以下、本発明に係る遊技機の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下においては、ステップを「S」と略記する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の正面図である。図2は、図1に示す飾り部材90の拡大斜視図である。図3は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠(図示せず)とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘が植設されている。釘は、植設角度の調整等の所謂釘調整をすることにより、遊技球の流下方向を調整可能な流下方向調整手段としての機能を有する。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示,更新表示,又は巡回表示ともいう)を行う変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、例えば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。
演出表示装置9では、後述する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示及びその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。即ち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(又は、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。即ち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(又は、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(又は、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件又は第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態の終了までの期間内ではないこと)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が進入したこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行う権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。RAM55には、第1保留記憶バッファ及び第2保留記憶バッファ、並びに保留特定領域が形成されている。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(例えば4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(例えば4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。第1始動入賞又は第2始動入賞が生じた場合には、RAM55の保留特定領域において、始動入賞順に、第1始動入賞の場合には「第1」のデータが設定され、第2始動入賞の場合には「第2」のデータが設定されることになる。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、CPU56は、第1保留記憶数の値が上限値(4)に達していなければ、乱数回路503や大当り種別判定用乱数等のソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから抽出した値を、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納し、保留特定領域において「第1」のデータを設定する処理を実行する。さらに第1保留記憶数を1加算すると共に合算保留記憶数(第1保留記憶数+第2保留記憶数)を更新する。遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、CPU56は、第2保留記憶数の値が上限値(4)に達していなければ、乱数回路503や大当り種別判定用乱数等のソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから抽出した値を、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納し、保留特定領域において「第2」のデータを設定する処理を実行する。さらに、第2保留記憶数を1加算すると共に合算保留記憶数(第1保留記憶数+第2保留記憶数)を更新する。
また、CPU56は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態の終了までの期間内ではなく、かつ、合算保留記憶数が0でないことを条件として、特別図柄の可変表示を開始する。
CPU56は、特別図柄の可変表示を開始するときに、保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータである場合には、第1保留記憶バッファから読み出した乱数に基づいて大当りとするか否か(大当り図柄を導出表示するか否か)を判定すると共に、大当りとすると判定した場合にはさらに大当り種別を決定する。そして、第1保留記憶数を1減算し、合算保留記憶数を更新し、保留特定領域及び第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトすると共に、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示を開始する。そして、判定結果に応じて大当り図柄(決定した大当り種別に応じた大当り図柄)又ははずれ図柄を導出表示する制御を実行する。
CPU56は、特別図柄の可変表示を開始するときに、保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが「第2」を示すデータである場合には、第2保留記憶バッファから読み出した乱数に基づいて大当りとするか否か(大当り図柄を導出表示するか否か)を判定すると共に、大当りとすると判定した場合にはさらに大当り種別を決定する。そして、第2保留記憶数を1減算し、合算保留記憶数を更新し、保留特定領域及び第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトすると共に、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示を開始する。そして、判定結果に応じて大当り図柄(決定した大当り種別に応じた大当り図柄)又ははずれ図柄を導出表示する制御を実行する。
CPU56は、特別図柄の可変表示開始に伴い、保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータである場合には、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納し、保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが「第2」を示すデータである場合には、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」又は「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(又は、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出される順番は、常に、第1保留記憶数(又は、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出される順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
演出表示装置9は、遊技領域7の中央部に設けられ、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、及び第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点及び終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが大当り表示結果として停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、及び、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行い表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9では、変動表示を開始するときに、例えば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(例えば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
遊技領域7は、遊技者の選択により遊技球を打ち込む領域が変更可能となる複数の領域を含む。本実施の形態の場合、遊技領域7は、遊技領域の左右方向の中央部を境界として左側の領域が左領域7aと呼ばれ、右側の領域が右領域7bと呼ばれる。なお、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7の中央部を境界として左右に分けるもの以外に、例えば、遊技領域7の中央から左又は右に偏在した位置を境界として左右に分けるものであってもよい。例えば、演出表示装置9等の装置が設けられる飾り部材90は、遊技領域7の中央から左又は右に偏在して設けられる場合があるが、そのような場合に、遊技領域7の中央から左又は右に偏在した当該飾り部材の頂点を中心として左右に領域が分けられたものであってもよい。つまり、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7において、ある位置を中心として遊技領域が複数に分けられているものであればどのような領域分けが行われてもよい。また、このように、左領域7aと右領域7bとの複数の領域を含む場合において、遊技球が左領域7aへ流れるように左領域7aを狙って遊技球を打ち込むことが「左打ち」と呼ばれ、遊技球が右領域7bへ流れるように右領域7bを狙って遊技球を打ち込むことが「右打ち」と呼ばれる。
