JP2014189857A - 複合部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合箇所の良好な接合性と,強度を要する箇所の表面硬度との両立を達成した,複合部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】Crと粗大粒生成防止元素とが添加された鋼材を用いた鋼製部品と,他の部品と,を接合することによる複合部品の製造方法。本発明の製造方法では,鋼製部品に対して,格子欠陥導入工程と,浸炭工程と,接合工程とをこの順に行う。格子欠陥導入工程では,接合前の鋼製部品60における他の部品との接合予定部位64に対して冷間加工を施す。これにより,当該部位の格子欠陥を他の部分より多くする。浸炭工程では,格子欠陥導入工程後の鋼製部品に酸化性雰囲気で浸炭処理を施す。接合工程では,浸炭工程後の鋼製部品における接合予定部位64に他の部品を接合する。
【選択図】図4

Description

本発明は,鋼製部品と他の部品とを接合してなる複合部品を製造する方法に関する。さらに詳細には,鋼製部品に浸炭処理を施してから接合を行う複合部品の製造方法に関するものである。
従来から,車両の駆動伝達系など種々の分野で,2以上の部品を接合してなる複合部品が使用されている。これらの部品ではまた,摺動面の耐摩耗性確保等の必要から表面硬度も要求される。鋼製部品に表面硬度を付与する手法として,浸炭処理が挙げられる。浸炭処理では,鋼材の表層付近における炭素濃度を上昇させて,表層を硬化させる。ところが,鋼製部品を浸炭後に他の部品と接合しようとすると,浸炭済みの表面の接合性が悪くて問題となる。例えば浸炭済み箇所に溶接により他の部品を接合しようとすると,炭素濃度の上昇により表面に硬化した層が生成しており,浸炭面に割れが生じる等の弊害がある。また,圧入により部品同士を接合する際に,圧入箇所に浸炭が施されていると,圧入自体が困難である。また,圧入時またはその後に相手方部品を過度に摩耗させてしまうことがある。
このため,接合予定部位には浸炭処理が施されないようにする技術が提案されている。特許文献1がその例である。特許文献1の技術では,浸炭処理時に先立ち接合予定部位に防炭剤を塗布しておく。これにより,接合予定部位以外の部分にのみ浸炭処理が施されるようにしている。これにより,接合箇所の接合性と,強度を要する箇所の表面硬度との両立を図っている。
特開2007−170505号公報(請求項4等)
しかしながら前記した従来の技術には,次のような問題があった。それは防炭剤を使用することである。特許文献1の[0017]に記載されている防炭剤は,特殊な組成のガラスであり,かなり高価である。また,文献に明記はないが,浸炭処理後接合前に当然,防炭剤を除去する作業が必要である。また防炭剤がガラス性のものであることから,この除去作業はかなり煩雑である。このため,接合予定部位に防炭剤を利用する方法は,非常に多くの作業工数を要するものであり,コストアップ要因である。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,接合箇所の良好な接合性と,強度を要する箇所の表面硬度との両立を達成するとともに,作業工数を低減することができる複合部品の製造方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明に係る複合部品の製造方法では,Crと粗大粒生成防止元素とが添加された鋼材を用いた鋼製部品と他の部品とを接合するに際して,接合前の鋼製部品における他の部品との接合予定部位に対して表面加工を施すことにより当該部位の格子欠陥を他の部分より多くする格子欠陥導入工程と,格子欠陥導入工程後の鋼製部品に酸化性雰囲気で浸炭処理を施す浸炭工程と,浸炭工程後の鋼製部品における接合予定部位に他の部品を接合する接合工程とを行う。
