JP2014189459A - 多孔質酸化チタン積層体の製造方法 - Google Patents

多孔質酸化チタン積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、低温焼成でも空孔率が高く不純物が少ない多孔質酸化チタン層を製造することが可能な多孔質酸化チタン積層体の製造方法、及び、該多孔質酸化チタン積層体を用いた色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 酸化チタン微粒子と、固体有機化合物と、有機溶媒とを含有する酸化チタンペーストを基材上に印刷し、該基材上に酸化チタンペースト層を形成する工程と、前記酸化チタンペースト層を焼成する工程と、前記焼成後の酸化チタンペースト層に紫外線を照射する工程とを有する多孔質酸化チタン積層体の製造方法であって、前記焼成後の酸化チタンペースト層に紫外線を照射する工程において、紫外線照射の積算光量を100J/cm以上とする多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低温焼成でも空孔率が高く不純物が少ない多孔質酸化チタン層を製造することが可能な多孔質酸化チタン積層体の製造方法、及び、該多孔質酸化チタン積層体を用いた色素増感太陽電池に関する。
化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源としての太陽電池が、近年大変注目されてきており、研究開発が盛んに行なわれるようになってきている。
従来、実用化されてきたのは、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi等に代表されるシリコン系太陽電池であるが、高価であることや原料Siの不足問題等が表面化するにつれて、次世代太陽電池への要求が高まりつつある。
これに対応する太陽電池として有機系太陽電池が近年注目を浴びており、その中でも特に色素増感太陽電池が注目されている。色素増感太陽電池は、比較的容易に製造でき、原材料が安く、かつ高い光電変換効率を得られるため、次世代太陽電池の有力候補と考えられている。色素増感太陽電池においては、従来、電極材料として酸化チタンを層状に形成したものが用いられている。この酸化チタン層は、1)増感色素の吸着、2)励起した増感色素からの電子注入受け入れ、3)導電層への電子輸送、4)ヨウ化物イオンから色素への電子移動(還元)反応場の提供、並びに、5)光散乱及び光閉じこめ等の役割を持っており、太陽電池の性能を決めるもっとも重要な因子の一つである。
このうち、「1)増感色素の吸着」については、光電変換効率を向上させるため、より多くの増感色素を吸着させることが必要となる。従って、酸化チタン層は多孔質状であることが求められ、その表面積をできるだけ大きくし、不純物をなるべく少なくすることが求められる。通常、このような多孔質の酸化チタン層を形成する方法としては、酸化チタン粒子と有機バインダとを含有するペーストを基材上に印刷し、溶剤を揮発させた後、更に高温焼成処理にて有機バインダを消失させる方法が用いられている。これにより、酸化チタン粒子同士が焼結しつつ、多数の微細な空隙が層中に存在する多孔質膜を得ることが出来る。
このような酸化チタン粒子を含有するペーストに使用される有機バインダとしては、酸化チタン粒子の分散保持性やペーストの粘度等の印刷性の観点からエチルセルロースが一般的に使用されている。しかしながら、エチルセルロースを完全に消失させるためには、500℃を超えるような高温焼成処理が必要であり、近年更なるコストダウンのためにニーズが高まっている樹脂基材を用いることができないという問題があった。また、低温焼成処理を行った場合は、酸化チタン粒子表面に有機バインダの残渣が残ってしまうため増感色素を吸着することが出来ず、光電変換効率が著しく低下するという問題もあった。
これに対して、例えば、特許文献1には、有機バインダの含有量を低減させたペーストを用いて低温での焼成処理を行うことが開示されている。しかしながら、特許文献1に記載のペーストは粘度が低く、印刷時の形状保持が困難であり、膜厚の不均一化や端部形状の崩壊、また、微細配線状に印刷した際には配線同士の合着が起こるという問題があった。
