JP2013093162A - 多孔質半導体膜形成用塗料および光電気セル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属酸化物粒子と、アシル基、アロイル基、アシルオキシ基、アロイルオキシ基、カルボキシレート基(カルボキシル基ないしそのエステル)から選ばれる少なくとも1種を含む有機化合物と、分散媒とからなり、金属酸化物粒子の濃度(CMOP)が固形分として1〜30重量%の範囲にあり、有機化合物の濃度(COC)が0.05〜5重量%の範囲にあり、前記有機化合物の濃度(COC)と金属酸化物粒子の濃度(CMOP)との濃度比(COC)/(CMOP)が0.001〜0.5の範囲にあることを特徴とする多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
【選択図】なし
Description
このうち、光電変換材料は光エネルギーを電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であり、電極間の電気化学反応を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する材料である。このような光電変換材料に光を照射すると、一方の電極側で電子が発生し、対電極に移動し、対電極に移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方の電極に戻る。このエネルギー変換は連続であるため、たとえば、太陽電池などに利用されている。
アシル基、アロイル基、アシルオキシ基、アロイルオキシ基、カルボキシレート基(カルボキシル基ないしそのエステル)から選ばれる少なくとも1種を含む有機化合物と、
分散媒とからなり、
金属酸化物粒子の濃度(CMOP)が固形分として1〜30重量%の範囲にあり、有機化合物の濃度(COC)が0.05〜5重量%の範囲にあり、
前記有機化合物の濃度(COC)と金属酸化物粒子の濃度(CMOP)との濃度比(COC)/(CMOP)が0.001〜0.5の範囲にあることを特徴とする多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
[2]前記金属酸化物粒子の平均粒子径が5〜3000nmの範囲にある[1]の光電気セルの多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
[3]前記金属酸化物粒子が酸化チタン粒子である[1]または[2]の光電気セルの多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
[4]有機化合物が、アセチルアセトン、3-メチル2,4ペンタジオン、3-プロピル-2,4-ベンタジオン、安息香酸、フタル酸、3-フェニル-2,4ペンタジオン、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、ダイアセトンアルコール、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオールから選ばれる少なくとも一種である[1]〜[3]の光電気セルの多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、アシル基、アロイル基、アシルオキシ基、アロイルオキシ基、カルボキシレート基(カルボキシル基ないしそのエステル)からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機基が固定された金属酸化物粒子を含む光電気セル。
[6]前記有機基含有多孔質金属酸化物半導体膜中の前記有機基の含有量が炭素換算で50〜2000重量ppmの範囲にある[5]の光電気セル。
[7]前記多孔質金属酸化物半導体膜が、前記[1]〜[4]の光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を用いて形成された[5]または[6]の光電気セル。
本発明に係る光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料は、金属酸化物粒子と有機化合物とを含む。
本発明に用いる金属酸化物粒子としては、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫等のバンドギャップの高い従来公知の酸化物粒子を用いることができる。
本発明では、これらの粒子の平均粒子径は、粒子の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、任意の粒子100個について粒子径を測定し、その平均値として求める。
本発明に用いる有機化合物は後述する有機分散媒と異なる有機化合物であって、アシル基、アロイル基、アシルオキシ基、アロイルオキシ基、カルボキシレート基(カルボキシル基ないしそのエステル)から選ばれる少なくとも1種の有機基を前記金属酸化物粒子に導入できるものであればよい。このような有機基を導入された金属酸化物からなる半導体膜は、稼働開始当初からほぼ所定の高い光電変換効率が得ら付与するができる。
アロイル基はArCO−(Arは芳香族炭化水素基)で表されるが、C6H5CO−等が挙げられる。)
上記アシル基(RCO−)、アロイル基(ArCO−)がさらに酸素原子を含むRCOO−(アシルオキシ基)、ArCOO−(アロイルオキシ基)で表される有機基、Oの位置が異なるカルボキシレート基(カルボキシル基ないしそのエステル)が挙げられる。
このような有機化合物としては、前記アシル基、アロイル基、カルボキシレート基などを有する有機化合物が挙げられる。
分散媒としては、前記有機化合物を除く従来公知の水、アルコール類、グリコール類、エーテル類、テレピン類からなる群選ばれる1種または2種以上が用いられる。
本発明の塗料には増粘剤が含まれていてもよく、増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ケトン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。このような増粘剤が多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料中に含まれていると、塗料の粘度が高くなり、これにより均一に塗布することができ、前記した細孔容積および細孔径を有する多孔質金属酸化物半導体膜を得ることができる。
つぎに、本発明に係る光電気セルについて具体的に説明する。
本発明に係る光電気セルは、表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなる。
