JP6047047B2 - 軌道パッド - Google Patents

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Description

本発明は、レールとまくら木又は前記まくら木上に固定されるタイプレートとの間に介装され、所要のバネ定数を持つ軌道パッドに関する。
従来の軌道パッドは天然ゴムやSBRゴム(スチレン・ブタジエンゴム)が用いられていたが、レールの寒暖に伴う伸縮により長期間の使用で軌道パッドがめくれたり、脱離したりしてゴム材がなくなっていることが頻繁にあった。更に、ゴム材は経時的に硬度が上昇し、敷設初期には振動・騒音防止の機能を果たしているが、経時的にその機能は劣化していく欠点を有していた。
そのような欠点を改良した軌道パッドとして、ゴム材の上面にすべる様に鋼板が接着されたものが提案された。鋼板とゴム材は接着性が劣るため、ゴム材から鋼板が剥れやすく、万一剥れても脱離しないように数々の工夫がなされてきた(例えば、特許文献1〜4)。
しかし、それでも長年の使用により接着不良が生じ、レールの伸縮による煎断力と車両通過による振動などで鋼板がゴムパッドから分離し、車両通過時に吹き飛ばされ、車両に損傷を与えたり、レールの絶縁部分に接触し絶縁不良をおこし、例えば、信号機故障といった重大な故障が起こったりする場合があった。
そして、これら欠点を改良した軌道パッドとして、ゴム材の上面に鋼板を接着する代わりにエボナイトを固着したものが提案されている(例えば、特許文献5)。
特開平07−238502号公報 特開平10−237802号公報 特開平11−323801号公報 特開2004−44113号公報 特開2006−265841号公報
しかしながら、特許文献5の提案品において、ゴム部材とエボナイトはゴム加硫時に同時加硫接着するため、接着面は反応接着していて接着信頼性は高い。この提案品はエボナイトが良くすべり接着もかなりしっかりしている点で優れているが、低バネ定数の調整のためにゴム材底面に肉抜き、つまり凹部を設け圧締面積を調整する方法が取られており、肉抜けする事で圧力を少ない面積で負担する事になり、長い年月高い荷重を繰り返し受けると、少ない面積のゴム部にキレツが生じゴム材が脱落する問題が生じていた。更に、エボナイトはゴムに大量の硫黄を配合した架橋度の極めて高いゴム材のため磨耗特性が極めて悪いことがわかっている。また、経時的にゴムの硬度が上昇する欠点は修正されていないのが現状である。
そこで、本発明は、上記事実を考慮し、バネ定数の制御が容易であり、耐久性及び耐摩耗性に優れると共に、レールに対する摺動性に優れた軌道パッドを提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
レールとまくら木又は前記まくら木上に固定されるタイプレートとの間に介装され、所要のバネ定数を持つ軌道パッドであって、
架橋ウレタン発泡層と、
前記架橋ウレタン発泡層の前記レール側の表面に積層され、高密度ポリエチレンを含む摺動層と、
を備える軌道パッド。
請求項2に係る発明は、
レールとまくら木又は前記まくら木上に固定されるタイプレートとの間に介装され、所要のバネ定数を持つ軌道パッドであって、
架橋ウレタン発泡層と、
前記架橋ウレタン発泡層の前記レール側の表面に積層され、高密度ポリエチレン、6ナイロン、又は66ナイロンを含む摺動層と、
を備え、
前記架橋ウレタン発泡層と前記摺動層とは、前記摺動層となる摺動シートの前記架橋ウレタン発泡層と接触する側の面を粗面化した状態で、前記架橋ウレタン発泡層のウレタン樹脂化反応をするときに同時接着して積層されている軌道パッド。
請求項3に係る発明は、
前記架橋ウレタン発泡層は、独立気泡の発泡層である請求項1又は2に記載の軌道パッド。
請求項4に係る発明は、
前記架橋ウレタン発泡層は、ウレタン原料として、ポリエーテル系ポリオールとイソシアナートとを少なくとも用いて形成された層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の軌道パッド。
請求項5に係る発明は、
前記イソシアナートは、ジフェニルメタンジイソシアナート系(MDI系)のイソシアナートである請求項4に記載の軌道パッド。
本発明によれば、バネ定数の制御が容易であり、耐久性及び耐摩耗性に優れると共に、レールに対する摺動性に優れた軌道パッドを提供することができる。
図1は、本実施形態に係る軌道パッドの介装態様を説明する概略構成図である。 図2は、本実施形態に係る軌道パッドを示す概略斜視図である。 図3は、図2のA−A断面図である。 図4Aは、粘着層の配置位置の一例を示す平面図である。 図4Bは、粘着層の配置位置の他の一例を示す平面図である。 図4Cは、粘着層の配置位置の他の一例を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る軌道パッドについて説明する。
