JP2019088705A - 遊技機 - Google Patents
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Description
特許文献1には、突然確変当りを当選種類に含み、且つ、確変遊技状態の継続可能期間が一定でないパチンコ機であって、突然確変当りの当選によって確変遊技状態の行われる期間が短縮されてしまった場合は、当該確変遊技状態の終了後に、確変遊技状態の短縮分に相当する期間の時短遊技状態を行うパチンコ機が開示されている。このパチンコ機によれば、突然確変当りの当選によって確変遊技状態の行われる期間が短くなってしまった場合に、遊技者の不満を和らげることができる。
なお、以降の説明における「有利」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出上の特典を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し)に関して有利であることを指す。
本実施形態に係る遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態の特徴の概要を説明する。
本実施形態に係る遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、特徴的な構成として、当否判定手段と、遊技状態制御手段と、演出制御手段と、を少なくとも備える。
遊技状態制御手段により制御される「有利遊技状態」は、大当り遊技状態が終了すると遷移する遊技状態であって、遊技者にとって賞球の獲得量(遊技球の払い出し)に関して通常遊技状態よりも有利な遊技状態である。
例えば、有利遊技状態は、いわゆる変短状態、確変状態、回数制限付き確変状態であるST状態を含む。ここで、変短状態とは、普図抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる状態、普通電動役物の開放時間が通常遊技状態より延長される状態、普通電動役物の開放回数が通常遊技状態より増加される状態、及び、普通図柄表示装置における一回あたりの変動表示時間が通常遊技状態より短縮される状態の少なくとも一つが行われる遊技状態を意味する。また、確変状態とは、当りの当否判定の当選確率が通常遊技状態より高確率になる遊技状態を意味する。
後述の例では、特図抽選状態が特図高確でありかつ普図抽選状態が普図高確であるいわゆる確変状態、及び、特図抽選状態が特図低確でありかつ普図抽選状態が普図高確であるいわゆる低確時短状態が当該有利遊技状態に該当する。
「通常遊技状態」は、遊技者にとって賞球の獲得量(遊技球の払い出し)に関して上述の有利遊技状態よりも不利な遊技状態である。後述の例では、特図抽選状態が特図低確でありかつ普図抽選状態が普図低確である状態が通常遊技状態に該当し、低確時短状態の100回目(規定遊技回)の図柄変動の終了を条件に低確時短状態からその通常遊技状態へ遷移する。
「有利遊技終了演出」は、有利遊技状態から通常遊技状態に遷移することを示唆する演出である。例えば、有利遊技終了演出は、有利遊技状態の規定遊技回における当否抽選の結果がはずれを示す場合に実行される演出の中で最頻の演出であってもよい。後述の例では、図13で例示される演出表示P102及びP103を順に表示する演出が当該有利遊技終了演出に該当する。
但し、「有利遊技終了演出」は、有利遊技状態が当該規定遊技回を超える以外の所定条件によってその有利遊技状態から通常遊技状態に遷移する場合の少なくとも一部においても実行されてもよい。後述の例では、確変状態において転落当否判定に当選した場合に実行される演出としての、図14で例示される演出表示P205及びP206を順に表示する演出も当該有利遊技終了演出に該当する。
ここで、演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものである。
後述の例では、演出ルートRZLが第一演出ルートに相当し、演出ルートRZMが第二演出ルートに相当する。具体的には、図13に示されるように、演出ルートRZLは、有利遊技終了演出に相当する演出表示P102及びP103を経由して、演出表示P105及びP106の表示の後、確変大当り報知を行う演出表示P107を表示する演出内容を含んでいる一方で、演出ルートRZMは、有利遊技終了演出に相当する演出表示P102及びP103を経由しないで、演出表示P111及びP112の表示の後、通常大当り報知を行う演出表示P113(9ラウンド確変大当り報知を行う演出表示であってもよい)を表示する演出内容を含んでいる。
後述の例では、低確時短の最終変動において特図2の特図抽選の結果が16ラウンド確変大当りを示す場合に、演出ルートRZLが一律に選択され、特図2の特図抽選の結果が通常大当り又は9ラウンド確変大当りを示す場合に、演出ルートRZMが選択される。即ち、演出ルートRZLの演出後に実行される大当り遊技では、終了後に必ず確変状態が付与されるのに対して、演出ルートRZMの演出後に実行される大当り遊技では、終了後に確変状態が付与されない場合があり得るため、有利遊技終了演出を含む演出ルートRZLの演出後に実行される大当り遊技は、有利遊技終了演出を含まない演出ルートRZMの演出後に実行される大当り遊技よりも、確変状態が付与される割合が優遇されているといえる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより具体的に説明する。
まず、図1から図4を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。図2は、図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図である。図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す鳥瞰図である。図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
なお、図1から図4に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶装置である。
メイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列における装飾図柄の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に装飾図柄が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
ここで、保留表示とは、後述する作動保留情報のそれぞれに対応する表示であり、その形状や色彩等によって対応する作動保留情報に基づいて実行される図柄変動の有利度を示唆する場合がある。
メイン表示部81は、実行中の図柄変動(いわゆる当該変動)に対応しており、且つ保留表示に摸した表示を行うことができる。その表示を保留表示と区別して扱う場合には「当該保留表示」と表記し、当該保留表示と保留表示とを区別なく扱う場合には単に「保留表示」と表記される。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特図1」、第2特別図柄は「特図2」と略称される場合がある。
普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも、2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味するものとする。
また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は有利な遊技状態であると言える。
なお、特別電動役物は、「アタッカー」と称され、特別電動役物ソレノイド41によって特別電動役物が開放状態となることを、「アタッカー開放」と称する場合がある。
また、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因する小当り遊技の少なくとも一部においても特別電動役物65が開放状態となるが、上記の大当り遊技と比較して当該開放状態となる時間が短い。そのため、小当り遊技は、大当り遊技よりも有利度の低い遊技状態と言える。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大しうる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67が複数個設けられていてもよい。
