、肉抜けする事で圧力を少ない面積で負担する事になり、長い年月高い荷重を繰り返し受けると、少ない面積のゴム部にキレツが生じゴム材が脱落する問題が生じていた。更に、エボナイトはゴムに大量の硫黄を配合した架橋度の極めて高いゴム材のため磨耗特性が極めて悪いことがわかっている。また、経時的にゴムの硬度が上昇する欠点は修正されていないのが現状である。
そこで、本発明は、上記事実を考慮し、バネ定数の制御が容易であり、耐久性及び耐摩耗性に優れると共に、レールに対する摺動性に優れた軌道パッドを提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
レールとまくら木又は前記まくら木上に固定されるタイプレートとの間に介装され、所要のバネ定数を持つ軌道パッドであって、
架橋ウレタン発泡軟質層と、
前記架橋ウレタン発泡軟質層の前記レール側の表面に積層され、A硬度が95以上であり、且つ静摩擦係数が0.35以下のウレタン硬質層と、
を備える軌道パッドである。
請求項2に係る発明は、
前記架橋ウレタン発泡軟質層と前記ウレタン硬質層とは、いずれかの層のウレタン樹脂化反応をするときに反応接着して積層されている請求項1に記載の軌道パッドである。
請求項3に係る発明は、
前記架橋ウレタン発泡軟質層は、独立気泡の発泡層である請求項1又は2に記載の軌道パッドである。
請求項4に係る発明は、
前記架橋ウレタン発泡軟質層及び前記ウレタン硬質層は、ウレタン原料として、ポリエーテル系ポリオールとイソシアナートとを少なくとも用いて形成された層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の軌道パッドである。
請求項5に係る発明は、
前記イソシアナートは、ジフェニルメタンジイソシアナート系(MDI系)のイソシアナートである請求項4に記載の軌道パッドである。
本発明によれば、バネ定数の制御が容易であり、耐久性及び耐摩耗性に優れると共に、レールに対する摺動性に優れた軌道パッドを提供することができる。
図1は、本実施形態に係る軌道パッドの介装態様を説明する概略構成図である。 図2は、本実施形態に係る軌道パッドを示す概略斜視図である。 図3は、図2のA−A断面図である。 図4Aは、粘着層の配置位置の一例を示す平面図である。 図4Bは、粘着層の配置位置の他の一例を示す平面図である。 図4Cは、粘着層の配置位置の他の一例を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る軌道パッドについて説明する。
本実施形態に係る軌道パッド10は、軌道スラブに設けられるパッドである。
具体的には、軌道スラブは、図1に示すように、例えば、道床(不図示)上に配列されるまくら木20と、まくら木20上に固定されるタイプレート22、タイプレート22上に固定されるレール24と、を備えている。
タイプレート22は、例えば、その両端部がボルト22A及びナット22Bにより、まくら木20上に締め付け固定されている。レール24は、例えば、ボルト26A及びナット26Bにより締め付け固定された板バネ26により、タイプレート22上に押さ付けられて固定されている。
そして、レール24は、例えば、タイプレート22との間に、可変パッド28(例えば樹脂注入式可変パッド)及び軌道パッド10を介した状態で固定されている。ここで、可変パッド28は、レール高さ調節用のパッドであり、任意に設けられるパッドである。
このようにして、本実施形態に係る軌道パッド10は、レール24とタイプレート22との間に介装される。但し、軌道スラブはタイプレート22を備えない態様であってもよく、この場合、軌道パッド10は、レール24とまくら木20との間に介装される。
なお、まくら木とは、木のみならず、例えば。木を含め、コンクリート、ガラス繊維若しくは樹脂、又はこれら材料等を混合したものも包含する。
上記態様で介装される本実施形態に係る軌道パッド10は、図2〜図3に示すように、架橋ウレタン発泡軟質層12と、架橋ウレタン発泡軟質層12のレール24側の表面に積層され、A硬度が95以上であり、且つ静摩擦係数が0.35以下のウレタン硬質層14と、を備える。そして、本実施形態に係る軌道パッド10は、所要のバネ定数を持つパッドである。
なお、本実施形態に係る軌道パッド10の形状は、介装態様に応じて、周知の形状とすることができる。
