JP2018003887A - 発泡ポリウレタン製樹脂バネ - Google Patents

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Abstract

【課題】PTMG及びMDI系イソシアネートを使用した発泡ポリウレタン製樹脂バネであって、生産性が高く製造が容易で、高反発弾性を満足しつつ、強靭性と同時に高復元性を満足する発泡ポリウレタン製樹脂バネを提供すること。【解決手段】数平均分子量1,000〜3,500のポリテトラメチレングリコールと、ジフェニルメタンジイソシアネート系のイソシアネートと、官能基数3以上の多官能ポリオールと、発泡剤と、触媒と、シリコーンオイルと、を含む組成物の硬化物からなり、見掛け密度が200〜500kg/m3であり、反発弾性率が60%以上であり、30%圧縮永久歪が10%以下且つ50%圧縮永久歪が20%以下である発泡ポリウレタン製樹脂バネである。【選択図】なし

Description

本発明は、反発弾性率が高く尚且つ強靭で復元性に優れる発泡ポリウレタン製樹脂バネに関する。
従来、反発弾性率の高い発泡ポリウレタンは、種々の用途で使用される。例えば、打球バット(高反発野球バット)、鉄道用まくら木パッド・軌道パッド、自動車用防振部材・バンパースプリング・座席用クッション、靴底用クッション、スポーツ用防振部材、球技用ボール部材、建築用床下防振材・屋上床防振材・隙間クッション、自転車用タイヤ(パンクレスタイヤ)、台車・手押し車・車椅子等の車輪用フォームタイヤ、高荷重用途足ゴム、高荷重機器部材、摺動部のパッキン、機器用ボタンのクッション、軽量敷物・マットレス等である。これら用途は、使用時の上下動・捻じれ・摺動などの衝撃で破損し難く、その為高度の強度と共に、高いばね特性を発揮し、長期間その特性を維持する、所謂「樹脂バネ」性能が要求される。
樹脂バネの具体例である「鉄道用軌道パッド」は、レール下に敷設され鉄道車両の通過時の衝撃を緩和しまくら木や地盤への負荷を軽減するためのパッド材であるが、高荷重が掛かるとともに、遠心力によるせん断力が掛かるなど、大変過酷な条件で使用される。そのため材料としてきわめて強靭で且つ長期間の復元性を要求されるものである。この様な過酷な用途に対するバネ素材として発泡ポリウレタン製樹脂バネが適用される。(特許文献1参照)
更に、「高反発野球バット」は、打球部、テーパー部、及びグリップ部を備え、少なくとも打球部に凹部を周回形成し、この凹部に打球部の外周面を形成する弾性体を被覆一体化した打球バットが知られている(特許文献2参照)。この打球バットは、打球した球の飛距離が伸びるため普及している。この打球バットの弾性体として使用される発泡ポリウレタン製樹脂バネには、打球した球の飛距離を伸ばすために、高い反発弾性率及び高い復元性(圧縮永久歪値が低い性質)を有する共に、打球時の衝撃で破れることがないように軟質性を保ちながら、強靭性に優れることも求められる。
このような発泡ポリウレタン製樹脂バネとして、ポリエステルポリオールとナフタレンイソシアネートから得られるプレポリマーを用いた特殊発泡ポリウレタン製樹脂バネが好適に用いられている。
特開2014−190005号公報 特開2015−16039号公報
しかしながら、この特殊発泡ポリウレタン製樹脂バネは、1)反発弾性率がこれ以上向上でき難いこと、2)プレポリマーの保存安定性が悪く、合成した当日に使い切る必要があること、3)エステル系の原料であるため、得られた発泡ポリウレタン素材が加水分解し易いこと、4)原料が高価であること等、課題が多くあるのが現状である。
このため、汎用性があり、安価な原料として、ポリテトラメチレングリコール(以下「PTMG」とも称する)及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)系のイソシアネート(以下「MDI系イソシアネート」とも称する)を使用した発泡ポリウレタン製樹脂バネが検討されている。
PTMG及びMDI系イソシアネートを使用した発泡ポリウレタン製樹脂バネは、発泡剤、整泡剤、触媒等を適宜使用することで、見掛け密度200〜500kg/mの高密度化し、強靭性を満足させることができるが、通常、独立気泡(独泡)構造となるため、高い復元性(低い圧縮永久歪値)を満足しない。また、短時間での加熱(キュアー)で型(モールド)から脱型すると、脱型時に膨張、冷却後には収縮し易く、製品寸法が安定しないあるいは部分的な変形が起こることから、長時間の加熱(キュアー)を行い、十分なグリン強度が出た後、脱型する必要がある。また、出来た製品は独泡故に高い圧縮永久歪値(復元性に劣る)のものとなる。この独泡対策として使用する触媒量を低減すると、短時間脱型時に未反応による製品のスキン破れ・フォーム変形・フォーム破損等が生じ、反対に長時間脱型では生産性が低い。
そして、PTMG及びMDI系イソシアネートを使用した発泡ポリウレタン製樹脂バネにも、当然、高い反発弾性が求められる。
このように、PTMG及びMDI系イソシアネートを使用した発泡ポリウレタン製樹脂バネも、性能を満足し尚且つ経済的に生産するには改善が必要であることが明らかとなった。
一方、より高度のばね特性が求められる樹脂バネとして、「鉄道用軌道パッド」があり、高荷重の車両が高速で通過するレールの直下に「軌道パッド」を設置することで、騒音の低減、振動低減による乗り心地改善、レール摩耗の低減による省力化などの効果を発揮する。また、最近の傾向として、前述した効果が従来品より大きい「小さいばね定数の軌道パッド」が求められている。この小さいばね定数を実現するには非発泡素材では困難であり、軌道パッドは発泡体タイプが主流になりつつある。従って、機械的強度が高く尚且つ復元性の高い樹脂発泡体が求められる。以上のことから「軌道パッド」は、屋外での連続使用に対する耐久性を有すること、繰返しの高荷重に樹脂が破懐・変形しないこと、長期の使用でも復元性を持続すること等、高度のばね特性が要求される。特に、高い信頼性を確認する為に、連続100万回の上下動試験である「耐疲労特性試験」をパスする必要がある。具体的には、所定の加振条件(載荷荷重9±6kN、加振周波数5Hz、繰返し回数10回)を行い、1)外観上、亀裂・割れが生じなく、且つ2)へたり量が10%以下であることが求められる。
