JP6786831B2 - ガス分離ポンプ、熱輸送装置、及びガス分離装置 - Google Patents

ガス分離ポンプ、熱輸送装置、及びガス分離装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガス分離ポンプ、熱輸送装置、及びガス分離装置に関する。
種々の産業分野において、混合ガスに含まれる特定ガス成分を分離、濃縮し、利用する技術が検討されている。
従来から、ナフサ等の原燃料の水蒸気改質で生じた副生ガスから水素ガスや炭酸ガスを分離する技術が知られている。
また、近年の地球環境の保全を図る観点から、水素の燃料としての利用が注目され、急速に進展しつつある。一方、燃焼ガス等の様々な排ガス及び副生ガスには、二酸化炭素が含まれていることが多く、地球環境の保全等の観点からは、二酸化炭素の安易な大気中への放出を減らし、かつ、二酸化炭素を選択的に分離して、目的とするガス成分を単離したり、二酸化炭素を分離、回収する等の技術が期待される。
他方で、従来から、吸着式のヒートポンプを利用した熱サイクルシステムが提案されており、冷暖房装置又は給湯器などに応用されている。ヒートポンプとしては、一対の吸着器、凝縮器及び蒸発器を備えたものが一般的であるが、COP(Coefficient Of Performance)を高める増熱モードを利用した技術も提案されている。例えば、熱媒による顕熱ロスを改善して熱エネルギーの増熱効果を高めるため、アンモニアや水蒸気等の蒸発潜熱の大きい物質を利用した吸着式のヒートポンプに関する開示がある(例えば、特許文献1参照)。このようなヒートポンプは、利用されるアンモニア等を簡易に昇圧して利用できれば、より一層の増熱効果が得られる点で有利である。
気体の昇圧技術として、金属水素化物を用いた電気化学圧縮機が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2014−185781号公報
"Electrochemical compressor driven metal hydride heat pump"Ye Tao, Hoseong Lee, Yunho Hwang, Reinhard Radermacher, Chunsheng Wang, INTERNATIONAL JOURNAL OF REFRIGERATION 60 (2015), p.278-288
しかしながら、非特許文献1に記載の電気化学圧縮機では、昇圧は、ガスが混合ガスの場合には混合ガスの状態でしか昇圧できず、ガス分離に際しては、分離を駆動するのは圧力のため、大きな差圧を形成しなければならず、高精度の選択性は期待できない。
上記のように、近年の地球環境の保全等に鑑みれば、混合ガス中の特定ガス成分を効率的に分離、濃縮する技術が向上することにより、燃料もしくはリサイクル資源としての利用、又は回収、廃棄等がより促進されるものと期待される。
既述したヒートポンプ及びヒートポンプを利用した装置においても、近年の省エネルギー化の動きの活発化に合わせて、更なる熱効率の向上が求められる。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、複数成分を含む混合ガス中の特定のガス成分を分離しつつ、分離されたガス成分が昇圧されるガス分離ポンプ、増熱効果の高い熱輸送装置、及び炭酸ガス分離能の高い炭酸ガス分離装置を提供することを目的とし、この目的を達成することを課題とする。
本発明は、分離対象である混合ガスのガス成分に対応した複数の電解質膜を利用し、複数の電解質膜を電極対の間に配置してガス成分を電気化学的にイオン化し、ガス成分をイオン化した状態で輸送することにより、小さい電気エネルギーにより特定のガス成分を分離し、昇圧することができるとの知見に基づいて達成されたものである。
本発明においては、上記の知見に基づき、複数の電解質膜を利用して発現する電気化学的な作用を利用する。上記した課題を達成するための具体的な手段は、次の通りである。
すなわち、前記目的を達成するため、第1の発明は、
<1> 一対の電極と、前記一対の電極の一方と電気的に接続された第1の電解質膜、及び前記一対の電極の他方と電気的に接続され、かつ、前記第1の電解質膜と電気的に直列に接続された第2の電解質膜を含むガス分離部と、前記第1の電解質膜に接続された前記一方の電極に混合ガスを供給するガス供給部と、電圧印加により前記ガス分離部で分離され、かつ、前記第2の電解質膜より排出された、前記混合ガス中の第1ガス成分を流通する第1のガス流通部と、電圧印加により前記ガス分離部で分離され、前記第1の電解質膜及び第2の電解質膜間より排出された、前記混合ガス中の第2ガス成分を流通する第2のガス流通部と、を備えたガス分離ポンプである。
第1の発明においては、少なくとも2種のガス成分を含有する混合ガスを電圧印加下、ガス分離部で2種のガス成分を分離し、かつ、それぞれの成分を昇圧した状態にて排出することが可能である。例えば、ガス成分A及びBの2種の混合ガスを供給する場合を例に具体的に説明する。
ガス供給部から供給された2種類のガス成分A及びBを混合した混合ガスを、電圧印加した電極対の一方の電極へ接触させると、一方の電極において電気化学的な反応が進行し、一方の電極と電気的に接続された第1の電解質膜を透過可能なイオン(AB又はAB)が生成される。生成されたABイオン又はABイオンは、印加電圧に応じて第1の電解質膜を移動する。
次に、第1の電解質膜と第2の電解質膜との界面にて、下記の反応a)又はb)が進行し、ガス成分Bは系外となる第2のガス流通部へ放出される。
反応a): AB → A + B
反応b): AB → A + B
この際、ガス成分Bは、電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、第2のガス流通部においてガス成分Bは、昇圧状態とされる。
さらに、第1の電解質膜と電気的に直列に接続された第2の電解質膜は、例えばAイオン又はAイオンのみを透過できるため、膜界面で生成されたAイオン又はAイオンは、印加電圧に応じて第2の電解質膜を透過する。そして、電極対の他方の電極における電気化学反応によってガス成分Aとなり、ガス成分Aは、系外となる第1のガス流通部へ放出される。この際にも、ガス成分Aは、電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、第1のガス流通部においてガス成分Aは、昇圧状態とされる。
ここで、「電気的に直列に接続」とは、第1の電解質膜と第2の電解質膜とが電極対の一方から他方に向かって順に重ねるように配置され、イオンが第1の電解質膜と第2の電解質膜とを順次透過できるように接続されていることを指す。
なお、第1の電解質膜と第2の電解質膜とは、互いに接触して重ねられた積層状態でもよいし、第1の電解質膜と第2の電解質膜との間に他の層を介して電気的に接続された積層状態とされてもよい。
第1の発明は、前記<1>に記載のガス分離ポンプにおいて、ガス分離部の膜構成としては、第1の電解質膜はアンモニウムイオンが伝導する電解質膜であり、かつ、第2の電解質膜は水素イオンが伝導する電解質膜である場合が好ましい形態の一つである。
また、水素ガス及びアンモニアガスを含む混合ガスを用いることが好ましい。
この場合、水素ガス(Hガス)及びアンモニアガス(NHガス)を含む混合ガスがガス供給部から供給され、供給された混合ガスを、電圧印加した電極対の一方の電極へ接触させると、一方の電極における電気化学的な反応によって、下記の反応式のように、一方の電極と電気的に接続された第1の電解質膜を透過可能なアンモニウムイオン(NH )が生成される。
NH + 0.5H → NH + e
生成されたNH イオンは、印加電圧に応じて、第1の電解質膜を移動する。
次に、第1の電解質膜と第2の電解質膜との界面にて下記の反応が進行し、NHガスは系外となる第2のガス流通部へ放出される。この際、NHガスは電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、第2のガス流通部において昇圧状態とされる。そのため、昇圧されたNHガスの外部への供給が可能である。
NH → NH + H
さらに、水素イオン(Hイオン)は、印加電圧に応じて第2の電解質膜を透過し、電極対の他方の電極において電気化学反応によりHガスとなり、Hガスは系外となる第1のガス流通部へ放出される。
2H + 2e → H
この際にも、Hガスは電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、第1のガス流通部において昇圧状態とされる。そのため、昇圧されたHガスの外部への供給が可能である。
また、第1の発明は、前記<1>に記載のガス分離ポンプにおいて、ガス分離部の別の膜構成として、第1の電解質膜を炭酸イオンが伝導する電解質膜とし、かつ、第2の電解質膜を酸素イオンが伝導する電解質膜とする場合も好ましい形態の一つである。この場合、炭酸ガス及び酸素ガスを含む混合ガスを用いることが好ましい。
