以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われたりするなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽したりすることはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(この実施の形態では、技球が第1始動入賞口13を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、第1保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(この実施の形態では、遊技球が第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、第2保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14を総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。そのように、この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)。なお、合算保留記憶表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技領域7の左右にそれぞれ設けられたゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。なお、この実施の形態では、確変状態に制御されるときには、図柄の変動時間が短縮されている高ベース状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)にも制御される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球(アウト球)が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レール(図示せず)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、大当り(15R確変大当りまたは突然確変大当り)となった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開放状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開放状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったりする場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉鎖放状態から開放状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグ、時短フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図3参照)、図2では図示を省略している。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて発光体(本例では、枠LED28)に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R確変大当り、突然確変大当りまたははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図10参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「1☆5」や「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS23)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS23において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「1☆5」や「135」)が停止表示される場合もある)。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれ及び非リーチはずれが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、短縮ノーマルはずれ、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ及び特殊はずれが用意されている。なお、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。また、図6に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれと短縮ノーマルはずれとは、それぞれ非リーチはずれとノーマルはずれとに対応して設けられた、非リーチはずれまたはノーマルはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が当り(15R確変大当りまたは突然確変大当り)になる場合に対応した変動パターンとして、非リーチ当り、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当り、擬似連3スーパー当り及び特殊当りが用意されている。なお、図6において、非リーチ当りは、確変状態中に突然確変大当りとなる場合に使用される短縮用の変動パターンである。短縮用の変動パターンである非リーチ当りは、リーチ演出等が含まれず、特別図柄の可変表示結果が当りになる場合に対応した他の変動パターン(ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当り及び擬似連3スーパー当り)に比べて変動時間が短い。また、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマル当りを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパー当りを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパー当りを用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図6に示す変動パターンのうち、特殊はずれ及び特殊当りは、確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示で用いられる。この実施の形態では、大当り遊技の終了後に遊技状態が確変状態に移行される。そして、確変状態に移行された後、変動表示が特別回数(本例では70回)行われると確変状態が終了する(すなわち遊技状態が通常状態に移行される)。したがって、変動パターン「特殊はずれ」は、確変状態に移行された後に行われる70回目の変動表示(すなわち確変状態で行われる最後の変動表示)の表示結果がはずれであるときに用いられる。また、変動パターン「特殊当り」は、確変状態に移行された後に行われる70回目の変動表示(すなわち確変状態で行われる最後の変動表示)の表示結果が当り(15R確変大当りまたは突然確変大当り)であるときに用いられる。図6に示すように、特殊当り(20秒)は、特殊はずれ(10秒)よりも変動時間が長くなるように設定されている。また、特殊はずれ(10秒)は、短縮非リーチはずれ(2秒)および非リーチはずれ(6秒)より変動時間が長くなるように設定されている。このように変動時間が設定されることによって、確変状態で行われる最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)は、確変状態で行われる他の変動表示と比べると、表示結果が同じはずれであっても、変動時間が長くなる。そのため、確変状態で行われる最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)では、大当りとなって欲しいという遊技者の思いは当然に強くなると考えられるが、変動時間が長くなることによって期待感を持続させることができる。さらに、確変状態では始動入賞口14に入賞しやすい状態に制御されるため、確変状態で行われる最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)の変動時間が長くなることによって、変動停止後に通常状態に移行されるまでに保留記憶数を増やしやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連(3回)ありのスーパーリーチの場合には変動時間が40秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチの場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン決定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン決定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、遊技状態に応じて変動パターン決定テーブルが選択され、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、選択した変動パターン決定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定される。このように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態や時短状態(すなわち、確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当りまたは突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して15個の判定値が割り当てられている(40分の15の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。
また、図8(D),(E)に示すように、この実施の形態では、大当り種別判定テーブル131bの方が、大当り種別判定テーブル131aと比較して、「15R確変大当り」に対して多くの判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、有利な「15R確変大当り」となる割合が高い。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較し有利となる場合を示したが、例えば、大当り種別判定テーブル131aと大当り種別判定テーブル131bとの割り振りを同じにして、第1特別図柄の変動表示を行う場合と第2特別図柄の変動表示を行う場合とで有利度が同じになるように構成してもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」および「突然確変大当り」の2種類である場合を示しているが、2種類に限らず、例えば、3種類以上であってもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS166参照)。そして、確変状態に移行された後、変動表示が特別回数(この実施の形態では70回)行われると確変状態および時短状態が終了する(ステップS167,S169b,S141a〜S144a,S141b〜S144b参照)。なお、変動表示が特別回数行われる前であっても、次の大当りが発生した場合にも、確変状態および時短状態が終了する(ステップS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「15R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS166参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を特別回数(この実施の形態では70回)終了すると確変状態が終了する(ステップS167,S141a〜S144a参照)。ただし、この実施の形態では、突然確変大当りによる大当り遊技状態の終了後の確変状態が終了しても、時短状態は継続される(高確率状態から低確率状態に移行するものの高ベース状態は継続される)。そして、確変状態が終了した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では30回)終了すると時短状態も終了する。すなわち、この実施の形態では、突然確変大当りによる大当り遊技状態の終了後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了するまでは、時短状態(高ベース状態)に制御される(ステップS169a,S141b〜S144b参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、確変状態および時短状態を終了する(ステップS132参照)。
なお、この実施の形態では、説明を簡略化するために、図8(D),(E)に示すように、大当り種別が15R確変大当りと突然確変大当りとのいずれであるかに応じて、大当り遊技状態終了後に時短状態に制御される回数が定められているが(本例では、15R確変大当りでは70回、突然確変大当りでは100回)、これに限らず、大当り遊技状態終了後に時短状態に制御される回数を、乱数等を用いて都度決定するようにしてもよい。この場合、大当り種別に応じて異なる割合で時短回数を決定することが望ましい。例えば、大当り種別が15R確変大当りの場合には、時短回数70回と100回とのうち、70回に決定される割合が高く、突然確変大当りの場合には、100回に決定される割合が高くするようにする。このように、突然確変大当りの場合には、15R確変大当りの場合に比べて時短回数が多くなる割合が高くなるように構成することによって、15R確変大当りよりも不利な突然確変大当りに制御されることの落胆を軽減することができる。なお、この実施の形態では、設定される時短回数は70回と100回との2種類であるが、これに限らず3種類以上であってもよい。また、大当り種別に関わらず、同じ時短回数に設定されるようにしてもよい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9は、ROM54に記憶されている変動パターン決定テーブルを示す説明図である。変動パターン決定テーブルは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。また、この実施の形態では、遊技状態に応じて、図9(A)〜(D)のうちのいずれかの変動パターン決定テーブルが選択され、選択された変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンが決定される。具体的には、確変状態以外の遊技状態(通常状態、または確変状態でない時短状態)である場合には、図9(A)に示す通常時用変動パターン決定テーブルが用いられる。また、確変状態に制御される期間のうちの第1確変期間(詳細については後述する)では、図9(B)に示す第1確変期間用変動パターン決定テーブルが用いられる。また、確変状態に制御される期間のうちの第1確変期間よりも後の第2確変期間(詳細については後述する)であって、確変状態における変動表示が特別回数目(本例では70回目)でない場合には、図9(C)に示す第2確変期間用変動パターン決定テーブルが用いられる。また、確変状態に制御される期間のうちの第2確変期間であって、確変状態における変動表示が特別回数目(本例では70回目)である場合には、図9(D)に示す確変特別回数時用変動パターン決定テーブルが用いられる。
