JP2014181863A - 熱交換型反応器及び吸着式ヒートポンプ - Google Patents

熱交換型反応器及び吸着式ヒートポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】蓄熱材成形体の熱伝導性が良好で吸着質の吸着材成形体への吸脱着速度が向上された熱交換型反応器を提供する。
【解決手段】熱交換流体が流通する第1流路と、作動流体が流通する第2流路と、第2流路内に配置されており、第1流路を流通する熱交換流体との間で熱交換する伝熱面、及び作動流体が流通する方向に所定の間隔を有して二次元配列され、作動流体が流れ込む複数の凹形状を有するとともに、作動流体が吸着されるときに放熱し作動流体が脱離するときに蓄熱する吸着材、及び軸心方向が前記伝熱面と交差する向きに配された繊維状の熱伝導性材料を含有する吸着材成形体と、を備えた熱交換型反応器である。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱交換型反応器及び吸着式ヒートポンプに関する。
吸着式ヒートポンプ等の熱輸送システムでは、吸着材を含み、この吸着材に対する吸着質(水、アンモニア等)の吸脱着反応を利用する熱交換型反応器が用いられている。
吸着材内の物質移動は、(∂c/∂t)=▽D▽C−(1−ε)ρ(∂q/∂t)で表され、この中の拡散定数Dは、従来のような充填構造を採用した場合、吸着材層における水蒸気の物質移動が律速となると推定される。この点について、一般的な吸着式ヒートポンプでは、吸着材が本来持つ数秒〜数十秒の吸着速度に対して極めて遅い吸着速度(300秒〜600秒)での運転がなされているのが実情である。そのため、体積当たりの出力が極めて小さい。
上記のような拡散律速に伴なう低出力を改善するため、熱交換器の表面に吸着材をコーティングした塗布型の吸着式ヒートポンプが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。このタイプのヒートポンプは、以下の特徴を有しており、これらの特徴により、吸着式ヒートポンプにおける体積当たりの冷熱出力が向上されている。
(1)粒子径が数μmと小さいため、単粒子の吸着速度が速い。
(2)層内の蒸気移動抵抗が高いため、塗布厚みを200μm程度にすることで蒸気移動抵抗を低減する。
(3)塗布厚みが200μm程度であることで、伝熱抵抗が低い。
平澤 冷等、"新規高性能吸着材の開発 プロジェクト評価(事後)報告書"、[online]、平成21年4月、産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会、インターネット〈URL:http://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/e00/03/h20/336.pdf>
しかしながら、上記した塗布型の吸着式ヒートポンプは、拡散律速こそ解消されるものの、塗布厚みが制限されるため、単位体積当たりの吸着材量が減少してしまい、出力の飛躍的な向上が見込めない課題がある。また、塗布型では、熱交換器の伝熱面からの伝熱方向と拡散方向とが同一なため、伝熱と拡散との距離関係を切り分けられず、吸脱着速度を損なわずに単位体積当たりの吸着材量を増加させることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、蓄熱材成形体の熱伝導性が良好で吸着質の吸着材成形体への吸脱着速度が向上された熱交換型反応器及びこれを備えた吸着式ヒートポンプを提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、以下の知見に基づいて達成されたものである。すなわち、
熱交換型反応器において、吸着材と熱交換流体との間の熱伝導性が重要であり、例えば熱交換流体からの熱が吸着材成形体に伝播する場合、熱交換流体と熱交換する吸着材成形体の伝熱面から吸着材成形体中への伝熱方向と、熱の拡散方向(熱交換流体の流れ方向)と、が互いに交差する向きにあることで、伝熱距離と拡散距離とを独立に最適化することが可能になるとの知見である。
前記目的を達成するために、第1の発明に係る熱交換型反応器は、熱交換流体が流通する第1流路と、作動流体が流通する第2流路と、第2流路内に配置されており、第1流路を流通する熱交換流体との間で熱交換する伝熱面、及び作動流体が流通する方向(すなわち作動流体が流通する流通面における方向)に所定の間隔を有して二次元配列され、作動流体が流れ込む複数の凹形状を有するとともに、作動流体が吸着されるときに放熱し作動流体が脱離するときに蓄熱する吸着材、及び軸心方向が前記伝熱面と交差する向きに配された繊維状の熱伝導性材料を含有する吸着材成形体と、を設けて構成されている。
例えば水蒸気は、一般に粒子と粒子との間隙に入り込み難いため、作動媒体に水を用いた吸脱着系では、水蒸気の吸着材中での拡散が律速になって、吸着材での吸脱着反応が遅くなる傾向がある。そのため、吸着質の吸脱着に際して熱交換流体と熱交換する吸着材の厚みを薄くする必要が生じ、必然的に単位体積当たりの吸着材量が減少することになる。この状況を解消するには、吸着材成形体を水蒸気の吸脱着反応が進みやすい構造に構成し、かつ吸脱着反応の際の発熱、吸熱にあわせて熱交換流体との熱交換が良好に進むことが望ましい。このような観点に鑑み、第1の発明においては、
第2流路内を流通する熱交換流体との間で熱交換する伝熱面を有する吸着材成形体が、作動流体の流通面において、作動流体が流通する方向に所定の間隔(好ましくは均等な間隔)を有して凹形状が二次元配列されており、かつ軸心方向が吸着材成形体の伝熱面と交差する向きに繊維状の熱伝導性材料が含有された状態にあることで、作動流体は凹形状に流れ込むことで吸着材中に拡散された状態となって、作動媒体の吸着材との吸脱着反応が良好に進行し、この反応で生じる吸発熱は、伝熱面と吸着材との間を橋渡す役割を担う繊維状の熱伝導性材料によって伝播される。これにより、作動媒体の吸着材中における拡散が良好になると同時に、吸着材と熱交換流体との熱伝導性が良好になって、作動媒体の吸着反応速度及び脱着反応速度が向上する。結果、単位体積当たりの吸着材量を増やしつつ、吸着質の吸脱着速度を最大化することが可能になる。
第1の発明において、凹形状が「均等」な間隔で配列されていることは、間隔が全くに等しい場合のみならず、各間隔間に多少のバラツキがあっても一見して等間隔と評価される略均等な配列状態も含まれる。
第1の発明においては、吸着材成形体を構成する吸着材が粒子形状を有し、粒子状の吸着材(吸着材粒子)の平均一次粒子径が10μm以下の範囲であることが好ましい。
