JP2014182222A - レンズ組立体の製造方法、レンズ組立体の製造装置、およびレンズ組立体 - Google Patents

レンズ組立体の製造方法、レンズ組立体の製造装置、およびレンズ組立体 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズ組立体の製造方法において、レンズ枠を熱変形させてレンズを固定する際に、固定強度とレンズの配置精度とを向上することができるようにする。
【解決手段】レンズ組立体の製造方法は、枠体部で囲まれた内周面10bを有するレンズ枠10の内周面10bの内側に、レンズ8を配置するレンズ配置工程と、枠体部を熱変形させる変形治具6を枠体部の内部に挿入する挿入工程と、変形治具6によって発生される熱によって、枠体部の変形治具6の周辺部分を内周面10bの内方に突出するように変形させて、枠体部にレンズ枠10に当接する当接部10Fを形成することにより、レンズ8をレンズ枠10に固定してレンズ組立体11を形成するレンズ固定工程と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、レンズ組立体の製造方法、レンズ組立体の製造装置、およびレンズ組立体に関する。
従来、レンズをレンズ枠に固定してレンズ組立体を製造する場合に、レンズ枠を熱溶融あるいは熱変形させて、レンズを固定することが行われている。
例えば、特許文献1には、レンズ枠にレンズを挿入した後、レーザ光を透過するレンズ押さえ枠を配置し、このレンズ押さえ枠を通してレーザ光を照射し、レンズ枠を加熱してレンズ押さえ枠と溶着する光学部材の固定方法が記載されている。
特開2005−345653号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、レンズ枠とレンズ押さえ枠とは、レーザ溶着によって固定されているものの、レンズとレンズ押さえ枠とは弾性的に当接して押さえている状態になっている。このため、外力によってレンズが移動しやすくなっているという問題がある。
特に、レンズ枠は、レンズを挿入するため、レンズ外形よりも大径の穴部を有しているため、レンズが径方向に移動したり、光軸回りに回転したりしやすいという問題がある。
また、レンズ枠に設けた突起部を熱溶融し、この突起部を折り曲げてレンズに押しつける熱カシメによってレンズを固定することも考えられるが、この場合、突起部をレンズ側に折り曲げてカシメ部を形成するため、カシメ時に、レンズが径方向に移動したり、光軸回りに回転したりしやすいという問題がある。
また、この固定方法では、レンズ面上にカシメ部を形成するため、カシメ部はレンズ有効領域外の微小な領域内のみに設ける必要がある。この点でも固定強度をあまり強くできないため、カシメ後に外力を受ける場合にも、レンズが径方向に移動したり、光軸回りに回転したりしやすいという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、レンズ枠を熱変形させてレンズを固定する際に、固定強度とレンズの配置精度とを向上することができるレンズ組立体の製造方法、レンズ組立体の製造装置、およびレンズ組立体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様のレンズ組立体の製造方法は、枠体部で囲まれた保持穴部を有するレンズ枠の前記保持穴部の内側に、レンズを配置するレンズ配置工程と、前記枠体部を熱変形させるレンズ枠変形部材を前記枠体部の内部に挿入する挿入工程と、前記レンズ枠変形部材によって発生される熱によって、前記枠体部における前記レンズ枠変形部材の周辺部分を前記保持穴部の内方に突出するように変形させて、前記枠体部に前記レンズに当接する当接部を形成することにより、前記レンズを前記レンズ枠に固定してレンズ組立体を形成するレンズ固定工程と、を備える方法とする。
上記レンズ組立体の製造方法においては、前記挿入工程では、前記レンズ枠変形部材によって発生される熱によって、前記枠体部を溶融しつつ、前記レンズ枠変形部材を前記枠体部の内部に挿入することが好ましい。
上記レンズ組立体の製造方法においては、前記枠体部には、前記レンズ枠変形部材を挿入する挿入穴部が予め設けられており、前記挿入工程では、前記挿入穴部から、前記レンズ枠変形部材を前記枠体部の内部に挿入することが好ましい。
上記レンズ組立体の製造方法においては、前記挿入工程では、前記レンズ枠変形部材を、複数配置して前記枠体部の内部に挿入し、前記レンズ固定工程では、前記レンズ枠変形部材のそれぞれにより前記当接部を複数形成して、前記レンズを前記レンズ枠に固定することが好ましい。
上記レンズ組立体の製造方法においては、前記挿入工程では、前記レンズ枠変形部材を同じタイミングで前記枠体部の内部に挿入することが好ましい。
本発明の第2の態様のレンズ組立体の製造装置は、枠体部で囲まれた保持穴部を有するレンズ枠を支持するレンズ枠支持部と、前記枠体部の内部に挿入して、該枠体部が前記保持穴部の内方に突出するように変形させるレンズ枠変形部材と、該レンズ枠変形部材によって熱を発生させる加熱部と、前記レンズ枠変形部材を前記枠体部に向かって進退させる第1の移動部と、を備える構成とする。
上記レンズ組立体の製造装置においては、前記レンズ枠変形部材は、挿入方向に沿って延びる柱状とされ、前記挿入方向に直交する断面積が前記挿入方向における先端側から基端側に向かって漸次増大する形状を有することが好ましい。
上記レンズ組立体の製造装置においては、前記レンズ枠変形部材を前記レンズ枠の径方向に移動する第2の移動部を備えることが好ましい。
上記レンズ組立体の製造装置においては、前記枠体部の外周面の変形を規制する変形規制部を備えることが好ましい。
上記レンズ組立体の製造装置においては、前記変形規制部は、前記枠体部の外周面を温度調整する温度調整部を備えることが好ましい。
上記レンズ組立体の製造装置においては、前記レンズ枠に挿入されたレンズを支持するレンズ支持部を備えることが好ましい。
本発明の第3の態様のレンズ組立体は、レンズと、該レンズを挿入して固定するレンズ枠部とを有するレンズ組立体であって、前記レンズ枠部は、前記レンズの外周を囲む枠体部と、該枠体部の軸方向の端面から前記枠帯部の内部に延びて形成された穴部と、該穴部の周辺に形成され、前記枠体部の内方に突出して前記レンズと当接して該レンズを固定する当接部と、を備える構成とする。
本発明のレンズ組立体の製造方法、レンズ組立体の製造装置、およびレンズ組立体によれば、レンズ枠変形部材をレンズ枠の枠体部の内部に挿入し、レンズ枠変形部材の周辺部分を熱変形することにより枠体部の内側に突出させて、レンズに当接する当接部を形成するため、レンズ枠を熱変形させてレンズを固定する際に、固定強度とレンズの配置精度とを向上することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態のレンズ組立体の製造装置の一例を示す模式的な正面図である。 図1におけるA視図、およびこのA視図におけるC−C断面図である。 図1におけるB視図、およびこのB視図におけるD−D断面図である。 本発明の第1の実施形態のレンズ組立体の製造方法の製造工程を説明する工程説明図である。 本発明の第1の実施形態のレンズ組立体の平面図、およびそのE−E断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例(第1変形例)のレンズ組立体の製造装置の主要部を示す正面図、およびそのF−F断面図である。 本発明の第1の実施形態の他の変形例(第2変形例)のレンズ組立体の製造装置の主要部を示す正面図、およびそのG−G断面図である。 本発明の第2の実施形態のレンズ組立体の製造装置の一例を示す図1におけるA視図、およびこのA視図におけるH−H断面図である。 