パチンコ遊技機1においては、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ち又は左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打ち込む領域を変更することができる。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞(進入)可能な第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、遊技領域7の左右方向の中央部に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。本実施の形態の場合、第1始動入賞口13は、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物及び釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13の右側方部における右領域7bには、遊技球が入賞(進入)可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。可変入賞球装置15は、左右一対の可動片18を備え、可動片18の状態により、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と遊技球が入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものである。可動片18の上方には、上方からの遊技球の入賞を阻止するストッパ部材17が設けられており、閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない構造とされている。可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物及び釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(即ち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい(例えば、ストッパ部材17を設けない構成例)。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくい又は入賞しない状態であればよい。つまり、可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくい又は入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口又は始動口ということがある。
また、遊技領域7には、遊技球の入賞に基づいて予め定められた所定数の賞球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30も設けられている。入賞口29,30に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30aで検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば「○」及び「×」)を変動表示する。
演出表示装置9の右側方の右領域7bにおいては、遊技球が進入して通過可能な普図ゲート32が設けられている。普図ゲート32においては、進入した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。普図ゲート32には、普図ゲート32に進入(通過)した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。
遊技球が普図ゲート32を通過し普図ゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。即ち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、普図ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えばLED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。普図ゲート32への遊技球の通過があるごとに、即ち普図ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数即ち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶又は始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えばLED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞(第1保留記憶数が上限値に達していない状態での第1始動入賞)があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数即ち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えばLED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞(第2保留記憶数が上限値に達していない状態での第2始動入賞)があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域としての合算保留記憶表示部18cが設けられている。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられることにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とのそれぞれの表示領域が設けられるようにしてもよい。
第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、及び、合算保留記憶表示部18cで行われる保留記憶数等の保留記憶に関する表示は、保留記憶表示と呼ばれる。このように、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、及び、合算保留記憶表示部18cでは、変動表示を行う権利の数を視認可能な態様で各権利に対応する保留記憶表示が行われる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
遊技領域7の中央の領域においては、演出表示装置9の周囲を枠形状の壁部で囲う態様の飾り部材90が設けられている。図2に示すように、飾り部材90の下端部には、遊技球が進入(入賞)可能な特定領域として、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,及び第4特定領域64が設けられた、特別領域であるステージ部400が形成されている。
ステージ部400は、流下してくる遊技球を受けるステージ状(舞台状)の部分であり、正面から見て、右側(上流)から左側(下流)にかけて傾斜した形状に形成されている。このステージ部400の右側には、有利領域である第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63が、奥側から手前側にかけて直列に設けられている。またステージ部400の左側には、不利領域である第4特定領域64が単独で設けられている。
第4特定領域64の上流側には、ピンボールのフリッパーの如く、一対の可動翼65,65が設けられている。この可動翼65,65の各々は、基端から先端にかけて先細りとなる形状に形成されており、ソレノイド66及びリンク機構(図示せず)により、基端を回動中心として所定範囲で動作する。具体的には、図7に示す大当り制御が行われないと動作せずに、先端が基端よりも下流側にあって第4特定領域64の一部を塞ぐ第1態様65aであるが、大当り図柄が導出表示されて大当り制御が行われると動作して(S16)、先端が基端よりも上流側にある第2態様65bとなり、遊技球が何れかの特定領域に進入するまで、第1態様65aから第2態様65bに変化して第1態様65aに戻る動作を繰り返す。ここで第1態様65aでは、可動翼65,65の先端同士の間隔が遊技球の直径よりも大きくなるように形成されているため、遊技球が通過可能であるが、第1態様65aから第2態様65bに変化する途中では、可動翼65,65の先端同士の間隔が遊技球の直径よりも小さくなるように形成されているため、遊技球が通過不能であり、該遊技球が可動翼65,65に弾かれることになる。
飾り部材90の正面から見て右側の側壁部には、矩形状の穴901が形成されており、当該穴901の外側から内側に挿通する態様で、玉送出装置70が設けられている。玉送出装置70は、飾り部材90の外側において遊技領域7を流下する遊技球を受け入れて飾り部材90の内側に送出する装置である。玉送出装置70は、上方に向いて開口した球入口71と、下方に向いて開口した球出口72とを有する湾曲した形状の誘導路73と、当該誘導路73への遊技球の進入を遮蔽する遮蔽状態(閉状態ともいう)と、遊技球の進入を遮蔽しない状態(開状態ともいう)とに変化可能なシャッター状の遮蔽部材75とを含み、遊技球をステージ部400に向けて送出する手段である。玉送出装置70における球入口71,誘導路73,及び球出口72のそれぞれにおける遊技球の通路は、遊技球を1個ずつ送出するために、1個の遊技球が通過可能な程度の広さで形成されている。
玉送出装置70において、遮蔽部材75は、後述するようなソレノイド(図4のソレノイド34)により駆動され、球入口71の内部において、前後方向に移動することで出没することにより、前述の開状態又は閉状態となる。例えば、ソレノイドが非励磁状態ではバネの弾性力により遮蔽部材75が前方へ付勢されて閉状態となっており、ソレノイドが励磁状態にされると遮蔽部材75がバネの弾性力に抗して後退して開状態となるように構成されている。遮蔽部材75が設けられた位置のよりも下方においては、誘導路73での遊技球の進入(言い換えると遊技球の送出)を検出する進入検出スイッチ33が設けられている。なお、遮蔽部材75を駆動する手段は、このような開状態又は閉状態とすることができる駆動手段であれば、ソレノイドに限らず、モータ等のその他の駆動手段を設けてもよい。
遊技領域7においては、球入口71近傍の障害釘Pにより誘導された遊技球等、流下する遊技球が、球入口71に向けて転動する。図7に示す大当り制御が行われない時は、遮蔽部材75が閉状態であり、遊技球は誘導路73に進入できない。大当り制御が行われる時は、遮蔽部材75が開状態となり(S12)、遊技球は誘導路73に進入可能となり、該進入した遊技球が進入検出スイッチ33により検出されると、遮蔽部材75が閉状態となる(S14)。即ち大当り制御が行われると、遊技球が1個だけステージ部400に送出される。
球出口72は、ステージ部400の上方において下方を向いた態様で開口しており、該開口は、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63よりも下流側に位置している。従って、誘導路73内で誘導され球出口72から落下した遊技球は、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63に進入することなく、ステージ部400を下流側に転動する。そして該遊技球は、第1態様65aから第2態様65bに動作した可動翼65,65に弾かれて上流側に転動して、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63の何れかに進入するか、又は可動翼65,65に弾かれずにさらに下流側に転動して、第4特定領域64に進入する。
