JP2011043702A - 光学素子の固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学素子が形成される材料と保持枠が形成される材料とが互いに溶着により固定できない組み合わせであっても、光学素子を保持枠に固定可能な光学素子の固定方法を提供する。
【解決手段】レーザー吸収性を有する熱可塑性樹脂により形成された保持枠2に光学素子3を固定する光学素子の固定方法であって、光学素子の周縁部10を、保持枠に設けられた支持面6aで下方から支持する支持工程と、周縁部を支持面に対して固定するように、周縁部及び保持枠にそれぞれ接触させて粒状の材料からなる固定材8aを配置し、固定材をレーザー光Lで加熱して溶融・軟化させ、固定材と保持枠とを溶着する溶着工程と、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】レーザー吸収性を有する熱可塑性樹脂により形成された保持枠2に光学素子3を固定する光学素子の固定方法であって、光学素子の周縁部10を、保持枠に設けられた支持面6aで下方から支持する支持工程と、周縁部を支持面に対して固定するように、周縁部及び保持枠にそれぞれ接触させて粒状の材料からなる固定材8aを配置し、固定材をレーザー光Lで加熱して溶融・軟化させ、固定材と保持枠とを溶着する溶着工程と、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、光学素子の固定方法に関する。例えば、光学素子を熱可塑性樹脂により形成された保持枠によって保持し、光学素子を保持枠に固定する方法に関するものである。
従来、カメラ等の光学機器において、小型軽量化や低コスト化が求められている。近年、それらを達成させる一手段として、熱可塑性樹脂で形成された保持枠を用いてレンズ等の光学素子を保持枠に固定する方法が知られている。
この光学素子の固定方法において、接着剤を用いた固定方法が一般的に用いられている。しかし、接着剤を用いて固定する場合、接着剤の固化時間が必要となるという課題がある。
これに対して、固化時間が不要な光学素子の固定方法が注目され始めており、レーザー光を照射して光学素子を保持枠に固定する方法が提案されている。
この光学素子の固定方法において、接着剤を用いた固定方法が一般的に用いられている。しかし、接着剤を用いて固定する場合、接着剤の固化時間が必要となるという課題がある。
これに対して、固化時間が不要な光学素子の固定方法が注目され始めており、レーザー光を照射して光学素子を保持枠に固定する方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、熱可塑性樹脂で形成されたレンズと、レンズ周縁部を保持するための熱可塑性樹脂で形成された保持枠とを、レンズと保持枠との界面部分において少なくともレーザー吸収性を有するように構成し、界面部分にレーザー光を照射することによりレンズと保持枠とを固定するレンズユニットの製造方法が提案されている。この製造方法では、界面部分にレーザー光を照射することで、界面部分を発熱させ、光学素子と保持枠を溶融させて固定している。
しかしながら、前記の特許文献1に示すレンズユニットの製造方法では、光学素子と保持枠が、互いに熱溶融しても混ざり合わない材料、すなわち互いに溶着できない材料により形成されていると、互いに固定することができないという問題がある。例えば、光学素子と保持枠が、互いに相溶性の無い樹脂材料で形成されている場合や、光学素子がガラスで、保持枠が樹脂で形成されている場合には、光学素子と保持枠は溶着によっては固定されない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、光学素子が形成される材料と保持枠が形成される材料とが互いに溶着により固定できない組み合わせであっても、光学素子を保持枠に固定可能な光学素子の固定方法を提供するものである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の光学素子の固定方法は、レーザー吸収性を有する熱可塑性樹脂により形成された保持枠に光学素子を固定する光学素子の固定方法であって、前記光学素子の周縁部を、前記保持枠に設けられた支持面で下方から支持する支持工程と、前記周縁部を前記支持面に対して固定するように、前記周縁部及び前記保持枠にそれぞれ接触させて粒状の材料からなる固定材を配置し、該固定材をレーザー光で加熱して溶融・軟化させ、前記固定材と前記保持枠とを溶着する溶着工程と、を備えることを特徴としている。
なお、ここで言う溶着とは、複数の材料をそれぞれの融点を越える温度まで加熱し接合することを意味する。
本発明の光学素子の固定方法は、レーザー吸収性を有する熱可塑性樹脂により形成された保持枠に光学素子を固定する光学素子の固定方法であって、前記光学素子の周縁部を、前記保持枠に設けられた支持面で下方から支持する支持工程と、前記周縁部を前記支持面に対して固定するように、前記周縁部及び前記保持枠にそれぞれ接触させて粒状の材料からなる固定材を配置し、該固定材をレーザー光で加熱して溶融・軟化させ、前記固定材と前記保持枠とを溶着する溶着工程と、を備えることを特徴としている。
なお、ここで言う溶着とは、複数の材料をそれぞれの融点を越える温度まで加熱し接合することを意味する。
この発明によれば、光学素子の周縁部を、保持枠に設けられた支持面で下方から支持するとともに、周縁部を支持面に対して固定するように固定材と保持枠とを溶着する。このため、光学素子が形成される材料と保持枠が形成される材料とが互いに溶着により固定できない組み合わせであっても、光学素子と保持枠とを溶着させることなく、支持面と固定材により、保持枠に対して光学素子を固定することができる。
また、上記の光学素子の固定方法において、前記支持工程では、前記保持枠に設けられた位置決め面により、前記周縁部の外周面を前記支持面の法線に交差する方向に位置決めすることがより好ましい。
この発明によれば、保持枠に対して光学素子を、支持面の法線に交差する方向に位置決めすることができる。
この発明によれば、保持枠に対して光学素子を、支持面の法線に交差する方向に位置決めすることができる。
また、上記の光学素子の固定方法において、前記溶着工程では、前記固定材を前記周縁部の上面に配置して、前記固定材を前記位置決め面に溶着することがより好ましい。
