以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
まず図1を参照して、パチンコ遊技機1の正面側の構成について説明する。図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、パチンコホール島設備側の遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成され、その操作の前後で特定の演出(たとえば、遊技者参加型演出)に変化をもたらす際に利用され、第1演出ボタン(通常ボタン)、第2演出ボタン(回転灯ボタン)、第3演出ボタン(ローリングボタン)として活躍する「枠演出用ボタン13(演出用操作手段)」が設けられている。この枠演出用ボタン13は、たとえば、特定の演出が発生したときに、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されまたは液晶画面に演出ボタン画像が表示されることで操作可能(入力受付可能)となり、その操作可能期間中(入力受付期間中)に押下することにより演出に変化をもたらすための「演出用操作手段」として働く。この演出用操作手段としては、たとえば、ボタン式、ジョグダイヤル式、非接触型センサを利用したタッチセンサ式、液晶表示装置を利用したタッチパネル式などが挙げられるが、いずれの場合にも遊技者による操作が行われた場合に演出に何らかの変化を与える(操作の前後で演出に変化をもたらす)ために利用できるものであれば特に制限されない。また、上記演出用操作手段について、その種類や設置個数も特に制限されない。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する複数の装飾ランプ45が設けられている。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図2に示す遊技盤3は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示および停止表示が可能である液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする部材(流路振分手段)として働く。本実施形態では、センター飾り48の存在によって遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるように、遊技領域3aのほぼ中央部に配置されている。ただし、この実施形態の場合、センター飾り48は少し右側に膨出した形となっている。
センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、かつ固定ネジなどにより遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。鎧枠部48bは、その略全体が前面装着板48aから前側に突出しており、その内側、すなわち液晶表示装置36側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、この鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。このようなセンター飾り48は、遊技球の落下方向を変換する遊技球落下方向変換部材(落下方向変換手段)として働く。
なお図示していないが、センター飾り48には、液晶表示装置36の前側下部に、鎧枠部48bの左側部に設けられた入球口(図示せず)から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて、左右方向中央の落下口(始動口案内路)またはその左右両側から落下させるステージが設けられている。またセンター飾り48には、適所に、その動作態様により視覚的演出効果を奏する可動体役物(後述の時計盤部81、花型役物90など)が設けられている。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。上記の特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、予告演出(たとえば、演出画像表示)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作(たとえば、シーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで当否が判明する)により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、大当り(「大当り」の詳細は後述する)に係る規定ラウンド数を報知する「規定ラウンド報知手段」として機能し、たとえば、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、その規定ラウンド数が報知されるようになっている。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入賞容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入賞困難または入賞不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されており、具体的には、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」の入賞装置として構成されている。普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37が設けられている。この普通図柄始動口37(第3の始動手段)は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない。しかし本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成しても良いし、両流下経路のそれぞれに形成しても良い。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞しうる。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の3つの一般入賞口43があり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の1つの一般入賞口43がある。
下始動口35については、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし、下始動口35の可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37に遊技球の通過(入賞)がその作動条件となっているので、実質的には右流下経路3cにのみに属するといえる。
また上始動口34については、概ね左流下経路3bか、または左流下経路3bのみに属し、右流下経路3cからの遊技球については、入賞が困難または不可能となっている。すなわち、遊技領域3a内の遊技くぎやその他の遊技部品の配置は、左流下経路3bを流下して来た遊技球(センター飾り48のステージを経た遊技球を含む)について、これを上始動口34へ誘導し得るが、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、これを上始動口34へ誘導困難または誘導しない、という誘導路を形成するように配設されている。
また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43などの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43aなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。上記入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口40は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。なお、各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<可動体役物>
また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する複数の可動体役物が配設されている。本例ではセンター飾り48内の右上側、つまり右流下経路3cを通る遊技球の流下を妨害しない位置に第1の可動体役物(時計型役物)80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物90)が配設されている。また第3の可動体役物(回転灯62および発光装置を納めた半透明の球状の可動体73)が枠演出用ボタン13内に揺動および回転可能に一体的に組み込まれている。詳細は後述するが、枠演出用ボタン13は、この内蔵する可動体73の静止時の向き(遊技者から見える面の位置)によって、通常ボタン13A(第1演出ボタン)または回転灯ボタン66(第2演出ボタン:ラッキーパト)として機能し、可動体73が前方に回転している状態にある場合には爽快ボタン70(第3演出ボタン:ローリングボタン)として機能するようになっている。
(第1の可動体役物80)
第1の可動体役物は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部(数字表示部)81と、この時計盤部81上を回動し、必要に応じて時分を示すことができる短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として時計型役物80として構成されている。時計盤部81は、短針が示すセクター区画場所(ローマ文字「I」から「XII」の数字セクター)毎に裏側又は内部にフルカラーLEDを有し、または数字セクター自体がフルカラーLEDで構成されていて、それらのローマ文字「I」から「XII」を付した数字セクターが個々に独立して異なった色で発光できる構成となっている。
この時計型役物80は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する「主役物」として働くものである。時計型役物80の時計針82がぐるぐる高速で回り、時計盤部81の数字セクターが所定の「色と個数」で発色し、遊技者に対し当り当選期待度を示す働きをする。たとえば、時計盤部(数字表示部)81における数字セクターのLEDの発光色が、白色(通常色)、青色、黄色、緑色、赤色、デンジャー柄(D柄)の順に遊技者に対する当り当選期待度が高まるように構成する。「デンジャー柄(D柄)」とは、地の黄色に黒のストライプ模様を施したもの、または、更にその黒のストライプ帯内にDANGERの文字を配してなるものの総称である。
なお、ここでは、図柄変動表示動作が停止するまでの間、時計型役物80の時計針82が回り続ける構成としているが、図柄変動表示動作の途中で時計針82が停止するように構成して、その停止した時計針82の短針が指す数字セクターの数字で、または当該数字と発色する数字セクターの色とで当り当選期待度を示すようにしても良い。また時計盤部(数字表示部)81における数字セクターのLEDの発光色が、虹色(プレミアム色)に発光した場合は大当りが確定するように構成することができる。
(第2の可動体役物90)
第2の可動体役物90は、花心A1の周りに複数枚の花弁からなる花冠A2を配し、花心A1および花冠A2を上下方向に移動(落下移動)可能に構成した第1可動体91と、その花冠A2の外側周囲に位置するように萼B1を茎部B2の先端に取り付け、萼B1および茎部B2を左右方向に移動(突出移動)可能に構成した第2可動体92とから構成される。この実施形態の場合、第1可動体91と第2可動体92は互いに独立に動作可能であり、液晶画面の片側近く(右側方)に両者の合体位置が来るように配置される。
動作態様に関して記述すると、第1可動体91は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置(後述する合体位置)よりも「上方」のホームポジション(原位置)に位置し、また第2可動体92は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置よりも「右方」のホームポジション(原位置)に位置する。そして、第1可動体91は単独に上方の原位置から液晶画面右上の図2の実線位置に花冠A2が来るように移動(落下)でき、また、第2可動体92は単独に右方のホームポジション(原位置)から液晶画面右上の図2の実線位置に萼B1が来るように移動(突出移動)できる。第1可動体91の落下運動と第2可動体92の突出運動とが同時に生起して、それぞれが図2の実線位置(合体位置)まで移動した場合、ここでで花冠A2と萼B1が重なり合って合体し、花心A1の周りに花冠A2を配し、更にその外側周囲に萼B1を配して花被を二重にした「花型部」を形作る。この意味で、第2の可動体役物90は「花型役物」とも称される。
この花型役物90は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する「副役物」として働くものである。第1可動体91と第2可動体92が合体した場合、第1可動体91(花心A1および花冠A2)が第2可動体92の茎部B2の先端部において回転すると共に、半透明の花心A1、花冠A2および萼B1が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色する。これらの作用により遊技者に対する当り当選期待度を高める。なお、図柄変動表示動作が停止(図柄変動表示ゲームが終了)すると、花型役物90は図2に実線で示す演出位置(合体位置)から原点位置に戻る。
この実施形態の場合、第1可動体91は単独に上方の原位置から図2の実線位置(合体位置)に落下移動でき、第2可動体92は単独に右方のホームポジション(原位置)から図2の実線位置(合体位置)に突出移動できるとした。しかし第1可動体91と第2可動体92は液晶画面領域に出現または突出し、そこで合体するように構成してもよい。このように構成した場合の動作としては、第1可動体91と第2可動体92が、通常は液晶画面内の縁または液晶画面外の脇に定めた原位置(図示せず)で静止している。しかし、大当り入賞球またはハズレ入賞球が発生し、上記所定の条件が成立すると、第1可動体91は上方から下方に落下移動し、また第2可動体92は右方向から液晶画面に近寄った位置または液晶画面の一部を覆う演出位置(図2に実線で示す位置)まで突出移動して来て、両者が合体することになる。斯様な可動体役物の動作態様により、インパクトのある演出効果が発揮される。なお第2の可動体役物90の動作態様種別(可動体組合せ動作態様種別)についての詳細は、図43〜図44にて後述する。
(第3の可動体役物73:図2)
枠演出用ボタン13は、図2に概略を示すように、受け皿ユニット8と表面が一体をなすように構成された透明枠71内に、比較的大きな表面積を持つ透明な押圧ボタン型筒体72を上下動可能に組み込み、この押圧ボタン型筒体72内またはその下方(以下、単に押圧ボタン型筒体72内と略す。)において、第3の可動体役物としての可動体73をローリング可能につまり回転可能かつ複数方向に揺動可能に組み込んだ構造となっている。
可動体73(第3の可動体役物)は、押圧ボタン型筒体72内に配置され、遊技者から見て横軸を中心に回転可能かつ左右方向に揺動できるように装置した半透明の球状の空枠と、この空枠内に納めた回転灯62および発光装置から構成されている。押圧ボタン型筒体72を押したとき、またはその前後の所定のタイミングにおいて、可動体73がローリング動作(回転および揺動運動)し、その動作の様を空枠内部または周囲から有色光で照明して、遊技者が外部から視認できる構造となっている。
上記構造の枠演出用ボタン13は、その操作時の可動体73の動作態様が「通常静止中」、「回転灯待機中」、「ローリング動作中」のいずれにあるかの違いにより、「通常ボタン13A(第1演出ボタン)」、「回転灯ボタン66(第2演出ボタン:ラッキーパト)」、「爽快ボタン70(第3演出ボタン:ローリングボタン)」として使い分けされる。
ここに「通常静止中」とは、静止状態にある可動体73の回転角度位置が0度で、回転灯62の発光状体(包囲体64の頂面)が押圧ボタン型筒体72を通して上から見ない位置(遊技者から隠た位置)に在る状態をいい、この状態下で押圧ボタン型筒体72を押すと、枠演出用ボタン13は、通常ボタン13A(第1演出ボタン)として働く。本明細書中で「通常ボタン13A」と記した場合、この「通常静止中」に操作する場合の枠演出用ボタン13を指す。
また「回転灯待機中」とは、静止状態にある可動体73の回転角度位置が、上記の通常静止中の位置(0度)から手前に90度回転した位置(90度)に切り替わり、回転灯62の発光状体(包囲体64の頂面)が押圧ボタン型筒体72を通して上から見える位置(遊技者から見える位置)に在る状態をいい、この状態下で押圧ボタン型筒体72を押すと、枠演出用ボタン13は、回転灯ボタン66(第2演出ボタン)として働く。回転灯ボタン66(第2演出ボタン)として働く場合、回転灯62が押圧ボタン型筒体72を通して上から見えるので、操作することを催促することができるとともに、たとえば操作した瞬間に回転灯62が作動する様を押圧ボタン型筒体72を通して視認することができる。したがって、一発告知的な予告演出を現出させるのに適し、非常に緊迫した瞬間を現出させることができる。なお「回転灯待機中」の期間を経過すると、可動体73は奥側に90度回転して、「通常静止中」の位置(0度)に戻る。
また「ローリング動作中」とは、可動体73が前方に回転し続けている状態をいい、つまり図2に示すように横軸を回転中心軸として可動体73が回転している状態をいい、この可動体73が回転している状態下で押圧ボタン型筒体72を押すと、枠演出用ボタン13は、爽快ボタン70(第3演出ボタン)として働く。爽快ボタン70として働く場合、球状の可動体73がローリング動作(高速回転)する様が、透明枠71および押圧ボタン型筒体72を通して外部から見えることから、遊技者はこのローリングボタン70を操作したとき、通常ボタン13Aや回転灯ボタン66を押したときとは異なる、非常に満足の行く快感を得ることができる。なお「ローリング動作中」の期間を経過すると、可動体73は静止して「通常静止中」の位置に戻る。
図2の下部に、上記のように使い分けされる3種のボタン機能のうち、回転灯ボタン66(ラッキーパト)と、爽快ボタン70(ローリングボタン)の機能部分を分けて示す。ここでは理解を容易にするために、回転灯ボタン66(ラッキーパト)専用のスイッチ65や、爽快ボタン70(ローリングボタン)専用のスイッチ74が存在するものの如く描いているが、実際には1のスイッチが使い分けされるだけである。
回転灯ボタン66(ラッキーパト)は、赤色半透明の包囲体64中に、光源としてのランプ(またはLED)62aと、このランプ62aからの光を反射させる反射体としての反射鏡62bとを備えた回転灯62からなり、反射鏡62bを回転させることで、光源から発光された光の進行方向を変化させるように構成されている。この第3の可動体役物は、大当たり変動中に大当り確定予告(いわゆる一発告知)をなす演出手段として作用する。一発告知をなす場合は、特別図柄変動表示動作が開始されると同時に告知音(確定音)が発生されるとともに、特別図柄変動表示動作の変動開始から変動停止までの長い変動期間中にわたって回転灯63が作動される。すなわち、回転灯62のランプ62aが点灯され続けると共に、ステッピングモータ63により反射鏡62bが回転され続ける。これにより遊技者は、特別図柄変動表示ゲームの結果が液晶表示装置36に表示される前に、確変大当りに当選したことを衝撃的に知ることができる。
また、図2の左側図では、回転灯62が押しボタン式の回転灯ボタン66として作用する場合の回転灯スイッチ65を有するものとして描かれており、所定のタイミングで回転灯62の包囲体64を押圧操作すると、回転灯スイッチ65がONし、当り告知音が発生して回転灯62が作動する構成となっている。しかし、実際には、回転灯62は図2の右側図の空枠(可動体73の殻部分)内に納められているため、回転灯62の操作部として機能するのは包囲体64ではなく押圧ボタン型筒体72であり、この押圧ボタン型筒体72を「回転灯待機中」に押圧操作することでスイッチ74がオンし、回転灯スイッチ65がONしたのと同じ結果となって回転灯62が作動する。「通常静止中」に作用する通常ボタン13Aは、必ずしも全ての演出手段が作動するとは限らない使用頻度の高い演出ボタンである。これに対し、この回転灯ボタン66は一発告知用である。このため回転灯ボタン66が選択される割合は高くないが、通常ボタンよりも大きな演出効果、たとえば回転灯62の点滅動作と音響を発生させるなど、より多くの演出手段を一斉に作動させて、「16R確変大当りであること」を図柄変動の初期段階で確定報知するための演出ボタン(本明細書では「ラッキーパトボタン」とも称する。)として利用される。
爽快ボタン70として機能する場合は、図2の右側図に概略を示すように、可動体73が押圧ボタン型筒体72内で高速に連続回転する「ローリング動作中」となり、その動作する様を内部または周囲から有色光で照明し、この様子を遊技者が押圧ボタン型筒体72を通して外部から視認できる状態が現出する。この状態の出現を前提として爽快ボタン70が操作されるため、大当り時に爽快ボタン70を操作したときには、その操作後に発生する大当り時の演出との相乗効果より、非常に大きな快感を遊技者に与えることができる。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御を司る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出動作制御(演出手段に対する演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM202(主制御ROM)と、RAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
ROM202は、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM203は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、遊技進行の際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またRAM203は、特定の抽選(たとえば、特別図柄に係る変動パターン抽選)に利用される乱数カウンタとして機能し、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を発揮する割込コントローラ回路、カウンタ回路なども備えている。上記カウンタ回路は、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(乱数の大きさ:65536)として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、パチンコ遊技機1に対する不正行為(ゴト行為)を検出する不正検出センサ99とが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
不正検出センサ99は、パチンコ遊技機1に対する不正行為(ゴト行為)を検出する不正行為検出手段として機能し、図示はしていないが、振動センサ(振動検出手段)、磁気センサ(磁気検出手段)、電波センサ(電波検出手段)などの各種センサを含むことができる。主制御部20は、斯様な不正検出センサ99からの検出情報に基づき、遊技機に異常が生じたか否かを判定する異常判定手段を備えている。不正検出センサ99は、一般的には、パチンコ遊技機に係るゲーム性や遊技盤面の役物の設置位置などを考慮し、不正行為を効果的に検出できるように、遊技機の適所に配置される。主制御部20は、不正検出センサ99からの検出信号に基づいて、不正行為があった否かを監視し、不正行為があったと判断した場合には、所定のエラー処理を実行するようになっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、遊技進行に関する情報(たとえば、大当り当選情報や賞球数情報や図柄変動表示ゲーム実行回数情報など)を、枠用外部集中端子基板21を介してホールコンピュータHCに送信可能となっている。上記のホールコンピュータHCは、主制御部20から送られてくる上述の情報に基づき、パチンコホールの遊技機の稼働状況を管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報などを含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に送信可能となっている。このような主制御部20からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部24に送信される。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への払出状態信号の送信などである。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御(球払出機構部を駆動する払出モータの制御)、主制御部20への払出状態信号の送信などである。
また払出制御基板29には、上受け皿9が遊技球で満杯状態を検出する満杯検出センサ(球受け皿の遊技球の貯留状態を検出する検出センサ:図示せず)と、前扉開放センサ(本実施形態では、前枠2および/または前面操作パネル7の開放状態を検出する検出センサ:図示せず)とが接続されており、払出制御基板29は、これらセンサからの検出信号を受信可能となっている。
遊技球払出装置19には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ(図示せず)と、払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ(図示せず)とが設けられており、払出制御基板29は、これらセンサからの検出信号を受信可能となっている。
払出制御基板29は、上記の満杯検出センサからの検出信号に基づく上受け皿9の満杯状態、前扉開放センサからの検出信号に基づく前枠2・前面操作パネル7の開閉状態、また補給切れ検出センサからの検出信号に基づく遊技球払出装置19の遊技球の払出状態、球計数センサからの検出信号に基づく賞球払出状態や賞球数情報などの払い出しに関する各種の状態信号を主制御部20に対して送信可能な構成となっている。主制御部20は、これらの状態信号に基づき、遊技球払出装置19が正常に機能しているか否か、上受け皿9が遊技球で満杯状態であるか否かなどを監視し、異常が生じていると判定した場合、所定の払出エラー処理を実行するようになっている
また払出制御基板29は発射制御基板28に対し発射制御信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM242(演出制御ROM)と、RAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、CTC、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える割込みコントローラ回路、ハードウェア的に乱数を生成するためのカウンタ回路などが設けられている。ROM242は、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM243は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。またRAM203は、演出の抽選に利用される演出抽選用乱数の乱数カウンタとして機能し、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として働く。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45や各種LED(演出用LED:図示せず)の発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、種々の演出(光演出や音演出や可動体演出)を現出させるために、装飾ランプ45や時計型役物80の時計盤部(数字表示部)81や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、各種の可動体役物(時計型役物80、花型役物90、回転灯62、可動体73など)を動作させるための可動体役物モータ61、61a、61b、63に対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。ここで、可動体役物モータ61は時計型役物80を構成する時計針82の駆動用、可動体役物モータ61a、61bは花型役物90を構成する可動体91、92の駆動用、可動体役物モータ63は回転灯62を構成する反射鏡62bの駆動用、可動体役物モータ73aはローリングボタン70を構成する可動体73の駆動用である。演出制御部24は、これらの駆動制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。
また演出制御部24には、時計針82に対する位置検出スイッチ97と、花型役物90の第1可動体91、第2可動体92に対する位置検出スイッチ97a、97bとが接続され、演出制御部24はこれらからの検出信号を受信可能となっている。演出制御部24は、各位置検出スイッチ97、97a、97bからの検出信号に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御し、また可動体役物の動作の不具合(正常動作か否か(たとえば、動作後、原点位置に正しく戻っているか否かなど))を監視する。
また演出制御部24には、遊技者が操作可能な第1、第2演出ボタンのスイッチ、つまり枠演出ボタン13のスイッチおよび回転灯スイッチ65が接続され、演出制御部24は、これらの演出ボタン13A、66からの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示、予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いたパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出表示されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了し、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了して、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定の動作パターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大15ラウンド)繰り返される。なお、大入賞口50が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング演出、ラウンド遊技、およびエンディング演出の各遊技期間から構成される。ただし、大入賞口閉状態であるオープニング演出期間とエンディング演出期間とを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当り(当選)種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い(ハズレが1種類の場合は、ハズレ種別の抽選を行う必要がないため、その抽選を省略することができる)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信している。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(後述のリーチ状態を経由するリーチ演出や、疑似変動表示動作を伴う疑似連演出など)の発生を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果情報に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえばリーチ演出の発生を指定するリーチ演出指定用の変動パターン(リーチ変動パターン)、リーチ演出の発生を指定しない非リーチ演出指定用の変動パターン(通常変動パターン)、疑似連演出とリーチ演出との複合発生を指定する疑似連演出指定用のリーチ変動パターン(疑似連有りリーチ変動パターン)、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない疑似連演出指定用の通常変動パターン(疑似連有り通常変動パターン)などがある。なお、疑似連有り変動パターンの場合、疑似連回数を指定する情報も含むことができる。また各変動パターンに関する変動時間については、基本的には、リーチ変動パターンや疑似連有りリーチ変動パターンは、大当り当選期待感を煽るような演出を指定する変動パターンであるため、その演出時間との関係上、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下始動口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下始動口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
また本実施形態では、普電開放遊技の内容が異なる複数種類の「補助当り(補助当り1〜3)」が設けられている。具体的には、「補助当り1」に当選すると(2個の「○」LEDが点灯)、下始動口35の開放時間(可動翼片47により下始動口35が開状態となる作動時間)が長く設定され(たとえば、開放時間が通じて5.8秒:長開放(ロング開放))、「補助当り2」に当選すると(左側の1個の「○」LEDが点灯)、下始動口35の開放時間が補助当り3よりも短く設定され(たとえば、開放時間が通じて1.0秒:中開放(ミドル開放))、「補助当り3」に当選すると(右側の1個の「○」LEDが点灯)、下始動口35の開放時間が補助当り2よりも短く設定されるようになっている(たとえば、開放時間が通じて0.2秒:短開放(ショート開放))。換言すれば、補助当り1〜3は、下始動口35の開放時間の長短により、遊技者に与える利益状態(下始動口35への入賞率)が異なるようになっている。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されず、各図柄の最大保留記憶数が異なっていても良い(たとえば、特別図柄1側の最大保留記憶数を4個、特別図柄2側の最大保留記憶数を2個、普通図柄側の最大保留記憶数を6個など)。また特別図柄1および特別図柄2に関し、大当り抽選により得られる利益が相対的に高くなる図柄側の最大保留記憶数を多く設定しても良い。本実施形態では、特別図柄2に係る大当り抽選が、遊技者とり相対的に利益が高い大当り種別が得られることから(後述の図42参照)、たとえば特別図柄1側の最大保留記憶数を2個、特別図柄2側の最大保留記憶数をそれよりも多い4個に設定しても良い。
(3−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。なお、特別図柄確変機能の作動開始条件およびその作動終了条件の詳細については、追って説明する。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の2)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また条件装置作動に係る大当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(3−2−1.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。なお、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」と称する。
ここで本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連した多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態をさらに分類して管理している。たとえば、上記確変状態には、「ST前半」と「ST後半」と「ST最終」といった複数種類の確変状態が含まれ、それぞれ異なる遊技状態として管理している。なお詳細は後述するが、本実施形態では、確変状態は、大当りに当選することなく図柄変動表示ゲームの実行回数が74回転終了した場合に終了されるようになっており、その確変状態における「ST前半」とは確変状態開始から図柄変動表示ゲームが69回転終了するまで、「ST後半」とはST前半の69回転終了後図柄変動表示ゲームが4回転終了するまで、「ST最終」とはST後半の4回転終了後図柄変動表示ゲームが1回転終了するまでの遊技期間(ST最終回の図柄変動表示ゲーム)を指す。
これにより、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、同じ「確変状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては、「ST前半」、「ST後半」および「ST最終」という各遊技状態(変動パターン選択モード(後述の変動パターン振分指定番号(Tcode)):図27参照)に対応した変動パターン種別(1または複数種類の変動パターン)のうちから目的の変動パターンを選択することができるようになっている。
またこれに起因して、演出制御部24側においては、「ST前半(変動パターン振分指定番号(Tcode)「01H」)」や「ST後半(変動パターン振分指定番号(Tcode)「02H」)」や「ST最終(変動パターン振分指定番号(Tcode)「03H」)」に対応した演出モードを設け、これら演出モード下における演出を発生させることができるようになっている。なお演出モード、各遊技状態の移行条件、演出内容を指定する特別図柄の変動パターンなどの詳細については後述する。
本実施形態の場合、上記「内部遊技状態」の種類には、通常遊技状態(通常状態)と確変状態とが含まれ、特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態、換言すれば、演出の決定に着目した場合の「遊技状態(変動パターン選択モード)」の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い「通常状態」、「ST前半」および「ST後半」が含まれる。このように、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「遊技状態(変動パターン選択モード)」とを異なるものとして管理することにより、同一の内部遊技状態下であっても、変動パターン選択モードに対応した特別図柄の変動パターンを選択することができるので、図柄変動表示ゲームの変動時間(ゲーム消化時間)や、これに関連する演出に大きな変化をもたらすことができる。これにより、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。なお説明の便宜上、本明細書中では特に必要のない限り、上記内部遊技状態と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した場合の遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))とを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。
<4.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選(当り抽選)を行うようになっている。この当り種別には、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」、および「小当り」などの複数種類の当りが含まれる。
これらの当りのうち、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態(当り遊技)への移行契機(発生契機)となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「16R長開放確変大当り(16R確変大当り)」、「10R長開放確変大当り(10R確変大当り)」、「4R長開放確変大当り(4R確変大当り)」、および「2R短開放潜確大当り(2R潜確大当り)」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態または潜確状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当り種別となっている。また「小当り」は、当選時の遊技状態を継続させる当り種別となっている。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、説明の便宜上、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。
(4−2.当り遊技)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。
(4−2−1.16R長開放確変大当りによる当り遊技)
16R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「16R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を15ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における右大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)時間幅として定めたものである。なお、最大開放時間が上記「長開放時間」に設定される開閉パターンを「長開放パターン」と称する。
ラウンド遊技が開始されて右大入賞口50が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は右大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、規定ラウンド数の15ラウンドに達していなければ、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても右大入賞口50に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、右大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。つまり、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たすと、開放された大入賞口が閉鎖され、所定のインターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行されるようになっている(後述の「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、および「2R短開放潜確大当り」も同様)。
なお、ラウンド遊技間における上記「ラウンド間インターバル時間」は、「残存球排出時間」と、この残存球排出時間が経過してから次のラウンド遊技が開始されるまでの「開放前インターバル時間」とからなる。上記「残存球排出時間」とは、大入賞口の閉鎖後における大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間(たとえば、1980ms)を指し、その時間幅として、大入賞口が閉鎖される直前に入賞した遊技球が大入賞口内部に形成された入賞検出スイッチ(下大入賞口センサ42aまたは右大入賞口センサ52a)を通過するまでに要する十分な時間が確保されている。また「開放前インターバル時間」とは、上述の残存球排出時間が経過して大入賞口内の残存球が排出されたものとみなされた後、次のラウンド遊技における大入賞口が開放されるまでのインターバル区間を定めた時間幅(たとえば、20ms)を指す。この開放前インターバル時間中に下大入賞口センサ42aまたは右大入賞口センサ52aが遊技球を検出しても、その遊技球は不正行為による不正入賞とみなし、所定のエラー処理(不正入賞によるエラー処理)を行うようになっている。本実施形態では、残存球排出時間経過後の上記開放前インターバル時間を設けることで、より厳格に、不正入賞を監視することができるようになっている。
(4−2−2.10R長開放確変大当りによる当り遊技)
10R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「10R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を10ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技の内容と基本的には同じある。したがって、この10R確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、4ラウンド分の賞球数差がある)。
(4−2−3.4R長開放確変大当りによる当り遊技)
4R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「4R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を4ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技や10R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この4R確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技または10R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる。
(4−2−4.2R短開放潜確大当りによる当り遊技)
2R短開放潜確大当りによる当り遊技(以下、「2R潜確大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を2ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間は「短開放時間」の0.1秒に設定される。したがって、2R潜確大当り遊技では、大入賞口が短開放時間(0.1秒)しか開放されずに、そのラウンド遊技数も2ラウンド分と少ないことから、実質的には賞球が殆ど得られない大当り遊技となっている(正確には、大入賞口への入賞も発生する可能性はあるが、各ラウンド遊技の大入賞口の最大開放時間が短開放時間に設定される関係上、その可能性は低くなり、実質的に、賞球が殆ど得られない)。
また特図1側の当り種別の2R潜確大当り遊技中の当り中演出(当り遊技中に現出される演出)は、特図1側の当り種別の2R短開放小当り中の当り中演出と実質的同一(同一または酷似)の演出が現出されるようになっている。つまり、この2R短開放潜確大当りによる当り中演出を含む当り遊技に係る動作は、2R短開放小当りに係る遊技動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、どちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、2R短開放小当りに当選した場合であっても、高確率状態への移行契機となる「2R短開放潜確大当り」への当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
(4−2−5.小当りによる当り遊技)
小当りによる当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)では、それぞれ大入賞口の開放が2回行われ、1回あたりの大入賞口の最大開放時間が2R潜確大当り遊技の最大開放時間に相当する0.1秒に設定され、1回目の大入賞口の閉鎖後、2回目の大入賞口開放までのインターバル時間が2R潜確大当り遊技のラウンド間インターバル時間と同じ時間幅が設定される。また小当り遊技における大入賞口の閉鎖条件に関しては、最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合かのいずれか一方の条件が満たされた場合となっている。この点も2R潜確大当り遊技と同じである。つまり、この小当り遊技中において外見から捉えた大入賞口の開閉動作が、上記2R潜確大当り遊技のものと実質的に同一の動作態様で制御されるようになっている。
この「小当り」は「条件装置」の作動契機とはならない当り種別であることから、「大当り」のようなラウンド遊技は実行されない。しかし2R潜確大当り遊技と実質的に同一の動作態様で大入賞口を開閉制御することにより、疑似的なラウンド遊技を実現させて、見た目上、あたかも2R短開放潜確大当りに当選したかの如く装うことを可能にしている。
また本実施形態の場合、小当りは特図1側の大当り抽選対象であるので、小当り遊技中の当り中演出は、2R潜確大当り遊技中の当り中演出と実質的同一(同一または酷似)の演出が現出されるようになっている。つまり、当り中演出を含む小当り遊技に係る動作は、2R短開放潜確大当りに係る遊技動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、確変または通常のどちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、小当りに当選した場合であっても、高確率状態への移行契機となる「2R短開放潜確大当り」への当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
以上のように本実施形態では、大当りの種類に応じて、大当り遊技中の賞球数(特賞数:T1Y)、換言すれば、遊技者が獲得し得る遊技球数(獲得賞球数)が異なるように構成されている。なお上記では、2R潜確大当り遊技や小当りでは、最大開放時間を上記短開放時間に設定すると説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、大入賞口への入賞がある程度許容されるように、16R確変大当り遊技や10R確変大当り遊技などと同じ長開放時間を設定しても良いし、上記最大入賞数に達することは困難または不可能であるが、大入賞口への入賞球数をある程度確保できるような開放時間(長開放時間よりも短く、短開放時間よりも長い中間的な開放時間:たとえば、5秒)に設定しても良い。
(4−3.当り遊技終了後の遊技状態:図4)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。図示の各遊技状態は、内部遊技状態ではなく、変動パターン選択モードに着目した遊技状態を示してある。
(4−3−1.16R、10R、4R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
16R、10R、または4R確変大当り遊技終了後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動表示動作回数(以下、「特別図柄の変動回数」と略す)が、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計実行回数(特別図柄1および2の合計変動回数)において、所定回数(たとえば74回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで、当該確変状態が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該確変状態が終了して、次ゲームから「通常(内部遊技状態は通常遊技状態)」に移行されるようになっている。ここで「大当りが確定」するまでとは、特別図柄が大当りを示す表示態様で停止表示された場合(または確定表示された後)を捉えても良いし、大当り抽選により大当りに当選した場合を捉えても良い(以下同様)。
本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態に移行された後、大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない「小当り」は除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる回数切りの確変機(回数切り確変機(ST機))となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。
(4−3−2.2R潜確大当り遊技終了後の遊技状態)
2R潜確大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常状態」であった場合には「CZ(潜確)」に、潜確状態であった場合は「潜確状態」に、「CZ(通常)」であった場合には「CZ(潜確)」に、「CZ(潜確)」であった場合は「潜確状態」に、確変状態であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。なお、当選時の遊技状態が潜確状態であった場合、潜確状態ではなく、確変状態に移行させても良い。
本実施形態では、当選時の遊技状態が「CZ(CHANCE ZONE)」の場合、内部遊技状態に応じて次のような移行制御がなされる。当選時における遊技状態が、内部遊技状態が通常遊技状態である「CZ(通常)」であった場合には、内部遊技状態が潜確状態の「CZ(潜確)」に移行され、内部遊技状態が潜確状態の「CZ(潜確)」であった場合には「潜確状態」に移行される。なお、内部遊技状態が潜確状態下の「CZ(潜確)」は、内部遊技状態が通常遊技状態下の「CZ(通常)」と同じ遊技状態(変動パターン選択モード)として管理されるが、その実体は、内部遊技状態が‘潜確状態’の「CZ」である。
2R潜確大当り遊技終了後の「CZ(潜確)」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば20回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りするまで当該「CZ(潜確)」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「CZ(潜確)」が終了して、次ゲームから「潜確状態」に移行され、潜確状態である旨を演出上から、遊技者に明らかにするようになっている。なお図中では、「CZ(20回:潜確)」と表記している。
(4−3−3.小当り遊技終了後の遊技状態)
小当り遊技後に関しては、その小当り当選時の内部遊技状態がそのまま継続され、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない。したがって、小当り当選時の内部遊技状態とその小当り遊技後の内部遊技状態とは、いずれも同じ内部遊技状態となる。この点、内部遊技状態の移行制御が行われうる「大当り」とは性質を異にする。
ただし本実施形態では、小当り当選に起因した‘内部遊技状態’の移行制御は行わない一方、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に関する‘遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))’の移行制御は行うようになっている。このような移行形態を利用し、たとえば、小当り遊技後の遊技状態と2R潜確大当り遊技後の遊技状態とを同じ遊技状態に移行させた場合には、双方で同じ演出をなす演出モードに滞在させ、小当り遊技後であっても、2R潜確大当り遊技後と同じ演出モード下による演出を発生させることが可能になる。これにより、演出上からは、2R短開放潜確大当りに当選して「潜確状態」に移行したかも知れない、という高確率状態への突入期待感を遊技者に与えることができるようになっている。以下、図4を参照しながら、小当りに当選した場合における各小当り遊技終了後の遊技状態について詳細に説明する。
ここで上記「変動パターン振分指定番号(Tcode)」とは、‘変動パターン選択モード’として機能し、現在の遊技状態を識別するデータである。「変動パターン振分指定番号(Tcode)」は、主に特別図柄の変動パターンを選択する際に利用され(後述の図12のステップS412(特別図柄変動パターン作成処理)参照)、‘変動パターン選択モード’として働く。図27に示すように、変動パターン振分指定番号(Tcode)が「00H」の場合は「通常(通常状態)」を示し、「01H」の場合は「ST前半(確変)」を示し、「02H」の場合は「ST後半(確変)」を示し、「03H」の場合は「ST最終(確変)」を示し、「04H」の場合はCZを示し、「05H」の場合は「潜確状態」を示す。この変動パターン振分指定番号(Tcode)は、遊技状態に変化があった場合に変更されるようになっている。したがって、変動パターン振分指定番号(Tcode)は上記のような遊技状態を識別する点で、後述の遊技状態判定番号(YJ)のように内部遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。上記演出モードには、具体的には、「通常状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常演出モード」、「CZ」の場合には「CZ演出モード」、「潜確状態」の場合には「潜確演出モード」、「確変状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変演出モード」といった、各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。なお上記「CZ」である、「CZ(通常)」と「CZ(潜確)」とは、同一の遊技状態として管理され、「CZ(通常)」または「CZ(潜確)」中の場合は、演出モードが同じ「CZ演出モード」下に置かれる。これにより、演出上からは、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)が秘匿状態とされるようになっている。上記「CZ演出モード」は、大当り抽選確率状態を演出上から秘匿状態とする「秘匿演出モード」としての役割を果たす。斯様な「秘匿演出モード」は、遊技者に高確率状態の期待感を煽る演出をなす演出モードとして働く。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定したりする、といった主制御部側で管理される遊技状態に関する情報を含む「特定の演出制御コマンド」に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。本実施形態の場合、この「特定の演出制御コマンド」には、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、当り中に送信される所定のコマンド(「大当り開始インターバルコマンド(大当り開始コマンド)」、「大当り終了インターバルコマンド(大当り終了コマンド)」)などがある。また演出制御部24は、遊技状態に関連した演出モードを管理する機能部(演出状態管理手段)を有する。演出制御部24(演出状態管理手段)は、上記の特定の演出制御コマンドにより、主制御部20側で管理される内部遊技状態および変動パターン振分指定番号(Tcode)を把握し、主制御部20側と整合性を保つ形で、演出モードを管理可能に構成されている。
(5−1−1.各演出モード下の演出)
