次に、本発明の一実施の形態について実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に本発明を適用した例を説明する。具体的には、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示させた後に停止表示させる図柄変動遊技(単に「変動遊技」ともいう。)を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示される(変動遊技の結果が特定結果となる)ことで、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
なお、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の正面(表面)側であって、遊技時に遊技者が位置する側(手前側)のことである。また、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面(裏面)側のことである。さらに、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1~図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技機枠50から取り外した状態の遊技盤2を示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また、前面枠51には、遊技の進行に伴って行われる遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンの何れか一方又は両方を指して単に「演出ボタン63」ともいう。)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。枠ランプ66はLEDによって構成されている。
演出ボタン63は、外部からの操作により入力を行うことが可能な入力手段として機能するものである。遊技者は、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。演出ボタン63(入力手段)のことを「操作手段」ともいい、第1演出ボタン63aのことを「第1入力手段」又は「第1操作手段」ともいい、第2演出ボタン63bことを「第2入力手段」又は「第2操作手段」ともいう。
なお、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、本実施例ではプッシュ式の操作手段(押しボタン)としているが、操作レバーや操作スティックなど前後方向や左右方向へ傾倒させることが可能な傾倒式の操作手段であってもよい。さらに、また、本実施例では第1演出ボタン63aと第2演出ボタン63bの2つの演出ボタンが設けられているが、演出ボタンの数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。盤面ランプ5はLEDによって構成されている。
遊技領域3の中央付近には、演出用の表示装置(演出表示手段)として、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう。)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう。)が設けられている。演出図柄8L,8C,8Rは、その演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)にて、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。なお、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」~「9」までの数字図柄(図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で数字図柄をスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。
演出図柄表示領域7bに表示(停止表示)される左、中、右の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう。)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。なお、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
ここで、第1特別図柄、第2特別図柄及び演出図柄8の何れか又は全部を指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。また、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」ともいい、特別図柄のことを「特図」ともいい、第1特別図柄のことを「特図1」や「第1特図」ともいい、第2特別図柄のことを「特図2」や「第2特図」ともいう。さらに、演出図柄8を表示する画像表示装置7、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bの何れか又は全部を指して「識別情報表示手段」ともいう。
演出図柄8の停止表示態様は次のように定めることができる。例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が16R大当りや6R大当り等になった場合には、「444」や「777」などの3桁同一のゾロ目で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が2R大当りとなった場合には、「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況(大当りが発生したか否か等)を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
ここで、演出図柄8の停止表示態様(図柄組み合わせ)のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様のことを「大当り態様」、「特定態様」又は「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様のことを「外れ態様」、「非特定態様」又は「非特定表示結果」ともいう。また、演出図柄8の停止表示態様は、演出図柄8の変動表示の結果を示すものであるといえることから、当該演出図柄8の停止表示態様のことを「結果表示態様」ともいう。
画像表示装置7の表示画面7aでは、前述のような演出図柄8を用いた遊技演出(「演出図柄遊技演出」ともいう。)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(「特別遊技演出」ともいう。)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出等の演出表示では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像など、演出図柄以外の様々な演出画像も表示される。なお、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)を取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。また、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらに、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材14が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
ここで、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで表示演出を行うことが可能な画像表示装置7のことを「表示演出部」や「表示演出手段」ともいい、遊技演出中に作動することで可動演出を行うことが可能な可動装飾部材14のことを「可動演出部」や「可動演出手段」ともいう。また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出部」や「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5、枠ランプ66及び装飾部材13のことを「光演出部」や「光演出手段」ともいう。なお、盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。さらに、これら「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」及び「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(「第1特別図柄当否判定」ともいう。)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう。)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(「第2特別図柄当否判定」ともいう。)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
なお、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」や「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」や「非特定変動」ともいう。
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は第2始動口ソレノイド24(図5を参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能とされる。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう。)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は第1大入賞口ソレノイド33(図5を参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう。)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5を参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた実行条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。
さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと右側の右遊技領域(第2領域)3Bとに分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように発射ハンドル60を操作して遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように発射ハンドル60を操作して遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちを行って第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちを行ってゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30又は第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。なお、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)が所定の変動表示時間(「変動時間」ともいう)にしたがって変動表示した後に停止表示し、停止表示した特別図柄(停止図柄)の表示態様(停止表示態様)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果が報知される。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当り遊技(特別遊技)が実行される。なお、大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。なお、特別図柄の停止表示時間は「0.5秒~1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「6R第4大当り」及び「6R第5大当り」の5種類の大当りが設けられており(図6、図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら5種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第3大当り図柄)、6R第4大当りとなった場合には「ijo」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第4大当り図柄)、6R第5大当りとなった場合には「jno」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第6大当り」、「16第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」及び「2R第11大当り」の6種類の大当りが設けられており(図6、図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第6大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第6大当り図柄)、16R第7大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第7大当り図柄)、12R第8大当りとなった場合には「abc」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(12R第8大当り図柄)、6R第9大当りとなった場合には「afg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第9大当り図柄)、2R第10大当りとなった場合には「abde」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(2R第10大当り図柄)、2R第11大当りとなった場合には「abdh」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(2R第11大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
なお、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され、この取得された各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では「4」)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、普通図柄当否判定の結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また、普通図柄当否判定の結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。なお、外れ普通図柄は特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」、「メイン制御部」又は「遊技制御部」ともいう。)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板90(「副制御部」、「サブ制御部」又は「演出制御部」ともいう。)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう。)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(「画像制御部」又は「表示制御部」ともいう。)等を備えている。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられている。この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上には副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう。)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。これらセンサが遊技球を検知すると、その検知信号が主制御基板80に入力され、これを受けて遊技制御用マイコン81は副制御基板90に対し各入賞口に応じた入球コマンドを送信する。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン(「払出制御用マイコン」ともいう。)116が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。なお、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、副制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(「演出制御用マイコン」ともいう。)91が実装されている。演出制御用マイコン91は、各種演出を実行するにあたっての演出制御全般を担うものであり、「演出制御手段」として機能するものである。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。なお、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、副制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。なお、副制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、例えば、チャンス目予告や保留変化予告、ステップアップ予告等の各種予告演出を実行させる予告演出実行手段としても機能する。予告演出については後述する。
副制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン(「画像制御用マイコン」ともいう。)101のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。なお、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、副制御基板90のROMに格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、可動装飾部材14は複数の装飾LED(図示せず)を含んで構成されており、装飾LEDの発光態様(点灯/消灯/点滅や発光色等)を決める発光パターンデータも、可動装飾部材14の動作パターンデータに含まれている。このため、可動装飾部材14の動作には、可動装飾部材14の上下動だけでなく、装飾LEDの発光(点灯/点滅等)も含まれることとなる。
副制御基板90には、第1演出ボタン63aが操作されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cと、第2演出ボタン63bが操作されたことを検知する第2演出ボタン検知スイッチ63dと、が接続されている。第1演出ボタン63aが操作されると、第1演出ボタン検知スイッチ63cのスイッチ信号(「検知信号」ともいう)がONとなって副制御基板90に入力され、第1演出ボタン63aの操作が解かれると、その検知信号がOFFとなって副制御基板90に入力される。第2演出ボタン63bが操作されると、第2演出ボタン検知スイッチ63cの検知信号がONとなって副制御基板90に入力され、第2演出ボタン63bの操作が解かれると、その検知信号がOFFとなって副制御基板90に入力される。なお、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dの一方又は両方を指して「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。また、第1演出ボタン検知スイッチ63cのことを「第1操作検知手段」ともいい、第2演出ボタン検知スイッチ63dのことを「第2操作検知手段」ともいい、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dの一方又は両方のことを「操作検知手段」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(当否判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が表示(停止表示)され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が表示(停止表示)される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2~第5大当り」、「16R第6大当り」、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」及び「2R第11大当り」の計11種類が設けられている。これらの大当りのうち、第1特別図柄に係る大当りである「16R第1大当り」及び「6R第2~第5大当り」と、第2特別図柄に係る大当りである「16R第6大当り」は、何れも、第1大入賞口30(下アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第1大当り」及び「16R第6大当り」は、何れも、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「6R第2~第5大当り」は、何れも、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が6回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。なお、ラウンドを単に「R」と表記することがある。また、大当り遊技を構成するラウンドのことを「ラウンド遊技」ともいう。
一方、第2特別図柄に係る大当りである「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」および「2R第11大当り」は、第2大入賞口35(上アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」及び「6R第9大当り」は、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が夫々16回、12回、6回で、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「2R第10大当り」及び「2R第11大当り」は、何れも、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が2回、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき0.1秒の大当りである。特別図柄表示部41は、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
なお、16R第1大当り、16R第6大当り及び16R第7大当りのことを総じて「16R大当り」ともいい、6R第2~第5大当り及び6R第9大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、2R第10大当り及び2R第11大当りのことを総じて「2R大当り」ともいう。また、12R第8大当りのことを単に「12R大当り」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、当選(発生)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態(変動遊技が実行されるときの遊技状態)を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に制御することが可能となっている。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り及び2R第10大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される。また、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3~第5大当り及び2R第11大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3~第5大当り及び2R第11大当りは「非確変大当り」(通常大当り、時短大当り)として捉えることができる。
