JP2014189742A - アクリル系重合成形体及びその製造方法並びに発泡成形体 - Google Patents

アクリル系重合成形体及びその製造方法並びに発泡成形体 Download PDF

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Hiroaki Kitade
博章 北出
Seiichi Morimoto
誠一 森本
Haruhiko Matsuura
春彦 松浦
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Abstract

【課題】発泡不良等の不具合を抑制しつつ、強度の高い発泡成形体が得られるアクリル系重合成形体及びその製造方法、並びに前記アクリル系重合成形体を用いた強度の高い発泡成形体を提供する。
【解決手段】メタクリル酸メチルに由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有する重合体と、化学発泡剤とを含有し、かつJIS K 6253:1997に準じて測定される硬度が35〜59ポイントであるアクリル系重合成形体。また、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸、及び化学発泡剤を含む重合性溶液を、35〜49℃で加熱して重合させる、アクリル系重合成形体の製造方法。また、前記アクリル系重合成形体を加熱発泡させた発泡成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系重合成形体及びその製造方法並びに発泡成形体に関する。
アクリル系重合成形体を加熱発泡させた発泡成形体は、高い強度を有し、軽量性、断熱性に優れていることから、例えば、表面に繊維強化プラスチック(FRP)を貼り付けた状態で、船体の構成部材、保冷室の壁材等として広く用いられている。
前記発泡成形体の製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
アクリル系単量体と化学発泡剤(尿素等)とを含有する重合性溶液を型枠内に入れ、型枠ごと50℃で10時間加熱して重合反応を行うことで固化させた後、80℃で3時間加熱して重合反応を完結させることでアクリル系重合成形体を得る。その後、該アクリル系重合成形体を化学発泡剤が分解する温度以上で加熱発泡させて発泡成形体を得る(例えば、特許文献1)。
ところで、発泡成形体の強度をより高くすることができれば、加工時や使用時に破損が生じ難く耐久性が向上するうえ、該発泡成形体を用いた部材のさらなる薄肉化、軽量化や、低コスト化等が可能となる。そのため、発泡不良等の不具合を生じさせずに、特許文献1に記載されているような従来の発泡成形体よりも強固な発泡成形体を得ることは重要である。
特公昭50−38143号公報
本発明は、発泡不良等の不具合を抑制しつつ、強度の高い発泡成形体が得られるアクリル系重合成形体及びその製造方法、並びに前記アクリル系重合成形体を用いた強度の高い発泡成形体を提供する。
本発明のアクリル系重合成形体は、メタクリル酸メチルに由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有する重合体と、化学発泡剤とを含有し、かつJIS K 6253:1997に準じて測定される硬度が35〜59ポイントである。
本発明の発泡成形体は、本発明のアクリル系重合成形体を加熱発泡させた発泡成形体である。
本発明のアクリル系重合成形体の製造方法は、前記した本発明のアクリル系重合成形体の製造方法であって、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸、化学発泡剤及び重合開始剤を含む重合性溶液を、35〜49℃で加熱して重合させることを特徴とする方法である。
本発明のアクリル系重合成形体を用いれば、発泡不良等の不具合を抑制しつつ、強度の高い発泡成形体が得られる。
また、本発明のアクリル系重合成形体の製造方法によれば、発泡不良等の不具合を抑制しつつ、強度の高い発泡成形体が得られるアクリル系重合成形体を製造できる。
また、本発明の発泡成形体は、強度が高い。
実施例における発泡成形体の見かけ密度と曲げ強度との関係を示したグラフである。
本明細書においては、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸のいずれか一方又は両方を示し、他の化合物についても同様である。
<アクリル系重合成形体>
本発明のアクリル系重合成形体は、メタクリル酸メチルに由来する構成単位(以下、「単位(a1)」という。)及び(メタ)アクリル酸に由来する構成単位(以下、「単位(a2)」という。)を有する重合体(以下、「重合体A」という。)と、化学発泡剤とを含有する。