本実施形態に係る軌道パッド10は、軌道スラブに設けられるパッドである。
具体的には、軌道スラブは、図1に示すように、例えば、道床(不図示)上に配列されるまくら木20と、まくら木20上に固定されるタイプレート22、タイプレート22上に固定されるレール24と、を備えている。
タイプレート22は、例えば、その両端部がボルト22A及びナット22Bにより、まくら木20上に締め付け固定されている。レール24は、例えば、ボルト26A及びナット26Bにより締め付け固定された板バネ26により、タイプレート22上に押さ付けられて固定されている。
そして、レール24は、例えば、タイプレート22との間に、可変パッド28(例えば樹脂注入式可変パッド)及び軌道パッド10を介した状態で固定されている。ここで、可変パッド28は、レール高さ調節用のパッドであり、任意に設けられるパッドである。
このようにして、本実施形態に係る軌道パッド10は、レール24とタイプレート22との間に介装される。但し、軌道スラブはタイプレート22を備えない態様であってもよく、この場合、軌道パッド10は、レール24とまくら木20との間に介装される。
なお、まくら木とは、木のみならず、例えば。木を含め、コンクリート、ガラス繊維若しくは樹脂、又はこれら材料等を混合したものも包含する。
上記態様で介装される本実施形態に係る軌道パッド10は、図2〜図3に示すように、架橋ウレタン発泡層12と、架橋ウレタン発泡層12のレール24側の表面に積層され、高密度ポリエチレン、6ナイロン、又は66ナイロンを含む摺動層14と、を備える。そして、本実施形態に係る軌道パッド10は、所要のバネ定数を持つパッドである。
なお、本実施形態に係る軌道パッド10の形状は、介装態様に応じて、周知の形状とすることができる。
本実施形態に係る軌道パッド10では、架橋ウレタン発泡層12を軌道パッド本体として設けることで、ゴム部材のように肉抜きをしなくても、そのウレタン原料の組成(イソシアナート濃度等)、発泡状態(独泡率等)、膜厚等を調製することより、容易に、目的とする軌道パッド10のバネ定数を制御でき、その復元性及び耐久性も高い。また、架橋ウレタン発泡層12のレール24側の表面に、上記所定の材料を含む摺動層14を設けることにより、耐久性及び耐摩耗性と共に、レール24に対する摺動性が高まる。
このため、本実施形態に係る軌道パッド10では、バネ定数の制御が容易であり、耐久性及び耐摩耗性に優れると共に、レール24に対する摺動性に優れたものとなる。また、上記所定の材料を含む摺動層14は、架橋ウレタン発泡層12と接着性が高いという利点もある。
その結果、長寿命化が実現されると共に、レール24の伸縮による煎断力と車両通過による振動が負荷されても、レール24から離脱し難く、車両通過時に吹き飛ばされ、車両に損傷を与えたり、レール24の絶縁部分に接触することで生じる絶縁不良に起因する信号機故障が抑制される。
以下、軌道パッド10の詳細について説明する。なお、以下、符号を省略して説明する。
(架橋ウレタン発泡層)
架橋ウレタン発泡層は、軌道パッドのバネに相当するもので、復元性が特に要求される層である。そして、復元性を要するために、当該層は架橋したウレタン発泡体で構成させている。
架橋ウレタン発泡層は、例えば、1)ウレタン原料として、ポリオール、イソシアネート、及び、必要に応じて鎖延長材を含む混合原液をモールドに注入し成形する方法、2)当該混合原液を離型紙に塗布し加熱硬化後、所定形状に打抜く方法により形成できる。なお、ウレタン原料を含む混合原液には、発泡剤を含有し、その他の添加剤を含有してもよい。
−ポリオール−
ポリオールは、例えば、ポリオキシプロピレンポリオール(PPG)、ポリオキシエチレンポリオール(PEG)、PPGとPEGの共重合物、ポリオキシテトラメチレンポリオール(PTMG)等のポリエーテル系ポリオールを用いることがよい。ポリエーテル系ポリオール(特に、PPG、PTMG)は、反応性と共に、耐加水分解性にも優れることから、架橋ウレタン発泡層の耐久性及び復元性が高まり易くなる。また、ポリエーテル系ポリオールは、粘度も低く取扱い性も高いという利点もある。
ポリオールは、ポリエーテル系ポリオール以外に、ジカルボン酸(アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、ダイマー酸等)とグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1.4−ブタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、2−メチルプロパンジオール、3−メチルペンタンジオール等)とを縮合させたポリエステルポリオール(PES)、ポリカプロラクトンポリオール(PCL)、ポリカーボネートポリオール(PCA)、(水添)ポリブタジエン系ポリオール、(水添)ポリイソプレン系ポリオール等も使用してもよい。