そこで、本発明は、上記事実を考慮し、PTMG及びMDI系イソシアネートを使用した発泡ポリウレタン製樹脂バネであって、生産性が高く製造が容易で、高反発弾性を満足しつつ、強靭性と同時に高復元性を満足する発泡ポリウレタン製樹脂バネを提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>
数平均分子量1,000〜3,500のポリテトラメチレングリコールと、ジフェニルメタンジイソシアネート系のイソシアネートと、官能基数3以上の多官能ポリオールと、発泡剤と、触媒と、シリコーンオイルと、を含む組成物の硬化物からなり、
見掛け密度が200〜500kg/mであり、反発弾性率が60%以上であり、30%圧縮永久歪が10%以下且つ50%圧縮永久歪が20%以下である発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
<2>
前記シリコーンオイルが、ジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位の共重合から成るポリシロキサンである<1>項に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
<3>
前記シリコーンオイルが、ポリジメチルシロキサンである<1>項に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
<4>
前記ポリジメチルシロキサンの粘度が、5〜50(25℃、mm/s)、又は1,000〜100,000(25℃、mm/s)である<3>に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
<5>
前記組成物がセルオープナーをさらに含み、独立気泡率が0〜20%である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
<6>
前記セルオープナーが、低分子ジオール、ポリプロピレングリコール系の2官能ポリオール、ポリエーテルカルボン酸エステル化物、ポリブテン、及びパラフィン系オイルからなる群より選ばれる少なくとも1種である<5>に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
<7>
前記ポリプロピレングリコール系の2官能ポリオールが、エチレンオキサイド含有率0〜80モル%で、かつ数平均分子量400〜4,000の2官能ポリオールである<6>に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
本発明によれば、PTMG及びMDI系イソシアネートを使用した発泡ポリウレタン製樹脂バネであって、加工性が高く製造が容易で、高反発弾性を満足しつつ、強靭性と同時に高復元性を満足する発泡ポリウレタン製樹脂バネを提供することができる。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネは、数平均分子量(以下「Mn」とも称する)1,000〜3,500のポリテトラメチレングリコール(PTMG)と、ジフェニルメタンジイソシアネート系のイソシアネート(MDI系イソシアネート)と、官能基数3以上の多官能ポリオールと、発泡剤と、触媒と、シリコーンオイルと、を含む組成物の硬化物からなる。
そして、発泡ポリウレタン製樹脂バネは、見掛け密度が200〜500kg/mであり、反発弾性率が60%以上であり、30%圧縮永久歪が10%以下且つ50%圧縮永久歪が20%以下である。
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネは、数平均分子量1,000〜3,500のPTMG、MDI系イソシアネートを、官能基数3以上の多官能ポリオール、発泡剤、触媒と共に、シリコーンオイルの存在下で、反応及び発泡させることで得られる。この原料の成分によって、強靭性、反発弾性率、復元性の向上と共に、脱型時に、膨張、収縮、スキン破れ、フォーム変形、フォーム破損等の発生が抑制され、製造がきわめて容易となる。
これらの理由は、定かではないが、1)シリコーンオイルが発泡成形時に独立気泡が生成するのを抑制しているか、独立気泡であってもガス透過性が高く脱型時の種々の問題を抑制している可能性が考えられる。2)また、シリコーンオイルがポリウレタンの表面にブリード(析出)するため、発泡ポリウレタン製樹脂バネが型(モールド)から脱型し易くなること、3)発泡ポリウレタン製樹脂バネを圧縮したとき、シリコーンオイルがセル壁同士の結着を防ぐために、独泡であっても、反発弾性率が向上し、かつ圧縮永久歪が低下すること等が考えられる。特に、反発弾性率に関しては、シリコーンオイルの含有により、未含有品と比較して4〜6%向上する。
また、PTMG及びMDI系イソシアネートを使用した発泡ポリウレタン製樹脂バネは、発泡剤、触媒を適宜選択使用し、必要に応じて整泡剤を使用することで、見掛け密度200〜500kg/mの高密度化も実現される。
このため、本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネは、生産性が高く製造が容易で、高反発弾性を満足しつつ、強靭性と同時に高復元性を満足する発泡ポリウレタン製樹脂バネとなる。