図1は、本発明によって得られる光電気セルの1例を示す概略断面図であり、表面に電極層(1)を有し、必要に応じて該電極層(1)上に酸化チタン薄膜(1)を有し、電極層(1)上、あるいは酸化チタン薄膜(1)上に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質が封入されている。
なお、本発明によって得られる光電気セルは図示した光電気セルに限定されるものではなく、半導体膜を2層以上有し、この間に別の電極層および電解質層を設けた光電気セルであってもよい。
一方の基板としてはガラス基板、PET等の有機ポリマー基板等の透明でかつ絶縁性を有する基板を用いることができる。
また、基板は少なくとも一方が透明であればよい。また双方の基板が透明であってもよい。通常、光の入射側に透明な基板を用いる。
基板表面に形成された電極層としては、特に制限されるものでなく、白金、ロジウム、ルテニウム金属、ルテニウム酸化物等の電極材料、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、Snおよび/またはFがドーピングされた酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛などの導電性酸化材料からなる電極や、前記導電性材料表面をメッキあるいは蒸着した電極、カーボン電極など従来公知の電極を用いることができる。
電極層自体の抵抗値は、各々100Ω/cm2以下であることが好ましい。電極層の抵抗値が100Ω/cm2を超えて高くなると光電変換効率が低くなることがある。
本発明において、必要に応じて電極層(1)ないし(2)上に酸化チタン薄膜を形成していていもよい。酸化チタン薄膜はペルオキシチタン酸水溶液あるいはチタン塩水溶液等を塗布、乾燥するなど従来公知の方法で形成することができ、緻密な膜である。
酸化チタン薄膜が形成されていると暗電流の抑制、電子の再結合の抑制をすることができ光電変換効率を向上させることができる。
乾燥処理のみでも硬化するが、さらに必要に応じて紫外線を照射し、ついで加熱処理によってアニーリングすることもできる。
前記電極層上に多孔質金属酸化物半導体膜が形成されている。この多孔質金属酸化物半導体膜の膜厚は0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。
かかる半導体膜の製造方法は、本願出願人の出願による特開平11−339867号公報に開示した金属酸化物半導体膜の製造方法は好適に準用することができる。
具体的には、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を電極層上や酸化チタン薄膜上に塗布したのち乾燥、加熱して硬化する。必要に応じてアニーリングしてもよい。
乾燥は分散媒を除去できる温度であればよく、従来公知の方法を採用することができ、風乾することも可能であるが、通常50〜200℃で0.2〜5時間程度乾燥する。加熱処理は有機基の種類によっても異なるが、通常、200〜600℃、さらには400〜550℃で概ね0.5〜48時間処理する。
有機基含有多孔質金属酸化物半導体膜中の有機基の含有量が炭素換算で50〜2000重量ppm、さらには100〜1000重量ppmの範囲にあることが好ましい。
また、本発明では、前記平均粒子径範囲にあり、比較的大きな粒子径を有する金属酸化物粒子と比較的小さな粒子径を有する金属酸化物粒子とを混合して使用することができる。この場合、多孔質金属酸化物半導体膜中の粒子密度が向上し、光電変換効率が向上する効果が得られる場合がある。
金属酸化物微粒子の被覆量は複合粒子中に10〜60重量%、さらには20〜50重量%の範囲にあることが好ましい。被覆量が少ないと光増感材の吸着量が不充分となり、光電変換効率が不充分となることがある。金属酸化物微粒子の被覆量が多すぎると微粒子層が厚くなり、従来の金属酸化物微粒子のみからなる半導体膜と同様に電子の移動に時間を要し、電子の再結合がおこりやすく、光電変換効率が不十分となることがある。
通常多孔質金属酸化物半導体膜中にはバインダー成分が含まれていてもよい。たとえば前記したペルオキソチタン成分に由来する酸化チタンバインダーが例示される。
光増感材としては、可視光領域、紫外光領域、赤外光領域の光を吸収して励起するものであれば特に制限はなく、たとえば有機色素、金属錯体などを用いることができる。
光増感材溶液の光増感材の濃度は多孔質金属酸化物半導体膜の比表面積1cm2あたり100μg以上、さらには200μg以上となる濃度が好ましい。
電解質としては、電気化学的に活性な塩とともに酸化還元系を形成する少なくとも1種の化合物との混合物が使用される。
電解質層には、従来公知の溶媒を用いることができる。具体的には水、アルコール類、オリゴエーテル類、プロピオンカーボネート等のカーボネート類、燐酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、スルホラン66の硫黄化合物、炭酸エチレン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに実施例により限定されるものではない。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(1)の調製
四塩化チタン溶液(TiO2濃度:27.8重量%)183.5gを純水でTiO2濃度が5重量%となるまで希釈し、pHが9.3となるように濃度15重量%のアンモニア水を加え、よく混合し、酸化チタン水和物ヒドロゲルスラリー(1)を得た。その酸化チタン水和物ヒドロゲルスラリー(1)をろ過洗浄した後、回収したケーキに純水を加えTiO2濃度5重量%に調整し、これにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の濃度が0.1重量%となるように、濃度25重量%のTMAH水溶液を加え、オートクレーブにて165℃にて15時間熟成し、ついで、常温に冷却した後、硝酸水溶液を用いてpHが1.0となるように調整し、限外濾過膜にてTiO2濃度が20重量%となるように濃縮を行い、酸化チタン微粒子(1)分散液を調製した。
ついで、酸化チタン微粒子(1)分散液100gにダイアセトンアルコール10gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収して酸化チタン微粒子エタノール分散液(1)を得た。