なお、ポリオールは予め過剰当量のイソシアナートと反応させて末端NCO基のプレポリマーとして用いると、架橋ウレタン発泡層の復元性や強靭性が高まり好ましい。
−イソシアナート−
イソシアナートは、例えば、トルエンジイソシアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、粗製のMDI(cr−MDI)を用いることがよい。特に、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)系のイソシアナートを用いると、反応性が高く、架橋ウレタン発泡層の耐久性及び復元性が高まり易くなり好ましい。
−鎖延長剤−
鎖延長剤は、例えば、芳香族ジアミン(例えば4.4‘−ジアミノ−3.3’−ジクロロジフェニルメタン(MOCA)等)、分子量500以下グリコール又は多官能アルコール(例えばエチレングリコール、1.4−ブタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリメチロールプロパン等)及びそれらのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、ヒドロキノンのエチレンオキサイド付加物、レゾルシンのエチレンオキサイド付加物を用いることがよい。
これらのうち、鎖延長剤としては、分子量200以下で1級アルコールの低分子ポリオールで、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ヒドロキノン、レゾルシンのエチレンオキシド付加物等が最も好ましい。
−発泡剤その他の添加剤−
その他の添加剤は、発泡剤の他、必要に応じて、触媒、整泡剤等の周知の添加剤を用いる。
発泡剤は、例えば、水、低沸点の有機溶剤(シクロペンタン、ジクロロメタン等)、ハロゲン化炭化水素、これらの混合液等が用いられる。なお、ウレタンの発泡には、ポリオールやプレポリマーを空気や窒素を用いて気泡を巻き込む方法も取り得る。
触媒は、例えば、アミン系触媒やスズ系等の金属触媒が用いられる。
整泡剤は、例えば、ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレンポリオールの共重合体を代表例としたシリコーン系化合物が用いられる。
−ウレタンの架橋導入−
ウレタンに架橋を導入するには、ポリオール、イソシアナート、鎖延長材のいずれかに2官能以上のものを用いることが必要である。特に、末端NCO基のポリオールのプレポリマーを用いる場合、ウレタンに架橋を導入するには、末端NCO基のポリオールのプレポリマーを2官能にして、鎖延長材を2官能以上にすること、多官能イソシアナートを併用すること、又はこれらを併用することが、プレポリマーの合成の容易さと低粘度化できるため好ましい。
−その他態様−
架橋ウレタン発泡層は、独立気泡の発泡層であることがよい。架橋ウレタン発泡層の気泡を独立気泡とすると、当該層が吸水し難くなり、耐久性が高まり易くなる。
架橋ウレタン発泡層の密度は、例えば、0.4〜0.95g/cmがよく、好ましくは0.6〜0.9g/cmである。
架橋ウレタン発泡層の独泡率は、例えば、30〜100%がよく、好ましくは50〜100%である。
架橋ウレタン発泡層の厚みは、例えば、1〜15mmがよく、好ましくは3〜13mmである。
(摺動層)
摺動層は、レールと直接接触する表面層で、レールの伸縮により軌道パッドがずれないよう硬度が硬くなければならず、また滑り易い面とする必要がある層である。
このため、摺動層の静摩擦係数は0.35以下が好ましい。また、摺動層の静摩擦係数の下限値は軌道パッドの締結力によっても変化するが、例えば0.15程度である。
摺動層として、高密度ポリエチレン、6ナイロン、又は66ナイロンを含む層は、静摩擦係数が低く軌道パッドとしての使用環境での適合性、長期耐久性及び耐摩耗性に優れるうえ、架橋ウレタン発泡層との接着性が良好なため使用され得るのである。
ここで、他の樹脂でも、静摩擦係数が低い材料は種々あるが、架橋ウレタン発泡層との接着性と長期の屋外での使用に耐える耐久性及び耐摩耗性を持つ樹脂として、例えば、ポリエステル(PET樹脂)は、架橋ウレタン発泡層との接着性が良く、静摩擦係数が低いが、低温で割れ易くしかも加水分解しやすく耐久性が低い。また、他の樹脂としてポリオキシメチレンは、静摩擦係数が低く、耐久性及び耐摩耗性が高いが、架橋ウレタン発泡層との接着性が悪い。