そして、本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネは、衝撃で破損し難く、長期に亘りばね特性を発揮することができる。具体的には、例えば、本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネを鉄道用軌道パッドに利用した場合、衝撃時や高荷重・高せん断時でも破れにくく、長期間の復元性を満足する。また、打球バットに利用した場合、ボール自体の変形を低減すること、尚且つ発泡ポリウレタン樹脂のエネルギー吸収が低いことにより、結果としてボール自体が有していた運動エネルギーのロスを少なくすることが出来、打球した球の飛距離を伸ばすことができる。また、パンクレスタイヤや車輪用フォームタイヤに利用した場合は、破懐し難く、且つ「転がり抵抗」が低い、つまり軽い力で回転するタイヤを提供することが出来る。
以下、本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネの詳細について説明する。
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネを形成するための組成物には、数平均分子量1,000〜3,500のPTMGと、MDI系イソシアネートと、官能基数3以上の多官能ポリオールと、発泡剤と、触媒と、シリコーンオイルとを含む。また、性能向上や生産性向上の為に、整泡剤を適宜使用することが好ましい。この組成物には、セルオープナーをさらに含んでもよい。特に、組成物がセルオープナーを含むと、発泡ポリウレタン製樹脂バネの独立気泡率が低下し(例えば独立気泡率が0〜20%に低下し)、繰り返しの圧縮によって独泡から連泡となることにより生じる反発弾性率及び強靭性の経時的な変化が抑制される。
(PTMG)
PTMGとしては、例えば、テトラヒドロフランが開環重合したポリアルキレングリコールが挙げられる。PTMGとしては、テトラメチレンオキシ構造以外に、他のアルキレン構造単位(エチレンオキシ構造単位、プロピレンオキシ構造単位等)を有するポリアルキレングリコールであってもよい。ただし、PTMGは、テトラメチレンオキシ構造単位を50重量%以上(好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上)とすることがよい。
PTMGは、1種単独して使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
PTMGの数平均分子量は、1,000〜3,500であるが、2,000〜3,000が好ましい。
PTMGの数平均分子量を上記範囲にすると、得られる発泡ポリウレタン製樹脂バネの伸びが高い為、強靭で尚且つ反発弾性が優れる。更に、低温時においても硬度が高くなり難くなるため、好ましい。
ここで、数平均分子量は、JIS K0070による水酸基価の測定値より、官能基数を2として求めた場合の分子量とする。なお、他の成分の平均分子量も同様に測定する。
PTMGの含有量は、全組成分に対して、50〜85重量%であることが好ましく、65〜80重量%がより好ましい。
PTMGの含有量を上記範囲にすると、得られる発泡ポリウレタン製樹脂バネの伸びが高い為、強靭で尚且つ反発弾性が優れる。更に、低温時においても硬度が高くなり難くなるため、好ましい。
(MDI系イソシアネート)
MDI系イソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート骨格を有するイソシアネートである。
MDI系イソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製のMDI(cr−MDI)、4.4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(4.4’−MDI)、2.4’−MDI、2.2‘−MDI、粗製のMDI(cr−MDI)、カルボジイミド変性MDI、プレポリマー変性MDIなどが挙げられる。これらの中で、4.4‘−MDI及び4.4‘−MDIの変性体であるプレポリマー変性イソシアネートが、反応性が高く、得られる発泡ポリウレタン製樹脂バネの強靭性、反発弾性が優れるので好ましい。
MDI系イソシアネートは、1種単独して使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
MDI系イソシアネートの含有量は、PTMG100重量部に対して、15〜40重量部であることが好ましく、18〜30重量部がより好ましい。
MDI系イソシアネートの含有量を上記範囲にすると、得られる発泡ポリウレタン製樹脂バネの強靭性と反発弾性率のバランスが最適となるため、好ましい。
ここで、プレポリマー変性イソシアネート(MDI系イソシアネート含有プレポリマー)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,10−デカンジオール等の炭素数2〜18の2価のアルコール;PPG系グリコール;PTGM系グリコール;ポリカーボネート系グリコール等でMDI系イソシアネートが変性されたプレポリマー変性イソシアネートが挙げられる。このプレポリマー変性イソシアネートにおいて、プレポリマーに対するMDI系イソシアネートの含有率は、強靭性及び反発弾性及び低温特性の観点から10重量%以上50重量%以下(好ましくは15重量%以上45重量%以下)であることがよい。
なお、MDI系イソシアネート含有プレポリマーの含有量は、PTMG100重量部に対して、20〜100重量部であることが好ましく、30〜80重量部がより好ましい。
(多官能ポリオール)
官能基数3以上の多官能ポリオールとしては、例えば、3官能ポリオールが挙げられる。3官能ポリオールとしては、3価のアルコールにアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)を付加重合させたポリエーテルポリオールが挙げられる。なお、複数種のアルキレンオキサイドの付加重合は、ランダム付加重合でも、ブロック付加重合であってもよい。ここで、3価のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、等の炭素数3〜10の3価のアルコールが挙げられる。