本発明の第2の実施形態のレンズ組立体の製造方法の製造工程を説明する工程説明図である。 本発明の第2の実施形態のレンズ組立体の平面図、およびそのJ−J断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例(第3変形例、第4変形例)のレンズ組立体の製造装置のレンズ枠変形部材を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態の他の変形例(第5変形例、第6変形例)のレンズ組立体の製造装置の主要部を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態のレンズ組立体の製造装置の一例を示す図1におけるB視図、およびこのB視図におけるK−K断面図である。 本発明の第3の実施形態のレンズ組立体の製造装置の動作説明図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態のレンズ組立体の製造装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のレンズ組立体の製造装置の一例を示す模式的な正面図である。図2(a)は、図1におけるA視図である。図2(b)は、図2(a)におけるC−C断面図である。図3(a)は、図1におけるB視図である。図3(b)は、図3(a)におけるD−D断面図である。
なお、各図面は模式図のため寸法や位置関係は誇張されている(以下の図面の同様)。
図1に示すように、本実施形態のレンズ組立体製造装置1(レンズ組立体の製造装置)は、レンズ枠10にレンズ8を固定してレンズ組立体を製造する装置である。
ここで、「レンズ組立体」とは、レンズがレンズ枠に固定されたひとまとまりの組立体を意味する。このため、レンズ組立体は、例えば、交換レンズのように、それ自体が製品を構成する形態であってもよいし、製品の一部を構成する交換ユニット等の半製品や、製品の製造工程のみに現れる部分組立体であってもよい。
レンズ8は、図2(b)に示すように、第1レンズ面8a、第2レンズ面8bを有し、これらの外周に円筒状のレンズ側面8cが形成されたレンズである。
レンズ側面8cの中心軸線は、レンズ8のレンズ中心軸Lになっており、レンズ8の光軸と整列されている。
第1レンズ面8a、第2レンズ面8bの形状は、特に限定されず、例えば、球面、非球面、自由曲面、平面等の適宜の面形状を採用することができる。また、第1レンズ面8a、第2レンズ面8bが非平面の場合、凸面、凹面のいずれであってもよい。
以下では一例として、レンズ8は、第1レンズ面8aおよび第2レンズ面8bがそれぞれ凸球面からなりレンズ側面8cの外径がDとされた両凸レンズであるとして説明する。
レンズ8の製造方法は、特に限定されず、ガラスモールド成形またはガラス研磨によって製造されたガラス製レンズ、または、合成樹脂製レンズを採用することができる。ただし、合成樹脂製の場合には、後述する製造工程における温度上昇に耐える樹脂材料を採用する。
レンズ枠10は、図2(a)、(b)に示すように、レンズ8を内部に保持する円筒部材であり、内周面10bの内径がD10b(ただし、D10b−D=2d>0)、外周面10aの外径がD10a(ただし、D10a>D10b)である。
レンズ枠10の軸方向の端面10c、10dは、いずれもレンズ枠10の中心軸線Oに直交する平面からなる。
レンズ枠10の軸方向の長さは、レンズ8のレンズ側面8cの軸方向の長さより長い適宜の長さを必要に応じて採用することができる。本実施形態では、レンズ8の肉厚より長く、端面10c、10dの間にレンズ8を収容できるようになっている。
レンズ枠10の材質は、熱可塑性樹脂からなる。
このような構成により、レンズ枠10は、枠体部のみからなる場合の例になっている。このため、レンズ枠10の内周面10bは、枠体部であるレンズ枠10で囲まれた保持穴部を構成している。
図1に示すように、レンズ組立体製造装置1の概略構成は、ベース2、レンズ枠支持部7、ガイド支柱3、進退移動部4(第1の移動部)、加熱部5、変形治具取付部6D、および変形治具6A、6B、6C(レンズ枠変形部材)を備える。
なお、図示は省略するが、レンズ組立体製造装置1は、この他にも、レンズ組立体製造装置1を操作する操作部と、操作部の操作入力に基づいて、進退移動部4、加熱部5等の各装置部分の動作を制御する制御部とを備えている。
ベース2は、レンズ組立体製造装置1の各装置部分を配置する基体を構成する略板状部材である。
図2(a)、(b)に示すように、ベース2の上面2aにおいて、レンズ枠10を配置する部位の中心部には、レンズ枠10の内周面10bの内径以下の大きさで形成された凹部である保持穴2bが設けられている。
保持穴2bには、外径がレンズ8の外径Dよりも小径の円筒状部材であるレンズ支持部9が嵌め込まれている。
レンズ支持部9は、レンズ8を下方から支持し、鉛直方向に沿う高さ方向の位置決めを行う部材であり、突出方向の先端部にレンズ8の第2レンズ面8bを下方から受けるレンズ受け部9aが設けられている。
レンズ支持部9の中心軸線は、保持穴2bの鉛直方向に延びる中心軸線Cに整列されている。
保持穴2bの周囲には、中心軸線Cに向かって進退して、進出時にレンズ枠10の外周面10aを径方向に保持するレンズ枠支持部7A、7B、7Cが配置されている。
レンズ枠支持部7A、7B、7Cは、中心軸線Cを中心とする円周を3等分する位置に配置されている。
以下では、レンズ枠支持部7A、7B、7Cを互いに区別する必要がない場合に、添字を省略して単にレンズ枠支持部7と略記する場合がある。
レンズ組立体製造装置1において、ベース2、レンズ枠支持部7A、7B、7Cは、枠体部で囲まれた保持穴部を有するレンズ枠10を支持するレンズ枠支持部を構成している。
このような構成により、例えば、レンズ枠10の端面10cを、レンズ支持部9の外周面とレンズ枠支持部7との間の上面2a上に載置し、各レンズ枠支持部7を進出させることにより、レンズ枠10の外周面10aを径方向に支持することが可能である。この場合、レンズ枠10の中心軸線Oは、中心軸線Cに同軸に整列される。
このような保持状態では、配置誤差が場合には、図2(b)に示すように、レンズ側面8cと内周面10bとの間に、レンズ側面8cの全周にわたって幅dの隙間が形成されている。
ガイド支柱3は、図1に示すように、後述する進退移動部4の鉛直方向に沿う昇降移動をガイドする柱状部材であり、レンズ枠支持部7の側方の上面2a上に鉛直方向に沿って立設されている。
進退移動部4は、図示略の駆動モータ等によって駆動され、ガイド支柱3に沿って鉛直方向に昇降する可動ステージである。
進退移動部4およびガイド支柱3の構成としては、例えば、リニアモータを用いた1軸ステージや、モータと送りねじとを組み合わせた1軸ステージ等を採用することができる。
加熱部5は、レンズ枠10を加熱するための装置部分であり、ヒータ5aと、進退移動部4に固定されヒータ5aを支持する板状の支持体5bとを備える。
支持体5bは、進退移動部4との固定位置から水平方向に延ばされ、先端の部位がレンズ枠支持部7に支持されたレンズ枠10を上方から覆っている。
ヒータ5aは、支持体5bの延在方向の先端側において、レンズ枠支持部7に支持されたレンズ枠10と対向する位置に設けられている。
変形治具取付部6Dは、図1に示すように、支持体5bのヒータ5aによって発生する熱を下方側に熱伝導させるため、支持体5bの下側においてヒータ5aと密着して設けられた金属製の円板状部材である。
変形治具取付部6Dの下面6aには、変形治具取付部6Dに熱伝導された熱によって、レンズ枠10を熱変形させる変形治具6A、6B、6Cが取り付けられている。
