JP2014180726A - 多関節ロボットのバネ定数補正装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロボットコントローラに含まれる弾性変形補償部は、この多関節ロボットの各軸における慣性項(J)、非線形項(C)、重力項(G)および補正前のバネ定数(K)を取得して(S4)、ウィービング端点位置での誤差を抽出し(S5)、ヤコビ行列を用いて位置誤差をロボット関節角度誤差へ変換し(S6)、ウィービング端点位置での推定トルクを多関節ロボットのモデルを用いて算出し(S7)、多関節ロボットの姿勢を変化させて算出された複数組のウィービング時のロボット関節角度誤差(S6にて算出)および推定トルク(S7にて算出)により、バネ定数を補正するために用いる誤差dEを算出して、バネ定数を補正(更新)する。
【選択図】図4
Description
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、複数軸を備えた多関節ロボットにおいて、減速器がバネ要素として作用して弾性変形する多関節ロボットにおいて、バネ定数を簡便に補正することのできる、多関節ロボットのバネ定数補正装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る多関節ロボットのバネ定数補正装置は、減速器がバネ要素として作用して弾性変形する多関節ロボットに適用される。前記多関節ロボットは、ロボットコントローラに含まれる弾性変形補償部により前記バネ要素のバネ定数に基づいて弾性変形が補償された状態で動作される。前記バネ定数補正装置は、前記多関節ロボットが前記弾性変形が補償された状態で動作されている時にセンサにより計測された前記多関節ロボットの先端の位置および姿勢の計測値と、前記多関節ロボットの先端の位置および姿勢の目標値とを比較する比較部と、前記比較部により比較された結果を用いて、前記バネ定数を補正する補正部とを含むことを特徴とする。
多関節ロボットのモデルにより算出して、前記ロボット関節角度誤差と推定トルクとの関係に基づいてバネ定数誤差を算出して、前記算出されたバネ定数誤差を用いてバネ定数を補正するように構成することができる。
さらに好ましくは、前記多関節ロボットにおける先端の位置のみを前記センサにより計測して、前記多関節ロボットにおける先端の姿勢は目標姿勢と同じであると仮定として、前記バネ定数誤差を算出するように構成することができる。
[全体構成]
まず、本実施の形態に係るバネ定数補正装置が適用される垂直多関節ロボット(以下、単に多関節ロボットと記載する場合がある)の概要について説明する。なお、以下の説明においては、本実施の形態に係るバネ定数補正装置が適用される多関節ロボットは、溶接用途のロボットとして説明するが本発明はこのような溶接ロボットに限定して適用されるものではない。
減速器5は弾性要素としてモデル化することができるので、この弾性係数(バネ定数)をKとし、モータ2側の回転角度をθmとして、アーム4側の回転角度をθlとすると、アーム4側のトルクτlは、τl=K・(θl−θm)で表すことができる。
[制御装置]
図1に示した多関節ロボット1の各軸の動作は、図3に示すロボットコントローラ10
によりサーボ制御される。このロボットコントローラ10は、教示ペンダントを備え、このロボットコントローラ10により(より詳しくは弾性変形補償部11により)、本実施の形態に係るバネ定数補正装置が実現されている。なお、このロボットコントローラ10およびは弾性変形補償部11により本実施の形態に係るバネ定数補正装置が実現されるのではなく、本実施の形態に係るバネ定数補正装置が、ロボットコントローラ10に接続された上位コンピュータ(上位CPU)により実現される態様であっても構わないし、他の態様で実現されるものであっても構わない。
ロボットコントローラ10は、サーボ制御として、多関節ロボット1に取り付けられたツール(ここでは溶接トーチ)に所望の動作(ここではウィービング動作)を行わせるように複数の関節軸を駆動させる。なお、図3にはこのサーボ制御の制御ブロックについては、公知技術等を適用すれば良いために詳細には記載していない。
図4に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係るバネ定数補正処理方法の詳細について説明する。なお、以下の説明では、6軸のうちの1軸について説明する。
ステップ(以下ステップをSと記載)1にて、弾性変形補償部11は、左右ウィービング検査処理を実行する。このとき、たとえば、ロボットコントローラ10を検査モードにしてサーボ制御を手動で作動させて、多関節ロボット1のアーム先端を左右にウィービング動作させる。このとき、図5に示すように、ウィービング先端位置の座標データ(たとえば垂直方向(Z方向)、水平方向(X方向))が取得されて記憶される。
取得する。このとき、たとえばロボットコントローラ10や上位コンピュータに記憶された、この多関節ロボット1の各軸における慣性項(J)、非線形項(C)、重力項(G)および補正前のバネ定数(K)が取得される。なお、バネ定数は繰り返し処理の過程において上書きされるので、このS4においては前回補正処理により計算されて記憶されたバネ定数、または、バネ定数の初期値が取得されることになる。