また、2R大当り(2R第10大当り、2R第11大当り)は、前述したように第2大入賞口35を1ラウンドにつき0.1秒で開放(一瞬開閉)させる大当りであり、このように極短時間で開放する第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性は低く、したがって、第2大入賞口35への入球の基づく賞球を獲得できる可能性も低い。このような2R大当りは、いわゆる「出球なし大当り」ともいい、そのうち2R第10大当りのことを「出球なし確変大当り」ともいい、2R第11大当りのことを「出球なし通常(時短)大当り」ともいう。
なお、本実施例では、2R第10大当り及び2R第11大当りについて、大当りの発生や大当り遊技の実行に際し、何れの大当りに係る大当り遊技が実行されるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される変動演出の態様や演出図柄8の停止表示態様、大当り遊技演出の態様等を共通化することで、演出を通じて大当り種別を把握(判別)するのを困難にしている。このため、2R大当りが発生した場合、遊技者は、当該大当り遊技後の遊技状態が低確率状態なのか高確率状態なのかを、原則、大当り遊技後の高ベース状態の継続又は終了の分岐(図6を参照)に至るまでは判別できないものとなっている。
また、本実施例では、第2大入賞口35(上アタッカー)を開放させる大当りのうち、16R第7大当り、12R第8大当り及び6R第9大当りについては、大当りの発生や大当り遊技の実行に際し、何れのラウンド数の大当り遊技が実行されるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される変動演出の態様や演出図柄8の停止表示態様、大当り遊技演出の態様等を共通化することで、演出を通じて大当り遊技の正確なラウンド数を把握(判別)するのを困難にしている。このため、これらの大当りは、ラウンドがどこまで続く分からない状況下でラウンドを消化しつつ、6ラウンドや12ラウンドの終了を迎えるタイミング(ラウンド分岐)で、ラウンドがさらに続くか否かに注目するといった遊技性となっている。このような大当りは、所謂「ランクアップボーナス」と呼ばれるもので、以下、この大当りのことを「RUB」と表記することがある。
さらに、本実施例では、第1大入賞口30(下アタッカー)を開放させる大当りのうち、6R第2~第5大当りについては、大当りの発生や大当り遊技の実行に際し、何れの大当りに係る大当り遊技が実行されるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される変動演出の態様や演出図柄8の停止表示態様、大当り遊技演出の態様等を共通化することで、演出を通じて大当り種別を把握(判別)するのを困難にしている。このため、6R第2~第5大当りの何れかが発生した場合、遊技者は、当該大当り遊技後の遊技状態が低確率状態なのか高確率状態なのかを、原則、大当り遊技後の高ベース状態の継続又は終了の分岐(図6を参照)に至るまでは判別できないものとなっている。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが55%、6R第3大当りが5%、6R第4大当りが15%、6R第5大当りが20%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第6大当りが30%、16R第7大当りが7%、12R第8大当りが10%、6R第9大当りが8%(つまり、RUBが25%)、2R第10大当りが5%、2R第11大当りが40%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定(当否判定)は「特別図柄当否判定用乱数」(「当否判定用情報」ともいう。)に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数」(「図柄決定用乱数」又は「図柄決定用情報」ともいう。)に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数」(「変動パターン情報」ともいう。)がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0~198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0~240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例に係るパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態のことを「高確率状態」や「確変状態」ともいい、作動していない状態のことを「低確率状態」や「通常状態」ともいう。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。なお、確率変動機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能する。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄の一方又は両方)について変動時間短縮機能が作動している状態のことを「時短状態」ともいい、作動していない状態のことを「非時短状態」ともいう。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。なお、変動時間短縮機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態を設定可能な短縮変動状態設定手段として機能する。
特別図柄についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」(高頻度状態発生手段)ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り及び2R第10大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態であり、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、6R第3~第5大当り及び2R第11大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本例では100回又は20回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「通常遊技」として捉えることができる。一方、高確高ベース状態や低確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、これら高確高ベース状態や低確高ベース状態を「有利状態」として捉えることができる。なお、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これら3つの遊技状態のうち、有利状態としての低確高ベース状態を「第1遊技状態」ともいい、同じく有利状態としての高確高ベース状態を「第2遊技状態」ともいい、非有利状態としての低確低ベース状態のことを「第3遊技状態」ともいう。また、それら3つの遊技状態に加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。この高確低ベース状態も低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、「有利状態」として捉えることができる。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10~図36に基づいて遊技制御用マイコン81の作動(メイン制御部80による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。なお、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等(図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
その結果、普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはメイン制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算して(S307)、特図2関係乱数取得処理を行う(S308)。
特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはメイン制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算して(S311)、特図1関係乱数取得処理を行う(S312)。
特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、第2特図保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(いわゆる「保留先読み」)に相当するものである。
なお、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りか否かや大当り種別、大当り期待度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。なお、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのまま副制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、メイン制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるか否か、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるか否かを特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
なお、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、第2特図保留の優先消化を利用して、任意のタイミングで第2特図保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。なお、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、S502~S505の処理を行うことなく本処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。
普通図柄変動パターン選択処理(S503)では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により当りであるか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により当りであるか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、普図当否判定(S603,S604)の結果が当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、外れと判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)であると判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、本処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中であるか否かを判定する(S1002)。その結果、第2始動口21の開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、S1004の処理を行うことなく本処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、本処理を終える。
一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)、S1006~S1010の処理を行うことなく本処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるべくそのまま本処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)、本処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであると判定した場合(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(S206)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示部41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、特図動作ステータスが「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、特図動作ステータスが「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、特図動作ステータスが「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。なお、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201にて特図2保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、図8(A)に示す大当り判定テーブルのうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブルのうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、本処理を終える。一方、大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、本処理を終える。
第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定及び何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、6R用ランプ、12R用ランプ及び16R用ランプの4個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば2R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲6△12△16R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6▲12△16R△」の様な表示態様となる。また、12R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、12R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12▲16R△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12△16R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(S1102)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。その結果、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。その結果、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1~P3の何れかが選択される。なお、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4~P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8~P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401にて時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。その結果、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12~P14の何れかが選択される。
一方、S1408で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。S1410で保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15~P18の何れかが選択される。
一方、S1410で保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」~「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19~P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、本処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、本処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でYES、S1206でNO)、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701~S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、本処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、S1902~S1912の処理を行うことなく本処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、S1901にて変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合(S1905でYES)、確変フラグをOFFにし(S1906)、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、そのままS1907の処理に移行する。
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算する(S1908)。そして、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、そのままS1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
なお、前述の特図2変動開始処理(S1205)、特図1変動開始処理(S1210)及び特別図柄変動中処理(S1104)を実行する遊技制御用マイコン81は、「変動遊技実行手段」として機能するものである。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し(S2002)、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。これに対し、S2002で大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別が12R大当りであるか否かを判定し(S2004)、12R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。また、S2004で大当り種別が12R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、確定した大当りの種別が6R大当りであるか否かを判定し(S2006)、6R大当りであると判定した場合(S2006でYES)、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。さらに、S2006で大当りの種別が6R大当りでないと判定した場合(S2006でNO)、確定した大当りの種別は2R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットする(S2009)。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放動作が実行される。
次いでS2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2~第5大当りに対応する第2オープニングコマンド、16R第6大当りに対応する第3オープニングコマンド、RUB(16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り)に対応する第4オープニングコマンド及び2R大当り(2R第10大当り、2R第11大当り)に対応する第5オープニングコマンドの計5種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドをセットする。そして、メイン制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
これに対し、S2001にて大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)では、まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにして(S2102)、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにして(S2104)、S2105の処理に移行する。なお、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次いでS2105では、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。
S2106にてラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。なお、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させるべく、開閉部材を動作(開動作)させる。
一方、S2106にてラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2113~S2115の処理を行うことなくS2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば10個)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。
S2113でラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、S2114~S2121の処理を行うことなく本処理を終える。一方、S2113でラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
次いでS2115では、大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開閉部材を動作(閉動作)させて、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理では、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。