高密度ポリエチレンとしては、密度0.94〜0.97g/cmのポリエチレンが用いられる。この密度の高密度ポリエチレンは、摺動層が良好で静摩擦係数が低く強靭であるため良好に使用しえる。特に、高密度ポリエチレンとして、超高分子量ポリエチレンと云われる粘度平均分子量(ASTMD2857)が50〜600万のもの用いると、摺動層の耐久性及び耐摩耗性がきわめて高くなるため好ましい。しかも、この高密度ポリエチレンとして超高分子量ポリエチレン製のシートを粗面化後にコロナ放電で表面処理すると、ウレタン発泡層との接着性も通常の高密度ポリエチレン製のシートより良好なので非常に好ましい。
6ナイロンと66ナイロンは汎用のグレードの物が使用しえるが、ナイロンにオレフィン系のエラストマーを配合した耐衝撃グレードを用いる事もできる。
摺動層の厚みは、0.05〜2.5mmがよく、特に0.2〜1.0mmが耐久性及び作業性の観点から好ましい。
(架橋ウレタン発泡層と摺動層との積層化)
架橋ウレタン発泡層と摺動層との積層化は、1)熱接着フィルムにより接着して積層する方法、2)摺動層となる摺動シート(樹脂シート)の架橋ウレタン発泡層と接触する側の面を粗面化した状態で、架橋ウレタン発泡層のウレタン樹脂化反応をするときに同時接着して積層する方法が挙げられる。
1)の方法について説明する。
1)の方法では、まず、高密度ポリエチレン、6ナイロン、又は66ナイロン製の摺動シートを準備する。次に、摺動シートと接着フィルムとをラミネートする。そして、
この熱接着フィルム付き摺動シートの熱接着フィルム側に、ウレタン原料を含む混合原液を塗布法や注型法で接触させた状態で、そのウレタン樹脂化反応を行って、架橋ウレタン発泡層を形成すると共に、摺動シートとの接着を行う。この方法では、ウレタンの自己発熱又は硬化時の加熱処理により熱接着する。
なお、予めウレタン発泡層を作製し、これに熱接着フィルム付き摺動シートを重ねて加熱処理することで熱接着して積層化してもよい。
ここで、使用する熱接着フィルムとしては、例えば、変性ポリエステル(三菱化学社製プリマロイ)をフィルム化したもの;、無水マレイン酸とポリプロピレンの共重合物である商品名モディック(三菱化学社製)若しくはアドマー(三井化学社製)等の酸無水物処理オレフィン系樹脂又はエポキシ基変性ポリオレフィン樹脂(住友化学社製ボンドファースト)等をフィルム化したもの;、オレフィン系ポリオール含有若しくはセバシン酸系ポリエステルポリオールのような長鎖脂肪族含有のポリウレタン樹脂をフィルム化したもの;、酢酸ビニル系接着フィルム(クラボー社製クラベンダー)等が用いられる。
2)の方法について説明する。
2)の方法では、まず、高密度ポリエチレン、6ナイロン、又は66ナイロン製の摺動シートを準備する。そして、この摺動シートの表面(架橋ウレタン発泡層と接する面)を粗面化する。
粗面化は、例えば、サンドペーパー、研磨ロール、金属ブラシ等による研磨処理;、金属粒子や砂等によるサンドブラスト処理;、火炎による酸化処理;、硫酸や硝酸等による酸処理を利用する。特に、研磨処理とサンドブラスト処理は、手軽に効果的な粗面化が行えることから好ましい。
具体的には、例えば、研磨処理の場合、サンドペーパーの砥粒のメッシュが50〜200μm程度の粗い研磨剤で処理することが、摺動層(摺動シート)及び架橋ポリウレタン発泡層の接着性が非常に高まり易くなる。
ここで、高密度ポリエチレン製の摺動シートを適用する場合、粗面化後に、さらにコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、紫外線処理等を施すと、摺動層(摺動シート)及び架橋ポリウレタン発泡層の接着性が非常に高まり易くなる。
この粗面化した摺動シートの粗面側に、ウレタン原料を含む混合原液を塗布法や注型法で接触させた状態で、そのウレタン樹脂化反応を行って、架橋ウレタン発泡層を形成すると共に、摺動シートとの接着を行う。
なお、積層化は、接着性の観点から、高密度ポリエチレン製の摺動シートを適用した場合、1)の方法が適しており、6ナイロン又は66ナイロン製の摺動シートを適用した場合、2)の方法が適している。但し、高密度ポリエチレン製の摺動シートを適用した場合でも、粗面化後にコロナ放電処理等の処理を行えば、2)の方法でも、接着性が向上する。
(粘着層)
本実施形態に係る軌道パッドは、架橋ウレタン発泡層のまくら木又はタイプレート側の表面(以下、架橋ウレタン発泡層の裏面)に、粘着層(不図示)を有していてもよい。粘着層は、架橋ウレタン発泡層の裏面の全面に有していてもよいし、一部に有していてもよい。
架橋ウレタン発泡層の裏面に粘着層を有することで、軌道パッドを介装したとき、そのまくら木又はタイプレート側の面と接触する部材(例えば、まくら木、タイプレート、又は可変パッド)との密着性が高まる。この密着力で、レールの膨張収縮に伴う力が軌道パッドに付与されても、軌道パッドがずれ難くなる。その結果、レールの伸縮、又は車両通過時の振動によって生じるレールからの軌道パッドの離脱が抑制され易くなる。