図9に示すように、各変動パターン決定テーブルは、「15R確変大当り」フィールド、「突然確変大当り」フィールドおよび「はずれ」フィールドを有する。例えば、可変表示結果を15R確変大当りにする旨の判定がなされたときには、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)と「15R確変大当り」フィールドの値とにもとづいて決定される。また、可変表示結果を突然確変大当りにする旨の判定がなされたときには、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)と「突然確変大当り」フィールドの値とにもとづいて決定される。また、可変表示結果をはずれにする旨の判定がなされたときには、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)と「はずれ」フィールドの値とにもとづいて決定される。なお、変動パターン決定テーブルは、フィールドごとに各変動パターンに対応する判定値が割り当てられているが、図9に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。したがって、図9に示す例では、各フィールドにおける変動パターンに対応する数値は、その変動パターンが選択される割合(%)を示している。
図9(A)〜(C)に示す変動パターン決定テーブルによると、15R確変大当り時には、ノーマルリーチよりもスーパーリーチを伴う変動パターンが選択される割合が高く、はずれの時には、スーパーリーチよりもノーマルリーチを伴う変動パターンが選択される割合が高いため、ノーマルリーチよりもスーパーリーチが実行される変動パターンが選択されたときの方が大当りとなる割合が高くなる。また、15R確変大当り時には、擬似連の回数が多い変動パターンが選択される割合が高く、はずれの時には、擬似連の回数が少ない変動パターンが選択される割合が高いため、同じノーマルリーチやスーパーリーチが実行される場合であっても、擬似連の回数が多い方が大当りとなる割合が高くなる。
この実施の形態では、確変状態に制御される変動回数に限りがあるため(本例では70回)、確変状態に制御される変動回数の残り具合に応じて遊技者の心境は変化すると考えられる。具体的には、残りの変動回数が多いとき(例えば、確変状態に制御される期間のうちの前半部分)には、遊技者は、突然確変大当りよりも有利な15R確変大当りとなることを望むと考えられる。しかし、残りの変動回数が少なくなると(例えば、確変状態に制御される期間のうちの後半部分)、遊技者は突然確変大当りよりも15R確変大当りとなることを望むものの、確変状態が終了する前に突然確変大当りでも良いから当って欲しいという心境に変化すると考えられる。すなわち、突然確変大当りは、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できないため、確変状態に制御される残りの変動回数が多いとき(例えば、確変状態に制御される期間のうちの前半部分)には重宝されない。しかし、突然確変大当りは、大当り遊技後に新たに確変状態に制御されるため、残りの変動回数が少ないとき(例えば、確変状態に制御される期間のうちの後半部分)には重宝される。以上のことから、この実施の形態では、確変状態に制御される期間のうちのどの期間であるかに応じて、突然確変大当りが発生することによって新たに確変状態に制御されること(つまり、確変状態をやり直すことともいえる)に対する遊技者の捉え方が変化すると考えられる。なお、確変状態に制御される残りの変動回数が少ないとき(例えば、確変状態に制御される期間のうちの後半部分)には、残りの変動回数が多いときに比べて、突然確変大当りに関わらず、当って欲しいという遊技者の思いは当然に強くなると考えられる。
図9(A)〜(C)に示す変動パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、通常時用変動パターン決定テーブルは、突然確変大当りの場合に、ノーマル当り〜擬似連3スーパー当りのいずれかの変動パターンに決定されるように判定値が割り当てられているが、第1確変期間用変動パターン決定テーブルは、突然確変大当りの場合には、ノーマル当り〜擬似連3スーパー当りの変動パターンに比べて変動時間が短い短縮用の変動パターン「非リーチ当り」にのみ決定されるように判定値が割り当てられていることである。このように設定されることで、突然確変大当りは、確変状態でない場合には、リーチ演出等が行われた後に発生するが、確変状態にされる期間のうちの前半部分(以下、第1確変期間ともいう)では、リーチ演出等が行われることなく比較的短い変動時間の後に発生することになる。
また、図9(A)〜(C)に示す変動パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、第2確変期間用変動パターン決定テーブルは、第1確変期間用変動パターン決定テーブルよりも、突然確変大当りの場合に、短縮用の変動パターン「非リーチ当り」に決定される割合が低くなるように判定値が割り当てられていることである。このように設定されることで、確変状態にされる期間のうちの後半部分(以下、第2確変期間ともいう)では、第1確変期間に比べて、リーチ演出等が行われることなく比較的短い変動時間の後に突然確変大当りが発生する割合が低くなる。
以上のような図9(A)〜(C)に示す変動パターン決定テーブルの特徴から、この実施の形態では、突然確変大当りは、突然確変大当りが重宝されない第1確変期間においては、リーチ演出等が行われることなく比較的短い変動時間であっさり発生するが、突然確変大当りが重宝される第2確変期間においては、そのようにあっさり発生する割合が低くなり、比較的長めの変動時間でリーチ演出等が行われた後に発生する割合が高くなる。そのため、確変状態に制御される期間のうちのどの期間であるかに応じて(すなわち遊技者の心境に応じて)、突然確変大当りに制御されるときの変動時間が異なるため、遊技興趣を向上させることができる。つまり、突然確変大当りが重宝されない第1確変期間において、長めの変動時間でリーチ演出等が行われた後に突然確変大当りが発生するということが起こらないようにすることができるともいえる。なお、第2確変期間においては突然確変大当りが重宝されると表現しているが、これは、第1確変期間において発生した突然確変大当りよりも有利な遊技状態に制御されるというわけではなく、遊技者の捉え方が変化したために、そのように感じるという意味である。
また、図9(A)〜(C)に示す変動パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、通常時用変動パターン決定テーブルは、他の変動パターンに比べて変動時間が短く設定された短縮用の変動パターン(短縮非リーチはずれ、短縮ノーマルはずれ及び非リーチ当り)に決定されないように判定値が割り当てられているが、第1確変期間用変動パターン決定テーブル及び第2確変期間用変動パターン決定テーブルは、短縮用の変動パターン(短縮非リーチはずれ、短縮ノーマルはずれ及び非リーチ当り)に決定されることがあるように判定値が割り当てられていることである。具体的には、図9に示す例では、通常用変動パターン決定テーブルにおいて短縮用の変動パターン(短縮非リーチはずれ、短縮ノーマルはずれ及び非リーチ当り)に決定される割合を示す短縮用変動決定割合は、15R確変大当り、突然確変大当りおよびはずれのいずれについても0(%)である。これに対して、第1確変期間用変動パターン決定テーブル及び第2確変期間用変動パターン決定テーブルにおいて短縮用の変動パターン(短縮非リーチはずれ、短縮ノーマルはずれ及び非リーチ当り)に決定される割合を示す短縮用変動決定割合は、15R確変大当りについては0(%)であるが、突然確変大当りおよびはずれについては0(%)ではない。つまり、第1確変期間用変動パターン決定テーブル及び第2確変期間用変動パターン決定テーブルは、突然確変大当りまたははずれの場合に、一定の割合で短縮用の変動パターン(短縮非リーチはずれ、短縮ノーマルはずれ及び非リーチ当り)が選択されるように判定値が割り当てられている。既に説明したように、この実施の形態では、確変状態に移行されると、同時に時短状態(高ベース状態)にも移行される。そのため、上記のように設定されることによって、第1確変期間用変動パターン決定テーブルまたは第2確変期間用変動パターン決定テーブルが用いられる確変状態(時短状態)では、変動時間が短い短縮用の変動パターンが選択される割合が高くなり、通常状態に比べて、同じ遊技時間でも多くの変動表示を効率的に実行することができる。
また、図9(A)〜(C)に示す変動パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1確変期間用変動パターン決定テーブルは、第2確変期間用変動パターン決定テーブルよりも短縮用の変動パターン(短縮非リーチはずれ、短縮ノーマルはずれ及び非リーチ当り)に決定される割合が高くなるように判定値が割り当てられていることである。具体的には、図9に示す例では、第1確変期間用変動パターン決定テーブルにおいて短縮用の変動パターンに決定される割合を示す短縮用変動決定割合は、突然確変大当りについては100(%)であり、はずれについては65(%)である。これに対して、第2確変期間用変動パターン決定テーブルにおいて短縮用の変動パターンに決定される割合を示す短縮用変動決定割合は、突然確変大当りについては20(%)であり、はずれについては15(%)である。このように設定されることによって、確変状態であっても、第1確変期間と第2確変期間とで短縮用の変動パターンが選択される割合が異なり、第2確変期間では第1確変期間に比べて短縮用の変動パターンが選択される割合が低くなる。したがって、突然確変大当りに関わらず、当って欲しいという遊技者の思いが強くなる第2確変期間においては、変動時間が長い変動パターンが選択される割合が高くなるため、1つの変動表示に時間をかけて実行する割合が高くなり、遊技興趣を高めることができる。また、逆に第1確変期間においては、第2確変期間よりも、多くの変動表示を効率的に実行することができる。
なお、この実施の形態では、変動表示の表示結果が突然確変大当りである場合には、その変動表示中に突然確変大当りとなることを報知する突確報知演出が実行される。突確報知演出は、変動表示中の第1タイミングで突然確変大当りになることを報知する通常突確報知演出と、第1タイミングより後の第2タイミングで突然確変大当りになることを報知する特殊突確報知演出とのいずれかの態様で実行される。具体的には、通常突確報知演出では、リーチ前に突然確変大当りになることが報知され、特殊突確報知演出では、リーチ後に突然確変大当りになることが報知される(なお、リーチ前と表現しているが、厳密には、突然確変大当りになることを報知した通常突確報知演出後にもリーチ状態にはならない。リーチ後に報知する特殊突確報知演出との区別をするためにこのような表現をすることがある。)。
上述のように、特殊突確報知演出は、リーチ後に報知を行うため、変動表示の表示結果が突然確変大当りであって、かつリーチを伴う変動パターンである場合に実行される。また、通常突確報知演出は、リーチ前に(厳密にはリーチ状態となることなく)報知を行うため、変動表示の表示結果が突然確変大当りであって、かつリーチを伴わない変動パターンである場合に実行される。したがって、この実施の形態では、表示結果が突然確変大当りであって、図9に示す変動パターン「非リーチ当り」に決定されたときに、通常突確報知演出が実行される。また、表示結果が突然確変大当りであって、図9に示す変動パターン「非リーチ当り」以外の変動パターン(ノーマル当り、擬似連1ノーマル当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)に決定されたときに、特殊突確報知演出が実行される。そのため、表示結果が突然確変大当りの場合には、図9に示す複数種類の変動パターンのうちのいずれに決定するかによって、通常突確報知演出と特殊突確報知演出とのいずれを実行するかが決定される。以上のことから、この実施の形態では、図9に示すように、第1確変期間中に突然確変大当りとなった場合には、通常突確報知演出が実行され、第2確変期間中に突然確変大当りとなった場合には、通常突確報知演出よりも特殊突確報知演出が実行される割合が高い。したがって、確変状態に制御される期間のうちのどの期間であるかに応じて(すなわち遊技者の心境に応じて)、突然確変大当りに制御されることを報知するタイミングを変化させる(例えば、リーチ前またはリーチ後など)ことができ、確変状態に制御されている期間の遊技が単調となり興趣が低下することを防止することができる。
また、図9(D)に示す確変特別回数時用変動パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれの場合には、特殊はずれに決定され、表示結果が15R確変大当りまたは突然確変大当りの場合には、特殊はずれよりも変動時間が長い特殊当りに決定されることである。このように設定されることで、図35,図36等に示されるように(詳細については後述する)、確変状態における特別回数目(本例では70回目)の変動表示において、表示結果に応じて、確変状態が終了すること(厳密には、確変状態での変動回数が、大当り終了処理で設定された確変状態に制御する回数に達したこと)を報知するための通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出をそれぞれ実行することができる(詳細については後述する)。なお、この実施の形態では、表示結果が大当り(15R確変大当りまたは突然確変大当り)のときには、大当り種別に関わらず、同じ変動パターン「特殊当り」に決定されるように構成されているが、これに限らず、複数種類の変動パターン「特殊当り」を設け(例えば、変動時間が異なる)、大当り種別に応じて、いずれかの変動パターン「特殊当り」に決定するようにしてもよい。なお、この場合であっても、確変終了報知画面は共通のタイミングで表示され、復活演出の時間のみが異なるようにすることが望ましい(詳細については後述する)。また、この実施の形態では、確変状態における特別回数目(本例では70回目)の変動表示においては、変動パターンが特殊はずれまたは特殊当りのいずれかに決定されるが、例えば、15R確変大当りまたは突然確変大当り時に、擬似連1ノーマル当りやスーパー当りなどの他の変動パターンに決定されるようにしてもよい。すなわち、確変状態における特別回数目(本例では70回目)の変動表示において、特殊確変終了報知演出(詳細については後述する)を実行しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560において変動パターンを決定することによって、通常突確報知演出と特殊突確報知演出とのいずれを実行するかが決定されているが、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータ100において通常突確報知演出と特殊突確報知演出とのいずれを実行するかを決定するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100では、表示結果と変動時間とを決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100では、決定された表示結果と変動時間とにもとづいて、変動表示中にリーチ演出を行うか否かも含めて、通常突確報知演出と特殊突確報知演出とのいずれを実行するかを決定することで実現することができる。
