JP2014185783A - 化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システム - Google Patents

化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システム Download PDF

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Abstract

【課題】水蒸気の流路内への蓄熱材の侵入を抑制する。
【解決手段】反応器20は、反応容器22と、蓄熱粒子Pの集合体を含み、水蒸気Wによる水和反応で発熱し加熱による脱水反応で蓄熱する蓄熱材30と、蓄熱材30の平均粒子径Daに対して5倍以下の孔径dの貫通孔42が形成されたフィルタ40とを有している。ここで、蓄熱材30が水和反応により膨張し、蓄熱材30の一部が崩壊して蓄熱粒子化しても、貫通孔42の孔径dが蓄熱粒子の平均粒子径Daに対して5倍以下に設定されている。このため、貫通孔42を通過する蓄熱粒子Pの数が減るので、流路23内への蓄熱材30の侵入を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、化学反応によって蓄熱する化学蓄熱反応器、及び化学蓄熱反応器を用いた化学蓄熱システムに関する。
特許文献1には、熱媒が流れる熱媒流路と、熱媒流路で挟まれた水蒸気流路となる反応容器と、反応容器内の中央に設けられた主管部及び支管部と、反応容器内で支管部の両外側に設けられた蓄熱材とを有する化学蓄熱反応器が記載されている。特許文献1の化学蓄熱反応器では、水和反応により蓄熱材が膨張するとき、主管部が蓄熱材の膨張を抑制すると共に支管部が水蒸気を通過させることで、水蒸気の流路を確保している。
特開2012−211713号
ここで、特許文献1の化学蓄熱反応器において、蓄熱材の水和膨張圧は、数[MPa]程度と大きくなっている。このため、膨張を容器にて拘束することにより粒子化(粉体化)した蓄熱材の一部が、水蒸気流路内に侵入する可能性が高い。
本発明は、水蒸気の流路内への蓄熱材の侵入を抑制することができる化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムを得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係る化学蓄熱反応器は、水蒸気の流路に隣接するように容器内に設けられ、水蒸気による水和反応で発熱し加熱による脱水反応で蓄熱する蓄熱粒子の集合体を含む蓄熱材と、前記流路と前記蓄熱材との間に配置され、前記蓄熱粒子の平均粒子径の5倍の孔径の孔の開口面積以下の開口面積を有する貫通孔が形成された板状体であり、前記流路内への前記蓄熱粒子の侵入を規制すると共に前記流路と前記蓄熱材との間での水蒸気の移動を許容するフィルタと、を有する。
上記構成によれば、加熱対象(例えば、媒体流路内の熱媒体)を加熱するときは、水蒸気が流路からフィルタの貫通孔を通り蓄熱材に到達する。そして、蓄熱材と水蒸気との水和反応により蓄熱材が発熱する。この発熱による熱量によって、加熱対象が加熱される。
蓄熱材は、水和反応により膨張する。ここで、蓄熱材の膨張が容器で拘束されることで、蓄熱材の一部が崩壊して粒子化することがあるが、上記構成では、フィルタの貫通孔の開口面積が、蓄熱粒子の平均粒子径の5倍の孔径の孔の開口面積以下に設定されている。このため、フィルタの孔径が平均粒子径に対して5倍よりも大きく設定されている構成に比べて、水蒸気の流路内への蓄熱材の侵入を抑制することができる。
本発明の請求項2に係る化学蓄熱反応器は、第1貫通孔が形成された一の板状体と第2貫通孔が形成された他の板状体とが、該第1貫通孔の孔縁と該第2貫通孔の孔縁とがずれるように厚み方向に重ねられて前記フィルタが構成されている。
上記構成によれば、単一のフィルタに形成される貫通孔の小径化に限界がある場合でも、第1貫通孔の孔縁と第2貫通孔の孔縁とがずれるように複数の板状体を重ねることで、第1貫通孔及び第2貫通孔の孔径よりも小さい孔径の貫通孔が形成される。これにより、蓄熱材を構成する蓄熱粒子の平均粒子径が小さい場合でも、製造上のフィルタの貫通孔の孔径を小さくすることができる。
本発明の請求項3に係る化学蓄熱システムは、請求項1又は請求項2に記載の化学蓄熱反応器と、前記容器に気密状態で連通され、水蒸気を前記容器に供給する蒸発部と、を有する。