[重合体A]
重合体Aは、単位(a1)と単位(a2)を必須として有し、必要に応じて他の構成単位を有するアクリル系重合体である。
単位(a2)を構成する(メタ)アクリル酸は、化学発泡剤として用いられる尿素の溶解性が優れている点では、アクリル酸よりもメタクリル酸が好ましい。
他の構成単位としては、メタクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸以外の他のアクリル系単量体に由来する構成単位、アクリル系単量体以外の他の単量体に由来する構成単位が挙げられる。
他のアクリル系単量体としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。
他のアクリル系単量体は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。
アクリル系単量体以外の他の単量体としては、メタクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸と共重合可能な単量体であればよく、発泡成形体の改質等を目的として適宜選択して用いることができる。
他の単量体としては、アクリル系重合成形体の発泡性がより良好になる点から、スチレンが好ましい。スチレンを使用する場合、発泡成形体の硬質さが損なわれ難い点から、スチレンの使用量は単量体の全量に対して20質量%以下が好ましい。
他の単量体は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。
重合体Aとしては、単位(a1)、単位(a2)、及びスチレンに由来する構成単位(以下、「単位(a3)」という。)を有する重合体が好ましく、単位(a1)〜(a3)からなる重合体がより好ましい。
重合体Aの全構成単位(100質量%)に対する単位(a1)の割合は、50〜70質量%が好ましく、55〜65質量%がより好ましい。単位(a1)の割合が下限値以上であれば、アクリル系重合成形体の発泡性がより良好になる。
重合体Aの全構成単位(100質量%)に対する単位(a2)の割合は、20〜30質量%が好ましく、22〜27質量%がより好ましい。単位(a2)の割合が下限値以上であれば、重合時において、化学発泡剤として用いる尿素の単量体への溶解性がより良好になる。
割合(a2)は、アクリル酸に由来する構成単位のみで前記範囲としてもよく、メタクリル酸に由来する構成単位のみで前記範囲としてもよく、アクリル酸に由来する構成単位とメタクリル酸に由来する構成単位の合計で前記範囲としてもよい。
重合体Aが単位(a3)を有する場合、重合体Aの全構成単位(100質量%)に対する単位(a3)の割合は、10〜20質量%が好ましく、12〜17質量%がより好ましい。
重合体Aとしては、単位(a1)50〜70質量%と、単位(a2)20〜30質量%と、単位(a3)10〜20質量%(ただし、単位(a1)〜(a3)の合計が100質量%)とからなる重合体が特に好ましい。
[化学発泡剤]
本発明のアクリル系重合成形体は、化学発泡剤を含有する。
化学発泡剤としては、アクリル系重合成形体を加熱発泡させることで発泡成形体が得られるものであればよく、尿素及び尿素誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
化学発泡剤は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。
本発明のアクリル系重合成形体中の化学発泡剤の含有量は、重合体Aの100質量部、すなわち重合体Aに用いる単量体の全量100質量部に対して、1〜15質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。前記化学発泡剤の含有量が下限値以上であれば、軽量性に優れた発泡成形体が得られやすい。前記化学発泡剤の含有量が上限値以下であれば、単量体中に化学発泡剤を溶解させることが容易になる。また、前記化学発泡剤の含有量が上限値以下であれば、発泡成形体中に化学発泡剤が残存し難くなり、また加熱発泡時に破泡が生じ難くなる。
本発明のアクリル系重合成形体のJIS K 6253:1997に準じて測定される硬度は35〜59ポイントである。本発明のアクリル系重合成形体の硬度が前記範囲内であることで、発泡不良等の不具合を抑制しつつ、強度の高い発泡成形体を得ることができる。このような効果が得られる要因は明らかではないが、アクリル系重合成形体の硬度が前記範囲内に制御されていることで、該アクリル系重合成形体がより高い発泡倍率で発泡して膨張するためであると考えられる。