また、この実施の形態では、擬似連演出は、通常擬似連演出と特殊擬似連演出とのいずれかの演出態様で実行され、いずれの態様で実行するかについては演出制御用マイクロコンピュータ100において実行される処理によって決定されるが(後述する擬似連演出決定処理(ステップS823))、通常突確報知演出と特殊突確報知演出とのいずれを実行するかを決定するのと同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてこれを決定するようにしてもよい。例えば、擬似連演出の演出態様も指定する変動パターンを設けることで実現することができる。なお、擬似連演出の演出態様も指定する変動パターンを設ける場合には、通常擬似連演出を指定する変動パターンと特殊擬似連演出を指定する変動パターンとが、各変動パターン決定テーブルにおいて異なる割合で決定されるように判定値を割り当てることが望ましい。すなわち、確変状態以外の状態(通常状態または時短状態)または確変状態における第1確変期間もしくは第2確変期間のいずれであるかに応じて、異なる割合で通常擬似連演出と特殊擬似連演出とのいずれを実行するかを決定するようにすることが望ましい。
また、この実施の形態では、図6、図9(D)に示すように、確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示である場合に用いられる変動パターンとして、表示結果に応じて、特殊はずれと特殊当りとが設けられている。そして、変動パターンが決定されることによって、確変状態が終了することを報知するための確変終了報知演出の演出態様(通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出)が決定される(詳細については後述する)。すなわち、この実施の形態では、実質的に遊技制御用マイクロコンピュータ560において確変終了報知演出の演出態様(通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出)が決定される構成となっている。
なお、この実施の形態の構成に限らず、例えば、確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、表示結果に関わらず、共通の変動パターンに決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100において、確変終了報知演出を実行するか否か、確変終了報知演出の演出態様などを決定するようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示であるか否かを判断せず、図6に示す「特殊はずれ」および「特殊当り」以外の任意の変動パターンに決定し(例えば、第2確変期間用変動パターン決定テーブルを用いて決定する)、演出制御用マイクロコンピュータ100において、所定のカウンタ(例えば演出用確変回数カウンタ)を用いて確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示であるか否かを判断し、特別回数目(70回目)の変動表示である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において決定された変動パターンに関わらず、通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出を伴う変動表示を行うようにしてもよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において確変終了報知演出を実行するか否か、確変終了報知演出の演出態様(通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出)などが決定される構成としてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100とで、それぞれカウンタを用いて確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示であるか否かを判断するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、通常時用変動パターン決定テーブルは、突然確変大当り時には、リーチ演出を伴う変動パターンが選択されるように判定値が割り当てられているが、リーチ演出を伴わない変動パターンを選択可能に設定されていてもよい。この場合には、図9に示す短縮用の変動パターン「非リーチ当り」とは別に、短縮用のものよりも比較的変動時間が長い通常用の変動パターン「非リーチ当り」を設け、選択可能とすることが望ましい。また、第1確変期間用変動パターン決定テーブルおよび第2確変期間用変動パターン決定テーブルにおいても、通常用の変動パターン「非リーチ当り」を選択可能としてもよい。
なお、この実施の形態では、確変状態に制御される期間を、第1確変期間と第2確変期間との2つに区別したが(厳密には、特別回数目(70回目)をさらに区別している)、3つ以上に区別してもよく、その場合には、各期間に応じて変動パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶数に関わらず同じ変動パターン決定テーブルを使用するが、保留記憶数に応じて、異なる変動パターン決定テーブルを使用してもよい。その場合、例えば、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)が多い(例えば、3以上)場合に使用される変動パターン決定テーブルの「はずれ」フィールドでは、リーチ確率が低くなるように判定値が設定される。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」である場合には突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドD000(H)は、遊技球の入賞順異常を検出したこと、および入賞順異常の報知を行うことを指定する演出制御コマンド(入賞順異常報知指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aのいずれかがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14のいずれかへの始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aのいずれもオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を実行することなく、そのまま、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS23の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1214)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1215)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1216)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1217)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1218)。なお、ステップS1218の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1228)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1229)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1230)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1231)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1232)。なお、ステップS1232の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1233)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1234)。
図14および図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
なお、ステップS51において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してステップS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してステップS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図13(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216やステップS1232で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態または時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、特別回数(この実施の形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1218やステップS1232で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。また、図8(D),(E)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、15R確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、確変状態に制御されていることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS91)。そして、確変フラグがセットされていない場合には、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常時用変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS92)。その後、ステップS96に移行する。
ステップS91において確変フラグがセットされている場合には、CPU56は、確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)より大きいか否かを確認する(ステップS93)。この実施の形態において、確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)よりも大きいということは、確変状態に制御される期間のうちの第1確変期間(本例では確変状態に移行後、変動回数が0〜40回)であることを示し、確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)よりも小さいまたは同じであるということは、確変状態に制御される期間のうちの第2確変期間(本例では確変状態に移行後、変動回数が41〜70回)であることを示している。つまり、ステップS93では、確変状態に制御される期間のうちの第1確変期間または第2確変期間のいずれであるかが確認されている。
ステップS93において、確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)より大きい場合(すなわち第1確変期間である場合)には、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、第1確変期間用変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS94)。一方、確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)より小さいまたは同じである場合(すなわち第2確変期間である場合)には、CPU56は、確変回数カウンタの値が1であるか否かを確認する(ステップS93a)。この実施の形態において、確変回数カウンタの値が1であるということは、確変状態に制御される最後の変動表示(本例では特別回数目(70回目)の変動表示)であることを示している。したがって、ステップS93aでは、第2確変期間のうちの確変状態に制御される最後の変動表示であるか否かが確認されている。
ステップS93aにおいて、確変回数カウンタの値が1ではない場合には、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、第2確変期間用変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS95)。その後、ステップS96に移行する。一方、確変回数カウンタの値が1である場合には、CPU56は、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変特別回数時用変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS95a)。その後、ステップS96に移行する。
この実施の形態では、ステップS91〜S95(S95a)の処理が実行されることによって、非確変状態(通常状態または時短状態)または確変状態における第1確変期間、第2確変期間(特別回数目を除く)もしくは特別回数目(70回目)のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン決定テーブルを使用する。したがって、非確変状態(通常状態または時短状態)または確変状態における第1確変期間、第2確変期間(特別回数目を除く)もしくは特別回数目のいずれであるかに応じて、上述した各変動パターン決定テーブルの特徴に応じた変動パターンが選択される。