次に、図5を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。図5は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、図5に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図5で図示しない制御構成を備えていてもよい。
主制御基板100は、普通電動役物ソレノイド40及び特別電動役物ソレノイド41にも電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらのソレノイドを制御可能に構成されている。
更に、主制御基板100は、上述の玉貸ボタン39aや返却ボタン39bなどを含むメイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39に設けられたセンサによる操作検知状態の変化によってメイン操作部39の各種操作を検知可能に構成されている。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
第1副制御基板200は、上述の演出ボタン37やカーソルボタン38などに電気的に接続されており、センサによる操作検知状態の変化によってそれら各操作部の各種操作を検知可能に構成されている。
第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
そして、可動装飾体22及びサブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示を省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニットを駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドルの操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
次に、図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。図6は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、図6に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、図6で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、必要に応じて、機能構成を説明する際に、図7及び図8も参照することとする。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する特図当否判定用の乱数、転落当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、及び普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段180の対応する格納領域に格納する。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段140の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特図1保留カウンタ」と称する)を備え、特図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段180の現在の特図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特図1保留カウンタよりも1少ない特図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
メイン保留制御手段120は、特図2及び普図に関してもそれぞれ、特図1に関する上述の制御と同様の制御を行う。特図2の保留カウンタは特図2保留カウンタと称する。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特図1又は特図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算又は減算)した際に、特図1保留カウンタ及び特図2保留カウンタの値を含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特図1に対応する作動保留情報及び特図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される。
より具体的には、事前判定手段130は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、特図当否判定の事前判定、転落当否判定の事前判定、特図停止図柄抽選の事前判定、特図変動パターン抽選の事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブル(詳細は、後述)と同等の抽選テーブル(図示省略)を用いられる。そのため、これらの事前判定は、後に実行される抽選の結果と同一の結果が導出される。
また、事前判定手段130は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合に送信される(生成され、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。
「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特図1及び特図2のいずれも図柄変動中でないこと、特図1及び特図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することの全ての条件が充足されたことである。
図7で示す抽選テーブルを含む以下の抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値があらかじめ定められた順序に従って順次加算され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。
以降の説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。また、以降で図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」又は「0」が記載されているが、これらは各ROMに記憶されたデータを示すものではない。また、抽選に使用される乱数範囲の最大値と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。
図7(a)は、特図1当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、特図1において特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)には、200/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなり、特図1において特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)には、500/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの64736/65536の確率ではずれとなる。
図7(c)は、特図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特図1では、大当りが導出された際に、50/100の確率で図柄A、50/100の確率で図柄Bが停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aは、大当り遊技中に特別電動役物65が十分な時間(概ね9球入賞する程度)に亘って解放される回数(ラウンド数(R数))が8であり、且つ大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確(詳細は後述)となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。一方、図柄Bは、ラウンド数(R数)が9であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。よって、図柄Bは、ラウンド数及びその後の特図抽選状態の双方において、図柄Aよりも有利な図柄である。