x、y、z:ロボット先端の位置座標
α、β、γ:ロボット先端の姿勢角度(オイラー角またはロール・ピッチ・ヨー角)
である。
ここで、上述した6つの自由度(x、y、z、α、β、γ)の全てについて計測できることが好ましいが、最低限として2つの自由度(たとえば左右振りのウィービングである場合には主要な動作方向である水平方向および垂直方向の2つ)のみを計測するだけで、dα、dβ、dγ=0と仮定し(先端の姿勢は目標姿勢と同じであると仮定)、dxまたはdy=0と仮定すれば、ロボット先端位置(または姿勢)を計測するためのセンサが2つのみの場合でも、本実施の形態に係るバネ定数補正処理方法を実現することができる。すなわち、このような仮定の下で、先端位置計測センサ12は最低で2個あれば、本実施の形態に係るバネ定数補正処理を実現することができる。なお、本発明は、このような仮定の下での発明に限定されるものではない。
このとき、S6およびS7の処理は、左右ウィービング検査の結果が合格になるまで(S2にてYESになるまで)、繰り返し実行されることになる。この場合において、多関節ロボット1における姿勢が変化されてウィービング時のロボット関節角度誤差および推定トルクが複数組算出される。このため、図6に示すように、複数の点が(ある相関関係を持って)点在することになる。すなわち、ウィービング検査にて(S1にて)、複数のロボット姿勢にてウィービング検査を行い、各ロボット姿勢にて計測されたデータごとに、図6の点が1点計算されるために、図6においては、S1における検査したロボットの姿勢の数だけの点が存在することになる。この図6に示すように、重み付き最小二乗法による1次関数の傾き(図示した直線で示される相関関係)が、バネ定数を補正する誤差dEとして算出されて、式(5)に代入されて、更新後(補正後)のバネ定数が算出されて、記憶される。その後、処理は、S1へ戻される。
多関節ロボット1の左右ウィービング検査が行われ、アーム先端を左右にウィービング動作させて、時間軸に対してウィービング端点位置(先端位置)の座標データ(たとえばX値)が取得されて記憶される(S1)。左右ウィービング検査の結果が合格と判定されないと(S2にてNO)、更新前(初回は初期値)のバネ定数を含む各種ロボットパラメータが取得される(S4)。
以上のようにして、本実施の形態に係る多関節ロボットのバネ定数補正装置を用いることにより、ウィービング動作が必要なアーク溶接に好適な多関節ロボットにおいて、多関節ロボットの動力伝達系の減速器のバネ要素を簡便に補正することができる。すなわち、ロボットコントローラの弾性変形補償部による制御(バネ定数初期値に基づいて補償)された状態での先端位置のずれがバネ定数によるずれであると仮定して、バネ定数初期値を算出された誤差を用いて補正する。この誤差を算出するにあたり、従来は同期させて取得したモータの内界データおよびロボット先端位置データ(外界データ)を用いて弾性変形の絶対量を算出していたが、本実施の形態においては、バネ定数からの相対変化(誤差)に着目することにより、かつ、内界データ(モータ角度)を用いることなく外界データ(
先端位置データ)からモデルを用いて角度誤差を算出することにより、バネ定数を簡便に補正することができるようになった。
10 ロボットコントローラ
11 弾性変形補償部
12 先端位置計測センサ
13 目標位置比較部
14 バネ定数補正部
15 各軸モータ
Claims (4)
- 減速器がバネ要素として作用して弾性変形する多関節ロボットに適用されるバネ定数補正装置であって、前記多関節ロボットは、ロボットコントローラに含まれる弾性変形補償部により前記バネ要素のバネ定数に基づいて弾性変形が補償された状態で動作され、
前記バネ定数補正装置は、
前記多関節ロボットが前記弾性変形が補償された状態で動作されている時にセンサにより計測された前記多関節ロボットの先端の位置および姿勢の計測値と、前記多関節ロボットの先端の位置および姿勢の目標値とを比較する比較部と、
前記比較部により比較された結果を用いて、前記バネ定数を補正する補正部と、
を含むことを特徴とするバネ定数補正装置。 - 前記補正部は、
前記比較部により比較された結果である先端の位置および姿勢の誤差をロボット関節角度誤差へ変換して、
ウィービング先端位置での推定トルクを多関節ロボットのモデルにより算出して、
前記ロボット関節角度誤差と推定トルクとの関係に基づいてバネ定数誤差を算出して、前記算出されたバネ定数誤差を用いてバネ定数を補正することを特徴とする、請求項1に記載のバネ定数補正装置。 - 前記補正部は、前記ロボット関節角度誤差と推定トルクとの関係に基づいて、最小二乗法を用いてバネ定数誤差を算出することを特徴とする、請求項2に記載のバネ定数補正装置。
- 前記多関節ロボットにおける先端の位置のみを前記センサにより計測して、前記多関節ロボットにおける先端の姿勢は目標姿勢と同じであると仮定として、前記バネ定数誤差を算出することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバネ定数補正装置。
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