なお、この実施の形態では、確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)より大きいか否かを確認することによって、確変状態に移行後、変動回数が0〜40回である期間を第1確変期間とし、変動回数が41〜70回である期間を第2確変期間しているが、これに限らず、任意の変動回数で第1確変期間と第2確変期間とを区分けしてもよい。また、区分けする期間は2つに限らず、3つ以上であってもよい。また、この実施の形態では、確変状態(高確率状態かつ高ベース状態)に制御される期間が複数の期間に区分けされ、区分けされた期間ごとに対応する変動パターン決定テーブルを用いるように構成されているが、同じ遊技状態に制御される期間に限らず、異なる遊技状態に制御される期間を区分けしてこの構成を適用するようにしてもよい。例えば、大当り遊技後の変動回数が74回に達するまでは有利な遊技状態(1〜70回までは高確率状態かつ高ベース状態、71〜74回までは高確率状態だが低ベース状態)に制御される構成において、大当り遊技後の変動回数が1〜70回である期間と、71〜74回である期間とで、異なる変動パターン決定テーブルを用いるようにしてもよい。
ステップS96では、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別が15R確変大当りである場合には(ステップS97)、変動パターン判定テーブルに設けられた複数のフィールドのうち、「15R確変大当り」フィールド(図9参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS104に移行する。
大当り種別が15R確変大当りでない場合には、変動パターン判定テーブルに設けられた複数のフィールドのうち、「突然確変大当り」フィールド(図9参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS104に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、変動パターン判定テーブルに設けられた複数のフィールドのうち、「はずれ」フィールド(図9参照)を選択する(ステップS102)。そして、ステップS104に移行する。
ステップS104では、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS92,S94,S95,S95aのいずれかの処理で選択した変動パターン決定テーブルにおいて、ステップS98,S99,S102のいずれかの処理で選択した変動パターン決定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS104)。
なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。また、この実施の形態では、変動パターン判定用乱数を用いて直接変動パターンが決定されるが、あらかじめ変動パターンを変動パターン種別にグループ化し、まず、変動パターン種別判定用乱数を用いて変動パターン種別を決定し、決定した変動パターン種別に含まれる変動パターンの中から、変動パターン判定用乱数を用いて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS105)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS107)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS108)。
なお、はずれと決定されている場合において、リーチに関わりなく変動パターンを決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、変動パターンを決定するようにしてもよい。その場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン決定テーブル(非リーチの変動パターンのみを含むもの)と、リーチ用の変動パターン判定テーブル(リーチの変動パターンのみを含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン決定テーブルを選択して、変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合に、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図17は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、「15R確変大当り」ではないときには(すなわち「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタと、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタとをリセットする(ステップS132)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS134)。具体的には、大当りの種別が「15R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「15R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS135)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「15R確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS136)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、15R確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS141a)。確変回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、確変回数カウンタの値を−1する(ステップS142a)。そして、CPU56は、減算後の確変回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143a)、確変フラグをリセットする(ステップS144a)。
また、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS141b)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142b)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143b)、時短フラグをリセットする(ステップS144b)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図20は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「15R確変大当り」であった場合には大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをセットして確変状態および時短状態に移行させる(ステップS166)。また、CPU56は、確変回数カウンタに特別回数(本例では、70回)をセットする(ステップS167)。なお、この実施の形態では、確変状態の管理と時短状態の管理とを別々に行うように構成しているが、確変フラグがセットされることによって、確変状態に制御されるとともに時短状態(高ベース状態)にも制御されるように構成してもよい。また、この実施の形態では、ステップS166でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS28参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられてもよい。なお、普通図柄の変動表示結果を当りとする確率を高めた普図確変状態にも制御可能に構成する場合には、時短フラグは、普通図柄の変動表示結果を当りとするか否かを判定するためにも用いられる。
次いで、CPU56は、大当り種別が「突然確変大当り」であるか否かを確認し(ステップS168)、「突然確変大当り」であれば時短回数カウンタに所定回数(本例では100回)をセットし(ステップS169a)、「突然確変大当り」でなければ(すなわち「15R確変大当り」であれば)、時短回数カウンタに所定回数(本例では70回)をセットする(ステップS169a)。このように、この実施の形態では、「15R確変大当り」と「突然確変大当り」とで、異なる時短回数が設定されるため(具体的には「突然確変大当り」の方が設定される時短回数が多い)、「15R確変大当り」の場合には、確変状態が終了したときに時短状態も終了するが、「突然確変大当り」の場合には、確変状態が終了した後に所定回数(本例では30回)の変動表示が終了するまで時短状態に制御され続ける。したがって、大入賞口の開放回数や開放期間において有利な「15R確変大当り」ではなく、「突然確変大当り」となった場合の落胆を軽減することができる。なお、この実施の形態では、説明を簡略化するために、大当り種別が15R確変大当りと突然確変大当りとのいずれであるかに応じて、時短回数が定められているが、これに限らず、乱数等を用いて時短回数を決定するようにしてもよい。この場合、大当り種別に応じて異なる割合で時短回数を決定することが望ましい。例えば、大当り種別が15R確変大当りの場合には、時短回数70回と100回とのうち、70回に決定される割合が高く、突然確変大当りの場合には、100回に決定される割合が高くする。そのようにすることで「突然確変大当り」となった場合の落胆を軽減することができる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS170)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図21は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図22は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図23は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS628)。そして、ステップS611に移行する。
図24は、図21に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図25は、図24に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図26は、図24に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS820で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS821)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS821の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS821において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りの場合には、後述する突確報知演出決定処理(ステップS824)で停止図柄を決定するため、ステップS821においては、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」または「はずれ」である場合にのみ停止図柄を決定する。
図27は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄及び仮停止図柄の一例を示す説明図である。図27(A)には停止図柄組み合わせの一例が示され、図27(B)には仮停止図柄組み合わせの一例が示されている。図27(A)に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右のいずれかに突然確変大当り用図柄(本例では「☆」)を含む演出図柄の組み合わせを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組み合わせが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組み合わせを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組み合わせを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、突然確変大当りを想起させるような停止図柄(本例では左中右のいずれかに突然確変大当り用図柄「☆」を含む演出図柄の組み合わせ)を突然確変大当り図柄ともいう。なお、図27(A)に示す例に限らず、例えば、「135」などの特定の組み合わせを、突然確変大当り図柄としてもよい。
また、図27(B)には、擬似連演出中の仮停止図柄の組み合わせが示されている。図27(B)に示す例では、仮停止図柄として、左中右のいずれかに擬似連用図柄(本例では「♪」)を含む演出図柄の組み合わせが示されている。例えば、「1♪3」や「23♪」のような演出図柄の組み合わせが該当する。このような仮停止図柄をチャンス目図柄ともいう。この実施の形態では、擬似連を含む変動パターンに基づいて変動表示が行われると、変動開始した後に、チャンス目図柄が仮停止表示される。そして、チャンス目図柄から再変動した後に、停止図柄が導出表示される。なお、この実施の形態では、左中右のいずれかに擬似連用図柄が仮停止されるとチャンス目図柄となるが、本例では左図柄→右図柄→中図柄の順に演出図柄が停止(仮停止)するように構成されているため、チャンス目図柄に含まれる擬似連用図柄の仮停止位置は、中図柄>右図柄>左図柄の順に多くなるように決定されることが望ましい。すなわち、停止順が遅い位置で擬似連用図柄が仮停止されることが望ましい。そのようにすることで、擬似連用図柄が仮停止されるタイミングを遅くすることができ、擬似連用図柄が仮停止されることを期待する期間を長くすることができる。なお、図27(B)に示す例に限らず、例えば、「123」や「234」などのように、左側の図柄より1つずつ数字が大きい演出図柄の組み合わせを、チャンス目図柄としてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、擬似連演出に関する決定を行う擬似連演出決定処理を実行する(ステップS823)。
図28は、図26に示された演出図柄変動開始処理における擬似連演出決定処理(ステップS823)を示すフローチャートである。擬似連演出決定処理において、演出制御用CPU101は、擬似連演出を伴う変動パターンであるか否かを確認し(ステップS8231)、擬似連演出を伴う変動パターンでなければ処理を終了する。また、擬似連演出を伴う変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、確変状態における変動可能回数を示す演出用確変回数カウンタの値が0であるか否かを確認し(ステップS8232)、0でなければ(すなわち確変状態であれば)、演出用確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)よりも大きいか否かを確認する(ステップS8233)。演出制御用マイクロコンピュータ100における演出用確変回数カウンタは、後述する演出図柄停止処理において大当り図柄(突然確変大当り図柄を含む)を停止表示する場合に所定値(本例では70)が設定され(図32のステップS8306)、はずれ図柄が停止表示する場合に1減算される(図32のステップS8314)。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出用確変回数カウンタは、確変状態に制御される残りの変動回数を示している。そのため、ステップS8233において、演出用確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)よりも大きいということは、確変状態に制御される期間のうちの第1確変期間(本例では確変状態に移行後、変動回数が0〜40回)であることを示し、演出用確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)よりも小さいまたは同じであるということは、確変状態に制御される期間のうちの第2確変期間(本例では確変状態に移行後、変動回数が41〜70回)であることを示している。つまり、ステップS8233では、確変状態に制御される期間のうちの第1確変期間または第2確変期間のいずれであるかが確認されている。