本発明の製造方法では,格子欠陥導入工程の際に,鋼製部品の接合予定部位の表層に格子欠陥領域が形成される。格子欠陥領域の格子欠陥は,粗大粒生成防止元素の存在により,浸炭工程中にも維持される。このため浸炭工程において,鋼中のCrが接合予定部位の表面に移動するとともに雰囲気中の酸素と反応して,Cr酸化物の膜が形成される。これにより接合予定部位への浸炭が防止され,接合予定部位の炭素濃度および硬度があまり上昇しない。したがって,その後の接合工程での接合予定部位への他の部品の接合が良好に行われる。例えば,溶接による接合の場合には溶接後の割れを防止できる。圧入の場合には他の部品を過度に摩耗させてしまうことを防止できる。
ここで,浸炭工程後接合工程前の鋼製部品に対し焼き入れ工程を行うことが望ましい。これにより,部品全体の強度を確保できる。また,浸炭工程後接合工程前の鋼製部品の接合予定部位に対し,形状を精密に調整するための精密切削加工工程を行うこととしてもよい。焼き入れ工程と精密切削加工工程とをともに行う場合には,焼き入れ工程が先となる。さらに,鋼製部品の鋼材として,Cr,粗大粒生成防止元素の添加量が,
Cr:0.5〜2.0質量%,
粗大粒生成防止元素:原子量の比によりNbの場合に換算した当量として0.05〜0.37質量%,
の各範囲内にあるものを用いることが好ましい。
本発明によれば,接合箇所の良好な接合性と,強度を要する箇所の表面硬度との両立を達成した,複合部品の製造方法が提供されている。
加工を受けた面へのCの侵入が阻害される状況を説明する断面模式図である。 加工を受けていない面へのCの侵入が阻害されない状況を説明する断面模式図である。 本実施例および比較例での試験に供した試験片の外形を示す斜視図である。 本実施例および比較例で試験片に対して行った表面加工を説明する斜視図である。 本実施例および比較例で表面加工後の試験片に対して行ったガス浸炭焼き入れ処理のヒートパターンを説明する図である。 本実施例および比較例でガス浸炭焼き入れ処理後の試験片における炭素濃度の深さ方向分布を示すグラフである。 本実施例および比較例でガス浸炭焼き入れ処理後の試験片におけるビッカース硬さの深さ方向分布を示すグラフである。 本実施例の追加試験における炭素濃度の深さ方向分布を示すグラフ図である。 添加元素濃度および加工条件の違いによる,浸炭処理後の表面炭素濃度を示すグラフである。 本発明の適用対象例であるセカンダリーシーブシャフトを示す断面図である。 本発明の適用対象例であるインプットシャフトを示す断面図である。 本発明の適用対象例であるプラネタリサンギヤを示す断面図である。 本発明の適用対象例であるパーキングロックギヤを示す断面図である。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,車両の駆動系に用いられる複合部品の製造過程に本発明を適用したものである。本形態では,2つ以上の部品を接合して一体化したものを複合部品といい,そのときの接合前の個々の部品を単体部品ということとする。本形態では,次の手順で複合部品を製造する。
1.単体部品の準備

2.接合予定箇所への表面加工

3.ガス浸炭焼き入れ処理

4.接合処理
[1.単体部品の準備]
まず,本形態で使用する単体部品であるが,その作製方法自体に関しては特段の特徴点はない。従来から行われている方法で単体部品を作製すればよい。本形態で対象とする単体部品は,後に他の部品と接合されて複合部品の一部となるものである。このため,単体部品の外形の一部には,他の部品が接合される接合予定部位が存在している。この接合予定部位は,次の表面加工工程で加工を受けるので,その分,最終形状よりもやや大きく形成しておく。また,接合予定部位を有する単体部品の素材としては,CrおよびNbを含有する鋼種を用いる。
[2.接合予定箇所への表面加工]