本実施形態に係る軌道パッド10では、架橋ウレタン発泡軟質層12を軌道パッド本体として設けることで、ゴム部材のように肉抜きをしなくても、そのウレタン原料の組成(イソシアナート濃度等)、発泡状態(独泡率等)、膜厚等を調製することより、容易に、目的とする軌道パッド10のバネ定数を制御でき、その復元性及び耐久性も高い。また、架橋ウレタン発泡軟質層12のレール24側の表面に、所定のA硬度及び静摩擦係数を持つウレタン硬質層14を設けることにより、耐久性及び耐摩耗性と共に、レール24に対する摺動性が高まる。
このため、本実施形態に係る軌道パッド10では、バネ定数の制御が容易であり、耐久性及び耐摩耗性に優れると共に、レール24に対する摺動性に優れたものとなる。また、架橋ウレタン発泡軟質層12とウレタン硬質層14とは同種の素材で構成されているため、接着性が高いという利点もある。
その結果、長寿命化が実現されると共に、レール24の伸縮による煎断力と車両通過による振動が負荷されても、レール24から離脱し難く、車両通過時に吹き飛ばされ、車両に損傷を与えたり、レール24の絶縁部分に接触することで生じる絶縁不良に起因する信号機故障が抑制される。
以下、軌道パッド10の詳細について説明する。なお、以下、符号を省略して説明する。
(架橋ウレタン発泡軟質層)
架橋ウレタン発泡層は、軌道パッドのバネに相当するもので、復元性が特に要求される層である。そして、復元性を要するために、当該層は架橋したウレタン発泡体で構成させている。
架橋ウレタン発泡軟質層は、ウレタン硬質層よりもA硬度が低い軟質層である。具体的には、目的とする軌道パッドのバネ定数にもよるが、例えば、架橋ウレタン発泡軟質層のA硬度は、例えば、90以下がよく、好ましくは40〜90である。
架橋ウレタン発泡軟質層は、例えば、1)ウレタン原料として、ポリオール、イソシアネート、及び、必要に応じて鎖延長材を含む混合原液をモールドに注入し成形する方法、2)当該混合原液を離型紙に塗布し加熱硬化後、所定形状に打抜く方法により形成できる。なお、ウレタン原料を含む混合原液には、発泡剤を含有し、その他の添加剤を含有してもよい。
−ポリオール−
ポリオールは、例えば、ポリオキシプロピレンポリオール(PPG)、ポリオキシエチレンポリオール(PEG)、PPGとPEGの共重合物、ポリオキシテトラメチレンポリオール(PTMG)等のポリエーテル系ポリオールを用いることがよい。ポリエーテル系ポリオール(特に、PPG、PTMG)は、反応性と共に、耐加水分解性にも優れることから、架橋ウレタン発泡軟質層の耐久性及び復元性が高まり易くなる。また、ポリエーテル系ポリオールは、粘度も低く取扱い性も高いという利点もある。
ポリオールは、ポリエーテル系ポリオール以外に、ジカルボン酸(アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、ダイマー酸等)とグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1.4−ブタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、2−メチルプロパンジオール、3−メチルペンタンジオール等)とを縮合させたポリエステルポリオール(PES)、ポリカプロラクトンポリオール(PCL)、ポリカーボネートポリオール(PCA)、(水添)ポリブタジエン系ポリオール、(水添)ポリイソプレン系ポリオール等も使用してもよい。
なお、ポリオールは予め過剰当量のイソシアナートと反応させて末端NCO基のプレポリマーとして用いると、架橋ウレタン発泡軟質層の復元性や強靭性が高まり好ましい。
−イソシアナート−
イソシアナートは、例えば、トルエンジイソシアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、粗製のMDI(cr−MDI)を用いることがよい。特に、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)系のイソシアナートを用いると、反応性が高く、架橋ウレタン発泡軟質層の耐久性及び復元性が高まり易くなり好ましい。
−鎖延長剤−
鎖延長剤は、例えば、芳香族ジアミン(例えば4.4‘−ジアミノ−3.3’−ジクロロジフェニルメタン(MOCA)等)、分子量500以下グリコール又は多官能アルコール(例えばエチレングリコール、1.4−ブタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリメチロールプロパン等)及びそれらのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、ヒドロキノンのエチレンオキサイド付加物、レゾルシンのエチレンオキサイド付加物を用いることがよい。