ここで、図柄aは、ラウンド数が16であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる確変図柄であり、図柄bは、ラウンド数が9であり、かつ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる確変図柄である。一方、図柄cは、ラウンド数が8であり、大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確となる通常図柄である。よって、図柄c、図柄b、図柄aの順に有利度が高くなると言える。
以降の説明では、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により確変図柄が決定された場合を「特図抽選の結果が確変大当りを示す場合」と表記し、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により通常図柄が決定された場合を「特図抽選の結果が通常大当りを示す場合」と表記する場合がある。更に、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により図柄aが決定された場合を「特図抽選の結果が16ラウンド確変大当りを示す場合」と表記し、同様に図柄bが決定された場合を「特図抽選の結果が9ラウンド確変大当りを示す場合」と表記する場合がある。
特図変動パターン導出手段143は、導出された特図変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。なお、変動開始コマンドには、特図変動パターン導出状態Cが開始されてからの図柄変動の回数の情報が少なくとも含まれている。
なお、特図変動パターン抽選テーブル及び特図変動パターン導出状態を含めた特図変動パターン決定の詳細は、後述する。
図7(e)は、転落当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、130/65536の確率で転落当否判定に当選する。
なお、転落当否判定は、特図1と特図2で共通して行われ、特図高確における特図当否判定の前に行われる。そのため、図柄変動の開始時に特図高確であったとしても、転落当否判定に当選した場合には、直後の特図当否判定において特図低確用の抽選テーブルが用いられることとなる。
普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがある。本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率ではずれとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率ではずれとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536ではずれとなる)ようにしてもよい。
大当り遊技制御手段160は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
また、大当り遊技制御手段160は、特図当否抽選の結果が小当りの場合も同様に、小当り開始デモに係る時間、及び小当り終了デモに係るデモ時間を決定し、小当り開始時には、小当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、小当り終了時には、小当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
図柄表示制御手段165は、特図1及び特図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段165は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
電動役物制御手段170は、特図当否抽選の結果が小当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド41に制御信号を出力し、特別電動役物65を短期間(0.05秒)だけ開放させる。
また、電動役物制御手段170は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド40に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
加えて、遊技状態制御手段175は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段175は、大当り遊技の開始時には、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時に100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時に次回の大当り遊技の開始まで(例えば、大当りが導出されるのに十分な有限の回数(例えば、5000回)を設定する場合も含む)普図高確とし、普図高確における転落当否判定に当選した場合には、当該図柄変動の終了時に普図低確とする。なお、特図低確且つ普図高確の状態を低確時短と称する場合がある。
特図変動パターン導出状態は、特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態A、特図高確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態B、特図低確且つ普図高確の最終変動前まで(1回目から99回目まで)に対応する特図変動パターン導出状態C、及び特図低確且つ普図高確の最終変動(100回目)に対応する特図変動パターン導出状態Dに大別できる。
各特図変動パターン導出状態間の遷移には、例えば、次のような条件が設けられる。遷移条件(i)は確変大当りに係る大当り遊技の終了であり、遷移条件(ii)は通常大当りに係る大当り遊技の終了であり、遷移条件(iii)は99回目の図柄変動の終了であり、遷移条件(iv)は転落当否判定に当選した図柄変動の終了であり、遷移条件(v)は100回目の図柄変動の終了である。
このように、本実施形態では、特図低確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態は、特図変動パターン導出状態C及びDに分けられている。遊技状態制御手段175は、通常大当り終了時には特図変動パターン導出状態Cを設定し、大当りが終了してから99回目の図柄変動が終了する際(遷移条件(iii))に特図変動パターン導出状態Dを設定する。
なお、メインエラー制御手段185は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
なお、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段190から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。
本実施形態における演出モードは、通常モード、低確時短モード、低確時短最終モード、確変モードに大別される。特図変動パターン導出状態Aには通常モード、特図変動パターン導出状態Bには確変モード、特図変動パターン導出状態Cには低確時短モード、特図変動パターン導出状態Dには低確時短最終モードが対応する。
演出ルートとは、上述したとおり、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。また、演出モードに対応する演出ルートの組合せは、演出モードごとに(互いに)異なる。
本実施形態では、演出ルート決定手段222により決定される演出ルートには、最終変動はずれ演出ルート、最終変動逆転告知演出ルート、最終変動通常告知演出ルート、転落演出ルート、転落逆転告知演出ルート、転落はずれ演出ルート、転落はずれ確変告知演出ルート、転落はずれ通常告知演出ルートが少なくとも含まれる。これら本実施形態における演出ルートの詳細は、後述する。
なお、保留表示は、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる表示であり、当該保留先読み演出は、後述する先読み演出制御手段224によって制御される。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