出力向上には吸着材の密度が高いことが望まれるが、同時に吸着材を構成する吸着材粒子の平均一次粒子径が小さくなる。そして平均一次粒子径が10μm以下の小粒径では、吸脱着時の反応速度は速くなる。そのため、吸着材成形体における作動流体の拡散性を高めることが有意義である。すなわち、吸着材成形体を、作動流体の流通面において二次元に所定の間隔(好ましくは均等な間隔)を有して凹形状が配列されるとともに軸心方向が吸着材成形体の伝熱面と交差する向きに繊維状の熱伝導性材料が含有された状態にすることによる効果は、平均一次粒子径が10μm以下である場合により効果的に奏される。
吸着材成形体の、凹形状の深さ方向における厚みとしては、500μm以上が好適である。吸着材成形体における熱伝導性及び作動流体の拡散性は、吸着材成形体の厚みに大きく依存し、厚くなるほど熱伝導性や拡散性が低下しやすいため、500μm以上の厚みとした場合に本発明の効果がより奏される。また、吸着材の厚みは出力に関係することから、吸着材成形体の厚みは厚いほど好ましい。
吸着材成形体に有する凹形状と凹形状との間の最短の間隔、すなわち凹形状間の吸着材の厚み(以下、本明細書において吸着材成形体の「壁厚」ともいう。)は、50μm以上500μm以下の範囲とされることが好ましい。
一般に多孔質状の成形体では、全体体積に対して固体の占める割合は2〜3割程度であることが多いが、本発明では、出力向上の観点から成形体全体積に占める吸着材の体積は高いことが望ましい。本発明における壁厚が50μm以上であることは、吸着材成形体に存在する孔又は穴等の体積比率が低く、孔同士(又は穴同士)等の間隔が広く、吸着材の体積比率が大きいことを示している。また、上限が500μmであることは、作動流体が流通する流通面における孔又は穴の比率が少なくなり過ぎず、作動流体の拡散性、吸脱着反応性をある程度維持できるように、孔間又は穴間等が広過ぎない範囲にあることを示している。
上記の観点から、吸着材成形体における凹形状の比率は、吸着材成形体の全体に対して、体積比で5%以上20%未満の範囲にあることが好ましい。凹形状が上記の比率、つまり成形体全体積に占める吸着材の体積が80%以上と高い比率で存在している場合、出力確保の点で有利であるが、作動流体の拡散性は低くなり、吸脱着反応の速度が遅くなりやすい。そのため、吸着材成形体を、作動流体の流通面において二次元に所定の間隔(好ましくは均等な間隔)を有して凹形状が配列されるとともに軸心方向が吸着材成形体の伝熱面と交差する向きに繊維状の熱伝導性材料が含有された状態にすることによる効果が大きい。
吸着材成形体との間で吸脱着反応する作動流体としては、水が好ましい。水は、水蒸気として流通、拡散することができるが、粒子間の隙間に入り込みにくい。したがって、水を作動流体に使用する場合において、凹形状を有する成形体構造を採用することの効果が大きい。
吸着材成形体に有する凹形状は、その深さ方向(吸着材成形体の厚み方向)と直交する断面径が、その断面形状に内接する内接円の直径又は内接楕円の長径で10μm以上300μm以下である形状とすることができる。凹形状は、吸着材の体積比率を高めるとともに凹形状を所定の間隔で複数配置する観点から、凹形状間の距離(壁厚)に比べて小さいことが有利である。断面径が上記範囲であることで、吸着材量(体積)を多く維持しながら、作動流体の拡散性、ひいては吸脱着反応の速度に優れたものとすることができる。
吸着材成形体の凹形状の深さ方向(吸着材成形体の厚み方向)と直交する断面形状は、円形又は多角形とすることができる。断面形状が円形又は多角形に形成されていると、二次元に所定の間隔で配列される凹形状の間隔がより均等なものとなる。
上記と同様の理由から、断面形状は、真円又は正多角形が好ましく、より好ましい形状は正四角形又は正六角形である。
熱伝導性材料は、軸心の方向が吸着材成形体の伝熱面に対して45°以上の角度を有して含有されていることが好ましい。これにより、吸着材成形体の内部と熱媒体との間の熱交換の効率がより向上し、前記反応速度がより向上する。
第1の発明では、吸着材成形体に含有される繊維状の熱伝導性材料のうち、80個数%以上の熱伝導性材料は、軸心の方向が伝熱面に対して70°以上であることが好ましい。
ここで、「80個数%以上の熱伝導性材料は、軸心の方向が伝熱面に対して70°以上である」ことは、吸着材成形体に含まれる大部分(80個数%以上)の繊維状の熱伝導性材料の軸心の方向が、伝熱面に対して略垂直(70°以上)となるように、ある程度揃っていることを意味している。
これにより、熱交換流体と吸着材成形体の内部との熱交換効率がより向上するので、吸脱着反応の反応速度がより向上する。
更に、熱伝導性材料の軸心の方向がランダムである場合と比較して、吸着材成形体を作製する際のスプリングバックを抑制できるので、吸着材成形体中における吸着材の密度をより向上させることができる。スプリングバックとは、吸着材成形体を成形する際、加圧により一旦減少した吸着材成形体の体積が、圧を開放したときに戻る現象をいう。
第1の発明における熱伝導性材料は、アスペクト比を10以上とすることができる。これにより、熱交換流体と吸着材成形体の内部との熱交換効率がより向上し、吸脱着反応の反応速度をより向上させることができる。
第1の発明における熱伝導性材料としては、無機材料が好適であり、中でも炭素繊維がより好ましい材料である。これにより、熱交換流体と吸着材成形体の内部との熱交換効率がより向上し、吸脱着反応の反応速度をより向上させることができる。
第1の発明における吸着材としては、活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、シリカゲル、及び粘土鉱物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
第2の発明である吸着式ヒートポンプは、上記の第1の発明である熱交換型反応器を備えている。
第2の発明は、吸着材成形体における吸着質の吸脱着反応の反応速度が高い熱交換型反応器を設けて構成されていることで、反応速度が低下した場合の熱のロスが抑制されており、結果、熱の利用効率に優れている。
本発明によれば、蓄熱材成形体の熱伝導性が良好で吸着質の吸着材成形体への吸脱着速度が向上された熱交換型反応器及びこれを備えた吸着式ヒートポンプが提供される。
本発明の第1実施形態の吸着式ヒートポンプの構成例を示す概略図である。 本発明の第1実施形態の熱交換型反応器の構成を示す概略斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 本発明の第1実施形態の熱交換型反応器の反応室に収納される板状の吸着材成形体の一例を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態の吸着材成形体の具体的な構造の一例を示す斜視図である。 図5の吸着材成形体の流通面に配列された穴(又は孔)を具体的に説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態における吸着材成形体の凹形状を拡大して示す拡大図である。 本発明の第3実施形態における吸着材成形体の例を示す斜視図である。 x/yと開口率(気孔率)との関係を示すグラフである。 実施例の吸着材成形体中に配されている吸着材成形体aの断面写真である。 本発明の実施例で用いた吸着式ヒートポンプの構成例を示す概略図である。 水蒸気の脱離反応の反応速度(反応時間と脱着率との関係)を示すグラフである。