多官能ポリオールとしては、4官能ポリオールも挙げられ、具体的には、例えば、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール等にアルキレンオキサイドを付加重合させたポリエーテルポリオールが挙げられる。
その他、多官能ポリオールとしては、アジピン酸及び短鎖ジオールのエチレングリコールや1.4−ブタンジオール等と、グリセリンなど多官能トリオールと、の縮合によるエステル系ポリオール等も挙げられる。
多官能ポリオールは、2官能では圧縮永久歪の改善効果はないので、3官能以上が良く、官能基数が多くなるに従い復元性は良好(圧縮永久歪値が低い)になる。しかし、それに伴い独立気泡率は逆に高くなるため官能基数は3〜4が好ましく、3官能ポリオールが最も好ましい。
多官能ポリオールは、1種単独して使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
多官能ポリオールの数平均分子量は、100〜10,000が好ましく、400〜5,000がより好ましい。
多官能ポリオールの数平均分子量を上記範囲にすると、強靭性を落さず(つまり伸びを低下させない)、独立気泡率を上げずに、圧縮永久歪を効果的に低下できるため、好ましい。
多官能ポリオールの含有量は、PTMG100重量部に対して、1〜20重量部であることが好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
多官能ポリオールの含有量を上記範囲にすると、伸びの低下を抑えて、独立気泡率も上げずに、圧縮永久歪を効果的に低下できるため、好ましい。
(発泡剤)
発泡剤としては、例えば、水、低沸点の有機溶剤(シクロペンタン、ジクロロメタン等)、ハロゲン化炭化水素、これらの混合液等が挙げられる。更に、使用する原料に空気や窒素などの不活性ガスをオークスミキサーなどで攪拌し気泡を巻き込む、所謂メカニカルフロス法による発泡も好ましい。発泡剤は、1種単独して使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
発泡剤を水にした場合の添加量は、PTMG100重量部に対して0.1〜3.0部であることが好ましく、0.5〜2.0部がより好ましい。発泡剤として水を使用する場合は、添加量が少ないほうが発泡体の反発弾性率が高くなり好ましい。一方、水の添加量が少ないとモールド成形時に充填不足になる可能性があるので、添加量は形状と性能を加味して決める必要がある。
(触媒)
触媒として、有機金属化合物系触媒、アミン系触媒等が挙げられる。
有機金属化合物系触媒としては、錫系、チタン系、ビスマス系、ニッケル系等の有機金属系の触媒が挙げられ、例えば、有機スズ化合物のオクチル酸第1スズ、ジブチルラウリン酸第2スズなどがある。
アミン系触媒としては、モノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルアミン類等のアミン系触媒が挙げられ、例えば、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、n−メチルモルホリン、n−エチルホルモリン、N,N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミンなどがある。
触媒は、1種単独して使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
(整泡剤)
整泡剤は必須成分ではないが、使用した場合はより好適な発泡体が出来るので、使用することが好ましい。
整泡剤の種類としては、例えば、ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレンポリオールの共重合体を代表例としたシリコーン系化合物、フッ素系化合物等が挙げられる。整泡剤は、1種単独して使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
整泡剤の含有量は、PTMG100重量部に対して、0.3〜3重量部であることが好ましく、0.5〜2重量部がより好ましい。
(シリコーンオイル)
シリコーンオイルとしては、1)ジメチルシロキサン([Si(CHO])の構造単位からなる「ポリジメチルシロキサン」、2)メチルフェニルシロキサン([Si(CH)(C)O])の構造単位からなる「ポリメチルフェニルシロキサン」、3)メチルハイドロジェンシロキサン([Si(CH)(H)O])の構造単位を含む「ポリメチルハイドロジェンシロキサン」、4)メチルフェニルハイドロジェンシロキサン([Si(C)(H)O])の構造単位を含む「ポリメチルフェニルハイドロジェンシロキサン」、5)前述1)〜4)のシロキサン単位の複合品、6)前述1)〜5)のポリシロキサンの混合品などが挙げられる。この内、ポリメチルフェニルシロキサン類は、フェニル基の含有率が高いとウレタン成分との相溶性が多少出てくるため、反発弾性率が僅かに低下する事もある。そのためフェニル基は全体の20重量%未満が好ましい。また、ポリメチルハイドロジェンシロキサン類も、経時的に反応固化する場合があり反発弾性率が低下することがあり使用に当たり注意を要する。従って、ポリジメチルシロキサンが、添加効果が高くしかも経済的であるため最も好ましい。また、ポリシロキサンのアルキル変性品も有るが価格が高く、更にアルキル変性の割合が高いと効果が低下してしまうので効果的でない。これら観点から、ポリジメチルシロキサンに他のシロキサン単位を含む場合、他のシロキサン単位は、全シロキサン単位に対して0〜20重量%で含むことが好ましい。