これらのうち、鎖延長剤としては、分子量200以下で1級アルコールの低分子ポリオールで、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ヒドロキノン、レゾルシンのエチレンオキシド付加物等が最も好ましい。
−発泡剤その他の添加剤−
その他の添加剤は、発泡剤の他、必要に応じて、触媒、整泡剤等の周知の添加剤を用いる。
発泡剤は、例えば、水、低沸点の有機溶剤(シクロペンタン、ジクロロメタン等)、ハロゲン化炭化水素、これらの混合液等が用いられる。なお、ウレタンの発泡には、ポリオールやプレポリマーを空気や窒素を用いて気泡を巻き込む方法も取り得る。
触媒は、例えば、アミン系触媒やスズ系等の金属触媒が用いられる。
整泡剤は、例えば、ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレンポリオールの共重合体を代表例としたシリコーン系化合物が用いられる。
−ウレタンの架橋導入−
ウレタンに架橋を導入するには、ポリオール、イソシアナート、鎖延長材のいずれかに2官能以上のものを用いることが必要である。特に、末端NCO基のポリオールのプレポリマーを用いる場合、ウレタンに架橋を導入するには、末端NCO基のポリオールのプレポリマーを2官能にして、鎖延長材を2官能以上にすること、多官能イソシアナートを併用すること、又はこれらを併用することが、プレポリマーの合成の容易さと低粘度化できるため好ましい。
−その他態様−
架橋ウレタン発泡軟質層は、独立気泡の発泡層であることがよい。架橋ウレタン発泡軟質層の気泡を独立気泡とすると、当該層が吸水し難くなり、耐久性が高まり易くなる。
架橋ウレタン発泡軟質層の密度は、例えば、0.4〜0.95g/cmがよく、好ましくは0.6〜0.9g/cmである。
架橋ウレタン発泡軟質層の独泡率は、例えば、30〜100%がよく、好ましくは50〜100%である。
架橋ウレタン発泡軟質層の厚みは、例えば、1〜15mmがよく、好ましくは3〜13mmである。
(ウレタン硬質層)
ウレタン硬質層は、レールと直接接触する表面層で、レールの伸縮により軌道パッドがずれないよう硬度が高くなければならず、また滑り易い面とする必要がある層である。
このため、ウレタン硬質層のA硬度は、95以上であり、好ましくは97以上である。但し、ウレタン硬質層の硬度の上限値は、例えば、A硬度で100である。
一方、ウレタン硬質層の静摩擦係数は0.35以下であり、下限値は軌道パッドの締結力によっても変化するが、例えば0.15程度である。
ウレタン硬質層は、熱可塑性ウレタン樹脂の押出し成形品を用いるか、熱可塑性ウレタン溶液若しくはウレタン系エマルジョン溶液の塗布硬化膜、反応性ウレタン系ホットメルトの塗布硬化膜、熱硬化性若しくは熱可塑性ウレタンモノマーの塗布硬化膜などが用いられる。比較的厚い膜が必要で、且つ高硬度の要求を満足するのに、反応性ウレタン系ホットメルトの塗布硬化膜と熱硬化性又は熱可塑性ウレタンモノマーの塗布硬化膜が好ましく、超高硬度の膜を作り易いことから熱硬化性又は熱可塑性ウレタンモノマーの塗布硬化膜が最も好ましい。
ウレタンモノマーの塗布硬化膜とは、例えば、ウレタン原料として、ポリオール、イソシアネート、及び、必要に応じて鎖延長材を含む混合原液をモールドに注入し成形する方法、2)当該混合原液を離型紙に塗布し加熱硬化後、所定形状に打抜く方法により形成したものである。なお、ウレタン原料を含む混合原液には、発泡剤その他の添加剤が含めてもよい。
ここで、ウレタン硬質層において、ウレタン原料、その他添加剤等については、架橋ウレタン発泡軟質層で説明したものと同様である。特に、ウレタン硬質層は、ウレタン原料として、ポリエーテル系ポリオールを用いると、耐加水分解性に優れることから、耐久性及び耐摩耗性が高まり易く好ましい。また、イソシアナートとして、MDI系のイソシアナートを用いると、反応性が高いことから、耐久性及び耐摩耗性が高まり易く好ましい。
特に、ウレタン硬質層の形成においては、発泡剤を用いない無発泡品は低摩擦・低摩耗性が実現し好ましい。なお、ウレタン硬質層の形成には、上記静摩擦抵抗を実現するために、摺動性向上材を用いてもよい。