この発明によれば、周縁部の上面に配置して位置決め面に溶着した固定材により、周縁部が支持面から離間するのが防止される。従って、保持枠に対して光学素子を固定することができる。
この発明によれば、周縁部の上面に配置して位置決め面に溶着した固定材により、周縁部が支持面から離間するのが防止される。従って、保持枠に対して光学素子を固定することができる。
また、上記の光学素子の固定方法において、前記溶着工程では、前記固定材を前記周縁部の上面に間隔をおいて配置することがより好ましい。
この発明によれば、保持枠に対して光学素子を固定するのに使用される固定材の量を低減させることができる。
この発明によれば、保持枠に対して光学素子を固定するのに使用される固定材の量を低減させることができる。
また、上記の光学素子の固定方法において、前記周縁部の外周面には上方に開口が形成された凹部が設けられ、前記溶着工程では、前記固定材を前記凹部内に配置して前記固定材を前記位置決め面に溶着することがより好ましい。
この発明によれば、凹部内に配置して位置決め面に溶着した固定材により、周縁部が支持面から離間するのが防止される。従って、保持枠に対して光学素子を固定することができる。さらに、固定材の上部が周縁部の上面から上方に突出するのを抑えることが可能となる。
この発明によれば、凹部内に配置して位置決め面に溶着した固定材により、周縁部が支持面から離間するのが防止される。従って、保持枠に対して光学素子を固定することができる。さらに、固定材の上部が周縁部の上面から上方に突出するのを抑えることが可能となる。
また、上記の光学素子の固定方法において、前記溶着工程では、前記固定材を前記凹部内に配置する工程と、前記固定材を前記位置決め面に溶着する工程と、を組にして複数回繰返すことがより好ましい。
この発明によれば、固定材を位置決め面に複数回に分けて溶着することにより、位置決め面に溶着されない固定材の数を低減させ、固定材を位置決め面により確実に溶着することができる。
この発明によれば、固定材を位置決め面に複数回に分けて溶着することにより、位置決め面に溶着されない固定材の数を低減させ、固定材を位置決め面により確実に溶着することができる。
また、上記の光学素子の固定方法において、前記周縁部の外周面には前記光学素子の中心側に延びる凹部が設けられ、前記支持工程を前記固定材を前記凹部内に配置した状態で行い、前記溶着工程では、前記固定材を前記位置決め面に溶着することがより好ましい。
この発明によれば、凹部内に配置して位置決め面に溶着した固定材により、周縁部が支持面から離間するのが防止される。従って、保持枠に対して光学素子を固定することができる。さらに、固定材の上部が周縁部の上面から上方に突出するのを抑えることができる。
この発明によれば、凹部内に配置して位置決め面に溶着した固定材により、周縁部が支持面から離間するのが防止される。従って、保持枠に対して光学素子を固定することができる。さらに、固定材の上部が周縁部の上面から上方に突出するのを抑えることができる。
また、上記の光学素子の固定方法において、前記周縁部には、該周縁部の下面に直交する方向に延びる貫通孔が設けられ、該貫通孔は、前記周縁部の下面に向かうに従って細くなる先細りの形状とされ、前記溶着工程では、前記固定材を前記貫通孔内に配置して、前記固定材を前記支持面に溶着することがより好ましい。
この発明によれば、固定材は貫通孔の形状に対応して、周縁部の下面に向かうに従って細くなる先細りの形状となって支持面に溶着されるので、周縁部が支持面から離間するのが防止されるとともに、保持枠に対して光学素子が支持面の法線に直交する方向に位置決めされる。従って、保持枠に対して光学素子を固定することができる。
この発明によれば、固定材は貫通孔の形状に対応して、周縁部の下面に向かうに従って細くなる先細りの形状となって支持面に溶着されるので、周縁部が支持面から離間するのが防止されるとともに、保持枠に対して光学素子が支持面の法線に直交する方向に位置決めされる。従って、保持枠に対して光学素子を固定することができる。
本発明の光学素子の固定方法によれば、光学素子が形成される材料と保持枠が形成される材料とが互いに溶着により固定できない組み合わせであっても、光学素子を保持枠に固定することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係るレンズユニットの第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。図1(a)は本実施形態のレンズユニットの平面図であり、図1(b)は図1(a)の側面の断面図である。なお、図1(b)において、図の一部を拡大して示している。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態のレンズユニット1は、レーザー吸収性を有する熱可塑性樹脂により略筒状に形成された保持枠2と、レーザー透過性を有する熱可塑性樹脂により形成され所定の光軸を有するレンズ(光学素子)3と、を備えている。
以下、本発明に係るレンズユニットの第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。図1(a)は本実施形態のレンズユニットの平面図であり、図1(b)は図1(a)の側面の断面図である。なお、図1(b)において、図の一部を拡大して示している。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態のレンズユニット1は、レーザー吸収性を有する熱可塑性樹脂により略筒状に形成された保持枠2と、レーザー透過性を有する熱可塑性樹脂により形成され所定の光軸を有するレンズ(光学素子)3と、を備えている。
保持枠2は、円筒状に形成された第1の筒部6と、第1の筒部6の一方の端面(支持面)6aの外縁部からこの第1の筒部6に対して離間するように配置された第2の筒部7と、第2の筒部7の内周面(位置決め面)7aにおいて第1の筒部6とは反対側の端部に設けられた環状の固定部8と、を有する。なお、本実施形態では、第1の筒部6の上方に第2の筒部7が位置するように配置されている。より詳しくは、第1の筒部6、第2の筒部7、及び固定部8の各軸線は、同一の軸線C1上に配置され、さらに、この軸線C1が鉛直方向Dに沿うように配置されている。
