JP2014189313A - 低温タンクの制震プレート装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 平底円筒二重殻低温タンクの内槽の供用時のガス圧や熱収縮、および地震による水平方向荷重に対応して簡便で効率良く横滑りを防止し、かつタンク本体以外の部分で地震等のエネルギーを吸収してタンク本体の損傷を防止するための低温タンクの制震プレート装置を提供する。
【解決手段】 一方端縁を内槽底板7外周上端面に溶着固定し、他方端縁を基盤4より立設したアンカーボルト13上端へ水平に架設してなる連結板15を設けて形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、低温液体を貯蔵する内槽とその内槽を囲繞する外槽とから成る平底円筒二重殻の低温タンクにおいて、貯蔵液変動や地震荷重等に対する内槽の水平移動を抑制し、かつタンク本体以外の部分で地震等のエネルギーを吸収してタンク本体を損傷させないように、内槽底板外周上端面から基盤より立設したアンカーボルト上端へ架設した低温タンクの制震プレート装置に関するものである。
図15の事例に示すように、平底円筒二重殻の低温タンク1は、外槽側板2と外槽底板3と外槽屋根5とからなる外槽1aが基盤4上に固定され、この外槽1aの内部に保冷空間9を設けて内槽底部保冷8上に内槽側板6と内槽底板7と内槽屋根板10とからなる内槽1bが設置されている。
この低温タンク1の内槽1bには、通常供用時の低温液体のガス圧Pや熱収縮力、および地震荷重によって内槽1bの側板6が浮き上がるアップリフト力UP、および底板7が横滑りや水平移動をする水平力HPが発生する。このアップリフト力UPに対応するように、従来一般には、内槽側板6の下部にアンカーストラップ11が設けられており、このアンカーストラップ11は基盤4に対して傾斜させて確りと設置されている。
特許文献1の特開昭55−112500号公報「円筒貯槽の滑動防止装置」の発明には、基礎5上に載置する円筒貯槽1の外周縁部下端位置に、多数の滑動防止ロッド6の一端をアニュラープレート4aのジョイント部7に連結し、且つ該各滑動防止ロッド6を、円筒貯槽1外周の接線と平行に近い小さな角度で且つ交互に向きを変えた姿勢にセットし、各滑動防止ロッド6の他端を上記基礎5の支持ボルト8に止めてなる構成が開示されている。
特許文献2の実開昭63−147498号公報「平底円筒貯槽のスベリ止め装置」の発明は、地震時に貯槽の軸心に平行する上下方向には動きを拘束しないように貯槽の側板3の下縁近傍に固定したブラケット5,9,11と基礎1に設けたアンカーバー7,12との間に係合したスベリ止め装置の構成が開示されている。
特許文献3の特開平09−137627号公報「二重殻平底円筒タンクの滑動防止装置」の発明には、地震時の内槽の横滑りを防止することができるように、複数対の細長い引張部材12,13を備え、各対の引張部材は両方の一端12a,13aが外槽下部の内面に近接して回動可能に取り付けられ、他端12b,13bがそれぞれ内槽下部の外面に回動可能に取り付けられた構成が開示されている。
特許文献4の特開平11−49283号公報「貯槽の滑動防止装置」の発明には、地震や強風時に、貯槽の垂直方向の動きを拘束することなく水平方向の動きを拘束するように、貯槽1の底板2を貯槽基礎4の埋設アンカー6に直接又は間接に連結した連結具8を有する滑動防止装置の構成が開示されている。
特許文献5の特開2010−32034号公報「貯蔵タンクのアンカー」の発明には、外槽またはセカンダリーバリアに作用する内槽の周方向のせん断応力を低コストに低減するために、内槽2には径方向外側に張り出した張出部2eが形成され、アンカー本体11には張出部2eの上面2tに重なる押さえ部12を備えた構成が開示されている。