上記構成によれば、水蒸気の流路内への蓄熱材の侵入が抑制されることで、流路が狭くなることが抑制される。これにより、蓄熱材に供給される水蒸気の量及び蒸発部に供給される水蒸気の量の低下が抑制されるので、化学蓄熱反応器における蓄熱材の反応性の低下を抑制することができる。
本発明は、上記構成としたので、水蒸気の流路内への蓄熱材の侵入を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る化学蓄熱システムの概略構成を示す全体図である。 本発明の第1実施形態に係る反応器の内部の構成図である。 本発明の第1実施形態に係る蓄熱材の一部を構成する蓄熱粒子について、平均粒子径を測定する方法を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る化学蓄熱システムにおける蓄熱材の反応平衡線及び水の気液平衡線を温度と平衡圧との関係で示す線図である。 本発明の第1実施形態に係るフィルタの開口率を29%、46%と変えたときの時間に対する蓄熱材の温度の変化の違いを示すグラフである。 (A)本発明の第1実施形態に係る化学蓄熱システムにおいて水和反応による熱媒の加熱状態を示す説明図である。(B)本発明の第1実施形態に係る化学蓄熱システムにおいて熱媒による加熱で脱水反応を行うときの凝縮状態を示す説明図である。 (A)、(B)本発明の第2実施形態に係るフィルタの縦断面図及び下面図である。 (A)、(B)本発明の第3実施形態に係るフィルタの縦断面図及び下面図である。 本発明の第1〜第3実施形態に係る蓄熱材の各粒径における割合を示すグラフである。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムの一例について説明する。
(全体構成)
図1には、第1実施形態の一例としての化学蓄熱システム10の概略構成が示されている。化学蓄熱システム10は、水(HO)の蒸発、凝縮が行われる蒸発部の一例としての蒸発凝縮器12と、後述する蓄熱材30の水和反応又は脱水反応が行われる化学蓄熱反応器の一例としての反応器20と、を有している。さらに、化学蓄熱システム10は、蒸発凝縮器12及び反応器20に接続され、これらの内部を連通させる水蒸気流路14を有している。なお、本実施形態では一例として、化学蓄熱システム10を自動車(図示省略)に適用している。
蒸発凝縮器12は、貯留した水を蒸発させて反応器20に供給する(水蒸気を生成する)蒸発部、反応器20から導入された水蒸気を凝縮する凝縮部、及び水蒸気が凝縮された水を貯留する貯留部としての各機能を兼ね備えている。また、蒸発凝縮器12は、内部に水を貯留した貯留容器16を有している。貯留容器16内には、水蒸気の凝縮用の冷媒が流れる冷媒流路17及び水の蒸発用のヒータ18が設けられている。冷媒流路17は、貯留容器16内における少なくとも気相部16Aを含む部分で熱交換を行うように設けられている。ヒータ18は、貯留容器16内における少なくとも液相部(貯留部)16Bを含む部分で通電により加熱を行うように設けられている。
水蒸気流路14には、蒸発凝縮器12(貯留容器16)と反応器20(後述する反応容器22)との連通、非連通を切り替えるための開閉弁19が設けられている。貯留容器16、反応容器22、水蒸気流路14、及び開閉弁19は、互いの接続部位が気密に構成されており、これらの内部空間が予め真空脱気されている。
(要部構成)
次に、反応器20について説明する。
図2に示すように、反応器20は、水蒸気流路14から水蒸気Wが流れる流路23を備えた容器の一例としての反応容器22を有している。反応容器22には、内部を熱媒体(以後、熱媒といい、図示は省略する)が流れる媒体流路の一例としての熱媒流路24、25が隣接している。さらに、反応器20は、反応容器22内において流路23の熱媒流路24、25側にそれぞれ設けられた蓄熱材30と、流路23と蓄熱材30との間にそれぞれ配置されたフィルタ40とを有している。
なお、以後の説明では、反応器20において、流路23から水蒸気流路14への水蒸気Wの流出方向を+X方向、水蒸気流路14から流路23への水蒸気Wの流入方向を−X方向と記載する。また、反応器20の上方向を+Y方向、下方向を−Y方向と記載する。さらに、反応器20の手前側から奥側へ向かう方向を+Z方向、反応器20の奥側から手前側へ向かう方向を−Z方向と記載する。そして、各方向において+、−の区別をしない場合は、単にX、Y、Z方向と記載する。X、Y、Z方向は、それぞれ直交している。