この場合、炭酸ガス(COガス)及び酸素ガス(Oガス)を含む混合ガスがガス供給部から供給され、供給された混合ガスを、電圧印加した電極対の一方の電極へ接触させると、一方の電極における電気化学的な反応によって、下記の反応式のように、一方の電極と電気的に接続された第1の電解質膜を透過可能な炭酸イオン(CO 2−)が生成される。
CO + 0.5O + e → CO 2−
生成されたCO 2−イオンは、印加電圧に応じて、第1の電解質膜を移動する。
次に、第1の電解質膜と第2の電解質膜との界面にて下記の反応が進行し、COガスは系外となる第2のガス流通部へ放出される。この際、COガスは電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、第2のガス流通部において昇圧状態とされる。そのため、昇圧されたCOガスの外部への供給が可能である。
CO 2− → CO + O2−
さらに、酸素イオン(O2−イオン)は、印加電圧に応じて第2の電解質膜を透過し、電極対の他方の電極において電気化学反応によりOガスとなり、Oガスは系外となる第1のガス流通部へ放出される。
2O2− → O + 2e
この際にも、Oガスは電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、第1のガス流通部において昇圧状態とされる。そのため、昇圧されたOガスの外部への供給が可能である。
<2> 第1の発明は、前記<1>に記載のガス分離ポンプにおいて、前記第1の電解質膜及び前記第2の電解質膜は、互いに接触されて配置されている形態が好ましい。
<3> 前記<2>に記載のガス分離ポンプにおいて、第1の電解質膜及び第2の電解質膜が互いに接触している場合、第1の電解質膜及び第2の電解質膜の間(例えば接触界面)に、前記第2ガス成分を排出する流路を有している形態が好ましい。
ガス分離部では、電圧印加により、第1の電解質膜及び第2の電解質膜間から混合ガス中の第2ガス成分が排出される。この場合、第1の電解質膜及び第2の電解質膜の間には、第1の電解質膜及び第2の電解質膜を透過できないガスが発生し、行き場を失うが、第2ガス成分を排出するための流路が設けられているので、第2ガス成分を第2のガス流通部に速やかに移動させることができ、ガスの分離が進行しやすい。また、排出される第2ガス成分が溜まって、膜に損傷を与える懸念もない。
次に、第2の発明は、既述の第1の発明のガス分離ポンプを備えた熱輸送装置である。
<4> 第2の発明である熱輸送装置は、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが固定化されるときに放熱する蓄熱材が収納された2つ以上の反応器と、前記2つ以上の反応器と接続された、前記第1の発明であるガス分離ポンプと、を備え、前記2つ以上の反応器間に生じたアンモニア圧の差を利用してアンモニアを前記反応器の一方から他方に輸送することにより熱を輸送する。
第2の発明は、第1の発明であるガス分離ポンプを備えることで、アンモニアガスを昇圧した状態で利用することが可能になり、熱輸送装置の増熱効果を飛躍的高めることができる。
熱輸送装置では、2つ以上の反応器間で、蒸気圧が高いアンモニア蒸気の輸送によって潜熱を利用して熱を輸送するので、アンモニア蒸気の配管内流動に伴う圧力損失が抑制される。結果、熱輸送性が向上する。すなわち、第2の発明の熱輸送装置によれば、一方の反応器に与えられた熱を他方の反応器に効率よく輸送できる。
<5> 第2の発明は、前記<4>に記載の熱輸送装置において、ガス分離ポンプの第2のガス流通部に弁を有し、弁の開度を調節することによりアンモニア圧の差を調節することができる。
第2のガス流通部には、分岐部位を有することにより分岐部位に弁を有してもよい。第2のガス流通部が管材である場合、管が分岐管を有し、分岐管に弁が設けられた形態でもよい。第2のガス流通部である第2のガス流通管が、例えば弁を有する2つの分岐管を有する場合、2つの分岐管の一方がガス供給部と接続され、他方が第1の流通部と接続されていることにより、第2のガス流通部の弁の開度と2つの分岐管の弁の開度とを調節してアンモニアの差圧を調節する形態でもよい。
これにより、アンモニア圧の差(差圧)をより効果的に保持できるので、熱輸送性をより向上させることができる。すなわち、弁を閉じることによりアンモニア圧の差を長時間保持することができ、弁を開けることによりアンモニアを輸送し、蓄熱した熱を効率よく利用することができる。
<6> 第2の発明は、前記<4>又は<5>に記載の熱輸送装置において、前記2つ以上の反応器のうち少なくとも1つは、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが配位反応により固定化されるときに放熱する化学蓄熱材を含む蓄熱材が収納された反応器である。これにより、化学蓄熱材を含む蓄熱材が収納された反応器における蓄熱密度をより向上させることができるので、熱輸送装置全体における蓄熱密度をより向上させることができる。
<7> 第2の発明は、前記<4>〜<6>のいずれか1つに記載の熱輸送装置において、前記2つ以上の反応器のうちの少なくとも1つは、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが物理吸着により固定化されるときに放熱する物理吸着材を含む蓄熱材が収納された反応器である。これにより、物理吸着材を含む蓄熱材が収納された反応器において、アンモニアの固定化及び脱離に要する熱量をより小さくすることができるので、熱輸送装置全体における熱輸送の制御性をより向上させることができる。
<8> 第2の発明は、前記<4>〜<7>のいずれか1つに記載の熱輸送装置において、前記2つ以上の反応器は、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが配位反応により固定化されるときに放熱する化学蓄熱材を含む蓄熱材が収納された反応器と、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが物理吸着により固定化されるときに放熱する物理吸着材を含む蓄熱材が収納された反応器と、を含む。
すなわち、物理吸着材と比較してアンモニアの固定化及び脱離に要する熱量が大きい性質を有する化学蓄熱材と、化学蓄熱材と比較してアンモニアの固定化及び脱離に要する熱量が小さい性質を有する物理吸着材と、を用いる。このため、アンモニアの固定化及び脱離に要する熱量の差を利用して、小さな熱入力で大きな熱出力を得ることができる。
また、第3の発明は、既述の第1の発明のガス分離ポンプを備えた炭酸ガス分離装置である。
<9> 第3の発明は、前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の第1の発明であるガス分離ポンプを備え、混合ガス中の炭酸ガスを分離する炭酸ガス分離装置である。
第3の発明は、第1の発明であるガス分離ポンプを備えていることで、少なくとも炭酸ガス及び酸素ガスを含む混合ガスから炭酸ガス(二酸化炭素)を選択的に分離することが可能である。
本発明によれば、複数成分を含む混合ガス中の特定のガス成分を分離しつつ、分離されたガス成分が昇圧されるガス分離ポンプが提供される。
また、本発明によれば、増熱効果の高い熱輸送装置が提供される。
さらに、本発明によれば、炭酸ガス分離能の高い炭酸ガス分離装置が提供される。
本発明の第1実施形態のガス分離ポンプの概略構成を示す概略構成図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の第2実施形態のガス分離ポンプの概略構成を示す概略構成図である。 本発明の第3実施形態のヒートポンプ(熱輸送装置)の概略構成を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る反応器を模式的に示した図である。 本発明の別の実施形態に係る反応器を模式的に示した図である。 アンモニア(NH)及び水(HO)の飽和蒸気圧曲線である。 各金属塩化物について、蓄熱温度(℃)と蓄熱密度(kJ/kg)との関係を示したグラフである。 第2実施形態のガス分離ポンプを備えた炭酸ガス分離装置の一例の概略構成を示す概略構成図である。
以下、図1〜図9を参照して、本発明のガス分離ポンプ、並びにこれを備えた熱輸送装置及び炭酸ガス分離装置の実施形態について具体的に説明する。但し、本発明においては、以下に示す実施形態に制限されるものではない。
(第1実施形態)
第1実施形態のガス分離ポンプは、水素ガス(以下、「Hガス」とも表記する。)とアンモニアガス(以下、「NHガス」とも表記する。)とを混合して含む混合ガスを用い、混合ガスから水素ガス及びアンモニアガスを分離し、かつ、それぞれ昇圧された分離生成ガスとして外部に排出するものである。
図1に示すように、第1実施形態のガス分離ポンプ10は、ガス分離部で分離される複数のガス成分を含有する混合ガスを供給するためのガス供給部であるガス供給管2と、水素ガスを流通する第1のガス流通部である水素ガス流通管4と、アンモニアガスを流通する第2のガス流通部であるアンモニアガス流通管6と、アンモニウムイオン(NH )の伝導が可能な電解質膜であるNH 伝導性電解質膜12及び水素イオンの伝導が可能な電解質膜であるH伝導性電解質膜13が互いに重層されたガス分離部であるガス分離膜15と、ガス分離膜に電圧を印加するための電極17,18からなる電極対と、を備えている。