特開昭55−112500号公報 実開昭63−147498号公報 特開平09−137627号公報 特開平11−49283号公報 特開2010−32034号公報
図15の従来例に示すように、傾斜させて基盤4へ確りと頑強に設置した従来一般のアンカーストラップ11は、供用時の低温液体のガス圧Pや熱収縮力、地震荷重によるアップリフト力UPによって浮き上がりが生じないように設けられている。
しかしながら、図15のCの部分を拡大して示す図16のように、このアンカーストラップ11は、アンカーストラップ本体がアンカーボックスの上端から外側上方斜めに長く出ているため、水平方向の揺動や滑動による水平力HPには対応が十分ではない。そこで、水平荷重による水平力HPを抑制して横滑りや水平移動HLを抑制し、かつタンク本体以外の部分で地震等のエネルギーを吸収してタンク本体を損傷させないようにすることが望まれている。
殊に、サスペンドデッキ構造の内槽屋根を有する二重殻低温貯槽の場合には、水平荷重による水平力で内槽が横滑りや水平移動をしないようにする防止対策が求められている。
特許文献1「円筒貯槽の滑動防止装置」の発明は、コンクリート基礎5に対して多数の滑動防止ロッド6を用いて連結し止めているが、長い部材で構造が煩雑なため施工に手間を要し、水平力が接線方向に掛かる構造のため中心方向の荷重に対しては部材を長くすることによって変形を許容しなければならないために非効率となる。
特許文献2「平底円筒貯槽のスベリ止め装置」の発明は、地震や強風による貯槽の横スベリを防止する装置であるが、スベリ止め装置を貯槽に取り付け固定する部分の側板に設計時の許容応力よりも過大な応力が発生した場合に、かえって貯槽本体を損傷することも考えられる。
特許文献3「二重殻平底円筒タンクの滑動防止装置」の発明は、地震時の内槽の横滑り(滑動)を防止することができるが、複数対の細長い引張部材12,13を、それぞれ12a,13a、12b,13bに回動可能に取付ける構造であるため煩雑で施工に手間を要し、さらに内槽下部外面を頑強な構造とし、かつ頑強なコンクリート構造の外槽支持壁16が必要である。
特許文献4「貯槽の滑動防止装置」の発明に開示された、貯槽の底板を貯槽基礎の埋設アンカーに直接又は間接連結した滑動防止装置は、常圧貯槽の空液時の強風対策として側板外面へ着脱自在に取付ける滑動防止であって、二重殻低温タンクの内槽に働く水平力に対応させるための滑動防止装置ではない。
特許文献5「貯蔵タンクのアンカー」の発明は、外槽3またはセカンダリーバリア4に作用する内槽2の周方向のせん断応力を低コストに低減するためのアンカー10であって、内槽2の横滑りを防止するためのものではない。
この発明は上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、平底円筒二重殻低温タンクの内槽の供用時のガス圧や熱収縮、および地震による水平方向荷重に対応して簡便で効率良く横滑りを防止し、かつタンク本体以外の部分で地震等のエネルギーを吸収してタンク本体の損傷を防止するための低温タンクの制震プレート装置を提供する。
請求項1の発明に係る低温タンクの制震プレート装置は、一方端縁を内槽底板外周上端面に溶着固定し、他方端縁を基盤より立設したアンカーボルト上端へ水平に架設してなる連結板を設けて形成したことを特徴とする。
請求項2の発明に係る低温タンクの制震プレート装置は、上記請求項1記載の連結板の中間部に、圧縮荷重に対抗するさや構造の補強部材を設けたことを特徴とする。
請求項1の発明に係る低温タンクの制震プレート装置は、一方端縁を内槽底板外周上端面に溶着固定し、他方端縁を基盤より立設したアンカーボルト上端へ水平に架設してなる連結板を設けて形成したので、