第1の筒部6及び第2の筒部7は、一体に成形されている。第1の筒部6及び第2の筒部7の内腔により、端面6aをレンズ受け面とする光学素子室が形成されている。
固定部8は、第1の筒部6及び第2の筒部7と同一の材料、すなわち、レーザー吸収性を有する熱可塑性樹脂で形成されている。
また、後述するように、固定部8は、略球状に形成され径が1mm以下の粒状の材料である固定材を溶着することにより形成されている。
第1の筒部6及び第2の筒部7は、一体に成形されている。第1の筒部6及び第2の筒部7の内腔により、端面6aをレンズ受け面とする光学素子室が形成されている。
固定部8は、第1の筒部6及び第2の筒部7と同一の材料、すなわち、レーザー吸収性を有する熱可塑性樹脂で形成されている。
また、後述するように、固定部8は、略球状に形成され径が1mm以下の粒状の材料である固定材を溶着することにより形成されている。
レンズ3は、レンズ3の中央に設けられて光を屈折させるレンズ本体9と、レンズ本体9の外周から外側に突出する鍔部(周縁部)10と、を有する。すなわち、レンズ3がレーザー光Lを屈折させる有効径は、レンズ本体9の外径とほぼ等しくなっている。
レンズ3は、全体として、所定の軸線に対して回転対称となるように形成され、この軸線が軸線C1に一致するように配置されている。そして、レンズ3は、鍔部10の下面を第1の筒部6の端面6aに支持されるとともに、鍔部10の上面を固定部8で上方から当接された状態で、保持枠2に固定されている。
鍔部10の外径は、保持枠2の第2の筒部7の内径と等しいか、第2の筒部7の内径よりわずかに小さくなるように設定されている。このように、レンズ3は、保持枠2に対して径方向、すなわち鉛直方向Dに直交する方向のガタがほとんどないように構成されている。
レンズ3は、本実施形態ではガラスより成るが、プラスチック等で形成されていても良い。
レンズ3は、全体として、所定の軸線に対して回転対称となるように形成され、この軸線が軸線C1に一致するように配置されている。そして、レンズ3は、鍔部10の下面を第1の筒部6の端面6aに支持されるとともに、鍔部10の上面を固定部8で上方から当接された状態で、保持枠2に固定されている。
鍔部10の外径は、保持枠2の第2の筒部7の内径と等しいか、第2の筒部7の内径よりわずかに小さくなるように設定されている。このように、レンズ3は、保持枠2に対して径方向、すなわち鉛直方向Dに直交する方向のガタがほとんどないように構成されている。
レンズ3は、本実施形態ではガラスより成るが、プラスチック等で形成されていても良い。
次に、以上のように構成されたレンズユニット1の製造方法、すなわちレンズ3の固定方法について説明する。
まず、図2に示すように、固定部8が形成されていない保持枠2でレンズ3を支持することにより、保持枠2にレンズ3を組付ける支持工程を行う。より詳しくは、レンズ3の鍔部10を保持枠2に設けられた端面6aで下方から支持するとともに、保持枠2に設けられた内周面7aにより鍔部10の外周面を軸線C1に直交する方向に位置決めする。
まず、図2に示すように、固定部8が形成されていない保持枠2でレンズ3を支持することにより、保持枠2にレンズ3を組付ける支持工程を行う。より詳しくは、レンズ3の鍔部10を保持枠2に設けられた端面6aで下方から支持するとともに、保持枠2に設けられた内周面7aにより鍔部10の外周面を軸線C1に直交する方向に位置決めする。
次に、固定材8aを溶着することにより、鍔部10を端面6aに対して固定する溶着工程を行う。
まず、図3に示すように、保持枠2と同一の材料で形成された固定材8aを鍔部10の上面に沿うように、鍔部10の上面全体にわたって環状に配置する。このとき、固定材8aを鍔部10の上面及び保持枠2の内周面7aにそれぞれ接触させて配置する。固定材8aは、鍔部10の上面全体に均一に配置されていることが望ましい。また、固定材8a同士の間隔は、0.2mm以内であれば良い。
まず、図3に示すように、保持枠2と同一の材料で形成された固定材8aを鍔部10の上面に沿うように、鍔部10の上面全体にわたって環状に配置する。このとき、固定材8aを鍔部10の上面及び保持枠2の内周面7aにそれぞれ接触させて配置する。固定材8aは、鍔部10の上面全体に均一に配置されていることが望ましい。また、固定材8a同士の間隔は、0.2mm以内であれば良い。
次に、固定材8aと保持枠2の内周面7aとを溶着し、鍔部10を端面6aに対して固定する。
ここで、図4に示すように、溶着工程で用いられるレーザー光Lを照射する1基のレーザー照射機13は、不図示のレーザー光源と、そのレーザー光源から出射したレーザー光Lを固定材8aに集光する不図示の集光光学系と、から成る。そして、レーザー照射機13は、レーザー照射機13の上方に配置された移動手段14に取付けられている。この移動手段14により、レーザー照射機13は軸線C1回りに回転可能となるとともに、軸線C1に対して接近または離間するように移動することが可能となっている。
ここで、図4に示すように、溶着工程で用いられるレーザー光Lを照射する1基のレーザー照射機13は、不図示のレーザー光源と、そのレーザー光源から出射したレーザー光Lを固定材8aに集光する不図示の集光光学系と、から成る。そして、レーザー照射機13は、レーザー照射機13の上方に配置された移動手段14に取付けられている。この移動手段14により、レーザー照射機13は軸線C1回りに回転可能となるとともに、軸線C1に対して接近または離間するように移動することが可能となっている。
まず、移動手段14を調節してレーザー光Lが内周面7aに隣接する固定材8aに照射されるように設定する。そして、レーザー光Lを固定材8aに照射しながら、移動手段14によりレーザー照射機13を軸線C1回りに1周回転させる。すると、レーザー光Lを照射された固定材8aは、レーザー光で加熱され、溶融・軟化して固定材8aと同一の材料で形成された保持枠2の内周面7aに溶着する。
そして、図5に示すように、移動手段14によりレーザー照射機13を、レーザー光Lが固定材8aを照射するスポット径Aの半分の長さA/2だけ、軸線C1側に移動させる。そして再び、レーザー光Lを固定材8aに照射しながら、移動手段14によりレーザー照射機13を軸線C1回りに1周回転させる。この場合、レーザー光Lを照射された固定材8aは溶融・軟化して、隣接する固定材8aに溶着する。