このように、粘着層は、軌道パッドのまくら木又はタイプレート側の面と接触する部材(例えば、まくら木、タイプレート、又は可変パッド)と密着し、レールからの軌道パッドの離脱を抑制する層である。そして、レールからの軌道パッドの離脱は、長期間にわたり抑制されることがよい。
このため、粘着層のプローブタック値は、0.5〜150kPaがよく、好ましくは1.0〜50kPa、より好ましくは1.0〜10kPaがよい。
特に、粘着層のプローブタック値が0.5kPa以上50kPa以下の場合、軌道パッド同士の自着、又は埃や砂等の付着が抑制され、作業性が高い。一方で、粘着層のプローブタック値が50kPaを超え150kPa以下の場合、剥離可能なセパレータ(例えば離型紙)等を粘着層の表面(露出面)に貼り付けておき、軌道パッドを介装するとき、当該セパレータを粘着層から剥離すると、作業性が高まることから好ましい。
この様なプローブタック値を満足する粘着層としては、粘着層が柔軟な材料であることが好ましく、このために粘着剤選定の物性指標として、100%引張りモジュラスが、0.7〜7.5MPaがよく、好ましくは1.7〜5.0MPaである。
粘着層の材質としては、架橋ウレタン発泡層との接着性の観点から、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂が好ましく、より好ましくはアクリル樹脂、ウレタン樹脂である。
粘着性を持つアクリル樹脂としては、例えば、積水化学工業社や住友スリーエム社が販売している両面粘着テープや、アクリル粘着剤であるSKダイン(綜研化学社製)や水エマルション系アクリル−スチレン樹脂であるアクロナール(BASFジャパン社製)、又はスプレー状の粘着剤で商品名スプレーのり(住友スリーエム社製)等を用いることがよい。
粘着性を持つウレタン樹脂としては、例えば、塗料用樹脂で商品名「バーノック」(DIC社製)或いは合成皮革や自動車内装材、接着剤などに道いられている商品名クリスボン(DIC社製)、発泡ウレタン系シートとして販売されている商品名「ニッパレイ」(日本発条社製)、セメダイン社製や日立化成ポリマー社製の湿気硬化型のウレタンホットメルトなどを用いることがよい。
粘着性を持つエポキシ樹脂としては、例えば、接着剤として用いられているボンド(小西六商店社製)やスリーボンド社より販売されている「液状ガスケット」などを用いることがよい。
粘着性を持つナイロン樹脂としては、例えば、播磨化成社やヘンケルジャパン社、ロックタイト社が販売しているダイマー酸ポリアミド系の接着剤や粘着剤を用いることがよい。
粘着層は、架橋ウレタン発泡層の裏面の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。粘着層を架橋ウレタン発泡層の一部に設ける場合、例えば、以下に示す態様が挙げられる。
1)の態様: 架橋ウレタン発泡層の裏面の縁部を除く中央部に、平面四角状の粘着層を設けた態様(図4A参照)
2)の態様: 架橋ウレタン発泡層の裏面に、その長手方向に沿った直線状の粘着層を短手方向に間隔を持って配列した態様(ストライプ状に配線層を配列した態様:図4B参照)
3)の態様: 架橋ウレタン発泡層の裏面に、平面四角状の粘着層を格子状に配列した態様(図4C参照)
なお、図4A〜図4Cにおいて、12は架橋ウレタン発泡層を示し、14は粘着層を示す。
ここで、粘着層の配置態様は、上記1)〜3)の態様に限られるわけではない。
例えば、1)の態様において、粘着層の平面形状は、四角状に限られず、円形状、多角形状、その他の幾何学形状状であってもよい。粘着層は、中央部に限られず、架橋ウレタン発泡層の裏面の縁部のみに設けてもよい。
2)の態様において、粘着層は、直線状に限られず、湾曲した線状(例えば波状)、屈曲した線状(例えば折れ線状)で設けてもよい。粘着層は、架橋ウレタン発泡層の裏面に、その短手方向に沿った直線状の粘着層を長手方向に間隔を持って配列してもよい。
3の態様において、粘着層の平面形状は、四角状に限られず、円形状、多角形状、その他の幾何学形状状であってもよい。粘着層は、格子状に限られず、千鳥状、不規則に配列してもよい。
2)又は3)の態様の粘着層を、架橋ウレタン発泡層の裏面の中央部、縁部、四隅、又は、長手方向若しくは短手方向両端部に設けた態様であってもよい。
その他、粘着層は、任意の平面形状にパターニングされて架橋ウレタン発泡層の裏面に設けられていてもよい。
粘着層の厚みは、0.005〜1.0mmがよく、好ましくは0.01〜0.5mmである。