ステップS8233で演出用確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)よりも大きいと判断した場合には(すなわち確変状態に制御される期間のうちの第1確変期間である場合)、演出制御用CPU101は、擬似連演出の演出態様を通常擬似連演出に決定する(ステップS8234)。一方、ステップS8233で演出用確変回数カウンタの値が所定値(本例では30)よりも小さいまたは同じであると判断した場合には(すなわち確変状態に制御される期間のうちの第2確変期間である場合)、演出制御用CPU101は、擬似連演出の演出態様を通常擬似連演出または特殊擬似連演出のいずれかに決定する(ステップS8235)。ステップS8235では、演出制御用CPU101は、例えば、図28(A)に示す割合で通常擬似連演出または特殊擬似連演出のいずれかに決定する。なお、この実施の形態では、第2確変期間においても通常擬似連演出に決定され得るが(ステップS8235)、第2確変期間においては特殊擬似連演出にのみ決定されるようにしてもよい。
この実施の形態では、通常擬似連演出と特殊擬似連演出とは、通常擬似連演出が変動表示中の第1タイミングで実行され、特殊擬似連演出が変動表示中の第1タイミングより後の第2タイミングで実行される点で異なる。具体的には、通常擬似連演出は、変動表示が開始され、リーチ状態となることなく、チャンス目図柄が仮停止表示されて、再変動する演出である(図33(A1)〜(A4)参照)。一方、特殊擬似連演出は、変動表示が開始され、リーチ状態となった後に、チャンス目図柄が仮停止表示され、再変動する演出である(図33(B1)〜(B4)参照)。したがって、ステップS8234またはステップS8235において通常擬似連演出にすると決定した場合には、演出制御用CPU101は、仮停止表示させるチャンス目図柄(例えば、「1♪3」のように、左中右のいずれかに擬似連用図柄(本例では「♪」)を含む演出図柄の組み合わせ)も決定する。ただし、左右図柄が一致しないようにチャンス目図柄を決定する。また、ステップS8235において特殊擬似連演出にすると決定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチ態様と仮停止表示させるチャンス目図柄とについても決定する。例えば、演出制御用CPU101は、リーチ態様として、左右の図柄が一致した演出図柄の組み合わせ(例えば、図33(B3)に示す左右の図柄が「1」で一致した演出図柄の組み合わせ)を決定し、決定したリーチ態様に対して中図柄が擬似連用図柄(本例では「♪」)となる組み合わせを、仮停止表示させるチャンス目図柄として決定する。
なお、擬似連が複数回行われる場合には、ステップS8232〜S8235の処理を繰り返し実行し、擬似連ごとに遊技状態(例えば、非確変状態または確変状態の第1確変期間もしくは第2確変期間など)に応じて通常擬似連演出と特殊擬似連演出とのいずれを実行するかを決定するようにしてもよい。また、擬似連ごとに同じチャンス目図柄を仮停止表示させるのではなく、異なる種類のチャンス目図柄を仮停止表示させるようにしてもよい。また、図28に示す例では、擬似連の回数に関わらず、ステップS8235において一定の割合で通常擬似連演出と特殊擬似連演出とのいずれかに決定されるが(図28(A)参照)、擬似連の回数に応じて異なる割合で通常擬似連演出と特殊擬似連演出とのいずれかに決定されるようにしてもよい。例えば、擬似連の回数が多くなるにつれて通常擬似連演出よりも特殊擬似連演出に決定される割合が高くなるようにしてもよい。なお、擬似連が複数回行われる場合に、常に一定のタイミングで擬似連演出が実行される(つまり通常擬似連演出または特殊擬似連演出のいずれかが複数回実行される)ようにしてもよい。
既に説明したように、この実施の形態では、確変状態に制御される変動回数に限りがあるため(本例では70回)、確変状態に制御される変動回数の残り具合に応じて遊技者の心境は変化すると考えられる。具体的には、確変状態に制御される残りの変動回数が少ない第2確変期間においては、残りの変動回数が多い第1確変期間に比べて、突然確変大当りに関わらず、当って欲しいという思いが強くなると考えられる。これに対して、図28に示すように、この実施の形態では、第1確変期間においては、通常擬似連演出のみが実行され、第2確変期間においては通常擬似連演出よりも特殊擬似連演出が高い割合で実行されるように構成されている。したがって、確変状態に制御される期間のうちのどの期間であるかに応じて(すなわち遊技者の心境に応じて)、擬似連演出の演出態様を異ならせることで、演出を実行するタイミング(本例ではリーチ前とリーチ後)を変化させることができ、確変状態に制御されている期間の遊技が単調となり興趣が低下することを防止することができる。
なお、この実施の形態では、ステップS8233において(すなわち演出制御用マイクロコンピュータ100において)、第1確変期間と第2確変期間とのいずれであるかを確認し、第1確変期間であれば通常擬似連演出を実行すると決定し、第2確変期間であれば通常擬似連演出よりも特殊擬似連演出を高い割合で実行すると決定しているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、擬似連時にいずれの演出を実行させるかを決定するようにしてもよい。これは、例えば、擬似連時の演出態様(本例では通常擬似連演出または特殊擬似連演出)を指定する複数種類の変動パターンを設け、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、変動パターンを決定する際に、第1確変期間と第2確変期間とのいずれかであるか確認し、第1確変期間であれば通常擬似連演出を指定する変動パターンに決定し、第2確変期間であれば通常擬似連演出よりも特殊擬似連演出を指定する変動パターンに高い割合で決定することによって実現できる。なお、この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100において演出用確変回数カウンタを用いて確変状態における変動可能回数を管理する処理を省略することができる。
また、この実施の形態では、ステップS8232で演出用確変回数カウンタの値が0であると判断したときに(すなわち通常状態であるときに)、擬似連演出の演出態様を通常擬似連演出または特殊擬似連演出のいずれかに決定するように構成されているが、これに限らず、例えば、通常状態であるときには、擬似連演出の演出態様を、確変状態であるときとは異なる別の演出態様に決定するようにしてもよい。
擬似連演出決定処理が終了すると、演出制御用CPU101は、突確報知演出に関する決定を行う突確報知演出決定処理を実行する(ステップS824)。
図29は、図26に示された演出図柄変動開始処理における突確報知演出決定処理(ステップS824)を示すフローチャートである。突確報知演出決定処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンが「特殊当り」または「特殊はずれ」のいずれかであるか否かを確認する(ステップS8240)。この実施の形態では、確変状態に制御される最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、変動パターンが「特殊当り」または「特殊はずれ」のいずれかに決定される(図9(D)参照)。したがって、ステップS8240では、変動パターンが「特殊当り」または「特殊はずれ」のいずれかであるか否かを確認することによって、確変状態に制御される最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)であるか否かが確認されている。
ステップS8240で変動パターンが「特殊当り」または「特殊はずれ」いずれかであれば(すなわち確変状態で行われる最後の変動表示であれば)、処理を終了する。また、「特殊当り」または「特殊はずれ」のいずれでもなければ、演出制御用CPU101は、表示結果が突然確変大当りであるか否かを確認し(ステップS8241)、表示結果が突然確変大当りでなければ処理を終了する。また、表示結果が突然確変大当りであれば、演出制御用CPU101は、リーチを伴う変動パターンであるか否かを確認する(ステップS8242)。そして、リーチを伴う変動パターンでない場合(すなわち、本例では短縮用の変動パターン「非リーチ当り」である場合)、突然確変大当りが発生したことを報知するための突確報知演出の演出態様を通常突確報知演出に決定する(ステップS8243)。
また、ステップS8242において、リーチを伴う変動パターンであると判断した場合には、リーチ態様を決定する(ステップS8244)。具体的には、演出制御用CPU101は、左右の図柄が一致した演出図柄の組み合わせ(例えば、図34(B3)に示す左右の図柄が「2」で一致した演出図柄の組み合わせ)を決定する。次いで、演出制御用CPU101は、突確報知演出の演出態様を特殊突確報知演出に決定する(ステップS8245)。
この実施の形態では、通常突確報知演出と特殊突確報知演出とは、通常突確報知演出が変動表示中の第1タイミングで実行され、特殊突確報知演出が変動表示中の第1タイミングより後の第2タイミングで実行される点で異なる。具体的には、通常突確報知演出は、変動表示が開始され、リーチ状態となることなく、突然確変大当り図柄が停止表示されて、突然確変大当りが発生したことを報知する演出である(図34(A1)〜(A4)参照)。一方、特殊突確報知演出は、変動表示が開始され、リーチ状態となった後に突然確変大当り図柄が停止表示され、突然確変大当りが発生したことを報知する演出である(図34(B1)〜(B4)参照)。したがって、ステップS8243において通常突確報知演出にすると決定した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄(例えば、「1☆5」のように、左中右のいずれかに突然確変大当り用図柄(本例では「☆」)を含む演出図柄の組み合わせ。)も決定する。ただし、ステップS8243においては、演出制御用CPU101は、左右図柄が一致しないように停止図柄を決定する。また、ステップS8245において特殊突確報知演出にすると決定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチ態様と停止図柄とについても決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、リーチ態様として、左右の図柄が一致した演出図柄の組み合わせ(例えば、図34(B3)に示す左右の図柄が「2」で一致した演出図柄の組み合わせ)を決定し、決定したリーチ態様に対して中図柄が突然確変大当り用図柄(本例では「☆」)となる組み合わせを、停止図柄として決定する。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100において、第1確変期間に突然確変大当りが発生した場合には、短縮用の変動パターン「非リーチ当り」のみが選択され、第2確変期間に突然確変大当りが発生した場合には、第1確変期間に比べて少ない割合で短縮用の変動パターン「非リーチ当り」が選択される(図9、ステップS91〜S95参照)。したがって、第1確変期間に突然確変大当りが発生した場合には、必ずステップS8242においてリーチを伴う変動パターンではないと判断され(ステップS8242のN)、通常突確報知演出に決定される(ステップS8243)。一方、第2確変期間に突然確変大当りが発生した場合には、ステップS8242においてリーチを伴う変動パターンである(ステップS8242のY)と判断される割合が高く、通常突確報知演出よりも特殊突確報知演出に決定される(ステップS8245)割合が高くなる。
既に説明したように、この実施の形態では、確変状態に制御される変動回数に限りがあるため(本例では70回)、確変状態に制御される変動回数の残り具合に応じて遊技者の心境は変化すると考えられる。具体的には、確変状態に制御される期間のうちのどの期間であるかに応じて、突然確変大当りが発生することによって新たに確変状態に制御されること(つまり、確変状態をやり直すことともいえる)に対する遊技者の捉え方が変化すると考えられる。これに対して、図29に示すように、この実施の形態では、第1確変期間においては、通常突確報知演出のみが実行され、第2確変期間においては通常突確報知演出よりも特殊突確報知演出が高い割合で実行されるように構成されている。したがって、確変状態に制御される期間のうちのどの期間であるかに応じて(すなわち遊技者の心境に応じて)、突確報知演出の演出態様を異ならせることで、突然確変大当りに制御されることを報知するタイミングを変化させる(例えば、リーチ前またはリーチ後)ことができ、確変状態に制御されている期間の遊技が単調となり興趣が低下することを防止することができる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、突然確変大当り時に、短縮用の変動パターン「非リーチ当り」に決定されることで、リーチ前に(厳密にはリーチ状態となることなく)報知を行う(通常突確報知演出)と決定され、短縮用の変動パターン「非リーチ当り」以外の変動パターン(リーチ演出を伴う)に決定されることで、リーチ後に報知を行う(特殊突確報知演出)と決定されている。すなわち、突然確変大当り時に、通常突確報知演出と特殊突確報知演出とのいずれを実行させるかは、実質的に遊技制御用マイクロコンピュータ560において決定されている。そのため、図29に示す例では、ステップS8242において変動パターンにリーチが含まれるか否かによって、突確報知演出の演出態様を判断している。しかし、上述したように、突然確変大当り時に、リーチにするか否かを含めて通常突確報知演出と特殊突確報知演出とのいずれを実行させるかを、演出制御用マイクロコンピュータ100で決定する構成とすることもできる。例えば、突然確変大当りが発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1確変期間または第2確変期間のいずれであっても、突然確変大当り用の共通の変動パターンに決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100において、第1確変期間または第2確変期間のいずれであるかに応じて、突確報知演出のタイミング(演出態様)のみを異ならせるようにしてもよい。この場合には、ステップS8242に代えて、擬似連演出決定処理のステップS8232〜S8233のように、演出用確変回数カウンタの値にもとづいて、第1確変期間に発生したものであるか否かを判断する処理を行うことで、確変状態に制御される期間のうちのどの期間であるかに応じて、突確報知演出のタイミング(演出態様)を異ならせることができる。