フッ素ドープSnO2導電性ガラス(日本板硝子株式会社製:板厚4.0mm)をTiO2濃度が40mMの四塩化チタン水溶液に浸漬させ、70℃にて30分保持した後、純水洗浄およびエタノール洗浄を行い、乾燥させて酸化チタン薄膜を形成した後、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(1)をスクリーン印刷法により、14μmの膜厚となるように、印刷-120℃での乾燥-冷却を繰返した後、450℃にて1時間焼成して多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(1)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表1に示す。なお、四塩化チタン水溶液を用いて形成した酸化チタン薄膜については、薄膜の形成は認められたが、極めて薄いことから膜厚、細孔容積および平均細孔径は測定しなかった。
なお、1330〜1360cm-1はCH3基、1540〜1580-1はCOまたはCOO基の存在を示す。
光増感材としてDYESOL社製DNH2(Z907)色素(下記)を濃度0.3mmol/lとなるようにアセトニトリルおよびtert−ブタノール(体積比1:1)の溶液に溶解し光増感材溶液を調製した。この溶液に酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(1)を形成したガラスを5時間漬込み、取り出した後アセトニトリルで洗浄し、色素を吸着させた。
先ず、溶媒として3-メトキシプロピオニトリル中に1-メチルー3-プロピルイミダゾリウムヨーダイド 0.6mol/l、N−メチルベンゾイミダゾール 0.5mol/l、ヨウ素 0.1mol/lとなるように溶解して電解質を調製した。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(2)の調製
実施例1と同様にして調製したTiO2濃度が20重量%の酸化チタン微粒子(1)分散液100gにダイアセトンアルコール5gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収して酸化チタン微粒子エタノール分散液(2)を得た。
このとき、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(2)中の金属酸化物粒子濃度(CMOP)、有機化合物の濃度(COC)、および(COC)/(CMOP)を表1に示す。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(2)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(2)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(2)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(2)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(2)を作成した。
光電気セル(2)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(3)の調製
実施例1と同様にして調製したTiO2濃度が20重量%の酸化チタン微粒子(1)分散液100gにダイアセトンアルコール30gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収して酸化チタン微粒子エタノール分散液(3)を得た。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(3)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(3)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(3)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(3)を作成した。
光電気セル(3)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(4)の調製
実施例1と同様にして調製したTiO2濃度が20重量%の酸化チタン微粒子(1)分散液100gにアセチルアセトン10gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収して酸化チタン微粒子エタノール分散液(4)を得た。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(4)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(4)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(4)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(4)を作成した。
光電気セル(4)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(5)の調製
実施例1と同様にして調製したTiO2濃度が20重量%の酸化チタン微粒子(1)分散液100gにアセチルアセトン5gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収し酸化チタン微粒子エタノール分散液(5)を得た。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(5)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(5)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(5)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(5)を作成した。
光電気セル(5)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(6)の調製
実施例1と同様にして調製したTiO2濃度が20重量%の酸化チタン微粒子(1)分散液100gにアセチルアセトン30gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収し酸化チタン微粒子エタノール分散液(6)を得た。
