JP2014187217A - 積層型コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 誘電体層同士の密着性がより高められ、デラミネーションの生じにくい積層型コンデンサを提供する。
【解決手段】 誘電体層5および内部電極層7が交互に多層に積層された直方体状の誘電部1と、誘電部1の内部電極層7が露出した対向する両端部に設けられた一対の外部電極3とを有し、内部電極層7は誘電部1の側面1a側が誘電体層5よりも幅を狭くされており、内部電極層7の側方に内部電極層7が無く、誘電体層5と同じ材料からなる無導体領域9が設けられており、内部電極層7の無導体領域9の近傍には、内部電極層7を構成する金属の酸化物相11が内部電極層7を貫通するように形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 誘電体層5および内部電極層7が交互に多層に積層された直方体状の誘電部1と、誘電部1の内部電極層7が露出した対向する両端部に設けられた一対の外部電極3とを有し、内部電極層7は誘電部1の側面1a側が誘電体層5よりも幅を狭くされており、内部電極層7の側方に内部電極層7が無く、誘電体層5と同じ材料からなる無導体領域9が設けられており、内部電極層7の無導体領域9の近傍には、内部電極層7を構成する金属の酸化物相11が内部電極層7を貫通するように形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、誘電体層と内部電極層との接着性を高められた構造を有する積層型コンデンサに関する。
コンデンサの小型、高容量化を果たすために、積層型のコンデンサが広く用いられている。積層型コンデンサは、例えば、図4(a)、(b)および(c)に示すように、導体ペーストよりなる内部電極パターン101、103が塗布されたセラミックグリーンシート105、107を用意し、それぞれを交互に複数枚積層し、得られた積層体を厚み方向に圧着した後に焼成し、内部電極パターン101、103の引き出されている焼結体である誘電部109の端面に外部電極111、113を形成することにより得られている。
ところで、セラミックグリーンシート105、107上に形成されている内部電極パターン101、103は、各セラミックグリーンシート105、107の第1の端縁105a、107aから第2の端縁105b、107b側に向かって延びるように形成されている。
また、各内部電極パターン101、103は、セラミックグリーンシート105、107の側方端縁105c、105d、107c、107dとの間に、幅xの無導体領域115を残すような幅に形成されている。
無導体領域115を設けているのは、内部電極パターン101、103の上下に位置するセラミックグリーンシート105、107同士の密着性を高めるとともに、内部電極パターン101、103の焼結体が焼成後に誘電部109の側面で接触することを防止するためである。
上記のような積層型コンデンサにおいて、所定寸法の誘電部109からより大きな静電容量を得ようとした場合、内部電極パターン101、103の面積をより広くするために、その内部電極パターン101、103の周囲の無導体領域115の幅xをできる限り狭くすることになる(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、無導体領域115の幅xを狭くすると、内部電極パターン101、103の上下に位置するセラミックグリーンシート105、107の焼結体(誘電体層という)同士の密着性が損なわれ、いわゆるデラミネーションと称される層剥がれが生じがちである。
従って、本発明の目的は、誘電体層同士の密着性がより高められ、デラミネーションの生じにくい積層型コンデンサを提供することにある。
本発明の積層型コンデンサは、誘電体層および内部電極層が交互に多層に積層された直
方体状の誘電部と、該誘電部の前記内部電極層が露出した対向する両端部に設けられた一対の外部電極とを有し、前記内部電極層は前記誘電部の側面側が前記誘電体層よりも幅を狭くされており、前記内部電極層の側方に該内部電極層が無く、前記誘電体層と同じ材料からなる無導体領域が設けられており、前記内部電極層の前記無導体領域の近傍には、前記内部電極層を構成する金属の酸化物相が前記内部電極層を貫通するように形成されていることを特徴とする。