図3(a)に示すように、本実施形態では、変形治具6A、6B、6Cは、中心軸線Cを中心とする直径Dの円周を3等分する位置において、変形治具取付部6Dの下面6aから下方に向かって突出するように設けられている。
変形治具6A、6B、6Cの形状、いずれも同一形状であり、図3(b)に変形治具6Aの場合の例で示すように、中心軸線Cと平行な中心軸線C’に沿って延びる円錐形状を有している。
以下では、変形治具6A、6B、6Cを互いに区別する必要がない場合には、添字を省略して単に変形治具6と略記する場合がある。
各変形治具6が配置された円周の直径Dは、変形治具取付部6Dとともに各変形治具6を下降させたとき、各変形治具6の先端部が、レンズ枠10の端面10dと対向する位置になっていれよく、例えば、D10b<D<D10aとすることが可能である。
ただし、レンズ枠10の厚さ方向の中心よりも内周側の位置で、レンズ枠10の端面10dと対向する寸法とすると、レンズ枠10の外周面10aの変形を抑制できるため、より好ましい。
そこで、本実施形態では、直径Dは、D10b<D<(D10a―D10b)/2の関係を満足するようにしている。
各変形治具6の周方向の配置位置は、各レンズ枠支持部7の周方向の配置位置と無関係に配置してもよいが、本実施形態では、中心軸線Cとレンズ枠支持部7A、7B、7Cの配置中心とをそれぞれ結ぶ直線上に、変形治具6A、6B、6Cのそれぞれの配置中心が位置するようにしている。
各変形治具6の材質は、変形治具取付部6Dからの熱伝導が良好となるように、金属を採用することができる。変形治具6の材質として、好適な金属材料としては、例えば、SUS410等のマルテンサイト系ステンレス鋼などを挙げることができる。
次に、このような構成のレンズ組立体製造装置1の動作について、レンズ組立体製造装置1を用いて行う本実施形態のレンズ組立体の製造方法を中心として説明する。
図4(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態のレンズ組立体の製造方法の製造工程を説明する工程説明図である。図5は、本発明の第1の実施形態のレンズ組立体の平面図、およびそのE−E断面図である。
レンズ組立体製造装置1を用いてレンズ8とレンズ枠10とからレンズ組立体を製造するには、レンズ配置工程、挿入工程、およびレンズ固定工程をこの順に行う。
まず、レンズ配置工程を行う。本工程は、レンズ枠10の内周面10bの内側に、レンズ8を配置する工程である。
本工程では、まず、レンズ枠10を、端面10cを下にして、ベース2の上面2aに載置する。そして、レンズ枠支持部7A、7B、7Cを中心軸線Cに向かって進出させることにより、レンズ枠10の外周面10aを3箇所で支持する。これにより、レンズ枠10の中心軸線Oが、中心軸線Cと同軸に整列される。
次に、図4(a)に示すように、レンズ8を、第1レンズ面8aを上方に向けて、レンズ枠10の内周面10b内に挿入する。
本実施形態では、レンズ枠10の内側には、上面2aからレンズ支持部9が突出されている。このため、レンズ8は、レンズ支持部9のレンズ受け部9aによって第2レンズ面8bが受けられた状態で下方から支持される。
これにより、レンズ8のレンズ中心軸Lが、中心軸線Cと略同軸(同軸の場合も含む)に配置され、レンズ側面8cと内周面10bとの間には、幅が略d(dの場合も含む)の隙間が形成される。
以上で、レンズ配置工程が終了する。
次に、挿入工程を行う。本工程は、レンズ枠10を熱変形させる変形治具6A、6B、6Cをレンズ枠10の内部に挿入する工程である。本工程は、本実施形態の場合、変形治具6A、6B、6Cによって発生される熱によって、レンズ枠10を溶融しつつ、変形治具6A、6B、6Cをレンズ枠10の内部に挿入する工程である。
本工程を行うには、まず、レンズ組立体製造装置1の加熱部5のヒータ5aを作動させて、変形治具取付部6Dを介した熱伝導によって、各変形治具6を昇温する。
各変形治具6の温度は、予めヒータ5aの温度設定をしておくことにより、レンズ枠10の樹脂材料の溶融温度以上であって各変形治具6の周囲の樹脂材料を軟化させることが可能な温度にする。
次に、進退移動部4を駆動して加熱部5を下降させる。これにより、加熱部5と一体に設けられた変形治具取付部6Dおよび変形治具6A、6B、6Cも下降する。
図4(a)に示すように、変形治具6は、レンズ枠10の端面10dに対向する位置に配置されている。このため、下降量が一定値を越えると、各変形治具6は端面10dに当接する。これにより、当接した部位からの熱伝導によって、各変形治具6の周囲のレンズ枠10が加熱されて軟化し、徐々に溶融されていく。
このとき、本実施形態では、変形治具6が先端側に細って鋭くとがった形状を有するため、端面10dに円滑に挿入することができる。
このため、図4(b)に示すように、変形治具6は、進退移動部4の移動に伴ってレンズ枠10の内部に挿入されていく。
このような挿入工程によって、各変形治具6がレンズ枠10の内部に挿入され始めると、これに並行してレンズ固定工程が開始される。
本工程は、変形治具6によって発生される熱によって、レンズ枠10の変形治具6の周辺部分を内周面10bの内方に突出するように変形させて、レンズ枠10にレンズ8に当接する当接部10Fを形成することにより、レンズ8をレンズ枠10に固定してレンズ組立体を形成する工程である。
図4(b)に示すように、変形治具6が端面10dからレンズ枠10の内部に挿入され出すと、変形治具6の周辺部分のレンズ枠10の溶融が進み、昇温される変形治具6の周辺部分が広がり、次第に広範囲の周辺部分が軟化していく。
変形治具6の挿入が続くと、変形治具6の基端部は、先端部に比べて断面積がより増大していく形状であるため、周辺部分の樹脂を挿入方向に直交する方向に押し出していく。
本実施形態では、レンズ枠10の厚さ方向の中心よりも内周側の位置に変形治具6が挿入されるため、変形治具6の周辺部分の肉厚が内周側の方が薄くなる。このため、レンズ枠10の厚さ方向の温度分布および強度に偏りが生じ、変形治具6と内周面10bとの間の内周側の樹脂材料の変形がより顕著となる。このため、変形治具6の近傍の内周面10bが部分的に内方に突出して、突出面部10b’が形成される。
突出面部10b’は、変形治具6の挿入が進むにつれてより内方に突出するため、距離d以上に突出すると、図4(b)に示すように、距離dの隙間が埋められて、突出面部10b’がレンズ側面8cに当接する。
変形治具6の挿入量は、突出面部10bがレンズ側面8cと当接すれば、特に限定されず、例えば、ベース2に適宜の逃げ部設けることで、レンズ枠10を貫通する位置まで挿入してもよい。ただし、本実施形態では、変形治具6の先端がレンズ側面8cの下端の位置よりも下方であって、レンズ枠10の端面10cよりも上方となる位置まで挿入している。
本実施形態では、変形治具6A、6B、6Cは、同一のタイミングで移動されるため、これらの突出面部10b’は、内周面10bの周方向を等分する3箇所の位置で同時並行的に形成される。
これにより、各突出面部10b’から中心軸線Cに向かう略水平方向の押圧力が、レンズ8に作用するが、この押圧力は、略つり合う(完全につり合う場合も含む)ため、レンズ8の径方向の位置は安定している。
さらに細かく見ると、本実施形態では、変形治具6の外形が先細の形状になっているため、突出面部10b’は、溶融部分の変形はあるものの全体としては、変形治具6の外周面の傾斜に直交する方向に押圧力Fを発生させる。
このため、押圧力Fは、中心軸線Cに直交する方向の水平分力F1と、水平分力F1の大きさに比べると格段に小さい垂直分力F2とに分解される。したがって、レンズ8は、この垂直分力F2と自重とによって、レンズ受け部9a側に押圧される。このため、レンズ8の光軸に沿う方向も安定している。