更に、有機バインダとしてエチルセルロースを使用する場合、溶媒としては低級アルコールや、低級アルコールとテルピネオール等の高粘度溶媒との混合溶媒が用いられるが、ペースト印刷時には、長い間外気に曝されたり、版やスキージといった装置から強いせん断等の外力を受けたりするため、印刷前に分散媒が揮発して粘度が高くなることで印刷性が変化してしまうことがあり、安定した生産が難しいという問題も新たに生じていた。
一方、色素増感太陽電池では、光電変換効率の向上のため、可能な限り多くの増感色素を担持させることが好ましいが、従来の有機バインダを含有するペーストを用いた場合、充分な量の増感色素を担持できなかったり、増感色素の担持に長期間を要したりするという問題があった。
特許第4801899号公報
本発明は、低温焼成でも空孔率が高く不純物が少ない多孔質酸化チタン層を製造することが可能な多孔質酸化チタン積層体の製造方法、及び、該多孔質酸化チタン積層体を用いた色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、酸化チタン微粒子と、固体有機化合物と、有機溶媒とを含有する酸化チタンペーストを基材上に印刷し、該基材上に酸化チタンペースト層を形成する工程と、前記酸化チタンペースト層を焼成する工程と、前記焼成後の酸化チタンペースト層に紫外線を照射する工程とを有する多孔質酸化チタン積層体の製造方法であって、前記焼成後の酸化チタンペースト層に紫外線を照射する工程において、紫外線照射の積算光量を100J/cm以上とする多孔質酸化チタン積層体の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、酸化チタン微粒子と固体有機化合物と有機溶媒とを含有する酸化チタンペーストを用いた多孔質酸化チタン積層体の製造方法において、酸化チタンペースト層を焼成した後に紫外線を照射する工程を行うことで、低温焼成でも空孔率が高く不純物が少ない多孔質酸化チタン層を製造することが可能となることから、例えば、色素増感太陽電池の材料として用いた場合に、高い光電変換効率を実現できることを見出した。
また、このような多孔質酸化チタン積層体を用いて得られる色素増感太陽電池は、短時間で増感色素を充分に吸着させることが可能となることも見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の多孔質酸化チタン積層体の製造方法は、酸化チタンペーストを基材上に印刷し、該基材上に酸化チタンペースト層を形成する工程を有する。
上記酸化チタンペーストを基材上に印刷する方法としては特に限定されないが、スクリーン印刷法を用いることが好ましい。
また、基材が柔軟性を有する場合はロールトゥロール方式による連続印刷工程を用いることで量産性及び生産コストの観点で大きな利点となる。
上記スクリーン印刷法による工程におけるスクリーン版の目開きの大きさ、スキージアタック角、スキージ速度、スキージ押圧力等については、適宜設定することが好ましい。
上記酸化チタンペーストを基材上に印刷する工程において、上記基材としては、例えば、色素増感太陽電池用途に使用する場合は、透明導電層を形成した透明基板の該透明導電層上に塗工することによって行う。
上記透明基板としては、透明な基板であれば特に限定されないが、珪酸塩ガラス等のガラス基板等が挙げられる。また、上記ガラス基板は、化学的、熱的に強化させたものを用いてもよい。更に、光透過性を確保できれば、種々のプラスチック基板等を使用してもよい。
上記透明基板の厚さは、0.1〜10mmが好ましく、0.3〜5mmがより好ましい。
上記透明導電層としては、InやSnOの導電性金属酸化物からなる層や金属等の導電性材料からなる層が挙げられる。上記導電性金属酸化物としては、例えば、In:Sn(ITO)、SnO:Sb、SnO:F、ZnO:Al、ZnO:F、CdSnO等が挙げられる。
上記酸化チタンペーストは、酸化チタン微粒子を含有する。酸化チタンは、バンドギャップが広く、資源も比較的に豊富にあるという理由から、好適に使用することができる。
上記酸化チタン微粒子としては、例えば、通常ルチル型の酸化チタン微粒子、アナターゼ型の酸化チタン微粒子、ブルッカイト型の酸化チタン微粒子及びこれら結晶性酸化チタンを修飾した酸化チタン微粒子等を用いることができる。
上記酸化チタン微粒子の平均粒子径は、好ましい下限が1nm、好ましい上限が50nmであり、より好ましい下限は5nm、より好ましい上限は25nmである。上記範囲内とすることで、得られる多孔質酸化チタン層が充分な比表面積を有するものとなる。また、電子と正孔の再結合を防ぐことができる。また、粒子径分布の異なる2種類以上の微粒子を混合してもよい。