なお、詳細は後述するが、本実施形態において、先読み演出制御手段224は、確変モード中の先読み演出の実行を管理する処理(確変モード中先読み演出設定処理)を実行する。
より具体的には、演出ルート決定手段222は、決定された演出ルートの各段階において、実行する演出の内容(演出パターン)を、当該演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
また、本実施形態とは異なるが、演出ルートに対して実行する演出の内容が一義的に対応づけられていてもよく、このような場合であっても、演出ルートは、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものと言える。
本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、及び「転落」の文字を模した「転落図柄」があり、以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄bに偶数図柄揃いを対応させるなど、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段185と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63の入賞回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
次に、図9及び図10を用いて、特図変動パターン導出状態B及びDにおいて導出される可能性がある特図変動パターンを説明する。
特図変動パターン導出手段143は、現在の特図変動パターン導出状態が特図変動パターン導出状態B及びDである場合、図9及び図10に示される中の一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、その選択された特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターン(変動時間)を導出する。
各特図変動パターン抽選テーブルでは、抽選値が存在する箇所に「●」を付しており、当該抽選値の記載を省略しているが、各特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選では更新範囲0〜255の乱数が使用されるため、「●」が付された箇所には、一の抽選で使用される可能性がある抽選値の合算が256を超えない範囲で、1〜255のいずれかの抽選値が対応づけられている。
また、説明の便宜上、図9及び図10で示す各特図変動パターンのそれぞれには、対応する変動時間も記載している。
図9及び図10に示す特図変動パターン抽選テーブルは、特図2に対応するものであり、特図1が変動する場合には、特図当否判定の結果ごとの専用の特図変動パターン(図示省略)が採用される。
ここで、転落当否判定に当選することは、(特図当否判定の結果としてはずれとなることよりも)不利な結果である。本実施形態では、このような不利な結果が導出された場合に導出される特図変動パターンを共通化している。
また、図9(b)の例では、転落当否判定に当選した場合に対して一つの特図変動パターンしか対応していないが、転落当否判定に当選した場合に対して複数の特図変動パターンを対応させるようにしてもよい。
より具体的には、特図の停止図柄が図柄aとなる場合において、特図変動パターン導出状態Bでは、特図変動パターンPZA1、PZA2、PZE1、及びPZE2が導出される可能性があり、特図変動パターン導出状態Dでは、特図変動パターンPZLが導出される可能性がある。
特図の停止図柄が図柄bとなる場合において、特図変動パターン導出状態Bでは、特図変動パターンPZA1、PZA2、PZB1、及びPZE2が導出される可能性があり、特図変動パターン導出状態Dでは、特図変動パターンPZMが導出される可能性がある。
特図の停止図柄が図柄cとなる場合において、特図変動パターン導出状態Bでは、特図変動パターンPZB1、PZB2、及びPZGが導出される可能性があり、特図変動パターン導出状態Dでは、特図変動パターンPZMが導出される可能性がある。
上述のように決定された特図変動パターンは、事前判定コマンドや演出制御コマンド(変動開始コマンド)などにより主制御基板100から第1副制御基板200へ送られる。
第1副制御基板200では、演出モード制御手段221により、特図変動パターン導出状態と整合性をとるかたちで、演出モードが制御されている。即ち、特図変動パターン導出状態Bには確変モードが対応し、特図変動パターン導出状態Dには低確時短最終モードが対応する。更に、演出ルート決定手段222により、事前判定コマンド(変動開始コマンドでもよい)で指定される特図変動パターンに基づいて、演出モードに対応する複数種類の演出ルートから今回保留された図柄変動に対応する一の演出ルートを決定(設定)する。
図11(a)は特図2の特図当否判定の結果がはずれであった場合に決定される可能性がある演出ルートの一部を例示するテーブルであり、図11(b)は転落当否判定に当選した場合(より正確には、更に当該転落当否判定の後の特図2における特図当否判定(特図低確)の結果がはずれであった場合)に決定される演出ルートを例示するテーブルであり、図12は特図2の特図当否判定の結果が大当りであった場合に決定される可能性がある演出ルートの一部を例示するテーブルである。図11及び図12の各テーブルには、対応する演出モードとして確変モード及び低確時短最終モードが示されている。
また、上記した各テーブルでは、決定される可能性がある箇所に「■」を付している。
また、本実施形態では、導出された特図変動パターンに応じて演出ルートが決定されるため、各演出ルートに対して対応する特図変動パターンを記載している。但し、図11及び図12では、説明の便宜のために、特図変動パターンと演出ルートとが1対1で対応付けられているが、特図変動パターンと演出ルートとは1対多若しくは多対1で対応付けられてもよい。
このうち、演出ルートRXA1、RXA2、RXB1、RXB2、RXF、及びRXMは、特図2の特図当否判定結果がはずれの場合に決定され、演出ルートRYは、転落当否判定に当選した場合に決定され、演出ルートRZA1、RZA2、RZB1、RZB2、RZE1、RZE2、RZG、RZL、及びRZMは、特図2の特図当否判定の結果が大当りの場合に決定される。
ここで、演出ルートRXMは、低確時短最終モードにおいて特図2の特図当否判定結果がはずれの場合、即ち、低確時短から特図低確且つ普図低確(通常状態)へと遊技状態が遷移(降格)する場合に決定される演出ルートであり、最終変動はずれ演出ルートと表記できる。
また、演出ルートRYは、確変モードにおいて転落当否判定に当選し且つ特図2における特図当否判定(特図低確)の結果がはずれであった場合に決定されるため、特図高確且つ普図高確(確変状態)から特図低確且つ普図低確(通常状態)への遊技状態の遷移(転落)を示唆する演出であるといえ、転落演出ルートと表記できる。
ここで、一部の演出内容が共通する演出ルートの組合せを説明するために、図11及び図12に例示される演出ルートの中の一部の演出ルートを例に挙げる。
演出ルートRXMは、上述したとおり最終変動はずれ演出ルートであり、演出表示P101、演出表示P102、演出表示P103、演出表示P104の順で表示する演出を少なくとも含んでいる。このうち、演出表示P104は、特図2の特図当否判定の結果がはずれであることを報知するバラケ目の装飾図柄の組合せの最終停止表示である。
演出表示P102及びP103は、これまでの大当り当選回数及び獲得賞球数を示す結果表示、並びに扉が閉まる表示であることから、或る状態の終了を観念させ得るため、その表示態様からも、有利遊技状態(低確時短)から通常遊技状態に遷移することを示唆する有利遊技終了演出と呼ぶことができる。更に、演出表示P102及びP103は、低確時短から特図低確且つ普図低確(通常状態)へと遊技状態が遷移(降格)する場合に決定される最終変動はずれ演出ルートに含まれていることからも有利遊技終了演出と呼べる。
即ち、演出ルートRZLは、有利遊技終了演出(P102及びP103)を経由して、確変大当り報知を行う演出ルートであり、最終変動逆転告知演出ルートと呼ぶことができる。