第1特定領域61に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第1特定領域スイッチ61aにより検出される。第2特定領域62に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第2特定領域スイッチ62aにより検出される。第3特定領域63に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第3特定領域スイッチ63aにより検出される。第4特定領域64に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第4特定領域スイッチ64aにより検出される。
特別図柄表示器に大当り図柄が導出表示された後、玉送出装置70から送出された遊技球が、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64のいずれかに進入(入賞)したときは、後述するような大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。以下の説明において、特別図柄表示器に大当り図柄が導出表示されてから、第1特定領域スイッチ61a,第2特定領域スイッチ62a,第3特定領域スイッチ63a,又は第4特定領域スイッチ64aのいずれかにより遊技球が検出されるまでの期間を、権利発生状態と称する場合がある。即ち、権利発生状態となってから、遊技球が、第1特定領域スイッチ61a,第2特定領域スイッチ62a,第3特定領域スイッチ63a,又は第4特定領域スイッチ64aのいずれかにより検出されたときは、大当り遊技状態に制御される。
本実施の形態の場合、普図ゲート32、及び、玉送出装置70の球入口71のそれぞれは、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物及び釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、普図ゲート32は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすい(遊技球が進入不可能ではない)ように、構造物及び釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。
パチンコ遊技機1においては、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bによる変動表示の表示結果が大当り表示結果となったとき、そして、このような表示結果に対応して演出表示装置9による変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、遊技球が第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64のうちのいずれかに進入することに基づいて、大当り遊技状態に制御される。言い換えると、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64のうちいずれかの特定領域を通過することに基づいて、大入賞口の開放制御状態に制御される(大当り遊技状態)という遊技価値が付与される。
本実施の形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となることに基づいて権利発生状態となり、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64のうちいずれかに進入すると、特別可変入賞球装置20の大入賞口を開放する開放制御状態となる。遊技者にとって有利となる大当り遊技状態は、このような権利発生状態後の開放制御状態が該当する。また、権利発生状態は、遊技球が特定領域(第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64)に進入すること以外の条件で終了することはない。したがって、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、大当り遊技状態(開放制御状態)に制御可能となる所定条件が成立することとなる。変動表示の表示結果を大当り表示結果とするか否かは、変動表示結果が表示される前に事前決定される。したがって、このような事前決定は、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御可能な状態とするか否かの事前決定と定義することができる。
なお、権利発生状態とする大当り表示結果を決定することが結果的に開放制御状態に制御することに関与するので、表示結果を決定することを、大当りとするか否かを決定する大当り判定と呼ぶ場合がある。また、本実施の形態では、大入賞口が開放される開放制御状態が遊技者にとって有利な状態であるので、開放制御状態のみを「大当り」と呼ぶが、前述した権利発生状態も開放制御状態に制御されることが保証された遊技者にとって有利な状態であるので、権利発生状態と開放制御状態とを含めて「大当り」と呼んでもよい。したがって、本実施の形態において「大当り」と呼ぶときは、基本的に開放制御状態を示すが、例えば「大当り確率」のように権利発生状態となる大当り表示結果を決定する確率等のように、「大当り」という概念で示した方が意味が分かりやすくなるときには、権利発生状態及び開放制御状態を含む概念として、「大当り」と呼ぶ場合がある。
なお、権利発生状態において遊技球が進入したときに開放制御状態(大当り遊技状態)に制御されることとなる特定領域としては、遊技球が進入可能な領域であればよく、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,及び第4特定領域64のように遊技球が遊技機1の内部に受け入れられる構造の領域であってもよく、遊技球が遊技機1の内部に受け入れられず遊技領域7へ流下するゲート構造の領域であってもよい。
また、このような特定領域としては、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,及び第4特定領域64のような特定領域専用の領域が設けられてもよく、他の制御又は賞球の払出し等の他の目的でも用いられる領域を兼用するものであってもよい。
本実施の形態では、前述したように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞球装置20が設けられた領域に、玉送出装置70の球入口71が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ち又は左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打ち込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、共通の演出図柄の組み合わせ(大当り図柄)が停止表示される。一方、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bにはずれ図柄が停止表示される場合には、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、共通ではない所定の演出図柄の組み合わせ(はずれ図柄)が停止表示される。
また、図1に示すように、遊技領域7における右領域7bには、可変入賞球装置15の下方に、遊技球が入賞可能な特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口と呼ばれる入賞口を開閉可能な開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能な可変入賞装置である。これにより、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物及び釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられ、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物及び釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「右打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物及び釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物及び釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(即ち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくい又は入賞しない状態であればよい。つまり、特別可変入賞球装置20は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくい又は入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
特別可変入賞球装置20は、開放制御状態となったときに、ソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
開放制御状態(大当り遊技状態)においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行われる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる(Rという記号で示される場合がある)。また、1の大当り遊技状態における大入賞口の開放回数をラウンド数ということがある。従来のパチンコ遊技機では、権利発生状態において特定領域に遊技球が1個進入すると入賞口が1回開放するものであったので、権利発生状態が終了するまでに遊技球を複数回繰り返して特定領域に遊技球を進入させる必要があり、遊技の進行させ方が煩雑なものであった。これに対し、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、権利発生状態において第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64のうちのいずれかに遊技球が一度進入すると、進入した特定領域に応じて決定されたラウンド数に基づいて、第1ラウンドから最終ラウンドまでのすべてのラウンドが実行される大入賞口の開放制御が行われる。これにより、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にすることができる。また、本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当り表示結果とすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示されるランプ(発光体)としての装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部及び外周右部には、前面枠に設けられたランプ(発光体)としての天枠LED28a、左枠LED28b及び右枠LED28cが設けられている。