ポリジメチルシロキサンの粘度は、発泡ポリウレタン製樹脂バネの反発弾性率の向上及び圧縮永久歪の低減の観点から、5〜100,0000(25℃、mm/s)が好ましく、5〜50(25℃、mm/s)又は1,000〜100,000(25℃、mm/s)がより好ましい。更に、ポリジメチルシロキサンの粘度は、用途が摺動性重視の部材である場合、5〜50(25℃、mm/s)がより好ましく、用途が低ブリードアウト性、印刷インク又は他部材との接着性重視の部材である場合、1,000〜100,000(25℃、mm/s)で最低限の少量使用がより好ましい。
なお、ポリジメチルシロキサンの粘度は、温度(25℃)の環境下で、JIS Z 8803に基づく動粘度により測定される値である。
シリコーンオイルは、1種単独して使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
シリコーンオイルの含有量は、PTMG100重量部に対して、0.1〜3重量部であることが好ましく、0.3〜1.2重量部がより好ましい。尚、3重量部以上では、その破泡的作用から、セルの消失・合体によるセル径増大を招いたり、俗に言う「セル荒れ」状態を引き起こす。更に、部分的集中が起こり易く、界面(スキン部)荒れやフォーム中心付近のセル径巨大化など均一性を欠く製品となり易い。また、用途が、1)摺動性重視の部材、2)粘着剤が付き難い方が良い部材、3)製品同士や他部品とのくっ付きが問題になる部材等である場合は、多目の使用量がより好ましく、用途が、1)低ブリードアウト性重視の部材や、2)印刷インク・他部材とのインサート成形時の接着性重視の部材、3)成形後に粘着剤や粘着テープを接着する部材、4)成形後に表面に印刷する部材、5)低通気やセル均一化による強度アップが必要な部材等である場合は、少量使用が好ましい。
(セルオープナー)
セルオープナーは、破泡剤、又は消泡剤として機能する成分である。
セルオープナーとしては、低分子ジオール、ポリプロピレングリコール系の単官能又は2官能ポリオール、ポリエーテルカルボン酸エステル化物、ポリブテン、液状ポリブタジエン、ポリエチレンワックス、パラフィン系オイル、長鎖脂肪族アルコール等の周知の破泡剤又は消泡剤が挙げられる。但し、単官能ポリオールを添加すると、圧縮永久歪値の増加や引張強さ・伸びの低下を招くので、好ましくない。
これらの中でも、セルオープナーとしては、発泡ポリウレタン製樹脂バネの独立気泡率を効果的に低減させる観点、その他の物性に悪影響を及ぼさず、製品の外観も悪化させない観点から、低分子ジオール、ポリプロピレングリコール系の2官能ポリオール、ポリエーテルカルボン酸エステル化物、ポリブテン、及びパラフィン系オイルからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に、ポリプロピレングリコール系の2官能ポリオール(以下「PPG系2官能ポリオール」とも称する)が好ましい。このPPG系2官能ポリオールは、官能基を有するので、製品になった時点でブリードアウトする低分子とはならない為、後加工で接着剤や両面テープの剥離が起き難い。また、成形時に官能基がインサートした部材と強固に接着するので、剥離が起き難い。
PPG系2官能ポリオールとしては、2価のアルコールに、プロピレンオキサイド(以下「PO」とも称する)を付加重合、又はプロピレンオキサイドとプロピレンオキサイド以外の他のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド(以下「EO」とも称する)等)を付加重合させたポリエーテルポリオールが挙げられる。なお、プロピレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドの付加重合は、ランダム付加重合でも、ブロック付加重合であってもよい。
ここで、2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール等の炭素数2〜10の2価のアルコールが挙げられる。
PPG系単2官能ポリオールの数平均分子量は、100〜10,000が好ましく、400〜4,000がより好ましい。
PPG系2官能ポリオールの数平均分子量を上記範囲にすると、独立気泡率の低減効果が適度であるためセルが荒れず、その他の物性への悪影響が無く、しかも製品外観が良好となるため、好ましい。
これらの中でも、PPG系2官能ポリオールとしては、発泡ポリウレタン製樹脂バネの独立気泡率を効果的に低減させる観点、強靭性及び低温特性の観点から、エチレンオキサイド含有率が0〜80モル%(好ましくは0〜50モル%)で、かつ数平均分子量が100〜10,000(好ましくは400〜4,000)の2官能ポリオールが好ましい。
ここで、エチレンオキサイド含有率とは、付加重合した全アルキレンオキサイド含有量に対するエチレンオキサイドの割合(モル比)である。
セルオープナーは、1種単独して使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
セルオープナーの含有量は、PTMG100重量部に対して、0〜15重量部であることが好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
セルオープナーの含有量を上記範囲にすると、製品外観に悪影響が無く独立気泡率を低減できるため、好ましい。
(その他添加剤)
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネを形成するための組成物には、上記成分以外に、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、炭酸カルシウム等の無機フィラー等の周知の添加剤を含んでいてもよい。
(発泡ポリウレタン製樹脂バネの特性)
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネの見掛け密度は、200〜500kg/mである。