突確報知演出決定処理が終了すると、演出制御用CPU101は、変動パターンが「特殊当り」または「特殊はずれ」のいずれかであるか否かを確認し(ステップS8251)、いずれかである場合には、ステップS8254に移行し、いずれでもない場合には、ステップS8261に移行する。この実施の形態では、確変状態に制御される最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、変動パターンが「特殊当り」または「特殊はずれ」のいずれかに決定される(図9(D)参照)。したがって、ステップS8251では、変動パターンが「特殊当り」または「特殊はずれ」のいずれかであるか否かを確認することによって、確変状態に制御される最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)であるか否かが確認されている。
変動パターンが「特殊当り」または「特殊はずれ」のいずれかである場合(すなわち確変状態に制御される最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)である場合)には、演出制御用CPU101は、変動パターンが「特殊当り」であるか否かを確認する(ステップS8254)。そして、変動パターンが「特殊当り」ではない場合、すなわち表示結果が大当り(15R確変大当りまたは突然確変大当り)ではない場合には、演出制御用CPU101は、大当りが連続して発生した回数を示す大当り連荘回数カウンタの値を0にセットする(ステップS8255)。その後、ステップS8262に移行する。なお、この実施の形態において、大当りが連続して発生する(大当り連荘)とは、大当り遊技後に制御される確変状態において新たな大当りが発生することである。大当り連荘回数カウンタの値は、大当り発生後に1加算され(後述する演出図柄変動停止処理のステップS8305)、確変状態における特別回数目の変動表示の表示結果がはずれのとき(すなわち、確変状態に制御されている期間中に大当りが発生しなかったとき)に0がセットされる。この実施の形態では、大当り遊技後に制御される確変状態において新たな大当りが発生することを、大当りが連続して発生する(大当り連荘)としているが、確変状態(高確率状態)終了後の時短状態(高頻度状態)において(本例では突然確変大当りによる大当り遊技終了後の71回目から100回目の変動表示)、新たに発生した大当りについても、連続して発生した大当り(大当り連荘)としてもよい。つまり、時短状態(高頻度状態)での大当りも大当り連荘に含めるようにしてもよい。これは、例えば、時短フラグをリセットするタイミング(または、15R確変大当りによる大当り遊技終了後の70回目の変動表示開始時または突然確変大当りによる大当り遊技終了後の100回目の変動表示開始時に表示結果が大当りでないとき)で、大当り連荘回数カウンタの値を0にすることで実現される。
ステップS8254において、変動パターンが「特殊当り」である場合、すなわち表示結果が大当り(15R確変大当りまたは突然確変大当り)である場合には、ステップS8263に移行する。
ステップS8261では、演出制御用CPU101は、変動パターンと擬似連演出決定処理および突確報知演出決定処理の決定結果とに基づいて、通常用のプロセステーブルを選択する(ステップS8261)。その後、ステップS827に移行する。
また、ステップS8262では、演出制御用CPU101は、通常確変終了報知演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS8262)。その後、ステップS827に移行する。
また、ステップS8263では、演出制御用CPU101は、特殊確変終了報知演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS8263)。その後、ステップS827に移行する。
この実施の形態では、確変状態において特別回数目(本例では70回目)の変動表示が行われるときに、その確変状態が終了する旨を報知するための確変終了報知演出が実行される。確変終了報知演出は、確変状態における特別回数目(本例では70回目)の変動表示の表示結果がはずれのときに実行される通常確変終了報知演出と、表示結果が大当りのときに実行される特殊確変終了報知演出とのいずれかの演出態様で実行される。
具体的には、通常確変終了報知演出では、確変状態における特別回数目(本例では70回目)の変動表示が開始され、はずれ図柄が停止表示された後に、確変状態が終了する旨を報知するための確変終了報知画面(本例では大当り連荘数と獲得出玉(大当り遊技中に払い出された賞球の数)とが示される(図35(A3)参照)が表示される。
また、特殊確変終了報知演出では、確変状態における特別回数目(本例では70回目)の変動表示が開始され、はずれ図柄が仮停止表示された後に、確変状態が終了する旨を報知するための確変終了報知画面(本例では大当り連荘数と獲得出玉(連荘中の大当り遊技において払い出された賞球の数)とが示される(図35(B3)参照))が表示されるが、所定期間後(すなわち確変終了報知画面が所定期間表示された後)に仮停止表示されていた演出図柄の再度変動する復活演出が行われ、大当り図柄が停止表示される。なお、特殊確変終了報知演出は特別回数目の変動表示の表示結果が大当りのときに実行されるため、確変状態が終了する旨を報知するための確変終了報知画面が表示されても、大当り遊技後に新たな確変状態に制御される。つまり、確変終了報知画面は、現在制御されている確変状態が終了する旨を報知するものであって、厳密には、確変状態での変動回数が、大当り終了処理で設定された確変状態に制御する回数に達したことを報知する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変終了報知画面において示される大当り連荘数を、大当り連荘回数カウンタの値を参照することによって取得することができる。また、獲得出玉(連荘中の大当り遊技において払い出された賞球の数)として、例えば連荘中の大当り遊技において大入賞口に入賞したことに基づいて払い出された賞球の数を示す場合には、大入賞口に遊技球が1つ入賞したときに払い出される賞球の数が定められているため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連荘中の大当り遊技において大入賞口に入賞した遊技球の数を取得することによって、獲得出玉を算出することができる。連荘中の大当り遊技において大入賞口に入賞した遊技球の数は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄プロセスフラグの値が大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値であるときに、賞球処理(ステップS31)で大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23で検出されたことに基づいて賞球の払い出しが行われると、その旨を示すコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100において、受信したコマンドの数をカウントし、大当り連荘回数カウンタの値がリセットされると、カウントしたコマンドの数もリセットすることによって取得することができる。なお、この実施の形態では、確変終了報知画面として、大当り連荘数と獲得出玉とを表示するが、現在制御されている確変状態が終了することが認識できれば、どのような情報を含む画面表示であってもよい。
この実施の形態では、通常確変終了報知演出と特殊確変終了報知演出とで、共通のタイミングで確変終了報知画面が表示される(例えば、図35(A3),(B3)、図36の変動開始から10秒後のタイミング等参照)。また、通常確変終了報知演出では、確変終了報知画面が表示される前にはずれ図柄が停止表示されるのに対して、特殊確変終了報知演出では、確変終了報知画面が表示された後に演出図柄が再度変動する復活演出が行われるため、確変終了報知画面が表示される前にはずれ図柄が仮停止表示(例えば、演出図柄が完全に停止せず、僅かに振動している)されるが、画面表示上は、停止表示であるか仮停止表示であるかが明確に認識できるほどの違いがない。つまり、通常確変終了報知演出と特殊確変終了報知演出とのいずれの場合も、変動開始から確変終了報知画面が表示されるまでは、演出表示装置9において共通(略共通)の画面表示が行われる。そのため、特別回数目の変動表示では、大当りが発生することによって確変状態が継続するか否かに注目させるとともに、確変終了報知画面が表示されても大当りが発生することの期待感を持続させることができ、遊技者の関心を惹きつけることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、確変回数カウンタを用いて、確変状態に制御される最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)であるか否かが確認され、最後の変動表示(特別回数目(70回目)の変動表示)である場合には「特殊はずれ」と「特殊当り」とのいずれかに決定されることによって、確変終了報知演出の演出態様(通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出)が決定されている。すなわち、この実施の形態は、実質的に遊技制御用マイクロコンピュータ560において確変終了報知演出の演出態様(通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出)が決定される構成となっている。
なお、この実施の形態の構成に限らず、例えば、確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、表示結果に関わらず、共通の変動パターンに決定し、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS8251の処理に代えて、共通の変動パターンであるか否かを判断し、共通の変動パターンである場合には、確変終了報知演出を実行するか否か、確変終了報知演出の演出態様などを決定し、通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出を伴う変動表示を行うようにしてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示であるか否かを判断せず、任意の変動パターンに決定し(例えば、第2確変期間用変動パターン決定テーブルを用いて決定する)、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS8251の処理に代えて、所定のカウンタ(例えば演出用確変回数カウンタ)を用いて確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示であるか否かを判断し、特別回数目(70回目)の変動表示である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において決定された変動パターンに関わらず、確変終了報知演出を実行するか否か、確変終了報知演出の演出態様(例えば、表示結果がはずれの場合には、通常確変終了報知演出とし、大当りの場合には特殊確変終了報知演出とする)などを決定し、通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出を伴う変動表示を行うようにしてもよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において確変終了報知演出を実行するか否か、確変終了報知演出の演出態様(通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出)などが決定される構成としてもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100とで、それぞれカウンタを用いて確変状態における特別回数目(70回目)の変動表示であるか否かを判断する構成としてもよい。
ステップS827では、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS827)。
図30は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
この実施の形態では、通常確変終了報知演出用のプロセステーブルには、演出表示装置9において、演出図柄の停止表示後に、確変終了報知画面(本例では大当り連荘数と獲得出玉(連荘中の大当り遊技において払い出された賞球の数)とが示される(図35(A3)参照))が表示制御される表示制御実行データが含まれる。また、特殊確変終了報知演出用のプロセステーブルには、演出表示装置9において、演出図柄の仮停止表示後に、確変終了報知画面(本例では大当り連荘数と獲得出玉(連荘中の大当り遊技において払い出された賞球の数)とが示される(図35(B3)参照))が表示制御され、所定期間後に仮停止表示されていた演出図柄が再度変動する復活演出が行われ、大当り図柄が停止表示される表示制御実行データが含まれる。なお、この実施の形態では、通常確変終了報知演出用のプロセステーブルと、特殊確変終了報知演出用のプロセステーブルとは、同じタイミングで確変終了報知画面が表示制御されるように、表示制御実行データが設定されている。
図30に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS828)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS829)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS830)。
図31は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS8103)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしていれば(ステップS8103のY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8106のY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8107)。
図32は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8307に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8307に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。