左枠LED28bの近傍には特別図柄の表示結果が大当り図柄となるときに、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示されたときに点灯する大当り報知LED51が設けられている。また、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。また、左枠LED28bの近傍には、パチンコ遊技機1の電源投入時(起動時)において、バックアップデータに基づいて確変状態となっているときに点灯することで確変状態であることを報知する確変報知LED53が設けられている。当該確変報知LED53は、電源投入時以外のときは、消灯しており、電源投入時にのみ、状態に応じて点灯する。天枠LED28a、左枠LED28b及び右枠LED28c及び装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
打球供給皿3の右側の所定位置には、押圧操作により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。操作ボタン130には、操作を検出するための操作検出スイッチ131が設けられている。なお、操作ボタン130は、押圧操作するボタンに限らず、押下可能なジョグボタン、及び、回動可能なジョグダイアルといった、その他の構成の操作手段により構成されてもよい。このような操作ボタン130は、例えば、変動表示中の演出に応じて、操作する等、所定の演出が行われるときに操作が要求される。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図3においては、(A)に大当り時の制御の概要が表形式で示され、(B)に特定領域の種別と大当り時のラウンド数(ラウンド上限値)との関係が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に移行する大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
本実施の形態では、通常大当りとして、通常大当りA〜Gという複数種類の通常大当りが設けられており、また、確変大当りとして、確変大当りA〜Gという複数種類の確変大当りが設けられている。これらの大当り種別のうち、いずれの大当り種別とするかは、特別図柄の変動表示が開始されるときに、大当りとすることの決定がされた場合に、抽出された大当り種別判定用乱数の値に基づいて決定される。大当りとすることの決定及び大当り種別の決定がされると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bにより変動表示が実行されて大当り図柄が導出表示されたことに基づいて権利発生状態に移行する。そして、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、及び、第3特定領域63のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、いずれのラウンド数の大当り遊技状態に制御するかを決定する。
図3(A)では、通常大当りA〜G及び確変大当りA〜Gの大当り種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態の終了後の変動時間、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド数)、及び、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、通常大当りA〜G及び確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(例えば29秒間)が経過したこと、又は、所定個数(例えば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行われる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、ラウンド数の上限値(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、(B)に示されるように、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして通常大当りA〜Gのそれぞれでは、通常大当りの種別ごとに、第1特定領域61,第2特定領域62,及び第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。なお第4特定領域64に遊技球が進入した場合には、図示しないが、通常大当りA〜Gのいずれにおいても、ラウンド数の上限値が一律に5ラウンドに決定される。
例えば、通常大当りAの場合、第1特定領域61への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が5ラウンドに決定される。第2特定領域62への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が10ラウンドに決定される。第3特定領域63への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が15ラウンドに決定される。
(B)に示されるように、通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、通常大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
また、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、(C)に示されるように、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして、確変大当りA〜Gのそれぞれでは、確変大当りの種別ごとに、第1特定領域61,第2特定領域62,及び第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。なお第4特定領域64に遊技球が進入した場合には、図示しないが、確変大当りA〜Gのいずれにおいても、ラウンド数の上限値が一律に5ラウンドに決定される。
(B)に示されるように、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、確変大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
このように、第1特定領域61,第2特定領域62,及び第3特定領域63は、大当りの種別に応じて、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)でのラウンド数の上限値の割振りが異なるので、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される価値の大きさの割振りが異なる。一方、第4特定領域64は、大当りの種別によらずに、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)でのラウンド数の上限値が一律であり、ここでは付与する遊技価値の最も低い(即ち5ラウンドの)大当りに制御される。
なお第1特定領域61,第2特定領域62,及び第3特定領域63は、可動部である可動翼65,65が動作しているときに遊技球が誘導されやすい有利領域であり、第4特定領域64は、可動翼65,65が動作していないときに遊技球が誘導されやすく前記有利領域よりも付与する遊技価値が低い不利領域である。
なお、特定領域への遊技球の進入により付与される価値としては、開放制御状態のラウンド数のみに限らず、各ラウンドの開放時間、確変状態に制御するか否か、確変状態の継続を変動表示回数により制限するとき(例えば、変動表示が100回実行されると確変状態を終了させる等)の確変回数、時短状態に制御するか否か(確変状態に伴って制御する場合と、確変状態に伴わずに制御する場合とを含む)、及び、変動パターンの変動時間の長短のうち、いずれか1つ、又は、複数の組合せとすることが考えられる。このような場合に、特定領域への遊技球の進入に基づく開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される価値の大きさが特定領域の種別により異なるようにするときには、これら価値のうち、いずれか1つ、又は、複数の組合せについて、価値の大きさを異ならせるようにすればよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態において付与される遊技価値として、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64のいずれの特定領域を遊技球が通過したかによって付与される価値の大きさが異なる第1の遊技価値としてのラウンド数と、第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4特定領域64のいずれの特定領域を遊技球が通過したかによらず大当り判定のときに付与するか否かが決定される第2の遊技価値としての確変状態が存在する。このように遊技価値の付与態様を多様化することで、遊技の興趣を向上させるようにしている。
このように、大当りとなるときには、権利発生状態においていずれの特定領域に遊技球が進入したかに応じて、開放制御状態におけるラウンド数が選択されるように制御される。
通常大当りA〜G及び確変大当りA〜Gのそれぞれについて、ラウンド数が異なる大当りが選択され得るので、ラウンド数が異なる大当りについても種別が異なる大当りとして類別した場合、本実施の形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、及び、15R確変大当りという複数の種別の大当りが選択され得ることとなる。
この実施の形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、及び、15R通常大当りのような通常大当りについて、これらを総称して「通常大当り」として示す場合があり、5R通常大当り、10R通常大当り、又は、15R通常大当りというように、ラウンド数を特定した通常大当りとして示す場合がある。同様に、この実施の形態では、5R確変大当り、10R確変大当り、及び、15R確変大当りのような確変大当りについて、これらを総称して「確変大当り」として示す場合があり、5R確変大当り、10R確変大当り、又は、15R確変大当りというように、ラウンド数を特定した確変大当りとして示す場合がある。
また、この実施の形態では、5R通常大当り、及び、5R確変大当りのようなラウンド数が5である大当りを総称して「5R大当り」として示す場合があり、10R通常大当り、及び、10R確変大当りのようなラウンド数が10である大当りを総称して「10R大当り」として示す場合があり、15R通常大当り、及び、15R確変大当りのようなラウンド数が15である大当りを総称して「15R大当り」として示す場合がある。
このように、この実施の形態では、特別図柄の変動表示が開始されるときの大当り判定において大当りと判定され、大当り種別として通常大当りA〜G及び確変大当りA〜Gのいずれかが決定されることにより、第1特定領域61、第2特定領域62、及び、第3特定領域63に対応するラウンド数の割振りも決定される。即ち、大当り図柄の導出表示毎に、各特定領域に対応する大当り種別(ラウンド数による類別に基づく種別)が設定されることになり、各特定領域に対応する大当り種別の特定遊技状態において付与される遊技価値が設定されることになる。