このとき、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(6)中の金属酸化物粒子濃度(CMOP)、有機化合物の濃度(COC)、および(COC)/(CMOP)を表1に示す。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(6)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(6)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(6)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(6)を作成した。
光電気セル(6)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(7)の調製
実施例1と同様にしてTiO2濃度5重量%の洗浄スラリーを調製し、これにTMAHの濃度が0.01重量%となるように、濃度25重量%のTMAH水溶液を加え、オートクレーブにて150℃にて15時間熟成した以外は同様にして酸化チタン微粒子(2)分散液を調製した。
ついで、酸化チタン微粒子(2)分散液100gにダイアセトンアルコール10gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(2)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収し酸化チタン微粒子エタノール分散液(7)を得た。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(7)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(7)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(7)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(7)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(7)を作成した。
光電気セル(7)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(8)の調製
実施例1と同様にしてTiO2濃度5重量%の洗浄スラリーを調製し、これにTMAHの濃度が0.1重量%となるように、濃度25重量%のTMAH水溶液を加え、オートクレーブにて165℃にて20時間熟成した以外は同様にして酸化チタン微粒子(3)分散液を調製した。
ついで、酸化チタン微粒子(3)分散液100gにダイアセトンアルコール10gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(3)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収し酸化チタン微粒子エタノール分散液(8)を得た。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(8)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(8)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(8)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(8)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(8)を作成した。
光電気セル(8)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(9)の調製
実施例1と同様にして調製したTiO2濃度が20重量%の酸化チタン微粒子(1)分散液100gにマロン酸ジエチル12gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収し酸化チタン微粒子エタノール分散液(9)を得た。加熱によって表の基になるものと思料される。
このとき、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(9)中の金属酸化物粒子濃度(CMOP)、有機化合物の濃度(COC)、および(COC)/(CMOP)を表1に示す。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(9)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(9)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(9)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(9)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(9)を作成した。
光電気セル(9)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(10)の調製
実施例1と同様にして調製したTiO2濃度が20重量%の酸化チタン微粒子(1)分散液100gに2,4−ペンタンジオール10gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収し酸化チタン微粒子エタノール分散液(10)を得た。加熱によって表の基になるものと思料される。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(10)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(10)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(10)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(10)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(10)を作成した。
光電気セル(10)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R1)の調製
実施例1と同様にして調製した酸化チタン微粒子(1)分散液100gにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収し酸化チタン微粒子エタノール分散液(R1)を得た。