この工程では,格子欠陥導入工程として,単体部品における接合予定箇所に表面加工を施す。その目的は,当該接合予定箇所を,後のガス浸炭処理にて浸炭を受けにくい部位とすることにある。表面加工を施すことにより,その箇所を,浸炭処理の際にCが侵入しにくい箇所とすることができる。単体部品における表面加工が施された箇所の表層付近は,加工のストレスにより,Feの結晶構造における格子欠陥を,加工を施さなかった部分と比較して多く含む領域となる。格子欠陥が多く存在することにより浸炭を受けにくい理由については,次の段落で説明する。
[3.ガス浸炭焼き入れ処理]
この工程では,浸炭工程として,単体部品にガス浸炭処理を施す。その目的は,単体部品における接合予定箇所以外の箇所の表面を硬化させ,耐摩耗性等を向上させることにある。ここで,前の工程で表面加工を施した箇所は,あまり浸炭されない。その理由は,当該箇所に形成される酸化物膜がCの侵入を阻害するからである。このことを図1により説明する。図1に示すのは,模式的に示す鋼材の表面付近の断面図である。これに,浸炭後における深さ方向のC濃度分布のグラフを合わせて示している。
ガス浸炭処理中には,マトリックス50の表面に,酸化物膜51が形成される。これは,温度が高温であることと,処理雰囲気が酸化性であることとによる。なお,酸化物膜51の主成分は,Crの酸化物である。なぜなら,マトリックス50中に含まれるCrがFeより優先的に酸化物を形成するためである。そして表面加工が施された箇所では,酸化物膜51の厚さが数十〜数百nmにも達する。マトリックス50の表層付近に,表面加工により形成された格子欠陥領域52があるからである。格子欠陥領域52は,格子欠陥を多く含む領域である。この格子欠陥が,マトリックス50からその表面へのCrの拡散パスとなるので,Crが表面側に移動して酸化物膜51が厚く形成されるのである。
ここで鋼中のNbは,鋼中のCやNと結合して微小な介在物を形成している。この介在物はマトリックス50中の粗大結晶粒の生成を防止するものであるが,ここではさらに,格子欠陥の移動をも阻害する。このため浸炭処理中でも格子欠陥が解消されず維持されるので,マトリックス50からその表面へのCrの供給を多くする作用がある。またNbは,Cr酸化物の生成の核にもなると考えられる。
この厚い酸化物膜51により,雰囲気中のCO分子からマトリックス50中へのCの侵入が阻害される。つまり,酸化物膜51の表面に吸着するCO分子があっても,その大部分はそのまま離脱していくのである。このため,マトリックス50中へ侵入するCが少なく,マトリックス50中のC濃度は浸炭処理によりあまり上昇しない。
一方,接合予定箇所以外の箇所,すなわち表面加工が施されていない箇所では,格子欠陥領域52のある接合予定箇所と比較してCrの移動が少ないため,図2に示すように,非常に薄い酸化物膜51しか形成されない。このため,雰囲気中のCO分子からマトリックス50中へのCの侵入があまり阻害されず,マトリックス50中へ侵入するCが多い。このためマトリックス50中のC濃度は浸炭処理により,特に表層付近で目立って上昇する。こうして,浸炭により鋼材の表面硬度が向上する。
また,上記より,ガス浸炭処理時の雰囲気ガスは,酸化性雰囲気である必要がある。C供給源ガス(アセチレン,プロパン,ブタン,メタン,エチレン,エタン等の炭化水素系のガス)とともに雰囲気中にある程度のCO分子を存在させるためと,マトリックス50の表面でCrを酸化するためである。よってガス浸炭処理時の雰囲気ガスは,酸素分圧がおよそ1.86×10-13Pa程度のO2を含んでいる必要がある。もしくは,上記の酸素分圧を達成できる程度のH2O(水蒸気) を含んでいる必要がある。なお浸炭処理後には,焼入工程として焼き入れを行い部品全体に強度を与える。