次いでS2116では、インターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、S2117~S2121の処理を行うことなく本処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。その結果、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、S2119~S2121の処理を行うことなく処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにして(S2121)、本処理を終える。なお、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、第1大入賞口30および第2大入賞口35は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
メイン制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
前述のS2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングであるか否かを判定する(S2122)。その結果、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、S2123~S2126の処理を行うことなく本処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにして(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにして(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。なお、以上の特別電動役物処理(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特別遊技実行手段」として機能するものである。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り及び2R第10大当りの7種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら7種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。その結果、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、本処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。なお、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了した大当り遊技が非確変大当り(通常大当り)に係るものである場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」又は「20」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3~第5大当り及び2R第11大当りの4種類を非確変大当りとしているので、これら4種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が、低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示(特別図柄当否判定)が100回又は20回行われること、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。本実施例では、低確高ベース状態の終了条件となる特別図柄の変動表示回数(規定変動回数)を、低確高ベース状態の設定契機となる大当りの種別に応じて設定するものとしている。具体的に、6R第3~第5大当りを契機とする低確高ベース状態の規定変動回数を「100回」としており、2R第11大当りを契機とする低確高ベース状態の規定変動回数を「20回」としている(図6を参照)。したがって、今回終了した大当り遊技が6R第3~第5大当りの何れかに係るものである場合、時短カウンタに「100」がセットされ、2R第11大当りに係るものである場合、時短カウンタに「20」がセットされる(S2207)。なお、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する遊技制御用マイコン81は、「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報を副制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
なお、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、本処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにして(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37~図42に基づいて、演出制御用マイコン91の作動(サブ制御部90による制御処理)について説明する。なお、演出制御用マイコン91の説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。副制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、副制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
次いでS4002では、電源断信号がONでかつ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、この判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。
なお、S4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータが副制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、副制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
次いでS4004にて割り込みを禁止し(S4004)、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。なお、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたとき、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたとき、後述の変動演出パターンを決定するとき、等とすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(変動演出、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。
次いでS4007では、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や各種ランプの点灯制御、可動装飾部材の動作制御、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。このスイッチデータは、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの夫々についての操作有無(ON、OFF)を示すもので、演出ボタン63の操作に基づく操作対応演出の実行に供されるものである。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。なお、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。
演出保留情報記憶処理(S4400)では、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等を特定可能な遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」として機能するといえる。
次いでS4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4401)。その結果、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。
S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。なお、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。以上の変動演出開始処理(S4402)及び変動演出終了処理(S4404)を実行する演出制御用マイコン91も「変動遊技実行手段」として機能するといえる。
次いでS4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4406)。
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
次いでS4407にてその他の処理を行い、本処理を終える。その他の処理(S4407)としては、例えば、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理を行う(S4501)。本実施例では、メイン制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いでS4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。変動パターン指定コマンドには、図9に示す変動パターン情報(P1~P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能である。なお、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いでS4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像(演出表示)が演出モードによって異なるものとされる。また、変動演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の変動演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる変動演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードA,Bは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかに制御されているときに実行される。従って、演出モードがA~Cの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。その意味において演出モードA~Cは、確率報知モードといえる。演出モードA及びBのことを「通常モード」ともいい、演出モードCのことを「確変モード」ともいう。一方、演出モードがD又はEである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。本実施例では、16R第1大当り、16R第6大当りおよびRUBの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードCとなり、6R第2~5大当りの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードDとなり、2R大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードEとなる。
次いでS4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)とメイン制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)が副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いでS4505では、S4501で取得した変動演出決定用乱数およびS4504でセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、主に、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(変動演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチあり変動演出)やリーチ演出を実行しない場合(リーチなし変動演出)等が決定される。また、変動演出パターンには、演出図柄8の変動態様の他、演出図柄8の変動表示に付随して実行される音演出や光演出、可動演出等の実行態様も含まれ、これら演出の実行有無についても決定される。
なお、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個(例えば第1停止図柄及び第2停止図柄)が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個(例えば第3停止図柄)が変動表示を続けている状態で、その残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。このリーチ演出によれば、大当り発生を狙う遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。このようなリーチ演出のことを「特定演出」ともいう。
またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。ここで、停止表示の種類には、仮停止表示(仮停止)と確定停止表示(確定停止)とがある。仮停止とは、演出図柄のスクロール表示(変動表示)が一旦停止(一時停止)され、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる程度に僅かに動いた状態で表示されることを意味する。僅かに動いた状態のことを「揺れ変動」ともいう。一方、確定停止とは、演出図柄のスクロール表示(変動表示)が終了して、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる状態で完全に停止して表示されることを意味する。演出図柄が変動表示を経て確定停止されると、その変動表示の表示結果(変動演出の結果)が確定的に表示(確定表示)されること(導出表示されること)となる。したがって、演出図柄の仮停止は、確定停止に至るまで1回または複数回行うことが可能である。
S4505において決定(選択)する停止演出図柄は、仮停止する図柄(以下「仮停止図柄」ともいう。)と、確定停止する図柄(以下「確定停止図柄」ともいう。)である。具体的に、変動演出の結果として停止表示(確定停止)される演出図柄8、すなわち確定停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチあり外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチなし外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、16R第1大当り及び16R第6大当りの何れかの場合は「777」のゾロ目とされ、6R第2~第5大当りの場合は「777」以外の奇数図柄のゾロ目または「666」等の偶数図柄のゾロ目とされ、RUBに相当する大当りの場合は「3★3」等のRUB専用出目(専用図柄)とされる。また、2R大当りの場合は、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L,8C,8Rを停止表示するものとしている。但し、2R大当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目を停止表示してもよい。
また、確定停止に至る前の変動表示の途中で一旦仮停止される演出図柄8、すなわち仮停止図柄は、基本的には、前述のゾロ目(大当り態様)以外の出目(リーチ外れ目、完全外れ目等)とされる。但し、例えば、演出図柄8をゾロ目で停止した後に再度変動表示させる所謂「再抽選」を実行する変動演出パターンの場合には、仮停止図柄がゾロ目(大当り態様)とされる。この場合、仮停止図柄は、相対的に有利度合の低い大当り(例えば確変大当りよりも有利度合の低い通常大当り)に対応する出目とされる。また、再抽選後の確定停止図柄は、再度、相対的に有利度合の低い大当りに対応する出目としたり、相対的に有利度合の高い大当りに対応する出目としたりすることができる。さらに、演出図柄8は、変動表示が終了して確定停止する直前(間際)にも仮停止されることから、確定停止直前に仮停止する演出図柄8も仮停止図柄であるが、この場合の仮停止図柄は確定停止図柄と同じとなる。なお、前述した演出図柄8の停止表示態様はあくまでも一例であり、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜設定可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう。)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC等が設定されている。S4505では、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、それらリーチ演出等のうち何れの演出を行うか、又はそれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう。)かが決定される。そして、例えば、リーチあり変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、スーパーリーチ演出(SPリーチA~Cの何れか)が実行される場合には、ノーマルリーチ演出(リーチA~Cの何れか)が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はノーマルリーチ演出と比較して大当りとなる可能性(大当り期待度)の高い遊技演出であるといえる。
本実施例では、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを副制御基板90が受信した場合に、当該コマンドに基づいてリーチ演出(リーチあり変動演出)が設定(実行)され得る。そのうち、変動時間が30000msの場合には、リーチ演出としてノーマルリーチ演出が設定(実行)され(ノーマルリーチ変動演出)、変動時間が45000ms以上の場合には、リーチ演出としてSPリーチ演出が設定(実行)される(SPリーチ変動演出)。なお、本実施例では、リーチ演出の種類としてリーチA~Cの3種類のノーマルリーチと、SPリーチA~Cの3種類のスーパーリーチを備えるものとしているが、リーチ演出の種類(数)はこれに限定されるものではなく、さらに多くのリーチ演出を備えることとしてもよい。
ここで、演出図柄8の変動表示は、基本的に次のようにして行われる。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、全図柄の変動速度が高速で略一定となり、その後、所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで、第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本例では右演出図柄8R)の変動速度が低下して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)の変動速度が低下して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止することで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして、ノーマル変動やリーチ演出等が行われる。
例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、これに続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄で停止(仮停止)すればリーチ成立となり、その後、リーチ演出に発展する。一方、リーチ成立とならなければ(つまり、ノーマル変動であれば)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。本実施例では、ノーマル変動にて、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間は約11秒となっている。但し、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合のノーマル変動では、変動表示の開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。
なお、S4505にて設定される変動演出パターンや、後述のS4506で設定される予告演出パターンによっては、例えば、演出図柄8の変動表示の開始後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが同時期に一斉に停止(仮停止)したり、第1停止図柄が停止するまでの所定時間(例えば9秒)を越えても全図柄が変動し続けたりする等、演出図柄の停止表示の順序やタイミング等が前述した態様と異なる場合がある。
次いでS4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。予告演出とは、現在実行中の変動表示の結果又は後に実行される変動表示の結果が大当りとなる可能性(大当りの期待度)を示唆する演出のことである。予告演出のことを「示唆演出」ともいう。本実施例では、S4400で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定したりする。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、副制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブルとに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
なお、S4400で記憶される演出保留情報の記憶内容(演出保留情報記憶領域の記憶内容)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定の結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)によって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は、異なるものとなる。また、予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を実行することもあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を実行すること、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで実行することもある。
次いでS4507では、S4505で設定した変動演出パターン及びS4506で設定した予告演出パターンに基づいて変動演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を構成する画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
ここで、本実施例では、演出モードA及びB(通常モード)にて実行可能な変動演出のうち、大当り変動用の変動演出(「大当り変動演出」ともいう。)として、いわゆるプレミア演出の一種である「全回転演出」が設けられている。また、通常モードにて実行可能な予告演出として「ウィンドウ予告演出」が設けられている。さらに本実施例では、演出モードC(確変モード)を、味方キャラクタ(「味方キャラ」ともいう。)と敵キャラクタ(「敵キャラ」ともいう。)の対決を描いた「バトルモード」としており、演出モードEをバトルモードへの復帰を狙う「リベンジモード」としている。以下、これらの演出及びモードについて説明する。
[全回転演出]