以下、図面を参照して、熱交換型反応器を備えた吸着式ヒートポンプの実施形態について具体的に説明する。但し、本発明においては、以下に示す実施形態に制限されるものではない。
(第1実施形態)
本発明の吸着式ヒートポンプの第1実施形態を図1〜図6を参照して説明する。本実施形態では、吸着器の吸着材としてゼオライトを用い、吸着器に供給される熱交換流体として水(液体)を、作動流体(吸着質)として水蒸気(水)を用いた吸着式ヒートポンプ(以下、単に「ヒートポンプ」ともいう。)を例に説明する。
水蒸気とは、気体の状態になっている水、及びこれが空気中で凝結して細かい水滴となったものを包含する意味である。
本実施形態のヒートポンプ100は、図1に示すように、熱交換型反応器20と、蒸発凝縮器40と、熱交換型反応器20及び蒸発凝縮器40を接続する流通配管10と、を備えている。
このような構成を備えていることにより、蒸発凝縮器40から熱交換型反応器20に水蒸気が流通するときには、水蒸気が熱交換型反応器20中の吸着材成形体に吸着し、逆に熱交換型反応器20中の吸着材成形体から脱着(脱離)した水蒸気が熱交換型反応器20から蒸発凝縮器40に流通するときには、蒸発凝縮器40において水蒸気を回収できるようになっている。吸着式ヒートポンプ100は、熱交換型反応器20と蒸発凝縮器40と間の圧力差に応じ、両者間において水蒸気の吸着、脱離を繰り返すことで作動する。
なお、吸着式ヒートポンプの作動原理の詳細については、例えば、「伝熱 Journal of the Heat Transfer Society of Japan Vol.45,No.192」(社団法人日本伝熱学会、2006年7月)の第20ページ〜第21ページを参照することができる。
本実施形態では、吸着材成形体を形成する粒子間に入り込みにくく、吸脱着速度の向上効果がより効果的に奏される水蒸気を作動流体とした例を中心に説明するが、必ずしも水蒸気に限られるものではなく、水蒸気に代えてアンモニアや低級アルコール(例えば炭素数1〜6のアルコール)等を吸着質としてもよい。
図2は、図1における熱交換型反応器20を模式的に示した図である。
熱交換型反応器20は、図2に示すように、筐体21と、筐体21に第1流路として設けられ、熱交換流体が流通する複数の熱媒流路24と、筐体21に設けられ、熱媒流路間に配置された第2流路をなす複数の反応室22と、各反応室の内部に配設された吸着材成形体26と、を設けて構成されている。
筐体21は、吸着材成形体と熱交換流体との間の熱交換が可能なように、熱伝導性が高く、かつ吸着質(水蒸気やアンモニア等)に対して耐腐食性を有する材質が好適である。具体的には、筐体は、例えば、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等)、樹脂などの材料で好適に構成される。
筐体21には、第1流路である熱媒流路24と、第2流路を形成している反応室22と、が交互に配置されている。反応室22と熱媒流路24とは、筐体の壁により隔てられ、反応室と熱媒流路との間の物質移動はないが、壁を介して互いに熱的に接続されている。つまり、熱交換流体の温度変化又は反応室22での放熱又は吸熱による起きる温度変化に合わせて、吸着材成形体と熱交換流体との間で熱交換される。具体的には、外部から熱媒M1が図1のように供給されると、熱媒Mと隣接する反応室との間で熱が授受され、反応室内の吸着材成形体との間で熱交換が行なえるようになっている。
本実施形態では、反応室22及び熱媒流路24は、それぞれ扁平矩形状の開口端を有する角柱状空間とされている。
反応室22は、流通配管10の一端と接続されており、流通配管10を介して蒸発凝縮器40と連通されている。反応室と蒸発凝縮器とが流通配管10で連通されていることで、反応室22が水蒸気を放出して蓄熱するときには、放出された水蒸気は蒸発凝縮器40へ送られ、凝縮されて貯留される。また、逆に反応室22が水蒸気を吸着して放熱するときには、蒸発凝縮器40から反応室22へ吸着材に吸着させるための水蒸気が送られる。このように水蒸気の授受を利用して熱を有効利用することができる。
反応室22には、図2及び図3に示すように、各室の天面及び底面に板状の吸着材成形体26が取り付けられており、供給された水蒸気を吸着して保持することができるようになっている。吸着材の詳細については、後述する。
ここで、天面及び底面は、各反応室内の、反応室及び熱媒流路が交互に並ぶ方向を法線とする2つの内壁面(すなわち、各反応室内の、熱媒流路24が隣接する内壁面及びその対向面)である。
吸着材成形体26は、水蒸気(吸着質)が吸着するときに放熱し水蒸気が脱離(脱着)するときに蓄熱する吸着材であるゼオライト(物理吸着材)を用いて板状に成形されたものであり、図4のように、ゼオライト板26A、26Bとで構成されている。このゼオライト板26A、26Bは、ゼオライトとともに、軸心方向が伝熱面と交差する向きに配された繊維状の熱伝導性材料を含有している。
本実施形態では、ゼオライト板26A、26Bの熱媒流路24と向き合う面S、すなわち各室の天面、底面と接する面(図3中の面S)は、伝熱面であり、この面を通じて互いに隣り合う室と熱交換することができる。
例えば、熱媒流路24に加熱された熱媒が供給されたときには、ゼオライト板26A、26Bの伝熱面Sで熱交換され、ゼオライト板26A、26B(吸着材)が加熱されると、ゼオライトに吸着されている水蒸気が脱離し、加熱時に供された熱量分の水蒸気を蒸発凝縮器40に送ることができる。吸着材が用いられることにより、水蒸気の吸着(固定化)及び脱離に要する熱量を小さく抑えることができ、低エネルギーでも水蒸気の着脱が容易に行なえる。
本実施形態における吸着材成形体であるゼオライト板26A、26Bは、それぞれ図5に示すように、断面が円形である穴が二次元方向に所定の間隔で配列されている。このゼオライト板について、図3を参照して更に説明する。図3は、図2のA−A線断面図である。
図3に示すように、筐体に設けられた熱媒流路24間に挟むようにして配設された反応室には、その天面及び底面にそれぞれゼオライト板26A、26B(吸着材成形体)が取り付けられており、2つの吸着材成形体の間を水蒸気(作動流体)が流通できるようになっている。すなわち、本実施形態では、天面及び底面に設けられて新たに天面及び底面をなすゼオライト板26A、26Bの各一面と、筐体の前記天面及び前記底面以外の2つの側壁の表面と、で水蒸気が流通する流路が形成されている。