上記酸化チタン微粒子の添加量の好ましい下限は酸化チタンペーストに対して5重量%、好ましい上限は75重量%である。上記添加量が5重量%未満であると、十分な厚みの多孔質酸化チタン層を得ることができないことがあり、75重量%を超えると、ペーストの粘度が上昇して平滑に印刷できないことがある。より好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は50重量%である。更に好ましい下限は20重量%、更に好ましい上限は35重量%である。
上記酸化チタンペーストは、固体有機化合物を含有する。上記固体有機化合物は、酸化チタン微粒子との親和性が高く、酸化チタン微粒子との間で水素結合が形成されるため、高い増粘効果が得られる。これにより、少ない添加量でも、印刷性を確保することができるとともに、低温焼成でも有機残渣量が少ない酸化チタンペーストとすることができる。
上記固体有機化合物としては、水酸基を3つ以上有し、かつ、常温固体で沸点が300℃以下の化合物を用いることが好ましい。なお、上記固体有機化合物には、繰り返し単位を有する重合体は含まれない。
上記固体有機化合物は常温で固体であるが、後述する有機溶剤と組み合わせて用いることで、酸化チタンペースト中に溶解させることができ、バインダ樹脂と同様に用いることができる。また、上記固体有機化合物は、酸化チタンペーストを印刷した後、焼成工程において有機溶媒と同じように蒸発し、炭素残渣にはほとんど影響しない。上記固体有機化合物と、後述する有機溶剤とを組み合わせて用いることにより、バインダを添加しなくても酸化チタンペーストの粘度を向上させることができる。
上記固体有機化合物は、水酸基を3つ以上有することで、得られる酸化チタンペーストの貯蔵安定性を高めることができ、また、水酸基と有機溶剤との相互作用により、酸化チタンペーストの粘度を高めることができ、スクリーン印刷等に適した粘度とすることができる。
上記固体有機化合物は、沸点が300℃以下であることで、焼成工程において蒸発し、炭素残渣が残らなくなる。上記沸点が300℃を超えると、得られる酸化チタンペーストは、印刷後の焼成工程における揮発性が低下する。上記固体有機化合物は、沸点が280℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましい。
また、上記固体有機化合物の沸点の下限は特に限定されないが、沸点が100℃以上であることが好ましい。上記固体有機化合物の沸点が100℃未満であると、得られる酸化チタンペーストは、印刷中に乾燥しやすく、長時間の連続印刷に用いる場合には不具合が生じることがある。なお、上記沸点は、常圧における沸点を意味する。
上記固体有機化合物としては水酸基を3つ以上有し、かつ、常温固体で沸点が300℃未満であれば特に限定されないが、炭素数が5以上20未満の脂肪鎖からなるアルコール系有機化合物が好ましい。上記アルコール系有機化合物は特に限定されず、例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
中でも、炭素数に対する水酸基の割合の高い、トリメチロールプロパン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が好ましい。
上記酸化チタンペースト中の固体有機化合物の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は10重量%、好ましい上限は50重量%である。上記固体有機化合物の含有量が10重量%未満であると、得られる酸化チタンペーストは、充分な粘度が得られず、印刷性が悪くなることがある。上記固体有機化合物の含有量が50重量%を超えると、得られる酸化チタンペーストの粘度、粘着力が高くなりすぎて印刷性が悪くなることがある。より好ましい下限は12.5重量%、より好ましい上限は37.5重量%である。
上記酸化チタンペーストは、低温焼成でも不純物が残らない程度の範囲内において他の少量のバインダ樹脂を添加してもよい。上記バインダ樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリ乳酸等が挙げられる。