鋼中のCr組成は,最低で0.5質量%必要で,1.0質量%以上であることが好ましい。Cr含有量が足りないと,表面加工箇所でのCr酸化物の形成が不十分である。ただし上限を2.0質量%とする。これを超えていると,非表面加工箇所でもCr酸化物の膜ができてしまい,浸炭が著しく困難になるからである。また,鋼中のNb組成は,最低で0.05質量%必要である。これ以下ではマトリックス50の表面へのCrの供給が十分できないからである。つまり,十分なCrの酸化物膜51を形成できず,所望の低い炭素濃度を得ることができない。ただし上限を0.37質量%とする。これを超えていると,一般的な鋼の圧延工程の温度(高くても約1300℃)におけるNbの固溶限度を超えていることになるため,NbがFe中に十分固溶せず,Nbの炭窒化物が粗大化して鋼材を脆化させるからである。
さらに,Nbに替えてもしくは加えて,同様にマトリックスの粗大粒生成を防止する作用を奏するTiやAlを用いてもよい。その場合には,それらの元素の含有量を,Nbとの原子量の比を考慮して換算した当量が,上記のNbの組成範囲に入っていればよい。あるいは,それらの当量の合計が上記の範囲に入っていればよい。
また,Cr,Nb以外の成分については,特に限定はなく,鋼として提供されている素材であればよい。ただし,上限を定めるのであれば次のようにする。
C :0.30質量%。靱性低下の問題を起こさないためである。
Si:3.00質量%。切削性低下の問題を起こさないためである。
Mn:3.00質量%。切削性低下の問題を起こさないためである。
P :0.03質量%。靱性低下の問題を起こさないためである。
S :0.03質量%。靱性低下の問題を起こさないためである。
Mo:0.10質量%。硬度ムラの問題を起こさないためである。
[4.接合処理]
その後,接合工程として,表面加工および浸炭焼き入れ処理を経た単体部品と,他の単体部品との接合を行う。接合が行われるのはむろん,表面加工および浸炭処理を経た単体部品においては,表面加工が施された接合予定箇所である。上記のようにこの接合予定箇所には浸炭の効果が及んでいないので,接合性が良好である。すなわち,溶接で接合する場合には,当該接合予定箇所に溶接割れが生じることがない。また,圧入やカシメにより接合する場合でも,接合が困難であったり相手方部品を傷つけてしまうようなことがない。なお,焼き入れ処理を施さずに接合処理を行うことも可能である。その場合でも上記と同様に,接合予定部位に表面加工処理を施したことの効果が得られる。なお,浸炭焼き入れ処理後接合処理前に,接合予定箇所あるいはそれ以外の箇所に,形状を精密に調整するための精密切削加工を行ってもよい。この場合,精密切削加工の際に,単体部品の接合予定箇所における浸炭の影響により硬度が上昇した層を除去できる。このため,浸炭の抑制をしない場合,つまり格子欠陥導入工程を行わない場合と比較して,加工性がよいという効果がある。
以下,実施例1を,比較例とともに説明する。本実施例および比較例で素材鋼として使用した鋼種は,以下の成分(質量%)のものである。比較例のものは,Nbを含有していない点で,好ましい成分から外れている。
実施例 比較例
C 0.21 0.21
Si 0.25 0.24
Mn 0.74 0.82
P 0.021 0.017
S 0.020 0.027
Cr 1.12 0.98
Mo 0.16 0.15
Nb 0.06 −−−
本実施例および比較例(以下,単に「本実施例」ということがある)で試験に供した試験片について説明する。本実施例では,図3に示す形状の試験片60を使用した。試験片60は,小径部61と大径部62とからなる段付き円柱形状のものである。サイズは以下の通りとした。
小径部61の直径φ1:50mm
小径部61の厚さT1:15mm
大径部62の直径φ2:60mm
大径部62の厚さT2:18.6mm
上記の試験片60に対して,[2.接合予定箇所への表面加工],つまり格子欠陥導入工程として,図4に示す切削加工を行った。すなわち,試験片60の小径部61を保持して,試験片60を軸回りに回転させつつ,試験片60の大径部62の側面を,超硬チップ70を用いて,端面63側から,湿式旋削により切削した。切削により現れた切削面64が,後に他の部品との接合に供される面である。切削長T3は10mmとした。超硬チップ70としては,サンドビック製の「CNMG120408−MM2025」を用いた。旋削条件は,以下の2水準とした。ここで切削速度Eとは,超硬チップ70と試験片60との接触箇所における,試験片60の回転による周速のことである。