本発明のアクリル系重合成形体の硬度は、40〜55ポイントが好ましく、45〜50ポイントが特に好ましい。アクリル系重合成形体の硬度が高いほど、発泡成形体に亀裂が入り易い。アクリル系重合成形体の硬度が低いほど、発泡成形体に亀裂が入り難い。
なお、本発明において、アクリル系重合成形体の硬度は、実施例に記載の方法で測定される。また、アクリル系重合成形体の硬度は、重合に用いる単量体の組成、重合温度を調節することで制御することができる。
本発明のアクリル系重合体の形状は、特に限定されず、目的とする発泡成形体の形状に応じて適宜決定できる。例えば、板状の発泡成形体を製造する場合は、板状のアクリル系重合成形体とすることが好ましい。
<アクリル系重合成形体の製造方法>
本発明のアクリル系重合成形体の製造方法は、前記した本発明のアクリル系重合成形体を製造する方法である。本発明のアクリル系重合成形体の製造方法は、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸、及び化学発泡剤を含む重合性溶液を、35〜49℃で加熱して重合させることを特徴とする。
本発明では、重合温度を35〜49℃の範囲内として重合反応を完結させることで、硬度が前記範囲のアクリル系重合成形体が得られ、該アクリル系重合成形体を用いることで高い強度の発泡成形体が得られる。50℃以上で重合反応を行う従来の方法に比べて重合反応を低温で行うことで、得られるアクリル系重合成形体の硬度がより低いものとなる。これにより、発泡させる際のアクリル系重合成形体の柔軟性が高くなり、発泡成形体の強度が高くなると考えられる。また、35℃〜49℃という低温で重合することで、急激な重合発熱を抑制することができるため、得られるアクリル系重合成形体中にボイドが発生し難いという利点もある。
重合温度は、37〜47℃が好ましく、40〜45℃がより好ましい。重合温度が高いほど、重合反応が充分に進行しやすい。
重合温度は、前記範囲内であれば、一定としてもよく、変化させてもよい。
本発明のアクリル系重合成形体の製造方法は、重合温度を前記範囲に制御する以外は、公知の方法と同様に行うことができる。例えば、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸、及び必要に応じて使用する他のアクリル系単量体、他の単量体を含む単量体混合物と、化学発泡剤と、重合開始剤と、重合開始助剤と、塩化物イオン添加用物質等を混合して重合性溶液とし、該重合性溶液を所定の形状の型枠に入れ、加熱して固化させる方法等が挙げられる。
重合時間は、5〜20時間が好ましく、10〜15時間がより好ましい。重合時間が下限値以上であれば、重合反応が充分に進行しやすい。重合時間が上限値以下であれば、生産性が高くなる。
重合は、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
型枠は、目的のアクリル系重合成形体の形状に合わせて適宜選択すればよい。
重合開始剤としては、レドックス系重合開始剤が好ましい。
レドックス系重合開始剤としては、例えば、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロキシパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
重合開始剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
重合開始剤の使用量は、単量体の全量100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましい。
本発明の製造方法に用いる重合性溶液には、重合開始助剤、塩化物イオン添加用物質、脱水剤、重合抑制剤、気泡調整剤等をさらに含有させてもよい。
重合開始助剤としては、例えば、スルフィン酸金属塩、アミン化合物等が挙げられる。
スルフィン酸金属塩としては、例えば、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも、スルフィン酸金属塩としては、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウムが好ましい。
アミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン等が挙げられる。
重合開始助剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
重合開始助剤の使用量は、単量体の全量100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。また、重合開始助剤の使用量は、レドックス重合開始剤に対して質量比で0.1〜5倍が好ましい。