上記酸化チタンペーストは、有機溶媒を含有する。上記有機溶媒としては、極性が高いものが好ましく、例えば、α−テレピネオール、γ−テレピネオール等のテルペン系溶剤、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、上記アルコール系溶媒/炭化水素等の混合溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン等のへテロ化合物等が挙げられる。なかでも、テルペン系溶剤が好ましい。
上記有機溶媒は、沸点が100〜300℃であることが好ましい。上記有機溶媒の沸点が100℃未満であると、得られる酸化チタンペーストは、印刷中に乾燥しやすく、長時間の連続印刷に用いる場合には不具合が生じることがある。上記沸点が300℃を超えると、得られる酸化チタンペーストは、印刷後の乾燥工程における乾燥性が低下する。なお、上記沸点は、常圧における沸点を意味する。
上記有機溶媒の含有量の好ましい下限は35重量%、好ましい上限は70重量%である。上記有機溶媒の含有量が35重量%未満であると、得られる酸化チタンペーストは、粘度が高くなり、印刷性が悪くなることがある。上記有機溶媒の含有量が70重量%を超えると、得られる酸化チタンペーストの粘度が低くなりすぎて印刷性が悪くなることがある。
上記酸化チタンペーストは、粘度の好ましい下限が15Pa・s、好ましい上限が50Pa・sである。上記粘度が15Pa・s未満であると、印刷時の形状保持が困難となることがある。上記粘度が50Pa・sを超えると、得られる酸化チタンペーストが塗工性に劣るものとなることがある。上記粘度のより好ましい下限は17.5Pa・s、より好ましい上限は45Pa・sである。
なお、上記粘度は、E型粘度計を用いて25℃、10rpmせん断時における動粘度を測定したものである。
上記酸化チタンペーストは、チキソ比の好ましい下限が2である。上記チキソ比が2未満であると、印刷後の形状保持が難しく、膜厚の不均一化や端部形状の崩壊、また、微細配線状に印刷した際には配線同士の合着が起こることがある。上記チキソ比のより好ましい下限は2.25、より好ましい上限は5である。なお、上記チキソ比は、E型粘度計を用いて25℃、0.5rpmせん断時の動粘度を5rpmせん断時の動粘度で割ることによって求めることができる。
上記酸化チタンペーストは、大気雰囲気下において25℃から300℃まで10℃/分の昇温速度で加熱した後の固体有機化合物及び有機溶媒の含有量が1重量%以下であることが好ましい。
上記酸化チタンペーストは、加熱後の表面不純物が少ないことから、微粒子間の結合(ネッキング)が起こりやすく、その結果、粒子間抵抗を低減することが可能となることから、色素増感太陽電池の材料として用いた場合に、高い光電変換効率を実現することができる。
上記含有量が1重量%を超えると、酸化チタン微粒子表面に不純物が残ってしまうため増感色素を吸着することが出来ない。なお、上記含有量は、酸化チタン微粒子に対する含有量である。
上記酸化チタンペーストは、印刷性に優れるだけでなく、低温焼成でも空孔率が高く不純物が少ない多孔質酸化チタン層を好適に製造することが可能となる。
更に、上記酸化チタンペーストは、色素増感太陽電池の材料として用いた場合、短時間で増感色素を充分に吸着させることが可能となり、得られる色素増感太陽電池は、高い光電変換効率を実現することができる。
上記酸化チタンペーストを製造する方法としては、酸化チタン微粒子と、固体有機化合物と、有機溶媒とを混合する混合工程を有する方法を用いることができる。上記混合の手段としては、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ビーズミル、ボールミル、ディスパー、プラネタリーミキサー、自転公転式攪拌装置、ニーダー、押し出し機、ミックスローター、スターラー等を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の多孔質酸化チタン積層体の製造方法は、上記酸化チタン微粒子を焼結する工程を有する。
上記酸化チタン微粒子の焼結は、塗工する基板の種類等により、温度、時間、雰囲気等を適宜調整することができる。例えば、大気下又は不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の範囲内で、10秒〜12時間程度行うことが好ましい。また、乾燥及び焼成は、単一の温度で1回又は温度を変化させて2回以上行ってもよい。