次いで、ステップS8302の処理で大当り図柄(突然確変大当り図柄を含む)を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8313に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り連荘回数カウンタの値を1加算する(ステップS8305)。そして、演出制御用CPU101は、確変状態に制御される回数を示す演出用確変回数カウンタに所定値(本例では70)を設定する(ステップS8306)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8307)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8308)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8309)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8310)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8311)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
大当りとしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、演出用確変回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認し(ステップS8213)、0より大きい場合には、演出用確変回数カウンタの値を1減算する(ステップS8214)。
その後、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8315)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8316)。
次に、通常擬似連演出と特殊擬似連演出とについて説明する。図33は、擬似連演出の具体例を示す説明図である。通常擬似連演出では、演出図柄の変動表示が開始されると(図33(A1))、左図柄「1」が停止表示され(図33(A2))、右図柄「3」が停止表示される(図33(A3))。そして、中図柄「♪」が停止表示されることで、チャンス目図柄「1♪3」が仮停止表示されて(図33(A4))、擬似連が継続される。このように、通常擬似連演出では、リーチ状態になることもなく、チャンス目図柄が仮停止表示される。
また、特殊擬似連演出では、演出図柄の変動表示が開始すると(図33(B1))、左図柄「1」が停止表示され(図33(B2))、右図柄「1」が停止表示され、リーチ状態となり、「リーチ」の文字が表示されるリーチ演出が行われる(図33(B3))。そして、中図柄に大当り図柄となる「1」ではなく「♪」が停止表示されることで、チャンス目図柄「1♪1」が仮停止表示されて(図33(B4))、擬似連が継続される。このように、特殊擬似連演出では、リーチ状態となるものの、中図柄に擬似連用図柄「♪」が仮停止表示されることで、チャンス目図柄が仮停止表示される。すなわち、特殊擬似連演出では、リーチ後に擬似連が行われる。なお、例えば、擬似連演出において、第1確変期間には、第2確変期間に比べて、左図柄や右図柄に擬似連用図柄(本例では「♪」)を仮停止させる割合を高くするようにしてもよい。すなわち、第1確変期間に実行される通常擬似連演出においては、最終仮停止図柄(本例では左→右→中の順に図柄が仮停止するため、仮停止順に、左図柄を第1仮停止図柄、右図柄を第2仮停止図柄、中図柄を最終仮停止図柄と称する)以外の仮停止図柄(本例では左図柄(第1仮停止図柄)または右図柄(第2仮停止図柄))が擬似連用図柄となる割合が高くなるようにしてもよい。また、例えば、大当り遊技後の変動回数に応じて異なる割合で第1仮停止図柄、第2仮停止図柄または最終仮停止図柄として擬似連用図柄が仮停止されるようにしてもよい。
図34は、突確報知演出の具体例を示す説明図である。第1確変期間に行われる通常突確報知演出では、演出図柄の変動表示が開始されると(図34(A1))、左図柄「1」が停止表示され(図34(A2))、右図柄「5」が停止表示される(図34(A3))。そして、中図柄「☆」が停止表示されることで、突然確変大当り図柄「1☆5」が停止表示されて、「確変継続」の文字が表示される(図34(A4))。このように、通常突確報知演出では、リーチ状態になることもなく、突然確変大当り図柄「1☆5」が停止表示されるとともに「確変継続」の文字が表示され、突然確変大当りとなったことが報知される。したがって、突然確変大当りの場合に必ず通常突確報知演出が実行される第1確変期間では、リーチ状態になることもなく、あっさりと突然確変大当りが発生する。
また、第2確変期間に行われる特殊突確報知演出では、演出図柄の変動表示が開始すると(図34(B1))、左図柄「2」が停止表示され(図34(B2))、右図柄「2」が停止表示され、リーチ状態となり、「リーチ」の文字が表示されるリーチ演出が行われる(図34(B3))。そして、中図柄に大当り図柄となる「2」ではなく「☆」が停止表示されることで、突然確変大当り図柄「1☆5」が停止表示されて、「確変継続」の文字が表示される(図34(B4))。このように、特殊突確報知演出では、リーチ状態となるものの、中図柄「☆」が停止表示されて、突然確変大当り図柄が停止表示されるとともに「確変継続」の文字が表示されることで、突然確変大当りとなったことが報知される。第2確変期間に突然確変大当りとなったときには、通常突確報知演出よりも特殊突確報知演出が行われる割合が高いため、第2確変期間では、第1確変期間に比べて、長めの変動時間でリーチ演出等が行われた後に突然確変大当りが発生する割合が高くなる。
なお、図33および図34に示す例に限らず、特殊擬似連演出または特殊突確報知演出において、リーチ演出後に一旦はずれ図柄を停止させ、左中右のいずれかの演出図柄が変更される滑り演出を行うことで、チャンス目図柄または突然確変大当り図柄を停止表示させるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、突然確変大当りが発生した場合には、第1確変期間と第2確変期間とのいずれであるかに応じて、突確報知演出のタイミング(演出態様)が異なる割合で実行されるが、この他にも、例えば、ファンファーレ演出やエンディング演出を異ならせる構成を加えてもよい。例えば、第1確変期間に突然確変大当りが発生した場合には、第2確変期間に発生した場合に比べてファンファーレ演出やエンディング演出の実行時間を短くするようにしてもよい。なお、このような構成は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、突然確変大当りが発生した場合には、第1確変期間と第2確変期間とのいずれであるかを判定し、判定結果に応じて、異なるコマンドを送信すること(ステップS134、S162)や、大当り表示時間タイマに設定する大当り表示時間と、大当り終了表示タイマに設定する大当り終了表示時間とを異ならせること(ステップS135、S163)などによって実現される。また、このような構成は、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ560において、突然確変大当りが発生した場合には、第1確変期間と第2確変期間とのいずれであるかを判定し、判定結果に応じて、異なるファンファーレ演出を実行するためのプロセステーブルを選択すること(ステップS8309)によって、大当り表示処理(ステップS804)における演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する時間や内容を異ならせることや、大当り終了演出処理(ステップS807)における演出時間や内容を異ならせることなどによっても実現される。
図35は、通常確変終了報知演出及び特殊確変終了報知演出の具体例を示す説明図である。確変状態における特別回数目の変動表示において、表示結果が「はずれ」のときに行われる通常確変終了報知演出では、演出図柄の変動表示が開始され(図35(A1))、はずれ図柄「185」が停止表示されると(図35(A2))、その後、はずれ図柄「185」とともに大当り連荘数(本例では2)と獲得出玉(本例では5000)とが示される確変終了報知画面が表示される(図35(A3))。そして、遊技状態は確変状態から通常状態に移行される。
また、確変状態における特別回数目の変動表示において、表示結果が当り(15R確変大当りまたは突然確変大当り)のときに行われる特殊確変終了報知演出では、演出図柄の変動表示が開始され(図35(B1))、はずれ図柄「185」が仮停止表示されると(図35(B2))、はずれ図柄「185」とともに大当り連荘数(本例では2)と獲得出玉(本例では5000)とが示される確変終了報知画面が表示される(図35(B3))が、所定期間後に仮停止表示された演出図柄が再度変動する復活演出が行われ(図35(B4))、大当り図柄「777」が停止表示される(図35(B5))。そして、大当り遊技状態に移行される。
図35に示すように、通常確変終了報知演出が実行される場合(図35(A1)〜(A3))と、特殊確変終了報知演出が実行される場合(図35(B1)〜(B3))とで、変動開始から確変終了報知画面が表示されるまで、演出表示装置9において同じ(略同じ)表示制御が行われる。通常確変終了報知演出が実行される場合には、図35(A2)に示すタイミングではずれ図柄が停止表示されているのに対して、特殊確変終了報知演出が実行される場合には、確変終了報知画面が表示された後に演出図柄が再度変動する復活演出が行われるため、図35(B2)に示すタイミングでは、はずれ図柄が仮停止表示(例えば、完全に停止せず僅かに振動している)されているが、画面表示上は、停止表示であるか仮停止表示であるかが明確に認識できるほどの違いがない。また、通常確変終了報知演出と特殊確変終了報知演出とで、共通のタイミングで確変終了報知画面が表示される(図35(A3),(B3)。(例えば、後述する図36に示される変動開始から10秒後の時点))。そのため、遊技者は、確変終了報知画面が表示された時点では、通常確変終了報知演出と特殊確変終了報知演出とのいずれであるかを判断することはできない。したがって、特別回数目の変動表示では、大当りが発生することによって確変状態が継続するか否かに注目させるとともに、確変終了報知画面が表示されても大当りが発生することの期待感を持続させることができ、遊技者の関心を惹きつけることができる。
図36は、通常確変終了報知演出および特殊確変終了報知演出の実行タイミングを示すタイムチャートである。この実施の形態では、図36(A)に示すように、通常確変終了報知演出が行われる場合には、変動開始から10秒後(変動パターン「特殊はずれ」の変動時間(図6参照))に、はずれ図柄が停止表示され、確変終了報知画面が表示される。また、図36(B)に示すように、特殊確変終了報知演出が行われる場合には、変動開始から10秒後に、はずれ図柄が仮停止表示され、確変終了報知画面が表示される。そして、確変終了報知画面が表示された後に、仮停止表示された演出図柄が再度変動する復活演出が行われ、変動開始から20秒後(変動パターン「特殊当り」の変動時間(図6参照))に、大当り図柄が停止表示される。図36に示すように、変動開始から10秒後まで(はずれ時の変動表示が停止するまで)は、通常確変終了報知演出と特殊確変終了報知演出とで、はずれ図柄の停止表示または仮停止表示と、確変終了報知画面の表示とが同じタイミングで行われる。そのため、遊技者は、確変終了報知画面が表示された時点では、通常確変終了報知演出と特殊確変終了報知演出とのいずれであるかを判断することはできない。したがって、確変終了報知画面が表示されても大当りが発生することの期待感を持続させることができ、特別回数目の変動表示に遊技者の関心を惹きつけることができる。なお、この実施の形態では、表示結果が15R確変大当りまたは突然確変大当りのときには、大当り種別に関わらず、同じ変動パターン「特殊当り」に決定されるように構成されているが、これに限らず、複数種類の変動パターン「特殊当り」を設け(例えば、変動時間が異なる)、大当り種別に応じて、いずれかの変動パターン「特殊当り」に決定するようにしてもよい。ただし、この場合であっても、確変終了報知画面は共通のタイミングで表示され(例えば、「特殊はずれ」の変動時間が経過したタイミング(図36に示す変動開始から10秒後))、復活演出の時間のみが異なるようにすることが望ましい。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定条件の成立(本例では大当り(特定遊技状態)の発生)にもとづいて遊技者にとって有利な特別遊技状態(本例では確変状態。なお、確変状態に限らず時短状態を含むようにしてもよいし、遊技の進行に応じてポイントを付与する構成であれば、ポイントを高確率で付与する状態を含むようにしてもよい)に識別情報の可変表示が特別回数行われるまで(本例では確変状態において可変表示の回数が70回に達するまで、または大当り(特定遊技状態)が発生するまで)制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別遊技状態中において、特別回数目の識別情報の可変表示が行われるときに、該特別遊技状態が終了する旨を報知するための報知演出を実行する(通常確変終了報知演出または特殊確変終了報知演出で確変終了報知画面の表示制御を行う)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別遊技状態における特別回数目の識別情報の可変表示で特定表示結果(大当り図柄)を導出表示すると決定されたときには、特別回数目の識別情報の可変表示が開始された後に、該特別遊技状態が終了する旨を報知するための報知演出を実行し(確変終了報知画面の表示制御を行い)、その後、特定表示結果を導出表示する特殊確変終了報知演出を実行する。そのように構成されることによって、特別遊技状態における特別回数目の変動表示では、特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されることによって特別遊技状態(本例では確変状態)が継続するか否かに注目させるとともに、該特別遊技状態が終了する旨を報知するための報知演出が実行されても(確変終了報知画面が表示されても)、特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されることの期待感を持続させることができ、遊技者の関心を惹きつけることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別遊技状態における特別回数目の識別情報の可変表示で特定表示結果を導出表示しないと決定されたときには、可変表示期間を第1可変表示期間(例えば、変動パターン「特殊はずれ」の10秒)に決定し、特定表示結果を導出表示すると決定されたときには、可変表示期間を第1可変表示期間よりも長い第2可変表示期間(例えば、変動パターン「特殊当り」の20秒)に決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定表示結果が導出表示されるか否かに関わらず、共通のタイミング(図35(A3),(B3)、図36に示される変動開始から10秒後の時点)で特別遊技状態が終了する旨を報知するための報知演出を実行可能である(本例では、通常確変終了報知演出と特殊確変終了報知演出とで同じタイミングで確変終了報知画面の表示制御が行われる)。そのように構成されることによって、特別遊技状態中(確変状態中)において特別回数目(本例では70回目)の識別情報の可変表示が行われるときに、特定表示結果が導出表示されるか否かに関わらず共通のタイミングで報知演出を実行可能であるため、報知演出が行われても大当りとなる可能性が残り(確変終了報知画面が表示されても、遊技者は通常確変終了報知演出と特殊確変終了報知演出とのいずれであるかを区別することはできず)、期待感を維持することができる。