水平分力F1は、レンズ側面8cにおいて、中心軸線Cに沿う方向にわたって分布力として作用するため、例えば、レンズ側面8cが傾いて配置された場合には、レンズ側面8cと内周面10bとの隙間が狭い方から順に作用していくため、レンズ8の傾きを矯正するモーメントとしても作用する。
押圧力Fの大きさは、各変形治具6の延在方向の断面形状の変化量と、各変形治具6の挿入量とを調整することにより、調整することが可能である。
このように、本実施形態では、突出面部10b’が、レンズ側面8cを径方向内側に向かって押圧していくため、本工程においてレンズ8が光軸回りに回転するおそれがない。
突出面部10b’がレンズ側面8cに当接すると、レンズ8への放熱が始まる。このため、レンズ8との接触面積が広がっていくほど、接触部での樹脂材料の温度が低下して、流動性が低下し、硬化が進んでいく。
このようにして突出面部10b’が、レンズ側面8cを所定長さだけ覆うか、または、図4(b)に示すように、レンズ側面8cを越えてレンズ側面8cに隣接する第1レンズ面8aおよび第2レンズ面8bのレンズ有効領域外に接触したら、進退移動部4の移動を停止するともに、加熱部5による加熱を停止する。
これにより、突出面部10b’は、流入する熱量が低下するため、相対的に放熱量が増大し硬化していく。
突出面部10b’が十分に硬化したら、図4(c)に示すように、進退移動部4を上昇させて、変形治具6をレンズ枠10から上方に引き抜く。
これにより、変形治具6が挿入された箇所に、変形治具6の外形が転写された穴部10Eが形成される。
穴部10Eから変形治具6が離間すると、穴部10Eは放熱面として機能するため、放熱が促進され、変形部分の硬化がさらに促進される。
このようにして、突出面部10b’が固化し、レンズ8の側方に密着して当接する当接部10Fが形成される。これにより、レンズ枠10が変形してレンズ8が固定されたレンズ枠部10Aが形成される。
このようにして、レンズ8およびレンズ枠部10Aからなるレンズ組立体11が製造される。
レンズ組立体11は、レンズ枠支持部7による支持を解除して、レンズ組立体製造装置1から取り外す。
以上で、レンズ固定工程が終了する。
このようにして製造されたレンズ組立体11のレンズ枠部10Aは、図5(a)に示すように、レンズ枠部10Aは、外周面10a、内周面10bで挟まれた円筒状の枠体部10gと、穴部10Eと、当接部10Fと、を備える。
穴部10Eは、各変形治具6を挿入した位置に、円錐状の凹形状の穴部として枠体部10gの内部に延びて形成されている。
当接部10Fは、各穴部10Eの周囲に、内周面10bからレンズ8に向かって突出し、レンズ8を固定している。
当接部10Fは、中心軸線Cに沿う方向に延びて、少なくともレンズ側面8cに密着して径方向にガタつきなくレンズ8と固定されている。このため、外力を受けても、例えば、第1レンズ面8aのみに樹脂が溶着して固定されている場合のように、径方向に移動するおそれがなく、良好な固定強度と配置精度とが得られる。
さらに、本実施形態では、図5(b)に示すように、各当接部10Fは、レンズ側面8cに隣接する第1レンズ面8a、第2レンズ面8bにも当接しており、レンズ8の端部は各当接部10Fによって径方向および中心軸線Oに沿う方向の位置も確実に固定されている。このため、レンズ支持部9が外された状態でも、レンズ8の中心軸線Oに沿う方向の位置精度が良好に保たれる。
本実施形態のレンズ組立体製造装置1およびこれを用いた本実施形態のレンズ組立体の製造方法によれば、変形治具6を枠体部であるレンズ枠10の内部に挿入し、変形治具6の周辺部分を熱変形して内方に突出させてレンズ8に当接する当接部10Fを形成するため、レンズ枠10を熱変形させてレンズ8を固定する際に、固定強度とレンズの配置精度とを向上することができる。
[第1変形例]
次に、本実施形態の変形例(第1変形例)について説明する。
図6(a)は、本発明の第1の実施形態の変形例(第1変形例)のレンズ組立体の製造装置の主要部を示す正面図である。図6(b)は、図6(a)におけるF−F断面図である。
図6(a)、(b)に主要部を示すように、本変形例のレンズ組立体製造装置1A(レンズ組立体の製造装置)は、上記第1の実施形態のレンズ組立体製造装置1の各変形治具6に代えて、それぞれ変形治具16(レンズ枠変形部材)を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
変形治具16は、変形治具取付部6Dの下面6aにおいて、変形治具6と同様の位置から、中心軸線Cと平行な方向に略沿って下方に突出して設けられている。
ただし、変形治具16において中心軸線Cに対向する径方向内側には、中心軸線Cに向かって凸の円弧状の湾曲面からなる凸面部16aが突出方向の先端部まで形成されている。また、径方向外側には、凸面部16aよりも曲率半径が大きい円筒面が中心軸線Cに沿って延ばされた背面部16bが形成されている。
背面部16bの曲率半径は、特に限定されないが、中心軸線Cを中心とした同心円の半径と一致させると、変形治具16の挿入時に、背面部16bよりも径方向外側のレンズ枠10の肉厚が一定となるため好ましい。
凸面部16aの表面は、突出方向の基端側から先端側に向かうにつれて、漸次、中心軸線Cから遠ざかる傾斜を有している。このため、変形治具16は、中心軸線Cに対する径方向の断面形状が、基端側で中心軸線C側に傾斜するくさび状になっている。
このため、上記第1の実施形態の変形治具6が中心軸線C’に関して回転対称な円錐形状を有していたのに対して、変形治具16は、回転非対称な形状を有するとともに、中心軸線Cに対する径方向内側の外形と、径方向外側の外形とが相違している場合の例になっている。
本変形例のレンズ組立体製造装置1Aによれば、上記第1の実施形態のレンズ組立体製造装置1と同様にして、レンズ8とレンズ枠10とを組み立てることができる。これにより、穴部10Eの形状が、変形治具16の外形に応じて異なる以外は、レンズ組立体11と同様の形状を有するレンズ組立体を製造することができる。
本変形例によれば、挿入工程において、変形治具16の凸面部16aが中心軸線C側に傾斜しているのに対して、背面部16bは傾斜を有しないため、径方向内側のくさび効果が増大して、径方向内側のレンズ枠10をレンズ8に向かって効率的に押し出すことができる。
さらに、径方向外側のレンズ枠10の肉厚が一定となり、変形治具6のように、径方向外側に張り出す傾斜を有する場合に比べて、レンズ枠10の径方向外側の剛性が高まるため、径方向外側のレンズ枠10の熱変形をより低減することができる。これにより、レンズ枠10の外周面10aの変形を抑制することができ、レンズ組立体の外形の寸法精度をより向上することができる。
[第2変形例]
次に本実施形態の他の変形例(第1変形例)について説明する。
図7(a)は、本発明の第1の実施形態の他の変形例(第2変形例)のレンズ組立体の製造装置の主要部を示す正面図である。図7(b)は、図7(a)におけるG−G断面図である。
図7(a)、(b)に主要部を示すように、本変形例のレンズ組立体製造装置1B(レンズ組立体の製造装置)は、上記第1の実施形態のレンズ組立体製造装置1の各変形治具6に代えて、それぞれ変形治具26(レンズ枠変形部材)を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
変形治具26は、上記第1の実施形態の変形治具6において、中心軸線Cに対向する側に、凹溝部26aを設けたものである。このため、凹溝部26aを除く外形は、変形治具6と同様の外形を有する円錐面部26bになっている。