このように、図柄変動の結果を報知する装飾図柄の組合せの最終停止表示の直前まで、最終変動はずれ演出ルートと共通の演出内容としながら、最終的に確変大当りを報知する最終変動逆転告知演出ルートを設けることで、最終変動はずれ演出ルートでも演出の最後の最後まで遊技者の高揚感を維持することができる。言い換えれば、低確時短の最終変動において有利遊技終了演出が行われたとしても一発逆転の確変大当りが報知される可能性もあるため、有利遊技終了演出自体に対しても遊技者の興趣を高めることができる。
ここで、演出ルートRZMは、有利遊技終了演出を経由せずに大当りを報知する演出ルートであるため、最終変動通常告知演出ルートと呼ぶことができる。
ここで、確変モードで転落を示唆する演出の後に実行される演出表示P205及びP206は、上述の演出表示P102及びP103と同一の表示態様とされており、これまでの大当り当選回数及び獲得賞球数を示す結果表示、並びに扉が閉まる表示であることから、その表示態様からも、有利遊技状態(確変状態)から通常遊技状態に遷移することを示唆する有利遊技終了演出と呼ぶことができる。更に、演出表示P205及びP206は、確変状態から特図低確且つ普図低確(通常状態)へと遊技状態が遷移(転落)する場合に決定される転落演出ルートに含まれていることからも有利遊技終了演出と呼べる。
即ち、演出ルートRZE1は、転落(有利遊技状態が規定遊技回を超える以外の所定条件による有利遊技状態から通常遊技状態への遷移)を示唆する演出を含み、有利遊技終了演出(P205及びP206)を経由して、確変大当り報知を行う演出ルートであり、転落逆転告知演出ルートと呼ぶことができる。
このように、図柄変動の結果を報知する装飾図柄の組合せの最終停止表示の直前まで、転落演出ルートと共通の演出内容としながら、最終的に確変大当りを報知する転落逆転告知演出ルートを設けることで、転落演出ルートでも演出の最後の最後まで遊技者の高揚感を維持することができる。言い換えれば、転落が示唆される演出の後に有利遊技終了演出が行われたとしても一発逆転の確変大当りが報知される可能性もあるため、有利遊技終了演出自体に対しても遊技者の興趣を高めることができる。
但し、演出ルートRZE2に対応する特図変動パターンPZE2は、特図2の特図抽選の結果が16ラウンド確変大当り(図柄a)を示す場合にも選択され得るため(図12参照)、図14には示されていないが、演出ルートRZE2の演出後に16ラウンド確変大当りを報知する7図柄揃いの装飾図柄の組合せの最終停止表示が表示される場合がある。
即ち、演出ルートRZE2は、転落(有利遊技状態が規定遊技回を超える以外の所定条件による有利遊技状態から通常遊技状態への遷移)を示唆する演出を含み、有利遊技終了演出(P205及びP206)を経由しないで確変大当り報知を行う演出ルートであり、転落はずれ確変告知演出ルートと呼ぶことができる。
このように本実施形態では、転落当否判定にはずれ且つ特図2の特図抽選の結果が確変大当りである場合に選択され得る演出ルートであって且つ転落を示唆する演出を含む演出ルートの中に、有利遊技終了演出を含む演出ルートと含まない演出ルートとを設けることで演出のバリエーションを増やし、遊技者の興趣を高めるようにしている。
演出ルートRZGは、転落(有利遊技状態が規定遊技回を超える以外の所定条件による有利遊技状態から通常遊技状態への遷移)を示唆する演出を含み、有利遊技終了演出を経由せずに通常大当りを報知する演出ルートであるため、転落はずれ通常告知演出ルートと呼ぶことができる。
次に、上述のような各演出ルートと大当り当選(特図当否判定の結果が大当り)との関係や各演出ルートがどのように決定されるかついて説明する。
本実施形態では、演出ルート決定手段222は、低確時短の最終変動(有利遊技状態の規定遊技回)における特図2の特図当否判定結果が大当りを示す場合に、有利遊技終了演出(演出表示P102及びP103)を経由して大当り報知を行う演出ルートRZL又は有利遊技終了演出(演出表示P102及びP103)を経由しないで大当り報知を行う演出ルートRZMを実行する。
本実施形態において、演出ルートRZLに対応する特図変動パターンPZLは、低確時短の最終変動において特図2の特図抽選の結果が16ラウンド確変大当り(図柄a)を示す場合に一律に選択されるため、演出ルートRZLの演出後に実行される大当り遊技では、ラウンド数が16でありかつその大当り遊技終了後に確変状態が付与されることが確定している。
一方で、演出ルートRZMの演出後に実行される大当り遊技では、ラウンド数が8でありかつその大当り遊技終了後に低確時短状態が付与されるか、或いは、ラウンド数が9でありかつその大当り遊技終了後に確変状態が付与される。演出ルートRZMに対応する特図変動パターンPZMは、低確時短の最終変動において特図2の特図抽選の結果が9ラウンド確変大当りを示す場合(図柄b)又は特図2の特図抽選の結果が通常大当り(8ラウンド)を示す場合(図柄c)に選択される特図変動パターンであるからである。
このため、本実施形態において、有利遊技終了演出(演出表示P102及びP103)を含む演出ルートRZLの演出後に実行される大当り遊技は、その有利遊技終了演出を経由しない演出ルートRZMの演出後に実行される大当り遊技よりも、付与されるラウンド遊技数が優遇されているといえる。
更に、演出ルートRZLの演出後に実行される大当り遊技は、演出ルートRZMの演出後に実行される大当り遊技よりも確変状態が付与される割合も優遇されているといえる。演出ルートRZLの演出後に実行される大当り遊技は確定的に確変状態が付与されるのに対して、演出ルートRZMの演出後に実行される大当り遊技では確変状態が付与されない場合も含まれているからである。
但し、演出ルートRZLは、特図2の特図抽選の結果が9ラウンド確変大当り又は通常大当りを示す場合にも選択されるようにしてもよい。この場合でも、大当り用の特図変動パターン抽選テーブルの抽選値を適宜設定するなどして、演出ルートRZLの演出後に実行される大当り遊技は、演出ルートRZMの演出後に実行される大当り遊技よりも、付与されるラウンド遊技数が確率的に優遇されていることが好ましく、同様に、確変状態が付与される割合が優遇されていることが好ましい。
このようにすることで、最終変動(規定遊技回)まで有利遊技状態となる低確時短状態に対する遊技者の興趣を維持することができると共に、有利遊技終了演出及び有利遊技終了演出後の演出に対する遊技者の注目度を向上させることができるため、遊技者の興趣を喚起させる低確時短状態(有利遊技状態)を実現することができる。
これにより、有利遊技終了演出を経由するか否かで大当りのラウンド数の優遇状況が変わるため、有利遊技終了演出に対する遊技者の注目度を向上させることができるため、遊技者の興趣を喚起させる有利遊技状態を実現することができる。
これにより、遊技者にとって、低確時短(有利遊技状態)が終了する際に有利遊技終了演出が実行されたとしても、ラウンド遊技数が優遇される大当りが当選している可能性が残るため、その終了演出に対する遊技者の注目度を向上させ、有利遊技状態が終了するとしても、遊技者の興趣を維持することができる。
なお、本実施形態では、低確時短の最終変動(有利遊技状態の規定遊技回)における特図2の特図当否判定結果が大当りを示す場合に、特図停止図柄抽選で図柄aが決定される割合は70/100であり、図柄bが決定される割合は10/100であるため、特図2の特図抽選の結果が確変大当り(図柄a又は図柄b)を示す場合には、トータルとして、特図変動パターンPZLに対応する演出ルートRZLが選択される割合よりも、特図変動パターンPZMに対応する演出ルートRZMが選択される割合が低くなる。
これにより、遊技者にとって、有利遊技終了演出が実行されたとしても、大当り終了後に有利な状態が付与される大当りが当選している可能性が残るため、その終了演出に対する遊技者の注目度を向上させ、有利遊技状態が終了するとしても、遊技者の興趣を維持することができる。
なお、ここでは、大当り終了後に付与される有利な状態として、確変状態が例示されたが、当該有利な状態は、低確時短が継続される図柄変動数など確変状態以外であってもよい。
本実施形態では、演出ルート決定手段222は、確変状態(有利遊技状態)における転落当否判定にはずれ且つ特図2の特図当否判定結果が大当りを示す場合の少なくとも一部において、転落を示唆する演出(演出表示P201からP203)の後に、有利遊技終了演出(演出表示P205及びP206)を経由して確変大当り報知を行う演出ルートRZE1、有利遊技終了演出(演出表示P205及びP206)を経由しないで確変大当り報知を行う演出ルートRZE2、又は有利遊技終了演出(演出表示P205及びP206)を経由しないで通常大当り報知を行う演出ルートRZGを実行する。