混合ガスがガス供給管2を通じて電極17に向けて供給され、ガス分離膜15に電圧が印加されると、ガス分離膜と電気的に繋がる電極及び膜界面において電気化学反応が進行し、混合ガスは、HガスとNHガスとに分離される。分離された各ガスは、昇圧ガスの状態でガス分離膜15の外部へ排出される。具体的には、以下の通りである。
ガス及びNHガスを含む混合ガスがガス供給管2を通じて供給されると、供給された混合ガスは、電圧印加された電極対の一方である電極17と接触し、電極17における電気化学的な反応によって下記の反応式(1)のように、電極17と電気的に接続されたNH 伝導性電解質膜12を透過可能なNH イオンが生成される。
反応式(1):NH + 0.5H → NH + e
生成されたNH イオンは、NH 伝導性電解質膜12内をH伝導性電解質膜13の方向へ移動する。NH イオンがNH 伝導性電解質膜12及びH伝導性電解質膜13の界面に達すると、膜界面にて下記の反応式(3)に示す反応が進行し、NHガスとHイオンとが生成される。生成されたNHガスは、NH 伝導性電解質膜12及びH伝導性電解質膜13の界面の流路を通じてアンモニアガス流通管6へ排出される。この際、NHガスは、電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、アンモニアガス流通管6において昇圧状態で流通する。
反応式(3):NH → NH + H
したがって、後述する第3実施形態のように、ガス分離ポンプが吸着式ヒートポンプ等の熱輸送装置に備えられた場合などには、アンモニアの流通系統に昇圧したアンモニアガスの供給が可能になり、熱輸送装置での増熱効果を飛躍的に向上させることができる。
また、Hイオンは、H伝導性電解質膜13内を電極18の方向へ移動し、電極18において下記の反応式(2)に示す電気化学反応が進行し、Hガスが生成される。生成されたHガスは、水素ガス流通管4に排出される。この際、Hガスは、電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、水素ガス流通管4において昇圧状態で流通する。
反応式(2):H + e → H
ガス供給管2は、ガス分離部で分離される複数のガス成分を含有する混合ガスを、ガス供給管2に配置された電極17に対して供給する。供給される混合ガスは、電圧印加された電極と接触し、電気化学反応を生じて、電極と電気的に接続された電解質膜(本実施形態ではNH 伝導性電解質膜12)内を移動できるようにイオン化される。
混合ガスとしては、ガス分離部が2種の異なる電解質膜の積層体である場合には、ガス分離部で分離される被分離ガスとなる2種類のガス成分を少なくとも含有する。
混合ガスには、例えば、水素ガス及びアンモニアガスを含む混合ガス、炭酸ガス及び酸素ガスを含む混合ガス、等が挙げられる。ガス分離部が本実施形態のようにNH 伝導性電解質膜及びH伝導性電解質膜を有する場合には、水素ガス及びアンモニアガスを含む混合ガスが適している。また、ガス分離部が後述の第2実施形態のようにCO 2−伝導性電解質膜及びO2−伝導性電解質膜を有する場合には、炭酸ガス及び酸素ガスを含む混合ガスが適している
また、これらの混合ガスは、2種類の被分離ガスを含んでいれば、さらに他のガス成分が含まれていてもよい。
NH 伝導性電解質膜12は、アンモニウムイオン(NH )の伝導が可能な電解質膜であり、電圧印加により生成したNH イオンを、H伝導性電解質膜13との界面に向かって移動させる。H伝導性電解質膜13との界面では、NH イオンからHイオンが脱離してNHガスが生成されるが、NHガスはNH 伝導性電解質膜及びH伝導性電解質膜のいずれも透過できないため、膜界面に沿って移動し、アンモニアガス流通管6に排出されることになる。
NH 伝導性電解質膜としては、NH イオン伝導性を有する電解質膜であれば選択することができ、陽イオン交換膜に用いられるような、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマー(例えばデュポン社のナフィオン(Nafion)等)等、スルホン酸基を有する高分子膜などで作製した電解質膜を挙げることができる。
上記の通り、NH イオンがNH 伝導性電解質膜及びH伝導性電解質膜の界面に達すると、膜界面における電気化学反応によってNH イオンはNHガスとHイオンとに変化するため、NH 伝導性電解質膜は、NH イオン伝導性を有していれば後述のH伝導性電解質膜13と同材質の膜が用いられてもよい。
伝導性電解質膜13は、水素イオン(Hイオン)の伝導が可能な電解質膜であり、電圧印加により膜界面で生成したHイオンは、NH 伝導性電解質膜を透過できないが、H伝導性電解質膜内を透過するため、Hイオンを電極18へ移動させる。電極18において、Hイオンは再びHガスとなる。
伝導性電解質膜としては、Hイオン伝導性を有する電解質膜であれば選択することができ、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマー(例えばデュポン社のナフィオン(Nafion)等)等、スルホン酸基を有する高分子膜などを挙げることができる。中でも、Hイオンのみを選択的に透過し得る電解質膜が好ましい。
ガス分離部であるガス分離膜15は、NH 伝導性電解質膜12及びH伝導性電解質膜13が互いに接して界面を形成しているが、2種類の電解質膜の間に、イオン伝導性を有する他の層が配置された形態に構成されてもよい。他の層として、NH 伝導性電解質膜12及びH伝導性電解質膜13とは異なる材質の、表面に一端から他端に向けて伸びる凹状の溝(流路)が所定間隔で配列された凹凸構造を有する流路層が配置されてもよい。
図2は、図1のA−A線断面図である。図2に示すように、NH 伝導性電解質膜及びH伝導性電解質膜の界面には、一方の膜に凹凸構造が配設されることで、ガスを排出するための流路13Cが形成されている。凹凸構造を配設することで、NH 伝導性電解質膜及びH伝導性電解質膜間におけるイオン伝導性を良好に維持すると同時に、膜界面で生じた分離ガス(本実施形態ではNHガス)の排出が容易に行えるようになっている。
本実施形態では、図2のように、NH 伝導性電解質膜12の平面部と、NH 伝導性電解質膜12の表面(平面)に対して凹んだ溝部13Aと、溝部に対して溝部に沿って突出した凸部13Bと、が膜の一端から他端に延在し、延在する方向との直交方向に交互に配列された凹凸構造を有するH伝導性電解質膜13の凹凸部と、が互いに接して界面を形成し、生成ガスが流通するための流路13Cが形成されている。
凹凸部は、ガス供給管2の直径方向において、断面が図2に示す凹凸構造を有する複数の溝が所定の間隔をおいて配列された構造を有していてもよい。この場合、生成された分離ガス(本実施形態ではNHガス)は、溝を通じて図1の混合ガス流通方向に対して左側に接続されたアンモニアガス流通管6へ向かって排出されることになる。
水素ガス流通管4は、第1のガス流通部として、電極対の電極18と接続されており、ガス分離膜のH伝導性電解質膜13から排出されたHガスを流通する。水素ガス流通管4とH伝導性電解質膜13とは、電極18を挟んで取り付けられており、水素ガス流通管4とH伝導性電解質膜13との間は、圧力的に隔絶された状態となっている。そのため、電気化学反応でH伝導性電解質膜13から排出されるHガスは、水素ガス流通管4において昇圧状態で流通されることになる。本実施形態では、ガス供給管2から1気圧で供給された混合ガスを分離されたHガスは、10気圧に昇圧されて水素ガス流通管4へ送り出される。
アンモニアガス流通管6は、第2のガス流通部として、ガス分離膜と接続されており、ガス分離膜15の膜界面の流路13Cから排出されたNHガスを流通する。アンモニアガス流通管6とガス分離膜15との間は、圧力的に隔絶された状態となっている。そのため、電気化学反応で膜界面から排出されるNHガスは、アンモニアガス流通管6において昇圧状態で流通されることになる。本実施形態では、ガス供給管2から1気圧で供給された混合ガスを分離されたNHガスは、10気圧に昇圧されてアンモニアガス流通管6へ送り出される。
電極17,18は、ガス分離膜15に電圧を印加するための電極対であり、混合ガス中のガス成分の電気化学反応を調整する。混合ガスは、印加電圧に応じた電気化学反応に供されることにより、NH 伝導性電解質膜12又はH伝導性電解質膜13を透過できるイオンに変換される。
印加される電圧は、ガス分離膜を透過するイオンの生成が可能であれば、特に制限はない。
本実施形態のガス分離ポンプの作動温度は、電解質膜が固有に有する、ガス分離機能を発現するのに適した温度範囲とすることが好ましい。具体的には、
例えば、H伝導性電解質膜については、50℃〜80℃程度が好ましく、60℃〜70℃がより好ましい。
NH 伝導性電解質膜については、50℃〜80℃程度が好ましく、60℃〜70℃がより好ましい。
(第2実施形態)