方体状の誘電部と、該誘電部の前記内部電極層が露出した対向する両端部に設けられた一対の外部電極とを有し、前記内部電極層は前記誘電部の側面側が前記誘電体層よりも幅を狭くされており、前記内部電極層の側方に該内部電極層が無く、前記誘電体層と同じ材料からなる無導体領域が設けられており、前記内部電極層の前記無導体領域の近傍には、前記内部電極層を構成する金属の酸化物相が前記内部電極層を貫通するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、誘電体層同士の密着性がより高められ、デラミネーションの生じにくい積層型コンデンサを得ることができる。
図1(a)は、本発明の積層型コンデンサの一実施形態を示す外観斜視図、(b)は、(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。図2(a)および(b)は、図1(a)の積層型コンデンサの誘電部を分解して示したものであり、誘電体層上に内部電極層が設けられた状態を示す平面模式図である。この場合、図2(a)(b)は誘電部を形成するときに用いる一対の導体パターン付きシートの平面図にも対応している。
本実施形態の積層型コンデンサは、本体である誘電部1と、この誘電部1の対向する両端部に設けられた外部電極3とを備えた構成となっている。
誘電部1は、誘電体層5と、その主面に形成された内部電極層7とが交互に多層に積層された構成となっており、その外観は直方体状を成している。図1では誘電体層5と内部電極層7との積層状態を単純化して示しているが、本実施形態の積層型コンデンサは誘電体層5と内部電極層7とが数百層にも及ぶ積層体となっている。また、ここで直方体状というのは、誘電部1を構成する2つの平面あるいは3つの平面が交わる角度が直角というだけではなく、稜線や角部が丸くなっている構造も含むものである。
内部電極層7は誘電部1の側面1a側が誘電体層5よりも幅wだけ狭くなっており、誘電体層5上の内部電極層7の側方には内部電極層7の無い無導体領域9が設けられている。この場合、無導体領域9は誘電体層5と同じ材料によって形成されている。
内部電極層7の無導体領域9との近傍には内部電極層7を構成する金属の酸化物相11が内部電極層7を貫通するように形成されている。
本実施形態の積層型コンデンサでは、無導体領域9に近い内部電極層7の面内に、その内部電極層7を構成する金属の酸化物相11が形成されていることから、この金属の酸化
物相11が内部電極層7を挟持している2つの誘電体層5と化学結合を生じ、誘電体層5と内部電極層7との結合強度を高めることができる。従って、誘電体層5上において内部電極層7の面積を大きくして無導体領域9を狭めたとしても、上下に位置する誘電体層5同士の結合強度が高められるので、層間剥がれによるデラミネーションの発生を防止することができる。
物相11が内部電極層7を挟持している2つの誘電体層5と化学結合を生じ、誘電体層5と内部電極層7との結合強度を高めることができる。従って、誘電体層5上において内部電極層7の面積を大きくして無導体領域9を狭めたとしても、上下に位置する誘電体層5同士の結合強度が高められるので、層間剥がれによるデラミネーションの発生を防止することができる。
内部電極層7の面内に形成される金属の酸化物相11としては、内部電極層7を平面視したときに面積の小さいものが数多く形成されているのが良い。言い換えると、誘電部1を縦断面視したときに、金属の酸化物相11が内部電極層7の無導体領域9の近傍に少なくとも2個以上観察されるような構造であるのがよい。この場合、金属の酸化物相11のサイズ(縦断面視したときの幅)は2μm以下、特に、1μm以下が好ましい。
内部電極層7の面内に導通性を有しない金属の酸化物相11が形成された場合、内部電極層7内を流れる電流は金属の酸化物相11を周回するように流れるため、金属の酸化物相11の周縁から中心部に向かうほど電流密度(磁束密度)が低下してしまうが、本実施形態では、金属の酸化物相11のサイズを小さくしているために、各金属の酸化物相11を周回して発生する電流によって形成される電場の電流密度(磁束密度)の低下が小さくなることから、金属の酸化物相11の形成された部分も見かけ上、静電容量に寄与する電場を有するものとなる。
金属の酸化物相11に相当する部分が全て内部電極層7の外側である無導体領域9との境界に形成された場合には、内部電極層7の周囲を流れる電流は無導体領域9をカバーすることができないため、金属の酸化物相11の面積の分だけ有効面積が減少し、静電容量が低下することになる。
本実施形態の構成は、図1(c)に示すxの幅が100μm以下、特に、50μm以下であるような無導体領域9の狭い積層型コンデンサに好適である。