摺動性向上材は、例えば、シリコーン樹脂粉末、フッ素樹脂粉末、高密度ポリエチレン粉末、超高分子量ポリエチレン粉末、ポリプロピレン粉末、ポリオキシメチレン粉末、グラファイト粉末、二硫化モリブデン粉末からなる摺動粉末を用いる。また、摺動性向上材は、分子中に活性水素基を有するシリコーン化合物を原料として用いて、イソシアナートと反応させてもよい。その他、摺動性向上材と共に、摺動性向上助剤として液状のシリコーン油、フッ層化合物、金属石鹸等も併用してもよい。
これらの中で、摺動性向上材は、分子中に活性水素基を有するシリコーン化合物を用いることが好ましい。これにより、摺動性向上材としてのシリコーン化合物がイソシアナートと反応し、ウレタン硬質層の静摩擦係数を低下させる。また、ウレタン硬質層の吸水率も低下できる。
分子中に活性水素基を有するシリコーン化合物は、ポリジメチルシロキサンの末端及び側鎖の少なくとも一方にOH基、NH基、NH基、メルカプト基。又はこれら基の2種以上を有するシリコーン化合物を用いて、ウレタン製造時に反応させてもよい。
これらの分子中に活性水素基を有するシリコーン化合物の中でも、分子中にOH基を有するシリコーン化合物が最も好ましい。分子中にOH基を有するシリコーン化合物は、ウレタン原料との反応性が速度的に同じ程度なのでウレタン硬質層の製造がし易いメリットがある。
なお、分子中にOH基を有するシリコーン化合物の中でも、ポリジメチルシロキサン−末端OH基ポリアルキレンエーテル−グラフト共重合体を微発泡タイプのウレタン硬質層を製造する時に用いると、このシリコーン化合物がウレタン製造時にシリコーン整泡剤として機能すると共に、ウレタン硬質層の静摩擦係数をより低く制御できるので好ましい。
なお、これらの分子中に活性水素基を有するシリコーン化合物は、ウレタン原料に良く熔けるが、反応が進行すると同時に表面にブリードしてきて最終的には層表面に偏在するため摩擦係数の低下に効果があり、また組成に組みいられているため溶出するようなことがなく、長期間の効果が持続され易い。
ウレタン硬質層は、静摩擦係数を満足しレールに対する摺動を確保し、また耐磨耗性を高めるために、非発泡層又は微発泡層であることがよい。
ウレタン硬質層の密度は、例えば、0.8〜1.2g/cmがよく、好ましくは0.95〜1.2g/cmである。
ウレタン硬質層の厚みは、0.1〜3mmがよく、特に0.2〜1.2mmが強靭性と経済性から長期の使用に適する。
(架橋ウレタン発泡軟質層とウレタン硬質層との積層化)
架橋ウレタン発泡軟質層とウレタン硬質層との積層化は、いずれかの層のウレタン樹脂化反応をするときに反応接着して行うことがよい。つまり、予め作製された層に後から作製する層のウレタン樹脂化反応時に反応接着する方法により積層化することで、接着性の極めて優れた軌道パッドとなるため非常に好ましい。
具体的には、例えば、ウレタン硬質層を予め作製しておき、架橋ウレタン発泡軟質層を成形する時に同時反応接着するか、逆に架橋ウレタン発泡軟質層を予め作製しておき、この上にウレタン硬質層を反応接着して、積層化する。
これらの積層化の場合、ウレタン硬質層は、反応性ウレタン系ホットメルトの塗布、熱硬化性又は熱可塑性ウレタンモノマーの塗布により作製することが好ましい。
特に好ましい積層化としては、例えば、ウレタン硬質層を予め製作しておいて、この層の上又は下に塗布法や注型法でウレタン発泡軟質層を作製して積層化する方法である。
(粘着層)
本実施形態に係る軌道パッドは、架橋ウレタン発泡軟質層(架橋ウレタン発泡軟質層本体)のまくら木又はタイプレート側の表面(以下、架橋ウレタン発泡軟質層の裏面)に、粘着層を有していてもよい。粘着層は、架橋ウレタン発泡軟質層の裏面の全面に有していてもよいし、一部に有していてもよい。
架橋ウレタン発泡軟質層の裏面に粘着層を有することで、軌道パッドを介装したとき、そのまくら木又はタイプレート側の面と接触する部材(例えば、まくら木、タイプレート、又は可変パッド)との密着性が高まる。この密着力で、レールの膨張収縮に伴う力が軌道パッドに付与されても、軌道パッドがずれ難くなる。その結果、レールの伸縮、又は車両通過時の振動によって生じるレールからの軌道パッドの離脱が抑制され易くなる。
このように、粘着層は、軌道パッドのまくら木又はタイプレート側の面と接触する部材(例えば、まくら木、タイプレート、又は可変パッド)と密着し、レールからの軌道パッドの離脱を抑制する層である。そして、レールからの軌道パッドの離脱は、長期間にわたり抑制されることがよい。
このため、粘着層のプローブタック値は、0.5〜150kPaがよく、好ましくは1.0〜50kPa、より好ましくは1.0〜10kPaがよい。