低温タンクの内槽を通常供用時のガス圧や熱収縮による水平方向引張り荷重、および地震による水平方向の引張り荷重に対応するため、簡便で効率良く内槽の横滑りや水平移動を防止することができ、さらにタンク本体以外の部分である制震プレート装置で引張り荷重のエネルギーを吸収するためタンク本体の損傷を防止することができる。
請求項2の発明に係る低温タンクの制震プレート装置は、上記請求項1記載の連結板の中間部に、圧縮荷重に対抗するさや構造の補強部材を設けたので、
引張り荷重に加えて圧縮荷重に対しても耐久性を確保するため、簡便な構造を有し効率良く内槽の横滑りや水平移動を防止し、かつタンク本体以外の部分である制震プレート装置で引張り荷重及び圧縮荷重のエネルギーを吸収するため、タンク本体の損傷防止を一層向上することができる。
本発明に係る低温タンクの制震プレート装置を内槽サスペンドデッキ構造の平底円筒形二重殻低温タンクに設置した第1の実施形態例を示す全体側面説明図である。 図1のA部、制震プレート装置近傍を拡大して示す説明図である。 図2の変化例を示す説明図である。 図2を左上側方向から見た斜視説明図である。 本発明に係る低温タンクの制震プレート装置を内外槽固定屋根構造の平底円筒形二重殻低温タンクの通常のアンカーストラップと併用して設置した第2の実施形態例を示す全体側面説明図である。 図5のB部、制震プレート装置近傍を左上側方向から見た斜視説明図である。 制震プレート装置の詳細構造を示す平面説明図である。 図7の一部を拡大し水平方向に働く力と変位の関係を説明する図である。 制震プレート装置の第3の実施形態例を示す(1)は縦断面説明図、(2)は平面説明図である。 内槽の移動量を計測する装置及び構造を示す側断面説明図である。 単体の連結板に対する応力とひずみの関係を示す説明図である。 単体の制震プレート装置の力と変位の関係を示す説明図である。 内槽の外周位置4箇所に制震プレート装置を設置した事例を示す平面説明図である。 図13の連結板の一部分と、力と変位の関係を示す説明図である。 従来例の低温タンクのアンカーストラップを設置した状況を示す全体側面説明図である。 図15のC部、アンカーストラップ近傍を拡大して示す説明図である。
本発明に係る低温タンクの制震プレート装置の実施形態例について図1から図10を参照しながら説明する。本発明は下記の実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で下記の実施形態に変更(例えば構成要素の省略または付加、構成要素の形状の変更等)を加えることが出来るのはもちろんである。なお、図は概略を示すもので、一部のみを描き詳細構造は省略した。
図1は本発明に係る低温タンクの制震プレート装置を、内槽サスペンドデッキ構造の平底円筒形二重殻低温タンクに設置した第1の実施形態例を示す全体側面説明図である。
低温タンク1は、外槽1aと内槽1bとからなる平底円筒形二重殻構造である。
外槽1aは外槽側板2と外槽底板3と外槽屋根5とからなり、基盤4上に固定されこの外槽1aの内部に保冷空間9と内槽底部保冷8を設けて、この内槽底部保冷8上に内槽側板6と内槽底板7と内槽屋根10とからなる内槽1bが設置されている。
この低温タンク1の内槽1bの内槽屋根10はサスペンドデッキタイプ、つまり吊り屋根10a構造で、屋根吊り材10bによって外槽屋根5の内側に吊り下げ状に固定されている。12は内槽1b下部(図1のAに示す)に設ける制震プレート装置で、円周方向に均等な間隔を設けて複数個設置する。
図1に示すように、サスペンドデッキタイプの平底円筒形二重殻の低温タンクの場合、内槽の吊り屋根と側板は連続した密閉構造ではないため、通常の供用時のタンク気相部のガス圧Pは、内槽1bの吊り屋根10aから屋根吊り材10bを介して外槽1aの外槽屋根5に伝達される。
そのため、ガス圧Pに伴う内槽1bの浮き上がる垂直方向の力、つまりアップリスト力は内槽屋根10aと吊り材10bを介して外槽屋根5に伝達されるため、熱収縮力などによる内槽1bへのアップリフト力は小さいが、水平方向の力HPは大きい。