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネの反発弾性率は、60%以上である。発泡ポリウレタン製樹脂バネの反発弾性率を60%以上にすることにより、樹脂ばねの特性が向上する(特に、発泡ポリウレタン製樹脂バネを打球バット用に適用した場合、打球した球の飛距離が伸びやすくなる)。
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネの30%圧縮永久歪が10%以下且つ50%圧縮永久歪が20%以下であり、好ましくは5%以下且つ10%以下である。発泡ポリウレタン製樹脂バネの30%圧縮永久歪が10%以下且つ50%圧縮永久歪が20%以下にすることにより、樹脂ばねの特性が向上する(特に、発泡ポリウレタン製樹脂バネを打球バット用に適用した場合、復元性が良好で長期に亘り樹脂のへたり・変形が生じ難くなる)。
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネの独立気泡率は、0〜20%が好ましく、より好ましくは0〜5%である。発泡ポリウレタン製樹脂バネの独立気泡率を0〜20%にすることにより、繰り返しの圧縮(特に、発泡ポリウレタン製樹脂バネを打球バット用に適用した場合、繰り返しの打球)によっても、ばね特性の低下が抑制される。また、発泡ポリウレタン製樹脂バネ形成時において、経済的な成形サイクルの触媒量でも、製造容易となる。つまり、脱型時に膨張・冷却後に収縮し難く、製品寸法が安定し、部分的な変形が起き難く、生産性が高まる。
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネの引張り強度は、1,000kPa以上が好ましく、より好ましくは2,000kPa以上である。発泡ポリウレタン製樹脂バネの引張り強度を1,000kPa以上にすることにより、発泡ポリウレタン製樹脂バネの強靭性が高まり、繰り返しの圧縮による破損(特に、発泡ポリウレタン製樹脂バネを打球バット用に適用した場合、打球時の衝撃による破断)が抑制され易くなる。
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネの引張り伸びは、200%以上が好ましく、より好ましくは300%以上である。発泡ポリウレタン製樹脂バネの引張り伸びを200%以上にすることにより、発泡ポリウレタン製樹脂バネの強靭性が高まり、繰り返しの圧縮による破損(特に、発泡ポリウレタン製樹脂バネを打球バット用に適用した場合、打球時の衝撃による破断)が抑制され易くなる。また、圧縮時に(特に、発泡ポリウレタン製樹脂バネを打球バット用に適用した場合、ボール衝撃時に)柔軟に変形することにより、運動エネルギーの熱エネルギーへの変換が抑えられ、高い反発弾性率を得ることができる。
なお、本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネの上記各特性は、発泡ポリウレタン製樹脂バネを得るための成分の種類及び量を調整することで得られる。
(発泡ポリウレタン製樹脂バネの製造)
本実施形態に係る発泡ポリウレタン製樹脂バネは、周知の方法に準じて製造することができる。例えば、MDI系イソシアネートを除く成分を混合した後、この混合液にMDI系イソシアネートを混合して、ウレタン原料液を調製する。このウレタン原料液を用いて、目的とする形状の型又は目的とする形成部(例えば発泡ポリウレタン製樹脂バネを打球バット用に適用した場合、打球バットの打球部)に流し込んだ後、加熱する。これにより、発泡ポリウレタン製樹脂バネが得られる。また、発泡成形したポリウレタン製樹脂バネを目的とする位置(例えば発泡ポリウレタン製樹脂バネを打球バット用に適用した場合、打球バットの打球部)に後から貼り付けてもよい。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、配合量(含有量、添加量)に関する「部」、「%」はすべて重量基準である。
<比較例1>
予め50℃に加温した下記のポリオール成分をポリカップに精秤し、プライミクス(株)製 高速乳化・分散機 T.K.ホモディスパー2.5型(DH−2.5/1001)にて、3000rpmで1分間撹拌する。
・メインポリオール:ポリテトラメチレングリコール「PTMG3000(三菱化学(株)製、官能基数=2、Mn=3,000)」 100部

・多官能ポリオール: ポリエーテルポリオール「サンニックス GP3000(三洋化成工業(株)製、PO/EO(モル比)=100/0、官能基数f=3、Mn=3000)」 3部
・セルオープナー: ポリエーテルポリオール「サンニックス PL910(三洋化成工業(株)製、PO/EO(モル比)=84/16、官能基数f=2、Mn=900) 5部
・整泡剤: シリコーン整泡剤「DOW CORNING TORAY SZ−1642(東レ・ダウコーニング(株)製)」 1部
・触媒: アミン触媒「DABCO 33−LV(エアー・プロダクツジャパン(株)製)」 0.7部
・発泡剤: 蒸留水 0.8部
次に、得られたポリオール成分含有溶液に、予め50℃に加温したイソシアネート[モノメリックMDI「ミリオネートMT(東ソー(株)製)]22.7部(Index=105相当)を投入し、プライミクス(株)製「高速乳化・分散機 T.K.ホモディスパー2.5型(DH−2.5/1001)」にて、5,000rpmで10秒撹拌し、ウレタン原料液を調製する。
次に、得られたウレタン原料液を、予め50℃に加温しておいたアルミ製の枠型(内径 縦180mm×横140mm×厚さ10mm)と下板(厚さ10mm)からなる長方形の窪みに所定量(約95g)投入する。ウレタン原料液の投入後、素早く上蓋(アルミ製、厚さ10mm)を載せ、万力で4箇所固定する。
なお、アルミ製の枠型及び上蓋の内部(ウレタン原料液接触面)は、硬化後に剥離が可能となるように、離型剤「リムリケイN848(中京油脂(株)製)」を事前に塗布し、100℃で30分加温する。