切削深さD 切削速度E 刃送りF
マイルド旋削 0.1mm 0.8m/s 0.1mm/rev
シビア旋削 2.0mm 5.8m/s 0.5mm/rev
図4の切削加工を施した試験片60を,洗浄して切削油を除去してから,[3.ガス浸炭焼き入れ処理]に供した。ガス浸炭時の雰囲気は以下の通りとした。
使用ガス種:プロパン
CO濃度 :20体積%
酸素分圧 :1.83×10-13Pa
総圧力 :1300hPa
ヒートパターンは図5に示す通りとした。すなわち,上記雰囲気内で試験片60を13200秒間にわたって950℃に保持し,その後試験片60の温度を870℃に下げて1900秒間保持し,その直後に油冷により焼き入れた。雰囲気のカーボンポテンシャル(CP)については,温度950℃での保持時間中の最初の4800秒間では1.10%,その次の4800秒間では1.05%,最後の3600秒間では0.90とした。その後の温度870℃の期間中も引き続きCPを0.90%とした。また,焼き入れ完了後に,温度150℃に3600秒間保持する焼き戻しを行った。
このようなガス浸炭焼き入れ処理を経た試験片60が,その後に他の部品との[4.接合処理]に供される。接合箇所は切削面64である。実施例に係る試験片60の切削面64は,接合処理にて良好な接合性を発揮する。
上記のガス浸炭焼き入れ処理完了後の試験片60における表層のC濃度分布の測定結果を図6に示す。同じくビッカース硬さの分布の測定結果を図7に示す。これらの測定の測定箇所はむろん図4の切削面64である。すなわち,浸炭焼き入れ処理完了後の試験片60における図4中の端面63から厚さ5mmの部分を研磨により除去し,現れた新たな端面上でのC濃度およびビッカース硬さの分布を測定した。図6,図7ともに横軸は,新たな端面上における切削面64からの深さを表している。
図6によれば,実施例のものでも表面付近にある程度のC濃度の上昇が見られる。しかし,マイルド旋削,シビア旋削ともに,比較例のものと比べれば明らかにC濃度が低い。これが,図1で説明した浸炭阻止の効果である。実施例同士でマイルド旋削とシビア旋削とを比較すると,マイルド旋削のものよりもシビア旋削のものの方がさらにC濃度が低いことが分かる。これより,加えられた加工の程度が厳しいほど,浸炭阻止の効果が高いことが分かる。なお図6では,深さ1.5mm以上ではいずれの種類の試験片でも,[0026]に記した素材鋼のC濃度と変わらない値となっている。
図7によれば,シビア旋削の実施例のものでは,比較例のものと比べて明らかに硬さが低い。マイルド旋削の実施例のものでも,表面(深さ0.0mm)での硬さこそ比較例並となっているが,深さ0.2〜1.2mmの範囲内では比較例のものと比べて明らかに軟らかいことがわかる。これより,実施例のものでは,浸炭が阻止されたことにより,比較例のものと比べて硬さ上昇が防止されていることが分かる。なお図7では,深さ1.5mm以上ではいずれの種類の試験片でも,だいたい同じくらいの値となっている。
ここで,付加的な試験として,表面加工後浸炭前に切削面64を研磨してその影響を調べたのでその結果について述べる。この付加的試験を行った目的は,上記で説明した浸炭阻止効果が,浸炭処理前の表面加工による格子欠陥導入によるものであることを確認することにある。この付加的試験では,上記のシビア旋削を行った実施例の試験片60について,その切削面64の状態を,場所により次の3通りに分けてからガス浸炭焼き入れ処理に供した。
(1)そのまま。切削面64をルーペで観察すると,超硬チップ70による筋状の加工痕が認められる。
(2)加工痕が認められなくなるまで#1200の研磨紙で研磨した。
(3)(2)と同じ研磨をした後さらに,深さ40μm程度の電解研磨を行った。