このように、レーザー光Lの照射とレーザー照射機13の軸線C1側への移動を組にして複数回繰返し、レーザー光Lを鍔部10の上面に環状に配置された固定材8aの全体にわたって照射する。すると、図1に示すように、溶融・軟化した固定材8aが全体として固定部8となり、固定部8が内周面7aに溶着された状態となる。
すると、レンズ3の鍔部10において、下面に端面6aが、上面に固定部8が、それぞれ当接した状態となり、保持枠2に対してレンズ3が上方に抜けなくなり、レンズ3が保持枠2に固定される。
そして、図5に示すように、移動手段14によりレーザー照射機13を、レーザー光Lが固定材8aを照射するスポット径Aの半分の長さA/2だけ、軸線C1側に移動させる。そして再び、レーザー光Lを固定材8aに照射しながら、移動手段14によりレーザー照射機13を軸線C1回りに1周回転させる。この場合、レーザー光Lを照射された固定材8aは溶融・軟化して、隣接する固定材8aに溶着する。
このように、レーザー光Lの照射とレーザー照射機13の軸線C1側への移動を組にして複数回繰返し、レーザー光Lを鍔部10の上面に環状に配置された固定材8aの全体にわたって照射する。すると、図1に示すように、溶融・軟化した固定材8aが全体として固定部8となり、固定部8が内周面7aに溶着された状態となる。
すると、レンズ3の鍔部10において、下面に端面6aが、上面に固定部8が、それぞれ当接した状態となり、保持枠2に対してレンズ3が上方に抜けなくなり、レンズ3が保持枠2に固定される。
こうして、本発明の第1実施形態のレンズ3の固定方法によれば、レンズ3の鍔部10を、保持枠2に設けられた端面6aで下方から支持するとともに、鍔部10を端面6aに対して固定するように固定材8aと保持枠2とを溶着する。このため、レンズ3が形成される材料と保持枠2が形成される材料とが互いに溶着により固定できない組み合わせであっても、レンズ3と保持枠2とを溶着させることなく、端面6aと固定部8により、保持枠2に対してレンズ3を固定することができる。すなわち、レンズ3が形成される材料と保持枠2が形成される材料とが、互いに熱溶融しても混ざり合わない組み合わせや、互いに相溶性の無い組み合わせであったとしても、保持枠2にレンズ3を固定することができる。
また、支持工程で、保持枠2に設けられた内周面7aにより、鍔部10の外周面を軸線C1に直交する方向に位置決めするので、保持枠2に対してレンズ3を、軸線C1に直交する方向に位置決めすることができる。
また、支持工程で、保持枠2に設けられた内周面7aにより、鍔部10の外周面を軸線C1に直交する方向に位置決めするので、保持枠2に対してレンズ3を、軸線C1に直交する方向に位置決めすることができる。
また、溶着工程では、固定材8aを鍔部10の上面に配置して、固定材8aを保持枠2の内周面7aに溶着する。このため、鍔部10の上面に配置して内周面7aに溶着した固定材8a、すなわち固定部8により、鍔部10が端面6aから離間するのが防止される。従って、保持枠2に対してレンズ3を固定することができる。
また、固定材8aは粒状の材料からなるので、固定材8aを所望の形状に形成して配置し保持枠2に溶着させることで、保持枠2に対してレンズ3をより確実に固定することができる。
また、固定材8aは粒状の材料からなるので、固定材8aを所望の形状に形成して配置し保持枠2に溶着させることで、保持枠2に対してレンズ3をより確実に固定することができる。
なお、本実施形態では、移動手段14に1基のレーザー照射機13が取付けられていた。しかし、移動手段14に複数基のレーザー照射機13を取付けることで、レーザー光Lを複数個所の固定材8aに同時に照射するように構成しても良い。このように構成することで、レンズ3を保持枠2に固定するのに要する時間を短縮することが可能となる。
また、本実施形態では、レーザー光Lの照射を、内周面7aに隣接する固定材8aから開始した。しかし、これに限ることなく、レーザー光Lの照射は、任意の位置の固定材8aから開始することができる。例えば、レーザー光Lの照射を最も軸線C1側に配置された固定材8aから開始して、外側に向けてレーザー光Lの照射を進めていっても良い。
また、固定材8aとして熱伝導率の高い材料を用いることで、又は、レーザー光Lの波長として固定材8aが吸収しやすい波長を選ぶことで、レーザー光Lにより保持枠2の径方向のより広い範囲にわたり固定材8aを溶融させることができる。従って、レーザー照射機13を軸線C1側へ移動させるピッチを長くすることができ、レンズ3を保持枠2に固定するのに要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、レーザー光Lの照射を、内周面7aに隣接する固定材8aから開始した。しかし、これに限ることなく、レーザー光Lの照射は、任意の位置の固定材8aから開始することができる。例えば、レーザー光Lの照射を最も軸線C1側に配置された固定材8aから開始して、外側に向けてレーザー光Lの照射を進めていっても良い。
また、固定材8aとして熱伝導率の高い材料を用いることで、又は、レーザー光Lの波長として固定材8aが吸収しやすい波長を選ぶことで、レーザー光Lにより保持枠2の径方向のより広い範囲にわたり固定材8aを溶融させることができる。従って、レーザー照射機13を軸線C1側へ移動させるピッチを長くすることができ、レンズ3を保持枠2に固定するのに要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、保持枠2に対してレンズ3を鉛直方向D上方に取外そうとする力、すなわち抜け力量が比較的小さい場合には、図6(a)及び図6(b)に示すように、溶着工程で、固定材8aを鍔部10の上面に間隔をおいて複数個所配置しても良い。この場合、固定材8aを配置した領域内での固定材8a同士の間隔が0.2mm以内であれば良い。
固定材8aをこのように配置することで、溶着工程で固定材8aと保持枠2とが溶着されたときには、図7(a)及び図7(b)に示すように、溶着された固定材8aが全体として複数の固定部17a〜17dとなり、これらの固定部17a〜17dが内周面7aに溶着された状態となる。
レンズユニット1をこのように構成することで、保持枠2に対してレンズ3を固定するのに使用される固定材8aの量を低減させることができる。