流路23は、反応容器22内のY方向中央でX方向に沿って延びている。そして、反応容器22内では、流路23からそれぞれ+Y方向、−Y方向に向けて、フィルタ40、蓄熱材30の順で積層されている。反応容器22の+Y方向側には、熱媒流路24が隣接して配置されており、反応容器22の−Y方向側には、熱媒流路25が隣接して配置されている。なお、本実施形態では一例として、X−Y面が鉛直面となるように反応器20が配置されているが、X−Y面が水平面となるように反応器20を配置してもよい。
熱媒流路24、25は、一例として、角筒状のステンレス鋼で構成されており、+X方向側に形成され熱媒が流入する扁平矩形状の流入口24A、25Aと、−X方向側に形成され熱媒が流出する扁平矩形状の流出口24B、25Bとを有している。なお、流入口24A、25Aから熱媒流路24、25内への熱媒の流入を矢印Aで示しており、熱媒流路24、25内から流出口24B、25Bへの熱媒の流出を矢印Bで示している。矢印A、Bの方向は、一例として、X方向に沿っている。
熱媒は、蓄熱材30から得た熱を加熱対象に輸送するためのものであり、本実施形態では、熱媒の一例として、自動車(図示省略)のエンジンオイルを用いている。なお、熱媒の他の例として、水等の流体を用いてもよい。また、熱媒としての流体ではなく触媒を用いて、この触媒を温めるようにしてもよい。
反応容器22は、一例として、直方体状の容器で構成されている。そして、反応容器22は、蓄熱材30の−Y方向側でX−Z面に沿った底壁22Aと、底壁22Aの+X方向側、−X方向側で+Y方向に直立する側壁22B、22Cと、側壁22B及び側壁22Cの上端を繋ぎ底壁22Aと対向する天井壁22Dとを有している。
また、反応容器22は、−Z方向側で+Y方向に直立する前壁(図示省略)と、+Z方向側で+Y方向に直立する後壁(図示省略)とを有している。さらに、側壁22BのY方向中央部には、+X方向側に開口した開口部22Eが形成されている。開口部22Eは、流路23における水蒸気Wの入口及び出口となっており、開口部22Eには、水蒸気流路14の−X方向側の一端が気密状態で接続されている。
蓄熱材30は、一例として、アルカリ土類金属の酸化物の1つである酸化カルシウム(CaO)の成形体が用いられている。この成形体は、例えば、酸化カルシウム蓄熱粒子をバインダ(例えば粘土鉱物等)と混練し、焼成することで、略矩形ブロック状に形成されている。即ち、蓄熱材30は、酸化カルシウムを含む蓄熱粒子P(図3参照)の集合体を含んでおり、蓄熱粒子Pとは、造粒(乾式微粉砕)後の二次粒子である。また、蓄熱材30は、一例として、反応容器22の底壁22Aの上面、天井壁22Dの下面にそれぞれ密着した状態で配置(挿入)されている。
図3に示すように、蓄熱材30の1つの蓄熱粒子Pの粒径[μm]の測定方法としては、一例として、蓄熱材30を切断した切断面を走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立ハイテクノロジーズ製;SEM)で観察する。そして、観察した1つの蓄熱粒子Pについて外接円Eを決定し、この外接円Eの直径D[μm]を測定することで、1つの蓄熱粒子Pの粒径D[μm]が得られる。
ここで、蓄熱材30の平均粒子径Da[μm]とは、一例として、個数N(例えば100個)の蓄熱粒子Pについてそれぞれ得られた粒径D[μm]の合計値を、個数Nで除した平均値である。図9には、蓄熱材30(図3参照)の各粒径[μm]における割合(全個数に対する各粒径の個数の比率)[%]がグラフで示されており、本実施形態では、一例として、蓄熱材30の平均粒子径Daが120[μm]となっている。
図2に示す反応器20において、蓄熱材30は、水和に伴って放熱(発熱)し、脱水に伴って蓄熱(吸熱)するものである。即ち、反応器20内において、蓄熱材30は、以下に示す反応で放熱、蓄熱を可逆的に繰り返し得る構成とされている。
CaO + HO ⇔ Ca(OH)
この式に発熱量Q、蓄熱量Qを併せて示すと、
CaO + HO → Ca(OH) + Q
Ca(OH) + Q → CaO + H
となる。なお、蓄熱材30の1[kg]当たりの蓄熱容量は、一例として、1.86[MJ/kg]とされている。
図4には、PT線図に示された圧力平衡点における化学蓄熱システム10(図1参照)のサイクルが示されている。図4において、上側の等圧線が脱水(吸熱)反応を示し、下側の等圧線が水和(発熱)反応を示している。このサイクルでは、例えば、蓄熱材30(図2参照)の温度が410[℃]で蓄熱された場合、水蒸気W(図2参照)は、50[℃]が平衡温度となる。そして、化学蓄熱システム10では、水蒸気Wは、蒸発凝縮器12(図1参照)において冷媒流路17(図1参照)の冷媒との熱交換によって50[℃]以下に冷却され、凝縮されて水になる。