本実施形態において、演出ルートRZE1に対応する特図変動パターンPZE1は、確変状態において図柄a(確変図柄)が抽選決定された場合に選択されるため、演出ルートRZE1の演出後に実行される大当り遊技では、ラウンド数が16でありかつその大当り遊技終了後に確変状態が付与されることが確定している。
演出ルートRZE2に対応する特図変動パターンPZE2は、確変状態において図柄a又は図柄b(共に確変図柄)が抽選決定された場合に選択されるため、演出ルートRZE2の演出後に実行される大当り遊技では、ラウンド数が9でありかつその大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか、或いは、ラウンド数が16でありかつその大当り遊技終了後に確変状態が付与される。
一方で、演出ルートRZGの演出後に実行される大当り遊技は、確変状態において図柄cが抽選決定された場合に選択されるため、ラウンド数が8でありかつその大当り遊技終了後に低確時短状態が付与される。
このため、本実施形態において、有利遊技終了演出(演出表示P205及びP206)を含む演出ルートRZE1の演出後に実行される大当り遊技は、その有利遊技終了演出を経由しない演出ルートRZE2及び演出ルートRZGの演出後に実行される大当り遊技よりも、付与されるラウンド遊技数が優遇されているといえる。演出ルートRZE1の演出後に実行される大当り遊技では必ず16ラウンド付与されるのに対して、演出ルートRZE2又はRZGの演出後に実行される大当り遊技では8ラウンドや9ラウンド付与される場合があり得るからである。
更に言えば、本実施形態において、演出ルートRZE1の演出後に実行される大当り遊技の終了後には必ず確変状態が付与されるのに対して、有利遊技終了演出(演出表示P205及びP206)を含まない演出ルートRZE2又はRZGの演出後に実行される大当り遊技の終了後には、確変状態が付与されない場合があり得る。このため、有利遊技終了演出(演出表示P205及びP206)を含む演出ルートRZE1の演出後に実行される大当り遊技は、その有利遊技終了演出を経由しない演出ルートRZE2又は演出ルートRZGの演出後に実行される大当り遊技よりも、確変状態が付与される割合が優遇されているといえる。
このようにすることで、有利遊技状態に相当する確変状態に対する遊技者の興趣を高めることができると共に、有利遊技終了演出及び有利遊技終了演出後の演出に対する遊技者の注目度を向上させることができるため、遊技者の興趣を喚起させる確変状態(有利遊技状態)を実現することができる。
更に、演出ルート決定手段222は、確変状態における特図2の特図抽選の結果が確変大当りを示す場合には、転落を示唆する演出を含み、有利遊技終了演出(演出表示P205及びP206)を経由して確変大当りを報知する演出ルートRZE1、又は、転落を示唆する演出を含み、有利遊技終了演出を経由しないで確変大当りを報知する演出ルートRZE2を実行する。
低確時短の最終変動(有利遊技状態の規定遊技回)における特図2の特図当否判定結果が大当りを示す場合であって、特図停止図柄抽選により図柄cよりも付与されるラウンド遊技数が優遇されている又は大当り終了後により有利な状態(確変状態)が付与される図柄aが決定された場合には、特図変動パターンPZLが一律に選択され、ひいては、演出ルートRZLが一律に選択されることになる。このため、当該場合における、有利遊技終了演出(演出表示P102及びP103)を含む演出ルートRZLが選択される割合と有利遊技終了演出を含む演出ルートRZMが選択される割合とは100対0となる。
これにより、有利遊技終了演出を経由して大当り報知を行う演出ルートと経由しないで大当り報知を行う演出ルートとの出現割合が、有利遊技状態でありながら低確時短の最終変動時と確変状態時とで異なるため、遊技バリエーションが増え、遊技者の興趣を喚起することができる。
低確時短最終変動モードで選択される演出ルートRZMは、特図変動パターンPZMに対応しており、特図変動パターンPZMは、低確時短の最終変動に対応する特図変動パターン導出状態Dにおいて特図2の特図抽選の結果が9ラウンド確変大当り(図柄b)又は通常大当り(図柄c)を示す場合に導出される(図10参照)。つまり、本実施形態では、低確時短の最終変動において有利遊技終了演出(演出表示P102及びP103)を経由しない演出ルートが選択される場合には、9ラウンド確変大当り又は通常大当り(8ラウンド)が報知され得る。
同様に確変モードで選択される演出ルートRZGは、特図変動パターンPZGに対応しており、特図変動パターンPZGは、確変状態に対応する特図変動パターン導出状態Bにおいて特図2の特図抽選の結果が通常大当り(図柄c)を示す場合に導出される(図10参照)。
つまり、本実施形態では、確変状態において有利遊技終了演出(演出表示P205及びP206)を経由しない演出ルートが選択される場合には、16ラウンド確変大当り、9ラウンド確変大当り、又は通常大当りが報知され得る。
従って、有利遊技状態の規定遊技回(低確時短の最終変動)において選択される、有利遊技終了演出を経由せず大当り報知を行う演出ルートの演出後に、付与されるラウンド遊技数がより優遇されている大当りの報知が行われる割合が、確変状態で選択される演出ルートであって転落を示唆する演出を含み有利遊技終了演出を含まない演出ルートの演出後に、付与されるラウンド数がより優遇されている大当りの報知が行われる割合よりも小さくなっている。
このように、有利遊技終了演出が行われなかった場合におけるラウンド遊技数が多い大当りとなる割合が、有利遊技状態における遊技回数が規定遊技回に到達した場合とそれ以外の場合とで変わるため、有利遊技状態における遊技者の興趣を喚起することができる。
従って、有利遊技状態の規定遊技回(低確時短の最終変動)において選択される、有利遊技終了演出を経由せず大当り報知を行う演出ルートの演出後に、大当り終了後に有利な状態(確変状態)が付与される大当りの報知が行われる割合が、確変状態で選択される演出ルートであって転落を示唆する演出を含み有利遊技終了演出を含まない演出ルートの演出後に、大当り終了後に有利な状態(確変状態)が付与される大当りの報知が行われる割合よりも小さくなっているといえる。
このように、有利遊技終了演出が行われなかった場合における有利な状態が付与される大当りとなる割合が、有利遊技状態における遊技回数が規定遊技回に到達した場合とそれ以外の場合とで変わるため、有利遊技状態における遊技者の興趣を喚起することができる。
次に、上記で説明した各種構成により実行される処理手順について、図15から図18を用いて説明する。なお、上述した図1から図14に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、一例であり、内容的に支障のない範囲でその順序等を変更することができ、実行タイミングの一部又は全部が互いに重複する工程を含んでいてもよい。また、図15から図18に図示される各処理は、遊技機10によって実行される主たる処理であって、全ての処理を示すものではない。
第1始動口57及び第2始動口59に付設されている第1始動口センサ70及び第2始動口センサ71の検知結果に基づいて、入球判定手段110が第1始動口57又は第2始動口59への入賞を判定する(ステップS102)。入球判定手段110が入賞を判定するまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定されたとしても(ステップS102のYES)、メイン保留制御手段120により管理される特図1又は特図2保留カウンタが上限値(例えば4)に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
以降、説明の便宜のために、第1始動口57への入賞が判定された場合に特化して処理手順を説明するものとする。なお、第2始動口59への入賞が判定された場合も、対象が特図2となることのみ相違し、他の処理内容は同様である。
メイン保留制御手段120は、ステップS106で生成された各種乱数を取得し、それら乱数を特図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)(ステップS108)。
続いて、メイン保留制御手段120は、特図1保留カウンタに1加算し(ステップS11)、加算後の特図1保留カウンタの値を含む保留コマンドを生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている保留コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS112)。