CPU56は、権利発生状態における第1特定領域スイッチ61aによる遊技球の検出に基づいて、第1特定領域61に割振られた種別の大当り遊技状態(5R大当り、10R大当り、15R大当り)に制御することを決定し、その大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、記憶したラウンド数(開放回数)の開放制御状態に移行する。また、権利発生状態における第2特定領域スイッチ62aによる遊技球の検出に基づいて、第2特定領域62に割振られた種別の大当り遊技状態(5R大当り、10R大当り、15R大当り)に制御することを決定し、その大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、記憶したラウンド数(開放回数)の開放制御状態に移行する。また、権利発生状態における第3特定領域スイッチ63aによる遊技球の検出に基づいて、第3特定領域63に割振られた種別の大当り遊技状態(5R大当り、10R大当り、15R大当り)に制御することを決定し、その大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、記憶したラウンド数(開放回数)の開放制御状態に移行する。さらに、権利発生状態における第4特定領域スイッチ64aによる遊技球の検出に基づいて、第4特定領域64に割振られた種別の大当り遊技状態(5R大当り)に制御することを決定し、その大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、記憶したラウンド数(開放回数)の開放制御状態に移行する。
なお、本実施の形態では、通常大当りA〜G及び確変大当りA〜Gについて、ラウンド数の上限値の選択対象(5R、10R、15R)が同じである例を説明するが、これに限らず、大当り種別により、ラウンド数の上限値の選択対象が異なる(例えば、確変大当りのときには通常大当りのときよりも選択対象のラウンド数の上限値が大きい等)ようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、時短状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、時短状態に制御されないようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されないようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、及び、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行われる。このような制御が行われると、当該制御が行われていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度及び/又は第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行われないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行われないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、即ち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、及び、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、及び、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、及び、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、又は、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行うようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態及び電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態及び電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態及び電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態及び電チューサポート制御状態に制御されるが、確変状態に制御されたときに時短状態及び電チューサポート制御状態に制御されない場合があるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態及び電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態及びベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確高ベース状態」、及び、「低確高ベース状態」を用いる。なお、「高確低ベース状態」に制御可能となるようにしてもよい。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
以上に説明したように、本実施の形態において、確変大当りは、決定されたラウンド数の大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、及び、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行われる大当りである。確変大当りの場合は、確変状態、時短状態、及び、電チューサポート制御状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、以上に説明したように、本実施の形態において、通常大当りは、決定されたラウンド数の大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、及び、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に移行する制御が行われる大当りである。通常大当りの場合は、時短状態、及び、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
また、大当りとしては、大当り遊技状態について、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動表示で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、打球操作ハンドル5の操作量を調整することにより発射強度を調整することにより、次のような態様で遊技者が遊技球を左領域7a又は右領域7bへ打分けることにより、遊技者にとって有利な状態に制御されやすくなるように構成されている。
低確低ベース状態のような低ベース状態においては、時短状態に付随する高ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりにくく、第1始動入賞口13の方が第2始動入賞口14よりも遊技球が進入しやすい。したがって、低確低ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、遊技者は、第1始動入賞口13を狙って「左打ち」をすればよい。
また、高確高ベース状態及び低確高ベース状態のような大当り遊技状態後の時短状態に付随する高ベース状態においては、電チューサポート制御等により、低ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりやすく、第2始動入賞口144の方が第1始動入賞口13よりも遊技球が進入しやすい。したがって、大当り遊技状態後の高ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、第2始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15を開状態にするために、普図ゲート32を狙って「右打ち」をすればよい。
また、特別図柄及び演出図柄の変動表示結果が大当り表示結果となって権利発生状態となったときには、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、及び、第3特定領域63のうちいずれかを通過すれば大入賞口の開放制御状態となる大当り遊技状態に制御される。したがって、権利発生状態において大入賞口の開放制御状態に移行させたい場合には、玉送出装置70の球入口71を狙って「右打ち」をすればよい。
また、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、及び、第3特定領域63のうちいずれかを通過して大入賞口の開放制御状態となったときには、特別可変入賞球装置20の大入賞口を狙って「右打ち」をすればよい。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37及び演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。払出制御基板37には、プログラムにしたがって入賞に応じた賞球を払出す制御を行う払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、演出制御基板80には、プログラムにしたがって各種演出制御を行う演出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54及びRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(又はCPU56)が実行する(又は、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、及び、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、及び数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a又は第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄及び演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否かを決定することにより、大当りとするか否かを決定する。また、大当りとする(大当り表示結果にする)と決定されたときには、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数の値を抽出し、該抽出した乱数に基づいて大当り種別も決定する。そして、大当りとすると決定したときに、当該始動入賞に係る可変表示の表示結果が大当り図柄となり、さらに権利発生状態において第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63,又は第4遊技領域64のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部又は全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。