なお、この実施の形態では、特別遊技状態(確変状態)中における特別回数目の識別情報の可変表示において、特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されるか否かに関わらず、報知演出が実行される(確変終了報知画面が表示される)が、特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されると決定されている場合には、所定条件を満たしたときにのみ報知演出が実行される(確変終了報知画面が表示される)ようにしてもよい。つまり、特別遊技状態(確変状態)中における特別回数目の識別情報の可変表示において、確変終了報知画面が表示されることなく(特殊確変終了報知演出が実行されることなく)大当り図柄が停止表示されてもよい。例えば、特別遊技状態(確変状態)中における特別回数目の識別情報の可変表示の表示結果が、特定表示結果(大当り図柄)に決定されている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100において、乱数を抽出し、抽出した乱数が所定値以上であれば確変終了報知画面が表示されるようにしてもよいし、大当り種別が突然確変大当りまたは15R確変大当りのいずれか一方の場合にのみ確変終了報知画面が表示されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、特別遊技状態(確変状態)中における特別回数目の変動表示において、リーチ演出や擬似連演出が実行されないように構成されているが、これらの演出を実行するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100においてリーチ演出や擬似連演出を実行するか否かを決定するようにしてもよいし、あらかじめリーチ演出や擬似連演出を伴う変動パターン「特殊はずれ」および「特殊当り」を設けておき、遊技制御用マイクロコンピュータ560でいずれかの変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、特別遊技状態(確変状態)中における特別回数目の変動表示において、特殊突確報知演出や特殊擬似連演出が実行されないように構成されているが、これに限らず、特別回数目の変動表示の表示結果が大当りの場合には、はずれ図柄を仮停止表示して確変終了報知画面を表示した後に、復活演出で特殊突確報知演出や特殊擬似連演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り(特定遊技状態)の種別として、第1特定遊技状態(本例では15R確変大当り)と該第1特定遊技状態よりも価値が低い第2特定遊技状態(本例では突然確変大当り)とが設けられている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定条件の成立(本例では大当り(特定遊技状態)の発生)にもとづいて遊技者にとって有利な特別遊技状態(本例では確変状態)に特別期間(本例では確変状態に移行されたときから確変状態において可変表示の回数が70回に達したときまで、または大当り(特定遊技状態)が発生するまで)制御する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2特定遊技状態に制御されることを特定表示結果(本例では突然確変大当り図柄)が導出表示される可変表示における第1タイミング(本例ではリーチ前)または該第1タイミングよりも後の第2タイミング(本例ではリーチ後)で報知可能である。そして、特別遊技状態に制御される特別期間のうちの第1期間(本例では第1確変期間)よりも該第1期間より後の第2期間(本例では第2確変期間)の方が第2タイミングで報知を行う割合が高い。そのため、特別遊技状態に制御される特別期間のうちのどの期間であるかに応じて、第2特定遊技状態に制御されることを報知するタイミングを変化させることができ、特別遊技状態に制御されている期間の遊技が単調となり興趣が低下することを防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特定遊技状態とするか否かを可変表示の表示結果が導出表示される前に決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定結果にもとづいて、可変表示が開始されてから表示結果が導出表示される以前に予告演出(本例では擬似連演出)を所定回数繰り返し実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1タイミング(本例ではリーチ前)または該第1タイミングよりも後の第2タイミング(本例ではリーチ後)で繰り返しの予告演出(本例では擬似連演出)を実行可能である。そして、特別遊技状態に制御される特別期間のうちの第1期間では第1タイミングで繰り返しの予告演出(例えば、擬似連演出)を実行し、第1期間より後の第2期間では第1タイミングまたは第2タイミングで繰り返しの予告演出を実行する割合が高い。そのため、特別遊技状態に制御される特定期間のうちのどの期間であるかに応じて、繰り返しの予告演出を実行するタイミングを変化させることができ、特別遊技状態に制御されている期間の遊技が単調となり興趣が低下することを防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、複数種類の可変表示の変動パターンに対して判定値が設定された変動パターン決定データ(本例では変動パターン決定テーブル)を使用して可変表示の変動パターンを選択する。可変表示の変動パターンは、通常変動パターン(本例では変動パターン「短縮非リーチはずれ」、「短縮ノーマルはずれ」及び「非リーチ当り」以外の変動パターン)と該通常変動パターンよりも変動時間が短い短縮変動パターン(本例では変動パターン「短縮非リーチはずれ」、「短縮ノーマルはずれ」及び「非リーチ当り」)とを含む。また、変動パターン決定データは、第1変動パターン決定データ(本例では第2確変期間用変動パターン決定テーブル)と、該第1変動パターン決定データに比べて短縮変動パターンが選択されやすい第2変動パターン決定データ(本例では第1確変期間用変動パターン決定テーブル)とを含む。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1期間(本例では第1確変期間)で第2特定遊技状態(本例では突然確変大当り)に制御するときには第2変動パターン決定データを使用して可変表示の変動パターンを選択し、第2期間(本例では第2確変期間)で第2特定遊技状態に制御するときには第1変動パターン決定データを使用して可変表示の変動パターンを選択する。そのため、特別遊技状態に制御される特別期間のうちのどの期間であるかに応じて、第2特定遊技状態に制御されるときの可変表示の変動時間が異なるため、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り(特定遊技状態)が終了した後、遊技状態を、始動領域(本例では第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過する頻度が低い低頻度状態に比べて始動領域を遊技媒体が通過する頻度が高い高頻度状態(本例では時短状態(高ベース状態))に制御する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、高頻度状態における可変表示の実行回数を複数の回数のいずれかに決定する。このとき、第2特定遊技状態(本例では突然確変大当り)が終了した後には、第1特定遊技状態(本例では15R確変大当り)が終了した後に比べて、実行回数を高い割合で多い回数に決定する。そのため、第2特定遊技状態に制御されることの落胆を軽減することができる。
なお、この実施の形態では、リーチ状態となる前を第1タイミングとして通常突確報知演出(または通常擬似連演出)が行われ、リーチ状態となった後を第2タイミングとして特殊突確報知演出(または特殊擬似連演出)が行われている。すなわち、第1タイミングと第2タイミングとは、リーチの前か後かで区別されているが、これに限らず、変動表示期間中において第2タイミングが第1タイミングより後に設けられていればよい。また、第1タイミングと第2タイミングとの2つに限らず、3つ以上のタイミングを設け、非確変状態(通常状態または時短状態)または確変状態における第1確変期間もしくは第2確変期間のいずれであるかに応じて、異なる割合でいずれかのタイミングで演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1確変期間において突然確変大当りとなった場合には、必ず短縮用の変動パターン「非リーチ当り」に決定され、通常突確報知演出が実行されるが、この場合に、短縮用の変動パターン「非リーチ当り」以外の変動パターンにも決定され、特殊突確報知演出も実行されるようにしてもよい。ただし、第2確変期間に比べて特殊突確報知演出が実行される割合が低いことが望ましい。
また、この実施の形態では、第1確変期間と第2確変期間とでは、突然確変大当りの場合に実行される突確報知演出の演出態様が異なるときには、変動時間も異なるが、変動時間は同じで突確報知演出の演出態様(すなわち報知のタイミング)のみが異なるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、変動表示中に繰り返し実行される予告演出として、擬似連演出を例にしているが、これに限らず他の演出であってもよい。例えば、擬似連演出では、変動開始後に、チャンス目図柄を仮停止させ、一旦仮停止した演出図柄を再変動させる演出が繰り返し実行されるが、チャンス目図柄を仮停止させて再変動させる代わりに、所定の画像が表示される予告演出が繰り返し実行される予告連演出にも本願発明は適用可能である。具体的には、第1確変期間においては、第1タイミング(例えばリーチ前)で所定の画像が表示される予告演出が行われ、第2確変期間においては第1タイミングより後の第2タイミング(例えばリーチ後)で所定の画像が表示される予告演出が行われる割合が高くなる。
また、この実施の形態では、第1確変期間においては、必ず通常擬似連演出が実行され、特殊擬似連演出が実行されないように構成されているが、第1確変期間においても、特殊擬似連演出が実行されるようにしてもよい。ただし、第2確変期間に比べて特殊擬似連演出が実行される割合が低いことが望ましい。
また、この実施の形態では、第1確変期間と第2確変期間とで擬似連演出の発生頻度はあまり変わらず(図9参照)、第2確変期間では特殊擬似連演出が実行される割合が高くなるように設定されているが、第2確変期間においては特殊擬似連演出が実行される割合が高くなるため、擬似連演出の発生頻度も高くするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、大当り種別に関わらず、確変状態に制御される回数は特別回数(70回)に決定されるが、大当り遊技終了後に時短状態に制御される回数は、大当り種別が15R確変大当りと突然確変大当りとのいずれであるかに応じて、図8(D),(E)に示すように定められている(本例では、15R確変大当りでは70回、突然確変大当りでは100回)。したがって、突然確変大当りの場合には、大当り遊技終了後の71回目から100回目の変動表示が行われる期間は、確変状態(高確率状態)ではないが、時短状態(高頻度状態)に制御される。このように、確変状態(高確率状態)終了後に時短状態(高頻度状態)に制御される場合には、時短状態(高頻度状態)が終了する変動表示(本例では大当り遊技終了後の100回目の変動表示)において、有利な状態(本例では時短状態(高頻度状態))が終了することを報知する時短終了報知演出(例えば、確変終了報知画面と同様に、大当り連荘回数と獲得出玉とを示す画面を表示する)を実行するようにしてもよい。また、時短状態(高頻度状態)が終了する変動表示(本例では大当り遊技終了後の100回目の変動表示)において、変動表示の表示結果が大当りである場合には、特殊確変終了報知演出と同様に、一旦はずれ図柄を仮停止表示して時短終了報知演出(例えば、確変終了報知画面と同様に、大当り連荘回数と獲得出玉とを示す画面を表示する)を実行した後に、復活演出を行い、大当り図柄を導出表示するようにしてもよい。なお、時短状態(高頻度状態)が終了する変動表示(本例では突然確変大当りによる大当り遊技終了後の100回目の変動表示)において、時短終了報知演出を実行する場合には、確変状態(高確率状態)が終了する変動表示(本例では突然確変大当りによる大当り遊技終了後の70回目の変動表示)では、確変終了報知演出を実行しないようにしてもよい。すなわち、突然確変大当りによる大当り遊技終了後、70回目の変動表示において確変終了報知演出が実行され、100回目の変動表示において時短終了報知演出が実行されるようにしてもよいし、確変終了報知演出と時短終了報知演出とのいずれか一方のみが実行される(つまり突然確変大当りの場合には、70回目の変動表示において確変終了報知演出を実行しない)ようにしてもよい。
また、この実施の形態では、確変状態における特別回数目(本例では70回目)の変動表示の表示結果が、大当り(15R確変大当りまたは突然確変大当り)であれば、大当り種別に関わらず、はずれ図柄が仮停止表示されて確変終了報知画面が表示された後に、復活演出が行われ、大当り図柄が導出表示される特殊確変終了報知演出が実行されるが、このような特殊確変終了報知演出は、例えば、大当り種別が15R確変大当りの場合にのみ実行されるようにしてもよい。この場合、大当り種別が突然確変大当りであれば、特殊確変終了報知演出とは異なる演出(例えば、特別回数目以外の変動表示と同様の通常突確報知演出(図34(A1)〜(A4))もしくは特殊突確報知演出(図34(B1)〜(B4))、または通常突確報知演出および特殊突確報知演出とも異なる特別回数目専用の突確演出)が実行されるようにしてもよい。また、確変状態における特別回数目(本例では70回目)の変動表示の表示結果が、大当り(15R確変大当りまたは突然確変大当り)であれば、大当り種別に関わらず、はずれ図柄を仮停止表示して確変終了報知画面を表示した後に、復活演出を行うようにする場合には、大当り種別に応じて復活演出の態様を異ならせるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図2に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組み合わせが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。