ここで、ステップS110及びS112は、ステップS106及びS108と並行に実行されてもよいし、それらよりも先に実行されてもよい。
事前判定手段130は、ステップS116における事前判定の結果を含む事前判定コマンドを生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている事前判定コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS118)。
まず、特図抽選手段140は、特図の変動開始条件が充足されているか否かを判定する(ステップS202)。例えば、大当り遊技中ではないこと、特図1及び特図2のいずれも図柄変動中でないこと、特図1及び特図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することの全ての条件が充足されているか否かが判定される。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
最先の作動保留情報が読み出されると、メイン保留制御手段120は、その読み出された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報の格納領域をシフトさせ、読み出された作動保留情報に対応する特図1又は特図2の保留カウンタを1減算する(ステップS206)。
続いて、特図1又は特図2の保留カウンタが更新されたため、メイン保留制御手段120は、減算後の特図1又は特図2の保留カウンタの値を含む保留コマンドを生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている保留コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS208)。
続いて、特図当否判定手段141が、その作動保留情報の特図当否判定用乱数を取得し、その乱数と特図当否判定用の抽選テーブル(図7(a)及び図7(b)参照)を用いて大当り、小当たり、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する(ステップS212)。このとき、特図抽選状態が特定され、その特図抽選状態に対応する抽選テーブルが参照される。
更に、特図停止図柄抽選手段142が、ステップS212の特図当否判定の結果に基づいて、特図の停止図柄を決定する(ステップS214)。具体的には、特図停止図柄抽選手段142は、ステップS214の特図当否判定の結果が大当りを示す場合には、当該作動保留情報の特図停止図柄抽選用乱数を取得し、その乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図7(c)、及び図7(d)参照)を用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。ステップS214の特図当否判定の結果が小当り又ははずれを示す場合には、特図停止図柄抽選手段142は、固定的に決められている特図の小当り用の停止図柄又は特図のはずれ用の停止図柄を一律に決定する。
加えて、特図変動パターン導出手段143が、ステップS210、S212及びS214の結果に基づいて、特図変動パターンを導出する(ステップS216)。例えば、特図変動パターン導出手段143は、遊技状態制御手段175により制御される現在の特図変動パターン導出状態を特定し、この特図変動パターン導出状態とステップS210、S212及びS214の結果に基づいて、複数種類の特図変動パターン抽選テーブル(図9及び図10参照)の中から一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと当該作動保留情報の特図変動パターン抽選用乱数とを用いて一つの特図変動パターンを導出する。
第1副制御基板200で実現されている演出ルート決定手段222が事前判定コマンドを受信するまで(ステップS302のNO)、ステップS304以降の処理は行われないまま待機となる。
低確時短最終変動モードで選択される演出ルートには、図13に示されるように、演出ルートRXM、RZL及びRZMが含まれる。具体的には、特図2の特図当否判定の結果がはずれを示す場合には、有利遊技終了演出(演出表示P102及びP103)を含む演出ルートRXMが選択され、特図2の特図抽選の結果が16ラウンド確変大当りを示す場合には、有利遊技終了演出(演出表示P102及びP103)を含む演出ルートRZLが選択され、特図2の特図抽選の結果が通常大当り又は9ラウンド確変大当りを示す場合には、有利遊技終了演出(演出表示P102及びP103)を含まない演出ルートRZMが選択される。上述の説明では、演出ルートRXMは最終変動はずれ演出ルートと表記され、演出ルートRZLは最終変動逆転告知演出ルートと表記され、演出ルートRZMは最終変動通常告知演出ルートと表記されている。
第1副制御基板200で実現される演出内容決定手段225が当該変動開始コマンドを受信するまで(ステップS402のNO)、ステップS404以降の処理は行われないまま待機となる。
続いて、演出内容決定手段225は、その特定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容(演出パターン)を決定する(S406)。ここで決定される演出の内容は、既に決定されている演出ルートに沿った具体的な演出内容であり、例えば、図13及び図14で例示される表示態様などである。このとき、演出内容決定手段225は、特定された演出ルートの各段階において実行する演出の内容を、当該演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定することで、実行される演出を多彩にすることもできる。
通常演出制御手段220は、この読み出された演出データに基づいて、ランプ制御手段204や可動役物制御手段250等に演出ランプ35や可動装飾体22等を制御させる。
また、読み出された演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、画像制御コマンドが生成され、当該コマンドがサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納される。これにより、サブコマンド管理手段270がその画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信し、結果、当該演出データに基づいて、第2副制御基板300に接続されるメイン表示部81、サブ表示部82、スピーカ33等を用いた通常演出が実行される。例えば、メイン表示部81に図13及び図14に例示される演出表示が出力される。
上述の実施形態は、上述の説明に限定されるものではなく、種々の変形、改良等が可能である。
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)始動口への遊技球の入賞を契機として取得される乱数を用いて大当りの当否抽選を行う当否判定手段と、
前記当否抽選の当選によって遷移する大当り遊技状態、大当り遊技状態が終了すると遷移する遊技者にとって有利な有利遊技状態、及び有利遊技状態における遊技回数が規定遊技回を超える場合の少なくとも一部において該有利遊技状態から遷移する通常遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
有利遊技状態における遊技回数が前記規定遊技回に達した場合の少なくとも一部において、該有利遊技状態から通常遊技状態に遷移することを示唆する有利遊技終了演出を実行する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、有利遊技状態の前記規定遊技回における前記当否抽選の結果が大当り当選を示す場合に、前記有利遊技終了演出を経由して大当り報知を行う第一演出ルート又は前記有利遊技終了演出を経由しないで大当り報知を行う第二演出ルートを選択し、
前記第一演出ルートの演出後に実行される大当り遊技は、前記第二演出ルートの演出後に実行される大当り遊技よりも、確変状態が付与される割合が優遇されている、
遊技機。
(2)前記当否抽選により当選し得る複数種の大当りは、少なくとも、第一の大当りと、第一の大当りよりも大当り終了後により有利な状態が付与される第二の大当りとを含み、