全回転演出は、主制御基板80から「変動パターンP1」(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを副制御基板90が受信した場合に、当該コマンドに基づいて実行され得る大当り変動演出である。前述のように、S4505では、S4501で取得した変動演出決定用乱数およびS4504でセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに適合した変動演出パターンが決定(設定)される。変動演出パターンは複数設けられており、さらにその中に変動パターンP1に対応する変動演出パターンが複数設けられている。この変動パターンP1に対応する変動演出パターンの1つとして全回転演出を含む変動演出パターンが設けられている。この全回転演出を含む変動演出パターンのことを「特別変動演出パターン」又は「特定変動態様」ともいい、全回転演出を含む変動演出(つまり、特別変動演出パターンに基づく変動演出)のことを「特別変動演出」ともいい、全回転演出のことを「特別演出」ともいう。
特別変動演出パターンは、複数ある大当り変動演出パターンの中で選択率が最も低い確率(例えば1%未満)に設定されるものである。このため、全回転演出(特別変動演出)の出現率は非常に低くなっている。図43に、全回転演出を実行中の表示画面7aを示す。同図に示すように、本実施例の全回転演出は、表示画面7aの右下部に小さく表示される3つの演出図柄8L,8C,8Rが大当り態様を構成した状態を維持しつつ低速(大当り態様を遊技者が認識できる程度の変動速度)で変動表示するなか、表示画面7aの略全体に全回転演出専用のムービー(動画)を表示(再生)することにより実行される。なお、図43では、演出図柄8の「2」のゾロ目が視認できる状態を示しているが、特別変動演出では、ゾロ目を構成する3つの演出図柄8L,8C,8Rがそれぞれ横方向に同期して回転表示され、ゾロ目の数字が「3」、「4」、「5」・・・と順に変化していく。そして、特別変動演出の終了時に「1」~「9」のいずれかの数字によるゾロ目が表示画面7aの略中央(演出図柄表示領域7b)に停止表示(確定停止)される。
特別変動演出が実行される場合、その実行期間(変動演出時間)のうち全回転演出(ムービー再生)が実行(開始)される前の所定時期に、これから実行される全回転演出の内容を報知する演出(「内容報知演出」ともいう。)が実行される。本実施例では、全回転演出として表示可能な全回転演出専用のムービー(「全回転ムービー」ともいう。)が複数設けられており、全回転演出で表示(再生)する全回転ムービーの内容を、内容報知演出によって遊技者に事前に知らせる(報知する)ものとしている。つまり、表示内容が異なる複数の全回転演出が設けられており、これから実行される全回転演出の内容(実行対象)を内容報知演出によって遊技者に事前に知らせる(報知する)ものとしている。
特別変動演出の実行期間(変動演出時間)には、内容報知演出を実行するための所定の内容報知期間が全回転演出(ムービー再生)の開始前に設定されており、その内容報知期間にて内容報知演出が実行される。本実施例では内容報知期間の設定時間(発生時間)を7秒としている。また本実施例では、内容報知期間中(内容報知演出の実行期間中)、第2演出ボタン63bを操作して、報知期間後に実行される全回転演出(全回転ムービー)の内容(種類)を変更(選択)することが可能となっている。
こうした全回転演出及び内容報知演出の実行に係る制御処理として、演出制御用マイコン91は、図44に示す全回転演出処理(S4600)を実行する。全回転演出処理(S4600)は、前述のS4507の処理により特別変動演出が開始された後、当該特別変動演出の進行に伴って(特別変動演出の実行中に)実行されるもので、本実施例では10msタイマ割り込み処理(S4010)の一処理として実行される。以下、全回転演出処理(S4600)について、全回転演出及び内容報知演出と併せて説明する。
[全回転演出処理]
図44に示すように、全回転演出処理(S4600)では、まず、内容報知期間中であるか否か、すなわち、内容報知演出を実行中であるか否かを判定する(S4601)。その結果、内容報知期間中である場合(S4601でYES)、S4605の処理に移行し、内容報知期間中でない場合(S4601でNO)、内容報知期間の開始タイミングが到来したか否かを判定する(S4602)。本実施例では、特別変動演出が開始されると、すぐさま画像表示装置7の表示画面7aの全体が暗転(ブラックアウト)し、当該画面全体に「全回転プレミアム」の文字が白色で表示されるものとなっている(図示せず)。この表示画面7aのブラックアウト及び「全回転プレミアム」の文字表示は、特別変動演出を構成する演出要素の1つとして特別変動演出パターンに含まれるものであり、本実施例では特別変動演出の開始から3秒間行われるものとなっている。「全回転プレミアム」の文字表示を通じて、遊技者は、プレミア演出としての全回転演出がこの後実行(開始)されることを知ることができる。このような「全回転プレミアム」の文字表示は、全回転演出が実行(開始)されることを報知する演出(「全回転開始報知演出」ともいう。)として捉えることができる。そして、全回転開始報知演出が終了(特別変動演出の開始から3秒が経過)すると、これに続いて内容報知期間(7秒)が開始されるものとなっている。S4602では、その全回転開始報知演出が終了(特別変動演出の開始から3秒が経過)して内容報知期間の開始タイミングが到来したか否かを判定するのである。
S4602にて内容報知期間の開始タイミングが到来していないと判定した場合(S4602でNO)、S4603以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、内容報知期間の開始タイミングが到来したと判定した場合(S4602でYES)、画像表示装置7の表示画面7aに内容報知画面NHを表示する(S4603)。S4603では、内容報知画面NHの表示を指示するコマンド(内容報知画面表示コマンド)を画像制御基板100に送信し、これを受けて画像制御用マイコン101が内容報知画面NHの表示制御を実行する。この内容報知画面NHの表示により、内容報知演出が実行される。また、S4603の処理に伴って、内容報知画面NHに実行対象として報知(表示)される全回転ムービーの内容変更を受け付ける受付期間を開始する(S4604)。これにより、内容報知期間の開始とともに受付期間が開始される。本実施例では、内容報知期間の開始に伴って受付期間が開始され、内容報知期間の終了2秒前に受付期間が終了する構成となっている。すなわち、受付期間の設定時間(発生時間)は内容報知期間より2秒短い5秒となっている。なお、受付期間の設定時間(発生時間)は本実施例に限定されるものではなく、例えば、内容報知期間と同じ時間に亘って設定する(発生させる)ことも可能である。
ここで、内容報知期間の開始により表示される本実施例の内容報知画面NHを図45(A)に示す。同図に示すように、内容報知画面NHには、当該画面の左右方向に延びるパネル表示領域HYが当該画面の上下略中央に設定されており、当該表示領域に5つのパネル画像PG1~PG5が表示される。パネル画像PG1~PG5は、それぞれ全回転ムービーの内容を遊技者が認識可能となるように示すものである。本実施例では、それぞれ内容(例えばストーリー等)が異なる5種類(5パターン)の全回転ムービーが設けられており、これら5種類の各々に対応してその内容を示すパネル画像PG1~PG5が表示される。パネル画像は、例えば、ムービーで登場する主人公キャラクタの顔やムービーのタイトルを描いたもの等とすることができる。ここでは説明をわかりやすくするため、5種類(5パターン)の全回転ムービーをA,B,C,D及びEのアルファベットにより区別して説明する。なお、全回転ムービーの種類(数)は5種類でなくてもよく、これより多くしたり少なくしたりすることが可能である。
そして、パネル表示領域HYは、その中央に位置する第1表示領域HY1(第1表示部)と、第1表示領域HY1の左右両側に位置する第2表示領域HY2(第2表示部)とからなり、そのうち第1表示領域HY1には、実行対象(選択中)の全回転ムービーに対応する一のパネル画像が表示され、第2表示領域HY2には、それ以外の全回転ムービーに対応するパネル画像(本例では4つのパネル画像)が表示される。図45(A)では、全回転ムービーAに対応するパネル画像PG1が第1表示領域HY1に表示され、全回転ムービーBに対応するパネル画像PG2及び全回転ムービーCに対応するパネル画像PG3が第1表示領域HY1の右側の第2表示領域HY2(「右側第2表示領域HY2」ともいう。)に表示され、全回転ムービーDに対応するパネル画像PG4及び全回転ムービーDに対応するパネル画像PG5が第1表示領域HY1の左側の第2表示領域HY2(「左側第2表示領域HY2」ともいう。)に表示される様子を示している。この図45(A)に示すパネル表示領域HYの表示内容が、内容報知演出(内容報知期間)開始時の内容となっている。つまり、内容報知演出(内容報知期間)の開始当初は全回転ムービーAが実行対象としてデフォルトで表示されるようになっている。また、本実施例では実行対象の全回転ムービーの内容とそうでないものとをわかりやすく示すため、第1表示領域HY1に表示されるパネル画像を、第2表示領域HY2に表示されるパネル画像よりも大きくしている。
さらに、内容報知画面NHのうちパネル表示領域HYの下部には、実行対象の全回転ムービーの内容(第1表示領域HY1に表示されるパネル画像)の変更を受け付ける受付期間の残り時間を示すメッセージ画像M1と、その変更指示の入力を第2演出ボタン63aの操作により行える旨を遊技者に示すための操作画像SGが表示される。
このような画面構成を有する内容報知画面NHが表示画面7aに表示されてから、受付期間が終了するまで、遊技者は第2演出ボタン63bを左右方向に回転操作することで、第1表示領域HY1に表示されるパネル画像の種類を変更することが可能となっている。このことに対応して、全回転演出処理(S4600)では、内容報知画面NHの表示(S4603)及び受付期間の開始(S4604)に次いで、第2演出ボタン63bの操作による変更指示入力があるか否かを判定する(S4605)。その結果、変更指示入力がなければ(S4605でNO)、S4607の処理に移行し、変更指示入力があれば(S4605でYES)、その入力に基づいて実行対象の全回転ムービーの内容(第1表示領域HY1に表示されるパネル画像)の変更表示を行う(S4606)。
S4606の変更表示は、第2演出ボタン検知スイッチ63dからの検知信号に基づくパネル画像PG1~PG5の移動表示によって実行される。すなわち、演出制御用マイコン91は、第2演出ボタン63bが左方向(反時計回り)に回転操作されたことを示す左回転検知信号の入力があると、パネル表示領域HYに表示中のパネル画像PG1~PG5を、それぞれ左方向へ1つ(1コマ)ずつ移動(シフト)させる。このとき、パネル表示領域HYの左端(左側第2表示領域HY2内の左表示部)に表示されたパネル画像の次の移動先は、パネル表示領域HYの右端(右側第2表示領域HY2内の右表示部)となる。こうした左方向への移動により、第1表示領域HY1に表示されていたパネル画像が左側第2表示領域HY2に順次移動するとともに右側第2表示領域HY2に表示されていたパネル画像が第1表示領域HY1に順次移動して表示される。一方、第2演出ボタン63bが右方向(時計回り)に回転操作されたことを示す右回転検知信号の入力があると、パネル表示領域HYに表示中のパネル画像PG1~PG5を、それぞれ右方向へ1つ(1コマ)ずつ移動(シフト)させる。このとき、パネル表示領域HYの右端(右側第2表示領域HY2内の右表示部)に表示されるパネル画像の次の移動先は、パネル表示領域HYの左端(左側第2表示領域HY2内の左表示部)となる。こうした右方向への移動により、第1表示領域HY1に表示されていたパネル画像が右側第2表示領域HY2に順次移動するとともに左側第2表示領域HY2に表示されていたパネル画像が第1表示領域HY1に順次移動して表示される。このように、受付期間中は、第2演出ボタン63gの操作に基づいて、第1表示領域HY1に表示されるパネル画像(全回転ムービーの内容)と第2表示領域HY2に表示されるパネル画像(全回転ムービーの内容)とを入れ替えることが可能となっている。
なお、S4606では、パネル画像の移動表示(全回転ムービーの内容の変更表示)を指示するコマンド(左移動表示コマンド又は右移動表示コマンド)を画像制御基板100に送信し、これを受けて画像制御用マイコン101がパネル画像の表示制御(移動表示)を実行する。
次いでS4607では、受付期間(本例では5秒)が経過したかを判定する(S4607)。その結果、受付期間が経過していないと判定した場合(S4607でNO)、S4608以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、受付期間が経過したと判定した場合(S4607でYES)、受付期間を終了して(S4608)、実行する全回転ムービーの内容が決定した旨を報知する(S4609)。この報知(「全回転ムービー決定報知」又は「内容決定報知」ともいう。)は、図45(B),(C)に示すように、第1表示領域HY1に表示されたパネル画像の周縁に太枠を表示することに行われる。すなわち、第1表示領域HY1に太枠で囲まれた状態で強調表示されたパネル画像に対応する内容の全回転ムービーが、この後の全回転演出で表示(再生)されるもの(実行対象)として決定された旨が報知される。
図45(B)は、内容報知演出(内容報知期間)の開始当初(図45(A)を参照)から第1表示領域HY1に表示されたデフォルトのパネル画像PG1(全回転ムービーA)が、最終的に実行対象に決まった場合を示している。これは、内容報知演出にて受付期間が開始された後、第2演出ボタン63bが一度も操作されることなく(変更指示の入力が行われることなく)受付期間が経過した場合、又は、第2演出ボタン63bが操作されて(変更指示の入力が行われて)最終的にパネル画像PG1が第1表示領域HY1に表示された場合が該当する。また、図45(C)は、内容報知演出にて受付期間が開始された後、第2演出ボタン63bが操作され(変更指示の入力が行われ)、パネル画像PG3(全回転ムービーC)が最終的に実行対象に決まった場合を示している。
なお、S4609では、全回転ムービー決定報知の実行を指示するコマンド(ムービー決定報知コマンド)を画像制御基板100に送信し、これを受けて画像制御用マイコン101がパネル画像の太枠の表示制御を実行する。S4609による全回転ムービー決定報知は2秒間実行され、当該決定報知の実行期間が経過することにより、内容報知期間(内容報知演出)が終了する。
次いでS4610では、実行対象として決定された内容の全回転ムービーの再生を表示画面7aにて開始する(S4610)。このS4610では、第1表示領域HY1に表示されたパネル画像に対応する全回転ムービーの再生を指示するコマンド(全回転演出開始コマンド)を画像制御基板100に送信し、これを受けて画像制御用マイコン101が全回転ムービーの表示(再生)制御を実行する。
ここで、本実施例では、内容報知演出の実行に際して表示する内容報知画面において、予め用意された5種類の全回転ムービーに対応する5つのパネル画像を表示し、そのうちの1つを実行対象の全回転ムービーの内容を示すものとして第1表示領域HY1に表示し、他の4つを変更可能な(変更対象の)全回転ムービーの内容を示すものとして第2表示領域HY2に表示し、第2演出ボタン63aの操作による変動指示入力に基づいて、実行対象を変更可能(選択可能)としている。これに対し、内容報知画面には実行対象の全回転ムービーの内容(例えばパネル画像)を1つだけ表示するものとし、他の内容(例えばパネル画像)を表示しないように構成してもよい。この場合、本実施例と同様に第2演出ボタン63bを操作したり、第1演出ボタン63を操作(押下)したりする都度、実行対象として表示される全回転ムービーの内容が、異なる内容(他の全回転ムービー)に変更される構成とすることが可能である。あるいは、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの何れか一方又は両方を、いわゆる裏ボタン入力の如く通常と異なる操作態様で操作(特殊操作)した場合に限り、実行対象として表示される全回転ムービーの内容が、異なる内容(他の全回転ムービー)に変更される構成とすることも可能である。また、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの何れか一方又は両方を操作して所定のパスワードを入力した場合に限り、実行対象として表示される全回転ムービーの内容が変更される構成とすることも可能である。
また、本実施例の内容報知演出では、当該演出の開始当初、パネル画像PG1(全回転ムービーAの内容)がデフォルトとして第1表示領域HY1に表示されるものとしたが、デフォルトとして表示されるパネル画像(全回転ムービーの内容)は、それ以外のパネル画像PG2~PG5の何れかとすることも当然可能である。また、内容報知演出の開始の都度、第1表示領域HY1に表示するパネル画像(全回転ムービーの内容)をサブ制御部90(演出制御用マイコン91)の制御下で抽選等により決定することも可能である。こうすれば、第1表示領域HY1に表示されるパネル画像(全回転ムービーの内容)が固定化されず変化し得るので、趣向性をより高めることが可能となる。
また本実施例では、内容報知画面NH(パネル表示領域HY)に表示されるパネル画像PG1~PG5の移動表示(変更表示)の指示入力を、第2演出ボタン63bを用いて行うものとしているが、例えば、操作レバーや十字キー、操作ダイヤルなど、前面枠51等に遊技者が操作可能に設けられる他の操作手段を用いて行うようにしてもよい。さらに、内容報知演出の実行に際して表示する内容報知画面の構成は、図45に示した本実施例のものに限定されるものではなく、その画面構成は任意である。
[ウィンドウ予告演出]
次に、本実施例のウィンドウ予告演出について説明する。前述のようにウィンドウ予告演出は、演出モードが通常モード(演出モードA又はB)に設定されているとき、すなわち、遊技状態が低確低ベース状態に制御されているときに実行され得る予告演出である。具体的には、通常モード(低確低ベース状態)にて演出図柄8(第1特別図柄)が変動表示を開始してから、第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)が停止(仮停止)するまでの間に実行され得るものであり、当該変動表示の結果として停止表示される停止表示態様(表示結果)が大当り態様(特定表示結果)となる可能性(大当り期待度)を示唆する演出(示唆演出)である。本実施例のウィンドウ予告演出が実行されるときの表示画面7aを図46に示す。
同図に示すように、ウィンドウ予告演出が実行(開始)されると、表示画面7aの略中央に1つのウィンドウ枠W1が表示されるとともに、ウィンドウ枠W1の左上方及び右下方に、ウィンドウ枠W1よりも小さいウィンドウ枠W2がそれぞれ1つずつ(計2つ)表示される。ウィンドウ枠W1及びウィンドウ枠W2の内側(ウィンドウ枠内)には、それぞれ、所定のキャラクタAを表したキャラ画像YG1、キャラクタBを表したキャラ画像YG2、及び、キャラクタCを表したキャラ画像YG3が表示可能となっている。キャラ画像は、例えば、本遊技機1の変動演出等(例えばSPリーチ演出等)で登場する人物や動物等をモチーフとして作成される。
ウィンドウ予告演出は所定の実行時間にしたがって実行されるものであり、本実施例ではその実行時間を、演出図柄8の変動開始(変動演出の開始)から第1停止図柄の停止(仮停止)までに要する時間(例えば9秒)より短い時間(例えば7~8秒)としている。そして、ウィンドウ予告演出の実行中、ウィンドウ枠W1内に表示されるキャラ画像の種類が変更される場合があるものとなっており、ウィンドウ予告演出が終了するときにウィンドウ枠W1内に表示されているキャラ画像により、現在実行中の変動表示(当該変動)に係る大当り期待度を示唆するものとなっている。つまり、ウィンドウ枠W1内に表示されるキャラ画像YG1(キャラA)、キャラ画像YG2(キャラB)、キャラ画像YG3(キャラC)は、いずれも実行中の変動表示(当該変動)に係る大当り期待度を示唆する画像(「示唆表示」ともいう。)として機能するものである。本実施例では、大当り期待度が最も高いキャラ画像をキャラ画像YG1(キャラA)としており、以下、キャラ画像YG2(キャラB)、キャラ画像YG3(キャラC)の順で大当り期待度が低くなるものとしている。
本実施例では、ウィンドウ枠W1内に表示されるキャラ画像の種類が変更される場合の演出(「キャラ変更演出」ともいう。)を、ウィンドウ枠W1内に表示されたキャラ画像とウィンドウ枠W2内に表示されたキャラ画像とが入れ替わる態様の演出としている。具体的には、例えば、ウィンドウ予告演出の開始当初、図46(A)に示すように、画面中央のウィンドウ枠W1内にキャラ画像YG1(キャラA)が表示され、画面左上のウィンドウ枠W2内にキャラ画像YG2(キャラB)が表示され、画面右下のウィンドウ枠W2内にキャラ画像YG3(キャラC)が表示された場合、この状態から、画面左上のウィンドウ枠W2内に表示されていたキャラ画像YG2(キャラB)がウィンドウ枠W1内に移動し、これに伴って、それまでウィンドウ枠W1内に表示されていたキャラ画像YG1(キャラA)が画面左上のウィンドウ枠W2内に移動することで(図46(B)を参照)、キャラ変更演出が実行される。これにより、ウィンドウ枠W1内に表示されたキャラ画像とウィンドウ枠W2内に表示されたキャラ画像とが入れ替わるものとなる。
ここで、ウィンドウ予告演出のことを「特定示唆演出」ともいい、ウィンドウ枠W1内に表示されるキャラ画像のことを「特定示唆表示」ともいい、ウィンドウ枠W1のことを「大ウィンドウ枠」又は「第1表示領域」ともいい、ウィンドウ枠W2のことを「小ウィンドウ枠」又は「第2表示領域」ともいう。
なお、キャラ変更演出の態様は上記態様に限定されるものではなく、例えば、図46(A)に示す状態から、画面左上の小ウィンドウ枠W2内に表示されていたキャラ画像YG2(キャラB)が大ウィンドウ枠W1内に移動し、これに伴って、それまで大ウィンドウ枠W1内に表示されていたキャラ画像YG1(キャラA)が画面右下の小ウィンドウ枠W2内に移動するとともに、それまで画面右下の小ウィンドウ枠W2内に表示されていたキャラ画像YG3(キャラC)が画面左上の小ウィンドウ枠W2内に移動する態様(図46(A)→図46(C)を参照)とすることも可能である。これによっても、大ウィンドウ枠W1内(第1表示領域)に表示されていたキャラ画像YG1(キャラA)と、小ウィンドウ枠W2内(第2表示領域)に表示されていたキャラ画像YG2(キャラB)とが入れ替わるといえる。
また、ウィンドウ予告演出の実行時期は演出図柄8の変動開始から第1停止図柄の停止(仮停止)までの間に限定されるものではなく、例えば、リーチ成立後、ノーマルリーチ演出からSPリーチ演出に発展するまでの間やSPリーチ演出に発展した後のSPリーチ演出中に実行することも可能である。さらに、ウィンドウ予告演出にて表示するキャラ画像の種類(数)は3種類でなくてもよく、これより多くしたり少なくしたりすることが可能である。
ウィンドウ予告演出を実行するか否か(実行有無)や、実行する場合の実行パターン(ウィンドウ予告演出パターン)等は、前述した変動演出開始処理(S4402)の中の予告演出設定処理(S4506)により決定(設定)される(図42を参照)。この決定は、例えば、図47に示すウィンドウ予告演出決定テーブルA~Eと、S4501で取得された予告演出決定用乱数(ウィンドウ予告決定用乱数)とに基づいて行うことができる。ウィンドウ予告演出決定テーブルA~Eは、いずれも、前述のS4502による変動開始コマンドの解析結果により特定可能な情報(特別図柄の変動パターン、特別図柄当否判定の結果等)に応じて、ウィンドウ予告演出の実行有無や実行する場合の実行パターン等が決定(選択)可能なデータ構造とされる。
図47(A)に示すウィンドウ予告演出決定テーブルA(単に「テーブルA」ともいう。)は、主にウィンドウ予告演出の実行有無と、実行する場合の実行パターンを決定するためのテーブルである。テーブルAで規定されるウィンドウ予告演出の実行パターンは、大ウィンドウ枠W1内に表示されるキャラ画像の種類がキャラ変更演出によって変更される回数に応じて設けられるものであり、本実施例ではパターンH0、パターンH1、パターンH2及びパターンH3の4種類が設けられている。そのうち、パターンH0はキャラ画像の変更回数が0回のパターン(キャラ変更演出が実行されないパターン)であり、パターンH1はキャラ画像の変更回数が1回のパターンであり、パターンH2はキャラ画像の変更回数が2回のパターンであり、パターンH3はキャラ画像の変更回数が3回のパターンである。