凹溝部26aは、円弧状断面を有する凹溝であり、変形治具26の突出方向に沿って、基端部から先端部の近傍まで形成されている。凹溝部26aの溝深さは、延在方向に沿って一定であってもよいし、レンズ枠10からの引き抜きが可能な形状であれば、延在方向に沿って変化していてもよい。
本変形例のレンズ組立体製造装置1Bによれば、上記第1の実施形態のレンズ組立体製造装置1と同様にして、レンズ8とレンズ枠10とを組み立てることができる。これにより、穴部10Eの形状が、変形治具26の外形に応じて異なる以外は、レンズ組立体11と同様の形状を有するレンズ組立体を製造することができる。
本変形例によれば、挿入工程において、変形治具26が凹溝部26aを有しているため、凸面を有している場合に比べて、径方向内側のレンズ枠10の肉厚を厚くすることができる。さらに、変形治具26を挿入する際、凹溝部26aよりも径方向内側に位置するレンズ枠10の樹脂が、凹溝部26aの凹形状に沿って、変形治具26の中心軸線C’に向かってかき集められる。
このため、変形治具26によれば、凹溝部26aよりも径方向内側の樹脂部分を効率的よく、レンズ8側に押し出すことできる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態のレンズ組立体の製造装置について説明する。
図8(a)は、本発明の第2の実施形態のレンズ組立体の製造装置の一例を示す図1におけるA視図である。図8(b)は、図8(a)におけるH−H断面図である。
図1に示すように、本実施形態のレンズ組立体製造装置21(レンズ組立体の製造装置)は、上記第1の実施形態のレンズ組立体製造装置1のベース2に代えて、ベース22を備え、レンズ支持部9を削除したものである。
これに伴い、レンズ組立体製造装置21では、レンズ8を固定するレンズ枠は、レンズ枠10に代えてレンズ枠30を用いる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
ベース22は、図8(b)に示すように、上記第1の実施形態のベース2の保持穴2bを削除したものである。
レンズ組立体製造装置21において、ベース22、レンズ枠支持部7A、7B、7Cは、枠体部で囲まれた保持穴部を有するレンズ枠30を支持するレンズ枠支持部を構成している。
レンズ枠30は、図8(a)、(b)に示すように、上記第1の実施形態のレンズ枠10と同様の円筒状部からなる枠体部30dと、枠体部30dの端面10c側の内周面10bに、レンズ8の光軸に沿う方向の位置決めを行うレンズ支持部30aを追加し、端面10d上に挿入穴部30eを追加したものである。
レンズ支持部30aは、端面10dから測った中心軸線Oに沿う方向のレンズ8の位置を、上記第1の実施形態のレンズ枠10およびレンズ支持部9を用いて支持したのと同じ位置に配置するために、内周面10bから径方向内側に突出された突起部である。
レンズ支持部30aには、端面10d側に、外周面10aの中心軸線Oと直交する平面からなるレンズ受け部30bが形成されている。
レンズ支持部30aの突出方向の先端面30cは、レンズ8の外径Dよりも小径であって、レンズ8の光線透過領域の範囲外となる位置する円筒面で構成されている。
このようなレンズ支持部30aは、内周面10bの全周にわたって円環状に設けられていてもよいし、周方向に離間する複数の突起部として設けることも可能である。本実施形態では、レンズ支持部30aは、一例として、円環状に形成されている。
挿入穴部30eは、レンズ組立体製造装置21の変形治具6A、6B、6Cをそれぞれ挿入する穴部であり、図8(a)に示すように、中心軸線Oを中心とする直径Dの円周上に、変形治具6A、6B、6Cと同様の配列位置に形成されている。本実施形態では、直径Dの円周を周方向に3等分する位置に形成されている。
挿入穴部30eは、上記第1の実施形態と同様の穴部10Eの形成予定位置の内側に形成され、後述する本実施形態のレンズ固定工程で穴形状を拡張して、穴部10Eが形成することができる形状であれば、特に限定されない。
ただし、後述する本実施形態の挿入工程およびレンズ固定工程を、より円滑に行うためには、挿入穴部30eの形状は、変形治具6の先端部の凸形状に密着する凹形状であることが好ましい。
本実施形態では、一例として、変形治具6の先端部と同様の円錐面を採用している。挿入穴部30eの、端面10dからの深さは、挿入穴部30eの最下部が、レンズ受け部30bに支持されたレンズ8のレンズ側面8cの側方に位置する深さとしている。
次に、このような構成のレンズ組立体製造装置21の動作および本実施形態のレンズ組立体の製造方法について、上記第1の実施形態と異なる点を中心として説明する。
図9(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態のレンズ組立体の製造方法の製造工程を説明する工程説明図である。図10(a)は、本発明の第2の実施形態のレンズ組立体の平面図である。図10(b)は、図10(a)におけるJ−J断面図である。
レンズ組立体製造装置21を用いてレンズ8とレンズ枠30とからレンズ組立体を製造するには、上記第1の実施形態と略同様なレンズ配置工程、挿入工程、およびレンズ固定工程をこの順に行う。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態のレンズ配置工程では、まず、レンズ枠30を、端面10cを下にして、ベース2の上面2aに載置し、レンズ枠支持部7A、7B、7Cを中心軸線Cに向かって進出させることにより、レンズ枠10の外周面10aを3箇所で支持する。
このとき、図8(a)に示すように、各挿入穴部30eが、中心軸線Cと各レンズ枠支持部7とを結ぶ直線上に位置するように周方向を位置合わせする点が、上記第1の実施形態と異なる。
次に、上記第1の実施形態と同様に、内周面10b内にレンズ8を挿入する。このとき、第2レンズ面8bをレンズ受け部30b上に載置する点が上記第1の実施形態と異なる。
これにより、上記第1の実施形態と同様に、レンズ8のレンズ中心軸Lが、中心軸線Cと略同軸(同軸の場合も含む)に配置され、レンズ側面8cと内周面10bとの間には、幅が略d(dの場合も含む)の隙間が形成される。
以上で、本実施形態のレンズ配置工程が終了する。
次に、本実施形態の挿入工程を行う。
本工程では、上記第1の実施形態と同様にして各変形治具6を下降させていくと、各変形治具6の下方に挿入穴部30eが配置されている。このため、図9(a)に示すように、各変形治具6は、挿入穴部30e内に挿入され、挿入穴部30eの内部においてレンズ枠10との接触が開始される点が上記第1の実施形態と異なる。
次に、本実施形態のレンズ固定工程は、各変形治具6が挿入穴部30e内でレンズ枠30の枠体部30dと接触することにより開始される点と、当接部30F(図9(b)参照)を形成するための変形治具6の進出量がやや増える点とが、上記第1の実施形態と異なる。
このため、上記第1の実施形態では、挿入穴部30eに相当する位置に進出するまでの間に、レンズ枠10の端面10d側から樹脂が溶融されていくのに対して、本実施形態では、挿入穴部30eの内周面から、樹脂の溶融および変形治具6の周辺部分の変形が開始する。
このように、変形治具6から、挿入穴部30eの内周面の全体に熱伝導して、樹脂の溶融等が一斉に進むため、上記第1の実施形態に比べて、短時間のうちに当接部30Fを形成することができる。
また、上記第1の実施形態では、レンズ枠10は端面10dに近い上端側が相対的に長時間加熱されて高温になりやすいのに対して、本実施形態では、変形治具6の長手方向に沿う樹脂の温度分布のバラツキがより少なくなる。
また、上記第1の実施形態では、レンズ枠10の上端側から下端側に向かって変形治具6の周辺部分が径方向内側に押し出されていく。これに対して、本実施形態では、少なくとも挿入穴部30eの長さの周辺部分が略同時に径方向内側に押し出され、レンズ側面8cの側方の位置から下方に向かって突出量が増えていく。