即ち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態即ち遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(特別図柄の可変表示状況を示す特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。本実施の形態の場合、このようにバックアップRAMに保存される遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(バックアップデータ)には、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態が開始されるまでセットされる権利発生フラグ、大当り遊技状態に制御されているときにセットされる大当り開始フラグ、及び、確変状態に制御されているときにセットされる確変フラグに関するデータが含まれている。権利発生フラグとは、特別図柄の表示結果として大当り図柄が導出表示されたこと、即ち所定条件が成立していることを示すフラグである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給時に実行されるメイン処理において、権利発生フラグを参照することにより、前回電力供給が停止したときに大当り図柄が導出表示されていたが大当り遊技状態が開始されていなかったことを確認可能である。また、大当り開始フラグを参照することにより、前回電力供給が停止したときに大当り遊技状態であったか否かを確認することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。即ち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、第4特定領域スイッチ64a、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、及び入賞口スイッチ29a,30aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、玉送出装置70の遮蔽部材75を駆動するソレノイド34、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、及び可動翼65,65を第1態様65aから第2態様65bに動作するソレノイド66を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
不正検出基板60aは、不正な事象を検出する機能を有しており、具体的には、高周波信号検出機能、磁気検出機能、振動検出機能を有している。例えば、高周波信号検出機能に関しては、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、及び第4特定領域スイッチ64aが、いずれも高周波発振型の貫通型近接スイッチである場合、各々のスイッチに接続された信号監視回路が設けられ、いずれかの信号監視回路で異常な高周波信号を検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に不正検出信号が所定期間出力される。また、磁気検出機能により異常磁気が検出された場合、振動検出機能により異常振動が検出された場合にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560に不正検出信号が所定期間出力される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41、及び、確変報知LED53の表示制御を行う。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、第4特定領域スイッチ64a、及び、入賞口スイッチ29a,30aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、球払出装置97を駆動する。球払出装置97には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が球払出装置97から払出される。
この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、10個の賞球が払い出される毎に賞球信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、賞球個数コマンドを払出制御基板37に出力することに伴い、当該賞球個数コマンドから特定される賞球個数が10個に達する毎に、賞球信号を外部出力するようにしても良い。
また、遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、タッチセンサ基板91上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。遊技者が打球操作ハンドル5に触れていることはタッチセンサ及びタッチセンサ回路(遊技者が打球操作ハンドル5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)で検出され、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
タッチセンサ基板91には、間欠的に繰り返しパルス(ステッピングモータとしての発射モータ94の各相に供給されるパルス信号)を発生するパルス発生器と、単発パルスを発生する単発パルス発生器とが設けられている。タッチセンサ回路からの信号がオン状態を示している場合に、パルス発生器が発生するパルスが発射モータ94に供給される。さらに、打球操作ハンドル5に、又は、打球操作ハンドル5の近傍に、発射停止スイッチが設けられ、発射停止スイッチが操作されているときにはパルス発生器のパルス出力が停止される。
なお、パルス発生器のパルス出力は、払出制御基板37からの発射制御信号がオフ状態になったときにも停止される。また、打球発射装置には単発発射スイッチが設けられ、単発発射スイッチが操作されると、単発パルス発生器が発生する単発パルスが発射モータ94に供給される。
なお、この実施の形態では、タッチセンサ基板91にパルス発生器が設けられているが、発射モータ94に供給されるパルスの発生機能を払出制御基板37に持たせてもよい。その場合には、例えば、払出制御用マイクロコンピュータがパルスを発生し、発生されたパルスはタッチセンサ基板91で中継されて発射モータ94に供給される。また、発射停止スイッチの出力は払出制御用マイクロコンピュータに入力され、払出制御用マイクロコンピュータは、下皿満タンや補給球切れが生じたとき、及び発射停止スイッチの出力がオフ状態になったときに、パルス出力を停止する。
また、打球発射装置は、遊技球を遊技領域7に打出す打球ハンマ、打球ハンマを付勢するためのコイルばね、コイルばねで付勢された打球ハンマを付勢された位置から解放させるためのカム機構を備え、カム機構が発射モータ94により駆動される。そして、打球操作ハンドル5の回動によりコイルばねの固定位置を変化させてばねの付勢力を調整し、その結果として、打球ハンマの遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
打球発射装置としては、ステッピングモータによる発射モータ94やロータリソレノイドの軸に直接打球ハンマを固定して遊技球を打出す方式のものがある。そのように構成されている場合には、打球操作ハンドル5の回動角度(位置)を可変抵抗器により検出し、検出結果に応じて駆動源としてのステッピングモータ及びロータリソレノイドの動作速度を上げることにより遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
前述のそれぞれの構成において、打球発射装置の発射強度を調整する操作が可能な発射強度操作手段は、回動可能な打球操作ハンドル5に相当する。なお、打球発射装置による遊技球の発射を停止させる操作が可能な発射停止操作手段は、発射停止スイッチに相当する。
さらに、大当り遊技状態に制御されていることを示す大当り信号等の外部出力信号を、パチンコ遊技機1の裏面側上部に設けられたターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路159も主基板31に搭載されている。
また、前述したように、賞球が10個払い出される毎にターミナル基板160から賞球信号が出力される。賞球信号は所定幅のパルス信号である。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータには、操作ボタン130の操作を検出するための操作検出スイッチ131の操作検出信号が入力される。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25、及び枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。また、遊技制御基板31には、電源電圧を監視する電源監視手段が設けられている。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101及びRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、主基板31と共に、演出制御基板80にもバックアップ電源が供給されていて、演出制御基板80についても主基板31と同様にバックアップされている。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵又は外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102及び入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに、図3(B)及び(C)に示されるような、大当り種別毎の特定領域とラウンド数との対応関係が記憶されている。そのため、例えば図7のD11に示すように、決定された大当り種別について、第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63、及び第4特定領域64の各特定領域に対応するラウンド数の振り分けを演出表示装置9に表示することも可能である。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形又は記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンド及び演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。即ち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図4に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
さらに、演出制御用CPU101は、操作検出スイッチ131から入力ドライバ106及び入力ポート107を介して、操作検出信号の入力を受ける。