ゼオライト板26A、26Bは、互いに同じ構造に構成されており、水蒸気が流通する流路を形成している各面(流通面)には、それぞれ複数の穴13が二次元に配列されている。本実施形態では、図5のように、断面円形の円筒状の穴が設けられており、この穴はゼオライト板の流通面と反対側の表面(裏面)へは貫通せずに、図3のように厚みz分の吸着材を残して裏面が閉塞された凹形状となっている。
流通配管10と接続する反応室22の一端から導入された水蒸気は、図2〜図3に示すように、室内を他端に向けて移動しながら、流路途中の天面及び底面に存在する穴13内に入り込む。これにより、水蒸気の吸着材成形体中への拡散性が向上し、ひいては広い範囲に亘り吸脱着反応の速度を向上させることができる。
穴13は、図6に示すように、流通面において穴と穴とを隔てる吸着材の厚み(本明細書中において、「壁厚」という。)をx(本実施形態ではx=300μm)として形成されている。吸着材による水蒸気の吸脱着量を高める観点から、壁厚xは、厚いことが望ましく、最短距離で50μm以上500μm以下であることがより好ましく、更に好ましくは最短距離で50μm以上300μm以下である。
壁厚が50μm以上であることで、吸着材成形体に存在する穴(又は孔)の体積比率が低く抑えられ、穴(又は孔)同士の間隔を広く保って吸着材の体積比率が大きく維持するのに有利である。また、壁厚が500μm以下であることで、水蒸気等の作動流体が流通する流通面における穴(又は孔)の比率が少なくなり過ぎず、作動流体の拡散性、吸脱着反応性をある程度維持することができる。
また、穴13は、図6に示すように、断面径をy(本実施形態ではy=300μm)として形成されている。断面径としては、10μm以上300μm以下であることが好ましい。穴の断面径は、吸着材の体積比率を高く維持しつつも複数の穴を設ける観点から、壁厚xに比べて小さいことが有利である。断面径は、上記範囲にあることで、吸着材量(体積)を多く維持しながら、水蒸気等の作動流体の拡散性、ひいては吸脱着反応の速度に優れたものとすることができる。中でも、同様の理由から、断面径は50μm以上300μm以下がより好ましく、50μm以上100μm以下がさらに好ましい。
本実施形態では、吸着材に設けられる凹形状として、断面円形の穴13を設けた例を示したが、凹形状は、断面円形の穴や孔等に限られるものではない。凹形状としては、吸着材成形体に形成された凹形状の深さ方向と直交する断面形状が、円形のほか、楕円形、多角形などいずれの形状のものでもよい。中でも、二次元に所定の間隔で配列される凹形状の間隔がより均等なものとなる点で、前記断面形状が円形又は多角形の凹形状が好ましく、前記断面形状が真円又は正多角形が好ましく、より好ましい断面形状は正四角形又は正六角形である。
ここで、凹形状の前記断面形状が真円以外の楕円形や多角形等の形状である場合、断面径は、断面形状に内接する円(内接円)の直径、又は断面形状に内接する楕円(内接楕円)の長径で表される径をさす。
本実施形態では、吸着材成形体に設けられる凹形状として、流通面とその反対面とが貫通していない穴を設けたが、流通面とその反対面とが貫通した孔を設けて構成されてもよい。また、流通面とその反対面とが貫通していない穴と、流通面とその反対面とが貫通した孔との両方を設けて構成されてもよい。
本実施形態のように、流通面とその反対面とが貫通していない穴を設けることで、流通面から反対面へ貫通する孔を設けた場合に比べて、吸着材の体積比率が大きくなるので、作動流体の吸脱着量がより向上し、出力向上の点で有利である。
穴や孔等の凹形状の比率は、吸着材成形体に対して、体積比で5%以上20%未満であることが好ましい。凹形状が上記の比率、つまり成形体全体積に占める吸着材の体積が80%以上と高い比率で存在していることで、吸着材成形体を、作動流体の流通面において二次元に所定の間隔(好ましくは均等な間隔)を有して凹形状が配列されるとともに軸心方向が吸着材成形体の伝熱面と交差する向きに繊維状の熱伝導性材料が含有された状態にすることによる効果が大きい。本実施形態では、穴の比率は、各ゼオライト板の全体積に対して22体積%である
熱交換型反応器20において、熱媒流路24は、図示しない外部の熱媒供給装置と接続されており、必要に応じて熱媒流路24に所望温度の熱媒の供給が行なわれるように構成されている。
熱交換型反応器20は、反応室22の開口方向、すなわち水蒸気の流れ方向と、熱媒流路24の開口方向、すなわち熱媒の流れ方向と、が直交する直行流型の熱交換型反応器として構成されている。
熱交換型反応器において、反応室22と熱媒流路24の配設数に特に限定はなく、熱交換型反応器に対して入出力する熱量や、吸着材成形体の伝熱面の面積などを考慮して適宜設定することができる。
次に、吸着材成形体を構成する成分について詳細に説明する。
吸着材成形体は、作動流体が吸着されるときに放熱し作動流体が脱離するときに蓄熱する吸着材と、軸心方向が成形体の伝熱面と交差する向きに配された繊維状の熱伝導性材料と、を少なくとも含有し、必要に応じて、更にバインダー等の他の成分を用いて構成される。
−吸着材−
吸着材としては、本実施形態で用いたゼオライトのように、多孔体を用いることができる。多孔体としては、吸着(好ましくは物理吸着)による水蒸気等の流体の固定化及び脱離の反応性をより向上させる観点から、細孔径が10nm以下の孔を有する多孔体が好ましい。細孔径の下限は、製造適性等の観点から、0.5nmが好ましい。多孔体としては、前記同様の観点から、平均1次粒子径が50μm以下の1次粒子が凝集して得られた1次粒子凝集体である多孔体が好ましい。平均1次粒子径の下限は、製造適性等の観点から1μmが好ましい。
吸着材の例としては、本実施形態で用いられているゼオライトのほか、例えば、活性炭、メソポーラスシリカ、シリカゲル、粘土鉱物等が挙げられる。粘土鉱物としては、非架橋の粘土鉱物であっても、架橋された粘土鉱物(架橋粘土鉱物)であってもよい。粘土鉱物の例として、セピオライト、スメクタイト系粘土(サポナイト、モンホリロナイト、ヘクトライト、等)、4−珪素雲母、雲母、バーミキュライト等が挙げられ、中でもセピオライトが好ましい。
前記ゼオライトとしては、BET法による比表面積が50m/g以上1000m/g以下(より好ましくは、100m/g以上1000m/g以下)であるゼオライトが好ましい。
前記シリカゲルとしては、BET法による比表面積が100m/g以上1500m/g以下(より好ましくは、300m/g以上1000m/g以下)であるシリカゲルが好ましい。
前記活性炭としては、BET法による比表面積が800m/g以上4000m/g以下(より好ましくは、1000m/g以上2000m/g以下)である活性炭が好ましい。
前記メソポーラスシリカとしては、BET法による比表面積が500m/g以上1500m/g以下(より好ましくは、700m/g以上1300m/g以下)であるメソポーラスシリカが好ましい。