また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、演出モードのそれぞれにおいて、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出に切り替え制御されるようになっている。また背景画像演出を各演出モードに応じて変化させるものに限らず、各演出モードに対応した異なる絵柄の装飾図柄を利用したり、音演出や光演出などを変化させたりすることにより各演出モードを示唆することもできる。
なお本実施形態の「CZ(通常)」と「CZ(潜確)」に対応する「CZ演出モード」は、内部遊技状態が潜確状態(高確率状態)であるか通常遊技状態(低確率状態)であるかにかかわらず、同じ演出モードであると説明したが、本発明はこれに限られない。内部遊技状態に応じた、潜確状態(高確率状態)下における「本物のCZ演出モード(第1の秘匿演出モード)」と、通常遊技状態(低確率状態)下における「ガセのCZ演出モード(第2の秘匿演出モード)」とを設け、これら演出モードに移行制御可能に構成しても良い。この場合、「本物のCZ演出モード」と「ガセのCZ演出モード」とで、特定の演出(たとえば、特定のキャラクタ画像)の出現率を異ならせることにより、遊技者に対して、いずれの演出モードに滞在しているかの推測要素を与えることができる。
本実施形態の場合、「確変演出モード」には、「ST前半」に関連する演出(ST前半用演出)が現出される「ST前半演出モード(第1の確変演出モード)」と、「ST後半」に関連する演出(ST後半用演出)が現出される「ST後半演出モード(第2の確変演出モード)」と、「ST最終」に関連する演出(ST最終用演出)が現出される「ST最終演出モード(第3の確変演出モード)」とが含まれる(図46参照)。これについては後述する。
(5−1−2.ST期間中の演出)
本実施形態の場合、「確変演出モード」には、「ST前半」に関連する演出(ST前半用演出)が現出される「ST前半演出モード(第1の確変演出モード)」と、「ST後半」に関連する演出(ST後半用演出)が現出される「ST後半演出モード(第2の確変演出モード)」と、「ST最終」に関連する演出(ST最終用演出)が現出される「ST最終演出モード(第3の確変演出モード)」とが含まれる(図46参照)。換言すれば、ST期間は、ST前半演出モード、ST後半演出モード、ST最終演出モードの3つに区分され、この3つのST区分のいずれに滞在しているかはST区分演出としての背景演出の切り替わりにより遊技者に報知される。この各ST区分内の演出(ST区分内演出)として、ST区分演出(背景演出)に重なる形で、上記のST前半用演出、ST後半用演出、ST最終用演出が当り種別に応じて現出される(図45のステップS903〜S906、S913〜S916、S923〜S926、図46参照)。
ST期間中の演出モードを区分することとなる「ST区分演出」については、「ST前半演出モード」、「ST後半演出モード」、「ST最終演出モード」の各演出モードで、この順に色が濃くなるように定めた特定色(ダーク系の色)の背景色に切り替えられ、これにより段階的にST中の特別図柄の変動回数が最終回目(74回目)に近づいて来ていることが報知される。したがって、遊技者の緊張感は背景色が切り替わるたびに強まり、ST最終演出モードの背景色に至ったときに最も強くなる。また、これらのST区分演出(背景演出)の切り替え制御とは別に、各演出モードにおいて、それぞれに関連するST区分内演出として、「ST前半用演出:たとえば通常時と同じ演出」、「ST後半用演出:たとえば演出ボタンを絡めた最終前あがきチャンス演出」、「ST最終用演出:たとえば演出ボタンを絡めた最終あがきチャンス演出」の切り替え制御が行われる。このST区分演出とST区分内演出の2つが切り替えられるにより、遊技者の緊張感はST段階が進むにつれて高まり、ST最終段階で最大となる。これらのST区分内演出(ST前半用演出、ST後半用演出、ST最終用演出)についての詳細は後述する。
(5−2.演出手段)
パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段、スピーカ46などの音響発生装置、液晶表示装置36などの演出表示装置、操作者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
また、枠演出ボタン13(手操作手段)の操作を、特定の期間(たとえば、大当りへの当選期待度が相対的に高い煽り演出中の所定の操作有効期間)操作不能状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下できないようにする)、または操作困難状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下し難くする)に置く特殊演出手段を設けても良いし、手操作手段に対して振動を与える加振装置を設けても良い。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、可動体役物として、上記の第1の可動体役物(時計型役物80)、第2の可動体役物(花型役物90)、第3の可動体役物(回転灯62)を搭載している。ローリングボタン70は、押圧ボタン型筒体72内またはその下方に、可動体73を回転可能かつローリング可能に組み込んだ構造となっているので、第3の可動体役物としても機能する。
(5−3.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、上述した演出モード下において、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば、当落抽選結果、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など)に基づき、上記演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な予告演出を現出制御する機能部(予告演出現出制御手段)を備える。本実施形態の予告演出現出制御手段は、「変動パターン指定コマンド」および/または「装飾図柄指定コマンド」に含まれる情報(たとえば当落抽選結果情報、リーチ演出の有無、特別停止図柄種別情報(当り種別情報)、特別図柄の変動時間情報など)に基づき、様々な予告演出を現出制御可能に構成されている。
斯様な予告演出態様は、当り種別に当選したか否かの信頼度または期待度(以下、「当り当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感(当り当選期待感)を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものは、「リーチ演出」の他、たとえば「疑似連演出」、「先読み予告演出」などがある。以下に、本実施形態に係る予告演出について説明する。
(5−3−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)をいい、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様をいう。この「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、換言すれば、大当り発生を示す表示態様が導出され易いこと(大当りの当選可能性がある旨)を遊技者に連想させうる変動表示態様をいう。たとえば、大当り発生(大当り当選)を示す装飾図柄の組合せが「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」である場合、所定の当り有効ライン上において、装飾図柄の一部が大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を表示しており(たとえば、左図柄と右図柄とが「7」を表示している、といった所謂「聴牌状態(リーチ図柄)」)、いまだ導出表示されていない装飾図柄(ここでは、聴牌状態(リーチ図柄)を形成していない中図柄)が、所定時間継続して停止、揺動、拡大縮小、または変形しながら、最終結果が表示される前段階で大当り発生の可能性が継続している状態やその様子をいう。したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(たとえば、「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。
上記の「リーチ演出」は、当り当選期待度(大当りである可能性がある旨(大当りとなる旨を含む))を予告(示唆)するものであり、当り当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、特定のリーチ演出が出現した場合、通常のリーチ演出(‘ノーマルリーチ(Nリーチ)’演出)が出現した場合に比べて、当り当選期待度が相対的に高まるものがある。このような特定のリーチ演出を‘スーパーリーチ(SPリーチ)’という。この「SPリーチ」の多くは、大当りへの当選期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。たとえば、Nリーチは数十秒程度であるが、SPリーチは1分以上の演出時間を要するものもある。
また「リーチ演出」には、Nリーチを経由してからSPリーチへ、または一のSPリーチを経由してから、それよりも当り当選期待度が相対的に高い他のSPリーチへと段階的に発展するステップアップ的な「発展型リーチ演出」、リーチ状態を経由しない非リーチ演出(通常変動)を現出させ、最終的に導出された結果(装飾図柄の組合せ)が大当りを示す停止表示態様となる「突然当りリーチ演出」、リーチ状態を経由し、またはこれを経由せずに、所定の変動時間、大当りを示す表示態様(当り表示態様)を保持したままで変動表示を行い、その変動表示を以って、大当り当選確定(当確)を予告してしまう、といったプレミアム的な「全回転リーチ演出(図34の特殊リーチ)」を含むことができる。
本実施形態のリーチ演出には、各遊技状態に応じて複数種類のリーチ演出が設けられている(図34〜図39参照)。リーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の選択率の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、通常状態中に係るリーチ種別間では「Nリーチ<SPリーチA<SPリーチB」の関係で、番号が大きくなるほど当り当選期待度が高くなるように、大当り抽選結果に関連してその選択率(発生率)が定められている(他の遊技状態についても同様の関係としている)。なお、実際の当り当選期待度は、他の予告演出(たとえば、後述の疑似連演出や先読み予告演出など)が伴うか否かに応じて変化しうる。このため、たとえば、上記SPリーチAが出現した場合であっても、当り当選期待度の高い予告演出が絡めば、上記SPリーチBと同等もしくはそれ以上の当り当選期待度となりうる。
リーチ演出が現出される場合、具体的には、リーチ演出を含む演出シナリオの場合(リーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、上記リーチ状態(聴牌状態)形成後に所定の演出時間幅で発生する「リーチタイトル(リーチタイトル演出)中」と、そのリーチタイトル演出後に所定の演出時間幅で発生する「リーチ演出中」とを介して、リーチ演出の終了後に所定の演出時間幅で発生する装飾図柄の「図柄仮停止状態」が終了した後、ゲーム結果が導出表示され(装飾図柄の確定停止表示)、図柄変動表示ゲームが終了されるようになっている。
上記「リーチタイトル中」とは、リーチ状態形成後に所定の演出時間幅で発生する「リーチタイトル演出」の演出時間幅(たとえば、4秒)を指し、「リーチ演出中」とは上記リーチタイトル演出後に開始される「リーチ演出」の演出時間幅を指す。このリーチ演出の演出期間は、リーチ種別に応じた演出時間幅が設けられている。上記「リーチタイトル中」では、たとえば、今回発生するリーチ演出がどのようなリーチ演出であるかを予告するタイトル画面が表示され、そのタイトル画面が所定時間表示された後、対応するリーチ演出が実行(現出)される。
また上記「図柄仮停止状態」とは、リーチ演出が終了した後、今回の装飾図柄変動表示ゲームが終了される前段階(特別図柄が特別図柄表示装置に確定表示される前:後述の図14のステップS451における特別図柄役物動作タイマ経過前)において、所定時間(たとえば、3秒)、装飾図柄が仮停止している状態(図柄仮停止状態)を指す。たとえば、後述の図51(a)(b)に示す「図柄揺れ」の区間が該当する。演出上は、この図柄仮停止状態において、今回の図柄変動表示ゲームのゲーム結果が導出表示され、図柄仮停止状態の終了後に図柄変動表示ゲーム(装飾図柄変動表示ゲーム)が終了されることになる。ただし「図柄仮停止状態」において、必ずしも今回の図柄変動表示ゲームの結果が導出表示されるわけではない。たとえば、大当り抽選結果が当りの場合の「SPリーチ種別」を現出する場合、図柄仮停止状態において、ハズレを示す装飾図柄の組合せ(ハズレ停止表示態様)を一旦表示するが、最終的に大当りを示す装飾図柄の組合せ(当り停止表示態様)がゲーム結果として導出表示される場合がある(所謂「復活演出」)。これにより、リーチ演出が発生した際には、最終的なゲーム結果が導出表示されるまで、遊技者が当り当選期待感を抱くことができるようにし、遊技の面白みを向上させている。なお、上述した「図柄仮停止状態」は、後述の「疑似連」における仮停止状態(装飾図柄の再変動表示動作前の図柄仮停止中)とは異なる。
上記Nリーチ種別が現出される場合には、少なくとも「Nリーチ中(Nリーチ演出中)」と「図柄仮停止状態」とを含む演出シナリオで構成され、SPリーチ種別が現出される場合には、少なくとも「リーチタイトル中」と「SPリーチ中(SPリーチ演出中)」と「図柄仮停止状態」とを含む演出シナリオで構成される。また発展型リーチ種別は、基本的には、第1のリーチ後、第2のリーチを実行する、といったように複数のリーチが順次現出される。
(5−3−2.疑似連演出)
上記「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似変動)を伴う演出態様をいい、「疑似変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態(見た目上、停止表示したかのように装う変動停止動作)とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返すことにより、見た目上、1回の図柄変動表示ゲーム中に、装飾図柄の変動表示動作が複数回実行されているように表現する変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。
この疑似変動を行う場合には、たとえば、仮リーチ状態(リーチ状態の可能性がある旨を示唆したり、リーチ図柄が形成されるかの如く装ったりする変動表示態様)を形成しながら、一旦ハズレとなる図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を実行したり、あるいは、通常の装飾図柄に替えて特殊な装飾図柄(疑似連の発生可能性がある旨を示唆する特殊な装飾図柄(疑似連発動チャンス図柄))を含ませた図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を実行したりすることができる。したがって、疑似連演出には、見た目上、1回の図柄変動表示ゲーム中に、見た目上、装飾図柄の変動表示動作が複数回実行されているかのように表現する演出態様の他、上述の「疑似連発動チャンス図柄」を利用して、疑似変動の発生可能性を遊技者に示唆しながら(たとえば、疑似連の発生を遊技者が認識可能な演出態様で)、1または複数回の疑似変動が実行される演出態様を含むことができる。
斯様な「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当り当選期待度が高まるようにその発生率が定められており、たとえば、疑似変動回数に応じて、当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別(SPリーチ)の発生期待感を煽るための予告演出として利用される。つまり、疑似変動回数が多くなるほど当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ種別の発生が期待できるようになっている。
したがって上記「疑似連」は、リーチ演出を含む演出シナリオの場合には(疑似連有りリーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、たとえば、リーチ演出の発生可能性がある旨や、特定のリーチ種別の発生可能性がある旨の予告として、1または複数回の疑似変動を行い、この疑似変動が終了した後、リーチ状態(リーチ演出)を経由して、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。またリーチ演出を含まない演出シナリオの場合には(疑似連有り通常変動パターンに基づく演出態様の場合)、上記疑似変動が終了した後、リーチ状態(リーチ演出)を経由せずに、つまり通常変動が実行されて最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。ここで、上記疑似変動が終了した後に実行される変動表示動作を「本変動」とも称し、たとえば、リーチ状態を経由する場合には、この本変動にてリーチ演出が実行されて、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。またリーチ状態を経由しない場合には、この本変動にて通常変動が実行されて、最終的なゲーム結果が導出表示されることになる。なお、疑似連とリーチ演出とが伴う演出態様の場合、それぞれ別の演出態様である‘疑似連’と‘リーチ演出’とが複合したものとなっているが、本明細書では特に必要のない限り、疑似連有りのリーチ演出を「リーチ演出」と同列に扱う。
本実施形態では、「疑似N回(N=2、3、4)」と表記する場合、疑似連と本変動を含めた一連の変動表示動作回数N回(疑似連回数)を意味する。たとえば、図34の「疑似2+SPリーチA」の表記は、「疑似変動1回+本変動のSPリーチA」、つまり疑似変動1回後、SPリーチAを実行する、といった変動表示動作態様(疑似連2回)を意味する。同様に「疑似3+SPリーチA」の表記は、「疑似変動2回+本変動のSPリーチA」、つまり疑似変動2回後、SPリーチAを実行する、といった変動表示動作態様(疑似連3回)を意味する。本明細書中では、説明の便宜上、疑似変動と本変動を含めた一連の変動表示動作回数を「疑似連回数」と称する場合がある。
(5−3−3.先読み予告演出)
また予告演出には、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、大当りの当選可能性がある旨(大当り当選期待度)を事前に報知する先読み予告演出がある。この先読み予告演出については、まず主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果を事前に判定する「先読み当り判定」が行われる(図10のステップS317〜S318、図11のステップS337〜S338(乱数判定処理〜特別停止図柄データ作成処理)、図12のステップS409〜S410(特別電動役物作動判定用乱数判定処理〜特別停止図柄作成処理)参照)。
さらに上記「先読み当り判定」結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターンを事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる(図10のS319、図11のS339(始動口入賞時乱数判定処理)参照)。この事前に判定される特別図柄の変動パターンを「先読み変動パターン」と称する。この先読み変動パターン判定では、たとえば、どのようなリーチ状態を経由する「リーチ変動パターン」となるのか、それともリーチ状態を経由しない「通常変動パターン」となるのかについて事前に判定される。
なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果(本実施形態では、当落抽選および図柄抽選の事前判定結果)を利用して判定されるため、演出制御部24側に送信される先読み変動パターン情報には、リーチの有無や疑似連の有無・その回数などの情報だけでなく、変動開始時の変動パターンが、大当り(小当りを含む)当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報も含まれる。この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターンを判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
詳しくは、先読み判定時の作動保留球数を指定する「保留加算コマンド」と、上記先読み判定結果の情報(少なくとも当落結果を先読み判定した情報)を含む「入賞時コマンド」とが主制御部20から演出制御部24に送信され(図5参照)、これらのコマンドを演出制御部24が受信すると、そのコマンドに含まれる情報に基づき、先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。
上記保留加算コマンドと入賞時コマンドとは、それぞれ2バイトで構成される。本実施形態の場合、「保留加算コマンド」は、特図種別情報(特図1、2の別)を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定時の作動保留球数情報を特定可能とする下位バイト側データとから構成され、「入賞時コマンド」は、当落結果を指定する上位バイト側のデータ(MODE1)と、先読み変動パターンの内容を特定可能とする下位バイト側データ(EVENT)とから構成される(図30、図31参照)。
ただし演出制御部24は、必ずしも先読み予告演出を現出させるわけではなく、先読み予告演出の実行可否を抽選により決定し、先読み予告演出実行可と決定した場合には、作動保留球の発生したタイミングで、または先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告演出を現出させるようになっている。
なお作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。これについて、たとえば、上記変動開始時の変動パターンが「疑似2+SPリーチA」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明する。
このケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が、「疑似2+SPリーチA」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「SPリーチA」種別である旨、具体的には、「SPリーチA」という同系統の変動パターンを纏めて分類した「SPリーチA種別」である旨を指定することができる。本実施形態の場合、「SPリーチA」という同系統の変動パターンとは、SPリーチA(疑似無し)、疑似2+SPリーチA、疑似3+SPリーチAなどを指す。このケースに係る先読み予告演出では、「SPリーチA」という同系統の変動パターンを纏めて分類した「SPリーチA種別」に関連した演出態様が現出されることになる。
したがって先読み予告演出により報知される主な情報は、将来的に実行される図柄変動表示ゲームに関し、当り当選期待度が高い煽り演出(本ケースでは、SPリーチA種別)が発生する可能性が高いか低いかといった情報、換言すれば、大当りの当選可能性が高いか低いかといった情報であり、このような情報を作動保留球が消化される前段階において事前に遊技者に報知することにより、今回の図柄変動表示ゲームだけでなく、将来的に実行される図柄変動表示ゲームにも遊技者の関心を向けさせて、遊技の面白みを向上させている。
(5−3−3−1.先読み予告演出態様:図5、図6)
次に図5および図6を参照しながら、先読み予告演出態様について説明する。図5および図6は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1における先読み予告演出の説明に供する説明図であり、先読み予告演出の一例を示したものである。
まず図5を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方左側)、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76と、特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関しては、その旨を点灯状態(作動保留球あり:通常色である白色の作動保留球ありの場合(通常保留表示態様)は白丸印で、また青、黄、緑、赤、D柄、虹色などの色付きの作動保留球ありの場合(専用保留表示態様)はハッチングを施した丸印で示す)か、あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印で示す)にて示し、現在の作動保留球数に関する情報が報知されるようになっている。
この作動保留球の有無に関する表示(以下、「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77には最大4個の保留表示が可能となっている。具体的には、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1〜d1(特図図柄1側に対応)、a2〜d2(特図図柄2側に対応)が設けられている。これらの保留表示部a1〜d1、a2〜d2を使用して、先読み予告演出を実行することができる。たとえば、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留数を表示する保留表示手段として働く。しかし、先読み予告演出を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうちの該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告演出を発生させる手段として働く。
また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球(以下「ゲーム実行中保留」と称する。)を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Mのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Mのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。このゲーム実行中保留Kが受座J上に載る際には、基本的には、保留表示領域76、77での保留表示態様と同じ表示態様が維持され、今回の図柄変動表示ゲームに係る作動保留球を対象とした先読み予告表示態様(専用保留表示態様)が当該ゲーム中においても遊技者に報知される。これにより、遊技者に対し、当り当選期待感を煽ることができるようになっている。
しかし本実施形態では、ゲーム実行中保留Kの表示態様が、受座J上に載る際、または今回の図柄変動表示ゲーム中において、保留表示領域76、77での保留表示態様とは異なる保留表示態様に変化可能となっている。たとえば、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミングで、アイコンの表示色が変化したり、別の形状に変化したりするようになっている。たとえば、保留表示領域76、77に表示されていた保留表示態様よりも当り当選期待度が相対的に高い保留表示態様に変化する、所定の遊技情報(当り当選期待度や疑似連発生(疑似連回数)やリーチ演出(その種別))を示唆するキャラクタ画像やアイテム画像などに変化する。これにより、今回の特別図柄変動表示ゲームに関する当り当選期待度がより明確に報知され、図柄変動表示ゲーム中も、保留表示を利用した当り当選期待感を煽ることができるようになっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる上記入賞時コマンドと保留加算コマンドとを受けた場合、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行う。この先読み予告抽選に当選した作動保留球が、先読み予告演出の対象の作動保留球となる(たとえば、図5のハッチングを施した保留表示部b2が該当する)。上記先読み予告抽選による当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっており、先読み予告演出が発生するか否かにより、大当りへの当選期待度が示される。なお本実施形態では、先読み予告抽選実行条件として、現存する作動保留球に係る先読み変動パターンの中に、リーチ変動パターン種別がないことを条件とする。これは、連続的に発生している先読み予告演出の途中に他のリーチ演出が介在して、本来の先読み予告演出が寸断され、その演出効果が希薄になってしまうのを回避するためである。
先読み予告抽選に当選した場合には、上記保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示の白色から、予告表示の青色、黄色、緑色、赤色、D柄、または虹色などの専用保留色に変化するといった「保留表示変化系」の先読み予告演出が行われる。ここで、保留アイコンの青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色の表示は、この色の順に、大当り当選期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコンとなっている。いずれの保留色に変化させるかについては、先読み変動パターンの内容に基づいて抽選により決定される。具体的には、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また大当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が、大当り当選期待度の高い保留色が高確率で選択されるようになっている。なお、上述のように保留色を変化させることに限らず、特殊なキャラクタを模したアイコンなどに変化するようにしても良い。このような「保留表示変化系」の先読み予告演出(保留変化予告)は、作動保留球発生時に現出されることから「入賞時変化系」の先読み予告演出と称される。
上記では作動保留球に関する保留表示(保留アイコン)について、保留変化予告が発生した場合、その変化後の当り当選期待度に関連した色彩および模様の少なくとも一方または形状による表示態様により、次のような遊技情報を報知することができる。たとえば、保留色を代表例にとり説明すれば、上述のように「白、青、黄、緑、赤、D柄、虹色」の順に当りの当選期待度が高いことを報知する他、保留色に応じて、リーチ演出の発生の可能性がある旨や(たとえば、保留色が青以上)、リーチ演出の発生が確定的である旨や(たとえば、保留色が黄色以上)、リーチ演出種別に関する情報(たとえば、保留色が黄色ならばNリーチ以上確定、緑色であればSPリーチ確定以上、赤色であればSPリーチ種別のうち、相対的に当り当選期待度が高いSPリーチ種別(たとえば、SPリーチB)確定)、疑似連の有無やその回数などを報知することができる。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行され(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御が行われるが、上記した通常と異なる保留表示態様は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、上記の保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。この連続予告演出は複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行される点で、疑似連のように、1回の図柄変動動作中に行われる予告演出とは異なる。
また本実施形態では、上述の「入賞時変化系」の先読み予告演出とは異なり、図柄変動表示ゲームが開始したことを契機としてなされる「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出可能となっている。この「変動開始時変化系」の先読み予告演出とは、たとえば、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、これを1または複数回の図柄変動表示ゲームにて実行し、単発的にまたは連続表示させるといった「画像表示変化系」の先読み予告演出である。すなわち、「変動開始時変化系」の先読み予告演出は、一の図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を行うか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選に当選した場合には、その時点で現存する作動保留球(保留記憶)が複数個存在する場合には、それら全てまたは一部の保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にすることができる。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球までの現存する作動保留球に係る全てまたは一部の図柄変動表示ゲームにおいて、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像(図示の稲妻を模した予告画像)を表示させる。この点、「変動開始時変化系」の先読み予告演出も「入賞時変化系」の先読み予告演出と同じく、複数回の特別図柄変動表示ゲームに跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。なお、各図柄変動表示ゲームにおいて、異なる先読み予告画像であっても良い。
先読み予告演出の実行形態については、次のような形態とすることができる。たとえば(イ)入賞時変化系(保留表示変化系)だけを実行する、(ロ)変動開始時変化系(画像表示変化系)だけを実行する、(ハ)入賞時変化系と変動開始時変化系の双方を実行する、といった種々の実行形態とすることができる。本実施形態では、この(イ)〜(ハ)の形態を実行可能に構成されている。具体的には、先読み予告抽選により、入賞時変化系の先読み予告演出と変動開始時変化系の先読み予告演出とが、それぞれ独立して抽選され(後述の図22のステップS714)、上記(イ)〜(ハ)のいずれの先読み予告演出を実行するか、それとも先読み予告演出自体を実行しないかが決定されるようになっている。つまり、入賞時変化系と変動開始時変化系との少なくとも一方の先読み予告演出が現出可能(入賞時変化系と変動開始時変化系とがそれぞれ独立して現出可能)に構成されている。したがって、「入賞時変化系」の先読み予告演出が出現した場合であっても、必ずしも「変動開始時変化系」の先読み予告演出が出現するとは限らず、またその逆に、「変動開始時変化系」の先読み予告演出が出現した場合であっても、必ずしも「入賞時変化系」の先読み予告演出が出現するとは限らない。また、入賞時変化系(保留表示変化系)」の先読み予告演出と「変動開始時変化系(画像表示変化系)」の先読み予告演出とが重複的(同時)に発生することもある。
なお、上記(イ)〜(ハ)のいずれの実行形態をも現出可能に構成しなくても良く、先読み予告演出時は、入賞時変化系(保留表示変化系)のみを実行したり、変動開始時系(画像表示変化系)のみを実行したり、入賞時変化系と変動開始時変化系の双方を必ず実行する、といった入賞時変化系と変動開始時変化系のそれぞれの先読み予告演出が非独立的に現出されるような構成であっても良く、どのような実行形態とするかは、適宜決定することができる。
(5−3−3−2.先読み予告演出の禁止)
本実施形態では、入賞時変化系の先読み予告演出と変動開始時変化系の先読み予告演出とがそれぞれ独立して現出可能に構成されていることから、時系列的に先後する異なる作動保留球を対象とした先読み予告演出が重複的に実行される場合がありうる。しかし、先読み予告演出中に新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出が重複的に発生すると、現在発生中の先読み予告演出が、時系列的に先に発生した作動保留球(古い作動保留球)を対象とした先読み予告演出であるのか、それとも新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出であるのかが不明確になり、遊技者の混乱を招いたり、予告演出に係る期待度が不明確になる、といった問題を招く。
そこで本実施形態では、先読み予告演出中は、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出を実行させない(制限する)構成となっている(図22のS714を迂回する処理ルート)。具体的には、(A)入賞時変化系(保留表示変化系)および/または変動開始時変化系(画像表示変化系)の先読み予告演出中は、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出(入賞時変化系(保留表示変化系)および/または変動開始時変化系(画像表示変化系)が現出(実行)されることを制限するようになっている。たとえば、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出に関する抽選自体を実行しないようになっている。好ましくは、入賞時変化系(保留表示変化系)および/または変動開始時変化系(画像表示変化系)の先読み予告演出中は、新たな作動保留球を対象とした一切の先読み予告演出を制限する。
また同一系統の先読み予告演出同士が現出されるのは好ましくない点を考慮し、同一系統の先読み予告演出同士の重複的発生を制限する構成としても良い。たとえば、(B)入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告中は、新たな作動保留球を対象とした入賞時変化系(保留表示変化系)の先読み予告演出が現出されることを制限する。この場合、変動開始時系は制限しないようにすることができる。また(C)変動開始時変化系(画像表示変化系)の先読み予告中は、新たな作動保留球を対象とした変動開始時変化系(画像表示変化系)の先読み予告演出が現出されることを制限する。この場合、入賞時変化系は制限しないようにすることができる。
(5−3−3−3.先読み予告演出態様例:図6)
次に図6を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1が織り成す先読み予告演出態様について説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象(ここでは、入賞時変化系の先読み予告抽選と変動開始時変化系の先読み予告抽選とに重複当選)となったケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告抽選非当選の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を通常とは異なる先読み専用の保留表示(以下、「専用保留表示」と称する)に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常の保留表示(以下、「通常保留表示」と称する)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から専用保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄が「246」で停止表示されたものを示している(結果は「ハズレ」とする)。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、「変動開始時変化系」の先読み予告演出として、液晶表示装置36の画面内に先読み予告演出用の背景画像(たとえば、稲妻を模した稲妻画像表示による稲妻演出:専用予告画像)を表示させる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄が「351」で停止表示されたとする(結果は「ハズレ」とする)。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、入賞時変化系の「専用保留表示」は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了される。また変動開始時変化系の専用予告画像(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。この同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を例示したものである。
このようにして、一連の先読み予告演出が終了したことになる。その後、今回の図柄変動表示ゲーム中に、当り当選期待度が相対的に高まる煽り演出(疑似連やリーチ演出(SPリーチ))が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、大当りへの期待感はより一層高まることになる。なお、ここでは変動開始時変化系の演出(稲妻演出)が、今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了されると説明したが、当該ゲームは、先読み予告対象となった作動保留球に係る図柄変動表示ゲーム実行となるので、変動開始時変化系の専用予告画像は、今回の図柄変動表示ゲームで現出させなくても良い。
このように本実施形態のパチンコ遊技機1では、連続予告演出の一態様として、上記のような先読み予告演出を発生可能に構成されている。これにより、演出のバリエーションを豊富なものとすることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
<6.ST区分内演出について>
ST期間(確変演出モード)は、ST前半演出モード、ST後半演出モード、ST最終演出モードの3つに区分され、各ST区分内の演出(ST区分内演出)として、ST前半では「ST前半用演出」が、ST後半では「ST後半用演出」」が、ST最終では「ST最終用演出」が現出される(図45のステップS903〜S906、S913〜S916、S923〜S926、図46参照)。これらはST区分演出(背景演出)と一体的に、つまり一体の形または重複する形で現出される。
(6−1.ST前半用演出)
「ST前半用演出」は、ST前半(変動回数1〜69回目)のST前半演出モード下で現出される演出である。このST前半用演出の演出内容は、通常時と同じ演出であって、たとえば田園、川辺、山脈、家屋などを含む背景画像(図54(c)通常画面を参照)であり、これがST前半演出モード中であることを示す特定色の背景色の下で現出され、抽選により大当りや小当りに応じた予告演出がこれに付加される。
(6−2.ST後半用演出:最終前あがきチャンス演出)
「ST後半用演出」は、ST後半(変動回数70〜73回目)のST後半演出モード下で現出される演出である。また「ST最終用演出」は、ST最終(変動回数74回目)のST最終演出モード下で現出される演出である。
ST後半およびST最終(変動回数70〜74回目)の計5回の図柄変動表示ゲームは、ST期間の残り変動回数があと5回となり、大当りに当選して欲しいと願ってあがく区間でのゲームである。そこで本実施形態ではこの5回の区間で現出させる演出を「あがきチャンス演出」と総称する。ここでの演出は、液晶画面に演出ボタン画像を表示させて、対応する演出ボタンを操作させるようにした「遊技者参加型演出」(図54(a)、図55(a)、図56(a)参照)を含むように構成するか、そのような「遊技者参加型演出」を含まない構成とするかは自由である。ただし、いずれの構成とした場合でも、ST後半とST最終のいずれの区間に属する演出であるかを区別するため、ST後半のものを「最終前あがきチャンス演出」と称し、ST最終のものを「最終あがきチャンス演出」と称する(図46参照)。
よって、ST前半演出モード中は「最終前あがきチャンス演出」がST後半あることを示す特定色の背景色の下で現出され、またST最終演出モード中は「最終あがきチャンス演出」がST最終であることを示す特定色の背景色の下で現出され、さらに、これらの「あがきチャンス演出」に、抽選により大当りや小当りに応じた「予告演出」が付加される。そして、今回の図柄変動表示ゲームの遊技結果、つまり図柄変動開始時に行われた大当り抽選の結果が「大当り(16R、10R、4R確変大当り、または2R潜確大当り)」であったときは、この結果に従って、当該図柄変動表示ゲームの遊技結果が「あがきチャンス成功」となり、大当りを報知する「あがきチャンス成功演出」が現出される。また、図柄変動表示ゲームの図柄変動開始時に行われた大当り抽選の結果が「小当りまたはハズレ」であったときは、この結果に従って、当該図柄変動表示ゲームの遊技結果が「あがきチャンス失敗」となり、大当り報知演出の発生しない「あがきチャンス失敗演出」が現出される。なお、大当り抽選の結果については、主制御部20側から送信されてくる「変動パターン指定コマンド」および「装飾図柄指定コマンド」により把握される。
(6−3.ST最終用演出:最終あがきチャンス演出)
ST最終用演出としての「最終あがきチャンス演出」には、リザルト表示画面(リザルト演出)を含むか否かの違いにより、2種類がある。
本実施形態の場合、リザルト表示画面を表示するか否かが抽選(以下、「リザルト表示抽選」と称する。)により決定され、このリザルト表示抽選に「当選」した場合は、ST最終に係る当該図柄変動表示ゲームの大当り抽選の結果が大当りであるか否かに拘わらず、ST最終用演出で必ず表示される。ここで「大当りであるか否かに拘わらず」とは、図柄変動表示ゲームの大当り抽選の結果が「大当り(16R、10R、4R確変大当り、または2R潜確大当り)」であるか「小当りまたはハズレ」かであるかを判別して、「小当りまたはハズレ」であればリザルト表示画面を表示するという操作をする必要がないことを意味している。
このようにST最終においては、リザルト表示抽選によりリザルト表示画面を表示するかしないかが定まるため、ST最終用演出としての「最終あがきチャンス演出」には、(a)リザルト表示抽選に外れてリザルト表示画面が絡まないものと、(b)リザルト表示抽選に当選してリザルト表示画面が現出するものとがある。前者の(a)は、「最終あがきチャンス演出」の結果が失敗または成功のどちらかとなるだけで完結し、リザルト表示画面を表示させずに、次ゲームに移行する演出シナリオを持つものであり、また後者の(b)は「最終あがきチャンス演出」の結果が失敗または成功のどちらであるかに関係なく、「必ずリザルト表示画面が現出する演出シナリオ」を持つものである。
このうち(b)の「必ずリザルト表示画面が現出する演出シナリオ」を持つ演出は、当該図柄変動表示ゲームの大当り抽選の結果に応じて、さらに次の2つ(i)(ii)に分かれる。すなわち、(i)大当り抽選の結果が「ハズレまたは小当り」であるときは、リザルト表示画面を表示させることを以て「ハズレまたは小当り」であったことの報知をするものと、(ii)大当り抽選の結果が「大当り(16R、10R、4R確変大当り、または2R潜確大当り)」に当選しているときは、一旦「リザルト表示画面」を表示させて大当りでなかったかのように装い、つまりガセの「リザルト表示画面」を表示させ、その後に復活当り画面(復活演出)を表示させることで、「大当り」であったことの報知をするものとに分かれる。
前者の(i)の場合(大当り抽選の結果が小当りまたはハズレの場合)、ST最終において、高ベース遊技状態(本実施形態では、ST(確変状態))の終了を示唆するリザルト演出が現出され、その後に大当りである旨を報知する復活演出が現出されることなく、今回の図柄変動表示ゲームで、当該高ベース遊技状態終了を報知する、といった演出シナリオとなっている。一方、後者(ii)の場合(大当り抽選の結果が大当りの場合)、前者の(i)のハズレや小当りと同じく、一旦リザルト演出が現出されるが、その後に大当りである旨を報知する復活演出が現出され、大当りによりSTが継続することを報知する、といった遊技者に対して意表を突くインパクトのある演出シナリオとなっている。
(6−4.リザルト表示画面:図50)
図50はリザルト表示画面の構成を例示したものであり、表示内容ないし表示項目として、「最終結果のタイトル表示361」、「連荘回数(大当り総回数)表示362」、「総獲得球数表示363」、「装飾図柄表示364」、「右打ち指示情報表示365」などを含んでいる。このリザルト表示画面で遊技者に注目される表示内容は、ST(確変状態)中に大当りに当選して大当りが連荘した場合の「連荘回数(大当り総回数)」や、その間に獲得した「総獲得球数」などの遊技結果情報であり、その他の情報として、最終結果の「タイトル表示」や、「装飾図柄」や、「右打ち指示情報」などがある。
ST機では、大当りに当選することなく図柄変動表示ゲームの実行回数が所定の変動回数(N回:本例では74回)を数えたときに、ST(確変状態)が終了する。このST(確変)中に、小当り以外の大当り種別に当選すれば、その当り遊技の後に、新たなST期間が開始され、STの初期変動回数目の1回転目に戻る、ということを繰り返す。小当りが除かれるのは、遊技状態の移行が生じない当選種別のため、新たなST期間が開始される(STの初期変動回数目の1回転目に戻る)ということはないからである(STが終了することなく継続する)。このため、累積的に増加する「総遊技球数」の獲得と、大当りの「連荘」とが期待できる。「リザルト表示画面」は、一般的には、ST(確変状態)中に大当りに当選することなく特別図柄の変動回数が74回転を数え、ST期間が終了するときに表示される。したがって、その性格は、一般にST期間の終了を意味する。
今回のST(確変)中に大当りに当選することなくST期間を終了する場合に限って述べるのであれば、本実施形態における「リザルト表示画面」の性格も上記一般的な場合と同じであり、リザルト表示画面の現出はST期間の終了を意味する。したがって、所定の変動回数(74回)が実行されてST期間(確変状態)が終了する場合として、ST突入契機となった初回の当り(初当り)による1回目のST期間だけで終了した場合には、リザルト表示画面には「連荘1回」の表示と、その初当りの当り遊技で獲得した「総獲得球数」とが表示され、ST期間が2回以上継続した場合、「1つ前のST期間」までの大当り回数がN回(N連荘)であれば、これに対応する連荘数と総獲得球数とがリザルト表示画面に表示される。たとえば、ST期間が2回だけ継続した場合は、初当りによる初回ST期間と、この初回ST期間中(上記1つ前のST期間に相当)に大当り(2回目の大当り)に当選して2回目のST期間で終了したことになるので、リザルト表示画面には「連荘2回(初当りと、初回ST期間に当選した大当りの計2回)」の表示と、その2回の大当りで獲得した「総獲得球数」とが表示される。これらにおいてリザルト表示画面の現出は、ST(確変)の終わりを報知するものであり、このときリザルト表示画面に表示される「連荘回数(大当り総回数)」や「総獲得球数」などの遊技結果情報は、初当りによる初回ST期間だけで終了した場合には(いわゆる「単発終了」)初当りに係る遊技の結果を、STが2回以上継続した場合には、1つ前のST期間までの大当り当選に係る遊技の結果を反映した正しい値となっている。
しかし本実施形態におけるリザルト表示画面は、ST(確変)の最終回(ST最終)である74回目に大当りに当選した場合にも現出されうる。この場合、内部的には、大当りであるにもかかわらず、リザルト表示画面の表示内容にST最終での図柄変動表示ゲームの遊技結果が反映されない。また「ST期間の終了を意味する」というリザルト表示画面の本来の性格ともずれてくる。これについて、下記(a)(b)にて説明する。
(a)表示内容に遊技結果が反映されないことがある。
※
本実施形態の場合、ST最終における「リザルト表示画面」は、当該図柄変動表示ゲームにおける当否抽選の結果が「ハズレまたは小当り」の場合だけでなく、「大当り(16R、10R、4R確変大当り、または2R潜確大当り)」であった場合にも表示される。その「リザルト表示画面」の現出タイミングは、当該ST最終の図柄変動表示ゲームの演出シナリオの初期段階であり、まず先に「リザルト表示画面」が表示され、その後に大当り抽選結果について「大当りである旨の報知(祝福演出)」がなされ、その後に大入賞口50を所定ラウンド数だけ開放させる「大当り遊技」が実行される、という順序になる。つまり、時系列的に「リザルト表示画面」が先で、「大当り遊技」が後である、という関係にある。
このため「リザルト表示画面」が表示される段階では、図柄変動表示ゲーム中であり、今回の遊技結果(大当り当選)は未だ確定していない状態であり、当然に、当り遊技の結果というものも生じていない。この段階で、「大当り遊技」の結果である「獲得球数」を「リザルト表示画面」の表示内容に遊技結果情報として反映させることはできない。そこで、ST最終で大当りとなるケースでの「リザルト表示画面」の表示内容については、上述のように、初当りによる初回ST期間だけで終了した場合には初当りを、STが2回以上継続した場合には、1つ前のST期間で発生した「大当り」までを計数対象とし、それまでに得た累積結果である「連荘回数(大当り総回数)」と「総獲得球数」を遊技結果情報として表示する。ST最終において大当りに当選したときのリザルト表示画面は、そこに表示する遊技結果情報が当該図柄変動表示ゲームにおける遊技結果を反映していない、と言う点で、一般的なリザルト表示画面と異なっている。
(b)本来の性格と矛盾することがある。
ST最終における当該図柄変動表示ゲームが大当りであった場合に「リザルト表示画面」を表示するということは、上記一般的なリザルト表示画面の「ST期間の終了を意味する」という性格から言えば、ST最終における当該図柄変動表示ゲームがあたかもハズレであるかの如く装うことになる。この場合は「リザルト表示画面」がガセであり、このリザルト表示画面の現出後に復活演出を経て、大当り画面へと進むことになる。
よって、ST最終の図柄変動表示ゲームにおいてリザルト表示画面が出現しても、大当りに当選しなかったことが確定する訳ではなく、図柄変動表示ゲームが大当りであるときのリザルト表示画面はガセであって、リザルト表示画面の出現後に大当りを報知する「復活演出」が現出して、図柄変動表示ゲームの結果が大当りである旨が報知される可能性も残っていることになる。このようにリザルト表示画面が出現しても、そのリザルト表示画面が本来の性格と矛盾している場合があるという点で、一般的なリザルト表示画面と異なっている。
(6−5.リザルト表示期間の共通化)
リザルト表示画面をSTの最終回の図柄変動中に表示させるとすれば、リザルト表示画面の表示タイミングおよび表示時間が、それ以前に表示される演出の内容に支配される。STの最終回の図柄変動(ST最終変動)が大当りの当り変動パターンに基づくものであれば、これに対応する演出は長めとなり、ハズレ変動パターンに基づくものであれば、これに対応する演出は短めとなるため、その演出後に現出するリザルト表示画面は、その表示開始タイミングがこれらに左右され、また表示終了タイミングも全体としてのST最終回の図柄変動時間の終わりからの制約を受ける。よって、ST最終回の図柄変動の結果が大当りになるかハズレになるかを考慮して、リザルト表示画面の表示タイミングおよび表示時間を定める必要があり、リザルト表示画面を現出させる設定制御が煩わしいものとなる。また、ST最終回の図柄変動の結果が大当りになるかハズレになるかに応じて、リザルト表示画面の表示タイミングおよび/またはその表示時間が異なるものとすれば、その違いにより、遊技者側にSTの最終回の遊技結果を事前に察知されてしまう恐れがある。
また、リザルト表示画面はその現出がST期間の終了を意味するという性格を有する。したがってリザルト表示画面は、その性格上、ST最終回の図柄変動がハズレ変動パターンに基づくものであるときは現出させることに問題ないが、ST最終回の図柄変動が大当りの当り変動パターンに基づくものであるときは現出させることに戸惑いがある。できれば、リザルト表示画面のSTの最終回の図柄変動が大当りの当り変動パターンに基づくものであるかまたはハズレ変動パターンに基づくものであるかに左右されることなく、任意にリザルト表示画面を表示させることが望まれる。
そこで本実施形態では、図51〜図53に示すように、リザルト表示画面(リザルト演出)を現出させる場合は、ST最終(ST74回転目)の図柄変動表示ゲーム(ST最終変動)の最終的な結果が遊技者に報知される段階より前の段階で現出させることを前提とし、その表示タイミングについては、図51〜図53における時刻taで示すように、同一または略同一のタイミングで表示させる。また、そのリザルト表示画面の表示については、ST最終の図柄変動表示ゲームにおける当選種別が、大入賞口の開放動作との関係でどのようなものであるかにかかわらず、つまり大入賞口が開放されない「ハズレ」や、大入賞口が短開放される「2R短開放潜確大当りまたは小当り」や、大入賞口が長開放される「16R、10R、4R長開放確変大当り」等に対し、その全てまたは一部の当選種別についてリザルト表示画面を表示可能な設定とし、かつ、それらのリザルト表示画面の表示期間(時間尺)長さを共通の同じ時間尺(たとえば4s:時刻ta〜t2)に設定する。この場合、上記の設定関係を保ってリザルト表示画面を表示するか否かについては、本実施形態の場合、リザルト表示抽選に当選したことを条件として表示する構成(大当りのケースとして図55のケース1と図56〜図57のケース2とがある)にしている。しかし、ST最終変動の遊技結果にかかわらず、必ずリザルト表示画面を表示する構成にしても良い。
なお、図51〜図53は、ST最終で現出するリザルト表示画面の表示時間について、ハズレ、小当り、大当りの間で共通化するケースを例示した図であり、「最終あがき演出(たとえば、後述の図54参照)の前半部において、時刻t0〜ta(図示の「演出あり」の区間)において、特定の演出(リザルト表示前演出:たとえば、後述の図54(a)の井戸演出(ファイナルチャンス)が該当)を実行した後、リザルト表示画面(リザルト演出)の表示が時刻taで開始される場合を示している。しかし他の実施形態として、上記特定の演出(リザルト表示前演出)を省略して、ST最終回の図柄変動の開始時点(時刻t0)からリザルト表示画面(リザルト演出)を現出させても良い。
ここで上記「共通の同じ時間尺」に設定するとは、ST最終における当選種別に左右されることなく、図柄変動表示ゲームの結果を遊技者に正確に報知し得る時間長さを確保した上で、表示期間長さ(時間尺)を同じ値(たとえば4秒)に設定して共通化することであり、ここでの「同一」は液晶表示画面を見ている遊技者が視覚上同じまたはほぼ同じと認識する時間長さであればよく、必ずしも1フレーム長まで同じであるというような厳密に同一であることを要しない。つまり、共通化したリザルト演出の演出時間幅が、同一または略同一(実質的に同一)の演出時間幅であれば良い。
<7.リザルト表示画面を含む演出推移態様例:図51〜図53>