本実施形態の積層型コンデンサでは、金属の酸化物相11を有する内部電極層7が誘電部1の積層方向の中段部分に設けられていることが望ましい。誘電体層5および内部電極層7が交互に多層に積層された積層型コンデンサは、焼成時などの加熱冷却による熱膨張のため積層方向の中段部分にデラミネーションが発生しやすくなっている。このような積層型コンデンサに対して、金属の酸化物相11を有する内部電極層7を当箇所に配置させることでデラミネーションによって不良となる積層型コンデンサを無くすことができる。この場合、金属の酸化物相11を有する内部電極層7が積層方向の中段部分だけであるため、中段部分以外の上下層には金属の酸化物相11を有しない内部電極層7を配置させることができることから内部電極層7の有効面積を増加させることができ、より高い静電容量を得ることができる。
この場合、内部電極層7の主成分金属としては、熱膨張係数が12×10−6〜20×10−6/℃であるニッケル(12.8×10−6/℃)、銅(16.8×10−6/℃)、パラジウム(11.8×10−6/℃)および銀(18.9×10−6/℃)から選ばれる1種もしくはこれらの合金を適用することが好ましい。
誘電体層5の材料としては、比誘電率が高いという理由から、例えば、チタン酸バリウムを主成分とするものが好ましい。熱膨張係数は9×10−6〜11×10−6/℃であるのが良い。
また、誘電体層5の平均厚みは0.5〜30μm、内部電極層7の平均厚みは0.5〜20μm、積層部9における内部導体層7の積層数が100層以上であるような薄層、高
積層の積層型コンデンサに好適なものとなる。
積層の積層型コンデンサに好適なものとなる。
次に、本実施形態の積層型コンデンサを製造する方法について説明する。図3(a)(b)は、本実施形態の積層型コンデンサの製造に用いる印刷用スクリーン、およびセラミックグリーンシート上に内部電極パターンの形成されたパターン付きシートを模式的に示すものである。
まず、誘電体層5の材料として、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粉末を準備し、これに有機ビヒクルを加えてセラミックスラリを調製し、次いで、ドクターブレード法またはダイコータ法などのシート成形法を用いてセラミックグリーンシート21を作製する。
次に、ニッケル粉末を主成分とする導体ペーストを調製する。この場合、ニッケル粉末としては、ニッケル粉末中に平均粒径が0.1μm以下の微粒のニッケル粉末を含んでいるものを用いることが望ましい。
次に、セラミックグリーンシート21の主面上に導体ペーストを印刷して、図3(b)に示すような矩形状の内部電極パターン23の形成されたパターン付きシート25を形成する。この場合、セラミックグリーンシート21上の内部電極パターン23はセラミックグリーンシートよりも幅が狭くされ、側方に内部電極パターンの無い領域が形成されるようにする。
このとき内部電極パターン23を形成するのに用いる印刷用スクリーン27は、図3(a)に示すように、形成される内部電極パターン23に対応する側方27aと中央部27cとで印刷用スクリーン27の製版線幅(メッシュ材の太さ)を変化させたものを用いる。この場合、印刷用スクリーン27の側方27aは中央部27cよりも印刷用スクリーン23の製版線幅を1.2倍以上太くしたものを用いるのが良い。このとき、製版の線の厚みは両方とも同じであるのがよい。つまり、内部電極パターン23の側方23aに対応する製版の開口率は中央部23cに対応する製版の開口率よりも低いものを用いるのがよい。また、内部電極パターン23の全幅w0に対する側方23aの部分の幅w1割合は誘電部1の側面1aに発生するデラミネーションを抑えつつ、高い静電容量を得るという理由から全幅w0に対して片側が5〜10%(両方で10〜20%)であるのが良い。印刷用スクリーンにおける製版線幅が約30μmの部分の割合も同様となる。
こうして、内部電極パターン23の中で側方23aの部分は中央部23cよりも凹凸を有し部分的に薄い領域を有するものとなり、この内部電極パターン23の薄い部分が焼成時に厚みの厚い部分よりも酸化される領域の割合が多くなり、内部電極層7の面内に部分的に内部電極層7を構成する金属の酸化物相13を形成することができる。
従来のコンデンサでは、第1に、高い静電容量を得ようとするため、例えば、製版線幅が一様なスクリーンが用いられるが、このような場合には、内部電極層7の表面に極めて薄く金属の酸化物膜が形成される程度であり、内部電極層7を貫通するような金属の酸化物相11が形成されるようなものではない。