吸着材は、粒子として含まれるのが好ましく、その平均粒子径は、平均一次粒子径で10μm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が10μm以下の小粒径であると、吸脱着時の反応速度は速くなる。そのため、平均一次粒子径が10μm以下である場合に、吸着材成形体における作動流体の拡散性を高める意義が大きい。したがって、平均一次粒子径を10μm以下にすることで、本発明の構成、具体的には、二次元に所定の間隔(好ましくは均等な間隔)を有して凹形状が配列されるとともに軸心方向が吸着材成形体の伝熱面と交差する向きに繊維状の熱伝導性材料が含有された構成としたことによる効果がより奏される。
中でも、吸着材の平均一次粒子径は、1μm以上10μm以下がより好ましい。
本発明においては、所望により吸着材(好ましくは多孔体)の種類を適宜選定することができるが、吸着による水の固定化及び脱離の反応性をより向上させる観点からは、ゼオライト、シリカゲルを少なくとも含む態様が好ましい。また、吸着によるアンモニアの固定化及び脱離の反応性をより向上させる観点からは、活性炭を少なくとも含む態様が好ましい。
吸着材成形体の全量中に占める吸着材の含有比率は、流体の固定化及び脱離の反応性をより高く維持する観点から、70体積%以上の範囲が好ましく、80体積%以上の範囲がより好ましく、90体積%以上の範囲が更に好ましい。
−バインダー−
吸着材を成形体にして利用する場合、吸着材と共にバインダーを含有することができる。バインダーを含むことで、成形体の形状がより維持され易くなるので、吸着による熱媒の固定化及び脱離の反応性がより向上する。バインダーとしては、水溶性バインダーが好ましい。水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、トリメチルセルロース等が挙げられる。
また、吸着材及びバインダーに加えて、必要に応じて、他の成分を含有していてもよい。他の成分の例として、カーボンファイバーや金属繊維等の熱伝導性無機材料等が挙げられる。
吸着材及びバインダーを用いて成形する場合、バインダーの含有比率は、成形体の形状をより効果的に維持する観点から、吸着材成形体の全量に対して、5体積%以上が好ましく、10体積%以上がより好ましい。更には、バインダーの含有比率は、吸着材成形体の全量に対し、20体積%以下が好ましく、10体積%以下がより好ましい。
成形方法については、特に限定はなく、例えば、吸着材(及び必要に応じバインダー等の他の成分)を加圧成形、押し出し成形等の公知の成形手段により成形する方法が挙げられる。成形時の圧力は、例えば20〜100MPaとすることができ、20〜40MPaが好ましい。
吸着材成形体中における吸着材の充填密度としては、0.10g/mL〜0.80g/mLが好ましい。充填密度が0.10g/mL以上であると、吸脱着反応に関与する吸着質の量をより多くすることができる。充填密度が0.80g/mL以下であると、吸着材成形体中における吸着質の移動抵抗をより低減できる。
吸着材成形体であるゼオライト板26A、26Bの厚み(すなわち凹形状の深さ方向における厚み)は、500μm以上であることが好ましい。吸着材成形体における熱伝導性及び作動流体の拡散性が吸着材成形体の厚みに大きく依存し、厚くなるほど熱伝導性や拡散性が低下しやすいことから、厚みが500μm以上であることで、本発明の効果がより奏される。また、吸着材の厚みは出力と変換効率に関係し、特にCOP(Coefficient Of Performance)に関係することから、吸着材成形体の厚みは厚いほど好ましい。吸着材成形体のより好ましい厚みは、1000μm以上である。厚みの上限としては、熱伝導度により決定され、厚くなり過ぎると出力低下を引き起こすことから、3000μm以下が望ましい。但し、熱伝導度が10[W/(m・K)]を超えることができればこの限りではない。
−熱伝導性材料−
吸着材成形体は、繊維状の熱伝導性材料の少なくとも一種を、その軸心方向が吸着材成形体の伝熱面に対して交差するように含有している。
吸着材成形体に含有される吸着材は、一般的に熱伝導率が低いため(一般的な吸着材の熱伝導率は、例えば0.05W/(m・K)〜0.25W/(m・K)である)、吸着材を含む吸着材成形体では、吸脱着反応に伴う吸着熱及び脱着熱により吸着材の温度が変化し、これにより平衡関係が変化してその後の吸脱着反応が阻害される場合がある。
この点に関して、繊維状の熱伝導性材料を、その軸心の方向が吸着材成形体の伝熱面に対して交差するように吸着材成形体中に含有させることで、この熱伝導性材料を介して、吸着材成形体の内部と熱媒体(本実施形態では熱媒体M1)との間の熱交換が効率良く行なわれる。このようにして熱交換が行なわれることにより、吸着時には吸着材成形体の内部から熱交換流体に吸着熱が効率良く放出され、脱離(脱着)時には熱交換流体から吸着材成形体の内部に脱離(脱着)熱が効率よく供給される。
これにより、吸着熱及び脱着熱で吸脱着反応の進行が阻害される問題が軽減され、吸着材成形体における吸着質の吸脱着反応の反応速度が向上する。
繊維状の熱伝導性材料のアスペクト比(繊維長/繊維径)としては、上記効果をより効果的に奏する観点より、10以上が好ましく、15以上がより好ましい。また、アスペクト比は、吸着材の充填密度をより高く維持する観点からは、500以下が好ましく、300以下がより好ましく、100以下が特に好ましい。
繊維状の熱伝導性材料の繊維長としては、特に制限はないが、10μm〜1000μmが好ましく、10μm〜500μmがより好ましく、100μm〜300μmが特に好ましい。
繊維状の熱伝導性材料の繊維径としては、特に制限はないが、0.01μm〜100μmが好ましく、0.1μm〜100μmがより好ましく、1μm〜50μmが特に好ましい。
繊維状の熱伝導性材料としては、熱伝導性を高めて吸脱着反応の速度をより効率的に進行させる点で、無機材料が好ましく、金属繊維及び炭素繊維(カーボンファイバー(Carbon Fiber);以下、「CF」ともいう。)からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
金属繊維としては、アルミニウム繊維、銅繊維等が挙げられる。
上記のうち、繊維状の熱伝導性材料としては、炭素繊維が特に好ましい。
また、炭素繊維の中でも、特に好ましくは、アスペクト比が10〜500で、繊維長が10μm〜500μm(より好ましくは100μm〜300μm)の炭素繊維である。
繊維状の熱伝導性材料の軸心の方向の熱伝導率は、前記吸着材の熱伝導率よりも高ければ、特に制限はないが、例えば、1.0W/(m・K)以上とすることができ、2.0W/(m・K)以上が好ましい。