第2実施形態のガス分離ポンプは、二酸化炭素ガス(炭酸ガス;以下、「COガス」とも表記する。)と酸素ガス(以下、「Oガス」とも表記する。)とを混合して含む混合ガスを用い、混合ガスから酸素ガス及び二酸化炭素ガスを分離し、かつ、それぞれ昇圧された分離生成ガスとして外部に排出するものである。
第2実施形態のガス分離ポンプ50は、図3に示すように、ガス分離部で分離される複数のガス成分を含有する混合ガスを供給するためのガス供給部であるガス供給管2と、酸素ガスを流通する第1のガス流通部である酸素ガス流通管14と、二酸化炭素ガスを流通する第2のガス流通部である炭酸ガス流通管16と、炭酸イオン(CO 2−)の伝導が可能な電解質膜であるCO 2−伝導性電解質膜112及び酸素イオンの伝導が可能な電解質膜であるO2−伝導性電解質膜113が互いに重層されたガス分離部であるガス分離膜115と、ガス分離膜に電圧を印加するための電極17,18からなる電極対と、を備えている。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
混合ガスがガス供給管2を通じて電極17に向けて供給され、ガス分離膜15に電圧が印加されると、ガス分離膜と電気的に繋がる電極及び膜界面において電気化学反応が進行し、混合ガスは、OガスとCOガスとに分離される。分離された各ガスは、昇圧ガスの状態でガス分離膜115の外部へ排出される。具体的には、以下の通りである。
ガス及びCOガスを含む混合ガスがガス供給管2を通じて供給されると、供給された混合ガスは、電圧印加された電極対の一方である電極17と接触し、電極17における電気化学的な反応によって下記の反応式(4)のように、電極17と電気的に接続されたCO 2−伝導性電解質膜112を透過可能なCO 2−イオンが生成される。
反応式(4):CO + 0.5O + 2e → CO 2−
生成されたCO 2−イオンは、CO 2−伝導性電解質膜112内をO2−伝導性電解質膜113の方向へ移動する。CO 2−イオンがCO 2−伝導性電解質膜112及びO2−伝導性電解質膜113の界面に達すると、膜界面にて下記の反応式(6)に示す反応が進行し、COガスとO2−イオンとが生成される。生成されたCOガスは、CO 2−伝導性電解質膜112及びO2−伝導性電解質膜113の界面の流路を通じて炭酸ガス流通管16へ分離排出される。この際、COガスは、電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、炭酸ガス流通管16において昇圧状態で流通する。
反応式(6):CO 2− → CO + O2−
また、O2−イオンは、O2−伝導性電解質膜113内を電極18の方向へ移動し、電極18において下記の反応式(5)に示す電気化学反応が進行し、Oガスが生成される。生成されたOガスは、酸素ガス流通管14に排出される。この際、Oガスは、電気化学的な反応を駆動力として排出されるため、酸素ガス流通管14において昇圧状態で流通する。
反応式(5):2O2− → O + 2e
CO 2−伝導性電解質膜112は、炭酸イオン(CO 2−)の伝導が可能な電解質膜であり、電圧印加により生成したCO 2−イオンは、O2−伝導性電解質膜113との界面に向かって移動する。O2−伝導性電解質膜113との界面では、CO 2−イオンからO2−イオンが脱離してCOガスが生成されるが、COガスはCO 2−伝導性電解質膜及びO2−伝導性電解質膜のいずれも透過できないため、膜界面に沿って移動し、炭酸ガス流通管16に排出されることになる。
CO 2−伝導性電解質膜としては、CO 2−イオン伝導性を有する電解質膜であれば選択することができ、陰イオン交換膜に用いられるような、例えば、酸素イオン伝導セラミックス(ジルコニア、セリア等)などで作製した電解質膜を挙げることができる。
上記の通り、CO 2−イオンがCO 2−伝導性電解質膜及びO2−伝導性電解質膜の界面に達すると、膜界面における電気化学反応によってCO 2−イオンはCOガスとO2−イオンとに変化するため、CO 2−伝導性電解質膜は、CO 2−イオン伝導性を有していれば後述のO2−伝導性電解質膜113と同材質の膜が用いられてもよい。
2−伝導性電解質膜113は、酸素イオン(O2−イオン)の伝導が可能な電解質膜であり、電圧印加により膜界面で生成したO2−イオンは、CO 2−伝導性電解質膜を透過できないが、O2−伝導性電解質膜内を透過するため、O2−イオンを電極18へ移動させる。電極18において、O2−イオンは再びOガスとなる。
2−伝導性電解質膜としては、O2−イオン伝導性を有する電解質膜であれば選択することができ、例えば、酸素イオン伝導セラミックス(ジルコニア、セリア等)などを挙げることができる。中でも、O2−イオンのみを選択的に透過し得る電解質膜が好ましい。
ガス分離部であるガス分離膜115は、CO 2−伝導性電解質膜112及びO2−伝導性電解質膜113が互いに接して界面を形成しているが、2種類の電解質膜の間に、イオン伝導性を有する他の層が配置された形態に構成されてもよい。他の層として、CO 2−伝導性電解質膜112及びO2−伝導性電解質膜113とは異なる材質の、表面に一端から他端に向けて伸びる凹状の溝(流路)が所定間隔で配列された凹凸構造を有する流路層が配置されてもよい。この点は、第1実施形態における場合と同様であるので、詳細な説明を省略する。
本実施形態のガス分離ポンプの作動温度は、電解質膜が固有に有する、ガス分離機能を発現するのに適した温度範囲とすることが好ましい。具体的には、
例えば、CO 2−伝導性電解質膜については、500℃〜800℃程度が好ましく、600℃〜700℃がより好ましい。
2−伝導性電解質膜については、500℃〜800℃程度が好ましく、600℃〜700℃がより好ましい。
本実施形態のガス分離ポンプによると、二酸化炭素及び酸素ガスを含有する混合ガスから二酸化炭素を高精度な選択性をもって分離することが可能である。したがって、本実施形態のガス分離ポンプを用いて炭酸ガス分離装置を提供することができる。
炭酸ガス分離装置の一例を図9に示す。炭酸ガス分離装置は、図9に示すように、混合ガスを供給するためのガス供給部であるガス供給管2の一端に、二酸化炭素を排出する燃焼器が接続され、かつ、二酸化炭素ガスを流通する炭酸ガス流通管16の一端に、ガス分離膜で分離されたCOガスを貯留するための貯留タンクが接続された装置であってもよい。
この場合、燃焼器で発生した二酸化炭素含有ガスがガス供給管2に排出され、酸素ガスが混合された混合ガスが電極17へ供給されると、上記のようにイオン化され、COガスとOガスとが分離される。分離されたCOガスは炭酸ガス流通管16を通じて貯留タンクに貯留される。一方、Oガスは、循環して再利用に供される。
燃焼器としては、自動車等の移動装置に搭載されたエンジン等の内燃機関、ボイラ、等が挙げられる。
貯留タンクとしては、気体を封入して貯めることができれば、一般に気体の貯留に使用されるものを適用することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態として、図4を参照して、ガス分離ポンプを備えた熱輸送装置(ヒートポンプ)の実施形態を説明する。第3実施形態の熱輸送装置は、既述の本発明のガス分離ポンプを搭載することで、昇圧されたアンモニアガスを所望に応じて系内に供給できるように構成されている。
第3実施形態の熱輸送装置100は、図4に示すように、第1の熱交換型反応器20と、第2の熱交換型反応器120と、第1の熱交換型反応器20と第2の熱交換型反応器120との間に接続されたガス分離ポンプ10と、を備えている。
なお、ガス分離ポンプ10は、第1実施形態におけるガス分離ポンプと同様であり、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
ガス分離ポンプ10は、ガス流通管2A及びアンモニアガス流通管6Bによって第2の熱交換型反応器120と接続され、かつ、アンモニアガス流通管6及びアンモニアガス流通管6Aによって第1の熱交換型反応器20と接続されており、ガス分離ポンプを経由して第1の熱交換型反応器20及び第2の熱交換型反応器120間にアンモニアガスを流通できるようになっている。そして、アンモニアの流通をガス分離ポンプにより昇圧しながら行うので、各熱交換型反応器における増熱効果に優れたものとなる。
アンモニアガス流通管6Aは、一端がアンモニアガス流通管6の配管途中で接続され、他端はガス流通管4Aと接続されている。アンモニアガス流通管6Aには、バルブV2が取り付けられており、第1の熱交換型反応器20からアンモニアが放出される場合にはバルブV2を開き(バルブV1は閉状態)、ガス分離膜へNHガスを流通する。逆に、第2の熱交換型反応器120からアンモニアが放出される場合には閉じられる(バルブV1は開状態)。
また、アンモニアガス流通管6Bは、一端がアンモニアガス流通管6の配管途中で接続され、他端はガス流通管2Aと接続されている。アンモニアガス流通管6Bには、バルブV3が取り付けられており、第1の熱交換型反応器20からアンモニアが放出される場合にはバルブV3を開き(バルブV2は開状態、バルブV1は閉状態)、第2の熱交換型反応器120へNHガスを流通する。逆に、第2の熱交換型反応器120からアンモニアが放出される場合には、バルブV3は閉じられる(バルブV2は閉状態、バルブV1は開状態)。