次に、パターン付きシート25を複数層重ねてコア積層体を形成する。次に、このコア積層体の上下面に導体パターンを形成していないセラミックグリーンシート21を所定の枚数だけ重ね、加圧加熱処理を行って誘電部1となる積層体を複数個有する母体積層体を形成する。次に、この母体積層体を切断することにより積層体にする。次に、作製した積層体を所定の条件にて焼成することにより誘電部1を作製する。
次に、焼成により得られた誘電部1の内部電極層7が露出した端面を含む端部に外部電極3を形成して積層型コンデンサを完成させる。
こうして得られた積層型コンデンサでは、内部電極層7は誘電部1の側面1a側の幅が誘電体層5よりも狭くなっており、内部電極層7の側方に内部電極層7が無く、誘電体層5と同じ材料からなる無導体領域9が設けられており、内部電極層7の無導体領域9の近傍に内部電極層7を構成する金属の酸化物相11が内部電極層7を貫通するように形成されているものとなる。
以下、具体的に積層型コンデンサを作製して本発明の効果を確認した。まず、誘電体層用の材料として以下の誘電体粉末を調製した。誘電体粉末の原料粉末として、チタン酸バリウム粉末、MgO粉末、Y2O3粉末およびMnCO3粉末を準備した。これらの各種粉末を、チタン酸バリウム粉末量を100モルとしたときに、MgO粉末を0.5モル、Y2O3粉末を1モル、MnCO3粉末を0.5モル添加し、さらに、チタン酸バリウム粉末100質量部に対して、ガラス粉末(SiO2=55,BaO=20,CaO=15,Li2O=10(モル%))を1質量部添加して誘電体粉末を調製した。次いで、この誘電体粉末を直径5mmのジルコニアボールを用いて、溶媒としてトルエンとアルコールとからなる混合溶媒を添加し湿式混合した。
次に、湿式混合した粉末を、ポリビニルブチラール樹脂を溶解させたトルエンおよびアルコールの混合溶媒中に投入し、直径5mmのジルコニアボールを用いて湿式混合してセラミックスラリを調製し、ドクターブレード法により厚みが2.5μmのセラミックグリーンシートを作製した。
次に、このセラミックグリーンシートの上面に矩形状の内部電極パターンを形成してパターン付きシートを形成した。内部電極パターンを形成するための導体ペーストは、Ni粉末45質量%に対して、共材としてチタン酸バリウム粉末を20重量%と、エチルセルロース5質量%およびオクチルアルコール95質量%からなる有機ビヒクル30質量%を3本ロールで混練したものを用いた。Ni粉末は粒度分布において累積%表示したときに10〜90%の範囲にある粒径が0.05〜0.2μmであるものを用いた。
このとき内部電極パターンの中で側方(図3(b)の23a)は製版線幅が約30μmであり、一方、内部電極パターンの中央部となる部分は製版線幅が約20μmのスクリーンを用いた。製版線幅が約30μmの開口率は約40%、製版線幅が約20μmの開口率は約60%であった。印刷用スクリーンにおいて製版線幅が約30μmの部分の割合は全幅w0に対して片側5%(両方で10%)とした。
次に、作製したパターン付きシートを複数層重ねてコア積層体を形成し、さらにこの上下面にそれぞれ内部電極パターンを形成していないセラミックグリーンシートを重ね、加圧加熱処理を行って誘電部となる積層体を複数個有する母体積層体を形成した。この後、この母体積層体を、所定の寸法に切断して積層体を形成した。積層体における内部電極層の積層数は147層とした。
次に、作製した積層体を大気中にて脱脂した後、水素−窒素の混合ガス雰囲気にて酸素分圧が10−8Paの条件にて1140℃で2時間の焼成を行い、誘電部を作製した。作製した誘電部のサイズは1005型に相当するものであり、そのサイズはおおよそ、0.95mm×0.48mm×0.48mmであった。また、誘電体層の平均厚みは2μm、誘電部の中央に位置する内部電極層の1層の平均厚みは1μmであった。なお、作製した誘電部から得られる静電容量の設計値(誘電体層を挟んで内部電極が上下で重なっている
有効面積の領域に空隙が無い状態で発現する静電容量)は1.15μFと見積もった。
有効面積の領域に空隙が無い状態で発現する静電容量)は1.15μFと見積もった。
次に、作製した誘電部に対し、窒素雰囲気中(酸素分圧:10−6Pa)、900〜1000℃で5時間の熱処理を行った。
次に、作製した誘電部にバレル研磨処理を行い、誘電部の端面に内部電極層を十分に露出させた。
次に、バレル研磨した誘電部の端部に銅ペーストを塗布し、約800℃、酸素分圧を1Pa、最高温度の保持時間を0.2時間とする条件で加熱して外部電極を形成した。