粘着層を架橋ウレタン発泡層の裏面に形成する方法は、特に制限はなく、粘着層となる樹脂製のシートを予め作製しておき、架橋ウレタン発泡層を形成するときのウレタン樹脂化反応をするときに反応接着して行う方法が挙げられる。具体的には、粘着層となる樹脂製のシートの上又は下に塗布法や注型法でウレタン発泡層を作製して、粘着層を架橋ウレタン発泡層の裏面に形成する。
その他、粘着層の形成方法としては、例えば、1)インモールドコートとして、粘着層形成用の塗布液を型に予め塗布した後、ウレタン原料を注型し、架橋ウレタン発泡層を形成すると共にその裏面に粘着層を一体形成する方法、2)架橋ウレタン発泡層を予め作製しておき、架橋ウレタン発泡層の裏面に、粘着層形成用の塗布液を塗布して、粘着層を形成する方法も挙げられる。
特に、粘着層形成用の塗布液として、例えば、湿分硬化型の反応性ウレタン系ホットメルトタイプを用いると、無溶剤でしかも架橋ウレタン発泡層との接着性も良好で耐久性も高い粘着層が形成できる。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、配合量(含有量、添加量)に関する「部」、「%」はすべて質量基準である。
(実施例1)
#80番のサンドペーパーで粗化処理された寸法180mm×140mm×厚み0.5mmの6ナイロン製シート(6ナイロン製の摺動シート)をウレタン発泡型の上型にセットした。ウレタン原料であるPTMG1000(三菱化学社製PTMG、分子量1000)100部とミリオネートP−MDI(日本ポリウレタン社製ジフェニルメタンジイソシアナート) 77.9部からなるプレポリマー100部に1,4ブタンジオール/トリメチロールプロパン(質量比75/25)9.6部、水0.1部、触媒としてジブチルチンジラウレート0.03部、整泡剤SH−193(東レダウ工―ニング社製OH基含有シリコーン化合物)0.5部を撹拌し、モールド(寸法185mm×145mm×13.9mm)に所定量注入し型閉めした。5分後100度のオーブンにて15分間加熱硬化させた。その後脱型して製品を取り出した。得られた製品は架橋ウレタン発泡層に6ナイロン製シートが良好に接着されていた。
このようにして、架橋ウレタン発泡層に摺動層が積層された軌道パッドを作製した。
(実施例2)
実施例1の6ナイロン製シートの代わりに、#80番のサンドペーパーで粗化処理された66ナイロン製シートを用いた以外は、実施例1と同様な方法で軌道パッドを作製した。
(実施例3)
実施例1の6ナイロン製シートの代わりに、高密度/超高分子量ポリエチレン製シート(密度=0.95g/cm、粘度平均分子量350万以上、作新工業社製)を#80番のサンドペーパーで粗化処理により粗面化した後、その粗面に対してコロナ放電を17kVで照射したものを用いた以外は、実施例1と同様な方法で軌道パッドを作製した。
(比較例1)
実施例1の6ナイロン製シートを用いないこと以外は、実施例1と同様な方法で、架橋ウレタン発泡層の単層からなる軌道パッドを作製した。
(比較例2)
実施例1の6ナイロン製シートの代わりに、ポリアセタール(POM)製シートを用いた以外は、実施例1と同様な方法で軌道パッドを作製した。
(比較例3)
実施例1の6ナイロンシートの代わりに、ポリエチレンテレフタレート(PET)製シートを用いた以外は、実施例1と同様な方法で軌道パッドを作製した。
(比較例4)
従来品の片面が凹凸に肉抜きされたSBRゴムの表面にエボナイト(EB)が積層された軌道パッド(新日本エスライト工業、商品名EB材付軌道パッド)を準備した。
(実施例4)
実施例1において、6ナイロン製シートを粗面化せず、溶剤(商品名アブゾール、1−ブロモプロパン)で表面を洗浄した以外は、実施例1と同様な方法で軌道パッドを作製した。
(実施例5)
実施例1の6ナイロン製シートを用いないこと以外は、実施例1と同様な方法で、架橋ウレタン発泡層を作製した。
別途、高密度/超高分子量ポリエチレンシート(密度=0.95g/cm、粘度平均分子量350以上、作新工業社製)の表面に、厚み50μmのボンドファーストVC40(三菱化学社製エポキシ変性ポリエチレン)の接着フィルムをラミネートしたラミネート品を準備した。そして、ラミネート品を予め製造した架橋ウレタン発泡層に積層し120℃で1時間放置し、接着して軌道パッドを作製した。
(実施例6)
実施例1の6ナイロン製シートの代わりに、高密度ポリエチレン製シート(密度=0.95g/cm、三菱化学社製)を#80番のサンドペーパーで粗化処理により粗面化した後、その粗面に対してコロナ放電を17kVで照射したものを用いた以外は、実施例1と同様な方法で軌道パッドを作製した。
(実施例7)
実施例6の高密度ポリエチレン製シートを粗化せずに、コロナ放電を照射した以外は実施例6と同様な方法で軌道パッドを作製した。
(実施例8)