特に、粘着層のプローブタック値が0.5kPa以上50kPa以下の場合、軌道パッド同士の自着、又は埃や砂等の付着が抑制され、作業性が高い。一方で、粘着層のプローブタック値が50kPaを超え150kPa以下の場合、剥離可能なセパレータ(例えば離型紙)等を粘着層の表面(露出面)に貼り付けておき、軌道パッドを介装するとき、当該セパレータを粘着層から剥離すると、作業性が高まることから好ましい。
この様なプローブタック値を満足する粘着層としては、粘着層が柔軟な材料であることが好ましく、このために粘着剤選定の物性指標として、100%引張りモジュラスが、0.7〜7.5MPaがよく、好ましくは1.7〜5.0MPaである。
粘着層の材質としては、架橋ウレタン発泡軟質層との接着性の観点から、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂が好ましく、より好ましくはアクリル樹脂、ウレタン樹脂である。
粘着性を持つアクリル樹脂としては、例えば、積水化学工業社や住友スリーエム社が販売している両面粘着テープや、アクリル粘着剤であるSKダイン(綜研化学社製)や水エマルション系アクリル−スチレン樹脂であるアクロナール(BASFジャパン社製)、又はスプレー状の粘着剤で商品名スプレーのり(住友スリーエム社製)等を用いることがよい。
粘着性を持つウレタン樹脂としては、例えば、塗料用樹脂で商品名「バーノック」(DIC社製)或いは合成皮革や自動車内装材、接着剤などに道いられている商品名クリスボン(DIC社製)、発泡ウレタン系シートとして販売されている商品名「ニッパレイ」(日本発条社製)、セメダイン社製や日立化成ポリマー社製の湿気硬化型のウレタンホットメルトなどを用いることがよい。
粘着性を持つエポキシ樹脂としては、例えば、接着剤として用いられているボンド(小西六商店社製)やスリーボンド社より販売されている「液状ガスケット」などを用いることがよい。
粘着性を持つナイロン樹脂としては、例えば、播磨化成社やヘンケルジャパン社、ロックタイト社が販売しているダイマー酸ポリアミド系の接着剤や粘着剤を用いることがよい。
粘着層は、架橋ウレタン発泡軟質層の裏面の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。粘着層を架橋ウレタン発泡軟質層の一部に設ける場合、例えば、以下に示す態様が挙げられる。
1)の態様: 架橋ウレタン発泡軟質層の裏面の縁部を除く中央部に、平面四角状の粘着層を設けた態様(図4A参照)
2)の態様: 架橋ウレタン発泡軟質層の裏面に、その長手方向に沿った直線状の粘着層を短手方向に間隔を持って配列した態様(ストライプ状に配線層を配列した態様:図4B参照)
3)の態様: 架橋ウレタン発泡軟質層の裏面に、平面四角状の粘着層を格子状に配列した態様(図4C参照)
なお、図4A〜図4Cにおいて、12は架橋ウレタン発泡軟質層を示し、14は粘着層を示す。
ここで、粘着層の配置態様は、上記1)〜3)の態様に限られるわけではない。
例えば、1)の態様において、粘着層の平面形状は、四角状に限られず、円形状、多角形状、その他の幾何学形状状であってもよい。粘着層は、中央部に限られず、架橋ウレタン発泡軟質層の裏面の縁部のみに設けてもよい。
2)の態様において、粘着層は、直線状に限られず、湾曲した線状(例えば波状)、屈曲した線状(例えば折れ線状)で設けてもよい。粘着層は、架橋ウレタン発泡軟質層の裏面に、その短手方向に沿った直線状の粘着層を長手方向に間隔を持って配列してもよい。
3の態様において、粘着層の平面形状は、四角状に限られず、円形状、多角形状、その他の幾何学形状状であってもよい。粘着層は、格子状に限られず、千鳥状、不規則に配列してもよい。
2)又は3)の態様の粘着層を、架橋ウレタン発泡軟質層の裏面の中央部、縁部、四隅、又は、長手方向若しくは短手方向両端部に設けた態様であってもよい。
その他、粘着層は、任意の平面形状にパターニングされて架橋ウレタン発泡軟質層の裏面に設けられていてもよい。
粘着層の厚みは、0.005〜1.0mmがよく、好ましくは0.01〜0.5mmである。
粘着層を架橋ウレタン発泡軟質層の裏面に形成する方法は、特に制限はなく、粘着層となる樹脂製のシートを予め作製しておき、架橋ウレタン発泡軟質層を形成するときのウレタン樹脂化反応をするときに反応接着して行う方法が挙げられる。具体的には、粘着層となる樹脂製のシートの上又は下に塗布法や注型法でウレタン発泡軟質層を作製して、粘着層を架橋ウレタン発泡軟質層の裏面に形成する。