次に、この外部電極の表面に、順に、電解めっき法によりNiメッキ膜およびSnメッキ膜を形成して積層型コンデンサを作製した。
次に、作製した積層型のコンデンサについて以下の評価を行った。
積層型コンデンサの誘電部の内部電極層に形成された内部電極層を構成する金属の酸化物相は積層型コンデンサを断面研磨して金属顕微鏡および走査型電子顕微鏡による観察によって確認した。このとき金属の酸化物相中の酸素の有無は走査型電子顕微鏡に付設された波長分散型分析器を用いて同定した。金属の酸化物相は走査型電子顕微鏡観察の写真において黒色化した部分であった。
なお、スクリーン内で製版線幅が約30μmの部分から形成した内部電極パターンから得られた内部電極層には金属の酸化物相が長さの比で5〜10%形成されていたが、製版線幅が約20μmのスクリーンを用いて形成した導体パターンから得られた内部導体層には金属の酸化物相に相当するものは認められなかった。
静電容量は温度25℃、周波数1.0kHz、測定電圧を1Vrmsとして測定し、その平均値を求めた。試料数は30個とした。
デラミネーションは、焼成後、耐熱衝撃試験後の2つの条件にて行った。耐熱衝撃試験はハンダ槽を350℃に加熱したハンダ槽にコンデンサを約1秒間沈める方法を用いた。デラミネーション発生率は試料数300個から求めた。
また、印刷用スクリーンの全面が、幅が約20μm、30μmの製版線でそれぞれ形成されたスクリーンを用いたものから上記と同様の製法により積層型コンデンサを作製した。これを比較例の試料(試料1、2)として同様に評価した。
表1の結果から明らかなように、内部電極層内に金属の酸化物相を有している試料(試料No.3〜5)は、静電容量が0.92μF以上(設計値の80%以上)であり、内部電極層に金属の酸化物相を有しない試料(試料No.1)に比較してデラミネーションの発生率が低かった。
金属の酸化物相を有している内部電極層を誘電部の中段部分のみに10〜20層形成した試料(試料No.4、5)は焼成後におけるデラミネーションの発生が無く、静電容量が0.94μF(設計値の82%以上)であった。
なお、誘電部の全層に製版線幅が約30μmのスクリーンを用いて形成した試料(試料No.2)にはデラミネーションは見られなかったが静電容量が大きく低下していた。
1・・・・・誘電部
3・・・・・外部電極
5・・・・・誘電体層
7・・・・・内部電極層
9・・・・・無導体領域
11・・・・金属の酸化物相
21・・・・セラミックグリーンシート
23・・・・内部電極パターン
23a・・・内部電極パターンの側方
23c・・・内部電極パターンの中央部
25・・・・パターン付きシート
27・・・・印刷用スクリーン
27a・・・印刷用スクリーンの側方
27c・・・印刷用スクリーンの中央
3・・・・・外部電極
5・・・・・誘電体層
7・・・・・内部電極層
9・・・・・無導体領域
11・・・・金属の酸化物相
21・・・・セラミックグリーンシート
23・・・・内部電極パターン
23a・・・内部電極パターンの側方
23c・・・内部電極パターンの中央部
25・・・・パターン付きシート
27・・・・印刷用スクリーン
27a・・・印刷用スクリーンの側方
27c・・・印刷用スクリーンの中央
Claims (2)
- 誘電体層および内部電極層が交互に多層に積層された直方体状の誘電部と、該誘電部の前記内部電極層が露出した対向する両端部に設けられた一対の外部電極とを有し、前記内部電極層は前記誘電部の側面側が前記誘電体層よりも幅を狭くされており、前記内部電極層の側方に該内部電極層が無く、前記誘電体層と同じ材料の無導体領域が設けられており、前記内部電極層の前記無導体領域の近傍には、前記内部電極層を構成する金属の酸化物相が前記内部電極層を貫通するように形成されていることを特徴とする積層型コンデンサ。
- 前記金属の酸化物相を有する前記内部電極層が前記誘電部の積層方向の中段部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層型コンデンサ。
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US11302482B2 (en) | 2019-04-26 | 2022-04-12 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Multilayer ceramic capacitor |
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