図47(A)に示すように、テーブルAは、第1特別図柄当否判定の結果が大当り(16R第1大当り及び6R第2~第5大当りの何れか)である場合と外れである場合との各々について、予告演出決定用乱数の値(0~99)を、「なし」、「パターンH0」、「パターンH1」、「パターンH2」及び「パターンH3」に割り当てたデータ構造とされる。なお、当該テーブル中「なし」は、ウィンドウ予告演出を実行しないことを意味する。また、ウィンドウ予告演出は第1特別図柄の変動表示が主として行われる低確低ベース状態で実行可能な予告演出であることから、テーブルA~Eでは第1特別図柄当否判定を対象にしている。但し、第2特別図柄当否判定も対象にして、第2特別図柄の変動表示中にウィンドウ予告演出が実行され得るように構成することも可能である。この場合、第2特別図柄当否判定の結果が2R大当りの場合、ウィンドウ予告演出を実行しないようにするか、外れの場合と同じ条件で実行するようにするのが望ましい。2R大当りは出球なし大当りだからである。
テーブルAでは、第1特別図柄当否判定の結果が外れである場合、大当りである場合に比べ「なし」の選択率を高くして、ウィンドウ予告演出が実行され難くなる(実行可能性が低くなる)ように定められている。逆に言うと、第1特別図柄当否判定の結果が大当り(16R第1大当り及び6R第2~第5大当りの何れか)である場合、外れである場合に比べ「なし」の選択率を低くして、ウィンドウ予告演出が実行され易くなる(実行可能性が高くなる)ように定められている。また、ウィンドウ予告演出が実行される場合の「パターンH0」、「パターンH1」、「パターンH2」及び「パターンH3」のそれぞれの選択率は、第1特別図柄当否判定の結果が外れである場合、「パターンH0」が最も高く、以下、「パターンH1」、「パターンH2」、「パターンH3」の順で低くなるように定められており、第1特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、「パターンH3」が最も高く、以下、「パターンH2」、「パターンH1」、「パターンH0」の順で低くなるように定められている。このため、ウィンドウ予告演出が実行されない場合よりも実行された場合の方が、大当りの期待度が相対的に高くなり、また、ウィンドウ予告演出が実行された場合、そのウィンドウ予告演出でのキャラ変更演出によるキャラ画像の変更回数が多くなるほど、大当りの期待度が相対的に高くなる。
また、図47(B)~(E)に示すウィンドウ予告演出決定テーブルB~Eは、テーブルAに基づいてウィンドウ予告演出を実行することが決定された場合の当該実行パターンにおいて、大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるキャラ画像(図46を参照)の種類(「キャラ画像最終表示パターン」ともいう。)を決定するためのテーブルである。具体的には、図47(B)に示すウィンドウ予告演出決定テーブルB(単に「テーブルB」ともいう。)は、パターンH0(キャラ画像変更回数0回)に基づくウィンドウ予告演出でのキャラ画像最終表示パターンを決定するためのテーブルである。テーブルBで規定されるキャラ画像最終表示パターンは、パターンYC、パターンYB及びパターンYAの3種類である。そのうち、パターンYCはキャラ画像YG3(キャラC)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターンであり、パターンYBはキャラ画像YG2(キャラB)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターンであり、パターンYAはキャラ画像YG1(キャラA)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターンである。なお、パターンH0に基づくウィンドウ予告演出では、大ウィンドウ枠W1内に表示されるキャラ画像の変更回数0回であるため、ウィンドウ予告演出の開始から終了まで、テーブルBに基づいて設定されたキャラ画像最終表示パターンに応じたキャラ画像が大ウィンドウ枠W1内に表示される。
図47(B)に示すように、テーブルBは、第1特別図柄当否判定の結果が大当り(16R第1大当り及び6R第2~第5大当りの何れか)である場合と外れである場合との各々について、予告演出決定用乱数の値(0~99)を、「パターンYC」、「パターンYB」及び「パターンYA」に割り当てたデータ構造とされる。具体的に、「パターンYC」、「パターンYB」及び「パターンYA」のそれぞれの選択率は、第1特別図柄当否判定の結果が外れである場合、「パターンYC」が最も高く、以下、「パターンYB」、「パターンYA」の順で低くなるように定められており、第1特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、「パターンYA」が最も高く、以下、「パターンYB」、「パターンYC」の順で低くなるように定められている。このため、パターンH0(キャラ画像変更回数0回)に基づくウィンドウ予告演出では、大ウィンドウ枠W1内にキャラ画像YG1(キャラA)が表示されると大当りの期待度が相対的に高い旨を示唆することとなり、キャラ画像YG3(キャラC)が表示されると大当りの期待度が相対的に低い旨を示唆することとなり、キャラ画像YG2(キャラB)が表示されると大当りの期待度が中程度である旨を示唆することとなる。
また、図47(C)に示すウィンドウ予告演出決定テーブルC(単に「テーブルC」ともいう。)は、パターンH1(キャラ画像変更回数1回)に基づくウィンドウ予告演出でのキャラ画像最終表示パターンを決定するためのテーブルである。テーブルCで規定されるキャラ画像最終表示パターンは、パターンYC1、パターンYB1及びパターンYA1の3種類である。そのうち、パターンYC1は、ウィンドウ予告演出中のキャラ変更演出による1回のキャラ画像変更を経てキャラ画像YG3(キャラC)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターン(例えば、キャラ画像YG1→YG3)であり、パターンYB1は、ウィンドウ予告演出中のキャラ変更演出による1回のキャラ画像変更を経てキャラ画像YG2(キャラB)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターン(例えば、キャラ画像YG3→YG2)であり、パターンYA1は、ウィンドウ予告演出中のキャラ変更演出による1回のキャラ画像変更を経てキャラ画像YG1(キャラA)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターン(例えば、キャラ画像YG2→YG1)である。
図47(C)に示すように、テーブルCは、第1特別図柄当否判定の結果が大当り(16R第1大当り及び6R第2~第5大当りの何れか)である場合と外れである場合との各々について、予告演出決定用乱数の値(0~99)を、「パターンYC1」、「パターンYB1」及び「パターンYA1」に割り当てたデータ構造とされる。具体的に、パターンYC1」、「パターンYB1」及び「パターンYA1」のそれぞれの選択率は、第1特別図柄当否判定の結果が外れである場合、「パターンYC1」が最も高く、以下、「パターンYB1」、「パターンYA1」の順で低くなるように定められており、第1特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、「パターンYA1」が最も高く、以下、「パターンYB1」、「パターンYC1」の順で低くなるように定められている。このため、パターンH1(キャラ画像変更回数1回)に基づくウィンドウ予告演出では、1回のキャラ画像変更を経て大ウィンドウ枠W1内にキャラ画像YG1(キャラA)が最終的に表示されると大当りの期待度が相対的に高い旨を示唆することとなり、キャラ画像YG3(キャラC)が表示されると大当りの期待度が相対的に低い旨を示唆することとなり、キャラ画像YG2(キャラB)が表示されると大当りの期待度が中程度である旨を示唆することとなる。
また、図47(D)に示すウィンドウ予告演出決定テーブルD(単に「テーブルD」ともいう。)は、パターンH2(キャラ画像変更回数2回)に基づくウィンドウ予告演出でのキャラ画像最終表示パターンを決定するためのテーブルである。テーブルDで規定されるキャラ画像最終表示パターンは、パターンYC2、パターンYB2及びパターンYA2の3種類である。そのうち、パターンYC2は、ウィンドウ予告演出中のキャラ変更演出による2回のキャラ画像変更を経てキャラ画像YG3(キャラC)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターン(例えば、キャラ画像YG2→YG1→YG3)であり、パターンYB2は、ウィンドウ予告演出中のキャラ変更演出による2回のキャラ画像変更を経てキャラ画像YG2(キャラB)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターン(例えば、キャラ画像YG1→YG3→YG2)であり、パターンYA2は、ウィンドウ予告演出中のキャラ変更演出による2回のキャラ画像変更を経てキャラ画像YG1(キャラA)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターン(例えば、キャラ画像YG3→YG2→YG1)である。
図47(D)に示すように、テーブルDは、第1特別図柄当否判定の結果が大当り(16R第1大当り及び6R第2~第5大当りの何れか)である場合と外れである場合との各々について、予告演出決定用乱数の値(0~99)を、「パターンYC2」、「パターンYB2」及び「パターンYA2」に割り当てたデータ構造とされる。具体的に、パターンYC2」、「パターンYB2」及び「パターンYA2」のそれぞれの選択率は、第1特別図柄当否判定の結果が外れである場合、「パターンYC2」が最も高く、以下、「パターンYB2」、「パターンYA2」の順で低くなるように定められており、第1特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、「パターンYA2」が最も高く、以下、「パターンYB2」、「パターンYC2」の順で低くなるように定められている。このため、パターンH2(キャラ画像変更回数2回)に基づくウィンドウ予告演出では、2回のキャラ画像変更を経て大ウィンドウ枠W1内にキャラ画像YG1(キャラA)が最終的に表示されると大当りの期待度が相対的に高い旨を示唆することとなり、キャラ画像YG3(キャラC)が表示されると大当りの期待度が相対的に低い旨を示唆することとなり、キャラ画像YG2(キャラB)が表示されると大当りの期待度が中程度である旨を示唆することとなる。
また、図47(E)に示すウィンドウ予告演出決定テーブルE(単に「テーブルE」ともいう。)は、パターンH3(キャラ画像変更回数3回)に基づくウィンドウ予告演出でのキャラ画像最終表示パターンを決定するためのテーブルである。テーブルEで規定されるキャラ画像最終表示パターンは、パターンYC3、パターンYB3及びパターンYA3の3種類である。そのうち、パターンYC3は、ウィンドウ予告演出中のキャラ変更演出による3回のキャラ画像変更を経てキャラ画像YG3(キャラC)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターン(例えば、キャラ画像YG3→YG2→YG1→YG3)であり、パターンYB3は、ウィンドウ予告演出中のキャラ変更演出による3回のキャラ画像変更を経てキャラ画像YG2(キャラB)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターン(例えば、キャラ画像YG2→YG1→YG3→YG2)であり、パターンYA3は、ウィンドウ予告演出中のキャラ変更演出による3回のキャラ画像変更を経てキャラ画像YG1(キャラA)が大ウィンドウ枠W1内に最終的に表示されるパターン(例えば、キャラ画像YG1→YG3→YG2→YG1)である。
図47(E)示すように、テーブルEは、第1特別図柄当否判定の結果が大当り(16R第1大当り及び6R第2~第5大当りの何れか)である場合と外れである場合との各々について、予告演出決定用乱数の値(0~99)を、「パターンYC3」、「パターンYB3」及び「パターンYA3」に割り当てたデータ構造とされる。具体的に、パターンYC3」、「パターンYB3」及び「パターンYA3」のそれぞれの選択率は、第1特別図柄当否判定の結果が外れである場合、「パターンYC3」が最も高く、以下、「パターンYB3」、「パターンYA3」の順で低くなるように定められており、第1特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、「パターンYA3」が最も高く、以下、「パターンYB3」、「パターンYC3」の順で低くなるように定められている。このため、パターンH3(キャラ画像変更回数2回)に基づくウィンドウ予告演出では、3回のキャラ画像変更を経て大ウィンドウ枠W1内にキャラ画像YG1(キャラA)が最終的に表示されると大当りの期待度が相対的に高い旨を示唆することとなり、キャラ画像YG3(キャラC)が表示されると大当りの期待度が相対的に低い旨を示唆することとなり、キャラ画像YG2(キャラB)が表示されると大当りの期待度が中程度である旨を示唆することとなる。
以上のウィンドウ予告演出決定テーブルに基づいてウィンドウ予告演出の実行パターンがS4506にて設定されると、画像表示装置7の表示画面7aでは、図46に示すように大小のウィンドウ枠W1,W2が表示されて、設定されたパターンに基づくウィンドウ予告演出が実行される。
[バトルモード及びリベンジモード]
次に、本実施例のバトルモード及びリベンジモードについて説明する。本実施例では、16R第1大当り、16R第6大当り及びRUBの何れかに係る大当り遊技の終了後は、遊技状態が高確高ベース状態(確変遊技状態)に制御され、演出モードが「C」に設定される。この演出モードC(確変モード)は、味方キャラクタ(「味方キャラ」ともいう。)と敵キャラクタ(「敵キャラ」ともいう。)との対決を描いたバトルモードとなっている。
ここで、遊技状態が低確低ベース状態(通常遊技状態)に制御されているときに第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなり、これを契機に大当り遊技が実行される場合、すなわち、いわゆる「初当り」として16R大当り遊技が実行される場合、その大当り遊技中のラウンド演出として、味方キャラが敵キャラと対決して勝利するシーンを描いたラウンドバトル演出が実行され、当該大当り遊技後にバトルモードに突入する演出仕様となっている。
バトルモードに突入すると、画像表示装置7の表示画面7aには、図48(A)に示すように、バトルモード専用の背景画像BH1(背景表示)が表示され、その背景表示のもと演出図柄8の変動表示(変動演出)が実行される。背景画像BH1は、味方キャラが画面手前側を向いて歩いている様子を描いたキャラクタ画像CGを表示画面7aの略中央に表示するものされている。バトルモード(演出モードC)は、2R大当りの発生を契機に終了し、2R大当り遊技後(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)には、後述するリベンジモード(演出モードE)に移行する。
バトルモード中の変動演出は、原則、第2特別図柄当否判定の結果に基づいて、第2特別図柄の変動表示に伴って実行される。バトルモードは右打ちで遊技を進行させる高確高ベース状態であり、主として第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄当否判定)が実行される遊技期間だからである。そして、バトルモード中の変動演出は、主に、味方キャラと敵キャラとの対決(バトル)に発展しない「非バトル演出」(非リーチ演出)と、バトルに発展する「バトルリーチ演出」の2つに大別される。
非バトル演出は、第2特別図柄当否判定の結果が外れの場合に設定(実行)されるもので、具体的には、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される第2特別図柄の変動パターン情報がP15~P22の何れか(図9を参照)である場合に設定(実行)される変動演出(外れ変動演出)である。なお、第2特別図柄当否判定の結果が外れの場合であって第2特別図柄の変動パターンが変動時間30000ms以上のパターン(変動パターンP15~P17及びP19~P21)の場合には、特別図柄の1回の変動表示中に演出図柄8の変動表示及び停止表示が複数回実行されるように演出する疑似連演出や、バトルに発展するか否かを煽る演出(バトル煽り演出)等を実行して、バトルに発展しないこと(非バトル演出)による間延び感を遊技者に極力感じさせないようにしている。
バトルリーチ演出は、第2特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に設定(実行)されるもので、具体的には、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される第2特別図柄の変動パターン情報がP12~P14の何れか(図9を参照)である場合に設定(実行)される変動演出(大当り変動演出)である。つまり、バトルモード(高確高ベース状態)にてバトルリーチ演出が開始された場合(バトルに発展した場合)、その時点で大当りが確定することとなる。
バトルリーチ演出には、味方キャラが勝利する「第1バトルリーチ演出」と、味方キャラが敗北(敵キャラが勝利)する「第2バトルリーチ演出」とが設けられており、それぞれのバトルリーチ演出に、味方キャラが先制攻撃するパターン(味方先制パターン)と、敵キャラが先制攻撃するパターン(敵先制パターン)とが設けられている。また、味方キャラの対戦相手である敵キャラの種類が複数設けられており、バトルリーチ演出の実行に際しては何れかの敵キャラが選択(設定)される。先制攻撃を仕掛けるキャラクタ(先制パターン)の選択や敵キャラの選択は、S4505での変動演出パターン(ここではバトルリーチ演出)の設定と併せて行われる。本実施例では、敵キャラA,B,C,D及びEの5種類が設けられており、敵キャラの種類に応じて味方キャラが勝利する期待度、すなわち、後述のように味方キャラが勝利して16R第6大当り又はRUBが発生する期待度(6R以上の大当り期待度)が異なるものとなっている。具体的には、対戦相手が敵キャラAの場合に6R以上の大当り期待度が最も高くなり、以下、敵キャラB,C,D,Eの順でその期待度が低くなるように設定されている。
第1バトルリーチ演出(味方キャラ勝利)は、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される大当り種別(図柄情報)が16R第6大当り及びRUBの何れかである場合に設定(実行)される。一方、第2バトルリーチ演出(味方キャラ敗北)は、同じく大当り種別(図柄情報)が2R大当りである場合に設定(実行)される。したがって、バトルモードにおいてバトルに発展し、その結果、味方キャラが勝利した場合には、16R第6大当り又はRUBに係る大当り遊技を経てバトルモードが継続することとなる。これに対し、味方キャラが敗北した場合には、2R大当りに係る大当り遊技を経てリベンジモードに移行することとなる。このことから、バトルモードは、高確高ベース状態のもと、6R以上の大当り(確変大当り)が繰り返し発生することを狙える遊技期間(「連荘期間」ともいう。)である。一方で、リベンジモードは、バトルモードへの復帰を狙う遊技期間である。このように演出モードがバトルモード(演出モードC)に設定される期間のことを「特定期間」ともいい、リベンジモード(演出モードE)に設定される期間のことを「所定期間」ともいう。また、バトルモード(演出モードC)のことを「第1演出モード」ともいい、リベンジモード(演出モードE)のことを「第2演出モード」ともいう。
また、図48(A)に示すように、バトルモード中、表示画面7a(背景画像BH1)の上部には、左右方向に延びる帯状の情報表示領域JHが設定される。情報表示領域JHには、バトルモード期間(特定期間)中の遊技に関する情報が表示(報知)される。具体的には、(1)バトルモード突入契機となった大当り遊技中のラウンドバトル演出を含めた味方キャラのバトル勝利数、(2)バトルモード突入契機となった大当り遊技を含むバトルモード期間中の大当り遊技により味方キャラが獲得したポイント数(「獲得ポイント」ともいう。)、及び、(3)バトルモードでの味方キャラのランクが、情報表示領域JHに表示される。
上記(1)のバトル勝利数は、バトルモード突入契機となった大当り遊技を含むバトルモード期間中の大当り遊技の実行回数(大当り発生回数)、すなわち、いわゆる連荘回数を示すものである(2R大当りを除く)。上記(2)の獲得ポイントは、バトルモード突入契機となった大当り遊技を含むバトルモード期間中の大当り遊技により払い出された賞球数(遊技者が獲得した賞球数)を示すものである(2R大当りを除く)。上記(3)のランクは、バトルモード中の味方キャラの勝利数(つまり、連荘回数)に応じて味方キャラのランクが上昇していく遊技性に則り、そのランク(階級)を示すものである。例えば、初当りを含めた連荘回数(2R大当りを除く)が2~4回の場合のランクを「隊員」、5~7回の場合のランクを「班長」、8~10回の場合のランクを「小隊長」、11~13回の場合のランクを「中隊長」、14回以上の場合のランクを「大隊長」として示すことができる。
情報表示領域JHの設定及び情報表示領域JHにおける情報表示は、バトルモード突入を契機に開始され、バトルモードの終了(本実施例では2R大当りの発生)を契機に終了する。また、バトルモード中に大当り(2R大当りを除く)が発生し、これに係る大当り遊技が実行される間も、情報表示領域JHが表示画面7aの上部に継続して設定され、情報表示領域JHにおける情報表示が継続して行われる。したがって、情報表示領域JHにおける獲得ポイントの表示は、大当り遊技中の大入賞口への遊技球の入球(大入賞口入球コマンド)に基づいてリアルタイムで更新される。
情報表示領域JHにおける情報表示、すなわち、バトル勝利数、獲得ポイント及びランクの表示は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)から送信されるコマンドに基づいて副制御基板90(演出制御用マイコン91)及び画像制御基板100(画像制御用マイコン101)の制御下で実行される。例えば、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からの変動開始コマンドに含まれる特別図柄の変動パターン情報や図柄情報等に基づいて、大当りの発生やその大当り種別を特定することが可能であるから、その特定した結果に基づいて大当り発生回数を計数(カウント)し、その計数結果をもとにバトルモード中のバトル勝利数(大当り発生回数)やランクを表示(更新)することが可能である。また、大当り遊技中に入球可能となる第1大入賞口30及び第2大入賞口35には、それぞれ第1大入賞口センサ30a及び第2大入賞口センサ35aが設けられており、大当り遊技中にこれらセンサが遊技球を検知すると、その検知信号が主制御基板80に入力される。この検知信号の入力を受けて、主制御基板80から副制御基板90に対して大入賞口入球コマンドが送信され、演出制御用マイコン91は、受信した大入賞口入球コマンドに基づいて賞球数を計数(カウント)し、その計数結果をもとにバトルモード中の獲得ポイントを表示(更新)することが可能である。こうした大当り発生回数や大当り遊技での賞球数の計数は、副制御基板90のRAMの所定領域に設けられたカウンタ(情報記憶手段)により行うことができる。バトルモードに関連する演出制御についての詳細は後述する。
なお、情報表示領域JHにおけるバトル勝利数の表示のことを「連荘回数報知演出」又は「特別遊技回数報知演出」ともいい、獲得ポイントの表示のことを「獲得賞球数報知演出」又は「利益量報知演出」ともいう。また、情報表示領域JHに表示される各種情報(バトルモード期間中の遊技に関する情報)のことを総じて「連荘情報」又は「特定情報」ともいう。