一方、ヒータ18(図1参照)により加熱を行うことで、該ヒータ18の温度に応じた蒸気圧の水蒸気Wが発生する。例えば、図4のサイクルにおいて、5[℃]で水蒸気Wを発生させる場合、蓄熱材30は、315[℃]で放熱することが解る。このように、内部が真空脱気されている化学蓄熱システム10では、5[℃]付近の低温熱源から熱を汲み上げて、315[℃]もの高温を得ることができる。
(フィルタ)
次に、フィルタ40について説明する。
図2の一点鎖線で囲んだ領域C内には、フィルタ40を流路23側から+Y方向に見た下面図が模式的に示されている。フィルタ40は、1枚の板状に形成された単体の金属箔で構成されており、一例として、厚さ100[μm]のステンレス箔が用いられている。そして、フィルタ40には、Y方向を中心軸方向として貫通した断面円形の複数の貫通孔42が形成されている。なお、フィルタ40のX方向の両端部及びZ方向の両端部と、反応容器22の内壁との間は、一例として、溶接によりシールされている。シールの他の例として、高温用接着材(アロンセラミック)を用いてもよい。
複数の貫通孔42は、一例として、ステンレス箔にフォトレジスト法によりパターンを形成した後、エッチング溶液で溶解するエッチング加工で形成されている。また、複数の貫通孔42は、一例として、X方向の配列のピッチとZ方向の配列のピッチが共にLである二次元配列となっている。そして、複数の貫通孔42は、孔径d[μm](直径)が同じ大きさに揃えられている。複数の貫通孔42の孔径dは、後述するように、蓄熱材30を構成する蓄熱粒子P(図3参照)の平均粒子径Da[μm]の5倍以下で設定されており、ここでは一例として、孔径dが500[μm]となっている。
なお、フィルタ40の開孔率K[%]は、孔径d、ピッチLの丸孔並列配置であるものとして、K=100×π×(d/4)/Lで求められる。そして、フィルタ40では、水蒸気Wの拡散が十分行われるようにするため、後述するように、開孔率Kが30[%]以上となることが好ましい。これにより、複数の貫通孔42のピッチLは、開孔率Kが30[%]以上となるように設定されている。
図5には、脱水反応時の反応開始時点から経過した時間に対する蓄熱材30(図2参照)の温度[℃]上昇のグラフG1、G2が示されている。グラフG1は、フィルタの開孔率Kが46[%]の場合であり、グラフG2は、フィルタの開孔率Kが29[%]の場合である。また、図5には、グラフG1において開始時点から設定温度(例えば、360[℃])に到達するまでの時間がt1で示され、グラフG2において開始時点から設定温度(例えば、360[℃])に到達するまでの時間がt2で示されている。
グラフG1、G2から分かるように、開孔率Kが小さいほど、設定温度(例えば、360[℃])までの温度上昇時間が長い(t1<t2)。即ち、開孔率Kが小さいほど、反応速度が遅くなる。これは、開孔率Kが小さいことで水蒸気Wの拡散速度が低下するためと考えられる。なお、開孔率Kは、一例として、30[%]以上であることが好ましい。
ここで、図1に示す反応器20において、蓄熱材30の蓄熱粒子P(図3参照)の平均粒子径Daを120[μm]とし、フィルタ40の貫通孔42の孔径dを540、580、600、620、660[μm]と変えて、水和反応時の蓄熱材30の漏れ評価を行った。この蓄熱材30の漏れ評価結果を貫通孔42の開口面積と共に表1に示す。なお、蓄熱粒子Pの漏れとは、流路23への蓄熱粒子Pの侵入を意味している。蓄熱材30の漏れ評価は、水和反応後に反応容器22内からフィルタ40を取り外し、フィルタ40の流路23側を目視することで行った。また、漏れ評価は、目視で蓄熱粒子Pが明らかに確認されたものを×、蓄熱粒子Pがほとんど確認されなかったものを○とした。
表1に示すように、フィルタ40の孔径dを蓄熱材30の蓄熱粒子Pの平均粒子径Daで除した比率(以後、比率Rという)が5.0よりも大きい場合は、漏れ評価結果がNGであり、比率Rが5.0以下の場合は、漏れ評価結果がOKとなることが分かった。このため、本実施形態では、既述のように、蓄熱材30の平均粒子径Da=120[μm]に対し、フィルタ40の孔径d=500[μm]としている。
(比較例)
次に、比較例について説明する。
比較例の反応器(図示省略)は、フィルタを除く他の構成が本実施形態の反応器20と同様の構成となっており、比較例のフィルタに形成された貫通孔の孔径が650[μm]に設定されているものとする。このため、本実施形態と同様の部材については、本実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