吸着材成形体中において、前記熱伝導性材料の軸心の方向は、吸着材成形体の伝熱面に対して交差していること以外には特に限定はなく、複数の熱伝導性材料の軸心の方向が、前記伝熱面に対してランダムな方向となっていてもよい。
但し、前記熱交換の効率をより向上させ、吸脱着反応の反応速度をより向上させる観点からは、前記吸着材成形体の好ましい形態は、前記繊維状の熱伝導性材料として、軸心の方向が前記伝熱面に対して45°以上である繊維状の熱伝導性材料を少なくとも含む形態である。この形態の吸着材成形体には、軸心の方向が前記伝熱面に対して45°未満である繊維状の熱伝導性材料が含まれていてもよい(例えば、繊維状の熱伝導性材料の軸心の方向が伝熱面に対してランダムな方向となっている場合等)。
ここで、繊維状の熱伝導性材料の軸心の方向が伝熱面に対して45°以上であるとは、
軸心の方向と伝熱面とのなす角のうち、最小の角度が45°以上であることを意味する(下記の「70°以上」や「80°以上」の意味についても同様である)。
本発明において、熱交換効率をより向上させ、吸脱着反応の反応速度をより向上させる観点から、特に好ましくは、吸着材成形体に含有される大部分の繊維状の熱伝導性材料の軸心方向が、伝熱面に対して略垂直をなしてある程度揃って配されている態様である。具体的には、吸着材成形体に含まれる繊維状の熱伝導性材料のうちの80個数%以上(好ましくは90個数%以上、より好ましくは95個数%以上)が、その軸心方向が伝熱面に対して70°以上(より好ましくは80°以上)の角度を有して配されている態様である。
更に、この態様では、熱伝導性材料の軸心方向がランダムである場合と比較して、吸着材成形体を作製する際のスプリングバックを抑制できるので、吸着材成形体中における吸着材の密度をより向上させることができ、反応速度を更に向上させることができる。
なお、軸心方向と伝熱面とのなす角は、理想的には90°(垂直)であるが、熱交換効率への影響を加味すれば、90°である場合とは、必ずしも正確に垂直をなす場合のみである必要はなく、一見して90°(垂直)と捉えられる略垂直である場合も含まれる。
吸着材成形体中における熱伝導性材料の量は、吸着材成形体の全量に対して、1体積%〜30体積%が好ましく、1体積%〜20体積%がより好ましく、5体積%〜20体積%が特に好ましい。熱伝導性材料の含有量が1体積%以上であると、熱伝導性材料による効果が得られやすく、また熱伝導性材料の含有量が30体積%以下であると、吸脱着反応に関与する吸着質の量をより多くすることができる。
〜吸着材成形体の作製方法〜
吸着材成形体は、従来公知の方法で作製(成形)することが可能であり、特に方法が制限されるものではない。吸着材成形体の作製方法の例として、吸着材及び繊維状の熱伝導性材料を含む混合物(例えばスラリー)を調製し、この混合物を加圧成形、押出成形等の公知の成形手段により成形する方法等が挙げられる。
加圧成形を行なう場合、成形時の圧力は、例えば、20MPa〜100MPaとすることができ、好ましくは20MPa〜40MPaの範囲である。
凹形状の形成は、例えば板状に成形した後、成形体に対して所望形状の凹形状を形成してもよいし、成形と同時に凹形状を形成するようにしてもよい。
また、成形後に凹形状を形成する場合、成形体の所望の位置の吸着材を、フライス等を用いて機械的に取り除くことで、凹状の穴や孔を形成してもよい。
吸着材成形体に含有される繊維状の熱伝導性材料のうちの80個数%以上の軸心の方向が成形体の伝熱面に対して70°以上である吸着材成形体を作製する方法としては、例えば、以下に示す第1の方法及び第2の方法を挙げることができる。第1の方法及び第2の方法において、押出成形による吸着材成形体の成形では、繊維状の熱伝導性材料の軸心方向が押出方向と略平行な方向に揃い易いという性質を利用している。
ここで、「熱伝導性材料の軸心の方向が押出方向と略平行」とは、熱伝導性材料の軸心方向と押出方向とのなす角が30°以下(好ましくは20°以下)であることをさす。
前記第1の方法は、まず押出成形により、熱伝導性材料の軸心方向が押出成形時の押出方向と略平行な方向に揃っている柱状の成形体を作製し、次いで、得られた柱状の成形体を押出成形時の押出方向に対して垂直な複数の平面で切断することにより、平板状の成形体として吸着材成形体を得る方法である。
前記第2の方法は、まず押出成形により、熱伝導性材料の軸心方向が押出成形時の押出方向と略平行な方向に揃っている平板状の成形体を複数作製し、得られた複数の平板状の成形体を重ね合わせて接着して柱状の成形体を得、得られた柱状の成形体を押出成形時の押出方向に対して垂直な複数の平面で切断することにより、平板状の成形体として吸着材成形体を得る方法である。
吸着式ヒートポンプ100では、図1に示すように、熱交換型反応器20と流通配管10とは、熱交換型反応器20中の複数の反応室24と流通配管10とを気密状態で連通するヘッダ部材28(例えばマニホールド等)を介して接続されている。ヘッダ部材28で接続されていることで、複数の反応室24と配管10との間で気密状態を保ちつつ水蒸気を流通可能になっている。
また、熱交換型反応器20と熱媒体配管27Aとは、ヘッダ部材29A(例えばマニホールド等)を介して接続されている。さらに、熱交換型反応器20と熱媒体配管27Bとは、ヘッダ部材29B(例えばマニホールド等)を介して接続されている。
熱交換型反応器20内の複数の熱媒流路24は、ヘッダ部材29Aにより気密状態を保って熱媒体配管27Aと連通されるとともに、ヘッダ部材29Bにより気密状態を保って熱媒体配管27Bと連通されている。このように、熱媒体配管27A及び熱媒体配管27Bを介して連通されていることで、熱交換型反応器20内の熱媒流路24と吸着式ヒートポンプ100の外部(熱利用対象)との間で熱媒体M1を流通することができる。
なお、図1においては、熱交換型反応器20の構成を見やすくするため、ヘッダ部材28、ヘッダ部材29A,29B、熱媒体配管27A,27Bを二点鎖線で表している。
熱媒体M1は、吸着材成形体との間で熱交換するための熱交換流体であり、例えば、エタノール等のアルコール、水、油類、これらの混合物等、又は熱媒として通常使用される流体を適宜用いることができる。
吸着式ヒートポンプ100の熱交換型反応器20と蒸発凝縮器40との間を連通する流通配管10には、図1に示すように、バルブV1が設けられている。バルブV1により熱交換型反応器20及び蒸発凝縮器40間を連通しあるいは遮断することで、バルブV1からみた熱交換型反応器20側と蒸発凝縮器40側とのアンモニア圧の差を調節できるようになっている。これにより、熱交換型反応器20側のアンモニア圧と蒸発凝縮器40側のアンモニア圧との差を適切な範囲に保持することができる。すなわち、バルブV1を閉じた状態を維持することでアンモニア圧の差を長時間保持することができ、その後バルブV1を開くことで一方から他方にアンモニアを輸送できる。