本発明の多孔質酸化チタン積層体の製造方法は、上記焼成後の酸化チタンペースト層に紫外線を照射する工程を有する。このような工程を行うことで、酸化チタンの触媒活性効果により、酸化チタンペースト層中の微量の有機残渣を酸化分解することができる。その結果、例えば、色素増感太陽電池等に使用する場合に、更なる性能の向上に寄与することができる。また、このような紫外線照射工程の効果は、固体有機化合物を用いた場合に特に顕著に発現される。
上記紫外線を照射する工程において、紫外線照射の積算光量は100J/cm以上である。上記積算光量が100J/cm未満であると、有機残渣の除去を充分に行うことができない。上記積算光量の好ましい下限は150J/cmであり、好ましい上限は10000J/cmである。
なお、積算光量は照射強度(mW/cm)×照射時間(秒)にて簡易的に算出することが出来る。
また、上記紫外線を照射する工程において、紫外線の照射強度は0.5〜1000mW/cmであることが好ましい。
更に、紫外線の照射時間は1秒〜300分間であることが好ましく、より好ましくは1秒〜60分間照射である。照射強度が小さすぎたり、照射時間が短すぎたりすると、有機残渣の除去が部分的にしか進行しないため充分な効果を得ることが出来ず照射強度が大きすぎたり、照射時間が長すぎたりすると、透明基板の紫外線劣化や熱的劣化を及ぼすことがある。
上記紫外線を照射する方法としては特に限定されず、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀−キセノンランプ等を用いる方法が挙げられる。
本発明の多孔質酸化チタン積層体の製造方法では、上述した工程を行うことで、上記基材上に多孔質酸化チタン層が形成された多孔質酸化チタン積層体が得られる。
このようにして得られた多孔質酸化チタン積層体に増感色素を吸着させる工程を行い、対向電極と対向させて設置し、これらの電極の間に電解質層を形成することで、色素増感太陽電池セルを製造することができる。このようにして得られた色素増感太陽電池は、高い光電変換効率を達成することができる。上記増感色素を吸着する方法としては、例えば、増感色素を含むアルコール溶液に、上記多孔質酸化チタン積層体を浸漬した後、アルコールを乾燥除去する方法等が挙げられる。
上記増感色素としては、ルテニウム−トリス、ルテニウム−ビス型のルテニウム色素、フタロシアニンやポルフィリン、シアニジン色素、メロシアニン色素、ローダミン色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン色素等の有機色素が挙げられる。
本発明によれば、低温焼成でも空孔率が高く不純物が少ない多孔質酸化チタン層を製造することが可能な多孔質酸化チタン積層体の製造方法、及び、該多孔質酸化チタン積層体を用いた色素増感太陽電池を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(酸化チタンペーストの作製)
平均粒子径が20nmの酸化チタン微粒子、固体有機化合物としてトリメチロールプロパン(沸点160℃)、有機溶媒としてα−テルピネオール(沸点219℃)を用い、表1の組成となるようにビーズミルを用いて均一に混合することにより酸化チタンペーストを作製した。
(多孔質酸化チタン層の形成)
得られた酸化チタンペーストを、25mm角のFTO透明電極形成済みガラス基板上に、5mm角の正方形状に印刷し、300℃で1時間焼成した。
その後、更に高圧水銀ランプ(セン特殊光源社製、HLR100T−2)を用いて、紫外線を照射強度100mW/cmで30分間照射することにより多孔質酸化チタン層を得た。なお、得られた多孔質酸化チタン層の厚みが10μmとなるよう、印刷条件の微調整を行った。
(色素増感太陽電池の作製)
得られた多孔質酸化チタン層付き基板を、Ru錯体色素(N719)のアセトニトリル:t−ブタノール=1:1溶液(濃度0.3mM)中に1日浸漬することにより、多孔質酸化チタン層表面に増感色素を吸着させた。
次に、この基板上に、一方向を除いて多孔質酸化チタン層を取り囲むように厚さ30μmのハイミラン製フィルムを載せ、更にその上から白金電極を蒸着したガラス基板を乗せ、その隙間にヨウ化リチウム及びヨウ素のアセトニトリル溶液を注入、封止することで色素増感太陽電池を得た。
(実施例2〜4)
実施例1において、表1に示すように、焼成温度、紫外線照射時間を変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質酸化チタン層、色素増感太陽電池を得た。