その他、粘着層の形成方法としては、例えば、1)インモールドコートとして、粘着層形成用の塗布液を型に予め塗布した後、ウレタン原料を注型し、架橋ウレタン発泡軟質層を形成すると共にその裏面に粘着層を一体形成する方法、2)架橋ウレタン発泡軟質層を予め作製しておき、架橋ウレタン発泡軟質層の裏面に、粘着層形成用の塗布液を塗布して、粘着層を形成する方法も挙げられる。
特に、粘着層形成用の塗布液として、例えば、湿分硬化型の反応性ウレタン系ホットメルトタイプを用いると、無溶剤でしかも架橋ウレタン発泡軟質層との接着性も良好で耐久性も高い粘着層が形成できる。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、配合量(含有量、添加量)に関する「部」、「%」はすべて質量基準である。
(実施例1)
(ウレタン硬質層の作製)
PTMG650(三菱化学社製ポリテトラメチレングリコール、分子量650)100部とミリオネートP−MDI(日本ポリウレタン社製ジフェニルメタンジイソシアナート)158部よりなるプレポリマー140部に1,4−ブタンジオール23部と触媒としてジブチルチンジラウレート0.05部を撹拌しシリコーン離型処理されたポリエステルフィルム上に厚み0.5mmになるように塗布し、100℃で10分加熱硬化して、寸法180mm×140mmのウレタン硬質層を得た。得られたウレタン硬質層はA硬度97、静摩擦係数0.25で、磨耗試験による磨耗量は2mgであり、極めて強靭であった。
(架橋ウレタン発泡軟質層の作製と積層化)
上記作製した寸法180mm×140mmのウレタン硬質層をモールド(寸法185mm×145mm×13.9mm)の上面に載置し、これにPTMG1000(三菱化学社製PTMG、分子量1000)100部とミリオネートP−MDI 77.9部からなるプレポリマー100部に1,4ブタンジオール/トリメチロールプロパン(質量比75/25)9.6部、水0.1部、触媒としてジブチルチンジラウレート0.03部、整泡剤SH−193(東レダウ工―ニング社製)0.5部を撹拌した発泡原液を所定量注入し型閉めした。5分後100℃のオーブンにて10分間加熱硬化させ、架橋ウレタン発泡軟質層を得た。その後脱型して製品を取り出した。得られた製品はウレタン硬質層が架橋ウレタン発泡軟質層に強固に接着していた。
このようにして、軌道パッドを作製した。
(実施例2)
実施例1のウレタン硬質層の組成に、シリコーン系反応性オイルとしてKF−6002(信越化学工業社製、両末端カルビノール変性シリコーンオイル、水酸基価35)を3部追加した以外は実施例1と同様な方法で、ウレタン硬質層の摩擦係数を改良した軌道パッドを作製した。
(比較例1)
実施例1において、ウレタン硬質層を形成しない以外は実施例1と同様な方法で、架橋ウレタン発泡軟質層の単層からなる軌道パッドを作製した。
(比較例2)
実施例1のウレタン硬質層の作製に用いたシリコーン離型処理されたポリエステルフィルムの代わりに、紙にポリプロピレンフィルムをラミネートした離型紙を用いたこと以外は、実施例1と同様な方法で、ウレタン硬質層の摩擦係数の上がった軌道パッドを作製した。
(比較例3)
実施例1のウレタン硬質層の組成で、1,4−ブタンジオールの代わりに1,4−ブタンジオール/トリメチロールプロパン(質量比75/25)を23部用いた以外は、実施例1と同様な方法で、ウレタン硬質層のA硬度が低下した軌道パッドを作製した。
(実施例3)
実施例1において、各層を反応接着する代わりに、ウレタン硬質層にセメダインスーパーX #8008(セメダイン社製 アクリル変性シリコーン接着剤)を約50μm塗布し、別途作製した架橋ウレタン発泡軟質層に貼り付け50℃で1時間放置して、各層を接着剤により接着した以外は、実施例1と同様の方法で軌道パッドを作製した。
(実施例4)
実施例1の架橋ウレタン発泡軟質層の組成で、整泡剤をSH−193からSF−2936(東レダウコーニング社製)に変えた以外は、実施例1と同様な方法で、架橋ウレタン発砲軟質層の独泡率の低い軌道パッドを作製した。
(実施例5)
実施例1のウレタン硬質層の組成で、PTMG650を100部の代わりに、プラクセル205(ダイセル化学社製ポリカプロラクトン系ポリオール、分子量530)50部とプラクセル208(同 分子量830)50部を用いた以外は、実施例1と同様な方法で、ウレタン硬質層がエステル系ウレタン(ポリカプロラクトン系ポリオールを用いたウレタン)で構成された軌道パッドを作製した。
(実施例6)