次に、万力で固定したアルミ製容器(枠型と上蓋とからなる容器)を50℃のオーブンに10分間保持した後、オーブンから取り出し10分室温冷却する。その後、万力を外し、上蓋及び下板を取り、枠型から発泡ポリウレタンフォームを取り出す。
そして、得られた発泡ポリウレタンフォームの膨張(収縮)及びスキン破れ状況を確認した後、反応完結の目的で75℃のオーブンに8時間入れた。
その後、発泡ポリウレタンをオーブンから出して、発泡ポリウレタン端部のバリをカッター等で取り除き、23℃の環境で2日間以上放置した。
以上の操作により、目的とする発泡ポリウレタン製樹脂バネを得た。
<実施例1〜22、比較例2〜32>
表1〜表7に従って、成分の種類及び量(部数)を変更した以外は、比較例1と同様にして、目的とする発泡ポリウレタン製樹脂バネを得た。
(評価)
各例で得られた発泡ポリウレタン製樹脂バネの特性を測定すると共に、各種試験を行い、評価を行った。
以下、本実施例で行った各種測定方法及び各種試験について示す。なお、本発明の各種値は以下に示す測定方法により測定される値である。
(測定方法)
−見かけ密度−
見掛け密度は、次の方法により測定される。
まず、測定対象(概寸:縦180mm×横140mm×厚さ10mm)のサンプルを23±3℃の環境に用意する。次に、精密天秤にて、サンプルの重量を1/100g精度で測定する。次に、デジタルゲージを使用し、直径Φ10mmの測定子を用い荷重約0.6Nにて、サンプルの厚さ寸法を1/100mm精度で9個所測定し、平均値を求める。サンプルの縦寸法及び横寸法は、デジタルノギスを用いて、それぞれ3箇所測定し、平均を求める。得られた各寸法から、サンプルの体積を算出する。そして、式:見かけ密度=重量/体積にて、見かけ密度を求める。
−反発弾性率−
反発弾性率は、JIS K 6400(1997/A法)に準拠して測定される。測定は、測定対象(概寸:縦180mm×横140mm×厚さ10mm)のサンプルを23±3℃の環境に1日以上保管する。23±3℃の環境にて、高分子計器(株)製「FR−1型」を用いて行う。
−引張り強度・伸び−
引張り強度・伸びは、JIS K 6400−5に準拠して測定される。測定は、測定対象をダンベル2号形に打ち抜き、サンプルを得て、厚みを測る。得られたサンプルに対して、(株)オリオンテック製「テンシロン万能材料試験機UCT−500」にて,速度200mm/minで行う。そして、サンプル破断時の強度及び伸びを測定する。
−独立気泡率−
独立気泡率は、ベックマン法(空気比較式比重測定法:ASTM D 2856−70)に準拠して測定される。具体的には、測定対象からサイズ:20mm×20mm×厚さmmのサンプルを切り出し、得られたサンプルの容積(cm)を、BECKMAN−TOSHIBA,LTD.製「空気比較式比重計930型」にて測定する(加圧法)。この測定したサンプルの容積を測定値とする。一方で、サンプルを「空気比較式比重計930型」に入れない状態で容積を測定し、バックグラウンド測定値(ブランク値)を得た。そして、下記式により独立気泡率(空間容積当たりの独立気泡率)Vc(%)を算出する。
式:Vc(%)=[(ΔV−E)/(V−E)]×100
ΔV:{(測定値)−(ブランク値)}(cm
V:水没法によるサンプルの見掛けの容積(cm
E:樹脂(ポリウレタン)の容積(cm)={(サンプルの重量)/(サンプルの真比重)}
−30%圧縮硬さ−
30%圧縮硬さは、JIS K 6400−2(2012年)に準拠して測定される。具体的には、測定対象からサイズ20mm×20mmのサンプルを切り出し、得られたサンプルの厚さを測定する。次に、サンプルに対して、(株)オリオンテック製「テンシロン万能材料試験機UCT−500」を用いて、速度10mm/minで圧縮を行なう。そして、サンプル厚みに対して30%圧縮時の応力を測定し、測定値を30%圧縮硬さとする。
−30%圧縮永久歪−
30%圧縮永久歪は、JIS K 6400−4 A法(2004年)に準拠して測定される。具体的には、測定対象からサイズ20mm×20mmのサンプルを切り出し、得られたサンプルの厚さを測定する。次に、サンプル厚さの70%に相当する厚さのスペーサーを介して、サンプルを2枚のステンレス板で挟み込み、30%圧縮状態で固定する。その状態にて、70℃のオーブン内に、22時間保持する。次に、オーブンから出して、ステンレス板からサンプルを外す。その後、23℃の室温で30分間放置したサンプルの厚さを測定する。そして、下記式に基づいて、30%圧縮永久歪を算出する。
式: CS=(t0−t)/t0×100
t0: 圧縮前のサンプルの厚さ
t : 圧縮後のサンプルの厚さ
−50%圧縮永久歪−
サンプルを2枚のステンレス板で挟み込んで固定するときの圧縮状態を、50%圧縮状態とした以外は、30%圧縮永久歪と同様にして、50%圧縮永久歪を算出した。
−脱型時状況−
枠型から発泡ポリウレタンを取り出した後。得られた発泡ポリウレタンの脱型時状況を評価した。
脱型時状況は、発泡ポリウレタンの膨張(又は収縮)およびスキン破れの状況を確認した。その他、臭気(イソシアネートの臭気)等も確認した。なお、表中、発泡ポリウレタンが過度に膨張(又は収縮)している状況を「膨張(又は収縮)」と表記し、多少膨張(又は収縮)している状況を「膨れ(又は縮み)」と表記し、僅かに膨張(又は収縮)している状況を「やや膨れ(又はやや縮み)」と表記した。また、脱型時に、特に問題がなかった場合は「良好」と表記した。
以下、各例の物理特性の測定結果、各種試験の結果について、表1〜表7に一覧にして示す。
Figure 2018003887
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上記結果から、本実施例の発泡ポリウレタンは、見かけ密度及び反発弾性率が高く、圧縮永久歪も低減でき、発泡ポリウレタン製樹脂バネとして適していることがわかる。これにより、本実施例の発泡ポリウレタンを利用した樹脂ばねは、圧縮により破損に難く、ばね機能を発揮できることがわかる。