固定材8aをこのように配置することで、溶着工程で固定材8aと保持枠2とが溶着されたときには、図7(a)及び図7(b)に示すように、溶着された固定材8aが全体として複数の固定部17a〜17dとなり、これらの固定部17a〜17dが内周面7aに溶着された状態となる。
レンズユニット1をこのように構成することで、保持枠2に対してレンズ3を固定するのに使用される固定材8aの量を低減させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8(a)及び図8(b)に示すように、本実施形態のレンズ(光学素子)23が前記実施形態のレンズ3と異なる点は、鍔部10の外周面にわたり、上方に開口が形成された凹部24が設けられていることである。また、本実施形態の保持枠22が前記実施形態の保持枠2と異なる点は、固定部8に代えて、凹部24に係合するように配置された環状の固定部25を有することである。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8(a)及び図8(b)に示すように、本実施形態のレンズ(光学素子)23が前記実施形態のレンズ3と異なる点は、鍔部10の外周面にわたり、上方に開口が形成された凹部24が設けられていることである。また、本実施形態の保持枠22が前記実施形態の保持枠2と異なる点は、固定部8に代えて、凹部24に係合するように配置された環状の固定部25を有することである。
次に、以上のように構成されたレンズユニット21の製造方法、すなわちレンズ23の固定方法について説明する。
まず、図9に示すように、固定部25が設けられていない保持枠22でレンズ23を支持することにより、保持枠22にレンズ23を組付ける支持工程を行う。
次に、固定材8aを溶着することにより、鍔部10を端面6aに対して固定する溶着工程を行う。
まず、図10に示すように、固定材8aを凹部24内に充填するように配置する。
そして、図11、図12に示すように、固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、凹部24内に配置された複数の固定材8aのうち、上方に配置されたものからレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。この固定材8aに生じた熱が下方に配置された固定材8a及び固定材8aに当接する保持枠22にも伝わり、凹部24内の全ての固定材8a及び保持枠22の一部が溶融・軟化して、図8に示すように、溶融・軟化した固定材8aが全体として固定部25となり、固定部25が内周面7aに溶着された状態となる。
すると、鍔部10の凹部24において、下面に端面6aが、上面に固定部25が、それぞれ当接した状態となり、保持枠22に対してレンズ23が上方に抜けなくなり、レンズ23が保持枠22に固定される。
まず、図9に示すように、固定部25が設けられていない保持枠22でレンズ23を支持することにより、保持枠22にレンズ23を組付ける支持工程を行う。
次に、固定材8aを溶着することにより、鍔部10を端面6aに対して固定する溶着工程を行う。
まず、図10に示すように、固定材8aを凹部24内に充填するように配置する。
そして、図11、図12に示すように、固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、凹部24内に配置された複数の固定材8aのうち、上方に配置されたものからレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。この固定材8aに生じた熱が下方に配置された固定材8a及び固定材8aに当接する保持枠22にも伝わり、凹部24内の全ての固定材8a及び保持枠22の一部が溶融・軟化して、図8に示すように、溶融・軟化した固定材8aが全体として固定部25となり、固定部25が内周面7aに溶着された状態となる。
すると、鍔部10の凹部24において、下面に端面6aが、上面に固定部25が、それぞれ当接した状態となり、保持枠22に対してレンズ23が上方に抜けなくなり、レンズ23が保持枠22に固定される。
こうして、本発明の第2実施形態のレンズ23の固定方法によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、固定部25の上部が鍔部10の上面から上方に突出するのを抑えることが可能となる。
なお、本実施形態では、凹部24は鍔部10の外周面にわたり設けられているとした。しかし、図13に示すレンズ23のように、鍔部10の外周面に間隔をおいて、上方に開口が形成された複数の凹部28を設けても良い。
なお、本実施形態では、凹部24は鍔部10の外周面にわたり設けられているとした。しかし、図13に示すレンズ23のように、鍔部10の外周面に間隔をおいて、上方に開口が形成された複数の凹部28を設けても良い。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、前記第2実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
前記第2実施形態のレンズ23の固定方法では、凹部24内に一度に固定材8aを充填し、この固定材8aを保持枠22に溶着した。これに対し、本実施形態のレンズ23の固定方法は、固定材8aを凹部24内に配置する工程と、凹部24内に配置した固定材8aを保持枠22の内周面7aに溶着する工程と、を組にして複数回繰返すものである。
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、前記第2実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
前記第2実施形態のレンズ23の固定方法では、凹部24内に一度に固定材8aを充填し、この固定材8aを保持枠22に溶着した。これに対し、本実施形態のレンズ23の固定方法は、固定材8aを凹部24内に配置する工程と、凹部24内に配置した固定材8aを保持枠22の内周面7aに溶着する工程と、を組にして複数回繰返すものである。
次に、例えば、上記の工程を2回繰返す場合のレンズ23の固定方法について説明する。