比較例の反応器では、蓄熱材30が水和反応により膨張したとき、この膨張が反応容器22で拘束され、蓄熱材30の一部(流路23側)が蓄熱粒子Pとなる(粉体化する)。ここで、比較例の貫通孔の孔径が、蓄熱材30の平均粒子径の5倍である600[μm]よりも大きいので、蓄熱粒子Pは、貫通孔を通して流路23内へ侵入することになる(表1参照)。そして、流路23内に侵入した蓄熱粒子Pは、堆積して流路23を塞ぎ、水蒸気W(図2参照)の流量を減少させることになる。
(作用)
次に、第1実施形態の作用について説明する。
(化学蓄熱システムの作用)
図6(A)に示すように、第1実施形態の化学蓄熱システム10において反応器20に蓄熱された熱を放熱する際には、開閉弁19を開放した状態で、蒸発凝縮器12のヒータ18により液相部16Bの水を蒸発させる。そして、生成された水蒸気Wが、水蒸気流路14内を矢印−X方向に移動して、反応器20内に供給される。
続いて、反応器20内では、供給された水蒸気Wが流路23内を流れる。そして、流路23内の水蒸気Wが各フィルタ40を通過して各蓄熱材30と接触することにより、各蓄熱材30は、水和反応を生じつつ放熱する。
続いて、各蓄熱材30において水和反応により生じた熱は、反応容器22を介して熱媒流路24、25へ伝導し、熱媒流路24、25内を流れる熱媒(図示省略)によって加熱対象に輸送される。このようにして、反応器20に蓄熱された熱の放熱が行われる。
一方、図6(B)に示すように、化学蓄熱システム10において反応器20の各蓄熱材30に蓄熱する際には、開閉弁19を開放した状態で、熱媒流路24、25内に熱源(図示省略)によって加熱された熱媒(図示省略)を流通させる。この熱媒によって加熱されることで、各蓄熱材30の脱水反応に要した熱が各蓄熱材30に蓄熱される。
このとき、各蓄熱材30から脱水された水蒸気Wは、各フィルタ40を通り、流路23及び水蒸気流路14を流れ、蒸発凝縮器12内に導入される。そして、蒸発凝縮器12の気相部16Aにおいて、冷媒流路17を流通する冷媒によって水蒸気Wが冷却され、凝縮された水が貯留容器16の液相部16Bに貯留される。このようにして、反応器20における蓄熱が行われる。
ここで、化学蓄熱システム10では、後述するフィルタ40の作用により、水蒸気Wの流路23内への蓄熱材30(蓄熱粒子P)の侵入が抑制されることで、流路23が狭くなることが抑制される。これにより、化学蓄熱システム10では、蓄熱材30に供給される水蒸気Wの量及び蒸発凝縮器12に供給される水蒸気Wの量の低下が抑制されるので、反応器20における蓄熱材30の反応性の低下を抑制することができる。
(フィルタの作用)
図2に示すように、第1実施形態の反応器20では、フィルタ40の貫通孔42の孔径dが、蓄熱材30の平均粒子径に対して5倍以下に設定されている。即ち、反応器20では、貫通孔42の開口面積が、蓄熱粒子P(図3参照)の平均粒子径Da(図示省略)の5倍の孔径の孔の開口面積以下に設定されている。このため、反応器20では、蓄熱材30の水和反応による膨張で蓄熱材30の一部が崩れて蓄熱粒子Pとなっても、貫通孔42を通過する蓄熱粒子Pの数が既述の比較例に比べて減るので、流路23内への蓄熱粒子Pの侵入を抑制することができる(表1参照)。
また、第1実施形態の反応器20では、フィルタ40が単一の金属箔(ステンレス箔)で構成されているので、フィルタ40に局所的な応力集中が生じにくく、経時で貫通孔42が変形しにくい(孔径が大きくなりにくい)。これにより、反応器20では、繊維の集合体のような変形しやすいフィルタを用いる構成に比べて、流路23内への蓄熱粒子Pの侵入を抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムの一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図7(A)、(B)に示すように、第2実施形態の化学蓄熱反応器の一例としての反応器50は、第1実施形態の反応器20(図2参照)において、フィルタ40(図2参照)に換えてフィルタ60が設けられた構成となっている。即ち、第2実施形態の反応器50は、フィルタ60を除く他の構成が第1実施形態の反応器20(図2参照)と同様の構成となっている。
フィルタ60は、流路23側に配置された一の板状体の一例としての板状の第1フィルタ62と、蓄熱材30側に配置された他の板状体の一例としての板状の第2フィルタ64とを有している。そして、フィルタ60は、第1フィルタ62と第2フィルタ64とが、後述する第1貫通孔62Aの孔縁と第2貫通孔64Aの孔縁とがずれるように厚み方向に重ねられている。