図51〜図53は、ST最終の図柄変動表示ゲームにおいて、当該図柄変動の開始を契機にリザルト表示前演出が現出され、その後に、リザルト演出(リザルト表示画面)が開始される演出推移態様の具体例となっている。このST最終(ST74回転目)におけるハズレ、小当り、大当りでの変動秒数は、「ハズレ」の場合はST70〜73回転目と同じ「25000ms」、「小当り」の場合はST70〜73回転目と同じ「25000ms」、「大当り」の場合はST70〜73回転目と同じ「32000ms」に設定される(図48参照)。これらの演出推移態様の具体例では、ST最終における図柄変動表示ゲームでの当選種別である「ハズレ」、「小当り」、「大当り(16R、10R、4R確変大当り、2R潜伏確変大当り)」について、図柄変動表示ゲームの当りまたはハズレの最終的な結果が遊技者に報知される前の段階でリザルト表示画面を表示させる。つまり、リザルト表示画面には、ST最終の当該図柄変動表示ゲームの結果までは反映させず、当該ST期間(1〜74回)より1つ前のST期間までに大当りした結果(連荘回数、総獲得球数)を表示する。ただし、ST突入契機となった初回の当り(初当り)による1回目のST期間だけで終了した場合には、既に説明したように、リザルト表示画面には「連荘1回」の表示と、その初当りの当り遊技で獲得した「総獲得球数」とが表示される。また、リザルト表示画面を表示させる場合は、大入賞口が開放されない「ハズレ」、短開放される「2R潜確大当りまたは小当り」、長開放される「16R、10R、4R確変大当り」に対し、その表示タイミングを同一または略同一のタイミングで表示させ、その表示期間長さ(時間尺)を同じに設定する。つまり大入賞口の開放の有無や開放パターンの如何によらず、リザルト表示画面の開始および終了タイミングを共通に設定する。
このようにすると、次のような作用効果が得られる。(i)リザルト表示画面の表示内容は、「当該リザルト表示画面が表示された時点での遊技結果」、正確には「ST最終の属する当該ST期間(変動回数1〜73回転目まで)+当該ST期間より前に連荘したST期間であって確変状態が継続している期間(継続ST期間)の期間中に、大当りしたことにより得た遊技結果(連荘回数、総獲得球数)」を、常に正確に遊技者に報知することになる。つまり、リザルト表示画面に表示される遊技結果情報は、常に確定的に正確であって、ST最終の当該図柄変動表示ゲームの結果に左右されなくなる。ここで「確定的に正確」と称したのは、当該図柄変動表示ゲームの遊技結果を予測して反映させる「法則崩れのケース」(図58参照)も用意されることもあることを考慮したものである。
また、(ii)リザルト表示画面を構築するに際し、表示内容として、当該図柄変動表示ゲームより1つ前のST期間までの遊技結果を反映させておけばよく、当該図柄変動表示ゲームの遊技結果までは反映させる必要がなくなることから、演出制御が容易になる。たとえば演出制御において、リザルト表示画面を出現させるか否かや、リザルト表示画面の表示期間長さ(時間尺)をいかなる値にするかについて判断するに際し、当該図柄変動表示ゲームでの当選種別が、大入賞口の開放動作との関係で如何なるものであるかについて、つまり大入賞口が未開放の「ハズレ」、2R短開放の「潜確大当りまたは小当り」や、長開放の「16R、10R、4R確変大当り」等の別について、予め考慮する必要がない。よって場合によっては、これらの判断処理を省略することができる。また当該図柄変動表示ゲームの遊技結果が当りとなるケースであることが判明している場合であっても、「大当りとなるケースである」ということから「リザルト表示画面を表示することに躊躇する」ということもない。当該図柄変動表示ゲームでの当選種別を考慮せずに、同じ時間尺のリザルト表示画面を表示する画一的な処理をするだけで足りるからである。
また、(iii)リザルト表示画面を表示する場合、ST最終変動に係る当選種別によらず、リザルト表示画面の開始および終了タイミングを共通に設定しているので、ST最終回の図柄変動表示ゲームの遊技結果が遊技者側に察知されない、またはされ難くすることができる。特に一般的なリザルト表示画面の「ST期間の終了を意味する」という性格から言えば、当りの場合であってもハズレであるかのように装うことができるので、リザルト表示画面が終了するまでは、大当りの可能性があることを遊技者に期待させることができるようになる。
(7−1.演出推移態様例1:図51)
図51の(a)(b)(c)は、図柄変動表示ゲームについて大当り抽選の結果が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」である場合の各ST区分内演出に関し、その「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の三者の全てについて、リザルト表示画面の表示期間長さ(時刻t0〜t2)を同じ時間尺の値(4秒)に設定することにより、リザルト表示画面を共通化した例である。「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の各ケースにおいて、リザルト表示画面が現出するタイミングは、当該ST最終の図柄変動が開始後の時刻taであるという点で同じであり、また、リザルト表示画面が終了するタイミングも時刻t2であり、同一時間尺となっている点で同じである。したがって、この2点で「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の三者のリザルト表示画面は共通になっている。
ただし、図柄変動が終了する時刻は、当選種別が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の変動パターンの種別により異なり、必ずしも同じではない。図51の例では、ST最終における図柄の変動時間に関しては、「ハズレ」、「小当り」、「大当り」のうちの少なくとも「ハズレ」と「小当り」とについては、図柄変動が終了する時刻が同じとなるように設定している(後述する図52、図53の例も同様)。しかし「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の各ケースで図柄変動が終了する時刻がずれていても良い。
図51の例の場合、当選種別が「ハズレ」および「小当り」のときは、リザルト表示前演出終了後にリザルト表示画面を現出させ(時刻ta)、リザルト表示画面の表示時間(4秒)を経過した時点で通常画面に戻り(時刻t2)、その通常画面の表示を経た後に(時刻t3)、図柄変動終了となる(図51の(a)(b))。ただし「小当り」の場合は、その図柄変動終了後に特別変動入賞装置(AT:アタッカー)52の開放扉52bがしれっと2回短開放動作をする(時刻t3〜t4)。
また当選種別が「大当り」の場合は(図51の(c))、リザルト表示前演出終了後にリザルト表示画面(ガセ)を現出させ(時刻ta)、これを表示時間尺4秒の間表示させて、ST終了を装う(時刻ta〜t2)。その後、再抽選により復活演出を経て遊技図柄が揃う演出を出現させる(時刻t2〜t5)。その後、確定画面が現出させ(時刻t5)、この確定画面の表示を経て図柄変動終了となる(時刻t6)。これらの「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の場合において、リザルト表示画面中に表示される遊技図柄(図50の364を参照)は、リザルト表示画面が表示されている間またはその部分的な期間中(図51ではt1〜t2の間)において揺れており、これにより遊技図柄がまだ未確定であることを報知している。
ここで「小当り」の場合、リザルト表示画面を4秒間表示した後、しれっと特別変動入賞装置52に短開放動作を行わせる(時刻t3〜t4)。ここで「しれっと特別変動入賞装置52に短開放動作を行わせる」とは、少なくとも演出上からハズレ時と小当り時との違いが遊技者に察知され難いようにして短開放動作を行うことを指し、たとえば、特別変動入賞装置52の配設位置が図2の右側の如く液晶画面から離れていて、目線を液晶画面に置くと、その大入賞口50の開閉動作が視野外となるか目立たず、また演出上もハズレと区別し得るような演出または小当りを特に匂わすような演出が発生する訳でもなく、ハズレ時と小当り時との違いが遊技者に察知され難くい状況下での短開放動作を言う。このようにST最終変動において、少なくとも演出上からハズレと小当りとの違いを遊技者に察知され難いようにするためには、次のような構成とすることが好ましい。
たとえば、小当りを示す装飾図柄の組合せを、ハズレのときのようなバラケ目(たとえば、134、256、334など、当りを報知する図柄の組合せではないもの。)で停止させ(時刻t3)、その後に実行される小当り遊技においては、その当り中演出を、ハズレ時におけるリザルト演出終了後の「通常画面」と同様の演出を現出させる(時刻t3〜t4)。このとき、小当り遊技の実行期間は、極めて短時間(極短時間)とすることが好ましい。たとえば、小当り遊技が、小当り開始インターバル期間、短開放動作期間(2回)、開放前インターバル期間、および小当り終了インターバル期間から構成されるものとすれば、小当り開始インターバル期間と小当り終了インターバル期間とを省略し、短開放動作期間(2回)と開放前インターバル期間各期間の時間幅を0.1秒程度に定めて、小当り遊技期間を0.3秒程度に抑えるようにすることができる。なお、本実施形態では、CZを設けている関係上、特図1側の特別図柄変動表示ゲーム1で抽選対象となる小当り種別(たとえば、小当りA)と、特図2側の特別図柄変動表示ゲーム2で抽選対象となる小当り種別(たとえば、小当りB)とは、別の小当り種別として定め、その小当り遊技期間が異なる小当り遊技を実行させるようになっている。これは、遊技進行上、通常中(「電サポ無し状態」)の場合には、特図1側の特別図柄変動表示ゲーム1が実行され、ST中(電サポ有り状態)の場合には、特図2側の特別図柄変動表示ゲーム2が実行される点を考慮し、小当りAに当選した場合は、CZ突入を報知する当り中演出時間幅を確保するために小当りBよりも小当りAの方が小当り遊技の実行期間が長くなるように定め、他方、ST最終変動においてハズレと小当りとの違いを遊技者に察知され難いようにするために、小当りBによる小当り遊技の実行期間を極めて短時間(極短時間)となるように定めることが好ましいからである。
図51の例では、ST最終変動で「小当り」を引いたときの演出内容(最終あがきチャンス演出の演出内容)として、ハズレ時と同様に、リザルト表示前演出(時刻t0〜ta)を現出した後、リザルト演出(リザルト表示画面)を現出し(時刻ta〜t2)、その後、ハズレ時と同様の通常画面を表示して装飾図柄にはバラケ目を停止表示して(時刻t3)、以って当該変動を終了させるようにする。その後、小当り遊技が開始されるが、ST最終変動における通常画面と「バラケ目」とが表示された演出画面(擬装演出)を、このときの小当り遊技中の当り中演出としてそのまま現出させ、当該演出中(時刻t3〜t4)に、特別変動入賞装置52に短開放動作を実行させ(AT短開放)、何事もなかったように小当り遊技を終了させるようにしている。また右打ち報知については、ST最終変動〜小当り遊技が終了するまで表示したままとする。これにより、ST最終変動において、ハズレ時と小当り時との違いを遊技者に察知され難くし、ST最終変動で仮に「小当り」に当選した場合であっても、遊技者に「小当り」に当選したことを極力感じさせることなく、「小当り」を「ハズレ」の如く装い、当該変動を終わらせることができる。このため、ST最終変動においては、「2R短開放潜確大当り」に当選したかのような期待感を遊技者に無闇に与えることなく、しれっとST最終変動を終了させることができる。しかし、「小当り」の場合、リザルト表示画面を表示する前に(たとえば図51の時刻taより前に)、あがき演出の一環であるリザルト表示前演出を、「2R短開放潜確大当り」の可能性がある旨を示唆する予告演出として機能させ、遊技者の緊張感を煽る構成とすることもできる。
なお、ST前半やST後半の場合は、リザルト表示画面が現出されない関係上、「小当り」に当選した場合に、その図柄変動表示ゲームにおいて、「2R短開放潜確大当り」に当選したかのような期待感を遊技者に与えるような予告演出を現出させても特に問題はない。
(7−2.演出推移態様具体例2:図52)
図52の(a)(b)(c)は、上記図51の例と同じく、図柄変動表示ゲームでの当選種別が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」となるケースでのそれぞれのST区分内演出に関し、その「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の三者の全てについて、リザルト表示前演出時間(時刻t0〜ta)およびリザルト演出時間(リザルト表示画面の表示期間長さ:時刻ta〜t2)を同じ時間尺の値に設定し、共通化した場合を例示している。図51と異なるのは、図52の(c)の当選種別が「大当り」の場合に、リザルト表示画面(ガセ)が現出した後(時刻ta〜t2)、一旦通常画面を表示してから(時刻t2〜t3)、再抽選による復活演出が発生して遊技図柄が揃い(時刻t3〜t5)、確定画面が現出し(時刻t5)、図柄変動終了となる(時刻t6)、という点である。この図52の例では、大当りの場合に、ハズレなどと同じ通常画面から、突然に復活演出が現出されて大当りである旨が報知される。これにより、遊技者の意表を突く、非常にインパクトのある演出が現出される。
(7−3.演出推移態様例3:図53)
図53は、図柄変動表示ゲームでの当選種別が「ハズレ」である場合、「小当り」である場合、「大当り」である場合の各ST区分内演出に関し、その三者のうちの「ハズレ」と「小当り」の二者について、リザルト表示画面の表示期間長さ(時刻ta〜t3)を同じ時間尺の値(5秒)に設定し、共通化した場合を例示している。
図51と図52の場合は、当選種別が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」のいずれのときでも、リザルト表示画面の表示開始から共通の一定時間(4秒)が経過した時点t2で、リザルト表示画面の表示を止め、通常画面に切り替えている。しかし、この図53の場合、当選種別が「ハズレ」と「小当り」の場合についてリザルト表示画面の表示期間長さを同一の時間尺とするに際し、その表示期間長さは図51と図52の場合よりも長くなっている。すなわち図53の場合、時刻t2に至ってもリザルト表示画面の表示を止めことをせず、さらにリザルト表示画面の表示を続行し、図柄変動終了となる時刻t3にてリザルト表示画面の表示を止めている。したがって、図53の場合は、リザルト表示画面の表示期間長さの時間尺が、変動終了時まで継続する長い値になっている点で、図51、図52の場合と異なる。なお当選種別が「大当り」の場合のリザルト表示画面(ガセ)の表示、復活演出からの図柄揃い、確定画面の出現という演出進行形態は、図51の場合と同じである。
<主制御部側の処理:図7〜図18>
次に図7〜図18を参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図7)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図8)とを含んで構成される。
<8.主制御側メイン処理:図7>
図7は、主制御部20側のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理が開始されるのは、停電状態からの復旧時のように初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ:図示せず)が操作されることなく電源がON状態になる場合と、初期化スイッチがON操作されて電源がON状態になる場合とがある。いずれの場合でも、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御部20(CPU201)が図7に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、CPU201は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS011)。たとえば、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に、所定の割込みモード(割込みモード2)に設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定する。
次いで、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号であるRAMクリア信号の状態(ON、OFF)を判定する(ステップ012)。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコ店の店員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
ここでは、RAMクリア信号がON状態であったと仮定すると、ステップS012の判定結果が‘YES’となり、RAMの全領域がゼロクリアされる(ステップS016)。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなる。
次に、RAM領域がゼロクリアされたことを報知するための「RAMクリア表示コマンド」を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS017)。そして、RAMクリア報知タイマに、RAMクリアされた旨を報知するための時間として、たとえば、30秒を格納する(ステップS018)。なお、RAMクリアが実行されると遊技状態が初期化され、内部遊技状態は通常遊技状態、変動パターン振分指定番号(Tcode)))は通常状態を指定する00Hとなる。また演出制御部24が上記RAMクリア表示コマンドを受けると、RAMクリアされた旨を報知する初期化報知演出を、上記RAMクリア報知タイマ(30秒)が経過するまで実行し、RAMクリア後の初期状態の演出モードとして、演出モードを通常状態下の通常演出モードに設定するようになっている。
次に、タイマ割込み動作を起動する割込み信号を出力するCTCを初期設定して(ステップS019)、CPUを割込み許可状態に設定する。
その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。この各種乱数更新処理(ステップS021)では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM203には大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、または変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ、などが設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS021の各種乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタなどを更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。たとえば、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が0〜238とすると、RAM203の変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に1を加算した結果が239であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理を繰り返し実行するようになっている。
ステップS012の判定処理に戻って説明を続けると、停電状態からの復旧時には、RAMクリア(初期化)スイッチ(RAMクリア信号)はOFF状態である(ステップS012:YES)。そこで、このような場合、ステップS012の判定処理に続き、バックアップフラグ値を判定する(ステップS013)。なお、バックアップフラグは、電源遮断時にON状態(バックアップフラグ=5AH(‘**H’は任意の16進数の意)に設定され、電源復帰後の最初のタイマ割込み処理の処理でOFF状態(バックアップフラグ=00H)にリセットされるよう構成されている。
したがって、電源投入時や停電状態からの復旧時である場合には、通常では、バックアップフラグがON状態のはずである。ただし、何らかの理由で電源遮断までに所定の処理が完了しなかったような場合には、バックアップフラグはリセット(OFF)状態になる。したがって、バックアップフラグがOFF状態となる場合には(ステップS013:NO)、ステップS016の処理に移行させて遊技機の動作を初期状態に戻す。
一方、バックアップフラグがON状態であれば(ステップS013:YES)、チェックサム値を算出するためのチェックサム演算を実行する。ここで、チェックサム演算とは、RAM203のワーク領域を対象とする8ビット加算演算である。そして、チェックサム値が算出されたら、この演算結果を、RAM203のSUM番地の記憶値と比較をする(ステップS014)。上記SUM番地には、電源遮断時に、同じチェックサム演算によるチェックサム値が記憶されている。そして、記憶された演算結果は、RAM203の他のデータと共に、バックアップ電源によって維持されている。したがって、本来は、ステップS014の判定によって両者が一致するはずである。
しかし、電源遮断時にチェックサム演算が実行できなかった場合や、実行できても、その後、メイン処理のチェックサム演算の実行時までの間に、ワーク領域のデータが破損している場合もあり、このような場合にはステップS014の判定結果は不一致となる。判定結果の不一致によりデータ破損が検出された場合には(ステップS014:NO)、ステップS016の処理に進みRAMクリア処理を実行し、遊技機の動作状態を初期状態に戻す。一方、チェックサム演算によるチェックサム値と、SUM番地の記憶値とが一致する場合には(ステップS014:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を行う(ステップS015)。また遊技復旧処理では、バックアップ情報から遊技復旧のための所定の情報(電源遮断時における、特図1・特図2作動保留球数情報や変動パターン振分指定番号(Tcode)情報や内部遊技状態情報など)を取得し、その情報を含ませた各種の演出制御コマンド(電源復帰用コマンド)を演出制御部24に送信する。これにより演出制御部24に電源遮断時の遊技進行状態を知らせて、遊技復旧時には、電源遮断時の演出状態に復帰させる。
ステップS015の遊技復旧処理を終えると、ステップS019の処理に進み、CTCを初期設定してCPUを割込み許可状態に設定し、その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、上述した各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。
<9.主制御側タイマ割込処理:図8>
次に図8を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図8は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。以下では説明の便宜上、CPU201がRAMやROMなどのメインメモリを読み書きする際のアドレス値(そのアドレスに記述されているデータ類を含む)やプログラム上の演算処理により得られた結果情報などを、CPU内蔵のレジスタ内に読み込んだり取り込んだりするなどの処理を「取得」と称し、またCPU201がRAMのワーク領域にアクセスして、所定のデータを記憶させることを「格納」と称する場合がある。
図8において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後、まず電源制御基板31からの電源の供給状態を監視する電源異常チェック処理を行う(ステップS051)。この電源異常チェック処理では、主に、電源が正常に供給されているかを監視する。ここでは、たとえば、電断が生じるなどの異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAMに格納するバックアップ処理などが行われる。
次いで、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を行う(ステップS052)。パチンコ遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(たとえば、後述の特別図柄役物動作タイマなど)のタイマ値はここで管理(更新)される。
次いで、入力管理処理を行う(ステップS053)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を入賞カウンタに格納する。ここでの各種センサによる検出情報とは、たとえば、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)である。これにより、各入賞口において遊技球を検出(入賞が発生)したか否かが割込みごとに監視される。なお上記「入賞カウンタ」とは、各々の入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。本実施形態では、RAM203の所定領域に、上始動口34用の上始動口入賞カウンタ、下始動口35用の下始動口入賞カウンタ、普通図柄始動口37用の普通図柄始動口入賞カウンタ、大入賞口50用の大入賞口入賞カウンタ、一般入賞口43用の一般入賞口用の入賞カウンタなどが設けられている。
またこの入力管理処理は、遊技機に異常が生じたか否かを判定する異常判定手段としても機能し、入賞検出スイッチからの検出情報が入賞を許容すべき期間中に入賞したか否かに基づいて、不正入賞があったか否かも監視している。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込内乱数管理処理を行う(ステップS054)。この定期乱数更新処理では、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。たとえば、特別図柄判定用乱数カウンタの値を所定範囲で更新(+1加算)し、特別図柄判定用乱数カウンタが1周するごとに、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を読み出し、その生成用カウンタの値を特別図柄判定用乱数カウンタに格納する。これにより、特別図柄判定用乱数カウンタのスタート値が上記の生成用カウンタの値に応じて変更されるので、更新周期は一定でありながらも特別図柄判定用乱数カウンタのカウント値はランダムになる。
次いで、遊技動作状態の異常の有無を監視するエラー管理処理を行う(ステップS055)。このエラー管理処理では、遊技動作状態の異常を監視し、動作異常(エラー)が発生した場合には、エラー種別に応じたエラー処理を行う。
次いで、賞球管理処理を行う(ステップS056)。この賞球管理処理では、上記入力管理処理で格納したデータを把握して、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞があった場合は、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)29に送信する。この払出制御コマンドを受信した払出制御基板29は、遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を行わせる。これにより、それぞれの入賞口に対応した賞球数(入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数×入賞カウンタの値分の賞球数)が払い出されるようになっている。なお、エラー中であっても入賞球が検出された場合、払出制御コマンドが払出制御基板29に送信される。
次いで、普通図柄管理処理を行う(ステップS057)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける補助当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したり、所定時間毎に点滅を繰り返す普通図柄のデータ(普通図柄変動中のLED点滅表示用データ)を作成し、普通図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(普通図柄停止表示中のLED点滅表示用データ)を作成したりする。なお普通図柄管理処理は、補助遊技抽選手段、普通図柄の変動表示動作を制御する普通図柄表示手段(普通図柄表示制御手段)として機能する。
次いで、普通電動役物管理処理を行う(ステップS058)。この普通電動役物管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS057)の補助当りに関する補助当り抽選として、補助当りに当選か否かを抽選する「補助当り当落抽選」、その当落抽選に当選した場合には、補助当り1〜3のいずれの補助当りであるかを抽選する「補助当り図柄抽選」を行う。また、この補助当り抽選の抽選結果に基づき、普電開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド41aに対するソレノイド制御用の励磁信号の生成およびそのデータ(ソレノイド制御データ)の設定を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のソレノイド管理処理にて、励磁信号が普通電動役物ソレノイド41aに対して出力され、これにより可動翼片47の動作が制御される。なお普通電動役物管理処理は、1または複数種類の補助当りを対象に抽選を実行する補助当り抽選手段、補助当り抽選手段の抽選結果に基づき、普電開放遊技を実行制御する補助当り制御手段として機能する。
次いで、特別図柄管理処理を行う(ステップS059)。この特別図柄管理処理(大当り判定手段)では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄などを決定する。なお、特別図柄管理処理の詳細は図9にて後述する。
次いで、特別電動役物管理処理を行う(ステップS060)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果が「大当り」または「小当り」であった場合、その当りに対応した当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。なお、特別電動役物管理処理の詳細は図17にて後述する。
次いで、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS061)。この右打ち報知情報管理処理では、「電サポ有り状態」の高ベース遊技状態が生起する遊技状態である場合、または当り遊技中である場合、具体的には、後述の条件装置作動フラグ、小当り中フラグ、および特別図柄時短状態フラグのいずれかが「5AH」である場合、右打ち状態中であるとして、右打ち指示情報(右流下経路3cを狙う旨を指示する情報(大入賞口50や普通図柄始動口37に入賞を促す指示情報))を報せる「右打ち報知演出(発射位置誘導演出)」を現出させるための処理を行う。上記右打ち報知演出としては、たとえば、電サポ有り状態中や当り遊技開始の際、液晶表示装置36に「右打ち」を遊技者に促す画像を表示したり(たとえば、「右打ちせよ」の文字表示を伴う画像表示演出)、スピーカ46から右打ちを促す効果音(たとえば、「右打ちしてね」の音声)を発生させたりすることが挙げられる。上記右打ち状態中である場合には、上記発射位置誘導演出の開始を指示する「右打ち指示コマンド」が演出制御部24に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部24が上記発射位置誘導演出を制御する構成となっている。これにより、遊技者に適切な発射位置を指示するようになっている。本実施形態の場合、図54〜図58に示すように、ST期間中や大当り遊技中、右打ち報知演出が、装飾図柄表示領域などの邪魔にならない位置(図示では、右上隅部)に表示されるようになっている。また、この右打ち報知演出による画像表示が、特定の予告演出による画像表示と被ったり、近接したりして、現出中の予告演出が見づらくなるような場合には、その予告演出の邪魔にならない位置に退避表示したり、または一時的に右打ち報知演出による画像表示を中断するようになっている。
また右打ち報知情報管理処理では、「電サポ無し状態」の低ベース遊技状態が生起する遊技状態である場合、または当り遊技中でない場合、具体的には、後述の条件装置作動フラグ、小当り中フラグ、および特別図柄時短状態フラグが「5AH」以外(00H)である場合、左打ち状態中であるとして、右打ち報知演出を現出させない処理や現出中の右打ち報知演出の実行を中止するための処理を行う。上記左打ち状態中である場合には、上記発射位置誘導演出の中止を指示する「左打ち指示コマンド」が演出制御部24に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部24が上記発射位置誘導演出を制御する構成となっている。
また演出制御部24側では、上記右打ち状態中である場合に、遊技者が誤って発射位置を左流下経路3b側に狙いを定めていると推定されるとき、たとえば、電サポ有り状態下において、上始動口34に入賞が発生した場合や、所定時間経過しても普通図柄始動口37へ入賞が発生しない場合、演出制御部24側の演出処理により、遊技者に適切な発射位置を指示(発射位置を右流下経路3c側に指示)するべく、右打ち用発射位置警告演出(たとえば、音声による警告音)を現出制御する構成となっている。また、上記左打ち状態中である場合に、遊技者が誤って発射位置を右流下経路3c側に狙いを定めていると推定されるとき、たとえば、電サポ無し状態下において普通図柄始動口37へ入賞が発生した場合、遊技者に適切な発射位置を指示(発射位置を左流下経路3b側に指示)するべく、左打ち用発射位置警告演出(たとえば、音声による警告音)を現出制御する構成となっている。この演出制御部24側の処理における発射位置警告演出は、上記発射位置誘導演出とは異なる。発射位置警告演出の対象は、上述したように、遊技者が発射位置を誤っていると判断されるケースを対象とするものであり、主として、警告的な意味を持つ演出となっている。
次いで、LED管理処理を行う(ステップS062)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39aや特別図柄表示装置38a,38bに対して表示データを出力する。これにより、普通図柄や特別図柄の変動表示および停止表示が行われる。なおステップS057の普通図柄管理処理で作成された普通図柄の表示データや、ステップS059の特別図柄管理処理中の特別図柄表示データ更新処理(後述の図9のステップS309)で作成される特別図柄の表示データは、このLED管理処理で出力される。
次いで、外部端子管理処理を行う(ステップS063)。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、パチンコ遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。上記動作状態情報には、大当り遊技が発生した旨(条件装置が作動した旨)、小当り遊技が発生した旨、図柄変動表示ゲームが実行された旨(特別図柄変動表示ゲームの開始または終了した旨)、入賞情報(始動口や大入賞口に入賞した旨や賞球数情報)、エラー発生情報などの各種情報が含まれる。
次いで、ソレノイド管理処理を行う(ステップS064)。このソレノイド管理処理では、ステップS058の普通電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく普通電動役物ソレノイド41cに対する励磁信号の出力処理、ステップS060の特別電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく大入賞口ソレノイド52cに対する励磁信号の出力処理を行う。これにより、可動翼片47や開放扉52bが所定の動作パターンで動作し、下始動口35や大入賞口50が開閉される。
以上のステップS051〜ステップS064の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する(ステップS065)。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
<10.特別図柄管理処理:図9>
次に、図8中の特別図柄管理処理(ステップS059)について説明する。図9は、ステップS059の特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図9において、CPU201は、まず特別図柄1側(上始動口34側)に関する特図1始動口チェック処理を行い(ステップS301)、次いで、特別図柄2側(下始動口35側)に関する特図2始動口チェック処理を行う(ステップS302)。なお、特図1始動口チェック処理と、特図2始動口チェック処理の詳細は図10〜図11で後述する。
ステップS301〜S302の始動口チェック処理を終えると、小当り中フラグの状態を判定する(ステップS303)。この「小当り中フラグ」とは、小当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には小当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には小当り遊技中ではない旨を示す。
上記小当り中フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS303:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS304)。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
上記条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS304:≠5AH)、すなわち、小当り遊技中でもなく大当り遊技中でもない場合(ステップS303:≠5AH、かつステップS304:≠5AH)、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じて、特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(ステップS305:特別図柄動作ステータス分岐処理)。一方、小当り遊技中(ステップS303:=5AH)、または大当り遊技中である場合には(ステップS304:=5AH)、ステップS306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、小当り遊技中または大当り遊技中のいずれかである場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、小当り後または大当り後に確定表示されたままの状態が保持されている)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じて、それぞれに対応する処理を実行する。
具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(ステップS306)を、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(ステップS307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)を実行する。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。これらの処理により、特別図柄の変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作が実現されることになる。なお上記の特別図柄変動開始処理(ステップS306)、特別図柄変動中処理(ステップS307)、および特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細は、それぞれ、図12、図15、図16A〜図16Bにて後述する。
上記ステップS306〜S308のいずれかの処理を終えると、ステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間(たとえば0.5秒)毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(特別図柄変動中の7セグ点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(特別図柄停止表示中の7セグ点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図8のLED管理処理(ステップS62)で出力され、特別図柄表示装置38a、38b上における特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(10−1.特図1始動口チェック処理:図10)
まず、特図1始動口チェック処理(図9のステップS301)について説明する。図10は、上記のステップS301の特図1始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理として、上始動口34の入賞発生に起因した特図1側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、入賞時コマンド、保留加算コマンドの作成・送信処理などが行われる。なお後述の特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)も特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特図2側の入賞時処理)として、下始動口35の入賞発生に起因した特図2側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、および保留加算コマンドの作成処理などが行われ、次に述べる特図1始動口チェック処理と実質的に同一の処理内容となっている。
図10において、CPU201は、まず上始動口34において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS311)。
上始動口34の入賞を検出した場合(ステップS311:YES)、特別図柄1の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS312)。すなわち、特別図柄1に係る作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(ステップS311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
上始動口34の入賞を検出したが特図1作動保留球数が4以上である場合(ステップS312:YES)、後述のステップS325の処理に進み、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。
ステップS314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する(ステップS314)。具体的には、各種の乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM203の保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。なお上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留記憶エリア(第1の保留記憶エリア)と、特別図柄2に対応する特図2保留記憶エリア(第2の保留記憶エリア))とが設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア〜保留n記憶エリア(nは最大作動保留球数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている(保留記憶順番は、保留1記憶エリア、保留2記憶エリア、・・・、保留n−1記憶エリア、保留n記憶エリアの順に格納されるようになっている)。
なお上記各種乱数のうち、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数は、それぞれに対応したソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから抽出される。これら乱数カウンタの乱数値は、RAM203に設けられた各々に対応したカウント値記憶領域において、間欠的に生じる割込み処理と割込み処理の間に実行されるメイン処理において乱数的に更新されているので、その値がそのまま取得されるようになっている。
他方、大当り判定用乱数値は、ハードウェア的に乱数を生成する乱数生成回路(大当り判定用乱数カウンタ:図示せず)から抽出される。この乱数生成回路は、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ34aから遊技球の検出信号が入力されると、このタイミングにおけるカウント値をラッチして、そのカウント値がマイクロコンピュータに入力されるようになっている。CPU201は、このカウント値を大当り判定用乱数値として、RAM203の保留記憶エリアと別個に設けられたRAM203の大当り判定用乱数値用の記憶領域(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納し、必要なタイミングで、その特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファに格納された大当り判定用乱数値を読み出し利用する。なお本実施形態では、入賞時における大当り判定用乱数値を特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファと保留記憶エリアとに格納するようになっているが、特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファを設けない場合は、保留記憶エリアにそのまま格納し、必要なタイミングで、該当保留記憶エリアの大当り判定用乱数値を読み出すように構成しても良い。
次いで、入賞時コマンド(詳細は後述する)を作成するための入賞コマンドデータ(入賞時コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「FFH」)を取得し(ステップS315)、「特図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS316)。上記「特図1先読み禁止条件」とは、特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図1先読み禁止条件が成立している場合(ステップS316:YES)、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず(ステップS315の処理により、先読み禁止データ(EVENT:「FFH」)を持つ入賞時コマンドが先読み禁止を指定するものとなる)、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS316:YESの処理ルート参照)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ有り状態’を伴う遊技状態中である場合、つまり内部遊技状態が確変状態中である場合に、特別図柄1側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ有り状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄1側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
第1の理由としては、「確変状態(本実施形態では、ST中)」のような‘電サポ有り状態’下に置かれた場合は、下始動口35への入賞率が通常遊技状態よりも著しく向上し得る「高ベース遊技状態(可動翼片47の作動率向上状態:たとえば、補助当りの当選確率が256分の255となり、開放延長機能が作動する)」となるため、遊技者が普通図柄始動口37へ入賞させるように発射位置を狙い定めた場合(右流下経路3cを遊技球が通過するように狙いを定めた場合)、特別図柄2に係る作動保留球数(以下、「特図2作動保留球」と称する)が頻繁に発生するものと推定される。これに対し、電サポ無し状態下に置かれた場合は、可動翼片47の作動率が低い「低ベース遊技状態(補助当りの当選確率が256分の1となり、開放延長機能が未作動となる)」となり、また本実施形態では、遊技くぎなどの落下方向変換部材に起因して、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっており、遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合には、特に不利益をもたらす、という遊技性となっている。このため、電サポ有り状態中に遊技者が左流下経路3b側を遊技球が通過するように発射位置を定めることはないものと推定され、特図1作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、そのような発生率の低い特図1作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
また第2の理由としては、技術介入性の問題がある。たとえば、現在、特図1作動保留球を対象とした何らかの先読み予告演出(特に、当り当選期待度が高い先読み予告演出)だけが発生した場合、遊技者がこれを認識すれば、特図2作動保留球を途切れないようにして優先変動側である特別図柄変動表示ゲーム2を継続的に実行させることで、特別図柄2側(特別図柄変動表示ゲーム2側)の大当り抽選の恩恵を最大限受けながらゲームを進行させていくことができてしまう。本実施形態では、特別図柄1側の図柄抽選を受けるよりも特別図柄2側の図柄抽選を受けた方が、利益の高い「10R確変大当り」や「16R確変大当り」が高確率で当選するようになっている(詳細は後述する)。このため、特別図柄1側(特別図柄変動表示ゲーム1側)の大当り抽選を受けるよりも特別図柄2側(特別図柄変動表示ゲーム2側)の大当り抽選を受ける方が、遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。これを利用し、特図1作動保留球の大当り当選期待度が高いことが判明している場合には、電サポ有り状態が終了するまで特別図柄2側の大当り抽選の恩恵を最大限受けた後、その当選に係る特図1作動保留球を消化させ大当りを獲得しうる、といった技術介入性の問題が生じ、遊技者間の不平等を招来する。
そこで本実施形態では、上記のような問題点に鑑み、特図1側と特図2側の先読み判定を禁止する区間(先読み禁止状態)を、遊技状態に応じて切り替え制御可能に構成されている。詳しくは、主制御部20は、第1の先読み判定手段(たとえば、特図1側の先読み判定処理:後述の図10のS317〜S319に相当する)による先読み判定を禁止して第2の先読み判定手段(たとえば、特図2側の先読み判定処理:後述の図11のS337〜S339に相当する)による先読み判定を許容する「第1の先読み禁止状態(たとえば、電サポ有り状態を伴う遊技状態の場合)」と、第2の先読み判定手段による先読み判定を禁止して第1の先読み判定手段による先読み判定を許容する「第2の先読み禁止状態(たとえば、電サポ無し状態を伴う遊技状態の場合)」とを、所定の条件(たとえば、現在の内部遊技状態、または電サポ状態の有無)に基づき切替制御する‘先読み禁止状態制御手段’としての機能部を備えている。
また、この先読み禁止状態制御手段は、所定の条件に基づき、上記第1の先読み判定手段と上記第2の先読み判定手段とによる先読み判定を全面的に禁止する第3の先読み禁止状態に切り替える「先読み全面禁止手段」を設けることができる。上述の「所定の条件」とは、たとえば、大当り遊技中の場合が挙げられる。これは、大当り遊技中の場合は、作動保留球が発生しても特別図柄の変動表示動作が行われないことから、新たな作動保留球を対象とした先読み予告演出を行う必要性に乏しいからである。
また、大当り遊技の前後で大当り抽選確率が変動する場合がある。そして、本実施形態の大当り遊技中においては、一旦低確率状態に移行するようになっており(後述の図16AのS475参照)、大当り遊技中に作動保留球が生じて、これを対象とした先読み判定を行うと、先読み判定時には低確率状態で当落抽選をし、変動開始時には高確率状態で当落抽選をしてしまうといった不具合が生じ、先読み判定結果が矛盾してしまう恐れがあるからである。ただし、今回当選した大当り種別により、大当り遊技終了後の抽選確率状態が高確率であるか低確率であるかが判断できるので、先読み判定の際、大当り終了後の抽選確率状態で当落抽選を行い、大当り遊技中に発生した作動保留球を対象に先読み判定を実行可能に構成しても良い。なお本実施形態のように、大当りに当選すれば、大当り遊技終了後は必ず高確率状態に移行する遊技機においては、先読み判定の際に高確率状態と仮定して当落判定を行い、大当り遊技中に発生した作動保留球を対象に先読み判定を実行可能に構成し、当該大当り遊技中に先読み予告演出を実行可能に構成しても良い。
再びステップS316の説明に戻り、特図1先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS316:YES)、先読み判定に関する処理(ステップS317〜S319)は行わずに、ステップS320Aの処理に進む。
特図1先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS316:NO)、ステップS317の処理に進み、乱数判定処理を行う(ステップS317)。この乱数判定処理は、この乱数判定処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球(本処理では、特別図柄変動表示ゲーム1(特図1)側)に係る「当落抽選」を事前に判定する‘先読み判定(先読み当落判定)’を行う。
ステップS317の乱数判定処理に入ると、まずRAM203(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納された大当り判定用乱数値を取得し、次いで、当り乱数判定テーブルを取得する。そして、取得した大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブル(図示せず)とに基づき、今回の作動保留球を対象とした当落抽選(大当り、小当り、ハズレの別の判定)、つまり今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別電動役物作動判定用乱数判定処理(後述の図12のS409参照)」の抽選結果(変動開始時の当落抽選結果)を先読み判定し、その結果を取得する。
(T−1.当り乱数判定テーブル)
上記当り乱数判定テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る「特図1用当り乱数判定テーブル(図示せず)」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「特図2用当り乱数判定テーブル(図示せず)」とが含まれ、図10の特図1始動口チェック処理中においては「特図1用当り乱数判定テーブル」、図11の特図2始動口チェック処理中においては「特図2用当り乱数判定テーブル」が参照される。
これらの当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率状態(高確)と低確率状態(低確))別に、当落種別(大当りか、小当りか、ハズレかの別)を決定するための判定領域(判定値)と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)とが関連付けて定められており、具体的には、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、大当り、小当り、またはハズレのいずれかが決定されるようになっている。したがって、取得した大当り判定用乱数値が同じ判定値に属する場合(大当り判定用乱数値が同じ値)であっても、現在の大当り抽選確率状態が、高確率状態であるか低確率状態であるかにより、一方では「大当り」、他方では「ハズレ」といったように当落種別が異なる場合がある。本実施形態の大当り当選確率は、低確率状態では約1/397で、高確率状態ではそれよりも10倍程度上昇した約1/39.7で大当りに当選するようになっており、小当りの当選確率は、大当り抽選確率状態にかかわらず、約1/200となっている。つまり、小当りの当選確率は大当り抽選確率状態にかかわらず一定であり、この点、大当り抽選確率状態により当選確率が変動する大当りとは性格を異にする。なお本実施形態の場合、特図1用当り乱数判定テーブルと特図2用当り乱数判定テーブルとで大当り当選の判定領域は同じ(大当りの当選確率は同じ)である。
この当落抽選(先読み当落判定)により、「大当り」当選となった場合には大当り判定フラグとして「5AH(大当り判定フラグがON状態)」が取得され、それ以外の判定値に属する場合には「00H(大当り非当選(大当り判定フラグがOFF状態))」が取得される。また「小当り」当選となった場合には小当り判定フラグとして「5AH(小当り判定フラグがON状態)」が取得され、それ以外の判定値に属する場合には「00H(小当り非当選(小当り判定フラグがOFF状態))」が取得される。したがって大当り判定用乱数値が、大当り判定フラグ「00H」、かつ小当り判定「00H」となる判定値に属する場合には、「大当り」および「小当り」のいずれにも当選しなかったことになり、今回の当落判定結果は‘ハズレ(大当り判定フラグおよび小当り判定フラグがOFF状態)’となる。
ここで本実施形態では、このステップS317の乱数判定処理で取得した大当り判定フラグの状態(5AHまたは00H)をCPU内蔵の汎用レジスタ(ここでは、Aレジスタ)に取り込み、小当り判定フラグの状態(「5AH」または「00H」)を他の汎用レジスタ(ここでは、Dレジスタ)に取り込む。そして、大当り判定フラグと小当り判定フラグをレジスタに保持した状態で、この乱数判定処理を抜けて、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理に進むようになっている。つまりCPU201は、レジスタに取り込んだ当落抽選結果をRAM203には格納せずに、これを保持したまま、この乱数判定処理を抜けるようになっている。その理由は次の通りである。
本実施形態では、今回の乱数判定処理で得られた判定結果、すなわち先読み判定における当落抽選結果のデータは、続く「特別停止図柄データ作成処理」で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることがない。したがって、この判定結果をRAM203に格納せずにレジスタに保持した状態のままで乱数判定処理を抜けても問題がないからである。これにより、乱数判定処理の判定結果(入賞時処理における当落判定処理の判定結果(先読み判定に係る当落結果))を格納するためのプログラムを必要とせず、またその判定結果を格納するための専用の格納領域を別途設ける必要はないことから、ROMやRAMのメモリ容量を削減し、制御負担を軽減することができるようになっている。