まず、図14に示すように、凹部24内に、凹部24を充填する量の約半分の固定材8aを配置する。次に、図15に示すように、固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、凹部24内に配置された複数の固定材8aがレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。すると、図16に示すように、溶融・軟化した固定材8aが全体として環状の固定補助部31となり、固定補助部31が内周面7aに溶着された状態となる。
次に、図17に示すように、凹部24を充填するように、凹部24内であって固定補助部31の上方に固定材8aを配置する。次に、図18に示すように、固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、凹部24内に配置された複数の固定材8a及び固定補助部31がレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。すると、図19に示すように、溶融・軟化した固定材8a及び固定補助部31が全体として環状の固定部25となり、固定部25が内周面7aに溶着された状態となる。
まず、図14に示すように、凹部24内に、凹部24を充填する量の約半分の固定材8aを配置する。次に、図15に示すように、固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、凹部24内に配置された複数の固定材8aがレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。すると、図16に示すように、溶融・軟化した固定材8aが全体として環状の固定補助部31となり、固定補助部31が内周面7aに溶着された状態となる。
次に、図17に示すように、凹部24を充填するように、凹部24内であって固定補助部31の上方に固定材8aを配置する。次に、図18に示すように、固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、凹部24内に配置された複数の固定材8a及び固定補助部31がレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。すると、図19に示すように、溶融・軟化した固定材8a及び固定補助部31が全体として環状の固定部25となり、固定部25が内周面7aに溶着された状態となる。
こうして、本発明の第3実施形態のレンズ23の固定方法によれば、上記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、固定材8aを内周面7aに複数回に分けて溶着することにより、内周面7aに溶着されない固定材8aの数を低減させ、固定材8aを内周面7aにより確実に溶着することができる。すなわち、凹部24内に一度に固定材8aを充填した場合のように、凹部24内の下方に配置された固定材8aにレーザー光Lによる熱が伝わり難くなるのを防止することができる。
なお、例えば、凹部24が鉛直方向Dに深く形成されている場合等のように、レーザー光Lによる熱が凹部24内の下方に配置された固定材8aに伝わり難い場合には、上記の組にして繰返す回数を3回以上にしても良い。
さらに、固定材8aを内周面7aに複数回に分けて溶着することにより、内周面7aに溶着されない固定材8aの数を低減させ、固定材8aを内周面7aにより確実に溶着することができる。すなわち、凹部24内に一度に固定材8aを充填した場合のように、凹部24内の下方に配置された固定材8aにレーザー光Lによる熱が伝わり難くなるのを防止することができる。
なお、例えば、凹部24が鉛直方向Dに深く形成されている場合等のように、レーザー光Lによる熱が凹部24内の下方に配置された固定材8aに伝わり難い場合には、上記の組にして繰返す回数を3回以上にしても良い。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図20(a)及び図20(b)に示すように、本実施形態のレンズ(光学素子)43が前記実施形態のレンズ3と異なる点は、鍔部10に、レンズ43の軸線C2方向に延びる4つの貫通孔44が設けられていることである。また、本実施形態の保持枠42が前記実施形態の保持枠2と異なる点は、固定部8に代えて、4つの貫通孔44にそれぞれ係合する略棒状に形成された4つの固定部45を有することである。これら4つの貫通孔44及び4つの固定部45は、それぞれが下方に向かうに従って細くなる先細りの形状に形成されている。
次に、本発明に係る第4実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図20(a)及び図20(b)に示すように、本実施形態のレンズ(光学素子)43が前記実施形態のレンズ3と異なる点は、鍔部10に、レンズ43の軸線C2方向に延びる4つの貫通孔44が設けられていることである。また、本実施形態の保持枠42が前記実施形態の保持枠2と異なる点は、固定部8に代えて、4つの貫通孔44にそれぞれ係合する略棒状に形成された4つの固定部45を有することである。これら4つの貫通孔44及び4つの固定部45は、それぞれが下方に向かうに従って細くなる先細りの形状に形成されている。
次に、以上のように構成されたレンズユニット41の製造方法、すなわちレンズ43の固定方法について説明する。
まず、図21に示すように、固定部45が設けられていない保持枠42でレンズ43を支持することにより、保持枠42にレンズ43を組付ける支持工程を行う。
まず、図21に示すように、固定部45が設けられていない保持枠42でレンズ43を支持することにより、保持枠42にレンズ43を組付ける支持工程を行う。
次に、固定材8aを溶着することにより、鍔部10を端面6aに対して固定する溶着工程を行う。
まず、図22に示すように、固定材8aを4つの貫通孔44内に充填するように配置する。
そして、図23に示すように、4つの貫通孔44内に配置された固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、貫通孔44内に配置された複数の固定材8aがレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。この固定材8aに生じた熱は固定材8aに当接する保持枠42にも伝わり、貫通孔44内の全ての固定材8a及び保持枠42の一部が溶融・軟化して、図20に示すように、溶融・軟化した固定材8aが固定部45となり、固定部45が端面6aに溶着された状態となる。