実施例1のウレタン発泡層の組成で、整泡剤をSH−193からSF−2936(東レダウコーニング社製)に変えた以外は、実施例1と同様な方法で、架橋ウレタン発砲層の独泡率の低い軌道パッドを作製した。
(実施例9)
実施例1のウレタン発泡層の組成で、PTMG1000の変わりにプラクセル210(ダイセル化学社製ポリカプロラクトン系ポリオール、分子量1000)を用いた以外は、実施例1と同様な方法で、架橋ウレタン発泡層がエステル系ウレタン(ポリカプロラクトン系ポリオールを用いたウレタン)で構成された軌道パッドを作製した。
(評価)
各例で得られた軌道パッドの物理特性を測定すると共に、各種試験を行い、評価を行った。
以下、本実施例で行った各種測定方法及び各種試験について示す。なお、本発明の各種値は以下に示す測定方法により測定される値である。
(測定方法)
−厚み−
厚みは、試験片(140mm×180mm)の縦3列及び横3列の計9点の厚みを測定し、平均値として求めた。
−密度−
密度は、試験片(140mm×180mm×厚み)の重量を体積で除することによって測定した
−静摩擦係数−
静摩擦係数は、JISK7125に準じ、鋼板上に試験片(30mm×30mm×厚み)を置き、その試験片に荷重200gの分銅を載せる。試験片の一端をスピード50mm/分で引張り、初期の最大荷重を荷重(200g)で除した。
−摩耗量−
磨耗量は、JISK7204に準じ、試験片(100mm×100mm×厚み)をテーバー式ロータリーアブレッサー(東洋精機製作所)により、磨耗輪H−18、錘500g、回転数400回の磨耗量としてmg単位で測定した。
−独泡率−
独泡率は、ASTM D2856に準じ、試験片(30mm×30mm×10mm)をベックマン式空気比較比重計930型(東京サイエンス社製)にて測定した。
−バネ定数−
JISE1117に準じ、軌道パッド(寸法は製品サイズ)を、まず40kNまで圧縮した後、10kNまで戻し、次に50kNまで荷重をかけ、10kNから50kNまでの変形量を測定する。そして、バネ定数は、式バネ定数=△P÷変形量で求めた。ここで、△Pは50kN−10kN=40kNである。
(各種試験)
−疲労試験−
疲労試験は、JISE1117に準じ、試験片(50mm×50mm×厚み)を予備圧縮9kNかけた後、9kNの荷重を5Hzで100万回圧縮復元を繰り返し、徐荷後24時間後のヘタリ量の測定と試験片の割れ・キレツなど外観を観察することで行った。そして、ヘタリ量が6%及び剥離など外観異常がないことで合格とした。
−フク進抵抗−
フク進抵抗は、軌道パッド(寸法は製品サイズ)をタイプレート上に乗せ、軌道パッドの摺動層側に60kg/mレールの約300mm長さを載置しトルク600Kgf・cmで締結した。そのレールの一端から荷重をレールに水平にかけレールが軌道パッド上を滑る荷重を求めた。フク進抵抗の値は現行の鋼板付軌道パッド(新エスライト工業社製)の4.8kN以下を合格とした。
−吸水率−
吸水率は、試験片(50mm×50mm×厚み)を水深10cmの24時間放置し、吸水量を体積あたりの割合として求めた。
−湿熱試験−
湿熱試験は、試験片(50mm×50mm×厚み)を加圧加湿装置(プレッシャークッカー)中に121℃×湿度100%で1日放置し、その後、上記疲労試験を行いヘタリと層間の剥離など外観を観察することで行った。ヘタリが8%以下、多少の剥離不良は合格とした。
以下、各例の詳細と共に、物理特性の測定結果、各種試験の結果について、表1及び表2に一覧にして示す。なお、表1及び表2中、「←」との表記は左欄と同じ内容(値)であることを示し、「−」は評価しなかったことを示している。また、表1及び表2中の略称は以下の通りである。
・摺動層: 摺動シートからなる層
・発泡層: 架橋ウレタン発泡層
・製品: 軌道パッド
・6N: 6ナイロン
・66N: 66ナイロン
・PE: ポリエチレン(高密度ポリエチレン、高密度/超高分子量ポリエチレン)
・UE: エーテル系ウレタン(ポリエーテル系ポリオールを使用したウレタン)
・US: エステル系ウレタン(ポリカプロラクトン系ポリオールを使用したウレタン)
・POM: ポリアセタール
・PET: ポリテトラメチレンテレフタレート
・SBR: スチレン・ブチレン・ゴム
・EB: エボナイト
Figure 0006047047
Figure 0006047047
上記結果から、本実施例では、疲労試験及び湿熱試験が共に良好な上で、比較例に比べて、摩耗量、フク進抵抗が共に優れていることがわかる。また、本実施例では、架橋ウレタン発泡層の組成等により、容易に、軌道パッドのバネ定数が調整できることがわかる。
このことから、本発明の軌道パッドは、バネ定数の制御が容易であり、耐久性及び耐摩耗性に優れると共に、レールに対する摺動性に優れた軌道パッド
(実施例10)