(比較例1〜3)
実施例1において、固体有機化合物としてのトリメチロールプロパンに代えて、エチルセルロース(和光純薬工業社製、45%エトキシ、10cP)を用い、表1に示すように焼成温度、紫外線照射時間を変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質酸化チタン層、色素増感太陽電池を得た。
(比較例4〜8)
実施例1において、表1に示すように、固体有機化合物、焼成温度、紫外線照射時間を変更した以外は、実施例1と同様にして、多孔質酸化チタン層、色素増感太陽電池を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた多孔質酸化チタン層、色素増感太陽電池について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)多孔質酸化チタン層の有機残渣変化量測定
得られた多孔質酸化チタン層について、X線光電子分法装置(アルバックファイ社製、PHI5000)を用いて、表面から100nmをスパッタリングし表面汚染層を除去した後、薄膜表面の炭素ピークを測定した。得られた測定値と紫外線照射前の測定値とを比較することにより、膜中に残留する有機残渣量の相対評価を行った。
紫外線照射前の炭素ピークのピーク強度に対して、ピーク強度が100%以下で50%を超える場合を「×」、50%以下で25%を超える場合を「△」、25%以下で10%を超える場合を「○」、10%以下である場合を「◎」とした。
(2)多孔質酸化チタン層の色素吸着量測定
(色素増感太陽電池の作製)において、得られた増感色素を吸着させた多孔質酸化チタン層を、水酸化カリウム溶液中に浸漬することで増感色素を脱着させ、その脱着液の吸光スペクトルを分光光度計(U−3000、日立製作所社製)を用いて測定することで、色素吸着量を測定した。なお、酸化チタンペースト及び焼成温度が同じである場合における[(紫外線を照射した場合の色素吸着量/紫外線を照射しなかった場合の色素吸着量)×100]を相対変化率として算出した。
(3)色素増感太陽電池の性能評価
得られた色素増感太陽電池の電極間に、電源(236モデル、KEYTHLEY社製)を接続し、100mW/cmの強度のソーラーシミュレータ(山下電装社製)を用いて、色素増感太陽電池の光電変換効率を測定した。酸化チタンペースト及び焼成温度が同じである場合における[(紫外線を照射した場合の光電変換効率/紫外線を照射しなかった場合の光電変換効率)×100]を相対変化率として算出した。
Figure 2014189459
本発明によれば、低温焼成でも空孔率が高く不純物が少ない多孔質酸化チタン層を製造することが可能な多孔質酸化チタン積層体の製造方法、及び、該多孔質酸化チタン積層体を用いた色素増感太陽電池を提供できる。

Claims (4)

  1. 酸化チタン微粒子と、固体有機化合物と、有機溶媒とを含有する酸化チタンペーストを基材上に印刷し、該基材上に酸化チタンペースト層を形成する工程と、前記酸化チタンペースト層を焼成する工程と、前記焼成後の酸化チタンペースト層に紫外線を照射する工程とを有する多孔質酸化チタン積層体の製造方法であって、前記焼成後の酸化チタンペースト層に紫外線を照射する工程において、紫外線照射の積算光量を100J/cm以上とすることを特徴とする多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
  2. 固体有機化合物は、水酸基を3つ以上有し、かつ、常温固体で沸点が300℃以下の化合物であることを特徴とする請求項1記載の多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
  3. 有機溶媒は、沸点が100〜300℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の多孔質酸化チタン積層体の製造方法。
  4. 請求項1、2又は3記載の多孔質酸化チタン積層体の製造方法を用いて製造された多孔質酸化チタン積層体を用いてなることを特徴とする色素増感太陽電池。
JP2013067445A 2013-03-27 2013-03-27 多孔質酸化チタン積層体の製造方法 Pending JP2014189459A (ja)

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