まず、図22に示すように、固定材8aを4つの貫通孔44内に充填するように配置する。
そして、図23に示すように、4つの貫通孔44内に配置された固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、貫通孔44内に配置された複数の固定材8aがレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。この固定材8aに生じた熱は固定材8aに当接する保持枠42にも伝わり、貫通孔44内の全ての固定材8a及び保持枠42の一部が溶融・軟化して、図20に示すように、溶融・軟化した固定材8aが固定部45となり、固定部45が端面6aに溶着された状態となる。
こうして、本発明の第2実施形態のレンズ43の固定方法によれば、貫通孔44及び固定部45は、それぞれが下方に向かうに従って細くなる先細りの形状とされているので、レンズ43の鍔部10が保持枠42の端面6aから離間できなくなる。さらに、固定部45は、貫通孔44内に配置されるとともに、貫通孔44に係合する形状に形成されているので、保持枠42に対してレンズ43が軸線C2に直交する方向に位置決めされる。
従って、保持枠42に対してレンズ43を固定することができる。
また、固定材8aは4つの貫通孔44内のみに配置されているので、レーザー光Lを照射する部分を、鍔部10の全周でなく、貫通孔44が設けられた4個所に抑えることができる。
本実施例は、保持枠を形成できる面積が小さいレンズに対しても適用可能である。
従って、保持枠42に対してレンズ43を固定することができる。
また、固定材8aは4つの貫通孔44内のみに配置されているので、レーザー光Lを照射する部分を、鍔部10の全周でなく、貫通孔44が設けられた4個所に抑えることができる。
本実施例は、保持枠を形成できる面積が小さいレンズに対しても適用可能である。
なお、本実施形態では、レンズ43に4つの貫通孔44を、保持枠42に4つの固定部45を、それぞれ設けた。しかし、レンズ43に設けられる貫通孔44の数及び保持枠42に設けられる固定部45の数に制限は無く、2つ以上であれば幾つでも良い。
また、本実施形態では、保持枠42に第2の筒部7は備えられなくても良い。固定部45が第2の筒部7の内周面7aではなく端面6aに溶着されることと、貫通孔44及び固定部45により、保持枠42に対してレンズ43を軸線C2に直交する方向に位置決めすることが可能であるからである。
また、本実施形態では、保持枠42に第2の筒部7は備えられなくても良い。固定部45が第2の筒部7の内周面7aではなく端面6aに溶着されることと、貫通孔44及び固定部45により、保持枠42に対してレンズ43を軸線C2に直交する方向に位置決めすることが可能であるからである。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図24(a)及び図24(b)に示すように、本実施形態のレンズ(光学素子)53が前記実施形態のレンズ3と異なる点は、鍔部10の外周面にわたり、レンズ53の中心側に延びる凹部54が設けられていることである。また、本実施形態の保持枠52が前記実施形態の保持枠2と異なる点は、固定部8に代えて、凹部54に係合するように配置された環状の固定部55を有することである。
なお、凹部54のレンズ53の軸線C3を含む平面による断面は、鍔部10の外周面から楔型に凹むように形成されている。
次に、本発明に係る第5実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図24(a)及び図24(b)に示すように、本実施形態のレンズ(光学素子)53が前記実施形態のレンズ3と異なる点は、鍔部10の外周面にわたり、レンズ53の中心側に延びる凹部54が設けられていることである。また、本実施形態の保持枠52が前記実施形態の保持枠2と異なる点は、固定部8に代えて、凹部54に係合するように配置された環状の固定部55を有することである。
なお、凹部54のレンズ53の軸線C3を含む平面による断面は、鍔部10の外周面から楔型に凹むように形成されている。
次に、以上のように構成されたレンズユニット51の製造方法、すなわちレンズ53の固定方法について説明する。
まず、図25に示すように、固定材8aを一定以上の粘性を有する熱硬化性樹脂56と混合したものを、図26に示すように凹部54内を充填するように配置することで、凹部54に充填させた固定材8aが凹部54から落ちないようにしておく。
次に、図27に示すように、固定部55が設けられていない保持枠52でレンズ53を支持することにより、保持枠52にレンズ53を組付ける支持工程を行う。
まず、図25に示すように、固定材8aを一定以上の粘性を有する熱硬化性樹脂56と混合したものを、図26に示すように凹部54内を充填するように配置することで、凹部54に充填させた固定材8aが凹部54から落ちないようにしておく。
次に、図27に示すように、固定部55が設けられていない保持枠52でレンズ53を支持することにより、保持枠52にレンズ53を組付ける支持工程を行う。
次に、固定材8aを溶着することにより、鍔部10を端面6aに対して固定する溶着工程を行う。
すなわち、図28に示すように、固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、凹部54内に配置された複数の固定材8aがレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。すると、図24に示すように、溶融・軟化した固定材8aが全体として環状の固定部55となり、固定部55が内周面7aに溶着された状態となる。
すなわち、図28に示すように、固定材8aの上方からレーザー光Lを照射すると、凹部54内に配置された複数の固定材8aがレーザー光Lで加熱されて溶融・軟化する。すると、図24に示すように、溶融・軟化した固定材8aが全体として環状の固定部55となり、固定部55が内周面7aに溶着された状態となる。