このように、バルブV1とともにバルブV2、V3の開閉を調節することにより、第1の熱交換型反応器20及び第2の熱交換型反応器120間におけるNHガスの相互流通が可能になっている。そして、NHガスの相互流通に際し、ガス分離膜を経由するので、第1の熱交換型反応器20又は第2の熱交換型反応器120に、昇圧されたNHガスを供給することが可能である。
ガス流通管4Aは、第1実施形態の水素ガス流通管4と同様に配置された配管であり、第1のガス流通部として、電極対の電極18と接続されている。そして、ガス流通管4Aは、第2の熱交換型反応器120からアンモニアが放出された場合は、ガス分離膜のH伝導性電解質膜13から排出されたHガスを流通し、逆に第1の熱交換型反応器20からアンモニアが放出された場合はNHガスを流通する。
ガス流通管2Aは、第1実施形態のガス供給管2と同様に配置された配管であり、第2のガス流通部として、電極対の電極17と接続されている。そして、ガス流通管2Aは、第1の熱交換型反応器20からアンモニアが放出された場合は、ガス分離膜のNH 伝導性電解質膜12から排出されたHガスを流通し、逆に、第1の熱交換型反応器20からアンモニアが放出された場合は、NHガスを流通する。
この場合、NH 伝導性電解質膜12は、H伝導性電解質膜として機能し、H伝導性電解質膜13は、NH 伝導性電解質膜として機能する。
かかる観点から、NH 伝導性電解質膜12及びH伝導性電解質膜13は、互いに重層されたガス分離部であるガス分離膜を形成しており、本実施形態のように構成される場合には、NH 伝導性電解質膜12及びH伝導性電解質膜13は同一の材質で形成されていることが好ましい。
これにより、まず第2の熱交換型反応器120からアンモニアを放出する場合は、NH イオンがNH 伝導性電解質膜12内を移動し、膜界面でNHガスを分離後、HイオンがH伝導性電解質膜13内を移動し、Hガスとして排出される。逆に、第1の熱交換型反応器20からアンモニアを放出する場合は、ガス分離膜に逆電圧を印加することで、電極18で生成したNH イオンはH伝導性電解質膜13内を移動し、膜界面でNHガスを分離後、HイオンがNH 伝導性電解質膜12内を移動し、Hガスとして排出されることになる。
図5は、図4における第1の熱交換型反応器20を模式的に示した図である。
第1の熱交換型反応器20は、図5に示すように、筐体22と、筐体22に設けられた複数の熱媒体流路26と、筐体22に設けられた複数の反応室24と、各反応室24内に収納され、蓄熱材を含む積層体30と、を有して構成されている。
筐体22内では、反応室24と熱媒体流路26とが交互に配置され、かつ、2つの熱媒体流路26が最も外側となるように配置されている。反応室24と熱媒体流路26とは隔壁を隔てて互いに分離されている。これらの構成により、外部から供給される熱媒体M1と反応室24内の蓄熱材成形体との間で熱交換を行えるようになっている。この実施形態では、反応室24、熱媒体流路26は、それぞれ扁平矩形状の開口端を有する角柱状空間とされている。この実施形態では、第1の熱交換型反応器20は、反応室24の開口方向(アンモニアの流れ方向)と熱媒体流路26の開口方向(熱媒体の流れ方向)とが側面視で直交する、直行流型の熱交換型反応器として構成されている。
本発明における反応器は、第1の熱交換型反応器20の例のように、前記蓄熱材が収納された反応室を2つ以上有し、前記熱媒体流路が少なくとも前記反応室間に配置された構成であることが好ましく、2つ以上の反応室と2つ以上の熱媒体流路とを有し、反応室と熱媒体流路とが交互に配置された構成であることがより好ましい。
第1の熱交換型反応器20における反応室24や熱媒体流路26の個数には特に限定はなく、第1の熱交換型反応器20に対し入出力する熱量や、蓄熱材成形体の伝熱面の面積(反応室内壁との接触面積)を考慮して適宜設定できる。
また、筐体22の材質としては、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、等)等の熱伝導性の高く、アンモニア耐食性のある材質が好適である。
図5に示すように、積層体30は、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが固定化されるときに放熱する2枚の蓄熱材成形体(蓄熱材成形体32A及び蓄熱材成形体32B;以下、これらをまとめて「蓄熱材成形体32A及び32B」ともいう)と、蓄熱材成形体32A及び32Bに挟持された支持体34と、から構成されている。図5では、積層体30の構成を見やすくするために、蓄熱材成形体32Aと、支持体34と、蓄熱材成形体32Bと、を分離して図示している。
但し、本発明における積層体の構成としては、このような蓄熱材成形体/支持体/蓄熱材成形体の3層構成を少なくとも有する構成であればよく、3層構成以外にも、例えば、蓄熱材成形体と支持体とが交互に配置され、かつ、最外層が蓄熱材成形体であるその他の構成(例えば、蓄熱材成形体/支持体/蓄熱材成形体/支持体/蓄熱材成形体の5層構成、等)であってもよい。
蓄熱材成形体32A及び32Bは、それぞれ、吸熱反応によりアンモニアが脱離するときに蓄熱し、発熱反応によってアンモニアが固定化されるときに放熱する蓄熱材を含む。
なお、本発明において反応器に収納される蓄熱材としては、蓄熱材成形体(例えば、蓄熱材成形体32A及び32B)に限定されるものではなく粉末の蓄熱材を用いることもできるが、反応器における熱交換の効率をより向上させる観点からは、蓄熱材成形体であることが好ましい。
本発明における蓄熱材は、配位反応によりアンモニアを固定化する化学蓄熱材、及び物理吸着によりアンモニアを固定化する物理吸着材の少なくとも一方を含むことが好ましい。蓄熱材の好ましい形態の詳細については後述する。
支持体34としては、支持体34の面に沿った方向(例えば、図5中の白抜き矢印の方向)にアンモニアガスを流通させることができる支持体を用いることが好ましい。これにより、2枚の蓄熱材成形体間にアンモニア蒸気の流路を確保することができるので、アンモニアガス流通管6から供給されたアンモニアガス(NH)を、蓄熱材成形体32A及び32Bの広い範囲に供給できる。更に、蓄熱材成形体32A及び32Bの広い範囲に吸着したアンモニアを支持体34を介してアンモニアガス流通管6に向けて放出することができる。
このような支持体34として、具体的には、波型プレート又は多孔体プレートを用いることが好ましい。
支持体34として多孔体プレートを用いた場合には、多孔体プレート内をアンモニアが通過する。
支持体34として波型プレートを用いた場合には、波型プレートとの蓄熱材成形体との間に生じる隙間をアンモニアガスが通過する。
図6は、特に、支持体として波型プレート36を用いた場合における第1の熱交換型反応器20及び第1の熱交換型反応器20内に収納される積層体40を概念的に示した図である。支持体である波型プレート36以外の構成は図5と同様である。
支持体として波型プレート36を用いた場合は、積層体40における波型プレート36と蓄熱材成形体32A及び32Bとの間に生じる隙間をアンモニアが通過する(図6中の白抜き矢印の方向)。
また、熱輸送装置100は、図4に示すように、第1の熱交換型反応器20とアンモニアガス流通管6とは、第1の熱交換型反応器20中の複数の反応室24とアンモニアガス流通管6とを気密状態で連通するヘッダ部材28(例えば、マニホールド等)を介して接続されている。これにより、複数の反応室24とアンモニアガス流通管6との間で気密状態でアンモニアを流通できるようになっている。
なお、図4では、第1の熱交換型反応器20及び第2の熱交換型反応器120の構成を見やすくするために、前記ヘッダ部材28、下記ヘッダ部材29A、下記ヘッダ部材29B、下記ヘッダ部材128、下記ヘッダ部材129A、下記ヘッダ部材129B、下記熱媒体配管27A、下記熱媒体配管27B、下記熱媒体配管127A、及び下記熱媒体配管127Bを、二点鎖線で表している。
また、図4に示すように、第1の熱交換型反応器20は、ヘッダ部材29A(例えば、マニホールド等)を介して熱媒体配管27Aに接続されるとともに、ヘッダ部材29B(例えば、マニホールド等)を介して熱媒体配管27Bに接続されている。第1の熱交換型反応器20内の複数の熱媒体流路26は、該ヘッダ部材29Aにより気密状態で熱媒体配管27Aに連通されるとともに、該ヘッダ部材29Bにより気密状態で熱媒体配管27Bに連通されている。これにより、熱媒体配管27A及び熱媒体配管27Bを通じ、第1の熱交換型反応器20内の熱媒体流路26と熱輸送装置100の外部(以下、単に「外部」や「系外」ともいう)との間で熱媒体M1を流通できるようになっている。
熱媒体M1としては、エタノール等のアルコール、水、油類、これらの混合物等、熱媒体として通常用いられる流体を用いることができる。