上記したステップS317の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS318)。この特別停止図柄データ作成処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る「図柄抽選」を事前に判定する‘先読み判定(先読み図柄判定:(当り(当選)種別の先読み判定))’を行う。なお上記乱数判定処理(ステップS317)〜特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)が大当り抽選結果を先読み判定する‘先読み当り判定’に係る処理となる。
ステップS318の特別停止図柄データ作成処理では、まずステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果を取得し、この当落抽選結果(大当り、小当り、ハズレの別)に応じた図柄テーブル(後述の大当り図柄テーブル、小当り図柄テーブル、ハズレ図柄テーブル:図示せず)を選択する。そして、ステップS314で取得した特別図柄判定用乱数値を取得して、選択した図柄テーブルと特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の作動保留球を対象とした図柄抽選、つまり今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別停止図柄作成処理(後述の図12のステップS410参照)」の抽選結果(変動開始時の図柄抽選結果)を先読み判定する。
(T−2.図柄テーブル)
上記図柄テーブルには、「特別図柄判定用乱数値(特別図柄判定用乱数値の大きさ:200)」と、当選種別を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。
上記「特別図柄判定データ」とは、当選種別(当選の種類:大当り種別、小当り種別、およびハズレ種別)を識別するデータであり、本実施形態の場合、2R短開放潜確大当り、4R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、小当り種別(小当りが複数種類ある場合は、その種別(たとえば、小当りA、小当りBなど))、ハズレ種別(ハズレが複数種類ある場合は、その種別(たとえば、ハズレA、Bなど))のいずれに当選したのかを識別するためのデータである。この特別図柄判定データは、当選種別情報が必要とされる処理(たとえば、後述の図12のステップS411の遊技状態移行準備処理、ステップS412の特別図柄変動パターン作成処理、大当り遊技の実行制御に関する処理(図8の特別電動役物管理処理(ステップS060)など)において利用されるデータである。
また上記の「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄態様を指定するデータであり、主制御部20側において特別図柄の停止図柄種を特定する際に利用される。本実施形態では、たとえば、同じ16R確変大当りの場合であっても、判定値によっては特別図柄表示装置38a、38bに表示される特別停止図柄の表示態様(本実施形態では‘7セグ’の表示態様)が異なる場合がある。このように、当選種別が同じであっても、特別図柄判定用乱数値に応じた複数種類の特別停止図柄番号を定めることにより、特別図柄表示装置に表示される特別停止図柄を見ても、遊技者がどのような種類の大当りやハズレに当選したかの見分けがつき難いようにすることができる。
(T−2−1.大当り図柄テーブル)
本実施形態の大当り図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「大当り図柄テーブル1」と特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「大当り図柄テーブル2」とが含まれ、図10の特図1始動口チェック処理中においては「大当り図柄テーブル1」、図11の特図2始動口チェック処理中においては「大当り図柄テーブル2」が参照される。これら大当り図柄テーブルには、特別図柄判定用乱数値と、大当り種別を決定するための判定値とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、複数種類の大当りのうちからいずれか一つの大当りが決定されるようになっている。
上記大当り図柄テーブル1では、たとえば、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜9の範囲に属する場合には「2R短開放潜確大当り」当選となり(図柄選択率(図柄抽選確率):10/200)、特別図柄判定用乱数値が判定値10〜139の範囲に属する場合には「4R確変大当り」当選となり(図柄選択率(図柄抽選確率):130/200)、判定値140〜189の範囲に属する場合は「10R確変大当り」当選となり(図柄選択率:50/200)、判定値190〜199の範囲に属する場合には「16R確変大当り」当選となり(図柄選択率:10/200)、大当り種別が所定の図柄選択率で決定され、これに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。
上記大当り図柄テーブル2は、上述の大当り図柄テーブル1と基本的な構成は同じであるが、大当り図柄テーブル1と次の点が異なる。大当り図柄テーブル2では、大当り図柄テーブル1と比較し、特定の大当りの図柄選択率(図柄抽選確率)が異なる。具体的には、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜5の範囲に属する場合には「2R短開放潜確大当り」当選となり(図柄選択率(図柄抽選確率):5/200)、特別図柄判定用乱数値が判定値6〜39の範囲に属する場合には「4R確変大当り」当選となり(図柄選択率:35/200)、判定値40〜99の範囲に属する場合には「10R確変大当り」当選となり(図柄選択率:60/200)、判定値100〜199の範囲に属する場合には「16R確変大当り」当選(図柄選択率:100/200)となっている。つまり、大当り図柄テーブル1による図柄抽選よりも大当り図柄テーブル2による図柄抽選の方が相対的に高い利益の大当りの種類が選択される確率が高く、遊技者にとって有利な図柄抽選となっている。これにより、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の抽選を受ける方が遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。特に、電サポ有り状態下では、下始動口35側の入賞確率が飛躍的に向上して特別図柄変動表示ゲーム2の実行機会も増えるため、電サポ有り状態中は、高ベース遊技状態であるだけでなく、図柄抽選の観点からも遊技者にとって有利な遊技状態とされる。
(T−2−2.小当り図柄テーブル)
本実施形態の小当り図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「小当り図柄テーブル1」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「小当り図柄テーブル2」とが含まれる。
上記小当り図柄テーブル1、2は、上記の大当り図柄テーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、小当り種別(たとえば、小当りが複数種類ある場合(たとえば、小当りA、小当りBなど)、そのうちのいずれか)が所定の図柄選択率で決定され、またこれに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。なお本実施形態の場合、小当り図柄テーブル1、2で抽選対象となる小当り種別が異なるようになっている。
(T−2−2.ハズレ図柄テーブル)
本実施形態のハズレ図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「ハズレ図柄テーブル1」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「ハズレ図柄テーブル2」とが含まれる。
上記ハズレ図柄テーブル1、2は、上記の大当り図柄テーブルや小当り図柄テーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、ハズレ種別(たとえば、ハズレA、ハズレBのいずれか)が所定の図柄選択率で決定され、またこれに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。なお、ハズレ図柄テーブル1とハズレ図柄テーブル2とは、ハズレA〜Bの当選に係る判定値が異なっており、したがって特別図柄判定用乱数値が同じ値であっても、ハズレ図柄テーブル1が参照される場合と、ハズレ図柄テーブル2が参照される場合とでは、当選となるハズレ種別が異なる場合がある。
本実施形態では、特図1側(ハズレ図柄テーブル1)ではハズレAおよびハズレBが抽選対象となっており、特図2側(ハズレ図柄テーブル2)ではハズレAのみが抽選対象となっている(図33参照)。また、図示はしていないが、ハズレAの当選確率がハズレBの当選確率の方よりも低く定められている(たとえば、ハズレAは195/200、ハズレBは5/200)。このような関係を利用し、ハズレAが当選した場合よりもハズレBに当選した場合の方がリーチ変動パターンの選択率を高めることで、適切な頻度で、リーチ演出を現出させることができるようなっている。特に本実施形態の場合、ハズレAではSPリーチを指定するリーチ変動パターン(SPリーチ変動パターン)は選択されず、ハズレBの場合にSPリーチ変動パターンが選択されるようになっている。
これについて遊技進行上、滞在率が最も高い「通常(00H)」中に着目して説明する。図37を参照して、「ハズレA」に当選した場合には‘通常変動パターン’または‘Nリーチ’が選択され、通常変動パターンの方が比較的高確率で選択されるようになっている。しかし「ハズレB」が当選した場合には、‘通常変動パターン’および‘通常中Nリーチ’は選択されず、当選期待度が相対的に高い‘SPリーチ種別(SPリーチAまたはSPリーチB)’が選択される。つまり、ハズレ時の多くは、通常変動に係る演出が現出され、適切な頻度でSPリーチ演出が現出されるようになっている。これにより、遊技者に対して大当りへの当選期待感を過度に煽ってしまうことを防止している。
ステップS318の処理において、上記した図柄テーブルから得られた各種データ(先読み判定における図柄抽選結果:特別図柄判定データ、特別停止図柄番号)に関しては、CPU201が備えるレジスタに取り込まれ(たとえば、特別図柄判定データはAレジスタに、特別停止図柄番号はBレジスタ)、この状態で、この特別停止図柄データ作成処理を抜けて、ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理に進む。つまりCPU201は、レジスタに取り込んだデータをRAM203に格納せずに、これを保持したまま、特別停止図柄データ作成処理を抜けようにようなっている。その理由は次の通りである。
本実施形態では、今回の特別停止図柄データ作成処理で得られた判定結果(先読み判定における図柄抽選結果)の各種データは、続く「始動口入賞時乱数判定処理」で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることはない。したがって、この判定結果をRAM203に格納せずにレジスタに保持した状態のままで特別停止図柄データ作成処理を抜けても特に問題はないからである。これにより、特別停止図柄データ作成処理の判定結果をRAMに格納するためのプログラムを必要とせず、またその判定結果を格納するための専用の格納領域を設ける必要がない。その結果、メモリ容量を削減し、制御負担の軽減することができるようになっている。
上記したステップS318の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を行う。この始動口入賞時乱数判定処理も、上記乱数判定処理(ステップS317)や特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)と同じく、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る「変動開始時の変動パターン」を事前に判定する‘先読み判定(先読み変動パターン判定)’を行う。
上記始動口入賞時乱数判定処理では、ステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果と、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理で得られた‘図柄抽選’結果と、ステップS314の処理で得られた‘変動パターン用乱数’とを利用し、今回の作動保留球に係る変動開始時の変動パターン、つまり今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別図柄変動パターン作成処理(後述の図12のS412参照)」の結果(変動開始時の変動パターン内容)を先読み判定する。そして、その先読み判定結果に基づいて、後述の「入賞時コマンド」の作成に利用される入賞コマンドデータの作成処理を行う。ここでは、入賞コマンドデータとして、当り・ハズレの別を特定可能な「MODE_1(1バイト目(上位バイト))」側のコマンドデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする「EVENT(2バイト目(下位バイト))側のコマンドデータとを取得する。この始動口入賞時乱数判定処理において決定される入賞コマンドデータにより、先読み変動パターン(保留球数情報は除く)の内容が指定される。
詳述するに、始動口入賞時乱数判定処理は、先読み変動パターンを指定するための上述の「入賞コマンドデータ」を決定する処理として、以下の(a)および(b)の処理を含んで構成されている。
(a)図33に示す「変動パターン振分テーブル選択テーブル」を参照し、ステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果と、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理で得られた‘図柄抽選’結果と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに基づき、「変動パターン振分テーブルFH1〜FH12、FB1〜FB9(図34〜図36、図37〜図39)」を決定する‘入賞時変動パターン振分テーブル決定処理’と、
(b)上記(a)で決定された「変動パターン振分テーブル」を参照し、ステップS314の処理で取得された‘変動パターン用乱数値’に基づき、先読み変動パターンに対応する入賞コマンドデータを決定する‘入賞コマンドデータ決定処理’と、を含んで構成される。
ここで上記「変動パターン振分指定番号(Tcode)」は、‘変動パターン選択モード’として機能するものであり、現在の遊技状態を識別するデータであって、変動パターン振分指定番号(Tcode)「00H」は「通常」を、「01H」は「ST前半」を、「02H」は「ST後半」を、「03H」は「ST最終」を、「04H」は「CZ」、「05H」は「潜確状態」を示す(図27参照)。
(T−3.変動パターン振分テーブル選択テーブル(入賞時):図33)
図33に、変動パターン振分テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の変動パターン振分テーブル選択テーブルには、特別図柄種別と当選種別と作動保留球数と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに関連付けられた複数種類の「変動パターン振分テーブル」が定められている。具体的には、特別図柄種別と当選種別と作動保留球数と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに基づき、複数種類の変動パターン振分テーブル(FH1〜12、FB1〜3)のうちからいずれか一つの「変動パターン振分テーブル」が決定されるようになっている。この変動パターン振分テーブル選択テーブルは、先読み判定時の「入賞コマンドデータ」を決定する際に利用されるだけでなく、変動開始時の「変動パターン指定コマンド」の決定に関する処理の際においても利用され(後述の図12のステップS412の特別図柄変動パターン作成処理、その詳細を示す図14参照)、入賞時・変動開始時における兼用(共通)の変動パターン振分テーブル選択テーブルとなっている。
なお本実施形態の「変動パターン振分テーブル選択テーブル」は、先読み判定時・変動開始時兼用のテーブルとして設けられているが、先読み判定時の作動保留球数が変動開始時の作動保留数と必ずしも一致しないため、正確な変動開始時の変動パターンの内容を先読み判定することができない。したがって、入賞時変動パターン振分テーブル決定処理においては、作動保留球を無視して(作動保留球をゼロとして)、上記変動パターン振分テーブル選択テーブルから、目的の変動パターン振分テーブルを選択するようになっている。
たとえば、通常中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、ハズレAである場合、入賞時の作動保留球数によらず、変動パターン振分テーブル「FH1」が選択される。しかし変動開始時には、作動保留球数が考慮されるので、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」のいずれかが選択されるが(図37の特図1、ハズレAの欄参照)、変動パターン振分テーブル「FH1〜FH4」は、すべて通常変動パターン種別が選択されるようになっているため(図37参照)、先読み判定時においては、変動開始時の変動パターンが通常変動パターン種別であると先読み判定されることになる。したがって、変動パターン種別の先読み判定自体には矛盾はなく、特に問題は生じない。本実施形態の場合、基本的には、先読み判定時においては、特別図柄の変動パターン(変動開始時の変動パターン)の骨子(ベース)となる「基本パターン」が判定される。
ただし、選択条件によっては、先読み判定時において、変動開始時の変動パターンそのものを判定することができるようになっている。たとえば、通常中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、ハズレBの場合には、作動保留球数によらず、「FH5」が選択されるので、先読み判定時には、変動開始時の変動パターンそのものを判定することができるようになっている(図37の変動パターン振分テーブル選択テーブルの「特図1、ハズレB」の欄参照)。したがって、変動パターン振分テーブル選択テーブルの構成により、先読み判定時において、変動開始時の変動パターンそのものを判定するように構成することができる。この場合は、入賞時コマンドにより指定される先読み変動パターンと、変動パターン指定コマンドにより指定される変動開始時の変動パターンとを一致させることができる。このようにすれば、先読み変動パターンとして、変動開始時の変動パターンの基本パターンではなく、変動開始時の変動パターンそのものを指定する入賞時コマンドを演出制御部24側に送信することができるので、先読み予告演出を現出する際、より正確な先読み予告演出を現出させることができるようになる。また、先読み予告演出の自由度が増し、先読み予告演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。
なお、重複記載を避けるために詳細な説明は省略するが、他の選択条件の場合(たとえば、ST前半中またはST最終において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図2側であり、ハズレAである場合など)においても同様に、先読み判定時の変動パターンの内容と変動開始時の変動パターンの内容とに矛盾が生じないようになっている(図33、図39参照)。
(T−4.変動パターン振分テーブル(入賞時):図34〜図39)
次に、上記の変動パターン振分テーブルについて説明する。図34〜図36に当り時に選択される変動パターン振分テーブルを、図37〜図39にハズレ時に選択される変動パターン振分テーブルを示す。
図34〜図39を参照して、上記「変動パターン振分テーブル」には、当り(大当りまたは小当り)に当選した場合に選択され得る複数種類の当り用変動パターン振分テーブル「FB1〜FB9」と、ハズレに当選した場合に選択され得る複数種類のハズレ用変動パターン振分テーブル「FH1〜H12」とが含まれる。これら変動パターン振分テーブルは、先読み判定時・変動開始時兼用のテーブルとして設けられている。したがって、変動パターン振分テーブルには、次のようなデータ群が定められている。
(イ)図34〜図39に示すように、上記変動パターン振分テーブルには、変動パターン用乱数値(変動パターン用乱数値の大きさ:10000)と、先読み変動パターンの内容に対応した入賞コマンドデータを構成するための上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図30、図31の「MODE_1」)と、下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図30、図31の「EVENT」)のコマンドデータとが関連付けて定められている。具体的には、先読み判定時において、変動パターン用乱数値がいずれの判定値(図示の振分値)に属するか否かにより(変動パターン用乱数値を利用した抽選により)、入賞時コマンドを構成するためのコマンドデータが決定されるようになっている。これにより、先読み変動パターンの内容が指定されることになる。
(ロ)また変動パターン振分テーブルには、変動開始時処理に係る「変動パターン指定コマンド」の決定に関する処理の際に利用されるデータをも定められている(この処理の詳細については、図14の特別図柄変動パターン作成処理にて後述する)。上記変動パターン振分テーブルには、変動パターン用乱数値と、変動パターン指定コマンドを構成するための上位バイト(1バイト目)側のコマンドデータ(図30、図31の「MODE_2」)と、下位バイト(2バイト目)側のコマンドデータ(図30、図31の「EVENT」)とが関連付けて定められている。具体的には、変動開始時において、変動パターン用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより(変動パターン用乱数値を利用した抽選により)、上記変動パターン指定コマンドを構成するためのコマンドデータが決定されるようになっている。これにより、変動開始時の変動パターンの内容が指定されることになる。
ここで変動開始時に係る上記「MODE_2(1バイト目(上位バイト))」側のコマンドデータとは、当り・ハズレの別を特定可能なデータであり、「EVENT(2バイト目(下位バイト)」のコマンドデータとは、変動開始時の変動パターンを特定可能なデータとなっている。したがって変動開始時の変動パターンを指定する上記「変動パターン指定コマンド」は、入賞時コマンドと同じように、「MODE_2」と「EVENT」とからなる2バイトの制御データで構成され、この変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信されると、演出制御部24側は、変動開始時の変動パターン(特別図柄の変動パターン)を把握する。
ここで図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、変動パターン用乱数値に応じて、入賞コマンドデータまたは変動パターン指定コマンドを決定するための判定領域(判定値)が定められており、変動パターン用乱数値がどの判定値に属するのか否かにより、コマンドデータが決定されるようになっている。図示の振分値と判定値との関係は次のようになっている。たとえば、図37の通常中ハズレ変動パターン振分テーブル「FH4」を代表例にとって説明すれば、図面正面上から下の列方向に見て振分値が最初に記載されている箇所から参照すると、振分値が「8500」、「1000」、「500」の順に記載されているが、この内容は、変動パターン用乱数値が、判定値0〜8499の範囲(上記振分値「8500」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動5s(‘s’はsecond(秒)の略)」を指定するコマンドデータ(MODE_1「B0H」、MODE_2「A0H」、EVENT「01H」)が選択され、判定値8500〜9499の範囲(上記振分値「1000」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動8s」を指定するコマンドデータ(MODE_1「B0H」、MODE_2「A0H」、EVENT「02H」)が選択され、判定値9500〜9999の範囲(上記振分値「500」の記載欄に対応)に属する場合は「通常変動12s」を指定するコマンドデータ(MODE_1「B0H」、MODE_2「A0H」、EVENT「03H」)が選択される、といった内容を意味している。なお図34〜図36、図38〜図39についても同様の「選択率」の表記となっている。
ただし、既に説明したように、たとえば、通常中において、今回の先読み対象となる作動保留球が特図1側であり、ハズレAである場合、入賞時の作動保留球数によらず、変動パターン振分テーブル「FH1」が選択されることになり、先読み判定時には、上記の変動パターン振分テーブル「FH4」は選択されない(図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルの「特図1、ハズレA」の欄、図37の「ハズレA」欄参照)。したがって、実際には、上述した変動パターン振分テーブル「FH4」は、変動パターン指定コマンドを決定する際に利用されるテーブルとなっている(たとえば、変動パターン振分テーブル「FH2」または「FH3」も同様)。
以上のように、変動パターン振分テーブルにおいて、変動パターン用乱数値がどの判定値に属するのか否かにより、入賞時処理においては入賞時コマンドを構成するコマンドデータが、変動開始時処理においては変動パターン指定コマンドを構成するコマンドデータが決定されるようになっている。
(C−1.入賞時コマンド一覧:図30、図31)
図30〜図31に、上記入賞時コマンドの一覧を示す。図30は、当り時の入賞時コマンドを、図31は、ハズレ時の入賞時コマンドを示す。
入賞時コマンドは、先読み判定に関する一連の処理(ステップS317〜S318)において得られた先読み判定結果情報、具体的には、少なくとも、当落抽選結果情報と先読み変動パターン情報とが含まれる。本実施形態では、入賞時コマンドにより、当落情報、先読み変動パターンの内容(図示の変動パターン指定内容の欄に対応)、遊技状態情報などが含まれる。なお図示では、説明の便宜上、入賞時コマンドが、変動開始時の変動パターンのすべてに対応するかのように表記しているが、実際には、入賞時コマンドは図示の一部のものが作成される(図33、図34〜図39参照)。既に説明したように、入賞コマンドデータを決定する際には、先読み判定時の作動保留球数と変動開始時の作動保留数とが必ずしも一致しないため、入賞時に変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照する際は、作動保留球数を考慮せずに(作動保留球をゼロとして)、目的の変動パターン振分テーブルが選択され、変動開始時に変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照する際は、作動保留球数を考慮して、目的の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっているからである。
なお入賞時コマンドとして、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理で得られた‘図柄抽選’結果(先読み図柄判定結果)情報(当選種別情報(特別停止図柄番号または特別図柄判定データであっても良い)と先読み変動パターン情報とを含む入賞時コマンドを作成し、これを演出制御部24に送信する構成としても良い。
ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を終えると、始動口入賞時乱数判定処理において決定されたコマンドデータに基づき「入賞時コマンド」を作成し(ステップS320A)、続いて、先読み判定時の作動保留球数を指定する「保留加算コマンド」を作成する(ステップS320)。この「保留加算コマンド」は2バイトで構成され、今回先読み対象となった作動保留球が特図1側であるか特図2側であるかを指定する上位バイト(MODE)側と、入賞時の作動保留球数を指定する下位バイト(EVENT)側とで構成される。保留加算コマンドは、演出制御部24側において、作動保留球発生の際、保留表示領域76、77に対し、現在の作動保留球数に関する情報を報知したり、先読み予告演出が実行される場合には、その予告対象保留についての先読み予告演出(保留表示変化系の先読み予告演出)を現出する際に利用される。
次いで、作成した入賞時コマンドと保留加算コマンドをそれぞれ演出制御部24に送信する(ステップS321)。
上記入賞時コマンドと保留加算コマンドとが主制御部20から送信されると、これを受けた演出制御部24は、これらコマンドに含まれる情報に基づき先読み予告演出の実行可否に関する抽選(先読み予告抽選)を行い、その抽選結果により実行可と決定された場合(先読み予告抽選に当選した場合)、今回の作動保留球を対象とする先読み予告演出を現出させる。また演出制御部24は、入賞時コマンドおよび/または保留加算コマンドを受けた場合、先読み予告演出を現出させるか否かにかかわらず、始動口に入賞があった旨を報知する「入賞演出」を現出させることができる。なお、作動保留球数が4以上の場合に新たな入賞があった場合、オーバーフロー(overflow)を指定する入賞時コマンドと保留加算コマンド(OFコマンド)とが作成され、演出制御部24に送信されるようになっている(ステップS312:YES→ステップS320A)。この「OFコマンド」は、オーバーフローを指定するコマンドのため、先読み予告演出には利用されずに、専ら上述の「入賞演出」に利用される。
これにより、特図1始動口チェック処理を抜けて、続いて図11のステップS302の特図2始動口チェック処理を行う。
(10−2.特図2始動口チェック処理:図11)
次、特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)について説明する。図11は、特図2始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。
上記特図2始動口チェック処理は、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理として、先に述べた特図1始動口チェック処理の流れと同じように、作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、入賞時コマンド、保留加算コマンドの作成・送信処理などが行われる。以下、上記特図1始動口チェック処理(ステップS301、図10)と同じ処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図11において、CPU201は、まず下始動口35において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS331)。
下始動口35の入賞検出がなかった場合は(ステップS331:NO)、何もしないで特図2始動口チェック処理を抜ける。しかし下始動口35の入賞を検出した場合は(ステップS331:YES)、特別図柄2の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS332)。
特図2作動保留球数が4以上である場合(ステップS332:YES)、ステップS345に進む。一方、特図2作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図2作動保留球数を1加算(+1)し(ステップS333)、ステップS334の処理に進む。
ステップS334の処理に進むと、今回発生した特図2作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム2に利用される各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、および変動パターン用乱数)の乱数カウンタの現在値を取得し、それぞれRAM203の保留記憶エリアに格納する(ステップS334)。この処理は、図10のステップS314の処理の仕方と同じである。この特図2作動保留球は、特別図柄2の変動表示動作に供されるまで、最大保留記憶数を所定の上限値として、始動条件の成立順に保留記憶される。
次いで、入賞コマンドデータとして、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(下位バイト「FFH」)を取得し(ステップS335)、「特図2先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS336)。上記「特図2先読み禁止条件」とは、特図2作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図2先読み禁止条件が成立している場合(ステップS336:YES)、今回の特図2作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS336:YESの処理ルート)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ無し状態を伴う遊技状態’を伴う遊技状態中である場合、つまり内部遊技状態が、通常遊技状態中または潜確状態中である場合は、特別図柄2側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ無し状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄2側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
「通常遊技状態」または「潜確状態」であるならば、‘電サポ無し状態’下に置かれ、下始動口35の入賞率が著しく低下する。また既に説明したように、本実施形態では、上記電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合、左流下経路3bを遊技球が通過するように狙いを定めた場合よりも上始動口34の入賞率が著しく低下してしまう、といった遊技者にとって不利益をもたらす遊技性となっている。このため、電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めることはないものと推定される。したがって、電サポ無し状態中においては、特図2作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、また発生率の低い特図2作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
なお本実施形態では、遊技状態に応じて、特別図柄1側の先読み禁止区間(先読み禁止状態の期間)と特別図柄2側の先読み禁止区間とを切り替え可能に構成されているが、本発明はこれに限られない。たとえば、遊技状態に応じて、特別図柄1側および特別図柄2側のいずれか一方の先読み判定は一切実行しないという構成としても良い。またCZ中は、これに対応する専用のCZ演出モード下でなされる演出により高確率状態の期待感を煽るようになっており、またCZ期間も比較的短期間であるため、CZ中は、先読み判定を先読み禁止区間とし、先読み予告演出を現出させないように構成することが好ましい。
再びステップS336の説明に戻り、特図2先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS336:YES)、ステップS340の処理に進む。しかし特図2先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS336:NO)、ステップS337の処理に進み、乱数判定処理を行う(ステップS337)。この乱数判定処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み当落判定」が行われる。また処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS317の乱数判定処理と実質的に同じである。
ステップS337の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS338)。この特別停止図柄データ作成処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み図柄判定」が行われる。また処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS318の特別停止図柄データ作成処理と実質的に同じである。
次いで、特図1始動口チェック処理中と同様の始動口入賞時乱数判定処理を行い(ステップS339)、入賞時コマンドと保留加算コマンドとを作成し(ステップS340A、S340)、これらコマンドを演出制御部24に送信して(ステップS341)、特図2始動口チェック処理を抜ける。
(10−3.特別図柄変動開始処理:図12)
次に、特別図柄変動開始処理(ステップS306)について説明する。図12は、図9の特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を行う。一方、特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S416)を行う。このステップS401とS402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。ステップS401とS402の処理は、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球を優先的に消化させる「優先変動手段」として機能する。
本実施形態では、上記優先変動手段により、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される、つまり特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行されるようになっている。より詳しくは、特別図柄1または特別図柄2が停止表示されたことを条件に、上記第1の保留記憶エリア(第1の保留記憶手段(特別図柄1側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄1に関する保留データ(第1の保留記憶:特図1作動保留球)が記憶されており上記第2の保留記憶エリア(第2の保留記憶手段(特別図柄2側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄2に関する第2の保留データ(第2の保留記憶:特図2作動保留球)が記憶されていない場合には、当該第1の保留データのうちの最も先に記憶された保留データに基づく第1の特別図柄の変動表示を開始させる一方、当該第2の保留記憶エリアに当該第2の保留データが記憶されている場合には、その第1の保留記憶エリアに上記第1の保留データが記憶されているか否かにかかわらず、当該第2の保留データのうち最も先に記憶された保留データに基づく当該第2の特別図柄の変動表示を開始させるようになっている。
なお、特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、かつ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部24側に知らせて、液晶表示装置36に対し、客待ち待機用のデモ画面表示に切り替え制御させる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する(ステップS417)。
ステップS417の判定処理を通過したとき、つまり上記「作動保留球なし」の状態となったとき、このときの特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であった場合には(ステップS417:NO:後述の図21Aの特別図柄確認時間中処理中のステップS472参照)、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに00Hを格納:ステップS418)。そして、演出制御コマンドとして、デモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信して(ステップS419)、特別図柄変動開始処理を抜ける。このように、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替えて、演出制御コマンドを送信して特別図柄変動開始処理を抜ける理由は、次の通りである。
作動保留球数がゼロの場合に条件なしにデモ表示コマンドを送信すると、特図作動保留球数がゼロである間は4msの周期でデモ表示コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生する。そこで、上記「作動保留球なし」の状態となった場合に、デモ表示コマンドを1回送信して、これにより、既にデモ表示コマンドが送信済みである場合は、デモ表示コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を抜けるようになっている。
演出制御部24は、上記デモ表示コマンドを受けてから所定時間経過しても、何ら図柄変動表示ゲームに係る演出制御コマンド(たとえば、入賞時コマンドや保留加算コマンド)を受けない場合、変動表示動作が一定時間行われない状態(客待ち待機状態)が発生したとみなして、液晶表示装置36において、遊技待機状態中を報知する「デモ画面表示」を行うこととしている。
特図2作動保留球数がゼロでない場合(ステップS401:NO)、または特図2作動保留球数がゼロであるが、特図1作動保留球数がゼロでない場合(ステップS401:YES→ステップS402:NO)、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始時に係る処理(ステップS403〜S416)を行っていく。なお、以下に説明するステップS403〜S416の処理については、上記のステップS401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理なのか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理なのかという区別はせずに説明していく。
ステップS403の処理に進むと、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数−1:ステップS403)、減算後の作動保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS404)。この保留減算コマンドにより、演出制御部24側は、今回の作動保留球数消化後の残余作動保留球数を把握する。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、たとえば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。このステップS406〜S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、および変動パターン用乱数)を読み出し、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS406)、保留4記憶エリアをクリアする(ステップS407)。つまり、保留1記憶エリアの保留データを判定用乱数記憶エリアにシフトするとともに、保留2記憶エリア以降の保留データを1つずつ下位側の番号(保留2記憶エリア→保留1記憶エリア、保留3記憶エリア→保留2記憶エリア、保留4記憶エリア→保留3記憶エリア)にそれぞれシフトして上書きし、保留4記憶エリアに空き領域を設ける(新たな作動保留球が発生しない場合は、ステップS407の処理を行うごとに空き領域が順次シフトされていくので、全作動保留球消化時には、全保留記憶エリアが空き領域となる)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次いで、残り時短回数コマンド送信処理を行う(ステップS408)。ここでは、後述の特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタ)がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「残り時短回数コマンド」を演出制御部24に送信する。この「残り時短回数コマンド」により、演出制御部24側は、残りの時短回数を把握することができ、たとえば、演出手段を利用し、残り時短回数情報を報知させることができる。
次いで、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う(ステップS409)。この特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「当落抽選」を行う。なお特別電動役物作動判定用乱数判定処理は、「当落抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「当落抽選」を行う。特別電動役物作動判定用乱数判定処理の処理手順は、乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)と実施的に同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データに基づき、今回の変動表示側に対応する当り乱数判定テーブルを取得する。この当り乱数判定テーブルは、乱数判定処理(図10のステップS317、図11のステップS337)で利用した当り乱数判定テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づく、大当り、小当り、およびハズレの別の当落抽選を行い、その結果をRAM203の当り判定フラグ領域に格納する。
この当落抽選(変動開始時の当落抽選)により、「大当り」当選となった場合には大当り判定フラグが「5AH(大当り判定フラグがON状態)」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「00H(大当り非当選(大当り判定フラグがOFF状態))」となる。また「小当り」当選となった場合には小当り判定フラグが「5AH(小当り判定フラグがON状態)」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「00H(小当り非当選(小当り判定フラグがOFF状態))」となる。したがって大当り判定用乱数値が、大当り判定フラグ「00H」、かつ小当り判定「00H」となる判定値に属する場合、「大当り」および「小当り」のいずれにも当選しなかったことになり、今回の当落判定結果は‘ハズレ(大当り判定フラグおよび小当り判定フラグがOFF状態)’となる。
ここで、ステップS409の特別電動役物作動判定用乱数判定処理により得られたデータをRAM203に格納する理由は次の通りである。特別電動役物作動判定用乱数判定処理において得られたデータ(大当り判定フラグ、小当り判定フラグ)は、先読み判定時における「乱数判定処理(図10のステップS317、図11のステップS337)」で得られたデータのように後続処理で直ちに利用されてその後に不必要となるといったデータではなく、後々の特別停止図柄作成処理(ステップS410)において必要となるデータだからである。
ステップS409の特別電動役物作動判定用乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄作成処理を行う(ステップS410)。この特別停止図柄作成処理では、ステップS409の特別電動役物作動判定用乱数判定処理の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行う。なお特別停止図柄作成処理は、「図柄抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「図柄抽選」を行う。なお特別停止図柄作成処理の基本的な処理手順は、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)と同じであるので、重複記載を避けるために、適宜省略しながら説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データと、ステップS409の特別電動役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果(上記大当り判定フラグと小当り判定フラグ)とを取得し、これらに基づき、今回の変動表示側に対応する図柄テーブルとして、大当り図柄テーブル1〜2、小当り図柄テーブル1〜2、ハズレ図柄テーブル1〜2のいずれかを選択する。この図柄テーブルは、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)で利用した図柄テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し、上記選択した図柄テーブルと、特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行い、図柄抽選結果(特別図柄判定データ、特別停止図柄番号)をRAM203の所定領域(特別図柄判定データ記憶領域、特別図柄停止図柄番号記憶領域)に格納する。これにより、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る当選種別(当りの種類)が決定される。
ここで、ステップS410の特別停止図柄作成処理により得られたデータをRAM203に格納する理由は次の通りである。特別停止図柄作成処理において得られたデータ(特別図柄判定データ、特別停止図柄番号)は、先読み判定時における「特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)」で得られたデータのように後続処理で直ちに利用されてその後に不必要となるといったデータではなく、後々の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)や、特別電動役物処理(ステップS60)において必要となるデータだからである。
ステップS410の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を行う(ステップS411)。この遊技状態移行準備処理では、遊技状態を移行させるための設定として、当り遊技後の遊技状態を指定するために必要な設定処理を行う。この遊技状態移行準備処理の詳細は図13にて後述する。
ステップS411の遊技状態移行準備処理を終えると、次いで、特別図柄変動パターン作成処理を行う(ステップS412)。この特別図柄変動パターン作成処理では、特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果(少なくとも特別電動役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果)、変動パターン用乱数、変動パターン振分指定番号(Tcode)(現在の遊技状態)、および作動保留球数などを利用し、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターンを決定する。そして、その変動パターンの内容を演出制御部24側に知らせるべく、演出制御コマンドとして、その変動パターンの内容を特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信する。なお、特別図柄変動パターン作成処理は、「特別図柄の変動パターンを決定する」といった点において‘先読み判定’処理の一つである始動口入賞時乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターン、つまり「変動開始時の変動パターン」が決定される。この特別図柄変動パターン作成処理の詳細は図14にて後述する。
ステップ412の特別図柄変動パターン作成処理を終えると、次いで、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する(ステップS413)。上記「特別図柄N変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応する。
次いで、ステップS410の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し(ステップS414)、演出制御部24に送信する(ステップS415)。
装飾図柄指定コマンドは、図32に示すように、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、大当り種別、小当り種別、ハズレ種別を指定する下位バイト(EVENT)の2バイトで構成される。したがって、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。具体的には、上位バイト(MODE)側については、変動側の特別図柄が特別図柄1の場合には「B5H」、特別図柄2の場合には「B6H」が設定され、下位バイト(EVENT)側については、当選種別がハズレA〜Bの場合には「01H」〜「02H」が、16R確変大当りの場合には「03H」、10R確変大当りの場合には「04H」、4R確変大当りの場合には「05H」が設定される。また2R短開放潜確大当りの場合は「06H」、小当りの場合は「07H」が設定される。なお、本実施形態では、下位バイト(EVNET)には当選種別を特定可能とするデータが設定されるが、特別停止図柄番号または特別図柄判定データを特定可能とするデータであっても良い。この装飾図柄指定コマンドは、当選種別に関する情報が含まれることから、演出制御部24側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素となる図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアをゼロクリア(00Hを格納する)する(ステップS416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図9の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS059)を抜けて、図8の特別電動役物管理処理(ステップS060)に進む。
(10−3−1.遊技状態移行準備処理:図13)
次に、上記の遊技状態移行準備処理(ステップS411)について説明する。図13は、図12の遊技状態移行準備処理の詳細を示すフローチャートである
図13において、CPU201は、まず大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS431)。大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS431:≠5AH)、何もしないで遊技状態移行準備処理を抜ける。
大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS431:=5AH)、大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル(図28(イ)参照)を取得する(ステップS432)。
次いで、取得した大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを参照して、遊技状態判定番号(YJ)と大当り種別(特別図柄判定データ)とに応じた大当り用遊技状態移行テーブル(図29)を取得し(ステップS433)、この遊技状態移行テーブルに定められたデータを後述の各種バッファに格納する(ステップS434:状態バッファ設定処理)。これらバッファに格納された値は、後述の図17の大当り終了処理中(ステップS509、その詳細を示す図18のステップS592)の処理で読み出され、RAM203の所定の記憶領域(各々のバッファに対応したフラグ記憶領域やカウンタ記憶領域)に格納される。ステップS434の処理を終えると、遊技状態移行準備処理を抜けて、図12の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)に進む。なお、この遊技状態移行準備処理では、大当りに当選した場合の遊技状態の移行に関する設定処理が行われ、小当りに当選した場合の遊技状態の移行に関する設定処理は、後述の電動役物管理処理中の小当り処理(図17のステップS504参照)で行われるようになっている。
(T−5.大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル:図28(イ))
図28(イ)に、大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルには、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データとに関連付けられた大当り用遊技状態移行テーブルが定められている。具体的には、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データとに基づき、目的の大当り用遊技状態移行テーブル(図29)が決定されるようになっている。
ここで「遊技状態判定番号(YJ)」とは、内部遊技状態を識別するためのデータである。図27の変動パターン振分指定番号表を参照して説明すれば、遊技状態判定番号(YJ)が「00H」の場合は「通常遊技状態(電サポ無し状態、低確)」を、「01H」の場合は「潜確状態(電サポ無し状態、高確)」を、「03H」の場合は「確変状態(電サポ有り状態、高確率)」をそれぞれ示す。したがって、遊技状態判定番号(YJ)は上記のような内部遊技状態を識別する点で、変動パターン振分指定番号(Tcode)のように遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。
(T−6.大当り用遊技状態移行テーブル:図29(イ))
図29に、上述の大当り用遊技状態移行テーブルを示す。本実施形態の遊技状態移行テーブルには、大当りの場合に選択されうる大当り用遊技状態移行テーブルの「JTTBL−1」〜「JTTBL−2」と、小当りの場合に選択されうる小当り用遊技状態移行テーブル「JTTBL−3」とが含まれる。