この試験片60について浸炭処理後,[0032]で説明したように新たな端面を出してその端面を拡大鏡で観察したところ,(1)の箇所では浸炭層の存在が認められなかったが,(2)の箇所および(3)の箇所では浸炭層の存在が認められた。また,これらの各箇所で図6と同様のC濃度分布を測定したところ,図8の結果が得られた。これによれば,(1)の「そのまま」では当然,図6中の実施例のシビア旋削と同等の結果であった。これに対し,(2)の「研磨」や(3)の「研磨+電解研磨」の箇所では,図6中の比較例並の結果であった。
このことから,図6,図7で説明した浸炭抑制効果は,旋削加工時に切削面64の表層に導入された格子欠陥の効果によるものと結論づけられる。つまり,(1)の箇所では格子欠陥領域が残ったまま浸炭処理が行われたことになる。このため,[0015]〜[0019]で説明したメカニズムにより浸炭が阻止されたのである。一方,(2),(3)の箇所では,格子欠陥領域が除去されてから浸炭処理が行われたことになる。このため,浸炭が阻止されなかったのである。なお,(2),(3)のような研磨処理程度では,新たな格子欠陥が切削面64に導入されることはないと考えられる。
実施例2として,素材鋼のCr濃度およびNb濃度の影響を調べる試験を行った。この試験では,Cr濃度について次の4水準,Nb濃度について次の3水準の都合12種類の素材鋼を用いた。Cr,Nb以外の元素については,[0026]の「実施例」のものと同等レベルとした。
Cr濃度:0.0質量%,0.5質量%,1.0質量%,2.0質量%
Nb濃度:0.005質量%未満,0.05質量%,0.1質量%
これらの素材鋼で,図3と同様の形状の試験片60を作製した。加工条件は,以下の3通りとした。
(a)電解研磨。表面加工に替えて電解研磨を行ったものである。これは,本発明にいう「表面加工」に該当しないため,比較例である。
(b)[0028]中の「マイルド旋削」。
(c)[0028]中の「シビア旋削」。
これらの各種の試験片60について図5に示したヒートパターンでガス浸炭焼き入れ処理を行った。その後,[0032]で説明した方法により,切削面64(もしくはそれに相当する電解研磨面)の表面(深さ0.0mm)におけるC濃度を測定した。結果を図9に示す。図9では,横軸でCr濃度を示し,縦軸で表面C濃度を示している。
図9の「電解研磨」を見ると,いずれのCr濃度でも,またいずれのNb濃度でも,表面C濃度が非常に高い水準にあることが分かる。これより,電解研磨のようにマトリックスに格子欠陥を導入しないような加工方法で加工しても,浸炭防止効果が得られないことが分かる。
図9の「マイルド旋削」を見ると,まず,Nb濃度が0.005質量%未満のものでは,いずれのCr濃度でも,表面C濃度が非常に高い水準にあることが分かる。これに対し,Nb濃度が0.05質量%または0.1質量%のものでは,Cr濃度が0.0質量%のときを除いて,表面C濃度に有意な低下が認められる。Nb濃度が0.05質量%のものよりも0.1質量%のものの方がC濃度低下の程度がやや強い。また,Cr濃度が高いほど,C濃度低下の程度も強くなっている。図9の「マイルド旋削」に見られるこうした傾向は,図9の「シビア旋削」でもほぼ同様に見られる。そして,「シビア旋削」の方が表面C濃度の低下が著しいと言える。ただし「シビア検索」では,Cr濃度について,1.0質量%と2.0質量%との間には顕著な違いは認められない。
これより,以下のようにまとめられる。
・表面加工工程での加工方法は,電解研磨のようなマトリックスに格子欠陥を導入しないものでは不適切で,旋削加工のようなマトリックスに格子欠陥を導入するものである必要がある。なお,ここでの加工は格子欠陥を導入できるものであればよいため,摩擦研磨であっても,研磨材の目が粗いものであれば可能である。
・素材鋼のCr濃度は,0.5〜2.0質量%の範囲内が適切である。
・素材鋼のNb濃度は,0.05〜0.1質量%の範囲内が適切である。