このとき、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R1)中の金属酸化物粒子濃度(CMOP)、有機化合物の濃度(COC)、および(COC)/(CMOP)を表1に示す。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R1)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(R1)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(R1)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(R1)を作成した。
光電気セル(R1)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R2)の調製
実施例1と同様にして調製した酸化チタン微粒子(1)分散液100gにダイアセトンアルコール50gを添加し、充分攪拌―混合を行い、さらにエタノール250gを加えて攪拌した後、遠心分離機にて分離し、沈降した酸化チタン微粒子(1)にエタノールを加えて固形分濃度12重量%となるように回収し酸化チタン微粒子エタノール分散液(R2)を得た。
このとき、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R2)中の金属酸化物粒子濃度(CMOP)、有機化合物の濃度(COC)、および(COC)/(CMOP)を表1に示す。
実施例1において、多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料(R2)を用いた以外は同様にして多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を形成した。多孔質金属酸化物半導体膜(R2)の細孔容積および平均細孔径を測定し、結果を表に示す。
また、有機基を同定するとともに、炭素換算の有機基量を測定し、結果を表1に示す。
実施例1において、酸化チタン薄膜および多孔質金属酸化物半導体膜(R2)を形成した透明ガラス基板を用いた以外は同様にして色素を吸着させた。
実施例1と同様にして、前記で調製した電極を一方の電極とし、他方の電極としてフッ素ドープした酸化スズを電極として形成し、その上に白金を担持した透明ガラス基板を対向して配置し、側面を樹脂にてシールし、電極間に上記の電解質溶液を封入し、さらに電極間をリード線で接続して光電気セル(R2)を作成した。
光電気セル(R2)について、実施例1と同様にVoc、Joc、FFおよびηを測定し結果を表1に示す。
2・・・・・半導体膜(1)
3・・・・・電極層(2)
4・・・・・電解質層(2)
5・・・・・基板(1)
6・・・・・基板(2)
Claims (7)
- 金属酸化物粒子と、
アシル基、アロイル基、アシルオキシ基、アロイルオキシ基、カルボキシレート基(カルボキシル基ないしそのエステル)から選ばれる少なくとも1種を含む有機化合物と、
分散媒とからなり、
金属酸化物粒子の濃度(CMOP)が固形分として1〜30重量%の範囲にあり、有機化合物の濃度(COC)が0.05〜5重量%の範囲にあり、
前記有機化合物の濃度(COC)と金属酸化物粒子の濃度(CMOP)との濃度比(COC)/(CMOP)が0.001〜0.5の範囲にあることを特徴とする多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。 - 前記金属酸化物粒子の平均粒子径が5〜3000nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の光電気セルの多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
- 前記金属酸化物粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電気セルの多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
- 有機化合物が、アセチルアセトン、3-メチル2,4ペンタジオン、3-プロピル-2,4-ベンタジオン、安息香酸、フタル酸、3-フェニル-2,4ペンタジオン、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、ダイアセトンアルコール、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光電気セルの多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料。
- 表面に電極層(1)を有し、かつ該電極層(1)表面に光増感材を吸着した多孔質金属酸化物半導体膜(1)が形成されてなる基板(1)と、表面に電極層(2)を有する基板(2)とが、
前記電極層(1)および電極層(2)が対向するように配置してなり、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)と電極層(2)との間に電解質層を設けてなる光電気セルにおいて、
多孔質金属酸化物半導体膜(1)が、アシル基、アロイル基、アシルオキシ基、アロイルオキシ基、カルボキシレート基(カルボキシル基ないしそのエステル)からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機基が固定された金属酸化物粒子を含むことを特徴とする光電気セル。 - 前記有機基含有多孔質金属酸化物半導体膜中の前記有機基の含有量が炭素換算で50〜2000重量ppmの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の光電気セル。
- 前記多孔質金属酸化物半導体膜が、請求項1〜4のいずれかに記載の光電気セル用多孔質金属酸化物半導体膜形成用塗料を用いて形成されたことを特徴とする請求項5または6に記載の光電気セル。
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JP2015159182A (ja) * | 2014-02-24 | 2015-09-03 | 株式会社ダイセル | 光電変換層用組成物及び光電変換素子 |
JP2015201510A (ja) * | 2014-04-07 | 2015-11-12 | 積水化学工業株式会社 | 酸化物ナノ粒子分散液及び薄膜太陽電池の製造方法 |
-
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