実施例1の架橋ウレタン発泡軟質層の組成で、PTMG1000の変わりにプラクセル210(ダイセル化学社製ポリカプロラクトン系ポリオール、分子量1000)を用いた以外は、実施例1と同様な方法で、架橋ウレタン発泡軟質層がエステル系ウレタン(ポリカプロラクトン系ポリオールを用いたウレタン)で構成された軌道パッドを作製した。
(比較例4)
従来品の片面が凹凸に肉抜きされたSBRゴムの表面にエボナイト(EB)が積層された軌道パッド(新日本エスライト工業、商品名EB材付軌道パッド)を準備した。
(評価)
各例で得られた軌道パッドの物理特性を測定すると共に、各種試験を行い、評価を行った。
以下、本実施例で行った各種測定方法及び各種試験について示す。なお、本発明の各種値は以下に示す測定方法により測定される値である。
(測定方法)
−厚み−
厚みは、試験片(140mm×180mm)の縦3列及び横3列の計9点の厚みを測定し、平均値として求めた。
−密度−
密度は、試験片(140mm×180mm×厚み)の重量を体積で除することによって測定した
−A硬度−
A硬度は、JISK7215に記載のデュロメーターA硬度計にて試験片(140mm×180mm×厚み)の縦横5点のA硬度を測定し、その平均値として求めた。
−静摩擦係数−
静摩擦係数は、JISK7125に準じ、鋼板上に試験片(30mm×30mm×厚み)を置き、その試験片に荷重200gの分銅を載せる。試験片の一端をスピード50mm/分で引張り、初期の最大荷重を荷重(200g)で除した。
−摩耗量−
磨耗量は、JISK7204に準じ、試験片(100mm×100mm×厚み)をテーバー式ロータリーアブレッサー(東洋精機製作所)により、磨耗輪H−18、錘500g、回転数400回の磨耗量としてmg単位で測定した。
−独泡率−
独泡率は、ASTM D2856に準じ、試験片(30mm×30mm×10mm)をベックマン式空気比較比重計930型(東京サイエンス社製)にて測定した。
−バネ定数−
JISE1117に準じ、軌道パッド(寸法は製品サイズ)を、まず40kNまで圧縮した後、10kNまで戻し、次に50kNまで荷重をかけ、10kNから50kNまでの変形量を測定する。そして、バネ定数は、式バネ定数=△P÷変形量で求めた。ここで、△Pは50kN−10kN=40kNである。
(各種試験)
−疲労試験−
疲労試験は、JISE1117に準じ、試験片(50mm×50mm×厚み)を予備圧縮9kNかけた後、9kNの荷重を5Hzで100万回圧縮復元を繰り返し、徐荷後24時間後のヘタリ量の測定と試験片の割れ・キレツなど外観を観察することで行った。そして、ヘタリ量が6%及び剥離など外観異常がないことで合格とした。
−フク進抵抗−
フク進抵抗は、軌道パッド(寸法は製品サイズ)をタイプレート上に乗せ、軌道パッドの硬質層側に60kg/mレールの約300mm長さを載置しトルク600Kgf・cmで締結した。そのレールの一端から荷重をレールに水平にかけレールが軌道パッド上を滑る荷重を求めた。フク進抵抗の値は現行の鋼板付軌道パッド(新エスライト工業社製)の4.8kN以下を合格とした。
−吸水率−
吸水率は、試験片(50mm×50mm×厚み)を水深10cmの24時間放置し、吸水量を体積あたりの割合として求めた。
−湿熱試験−
湿熱試験は、試験片(50mm×50mm×厚み)を加圧加湿装置(プレッシャークッカー)中に121℃×湿度100%で1日放置し、その後、上記疲労試験を行いヘタリと層間の剥離など外観を観察することで行った。ヘタリが8%以下、多少の剥離不良は合格とした。
以下、各例の物理特性の測定結果、各種試験の結果について、表1及び表2に一覧にして示す。なお、表1及び表2中、「←」との表記は左欄と同じ内容(値)であることを示し、「−」は評価しなかったことを示している。そして。表1及び表2中の略称は以下の通りである。
・硬質層: ウレタン硬質層
・軟質層: 架橋ウレタン発泡軟質層
・製品: 軌道パッド
・UE: エーテル系ウレタン(ポリエーテル系ポリオールを使用したウレタン)
・US: エステル系ウレタン(ポリカプロラクトン系ポリオールを使用したウレタン)
・SBR: スチレン・ブチレン・ゴム
・EB: エボナイト
Figure 2014190007
Figure 2014190007
上記結果から、本実施例では、疲労試験及び湿熱試験が共に良好な上で、比較例に比べて、摩耗量、フク進抵抗が共に優れていることがわかる。また、本実施例では、架橋ウレタン発泡軟質層の組成等により、容易に、軌道パッドのバネ定数が調整できることがわかる。
このことから、本発明の軌道パッドは、バネ定数の制御が容易であり、耐久性及び耐摩耗性に優れると共に、レールに対する摺動性に優れた軌道パッド