実施例1の軌道パッドの架橋ウレタン発泡層の裏面全面にクリスボンASPU−112(DIC社製、ウレタン系コーティング剤)を厚み20μmになるようにコーティングし、100℃で10分乾燥し粘着層を形成して、粘着層付き軌道パッドを作製した。粘着層のプローブタック値は1.6kPaであり、100%引張りモジュラスは4.5MPaであった。この実施例10の粘着層付き軌道パッドに対して引抜強度を測定する試験を行ったところ、3500Nであり、粘着層の剥がれも見られなかった。この軌道パッドはこの粘着層があることにより軌道パッドがレールの伸縮や振動に耐えてタイプレートより脱落しにくくなることがわかる。
なお、実施例10の粘着層付き軌道パッドは、互いに付着せず、また粘着層にゴミも付着しなかったため、粘着層の保護のための離型紙は不要であった。
(実施例11)
実施例10において、クリスボンASPU−112(DIC社製、ウレタン系コーティング剤)に代えて、アクリル系粘着剤であるSKダイン1495(綜研化学社製アクリル系粘着剤溶液、固形分30%)を用いた以外は、実施例10と同様の方法で、粘着層付き軌道パッドを作製した。粘着層のプローブタック値は9.4kPaであり、100%引張りモジュラスは2.2MPaであった。この実施例11の粘着層付き軌道パッドに対して引抜強度を測定する試験を行ったところ、4500Nであり、粘着層の剥がれも見られなかった。この軌道パッドはこの粘着層があることにより軌道パッドがレールの伸縮や振動に耐えてタイプレートより脱落しにくくなることがわかる。
なお、実施例11の粘着層付き軌道パッドは、互いに付着せず、また粘着層にゴミも付着しなかったため、粘着層の保護のための離型紙は不要であった。
以下、実施例10及び11において、実施した各種測定及び試験についての詳細は以下の通りである。
−プローブタック値−
ASTM D2979に準拠に準拠し、ステンレス製(SUS304)10Φプローブを粘着層の表面(粘着面)に接触させ0.1kg/cmの荷重を20秒かけた後、10mm/秒のスピードで引き剥がした時の荷重を読み取り、面積当りの値を算出した。
そして、この測定を、架橋ウレタン発泡層の裏面に設けられた粘着層の任意の10箇所について行い、その平均値を粘着層のプローブタック値とした。但し、粘着層が架橋ウレタン発泡層の裏面の一部に設けられている場合、プローブの中心が粘着層と接触するように測定した。
−100%引張りモジュラス
100%引張りモジュラスは、JISK7215に準じ、粘着層の乾燥サンプルをダンベル1号で打ち抜いた試験サンプルを引張り速度200mm/分で伸び率100%の応力を求め厚みで除した値として求めた。
−引抜強度−
軌道パッドをタイプレートとレール(60kg/m)の間に挟み、軌道パッドの先端が30mm出る様にトルク600kgf・cmで締結した。軌道パッドの出た部分をチャックでつかみ引抜強度を測定した。そして、この引張強度が3000N以上を合格とした。
10 軌道パッド
12 架橋ウレタン発泡層
14 摺動層
16 粘着層
20 まくら木
22 タイプレート
22A ボルト
22B ナット
24 レール
26 板バネ
26A ボルト
26B ナット
28 可変パッド

Claims (5)

  1. レールとまくら木又は前記まくら木上に固定されるタイプレートとの間に介装され、所要のバネ定数を持つ軌道パッドであって、
    架橋ウレタン発泡層と、
    前記架橋ウレタン発泡層の前記レール側の表面に積層され、高密度ポリエチレンを含む摺動層と、
    を備える軌道パッド。
  2. レールとまくら木又は前記まくら木上に固定されるタイプレートとの間に介装され、所要のバネ定数を持つ軌道パッドであって、
    架橋ウレタン発泡層と、
    前記架橋ウレタン発泡層の前記レール側の表面に積層され、高密度ポリエチレン、6ナイロン、又は66ナイロンを含む摺動層と、
    を備え、
    前記架橋ウレタン発泡層と前記摺動層とは、前記摺動層となる摺動シートの前記架橋ウレタン発泡層と接触する側の面を粗面化した状態で、前記架橋ウレタン発泡層のウレタン樹脂化反応をするときに同時接着して積層されている軌道パッド。
  3. 前記架橋ウレタン発泡層は、独立気泡の発泡層である請求項1又は2に記載の軌道パッド。
  4. 前記架橋ウレタン発泡層は、ウレタン原料として、ポリエーテル系ポリオールとイソシアナートとを少なくとも用いて形成された層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の軌道パッド。
  5. 前記イソシアナートは、ジフェニルメタンジイソシアナート系(MDI系)のイソシアナートである請求項4に記載の軌道パッド。
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