本実施形態において、蒸発凝縮器40の構成には特に制限はなく、公知の蒸発凝縮器の構成を適用することが可能である。また、本実施形態では、蒸発凝縮器40に代えて、蒸発器及び凝縮器を用いてもよい。
また、吸着式ヒートポンプ100には、装置内を排気するための排気手段、装置内の水蒸気圧やアンモニア圧を測定するための圧力測定手段等が接続されていてもよい。
第1実施形態では、作動流体として水蒸気を用いた例を説明したが、水蒸気に限らず、水蒸気以外のアンモニア等の蒸発潜熱の比較的大きい流体を用いた場合にも同様の効果が奏される。
(第2実施形態)
本発明の吸着式ヒートポンプの第2実施形態について、図7を参照して説明する。
本実施形態は、上記の第1実施形態における穴13を配列した吸着材成形体を、穴53を配列した吸着材成形体に代えて構成されている。
なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の吸着式ヒートポンプは、反応室22に配設されるゼオライト板として、図7に示すように、水蒸気が流通する流路を形成している流通面に断面正四角形の複数の穴53が二次元に配列されたゼオライト板を配設した熱交換型反応器を備えている。
本実施形態では、穴53は、断面径(一辺の長さ)y:300μm、穴と穴の間の吸着材の壁厚x:300μm、穴の深さ:1500μmである。本実施形態の吸着材成形体の厚みは、1500μmである。
吸着材成形体における水蒸気流通面に二次元に配列された穴53の形状は、断面が正四角形であることで、所定の間隔で配列された穴間の間隔がより均等なものとなる。
(第3実施形態)
本発明の吸着式ヒートポンプの第2実施形態について、図8を参照して説明する。
本実施形態は、上記の第1実施形態の反応室の天面及び底面にそれぞれ取り付けた2枚の板状のゼオライト板(吸着材成形体)を、ゼオライト板を重ねた積層体に代えて構成されている。
なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態における熱交換型反応器20は、その反応室22において、図8に示すように、2枚の吸着材成形体(吸着材成形体26A及び吸着材成形体26B)と、この2枚の吸着材成形体に挟持された支持基材34と、で構成された積層体126を備えている。
支持基材34は、この支持基材の面に沿った方向(図8中の白抜矢印の方向)に水蒸気(吸着質)を流通させると共に、その両側に配置された吸着材成形体へ水蒸気を拡散し供給する機能を担う。支持基材が設けられていることで、2枚の吸着材成形体間に水蒸気の流路が確保されるので、流通配管10から供給された水蒸気を、吸着材成形体26A,26Bの広範に亘り供給することができる。更に、吸着材成形体26A,26Bの広範に亘り吸着された水蒸気を、支持基材34を介して流通配管10に向けて放出することが可能である。
支持基材としては、例えば(ステンレス製等の)多孔質状のプレート、シートなどを用いることができる。
積層体の構成としては、吸着材成形体/支持基材/吸着材成形体の3層構造を有する構成であればよく、3層構造のほか、例えば、吸着材成形体と支持基材とが交互に配置され、かつ最外層が吸着材成形体とされた構成(例えば、吸着材成形体/支持基材/吸着材成形体/支持基材/・・・/吸着材成形体の多層構造(例:5層構造)であってもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3)
−1.吸着材成形体aの作製−
吸着材として粉末状のゼオライト(平均一次粒子径:3μm、BET法による比表面積:1000m/g)60〜80質量部と、バインダーとしてセピオライト(粘土鉱物)20質量部と、繊維状の熱伝導性材料としてカーボンファイバー(CF)(ミルド品(日本グラファイトファイバー(株)製のXN−100);繊維長:200μm、繊維径:10μm、アスペクト比:20)20〜40質量部と、水100質量部と、を混合し、スラリーを得た。
得られたスラリーを、20mm×3mmの開口部を有する金型を用いて押出成形(押出圧力:40MPa)し、20mm×20mm×厚さ3mmのサイズの平板状の成形体を7枚作製した。
次に、7枚の平板状の成形体を、厚さ方向に重なるように接着剤(カルボキシメチルセルロース(CMC))によって接着し、柱状の成形体を得た。
得られた柱状の成形体を、押出成形における押出方向(7枚の重層方向と直交する方向)に対して垂直な複数の平面で切断し、厚さ3mmの平板状の成形体を得た。その後、この成形体に対し、CNC加工機によって機械的に断面円形(直径:300μm)で厚み方向と平行な孔を、図5〜図6に示すように二次元方向に千鳥状に配列して形成した。このとき、壁厚xを下記表1に示す数値に設定して孔を形成した。また、本実施例では、厚み分の成形体を取り除くことで、厚み方向に貫通した複数の孔が形成されている。
続いて、平板状の成形体の一辺を削ってサイズを調整し、20mm×20mm×厚さ1.5mmのサイズの板状の吸着材成形体a(x=300μm),b(x=300μm),c(x=400μm)を作製した。吸着材成形体aにおいて、20mm×20mmの面を伝熱面とした。
以上のように作製した吸着材成形体a,b,cは、いずれも厚み:1.5mmであり、その水蒸気の流通面において、下記表1に示す壁厚x(最短距離)、断面径yを有する断面形状が真円の孔が設けられている。
吸着材成形体を形成しているゼオライトの充填密度、及び吸着材成形体の全体に対する含有比は、下記表1に示す通りである。また、CFの含有比率は、吸着材成形体の全体に対して、20〜40体積%とした。
吸着材成形体における開口率は、前記表1に示すように、x=300μmでは23体積%であり、x=400μmでは17体積%であった。
ここで、吸着材成形体の開口率は、下記式で求められる。図9に吸着材成形体におけるx/y値と開口率(気孔率)との関係を示す。図9に示すように、壁厚xと孔又は穴の断面径yとにより、開口率≦10%も達成することができる。
開口率(%)=100−{成形体の密度/成形体が無孔の場合の密度×100}
得られた吸着材成形体を厚さ方向に切断し、得られた断面を光学顕微鏡(倍率3000倍)によって観察した。図10に、光学顕微鏡で観察した吸着材成形体の断面写真を示す。図10には、伝熱面S、及びCFの軸心方向(両側矢印)を示した。
図10に示すように、吸着材成形体aに含まれる大部分のCFは、軸心方向が伝熱面Sに対して略垂直となる方向に揃っていた。詳細には、吸着材成形体a,b,cはいずれも、各々に含有されるCFのうちの95個数%以上が、軸心方向が伝熱面に対して70°以上であった。
−2.熱交換型反応器の作製−
吸着材成形体a,b,cを用い、図2〜図3に示すように構成された熱交換型反応器を作製した。具体的には、次の通りである。すなわち、反応室22を2室有する筐体(材質:SUS304)20を用意し、この反応室の各々の天面及び底面に、上記で作製した吸着材成形体a,b,cをそれぞれの伝熱面を接触させて取り付けた。