これらの大当り用遊技状態移行テーブルには、大当り遊技後に移行すべき遊技状態を指定するための複数種類データ群が定められている。具体的には、普電役物開放延長移行状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短移行状態バッファ、特別図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短回数カウンタバッファ、特別図柄確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号1〜3バッファ、特別図柄変動回数1〜3カウンタバッファなどに格納するための各種のデータが定められている。これら各バッファに各遊技状態移行テーブルが指定する各種データが格納されると、大当り遊技終了後の遊技状態が指定される。これらのバッファに格納された値は、必要なタイミングで読み出され(たとえば、図18の大当り終了処理(S592)参照)、RAM203に設けられた所定のフラグ記憶領域や所定のカウンタ記憶領域などに設定される。この各バッファの各種データが上記各記憶領域に格納されると、大当り遊技終了後の遊技状態が定まることになる。
本実施形態に係る大当り用遊技状態移行テーブルの「JTTBL−1」〜「JTTBL−2」は、それぞれ順に、確変状態、潜確状態、通常状態、CZ(潜確)、CZ(通常)に移行させるための遊技状態移行テーブルである。また小当り用遊技状態移行テーブルの「JTTBL−3」はそれぞれ‘CZ’に移行させるための遊技状態移行テーブルである。ただし、CZ移行に関する「JTTBL−2」については、CZ継続回数20回とするCZ(潜確)に移行させる遊技状態移行テーブルとなっている。
なお本実施形態では、確変大当りだけを設けているため、図29に示す「JTTBL−B1」は‘確変状態’に移行させるための遊技状態移行テーブルである。勿論、他の大当りを設けた場合、たとえば、大当り遊技終了後に時短状態に移行させる「時短大当り」を設けた場合には、時短状態に移行させるための大当り用遊技状態移行テーブルを別途設ければよい。この場合、遊技状態判定番号(YJ)についても、時短状態を指定する値(たとえば、時短状態は「02H」)を追加的に設ければ良い。また、どのような遊技状態、内部遊技状態において、どのような大当りが当選した場合に、どのような遊技状態、内部遊技状態に移行させるかについては、ゲーム性に応じて適宜定めることができる。以下に、上述の各種バッファの役割について説明する。
(普電役物開放延長移行状態バッファ)
「普電役物開放延長移行状態バッファ」は、普電役物開放延長状態フラグの設定を行うために利用される。「普電役物開放延長状態フラグ」とは、開放延長機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には開放延長機能作動中の「電サポ有り状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には開放延長機能非作動の「電サポ無し状態」である旨を示す。
(普通図柄時短移行状態バッファ)
「普通図柄時短移行状態バッファ」は、普通図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄時短状態フラグ」とは、普通図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄時短機能作動中の「普通図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄短機能非作動の「普通図柄非時短状態」である旨を示す。
(普通図柄確変移行状態バッファ)
「普通図柄確変移行状態バッファ」は、普通図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄確変状態フラグ」とは、補助当り抽選確率状態、つまり普通図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄確変機能作動中の「補助当り確変状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄確変機能非作動の「補助当り低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短移行状態バッファ)
「特別図柄時短移行状態バッファ」は、特別図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄時短状態フラグ」とは、特別図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄時短機能作動中の「特別図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄時短機能非作動の「特別図柄非時短状態」である旨を示す。
(特別図柄確変移行状態バッファ)
「特別図柄確変移行状態バッファ」は、特別図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄確変状態フラグ」とは、特別図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄確変機能作動中の「高確率状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄確変機能非作動の「低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短回数カウンタバッファ)
「特別図柄時短回数カウンタバッファ」は、特別図柄時短回数カウンタの設定を行うために利用される。「特別図柄時短回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄時短機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「特別図柄時短状態」が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタである。なお本実施形態では、特別図柄時短状態の終了に伴い、電サポ有り状態である高ベース遊技状態も終了されるようになっている(図16BのステップS481参照)。
(特別図柄確変回数カウンタバッファ)
「特別図柄確変回数カウンタバッファ」は、特別図柄確変回数カウンタの設定を行うために利用される。「特別図柄確変回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄確変機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「高確率状態」が終了するまでの残り回数(残りST回数)を計数するためのカウンタである。
(変動パターン振分指定番号バッファ)
「変動パターン振分指定番号バッファ」は、変動パターン振分指定番号(Tcode)の設定を行うために利用される。この「変動パターン振分指定番号(Tcode)」は、遊技状態を特定するための遊技状態データである。上記「変動パターン振分指定番号(Tcode)」は、RAM203の変動パターン振分指定番号格納領域に設定され、所定の遊技状態移行条件を満たすと、その値が変更され、一の遊技状態から他の遊技状態に変更される(変動パターン選択モードが変更される)。つまり、特別図柄の変動パターンの決定条件(演出の決定条件)が変更されるようになっている。
なお本実施形態では、変動パターン振分指定番号バッファとして、大当り遊技終了後に変動パターン振分指定番号(Tcode)への設定値を記憶する「変動パターン振分指定番号1バッファ」と、上記変動パターン振分指定番号2への設定値を記憶する「変動パターン振分指定番号2バッファ」とが設けられている。また所定の遊技状態移行条件を満たすまで設定値を記憶する「変動パターン振分指定番号(Tcode)」と、所定の遊技状態移行条件を満たした場合に更新すべき値を記憶しておく「変動パターン振分指定番号2」と、「変動パターン振分指定番号3」とが設けられている。
本実施形態の場合、大当り遊技終了後に「変動パターン振分指定番号(Tcode)」に対して「変動パターン振分指定番号1バッファ」の値をそのまま設定するようにし(後述の図18の大当り終了処理(ステップS592)参照)、所定の遊技状態移行条件を満たした場合には、「変動パターン振分指定番号2」または「変動パターン振分指定番号3」の値を「変動パターン振分指定番号(Tcode)」に対して設定するようになっている(後述の図16BのステップS490参照)。これにより、たとえば、「変動パターン振分指定番号1バッファ」に対応する「変動パターン振分指定番号1」という余分な格納領域(RAM203の所定領域)を確保する必要がない。具体的には、大当り遊技終了後に上記「変動パターン振分指定番号(Tcode)」に対して「変動パターン振分指定番号1バッファ」の値をそのまま設定するようにすることで「変動パターン振分指定番号(Tcode)」、「変動パターン振分指定番号1」、「変動パターン振分指定番号2」、および「変動パターン振分指定番号3」という4つのカウンタ格納領域を設ける必要がなく、「変動パターン振分指定番号(Tcode)」、「変動パターン振分指定番号2」、および「変動パターン振分指定番号3」という3つのカウンタ格納領域で済むことになる。その結果、RAM203記憶容量・使用領域を削減し、遊技機の制御負担を軽減することができるようになっている。
特に本実施形態のような、パチンコ店に設置するような遊技機、具体的には、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部20が該当する)に装着されるROMやRAMに対する制限があるため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係))、プログラム容量の削減やRAMの記憶容量・使用領域の削減などは重要な意義を有する。
(特別図柄変動回数カウンタバッファ)
「特別図柄変動回数カウンタバッファ」は、特別図柄変動回数カウンタの設定を行うために利用される。「特別図柄変動回数カウンタ」とは、一の遊技状態から他の遊技状態への移行契機となる特別図柄の変動規定回数(遊技状態移行条件となる特別図柄の変動回数:以下、「遊技状態移行規定回数」と称する)を計数するためのカウンタである。たとえば、大当り終了後の「ST前半」から「ST後半」に移行される遊技状態移行規定回数として、特別図柄変動回数カウンタには69回が設定される(後述の図18の大当り終了処理(ステップS592)参照)。これにより、大当り終了後に「ST前半」に移行してから特別変動表示ゲームの実行回数が69回消化されると、当該「ST前半」から「ST後半」に移行されることになる。また大当り終了後の「ST後半」から「ST最終」に移行される遊技状態移行規定回数として、特別図柄変動回数カウンタには4回が設定される(後述の図16BのステップS491参照)。これにより、「ST後半」に移行してから特別変動表示ゲームの実行回数が4回消化されると、当該「ST後半」から「ST最終」に移行されることになる。また「ST最終」に移行した場合、「ST最終」から「通常」に移行される遊技状態移行規定回数として、特別図柄変動回数カウンタには1回が設定される(後述の図16BのステップS491参照)。これにより、ST最終に移行してから特別変動表示ゲームの実行回数が1回消化されると、当該「ST最終」から「通常」に移行されることになる。
本実施形態では、特別図柄変動回数カウンタバッファとして、大当り遊技終了後に特別図柄変動回数カウンタへの設定値を記憶する「特別図柄変動回数1カウンタバッファ」と、上記特別図柄変動回数2カウンタへの設定値を記憶する「特別図柄変動回数2カウンタバッファ」と、上記特別図柄変動回数3カウンタへの設定値を記憶する「特別図柄変動回数3カウンタバッファ」とが設けられている。また特別図柄変動回数カウンタには、遊技状態移行規定回数までの図柄変動表示ゲームの実行回数(本実施形態では、特別図柄の変動表示回数)をダイレクトにカウントする「特別図柄変動回数カウンタ」と、遊技状態移行規定回数に達した場合に更新すべき値を記憶しておく「特別図柄変動回数2カウンタ」および「特別図柄変動回数3カウンタ」が設けられている。本実施形態の場合、大当り遊技終了後に「特別図柄変動回数カウンタ」に対して「特別図柄変動回数1カウンタバッファ」の値をそのまま設定するようにし(後述の図18の大当り終了処理(ステップS592)参照)、遊技状態移行規定回数に達した場合には、「特別図柄変動回数2カウンタ」または「特別図柄変動回数3カウンタ」の値を「特別図柄変動回数カウンタ」に対して設定するようになっている(後述の図16BのステップS491参照)。これにより、たとえば、「特別図柄変動回数1カウンタバッファ」に対応する「特別図柄変動回数1カウンタ」という余分なカウンタ格納領域(RAM203の所定領域)を確保する必要がない。具体的には、大当り遊技終了後に上記「特別図柄変動回数カウンタ」に対して「特別図柄変動回数1カウンタバッファ」の値をそのまま設定するようにすることで「特別図柄変動回数カウンタ」、「特別図柄変動回数1カウンタ」、「特別図柄変動回数2カウンタ」、および「特別図柄変動回数3カウンタ」という4つのカウンタ格納領域を設ける必要がなく、「特別図柄変動回数カウンタ」、「特別図柄変動回数2カウンタ」、および「特別図柄変動回数3カウンタ」という3つのカウンタ格納領域で済むことになる。その結果、RAM203記憶容量・使用領域を削減し、遊技機の制御負担を軽減することができるようになっている。
なお本実施形態では、確変状態が継続する回数(規定ST回数)を74回とし、ST前半の遊技期間(図柄変動表示ゲームの実行回数)とST後半およびST最終の遊技期間の関係が、「ST前半(69回)>(ST後半(4回)+ST最終(1回):あがきチャンス計5回)」となっているが本発明はこれに限られない。「ST前半」の遊技期間と「ST後半およびST最終」の遊技期間を同一期間(ST前半(37回)=「ST後半およびST最終(37回)」)としても良いし、「ST前半(30回)<ST後半およびST最終(44回)」としても良い。
(10−3−2.特別図柄変動パターン作成処理(変動開始時の変動パターン作成処理):図14)
次に、上記の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)について説明する。図14は、図12の特別図柄変動パターン作成処理の詳細を示すフローチャートである。
図14において、CPU201は、まず図33に示す「変動パターン振分テーブル選択テーブル」を取得する(ステップS441)。
次いで、上記変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照して、特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果、変動パターン振分指定番号(Tcode)(現在の遊技状態)、および作動保留球数(変動開始時の作動保留球数:保留0〜3個(ステップS403参照))に基づき、目的の変動パターン振分テーブル(図34〜図39)を取得する。
次いで、変動パターン用乱数を取得し(ステップS443)、ステップS442で取得した変動パターン振分テーブルを参照して、変動パターン用乱数値に応じた(変動パターン用乱数値を利用した抽選により)、変動パターン指定コマンドを構成するコマンドデータ(MODE_2とEVENT)、疑似連に必要な加算時間、「変動時間テーブル(図示せず)」を取得する(ステップS444)。
(T−7.変動パターン振分テーブル選択テーブル(変動開始時):図33)
変動開始時に利用される場合の図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルについて説明する。なお変動パターン振分テーブル選択テーブルの詳細は既に説明したので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
変動開始時においては、入賞時とは異なり、作動保留球数(ステップS403の変動開始時の作動保留球数)を考慮して、変動パターン振分テーブルが選択される。具体的には、特別図柄種別と当選種別(特別停止図柄作成処理(ステップS410)の図柄抽選結果)と作動保留球数と変動パターン振分指定番号(Tcode)とに基づき、複数種類の変動パターン振分テーブル(FH1〜12、FB1〜9)のうちからいずれか一つの「変動パターン振分テーブル」が決定される。ここでは、この変動パターン振分テーブル選択テーブルを利用し、変動開始時の変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブル(図34〜図39)を選択する。
(T−8.変動パターン振分テーブル(変動開始時):図34〜図39)
次に、変動開始時に利用される場合の変動パターン振分テーブルについて説明する。なお変動パターン振分テーブルの詳細は既に説明したので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
各変動パターン振分テーブルには、特別図柄に関する複数種類の変動パターンが、特別図柄種別と当選種別と作動保留球数と変動パターン振分指定番号(Tcode)、および変動パターン用乱数値(乱数値の大きさ:10000)などに関連付けて定められており、変動パターン用乱数による抽選により、複数種類の変動パターンのうちからいずれかの変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動開始時の「変動パターン指定コマンド」を構成するための上位バイト側(「MODE_2」と下位バイト側(EVENT)のコマンドデータが決定される。これにより、変動パターン指定コマンドが決定され、今回の図柄変動表示ゲームに係る変動開始時の変動パターンが指定されることになる。変動パターン指定コマンド自体は、後続のステップS447の処理で作成される。
また図示はしていないが、変動パターンの決定に伴い、その変動パターンに対応した「変動時間決定テーブル(図示せず)」も決定される。この「変動時間決定テーブル」には、変動時間(図柄変動表示動作時間)が定められており、上記決定された変動パターンに対応した変動時間決定テーブルを参照することにより、今回の変動パターンの変動時間が定まることになる。決定された変動時間は、特別図柄役物動作タイマに格納され、この変動時間が特別図柄変動表示ゲームの実行時間、換言すれば、装飾図柄変動表示ゲームの遊技時間(装飾図柄の変動表示時間(演出時間))となる。
<S−1.当り変動パターン(変動開始時)の選択処理について>
本実施形態では、当り変動パターンについて、次のような特徴を持つ。これについて、図33の変動パターン振分テーブル選択テーブル、図34の通常中当り変動パターン振分テーブル、図35のCZ・潜確中当り変動パターン振分テーブル、図36のST中当り変動パターン振分テーブルを参照しながら説明する。
まず「通常」中に大当りに当選した場合について説明する。本実施形態では、通常中に大当りに当選した場合、その当選種別に応じて、変動パターン振分テーブル「FB1」または「FB2」が選択されるようになっている。具体的には、当選した大当りが16R確変大当りの場合には変動パターン振分テーブル「FB1」が、10R確変大当りの場合と4R確変大当りの場合には変動パターン振分テーブル「FB2」が選択されるようになっている。つまり、変動パターン振分テーブル「FB2」は、10R確変大当りの場合と4R確変大当りの場合とで兼用(共通)の変動パターン振分テーブルとなっている。
本実施形態では、複数種類の大当りにおいて共通の変動パターン振分テーブルを選択するようにして、変動パターン振分テーブルに要するデータ容量を削減することができるようになっている。特に本実施形態のような、パチンコ店に設置するような遊技機、具体的には、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による7号営業を対象とした遊技機においては、同法律おける遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則により、遊技動作全般の制御を司る主基板(本実施形態では、主制御部20が該当する)に装着されるROMやRAMの容量が制限されているため(同規則別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係))、プログラム容量の削減やRAMの記憶容量・使用領域の削減などは重要な意義を有する。
しかし単に、複数種類の大当りについて、その一部同士、またはすべてが共通の変動パターン振分テーブルを選択するようにするだけでは、図34に示すように、一の大当りが当選した場合と他の大当りが当選した場合とで、共通の変動パターン群のうちからいずれかの変動パターンが選択されることになる。また各変動パターン選択率も同一となる。つまり、変動パターンに対応した演出(予告演出)を現出させるだけの構成では、一の大当りが当選した場合と他の大当りが当選した場合とで、共通した変動パターンが選択されることになるので、図柄変動表示ゲームにおいて共通した演出が現出されることになってしまう。このことは、主制御部20側におけるプログラム容量の削減を達成する代償として、種々の大当り当選に関連した演出が現出できずに、演出のバリエーションが乏しくなってしまう、といった問題が生じることを意味する。そこで本実施形態では、次のようにしてこの問題を解決している。
本実施形態では、変動パターンを特定可能な「変動パターン指定コマンド」が送信され、続いて当選種別を指定する「装飾図柄指定コマンド」が演出制御部24側に送信される(図12のステップS412、S415、図14、図32参照)。したがって演出制御部24側は、装飾図柄指定コマンドにより、当り種別(大当りの種類)を把握することができる。そこで演出制御部24側において、たとえば、後述する図40〜図42に示す当り種別に対応した演出選択テーブル(本例では、可動体役物に関する「役物移動演出抽選テーブル」を代表的に例示している)を設け、同じ変動パターンであっても、当り種別に応じて演出パターンに変化をもたらすことができるようになっている。
これについて具体例を挙げて説明すれば次のようになる。ここでは、一例として、今回の図柄変動表示動作ゲームが特図1側であり、当り種別が「4R確変大当り」であって、変動パターンが「通常中SPリーチA」が選択された場合(以下、「ケース1」と称する)と、今回の図柄変動表示動作ゲームが特図1側であり、当り種別が「10R確変大当り」であって、変動パターンが「通常中SPリーチA」が選択された場合(以下、「ケース2」と称する)を代表的に説明する。
上記ケース1の場合とケース2の場合とでは、主制御部20側からは、同じ変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド「A102H」が送信され、装飾図柄指定コマンドは、ケース1の場合は4R確変大当りを指定する「B505H」が、ケース2の場合は、10R確変大当りを指定する「B504H」が送信される。
演出制御部24側では、変動パターン指定コマンド「A102H」を受信したが、装飾図柄指定コマンドが「B505H」の場合には、今回の大当りが「4R確変大当り」であるとして、図42の役物移動演出抽選テーブルCを参照し、また「B504H」の場合には「10R確変大当り」であるとして、図41の役物移動演出抽選テーブルBを参照し、各大当りに対応した抽選テーブルにより現出すべき演出パターンを抽選により決定する。なお、詳細は後述するが、図40〜図42で決定される演出パターンは基本演出パターン(役物移動演出の発生タイミングの大区分)であり、詳細な演出パターン(役物移動演出の発生タイミングの詳細区分、つまり役物移動演出の演出態様(役物移動演出に係る可動体役物の動作態様)と具体的な発生タイミング)は図43〜図44の演出抽選テーブルを経て決定されるようになっている。
ここで図41の役物移動演出抽選テーブルBと、図42の役物移動演出抽選テーブルCとにおける「通常中SPリーチA」の欄を参照すれば、基本演出パターンである役物移動演出の発生タイミング(大区分)の選択率が異なるようになっている。具体的には、図41の役物移動演出抽選テーブルBにおける役物移動演出の発生タイミング(大区分)は、SPリーチ中に発生させる場合(本実施形態では、SPリーチ演出実行期間中に発生させる場合)が選択率「45/100」で、図柄仮停止後に発生させる場合(本実施形態では、リーチ演出終了後、装飾図柄が確定表示されるまでの仮停止表示期間中において発生させる場合)が選択率「55/100」で選択されるようになっている。一方、図42の役物移動演出抽選テーブルCにおける役物移動演出の発生タイミング(大区分)は、SPリーチ中に発生させる場合が選択率「30/100」で、図柄仮停止後に発生させる場合が選択率「70/100」で選択されるようになっている。
上記ケース1(4R確変大当り)の場合とケース2の場合(10R確変大当り)とでは役物移動演出の発生タイミングの選択率が異なるので、役物移動演出の発生タイミングの違いにより、今回の大当りの種類を推測する推測要素を遊技者に与えることができる。これは、各大当り当選に関連した演出(予告演出)を現出させることができることを意味する。
したがって、主制御部20側で決定された変動パターンが同じ変動パターンであっても、大当り種別に応じて選択される演出が異なるようにすることができる。換言すれば、一の大当りが当選した場合と他の大当りが当選した場合とで、共通した変動パターンが選択されたとしても、図柄変動表示ゲームにおいては、種々の大当り当選に関連した演出(予告演出)を現出させることができるようになる。これにより、主制御部20側におけるプログラム容量の削減するとともに、演出のバリエーションを多彩なものにすることができるようにしている。
次に「ST」中に大当りに当選した場合について説明する。本実施形態では、ST前半中に大当りに当選した場合、16R確変大当りに当選した場合を別格扱いとして変動パターン振分テーブル「FB1」が選択され、その他については当選種別によらず、変動パターン振分テーブル「FB2」が選択されるようになっている。つまり、10R、および4R確変大当りについて、共通の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっている。換言すれば、10R、および4R確変大当りに兼用される変動パターン振分テーブルが定められている。
また、「ST後半」中の場合において、大当りに当選したときは、その種別によらず、変動パターン振分テーブル「FB4」が選択され、小当りに当選したときは変動パターン振分テーブル「FB9」が選択されるようになっている。つまり、すべての大当り(ここでは、16R、10R、および4R確変大当り)について、共通の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっている。換言すれば、すべての大当りに兼用される変動パターン振分テーブルが定められている。これは、ST後半中について、同じ「最終前あがきチャンス演出」を現出させる区間とするためである。
「ST最終」中の場合においては、当該当たり遊技で獲得する獲得球数の多さに応じた演出種別上のランク分けをすべく、16R確変大当りに当選したときは変動パターン振分テーブル「FB6」が選択され、10Rおよび4R確変大当りに当選したときは変動パターン振分テーブル「FB7」が選択され、2R確変大当りに当選したときは変動パターン振分テーブル「FB2」が選択され、小当りに当選したときは変動パターン振分テーブル「FB10」が選択されるようになっている。このST最終の場合でも、10R、および4R確変大当りについては、共通の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっている。換言すれば、10R、および4R確変大当りに兼用される変動パターン振分テーブルが定められている。
これらのケースの場合も上述したケース1・2の場合と同様に、後述する図40〜図42に示す演出選択テーブルが当り種別に対応して選択されるので、ケース1・2の場合と同様の効果を奏することができるようになっている。
本実施形態では、図33に示すように、「通常」、「CZ」、「潜確」中の場合や、「ST前半」、「ST後半」、「ST最終」中の場合においては、複数種類の大当りのうち一部の大当りについて共通の変動パターン振分テーブルが選択されるようになっており、また小当りについて「通常」、「CZ」に共通の変動パターン振分テーブル「FB3」が選択されるようになっている。これにより、遊技状態に応じて、現出される予告演出のバリエーションが豊富化され、また遊技機の制御負担を軽減することができるようになっている。
以上のように本実施形態では、主制御部20側における変動パターン選択処理において、複数種類の当り(当り種別)うちいずれかの当りに係る当り変動パターンを選択する際、「複数種類の当りのすべて」および/または「その一部の当り同士間(たとえば、10R確変大当りと4R確変大当り)」で共通の特定の変動パターン振分テーブルを選択可能に構成する一方、演出制御部24側における演出制御処理において、当該複数種類の当りのそれぞれに対応した演出抽選テーブルを利用して目的の演出パターンを決定するようにしている。これにより、主制御部20側における制御負担を軽減(プログラム容量の削減)するとともに、一の大当りが当選した場合と他の大当りが当選した場合とで共通した変動パターンが選択されたとしても、図柄変動表示ゲームにおいては、それぞれの大当り当選に関連した演出(予告演出)を現出させることができるので、演出の自由度が阻害されることがない。
なお本実施形態では、遊技状態種別(通常、CZ、潜確、ST前半、ST後半、ST最終など)に応じて、複数種類の当りのすべてに共通する特定の変動パターン振分テーブルか、またはその一部の当り種別同士間で共通の特定の変動パターン振分テーブルを選択可能に構成しているが、本発明はこれに限られない。たとえば、遊技状態によらず、複数種類の当りのすべてに共通する変動パターン振分テーブルが選択されるように構成しても良いし、各遊技状態において、複数種類の当りのうち少なくもと2種類の当り同士間で、共通の変動パターン振分テーブルが選択されるように構成しても良い。またいずれの遊技状態下において、複数種類の当りのすべて、または一部の当り同士間で、どのような変動パターン振分テーブルを共通化するか(兼用させるか)については、適宜定めることができる。
またハズレ時の予告演出を決定する場合も当りの場合と同様の処理内容を行うように構成することができる。これについて、たとえば、図33に示す「変動パターン振分テーブル選択テーブル」を参照しながら説明する。
図33に示すように、主制御部20側における変動パターン選択処理においてハズレ変動パターンを選択する際、特図1側に関し、「通常」中においては、ハズレAの場合には作動保留球数に応じて変動パターン振分テーブル「FH1〜4」が選択されるようになっており、ハズレBの場合には作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH5」が選択されるようになっている。また「CZ」中および「潜確」中では、ハズレAの場合には作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH6」が選択され、ハズレBの場合には作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH7」が選択されるようになっている。またST中の場合、特図1側では、ハズレAとハズレBのいずれでも、作動保留球数によらず、「ST前半」中で変動パターン振分テーブル「FH8」が選択され、「ST後半」中で変動パターン振分テーブル「FH9」が選択されされ、また「ST最終」中で変動パターン振分テーブル「FH10」が選択されるようになっている。ST中は右打ちが行われるため特図1側が作用するケースは多くはないが、特図1側に入賞することがあるためである。変動パターン振分テーブル「FH9」は「最終前あがきチャンス演出」のハズレ変動パターンを特定し、変動パターン振分テーブル「FH10」は「最終あがきチャンス演出」のハズレ変動パターンを特定できる関係になっている。
他方、特図2側に関し、「通常」、「CZ」、「潜確」、「ST前半」中においては、ハズレAの場合、作動保留球数が0のときは「FH11」が選択され、保留球数が1〜3のときは変動パターン振分テーブル「FH12」が選択されるようになっている。「ST後半」中においては、ハズレAの場合、作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH9」が選択される。変動パターン振分テーブル「FH9」は「最終前あがきチャンス演出」のハズレ変動パターンを特定するもので、ST後半中はこの変動パターン振分テーブル「FH9」が共通に用いられる。また「ST最終」中においては、ハズレAの場合、作動保留球数によらず変動パターン振分テーブル「FH10」が選択されるようになっている。変動パターン振分テーブル「FH10」は「最終あがきチャンス演出」のハズレ変動パターンを特定するもので、ST最終中はこの変動パターン振分テーブル「FH10」が共通に用いられる。
上記した構成では、特図1側だけが複数種のハズレ(ハズレA、B)を有することとしたが、特図1側および特図2側の双方おいて複数種のハズレ(たとえばハズレA〜C)を有する構成とすることもできる。この構成において、「通常」、「CZ」、「潜確」、「ST前半」、「ST後半」中または「ST最終」中のハズレのケースについて、上記した当りの場合に共通性を有する関係として、「通常」中の当り変動パターン振分テーブルの選択処理の場合(「通常」中の場合には、16R確変大当りの場合に変動パターン振分テーブル「FB1」が、10R確変大当りの場合と4R確変大当りの場合では共通の変動パターン振分テーブル「FB2」が選択される構成)と同様に、「複数種類のハズレのすべて」および/または「その一部のハズレ種別同士間」で共通の変動パターン振分テーブルが選択されうる構成とすることができる。この場合も演出制御部24側における演出制御処理において、ハズレ種別に対応した演出抽選テーブル(図示せず)を設け、これを利用して目的の演出パターンを決定することができる。これにより、ハズレ時の場合も当り時の場合と同じ作用効果、つまり主制御部20側における制御負担を軽減するとともに、ハズレの場合における演出のバリエーションを多彩なものにすることができる。
なお遊技状態によらず、または遊技状態に応じて、上記ハズレA〜Cのすべてに共通の特定の変動パターン振分テーブル、またはその一部のハズレ種別同士間(たとえば、ハズレBとハズレC)で共通の特定の変動パターン振分テーブルが選択されるように構成することもできる。この場合には、既に説明した当り時の場合と同じように、演出制御部24側における演出制御処理において、ハズレA〜ハズレCのそれぞれに対応した演出抽選テーブル(図示せず)を設け、これを利用して目的の演出パターンを決定する構成とすれば良い。この場合も上記した当りの場合と同様の作用効果を奏することができる。なお図示はしていないが、上記ハズレの場合に対応した演出抽選テーブルには、図40〜図42示す当り時に係る演出抽選テーブルのように、ハズレ時に係る変動パターン指定コマンドに関連した1または複数種類の演出を定めた1または複数種類の演出抽選テーブルが、勿論、設けられている。これにより、ハズレ時の変動パターンに関連した演出選択処理により、図柄変動表示ゲーム中の演出の現出を実現している。
<S−2.ST中のリーチ変動パターンについて>
また本実施形態では、ST前半とST後半とST最終とで、異なる種類のリーチ演出を現出可能に構成されている。
(ST前半の場合)
図33および図36を参照すれば、当りの場合、特図1側と特図2側で特に変動パターン振分テーブルを切り替えることはされておらず、ST前半で16R、10R、4R確変大当りに当選した場合、リーチ変動パターンとして「ST前半中SPリーチA」〜「ST前半中SPリーチC」が図36に示す選択率で選択され、ST前半で2R潜確大当りまたは小当りに当選した場合、リーチ変動パターンとして「ST前半中2R潜確・小当り」が図36に示す選択率で選択される。
ST前半でハズレの場合、図39を参照すれば、リーチ変動パターンが選択されることはなく、特図1側の図柄変動表示ゲームについては、変動パターンとして「ST前半中通常8S」が選択され、特図2側の図柄変動表示ゲームについては、変動パターンとして「ST前半中通常2S」が選択される。ST(確変)中は「右打ち」が推奨されるため、上始動口34への入賞はほぼない。したがって、ST前半では通常右打ちをしていて特図2側の図柄変動表示ゲームが続いているので、このST前半では2秒の変動パターンにて図柄変動表示ゲームが高速に消化されて行くことになる。
(ST後半の場合)
図36を参照して、ST後半で16R、10R、4R確変大当りに当選した場合は、リーチ変動パターンとして「ST後半中SPリーチ(あがき成功)」が選択される。また、ST後半で2R潜確大当りに当選した場合は、リーチ変動パターンとして「ST後半中2R潜確(あがき成功)」が選択され、ST後半で小当りに当選した場合は、リーチ変動パターンとして「ST後半中小当り(あがき失敗)」が選択される。
図39を参照して、ST後半でハズレに当選した場合は、特図1側と特図2側のいずれであるか、および作動保留球数の値が幾つであるかに関わらず、「ST後半中リーチ(あがき失敗)」または「ST後半中特殊通常変動(あがき失敗)」が、所定の選択率(図39に示す選択率)で選択される。したがって、ST後半で右打ちをして特図2の入賞が続いている場合、この「ST後半中リーチ(あがき失敗)」または「ST後半中特殊通常変動(あがき失敗)」の変動パターンが選択される。
(ST最終の場合)
図36を参照して、ST最終で16R、10R、4R確変大当りに当選した場合は、リーチ変動パターンとして「ST最終中SPリーチ1(あがき成功)」または「ST最終中SPリーチ2(リザルト表示(ガセ)+再抽選)」が、所定の選択率(図36に示す選択率)で選択される。また、ST最終で2R潜確大当りに当選した場合は、リーチ変動パターンとして「ST最終中2R潜確(ファイナルチャンス成功)」または「ST最終中2R潜確(リザルト表示(ガセ)+再抽選)」が所定の選択率(図36に示す選択率)で選択される。また、ST最終で小当りに当選した場合は、リーチ変動パターンとして「ST最終中小当り(ファイナルチャンス失敗)+リザルト表示(本物)」が選択される。したがって、ST最終で大当りに当選した場合は、ST最終の図柄変動表示ゲームにおいて、リザルト表示画面が現出を伴わない演出「ファイナルチャンス成功」が現出して、ST(確変)の1回目に更新(巻き戻し)されるケースか、またはガセのリザルト表示画面が現出した後に再抽選により大当りに当選したことを報知する演出(復活演出)が現出して、ST(確変)の1回目に更新(巻き戻し)されるケースのいずれかとなる。
図39を参照して、ST最終でハズレに当選した場合は、特図1側と特図2側のいずれであるか、および作動保留球数の値が幾つであるかに関わらず、「ST最終中SPリーチ(ファイナルチャンス失敗+リザルト表示(本物))」が選択される。したがって、ST最終でハズレに当選した場合は、ST最終で小当りに当選した場合と同様に、ST最終の図柄変動表示ゲームにおいて必ずリザルト表示画面が現出してST(確変)が終了となる。
<S−3.ハズレ変動パターンについて>
また本実施形態では、ハズレ変動パターンについて、次のような特徴的要素を備える。これについて、図33の変動パターン振分テーブル選択テーブル、図37の通常中ハズレ変動パターン振分テーブル、図39のST中ハズレ変動パターン振分テーブルを参照しながら説明する。
(通常中のハズレ変動パターン)
まず、通常中のハズレ変動パターンについて説明する。図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照すれば、通常中(変動パターン振分指定番号(Tcode)=00H)において、特図2側は、ハズレAの場合、作動保留球数が0なら変動パターン振分テーブル「FH11」が選択され、作動保留球数が1〜3なら変動パターン振分テーブル「FH12」が選択されるようになっている。
このハズレ変動パターン振分テーブル「FH11」と「FH12」について、図37の通常中ハズレ変動パターン振分テーブルを参照すれば、「通常変動12s(変動時間12秒)」のみが選択されるようになっている。詳述するに、「通常」の場合は‘電サポ無し状態’であり、この電サポ無し状態中のハズレ当選の場合は、特図2側はハズレ種別および作動保留球によらず、リーチ状態を経由しない非リーチ演出用の「通常変動パターン」種別のみが指定されるようになっている。
ここで本実施形態では、「通常中」のように‘電サポ無し状態’を伴う遊技状態の場合には「特図2先読み禁止条件」を成立させているので、特図2作動保留球を対象とした先読み判定が禁止されるようになっている。この‘電サポ無し状態中’において、特図2側の変動パターンを決定する際には、通常変動パターンだけが選択される変動パターン振分テーブル「FH11」または「FH12」が選択されるようにし、かつ特図2作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するといった特徴を有するが、そのように定めた理由は次の通りである。
たとえば、通常変動パターン指定の特図1作動保留球が3個だけ保留され、この状態で、さらに上始動口34に入賞があり、4個目の特図1作動保留球を対象とした先読み予告演出が開始されたケースを代表例にとって説明する(なお本実施形態では、古い作動保留球にリーチ有り変動パターンが存在しないことを条件に先読み予告演出の実行可否が抽選される、または古い作動保留球にリーチ有り変動パターンが存在する場合は、先読み予告演出の実行可否が抽選されるが、当該先読み予告演出の実行可とされる確率がゼロと定めてある)。ここでは、先読み予告演出の対象となった上述の「4個目の特図1作動保留球」を「予告対象保留球」と称して説明する。
上記予告対象保留球が未だ消化されていない状態において、下始動口35に入賞があり、特図2作動保留球が発生すると、優先変動機能により、後から発生した特図2作動保留球が優先的に消化される。このとき、その特図2作動保留球に係る変動パターンが‘リーチ有りハズレ変動パターン’と決定されてしまうと、上記予告対象保留球を対象とした先読み予告演出とは何ら関連性の無い、ハズレの「リーチ演出」が介在し、先読み予告演出が途中で寸断されてしまう。その結果、先読み予告演出の機能が十分に発揮されず、その演出効果を十分に活かすことができないといった恐れがある。
そこで上記の問題に鑑み、まず‘電サポ無し状態’中における当落結果が「ハズレ」であった場合、特図2側の変動パターンを「通常変動パターン」だけが指定されるようにしている。これにより、上記問題を解決することができる。しかしこれだけでは、後から発生した特図2作動保留球を対象に、入賞時処理に係る一連の‘先読み判定’処理が実行されてしまい、先読み予告演出の制御負担が増大するといった問題は依然として残ってしまう。
そこで本実施形態では、さらに発展的な実施形態として、既に説明したように、電サポ無し状態中は「特図2先読み禁止条件」を成立させ、電サポ有り状態中は「特図1先読み禁止条件」を成立させ、遊技状態に応じて、特図1側と特図2側の先読み判定を禁止する区間(先読み禁止状態)を切り替えている。これにより、先読み予告演出に関する制御負担を軽減することができる。なお、後から発生した特図2作動保留球が、たまたま大当り(小当りを含む)当選であった場合、特図2側の変動パターンとして‘リーチ有り当り変動パターン’が選択され、上記予告対象保留球を対象とした先読み予告演出中に「リーチ演出」が介在することになるが、この場合は、そのまま大当りとなるので遊技者にとって不利益をもたらすものではなく、また先読み予告演出が寸断された場合には大当り当選確定となるといった意外性のある演出を加えることができるため、特に問題はないと考えられる。
また電サポ無し状態であっても、普電開放遊技のロング開放に当選した場合、下始動口35の入賞が複数発生する可能性があり、優先変動機能により、特図1作動保留球が存在する場合であっても特図1側の図柄変動表示ゲームよりも先に特図2側の図柄変動表示ゲームが複数回実行されうる。この場合、特図2側の変動パターンを「通常変動パターン」、特に単一の通常変動パターンだけが選択されるようにすると次のような利点がある。
作動保留球数やハズレ種別に応じて特図2側の図柄変動表示ゲームの演出時間が異なるようにした場合、特図2側の図柄変動表示ゲームの消化中、図柄変動表示ゲームの演出時間が変化しうるので、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って、密接な関連性を持つ演出(たとえば、ストーリー仕立ての物語風の演出(物語風演出))を連続的に展開させていくのが困難になることが考えられる。
また電サポ無し状態であれば、今回の特図2側の図柄変動表示ゲームが開始したとき作動保留球数と、当該ゲームが終了したときの作動保留球数とが異なる可能性が極めて高く(普電開放遊技の発生率の関係上、下始動口35の入賞が困難なため)、作動保留球数に応じて特別図柄の変動パターンが変化する場合は、次回の図柄変動表示ゲームの演出時間を予測することはできない。
そこで本実施形態では、演出時間の長短が発生してしまうことを極力抑えるべく、電サポ無し状態下において、特図2側の図柄変動表示ゲームについては、作動保留球数およびハズレ種別に関係なく単一の「通常変動12s」が選択されるようにし、上記のような物語風演出を容易に展開させることができるようにしている。このようにすれば、ハズレに当選した場合は、作動保留球数およびハズレの種類に関係なく、毎回、同じ変動パターンの「通常変動12s」だけが選択されうることになる。これにより、ハズレに当選し続ける限り、1回毎の図柄変動表示ゲームの実行時間、すなわち演出時間が同じ時間幅を持ちながら遊技が進行していくので、物語風演出を展開する上で、極めて好適である。また大当り当選の場合は、当り変動パターンにより指定される特定の演出(図34参照)を発生させることができるので、たとえば、物語風演出の一環として、ストーリー展開に終止符を打つようなエピローグ演出などの特別な演出が発生した時点で、大当り当選確定を報知することができるようになる。なお上記の「物語風演出」は、たとえば、敵と対峙しながら戦いを繰り広げるような「戦闘演出(大当り当選時は、敵が倒れる勝利演出。ハズレ当選時は、敵から攻撃を受ける敗北演出)」や、昔話しや童話の内容を展開していくような「筋書き演出(大当り当選時は、ストーリーの最終話の最終話演出、ハズレ当選時は、ストーリーが続く継続演出)」、図柄変動表示ゲームの実行ごとに遊技者に所定の指令を与える「指令演出(たとえば、ボタン予告演出を交え、「枠演出ボタン13を押して、敵を倒せ!」といった指令を与える演出(大当り当選時は、指令達成演出。ハズレ当選時は、敵が残存する指令未達成演出)」など、何らかのストーリー展開がなされるものであれば特に限定されない。
図37では、通常中において、特図2側の図柄変動表示ゲームがハズレAの場合、作動保留球数が0の場合と1〜3の場合とで変動パターン振分テーブルを「FH11」と「FH12」とに切り替えているが、作動保留球数が0の場合も作動保留球数が1〜3の場合と同じ変動パターン「FH12」が選択されうるように構成することもできる。
(ST中のハズレ変動パターン)
次にST中のハズレ変動パターンについて説明する。図33の変動パターン振分テーブル選択テーブルを参照すれば、ST前半(変動パターン振分指定番号(Tcode)=01H)の場合、特図1側は、ハズレ種別によらず、変動パターン振分テーブル「FH8」が選択されるようになっている。
このハズレ変動パターン振分テーブル「FH8」について、図39のST中ハズレ変動パターン振分テーブルを参照すれば、「通常変動8s(変動時間8秒)」のみが選択されるようになっている。詳述するに、「ST」中の場合は‘電サポ有り状態’であり、この電サポ有り状態中のハズレ当選の場合は、特図1側はハズレ種別および作動保留球によらず「通常変動パターン」種別のみが指定されるようになっている。
ここで本実施形態では、「ST中」のように‘電サポ有り状態’を伴う遊技状態の場合には「特図1先読み禁止条件」を成立させているので、特図1作動保留球を対象とした先読み判定が禁止されるようになっている。本実施形態では、この‘電サポ有り状態中’においては「右打ち」が推奨されるため、上始動口34への入賞はほぼない。このため、特図1側の変動パターンを決定する際には、ハズレ種別および作動保留球数によらず、単一の変動パターン振分テーブル「FH8」が選択されるようにし、かつ特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止することで、制御負担の軽減を大きく実現している。
ST前半において、特図2側は「通常」中の場合と同じであり、作動保留球数が0なら変動パターン振分テーブル「FH11」が選択され、作動保留球数が1〜3なら変動パターン振分テーブル「FH12」が選択されるようになっている。このハズレ変動パターン振分テーブル「FH11」の場合も、上記と同じ「通常変動8s(変動時間8秒)」が選択される。
また、ST後半(変動パターン振分指定番号=02H)の場合、特図1側または特図2側の別および作動保留球数の値に関わらず、またハズレ種別によらず、単一の変動パターン振分テーブル「FH9」が選択されるようになっている。また、ST最終(変動パターン振分指定番号=03H)の場合、特図1側または特図2側の別および作動保留球数の値に関わらず、またハズレ種別によらず、単一の変動パターン振分テーブル「FH10」が選択されるようになっている。これはST後半中では、図柄遊技の度に同じハズレ変動パターンを扱い、このハズレ変動パターンの下で、二種類の最終前あがき失敗演出(リザルト表示を伴う演出と伴わない演出)の一方を抽選により現出させ、またST最終中では、図柄遊技の度に同じハズレ変動パターンを扱い、このハズレ変動パターンの下で最終あがき演出(ファイナルチャンス失敗+リザルト表示本物)を現出させるためである。
再び図14の説明に戻り、ステップS441の特別図柄変動パターン設定処理を終えると、次いで、上記変動時間テーブルを参照し、特別図柄の変動時間(疑似連を伴う場合は、加算時間を含む)をRAM203のタイマ管理領域である「特別図柄役物動作タイマ」に設定する(ステップS443)。この「変動時間テーブル」には、選択される変動パターンに対応した特別図柄の変動時間として、疑似連無しの場合の特別図柄の変動時間(基本変動時間)が定められている。したがって疑似連を伴う変動パターンの場合には、基本変動時間に、図示の加算時間を加算した変動時間が特別図柄役物動作タイマに設定される。これにより、変動パターンに対応した特別図柄の変動時間が決定され、今回の図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)の遊技時間が指定される。
なお、上記特別図柄役物動作タイマには、特別図柄の変動時間の他、パチンコ遊技機1の遊技動作制御に係る複数種類の動作時間が処理状態に応じて設定される。つまり、1つのタイマにより複数種類の動作時間が管理可能となっており、各々の動作時間が当該タイマに重複設定されないように遊技動作処理手順が組まれている。これにより、RAM203において、各々のタイマに対応した複数種類のタイマ管理領域を設けるよりも、プログラム領域やワーク領域を削減することができるようになっている。
次いで、ステップS441で取得したコマンドデータに基づき、変動パターン指定コマンドを作成し、これをRAM203に格納することなく、演出制御部24に送信する(ステップS443)。これにより、今回の図柄変動表示ゲームの変動パターンが指定され、演出制御部24側では、変動パターン指定コマンドを受けて、これに含まれる情報に基づき、今回の図柄変動表示ゲームに必要な演出を現出するための演出制御処理を行う。
以上により特別図柄変動パターン作成処理を抜けて、図12のステップS413の処理に進む。
<S−4.CZ中の当り当選について>
本実施形態では、「CZ」中に小当りに当選した場合、新たなCZ継続回数として、その当選した当りに応じたCZ継続回数が再設定されるようになっている。これにより、2R短開放潜確大当りに当選した場合のCZ継続回数20回以上の状況下を作り出すことができる。たとえば、小当りに当選してCZ(CZ:20回)に移行し、そのCZ中20回目に小当りに再度当選した場合、小当り当選によりCZ継続回数20回が再設定され、CZ期間が「CZ期間20回+再設定された20回」の最大40回まで延長される。つまりCZが20回継続されたとしても必ずしも潜確状態下であることが明白とはならず、意外性に富んだ遊技性を作り出すことができる。また「CZ(潜確)」中に小当りに当選した場合、CZ継続回数を新たに設定しない構成とすることができる。これにより、「CZ」が20回継続すれば潜確状態下であることが明白となる、といった遊技性を作り出すことができる。
<S−5.CZ中の変動パターンについて>
本実施形態において、特図1側でハズレAの場合、「通常状態」では、作動保留球数に応じて異なる変動時間を定めた変動パターン「FH1」〜「FH5」が選択されうるようになっている。しかし、CZ中に選択されうるハズレ変動パターンでは、作動保留球数にかかわらず、単一のハズレ変動パターン(CZ用ハズレ変動)「FH6」が選択されるようになっている。つまり、CZ中に選択されるハズレ変動パターンが作動保留球数によらず、同一の変動時間の変動パターンが選択される。これにより、CZ中において「ハズレ」である場合は、図柄変動時間が同じ時間幅、つまり同じ演出時間幅が確保されるようになっている。なお、当りの場合は、当りを報知する関係上、ハズレ変動パターンよりも長時間の変動時間を持つ当り変動パターン(CZ用当り変動)として、作動保留球数が0ならば「FH11」が選択され、作動保留球数が1〜3ならば「FH12」が選択されるようになっている。上述の「FH6」や「FH12」のように、CZ中に選択されるハズレ変動パターンを、作動保留球数によらず同一の変動時間とする理由は次の通りである。
一般的に電サポ無し状態であっても、作動保留球数は比較的短時間で変化しうるものであり(一般的な弾球遊技機では、1回の図柄変動表示ゲーム中に、作動保留球数が1〜3個程度増加するものが多い)、これを利用して作動保留球数に応じた変動パターンを選択させるようにすれば、毎回の図柄変動表示ゲームごとに、演出時間(図柄変動表示ゲームの実行時間)に変化をもたらすことができ、多彩な演出を発生させることが可能である。
しかし、作動保留球数に応じて図柄変動表示ゲームの演出時間が異なるようにしてしまうと、今回の図柄変動表示ゲームの演出時間と次回の図柄変動表示ゲームの演出時間とが異なる可能性が高く、短期間で図柄変動表示ゲームの演出時間が頻繁に変化して複数回の図柄変動表示ゲームに跨って、密接な関連性を持つ演出(たとえば、物語風演出)を連続的に展開させていくのが困難になる。特にCZ演出モードは、大当り抽選確率を秘匿しうる演出をなす演出モードとして働くため、このような演出モードの下で、高確率状態の期待感を煽るような特殊演出、たとえば、関連性を有した複数話のストーリー演出から構成される「物語風演出」を展開可能とすることは、遊技の面白みを向上させる上で極めて有効である。このような「物語風演出」を現出させる場合、すべてのストーリー演出の演出時間が同一であれば、これを連続的に展開させていくのは容易である(演出制御部24側の演出の選択処理が容易になり演出制御負担が軽減される)。しかし、作動保留球数に応じて演出時間が変化してしまうと、ストーリーを展開する関係上、各ストーリー演出それぞれに対し、作動保留球数0〜3個に対応した多くの演出を設けなくてならず、さらに演出時間が異なる演出同士、関連性を有した表現とする必要があり、演出パターンの種類が増加し、演出制御部24側における演出選択処理に係る演出制御負担が増大してしまう。
そこで本実施形態では、演出時間の長短が発生してしまうことを極力抑えるべく、作動保留球数に関係なく、変動時間が同一の変動パターンが選択されるような特定の遊技状態(CZ)を設け、その特定の遊技状態が継続しうる変動回数を当選種別(2R短開放潜確大当り、小当り)に応じて固定的なものとし、上記物語風演出の展開を容易なものとして、演出制御負担を軽減することができるようにしている。
ところで先読み予告演出は、現存する作動保留球を対象とする連続予告演出であるので、その実行回数は、最大保留記憶数(4回)までが限界である。この点に着目し、遊技者に対して、CZ演出モード下でなす演出が、恰も先読み予告演出が如く装わせるため、CZ継続回数を最大保留記憶数の4回の範囲内に定める、つまり、その上限回数を最大保留記憶数の同じ値の4回(4回で潜伏確変状態確定)に定めて、潜確状態であるか通常状態であるかが短期間で判明する、といった短期決着型の秘匿演出モードとして機能させることができる。このようにCZ継続回数を最大保留記憶数の範囲内にとどめることで、CZ演出モード下でなす演出を、先読み予告演出(連続予告演出(たとえば、変動開始時系の先読み予告))が如く装わせ、疑似的な連続予告演出とすることができる。
(C−2:変動パターン指定コマンド一覧:図30、図31)
図30〜図31に、上記変動パターン指定コマンドの一覧を示す。図30は当り時の変動パターン指定コマンドの一覧を、図31はハズレ時の変動パターン指定コマンドの一覧を示す。
本実施形態の変動パターン指定コマンドには、変動パターンA1〜A17に対応する当り変動パターン指定コマンドと、変動パターンH1〜H22に対応するハズレ変動パターン指定コマンドの複数種類のコマンドが含まれる。この変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信され、これに続き、装飾図柄指定コマンドが送信される。これらのコマンドを受けた演出制御部24は、各コマンドに含まれる情報に基づき、今回の図柄変動表示ゲーム中の現出するための予告演出や、最終的に停止させる装飾図柄態様(停止装飾図柄)やリーチ状態を形成するリーチ図柄などを決定して、演出シナリオを構築し、その演出シナリオに基づいて、今回の図柄変動表示ゲームの演出を現出させる。なお、上記変動パターン指定コマンドには、少なくとも当落結果情報と変動パターン情報とが含まれるので、演出制御部24は、この変動パターン指定コマンドに基づいて、今回の図柄変動表示ゲームに係る演出態様や停止装飾図柄を決定し、図柄変動表示ゲームを実行させることもできる。
ここで図31のハズレ変動パターン指定コマンドの一覧を参照しながら、各種の変動パターンに規定された変動時間に着目した遊技状態の特徴について説明する。
本実施形態の通常変動パターンには、通常中において選択されうる「通常変動5s(変動時間5秒)」(変動パターンH1)、「通常変動8s(変動時間8秒)」(変動パターンH2)、および「通常変動12s(変動時間12秒)」(変動パターンH3)と、ST前半中において選択されうる「ST前半中通常変動2s(変動時間2秒)」(変動パターンH16)、および「ST前半中通常変動8s(変動時間8秒)」(変動パターンH17)とが含まれる。
(D−1:高速変動状態)
これら通常変動パターンのうち、「ST前半中通常変動2s」に着目する。この「ST中通常変動2s」は、相対的に短い変動時間が規定された変動パターンであり、本実施形態では、全変動パターンのうち、最短の変動時間が規定された変動パターンとなっている。ここで「ST」中は電サポ有り状態であるので、作動保留球が毎ゲーム中、複数個保留されていると考えられる。そして、「ST前半中通常変動2s」は、ハズレ種別のうちでも当選確率が最も高い「ハズレA」の場合に選択される通常変動パターンとなっている。したがって、「ST前半」中のハズレ当選の場合、特別図柄の変動時間幅を「2秒」とする高速変動パターンが高確率で選択されることになる。すなわち、ST前半中は、他の確変状態と比べて図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間(1ゲームあたりの図柄変動表示ゲームの平均時間、または単位時間あたりの図柄変動表示ゲームの時間)が相対的に短くなる「高速変動状態」下に置かれる。