図4に示すように、アンモニアガス流通管6、6A及び6Bには、それぞれバルブV1、V2及びV3(いずれも弁)が設けられており、バルブV1の開閉によりアンモニア圧の差を調節できるようになっている。これにより、第1の熱交換型反応器20側のアンモニア圧と第2の熱交換型反応器120側のアンモニア圧との差をより効果的に保持できる。すなわち、バルブV1、V2及びV3を閉じた状態を維持することにより、アンモニア圧の差を長時間保持することができ、その後、バルブV1、V2及びV3の開度を調節することにより、一方の熱交換型反応器側から他方の熱交換型反応器側にアンモニアを輸送できる。このようにして、一方の熱交換型反応器側に蓄熱された熱を、他方の熱交換型反応器側で効率よく利用することができる。
図4に示すように、熱輸送装置100において、第2の熱交換型反応器120も第1の熱交換型反応器20と同様に、筐体122に、複数の反応室124と、各反応室124内に収納された積層体130と、複数の熱媒体流路126と、が設けられた熱交換型反応器となっている。積層体130の構成及び第2の熱交換型反応器120内の構成については、それぞれ、積層体30の構成及び第1の熱交換型反応器20内の構成と同様である。また、第2の熱交換型反応器120に接続する、ヘッダ部材128、129A、及び129B、並びに、熱媒体配管127A及び127Bの構成については、それぞれ、第1の熱交換型反応器20に接続する、ヘッダ部材28、29A、及び29B、並びに、熱媒体配管27A及び27Bの構成と同様である。第2の熱交換型反応器120内に供給される熱媒体M2としては、エタノール等のアルコール、水、油類、これらの混合物等、熱媒体として通常用いられる流体を用いることができる。
また、図示しないが、熱輸送装置100の外部において、熱媒体M1の流通経路と熱媒体M2の流通経路とは、互いに独立している。
また、熱輸送装置100には、装置内を排気するための排気手段(不図示)、装置内のアンモニア圧を測定するための圧力測定手段(不図示)等が接続されていてもよい。
次に、熱輸送装置100によって行われる熱輸送の例について説明する。
(放熱)
まず、第1の熱交換型反応器20に供給された熱を第2の熱交換型反応器120に輸送し、輸送された熱を第2の熱交換型反応器120から外部に放熱する熱利用の一例について説明する。この一例では、第1の熱交換型反応器20を熱入力側の反応器とし、第2の熱交換型反応器120を熱出力側の反応器としている。
この一例では、まず初期状態として、熱輸送装置100内(以下、「系内」ともいう)のアンモニアを第1の熱交換型反応器20側に集め、第1の熱交換型反応器20における蓄熱材にアンモニアが固定化された状態にし、その後バルブV1、V2及びV3を閉じる。熱輸送装置100を初期状態とする具体的な方法の例は、後述する「再生」の方法と同様である。
第1の熱交換型反応器20には、所定の温度(例えば−30℃〜10℃)に維持された熱媒体M1を流通させることにより、熱を供給する。上記所定の温度の熱媒体M1の流通は、放熱及び再生を通じて維持しておくことが好ましい。
第2の熱交換型反応器120には、外部の熱利用対象に向けて熱を放出するための熱媒体M2を流通させる。
この状態では、第1の熱交換型反応器20側のアンモニア圧が第2の熱交換型反応器120側のアンモニア圧よりも高くなっている。バルブV1、V2及びV3を閉じた状態を維持することで、第1の熱交換型反応器20側と第2の熱交換型反応器120側とのアンモニア圧の差を長時間保持することができる。
次に、バルブV1を閉じてバルブV2及びV3を開くと、アンモニア圧が高い第1の熱交換型反応器20から、相対的にアンモニア圧が低い第2の熱交換型反応器120に向けてアンモニアの輸送が行われる。このとき、第1の熱交換型反応器20では、吸熱反応によって第1の熱交換型反応器20中の蓄熱材からアンモニアが脱離する。この吸熱反応の維持は、第1の熱交換型反応器20への上記所定の温度(例えば−30℃〜10℃)の熱媒体M1の流通を維持することにより(即ち、第1の熱交換型反応器20への熱の供給を維持することにより)行われる。
そして、アンモニアガス(NHガス)は、アンモニアガス流通管6Aを通じてガス流通管4Aに入り、循環供給される水素ガスが混合されて電極18に達し、電気化学反応によりNHガスとHガスに分離される。NHガスは、アンモニアガス流通管6に昇圧状態で排出された後、アンモニアガス流通管6Bを流通して第2の熱交換型反応器120に流入する。このとき、Hガスは、ガス流通管2Aを通じて、再びガス流通管4A側に循環され、混合ガスの生成に供される。昇圧されたNHガスが第2の熱交換型反応器120に用いられるので、増熱効果が高い。
上記アンモニアの輸送により第2の熱交換型反応器120に到達したアンモニアは、第2の熱交換型反応器120における反応室124内の蓄熱材に、発熱反応により固定化される。この発熱反応により熱媒体M2が加熱され、加熱された熱媒体M2が外部の加熱対象に向けて放熱される。
以上のようにして、第1の熱交換型反応器20から第2の熱交換型反応器120へのアンモニアの輸送に伴い、第1の熱交換型反応器20に供給された熱が、第2の熱交換型反応器120側に輸送され、第2の熱交換型反応器120から放熱される。
(再生)
上記の放熱が継続されることにより第1の熱交換型反応器20内のアンモニアが減少した場合には、系内のアンモニアを再び第1の熱交換型反応器20側に集め、第1の熱交換型反応器20における蓄熱材成形体32A及び32Bにアンモニアを固定化させることにより、熱輸送装置100を初期状態に再生させる。
再生の具体的な方法の例としては、バルブV2及びV3を閉じてバルブV1を開いた状態で、第1の熱交換型反応器20への上記所定の温度(例えば−30℃〜10℃)の熱媒体M1の流通を維持したまま、第2の熱交換型反応器120における熱媒体流路126に高温(例えば、60℃〜100℃)に維持された熱媒体M2を流通させる方法が好適である。
これにより、吸熱反応によって第2の熱交換型反応器120からアンモニアが脱離するとともに、第2の熱交換型反応器120側から第1の熱交換型反応器20側にアンモニアが輸送される。このとき、ガス分離膜には、放熱時とは逆の電圧を印加する。吸熱反応により脱離したアンモニアには、循環供給される水素ガスが混合され、生成した混合ガスは、ガス流通管2Aを通じて電極17に達し、電気化学反応によりNHガスとHガスに分離される。NHガスは、アンモニアガス流通管6に昇圧状態で排出された後、そのまま第1の熱交換型反応器20に流入する。このとき、Hガスは、ガス流通管4Aを通じて、再びガス流通管2A側に循環され、混合ガスの生成に供される。昇圧されたNHガスが第2の熱交換型反応器120に用いられるので、増熱効果が高い。
第1の熱交換型反応器20に到達したアンモニアは、第1の熱交換型反応器20における反応室24内の蓄熱材成形体32A及び32Bに発熱反応により固定化される。
この発熱反応の維持は、例えば、第1の熱交換型反応器20への上記所定の温度(例えば−30℃〜10℃)の熱媒体M1の流通を維持することにより行われる。
熱輸送装置100では、上記の放熱及び再生を繰り返し行うことができる。
なお、上記放熱及び再生では、反応器への熱の供給を熱媒体の流通により行う例を示したが、反応器への熱の供給は、不図示の温度調節機構によって行ってもよい。
以上の実施形態の例で説明したように、本発明の熱輸送装置は、2つ以上の反応器間に生じたアンモニア圧の差を利用してアンモニアを一方から他方に輸送することにより熱を輸送する装置である。
図7は、アンモニア(NH)及び水(HO)の飽和蒸気圧曲線である。図7に示すように、アンモニアは、水と比較して比較的低温においても高い飽和蒸気圧を示す。例えば、−30℃〜0℃の範囲においても大気圧レベル以上のアンモニア蒸気圧を確保できる。このため、本発明の熱輸送装置によれば比較的低温(例えば、−30℃〜+30℃)の条件下においても、アンモニア蒸気の配管内流動に伴う圧力損失を抑えることができるので、熱輸送性に優れる。例えば、本実施形態の熱輸送装置によれば、長い距離(例えば1000mm〜5000mm、更には2000mm〜5000mm)の熱輸送を行うことができる。
(蓄熱材)
次に、本発明における反応器に収納される蓄熱材の好ましい範囲について説明する。
前記蓄熱材は、配位反応によりアンモニアを固定化する化学蓄熱材、及び物理吸着によりアンモニアを固定化する物理吸着材の少なくとも一方を含むことが好ましい。
前記化学蓄熱材を含む蓄熱材を用いることで、反応器における蓄熱密度をより高くすることができるので、熱輸送装置全体としての蓄熱密度をより高くすることができる。従って、本発明における2つ以上の反応器のうち少なくとも1つは、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが配位反応により固定化されるときに放熱する化学蓄熱材を含む蓄熱材が収納された反応器であることが好ましい。また、化学蓄熱材は物理吸着材と比較して種類による蓄熱温度の差が大きいことから(後述の図8参照)、化学蓄熱材を含む蓄熱材が収納された反応器を用いることで、化学蓄熱材の種類の選定により熱輸送装置の作動温度や作動アンモニア圧等の動作条件の選択の幅を広げることができる。したがって、熱利用の対象に合わせ、作動アンモニア圧や作動温度を広い範囲から選定できる。