第1フィルタ62は、一例として、厚さ100[μm]のステンレス箔で構成されており、第1フィルタ62には、Y方向を中心軸方向として貫通した断面円形の複数の第1貫通孔62Aが形成されている。なお、第1フィルタ62のX方向の両端部及びZ方向の両端部と、反応容器22(図2参照)の内壁との間は、一例として、溶接によりシールされている。シールの他の例として、高温用接着材(アロンセラミック)を用いてもよい。また、複数の第1貫通孔62Aは、一例として、既述のエッチング加工で形成されている。
第2フィルタ64は、一例として、厚さ300[μm]のステンレス箔で構成されており、第2フィルタ64には、Y方向を中心軸方向として貫通した断面円形の複数の第2貫通孔64Aが形成されている。なお、第2フィルタ64のX方向の両端部及びZ方向の両端部と、反応容器22(図2参照)の内壁との間は、一例として、溶接によりシールされている。シールの他の例として、高温用接着材(アロンセラミック)を用いてもよい。また、複数の第2貫通孔64Aは、一例として、既述のエッチング加工で形成されている。
複数の第1貫通孔62Aの孔径d1は、複数の第2貫通孔64Aの孔径d2よりも小さくなっている。また、複数の第1貫通孔62Aのピッチは、複数の第2貫通孔64Aのピッチよりも小さくなっている。そして、フィルタ60は、既述のように、第1貫通孔62Aの孔縁と第2貫通孔64Aの孔縁とがX方向にずれることで、Y方向に見て、開口面積が異なる複数の貫通孔66(一例として、符号66A、66B、66C、66D、66Eで示す)が形成されている。
貫通孔66A、66B、66C、66D、66Eは、いずれも紡錘形に近い形状であり、一例として、貫通孔66Aの開口面積が一番大きく、2.8×10[μm]となっている。なお、各貫通孔66の開口面積を求める方法は、一例として、貫通孔66を第1貫通孔62A側と第2貫通孔64A側とに分割してそれぞれ開口面積を求め、これらを合計する方法がある。
ここで、貫通孔66Aの開口面積は、第1実施形態の貫通孔42(図2参照)の開口面積と同程度の大きさとなっている。即ち、フィルタ60において、最も大きい開口面積は、蓄熱材30の平均粒子径Da[μm]の5倍に相当する孔径の貫通孔の開口面積とほぼ同じである。また、フィルタ60の開口率Kは、一例として30[%]に設定してある。
(作用)
次に、第2実施形態の作用について説明する。
表2には、フィルタ60の複数の貫通孔66の開口面積のうち、最も大きい開口面積の貫通孔66Aについて、開口面積の値を変化させたときの水和反応時の蓄熱材30の漏れ評価結果が示されている。なお、蓄熱材30の漏れ評価方法は、第1実施形態と同様の方法であるため、説明を省略する。
表2に示すように、貫通孔66の開口面積が2.8×10[μm]よりも大きい場合は、漏れ評価結果がNGであり、貫通孔66の開口面積が2.8×10[μm]以下の場合は、漏れ評価結果がOKとなることが分かった。
このように、第2実施形態の反応器50では、フィルタ60の最大の開口面積となる貫通孔66Aの開口面積が、蓄熱材30の平均粒子径Daに対して5倍となる孔径の貫通孔の開口面積とほぼ同じに設定されている。このため、反応器50では、蓄熱材30の水和反応による膨張で蓄熱材30の一部が崩れて蓄熱粒子Pとなっても、既述の比較例に比べて、流路23内への蓄熱材30(蓄熱粒子P)の侵入を抑制することができる。
また、第2実施形態の反応器50では、第1フィルタ62及び第2フィルタ64が、それぞれ単一の金属箔(ステンレス箔)で構成されているので、フィルタ60に局所的な応力集中が生じにくく、経時で貫通孔66が変形しにくい(孔径が大きくなりにくい)。これにより、反応器50では、繊維の集合体のような変形しやすいフィルタを用いる構成に比べて、流路23内への蓄熱粒子Pの侵入を抑制することができる。
さらに、第2実施形態の反応器50では、第1貫通孔62Aの孔縁と第2貫通孔64Aの孔縁とがずれるように第1フィルタ62と第2フィルタ64とを重ねることで、第1貫通孔62A及び第2貫通孔64Aの孔径よりも小さい孔径の貫通孔66が形成される。これにより、反応器50では、単一のフィルタに形成可能な貫通孔の孔径に製造上の下限がある場合でも、水蒸気Wの流路23内への蓄熱材30の侵入を抑制することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る化学蓄熱反応器及び化学蓄熱システムの一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図8(A)、(B)に示すように、第3実施形態の反応器70は、第1実施形態の反応器20(図2参照)において、フィルタ40(図2参照)に換えてフィルタ80が設けられた構成となっている。即ち、第3実施形態の反応器70は、フィルタ80を除く他の構成が第1実施形態の反応器20(図2参照)と同様の構成となっている。