このような「高速変動状態」は、主として、「ゲームの平均消化速度を上げて、遊技の進行に関する時間効率を高める」といった遊技性に重きを置いた遊技状態で有用である。特に、確変状態中は、「電サポ有り状態+高確率状態+特別図柄時短状態」となり、単位時間あたりのゲーム消化スピードが向上し、かつ大当り当選が容易となるように工夫された遊技状態となる。このような遊技状態下に置かれた場合、遊技者の中には、演出を楽しむよりも早く大当りを得たいと欲する遊技者も多い。そこで本実施形態では、ST中の場合、上記「高速変動状態」を発生させるようになっている。なお「時短状態」を発生可能に構成した場合には、大当り抽選確率は低確率状態ではあるが「電サポ有り状態+特別図柄時短状態」とする抽選回数向上状態となる。この場合も、上述の「ST中」と同じく、上記「高速変動状態」を発生させても良い。
(D−2:低速変動状態)
上記「高速変動状態」に対し、「通常変動12s(変動時間12秒)」や「通常変動8s(変動時間8秒)」などの比較的長い変動時間が規定された複数種類の変動パターンが選択され易い遊技状態では、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が相対的に長くなる「低速変動状態」下に置かれる。このような「低速変動状態」下では、図柄変動表示ゲームの平均的な消化時間が「高速変動状態」よりも長くなるが、その代わりに演出時間を長めにとることができるので、「演出を楽しむ」といった遊技性に重きを置いた遊技状態で有用である。大当り抽選確率が低確率、あるいはその可能性が高いといった遊技状態の場合、上述の確変状態のときとは反対に、「演出を楽しみながら遊技に興じたい」という遊技者も多い。そこで本実施形態では、「通常」中の場合には、上記「低速変動状態」を発生させるようにしている。
なお本実施形態では、ST前半で上記「高速変動状態」を発生させST後半とST最終を「低速変動状態」となるように構成しているが、本発明はこれに限らず、ST前半とST後半とを「高速変動状態」とし、ST最終を「低速変動状態」となるように構成しても良い。またその逆に、ST前半を「低速変動状態」とし、ST後半を「高速変動状態」となるように構成しても良い。特にST中は確変状態下であるため、ST中は大当り当選を待ちつつ、じっくり演出も楽しみたいと欲する遊技者も多い。またST中は、大当りの連荘が期待できる遊技状態下となるため、連荘スピードを欲する遊技者も多い。このような幅広い遊技者層の欲求を満たすため、ST前半とST後半とで、ゲーム消化速度に変化を与えることは好適である。なお、ST前半またはST後半を「低速変動状態」とするためには、通常中と同じように、たとえば、変動パターン振分テーブルにおいて「通常変動12s(変動時間12秒)」や「通常変動8s(変動時間8秒)」などの比較的変動時間が長い通常変動パターンが高確率で選択されるように構成すれば良い。
(10−4.特別図柄変動中処理:図15)
次に、特別図柄変動中処理(ステップS307)について説明する。図15は、図9の特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示すフローチャートである。
図15において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(ステップS451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS452)。この変動停止コマンドにより演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し(ステップS453)、この特別図柄変動中処理を抜ける。上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータHCに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
ステップS453の処理を終えると、この特別図柄変動中処理を抜けて、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(10−6.特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図16Aおよび図16B)
次に、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)について説明する。図16Aおよび図16Bは、図9の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートであり、図16Aはその前半部、図16Bは後半部を示す。
図16Aおよび図16Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図15のステップS453参照)。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、現在の遊技状態に応じた遊技状態判定番号(YJ)をRAM203の遊技状態判定領域に格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS474)。
(大当り判定フラグがON状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS475)。ここでは、大当り図柄停止時の各種設定処理(大当り遊技の開始前処理)として、大当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、条件装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、さらに、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、および特別図柄変動回数カウンタの各々に00H(OFF状態)を格納し、変動パターン振分指定番号(Tcode)に00H(通常状態指定)を格納し、遊技状態報知LED(図示せず)の点灯・消灯を指定する遊技状態報知LED出力番号に00Hを格納して、この特別図柄確認時間中処理を抜ける。
上記「遊技状態報知LED」とは、現在の遊技状態情報を報知する状態報知手段である。本実施形態の遊技状態報知LED(状態報知手段)は、特別図柄時短状態であるか否かを報知するために利用される。CPU201は、遊技状態報知LED出力番号に応じて、遊技状態報知LED(状態報知手段)の報知態様を変化させる。たとえば、上記遊技状態報知LED出力番号が「00H」の場合、現在、特別図柄時短状態ではない旨が(遊技状態報知LED:消灯状態(非特別図柄時短状態報知)、「01H」の場合には、現在、特別図柄時短状態である旨が報知される(遊技状態報知LED:点灯状態(特別図柄時短状態報知)。
(大当り判定フラグがOFF状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS474:≠5AH)、次いで、小当り判定フラグを取得し、小当り判定フラグの状態を判定する(ステップS476)。小当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS476:≠5AH)、ステップS478の処理に進む。小当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS476:=5AH)、小当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS477)。ここでは、小当り図柄停止時の各種設定処理(小当り遊技開始前処理)として、小当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、小当り中フラグに5AH(ON状態)を格納する。上記小当り図柄停止時の各種設定処理を終えると、ステップS478の処理に進む。
ステップS478の処理に進むと、特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態の残り回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(ステップS478:YES)、何もしないでステップS483の処理に進む。
特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS478:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(ステップS479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS480:NO)、特別図柄時短状態の終了回数に達していないので、何もしないでステップS483の処理に進む。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(ステップS480:YES)、特別図柄時短状態の終了回数に達したとして、時短終了時の設定処理を行う(ステップS481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、および特別図柄時短状態フラグの各々に00H(OFF状態)を、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより次ゲームから、電サポ無し状態下に置かれることになる。
ステップS481の時短終了時の設定処理を終えると、演出制御コマンドとして、特別図柄時短状態が終了した旨を示す(電サポ無し状態移行情報)「時短終了コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS482)。この時短終了コマンドは、今回の図柄変動表示ゲーム終了時に送信されるので、演出制御部24は、次ゲームから‘電サポ無し状態’となる旨を次ゲームが開始前に把握することができる。
なお本実施形態では、電サポ有り状態から電サポ無し状態に移行する場合は、確変状態(ST中)から通常状態(通常中)に移行することと同じであるので、演出制御部24が上記「時短終了コマンド」を受けると、たとえば、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、ST最終演出モード用の背景画像(背景演出)から通常演出モード用の背景画像(背景演出)に切り替えて当該演出モード下での演出制御処理を行うことができる。また発射位置として左流下経路3bを狙う旨を指示する「発射位置誘導演出(左打ち報知演出)」を現出させるための演出制御処理を行うことができる。また上述したように、上記時短終了コマンドは、今回の図柄変動表示ゲーム終了時に送信されるので、演出制御部24は、次ゲームから通常状態(通常中)に移行することを把握し、次ゲーム開始前に、通常演出モード用の背景画像(背景演出)に切り替えることができる。
次いでステップS483の処理に進むと、特別図柄確変回数カウンタ(残りST回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS483)。なお本実施形態では、確変状態である場合、次回大当りまで当該確変状態が継続するようになっているが(ST回数=無限)、一日中遊技をしていても、時間的に確変状態が終了することがない回数(たとえば、10000回)が設定されていても良い。この場合、実質的に、次回大当りまで当該確変状態が継続することと同じになる。以下では説明の便宜のために、特別図柄確変回数カウンタに「10000回」が設定されているものとして説明する。
特別図柄確変回数カウンタがゼロである場合(ステップS483:YES)、ステップS487の処理に進む。しかし特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS483:NO)、今回の特別図柄の変動回数消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(ステップS484)、その減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS485:NO)、ST規定回数(74回)に達していないので、何もせずにステップS487の処理に進む。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロの場合(ステップS485:YES)、特別図柄の変動回数がST規定回数(ST終了回数)(ここでは10000回としている)に達したとして、確変終了時の設定処理を行う(ステップS486)。ここでは、潜確状態終了または確変状態終了に伴う通常遊技状態への移行設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、および特別図柄確変状態フラグの各々に00H(OFF状態)を格納し、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより、次ゲームから、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態下に置かれることになる。
本実施形態の場合、特別図柄の変動回数が規定ST回数の74回に達した場合、ステップS481の時短終了時の設定処理とステップS486の確変終了時の設定処理とを辿ることになる。これにより、内部遊技状態が「通常状態」に移行され、遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))が通常中を指定する「00H」に設定される。
上記ステップS486の確変終了時の設定処理を終えると、ステップS487の処理に進み、ここでは、特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否か、つまり遊技状態移行規定回数(「ST前半」から「ST後半」移行時:遊技状態移行規定回数69回、遊技状態移行規定回数(「ST後半」から「ST最終」移行時:遊技状態移行規定回数69回、「ST最終」から「通常」移行時:遊技状態移行規定回数1回)がゼロであるか否かを判定する(ステップS487)。また、CZ継続回数がゼロであるか否かも判定する(ステップS487)。
特別図柄変動回数カウンタがゼロである場合(ステップS487:YES)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS487:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄変動回数カウンタを1減算し(ステップS488)、その減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS489)。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS489:NO)、遊技状態移行規定回数に達していないとして、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロの場合(ステップS489:YES)、特別図柄の変動回数が遊技状態移行規定回数に達したとして、変動パターン振分指定番号更新処理を行う(ステップS490)。
この変動パターン振分指定番号更新処理では、上記遊技状態移行規定回数に達した場合に必要な変動パターン振分指定番号(Tcode)の更新処理を行う。本実施形態の場合、変動パターン振分指定番号更新処理が行われるのは、(I)大当り終了後、ST前半の継続期間として設定される遊技状態移行規定回数の69回分消化された場合、(II)ST前半終了後、ST後半の継続期間として設定される遊技状態移行規定回数の4回分消化された場合、(III)ST後半終了後、ST最終の継続期間として設定される遊技状態移行規定回数の1回分消化された場合である。
上述の(I)の場合には、現在の変動パターン振分指定番号(Tcode)、つまりST前半を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「01H」から、ST後半を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「02H」に、変動パターン振分指定番号(Tcode)を更新する。この「02H」については、後述の大当り終了処理(図18)中のステップS592の処理において、RAM203の「変動パターン振分指定番号2」に設定される値であり(当該処理中の‘変動パターン振分指定番号2←02H’の記載参照)、ここでは、この値を取得して、変動パターン振分指定番号(Tcode)に「02H」を設定(更新)する。なお上記遊技状態移行規定回数の69回は、後述の大当り終了処理(図18)中のステップS592の処理(当該処理中の‘特別図柄変動回数カウンタ←69回’の記載参照)で設定される値である。これにより、特別図柄の変動パターンの選択条件が変更されることになる。具体的には、上記遊技状態移行規定回数69回に達する前の場合には、ST前半に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、変動パターンの選択条件が指定されているが、当該遊技状態移行規定回数に達した場合には、ST後半に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、その選択条件が変更される。
また上述の(II)の場合には、現在の変動パターン振分指定番号(Tcode)、つまりST後半を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「02H」から、ST最終を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「03H」に、変動パターン振分指定番号(Tcode)を更新する。なお上記遊技状態移行規定回数の4回は、後述のステップS491(特図変動回数カウンタ更新処理)で設定される値である。ここでは、上記遊技状態移行規定回数4回に達する前の場合には、ST後半に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、変動パターンの選択条件が指定されているが、当該遊技状態移行規定回数に達した場合には、ST最終に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、その選択条件が変更される。
また上述の(III)の場合には、現在の変動パターン振分指定番号(Tcode)、つまりST最終を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「03H」から、通常を指定する変動パターン振分指定番号(Tcode)「00H」に、変動パターン振分指定番号(Tcode)を更新する。なお上記遊技状態移行規定回数の1回は、後述のステップS491(特図変動回数カウンタ更新処理)で設定される値である。ここではST最終の上記遊技状態移行規定回数を1回に設定しているので、ST最終の1回の図柄変動で当該遊技状態移行規定回数に達した場合は、通常に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、その選択条件が変更される。
上記したステップS490での処理は、所定の選択変更条件の成立に基づき、特別図柄の変動パターンの選択条件を変更するための選択条件変更制御手段として働く。
なお、ST最終の遊技状態移行規定回数を複数回(N回)に設定したい場合には、上記遊技状態移行規定回数N回に達する前の場合には、ST最終に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、変動パターンの選択条件が指定され、当該遊技状態移行規定回数に達した場合には、通常に対応した特別図柄の変動パターンが選択されるように、その選択条件を変更すればよい。
また、この遊技状態の移行設定処理(ステップS490:変動パターン振分指定番号設定処理)では、CZ継続回数が終了した後の遊技状態の移行設定処理も行う。本実施形態では、CZ終了時の大当り抽選確率状態が低確率状態か高確率状態かに応じて、移行先の遊技状態が異なるようになっている。ここでは、まず遊技状態判定番号(YJ)を取得し、現在の内部遊技状態が通常状態(遊技状態判定番号(YJ)=00H)であるか、潜確状態(遊技状態判定番号(YJ)=01H)であるかを判定する。現在の内部遊技状態が通常状態、つまり低確率状態であるならば、変動パターン振分指定番号(Tcode)を通常状態を指定する「00H」に設定し、現在の内部遊技状態が潜確状態、つまり高確率状態であるならば、変動パターン振分指定番号(Tcode)が潜確状態を指定する「04H」に設定する。これにより、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、「通常状態」または「潜確状態」における特別図柄の変動パターンが選択される。このステップS490処理は、所定の条件の成立に基づき、変動パターンの選択条件(変動パターン選択モード)を切替制御するための変動パターン選択条件切替手段として働く。
次いで、ステップS490の変動パターン振分指定番号更新処理を終えると、次いで、特図変動回数カウンタ更新処理を行う(ステップS491)。ここでは、ST前半の遊技状態移行規定回数69回が消化された後、ST後半の継続期間として、特別図柄変動回数カウンタに「4回」を設定し、ST後半の遊技状態移行規定回数4回が消化された後、ST最終の継続期間として、特別図柄変動回数カウンタに「1回」を設定する。上記の「4回」については、後述の大当り終了処理(図18)中のステップS592の処理において、RAM203の「特別図柄変動回数2カウンタ」に設定される値であり(当該処理中の‘特別図柄変動回数2カウンタ←4回’の記載参照)、ここでは、この値を取得して、特別図柄変動回数カウンタに「4回」を設定(更新)する。また上記の「1回」については、特別図柄変動回数2カウンタの値が0になった時点で把握される特図確変回数カウンタの値(減算カウンタの現在値(残り値))であり、特図確変回数カウンタの減算後の値を監視していて当該特図確変回数カウンタの値が「1」に至った時点で、この値「1」を特別図柄変動回数カウンタに設定(更新)する。本実施形態では、ステップS487〜S491の処理により、ST前半、ST後半、ST最終が管理されるようになっている。
次いで、演出制御コマンドとして、移行先の遊技状態情報を含む「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信して(ステップS492)、特別図柄確認時間中処理を抜ける。この「遊技状態指定コマンド」により演出制御部24は、今回のゲームで「ST前半中」が終了し次ゲームから「ST後半中」となる旨を、または「ST後半中」が終了し次ゲームが「ST最終中」となる旨を、または「ST最終中」が終了し、次ゲームから「通常中」となる旨を把握する。これにより、演出制御部24は、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、移行先となる遊技状態に対応した演出モード用の背景画像(背景演出)に切り替え、当該演出モード下での演出制御処理を行う。
また、「遊技状態指定コマンド」により演出制御部24は、今回の図柄変動表示ゲームで「CZ」が終了し、次ゲームから「通常状態」または「潜確状態」となる旨を把握する。これにより、演出制御部24は、次回の図柄変動表示ゲームを開始する際、「通常演出モード」用の背景画像(背景演出)または「潜確演出モード」用の背景画像に切り替え制御し、当該演出モード下での演出制御処理を行う。
なお本実施形態では、次に行われる図柄変動表示ゲームに係る変動パターン指定コマンドが送信される前に、上述の遊技状態指定コマンドが送信されるようになっている。このため演出制御部24は、この遊技状態指定コマンドを受信した場合、次に行われる図柄変動表示ゲームに係る変動パターン指定コマンドが送られてくる前段階で、現在の演出モード用の演出(たとえば、背景演出)から、他の演出モード用の演出に切り替えることができる。つまり、次回の図柄変動表示ゲームに係る変動パターン指定コマンドが送られてくる前に、他の演出モードに関連する演出を現出させる、換言すれば、次回の図柄変動表示ゲームに先立って、他の演出モードに関連する演出を現出させることができるようになっている。これにより遊技者は、今回の図柄変動表示ゲームが終了したときに作動保留球が存在しない場合(次回の図柄変動表示ゲームが開始されない場合)であっても、次回の図柄変動表示ゲームに係る演出モードを前もって把握することができることになる。
以上により、この特別図柄確認時間中処理を抜けると、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
<11.特別電動役物管理処理:図17>
次に、図8中の特別電動役物管理処理(ステップS060)について説明する。図17は、ステップS060の特別電動役物管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図17において、CPU201は、まず小当り中フラグの状態を判定する(ステップS501)。上記小当り中フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS501:=5AH)、小当り遊技に係る特別変動入賞装置(大入賞口の開閉制御)の一連の動作を制御するための小当り処理を行い(ステップS504)、この特別電動役物管理処理を抜ける。
上記小当り中フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS501:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS502)。条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS502:≠5AH)、この場合は、小当り遊技中ではなく(ステップS501:≠5AH)、大当り遊技中でもないので、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。
条件装置作動フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS502:=5AH)、特別電動役物動作ステータス(00H〜04H)に応じた処理を行う(ステップS503:特別電動役物ステータス分岐処理)。なお「特別電動役物動作ステータス」とは、特別変動入賞装置42、52の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別電動役物動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS503の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータス値に応じた処理を呼び出して実行させる。具体的には、特別電動役物動作ステータスが「開始処理中(00H)」の場合には、大当り開始処理(ステップS505)を、「作動開始処理中(01H)」の場合には、特別電動役物作動開始処理(ステップS506)を、作動中(02H)」の場合には、特別電動役物作動中処理(ステップS507)を、「継続判定中(03H)」の場合には、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)を、「終了処理中(04H)」の場合には、大当り終了処理(ステップS509)を呼び出して実行させる。これらの処理により大当り遊技に係る特別変動入賞装置52の動作が制御される。ここで、上述の「開始処理中(00H)」とは、大当り遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動開始処理中(01H)」とはラウンド遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動中(02H)」とはラウンド遊技が実行中である旨を示し、「継続判定中(03H)」とは次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を示し、「大当り終了処理中(04H)」とは大当り遊技終了時の終了処理中である旨を示す。上記ステップS505〜S509のいずれかの処理を終えると、特別電動役物管理処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
以下に、大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)と、小当り遊技制御処理(ステップS504)とについて説明する。
<大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)>
先ず、大当り開始処理(ステップS505)について説明する。
(11−1.大当り開始処理)
大当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが初期ステータス値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって、大当りとなった場合には、まず最初に、この大当り開始処理が行われるようになっている。
ここでは、まず大当り遊技を開始する際に必要な大当り遊技開始時の設定処理として、役物連続作動装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)、連続回数カウンタに01Hを格納する。上記「役物連続作動装置作動フラグ」とは、役物連続作動装置の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には役物連続作動装置作動中(ラウンド遊技継続可)である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には役物連続作動装置非作動(ラウンド遊技継続不可)である旨を示す。また「連続回数カウンタ」とは、ラウンド遊技の連続実行回数を管理するためのカウンタであり、現在のラウンド数はここに記憶される。ここでの連続回数カウンタは「01H」が設定されるので、現在のラウンド数は1R目を示している。
次いで、特別図柄判定データ(大当り種別)に応じた最大ラウンド数(規定ラウンド数)とラウンド表示LED番号とが定められた「大当り開始設定テーブル(図示せず)」を取得する。この大当り開始設定テーブルを参照して、今回の特別図柄判定データに対応した各データを、それぞれに対応するRAM203の記憶領域に格納し、また特別図柄役物動作タイマに「開始インターバル時間」を格納する。なお上記「開始インターバル時間」とは、特別図柄の確定表示時間が経過して大当りが確定した後(図15のステップS453、図16AのステップS471参照)、特別変動入賞装置52が作動するまでのインターバル区間であって、オープニング演出が行われる区間を定めた時間幅(1回目のラウンド遊技が行われる前の初回演出時間)を指す。また「ラウンド表示LED番号」とは、ラウンド数表示装置39b(ラウンド数表示手段)の報知態様を指定するデータで、今回の大当り遊技の最大ラウンド数(規定ラウンド数)を示す。
次いで、オープニング演出の開始を指示する「大当り開始コマンド」を演出制御部24に送信し、この大当り開始処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。なお「大当り開始コマンド」には、オープニング演出の開始を指示する役割の他、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技中に展開される一連の当り演出(大当り種別ごとに対応するオープニング演出、ラウンド演出、ラウンド終了演出、およびエンディング演出など)を決定する際にも利用される。
(11−2.特別電動役物作動開始処理)
次に、特別電動役物作動開始処理(ステップS506)について説明する。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「ラウンド遊技開始前のインターバル時間」が設定されている。このインターバル時間としては、初回のラウンド(1R目)では、上記大当り開始処理(ステップS505)で設定された「開始インターバル時間」が監視されるが、2R目以降でこの特別電動役物作動開始処理(ステップS506)を通過するときは、「開放前インターバル時間(後述の特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)で設定されるインターバル時間)」が監視される。この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動開始処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり開放前インターバル時間(初回のラウンド(1R目)の場合は、開始インターバル時間)が経過したならば、特別図柄判定データ(大当り種別)と現在のラウンド数とに応じた大入賞口50の開閉動作パターンを設定する(大入賞口開閉動作設定処理)。具体的には、大入賞口50を開放させるための大入賞口開閉動作時間(たとえば、長開放時間であれば29.8秒、短開放時間であれば0.1秒)を特別図柄役物動作タイマに格納し、大入賞口ソレノイド52cを制御するためのソレノイド用制御データを設定する。これにより、大入賞口ソレノイド52cを動作させ、大入賞口50が上記大入賞口開閉動作時間を上限に開放される。また大入賞口開放開始動作に伴い、「大入賞口開放コマンド」を演出制御部24を送信する。この「大入賞口開放コマンド」は、ラウンド遊技開始情報(ラウンド演出の開始指示情報)や現在のラウンド数情報を含み、演出制御部24側において、ラウンド数に対応するラウンド演出を現出させる際に利用される。上記大入賞口開閉動作設定処理を終えると、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに02Hを格納)、特別電動役物管理処理を抜け、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(11−3.特別電動役物作動中処理)
次に、特別電動役物作動中処理(ステップS507)について説明する。
ここではまず、大入賞口50への入賞球数をカウントし、その入賞球数が最大入賞数に達したか否かを確認し(大入賞口最大入賞数確認処理)、最大入賞数に達した場合には特別図柄役物動作タイマをクリアする。これにより、上記特別電動役物作動開始処理(ステップS506)で設定されたタイマ値が強制的にゼロになり、最大入賞数に達したことをもって開放中の大入賞口50が閉鎖されるようになっている。なお特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(大入賞口開放動作時間経過するか、または最大入賞数に達するまでの間)、何もしないでこの特別電動役物作動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(最大入賞数に達したか、または大入賞口開放動作時間経過した場合)、今回のラウンド遊技が終了したとして、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(たとえば、1980ms)を格納し、特別電動役物作動中処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(11−4.特別電動役物作動継続判定処理)
次に、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)について説明する。
ここではまず、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する。ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口閉鎖後の上記残存球排出時間が設定されているので(特別電動役物作動中処理(ステップS507)参照)、この残存球排出時間が経過したか否かが判定される。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は、何もしないでこの特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ(残存球排出時間経過)になったならば、連続回数カウンタを取得して現在のラウンド数が規定ラウンド数(最大ラウンド数)に達したか否かを判定する。最大ラウンド数に達していない場合には、ラウンド遊技継続時の処理として、連続回数カウンタに1加算(+1)し、「開放前インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)。これにより、特別電動役物作動継続判定処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
現在のラウンド数が最大ラウンド数に達した場合、「終了インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納し、次いで、ラウンド遊技終了時の各種設定処理として、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに04Hを格納)。なお上記「終了インターバル時間」とは、最終ラウンドのラウンド遊技が終了して残存球排出時間が経過した後、大当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、エンディング演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。
そして、エンディング演出の開始を指示する「大当り終了コマンド」を演出制御部24に送信し、この特別電動役物作動継続判定処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。この「大当り終了コマンド」には、大当り遊技終了後の遊技状態を特定可能な情報(たとえば、今回の大当り種別と、その大当り当選時の遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode)および/または内部遊技状態情報)とに関する情報)が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。したがって、この「大当り終了コマンド」は、エンディング演出の開始を指示する役割の他、大当り遊技終了後の遊技状態を特定しうることから、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割も担っている。演出制御部24は、上記大当り終了コマンドに含まれる情報に基づき、演出モードを決定することで、大当り終了後の遊技状態と、その遊技状態に係る演出モードとの整合性を取ることができるようになっている。
なお、上述の大当り当選時の遊技状態に関する情報には、変動パターン振分指定番号に関する情報、または変動パターン振分指定番号および内部遊技状態に関する情報を含むことができ、本実施形態では、大当り当選時の遊技状態がCZであった場合、その当選時の遊技状態が内部遊技状態により区別される「CZ(通常)」であるか、「CZ(潜確)」であるかを特定可能な情報を含ませている。
また、上記大当り終了コマンドは、単一のコマンドであっても良いし、複数のコマンドであっても良い。複数のコマンドとする場合には、たとえば、一の大当り終了コマンドに今回の大当り種別を特定可能とする情報を含ませ、他の大当り終了コマンドにその大当り当選時の遊技状態を特定可能とする情報が含ませて、これらのコマンドを同時あるいは順次に必要なタイミングで演出制御部24に送信することができる。本実施形態では、演出制御コマンドに複数種類の情報を含ませて演出制御部24に送信する場合、それら情報を単一の演出制御コマンドに含ませて演出制御部24に送信する構成としても良いし、一の情報を含む演出制御コマンドと、他の情報を含む演出制御コマンドとに分けて、上述の単一の演出制御コマンドが有する役割を複数の演出制御コマンドに分担させる形態で演出制御部24に送信する構成としても良い。
(11−5.大当り終了処理:図18)
次に、大当り終了処理(S509)について説明する。図18は、大当り終了処理の詳細を示すフローチャートである。
図18において、CPU201は、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS591)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記終了インターバル時間が設定されているので、ステップS591の判定処理では、終了インターバル時間が経過したか否かが判定されることになる。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS591:NO)、何もしないでこの大当り終了処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(終了インターバル時間経過)になったならば(ステップS591:YES)、大当り終了時の各種設定の一環として、各移行状態バッファの値を各状態フラグに格納する(ステップS592)。具体的には、特別図柄変動開始処理中のステップS411の遊技状態移行準備処理(図12のステップS411、その詳細を示す図13参照)で設定した移行状態バッファの各々の値を、遊技状態を指定するための、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、変動パターン振分指定番号、変動パターン振分指定番号2、特別図柄変動回数カウンタ、特別図柄変動回数2カウンタ、特別図柄変動回数2カウンタにそれぞれ格納する。これにより、大当り遊技後の遊技状態が指定される。
次いで、大当り終了時の各種設定処理を行う(ステップS593)。ここでは、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータとして、条件装置作動フラグ、役物連続作動装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大ラウンド数(規定ラウンド数)、普通電役物開放延長状態バッフ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特図確変移行状態バッファ、特図時短回数カウンタバッファ、特図確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号1〜3バッファ、特図変動回数1〜3カウンタバッファ、ラウンド表示LED番号、および遊技状態判定番号(YJ)をそれぞれクリアし(00Hを格納)、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに00Hを格納)。
なお特別図柄判定データについては、大当り遊技後、図柄変動表示ゲームが開始されるまで特別図柄表示装置に確定表示させておくために利用されるので、ステップS593の処理ではクリア対象とはなっていない。この特別図柄判定データは、今回の大当り遊技が終了した後に特別図柄変動開始処理中の特別図柄作成処理(図15のステップS410)が行われた際、新たな特別図柄判定データがRAM203(特別図柄判定データ記憶領域)に上書きされるようになっているため問題はない。このようにすることで、大当り遊技終了時に特別図柄判定データをクリアするために要するプログラム量を削減することができる。勿論、処理の関係上、必要であるならば、ステップS593の処理において、特別図柄判定データをクリアし、新たな特別図柄判定データが作成されたときに、その作成された特別図柄判定データをRAM203(特別図柄判定データ記憶領域)に格納しても良い。
また各移行状態バッファについては、ステップS593の処理において各移行状態バッファの値をクリアしない構成とすることができる。この場合、今回の大当り遊技が終了した後、図15の特別図柄変動開始処理中のステップS411の遊技状態移行準備処理が行われた際、新たな移行状態バッファの値を上書きする処理でも良い。各移行状態バッファは、ステップS592の処理で利用されるだけであるからである。このようにすることで、大当り遊技終了時に各移行状態バッファをクリアするために要するプログラム量を削減することができる。
次いで、遊技状態報知情報を更新する遊技状態報知情報更新処理を行い(ステップS594)。本実施形態では、遊技状態報知LEDにより特図時短状態であるか否かを報知させるため、遊技状態報知情報更新処理において、特別図柄時短状態フラグがON状態(=5AH)であるか、OFF状態(≠5AH)かを確認し、ON状態の場合には、遊技状態報知LEDを点灯させるデータとして、特図時短状態を指定する遊技状態報知LED出力番号に01Hを格納する。
上記大当り終了処理を終えると、大当り遊技に関する一連の制御処理が終了したことになる。この大当り終了処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
<小当り遊技制御処理>
(11−6.小当り処理)
次に、小当り処理(ステップS504)について説明する。
小当り遊技では、大当り遊技のような「ラウンド遊技」が実行されない。したがって、ここでは、既に説明したように、小当り遊技中の動作態様が「2R系大当り遊技」(本実施形態では「2R潜確大当り」のみ設けているが、非確変の「2R非確変大当り」を設けた場合には、この両者を含む)の動作態様と実質的同一となるように、大入賞口の開閉動作パターンを制御するための処理が行われる。なお本実施形態の場合、小当りでは、大入賞口50の開閉動作パターンを制御するための処理が行われる。
この小当り処理に入ると、まず小当り遊技における「開始インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに設定し、オープニング演出の開始を指示する「小当り開始コマンド」を演出制御部24に送信する。開始インターバル経過したならば、次いで、後述の小当り遊技後の遊技状態を指定する小当り時遊技状態移行準備処理を行い、続いて、大入賞口50の開閉動作が「2R系大当り遊技」と同一または酷似する動作態様となるように、大入賞口ソレノイドを制御するためのソレノイド用制御データを設定する。これにより、大入賞口50が2R系大当り遊技の如く開放動作し、小当り遊技中の疑似的なラウンド遊技が実行される。なお小当り遊技中における大入賞口50への最大入賞数は大当りによるものと同じ(たとえば、9個)となっており、当該最大入賞数に達すると、大入賞口50が閉鎖状態に移行される。ただし、小当り遊技は大当り遊技のようなラウンド遊技が実行されないため、上記最大入賞数に達した場合、上記疑似的なラウンド遊技自体が終了されることになる。
大入賞口50の一連の開閉動作が終了したならば、エンディング演出の開始を指示する「小当り終了コマンド」を、演出制御部24に送信する。この「小当り終了コマンド」には、今回の小当り種別とその小当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、小当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。したがって、この小当り終了コマンドは、エンディング演出の開始指示の役割の他に、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割も担い、大当り遊技に係る「大当り終了コマンド」と同じ働きをする演出制御コマンドである。
<11−6−1.小当り時遊技状態移行準備処理>
次に、上述の小当り時遊技状態移行準備処理について説明する。
小当り時遊技状態移行準備処理では、小当り遊技後の遊技状態を指定すべく、小当り遊技後の遊技状態を指定するための設定処理を行う。具体的には、まず変動パターン振分指定番号(Tcode)を取得し、次いで小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル(図28(ロ))を取得する。そして、上記小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを参照して、変動パターン振分指定番号と小当り種別(特別図柄判定データ)とに基づき、遊技状態移行テーブル「JTTBL−3」を取得し、この遊技状態移行テーブルを参照して、該当するデータをRAM203の所定領域(変動パターン振分指定番号格納領域および特別図柄変動回数カウンタ)に格納する。これにより、小当り遊技後の遊技状態が指定されるようになっている。
(T−6.小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル:図28(ロ))
図28(ロ)に、小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルには、変動パターン振分指定番号(Tcode)と当選種別(特別図柄判定データ:ここでは、小当り種別)とに関連付けられた1または複数種類の遊技状態移行テーブル(この例では「JTTBL−3」の1種類のみ)が定められており、具体的には、変動パターン振分指定番号(Tcode)と特別図柄判定データとに基づき、遊技状態移行テーブルのうちから一の遊技状態移行テーブル(小当り用の遊技状態移行テーブル)が決定されるようになっている。
(T−7.小当り用遊技状態移行テーブル:図29(ロ))
図29(ロ)を参照して、小当り用遊技状態移行テーブル「JTTBL−3」について説明する。この小当り用遊技状態移行テーブルには、小当り遊技後に移行すべき遊技状態を指定するためのデータとして、変動パターン振分指定番号格納領域および特別図柄変動回数カウンタに格納するためのデータが定められている。これらデータ値が変動パターン振分指定番号格納領域および特別図柄変動回数カウンタが格納されると、小当り遊技終了後の遊技状態が特定される。ここで上記「JTTBL−3」には、「変動パターン振分指定番号1バッファ」および「特別図柄変動回数1カウンタバッファ」に格納するためのデータだけが定められているので、小当りに当選しても内部遊技状態の移行はなく、変動パターン選択モードとしての遊技状態の移行(変動パターン振分指定番号(Tcode)の変更)が行われるだけとなる。
なお、上記小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルでは、小当り当選時の遊技状態が通常状態(変動パターン振分指定番号00H)である場合か、またはCZ(変動パターン振分指定番号04H)である場合に限り、小当り用遊技状態移行テーブル「JTTBL−3」が選択されるようになっている。すなわち、遊技状態が、確変状態(変動パターン振分指定番号01H〜03H)、潜確状態(変動パターン振分指定番号05H)の場合には遊技状態の移行はなく、その小当り当選時の遊技状態が継続され、CZ中に小当り当選の場合は、再度、小当り用遊技状態移行テーブル「JTTBL−3」が選択されて、CZ継続回数が再設定されることになる(図29(ロ)参照)。
以上の小当り処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
<12:演出制御部側の処理:図19〜図26>
次に、図19〜図26を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図19)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図21)とを含んで構成される。
<13.演出制御側メイン処理:図19>
図19は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24(CPU241)は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図19に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、CPU241は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS071の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、CPU241は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図21のステップS096)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS072:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、CPU241は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドの中には、既に説明した、保留加算コマンド、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、変動停止コマンドなどが含まれる。
たとえば、少なくとも変動パターン指定コマンド(本実施形態では、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)が受信され、それが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、そのコマンドに含まれる情報(変動パターン情報と当選情報(または当選種別情報))に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。なお、決定された演出シナリオの中に「ボタン予告演出」を組み込む場合、枠演出ボタン13が操作されなかった場合の「非操作用演出シナリオ」を基本演出シナリオとして構築しておく。ボタン予告演出実行中に枠演出ボタン13が操作された場合は、その非操作用演出シナリオを、枠演出ボタン13が操作された場合の「操作用演出シナリオ」に変更する必要が生じるが、このようなシナリオ変更に関する処理は、次に述べるステップS074の「シナリオ更新処理」で行うようになっている。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段に現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)や演出役物制御データ更新処理(ステップS077)などに関する演出処理においても利用される。。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、一の演出の発生時期が到来すると、スピーカ46用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部45やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、RAM243の指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図21のステップS095)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、ステップS074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ46から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物モータ61、61a、61b、63、73aに対する駆動制御用データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図21のステップS094)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS078)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
<14.コマンド受信割込処理:図20>
次に図20を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図20は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図21)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部24(CPU241)は、図19に示すメイン処理実行中に主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをRAM243のコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部20から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
<15.演出制御側タイマ割込処理:図21>
次に図21を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図21は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図21において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS092)。この演出ボタン入力管理処理では、枠演出ボタン13からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この情報は、上記ボタン予告演出に利用される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS093)。この液晶コマンド送信処理では、図19の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS094)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用のモータ駆動制御用データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータ61、61a、61b、63、73aに制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS095)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS096)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS096の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS097)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<受信コマンド解析処理の内容:図22〜図26>
図22〜図26は受信コマンド解析処理(図19のステップS073)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深いものを示したものである。以下、「入賞時コマンド」、「変動パターン指定コマンド」、「大当り終了コマンド」および「装飾図柄指定コマンド」を受信(格納)した場合についてそれぞれ説明する。
<16.入賞時コマンドの受信処理:図22>
図22は、入賞時コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。ここで扱う入賞時コマンドは、図10の特図1始動口チェック処理のステップS321や、図11の特図2始動口チェック処理のステップS341で送信される演出制御コマンドである。