塩化物イオン添加用物質としては、重合性溶液中に塩化物イオンを添加できるものであればよい。塩化物イオンは、重合反応の促進に寄与する。
塩化物イオン添加用物質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化銅、塩化第二鉄、塩化銀、塩化金、塩酸、イミダゾリウム塩型界面活性剤、第4級アンモニウム塩型界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
イミダゾリウム塩型界面活性剤としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウムクロライド、1−メチル−1−ヒドロキシエチル−2−牛脂アルキル−イミダゾニウムクロライド等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシアルキルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アルキルベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルベタイン等が挙げられる。
塩化物イオン添加用物質としては、塩化ナトリウム、塩酸、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、及びラウリルトリメチルアンモニウムクロライドからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドがより好ましい。
塩化物イオン添加用物質は、1種でもよく、2種以上でもよい。
塩化物イオン添加用物質の使用量は、単量体の全量100質量部に対して、0.005〜5質量部が好ましい。
脱水剤を用いることで、重合体Aに気泡が生じ難くなり、発泡力が低下し難くなるため、発泡倍率の高い発泡成形体が得られやすくなる。脱水剤としては、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等の硫酸塩、ゼオライト(モレキュラーシーブ)等が挙げられる。
また、重合抑制剤を用いることで、重合反応がより安定になる。重合抑制剤としては、ギ酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
気泡調整剤としては、例えば、金属酸化物、珪藻土等の粉末状無機物等が挙げられる。
<発泡成形体>
本発明の発泡成形体は、前述した本発明のアクリル系重合成形体を加熱発泡させて得られる発泡成形体である。そのため、本発明の発泡成形体は、高い強度を有している。
本発明の発泡成形体の形状は、用途等に応じて適宜決定すればよく、例えば板状等が挙げられる。
本発明の発泡成形体は、見かけ密度をX(kg/m)、JIS K 7221−2:1999で規定される曲げ強度(最大点強度)をY(MPa)としたとき、Y≧0.022X−0.292を満たすことが好ましく、Y≧0.022X−0.192を満たすことがより好ましく、Y≧0.022X−0.092を満たすことがさらに好ましい。本発明の発泡成形体が前記式を満たしていれば、より高強度な発泡成形体となる。
本発明の発泡成形体の見かけ密度は、35〜200kg/mが好ましく、40〜150kg/mがより好ましく、45〜125kg/mがさらに好ましい。発泡成形体の見かけ密度が下限値以上であれば、発泡倍率が高くなりすぎず、発泡成形体に亀裂が発生し難くなる。発泡成形体の見かけ密度が上限値以下であれば、発泡成形体の軽量性がより良好になる。
なお、発泡成形体の見かけ密度は、実施例に記載の方法で測定される。
本発明の発泡成形体の製造方法としては、本発明のアクリル系重合成形体を用いる以外は、公知の方法を採用できる。例えば、板状の発泡成形体を製造する場合、任意の距離に離間した2つの熱プレートを有する金型の一対の熱プレートの間に板状のアクリル系重合成形体を入れ、それら熱プレートによって該アクリル系重合成形体を加熱する。アクリル系重合成形体が化学発泡剤の熱分解温度以上に加熱されることで、アクリル系重合成形体が発泡して熱プレート上で膨張していき、所定の発泡倍率の発泡成形体が得られる。
加熱発泡に用いる金型は、前記したものには限定されず、目的の発泡成形体の形状に応じて適宜選択すればよい。アクリル系重合成形体の加熱発泡を所望の内法を有する金型内で行うことで、所望の形状の発泡成形体を得ることができる。
アクリル系重合成形体を加熱発泡させる際の加熱温度は、アクリル系重合成形体が軟化する温度以上で、かつアクリル系重合成形体に含有される化学発泡剤の熱分解温度以上とする。