このため、図8(b)に示すように、溶融または軟化した周辺部分の樹脂は、これにより、本実施形態では、内周面10bからの突出面部10b’’を、変形治具6の外形の相似形により近い形状に形成することが可能となる。
突出面部10b’’は上記第1の実施形態と同様にして固化し、レンズ8の側方に密着して当接する当接部30Fが形成される。これにより、レンズ枠30が変形してレンズ8が固定されたレンズ枠部30Aが形成される。
このようにして、レンズ8およびレンズ枠部30Aからなるレンズ組立体31が製造される。
レンズ組立体31は、レンズ枠支持部7による支持を解除して、レンズ組立体製造装置21から取り外す。
以上で、本実施形態のレンズ固定工程が終了する
このようにして製造されたレンズ組立体31は、図10(a)、(b)に示すように、各変形治具6を挿入した位置に、挿入穴部30eの形状を拡張した円錐状の凹形状の穴部30Eが形成され、各穴部30Eの周囲に、内周面10bからレンズ8に向かって突出し、レンズ8を固定する当接部30Fが形成されている。
当接部30Fが形成されることにより、レンズ8は、径方向にガタつきなく固定されており、外力を受けても、例えば、第1レンズ面8aのみに樹脂が溶着して固定されている場合のように、径方向に移動するおそれがないため、良好な固定強度と配置精度とが得られる。
さらに、各当接部30Fは、上記第1の実施形態の当接部10Fと同様に、レンズ側面8cに隣接する第1レンズ面8a、第2レンズ面8bにも当接しており、レンズ8の端部は各当接部30Fによって径方向および光軸に沿う方向の位置も確実に固定されている。このため、レンズ支持部9が外された状態でも、レンズ8の光軸に沿う方向の位置精度も良好に保たれる。
本実施形態のレンズ組立体製造装置21およびこれを用いた本実施形態のレンズ組立体の製造方法によれば、変形治具6を外蓋部30の枠体部30dの内部の挿入穴部30eに挿入し、変形治具6の周辺部分を熱変形して内方に突出させてレンズ8に当接する当接部30Fを形成するため、枠体部30dを熱変形させてレンズ8を固定する際に、固定強度とレンズの配置精度とを向上することができる。
[第3変形例、第4変形例]
次に、本実施形態の変形例(第3変形例、第4変形例)について説明する。
図6(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態の変形例(第3変形例、第4変形例)のレンズ組立体の製造装置のレンズ枠変形部材を示す正面図である。
図11(a)に主要部を示すように、第3変形例のレンズ組立体製造装置21A(レンズ組立体の製造装置)は、上記第2の実施形態のレンズ組立体製造装置1の各変形治具6に代えて、それぞれ変形治具27(レンズ枠変形部材)を備える。
以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
変形治具27は、上記第2の実施形態の変形治具6の外形を変更した変形例であり、上記第2の実施形態の変形治具6の先端部の頂部を除去したことに相当する円錐台形状を備える。このため、先端部に中心軸線C’に直交する平面からなる先端面27aが形成されている。
本変形例では、レンズ枠30が挿入穴部30eを有するため、変形治具27の先端が鋭くとがった形状でなくても、レンズ枠30の内部に円滑に挿入することができる。このため、上記第2の実施形態と全く同様にして、レンズ組立体31を製造することができる。
図11(b)に示すように、第4変形例のレンズ組立体製造装置21B(レンズ組立体の製造装置)は、上記第2の実施形態のレンズ組立体製造装置1の各変形治具6に代えて、それぞれ変形治具28(レンズ枠変形部材)を備える。
以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
変形治具28は、上記第2の実施形態の変形治具6の外形を変更した変形例であり、基端側から、挿入穴部30eの開口部の内径よりも小径の外径を有する円柱部28bと、円柱部28bの先端部から先端側に向かって縮径された円錐状の先細部28aとを備える。
本変形例によれば、当接部の形状が異なるのみで、上記第2の実施形態と同様にして、レンズ組立体31を製造することができる。
本変形例では、変形治具28を挿入穴部30e内に挿入しても、挿入穴部30eの内周面の一部に当接するのみである。したがって、挿入穴部30eの全体にわたって溶融が進むことはないが、変形治具6の挿入を続けると先端側から変形治具28の接触面積は増大していく。そして、変形治具28の先端側から先に、周辺部分が押し広げられ、基端側では、変形しないか、変形量が少なくなる。
したがって、上記第2の実施形態に比べると、突出面が変形治具28の先端側でより顕著に押し出される。このため、当接部を挿入方向の奥側に形成したい場合に好適である。
[第5変形例]
次に、本実施形態の第5変形例について説明する。
図12(a)は、本発明の第2の実施形態の他の変形例(第5変形例)のレンズ組立体の製造装置の主要部を示す断面図である。
図12(a)に主要部を示すように、本変形例のレンズ組立体製造装置21C(レンズ組立体の製造装置)は、上記第2の実施形態のレンズ組立体製造装置21のレンズ枠支持部7に代えて、レンズ枠支持部37(変形規制部)を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
レンズ枠支持部37は、上記第2の実施形態のレンズ枠支持部7の高さを端面10dの高さ以上とするとともに、円筒面状の内周面37aの曲率半径をレンズ枠30の外周面10aの外径と一致させたものである。
このため、レンズ枠支持部37の内周面37aは、レンズ枠30の外周面10aと、中心軸線Cに沿う方向にわたって当接することが可能である。
外周面10aの周方向に沿うレンズ枠支持部37の当接幅は、図示を省略するが、変形治具6の挿入による変形が及ぶ範囲よりも広くなるようにしている。
レンズ枠支持部37の材質は、レンズ固定工程におけるレンズ枠30の変形に伴う反力を受けても、変形を無視できる程度の剛性を有する適宜の材料を採用することができる。
また、酸化等の劣化が極力起こらない材料であると、外周面10aの固定時の位置精度を確保することができる。
さらに熱伝導が良好な材料であると、外周面10aからの放熱を促進できるため、より好ましい。
このような好ましい材料の例としては、金属材料、例えば、SUS304等のステンレス鋼などを挙げることができる。
本変形例のレンズ組立体製造装置21Cによれば、上記第2の実施形態と同様にして、レンズ組立体31を製造することができる。
本変形例では、レンズ固定工程において、レンズ枠30が、レンズ枠支持部37によって支持されているため、レンズ枠30の外周面10aの径方向外側に向かう変形が、レンズ枠支持部37の内周面37aの位置で規制される。
このため、レンズ組立体31の外径の寸法精度を良好に保つことができる。
また、レンズ枠支持部37を熱伝導性が良好な金属材料で形成する場合には、外周面10aからの放熱が促進されるため、外周面10aの表面が迅速に固化するため、内周面37aに沿う形状を安定させることができる。
[第6変形例]
次に、本実施形態の第6変形例について説明する。
図12(b)は、本発明の第2の実施形態の他の変形例(第6変形例)のレンズ組立体の製造装置の主要部を示す断面図である。
図12(b)に主要部を示すように、本変形例のレンズ組立体製造装置21D(レンズ組立体の製造装置)は、上記第5変形例のレンズ組立体製造装置21Cに温度調整部47を追加したものである。
以下、上記第5変形例と異なる点を中心に説明する。