図22において、演出制御部24(CPU241)は、入賞時コマンドを受信した場合、まずその入賞時コマンドの内容を解析し、先読み判定結果情報を取得する(ステップS710)。ここでは取得した情報を、RAM203の先読み情報記憶エリアに格納する。先読み情報記憶エリアにはRAM203の保留記憶エリアと同じように、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した先読み情報記憶エリア(特別図柄1側に対応する先読み情報記憶エリアと、特別図柄2側に対応する先読み情報記憶エリア)が設けられている。また、これら先読み情報記憶エリアには、作動保留球数に対応した保留1先読み情報記憶エリア〜保留n先読み情報記憶エリア(本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の先読み判定結果情報が格納可能となっている。
また、図示していないが、ステップS321、S341(図10、図11)で送信された保留加算コマンドについて既に受信し記憶しているので、その保留加算コマンドの内容を解析し保留球数情報も取得する(ステップS711)。
次いで、先読み禁止期間であるか否かを判定する(ステップ712)。先読み禁止とすべき期間には、ST前半残り回数が4回未満(ST66〜69回転目)、ST後半残り回数が4回未満(ST70〜73回転目)、ST最終残り回数が1回(ST74回転目)がある。これらの区間に係る特定の演出モード中に先読み予告演出が発生すると、当該特定の演出モードの演出と先読み予告演出との間で相互に矛盾や違和感をもたらす可能性がある。そこで、遊技状態がこれらの区間に滞在している間は、先読み予告抽選処理を迂回する構成にして、当該特定の演出モード下でなす演出と先読み演出予告との間に矛盾や違和感が発生しないようにする。すなわち、先読み禁止期間である場合(ステップS712:YES)、何もしないで、後述のステップS719の処理に進む。
先読み禁止期間でない場合(ステップS712:NO)、ステップS713の処理に進み、「連続予告カウンタ」がゼロか否かを判定する(ステップS713)。この「連続予告カウンタ」とは、重複して先読み予告演出が発生してしまうことを禁止する禁止期間を定めるためのカウンタである。具体的には、次に述べるステップS714の先読み予告抽選により今回の作動保留球が先読み予告演出の実行対象とされた場合(先読み予告抽選に当選した場合)、今回の作動保留球が消化される(変動表示動作に供される)までの間に、新たに生じた作動保留球が先読み演出の実行対象とされないようにするためのカウンタである。なお「連続予告カウンタ」には、上述の理由から、現在の作動保留球数Nの値が格納されるようになっている(後述のステップS717参照)。
上記連続予告カウンタがゼロでない場合(ステップS713:NO)、先読み予告抽選禁止状態であるとして、何もしないでステップS718の処理に進む。
(16−1.先読み演出抽選処理:S714〜S715)
連続予告カウンタの値がゼロである場合(ステップS713:YES)、先読み予告抽選許可状態であるとして、先読み予告抽選処理を行う(ステップS714)。この先読み演出抽選処理は、変動開始時に決定されることとなる変動パターン種別を先読みした結果として入賞時コマンドで指定される先読み変動パターン種別に基づき、先読み予告演出を行うか否かの抽選を行うものである。本実施形態における「入賞時コマンド」は、先読み変動パターン種別、特別図柄種別のそれぞれに関する情報を含んだ形態のものである。したがって、これらの情報のうちの先読み変動パターン種別に関する情報が、先読み演出抽選の抽選契機に利用される。しかし、作動保留球数、先読み変動パターン種別、特別図柄種別に関する情報を、保留加算コマンドに担持させる形態とした場合には、その形態における先読み変動パターン種別に関する情報を含んだ制御コマンドを受信した場合に、先読み演出抽選を行うことになる。
ここで「先読み予告演出」には二種類がある。一つは、始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した際(つまり入賞時または始動条件成立時)に生起させる入賞時変化系ないし始動時変化系の予告演出を、複数回の図柄変動表示動作において実行することによる先読み予告演出(連続予告演出)であり、本実施形態では保留表示変化系の予告演出(色変化保留の出現)を連続させる、つまり表示位置シフトさせることにより行う先読み予告演出である。他の一つは、図柄遊技の図柄変動表示動作を実行する際(つまり変動開始時)に生起させる変動開始時変化系の予告演出を、複数回の図柄変動表示動作に跨って表示させることによる先読み予告演出(連続予告演出)であり、本実施形態では画像表示変化系の予告演出(稲妻出現)を連続させることにより行う連続予告演出である。したがって、先読み予告演出の抽選としては、変動開始時変化系の予告演出を行うか否かについての抽選と、変動開始時変化系の予告演出を行うか否かについての抽選とがあり、両者を独立に行う。しかし、両者をまとめて一緒に抽選する形態(先読み予告演出と変動開始時変化系の予告演出を一の抽選結果に係らしめて実行する形態)にして、先読み予告演出の抽選に当選するときは同時に変動開始時変化系の予告演出の抽選にも当選するように構成してもよい。
上記先読み演出抽選処理では、入賞時コマンドで指定される先読み変動パターン種別に基づき、図示してない先読み演出抽選テーブルを参照して先読み予告演出を決定し(ステップS714)、その先読み演出抽選の結果に基づく演出情報(先読み演出抽選結果に関する情報)をセットする(先読み予告動作ステータス設定処理:ステップS715)。この演出情報は先読み予告演出を現出する際に利用される。ここでセットされる演出情報には、(i)入賞時変化系の先読み予告演出を指定する情報、たとえば、保留表示に関する情報(保留色やアイコン画像による保留表示態様を指定する)の他、(ii)上記(i)の入賞時変化系の予告演出と下記(iii)の変動開始時変化系の予告演出の両方を指定する情報や、(iii)変動開始時変化系の予告演出を指定する情報(たとえば、稲妻演出の種別(強稲妻演出(当選期待度高)、中稲妻演出(当選期待度中)、弱稲妻演出(当選期待度低)の別))や、(iv)先読み演出抽選非当選情報(入賞時変化系の先読み予告演出を実行しない旨の情報)などが含まれる。
本例の場合、上記(i)の入賞時変化系の先読み予告演出だけを行わせる場合は先読み動作ステータスに「01H」を、上記(ii)の入賞時変化系と変動開始時変化系の両方の先読み予告演出を行わせる場合は先読み動作ステータスに「02H」を、上記(iii)の変動開始時変化系の先読み予告演出だけを行わせる場合は先読み動作ステータスに「03H」を、上記(iv)のいずれの先読み予告演出も実行しない場合は先読み動作ステータスに「00H」を、RAM243の所定領域に格納する(ステップS715)。
上記先読み演出抽選処理を終了するとステップS716に進み、先読み判定動作ステータスを判定する。先読み動作ステータスが「00H」の場合(ステップS716:=00H)、先読み予告演出は行われないので、何もせずにステップS718の処理に進む。
一方、先読み動作ステータスが「00H」以外である場合(ステップS716:≠00H)、現在の保留球数の値(1〜4個または1〜8個)を連続予告カウンタに格納する(ステップS717)。これにより、新たな作動保留球を対象とした先読み予告抽選が一定期間禁止される。なお、このカウンタ値は、後述の図25の装飾図柄指定コマンド受信処理において、先に生じた古い作動保留球が消化されるごとに1づつ減算されていくようになっている。
上記のように先読み演出抽選に当選した際に現存する保留球数の値を「連続予告カウンタ」にセットすることで(ステップS717)、当該保留球数の値に対応する図柄変動回数の間、新たな入賞球が発生しても、それについて先読み予告演出の抽選が禁止される(ステップS713:NOのルート)。たとえば現在の保留球数が3個の場合、当該保留球数に対応する3回の図柄変動の間、先読み予告演出の抽選が禁止され、これにより先読み予告演出の発生が阻止される。なお上述の「連続予告カウンタ」は、先読み予告当選に関する情報としても利用することができる。つまり、「連続予告カウンタ」がゼロであれば、先読み予告非当選中(先読み予告非実行状態)であり、ゼロ以外の値であれば先読み予告当選中(先読み予告実行状態)と判断することができる。
ステップS718の処理に進むと、上記先読み予告抽選処理、先読み予告動作ステータス設定処理および連続予告カウンタの設定処理の結果を盛り込んだ内容の連続予告演出シナリオを設定する処理を行う(ステップS718)。
ステップS719の処理に進むと、保留加算表示処理を行う(ステップS719)。この保留加算表示処理では、液晶制御部側に、作動保留球数情報を含む液晶制御コマンド(液晶側保留球数情報コマンド)を送信する。これにより、液晶表示画面に保留球数に対応する数のアイコン画像が点灯表示される。なお、この保留球数情報のコマンド送信は、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数のすべてについて送信する。
またステップS719の処理では、上記液晶側保留球数情報コマンドの他、演出情報を確認し、先読み予告演出に関する情報として、たとえば、保留表示に関する情報(保留表示態様を指定する情報)を含む液晶制御コマンド(液晶側先読み情報コマンド)も送信される。したがって、入賞時変化系の先読み予告演出(保留表示変化系の先読み予告演出)を実施するか否かについての先読み予告抽選に当選している場合には、ステップS718で液晶制御部側に送信される液晶側先読み情報コマンドに基づき、液晶制御部側が保留表示変化系の先読み予告演出として、今回入賞した保留記憶に係る保留表示態様(保留アイコン:当りの当選期待度が低い通常時は「白色」)を、専用の保留色(たとえば、「青色」、「黄色」、「緑色」、「赤色」、「D柄」または「虹色」のいずれかの色)の保留表示態様(専用保留表示)としたり、または通常とは異なる特殊なアイコンを利用した特別な保留表示態様となるように液晶画面に表示させる。
これにより、たとえば、今回入賞した保留記憶が3個目であれば、この3個目の保留記憶、つまりゲーム実行中保留Kのアイコンが、図5のように受座Mのアイコン上に載って図柄変動表示ゲーム(図柄変動表示動作)に供されるまでの間、その特別な保留表示態様を連続的に出現させることができる。つまり、ここでの処理では、先読み予告抽選に当選している場合には、入賞時コマンドを受信した際、「入賞時変化系」の先読み予告演出として、「専用保留表示(たとえば、白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄、または虹色の保留表示)」を現出制御するための演出制御処理(専用保留表示処理)が行われ、また先読み予告抽選に当選していない場合には通常保留表示を現出制御するための演出制御処理(通常保留表示処理)が行われるようになっている(図5、図6参照)。なお本実施形態では、液晶側保留球数情報コマンドと、液晶側先読み情報コマンドとを送信する(複数のコマンドを送信する)と説明したがこれに限らず、制御負担の軽減のために、保留球数情報および保留表示に関する情報を含ませた液晶制御コマンドを送信しても良い。
またステップS719の処理では、先読み予告演出の一環として、つまり保留色変化予告演出に付随する演出として、たとえば、通常とは異なる特殊音による音演出(特殊音演出)および/または特殊な光による光演出(特殊光演出)を含む演出を現出制御するための演出シナリオ(特殊保留演出シナリオ)がセットされる。これにより、たとえば、今回の保留記憶が3個目であれば、この3個目のゲーム実行中保留Kが受座Mのアイコン上に載って図柄変動表示ゲーム(図柄変動表示動作)に供されるまでの間、特殊音演出および特殊光演出にて、先読み予告演出を現出させることができるようになっている。また当該保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間において(たとえば、保留表示がシフト表示時(保留シフト時)や新たな保留記憶の発生時など)、通常とは異なる特殊音演出や特殊光演出を現出させることができる。
また当該保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間において、保留色や保留表示のアイコン画像を変化(保留表示変化演出)させることができる。具体的には、保留シフトの途中で、保留色(保留表示の色要素表示態様)が当り当選期待度が高い側の保留色に変化させることができる。たとえば、入賞時の保留色が通常の「白色」で表示されたが、保留表示がシフト表示されたときに、それよりも当り当選期待度の高い保留色(たとえば、青色、黄色、緑色、赤色、D柄など)に変化させることができる。このような構成は、入賞時には保留色が白色、つまり入賞時変化系の先読み予告演出が現出されなかった場合であっても、その保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間において、保留色が変化する、つまり入賞時変化系の先読み予告演出を現出させることができる、または保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間において、当り当選期待度がより明確に報知することができることを意味する。このように保留色が途中で変化する入賞時変化系の先読み予告演出態様(演出シナリオ)は、その保留記憶が図柄変動表示ゲームに供されるまでの期間中、入賞時の保留色がそのまま表示され続けるといった先読み予告演出よりも、演出態様が多彩なものとなり、演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。また遊技者に対して、入賞時の保留色がより当り当選期待度の高い保留色に変化するかもしれない、といった期待感を与えることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
またステップS719の処理では、図示してないが、保留表示変化系の先読み予告演出(保留変化予告)の演出情報が含まれていないか、つまり上記保留変化予告が実行中であるか否かを確認し、当該演出が実行中でなければ、通常保留入賞音のシナリオをセットする。これにより、新たな保留記憶が発生し、このとき保留特殊演出が実行中でない場合には、特殊入賞音の替わりに、通常の保留入賞音が発生することになる。その後、入賞時コマンド受信処理を抜ける。一方、保留変化予告の演出情報が含まれている場合には、保留変化予告が実行中であり、この場合は、上記保留変化予告のシナリオに基づいて先読み予告演出に係る音演出を発生させることとしているので、ここでは何もせず、そのまま入賞時コマンド受信処理を抜ける。
(16−2.保留音演出)
本実施形態においては、保留記憶発生時(入賞時)において先読み予告抽選に当選した場合、通常(先読み予告非当選時)とは異なる音演出(効果音)態様、たとえば入賞音(特殊入賞音)を発生させて先読み予告抽選に当選したことを報知する。ここで通常時(先読み予告非当選時)の入賞音を「通常入賞音」とし、先読み予告抽選に当選した場合の入賞音を「第1特殊入賞音」とすると、保留表示の色表示態様(保留表示変化系の先読み予告演出)として、入賞時の保留色が「白色」であった場合は「通常入賞音(通常音演出)」が発生し、「青色、黄色、緑色、赤色」のいずれかであった場合は、通常入賞音と異なる「第1特殊入賞音(第1特殊音演出)」を発生させる。さらに、入賞時の保留色が「D柄色」の場合には、この第1特殊入賞音とも異なる「第2特殊入賞音(第2特殊音演出)」として独自の音響つまりD柄専用の特殊音(D柄専用音)を発生させる。
さらに上記D柄専用音演出に関しては、保留表示の色要素表示態様が、保留シフトの途中で白色、青色、黄色、緑色、赤色のいずれかから「D柄色」に変化した際には、この場合も、「青色、黄色、緑色、赤色のいずれかに保留色変化が生じた際の音演出態様(第1特殊入賞音)と異なる音演出態様(第2特殊入賞音)として、D柄専用の特殊音(D柄専用音)を発生させる。これにより遊技者は、先読み予告演出の表示領域を見ていなかったとしても、聴覚的にD図柄(D柄保留表示)の発生を知ることができる。
また、変動開始時変化系の先読み予告演出(稲妻演出)を実施するか否かについての先読み予告抽選に当選している場合には、保留記憶が順次消化される際、図柄変動表示動作が実行時の後述の連続予告演出処理(後述の図25のステップS743、図26のステップS753)において、稲妻演出有り演出処理が実行され、これにより、稲妻画像による稲妻演出(図5、図6参照)が現出されることになる。
またステップS719の処理では、図示してないが、保留変化予告の演出情報が含まれていないか、つまり上記保留変化予告が実行中であるか否かを確認し、保留変化予告が実行中でなければ、通常保留入賞音のシナリオをセットする。これにより、新たな保留記憶が発生し、このとき保留変化予告が実行中でない場合には、特殊入賞音の替わりに、通常の保留入賞音が発生することになる。その後、入賞時コマンド受信処理を抜ける。一方、保留変化予告の演出情報が含まれている場合には、保留変化予告が実行中であり、この場合は、上記保留変化予告のシナリオに基づいて先読み予告演出に係る音演出を発生させることとしているので、ここでは何もせず、そのまま入賞時コマンド受信処理を抜ける。
なお、先読み予告演出が実行中である場合には、新たな保留を対象とした先読み予告演出が禁止されることとしているので、「先読み禁止カウンタ」がゼロであれば保留変化予告が実行中でないと判定し、ゼロでないならば保留変化予告が実行中であると判定しても良い。また、先読み予告演出実行期間中(保留変化予告が実行中)である場合、上記通常の保留入賞音を発生させるのではなく、保留記憶発生時による入賞音自体を発生させない、または、保留発生時による入賞音は発生させずに保留発生時による入賞光演出(通常の入賞光演出であっても良いし、特殊光演出であっても良い)だけを発生させるようにすることができる。
<17.当り終了時演出モード設定処理:図23>
図23は、当り終了コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。上記大当り終了コマンドは、特別電動役物管理処理中の大当り終了処理で送信される演出制御コマンドである。
図23において、演出制御部24(CPU241)は、当り終了コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS721)、その内容である今回の当り情報とその当選時の遊技状態情報とに基づき、その当り遊技後に移行すべき演出モードを設定する(ステップS722:当り終了時演出モード設定処理)。
<18.変動パターン指定コマンドの受信処理:図24>
図24は、変動パターン指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この変動パターン指定コマンドは、図12の特別図柄変動パターン作成処理のステップS412で送信される演出制御コマンドである。
図24において、演出制御部24(CPU241)は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS731)、その内容である特別図柄の変動パターン情報を取得し、RAM243の所定領域に格納する(ステップS732)。図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオは、まだこの時点では決定せず、変動パターン指定コマンドに続いて送られてくる装飾図柄指定コマンドを受信した場合に決定される。つまり、ここで格納された変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(特別図柄判定データ情報)とに基づき、図柄変動表示ゲーム(装飾図柄変動表示ゲーム)中の演出シナリオが決定されるようになっている。
<19.装飾図柄指定コマンドの受信処理:図25>
図25は、装飾図柄指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この装飾図柄指定コマンドは、図12の特別図柄変動開始処理のステップS415で送信される演出制御コマンドである。ここでは、図24の変動パターン指定コマンド受信処理で得られた変動パターン情報と、装飾図柄指定コマンドにより得られる情報とに基づいて、図柄変動表示ゲーム中の演出(各種の予告演出)、装飾図柄の表示態様(疑似連中の仮停止図柄、リーチ図柄、停止装飾図柄など)、可動体役物による予告演出などが決定され、今回の変動表示ゲームに係る演出シナリオが構成される。本実施形態では、主制御部20側が保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、および装飾図柄指定コマンドを、この順に演出制御部24に対して送信し(図12の特別図柄変動開始処理のステップS404、S412、S415参照)、演出制御部24側では、この最後の装飾図柄指定コマンドを受信した際に、図25の装飾図柄指定コマンドの受信処理を行う。
図25において、演出制御部24(CPU241)は、まず装飾図柄指定コマンドの内容を解析し、その内容を取得する(ステップS740)。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(ステップS741)。この装飾図柄停止図柄抽選処理では、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報とに基づき、最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)を抽選により決定する。たとえば、変動パターンの内容がリーチ演出指定の当り変動パターンであり、かつ当選種別情報が16R長開放確変大当りである場合、当該16R長開放確変大当りに関連した装飾図柄の停止表示態様を決定するべく、まず左図柄を抽選により決定し、次いで、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定(リーチ図柄の決定)して、その決定された左図柄と右図柄とに基づき、16R長開放確変大当りに関連した装飾図柄列(大当り図柄)が最終的に停止されるように中図柄を決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まる。この決定された装飾図柄データは、RAM243の装飾図柄データ格納領域に格納され利用される。
次いで、ステップS742に進み、図22のステップS715で設定した先読み動作ステータスが「00H:先読み予告演出実行せず」であるか否かを判断する(ステップS742)。先読み動作ステータスが「00H」でない場合、つまり「01H:保留先読み予告のみ実行」、「02H:保留先読み予告および背景(稲妻)先読み予告の両方実行」、「03H:背景(稲妻)先読み予告のみ実行」のいずれかである場合、ステップS743に進み、先読み告演出の一つである連続予告演出についての連続予告演出処理を行う(ステップS743)。
この連続予告演出処理(ステップS743)では、今回の図柄変動表示ゲーム中における「変動開始時変化系」の連続予告演出を現出させるための演出処理を行う。ここでは、ステップS714(図22)の先読み演出抽選処理において「変動開始時変化系」の先読み予告演出に当選していた場合(先読み動作ステータスが「02H」または「003」)、専用予告画像(稲妻を模した稲妻画像)表示による稲妻演出用演出データを作成し、これをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。これにより、液晶表示装置36の画面に稲妻画像表示による稲妻演出が現出される(図6(2)参照)。
(19−1.連続予告演出処理:図26)
図26は連続予告演出処理の詳細を示したものである。図26を参照して、この連続予告演出処理では、まず先読み動作ステータスを取得し、その内容を判定する(ステップS751)。先読み動作ステータスが「02H」または「03H」のいずれでもない場合(ステップS751:≠02H、03H)、何もしないで連続予告演出処理を抜ける。
先読み動作ステータスが「02H」または「03H」のいずれかであった場合(ステップS751:=02H、03H)、連続予告カウンタの値がゼロか否かを判断する(ステップS752)。連続予告カウンタの値がゼロの場合は(ステップS752=YES)、何もしないで連続予告演出処理を抜ける。
一方、連続予告カウンタの値がゼロでない場合は(ステップS752=NO)、稲妻連続予告演出実行となるので、ステップS753に進み、稲妻演出有り演出処理を実行する(ステップS753)。この稲妻演出有り演出処理では、ステップS718の処理で設定された連続予告演出シナリオに従い稲妻連続予告演出を実行する。たとえば連続予告演出シナリオが、落雷の強さレベルを表現した、強落雷の稲妻演出、中落雷の稲妻演出、弱落雷の稲妻演出を含む複数種類の稲妻演出のうちから、いずれか1つの稲妻演出を抽選により決定している連続予告演出シナリオの場合は、その連続予告演出シナリオにしたがって上記の決定した稲妻演出を現出させる。
この稲妻演出には、複数種の稲妻演出を区別して発生させることを可能にする上で使用される属性がある。稲妻の発生パターン、稲妻の強弱、稲妻の色要素(白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄色)などの稲妻表示態様は、稲妻画像を特徴付けるものであり、それぞれ稲妻を区別する上での特徴ある属性の一つとなる。どのような属性を持つ稲妻演出種を発生させるかは、ステップS718の処理で連続予告演出シナリオを設定するに際し、たとえば先読み変動パターンに関連付けられた「稲妻演出選択テーブル(図示せず)」を参照することで決定される。この稲妻演出選択テーブルには、「弱落雷<中落雷<強落雷」の関係で大当り当選期待度が高い傾向となるように、その稲妻演出種の選択率が定められている。
また背景先読み予告設定処理では、背景先読み予告演出の実行回数に連続カウンタの値と同数値を設定し(背景予告実行カウンタに連続カウンタの値を格納)、先読み動作ステータスを「00H」に切り替える。これにより、一の保留加算コマンドが受信されて背景先読み予告演出を実行すると決定された場合、先に生じた最も古い作動保留球が変動開始時において上記背景先読み予告設定処理が行われるが、次回以降の他の保留加算コマンドが受信されたときに、連続予告カウンタがゼロで、かつ先読み動作ステータスが「02H」になっていない限り、この背景先読み予告設定処理は行われない。すなわち、本実施形態では、先読み予告演出の対象となった作動保留球が消化しない限り新たな先読み予告演出は発生せず、重複した先読み予告演出の発生が禁止されるようになっている。
次いで、ステップS754に進み、今回の作動保留球の消化分として、連続予告カウンタから1減算し(ステップS754)、減算後の連続予告カウンタの値をチェックする(ステップS755)。連続予告カウンタの値がゼロでない場合(ステップS755:NO)は、連続予告が終了していないので、ステップS756の処理を行うことなく、この連続予告演出処理を抜ける。その後、所定個数の保留球が消化され、連続予告カウンタの値がゼロに至った場合は(ステップS755:YES)、ステップS756に進み、先読み動作ステータスを先読み予告演出が行われない「00H」に戻し(ステップS756)、この連続予告演出処理を抜ける。
この「変動開始時変化系」の連続予告演出は「連続予告カウンタ」のカウンタがゼロになるまで実行され、この「連続予告カウンタ」の値は図柄変動表示ゲームが1回行われる度に図26のS754の処理において1減算される。たとえば、先読み予告抽選当選保留が3個目の保留であった場合、図26の処理に入るときには、連続予告カウンタのカウンタ値が保留球数N=3個でセットされ、「N=3」となっている。この3個の保留記憶がすべて消化されるまで、連続予告が行われることになる。
しかし、連続予告演出が発生する契機となった保留記憶が、ゲーム実行中保留Kとして受座Mに載った当該図柄変動表示ゲームは、先読み予告演出の結果が現れるゲームであり、当該図柄変動表示ゲームにおいては、もはや先読み予告演出を現出する必要性に乏しい。したがって、次のような形態としてもよい。連続予告カウンタの値がN=3に至る1つ手前の「N−1目」まで、つまり保留3個目発生時における1個目と2個目の保留記憶までの図柄変動表示ゲームを、連続予告演出を行う対象とし、その保留1個目〜2個目の図柄変動表示ゲームにおいて稲妻演出を展開させる。そして、N個目の保留が消化される際(図5でゲーム実行中保留Kが受座Mに載った状態)には、連続予告演出処理(図26)を抜けてステップS743からステップS744、S745の処理に移行させ、先読み連続予告が発生しない通常の図柄変動表示ゲームの場合と同じ演出予告処理にて、変動パターンに対応する演出を発生させるようにする形態である。この形態の下では、保留1個目〜2個目が予告的な図柄変動表示ゲームとなり、保留3個目の図柄変動表示ゲームが保留色変化をもたらした保留記憶についての図柄変動表示ゲーム(本変動)となる。なお、この形態とする場合には、ステップS753の連続予告演出処理を終えた段階で、連続予告カウンタを1減算し(ステップS754)、その結果連続予告カウンタの値がNー1であった場合には(ステップS755=YES)、先読み動作ステータスを「00H」に戻すように構成する(ステップS756)。
(19−4.演出情報設定処理)
ステップS745の予告演出抽選処理を終えると、次いで、演出情報設定処理を行う(ステップS746)。この演出情報設定処理では、抑制カウンタをクリアし、ステップS744〜S745を経て決定された予告演出に関する演出情報を設定する。ここでは、後述のステップS747の演出シナリオ設定処理で演出シナリオを構築する際に必要となる演出情報(たとえば決定された予告演出の種類を特定可能とする情報)が設定される。
(19−5.演出シナリオ設定処理)
次いで、演出シナリオ設定処理を行う(ステップS747)。
ステップS747の演出シナリオ設定処理では、上記演出情報に基づいて、今回の装飾図柄変動表示ゲームにおいて現出させる演出の演出シナリオを構築する。各予告演出は、図柄変動表示ゲーム中における開始タイミングや、演出が現出される期間(演出時間幅)があらかじめ定められており、ステップS744〜S746を経て決定された予告演出と、今回の変動パターンの内容(変動時間、リーチ演出の有無、リーチ演出有りの場合はその種別、疑似連の有無、疑似連有りの場合はその疑似連回数など)とに基づいて、今回の装飾図柄変動表示ゲーム中に展開させる各種演出の演出シナリオが構築される。この演出シナリオのデータは、RAM243のシナリオ設定領域に格納される。
なお上記演出シナリオ設定処理では、作動保留球の保留表示に関する保留表示制御処理を含め、装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定処理も行う。上記保留表示制御処理では、装飾図柄変動演出を開始するに伴い、保留表示データn記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留表示データ記憶エリア(保留2表示データ記憶エリア、保留3表示データ記憶エリア、保留4表示データ記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留表示データ記憶エリアに上書きし、保留4表示データ記憶エリアに空き領域を設ける。空き領域となっている保留表示データ記憶エリアには保留表示用演出データが格納されていないため、この場合は、保留表示演出は行われずに該当表示箇所は消灯状態として表示される。これによりCPU241は、保留表示データ記憶エリア内に格納されている保留表示用演出データを参照して、現存する保留表示部の位置が全体として古い記憶位置側に1つシフトされる演出表示を行い、装飾図柄変動表示ゲーム開始時には作動保留球が消化された状態を表現した保留表示を行うようになっている。
ステップS747の演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜けて、以後、上記演出シナリオに基づく装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。
(19−6.可動体役物による予告演出:図40〜図42)
図40〜図42を参照して、本実施形態に係る予告演出を決定するための演出処理について説明する。ここでは、予告演出の一つとして、当りに当選した場合の可動体役物による予告演出を決定する演出処理を代表的に説明する。なお、ハズレの場合の予告演出を含む他の予告演出の決定する演出処理については、重複記載を避けるためにその詳細な説明は省略する。また、図40〜図42の役物移動演出抽選テーブルA〜Cは、16R確変大当り、10R確変大当、4R確変大当りの場合に対応しており、2R潜確大当りや小当りについては、その役物移動演出抽選テーブルを示していないが、存在しない訳ではない。説明の便宜上、これを省略しているに過ぎない。
図40は16R確変大当りにおける役物移動演出抽選テーブルAを、図41は10R確変大当りにおける役物移動演出抽選テーブルBを、図42は16R確変大当りにおける役物移動演出抽選テーブルCを示したものである。これらの役物移動演出抽選テーブルA〜Cのいずれか1つのテーブルが選択されることで、可動体役物による予告演出の基本演出パターンが決定されることになる。ここで「基本演出パターン」と称したのは、後述する図43〜図44の2階層的処理からなる役物動作態様抽選テーブルにおいて「詳細な演出パターン(今回の図柄変動表示ゲームにて現出させる演出パターン)」が決定されるためである。
役物移動演出抽選テーブルA〜Cのいずれかが選択されるケースとしては、通常遊技モード中に大当りに当選した結果、図34の通常中当り変動パターン振分テーブルが参照されて決定されるルートと、図35のCZ・潜確中当り変動パターン振分テーブルが参照されて決定されるルートと、ST前半、ST後半またはST最終のST遊技モード中に大当りに当選した結果、図36のST中当り変動パターン振分テーブルが参照されて決定されるルートとがある。いずれのルートの場合も、少なくとも変動パターン指定コマンドで得られた変動パターン情報(本実施形態の場合、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)で得られる情報に基づいて選択される。
(19−6−1.通常中に大当りした場合)
通常遊技モード中に大当りに当選した場合には、図34の通常中当り変動パターン振分テーブルを参照して変動パターン振分テーブルが決定される。この場合、通常状態中に当選した大当りが、最も利益が高い16R確変大当りであったときは、図34の通常中当り変動パターン振分テーブルにおいて、変動パターン振分テーブル「FB1」が選択され、また10R確変大当りまたは4R確変大当りであったときは両者に共通の変動パターンテーブル「FB2」が選択される。つまり相対的に少ない利益の大当りである場合は、共通の変動パターンテーブル「FB2」が選択される。このことは、相対的に利益が少ない10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合、「全く同じ」当り変動パターン種別のうちから、いずれか1つの当り変動パターンが選択されることを意味する。したがって、もし何も処理を施さないのであれば、10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合、「全く同じ」当り変動パターン種別のうちからいずれか1つの当り変動パターンを選択することから、予告演出の内容を決定する上で、10R確変大当りと4R確変大当りのどちらの大当りが当選したのかを推測することが不可能になる。
ここでは説明の便宜上、図34の通常中当り変動パターン振分テーブルにおいて選択された当り変動パターンが「通常中SPリーチA(変動パターン指定コマンド:A102H)」であるとすると、主制御部側からは、この変動パターン指定コマンド「A102H」と、装飾図柄指定コマンドによる当選種別情報とが送信される。演出制御部側では、この変動パターン指定コマンド「A102H」と、当選種別を指定する装飾図柄指定コマンドとにより、今回の変動パターンと当選種別を把握することになる。
ここで、今回の装飾図柄指定コマンドが「10R確変大当り」を指定する装飾図柄指定コマンド「B504HまたはB604H」であったとすると(図32参照)、演出制御部側では、今回の図柄変動表示ゲームでは「通常中SPリーチAかつ10R確変大当りである旨」を把握し、図41の役物移動演出抽選テーブルB(10R確変大当り)を参照して、対応する演出を選択する。同様に、今回の装飾図柄指定コマンドが「4R確変大当り」を指定する装飾図柄指定コマンド「B505HまたはB605H」であったとすると(図32参照)、演出制御部側では、今回の図柄変動表示ゲームでは「通常中SPリーチAかつ4R確変大当りである旨」を把握し、図42の役物移動演出抽選テーブルC(4R確変大当り)を参照して、対応する演出を選択する。このようにして、10R確変大当りと4R確変大当りとに共通の変動パターン振分テーブル「FB2」を利用して変動パターンを選択する場合であっても、「10R確変大当り」または「4R確変大当り」のいずれであるかによって、対応する別の役物移動演出抽選テーブルBまたはC(図41または図42)に振り分けられる。
つまり、主制御部側では当選種別が異なる場合であっても「共通の変動パターン振分テーブル(本例では、「FB2」)を利用して変動パターンを選択し、演出制御部側では、装飾図柄指定コマンドから把握される当選種別を含めて演出を選択するという構成になっている。このため、共通の変動パターン振分テーブル(本例では、「FB2」)を利用して変動パターンを選択しながらも、演出については、当選種別に応じた演出を現出できるという利点が得られる。よって主制御部側では、変動パターンを選択する際の制御負担が軽減されるという作用効果、つまり変動パターン振分テーブルが10R確変大当りと4R確変大当りとで兼用されるので、その分だけROMの容量を削減し得るという作用効果が得られる。さらに、共通の変動パターン振分テーブルを使用しながらも、10R確変大当りと4R確変大当りとで異なる演出を出現しうるので、演出のバリエーションを豊富にする途を阻害せずに、演出種別の豊富化を実現することができる、という作用効果も得られる。
(19−6−2.ST中に大当りした場合)
ST中に大当りに当選した場合には、図36のST中当り変動パターン振分テーブルを参照して変動パターン振分テーブルが決定される。
(19−6−2−1.ST前半中に大当りした場合)
ここで図36中のST前半に着目すると、ST前半では、16R確変大当りについて変動パターン振分テーブル「FB1」が選択され、また、10R確変大当、4R確変大当り、2R潜確大当り、小当りについて変動パターン振分テーブル「FB2」が選択される。
したがって、ST前半において10R確変大当または4R確変大当りに当選した場合は、共通の変動パターンテーブル「FB2」が選択される。この図36のST前半中に変動パターンテーブル「FB2」が選択される関係は、通常遊技中またはCZ・潜確中に、相対的に利益が少ない10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合と同じであり(図34、図35参照)、「全く同じ」当り変動パターン種別のうちから一の当り変動パターンが選択されることになる。もし何も処理を施さないのであれば、ST前半において大当りに当選した場合、10R確変大当りと4R確変大当りのどちらの大当りに当選したのかを推測することが不可能になる。
しかし、このST前半における不都合も、上記の通常中に10R確変大当りまたは4R確変大当りに当選した場合と同様にして解消される。すなわち、10R確変大当りと4R確変大当りの大当りにおいて共通の変動パターン種別「FB2」を利用して変動パターンを選択するが、演出制御部側では、装飾図柄指定コマンドが特別図柄1の場合の「B504HまたはB505H」のいずれかであるか、特別図柄2の場合の「B604HまたはB605H」のいずれであるか(図32参照)に基づき当選種別が把握されて、当選した大当りに応じて、図41〜図42の演出テーブルが選択され、当該当選した大当りに応じた演出が現出される。
このため、共通の変動パターン振分テーブル(本例では、「FB2」)を利用してST前半の変動パターンを選択しながらも、演出については、当選種別に応じた演出を現出できるという利点が得られる。よって主制御部側では、変動パターン振分テーブルが10R確変大当りと4R確変大当りとで兼用され、その分だけROMの容量を削減し得るという作用効果が得られる。さらに演出に関しては、共通の変動パターン振分テーブルを使用しながらも、10R確変大当りと4R確変大当りとで異なる演出を出現しうるので、演出のバリエーションを豊富にする途を阻害せずに、演出種別の豊富化を実現することができる、という作用効果も得られる。
なお、「16R確変大当り」に当選したときは、装飾図柄指定コマンド「B503HまたはB603H」を利用して図40の変動パターンテーブルAが選択され、当該当選した大当りに応じた演出が現出される。しかし、この「16R確変大当り」に当選した場合も、10R確変大当りと4R確変大当りと同じ共通の変動パターン種別「FB2」を利用して変動パターンを選択するように構成することもできる。
(19−6−2−2.ST後半中に大当りした場合)
また、ST後半に着目すると、ST後半では、16R確変大当り、10R確変大当、4R確変大当り、2R潜確大当りについて、変動パターン振分テーブル「FB4」が選択され、小当りについて変動パターン振分テーブル「FB9」が選択される。
ST後半において、16R確変大当り、10R確変大当、4R確変大当り、2R潜確大当りの各大当りに当選した場合、ST前半や通常遊技中において選択される変動パターンテーブル「FB2」とは異なる変動パターンテーブル「FB4」が選択される。このST後半で用いる変動パターンテーブル「FB4」は、ST後半用(70〜73回転目用)の独自の当り変動パターン(最終前あがきチャンス用の変動パターン)を選択し特定するものである。また、ST後半において「小当り」に当選した場合は、変動パターン振分テーブル「FB9」が選択される。ST後半において「FB9」が選択された場合は、ST前半や通常遊技中にて小当りに当選し「FB2」が選択された場合や、CZ・潜伏確変中や通常中にて小当りに当選し「FB3」が選択された場合と異なり、大当り時の変動パターンテーブル「FB4」とほぼ同じ時間幅を持つ変動パターン演出を経て円滑に次の図柄変動へ移行するようになっている。
上記のうち16R確変大当り、10R確変大当、4R確変大当りに当選した場合の役物移動演出抽選テーブルA〜Cとの関係については、既に通常中に大当りした場合において説明したのと同じである。すなわち、今回の装飾図柄指定コマンドが「10R確変大当り」を指定する装飾図柄指定コマンド「B504HまたはB604H」であったとすると(図32参照)、演出制御部側では、今回の図柄変動表示ゲームでは「通常中SPリーチAかつ10R確変大当りである旨」を把握し、図41の役物移動演出抽選テーブルB(10R確変大当り)を参照して、対応する演出を選択する。同様に、今回の装飾図柄指定コマンドが「4R確変大当り」を指定する装飾図柄指定コマンド「B505HまたはB605H」であったとすると(図32参照)、演出制御部側では、今回の図柄変動表示ゲームでは「通常中SPリーチAかつ4R確変大当りである旨」を把握し、図42の役物移動演出抽選テーブルC(4R確変大当り)を参照して、対応する演出を選択する。なお、2R潜確大当りや小当りに当選した場合も同様であり、これについては説明を割愛する。
(19−6−2−3.ST最終中に大当りした場合)
また、ST最終に着目すると、ST最終では、「16R確変大当り」、「10R確変大当と4R確変大当り」、「2R潜確大当り」、「小当り」について、それぞれ別の変動パターン振分テーブル「FB6」、「FB7」、「FB9」、「FB10」が選択される。これらの変動パターン振分テーブルのうち、「16R確変大当り」時に用いられる「FB6」、「10R確変大当と4R確変大当り」時に用いられる「FB7」、「2R潜確大当り」時に用いられる「FB9」、「小当り」時に用いられる「FB10」は、ST最終用(74回転目用)の独自の当り変動パターン(最終あがきチャンス用の変動パターン)を選択し特定するものである。
これらのうち、小当り時に用いられる「FB10」の場合を除き、つまり16R確変大当り時に用いられる「FB6」、10R確変大当と4R確変大当り時に用いられる「FB7」、2R潜確大当り時に用いられる「FB9」については、最終あがきチャンス用の変動パターンとしては、(i)リザルト表示画面を現出させることなくファイナルチャンス成功演出を現出させる変動パターン(finalチャンス成功演出)と、(ii)ガゼのリザルト表示画面を現出させてから復活演出を経てファイナルチャンス成功演出を現出させる変動パターン(R表示ガセ+再抽選)とがある。この2種類の最終あがきチャンス用の変動パターンを持つ変動パターン振分テーブル「FB6」、「FB7」、「FB9」においては、復活演出を経てファイナルチャンス成功演出を現出させる演出シナリオが選択された場合、復活演出を経ずにファイナルチャンス成功演出を現出させる演出シナリオが選択された場合に比べ、当該図柄変動が「16R確変大当り」である場合が多くなるように変動パターンが振り分けられている(図36参照)。また、ST最終において「小当り」に当選した場合は、ST最終においてハズレに当選した場合と同じ変動パターン振分テーブル「FH10」が選択される。この変動パターン振分テーブル「FH10」は、ST最終用(74回転目用)の独自のハズレ変動パターン(最終あがきチャンス用の変動パターン)を選択し特定するものである。そして、ST最終において「小当り」の変動パターン「FH10」は、ハズレ用の変動パターン振分テーブル「FH10」と同じになっている。
上記のうち16R確変大当り、10R確変大当、4R確変大当りに当選した場合の役物移動演出抽選テーブルA〜Cとの関係については、既に通常中に大当りした場合において説明したのと同じである。すなわち、今回の装飾図柄指定コマンドが「10R確変大当り」を指定する装飾図柄指定コマンド「B504HまたはB604H」であったとすると(図32参照)、演出制御部側では、今回の図柄変動表示ゲームでは「通常中SPリーチAかつ10R確変大当りである旨」を把握し、図41の役物移動演出抽選テーブルB(10R確変大当り)を参照して、対応する演出を選択する。同様に、今回の装飾図柄指定コマンドが「4R確変大当り」を指定する装飾図柄指定コマンド「B505HまたはB605H」であったとすると(図32参照)、演出制御部側では、今回の図柄変動表示ゲームでは「通常中SPリーチAかつ4R確変大当りである旨」を把握し、図42の役物移動演出抽選テーブルC(4R確変大当り)を参照して、対応する演出を選択する。なお、2R潜確大当りや小当りに当選した場合も同様の動作となるが、これについては説明を割愛する。
(19−6−3.可動体役物の動作態様(第1層):図43)
上記図40〜図42で決定される演出パターンは、基本演出パターン(役物移動演出の発生タイミングの大区分)である。その詳細な演出パターン(役物移動演出の発生タイミングの詳細区分)は、図43〜図44の演出抽選テーブルを経て決定される。ここでは、図43〜図44の演出抽選テーブルにより、役物移動演出態様として、役物移動演出の具体的な発生タイミングだけでなく、役物移動演出に係る可動体役物の動作態様と、その具体的な発生タイミングとが決定されるようになっている。
具体的には、図40〜図42で決定される演出パターンは、基本演出パターンを決定するための処理(第1階層処理)、図43〜図44は、その詳細な演出パターンを決定するための処理(本実施形態では、詳細な演出パターンを決定する第2階層処理(図43)と第3階層処理(図44)の2層)といった階層構造を有して第1階層から順番に実行される階層的な処理を利用し、1または複数種類の演出用乱数値(たとえば、第1階層用の第1の演出用乱数、第2階層用の第2の演出用乱数、第3階層用の第3の演出用乱数など)利用して、役物移動演出に係る可動体役物の動作態様(図43)と具体的な発生タイミング(図44)とを判定することにより、最終的な演出パターン(今回の図柄変動表示ゲームにて現出すべき可動体役物の演出パターン)が決定されるようになっている。
図43は、第2の可動体役物(花型役物)90を構成する2つの可動体の動作、つまり第1可動体91(花心A1の周りに花冠A2を配したもの)と第2可動体92(萼B1および茎部B2を左右方向に移動可能にしたもの)の動作の組合せ(可動体組合せ動作態様)について示したものである(図2参照)。図43の可動体組合せ動作態様種別において、図示の「上」は、液晶画面を臨み上方に位置する第1可動体91(花心A1と花冠A2)が単独で動作(落下移動)する動作態様を示す。
また図示の「右」は液晶画面を臨み右側に位置する第2可動体92(萼B1と茎部B2)が単独で動作(液晶画面中央に近寄る方向に突出移動)するという動作態様を示す。
また「上→右」は第1可動体91(花心A1と花冠A2)が先に動作(茎部B2に沿って落下移動)し、次いで第2可動体92(萼B1と茎部B2)が動作(第1可動体91の花心A1と花冠A2と一体的に液晶画面中央側に突出移動)するという動作態様を示す。
また「右→上」は第2可動体92(萼B1と茎部B2)が先に動作(液晶画面中央側に突出移動)し、次いで第1可動体91(花心A1と花冠A2)が動作(茎部B2に沿って落下移動)するという動作態様を示す。
そして「両方」は第1可動体91(花心A1と花冠A2)の動作(茎部B2に沿って落下移動)と第2可動体92(萼B1と茎部B2)の動作(液晶画面中央側に突出移動)する動作とが同時に起きるという動作態様を示す。
上記の可動体組合せ態様種別のうち、「上」「右」「上→右」「右→上」は演出タイミング種別が「リーチタイトル中」と「SPリーチ中」のいずれにおいても抽選対象とされ、図43のテーブルに示す所定の当選割合で生起する。
「リーチタイトル中」は、「上」の可動体単独動作の選択率(発生率)が50%で最も高く、次いで「右」の可動体単独動作の選択率が40%、「上→右」と「右→上」の可動体複合動作の選択率が5%と順に少なくなっている。すなわち、「上」、「右」、「上→右」または「右→上」の順に発生割合が少なくなる。また可動体の単独動作と複合動作との比較では、「上」「右」の可動体単独動作よりも「上→右」「右→上」の可動体複合動作の方が選択率が少なくなっている。また、「右」と「上」の可動体が単独動作する場合の比較では、「右」の可動体が単独動作する場合よりも「上」の可動体が単独動作する場合の方が、選択率が高くなっている。
これに対し「SPリーチ中」の場合、つまりSPリーチが出現した際に役物動作演出が発生する割合としては、「右→上」の可動体複合動作の選択率が50%で最も高く、次いで「上→右」の可動体複合動作の選択率が30%、「上」「右」の可動体単独動作の選択率が10%となっている。すなわち、「右→上」、「上→右」、「右」(または「上」)の順に選択率が少なくなっている。また可動体の単独動作と複合動作との比較では、「上」「右」の可動体単独動作の選択率よりも「上→右」「右→上」の可動体複合動作の方が選択率が高くなっている。また「上→右」と「右→上」の可動体が複合動作する場合の比較では、「上→右」の可動体単独動作よりも「右→上」の可動体単独動作の方が発生割合が高くなっている。
したがって、出現タイミングとして先行するリーチタイトル中よりも、出現タイミングとして後行するSPリーチ中において可動体役物が作動することの方が、より当選期待度を高めるものとすると、図43の例では、「上→右」と「右→上」の可動体複合動作の選択率については、リーチタイトル中よりもSPリーチ中において発生する可能性の方が高いので、時期的に遅いタイミングで「上→右」または「右→上」の可動体複合動作が現出した場合、これによって当り当選期待度が高まることになる。
一方、可動体組合せ動作態様種別の「両方」の可動体複合動作については、「図柄仮停止後」における選択率が100%となっていることから分かるように、「図柄仮停止後」においてのみ抽選されるものとされる。このように図43の役物動作態様抽選テーブルが参照されて、第1可動体91と第2可動体92との可動体組合せ態様種別(図40〜図42で決定された基本演出パターンに係る可動体演出の発生タイミングの詳細区分)を定める。
(19−6−4.可動体役物の動作タイミング(第2層):図44)
図44は、第2の可動体役物90を構成する第1可動体91および第2可動体92の可動体組合せ動作態様種別が図43で定まったとき、リーチタイトル発生後、SPリーチ発生後、図柄仮停止後のそれぞれの時点から経過したいかなるタイミング時点で動作させるか、つまり何秒後に動作させるのかについて、その抽選テーブルを示したものである。
この役物動作タイミング種別として、この例では、図44に示すように、1秒後〜10秒後まで、1秒ごとに区分けした計10種類の動作態様種別が定められている。これらの1秒後〜10秒後までの区分のうち、いずれかの一の区分が選択され、選択された動作タイミングにて可動体1および/または可動体2が作動する。いかなる区分が抽選対象とされるかは、演出進行度合(役物動作タイミング種別)が、「リーチタイトル中」「SPリーチ中」「図柄仮停止後」のいずれにあるかによって異なる。「リーチタイトル中」では1秒後〜4秒後の各段階(経過時間区分)が抽選対象とされ、これらの動作タイミングにおいて、第2の可動体役物90の可動体1および/または可動体2が、図43の動作態様にて作動する可能性がある。また「SPリーチ中」では2秒後〜10秒後の各段階(経過時間区分)が抽選対象とされ、これらの動作タイミングにおいて第2の可動体役物90の可動体1および/または可動体2が、図43の動作態様にて作動する可能性がある。また、「図柄仮停止後」では1秒後〜3秒後の各段階(経過時間区分)が抽選対象とされ、これらの1秒後〜3秒後という図柄仮停止後の短時間の動作タイミングにおいて、第2の可動体役物90の可動体1および/または可動体2が、図43の動作態様にて作動する可能性がある。
上記のように本実施形態では、複数の可動体を扱う場合、(i)その複数の可動体のうち、いずれの側が単独動作する形態、(ii)複数の可動体が複合動作する場合に、そのどちらか一方が先に動作して他方が後から動作する形態、(iii)複数の可動体が同時に動作する形態、といった可動体動作の組合せについて「動作態様種別」を定める(第1階層処理:図43)。そして、それらの動作態様種別と図柄変動表示ゲーム中の発生タイミングとの関係においては、図柄変動表示ゲーム中のリーチ演出や図柄仮停止後などの所定のタイミングから、いかなる経過時点で可動体役物を作動させるのかの動作タイミングを定める(第2階層処理:図44)。このため、一の動作態様種別に対し可動体役物の動作タイミングが定まっている場合に比べ、演出種別やそれら演出の出現率のバリエーションを豊富にして、演出の自由度が増し、奥深い演出を行わせることができるようになる。
なお本実施形態では、第1階層において「基本演出パターン」が決定され、第2階層以降において、その具体的内容である「詳細な演出パターン」が決定されるといった「複数階層的な処理」であるが、次のような構成とすることもできる。たとえば、第1階層において大区分としての「基本演出パターン」を決定し、第2階層において、図43の可動体役物の動作態様種別の上位的な演出パターン種別(たとえば、図43の「左」と「右」とを同系統の演出パターン種別として纏めた‘第1基礎演出パターン’種別や、「左→右」種別と「右→左」種別とを同系統の変動パターン種別として纏めた‘第2基礎演出パターン’種別などが該当する)を決定し、第3階層においては、その上位的な演出パターン種別に含まれる演出パターン種別(たとえば、「第1基礎演出パターン」種別であれば「右」と「左」の別)を決定し、第4階層において、上記第3階層で決定された演出種別に係る可動体役物の動作タイミングである‘詳細な演出パターン’を決定するといった階層処理を採用することができる。このような階層的な処理は、演出パターンの種類を豊富なものとする場合において、1種類の変動パターン用乱数だけで決定すると演出処理が複雑化してしまう場合など演出処理の制御負担が増す場合に有効である。また、一の動作態様種別に対し可動体役物の動作タイミングが定まる場合に比べ、演出の種類やそれら演出の出現率のバリエーションを豊富にして、演出の自由度が増し、奥深い演出を行わせることができる点でも好適である。
以上では、図40〜図42示す当り時の予告演出の一つとして、可動体役物による予告演出を決定する演出処理について代表的に説明したが、光演出や音演出や画像表示演出などの他の予告演出についても同様の演出処理を行うように構成することができる。また、ハズレ時の予告演出を決定する場合も同様の演出処理を行うように構成することができる。また以上では当り時に係る演出抽選テーブルについて説明したが、勿論、ハズレの場合も同じく、ハズレ時に係る演出抽選テーブルにより、ハズレの場合に対応した演出動作が実現できるようになっている。
<20:ST中の演出設定処理:図45>
図45は、ST中の演出設定処理の一例として、あがき演出に、押しボタンを用いた遊技者参加型演出を取り入れた実施形態を示したものである。
<20−1.ST1〜69回転目(ST前半)>
図45のフローにおいて、まずST1〜69回転目(ST前半)であるか否かを判断する(ステップS901)。ST前半の場合は、ついで「当り」であるか否か、つまり「16R確変、10R確変、4R確変の大当り」または「潜伏確変」または「小当り」に当選しているか否かを判断する(ステップS902)。これらの当り種別のいずれかに当選している場合は(ステップS902:YES)、ST前半当り用の演出内容を選択する(ステップS903)。つまり、図30の変動パターンA14、A15、A16を受信している場合は、ST前半中リーチA、B、Cに対応する演出を、「変動パターンA17」を受信している場合は「ST前半中2R潜伏・小当り」に対応する演出を選択する。
図36に示すように、ST前半で「16R確変」に当選した場合は変動パターン振分テーブルFB1が使用されて、ST前半中リーチA、B、Cの変動パターンが送られて来る。ST前半で「10R確変、4R確変、2R潜確、小当り」のいずれかに当選した場合は、これらに共通の変動パターン振分テーブルFB2が使用されて、ST前半中リーチA、B、Cの変動パターンまたは「ST前半中2R潜伏・小当り」の変動パターンが送られて来る。
次いで、当り時の演出ボタン予告抽選を行う(ステップS904)。ステップS904の演出ボタン予告抽選は、当り用の演出において、遊技者参加型演出として演出ボタンを使用させるか否か、および使用させる場合に予告演出ボタンの種別をいずれにするか、について決定する処理である。この演出ボタン予告抽選に当選し、演出ボタンを使用することおよびその演出ボタン種別が決定されたときは、該当する演出ボタン種別の演出ボタン画像が液晶画面内に表示され、その操作を遊技者に促すことになる。この当りのときの演出ボタン操作結果は、「16R確変、10R確変、4R確変の大当り」または「潜伏確変」に当選していることに基づく場合は、所定の当り用の「操作成功演出」が現出される。しかし「小当り」に当選していることに基づく場合は、基本的には何も変化がないか「操作失敗の演出」が現出される。
一方、ST1〜69回転目(ST前半)において「ハズレ」に当選した場合は(ステップS902=NO)、ST前半ハズレ用の演出内容を選択する(ステップS905)。つまり、図31の「変動パターンH16」を受信した場合は「ST前半中通常変動2秒」の演出を、「変動パターンH17」を受信した場合は「ST前半中通常変動8秒」の演出を選択する。