フィルタ80は、流路23側に配置された一の板状体の一例としての板状の第1フィルタ82と、蓄熱材30側に配置された他の板状体の一例としての板状の第2フィルタ84とを有している。そして、フィルタ80は、第1フィルタ82と第2フィルタ84とが、後述する第1貫通孔82Aの孔縁と第2貫通孔84Aの孔縁とがずれるように厚み方向に重ねられている。
第1フィルタ82は、一例として、厚さ100[μm]のステンレス箔で構成されている。そして、第1フィルタ82には、X方向を長手方向としてY方向に貫通しZ方向に間隔をあけて配置された長孔状の複数の第1貫通孔82Aが形成されている。なお、第1フィルタ82のX方向の両端部及びZ方向の両端部と、反応容器22(図2参照)の内壁との間は、一例として、溶接によりシールされている。シールの他の例として、高温用接着材(アロンセラミック)を用いてもよい。また、複数の第1貫通孔82Aは、一例として、既述のエッチング加工で形成されている。
第2フィルタ84は、一例として、厚さ150[μm]のステンレス箔で構成されている。そして、第2フィルタ84には、Z方向を長手方向としてY方向に貫通しX方向に間隔をあけて配置された楕円形の複数の第2貫通孔84Aが形成されている。なお、第2フィルタ84のX方向の両端部及びZ方向の両端部と、反応容器22(図2参照)の内壁との間は、一例として、溶接によりシールされている。シールの他の例として、高温用接着材(アロンセラミック)を用いてもよい。また、複数の第2貫通孔84Aは、一例として、既述のエッチング加工で形成されている。
複数の第1貫通孔82Aと複数の第2貫通孔84Aとは、Y方向に見て格子状に配置されている。そして、フィルタ80には、複数の第1貫通孔82Aと複数の第2貫通孔84Aとが一部で重なることで、開口面積が異なる複数の貫通孔86(一例として、符号86A、86B、86C、86D、86E、86F、86G、86H、86Iで示す)が形成されている。
貫通孔86A、86B、86C、86D、86E、86F、86G、86H、86Iは、異なる開口形状であり、一例として、貫通孔86B、86E、86Hの開口面積が一番大きく、2.8×10[μm]となっている。なお、貫通孔86B、86E、86Hの開口面積は、第1実施形態の貫通孔42(図2参照)の開口面積と同程度の大きさとなっている。即ち、フィルタ80において、最も大きい開口面積は、蓄熱材30の平均粒子径Da[μm]の5倍に相当する孔径の貫通孔の面積とほぼ同じとなっている。また、フィルタ80の開口率は、一例として、30[%]に設定してある。
(作用)
次に、第3実施形態の作用について説明する。
表3には、フィルタ80の複数の貫通孔86の開口面積のうち、最も大きい開口面積の貫通孔86B、86E、86Hについて、開口面積の値を変化させたときの水和反応時の蓄熱材30の漏れ評価結果が示されている。なお、蓄熱材30の漏れ評価は、第1実施形態と同様の方法であるため、説明を省略する。
表3に示すように、貫通孔86の開口面積が2.8×10[μm]よりも大きい場合は、漏れ評価結果がNGであり、貫通孔86の開口面積が2.8×10[μm]以下の場合は、漏れ評価結果がOKとなることが分かった。
このように、第3実施形態の反応器70では、フィルタ80の最大の開口面積となる貫通孔86B、86E、86Hの開口面積が、蓄熱材30の平均粒子径に対して5倍となる孔径の貫通孔の開口面積とほぼ同じに設定されている。このため、反応器70では、蓄熱材30の水和反応による膨張で蓄熱材30の一部が崩れて蓄熱粒子Pとなっても、貫通孔86を通過する蓄熱粒子Pの数が既述の比較例に比べて減るので、流路23内への蓄熱材30の侵入を抑制することができる。
また、第3実施形態の反応器70では、第1フィルタ82及び第2フィルタ84が、それぞれ単一の金属箔(ステンレス箔)で構成されているので、フィルタ80に局所的な応力集中が生じにくく、経時で貫通孔86が変形しにくい(孔径が大きくなりにくい)。これにより、反応器70では、繊維の集合体のような変形しやすいフィルタを用いる構成に比べて、流路23内への蓄熱粒子Pの侵入を抑制することができる。