温度調整部47は、レンズ枠支持部37の温度を、レンズ枠30を構成する樹脂材料の軟化温度よりも低温に保つための装置部分である。温度調整部47の装置構成としては、例えば、ペルチェ素子、冷却水を循環させる水冷装置、あるいはヒートシンクと空冷ファンとを組み合わせた構成などを採用することができる。
本変形例のレンズ組立体製造装置21Dによれば、上記第5変形例と同様にして、レンズ組立体31を製造することができる。
本変形例では、さらに、温度調整部47によって、レンズ枠支持部37の温度を、レンズ枠30の軟化温度より低温に保つことができるため、外周面10aの形状精度をより高精度の保つことができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態のレンズ組立体の製造装置について説明する。
図13(a)は、本発明の第3の実施形態のレンズ組立体の製造装置の一例を示す図1におけるB視図である。図13(b)は、図13(a)におけるK−K断面図である。
図1に示すように、本実施形態のレンズ組立体製造装置51(レンズ組立体の製造装置)は、上記第1の実施形態のレンズ組立体製造装置1の変形治具取付部6Dに代えて、変形治具保持部56D(第2の移動部)を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
変形治具保持部56Dは、図13(a)、(b)に示すように、各変形治具6を保持する保持部57と、保持部57を、中心軸線Cを通る径方向に沿って移動可能に収容するガイド溝部56aと、図示略の駆動モータ等の駆動源に接続され、保持部57をガイド溝部56a内で径方向に進退させる移動軸58とを備える。
各移動軸58は、それぞれ独立に駆動できるようになっている。このため、変形治具6A、6B、6Cの各中心軸線C’の中心軸線Cからの距離R6A、R6B、R6Cは、それぞれ独立に変更することが可能である。
本実施形態のレンズ組立体製造装置51によれば、上記第1の実施形態と同様にして、変形治具6A、6B、6Cをレンズ枠10の内部に挿入することができる。ただし、変形治具6A、6B、6Cは、挿入中または挿入を停止した状態での、中心軸線Cからの距離R6A、R6B、R6Cを独立に変更することができる。
例えば、図14(a)に誇張して示すように、レンズ8のレンズ中心軸Lが、中心軸線C、Oとずれて配置された場合を考える。
このとき、R6A=R6B=R6C=D/2として、上記第1の実施形態と同様に挿入工程を行うと、変形治具6A、6B、6Cに対応するそれぞれの突出面部10b’、10b’、10b’と、レンズ側面8cとの間の距離が異なるため、突出面部10b’、10b’、10b’とレンズ側面8cとが接触するタイミングがずれる。
例えば、突出面部10b’のみがレンズ側面8cと接触して、突出面部10b’、10b’が未接触の場合がある。この場合、上記第1の実施形態の場合でも、挿入が進むにつれて、突出面部10b’からの押圧力が増すため、調芯されることが期待される。
しかし、例えば、変形治具6Cの周辺部分における樹脂の溶融が進みすぎて樹脂の粘度が低くなっているような場合には、このような調芯に必要な押圧力が得られないおそれもある。
本実施形態では、例えば、図示略のカメラによって、挿入工程およびレンズ固定工程において、レンズ8の偏芯が観察する。そして、偏芯が観察された場合には、樹脂の粘度が高いうちに、図14(a)の矢印で示すように、変形治具6Bを径方向内側に移動させることで、レンズ8の調芯を行うことが可能である。
各変形治具6の径方向の移動と下降動作とは、並行して行ってもよいし、下降動作をいったん停止して、径方向の移動を行うようにしてもよい。
このような変形治具6の径方向への移動において、図14(b)に示すように、突出面部10b’’’、10b’’’の先端部の位置と、突出面部10b’’’の先端部の位置とが、中心軸線Cを中心とする同心円上に位置するように、変形治具6A、6B、6Cのそれぞれの径方向の移動量を独立に調整すると、レンズ側面8cとの接触のタイミングが一致するためより好ましい。
また、突出面部10b’’’、10b’’’の先端部が中心軸線Cと同軸に移動した時のレンズ8のレンズ側面8cの位置になるように、先行して径方向内側に移動し、その後、変形治具6Bを径方向内側に移動して、レンズ8を突出面部10b’’’、10b’’’に向けて押し込み、出面部10b’’’、10b’’’、10b’’’のすべてがレンズ側面8cに接触してから、それぞれの径方向の位置を固定して、下降を再開するようにしてもよい。
このようにして、本実施形態のレンズ組立体製造装置51を用いたレンズ組立体の製造方法によれば、レンズ8の偏芯を確実に低減することが可能である。
なお、上記の各実施形態、各変形例の説明では、一例として、レンズ枠変形部材が3個設けられた場合の例で説明したが、レンズ枠変形部材は、3個以上備えることも可能である。この場合、レンズの固定箇所が増えるためより強固にレンズを固定することができる。
また、レンズ枠変形部材は、1個または2個だけ用いることも可能である。
例えば、上記第1の実施形態において、変形治具6B、6Cを削除した製造装置によってレンズ組立体を製造する場合には、レンズ枠10の内周面10bにおいて変形治具6B、6Cによって当接部が形成される部位に、レンズ側面8cを設計上の位置に位置決めする突起部を予め設けておく。
この場合、レンズ固定工程では、変形治具6Aによって形成された突出面部10b’がレンズ側面8cに当接すると、突出面部10b’によって、レンズ8が突起部に押しつけられて、レンズ8が固定される。これにより、レンズ組立体が製造される。
また、変形治具6Cを削除した製造装置によってレンズ組立体を製造する場合は、設ける突起部を1個にするのみで、同様にしてレンズ組立体を製造することができる。
上記の各実施形態、各変形例の説明では、一例として、レンズ枠変形部材が挿入方向に沿って延びる柱状部材の場合の例で説明したが、レンズ枠変形部材の形状は柱状には限定されない。
例えば、レンズ枠の周方向に沿う円弧状に延びる湾曲板状の部材や、レンズ枠の周方向に沿う円環状の部材も好適に採用することができる。
これらのレンズ枠変形部材によれば、柱状のレンズ枠変形部材に比べて、当接部の周方向の長さを長くすることができ、レンズをより強固に固定することができる。
上記の各実施形態、各変形例の説明では、レンズ組立体が、1枚のレンズと、レンズ枠部とからなる場合の例で説明したが、レンズ組立体を構成するレンズは、2枚以上とすることが可能である。
この場合、すべてのレンズを、本発明のレンズ組立体の製造方法によって固定してもよいし、一部のレンズのみを固定してもよい。
上記の各実施形態、各変形例の説明では、複数のレンズ枠変形部材を同一のタイミングでレンズ枠の内部に挿入する場合の例で説明したが、例えば、複数のレンズ枠変形部材をそれぞれ独立に進退させる第1の移動部を採用することで、複数のレンズ枠変形部材を異なるタイミングで枠体部に挿入することも可能である。
例えば、レンズ枠変形部材を3個有する装置構成の場合に、最初に2つのレンズ枠変形部材を枠体部に挿入してそれぞれ当接部を形成し、その後、最後のレンズ枠変形部材を挿入して、レンズを先に形成された当接部に向かって押圧するようにして、固定することが可能である。
上記の各実施形態、各変形例の説明では、加熱部として、ヒータを備える場合の例で説明したが、ヒータに代えて、超音波振動子を備える構成や、ヒータとともに超音波振動子を備える構成も可能である。
超音波振動子を備える場合、レンズ枠変形部材に超音波振動を印加することにより、レンズ枠変形部材と接触した部位で超音波振動によって樹脂が加熱される点のみが異なるため、このようなレンズ組立体製造装置であっても、上記の各実施形態、各変形例と同様にして、レンズ組立体を製造することができる。