この「ST前半中通常変動2秒」の変動パターンは、図39のST中ハズレ変動パターン振分テーブルに示すように、右打ちを続けて、特図2の入賞がなされている限り、つまり作動保留球数の数値が1〜3を維持している場合、100%の割合で選択される(図39のST前半、特図2、ハズレA、保留球数1〜3の欄を参照)。したがってST前半中は図柄変動が高速に消化されて行く。しかし作動保留球数がゼロになった場合や特図1に入賞があった場合には、「ST前半中通常変動8秒」が100%の割合で選択され、比較的時間尺の長い演出が現出するようになっている。
次いで、ハズレ時の演出ボタン予告抽選を行う(ステップS906)。ステップS906の演出ボタン予告抽選は、ハズレ用の演出において、遊技者参加型演出の演出ボタンを使用させるか否か、および使用させる場合に予告演出ボタンの種別をいずれにするかについて決定する処理である。この演出ボタン予告抽選に当選し、演出ボタンを使用することおよびその演出ボタン種別が決定されたときは、該当する演出ボタン種別の演出ボタン画像が液晶画面内に表示され、その操作を遊技者に促すことになる。このハズレのときの演出ボタン操作結果は基本的には何も変化がないか「操作失敗の演出」が現出される。
(T−9.演出ボタン予告抽選テーブル:図49)
図49は、ステップS904および後述するステップS906、S914、S916、S924、S926で参照する演出ボタン予告抽選テーブルを示したものである。この演出ボタン予告抽選テーブル上で選択される演出ボタンの種別としては、「通常ボタン13A」、「爽快ボタン70」、「回転灯ボタン66(ラッキーパト)」の3種類が用意されている。「通常ボタン13A」は可動体73が通常静止中にある場合に操作が有効となるボタン、「爽快ボタン70」は可動体73がローリング動作中にある場合に操作が有効となるボタン、「回転灯ボタン66(ラッキーパト)」は可動体73が回転灯待機中にある場合に操作が有効となるボタンである(図2参照)。
図49の演出ボタンテーブルの設定例では、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」のいずれかの当り時であるときは、各ボタンの抽選率が、通常ボタン5%、爽快ボタン15%、ラッキーパトボタン80%の当選割合となっており、この抽選割合でいずれかの該当演出ボタンが選択され、これを使用したボタン予告演出が実行される。しかし「2R潜確」または「小当り」の当選時であるときは、各ボタンの抽選率が、通常ボタン80%、爽快ボタン20%、ラッキーパトボタン0%の当選割合となっており、ラッキーパトボタンは抽選対象とされない。また「ハズレ」の当選時であるときも同様に、各ボタンの抽選率が、通常ボタン90%、爽快ボタン10%、ラッキーパトボタン0%の当選割合となっており、ラッキーパトボタンは抽選対象とされない。したがってラッキーパトボタンの操作を促す演出ボタン画像が液晶画面に出現し、かつ、これに従ってラッキーパトボタンを操作した結果、ラッキーパトボタンが作動(当り確定音を伴ってまたは伴わずに回転灯62が点灯回転)したときは、当りの種別として、出玉の有る16R、10R、または4Rの長開放確変大当りに当選したことが確定する。
<20−2.ST70〜73回転目(ST後半)>
図45のフローにおいて、ステップS901の判断がNOの場合、ステップS911に進み、ST70〜73回転目(ST後半)であるか否かの判断を行う。ST70〜73回転目(ST後半)である場合(ステップS911:YES)、次いで「当り」であるか否か、つまり「大当たりまたは潜伏確変または小当り」に当選したか否かを判断する(ステップS912)。
(20−2−1.当りの場合)
「大当たりまたは潜伏確変または小当り」に当選している場合は(ステップS912:YES)、ST後半当り用の演出内容を選択する(ステップS913)。つまり、受信した変動パターンが、図30の「変動パターンA18」ならば「ST後半中SPリーチ(あがき成功)」の演出を、「変動パターンA19」ならば「ST後半中2R潜伏(あがき成功)」の演出を、「変動パターンA20」ならば「ST後半中小当り(あがき失敗)」の演出を選択する。
本実施形態では、ST後半(70〜73回目)とST最終(74回目)の計5回を、すべて「あがきチャンス」が与えられる期間であるとしている。ここで「あがきチャンス」とは、ST期間の現変動回数目(残り変動回数4回〜0回)から初期変動回数目(残り変動回数74回)へと巻き戻す、つまり現在滞留している「現ST回目」を「初期ST回目」へ巻き戻すチャンスの意味である。さらに本実施形態では、この計5回の「あがきチャンス」を2つのグループに分け、ST後半(70〜73回目)に係るものを「最終前あがきチャンス」と称し、最後の1回つまりST最終(74回目)に係るものを「最終あがきチャンス(ファイナルチャンス:FC)」と称して区別している。これはST後半(70〜73回目)とST最終(74回目)とで、取り扱う変動パターンの時間尺を異ならせ、各グループでそれぞれ独自の演出を現出させることができるようにするためである。したがって、取り扱う変動パターンの時間尺が同じでよいのであれば、ST前半1〜69回、ST後半70〜74回の2つに分けるに止めておくこともできる。
図30中において、「変動パターンA18」の指定内容として「ST後半中SPリーチ(あがき成功)」とあるのは、「変動パターンA18」を受信したときのST後半中SPリーチの図柄変動において、巻き戻し(ST更新)チャンスを報知する「あがきチャンス演出」が発生し、この演出中において図柄が揃い、ST回目の巻き戻し(ST更新)に成功することを意味する。
また図30中において、「変動パターンA19」の指定内容として「ST後半中2R潜伏(あがき成功)」とあるのは、「変動パターンA19」を受信したときのST後半中2R潜伏の図柄変動において、巻き戻し(ST更新)チャンスを報知する「あがきチャンス演出」が発生し、この演出中において図柄が揃い、ST回目の巻き戻し(ST更新)に成功することを意味する。
また図30中において、「変動パターンA20」の指定内容として「ST後半中小当り(あがき失敗)」とあるのは、「変動パターンA20」を受信したときのST後半中小当りの図柄変動において、巻き戻し(ST更新)チャンスを報知する「あがきチャンス演出」が発生し、この演出中において図柄が揃わず、ST回目の巻き戻し(ST更新)に失敗することを意味する。小当りの場合にST回目の巻き戻しに失敗することとしているのは、ST70〜73回転目(ST後半)において小当りに当選した場合は現在の確変状態が継続されるだけである、という小当りの性格に基づく。
ここでは、ST後半(70〜73回目)に係る「最終前あがきチャンス」における「あがき成功」と「あがき失敗」について述べているが、この「あがき成功」と「あがき失敗」の内容は、ST最終(74回目)に係る「最終あがきチャンス(ファイナルチャンス)」における「あがき成功」と「あがき失敗」についても当て嵌まる。
「あがきチャンス演出」の具体例は、たとえば図54(a)に示すように、井戸の入口が蓋で覆われるか否かの演出であって、確変大当りに当選していない状況下では、計5回の「あがきチャンス」の各回毎に1段階づつ蓋が閉まって行き、あがきチャンスの最終回(ST最終の74回目)で井戸の開口が完全に蓋で閉鎖される画像演出(最終の井戸演出:ファイナルチャンス)が現出し、その後に、図54(b)に示すように「リザルト画面(リザルト演出)」が現出する、という演出態様である。確変大当りに当選することなく、井戸の蓋が閉じる過程が1段階進み、閉鎖面積が増加してしまう、という演出が「あがき失敗」であり、確変大当りに当選して井戸の蓋が閉じる進行が止まり、図柄が揃って停止する演出が「あがき成功」である。
「あがき失敗」は、計5回の「あがきチャンス」の各々において、確変大当りに当選しなかったことを報知する演出、換言すれば小当りかまたはハズレであったことを報知する演出として現出する。ST後半(70〜73回目)の「最終前あがきチャンス」における「あがき失敗演出」では、井戸の蓋が閉じる過程が1段階進み、井戸の入口を蓋が覆う閉鎖面積が1段増す、という演出態様が現出する。またST最終(74回目)の「最終あがきチャンス(ファイナルチャンス)」における「あがき失敗演出」では、井戸の蓋が完全に閉じる最終段階の過程が現出し、次いで、本物の「リザルト画面」(図50)が発生して最終結果が報知される、という2つの演出態様が現出する。リザルト画面にて遊技者に報知される情報は、当り遊技の遊技状態が確変状態に上がってから通常状態に戻るまでの一連続のST期間中に、確変大当りが何回連荘したかについての「連荘回数」、当該ST期間中に獲得した出玉球数の合計である「総出玉球数」、リザルト画面の発生後も右打ちを続けるべきことを促す「右打ち指示」などである。リザルト画面はあがきチャンスの結果が判明した後の段階で出現するという性格を持つものであり、この段階になっても、リザルト画面中で右打ち指示を続ける理由は、保留玉を最大の4個まで溜めさせるために、右打ちが有利である旨を報知するものである。
次いで、演出ボタン予告抽選を行い(ステップS914)、ST70〜73回転目(ST後半)のあがきチャンス演出において、遊技者参加型演出の演出ボタンを使用させるか否か、および使用させる場合の演出ボタンの種別を決定する。
図49を参照して、当り種別が16R確変、10R確変、4R確変のいずれかの大当りである場合は、通常ボタン5%、爽快ボタン15%、ラッキーパトボタン80%の割合で演出ボタン種別が選択され、その選択された演出ボタン種別のボタン画像が、液晶画面に表示中の「あがき演出」の画像内に現出し、当該ボタンの操作をすべきことを遊技者に促す。通常ボタン、爽快ボタン、ラッキーパトボタンのうち、液晶画面に表示された演出ボタン画像に対応する演出ボタンを操作すると、当該演出ボタン種別に対応する演出が、大当り種別に応じた態様にて現出されることになる。
当該演出ボタン種別に対応する演出として、操作有効とされかつ操作されたのが「通常ボタン13A」であるときは、画像表示手段(液晶表示装置36)や、装飾ランプ45および各種LEDなどの光演出装置や、可動体役物80、90が、演出を現出させる演出手段(第1演出手段)として利用される。また、操作有効とされかつ操作されるのが「爽快ボタン70」であるときは、可動体73が高速回転する動きとこれを照明する光とを現出させる演出手段(第2演出手段)の働きが、上記第1演出手段に加わることになる。また、操作有効とされかつ操作されるのが「ラッキーパトボタン(回転灯ボタン66)」であるときは、回転灯62の点灯回転と音とを現出させる演出手段(第3演出手段)が、上記第1演出手段に加わることになる。この関係は、ステップS904、S906、S914、S916、S924、S926においても、同じである。
また、上記ステップS914の演出ボタン予告抽選において、当り種別が「2R潜確大当り」または「小当り」である場合は、図49を参照して、通常ボタン80%、爽快ボタン20%の割合で通常ボタン13Aまたは爽快ボタン70が選択される。ラッキーパトボタン(回転灯ボタン66)は抽選対象とされない。したがって、もしも、ラッキーパトボタンの操作を促す演出ボタン画像(回転灯ボタン66の画像)が出現し、かつ、これに従ってラッキーパトボタンを操作した結果、ラッキーパトボタンが作動し、回転灯62が当り確定音を伴ってまたは伴わずに点灯回転したとすると、これによって、出玉の有る16R確変、10R確変、または4R確変の長開放大当りに当選したことが確定する。つまり、回転灯62が当り確定音を伴ってまたは伴わずに点灯回転すれば、遊技者は、そのことから、長開放確変大当りに当選したと判断することができる。回転灯62の作動すなわち「長開放確変大当り確定」、というルールが定まることになる。
ステップS914の演出ボタン予告抽選により「通常ボタン、爽快ボタン、ラッキーパトボタン」のうちから選択された当該演出ボタンに対応するボタン画像(ここでは当該演出ボタンと同じ形状と模様を持つボタン画像)が、巻き戻しチャンス演出を実行している液晶画面内の任意の場所に表示される。このボタン画像に対応する当該演出ボタンを遊技者が押圧操作すると、抽選率0%の場合でない限り、当否抽選の結果に応じた演出が現出する。たとえば、16R確変、10R確変、4R確変の長開放大当りのいずれかに当選している場合、当該演出ボタンを遊技者が押圧操作することで、第1演出手段、第2演出手段、第3演出手段により、あがき成功を報知する演出が実行される。
また、2R潜確大当りまたは小当りに当選している場合は、「通常ボタンまたは爽快ボタン」のうちから選択された当該演出ボタンに対応するボタン画像が、巻き戻しチャンス演出を実行している液晶画面内の任意の場所に表示される。このボタン画像に対応する当該演出ボタンを遊技者が押圧操作すると、当否抽選の結果に応じた演出が現出する。たとえば、2R潜確大当りに当選している場合に、当該演出ボタンを遊技者が押圧操作することで、第1演出手段、第2演出手段により「あがき成功」を報知する演出が実行される。また、小当りに当選している場合に、当該演出ボタンを遊技者が押圧操作することで、「あがき失敗」を報知する演出が実行される。これは、第1演出手段や第2演出手段による「あがき成功」の演出を現出させないようにするか、またはそれとは異なる演出を現出させることで行う。
(20−2−2.ハズレの場合)
ST70〜73回転目(ST後半)において、ステップS912における判断がNOの場合、つまり「ハズレ」に当選している場合は(ステップS912:NO)、ステップS915に進み、ST後半ハズレ用の演出内容を選択する。つまり、図31の「変動パターンH18」を受信した場合は「ST後半中リーチ(あがき失敗)」の演出を、「変動パターンH19」を受信した場合は「ST後半中特殊通常変動(あがき失敗)」の演出を選択する。
この「ST後半中リーチ(あがき失敗)」と「ST後半中特殊通常変動(あがき失敗)」の変動パターンは、図39のハズレ変動パターン振分テーブルに示すように、右打ちにより特図2の入賞が続いている限り、作動保留球数の値1〜3またはゼロのいずれの場合でも、「ST後半中リーチ(あがき失敗)」が5%、「ST後半中特殊通常変動(あがき失敗)」が95%の割合で選択される。この割合は、特図1の入賞があった場合も同じである。これらにおいては共通に変動パターン振分テーブルFH9が使われる。
<20−3.ST74回転目(ST最終)>
図45のフローにおいて、ST前半でもST後半でもない場合(ステップS901:NO、ステップS911:NO)は、ST74回転目(ST最終)であることが判明する。そこで、このST74回転目(ST最終)が「当り」であるか否かを判断する(ステップS922)。
(20−3−1.当りの場合)
ST74回転目(ST最終)が「当り」に当選しているとき、つまり「大当り」または「小当り」に当選しているときは(ステップS922:YES)、ST最終当り用の演出内容を選択する(ステップS923)。
具体的には、図30の「変動パターンA21」を受信している場合は「ST最終中SPリーチ1(ファイナルチャンス成功)」の演出を、また「変動パターンA22」を受信している場合は「ST最終中SPリーチ2(リザルト表示ガセ+再抽選)」の演出を、また「変動パターンA23」を受信している場合は「ST最終中2R潜確(ファイナルチャンス成功)」の演出を、また「変動パターンA24」を受信している場合は「ST最終中2R潜確(リザルト表示ガセ+再抽選)」の演出を、そして「変動パターンA25」を受信している場合は「ST最終中小当り(R表示本物)」の演出を、それぞれ選択する。
「大当り」のうち「16R確変、10R確変、4R確変」に当選している場合は、「ST最終中SPリーチ1(ファイナルチャンス成功)」(図55参照)または「ST最終中SPリーチ2(リザルト表示ガセ+再抽選)」(図56参照)のどちらかが選択的に現出するようになっている。
ここで一方の「ST最終中SPリーチ1(ファイナルチャンス成功)」(図55参照)とは、計5回の「あがきチャンス」のうちの最終回目の「最終あがきチャンス(ファイナルチャンス)」であるST最終中SPリーチ1において、「あがきチャンス演出(巻き戻しチャンス演出)」が発生し、図柄が揃って「あがき成功」となる場合を意味する。すなわち、図55に示すように、あがき演出の基本である井戸演出(図55(a))が現出し、この演出中に表示された押しボタン画像に対応する押しボタンを操作することで、図柄の再抽選が行われ(図55(c))、図柄が揃って大当りが確定し(図55(d))、「あがき成功」となる演出シナリオである。
他方の「ST最終中SPリーチ2(リザルト表示ガセ+再抽選)」(図56参照)とは、計5回の「あがきチャンス」のうちの最終回目の「最終あがきチャンス(ファイナルチャンス)」であるST最終中SPリーチ2の図柄変動において、一旦ST(確変状態)が終了したことを連想させる「リザルト表示画面」(図50参照)が現出し、その後に、再抽選演出が発生して大当り表示がなされる場合を意味する。すなわち、図56に示すように、あがき演出の基本である井戸演出(図56(a))が現出し、その後に「リザルト表示画面」(図56(b))が現出したことで遊技者にハズレ(ST期間終了)と思わせるが、このとき図柄(特別図柄および装飾図柄)は変動停止しておらず、単に同じ位置にて揺れ動いているだけか、または仮停止しているだけ、つまりリザルト表示画面は「ガセ」であって、その後に、この揺れているまたは仮停止している図柄が「再変動」をし(図56(c))、当該図柄または抽選で定まる新たな図柄にて図柄が停止して揃う(図56(d))、という演出シナリオである。
また「2R潜確大当り」に当選している場合も、「ST最終中2R潜確(ファイナルチャンス成功)」(図55参照)または「ST最終中2R潜確(リザルト表示ガセ+再抽選)」(図56参照)のどちらかが選択的に現出するようになっている。ここで一方の「ST最終中2R潜確(ファイナルチャンス成功)」の演出シナリオは、「ST最終中SPリーチ1(ファイナルチャンス成功)」の場合と同じであり、図55に示すように、「あがきチャンス演出」として、あがき演出の基本である井戸演出(図55(a))が現出し、この演出中に表示された押しボタン画像に対応する押しボタンを操作することで、図柄の再抽選が行われ(図55(c))、図柄が揃って大当りが確定し(図55(d))、あがき成功となる。他方の「ST最終中2R潜確(リザルト表示ガセ+再抽選)」の演出シナリオは、「ST最終中SPリーチ2(リザルト表示ガセ+再抽選)」の場合と同じであり、図56に示すように、あがき演出の基本である井戸演出(図56(a))が現出し、その後に「リザルト表示画面」(図56(b))が現出したことで遊技者にハズレ(ST期間終了)と思わせるが、このとき図柄(特別図柄および装飾図柄)は変動停止しておらず、単に同じ位置にて揺れ動いているだけか、または仮停止しているだけ、つまりリザルト表示画面は「ガセ」であって、その後に、この揺れているまたは仮停止している図柄が「再変動」をし(図56(c))、当該図柄または抽選で定まる新たな図柄にて図柄が停止して揃う(図56(d))、というものである。
次に、「小当り」に当選している場合には、「ST最終中小当り(R表示本物)」の演出(図54参照)が現出するようになっている。この「ST最終中小当り(R表示本物)」とは、計5回の「あがきチャンス」のうちの最終回目の「最終あがきチャンス(ファイナルチャンス)」であるST最終中小当りの図柄変動において、ST(確変状態)が終了したことが確定する本物の「リザルト表示画面」(図50参照)が現出し、ハズレを示す図柄の組合せで図柄が確定停止する場合を意味する。すなわち、図54に示すように、あがき演出の基本である井戸演出(図54(a))が現出し、その後に「リザルト表示画面」(図54(b))が現出し、当りでない組合せで図柄が確定停止したことで、ハズレ(ST期間終了)が確定する、という演出シナリオである。
次いでステップS924に進み、図49の演出ボタン予告抽選テーブルを参照して演出ボタン予告抽選を行い、遊技者参加型演出として演出ボタンを使用させるかおよび使用させる場合の演出ボタンの種別をいずれにするかについて決定する。
(20−3−2.ハズレの場合)
ST74回転目(ST最終)が「ハズレ」に当選しているときは(ステップS922:NO)、ST最終ハズレ用の演出内容を選択する(ステップS925)。つまり、図31の「変動パターンH20」を受信した場合は「ST最終中SPリーチ(FC失敗+R表示本物)」の演出(図54参照)を選択する。ここで「ST最終中SPリーチ(FC失敗+R表示本物)」とは、「ST最終中SPリーチ(ファイナルチャンス失敗+リザルト表示本物)」の略称である。この「ST最終中SPリーチ(FC失敗+R表示本物)」の演出シナリオは、「ST最終中小当り(R表示本物)」の場合と同じであり、図54に示すように、あがき演出の基本である井戸演出(図54(a))が現出し、その後に「リザルト表示画面」(図54(b))が現出し、当りでない組合せで図柄が確定停止したことで、ハズレ(ST期間終了)が確定する、というものである。図39に示すように、この「ST最終中SPリーチ(FC失敗+R表示本物)」は、特図2または特図1のいずれの入賞があった場合でも、また作動保留球数の値が0〜3のいずれの場合でも、ST最終の図柄変動がハズレであれば、100%の割合で選択される。このとき変動パターン振分テーブルには共通に変動パターン振分テーブルFH10が使われる。
次いでステップS926に進み、図49の演出ボタン予告抽選テーブルを参照して演出ボタン予告抽選を行い、遊技者参加型演出の演出ボタンを使用させるかおよび使用させる場合の演出ボタンの種別をいずれにするかについて決定する。
上記のように、ST最終変動が「当り」および「ハズレ」のいずれの場合にも、いずれも図49の演出ボタン予告抽選テーブルを参照して演出ボタン予告抽選を行い、遊技者参加型演出として演出ボタンを使用させるか、および使用させる場合の演出ボタンの種別をいずれにするかについて決定する。
図49の演出ボタン予告抽選テーブルにおいて、ST最終変動が、16R確変、10R放確変、4R確変のいずれかの長開放確変大当りである場合は、通常ボタン、爽快ボタン、ラッキーパトボタンが5%、80%、15%の割合で選択され、当該演出ボタンを使用したボタン予告演出が実行される。また、2R短開放潜伏確変大当りまたは小当りである場合は、通常ボタン、爽快ボタン、ラッキーパトボタンが80%、20%、0%の割合で選択され、これを使用したボタン予告演出が実行される。またハズレである場合は、通常ボタン、爽快ボタン、ラッキーパトボタンが90%、10%、0%の割合で選択され、これを使用したボタン予告演出が実行される。したがって、「2R短開放潜伏確変大当りまたは小当り」の場合または「ハズレ」の場合には、ラッキーパトボタンは選択されない。
ST最終変動において、演出ボタン予告抽選に当選し、当該図柄変動中のあがき演出(井戸演出:図56(a))において現出した演出ボタン予告の画像が、「ラッキーパトボタン」であったときは、ST最終変動が、16R確変、10R放確変、4R確変のいずれかの長開放確変大当りであることが確定する。このとき、現出しているあがき演出(井戸演出)が、ファイナルチャンス成功系(変動パターンA21、A23)に属するものであれば、図柄が当りの組合せの図柄に揃って大当りが確定報知され、現在滞留している「現ST回目(現変動回数目)」は、次回の図柄変動において、「初期ST回目(初期変動回数目)」へと巻き戻されることになる。つまり「残り変動回数0回」から「残り変動回数74回」への巻き戻しが発生する。
またST最終変動において、演出ボタン予告抽選に当選し、当該図柄変動中のあがき演出(井戸演出:図54(a)または図56(a))において現出した演出ボタン予告の画像が、「ラッキーパトボタン以外」であったとき、つまり「通常ボタン」または「爽快ボタン」であったときは、当りまたはハズレのいずれの可能性もあることになる。したがって、「当り」および「ハズレ」のいずれであるかの点や、当りであるとすると16R確変、10R放確変、4R確変のいずれかの大当りであるかの点や、または潜伏確変または小当りであるかの点が不明のままとなり、その決着は、あがき演出(井戸演出)のその後の展開に委ねられることになる。
ここで遊技者は、現出した演出ボタン予告画像に対応する「通常ボタン」または「爽快ボタン」を押圧操作することになるが、押圧操作したとき「確変当りである旨の演出」が現出し、当り図柄の組合せで図柄が確定停止すれば(ファイナルチャンス成功:図55(d))、「16R確変、10R確変、4R確変」のいずれかに当選したことになる。このケースは、「ファイナルチャンス成功系(変動パターンA21、A23)」に属する変動であったことになる。
また、現出した演出ボタン予告画像に対応する「通常ボタン」または「爽快ボタン」を押圧操作したとき、「確変当りである旨の演出」が現出しなかった、つまり演出上の変化がないか、またはハズレまたは小当りに対応する演出が現出した場合であって、このとき図柄がハズレの組合せで確定停止(ファイナルチャンス失敗:図54(a)のボタン操作で変化なし)してしまったときは、演出の続きとして「リザルト画面(本物)」(図54(b))が現出する。これによりST期間(確変状態)の終了を告げる。このケースは、「ファイナルチャンス失敗+リザルト表示本物経由系(変動パターンH20またはA25)」に属する変動であったことになる。
しかし、現出した演出ボタン予告画像に対応する「通常ボタン」または「爽快ボタン」を押圧操作したとき、「確変当りである旨の演出」が現出しなかった場合であっても、図柄が揺を続けていたり仮停止しているだけのときがある(図56(a))。このように図柄が確定停止していないときは、当該あがき演出(井戸演出)が更に発展して、確変当りすることが期待できる。ここでは、発展後の演出として、まず「リザルト画面(ガセ)」が現出し(図56(b))、次いで「再抽選(図柄の再変動)演出」が現出し(図56(c))、図柄が揃って「ファイナルチャンス成功」となる(図56(d))。したがって、次回変動で初期ST回目(残り変動回数74回)へと巻き戻しが起こることが確定する。このケースは、「ファイナルチャンス失敗+リザルト表示ガセ経由+再抽選系(変動パターンA22、A24)」に属する変動であったことになる。
<21.あがきチャンス中の演出:図47>
図47の表は、図柄変動回数70〜74回目(ST後半とST最終のあがきチャンス中)で、当選する可能性のある「当選種別(ハズレ、小当り、大当り)」と、実行する「あがきチャンス演出」との関係を、図36および図39から抜き出して整理したものである。また、図48は、この図47のハズレ、小当り、大当りの各当選種別について主制御部側で管理する変動秒数を示したものである。この図48の例では、ハズレ、小当り、大当りの図柄変動で、それぞれST70〜74回転目の変動秒数が同一となっている。すなわち「ハズレ」の変動秒数についてはST70〜74回転目が同じ「25000ms」に設定され、また「小当り」の変動秒数についてはST70〜74回転目が同じ「25000ms」に設定され、「大当り」の変動秒数についてはST70〜74回転目が同じ「32000ms」が設定される。
図47の当選種別「ハズレ」の欄を参照して、図柄変動回数70〜73回目(最終前あがきチャンス)の抽選結果が「ハズレ」である場合には、それぞれ「あがきチャンス失敗」の演出が現出される。「あがきチャンス失敗」の演出は、たとえば(i)押しボタンを操作するように促すメッセージとして、通常ボタン13Aや、回転灯ボタン66(ラッキーパト)や、爽快ボタン70(ローリングボタン)が液晶画面内に表示されようとする「ぼんやりとした輪郭」が、薄い半透明の二重輪郭画像やモザイク画像などで現れるが、くっきりとした輪郭画像(たとえば二重輪郭画像が完全に重なってくっきりと一重に表示される)に変化するまでには至らず、最終的に画面から消え去ってしまうような表示態様の演出や、(ii)押しボタンを操作することを促すメッセージとして、通常ボタン13Aや、回転灯ボタン66(ラッキーパト)や、爽快ボタン70(ローリングボタン)のボタン画像が表示されたが、該当する押しボタンの操作をしても何も変化が起こらないか、失敗を告げるような画像が現れるような表示態様の演出などであり、そのどちらになるかは抽選で決定される。
また図柄変動回数74回目(最終あがきチャンス)の抽選結果が「ハズレ」である場合には、「最終あがきチャンス(finalチャンス)失敗」の演出が現出された後、「リザルト表示画面」(本物)が現出して、最終あがきチャンスに失敗したことを告げる。
図47の当選種別「小当り」の欄を参照して、図柄変動回数70〜73回目(最終前あがきチャンス)の抽選結果が「小当り」である場合は、それぞれ「あがきチャンス失敗」の演出が現出された後、さらに「回転数巻き戻し」の演出が発生するが、この回転数巻き戻し演出でも巻き戻し失敗に終わる。「回転数巻き戻し」の演出は、時間の経過と共にストーリが進展する動画が「巻き戻し画像」として現出するものであり、巻き戻し失敗の場合は、ストーリの結末が失敗に終わることで示される。また図柄変動回数74回目(最終あがきチャンス)の抽選結果が「小当り」であった場合には、「最終あがきチャンス(finalチャンス)失敗」の演出が現出された後、「リザルト表示画面」(本物:小当り)が現出して、最終あがきチャンスに失敗したことを告げる。
図47の当選種別「大当り」の欄を参照して、図柄変動回数70〜73回目(最終前あがきチャンス)の抽選結果が「2R潜確大当り」であった場合には、それぞれ「あがきチャンス成功」の演出が現出し、その後に「回転数巻き戻し成功」の演出が現出される。「あがきチャンス成功」の演出は、たとえば(i)押しボタンを操作するように促すメッセージとして、通常ボタン13Aや、回転灯ボタン66(ラッキーパト)や、爽快ボタン70(ローリングボタン)が液晶画面内に表示されようとする薄い二重輪郭画像が現れるが、輪郭が完全に重なってくっきりと表示されるに至り、遊技者が該当する押しボタンの操作をすることで「成功」の文字が画像表示される態様の演出である。「あがきチャンス成功」の演出が現出された後、さらに「回転数巻き戻し成功」の演出が発生するが、この「回転数巻き戻し成功」の演出は、時間の経過と共にストーリが進展する動画が「巻き戻し画像」として現出し、ストーリの結末が成功に終わることで「回転数巻き戻し成功」が示される。
この「2R潜確大当り」について述べた関係は、図柄変動回数70〜73回目(最終前あがきチャンス)の抽選結果が「4R確変大当り」「10R確変大当り」「16R確変大当り」であった場合も同じであり、それぞれ「あがきチャンス成功」の演出が現出し、その後に「回転数巻き戻し成功」の演出が現出される。
また図柄変動回数74回目(最終あがきチャンス)の抽選結果が「2R潜確大当り」であった場合には、「最終あがきチャンス(finalチャンス)失敗:ガセ」の演出が現出し、その後「リザルト表示画面(ガセ)」が現出することで、一旦はST(確変状態)期間の終了を匂わせるが、再抽選が行われ、復活演出に次いで図柄揃いする演出が発生し、最終あがきチャンスに成功したことを告げる。
この「2R潜確大当り」について述べた関係は、図柄変動回数74回目(最終あがきチャンス)の抽選結果が「4R確変大当り」「10R確変大当り」「16R確変大当り」であった場合も同じであり、「最終あがきチャンス(finalチャンス)失敗:ガセ」の演出が現出し、その後「リザルト表示画面(ガセ)」が現出することで、一旦はST(確変状態)期間の終了を匂わせるが、再抽選が行われ、復活演出に次いで図柄揃いする演出が発生し、最終あがきチャンスに成功したことを告げる。
図48に示すように、上記のST最終の図柄変動においては、その変動時間が、「ハズレ」と「小当り」については同じ「25000ms」に設定され、大当りの場合には再抽選にかかる時間が付加されるので「32000ms」に設定される。そして、「ハズレ」、「小当り」、「16R、10R、4R確変大当り」のすべてに対し、それらのリザルト表示画面の表示期間長さが共通の同じ時間尺(4秒)に設定される。
(21−1.リザルト表示画面の働き:図50)
リザルト表示画面は、今回の図柄変動表示ゲーム(ファイナルチャンス)までに得た連荘回数や総獲得球数などの遊技結果を告知する。図50のリザルト表示画面の例では、最終結果のタイトル表示361、連荘回数(大当り総回数)表示362、総獲得球数表示363、装飾図柄表示364、右打ち指示情報表示365などが表示される。
本実施形態の場合、リザルト表示画面に表示する項目の内容(遊技結果情報)は、ST状態(確変状態)の開始から当該ST状態(確変状態)が終了する直前まで、つまり最終変動N回目の1つ前の変動回目までの間(以下、「ST終了前までの期間」と略す。)で生起した事象を集計対象とするものである。したがって、このST終了前までの期間(集計期間)中に生じた大当り総回数(連荘回数)や、そのST終了前までの期間中に獲得した遊技球数(総獲得球数)などが、遊技結果情報としてリザルト表示画面に表示される。なお「連荘回数(大当り総回数)」については、当り遊技中の獲得球数が期待できない「2R潜確大当り」の当り回数は、連荘回数から除いた回数が表示させることができる。たとえば、初当りが16R確変大当りであり、その後のST中に10R確変大当りに当選し、その後のST中に2R潜確大当りが当選し、その後、何ら大当りに当選することなく、今回のST期間が終了した場合、リザルト表示画面に表示される「連荘回数」は、2R潜確大当りの当選回数1回を除く「連荘回数‘2回’」を表示させることができる。また「総獲得球数」については、正確には所定の計算式の下で算定されるものであり、獲得したと推定される遊技球数の総計(推定獲得球数)が表示される。この推定獲得球数は、たとえば、大入賞口(賞球数15個とする)に入賞するごとに、獲得球数として、賞球数15個を加算していき、これを遊技者が獲得した推定獲得球数とすることができる。または、大入賞口に入賞するごとに、純増個数として14個(賞球数15個−入賞球1個)を加算していき、これをこれを遊技者が獲得した推定獲得球数とすることができる。
留意すべきは、今回の図柄変動表示ゲームが大当り(ファイナルチャンス成功)である場合も、リザルト表示画面において表示する内容は、最終変動N回目(N回目:ここでは74回目)中において実行される最終変動での停止結果(図柄揃いや大当り遊技)を反映しない、という点である。最終変動の停止結果が大当りの図柄揃いである場合でも、連荘回数の1加算をせず、また、その大当り中に獲得するであろう遊技球数なども加算しない。つまり、これらの最終変動の停止結果については「リザルト表示画面」に表示する遊技結果情報として扱わない。このように本実施形態におけるリザルト表示画面は、最終変動N回目を含まないST終了前までの期間について、そのST状態(確変状態)中に当選した大当り総回数(本実施形態の場合、初当り+ST中の大当り当選回数)や当り遊技により獲得した遊技球数(推定獲得球数)などを遊技結果情報として表示する点で、一般的なリザルト表示画面の場合と異なり、いわゆる「ガセのリザルト表示画面」として働く。
具体的には、初回のST中に大当り(確変大当り)に当選することなくST状態(確変状態)が最終変動N回目(N回目:74回目)に突入した場合、つまり最終変動N回目が大当りでなければ(大当りが初当りだけの単発で終了してしまう場合)、当該最終変動N回目の図柄変動が開始してから停止する前までの所定区間において、つまり図柄変動が停止する前のタイミングにおいて、リザルト表示画面が表示される。このリザルト表示画面には、ST最終のゲーム結果がどのようなものであるかに関係なく、その最終変動N回目(N回目)の直前回目(N−1回目:73回目)までを集計期間とし、その集計期間のST状態中で生起した事象について、連荘回数や総獲得球数などの遊技結果情報が表示される。
また、「大当り2連荘以上」の場合、つまり、初当り後のST中に大当りが発生してST状態が2回以上更新された場合において、その更新後のST中に大当りに当選することなくST状態(確変状態)が最終変動N回目(N回目:74回目)に突入した場合には、当該最終変動N回目の図柄変動が開始してから停止する前までの所定の区間において、つまり図柄変動が停止する前のタイミングにおいて、リザルト表示画面が表示される。そして、このリザルト表示画面も、ST最終のゲーム結果がどのようなものであるかに関係なく、その最終変動N回目(N回目)の直前回目(N−1回目:73回目)までを集計期間とする複数回のST状態中で生起した事象について、連荘回数や総獲得球数などの遊技結果情報が表示される。
上記のように、本リザルト表示画面は最終変動N回目で現出するが、その現出タイミングは、最終変動(最終変動N回目における図柄変動)が停止する前の段階であり、本リザルト表示画面に表示される内容は、当該最終変動の前の変動までで生起した遊技結果を反映したものとなり、当該最終変動の遊技結果までは「リザルト表示画面」に反映されない。つまり、当該最終変動の結果が、ハズレ、小当り、大当りなどのいずれの場合でも、そのような遊技結果はすべて無視される。
このため、最終変動において、ハズレ、小当り、4R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、2R潜確大当りといった複数の遊技結果が生起する場合でも、その遊技結果に全く左右されることなく、それらの当選種別の一部または全部の当選種別間で、ST終了時のリザルト表示画面の表示期間長さを共通の秒数のもの(共通の同じ時間尺)に設定することが可能となる。たとえば、ハズレ、小当り、大当り(4R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、2R潜伏確変大当り)といった複数の当選種別を扱う場合には、これら当選種別間で、次のように共通化することができる。
(i)ハズレ、小当り、および大当り(4R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、および2R潜確大当りの1または2以上)の全部の間で、リザルト表示画面の表示期間長さを共通の4秒に設定する、
(ii)少なくともハズレと小当りの間でリザルト表示画面の表示期間長さを共通の4秒に設定する、
(iii)少なくともハズレと大当り(4R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、および2R潜確大当りの1または2以上)の間で、リザルト表示画面の表示期間長さを共通の4秒に設定する、
(iv)少なくとも小当りと大当り(4R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、および2R潜確大当りの1または2以上)の間でリザルト表示画面の表示期間長さを共通の4秒に設定する。
(v)また、ハズレが複数種類(たとえば、ハズレA、B)、小当りが複数種類(たとえば、小当りA、B)、大当りが複数種類ある場合(たとえば、4R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、および2R潜確大当り以外にも他の大当り種別を設けた場合)、上記と同様に、これらの全部または一部の当選種別間で、ST終了時のリザルト表示画面の表示期間長さを共通の4秒に設定することができる。
また本リザルト表示画面の内容は、ST最終の図柄変動の遊技結果を反映したものでないので、当該最終変動の変動パターンが「大当り」であることが判明している場合に、ST(74回)が更新されるケースの1つとして、「リザルト表示画面(ガセ)を現出させた後に図柄の再抽選が行われ、復活演出により図柄が揃う」という演出シナリオを加えても、矛盾を生じない。このようにガセのリザルト表示画面を扱った場合、遊技者に対する心理的な作用効果として、ガセのリザルト表示画面が現出したことで一旦は「ST状態が終わってしまった」と信じ込ませ、そのガセのリザルト表示画面の現出後に大当り確定画面が出現する、という非常に大きなインパクトを与えるサプライズ遊技を構築することができる。
(21−2.リザルト表示画面の表示期間の共通化:図51〜図53)
図51は、上記図47のあがきチャンス演出が発生する図柄変動表示ゲームのうち、ST最終のリザルト表示画面が表示される場合だけを抽出して示した、という関係になっている。ただし、図47ではST最終(74回転目)において、finalチャンスを経てからリザルト表示画面が現出するとしているので、ここでの図51は「最初からリザルト表示画面が開始するケース」ではなく、その変形例である「時刻taまで演出があるケース」を示している、ものとして説明する。また図52〜図53も、同じく「時刻taまで演出があるケース」について、図51とは異なる表示態様例を示した関係になっているものとして説明する。
(21−2−1.共通化例1〜2:図51〜図52)
図51において、(a)は図47の「ハズレ」の欄における74回転目のケースに対応しており、「最終あがきチャンス(finalチャンス)失敗」の演出が現出された後、時刻taで「リザルト表示画面」(本物)が現出して、最終あがきチャンスに失敗したことを告げた後、時刻t2でリザルト表示画面から通常画面に切り替わり、時刻t3で図柄変動が停止する。このハズレの場合の変動時間は、図48に示すように、25000msであり、後述する小当りの場合の変動時間25000msと同じに設定される。
この変動時間のうち、時刻ta〜t2で「リザルト表示画面」(本物)が現出している時間長さは4秒であり、後述する小当りの場合および大当りの場合と共通の同じ時間尺に設定されている。変動開始(時刻t0)から変動終了(時刻t3)までの期間にわたり、液晶画面を通じて遊技者に報知される情報には、装飾図柄が画面内に留まってわずかに揺れている「図柄揺れ」や、右打ちを矢印画像で促す「右打ち指示情報」がある。このうち「図柄揺れ」は、リザルト表示画面が表示されている期間中の途中である時刻t1から、リザルト表示画面内の表示項目の一つとして表示(装飾図柄表示364)され、また、「右打ち指示情報」はリザルト表示画面が表示されている期間中を通して、リザルト表示画面内の表示項目の一つとして表示(右打ち指示情報表示365)される(図50参照)。
図51において、(b)は図47の「小当り」の欄における74回転目のケースに対応しており、「最終あがきチャンス(finalチャンス)失敗」の演出が現出された後、時刻taで「リザルト表示画面」(本物)が現出して、最終あがきチャンスに失敗したことを告げた後、時刻t2でリザルト表示画面から通常画面に切り替わり、時刻t3で図柄変動が停止する。この小当りの場合の変動時間は、図48に示すように、25000msであり、ハズレの場合の変動時間25000msと同じに設定される。
この変動時間のうち、時刻ta〜t2で「リザルト表示画面」(本物)が現出している時間長さは4秒であり、ハズレの場合および大当りの場合と共通の同じ時間尺に設定されている。変動開始(時刻t0)から変動終了(時刻t3)までの期間にわたり、液晶画面を通じて遊技者に報知される「図柄揺れ」や「右打ち指示情報」のうち、「図柄揺れ」は、リザルト表示画面が表示期間中の途中(時刻t1)からリザルト表示画面内の表示項目の一つとして表示(装飾図柄表示364)され、また「右打ち指示情報」はリザルト表示画面が表示されている期間中を通して、リザルト表示画面内の表示項目の一つとして表示(右打ち指示情報表示365)される(図50参照)。この間系は(a)のハズレの場合と同じである。
しかし「ハズレ」の場合と異なり、「小当り」の場合は、大入賞口50(アタッカーAT)の2Rの短開放動作があるので、このAT短開放動作が時刻t4まで続く。通常画面には既に移行しているので、この2Rの短開放動作は通常画面移行後にひっそりと行われる。したがって、単なるハズレであったのか、または小当りであったのかは、遊技者に察知されにくい仕様となる。また「右打ち指示情報」は変動終了後も表示され続け、大入賞口50(アタッカーAT)の2Rの短開放動作が終了するまで続く。特図2の保留球数が最大に溜まるまで右打ちするように遊技者に促すためである。
図51において、(c)は図47の「大当り」の2R潜確、4R確変、10R確変、16R確変の各欄における74回転目のケースに対応している。すなわち、時刻t0で「最終あがきチャンス(finalチャンス)失敗」の演出が現出された後、時刻taで「リザルト表示画面」(ガセ)が現出して、最終あがきチャンスに失敗したことを告げる。その後、時刻t2でリザルト表示画面から図柄再抽選による復活演出画面に切り替わる。そして時刻t2〜t5まで続く復活演出において図柄揃いする。その後、時刻t5にて大当り確定画面が現出して図柄が確定し、時刻t6で図柄変動が終了する。この大当りの場合の変動時間は、図48に示すように、32000msであり、ハズレや小当りの場合の変動時間25000msより長くなる。
この大当りの場合の変動時間25000msのうち、時刻ta〜t2で「リザルト表示画面」(ガセ)が現出している時間長さは4秒であり、ハズレの場合および小当りの場合と共通の同じ時間尺に設定されている。「図柄揺れ」は、リザルト表示画面が表示期間中の途中(時刻t1)からリザルト表示画面内の表示項目の一つとして表示(装飾図柄表示364)され、再抽選が開始される時刻t2で表示されなくなる形となる。変動開始(時刻t0)から変動終了(時刻t6)までの期間にわたり、液晶画面を通じて遊技者に報知される「右打ち指示情報」は、リザルト表示画面が表示されている期間中は、リザルト表示画面内の表示項目の一つとして表示(右打ち指示情報表示365)される(図50参照)。
図52の(a)(b)(c)は、上記図51の例と同じく、図柄変動表示ゲームでの当選種別が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」となるケースにおいて、その「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の三者の全てについて、リザルト表示画面の表示期間長さ(時刻ta〜t2)を同じ時間尺の値(4秒)に設定し、共通化した場合を例示している。図51と異なるのは、図52の(c)の当選種別が「大当り」の場合に、リザルト表示画面(ガセ)が現出した後(時刻ta〜t2)、一旦通常画面に戻ってから(時刻t2〜t3)、再抽選による復活演出が発生して遊技図柄が揃い(時刻t3〜t5)、確定画面が現出し(時刻t5)、図柄変動終了となる(時刻t6)、という点である。
このように図51、図52の共通化例では、リザルト表示画面には、当該図柄変動表示ゲームより1つ前のST期間までの遊技結果を反映させるに止め、当該図柄変動表示ゲームの遊技結果までは反映させないとの前提の下で、大当りの場合においても「リザルト表示画面」(ガセ)を現出させることとし、ハズレ、小当り、大当りの場合の「リザルト表示画面」の表示時間長さを共通の同じ時間尺「4秒」に定めた。このため「リザルト表示画面」の演出制御が簡略化される。すなわち、リザルト表示画面の表示期間長さ(時間尺)をいかなる値にするかについて考える際、当該図柄変動表示ゲームでの当選種別が、大入賞口が未開放の「ハズレ」や、2R短開放の「潜確大当りまたは小当り」や、長開放の「16R、10R、4R確変大当り」等のいずれであるかについて考慮する必要がない。よって場合によっては、これらの判断処理を省略することができる。また図51(c)や図52(c)において「リザルト表示画面」(ガセ)を現出させるのは、必ず当該図柄変動表示ゲームの遊技結果が当りとなるケースの下で行うので、「リザルト表示画面を表示することに躊躇する」ということもない。よって、当該図柄変動表示ゲームでの当選種別を考慮せずに、同じ時間尺のリザルト表示画面を表示する画一的な処理をするだけで足りるからである。これにより、演出制御負担を軽減することができる。
また、上記した図51や図52の例では、「リザルト表示画面」の表示時間長さを共通の同じ時間尺「4秒」に定める対象を、ハズレ、小当り、大当りのケースとした。換言すれば、「リザルト表示画面」の表示時間長さを同じ時間尺に共通化するに際し、その共通化するグループ中に、大当りのケースを含ませた。このようにしておくと、「リザルト表示画面」が現出した場合でも、必ずしもST終了が確定する訳ではなく、大当りしている可能性が残っていることから、「リザルト表示画面」が現出しても遊技者を完全にがっかりさせない、という効果が得られる。また大当りの種類には、4R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、2R潜確大当りなどがあり、これらの1または2以上と、小当りまたはハズレのケースとの間において、「リザルト表示画面」の表示時間長さを共通の同じ時間尺に設定すれば、「リザルト表示画面」が現出しても、小当りまたはハズレでないケースの可能性が想定され、STが継続するかも知れないと言う緊張感を遊技者に与え続けることができる。このように複数の当選種別間の全部または一部において、ST終了時のリザルト表示画面の表示期間長さを共通化するだけでなく、リザルト表示画面の開始および終了タイミングを共通化することで、ST最終の図柄変動表示ゲームの遊技結果が遊技者側に察知されない、またはされ難くすることができる。したがって大当りの場合であってもハズレであるかのように装うことができるので、大当りの可能性を残して、遊技者の当選期待感を煽ることができる。
(21−2−2.共通化例3:図53)
図53は、ST最終での当選種別が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」である場合のうち、「ハズレ」と「小当り」の二者について、リザルト表示画面の表示期間長さ(時刻t0〜t3)を同じ時間尺の値(5秒)に設定した共通化例を示している。図51と図52の共通化例では、当選種別が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」のいずれのときでも、時刻taから共通の一定時間(4秒)が経過した時点t2で、リザルト表示画面の表示を終了し、通常画面に切り替えた。
しかし、この図53の共通化例では、「ハズレ」と「小当り」について、リザルト表示画面の表示期間長さを同一の時間尺とする際し、その表示期間長さを図51と図52の場合よりも長くしている。すなわち図53の場合、時刻t2に至ってもリザルト表示画面の表示を続行し、図柄変動終了となる時刻t3にてリザルト表示画面の表示を止めるている。したがって、図53の場合は、リザルト表示画面の表示期間長さの時間尺が、変動終了時まで継続する長い値になっている点で、図51、図52の場合と異なる。なお「大当り」の場合のリザルト表示画面(ガセ)の表示、復活演出からの図柄揃い、確定画面の出現という演出進行形態は、図51の場合と同じである。
この図53の共通化例3による作用効果は、図51〜図52の共通化例1〜2の場合と同じであり、当該図柄変動表示ゲームでの当選種別を考慮せずに、同じ時間尺のリザルト表示画面を表示する画一的な処理をするだけで足りるため、「リザルト表示画面」の演出制御が簡略化される。
<実施形態2>
上記実施形態の場合、ST最終において大当りしたときのリザルト表示画面における表示内容は、遊技結果情報が当該図柄変動表示ゲームにおける遊技結果を反映していない構成にした。しかし「実施形態2」として、ST最終において大当りしたときのリザルト表示画面における遊技結果情報に、当該ST最終(74回目:残りゼロ回目)が当り抽選に当選していることを反映させる構成とすることもできる。
具体的には、ST最終において大当りしたときのリザルト表示画面には、遊技結果情報として「連荘回数」と「獲得球数」が表示されるが、このうち「連荘回数」をたとえば「+1」増加させた値を、リザルト表示画面内にて表示する構成とする。連荘回数は連チャン回数として、多くの遊技者が意識している情報であり、連荘回数に関心を持つ遊技者であれば、最終変動のゲーム結果がハズレであれば連荘回数の増加は生じないはずであると認識している。そこでST最終のリザルト表示画面において連荘回数が「+1」増加していれば、遊技者はこの事象の発生にすぐに気づき、大きな違和感を与えることができる。端的には、リザルト表示画面における遊技結果情報の「法則崩れ」が発生している訳であり、遊技者は、復活演出などの大当り報知が発生する前のリザルト表示画面が現出している段階ではあるが、その遊技結果情報が報知された時点でST最終の遊技結果が「当確(大当り当選確定)」であると確信することができる。特に、ST終了回数目となるST最終においてリザルト表示画面が表示されると、ST終了がほぼ確定的となり遊技者は絶望感が漂っているので、このような状況下における上記「法則崩れ」の発生は、遊技者にとり非常にインパクトが大きい演出となる。また斯様な「法則崩れ」が発生として、「獲得球数」については、たとえば、連荘回数からはあり得ない獲得球数値をリザルト表示画面内にて表示する構成とする。その一例としては、通常、最大出球が得られる16R確変動大当り遊技で獲得球数が概ね2000発程度が限界である場合、連荘回数が2回で獲得球数が「7777発」という異常な値を表示したり、連荘回数が1回(初当りだけで終了した場合)で獲得球数が「10000発」という異常な値を表示したりするケースである。またST中に獲得球数を表示可能に構成している場合には、リザルト表示画面表示直前まで表示されていた獲得球数を、所定値分増加させた値を表示させ、遊技者に違和感を与えるような構成としても良い。その一例として、リザルト表示画面表示前には、たとえば「現在の獲得球数1000魂(1000発の意)GET」と表示されていたものを、リザルト表示画面表示時には1000発増加(+1000魂)させた「計2000魂」を表示するケースである。
また、ST最終において大当りしたときは、今回、リザルト表示画面に表示予定の獲得球数(現在の獲得球数)に対して、当選した大当り種別に対応した所定の獲得球数を加算した値(予定獲得球数)をリザルト表示画面内に表示させる構成とすることもできる。たとえば、16R、10R、4R確変大当り、2R潜確大当りの場合、それぞれ、2000発、1250発、500発、250発を現在の獲得球数に加算した値を表示することができる。また、当選した大当り種別によらず、特定の値(たとえば、1000発)を加算してもよい。遊技者は、この獲得球数の増加から、当該ST最終のゲームが大当りしているものであることを察知することができる。
図58は、上記の法則崩れが「図柄揃い」により発生している例を示したものである。この例では、図58(a)でファイナルチャンス失敗の演出が現出し、このときは、リザルト表示画面内で表示される装飾図柄は、不揃いの「121」(ハズレの組合せ)で揺動している。続いて同図(b)でリザルト表示画面(ガセ)が表示されるが、このリザルト表示画面内で表示される装飾図柄は、大当りの組合せ「111」の図柄揃いに変わっており、既に大当り確定の「図柄揃い」になっていて、大当りであることを報知している状態にある。すなわち、リザルト表示画面内で表示されている連荘数と獲得球数は前回大当りまでの値であって、違和感はないが、既に図柄揃いしている、という矛盾が発生している。この後、同図(c)で再抽選(復活演出)が行われ、同図(d)で最終的に大当りの図柄確定が画像表示されるが、その前のリザルト表示画面の現出時に、当確であることが分かるものである。
上記の法則崩れとしてリザルト表示画面に表示させる、大当り抽選結果の先読み的な「連荘回数の増加」や「獲得球数の増加(異常値の表示)」や「図柄揃い」については、これらを単独に実行してもよいし、2以上の組合せとして実行してもよい。
(変形例1)
上記実施形態では、リザルト表示画面を表示するか否かを抽選(リザルト表示抽選)により決定し、その抽選に当選した場合に限って、リザルト表示画面を表示する構成にした(図47)。しかし、このリザルト表示画面は、大当り抽選の結果が当りであるかハズレであるかに拘わらず、ST最終用演出で必ず表示されるように構成しても良い。
(変形例2)
上記実施形態では、ハズレ、小当り、大当りの図柄変動に関し、それぞれST70〜74回転目のときの変動秒数を同一に設定した(図48)。すなわち「ハズレ」の変動秒数についてはST70〜74回転目で同じ「25000ms」に、「小当り」の変動秒数についてはST70〜74回転目で同じ「25000ms」に、「大当り」の変動秒数についてはST70〜74回転目で同じ「32000ms」に設定した。しかし、使用する変動パターン選択テーブルを異なるものにして、ST70〜74回転目のうち、最終変動のST74回転目の変動秒数だけが、他のST70〜73回転目の変動秒数と異なるように設定する、たとえば最終変動のST74回転目の変動秒数をST70〜73回転目の変動秒数より長くなるように設定することもできる。
(変形例3)
上記実施形態では、当選種別として、「ハズレ」、「小当り」、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」を有する場合を例にして説明したが、この他に「2R短開放突確大当り」を加えた複数種類の当選種別を対象として、当り抽選を行うようにしてもよい。ここに「2R短開放突確大当り」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に移行させる「確変大当り」に属する大当り種別となっている。
2R短開放突確大当りによる当り遊技(以下、「2R突確大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を2ラウンドとする大当りであり、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間は「短開放時間」の0.1秒に設定される。大入賞口が短開放時間(0.1秒)しか開放されず、そのラウンド遊技数も2ラウンド分と少ないことから、2R突確大当り遊技は賞球が殆ど得られないまま直ぐに終了する。よって、その性格は出玉が無いかまたは少ないという点を除き、16R、10R、4R長開放確変の「大当り」の場合と変わらない。
このように「2R短開放突確大当り」を加えた実施形態とした場合、ST最終で2R短開放突確大当りに当選したときは、ガセのリザルト表示画面が表示されてから再抽選を経て復活演出により図柄揃いとなる、というあがきチャンス演出シナリオを加える。そして、この場合のリザルト表示画面の表示期間長さを、ハズレ、小当り、2R潜確大当り、4R確変大当り、16R確変大当り、10R確変大当りの一部または全部と共通の時間尺、たとえば4秒に設定する。このようにすると、ST最終での図柄変動表示ゲームの結果(変動パターンの種類)に左右されず、容易にリザルト表示画面の表示期間を同じ長さに定めることができる。よって当該最終変動の結果に左右されず、その時点での遊技結果を遊技者に正確に報知することができる。ここに「同じ長さ」とは、視覚上同じかまたはほぼ同じ長さであればよく、必ずしも画像表示上の1フレーム長までも同一であることを要しない。
また、演出ボタン予告抽選テーブルには、図59に示すように、2R突確当り時の欄を追加し、ST最終で2R短開放突確大当りに当選した場合は、通常ボタン13A、爽快ボタン70、ラッキーパト(回転灯ボタン66)が、たとえば85%、15%、0%の割合で抽選されるようにする。このようにすると、ST最終で2R短開放突確大当りに当選した場合は、通常ボタン13Aまたは爽快ボタン70を操作するケースが現れることになる。
(変形例4)
また上記実施形態では、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「潜確大当り」、「小当り」を有するST機について述べたが、このようなST機とする替わりに、「16R長開放確変大当り」や「10R長開放確変大当り」や「4R長開放確変大当り」の確変大当りの他に、16R長開放非確変大当りのような「非確変大当り」を搭載した機種として構成し(ラウンド数は、16Rに限らず、10Rや4Rなど、適宜設定することができる)、その非確変大当り遊技終了後の遊技状態について、少なくとも低確率状態を伴う遊技状態(たとえば、時短状態)に、規定変動回数(たとえば74回)だけ移行させ、その時短状態の最終4回前から1回前(70回目〜73回目)から最終回目(74回目)で、上述の「あがぎチャンス」を発生させるように構成してもよい。また、非確変大当りの場合には、時短状態の規定変動回数を100回とし、その時短状態の最終4回前から1回前(96回目〜99回目)から最終回目(100回目)で、上述の「あがぎチャンス」を発生させるように構成してもよい。