演出制御基板80は、透光性を有するアクリル板等の部材により構成される基板収納ケース(図示せず)に収納されている。表示設定切替スイッチ111及び音量設定切替スイッチ112は、いずれも演出制御基板80にパチンコ遊技機1の背面方向を向くように配置されており、基板収納ケースに形成された切欠部を介して外方から操作可能となっている。従って、表示設定切替スイッチ111や音量設定切替スイッチ112を操作する場合には、遊技盤6の背面側に位置する基板収納ケースを島内部から表出させた状態で操作しなければならず、遊技場の管理者のみが操作可能となっている。
表示設定切替スイッチ111は、スライドスイッチにより構成され、演出表示装置9に表示する情報を切り替えるものである。演出表示装置9に表示される情報として、「遊技者モード」により表示可能な情報と、「管理者モード」により表示可能な情報とがあり、いずれの情報を表示するかは、表示設定切替スイッチ111により切り替えられる。
音量設定切替スイッチ112は、ロータリースイッチにより構成され、1〜5までの5つのチャンネルを備えており、これら5つのチャンネルをツマミを回動操作することで切り替えるものである。チャンネル1は、各スピーカ27R、27Lの音出力の音量レベルを、最も小さいレベル1(ボリューム1)に設定するチャンネルである。チャンネル2は、各スピーカ27R、27Lの音出力の音量レベルを、レベル1よりも大きいレベル2(ボリューム2)に設定するチャンネルである。チャンネル3は、各スピーカ27R、27Lの音出力の音量レベルを、レベル2よりも大きいレベル3(ボリューム3)に設定するチャンネルである。チャンネル4は、各スピーカ27R、27Lの音出力の音量レベルを、レベル3よりも大きいレベル4(ボリューム4)に設定するチャンネルである。チャンネル5は、各スピーカ27R、27Lの音出力の音量レベルを、レベル4よりも大きいレベル5(ボリューム5)に設定するチャンネルである。本実施の形態では、レベル5(ボリューム5)が最も大きい音量レベルである。
また、この実施の形態では、音量設定切替スイッチ112の他、操作ボタン130の操作によっても各スピーカ27R、27Lの音出力の音量レベルを設定することが可能である。例えば、操作ボタン130を所定時間以上長押しすることによって、現在の音量レベルが演出表示装置9に表示されて、音量レベルを調整可能な状態となる。その後、操作ボタン130を1回短く(所定時間未満)プッシュする毎に、音量レベルが1レベルづつ増加し、レベル5に達した状態でプッシュされるとレベル1に戻る制御が繰り返し実行される。例えば、レベル3が表示された状態では、操作ボタン130が1回操作される毎に、音量レベルがレベル4、レベル5、レベル1、…に変更される。従って、遊技者による音量設定が可能となる。なお、操作ボタン130による音量レベルの設定値(遊技者設定値)は、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶されている。
演出制御基板80に電源断信号が入力されたときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音量レベルの遊技者設定値を、RAMに設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する。そして、演出制御基板80は、図示しないRTC(リアルタイムクロック)の出力に基づいて管理される時刻が、遊技場の営業時間外の所定時刻(例えば営業終了時刻直後の23:00)であるときに、バックアップデータ記憶領域の内容を消去する。即ち、当該時刻より後に遊技が実行されないという条件が成立する期間に、バックアップデータ記憶領域の遊技者設定値がクリアされる。そして、バックアップデータ記憶領域の遊技者設定値が消去されたときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音量設定切替スイッチ112の設定を確認して音量レベルを設定する。
電源投入時において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、バックアップデータ記憶領域に遊技者設定値が記憶されているか否かを確認し、記憶されていなければ(不測の電力供給停止が生じていないか、又は、生じていてもバックアップデータとしての遊技者設定値が消去されている場合)、音量設定切替スイッチ112の設定に基づいて音量レベルを設定する。一方、バックアップデータ記憶領域に遊技者設定値が記憶されていれば(不測の電力供給停止が生じた後に復旧した場合)、バックアップされている遊技者設定値に基づいて音量レベルを設定する。これによれば、遊技者が、電断からの復帰時に再度、音量レベルを設定する必要がないので、煩雑さを解消することができる。また、遊技が行われないことが特定される期間には、遊技者設定値がクリアされるので、遊技者設定値を初期化する煩雑さも解消することができる。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU101)により設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音又は音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。なお、以下の説明における「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8C01(H)〜8C0F(H)は、大当りとするか否か、及び、大当り種別を示す演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)〜8C08(H)は、確変大当りA〜Gにそれぞれ決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C09(H)〜8C0F(H)は、通常大当りA〜Gにそれぞれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。これらの演出制御コマンド8C01(H)〜8C0F(H)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560において特別図柄の可変表示が開始されることに伴い実行される大当り判定の判定結果、及び、大当り判定において大当りとすると判定された場合の大当り種別の判定結果に応じて送信される。
ここで、前述したように、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、大当り種別毎に各特定領域に対応するラウンド数の振り分けが予め記憶されている。そのため、確変大当りA〜Gにそれぞれ決定されていることを指定するコマンド8C02(H)〜8C08(H)を受信したとき、通常大当りA〜Gにそれぞれに決定されていることを指定するコマンド8C09(H)〜8C0F(H)を受信したときに、例えば図7のD11に示すように、受信したコマンドが示す大当り種別について各特定領域に対応するラウンド数の振り分けを演出表示装置9に表示することも可能である。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)であり、遊技制御用マイクロコンピュータ560において特別図柄の可変表示が終了して表示結果が導出表示されたことに基づいて送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンドA001〜A006(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、5R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される5R確変大当り開始指定コマンド(コマンドA001)、10R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される10R確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002)、15R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される15R確変大当り指定コマンド(コマンドA003)、5R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される5R通常大当り開始指定コマンド(コマンドA004)、10R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される10R通常大当り開始指定コマンド(コマンドA005)、15R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される15R通常大当り指定コマンド(コマンドA006)が含まれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、権利発生状態において、特定領域のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、大当り種別の判定結果(確変大当りA〜G、通常大当りA〜G)、及び、当該特定領域に対応する種別(ラウンド数)に応じた大当り開始指定コマンドを送信する。
コマンドC101(H)は、第1特定領域61で第1特定領域スイッチ61aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第1特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC102(H)は、第2特定領域62で第2特定領域スイッチ62aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第2特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC103(H)は、第3特定領域63で第3特定領域スイッチ63aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第3特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC104(H)は、第4特定領域64で第4特定領域スイッチ64aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第4特定領域球検出指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特定領域のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、当該特定領域に応じた特定領域球検出指定コマンドを送信する。