そして、バトルモードにて2R大当りが発生すると、当該2R大当りに係る大当り遊技(出球なし大当り遊技)の終了後は、遊技状態が高確高ベース状態又は低確高ベース状態制御され、演出モードが「E」に設定される。この演出モードE(確率非報知モード)は、バトルモードの再開(復帰)を狙うリベンジモードとなっている。
リベンジモードに突入すると、画像表示装置7の表示画面7aには、図48(B)に示すように、リベンジモード専用の背景画像BH2(背景表示)が表示され、その背景表示のもと演出図柄8の変動表示(変動演出)が実行される。背景画像BH2は、バトルモード中に表示していた味方キャラを表示せず、敵キャラの顔を表示画面7aの略全体に背景として表示するものとされている。また、リベンジモードでは、バトルモード中に表示画面7aの上部に設定(表示)されていた情報表示領域JHが画面上から消え、先に終了したバトルモード期間の遊技に関する情報が表示(報知)されなくなる。
リベンジモード中の変動演出は、バトルモードと同様、第2特別図柄当否判定の結果に基づいて、第2特別図柄の変動表示に伴って実行される。但し、リベンジモード中の変動演出は、リーチなし外れ変動演出と、後述のバトル再開演出を含む外れ変動演出と、後述のバトル再開演出を含む大当り変動演出とに大別され、バトルモードのようなバトルリーチ演出は実行されないものとなっている。
すなわち、前述のようにバトルモード中の変動演出は、バトルリーチ演出と非バトル演出とに大別され、バトルリーチ演出には、第1バトルリーチ演出(味方キャラ勝利)第2バトルリーチ演出(味方キャラ敗北)とがあり、それぞれのバトルリーチ演出に、味方キャラが先制攻撃するパターン(味方先制パターン)と、敵キャラが先制攻撃するパターン(敵先制パターン)とが設けられており、さらに、対戦相手となる敵キャラの種類が複数(本例では5種類)設けられている。これに対し、リベンジモード中の変動演出は、敵キャラが登場することなく、味方キャラが再度バトルに挑むべく立ち上がることができるか否かを描いた演出となっている。そして、味方キャラが立ち上がることができればバトルモードが再開されるものとなっている。このため、リベンジモード中の変動演出は、バトルモード中の変動演出に比べ演出の種類(展開のバリエーション)が少ないものとなっている。つまり、リベンジモードはバトルモードに比べ演出態様(演出内容)がシンプルとなっている。これは、リベンジモードがバトルモードの再開(復帰)を狙うのが主目的の演出モードであり、遊技者を徒に煽るのは却って興趣の低下を招く虞があるからである。このようなリベンジモード中の変動演出パターンの設定(選択)は、前述のバトルモード中などと同様に、S4502での変動開始コマンドの解析結果に基づいてS4505で行われる。
リベンジモードでは、遊技状態が高確高ベース状態又は低確高ベース状態に制御されているところ、リベンジモードの遊技状態が低確高ベース状態である場合、当該リベンジモードで第2特別図柄の変動表示(外れ変動:リーチなし外れ変動演出)が20回行われると、低確高ベース状態の終了条件が成立し、20回目の変動表示の終了後を契機として遊技状態が低確低ベース状態に移行する。この場合、先に終了したバトルモードの再開(復帰)の可能性はなくなり、その終了が確定する。このことから、本実施例では、低確高ベース状態の終了条件成立となる20回目の変動表示の終了を契機として、先(直前)のバトルモードにおける遊技の結果を報知する演出表示(「結果報知演出」ともいう。)を実行することとしている。
結果報知演出は、低確高ベース状態の終了条件成立となる20回目の変動表示が終了した後、所定の結果報知期間に亘って実行される。本実施例ではその結果報知期間を、遊技状態が低確高ベース状態から低確低ベース状態に移行してから(リベンジモード終了から)6秒間としている。ここで、低確高ベース状態では、第2始動口21への入球が高頻度で発生し、第2特図保留の記憶数も高頻度で上限(本例では4)に達する。また本実施例では、第2特別図柄の優先変動を採用している。このことから、遊技状態が低確高ベース状態から低確低ベース状態に移行した後、第2特図保留がすべて消化されるまでの間、すなわち、第1特別図柄の変動表示が最初に実行(開始)されるまでの間に結果報知演出を実行することとして、その実行時間(結果報知期間)を6秒としている。なお、結果報知期間(結果報知演出の実行時間)は任意に設定することが可能である。
図49に結果報知演出を実行中の表示画面7aを示す。図49は、リベンジモード終了に伴って遊技状態が低確高ベース状態から低確低ベース状態に移行した後、演出図柄8の変動表示中に結果報知演出が実行されている様子を示している。同図に示すように、リベンジモードが終了すると、表示画面7aの中央上部には、先(直前)のバトルモードでの遊技の結果、具体的には「バトル勝利数」、「獲得ポイント数」及び「ランク」が表示された結果報知画像KGが表示される。この結果報知画像KGに表示される情報(表示内容)は、バトルモード中の情報表示領域JHに表示される情報(表示内容)と同様である。なお、リベンジモードが終了した後の低確低ベース状態の演出モードはA又はB(通常モード)であり、当該モードに応じた背景画像が表示画面7aに表示される。
一方、リベンジモードの遊技状態が高確高ベース状態である場合、当該リベンジモードで第2特別図柄の変動表示(外れ変動)が20回行われた後も、高確高ベース状態は継続する。本実施例の高確高ベース状態は、実質的に次の大当りが発生するまで継続するからである。このようにリベンジモードの遊技状態が高確高ベース状態であって、当該リベンジモードにて外れ変動が20回行われた場合、次の21回目の変動表示の開始に伴って演出モードがリベンジモードからバトルモードに移行し、先に終了したバトルモードが再開される(バトルモードに復帰する)。すなわち、表示画面7aの表示内容が、図48(B)に示すリベンジモードの内容から、図48(A)に示すバトルモードの内容に変更される(切り替わる)。このとき、バトルモードの再開(復帰)を報知するバトル再開演出(図示せず)が実行される。バトル再開演出は、バトルモードに移行(復帰)する直前の20回目の変動演出(外れ変動)中に「もう1回バトルだ!」等のバトルモード再開(復帰)を示唆するメッセージを表示したり、当該メッセージとともに味方キャラが立ち上がる様子を描いたキャラクタ演出を表示したりすることにより実行される(バトル再開演出を含む外れ変動演出)。これにより、遊技者は現在の遊技状態が高確高ベース状態であることを確信することができる。なお、前述のメッセージとともにキャラクタ演出を表示するのは、バトル再開演出を含む変動演出が、変動時間12000ms以上の変動パターン(図9の時短状態の欄を参照)に基づいて実行される場合とすることができる。
また、リベンジモードの遊技状態が低確高ベース状態であって、当該リベンジモードで第2特別図柄の変動表示が20回行われるまでに、16R第6大当り及びRUBの何れかに当選した場合、すなわち、6R以上の確変大当りを引き戻した場合、その当選した大当りに係る変動演出(大当り変動)にて前述のバトル再開演出(図示せず)が実行される(バトル再開演出を含む大当り変動演出)。その後、当選した大当りに係る大当り遊技を経て、先に終了したバトルモードが再開される(バトルモードに復帰する)。なお、この場合のバトルモードの再開の流れは、リベンジモードの遊技状態が高確高ベース状態であって、当該リベンジモードで第2特別図柄の変動表示が20回行われるまでに16R第6大当り及びRUBの何れかに当選した場合についても同様である。
演出モードがリベンジモードからバトルモードに移行して、表示画面7aにバトルモード中の画面(図48を参照)が表示された場合、その画面上の情報表示領域JHに表示される内容(情報)は、先に終了したバトルモード中の情報表示領域JHに表示されていた内容(情報)を引き継いで表示される。つまり、先(直前)のバトルモードの遊技結果(遊技実績)が再開したバトルモードに引き継がれる。例えば、図48(A)に示すように、バトル勝利数「3」、獲得ポイント数「5700pt」、ランク「隊員」を示す情報が情報表示領域JHに表示されている状況下でバトルモードが終了し、その後のリベンジモードで16R第6大当りを引き戻してバトルモードが再開された場合、その再開後のバトルモードの画面中の情報表示領域JHには、バトル勝利数「4」、獲得ポイント数「8100pt」、ランク「隊員」を示す情報が表示される。また例えば、図48(A)に示すように、バトル勝利数「3」、獲得ポイント数「5700pt」、ランク「隊員」を示す情報が情報表示領域JHに表示されている状況下でバトルモードが終了し、その後のリベンジモードの遊技状態が高確高ベース状態であって当該リベンジモードで外れ変動が20回行われ、次変動からバトルモードが再開された場合、その再開後のバトルモードの画面中の情報表示領域JHには、バトル勝利数「3」、獲得ポイント数「5700pt」、ランク「隊員」を示す情報が再度表示される。
このように、バトルモードの再開(復帰)直後に情報表示領域JHに表示される情報は、その再開の契機に応じて、バトルモード再開の契機となった大当りに基づいて更新(上乗せ)された内容となるか、先(直前)のバトルモードの終了時点で情報表示領域JHに表示されていた情報と同じ内容となる。これにより、バトルモードが終了してリベンジモードに移行したとしても、その後、比較的短期間(本例では20回の変動表示)でバトルモードが再開されれば、先のバトルモードの遊技の結果が再開後(復帰後)のバトルモードに反映され、遊技者は引き続きバトルモードでの遊技を楽しむことが可能となる。
以上のバトルモード及びリベンジモードでの遊技を進行させるにあたり、情報表示領域JHにおける情報の表示、バトルモードからリベンジモードへの移行に伴う画面切り替え、リベンジモード終了(低確低ベース状態への移行)に伴う結果報知、及び、バトルモードの再開(復帰)に伴う画面切り替え等に係る制御処理(演出制御処理)として、演出制御用マイコン91は、連荘情報関連処理(S4700)、バトルモード演出処理(S4800)及びリベンジモード演出処理(S4900)を実行する。以下、それらの処理について順に説明する。なお、連荘情報関連処理(S4700)、バトルモード演出処理(S4800)及びリベンジモード演出処理(S4900)は、10msタイマ割り込み処理(S4010)や受信コマンド解析処理(S4302)の一処理として実行される。
[連荘情報関連処理]
図50に示すように、連荘情報関連処理(S4700)では、まず、大当り遊技の開始タイミングであるか否かを判定する(S4701)。この判定は、例えば、主制御基板80からのオープニングコマンドを受信したか否かに基づいて行うことができる。その結果、大当り遊技の開始タイミングでないと判定した場合(S4701でNO)、後述のS4704の処理に移行し、大当り遊技の開始タイミングであると判定した場合(S4701でYES)、その開始される大当り遊技が16R第1大当り、16R第6大当り又はRUBに係るものであるか否かを判定する(S4702)。この判定は、この判定は、例えば、主制御基板80からの変動開始コマンドやオープニングコマンド等に基づいて大当り種別を特定することにより行うことができる。
S4702にて、16R第1大当り、16R第6大当り又はRUBに係る大当り遊技ではないと判定した場合(S4702でNO)、S4703以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、16R第1大当り、16R第6大当り又はRUBに係る大当り遊技であると判定した場合、連荘カウンタを1加算する(S4703)。ここで、連荘カウンタは、副制御基板90のRAMの所定領域に設けられるもので、バトルモード期間中に実行された大当り遊技の回数(いわゆる連荘回数)を計数するためのカウンタである。連荘カウンタの初期値は「0」である。本実施例では、バトルモード期間中に実行された大当り遊技に、バトルモード突入契機となった大当り遊技(初当り)を含めることとしている。このため、初当りとして16R第1大当りが発生した場合、連荘カウンタの値が「1」となる。また、バトルモード中に2回目以降の大当りとして16R第6大当り又はRUBが発生するごとに、連荘カウンタの値が「2」、「3」・・・と加算される。なお、連荘回数に初当りを含めないようにすることも可能である。この場合、連荘カウンタの値を初当りに基づいて加算しないように構成すればよい。また、連荘回数に初当りを含める場合において、連荘カウンタの初期値を「1」とすることで、連荘カウンタの値を初当りに基づいて加算しないように構成することも可能である。この場合、初当りについて連荘カウンタの値を加算する処理を省略することが可能となる。
次いでS4704では、16R第1大当り、16R第6大当り又はRUBに係る大当り遊技を実行中であるか否かを判定する(S4704)。この判定は、例えば、前述のS4702の判定結果や主制御基板80からの大当り遊技関連コマンドに基づいて行うことができる。その結果、16R第1大当り、16R第6大当り又はRUBに係る大当り遊技の実行中でないと判定した場合(S4704でNO)、S4705以降の処理を行うことなく本処理を終え、実行中であると判定した場合(S4704でYES)、S4705の処理に進む。
S4705では、主制御基板80からの大入賞口入球コマンドを受信したか否かを判定する(S4705)。その結果、大入賞口入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4705でNO)、S4706の処理を行うことなく本処理を終える。一方、大入賞口入球コマンドを受信したと判定した場合、賞球数カウンタの値を更新する(S4706)。ここで、賞球数カウンタは、副制御基板90のRAMの所定領域に設けられるもので、バトルモード期間中に実行された大当り遊技(バトルモード突入契機となった大当り遊技を含む)で払い出された賞球数を計数するためのカウンタである。本実施例では、第1大入賞口30への入球に対する賞球数及び第2大入賞口35への入球に対する賞球数がそれぞれ「15」であるため、大入賞口入球コマンドを受信するごと(一の大入賞口入球コマンドごと)に賞球数カウンタの値が「15」加算される。賞球数カウンタは、リベンジモードの終了に伴い遊技状態が低確高ベース状態から低確低ベース状態へ移行する際に初期化(ゼロクリア)される。
以上の連荘カウンタ及び賞球数カウンタは、バトルモード期間中の遊技に関する情報として、連荘回数及び大当り遊技により払い出された(遊技者に付与された)総賞球数を計数し、記憶するものである。このことから、連荘カウンタ及び賞球数カウンタは、バトルモード期間中の遊技に関する情報を記憶する情報記憶手段として機能するものである。
[バトルモード演出処理]
図51に示すように、バトルモード演出処理(S4800)では、まず、バトルモードの開始タイミングであるか否かを判定する(S4801)。S4801では、例えば、16R第1大当り、16R第6大当り又はRUBに係る大当り遊技のエンディング期間が経過して、前述の遊技状態設定処理(S2124)により遊技状態が高確高ベース状態に設定されるのに伴いモードステータスを「3」(演出モードC)にセットするタイミングである場合に、バトルモードの開始タイミングであると判定される。
S4801にてバトルモードの開始タイミングでないと判定した場合(S4801)でNO、後述のS4804の処理に移行し、バトルモードの開始タイミングであると判定した場合(S4801でYES)、連荘情報を取得する(S4802)。S4802で取得する連荘情報は、前述の連荘情報関連処理(S4700)で更新される連荘カウンタ及び賞球数カウンタの値である。
次いでS4803では、バトルモードの画面(図48(A)を参照)を画像表示装置7の表示画面7aに表示するとともに、バトル勝利数、獲得ポイント数及びランクの各情報(連荘情報)を当該画面上の情報表示領域JHに表示する(S4803)。このS4803では、バトルモード用の画面表示を指示するコマンド(バトルモード画面表示コマンド)と、S4802で取得した連荘情報に基づいて生成されるバトル勝利数、獲得ポイント数及びランクの各情報の表示データの表示を指示するコマンド(情報表示コマンド)を画像制御基板100に送信し、これを受けて画像制御用マイコン101が、バトルモード専用の背景画像BH1、キャラクタ画像CG、情報表示領域JH等の表示制御を実行する。
次いでS4804では、バトルモードの終了タイミングであるか否かを判定する(S4804)。この判定は、例えば、主制御基板80からの変動開始コマンドやオープニングコマンド、エンディングコマンド等に基づいて行うことができ、2R大当りに係る大当り遊技の開始タイミング又は終了タイミングである場合に、バトルモードの終了タイミングであると判定される。
S4804にてバトルモードの終了タイミングでないと判定した場合(S4804)でNO、S4805の処理を行うことなく本処理を終え、バトルモードの終了タイミングであると判定した場合(S4804でYES)、リベンジモード移行処理を実行する(S4805)。リベンジモード移行処理(S4805)では、主に、モードステータスを「5」(演出モードE)にセットする処理と、バトルモードの画面に代えてリベンジモードの画面(図48(B)を参照)を画像表示装置7の表示画面7aに表示する処理と、リベンジモード移行後に実行される特別図柄の変動表示の回数(変動回数)を計数するための変動回数カウンタに「20」をセットする処理等を行う。なお、リベンジモードの画面表示は、リベンジモード用の画面表示を指示するコマンド(リベンジモード画面表示コマンド)を画像制御基板100に送信し、これを受けて画像制御用マイコン101がリベンジモード専用の背景画像BH2等の表示制御を実行することにより行われる。また、リベンジモード移行後の変動回数を計数する変動回数カウンタは、副制御基板90のRAMの所定領域に設けられるもので、リベンジモード移行後、特別図柄(主に第2特別図柄)の変動表示が実行されるごとに、1減算される。本実施例では、主制御基板80からの変動停止コマンドを受信するごとに変動回数カウンタの値が1減算される。
[リベンジモード演出処理]
図52に示すように、リベンジモード演出処理(S4900)では、主制御基板80からの変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S4901)。その結果、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4901でNO)、S4902以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4901でYES)、当該変動停止コマンドの受信により変動停止(終了)したのが外れ変動であるか否かを判定する(S4902)。この判定は、例えば、当該変動の開始に際して主制御基板80から送信された変動開始コマンドやS4505で設定した停止演出図柄(停止表示態様)に基づいて行うことができる。
S4902で外れ変動であると判定した場合(S4902でYES)、前述のリベンジモード移行処理(S4805)でセットした変動回数カウンタの値を1減算し(S4903)、減算後の変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S4904)。その結果、変動回数カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S4904でNO)、S4905以降の処理を行うことなく本処理を終える。この場合、リベンジモードは未だ終了しないこととなる。一方、変動回数カウンタの値が「0」であると判定した場合(S4904でYES)、低確高ベース状態の終了タイミングであるか否かを判定する(S4905)。この判定は、例えば、リベンジモードの開始契機(バトルモードの終了契機)となった2R大当りの発生時にその2R大当りの種別を副制御基板90のRAMに設けられるフラグ等で識別可能に記憶しておき、そのフラグを参照することにより行うことができる。あるいは、前述の特別図柄変動中処理(S1104)において、遊技制御用マイコン81が特別図柄の変動停止に伴い時短フラグをOFFにした際(S1910)、低確高ベース状態の終了を示すコマンド、すなわち、遊技状態が低確低ベース状態に移行する旨を示すコマンド(状態指定コマンド)を副制御基板90に向けて送信する構成とし、そのコマンドを変動回数カウンタの値が「0」になったときに受信しているか否かを判定することにより行うことができる。
S4905にて低確高ベース状態の終了タイミングであると判定した場合(S4905でYES)、前述の結果報知演出を実行し(S4906)、通常モード移行処理を実行して(S4907)、本処理を終える。S4906では、先に終了した(直前の)バトルモードでの遊技の結果(バトル勝利数、獲得ポイント数、ランク、すなわち連荘情報)の表示(報知)を指示するコマンド(結果報知コマンド)を画像制御基板100に送信し、これを受けて画像制御用マイコン101が結果報知画像KGの表示制御を実行する。これにより結果報知演出が実行される。
また、通常モード移行処理(S4907)では、主に、モードステータスに「1」又は「2」をセットする処理と、セットしたモードステータスに応じて演出モードA又はBの画面(背景画像等)を画像表示装置7の表示画面7aに表示する処理と、連荘カウンタ及び賞球数カウンタをクリア(つまり、連荘情報をクリア)する処理等を行う。通常モードの画面表示は、モードステータスの設定値に応じて演出モードA又はBの画面表示を指示するコマンドを画像制御基板100に送信し、これを受けて画像制御用マイコン101が対応するモードの背景画像等の表示制御を実行することにより行われる。
これに対して、S4905にて低確高ベース状態の終了タイミングでないと判定した場合(S4905でNO)、バトルモード移行処理を実行して(S4908)、本処理を終える。変動回数カウンタの値が「0」になったときに低確高ベース状態の終了タイミングでない場合、今回のリベンジモードは高確高ベース状態のもとで実行されていることになる。つまり、2R第10大当りを契機として突入したリベンジモードである。この場合、バトルモードを再開させるべく、バトルモード移行処理(S4908)を実行する。
バトルモード移行処理(S4908)では、主に、前述のバトルモード演出処理(S4800)でバトルモード開始に際して実行されるS4802及びS4803と同様の処理を行う。すなわち、先のバトルモードが終了した後も記憶されている連荘情報を取得して、その取得した連荘情報に基づく情報表示領域JHの表示を含んだバトルモードの画面(図48(A)を参照)を画像表示装置7の表示画面7aに表示する。これにより、リベンジモードが終了してバトルモードが再開される。
以上までは、リベンジモード移行後、大当りが発生することなく外れ変動が繰り返される場合の処理である。これに対し、前述のS4902において、変動停止(終了)したのが外れ変動でないと判定した場合(S4902でNO)、すなわち大当り変動である場合、当該大当りが2R大当り(2R第10大当り又は2R第11大当り)であるか否かを判定する(S4909)。この判定は、例えば、当該変動の開始に際して主制御基板80から送信された変動開始コマンドやS4505で設定した停止演出図柄(停止表示態様)に基づいて行うことができる。
S4909で2R大当りであると判定した場合(S4909でYES)、変動回数カウンタに「20」をセットして(S4910)、本処理を終える。この場合、変動回数カウンタの値が「0」になる前に2R大当りとなったため、2R大当り遊技(出球なし大当り遊技)を経て、リベンジモードが初めからやり直しとなる(リスタートされる)。
一方、S4909で2R大当りでないと判定した場合(S4909でNO)、変動回数カウンタをクリアして(S4911)、本処理を終える。この場合、変動回数カウンタの値が「0」になる前に16R第6大当り又はRUBが発生したことになる。すわわち、リベンジモード中に16R第6大当り又はRUBを引き戻したことになる。当該大当り又はRUBに係る大当り遊技の終了後には、前述のバトルモード演出処理(S4800)によりバトルモードが再開される。このとき、前述の連荘情報関連処理(S4700)により連荘カウンタ及び賞球数カウンタ(連荘情報)が更新され(S4703,S4706)、これに基づいてバトルモード画面上の情報表示領域JHの表示内容が設定されるため、再開後のバトルモードでは、先に終了した(直前の)バトルモードの遊技結果(遊技実績)が引き継がれて情報表示領域JHに各情報が表示されることとなる。