上記の第5変形例、第6変形例の説明では、外周面10aに当接するレンズ枠支持部37から放熱したり冷却したりすることにより、樹脂の温度を制御する場合の例で説明したが、レンズ枠変形部材の構成により、挿入時のレンズ枠変形部材の周辺部分の温度制御を行うことも可能である。
例えば、レンズ枠変形部材において、レンズ枠の径方向内側を向く部分を熱伝導率が良好な第1の金属で形成し、レンズ枠の径方向外側を向く部分を、第1の金属よりも熱伝導率が低い第2の金属で形成すると、レンズ枠変形部材から供給される熱量が、第1の金属の周辺部分で相対的に多くなり、第2の金属の周辺部分で相対的に少なくなるため、レンズ枠の径方向内側の熱変形がより容易に起こる。
このような構成によれば、レンズ枠の内側に当接部を迅速に形成するとともに、レンズ枠の外周面の熱変形を抑制することが可能となる。
上記の第5、第6変形例の説明では、変形規制部を設けてレンズ枠の外周面の変形を抑制する場合の例で説明したが、レンズ枠の外周面の変形が生じる箇所に、変形量を吸収可能な凹部を形成しておくようにしてもよい。
この場合、レンズ枠の径方向外側におけるレンズ枠変形部材の周辺部分が変形しても、外周面に予め形成された凹部の範囲内で変形する。このため、変形部分が変形前に精度よく下降されたレンズ枠の外周面よりも突出することを防止することができる。
上記の各実施形態、各変形例の説明では、レンズ枠の全体が樹脂で形成された場合の例で説明したが、レンズ枠の内周部のみを樹脂で形成し、外周部やレンズ受け部は、樹脂以外の材料、例えば、金属などで形成した構成とすることも可能である。
上記第1の実施形態の説明では、中心軸線Cに同軸となる位置に配置されたレンズ支持部9によってレンズ8を支持する場合の例で説明したが、レンズ支持部9は、例えば、移動ステージに支持されることにより中心軸線Cに対して移動可能に設けることも可能である。例えば、中心軸線Cに沿う方向および中心軸線Cに直交する2軸方向に移動可能に支持したり、中心軸線Cに対して傾斜可能に支持したりすることが可能である。
このような構成によれば、レンズ支持部9に支持されたレンズ8の位置や姿勢を必要に応じて調整して組み立てることができる。
また、上記の各実施形態、および各変形例で説明した構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり、削除したりして実施することができる。
例えば、上記第1の実施形態にレンズ組立体製造装置1は、レンズ支持部9を取り外すことにより、上記第2の実施形態にレンズ枠30を配置してレンズ組立体の製造を行うことも可能である。
また、例えば、上記第1変形例の背面部16bを、上記第2変形例の円錐面部26bに組み合わせることが可能である。
1、1A、1B、21、21A、21B、21C、21D レンズ組立体製造装置(レンズ組立体の製造装置)
2、22 ベース(レンズ枠支持部)
4 進退移動部(第1の移動部)
5 加熱部
5a ヒータ
6、6A、6B、6C、16、26、27、28 変形治具(レンズ枠変形部材)
7、7A、7B、7C、37 レンズ枠支持部
8 レンズ
8a 第1レンズ面
8b 第2レンズ面
8c レンズ側面
9 レンズ支持部
9a レンズ受け部
10 レンズ枠(枠体部)
10A、30A レンズ枠部
10a 外周面
10b 内周面(保持穴部)
10b’ 突出面部
10c、10d 端面
10E 穴部
10F 当接部
10g 枠体部
11、31 レンズ組立体
30 レンズ枠
30d 枠体部
30e 挿入穴部
30E 穴部
30F 当接部
47 温度調整部
56a ガイド溝部
56D 変形治具保持部(第2の移動部)
58 移動軸
C、O 中心軸線
C’ 中心軸線
L レンズ中心軸

Claims (12)

  1. 枠体部で囲まれた保持穴部を有するレンズ枠の前記保持穴部の内側に、レンズを配置するレンズ配置工程と、
    前記枠体部を熱変形させるレンズ枠変形部材を前記枠体部の内部に挿入する挿入工程と、
    前記レンズ枠変形部材によって発生される熱によって、前記枠体部における前記レンズ枠変形部材の周辺部分を前記保持穴部の内方に突出するように変形させて、前記枠体部に前記レンズに当接する当接部を形成することにより、前記レンズを前記レンズ枠に固定してレンズ組立体を形成するレンズ固定工程と、
    を備える、レンズ組立体の製造方法。
  2. 前記挿入工程では、
    前記レンズ枠変形部材によって発生される熱によって、前記枠体部を溶融しつつ、前記レンズ枠変形部材を前記枠体部の内部に挿入する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のレンズ組立体の製造方法。
  3. 前記枠体部には、前記レンズ枠変形部材を挿入する挿入穴部が予め設けられており、
    前記挿入工程では、
    前記挿入穴部から、前記レンズ枠変形部材を前記枠体部の内部に挿入する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のレンズ組立体の製造方法。
  4. 前記挿入工程では、
    前記レンズ枠変形部材を、複数配置して前記枠体部の内部に挿入し、
    前記レンズ固定工程では、
    前記レンズ枠変形部材のそれぞれにより前記当接部を複数形成して、前記レンズを前記レンズ枠に固定する、
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズ組立体の製造方法。
  5. 前記挿入工程では、
    前記レンズ枠変形部材を同じタイミングで前記枠体部の内部に挿入する
    ことを特徴とする、請求項4に記載のレンズ組立体の製造方法。
  6. 枠体部で囲まれた保持穴部を有するレンズ枠を支持するレンズ枠支持部と、
    前記枠体部の内部に挿入して、該枠体部が前記保持穴部の内方に突出するように変形させるレンズ枠変形部材と、
    該レンズ枠変形部材によって熱を発生させる加熱部と、
    前記レンズ枠変形部材を前記枠体部に向かって進退させる第1の移動部と、
    を備える、レンズ組立体の製造装置。
  7. 前記レンズ枠変形部材は、
    挿入方向に沿って延びる柱状とされ、前記挿入方向に直交する断面積が前記挿入方向における先端側から基端側に向かって漸次増大する形状を有する
    ことを特徴とする、請求項6に記載のレンズ組立体の製造装置。
  8. 前記レンズ枠変形部材を前記レンズ枠の径方向に移動する第2の移動部を備える
    ことを特徴とする、請求項6または7に記載のレンズ組立体の製造装置。
  9. 前記枠体部の外周面の変形を規制する変形規制部を備える
    ことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載のレンズ組立体の製造装置。
  10. 前記変形規制部は、
    前記枠体部の外周面を温度調整する温度調整部を備える
    ことを特徴とする、請求項9に記載のレンズ組立体の製造装置。
  11. 前記レンズ枠に挿入されたレンズを支持するレンズ支持部を備える
    ことを特徴とする、請求項6〜10のいずれか1項に記載のレンズ組立体の製造装置。
  12. レンズと、該レンズを挿入して固定するレンズ枠部とを有するレンズ組立体であって、
    前記レンズ枠部は、
    前記レンズの外周を囲む枠体部と、
    該枠体部の軸方向の端面から前記枠体部の内部に延びて形成された穴部と、
    該穴部の周辺に形成され、前記枠体部の内周面から内方に突出して前記レンズと当接して該レンズを固定する当接部と、
    を備える、レンズ組立体。
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