そこで、この水平方向の力HPに対応して水平方向の移動や横滑りや水平移動を防止するように、内槽1b下部に制震プレート装置12を設置した事例である。
図2は図1のA部、制震プレート装置近傍を拡大して示す説明図で、制震プレート装置12は、アンカーボルト13とベースプレート14と連結板15とで形成する。
この連結板15の一方端縁は内槽底板7の外周上面に溶接で確りと固着する。また連結板15の他方端縁は、内槽底部保冷8を貫通して基盤4上面から鉛直にアンカー支持台14a設け、このアンカー支持台14aを貫通して基盤4から鉛直に設けたアンカーボルト13上部に、平板状のベースプレート14を介在させてその上に連結板15の他方端縁を水平に重ね合わせて上方に突出させ、このアンカーボルト13の上端部をナット13aにて固定する。
図3は図2の変化例で、内槽側板6及び内槽底板7下部の内槽底部保冷8の外周側位置にアンカー基盤14bを設けたものである。連結板15の他方端縁は、このアンカー基盤14bを貫通して基盤4から鉛直に設けたアンカーボルト13上部に平板状のベースプレート14を介在させてその上に連結板15の他方端縁を水平に重ね合わせてアンカーボルト13を上方に突出させ、このアンカーボルト13の上端部をナット13aにて固定する。
図4は、図1及び図2に示す制震プレート装置12の斜視説明図で、内槽外周の円周方向に間隔をおいて複数個を設置する。
この制震プレート装置12及び連結板15の構造については、図7で詳細に説明する。
図5は本発明に係る低温タンクの制震プレート装置を内外槽固定屋根構造の平底円筒形二重殻低温タンクに設置した第2の実施形態例を示す全体側面説明図で、通常のアンカーストラップ11と本願の制震プレート装置12を併用する事例である。
外槽1aは外槽側板2と外槽底板3と外槽屋根5とからなり基盤4上に固定され、この外槽1aの内部に保冷空間9と内槽底部保冷8を設けて、この内槽底部保冷8上に内槽側板6と内槽底板7と内槽屋根10とからなる内槽1bが設置されている。
この内槽屋根10は密閉構造であり、通常の供用時のタンク気相部のガス圧Pに伴う内槽1bの浮き上がる垂直方向の力、つまりアップリスト力UPは内槽1bへ作用するため、このアップリフト力UPに対応するようにアンカーストラップ11が設けられている。
この第2の実施形態例は、内槽1bの下部近傍にアップリフト力UPに対応するアンカーストラップ11を設けるとともに、水平方向の力HPに対応するように制震プレート装置12を併用して設置する事例である。
図6は、図5のB部を拡大し、内槽1b下部に設ける通常のアンカーストラップ11と本願の制震プレート装置12を円周方向に均等な間隔を置いて交互に設置した事例である。
内槽1bの側板6からアップリフト力UPに対応するようにアンカーストラップ11を設けるとともに、本願の制震プレート装置12は、水平力HPに対応して横滑りや水平移動を防止するようにその中間部に設置する。
この制震プレート装置12は、連結板15の一方端を内槽底板7上面に固定し、他方端はプレート14を介してアンカーボルト13上端に水平に固定設置する。
図7に示すように、制震プレート装置12の連結板15は、例えば、断面積が大きい(断面性能が良い)板厚が厚い略矩形部15aと略楕円形部15bと中央に幅狭で長い略平行部15cとを組合せて形成する。
制震プレート装置12の連結板15は一方端を略矩形部15aに形成して、くり抜き長穴17を設け、内槽底板外周7の上面に長い溶接距離部18にて固着する。また他方端は略楕円形部15bに形成し、距離L(矢印)の取付長穴16を設け、アンカーボルト13の上端を取り付け、低温液受入れのクールダウンに伴って内槽が収縮して移動する距離Lにスライド追従が可能となるように形成する。