また、本実施例の発泡ポリウレタン製樹脂バネは、脱型時に、膨張(又は収縮)、スキン破れ等が発生せず、生産性が高く製造容易であることもわかる。
なお、表中の略称等の詳細については、以下の通りである。
−メインポリオール−
・PTMG3000: ポリテトラメチレングリコール「PTMG3000(三菱化学(株)製、官能基数f=2、Mn=3,000)」
・PTMG2000: ポリテトラメチレングリコール「PTMG2000)三菱化学(株)製、官能基数f=2、Mn=2000)」
・GP3000: ポリエーテルポリオール「サンニックス GP3000(三洋化成工業(株)製、PO/EO(モル比)=100/0、官能基数f=3、Mn=3000)」
−多官能ポリオール−
・GP3000: ポリエーテルポリオール「サンニックス GP3000(三洋化成工業(株)製、PO/EO(モル比)=100/0、官能基数f=3、Mn=3,000)」
−セルオープナー−
・PL910: ポリエーテルポリオール「サンニックス PL910(三洋化成工業(株)製、PO/EO(モル比)=84/16、官能基数f=2、Mn=900)
−整泡剤−
・SZ−1642: シリコーン整泡剤「DOW CORNING TORAY SZ−1642(東レ・ダウコーニング(株)製)」
−シリコーンオイル−
「ジメチルシリコーンオイル」
・KF−96L 5cs: シリコーンオイル「KF−96L 5cs(信越化学工業(株)製)、粘度=5cSt」
・KF−96−100cs: シリコーンオイル「KF−96 100cs(信越化学工業(株)製)、粘度=100cSt」
・KF−96−300cs: シリコーンオイル「KF−96 300cs(信越化学工業(株)製)、粘度=300cSt」
・KF−96−500cs: シリコーンオイル「KF−96 500cs(信越化学工業(株)製)、粘度=500cSt」
・KF−96−1,000cs: シリコーンオイル「KF−96 1,000cs(信越化学工業(株)製)、粘度=1,000cSt」
・KF−96−5,000cs: シリコーンオイル「KF−96 5,000cs(信越化学工業(株)製)、粘度=5,000cSt」
・KF−96H−1万cs: シリコーンオイル「KF−96H 10,000cs(信越化学工業(株)製)、粘度=10,000cSt」
・KF−96H−5万cs: シリコーンオイル「KF−96H 50,000cs(信越化学工業(株)製)、粘度=50,000cSt」
・KF−96H−10万cs: シリコーンオイル「KF−96H 100,000cs(信越化学工業(株)製)、粘度=100,000cSt」
「ジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位との共重合シリコーンオイル」
・KF−50−100cs: シリコーンオイル「KF−50 100cs(信越化学工業(株)製)、粘度=100cSt」
・KF−50−3000cs: シリコーンオイル「KF−50 3,000cs(信越化学工業(株)製)、粘度=3,000cSt」
「メチルハイドロジェンシリコーンオイル」
・KF−99: シリコーンオイル「KF−99(信越化学工業(株)製)、粘度=20cSt」
−触媒−
・DABCO 33−LV: アミン触媒「DABCO 33−LV(エアー・プロダクツジャパン(株)製)」
−イソシアネート−
・ミリオネートMT: モノメリックMDI「ミリオネートMT(東ソー(株)製)」

Claims (7)

  1. 数平均分子量1,000〜3,500のポリテトラメチレングリコールと、ジフェニルメタンジイソシアネート系のイソシアネートと、官能基数3以上の多官能ポリオールと、発泡剤と、触媒と、シリコーンオイルと、を含む組成物の硬化物からなり、
    見掛け密度が200〜500kg/mであり、反発弾性率が60%以上であり、30%圧縮永久歪が10%以下且つ50%圧縮永久歪が20%以下である発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
  2. 前記シリコーンオイルが、ジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位の共重合から成るポリシロキサンである請求項1に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
  3. 前記シリコーンオイルが、ポリジメチルシロキサンである請求項1に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
  4. 前記ポリジメチルシロキサンの粘度が、5〜50(25℃、mm/s)、又は1,000〜100,000(25℃、mm/s)である請求項3に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
  5. 前記組成物がセルオープナーをさらに含み、独立気泡率が0〜20%である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
  6. 前記セルオープナーが、低分子ジオール、ポリプロピレングリコール系の2官能ポリオール、ポリエーテルカルボン酸エステル化物、ポリブテン、及びパラフィン系オイルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
  7. 前記ポリプロピレングリコール系の2官能ポリオールが、エチレンオキサイド含有率0〜80モル%で、かつ数平均分子量400〜4,000の2官能ポリオールである請求項6に記載の発泡ポリウレタン製樹脂バネ。
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