前記演出制御手段は、有利遊技状態の前記規定遊技回における前記当否抽選の結果が前記第二の大当りの当選を示す場合には、前記第二演出ルートを選択する割合が前記第一演出ルートを選択する割合より低い又は零である、
(1)に記載の遊技機。
(3)前記演出制御手段は、
有利遊技状態が前記規定遊技回を超える以外の所定条件によって該有利遊技状態から通常遊技状態に遷移する場合の少なくとも一部においても、前記演出制御手段は前記有利遊技終了演出を実行し、
有利遊技状態における前記当否抽選の結果が前記第二の大当りの当選を示す場合の少なくとも一部に、前記所定条件によって有利遊技状態から通常遊技状態に遷移することを示唆する演出を含む第三演出ルート又は第四演出ルートを選択し、
前記第三演出ルートは、前記有利遊技終了演出を経由して大当り報知を行う演出ルートであり、前記第四演出ルートは、前記有利遊技終了演出を経由しないで大当り報知を行う演出ルートであり、
有利遊技状態の前記規定遊技回における前記当否抽選の結果が前記第二の大当りの当選を示す場合における前記第一演出ルートが選択される割合と前記第二演出ルートが選択される割合との差分が、前記有利遊技状態における前記当否抽選の結果が前記第二の大当りの当選を示す場合における前記第三演出ルートが選択される割合と前記第四演出ルートが選択される割合との差分に比べて大きい、
(2)に記載の遊技機。
(4)有利遊技状態の前記規定遊技回において選択される前記第二演出ルートの演出後に前記第二の大当りの報知が行われる割合が、有利遊技状態において選択される前記第四演出ルートの演出後に前記第二の大当りの報知が行われる割合よりも小さい、
(3)に記載の遊技機。
(5)前記演出制御手段は、有利遊技状態の前記規定遊技回における前記当否抽選の結果に基づいて、前記第一の大当りが当選している場合には、前記第二演出ルートを選択し、前記第二の大当りが当選している場合には、前記第一演出ルートを選択する、
(2)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
15 外枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33(33a、33b) スピーカ
34a、34b 左右側枠部
35(35a、35b、35c) 演出ランプ
36 球抜き機構
37 演出ボタン
38(38a、38b、38c、38d) カーソルボタン
39 メイン操作部
39a 玉貸ボタン
39b 返却ボタン
40 普通電動役物ソレノイド
41 特別電動役物ソレノイド
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
55 大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
63 ゲート
65 特別電動役物
67 一般入賞口
69 アウト口
70 第1始動口センサ
71 第2始動口センサ
72 大入賞口センサ
73 一般入賞口センサ
74 ゲートセンサ
80 演出表示装置
81 メイン表示部
82 サブ表示部
82a 上サブ表示部
82b 左サブ表示部
82c 右サブ表示部
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
94 第1特別図柄保留ランプ
95 第2特別図柄保留ランプ
96 普通図柄保留ランプ
100 主制御基板
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 I/Oポート
105 乱数回路
110 入球判定手段
115 メイン乱数発生手段
120 メイン保留制御手段
130 事前判定手段
140 特図抽選手段
141 特図当否判定手段
142 特図停止図柄抽選手段
143 特図変動パターン導出手段
144 転落当否判定手段
150 普図抽選手段
160 大当り遊技制御手段
165 図柄表示制御手段
170 電動役物制御手段
175 遊技状態制御手段
180 メイン情報記憶手段
185 メインエラー制御手段
190 メインコマンド管理手段
200 第1副制御基板
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 I/Oポート
210 サブ乱数発生手段
220 通常演出制御手段
221 演出モード制御手段
222 演出ルート決定手段
223 サブ保留制御手段
224 先読み演出制御手段
225 演出内容決定手段
226 装飾図柄制御手段
227 大当り演出制御手段
230 サブエラー制御手段
240 ランプ制御手段
250 可動役物制御手段
260 サブ情報記憶手段
270 サブコマンド管理手段
300 第2副制御基板
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 I/Oポート
400 払出制御基板
401 CPU
402 ROM
403 RAM
X 第1流路
Y 第2流路
Claims (5)
- 始動口への遊技球の入賞を契機として取得される乱数を用いて大当りの当否抽選を行う当否判定手段と、
前記当否抽選の当選によって遷移する大当り遊技状態、大当り遊技状態が終了すると遷移する遊技者にとって有利な有利遊技状態、及び有利遊技状態における遊技回数が規定遊技回を超える場合の少なくとも一部において該有利遊技状態から遷移する通常遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
有利遊技状態における遊技回数が前記規定遊技回に達した場合の少なくとも一部において、該有利遊技状態から通常遊技状態に遷移することを示唆する有利遊技終了演出を実行する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、有利遊技状態の前記規定遊技回における前記当否抽選の結果が大当り当選を示す場合に、前記有利遊技終了演出を経由して大当り報知を行う第一演出ルート又は前記有利遊技終了演出を経由しないで大当り報知を行う第二演出ルートを選択し、
前記第一演出ルートの演出後に実行される大当り遊技は、前記第二演出ルートの演出後に実行される大当り遊技よりも、確変状態が付与される割合が優遇されている、
遊技機。 - 前記当否抽選により当選し得る複数種の大当りは、少なくとも、第一の大当りと、第一の大当りよりも大当り終了後により有利な状態が付与される第二の大当りとを含み、
前記演出制御手段は、有利遊技状態の前記規定遊技回における前記当否抽選の結果が前記第二の大当りの当選を示す場合には、前記第二演出ルートを選択する割合が前記第一演出ルートを選択する割合より低い又は零である、
請求項1に記載の遊技機。 - 前記演出制御手段は、
有利遊技状態が前記規定遊技回を超える以外の所定条件によって該有利遊技状態から通常遊技状態に遷移する場合の少なくとも一部においても、前記演出制御手段は前記有利遊技終了演出を実行し、
有利遊技状態における前記当否抽選の結果が前記第二の大当りの当選を示す場合の少なくとも一部に、前記所定条件によって有利遊技状態から通常遊技状態に遷移することを示唆する演出を含む第三演出ルート又は第四演出ルートを選択し、
前記第三演出ルートは、前記有利遊技終了演出を経由して大当り報知を行う演出ルートであり、前記第四演出ルートは、前記有利遊技終了演出を経由しないで大当り報知を行う演出ルートであり、
有利遊技状態の前記規定遊技回における前記当否抽選の結果が前記第二の大当りの当選を示す場合における前記第一演出ルートが選択される割合と前記第二演出ルートが選択される割合との差分が、前記有利遊技状態における前記当否抽選の結果が前記第二の大当りの当選を示す場合における前記第三演出ルートが選択される割合と前記第四演出ルートが選択される割合との差分に比べて大きい、
請求項2に記載の遊技機。 - 有利遊技状態の前記規定遊技回において選択される前記第二演出ルートの演出後に前記第二の大当りの報知が行われる割合が、有利遊技状態において選択される前記第四演出ルートの演出後に前記第二の大当りの報知が行われる割合よりも小さい、
請求項3に記載の遊技機。 - 前記演出制御手段は、有利遊技状態の前記規定遊技回における前記当否抽選の結果に基づいて、前記第一の大当りが当選している場合には、前記第二演出ルートを選択し、前記第二の大当りが当選している場合には、前記第一演出ルートを選択する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の遊技機。
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