一方、前記物理吸着材を含む蓄熱材を用いることで、反応器において、アンモニアの固定化及び脱離に要する熱量をより小さくすることができるので、熱輸送装置全体としての熱輸送の制御性がより向上する。従って、本発明における2つ以上の反応器のうちの少なくとも1つは、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが物理吸着により固定化されるときに放熱する物理吸着材を含む蓄熱材が収納された反応器であることも好ましい。
次に、本発明における2つ以上の反応器(例えば、第1の熱交換型反応器20及び第2の熱交換型反応器120を含む2つ以上の反応器)の組み合わせの好ましい例について説明する。
本発明において、2つ以上の反応器の具体的な組み合わせとしては、(1)化学蓄熱材を含む反応器と化学蓄熱材を含む反応器とを少なくとも有する組み合わせ(以下、「組み合わせ(1)」ともいう)、(2)物理吸着材を含む反応器と物理吸着材を含む反応器とを少なくとも有する組み合わせ(以下、「組み合わせ(2)」ともいう)、又は(3)物理吸着材を含む反応器と化学蓄熱材を含む反応器とを少なくとも有する組み合わせ(以下、「組み合わせ(3)」ともいう)が好ましく、上記の組み合わせ(1)又は組み合わせ(3)がより好ましい。
特に、上記の組み合わせ(1)又は組み合わせ(3)では、アンモニアの固定化及び脱離に要する熱量が相対的に大きい蓄熱材を含む反応器と、アンモニアの固定化及び脱離に要する熱量が相対的に小さい蓄熱材を含む反応器と、を組み合わせることがより容易となる。このため、蓄熱材の組み合わせの選択により、反応器間での反応熱量の差により、小さな熱入力で大きな熱出力を得ることができる。
上記の組み合わせの中でも、上記の組み合わせ(3)が特に好ましい。
上記の組み合わせ(3)によれば、熱交換装置全体としては、化学蓄熱材を含む反応器によってより高い蓄熱密度が得られるとともに、物理吸着材を含む反応器によってアンモニアの固定化及び脱離の制御をより容易とすることができる。
更に、上記の組み合わせ(3)では、物理吸着材と比較してアンモニアの固定化及び脱離に要する熱量が大きい性質を有する化学蓄熱材と、化学蓄熱材と比較してアンモニアの固定化及び脱離に要する熱量が小さい性質を有する物理吸着材と、を用いる。このため、反応器間での反応熱量の差を利用して、物理吸着材を含む反応器側に小さい熱量の熱を供給する場合においても、化学蓄熱材を含む反応器側でより大きな熱量を放熱することができる。
例えば、アンモニア1molの固定化及び脱離に要する熱量は、化学蓄熱材(例えば、LiCl、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MnCl、CoCl、NiCl、等)では40kJ/mol〜60kJ/molであるのに対し、物理吸着材(例えば、活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、シリカゲル、粘土鉱物、等)では、20kJ/mol〜30kJ/molである。
例えば、前述の「放熱」の例において、第1の熱交換型反応器20に収納される蓄熱材として物理吸着材を含む蓄熱材を用い、かつ、第2の熱交換型反応器120に収納される蓄熱材として化学蓄熱材を含む蓄熱材を用いることで、第2の熱交換型反応器120において、第1の熱交換型反応器20に流通させる熱媒体M1の温度よりも30℃程度高い温度の熱を放熱できる。
−化学蓄熱材−
次に、前記化学蓄熱材の好ましい形態について更に詳細に説明する。
前記化学蓄熱材としては、反応器における蓄熱密度をより高くする観点からは、金属塩化物が好ましく、アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、又は遷移金属の塩化物がより好ましく、LiCl、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MnCl、CoCl、又はNiClが特に好ましい。
前記金属塩化物は、一種単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
図8は、LiCl、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MnCl、CoCl、NiClの各金属塩化物について、蓄熱温度(℃)と蓄熱密度(kJ/kg)との関係を表した図である。
蓄熱温度(℃)は、各金属塩化物について、アンモニアを脱離できる温度の一例を示している。蓄熱密度(kJ/kg)は、各金属塩化物1kg当たりがアンモニアの脱離により蓄熱できる熱量(kJ)を示している。
図8に示すように、LiCl、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MnCl、CoCl、及びNiClは、約800kJ/kg〜1400kJ/kgという高い蓄熱密度を示す。また、蓄熱温度は金属塩化物の種類によって異なり、約30℃〜220℃の範囲である。
本実施形態においては、作動アンモニア圧や作動温度に合わせて、金属塩化物の種類を適宜選定することができる。従って、熱利用の対象に合わせ、作動アンモニア圧や作動温度を選定できる幅が広がる。
例えば、熱輸送装置の作動温度を低くする場合には、BaCl、CaCl、SrClを選択することができ、熱輸送装置の作動温度を高くする場合には、NiClを選択することができる。
本発明における蓄熱材が前記化学蓄熱材を含む場合、該化学蓄熱材は蓄熱材中に、一種含まれていてもよいし二種以上含まれていてもよい。
本発明における蓄熱材が前記化学蓄熱材を含む場合、該蓄熱材は前記化学蓄熱材以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、アルミナ、シリカ等のバインダー成分、カーボンファイバー等の熱伝導補助材、等が挙げられる。
但し、本発明における蓄熱材が前記化学蓄熱材を含む場合において、蓄熱密度をより向上させる観点からは、蓄熱材中における前記化学蓄熱材の含有量は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
また、化学蓄熱材を含む蓄熱材を蓄熱材成形体に成形する場合、その成形方法については特に限定はなく、例えば、化学蓄熱材(及び必要に応じバインダー等のその他の成分)を含む蓄熱材(又は該蓄熱材を含むスラリー)を、加圧成形、押し出し成形、等の公知の成形手段により成形する方法が挙げられる。
前記成形の圧力としては、例えば、20MPa〜100MPaが挙げられ、20MPa〜40MPaが好ましい。
−物理吸着材−
次に、前記物理吸着材の好ましい形態について更に詳しく説明する。
前記物理吸着材としては、多孔体を用いることができる。
前記多孔体としては、物理吸着によるアンモニアの固定化及び脱離の反応性をより向上させる観点からは、10nm以下の細孔を持つ多孔体が好ましい。
前記細孔のサイズの下限としては、製造適性等の観点から、0.5nmが好ましい。
前記多孔体としては、同様の観点より、平均1次粒子径50μm以下の1次粒子が凝集して得られた1次粒子凝集体である多孔体が好ましい。
前記平均1次粒子径の下限としては、製造適性等の観点から、1μmが好ましい。
前記多孔体の具体例としては、活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、シリカゲル、粘土鉱物等が挙げられる。
前記活性炭としては、BET法による比表面積が800m/g以上2500m/g以下(より好ましくは1800m/g以上2500m/g以下)である活性炭が好ましい。
前記粘土鉱物としては、非架橋の粘土鉱物であっても、架橋された粘土鉱物(架橋粘土鉱物)であってもよい。前記粘土鉱物としてはセピオライト等が挙げられる。
本発明における蓄熱材が物理吸着材(好ましくは前記多孔体)を含む場合、該蓄熱材は、前記物理吸着材(好ましくは前記多孔体)を一種単独で含んでいてもよいし二種以上を含んでいてもよい。
本発明においては、作動アンモニア圧や作動温度に合わせて、物理吸着材(好ましくは前記多孔体)の種類を適宜選定することができる。
物理吸着によるアンモニアの固定化及び脱離の反応性をより向上させる観点からは、前記物理吸着材は活性炭を少なくとも含むことが好ましい。
本発明における蓄熱材が物理吸着材を含む場合において、前記蓄熱材中における物理吸着材の含有量は、アンモニアの固定化及び脱離の反応性をより高く維持する観点より、80体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましい。
また、本発明における物理吸着材を含む蓄熱材を成形体(蓄熱材成形体)として用いる場合、該蓄熱材は、前記物理吸着材に加えてバインダーを含むことが好ましい。前記蓄熱材がバインダーを含むことにより、前記蓄熱材成形体の形状がより効果的に維持されるので、物理吸着によるアンモニアの固定化及び脱離の反応性がより向上する。
前記バインダーとしては、水溶性バインダーの少なくとも1種であることが好ましい。