−3.吸着速度の測定−
上記で作製した熱交換型反応器を用い、図11に示す吸着式ヒートポンプと同様に構成された実験機を準備した。この実験機では、熱交換型反応器の容積を10mLとし、タンク140の容積を2500mLとした。
以下のようにして水蒸気の吸着速度の測定を行なった。
準備段階として、バルブV1を開いた状態で、熱交換型反応器20の熱媒流路24に、液温95℃、流量1000mL/minの水(熱媒体M1)を流通させて、反応室22内の吸着材成形体a,b又はcに吸着している水蒸気を脱離(脱着)させ、タンク140に輸送した。このとき、水蒸気の輸送によるタンク140内の圧力変化を観測して、変化がほぼ無くなった時点でバルブV1を閉じた。
次いで、液温30℃、流量1000mL/minの水(熱媒体M1)の流通を行なっている状態で、バルブV1を開き、タンク140から流通配管10を通じて反応室22内の吸着材成形体a,b,cの各々に水蒸気を輸送して吸着(吸着温度:30℃)させた。このときの水蒸気の輸送によるタンク140内の圧力下降を観測し、水蒸気の吸着反応の反応速度(反応時間と吸着率との関係)を求めて水蒸気の吸着速度を計測した。ここでは、バルブV1を開いた時点からの経過時間を反応時間とした。
測定結果を図12に示す。
(比較例1)
実施例2において、厚さ3mmの平板状の成形体に孔を形成しなかった以外は吸着材成形体bと同様にして比較用の吸着材成形体dを用意し、吸着材成形体bをこの吸着材成形体dに代えたこと以外は、実施例2と同様にして、熱交換型反応器を作製し、さらに測定を行なった。
吸着速度の測定結果を、実施例1〜3の結果と合わせて図12に示す。
図12に示す結果から明らかなように、吸着材成形体の水蒸気が流通する流通面に孔(凹形状)を配列した実施例1〜3では、孔を形成しなかった比較例1に比べ、吸脱着速度が大幅に向上し、水蒸気の吸脱着量を飛躍的に向上させることができた。具体的には、15℃の飽和蒸気圧、吸着温度30℃にて、吸着材成形体aでは40秒で、吸着材成形体bでは100秒で、それぞれ90%の平衡吸着量に達した。
また、実施例1〜3に示されるように、孔と孔との間隔を表す成形体の壁厚が400μmから300μmへ薄くなると、吸着速度が良好になる傾向がみられた。壁厚が薄くなると開口率が増すため、吸着材量を保持し吸着量を確保し難くなる。したがって、壁厚と吸着材量とのバランスをみて、所望に応じた壁厚及び吸着材量を選択することが望ましい。
上記した実施例では、水蒸気の吸着反応の反応速度(吸着速度)及び吸着率を評価したが、水蒸気の脱着反応の反応速度(脱着速度)及び脱着率についても、上記実施例と同様の結果を得ることができる。
10・・・流通配管
11・・・吸着材
13・・・穴、孔(凹形状)
20・・・熱交換型反応器
21・・・筐体
22・・・反応室
24・・・熱媒流路
26,26A,26B・・・吸着材成形体
34・・・支持基材
40・・・蒸発凝縮器
140・・・タンク
100・・・吸着式ヒートポンプ
M1・・・熱媒体
S・・・伝熱面

Claims (16)

  1. 熱交換流体が流通する第1流路と、
    作動流体が流通する第2流路と、
    前記第2流路内に配置されており、前記第1流路を流通する熱交換流体との間で熱交換する伝熱面、及び前記作動流体が流通する方向に所定の間隔を有して二次元配列され、前記作動流体が流れ込む複数の凹形状を有するとともに、作動流体が吸着されるときに放熱し作動流体が脱離するときに蓄熱する吸着材、及び軸心方向が前記伝熱面と交差する向きに配された繊維状の熱伝導性材料を含有する吸着材成形体と、
    を備えた熱交換型反応器。
  2. 前記吸着材は、平均一次粒子径が10μm以下の吸着材粒子である請求項1に記載の熱交換型反応器。
  3. 前記吸着材成形体の、凹形状の深さ方向における厚みが、500μm以上である請求項1又は請求項2に記載の熱交換型反応器。
  4. 前記吸着材成形体に有する凹形状間の最短の間隔が、50μm以上500μm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  5. 前記吸着材成形体における凹形状の比率が、吸着材成形体の全体に対して、体積比で5%以上20%未満である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  6. 前記作動流体が、水である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  7. 前記吸着材成形体の凹形状の深さ方向と直交する断面径は、内接円の直径又は内接楕円の長径で10μm以上300μm以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  8. 前記吸着材成形体の凹形状の深さ方向と直交する断面形状が、円形又は多角形である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  9. 前記断面形状が、四角形又は六角形である請求項8に記載の熱交換型反応器。
  10. 前記熱伝導性材料は、軸心の方向が前記伝熱面に対して45°以上である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  11. 前記吸着材成形体中の前記熱伝導性材料のうちの80個数%以上は、軸心の方向が、前記伝熱面に対して70°以上である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  12. 前記熱伝導性材料は、アスペクト比が10以上である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  13. 前記熱伝導性材料が、無機材料である請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  14. 前記熱伝導性材料が、炭素繊維である請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  15. 前記吸着材が、活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、シリカゲル、及び粘土鉱物より選択される少なくとも1種である請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の熱交換型反応器。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の熱交換型反応器を備えた吸着式ヒートポンプ。
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