加熱温度は、例えば、化学発泡剤が尿素(熱分解温度135℃)の場合、135℃以上が好ましく、145℃以上がより好ましい。加熱温度が高いほど発泡が効率良く進行する。また、加熱温度は、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。加熱温度が上限値以下であれば、発泡成形体が熱劣化し難い。
発泡前のアクリル系重合成形体に対する発泡後の発泡成形体の寸法の変化率は、全方向でできるだけ揃っていることが好ましい。これにより、亀裂の発生が抑制された発泡成形体がより得られやすくなる。
具体的には、矩形の板状の発泡成形体を製造する場合、下式(1)で求められる長手方向の寸法変化率(L)と、下式(2)で求められる短手方向の寸法変化率(D)との比(L/D)は、1/1.3〜1.3/1が好ましく、1/1.2〜1.2/1がより好ましい。比(L/D)が前記範囲内であれば、亀裂の発生が充分に抑制された発泡成形体が得られやすい。
L=L2/L1 ・・・(1)
D=D2/D1 ・・・(2)
ただし、前記式中、L1は発泡前のアクリル系重合成形体の長手方向の長さであり、L2は発泡後の樹脂成形体の長手方向の長さである。また、D1は発泡前のアクリル系重合成形体の短手方向の長さであり、D2は発泡後の樹脂成形体の短手方向の長さである。
寸法変化率(L)、(D)は、例えば、金型の内法を調節することで調節できる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[硬度]
各例で得られたアクリル系重合成形体の硬度は、JIS K 6253:1997に準じて測定した。
型枠を破砕してアクリル系重合成形体を取り出した後、該アクリル系重合成形体を固い剛性のある平らな場所に静置させた。その後、該アクリル系重合成形体の表面に硬度計(古里精機製作所製 ゴム・プラスチック硬度計 型式 KR−15D)の押針が測定面に対して直角になるように押しつけ、アクリル系重合成形体の抵抗力と硬度計の力が均等になった状態における押針の押込み深さを目盛で読み、硬度を測定した。
[見かけ密度]
各例で得られた発泡成形体の見かけ密度は、JIS K 7222:1999に記載の方法に準拠した方法により測定した。具体的には、得られた発泡成形体から、セル構造を変化させないように体積が10cm以上の試験片を切り出し、該試験片の質量を測定して、下式により見かけ密度を算出した。
見かけ密度(kg/m)=試験片質量(kg)/試験片体積(m
[曲げ強度]
発泡成形体から、幅75mm×長さ300mm×厚み30mmの直方体形状の試験体を切り出した。そして、この試験体を用いて、JIS K 7221−2:1999「硬質発泡プラスチック−曲げ試験 第2部:曲げ特性の測定附属書1 大形試験片による曲げ試験方法」記載の方法に準拠して、曲げ強度を測定した。具体的には、圧縮速度を10mm/分、先端治具を加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離200mmとして曲げ最大点強度を測定し、その結果を曲げ強度(MPa)とした。なお、上記最大点強度の測定には、テンシロン万能試験機UCT−10T((株)オリエンテック製)、万能試験機データ処理(UTPS−237Sソフトブレーン(株)製)を用いた。試験片の数は5個とした。
試験片は、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で16時間以上状態調節した後、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で測定を行った。
曲げ強さは次式により算出した。
R=(1.5FR×L/bd)×10
R:曲げ最大点強度(MPa)
FR:最大荷重(kN)
L:支点間距離(mm)
b:試験片の幅(mm)
d:試験片の厚さ(mm)
[実施例1]
(アクリル系重合成形体の製造)
メタクリル酸メチル60質量%、メタクリル酸25質量%、及びスチレン15質量%からなる単量体混合物の100質量部に対して、重合開始剤としてt−ブチルヒドロパーオキサイド(日油社製「パーブチルH−69」)0.5質量部、重合開始助剤としてN,N−ジメチルアニリン0.5質量部、塩化物イオン添加用物質としてセチルトリメチルアンモニウムクロライド(日油社製「ニッサンカチオンPB−40R」)0.04質量部、重合抑制剤としてギ酸カルシウム0.2質量部、脱水剤として硫酸ナトリウム0.6質量部、及び化学発泡剤として尿素5質量部を混合し、均一に撹拌して重合性溶液を調製した。
次いで、前記重合性溶液800gを、2.5cm×12cm×30cmの内法を有するガラス製の直方体状の型枠に入れた。その後、重合性溶液を型枠ごとに恒温槽に入れ、43.5℃で12時間加熱して重合させることにより、板状のアクリル系重合成形体を得た。
(発泡成形体の製造)