なお,[実施例2]はこの段落までとする。
本発明を適用できる駆動部品をいくつか例示する。図10に示すのは,セカンダリーシーブシャフト30の適用例である。セカンダリーシーブシャフト30では,ねじ部31,32が,浸炭時の浸炭防止の対象箇所である。図11に示すのは,インプットシャフト35の適用例である。インプットシャフト35では,溶接部36の周縁部が,浸炭防止の対象箇所である。図12に示すのは,プラネタリサンギヤ40の適用例である。プラネタリサンギヤ40では,溶接部41の周縁部が,浸炭防止の対象箇所である。図13に示すのは,パーキングロックギヤ45の適用例である。パーキングロックギヤ45では,溶接部46の周縁部が,浸炭防止の対象箇所である。
以上詳細に説明したように本実施の形態および実施例によれば,鋼製単体部品の素材鋼として,Cr,Nbが添加されたものを用いている。そして,他の部品と接合される接合予定箇所に対して,ガス浸炭処理に先立ち表面加工処理を行い,当該箇所に格子欠陥領域を形成している。そして酸化性雰囲気でガス浸炭処理を行っている。このためNbにより,浸炭処理中にも格子欠陥が維持されるので,マトリックスの表面にCrが供給されて厚めのCr酸化物膜が形成される。これにより接合予定箇所では,浸炭が阻止される。こうして,浸炭処理によりあまり硬度が上昇していない接合予定箇所に対して,他の部品の接合が行われることとなる。したがって,接合箇所の接合性と,それ以外の箇所の高い表面硬度とが両立された,複合部品の製造方法が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,表面加工処理における,マトリックスに格子欠陥を導入する加工処理としては,例示した切削加工の他に,対象箇所を塑性変形させる冷間鍛造加工処理や熱間鍛造加工処理でもよい。また,実施の形態では浸炭処理および焼き入れ処理を施した後に接合処理を行ったが,焼き入れ処理を行わずに浸炭処理後に接合処理を行ってもよい。その場合でも[0025]に記載した効果が得られる。
30,35,40,45 単体部品
31,32,36,41,46 接合予定部位
64 切削面

Claims (4)

  1. Crと粗大粒生成防止元素とが添加された鋼材を用いた鋼製部品と他の部品とを接合してなる複合部品の製造方法において,
    接合前の前記鋼製部品における前記他の部品との接合予定部位に対して表面加工を施すことにより当該部位の格子欠陥を他の部分より多くする格子欠陥導入工程と,
    前記格子欠陥導入工程後の前記鋼製部品に酸化性雰囲気で浸炭処理を施す浸炭工程と, 前記浸炭工程後の前記鋼製部品における前記接合予定部位に前記他の部品を接合する接合工程とを行うことを特徴とする複合部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の複合部品の製造方法において,
    前記浸炭工程後前記接合工程前の前記鋼製部品に対し焼き入れ工程を行うことを特徴とする複合部品の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の複合部品の製造方法において,
    前記浸炭工程後前記接合工程前の前記鋼製部品の前記接合予定部位に対し,形状を精密に調整するための精密切削加工工程を行うことを特徴とする複合部品の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の複合部品の製造方法において,
    前記鋼製部品の鋼材として,Cr,粗大粒生成防止元素の添加量が,
    Cr:0.5〜2.0質量%,
    粗大粒生成防止元素:原子量の比によりNbの場合に換算した当量として0.05〜0.1質量%,
    の各範囲内にあるものを用いることを特徴とする複合部品の製造方法。
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