ここで、前述したように、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、大当り種別毎に各特定領域に対応するラウンド数の振り分けが予め記憶されている。そのため、特別図柄の可変表示開始に伴う確変大当りA〜Gにそれぞれ決定されていることを指定するコマンド8C02(H)〜8C08(H)、又は、通常大当りA〜Gにそれぞれに決定されていることを指定するコマンド8C09(H)〜8C0F(H)を受信し、さらに、表示結果の導出表示に伴う図柄確定指定コマンドを受信した後に、第1特定領域球検出指定コマンド、第2特定領域球検出コマンド、第3特定領域球検出コマンド、又は第4特定領域球検出コマンドのいずれのコマンドを受信したかに基づいて、遊技球が入賞した特定領域を識別可能であると共に、制御される大当り遊技状態のラウンド数(上限)も識別可能である。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータが行う大当り制御の一例を表すフローチャートである。この大当り制御は、変動表示(可変表示)の表示結果を大当り表示結果とする(即ち権利発生状態とする)旨、及び該大当り種別として通常大当りA〜G又は確変大当りA〜Gのいずれかが決定された場合に実行される。
まず遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を待機し(S11)、該S11で可変表示が終了すると(YES)、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信し、該図柄確定指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の表示結果(大当り表示結果)を演出表示装置9に表示し、その後、予め記憶している大当り種別毎の各特定領域に対応するラウンド数の振り分けと、予め受信している表示結果指定コマンド8C01〜8C0Fとに基づいて、D11に示すように、各特定領域に対応するラウンド数を演出表示装置9に表示する。例えば表示結果2指定コマンド8C01を受信している場合には、図示の如く、第1特定領域61が5R大当り,第2特定領域62が10R大当り,第3特定領域63が15R大当り,第4特定領域64が5R大当りである旨を表示する。これによれば、遊技者は、いずれの特定領域に遊技球を入賞させた場合に、どのようなラウンド数の大当り遊技状態に制御されるかを、一見して把握することが可能となる。
また遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前記S11で可変表示が終了すると(YES)、ソレノイド34を駆動させて遮蔽部材75を開放して(S12)、開状態となった球入口71からの遊技球のステージ部400への進入(即ち進入検出スイッチ33による検出)を待機し(S13)、該S13で遊技球の進入が有ると(YES)、ソレノイド34を駆動させて遮蔽部材75を閉鎖し(S14)、ソレノイド66を駆動させて可動翼65,65を動作(即ち第1態様65aから第2態様65bに変化)させて(S15)、S16に進む。これによれば、所定条件が成立しなければ(大当り表示結果が導出表示されなければ)、可動部(可動翼65,65)を動作させる制御が行われないので、制御負担を軽減できる。また、所定条件が成立し、かつ遊技球がステージ部400に進入しなければ(S13でYES)、可動部を動作させる制御が行われないので、制御負担を軽減できる。そして可動翼65,65が動作されることにより、ステージ部400に進入した遊技球は、該動作する可動翼65,65に弾かれて、遊技領域である第1特定領域61,第2特定領域62,又は第3特定領域63に進入しやすくなる。なお可動翼65,65が動作しても、ステージ部400に進入した遊技球が、不利領域である第4特定領域64に進入する場合もある。
次に遊技制御用マイクロコンピュータ560は、当該大当り制御の開始後における不正検出基板60aによる不正な事象の検出(S16),又はステージ部400に進入した遊技球の特定領域の通過(S17)、即ち第1特定領域スイッチ61a,第2特定領域スイッチ62a,第3特定領域スイッチ63a,又は第4特定領域スイッチ64aによる遊技球の検出)を待機する。
ここで遊技球が特定領域を通過する前に、不正検出基板60aによる不正な事象の検出が有ると(S16でYES)、可動翼65,65の動作を停止(即ち第1態様65aで停止)して(S18)、S16に戻り、S17に進む。これによれば、不正な事象が検出されると可動部(可動翼65,65)を動作させないように制御することにより、遊技球が不利領域(第4特定領域64)に誘導されやすくなるので、制御を複雑にすることなく、好適に不正対策を行うことができる。また、ステージ部400への遊技球の進入が有ると(S13でYES)、可動部を動作させないように制御することにより、遊技球がステージ部400に進入しなければ、可動部を動作させない制御を行う必要がないので、制御負担が軽減される。さらに可動部を動作させない場合に可動部が第1態様で停止するので、遊技球が不利領域に誘導されやすくなる。
一方、ステージ部400に進入した遊技球の特定領域の通過(即ち第1特定領域スイッチ61a,第2特定領域スイッチ62a,第3特定領域スイッチ63a,又は第4特定領域スイッチ64aによる遊技球の検出)が有ると(S17でYES)、該通過した特定領域に応じた特定領域球検出指定コマンド(即ち第1特定領域球検出指定コマンドC101,第2特定領域球検出指定コマンドC102,第3特定領域球検出指定コマンドC103,又は第4特定領域球検出指定コマンドC104のいずれか)を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信し、該特定領域球検出指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、予め記憶している大当り種別毎の各特定領域に対応するラウンド数の振り分けと、該受信した特定領域球検出指定コマンドとに基づいて、D17に示すように、大当りのラウンド数を演出表示装置9に表示する。これによれば、大当りラウンド数を遊技者が把握できるので、遊技の興趣を向上できる。
また遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S17で遊技球の通過が有ると(YES)、該通過した特定領域に応じたラウンド数を決定し(S19)、可動翼65,65の動作を停止して(S20)、決定したラウンド数の大当り遊技状態とし(S21)、大当り制御を終了する。ここで遊技球が不利領域(第4特定領域64)を通過したら、付与する遊技価値が最も低い遊技価値(5ラウンド)に決定されるので、不正に対する対価を好適にできる。
最後に、変形例について説明する。
上記の実施形態では、有利領域が3つ(第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63)であり、不利領域が1つ(第4特定領域64)である例について説明したが、有利領域及び不利領域(即ち特定領域)の数は、これに限定されない。また、ラウンド数により類別される大当り遊技状態の種別が3つ(5R,10R,15R)である例について説明したが、大当り遊技状態の種別は、これに限定されない。
上記の実施形態では、図2に示すように、可動部が、一対の可動翼65,65である例について説明したが、これに限らず、該可動部は、例えばコンベアであって、該コンベアが動作すると遊技球が下流から上流に運ばれて有利領域(第1特定領域61,第2特定領域62,第3特定領域63)に入賞しやすくなり、該コンベアが動作しないと遊技球が不利領域(第4特定領域64)に入賞しやすいようなものであっても良い。
上記の実施形態では、可動部である可動翼65,65が、自動で動作する例について説明したが、該可動翼65,65は、ピンボールのフリッパーの如く、ボタン操作により手動で動作するものであっても良く、該可動部を動作させない制御は、ボタン操作を無効にする制御をすれば良い。
上記の実施形態では、図2に示すように、可動部である可動翼65,65が、不利領域に遊技媒体を誘導しやすい第1態様65aと、該第1態様65aと異なる第2態様65bとで動作し、該第1態様65aで停止させることにより、可動部を動作させないように制御する例について説明したが、これに限らず、該第1態様65a及び第2態様65bを設けずに、可動部が動作していると遊技媒体が有利領域に誘導されやすく、可動部が動作していないと遊技媒体が不利領域に誘導されやすいようなものであっても良い。
上記の実施形態では、遊技球が不利領域(第4特定領域64)を通過した場合に、付与する遊技価値が最も低い特定遊技状態(5R大当り)に制御される例について説明したが、例えば通常大当りGや確変大当りGのように15R大当りのみ付与される場合には、遊技球が不利領域を通過した場合に、該15R大当りに制御されるようにしても良い。不正が行われて遊技球がいずれの特定領域を通過したとしても、付与される遊技価値は同じだからである。また、通常大当りD〜Fや確変大当りD〜Fのように10R大当り及び15R大当りが付与される場合には、遊技球が不利領域を通過した場合に、付与する遊技価値が最も低い10R大当りに制御されるようにしても良い。即ち、遊技球が不利領域を通過した場合に、特定領域に付与する遊技価値が最も低い大当りに制御されるものであっても良い。
上記の実施形態では、図7に示すように、可変表示が終了して大当り表示結果が導出表示されると(S11でYES)、遮蔽部材75が開放され(S12)、ステージ部400への遊技球の進入が有ると(S13でYES)、遮蔽部材75が閉鎖される(S14)例について説明したが、これに限らず、該遮蔽部材75は、大当り表示結果が導出表示されるか否かに関わらず、常時開閉されるものであっても良い。
上記の実施形態では、図7に示すように、可変表示が終了して大当り表示結果が導出表示され(S11でYES)、ステージ部400への遊技球の進入が有ると(S13でYES)、可動部(可動翼65,65)が動作する(S15)例について説明したが、これに限らず、該可動部は、大当り表示結果が導出表示されるか否か、及び、ステージ部400への遊技球の進入が有るか否かに関わらず、常時動作するものであっても良い。
上記の実施形態では、遊技球がステージ部400に進入して可動翼65,65が動作してから、該遊技球を有利領域に進入させようとする不正が多いため、図7に示すように、S13でステージ部400への遊技球の進入が有り、S15で可動翼65,65を動作させてから、S16で不正検出が有ると、S18で可動部を動作させない(可動翼65,65の動作を停止する)例について説明したが、これに限らず、予め不正検出がされているならば、可動部を動作させない(即ちS15を実行しない)ものであっても良い。
上記の実施形態では、不正検出手段(不正検出基板60a)により、不正な事象として、高周波信号,磁気,振動を検出する例について説明したが、これらの直接的な不正でなく、不正に繋がる事象を検出するものであっても良い。具体的には、遊技球を有利領域に進入させる不正に繋がるガラス扉枠2の開放や、特定領域スイッチによる検出の無効化に繋がる電源オフを、不正な事象として検出するものであっても良い。
上記の実施形態において、図7に示すように、S12で遮蔽部材75が開放されてから、遊技者が休憩する場合、他者がいたずらで遊技球を発射して大当り遊技状態を発生させるのを防止するために、例えば遊技者の操作により打球レールの途中に突出する打球ストッパを設けるようにしても良く、これによれば、他者がいたずらをするためには打球ストッパを対比させる手間が掛かるため、いたずらの減少に資することができる。また店員がガラス扉枠2を開けて当該打球ストッパを取り付けるようにしても良い。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。