さらに、第3実施形態の反応器70では、第1貫通孔82Aの孔縁と第2貫通孔84Aの孔縁とがずれるように第1フィルタ82と第2フィルタ84とを重ねることで、第1貫通孔82A及び第2貫通孔84Aの孔径よりも小さい孔径の貫通孔86が形成される。これにより、反応器70では、単一のフィルタに形成可能な貫通孔の孔径に製造上の下限がある場合でも、水蒸気Wの流路23内への蓄熱材30の侵入を抑制することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
反応器20は、反応容器22における水蒸気の流れる方向(矢印X方向)と、熱媒流路24、25の熱媒が流れる方向とが、側面視で直交する配置となっていてもよい。また、ヒータ18に換えて、熱媒が流れる熱媒流路を液相部16Bに配置して水蒸気を発生させるようにしてもよい。さらに、蓄熱材30に隣接してヒータ又は熱媒流路を配置し、蓄熱材30を加熱して脱水反応を生じさせるようにしてもよい。
蓄熱材30の一例として酸化カルシウムを用いたが、水和、脱水による放熱、蓄熱を行う他の化学蓄熱材(例えば、アルカリ土類金属の酸化物)を用いてもよい。さらに、蓄熱材30として成形体を用いた例を示したが、これに限定されず、例えば、粒状に形成された蓄熱材を反応容器22内に充填することで反応器20を構成しても良い。
蓄熱材30の他の例として、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水酸化バリウム(Ba(OH))及びその水和物(Ba(OH)・HO)などのアルカリ土類金属の無機水酸化物や、水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO)などのアルカリ金属の無機水酸化物、酸化アルミニウム三水和物(Al・3HO)などの無機酸化物などを挙げることができる。中でも、脱水反応に伴って吸熱し、水和反応に伴なって放熱する水和反応性蓄熱材が好ましく、特に水酸化カルシウム(Ca(OH))が好ましい。
フィルタに貫通孔を形成する加工方法は、エッチング加工に限らず、精密プレス加工を用いてもよい。また、他の加工方法として、ドリルで孔をあける機械加工や、レーザ光照射によるレーザ加工を用いてもよい。さらに、フィルタに形成される貫通孔の形状は、流路23側と蓄熱材30側の孔径が異なっていてもよい(貫通孔の孔縁の縦断面形状がテーパ状となっていてもよい)。
フィルタ60、80は、2つのフィルタを重ねていたが、重ねる数は2つに限らず、3つ以上のフィルタをY方向で重ねていてもよい。この構成においても、最大の開口面積となる貫通孔(流路23側)に着目して開口面積を設定すればよい。また、反応容器22は、流路23を内包するものに限らず、流路23とは別体として、流路23に隣接して配置されるものであってもよい。
10 化学蓄熱システム
12 蒸発凝縮器(蒸発部の一例)
20 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
22 反応容器(容器の一例)
23 流路
30 蓄熱材
40 フィルタ
42 貫通孔
50 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
62 第1フィルタ(一の板状体の一例)
62A 第1貫通孔
64 第2フィルタ(他の板状体の一例)
64A 第2貫通孔
66 貫通孔
70 反応器(化学蓄熱反応器の一例)
82 第1フィルタ(一の板状体の一例)
82A 第1貫通孔
84 第2フィルタ(他の板状体の一例)
84A 第2貫通孔
86 貫通孔
P 蓄熱粒子
W 水蒸気

Claims (3)

  1. 水蒸気の流路に隣接するように容器内に設けられ、水蒸気による水和反応で発熱し加熱による脱水反応で蓄熱する蓄熱粒子の集合体を含む蓄熱材と、
    前記流路と前記蓄熱材との間に配置され、前記蓄熱粒子の平均粒子径の5倍の孔径の孔の開口面積以下の開口面積を有する貫通孔が形成された板状体であり、前記流路内への前記蓄熱粒子の侵入を規制すると共に前記流路と前記蓄熱材との間での水蒸気の移動を許容するフィルタと、
    を有する化学蓄熱反応器。
  2. 第1貫通孔が形成された一の板状体と第2貫通孔が形成された他の板状体とが、該第1貫通孔の孔縁と該第2貫通孔の孔縁とがずれるように厚み方向に重ねられて前記フィルタが構成されている請求項1に記載の化学蓄熱反応器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の化学蓄熱反応器と、
    前記容器に気密状態で連通され、水蒸気を前記容器に供給する蒸発部と、
    を有する化学蓄熱システム。
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