(実施例7)
実施例1の軌道パッドの架橋ウレタン発泡層の裏面全面にクリスボンASPU−112(DIC社製、ウレタン系コーティング剤)を厚み20μmになるようにコーティングし、100℃で10分乾燥し粘着層を形成して、粘着層付き軌道パッドを作製した。粘着層のプローブタック値は1.6kPaであり、100%引張りモジュラスは4.5MPaであった。この実施例7の粘着層付き軌道パッドに対して引抜強度を測定する試験を行ったところ、3500Nであり、粘着層の剥がれも見られなかった。この軌道パッドはこの粘着層があることにより軌道パッドがレールの伸縮や振動に耐えてタイプレートより脱落しにくくなることがわかる。
なお、実施例7の粘着層付き軌道パッドは、互いに付着せず、また粘着層にゴミも付着しなかったため、粘着層の保護のための離型紙は不要であった。
(実施例8)
実施例7において、クリスボンASPU−112(DIC社製、ウレタン系コーティング剤)に代えて、アクリル系粘着剤であるSKダイン1495(綜研化学社製アクリル系粘着剤溶液、固形分30%)を用いた以外は、実施例7と同様の方法で、粘着層付き軌道パッドを作製した。粘着層のプローブタック値は9.4kPaであり、100%引張りモジュラスは2.2MPaであった。この実施例8の粘着層付き軌道パッドに対して引抜強度を測定する試験を行ったところ、4500Nであり、粘着層の剥がれも見られなかった。この軌道パッドはこの粘着層があることにより軌道パッドがレールの伸縮や振動に耐えてタイプレートより脱落しにくくなることがわかる。
なお、実施例8の粘着層付き軌道パッドは、互いに付着せず、また粘着層にゴミも付着しなかったため、粘着層の保護のための離型紙は不要であった。
以下、実施例7及び8において、実施した各種測定及び試験についての詳細は以下の通りである。
−プローブタック値−
ASTM D2979に準拠に準拠し、ステンレス製(SUS304)10Φプローブを粘着層の表面(粘着面)に接触させ0.1kg/cmの荷重を20秒かけた後、10mm/秒のスピードで引き剥がした時の荷重を読み取り、面積当りの値を算出した。
そして、この測定を、架橋ウレタン発泡層の裏面に設けられた粘着層の任意の10箇所について行い、その平均値を粘着層のプローブタック値とした。但し、粘着層が架橋ウレタン発泡層の裏面の一部に設けられている場合、プローブの中心が粘着層と接触するように測定した。
−100%引張りモジュラス
100%引張りモジュラスは、JISK7215に準じ、粘着層の乾燥サンプルをダンベル1号で打ち抜いた試験サンプルを引張り速度200mm/分で伸び率100%の応力を求め厚みで除した値として求めた。
−引抜強度−
軌道パッドをタイプレートとレール(60kg/m)の間に挟み、軌道パッドの先端が30mm出る様にトルク600kgf・cmで締結した。軌道パッドの出た部分をチャックでつかみ引抜強度を測定した。そして、この引張強度が3000N以上を合格とした。
10 軌道パッド
12 架橋ウレタン発泡軟質層
14 ウレタン硬質層
16 粘着層
20 まくら木
22 タイプレート
22A ボルト
22B ナット
24 レール
26 板バネ
26A ボルト
26B ナット
28 可変パッド

Claims (5)

  1. レールとまくら木又は前記まくら木上に固定されるタイプレートとの間に介装され、所要のバネ定数を持つ軌道パッドであって、
    架橋ウレタン発泡軟質層と、
    前記架橋ウレタン発泡軟質層の前記レール側の表面に積層され、A硬度が95以上であり、且つ静摩擦係数が0.35以下のウレタン硬質層と、
    を備える軌道パッド。
  2. 前記架橋ウレタン発泡軟質層と前記ウレタン硬質層とは、いずれかの層のウレタン樹脂化反応をするときに反応接着して積層されている請求項1に記載の軌道パッド。
  3. 前記架橋ウレタン発泡軟質層は、独立気泡の発泡層である請求項1又は2に記載の軌道パッド。
  4. 前記架橋ウレタン発泡軟質層及び前記ウレタン硬質層は、ウレタン原料として、ポリエーテル系ポリオールとイソシアナートとを少なくとも用いて形成された層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の軌道パッド。
  5. 前記イソシアナートは、ジフェニルメタンジイソシアナート系(MDI系)のイソシアナートである請求項4に記載の軌道パッド。
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