6cm×30cm×76cmの内法を有する発泡用の型枠に前記アクリル系重合成形体を入れ、発泡用の型枠ごとアクリル系重合成形体を170℃で50分加熱して発泡させることにより、板状の発泡成形体を得た。
[実施例2]
重合条件を40℃、14時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてアクリル系重合成形体を得た。
また、該アクリル系重合成形体を用い、発泡用の型枠を、6cm×26.5cm×67cmの内法を有するものに変更した以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
[実施例3]
重合条件を47℃、11時間に変更した変更した以外は、実施例1と同様にしてアクリル系重合成形体を得た。
また、該アクリル系重合成形体を用い、発泡用の型枠を、6cm×25cm×63cmの内法を有するものに変更した以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
[比較例1]
実施例1と同様にして重合性溶液を作製した。次いで、該重合性溶液800gを2.5cm×12cm×30cmの内法を有するガラス製の直方体状の型枠に入れた。その後、重合性溶液を型枠ごとに恒温槽に入れ、50℃で10時間加熱して重合させることで、固化させた。型枠を破砕して板状の固化物を取り出し、該固化物をさらに80℃で3時間加熱して重合反応を完結させ、板状のアクリル系重合成形体を得た。
また、前記アクリル系重合成形体を用いた以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
[比較例2]
比較例1と同様にして板状のアクリル系重合成形体を得た。
また、前記アクリル系重合成形体を用い、発泡用の型枠を、6cm×26.5cm×67cmの内法を有するものに変更した以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
[比較例3]
比較例1と同様にして板状のアクリル系重合成形体を得た。
また、前記アクリル系重合成形体を用い、発泡用の型枠を、6cm×25cm×63cmの内法を有するものに変更した以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
[比較例4]
重合条件を33℃、20時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてアクリル系重合成形体を得た。
また、該アクリル系重合成形体を用い、発泡用の型枠を、6cm×25cm×63cmの内法を有するものに変更した以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。しかし、得られた発泡成形体には多数の亀裂が入っており、発泡不良が生じていた。
[比較例5]
重合条件を33℃、20時間に変更した以外は、実施例1と同様にして重合反応を試みたが、重合性溶液が固化しなかった。
各例で得られたアクリル系重合体の見かけ密度、及び発泡成形体の曲げ強度の測定結果を表1に示す。また、各例で得られた発泡成形体における、見かけ密度(X)と曲げ強度(Y)との関係を示したグラフを図1に示す。
Figure 2014189742
表1に示すように、重合温度を35〜49℃に制御して得られた、硬度が35〜59ポイントの範囲内のアクリル系重合成形体を用いた実施例1〜3の発泡成形体は、硬度が59ポイントを超えるアクリル系重合成形体を用いた比較例1〜3の発泡成形体に比べて、曲げ強度が高かった。また、図1に示すように、実施例1〜3の発泡成形体は、Y≧0.022X−0.092を満たしており、特に強度が高かった。
硬度が35ポイント未満の比較例4では、発泡不良が生じ、充分な品質を有する発泡成形体が得られなかった。また、重合温度を30℃とした比較例5では、重合反応が充分に進行しなかった。

Claims (3)

  1. メタクリル酸メチルに由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有する重合体と、化学発泡剤とを含有し、かつJIS K 6253:1997に準じて測定される硬度が35〜59ポイントであるアクリル系重合成形体。
  2. 請求項1に記載のアクリル系重合成形体を加熱発泡させた発泡成形体。
  3. 請求項1に記載のアクリル系重合成形体の製造方法であって、
    メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸、化学発泡剤及び重合開始剤を含む重合性溶液を、35〜49℃で加熱して重合させることを特徴とする、アクリル系重合成形体の製造方法。
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