図8は、図7に示す連結板15の一部を拡大し、水平方向に働く力と変位の関係を説明する平面図である。
略楕円形部15bの初期取付け位置は、アンカーボルト13を取付長穴16距離Lのa1の位置に挿通して上端のナット13aで固定する。
クールダウン時のタンク内槽の収縮に伴って、連結板15にかかる引張り力(矢印で示す)によってアンカーボルト13の位置は、図の破線矢印で示すように移動して(距離L)低温液受入れ後はa2の位置で固定状態が確保される。
さらに引張り荷重がかかる場合には、略平行部15cで対抗して、弾性変形から塑性変形して引張り荷重のエネルギーを吸収する。なお、所定以上の過大な荷重がかかる場合には略平行部15cで降伏する。
また、液の変化に伴う圧縮荷重が作用した場合にはa1の位置に戻り、所定以上の圧縮荷重がかかる場合は略平行部15cで対抗する。
上記制震プレート装置12の連結板15は、低温用鋼材を用いて過大な引張り荷重に対しては幅狭の略平行部15cで引張降伏するため、水平方向に過大な荷重が作用した場合に略平行部15cで対抗して引張り荷重のエネルギーを吸収する。さらに、所定以上の過大な引張り荷重が掛かった場合にはこの略平行部15cが降伏することによって、内槽側板6や内槽底板7が損傷することがない。
また、ベースプレート14は、図示を省略するが断熱材を介装して冷熱の伝導、ショートパスが生じないようにする。
このように、制震プレート装置12は構造が簡単で簡便化が図られ、組立て施工がし易く、貯蔵液変化や地震荷重などによって内槽1bにかかる水平力HPに対応し横滑りや水平移動を防止する。
図9は制震プレート装置の第3の実施形態例であり、(1)は側面説明図、(2)は平面説明図を示す。
制震プレート装置12の連結板15の略平行部15cには、Nの範囲の圧縮力が増すように設ける部材としてさや構造の補強部材19を装着した場合を示す。
このさや構造の補強部材19は、連結板15へ擦動自在に装着することによって引張り荷重に対しては連結板15が対抗し、圧縮方向の過大な荷重Tに対してはさや構造の補強部材19の両端縁部が当接して抵抗し、連結板15が湾曲したり潰れたりすることがない。このように、圧縮荷重のエネルギーを吸収するため、タンク本体の損傷を防止することができる。
この図示例は、略楕円形部15bをアンカーボルト13に対して遊嵌状に挿通して架設するピン差込部13bに形成した事例を示す。このようにピン差込部13bとすることにより、ピン差込部13bで略楕円形部15bの挿通部近傍が上下方向に擦動する(矢印Sで示す)ため、垂直方向の動きを拘束することなく垂直方向の過大な荷重に対する破損を防止することができる。
このように、アンカーボルト13とベースプレート14と連結板15とで形成する制震プレート装置12は、構造が簡単で取付けの施工がし易く、供用時の液変動や地震荷重などによって内槽1bにかかる水平方向の力に対処してエネルギーを吸収する簡便で効率的な横滑りや水平移動を防止する装置となる。
図10は、内槽の水平方向の移動量を計測する計測装置20の設置状況を示す。
計測装置20は、内槽側板6表面に固着した計測端縁20aから、外槽2の外側に設けた伸縮機能を有するノズル21先端に気密固定した計測先端部20bへと至る、棒状の計測ロッド20cで形成する。この計測ロッド20cは断熱性を有する部材で形成し、ノズル21の内部には弾力性を有するグラスウールやウレタンなどの断熱材を充填する。
内槽側板6及び内槽底板7の水平方向の移動量は、伸縮機能を有するノズル21の先端に固定した計測先端部20bの移動する距離に相当する。
外槽2の外側に位置する計測先端部20bで、図に示す距離Mを計測することによって、外部からは判らない内槽側板6及び内槽底板7の移動量を確認し、さらに連結板15の伸縮量を検知することができる。このようにして、連結板15の伸縮量の計測履歴から、内部の連結板15の劣化状況や降伏の有無を判断することが可能となる。