[実施例の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り変動演出として、全回転ムービーが再生される全回転演出(プレミア演出)が実行可能となっている。全回転演出(全回転ムービー)は複数(本例では5種類)設けられており、それぞれ演出内容が異なるものとなっている。そして、全回転演出が実行される場合、複数の全回転演出のうち何れかの内容が、実行される全回転演出の内容(実行対象)として、内容報知演出(内容報知画面NH)により事前に報知される。この内容報知演出が実行される内容報知期間(所定期間)中に、演出ボタン(本例では第2演出ボタン63b)の操作による入力が受け付け可能となる受付期間が発生し、当該受付期間中に変更指示の入力(所定の入力)が行われないと、当初から実行対象として内容報知画面NHの第1表示領域HY1に表示されていた内容の全回転演出が、その後に実行される。一方、当該受付期間中に変更指示の入力が行われると、当初は実行対象として内容報知画面NHの第1表示領域HY1に表示されていなかった内容の全回転演出が実行可能となる。このため、遊技者は、全回転演出の内容が事前に報知された場合、その報知中に演出ボタン(本例では第2演出ボタン63b)を介して変更指示の入力を行うか否かによって、その報知された内容の全回転演出をそのまま楽しむか、その報知された内容と異なる内容の全回転演出(他の全回転演出)を楽しむかを選択することが可能となる。これにより、プレミア演出としての全回転演出を実行するにあたっての興趣を高めることが可能となる。また、全回転演出の興趣を高めることも可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、内容報知演出の実行中、その実行期間内(内容報知期間内)での受付期間中に変更指示の入力が行われると、内容報知画面NHの第1表示領域HY1に実行対象として表示されている全回転演出(全回転ムービー)の内容が、他の全回転演出の内容に変更されて表示される。このため、遊技者は、変更後の実行対象とされる全回転演出の内容を、内容報知画面NHを通じて事前に知ることが可能となる。これにより、実行される全回転演出の内容(種類)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、実行される全回転演出の内容が内容報知演出により事前に報知される場合、複数ある全回転演出のうち一の全回転演出の内容が内容報知画面NHの第1表示領域HY1(第1表示部)に表示されるとともに他の全回転演出の内容が内容報知画面NHの第2表示領域HY2(第2表示部)に表示され、そのうち第1表示領域HY1に表示される全回転演出の内容が実行対象として報知される。そして、内容報知期間中に発生した受付期間中に演出ボタン(本例では第2演出ボタン63b)を介して変更指示の入力が行われると、第1表示領域HYに表示されている内容と第2表示領域HY2に表示されている内容とが入れ替わり、内容報知期間が終了したときに第1表示領域HYに表示されている内容の全回転演出が後に実行される(図45を参照)。このため、実行される全回転演出の内容(実行対象)と、実行対象に変更することが可能な他の全回転演出の内容(変更対象)とを明確に区別して表示(報知)することが可能となり、変更指示の入力に基づく表示内容(全回転演出の内容)の入れ替え(実行対象の選択)の様子や、最終的に実行されること(実行対象)となった全回転演出の内容をわかりやすく表示することが可能となる。これにより、全回転演出が実行(開始)される前から興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、いわゆる大当り期待度を示唆する予告演出(示唆演出)としてウィンドウ予告演出(特定示唆演出)が実行されると、その期待度の示唆に関連する複数のキャラ画像YG1,YG2,YG3(示唆表示)が画像表示装置7の表示画面7aに表示される(図46を参照)。このとき、複数のキャラ画像YG1~YG3(キャラA~C)のうち一のキャラ画像が他のキャラ画像よりも大きく表示され、この大きく表示されるキャラ画像(特定示唆表示)の種類が、その表示後(ウィンドウ予告演出の実行中)に変更され得る。そして、ウィンドウ予告演出が終了するときに大きく表示されているキャラ画像(特定示唆表示)の種類によって、該ウィンドウ予告演出の対象となる変動表示について大当り期待度が示唆されるようになっている。このため、ウィンドウ予告演出が終了するまで、該ウィンドウ予告演出に遊技者の興味を惹きつけておくことが可能となる。これにより、趣向性の高い予告演出(示唆演出)を実現することが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、複数のキャラ画像のうち相対的に大きく表示されるキャラ画像の種類の変更回数(キャラ画像変更回数)が異なる複数の実行パターンのうちの何れかに基づいてウィンドウ予告演出が実行される。そして、ウィンドウ予告演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り態様(特定表示結果)である場合には、大当り態様でない(外れである)場合に比して、キャラ変更演出によるキャラ画像変更回数が多い実行パターンに基づくウィンドウ予告演出の実行可能性が高くなるように構成されている。このため、ウィンドウ予告演出が実行されたときのキャラ画像変更回数の多少により、当該ウィンドウ予告演出の対象となる変動表示の大当り期待度が示唆される。これにより、ウィンドウ予告演出で相対的に大きく表示されるキャラ画像の種類やその種類の変更に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、ウィンドウ予告演出が実行される場合、大ウィンドウ枠W1(第1表示領域)と小ウィンドウ枠W2(第2表示領域)とが表示画面7aに設定され、複数のキャラ画像YG1~YG3(キャラA~C)のうち一のキャラ画像が大ウィンドウ枠W1内(第1表示領域)に表示され、他のキャラ画像が小ウィンドウ枠W2内(第2表示領域)に表示される(図46を参照)。そして、ウィンドウ予告演出の実行中にキャラ変更演出が実行される場合、大ウィンドウ枠W1内に表示されたキャラ画像と小ウィンドウ枠W2内に表示されたキャラ画像とが入れ替わることにより、大ウィンドウ枠W1内に表示されるキャラ画像の変更が行われる。このため、大ウィンドウ枠W1と小ウィンドウ枠W2との位置関係が変更されることなく、大ウィンドウ枠W1内のキャラ画像の種類が変更されるものとなる。これにより、ウィンドウ予告演出の実行中に大ウィンドウ枠W1内のキャラ画像の種類が変更される場合の当該変更を視認性良く表示することが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示(変動遊技)が実行されるときの遊技状態が高確高ベース状態(第2遊技状態)でないとき(例えば低確低ベース状態)に実行される変動遊技の結果が16R第1大当り(特定結果)となり、これを契機に当該大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態に制御されると、その後、遊技状態が低確高ベース状態(第1遊技状態)に制御されるまで、高確高ベース状態で遊技を進行させることが可能となっている。このように大当り遊技後に遊技状態が高確高ベース状態に制御されてから低確高ベース状態に制御されるまで、本実施例ではバトルモード(特定期間)として遊技を進行させることが可能となっている。
このバトルモードに突入すると、当該バトルモードの突入契機となった初当りを含め、当該バトルモードで実行された遊技に関する情報(連荘情報)が記憶され、当該記憶された情報に基づいて所定の報知演出(例えば、情報表示領域JHの表示)が実行可能となる。その後、遊技状態が低確高ベース状態に移行するとバトルモードは終了を迎えるが、バトルモードが終了した後のリベンジモード(所定期間:低確高ベース状態)にて6R以上の確変大当りを引き戻し、これを契機に大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態に制御されると、再びバトルモードとなってその間の遊技に関する情報が記憶される。このとき、先のバトルモードが終了するまでに記憶された情報(連荘情報)を引き継いで後のバトルモードでの遊技に関する情報が記憶される。このため、バトルモードの終了後、リベンジモードが終了するまで(所定期間内)にバトルモード(高確高ベース状態)に復帰すれば、その復帰後のバトルモードでは、先のバトルモードで記憶された情報から引き続いて遊技に関する情報が記憶(更新)されることとなり、その結果、報知演出(例えば、情報表示領域JHの表示)を先のバトルモードから継続した内容で実行することが可能となる。一方で、バトルモードが終了してからリベンジモードが終了するまで(所定期間内)に大当りとならずにリベンジモードの終了(経過)を迎えると、先のバトルモードが終了するまでに記憶された情報(連荘情報)に基づいて、それまでの遊技の結果、すなわち、今回終了したバトルモードの遊技の結果を示す結果報知演出が実行される。このため、バトルモードの終了後、リベンジモードが終了するまで(所定期間内)にバトルモード(高確高ベース状態)への復帰を果たせなかった場合に、今回終了したバトルモードに係る遊技の結果が報知されることとなる。
このように、バトルモード(特定期間)が終了しても、リベンジモード中(所定期間内)にバトルモードに復帰するか否かに遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、復帰した場合にはバトルモードが継続されたものとして遊技者に認識させることが可能となり、復帰しなかった場合に初めてバトルモードが終結したものとして遊技者に認識させることが可能となる。その結果、バトルモードが終了しても興趣の尽きない遊技性が得られるようになる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、バトルモード(特定期間)にて記憶された遊技に関する情報(連荘情報)に基づく報知演出として、バトルモードに実行された大当り遊技により付与された賞球数(初当り含む)を示す獲得賞球数報知演出(利益量報知演出)が、情報表示領域JHにおける獲得ポイント数の表示により行われる。このため、遊技者にとっては、バトルモードでの大当り遊技により獲得できた賞球(利益)の量を把握するのが容易となる。これにより、バトルモードに関連する報知演出(連荘情報)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、バトルモード(特定期間)にて記憶された遊技に関する情報(連荘情報)に基づく報知演出として、バトルモードに実行された大当り遊技の回数(初当り含む)を示す特別遊技回数報知演出、情報表示領域JHにおけるバトル勝利数の表示により行われる。このため、遊技者にとっては、バトルモードにて実行された大当り遊技の回数(連荘回数)を把握するのが容易となる。これにより、バトルモードに関連する報知演出(連荘情報)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、バトルモード後のリベンジモードが低確高ベース状態であり、このリベンジモード中(所定期間内)に大当りを引くことなく当該リベンジモードの終了(経過)を迎えると、遊技状態が低確高ベース状態よりも不利な低確低ベース状態に制御される。このため、バトルモード後のリベンジモードは、遊技状態が低確低ベース状態(通常遊技状態)に移行するのか再び有利な高確高ベース状態に移行(復帰)するのかが決まる遊技期間となる。これにより、バトルモード後のリベンジモードにて実行される変動遊技に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、バトルモード(特定期間)にて変動遊技が実行されるときには変動遊技に伴う変動演出が当該バトルモード(第1演出モード)に応じた演出態様で実行され、バトルモード後のリベンジモード(所定期間)にて変動遊技が実行されるときには変動遊技に伴う変動演出が当該リベンジモード(第2演出モード)に応じた演出態様で実行される。バトルモードとリベンジモードとでは演出の種類の多少差があり、リベンジモードはバトルモードに比して演出の種類が少ない演出モード(換言すると、バトルモードはリベンジモードに比して演出の種類が多い演出モード)となっている。このため、バトルモードでは変動演出が多様化され、リベンジモードでは変動演出が簡素化される。これにより、バトルモードとリベンジモードとにメリハリをつけて、バトルモードからリベンジモードにかけての興趣を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態として実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例では、プレミア演出(特別演出)として全回転演出が実行可能とされる構成としていたが、プレミア演出として実行可能な演出は全回転演出に限られず、出現率が低いキャラクタやアイテム等が出現するリーチ演出や予告演出等を、プレミア演出(特別演出)として実行することも可能である。この場合においても、それらプレミア演出として実行可能なリーチ演出や予告演出の種類を複数設けておき、前述の実施例と同じ要領で内容報知演出や変更指示の入力に基づく変更等を実行することが可能である。
また、前述の実施例では、大・小のウィンドウ枠のうち大ウィンドウ枠内に表示されるキャラ画像(予告画像)により大当り期待度を示唆するウィンドウ予告演出を特定示唆演出として実行するものとしていたが、特定示唆演出はウィンドウ予告演出に限られるものではなく、表示画面に表示される複数の予告画像(示唆表示)を大小異なるサイズで表示し、そのうち相対的に大きな予告画像により大当り期待度を示唆する演出であれば、その態様は問わない。また、前述の実施例に係るウィンドウ予告演出では、1つの大ウィンドウ枠を第1表示領域として表示画面7aに設定し、2つの小ウィンドウ枠を第2表示領域として表示画面7aに設定し、各ウィンドウ枠内にキャラ画像(予告画像)を表示するものとしていたが、第1表示領域及び第2表示領域の数は実施例に限られるものではなく、少なくとも第1表示領域及び第2表示領域がそれぞれ1つ存在すればよい。また、第2表示領域を3つ以上設けることも可能である。
また、前述の実施例では、特定示唆演出としてのウィンドウ予告演出を当該変動予告として実行するものとしていたが、保留先読み予告として実行することも可能である。さらに前述の実施例では、プレミア演出(特別演出)としての全回転演出(全回転ムービー)の内容をその実行前に報知する内容報知演出を、その全回転演出が実行される変動演出(当該変動)で実行するものとしていたが、プレミア演出が実行される変動演出よりも前に実行される変動演出で、保留先読みの結果に基づいて内容報知演出を実行することも可能である。つまり、内容報知演出を保留先読み予告として実行することも可能である。
また、前述の実施例では、プレミア演出(特別演出)として全回転演出及び特定示唆演出としてのウィンドウ予告演出が、演出モードA及びB(通常モード)、すなわち、低確低ベース状態において実行され得るものとして説明したが、低確高ベース状態や高確高ベース状態等の他の遊技状態においても実行され得るようにしてもよい。
また、前述の実施例では、確変大当りに係る大当り遊技の終了後、実質的に次回大当りが発生するまで確率変動機能が作動するタイプ(次回確変タイプ)のパチンコ遊技機としていたが、例えば、特別図柄の変動回数が100回や200回など、次回大当りが保証されることのない範囲内で確率変動機能の作動終了条件が特別図柄の変動回数に基づき設定される、いわゆるST機に本発明を適用することも可能である。この場合、前述の実施例に係るバトルモード(高確高ベース状態)が、2R大当りを契機とせず、特別図柄が所定回数変動することを契機に終了して、その後にリベンジモード(低確高ベース状態)に移行する仕様とすることが可能である。このような仕様においても、前述した実施例と同様の報知演出(結果報知演出等)が実行可能である。
また、前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口内に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
また、前述の実施例では、第2特図保留(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留(第1特別図柄の変動表示)に優先して消化する制御処理(いわゆる特図2優先変動)を採用していたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理(いわゆる特図1優先変動)としてもよい。あるいは、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留および第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理(いわゆる入球順(記憶順)変動)の制御処理としてもよい。また、前述の実施例における特図2優先変動に代えて、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化と第2特図保留の消化)とを並行して実行する制御処理(いわゆる特図1,2同時変動)を採用してもよい。
また、前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが(「始動入球時処理(S205)」。図11、図13等を参照)、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。あるいは、特図保留記憶部に記憶した取得情報について事前判定するのではなく、始動入球に基づいて取得された取得情報について事前判定するものとしてもよい。つまり、取得情報を特図保留記憶部に記憶する前に事前判定するようにしてもよい。この場合、特図保留記憶部と別に、事前判定の対象となる取得情報を記憶する領域を設ける必要はなく、また、特図保留記憶部に記憶した取得情報を事前判定のために読み出す必要もない。
また、前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、識別情報が変動表示して特定の表示態様で停止表示した場合に、大当り遊技等の特別遊技が実行される遊技機が知られている。この種の遊技機において、識別情報が特定の表示態様で停止表示する前に、そのことが確定している旨を示唆する演出を実行するように構成されたものが知られている。このような演出の一つとして、いわゆるプレミア演出と称されるものがある。プレミア演出は、遊技者に特別な価値観を与えることが可能な演出内容とされる出現率の低い特別な演出である。こうしたプレミア演出の実行にあたり、その実行(出現)を事前に報知するように構成されたものが存在する(例えば、特開2009-291228号公報を参照)。
上記従来の構成によれば、遊技者はプレミア演出が実行される(出現する)ことを事前に知ることができ、プレミア演出を見逃さずに楽しむことができるようになる。しかしながら、プレミア演出の実行を事前に報知した上でプレミア演出を実行するだけでは、興趣の向上を図るのに不十分である。
本参考発明1は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレミア演出等の特別な演出を実行するにあたっての興趣を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
参考発明1-1の遊技機は、
識別情報を変動表示することが可能な識別情報表示手段と、
前記識別情報が変動表示後に特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記識別情報が前記特定態様で停止表示する前に特別演出を実行可能な特別演出実行手段と、
前記特別演出が実行される場合、該実行される特別演出の内容をその実行前に報知可能な特別演出内容報知手段と、
外部からの操作により入力を行うことが可能な入力手段と、
前記入力手段による入力を受け付ける受付期間を発生可能な受付期間発生手段と、を備え、
前記特別演出として、内容が異なる複数の特別演出が設けられており、
前記特別演出内容報知手段は、前記複数の特別演出のうち何れかの特別演出の内容を実行対象として、その実行前の所定期間において報知可能であり、
前記受付期間発生手段は、前記所定期間中に前記受付期間を発生可能であり、
前記特別演出実行手段は、
前記所定期間中に前記受付期間が発生して該受付期間中に前記入力手段による所定の入力が行われなかった場合、前記複数の特別演出のうち、前記所定期間の当初から実行対象として報知されていた内容の特別演出を実行し、
前記所定期間中に前記受付期間が発生して該受付期間中に前記入力手段による所定の入力が行われた場合、前記複数の特別演出のうち、前記所定期間の当初に実行対象として報知されていなかった内容の特別演出を実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別遊技の実行契機となる特定態様で識別情報が表示(停止表示)する前に特別演出が実行され得る。特別演出は複数設けられており、それぞれ演出の内容が異なるものとされている。特別演出が実行される場合、予め設けられた複数の特別演出のうち何れかの特別演出の内容が、実行される特別演出の内容(実行対象)として事前に報知される。この報知が行われる期間(所定期間)中に、入力手段による入力が受け付けられる受付期間が発生し、当該受付期間中に所定の入力が行われないと、当初から実行対象として報知されていた内容の特別演出が実行される。一方、当該受付期間中に所定の入力が行われると、当初は実行対象として報知されていなかった内容の特別演出が実行可能となる。このため、遊技者は、特別演出の内容が事前に報知された場合、その報知中に入力手段を介して所定の入力を行うか否かによって、その報知された内容の特別演出をそのまま楽しむか、その報知された内容と異なる内容の特別演出(他の特別演出)を楽しむかを選択することが可能となる。これにより、特別演出を実行するにあたっての興趣を高めることが可能となる。
なお、実行される特別演出の内容の報知(特別演出内容報知手段による報知)が行われる所定期間中に発生する受付期間は、所定期間の一部又は全部に亘って発生するように構成することが可能である。
参考発明1-2の遊技機は、前述した参考発明1-1の遊技機において、
前記特別演出内容報知手段は、前記受付期間中に前記所定の入力が行われた場合、前記所定期間の当初から実行対象として報知している内容を、前記複数の特別演出のうち他の特別演出の内容に変更して報知可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、実行される特別演出の内容(実行対象)が事前に報知され、その報知期間(所定期間)中に発生した受付期間中に所定の入力が行われると、その報知されている特別演出の内容(実行対象)が、他の特別演出の内容に変更されて報知される。このため、遊技者は、変更後の実行対象とされる特別演出の内容を事前に知ることが可能となる。これにより、実行される特別演出の内容(種類)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明1-3の遊技機は、前述した参考発明1-1又は参考発明1-2の遊技機において、
第1表示部及び第2表示部を備え、
前記特別演出内容報知手段は、
前記複数の特別演出のうち一の特別演出の内容を前記第1表示部に表示するとともに他の特別演出の内容を前記第2表示部に表示して、各表示部のうち前記第1表示部に表示した内容を実行対象として報知するものであり、
前記受付期間中に前記所定の入力が行われたことに基づいて、前記第1表示部に表示している内容と第2表示部に表示している内容とを入れ替え可能であり、
前記特別演出実行手段は、前記所定期間が終了したときに前記第1表示部に表示されている内容の特別演出を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、実行される特別演出の内容が事前に報知される場合、複数ある特別演出のうち一の特別演出の内容が第1表示部に表示されるとともに他の特別演出の内容が第2表示部に表示され、そのうち第1表示部に表示される特別演出の内容が実行対象として報知される。そして、その報知期間(所定期間)中に発生した受付期間中に入力手段を介して所定の入力が行われると、第1表示部に表示されている内容と第2表示部に表示されている内容とが入れ替わり、報知期間(所定期間)が終了したときに第1表示部に表示されている内容の特別演出が後に実行される。このため、実行される特別演出の内容(実行対象)と、実行対象に変更することが可能な他の特別演出の内容(変更対象)とを明確に区別して表示(報知)することが可能となり、所定の入力に基づく表示内容(特別演出の内容)の入れ替え(実行対象の選択)の様子や、最終的に実行されること(実行対象)となった特別演出の内容をわかりやすく表示することが可能となる。これにより、特別演出が実行(開始)される前から興趣を高めることが可能となる。