前記水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、トリメチルセルロース、等が挙げられる。
本発明における蓄熱材が物理吸着材及びバインダーを含む場合、該蓄熱材中におけるバインダーの含有量は、前記蓄熱材成形体の形状をより効果的に維持する観点より、5体積%以上であることが好ましく、10体積%以上であることがより好ましい。
本発明における蓄熱材が物理吸着材及びバインダーを含む場合、必要に応じ、前記物理吸着材及び前記バインダー以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、カーボンファイバー等の熱伝導補助材、等が挙げられる。
また、物理吸着材を含む蓄熱材を蓄熱材成形体に成形する場合、その成形方法については特に限定はなく、例えば、物理吸着材(及び必要に応じバインダー等のその他の成分)を含む蓄熱材(又は該蓄熱材を含むスラリー)を、加圧成形、押し出し成形、等の公知の成形手段により成形する方法が挙げられる。
前記成形の圧力としては、例えば、20MPa〜100MPaが挙げられ、20MPa〜40MPaが好ましい。
(反応室の好ましい形態)
次に、前記熱交換型反応器における反応室(例えば、前記第1の熱交換型反応器20における反応室24、及び、前記第2の熱交換型反応器120における反応室124)の好ましい形態について、前記第1の熱交換型反応器20における反応室24を例として説明する。
前記第1の熱交換型反応器20における反応室24は、内壁が前記蓄熱材成形体32A及び32Bとの接触部分を有していることが好ましい。より好ましくは、反応室24の内壁と、前記蓄熱材成形体32A及び32Bにおける一方の主面と、が接触している形態(即ち、蓄熱材成形体が、反応室の内壁と、支持体表面と、によって挟持されている形態)である。
即ち、蓄熱材成形体32A及び32Bが、それぞれ、反応室24の内壁及び支持体34の表面との接触を保った状態となっていることが好ましい。
反応室24の内壁が前記蓄熱材成形体32A及び32Bとの接触部分を有する構成によれば、反応室24の内壁を通じ、第1の熱交換型反応器と蓄熱材成形体との間での熱交換をより効果的に行うことができる。また、一般に、蓄熱材成形体を繰り返し使用すると、アンモニアの固定化及び脱離により蓄熱材成形体が体積膨張収縮を繰り返し、蓄熱材成形体に割れ(クラックを含む)や微粉化が生じる場合があるが、上記構成によれば、この繰り返し使用時における蓄熱材成形体の割れ(クラックを含む)や微粉化をより効果的に抑制できる。
前記第2の熱交換型反応器120における反応室124の好ましい形態についても、前記第1の熱交換型反応器20における反応室24と同様である。
また、上記の第3実施形態における熱輸送装置100では、2つの反応器のみ(第1の熱交換型反応器20及び第2の熱交換型反応器120)を接続した構成としたが、熱輸送装置100はさらに他の反応器を備えた形態でもよい。すなわち、第1の熱交換型反応器20には、更に、第2の熱交換型反応器120以外の他の反応器の少なくとも1つがガス分離ポンプ10を介して接続されていてもよい。この際、第1の熱交換型反応器20と2つ以上の反応器とが、分岐を有する1つのガス供給管によって接続されていてもよいし、第1の熱交換型反応器20と2つ以上の反応器とが、分岐を有しない2つ以上のガス供給管によってそれぞれ独立に接続されていてもよい。また、第1の熱交換型反応器20と3つ以上の反応器とが、分岐を有するガス供給管1つ以上と、分岐を有しないガス供給管1つ以上と、によって接続されていてもよい。
その他の反応器としては、例えば、第1の熱交換型反応器20及び第2の熱交換型反応器120と同様に、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが固定化されるときに放熱する蓄熱材が収納された反応器を用いることができる。
また、各熱交換型反応器は熱媒体流路を備えているが、熱媒体流路に代えて(または熱媒体流路に加えて)、ヒーター等の温度調節手段を備えた反応器を用いてもよい。
本発明のガス分離ポンプは、混合ガスの分離が要求される分野、混合ガス中の特定のガス成分を分離して利用、回収等する分野、混合ガス中のガス成分を分離して昇圧した状態で利用する分野などに好適に利用することができる。
特に、混合ガス中の水素ガス、炭酸ガス、アンモニアガス等を分離し、昇圧状態のガスとする場合に好適である。
2・・・ガス供給管
4・・・水素ガス流通管
6、6A、6B・・・アンモニアガス流通管
10・・・ガス分離ポンプ
12・・・NH 伝導性電解質膜
13・・・H伝導性電解質膜
13C・・・流路
15・・・ガス分離膜
16・・・炭酸ガス流通管
17、18・・・電極
20・・・第1の熱交換型反応器
112・・・CO 2−伝導性電解質膜
113・・・O2−伝導性電解質膜
120・・・第2の熱交換型反応器
30、40、130・・・積層体
32A、32B・・・蓄熱材成形体
100・・・熱輸送装置

Claims (12)

  1. 一対の電極と、
    前記一対の電極の一方と電気的に接続された第1の電解質膜、及び前記一対の電極の他方と電気的に接続され、かつ、前記第1の電解質膜と電気的に直列に接続された第2の電解質膜を含むガス分離部と、
    前記第1の電解質膜に接続された前記一方の電極に混合ガスを供給するガス供給部と、
    電圧印加により前記ガス分離部で分離され、かつ、前記第2の電解質膜より排出された、前記混合ガス中の第1ガス成分を流通する第1のガス流通部と、
    電圧印加により前記ガス分離部で分離され、前記第1の電解質膜及び前記第2の電解質膜間から排出された、前記混合ガス中の第2ガス成分を流通する第2のガス流通部と、
    を備え、
    前記第1の電解質膜及び前記第2の電解質膜がそれぞれスルホン酸基を有する高分子膜であるか、又は前記第1の電解質膜及び前記第2の電解質膜がそれぞれ酸素イオン伝導セラミックスの膜であり、
    前記第1の電解質膜及び前記第2の電解質膜の間に、前記第2ガス成分を排出する流路を有する、ガス分離ポンプ。
  2. 前記第1の電解質膜が、アンモニウムイオンが伝導する電解質膜であり、前記第2の電解質膜が、水素イオンが伝導する電解質膜である請求項1に記載のガス分離ポンプ。
  3. 前記混合ガスは、水素ガス及びアンモニアガスを含む請求項2に記載のガス分離ポンプ。
  4. 前記第1の電解質膜が、炭酸イオンを伝導する電解質膜であり、前記第2の電解質膜が、酸素イオンを伝導する電解質膜である請求項1に記載のガス分離ポンプ。
  5. 前記混合ガスは、炭酸ガス及び酸素ガスを含む請求項4に記載のガス分離ポンプ。
  6. 前記第1の電解質膜及び前記第2の電解質膜は、互いに接触されて配置されている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のガス分離ポンプ。
  7. アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが固定化されるときに放熱する蓄熱材が収納された2つ以上の反応器と、
    前記2つ以上の反応器と接続された、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のガス分離ポンプと、
    を備え、
    前記2つ以上の反応器間に生じたアンモニア圧の差を利用してアンモニアを前記反応器の一方から他方に輸送することにより熱を輸送する熱輸送装置。
  8. 前記第2のガス流通部に弁を有し、前記弁の開度の調節によりアンモニア圧の差を調節する請求項7に記載の熱輸送装置。
  9. 前記2つ以上の反応器の少なくとも1つは、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが配位反応により固定化されるときに放熱する化学蓄熱材を含む蓄熱材が収納された反応器である請求項7又は請求項8に記載の熱輸送装置。
  10. 前記2つ以上の反応器の少なくとも1つは、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが物理吸着により固定化されるときに放熱する物理吸着材を含む蓄熱材が収納された反応器である請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  11. 前記2つ以上の反応器は、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが配位反応により固定化されるときに放熱する化学蓄熱材を含む蓄熱材が収納された反応器と、アンモニアが脱離するときに蓄熱しアンモニアが物理吸着により固定化されるときに放熱する物理吸着材を含む蓄熱材が収納された反応器と、を含む請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  12. 請求項4又は請求項5に記載のガス分離ポンプを備え、混合ガス中の炭酸ガスを分離する炭酸ガス分離装置。
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