こうして、本発明の第5実施形態のレンズ53の固定方法によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、レンズ53の鍔部10の上面に固定材8aが溶着された部分が突出しないので、レンズ53上に他の部品を配置する場合に有効である。
なお、本実施形態において、凹部54のレンズ53の軸線C3を含む平面による断面は、鍔部10の外周面から楔型に凹むように形成されているとした。しかし、凹部の形状はこれに限ることなく、例えば、図29に示すように、レンズ53の軸線C3を含む平面による断面が、鍔部10の外周面から矩形に凹むように形成された凹部59であっても良い。
なお、本実施形態において、凹部54のレンズ53の軸線C3を含む平面による断面は、鍔部10の外周面から楔型に凹むように形成されているとした。しかし、凹部の形状はこれに限ることなく、例えば、図29に示すように、レンズ53の軸線C3を含む平面による断面が、鍔部10の外周面から矩形に凹むように形成された凹部59であっても良い。
以上、本発明の第1実施形態から第5実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更等も含まれる。
例えば、上記第1実施形態から第5実施形態では、固定部は第1の筒部6及び第2の筒部7と同一の材料で形成されているとした。しかし、固定部を形成する材料はこれに限ることなく、第1の筒部6及び第2の筒部7が形成されている材料と相溶性があるものであれば良い。
例えば、上記第1実施形態から第5実施形態では、固定部は第1の筒部6及び第2の筒部7と同一の材料で形成されているとした。しかし、固定部を形成する材料はこれに限ることなく、第1の筒部6及び第2の筒部7が形成されている材料と相溶性があるものであれば良い。
また、上記第1実施形態から第5実施形態では、固定材8aは、略球状に形成され径が1mm以下の粒状の材料であるとした。しかし、固定材8aの径は1mmを超えるものであっても良い。固定材8aの径が大きいと、固定材8aを加熱して溶融・軟化させるのに必要な時間が長くなるため、レンズを保持枠に固定するのに時間がかかることになる。
また、固定材8aを直方体等の多面体の形状とすることで、溶着する際に固定材8aが移動し難くなり、溶着の作業性を向上させることができる。
また、固定材8aを直方体等の多面体の形状とすることで、溶着する際に固定材8aが移動し難くなり、溶着の作業性を向上させることができる。
2、22、42、52 保持枠
3、23、43、53 レンズ(光学素子)
5
6a 端面(支持面)
7a 内周面(位置決め面)
8a 固定材
10 鍔部(周縁部)
24、54、59 凹部
L レーザー光
3、23、43、53 レンズ(光学素子)
5
6a 端面(支持面)
7a 内周面(位置決め面)
8a 固定材
10 鍔部(周縁部)
24、54、59 凹部
L レーザー光
Claims (8)
- レーザー吸収性を有する熱可塑性樹脂により形成された保持枠に光学素子を固定する光学素子の固定方法であって、
前記光学素子の周縁部を、前記保持枠に設けられた支持面で下方から支持する支持工程と、
前記周縁部を前記支持面に対して固定するように、前記周縁部及び前記保持枠にそれぞれ接触させて粒状の材料からなる固定材を配置し、該固定材をレーザー光で加熱して溶融・軟化させ、前記固定材と前記保持枠とを溶着する溶着工程と、
を備えることを特徴とする光学素子の固定方法。 - 請求項1に記載の光学素子の固定方法において、
前記支持工程では、前記保持枠に設けられた位置決め面により、前記周縁部の外周面を前記支持面の法線に交差する方向に位置決めすることを特徴とする光学素子の固定方法。 - 請求項2に記載の光学素子の固定方法において、
前記溶着工程では、前記固定材を前記周縁部の上面に配置して、前記固定材を前記位置決め面に溶着することを特徴とする光学素子の固定方法。 - 請求項3に記載の光学素子の固定方法において、
前記溶着工程では、前記固定材を前記周縁部の上面に間隔をおいて配置することを特徴とする光学素子の固定方法。 - 請求項2に記載の光学素子の固定方法において、
前記周縁部の外周面には上方に開口が形成された凹部が設けられ、
前記溶着工程では、前記固定材を前記凹部内に配置して前記固定材を前記位置決め面に溶着することを特徴とする光学素子の固定方法。 - 請求項5に記載の光学素子の固定方法において、
前記溶着工程では、
前記固定材を前記凹部内に配置する工程と、
前記固定材を前記位置決め面に溶着する工程と、
を組にして複数回繰返すことを特徴とする光学素子の固定方法。 - 請求項2に記載の光学素子の固定方法において、
前記周縁部の外周面には前記光学素子の中心側に延びる凹部が設けられ、
前記支持工程を、前記固定材を前記凹部内に配置した状態で行い、
前記溶着工程では、前記固定材を前記位置決め面に溶着することを特徴とする光学素子の固定方法。 - 請求項1に記載の光学素子の固定方法において、
前記周縁部には、該周縁部の下面に直交する方向に延びる貫通孔が設けられ、
該貫通孔は、前記周縁部の下面に向かうに従って細くなる先細りの形状とされ、
前記溶着工程では、
前記固定材を前記貫通孔内に配置して、前記固定材を前記支持面に溶着することを特徴とする光学素子の固定方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103364913A (zh) * | 2012-04-03 | 2013-10-23 | 大立光电股份有限公司 | 一光学镜头组与其激光焊接固定方法 |
WO2015054922A1 (zh) * | 2013-10-16 | 2015-04-23 | 李起武 | 一种微型相机 |
CN107505680A (zh) * | 2017-09-14 | 2017-12-22 | 青岛海信宽带多媒体技术有限公司 | 一种光发射器和光模块 |
US10871624B2 (en) | 2016-11-04 | 2020-12-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Optical apparatus |
-
2009
- 2009-08-21 JP JP2009192260A patent/JP2011043702A/ja not_active Withdrawn
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