なお、第2表示部に表示される他の特別演出の内容は、1又は2以上の特別演出の内容とすることが可能である。例えば、複数の特別演出が、内容の異なる2つの特別演出である場合、そのうちの1つの特別演出の内容が第1表示部に表示され、他の1つの特別演出の内容が第2表示部に表示される構成とすることが可能である。また、例えば、複数の特別演出が、内容の異なる5つの特別演出である場合、そのうちの1つの特別演出の内容が第1表示部に表示され、他の4つの特別演出の内容が第2表示部に表示される構成とすることが可能である。さらに、第2表示部に表示される他の特別演出の内容が複数種ある場合、その複数種の内容のうち少なくとも一部が遊技者に認識可能となるように表示されるものであればよく、すべての内容が認識可能である必要はない。もちろん、すべての内容が認識可能となるように表示されてもよい。
参考発明1-4の遊技機は、前述した参考発明1-1から参考発明1-3の何れか一つの遊技機において、
前記識別情報が変動表示する際の変動態様として、前記特定態様が認識可能な状態で変動表示する特定変動態様を有し、
前記特別演出は、前記識別情報が前記特定変動態様で変動表示している状態で実行される演出である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定態様が認識可能な状態で識別情報が変動表示しているときに実行される演出として特別演出が構成される。このような特別演出に関し、実行される特別演出の内容の事前報知や所定の入力に基づく内容の変更が可能となる。これにより、特定態様が認識可能な状態で識別情報が変動表示しているときに実行される特別演出の興趣を高めることが可能となる。
参考発明1-5の遊技機は、
特典を付与するか否かを判断する特典付与判断手段と、
前記特典付与判断手段による判断結果を識別可能な所定の態様で報知する報知手段と、
前記報知手段を介して前記所定の態様が報知される前に特定演出を実行する特定演出実行手段と、
を備えた遊技機において、
通常の遊技操作とは異なる特殊操作を受け付ける特殊操作受け付け手段を備え、
前記特定演出は、前記報知手段を介して前記所定の態様が報知される前に前記特典が付与されることがほぼ確定されている旨を示唆する確定演出を含み、
前記確定演出は、
予め格納されている第1確定演出と、
前記特殊操作受け付け手段を介して前記特殊操作によって設定される第2確定演出と、
を含み、
前記特定演出実行手段は、
前記所定の態様が報知される前に前記確定演出を実行するか否かを判定する確定演出判定手段と、
前記特殊操作受け付け手段を介して前記特殊操作によって前記第2確定演出が設定されたか否かを判定する設定判定手段と、
を有し、
前記確定演出判定手段によって前記所定の態様が報知される前に前記確定演出を実行すると判定され、且つ、前記設定判定手段によって前記第2確定演出が設定されたと判定された場合には、前記所定の態様が報知される前に前記第2確定演出を実行し、
前記確定演出判定手段によって前記所定の態様が報知される前に前記確定演出を実行すると判定され、且つ、前記設定判定手段によって前記第2確定演出が設定されていないと判定された場合には、前記所定の態様が報知される前に前記第1確定演出を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特典が付与されることがほぼ確定した確定演出(特別演出)に対して趣向性を高めることができる。
以上の本参考発明1によれば、プレミア演出等の特別な演出を実行するにあたっての興趣を高めることが可能である。
(参考発明2)
従来、所定の実行条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を行い、該変動表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、大当り遊技等の特別遊技が実行される遊技機が知られている。この種の遊技機では、識別情報の変動表示中に、遊技者の期待感を高めるための様々な演出を行うことにより遊技興趣の向上が図られている。そのような演出の一つとして、現在実行中の識別情報の変動表示や後に実行されることが確定している識別情報の変動表示に関し、表示結果が特定表示結果となる可能性を示唆(予告)する演出(「示唆演出」ともいう。)が知られている(例えば、特開2009-95470号公報を参照)。
しかしながら、前述のような示唆演出は既に周知化しており、当該演出により遊技興趣の向上を図るには、更なる改善の余地がある。
本参考発明2は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、趣向性の高い示唆演出を実現して遊技興趣を向上させることにある。
参考発明2-1の遊技機は、
識別情報を表示可能な識別情報表示手段と、
前記識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
演出を表示可能な演出表示手段と、
前記演出を制御可能な演出制御手段と、を備え、
前記演出として、前記識別情報表示手段にて実行される識別情報の変動表示を対象に該変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する示唆演出を実行可能な遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記示唆演出として、前記可能性の示唆に関連する複数の示唆表示を前記演出表示手段に表示する特定示唆演出を実行可能であり、
前記特定示唆演出では、前記複数の示唆表示のうち一の示唆表示が他の示唆表示よりも大きく表示されるとともに、該大きく表示される示唆表示である特定示唆表示の種類がその表示後に変更されることがあり、
前記特定示唆演出が終了するときに表示されている前記特定示唆表示の種類によって、該特定示唆演出の対象となる変動表示の前記可能性が示唆される
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性を示唆する示唆演出として特定示唆演出が実行されると、その可能性の示唆に関連する複数の示唆表示が演出表示手段に表示される。このとき、複数の示唆表示のうち一の示唆表示が他の示唆表示よりも大きく表示され、この大きく表示される示唆表示(特定示唆表示)の種類が、その表示後(特定示唆演出の実行中)に変更され得る。そして、特定示唆演出が終了するときに表示されている特定示唆表示の種類によって、該特定示唆演出の対象となる変動表示について特定表示結果となる可能性が示唆されるようになっている。このため、特定示唆演出が終了するまで、該特定示唆演出に遊技者の興味を惹きつけておくことが可能となる。これにより、趣向性の高い示唆演出を実現することが可能となり、延いては遊技興趣を向上させることが可能となる。
参考発明2-2の遊技機は、前述した参考発明2-1の遊技機において、
前記特定示唆演出の実行態様として、前記特定示唆表示の種類が変更される回数の異なる複数の実行態様が設けられており、
前記演出制御手段は、前記特定示唆演出を実行する場合、前記複数の実行態様の何れかに基づいて前記特定示唆演出を実行し、
前記特定示唆演出の対象となる変動表示の表示結果が前記特定表示結果である場合には、前記特定表示結果でない場合に比して、前記回数の多い実行態様に基づいて前記特定示唆演出を実行する可能性が高くなるように構成されている
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定示唆表示の種類の変更回数が異なる複数の実行態様のうちの何れかに基づいて特定示唆演出が実行される。そして、特定示唆演出の対象となる変動表示の表示結果が特定表示結果である場合には、特定表示結果でない場合に比して、特定示唆表示の種類の変更回数が多い実行態様に基づく特定示唆演出の実行可能性が高くなるように構成されている。このため、特定示唆演出が実行されたときの特定示唆表示の種類の変更回数の多少により、当該特定示唆演出の対象となる変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性が示唆される。これにより、特定示唆演出で表示される特定示唆表示の種類やその種類の変更に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
なお、特定示唆表示の種類が変更される回数の異なる複数の実行態様には、その回数が0回とされる実行態様が含まれていても含まれていなくても、どちらでもよい。
参考発明2-3の遊技機は、前述した参考発明2-1又は参考発明2-2の遊技機において、
前記演出制御手段は、前記特定示唆演出を実行する場合、前記演出表示手段に第1表示領域と該第1表示領域よりも小さい第2表示領域とを設定し、
前記特定示唆演出では、前記複数の示唆表示のうち一の示唆表示が前記第1表示領域に表示されるとともに他の示唆表示が前記第2表示領域に表示され、
前記第1表示領域に表示された示唆表示と前記第2表示領域に表示された示唆表示とが入れ替わることにより、前記特定示唆表示の種類が変更される
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定示唆演出が実行される場合、第1表示領域と該第1表示領域よりも小さい第2表示領域とが演出表示手段に設定され、複数の示唆表示のうち一の示唆表示が第1表示領域に表示され、他の示唆表示が第2表示領域に表示される。その第1表示領域に表示される一の示唆表示が特定示唆表示である。そして、特定示唆演出の実行中に特定示唆表示の種類が変更される場合、第1表示領域に表示された示唆表示と第2表示領域に表示された示唆表示とが入れ替わることにより、その変更が行われる。このため、第1表示領域と第2表示領域との位置関係が変更されることなく特定示唆表示の種類が変更されるものとなる。これにより、特定示唆演出の実行中に特定示唆表示の種類が変更される場合の当該変更を視認性良く表示することが可能となる。
参考発明2-4の遊技機は、
表示装置と、
前記表示装置に表示される画像であって、それぞれが関連付けられ、それぞれが遊技の進行を示唆する複数の演出画像を用いた特定演出を制御する特定演出制御手段と、
を備え、
前記特定演出制御手段は、
前記複数の演出画像のうちの少なくとも一つである第一画像を、それ以外の画像である第二画像よりも大きく表示する第一演出態様と、
前記第二画像のうちの少なくとも一つを、前記第一画像よりも大きく表示する第二演出態様と、
を実行することが可能であり、
前記特定演出制御手段は、前記第一演出態様のみ実行するか、前記第一演出態様を経て前記第二演出態様を実行するかを抽選により決定するものであり、
前記第一演出態様のみ実行された場合と、前記第一演出態様を経て前記第二演出態様が実行された場合とでは、当否判定が当りとなる蓋然性が異なるように設定されている
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第二画像が表示されつつも第一画像が最も大きく表示される第一演出態様と、第二画像のうちの少なくとも一つを第一画像よりも大きく表示する第二演出態様とが切り替えられる場合があるため、各画像によって示唆される遊技の進行の内容を、第一演出態様と第二演出態様の切り替えによって遊技者に示すという面白みのある演出とすることが可能となる。
以上の本参考発明2によれば、趣向性の高い示唆演出を実現して遊技興趣を向上させることが可能である。
(参考発明3)
従来、所定の実行条件の成立に基づいて識別情報を変動表示させた後に停止表示させる変動遊技が実行され、該変動遊技の結果が特定結果となった場合に、大当り遊技等の特別遊技が実行される遊技機が知られている。この種の遊技機では、変動遊技が実行されるときの遊技状態を、変動遊技の実行頻度が通常に比して高くなる遊技状態(例えば時短状態や高ベース状態)に制御したり、変動遊技の結果が特定結果となる可能性が通常に比して高くなる遊技状態(例えば高確率状態)に制御したりする構成が採用されることがある。それらの遊技状態は、通常の遊技状態に比して特別遊技の発生(実行)を効率よく狙えるため、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。このような有利な遊技状態(「有利状態」ともいう。)のもと特別遊技(例えば大当り遊技)が複数回実行されることを、いわゆる「連荘」と呼んでいる。この連荘に関し、有利状態が継続する間、連荘回数(特別遊技の連続実行回数)を遊技者に報知するように構成されたものが知られている(例えば、特開2009-219593号公報を参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機のように、有利状態が継続する間、単に連荘回数を報知するだけでは、興趣の向上を図るのに不十分である。
本参考発明3は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、有利状態に関連する報知を行うように構成された遊技機の興趣を向上させることにある。
参考発明3-1の遊技機は、
識別情報を変動表示させた後に停止表示させる変動遊技を実行可能な変動遊技実行手段と、
前記変動遊技の結果が特定結果となることに基づいて、遊技者に所定の利益を付与し得る特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記変動遊技が実行されるときの遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と該第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態とが設けられた遊技機であって、
前記特別遊技の実行後に前記遊技状態が前記第2遊技状態に制御されてから、前記遊技状態が前記第1遊技状態に制御されるまでを含む特定期間に実行された遊技に関する情報を記憶可能な情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶された情報に基づいて所定の報知演出を実行可能な報知演出実行手段と、を備え、
前記特定期間が終了してから所定期間のうちに前記変動遊技の結果が特定結果となって特別遊技が実行され、その後に前記遊技状態が前記第2遊技状態に制御された場合、前記情報記憶手段は、先の前記特定期間が終了するまでに記憶した情報を引き継いで後の前記特定期間に実行された遊技に関する情報を記憶し、
前記特定期間が終了してから所定期間のうちに前記変動遊技の結果が特定結果とならなかった場合、前記報知演出実行手段は、該特定期間が終了するまでに前記情報記憶手段により記憶された情報に基づいて、それまでの遊技の結果を示す結果報知演出を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技状態が第2遊技状態でないときに実行される変動遊技の結果が特定結果となり、これを契機に特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態に制御されると、その後、遊技状態が第1遊技状態に制御されるまで、当該第1遊技状態よりも有利な状態(つまり、第2遊技状態)で遊技が進行する。このように特別遊技後に遊技状態が第2遊技状態に制御されてから第1遊技状態に制御されるまでを含む特定期間では、当該特定期間に実行された遊技に関する情報が記憶され、当該記憶された情報に基づいて所定の報知演出が実行可能となる。その後、遊技状態が第1遊技状態に移行すると特定期間は終了を迎えるが、特定期間が終了してから所定期間のうちに変動遊技の結果が特定結果となり、これを契機に特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態に制御されると、再び特定期間となってその間の遊技に関する情報が記憶される。このとき、先の特定期間が終了するまでに記憶された情報を引き継いで後の特定期間での遊技に関する情報が記憶される。このため、特定期間の終了後、所定期間内に特定期間(つまり、第2遊技状態)に復帰すれば、その復帰後の特定期間では、先の特定期間で記憶された情報から引き続いて遊技に関する情報が記憶(更新)されることとなり、その結果、報知演出を先の特定期間から継続した内容で実行することが可能となる。一方で、特定期間が終了してから所定期間のうちに変動遊技の結果が特定結果となることなく当該所定期間の終了(経過)を迎えると、先の特定期間が終了するまでに記憶された情報に基づいて、それまでの遊技の結果、すなわち、今回終了した特定期間における遊技の結果を示す結果報知演出が実行される。このため、特定期間の終了後、所定期間内での特定期間(第2遊技状態)への復帰を果たせなかった場合に、今回終了した特定期間に係る遊技の結果が報知されることとなる。
このように、特定期間が終了しても、所定期間内に特定期間に復帰するか否かに遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、復帰した場合には特定期間が継続されたものとして遊技者に認識させることが可能となり、復帰しなかった場合に初めて特定期間が終結したものとして遊技者に認識させることが可能となる。その結果、特定期間が終了しても興趣の尽きない遊技性が得られるようになる。
なお、情報記憶手段に記憶される遊技に関する情報には、例えば、変動遊技に関する情報、特別遊技に関する情報、変動遊技や特別遊技に伴って実行される遊技演出(単に「演出」ともいう。)に関する情報等が含まれる。
参考発明3-2の遊技機は、前述した参考発明3-1の遊技機において、
前記報知演出実行手段は、前記情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて、前記特定期間に実行された特別遊技により付与された利益量を示す利益量報知演出を実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定期間にて記憶された遊技に関する情報に基づく報知演出として、特定期間に実行された特別遊技により付与された利益量を示す利益量報知演出が実行される。このため、遊技者にとっては、特定期間での特別遊技により獲得できた利益の量を把握するのが容易となる。これにより、特定期間に関連する報知演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
なお、利益量報知演出は、例えば、特定期間にて実行された特別遊技毎の利益量(単位利益量)と、特定期間にて実行された特別遊技の通算の利益量(総利益量)との何れか一方又は両方を示す(報知する)態様で実行することが可能である。また、利益量報知演出は、例えば、特定期間中の所定時期(例えば、特別遊技のラウンド中、特別遊技のエンディング中、変動遊技中など)に実行したり、特定期間が終了するまで継続して実行したり、特定期間終了後の結果報知演出として実行したりすることが可能である。
参考発明3-3の遊技機は、前述した参考発明3-1又は参考発明3-2の遊技機において、
前記報知演出実行手段は、前記情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて、前記特定期間に実行された特別遊技の回数を示す特別遊技回数報知演出を実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定期間にて記憶された遊技に関する情報に基づく報知演出として、特定期間に実行された特別遊技の回数を示す特別遊技回数報知演出が実行される。このため、遊技者にとっては、特定期間にて実行された特別遊技の回数を把握するのが容易となる。これにより、特定期間に関連する報知演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
なお、特別遊技回数報知演出は、例えば、特定期間中の所定時期(例えば、特別遊技のラウンド中、特別遊技のエンディング中、変動遊技中など)に実行したり、特定期間が終了するまで継続して実行したり、特定期間終了後の結果報知演出として実行したりすることが可能である。
参考発明3-4の遊技機は、前述した参考発明3-1から参考発明3-3の何れか一つの遊技機において、
前記特定期間が終了してから所定期間のうちに前記変動遊技の結果が特定結果とならなかった場合、前記遊技状態制御手段は、該所定期間後の前記遊技状態を前記第1遊技状態よりも不利な遊技状態に制御する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定期間が終了してから所定期間のうちに変動遊技の結果が特定結果となることなく当該所定期間の終了(経過)を迎えると、遊技状態が第1遊技状態よりも不利な遊技状態に制御される。このため、特定期間が終了した後の所定期間は、遊技状態がより不利な状態に移行するのか再び有利な状態(第2遊技状態)に移行(復帰)するのかが決まる期間となる。これにより、特定期間終了後の所定期間にて実行される変動遊技に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明3-5の遊技機は、前述した参考発明3-1から参考発明3-4の何れか一つの遊技機において、
前記変動遊技に伴う変動演出を実行可能な変動演出実行手段と、
前記変動遊技が実行されるときの演出モードを制御可能な演出モード制御手段と、を備え、
前記変動演出実行手段は、前記演出モードに応じた演出態様で前記変動演出を実行し、
前記演出モード制御手段は、前記特定期間の演出モードを第1演出モードに制御し、前記所定期間の演出モードを前記第1演出モードよりも演出の種類が少ない第2演出モードに制御する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特定期間にて変動遊技が実行されるときには変動遊技に伴う変動演出が第1演出モードに応じた演出態様で実行され、特定期間後の所定期間にて変動遊技が実行されるときには変動遊技に伴う変動演出が第2演出モードに応じた演出態様で実行される。第1演出モードと第2演出モードとでは演出の種類の多少差があり、第2演出モードは第1演出モードに比して演出の種類が少ない演出モード(換言すると、第1演出モードは第2演出モードに比して演出の種類が多い演出モード)となっている。このため、特定期間では変動演出が多様化され、所定期間では変動演出が簡素化される。これにより、特定期間と所定期間とにメリハリをつけて、特定期間から特定期間後の所定期間にかけての興趣を向上させることが可能となる。
参考発明3-6の遊技機は、
予め設定された当否判定条件が成立したときに当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の当りに起因して、通常遊技状態からそれより遊技者にとって有利な特典遊技状態へと遊技状態を切り替える一方、予め設定された切替条件の成立に起因して、前記特典遊技状態から前記通常遊技状態へと遊技状態を切り替える遊技状態切替手段と、
前記特典遊技状態へと切り替わってからその特典遊技状態の継続中に遊技の進行に伴って積み上げられた遊技実績を記憶手段に記憶させる実績更新手段と、
前記記憶手段に記憶された前記遊技実績に応じて遊技演出を行う演出実行手段と、を備えた遊技機において、
前記通常遊技状態に切り替わってから予め設定された規定回数以内の前記当否判定で当りになって前記特典遊技状態に復帰したときに、前記通常遊技状態に切り替わる前の前記特典遊技状態の遊技実績を継承して前記記憶手段に記憶させる実績継承手段を備え、
前記演出実行手段は、前記通常遊技状態に切り替わってから前記規定回数以内の前記当否判定で当りにならなかったときに、前記通常遊技状態に切り替わる前の前記特典遊技状態の遊技実績を報知する節目実績報知手段を備える
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特典遊技状態から通常遊技状態に転落してから新たに特典遊技状態に復帰する場合に、前の特典遊技状態の遊技実績が必ずリセットされるのではなく継承されることもあるので、特典遊技状態の終了後にも遊技に対する興味を持たせることが可能となる。
以上の本参考発明3によれば、有利状態(特定期間)に関連する報知を行うように構成された遊技機の興趣を向上させることが可能である。