図11は、図7に示す連結板15の単体部材に着目して、ひずみ(伸び)と応力(張力)の関係を示すグラフである。
O〜Aは弾性域(ひずみδ1)、A〜Bは塑性域(ひずみδ2)、Cは降伏位置を示す。O〜A〜B〜Oに囲まれる面積がエネルギー吸収量に相当する。
この連結板15のひずみ量を、図10に示す計測装置20による測定値M(計測端部20bの移動量)と対応させて、設計時の許容応力を設定する。
図12は、図9に示す単体の制震プレート装置12に着目して、力と変位(移動距離)の関係を示す。
グラフの0(ゼロ)点は、連結板15を設置したアンカーボルト13のナット固定部13a(図8参照)の初期設定の取付け位置a1を示す。また、クールダウン時の内槽収縮に伴う引張り力による移動位置a2を示し、a1とa2の間隔は、クールダウン時に内槽収縮によって移動する距離Lに相当する。
また、連結板15の張力と変位L1が対応し、被覆部材19の圧縮力と変位L2が対応する。
このように、制震プレート装置12を構成する連結板15及び被覆部材19によって、液変位や地震荷重による内槽にかかる水平方向の力に対応してエネルギーを吸収して横滑りや水平移動を防止することができる。
図13は、内槽6外周の内槽底板7から周囲4箇所に、制震プレート装置12の連結板15を設置した事例で、水平方向の力Pと変位δが作用する場合を示す。
連結板15の一部分、A−aと対向する位置のB-aについて、図14で説明する。
この制震プレート装置12は、図4で説明したように必要に応じて複数個を設置する。
図14は、図13に示す連結板15のA−aと対向するB−aを示し、内槽に低温液体を受入れる際のクールダウン時にタンクが内側に縮んで移動する(太線矢印)状況を示す。(図8、図12と対応する)
クールダウンでタンクが縮み移動することにより、アンカーボルト13の位置がa1からa2に(距離L)それぞれスライドして移動する。(破線矢印)
また、低温タンク供用時に地震などによって水平方向の力が作用する場合には、15のA−a部分はa2を起点として引張力が作用し、対向する15のB-a部分はa2を起点としてまずスライド移動した後に圧縮力が作用する。さらにその後は、上記A−a部分の引張力とB-a部分の圧縮力の両方が合算して作用するため、水平方向の荷重に対して耐久力が増加しエネルギー吸収能力も向上する。
上記横滑りや水平移動を防止する制震プレート装置は、内槽を有する平底円筒二重殻の低温タンクのみならず、地震時の防護対策や耐震性能向上が望まれる種々構造のタンクや貯蔵庫などの構築物にも適用することができる。
1低温タンク
1a外槽
1b内槽
2外槽側板
3外槽底板
4基盤
5外槽屋根
6内槽側板
7内槽底板
8内槽底部保冷
9内外槽空間
10内槽屋根
11アンカーストラップ
12制震プレート装置
13アンカーボルト
13aナット固定部
13bピン差込部
14ベースプレート
14aアンカー支持台
14bアンカー基盤
15連結板
15a略矩形部
15b略楕円形部
15c略平行部
16取付長穴
17くり抜き長穴
18溶接部
19筒状補強部材
20計測装置
21ノズル
22断熱材


Pガス圧
UPアップリフト力
HP水平方向の力
HL横滑りや水平移動


Claims (2)

  1. 一方端縁を内槽底板外周上端面に溶着固定し、他方端縁を基盤より立設したアンカーボルト上端へ水平に架設してなる連結板を設けて形成したことを特徴とする低温タンクの制震プレート装置。
  2. 上記連結板の中間部に、圧縮荷重に対抗するさや構造の補強部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の低温タンクの制震プレート装置。


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